説明

往復動ポンプ

【課題】マニホルドの小型化を図ると共に、高圧シール及び低圧シールに簡素な構成で液体を供給することができる往復動ポンプを提供する。
【解決手段】マニホルド5に吸入口55及び吐出口56を設け、シリンダ部4の少なくとも一部をマニホルド5から突出させてシリンダ突出部4aを形成する。マニホルド5から突出したシリンダ突出部4aの外側に配置された筒状の連通管6によってシリンダ突出部4aと連通管6との間に連通流路61を形成し、高圧シール45と低圧シール46との間に、シリンダ部4内側と連通流路61とを貫通する貫通流路43を設けることにより、マニホルド流路53から連通流路61を介して貫通流路43に繋がる流路53,61,43を形成する。この流路53,61,43を通じて、マニホルド流路53側からシリンダ部4内側の高圧シール45と低圧シール46との間に液体を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、往復動部材が駆動部の駆動に従いシリンダ部内を往復動することにより、当該シリンダ部内の先端側に形成されたポンプ室で例えば水等の液体のポンプ作用を行う往復動ポンプが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このような往復動ポンプにあっては、ポンプ室側から駆動部側へ液体が漏洩するのを防止するために、シリンダ部内におけるポンプ室側に高圧シール、及びシリンダ部内における駆動部側に低圧シールが往復動部材に液密に摺接するように設けられている。
【0003】
ところで、高圧シールや低圧シールに磨耗や焼き付け等が生じると、ポンプ室から液体が漏れてしまい、ポンプは規定の圧力を維持できなくなる。また、駆動部へ液体が容易に進入してしまい、潤滑油が汚染・劣化して潤滑性を失い、駆動部で焼き付けが生じポンプ破損を引き起こす虜がある。このため、高圧シール及び低圧シールの潤滑や冷却を行う必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、ポンプ室内に液体を導入する吸入口及びポンプ室内で圧縮された液体を吐出する吐出口を有するマニホルド内にシリンダ部を収容する往復動ポンプであって、シリンダ部のうちマニホルド内に収容された部位にそれぞれ設けられた高圧シール及び低圧シールに、マニホルドに設けられた流路を介して吸入口から液体を供給し、各シールの潤滑や冷却を行う構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ポンプ室内で圧縮された液体を吐出する吐出口を有する第1マニホルドと、ポンプ室内に液体を導入する吸入口を有する第2マニホルドとを備え、第2マニホルド内に往復動部材に摺接する高圧シールと低圧シールとが設けられた往復動ポンプであって、高圧シール及び低圧シールに対して、第2マニホルドに設けられた流路を介して吸入口から液体を供給し、各シールの潤滑や冷却を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭63−26780号公報
【特許文献2】特開2010−53861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、上記特許文献1,2に記載された何れのタイプの往復動ポンプに対しても、マニホルドの小型化が要求されると共に、高圧シール及び低圧シールの潤滑や冷却を行うための最適な態様も求められている。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、マニホルドの小型化を図ると共に、高圧シール及び低圧シールに簡素な構成で液体を供給することができる往復動ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による往復動ポンプ(100)は、往復動部材(1)がシリンダ部(4)内を駆動部(21,22,23)の駆動に従い往復動することで、当該シリンダ部(4)内の先端側に形成されたポンプ室(40)でポンプ作用を行う往復動ポンプ(100)であって、ポンプ室(40)を収容するとともに、当該ポンプ室(40)内に液体を導入する吸入口(55)及び当該ポンプ室(40)内で圧縮された液体を吐出する吐出口(56)を有するマニホルド(5)と、シリンダ部(4)内のポンプ室(40)側に配置され往復動部材(1)に液密に摺接する高圧シール(45)と、シリンダ部(4)内の駆動部(21,22,23)側に配置され往復動部材(1)に液密に摺接する低圧シール(46)と、を具備した往復動ポンプ(100)において、シリンダ部(4)の少なくとも一部がマニホルド(5)から駆動部(21,22,23)側に突出してシリンダ突出部(4a)を構成し、シリンダ突出部(4a)の外側を当該シリンダ突出部(4a)の外周面と所定の隙間を設けて覆う筒状に形成され、当該シリンダ突出部(4a)の外周面との間に連通流路(61)を形成する連通管(6)と、マニホルド(5)に形成され、液体を連通流路(61)に導くマニホルド流路(53)と、シリンダ突出部(4a)の高圧シール(45)と低圧シール(46)との間において、シリンダ突出部(4a)内側とシリンダ突出部(4a)外側の連通流路(61)とを貫通する貫通流路(43)と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
このような往復動ポンプ(100)によれば、マニホルド(5)に吸入口(55)及び吐出口(56)が設けられ、マニホルド(5)からシリンダ突出部(4a)が突出する構成のため、シリンダ部全体がマニホルドで覆われる従来技術と比較してマニホルド(5)の小型化を図ることができる。また、液体は、マニホルド流路(53)から、シリンダ突出部(4a)の外側の筒状の連通管(6)とシリンダ突出部(4a)との間に形成された連通流路(61)を通り、高圧シール(45)と低圧シール(46)との間を貫通する貫通流路(43)を通ってシリンダ部(4)内側の高圧シール(45)と低圧シール(46)との間に供給される。このように、シリンダ部(4)の少なくとも一部がマニホルド(5)から突出する構成であっても、筒状の連通管(6)及び貫通流路(43)を用いることによりシリンダ突出部(4a)内に簡素な構成で液体を供給することができ、高圧シール(45)及び低圧シール(46)の潤滑及び冷却を行うことが可能となる。
【0011】
また、マニホルド流路(53)は、吸入口(55)と連通流路(61)とを繋ぐことが好ましい。これによれば、吸入口(55)と連通流路(61)とがマニホルド流路(53)によって繋がれるため、吸入口(55)からポンプ室(40)に導入される液体の一部を連通流路61に導くことができる。このため、マニホルド(5)に高圧シール(45)及び低圧シール(46)に供給する液体専用の吸入口を設ける必要がない。
【0012】
また、高圧シール(45)及び低圧シール(46)は、シリンダ突出部(4a)内に配置されることが好ましい。これによれば、高圧シール(45)及び低圧シール(46)共にシリンダ突出部(4a)に位置するが、この場合であっても、流路(53,61,43)を介して液体を高圧シール(45)及び低圧シール(46)の双方に供給することができ、高圧シール(45)及び低圧シール(46)の潤滑及び冷却を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明によれば、マニホルドの小型化を図ることができると共に、高圧シール及び低圧シールに簡素な構成で液体を供給することができる往復動ポンプを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る往復動ポンプを示す縦断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図1に示す往復動ポンプの水平方向断面図である。
【図4】図3に示す往復動ポンプのIII−III断面図である。
【図5】図3に示す往復動ポンプのIV−IV断面図である。
【図6】図1に示す往復動ポンプの背面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る往復動ポンプの好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る往復動ポンプを示す縦断面図、図2は、図1の要部を拡大して示す縦断面図、図3は、図1に示す往復動ポンプの水平方向断面図である。また、図4は、図3に示す往復動ポンプのIII−III断面図、図5は、図3に示す往復動ポンプのIV−IV断面図、図6は、図1に示す往復動ポンプの背面を示す斜視図である。
【0016】
図1〜図6に示すように、往復動ポンプ100は、プランジャ1a及びこれに連結されたプランジャロッド1bを有する往復動部材1を三個並列して成る(図3参照)三連式の往復動ポンプであって、マニホルド5及び三個のシリンダ部4を、クランクケース2にシリンダ元金具3を介して連結することで構成されている。
【0017】
マニホルド5は、シリンダ部4の先端側及び先端のポンプ室40を収容すると共に、ポンプ室40内に使用液体(以降、「液体」と呼ぶ。)を導入する吸入口55とポンプ室40内で圧縮された液体を吐出する吐出口56とを有し、更に、ポンプ室40と吸入口55との間に吸入弁51を、ポンプ室40と吐出口56との間に吐出弁52をそれぞれ有している。
【0018】
シリンダ部4は、クランクケース2側の部分がマニホルド5から突出し、この突出した部位(シリンダ突出部4a)は、その外側が連通管6によって覆われている。特に図5及び図6等に示すように、マニホルド5とシリンダ元金具3とは、シリンダ元金具3から通された六角穴付ボルト80をマニホルド5に螺合させることによってシリンダ部4を間に挟んだ状態で連結される。また、シリンダ元金具3は、クランクケース2に装着された四本のボルト90が貫通し、該ボルト90に螺合するナット91を締め付けることによってクランクケース2に連結される。
【0019】
六角穴付ボルト80は、特に図4及び図6等に示すように、八本の六角穴付ボルト81A,81B,81C,81D,82A,82B,82C,82Dより構成され、シリンダ部4の並設方向に沿って四本の六角穴付ボルト81A〜81Dがこの順で配置され、これら四本の六角穴付ボルト81A〜81Dとシリンダ部4を挟んで対向するように四本の六角穴付ボルト82A〜82Dがこの順で配置される。特に図4に示すように、六角穴付ボルト80のうち、シリンダ部4の並設方向における中央側の四本の六角穴付ボルト81B,81C,82B,82Cにおいて、六角穴付ボルト81Bと六角穴付ボルト82Bとの間隔、及び六角穴付ボルト81Cと六角穴付ボルト82Cとの間隔は、シリンダ部4の並設方向における外側に配置された六角穴付ボルト81Aと六角穴付ボルト82Aとの間隔、及び六角穴付ボルト81Dと六角穴付ボルト82Dとの間隔よりも広くなっている。
【0020】
クランクケース2の内部には、往復動部材1の駆動部を構成するクランクシャフト21、コンロッド22及びピストンピン23が配置され、クランクシャフト21が回転することで、コンロッド22及びピストンピン23を介して、往復動部材1がシリンダ部4内を図1中の左右方向に往復動し、シリンダ部4内の先端側にそれぞれ形成されたポンプ室40が往復動部材1によって加圧/減圧される構成とされている。
【0021】
具体的には、特に図1に示すように、往復動部材1がクランクシャフト21側に向かって移動すると、ポンプ室40が減圧され、マニホルド5に設けられた吸入弁51の弁体51a及び吐出弁52の弁体52aが各々開及び閉となり、液体は、マニホルド5に設けられた吸入口55から吸入弁51の流路を通ってポンプ室40へ吸入され、一方、往復動部材1がクランクシャフト21と反対側に向かって移動すると、ポンプ室40が加圧され、吸入弁51の弁体51a及び吐出弁52の弁体52aが各々閉及び開となり、ポンプ室40の液体は吐出弁52の流路を通って、マニホルド5に設けられた吐出口56へ吐出され、液体を吸入し吐出するポンプ作用を行う構成とされている。
【0022】
マニホルド5には、クランクケース2側の端面に、シリンダ部4の先端部が差し込まれる差込穴58が形成されている。また、特に図2に示すように、差込穴58は、穴の奥側から順に、小径穴58a、小径穴58aよりも大径の中径穴58b、中径穴58bよりも大径の大径穴58cが形成されている。
【0023】
マニホルド5には、シリンダ部4の並設方向の両端部近傍において、吸入口55と差込穴58内とを繋ぐマニホルド流路53が設けられている。このマニホルド流路53は、直線状流路53aと、スリット状流路53bとを備えている(図3及び図4参照)。
【0024】
直線状流路53aは、一端が吸入口55に接続し他端がマニホルド5のクランクケース2側の面に開口する直線状に形成されている。直線状流路53aにおけるクランクケース2側の開口は、栓59によって封止されている。
【0025】
スリット状流路53bは、マニホルド5のクランクケース2側の端部近傍に形成され、直線状流路53aと当該直線状流路53aに近接する差込穴58の大径穴58c内とを繋ぐと共に、隣接する差込穴58内の大径穴58c同士を繋ぐスリット状に形成されている。
【0026】
シリンダ部4は、特に図2に示すように、前半部を構成する管状の第1シリンダ部41と、後半部を構成する管状の第2シリンダ部42とを連結することにより構成されている。シリンダ部4は、第1シリンダ部41側の端部からマニホルド5に差し込まれ、第1シリンダ部41の一部がマニホルド5内に進入する一方で、マニホルド5から突出する第1シリンダ部41の後側の一部及び第2シリンダ部42によって構成されたシリンダ突出部4aを有している。
【0027】
特に図2に示すように、第1シリンダ部41のマニホルド5側は、その端部外周側が他の部位よりも小径のシリンダ小径部41aとされ、このシリンダ小径部41aが、シリンダ部4がマニホルド5に差し込まれたときに、マニホルド5の小径穴58aに嵌合する。このとき、シリンダ小径部41aとこれより後ろ側の大径部位との間の段部41cと、差込穴58における小径穴58aと中径穴58bとの間の段部58dとが突き当たり、シリンダ部4の差し込み深さが規制される。
【0028】
第1シリンダ部41におけるシリンダ小径部41aの外周とマニホルド5における小径穴58aの内周面との間は、Oリング47(図2参照)によって液密に封止されている。差込穴58の中径穴58bの内周面と、第1シリンダ部41の外周面との間には、所定の隙間が設けられている。
【0029】
第1シリンダ部41における第2シリンダ部42と連結される側の端部内周側には、他の部位よりも内径が大径の大径部41bが形成されている。大径部41bには、往復動部材1に液密に摺接する高圧シール45が配置されている。高圧シール45は、例えば合成ゴム等を供える環状体である。この、高圧シール45(大径部41b)は、マニホルド5から突出した位置(マニホルド5より外方)に配置されている。
【0030】
第2シリンダ部42におけるシリンダ元金具3と当接する側の端部内周側には、他の部位よりも内径が大径の大径部42bが形成されている。大径部42bには、往復動部材1に液密に摺接する低圧シール46が配置されている。低圧シール46は、例えば合成ゴム等を供える環状体である。このように、高圧シール45及び低圧シール46は、共にシリンダ突出部4a内に配置されている。
【0031】
第2シリンダ部42には、第1シリンダ部41に連結される側の端部に、外径が小径の小径部42cが形成されている。第2シリンダ部42の外周において、小径部42cよりも後ろ側(シリンダ元金具3側)の大径部位には、後述する環状のOリングであるシール42aが配置されている。また、第2シリンダ部42の小径部42cには、第2シリンダ部42内側と第2シリンダ部42外側の連通流路61(詳しくは後述する)とを貫通する貫通流路43が設けられている。小径部42cを設けることにより、連通流路61の流路幅を確保することができる。
【0032】
連通管6は、特に図2に示すように、マニホルド5側の端部が大径穴58c内に差し込まれ、シリンダ突出部4aの外側を当該シリンダ突出部4aの外周面と所定の隙間を設けて覆う筒状に形成されて、シリンダ突出部4aの外側を覆うようにして配置されている。これにより、連通管6の内周面とシリンダ突出部4aの外周面(第1シリンダ部41と第2シリンダ部42の外周面)との間に連通流路61が形成される。
【0033】
そして、六角穴付ボルト80によってシリンダ元金具3、シリンダ部4、連通管6、マニホルド5を連結することにより、高圧シール45は、大径部41b内において、第2シリンダ部42によってマニホルド5側へ押圧され、これによりシリンダ部4に装着される。同様に、低圧シール46は、大径部42b内において、シリンダ元金具3によってマニホルド5側へ押圧され、これによりシリンダ部4に装着される。
【0034】
また、連通管6における大径穴58c内に差し込まれる側の端部の外周面には、環状のOリングであるシール6aが配置され、連通管6とマニホルド5とが液密に封止される。
【0035】
連通管6の外周面においてシール6aよりもシリンダ元金具3側の位置には、径方向外側に突出する環状の段部6bが設けられている。連通管6を大径穴58c内に差し込んだときに、段部6bと差込穴58の開口縁とが突き当たり、連通管6の差し込み深さが規制される。
【0036】
また、連通管6におけるシリンダ元金具3側の端部の内周面と第2シリンダ部42の外周面との間は、シール42aによって液密に封止されている。
【0037】
以上、本実施形態における往復動ポンプ100によれば、マニホルド5に吸入口55及び吐出口56が設けられ、シリンダ部4の少なくとも一部をマニホルド5から突出させることによりシリンダ突出部4aが構成される。このように、シリンダ部4全体がマニホルド5で覆われる構成ではないため、シリンダ部全体がマニホルドで覆われる従来技術と比較してマニホルド5の小型化を図ることができる。
【0038】
また、マニホルド5から突出したシリンダ突出部4aの外側に配置された筒状の連通管6によってシリンダ突出部4aと連通管6との間に連通流路61が形成され、高圧シール45と低圧シール46との間に、シリンダ部4内側と連通流路61とを貫通する貫通流路43が設けられることにより、マニホルド流路53から連通流路61を介して貫通流路43に繋がる流路53,61,43が形成される。これにより、この流路53,61,43を通じて、マニホルド流路53側からシリンダ部4内側の高圧シール45と低圧シール46との間に液体が供給される。
【0039】
このように、シリンダ部4の一部がマニホルド5から突出する構成であっても、筒状の連通管6及び貫通流路43を用いることによりマニホルド5の外部に位置するシリンダ突出部4a内に簡素な構成で液体を供給することができ、高圧シール45及び低圧シール46の潤滑及び冷却を行うことが可能となる。
【0040】
より詳細には、貫通流路43を介してシリンダ突出部4a内に導入された液体は、往復動部材1の外周面と第2シリンダ部42の内周面とで囲まれる筒状の間隙を介して高圧シール45及び低圧シール46の端面に到達し、高圧シール45及び低圧シール46の潤滑及び冷却を行うことができる。
【0041】
また、吸入口55と連通流路61とがマニホルド流路53によって繋がれるため、吸入口55からポンプ室40に導入される液体の一部を連通流路61に導くことができる。このため、マニホルド5に高圧シール45及び低圧シール46に供給する液体専用の吸入口を設ける必要がない。
【0042】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、マニホルド5からシリンダ部4の一部が突出する構成としたが、シリンダ部4の略全部が突出する構成であってもよい。
【0043】
また、高圧シール45(大径部41b)を、マニホルド5から突出した位置に配置するものとしたが、マニホルド5の内部に位置する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…往復動部材、4…シリンダ部、4a…シリンダ突出部、5…マニホルド、6…連通管、21…クランクシャフト、22…コンロッド、23…ピストンピン、40…ポンプ室、43…貫通流路、45…高圧シール、46…低圧シール、53…マニホルド流路、55…吸入口、56…吐出口、61…連通流路、100…往復動ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復動部材(1)がシリンダ部(4)内を駆動部(21,22,23)の駆動に従い往復動することで、当該シリンダ部(4)内の先端側に形成されたポンプ室(40)でポンプ作用を行う往復動ポンプ(100)であって、前記ポンプ室(40)を収容するとともに、当該ポンプ室(40)内に液体を導入する吸入口(55)及び当該ポンプ室(40)内で圧縮された前記液体を吐出する吐出口(56)を有するマニホルド(5)と、前記シリンダ部(4)内の前記ポンプ室(40)側に配置され前記往復動部材(1)に液密に摺接する高圧シール(45)と、前記シリンダ部(4)内の前記駆動部(21,22,23)側に配置され前記往復動部材(1)に液密に摺接する低圧シール(46)と、を具備した往復動ポンプ(100)において、
前記シリンダ部(4)の少なくとも一部が前記マニホルド(5)から前記駆動部(21,22,23)側に突出してシリンダ突出部(4a)を構成し、
前記シリンダ突出部(4a)の外側を当該シリンダ突出部(4a)の外周面と所定の隙間を設けて覆う筒状に形成され、当該シリンダ突出部(4a)の外周面との間に連通流路(61)を形成する連通管(6)と、
前記マニホルド(5)に形成され、前記液体を前記連通流路(61)に導くマニホルド流路(53)と、
前記シリンダ突出部(4a)の前記高圧シール(45)と前記低圧シール(46)との間において、前記シリンダ突出部(4a)内側と前記シリンダ突出部(4a)外側の前記連通流路(61)とを貫通する貫通流路(43)と、を備えたことを特徴とする往復動ポンプ(100)。
【請求項2】
前記マニホルド流路(53)は、前記吸入口(55)と前記連通流路(61)とを繋ぐことを特徴とする請求項1に記載の往復動ポンプ。
【請求項3】
前記高圧シール(45)及び前記低圧シール(46)は、前記シリンダ突出部(4a)内に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の往復動ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−47160(P2012−47160A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192679(P2010−192679)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000141174)株式会社丸山製作所 (134)
【Fターム(参考)】