説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】ユーザがキャンセル操作を容易に行うことができる技術が求められていた。
【解決手段】本開示によれば、近接した操作媒体を用いた入力操作を近接操作として検出可能な近接操作部が近接操作を検出した場合に、近接操作に基づいた近接処理を実行し、操作媒体が近接操作部から離れた場合に、近接処理をキャンセルする制御部を備える情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによる操作を簡便にするために、様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示された技術によれば、ユーザは、複数の選択候補画像から一つの選択候補画像を選択する選択操作をジョグダイヤルにより行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−140865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術では、ユーザは、自己が行った選択操作をキャンセルするために、ジョグダイヤルとは別のキャンセルボタンを操作する必要があった。このため、ユーザがキャンセル操作を容易に行うことができる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が近接操作を検出した場合に、近接操作に基づいた近接処理を実行し、操作媒体が近接操作部から離れた場合に、近接処理をキャンセルする制御部を備える情報処理装置が提供される。
【0006】
本開示によれば、操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が近接操作を検出した場合に、近接操作に基づいた近接処理を実行し、操作媒体が近接操作部から離れた場合に、近接処理をキャンセルすることを含む、情報処理方法が提供される。
【0007】
本開示によれば、コンピュータに、操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が近接操作を検出した場合に、近接操作に基づいた近接処理を実行し、操作媒体が近接操作部から離れた場合に、近接処理をキャンセルする制御機能を実現させる、プログラムが提供される。
【0008】
本開示によれば、ユーザは、操作媒体を近接操作部から離すだけで、近接操作をキャンセルすることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、ユーザは、操作媒体を近接操作部から離すだけで、近接操作をキャンセルすることができるので、容易にキャンセル操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の実施形態に係る情報処理装置を示すブロック図である。
【図2】近接操作の例を示す説明図である。
【図3】情報処理装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】表示部に表示される画像が遷移する様子を示す説明図である。
【図5】本実施形態の第1の変形例で表示される画像の一例を示す説明図である。
【図6】本実施形態の第1の変形例で表示される画像の一例を示す説明図である。
【図7】本実施形態の第2の変形例で表示される画像の一例を示す説明図である。
【図8】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.情報処理装置の構成
2.情報処理装置による処理の手順
3.第1の変形例
4.第2の変形例
【0013】
<1.情報処理装置の構成>
まず、図1及び図8に基づいて、情報処理装置10の構成について説明する。図1に示すように、情報処理装置10は、近接操作部11、記憶部12、提示部13、及び制御部14を備える。情報処理装置10は、図8に示すハードウェア構成により実現される。即ち、情報処理装置10は、ハードウェア構成として、液晶パネル500、近接検知可能タッチパネル501、操作ボタン502、接続端子503、ドライブ504、スピーカ506、インターフェース507−1、通信バス507−2、CPU508、ROM509、及びRAM510を備える。
【0014】
近接操作部11は、近接検知可能タッチパネル501により実現される。記憶部12は、ROM509、及びRAM510により実現される。提示部13は、液晶パネル500、及びスピーカ506により実現される。制御部14は、CPU508がROM509に記憶されたプログラムを読みだして実行することにより実現される。即ち、ROM509には、情報処理装置10を制御部14として機能させるためのプログラムが記憶される。
【0015】
操作ボタン502は、ユーザにより操作されるボタンであり、接続端子503は、情報処理装置10を他の情報処理装置に接続するためのケーブルが接続される部分である。ドライブ504は、リムーバブル記憶媒体505が着脱される部分である。インターフェース507−1及び通信バス508は、情報処理装置10の各構成要素を互いに接続するものである。
【0016】
近接操作部11は、近接した操作媒体(例えばユーザの指先、タッチペン等)を用いた入力操作を近接操作として検出する。なお、このような近接操作は、ジェスチャ操作とも称される。近接操作部11は、提示部13のうち、画像を表示する部分、即ち液晶パネル500の表面に配置される。近接操作部11は、近接操作を検出した場合には、近接操作の内容に関する近接操作情報を制御部14に出力する。
【0017】
近接操作は、例えば、操作媒体を近接操作部11に近接させた状態で移動または静止させる操作である。なお、操作媒体が近接操作部11に近接した状態とは、例えば、操作媒体と近接操作部11との間隔が0cmより大きく所定の近接閾値(例えば2〜3cm)以下となっている状態を意味する。また、本実施形態では、近接操作は、回転操作、静止操作、及びその他の操作に区分される。
【0018】
回転操作は、操作媒体を近接操作部11に近接させた状態で回転させる操作であり、静止操作は、操作媒体を近接操作部11に近接させた状態で静止させる操作である。回転操作の一例を図2(a)、(b)に示す。図2(a)は、ユーザUが回転操作を行なっている様子を示す側面図であり、図2(b)は平面図である。この例では、操作媒体は、ユーザUの指先U1となっている。回転操作は、近接操作部13に近接させた操作媒体を近接操作部13への近接を維持した状態で回転させる操作である。回転方向は右回転、左回転のどちらでもよく、回転方向に応じた処理、即ち近接処理が制御部14によって実行される。
【0019】
また、近接操作部11は、操作媒体の接触を接触操作として検出することもできる。近接操作部11は、接触操作を検出した場合には、接触操作の内容に関する接触操作情報を制御部14に出力する。
【0020】
また、近接操作部11は、操作媒体が近接操作部11から離れた場合には、その旨の離脱操作情報を制御部14に出力する。なお、操作媒体が近接操作部11から離れた状態とは、例えば、操作媒体と近接操作部11との間隔が所定の近接閾値より大きくなっている状態を意味する。
【0021】
本実施形態では、情報処理装置10は近接操作部11を備えるが、近接操作部11を備えていなくてもよい。近接操作部11を備えた情報処理装置10としては、例えば、デジタルカメラ、スマートフォン、スマートタブレット等が挙げられる。一方、近接操作部11を備えていない情報処理装置10としては、例えばパーソナルコンピュータが挙げられる。情報処理装置10が近接操作部11を備えていない場合、情報処理装置10に近接操作部11が着脱される。このような近接操作部11の例としては、タッチパッド等が挙げられる。
【0022】
記憶部13は、情報処理装置10が各種の処理を実行するために必要な情報、例えば各種の画像、音声情報、プログラム等を記憶する。このプログラムは、情報処理装置10に制御部14等の機能を実現させるものである。提示部13は、各種画像を表示し、音声情報を出力する。
【0023】
制御部14は、情報処理装置10の各構成要素を制御する他、以下の処理を行う。即ち、制御部14は、近接操作部11から近接操作情報が与えられた場合に、近接操作に応じた処理、即ち近接処理を行なう。制御部14は、近接操作部11から接触操作情報が与えられた場合に、接触操作に応じた処理、即ち接触処理を行なう。制御部14は、離脱操作情報が与えられた場合に、近接処理をキャンセルする。これにより、ユーザは、近接操作をキャンセルすることができる。
【0024】
<2.情報処理装置による処理の手順>
次に、情報処理装置10による処理の手順を図3に示すフローチャートに沿って説明する。なお、ここでは、情報処理装置10がデジタルカメラである場合を想定する。即ち、情報処理装置10の記憶部12には、ユーザが撮影した画像が選択候補画像として記憶されている。また、各選択候補画像には、選択候補画像毎に異なるインデックス番号が関連付けられている。インデックス番号は整数であり、各選択候補画像には1刻みで異なるインデックス番号が関連付けられている。また、操作媒体は、ユーザの指先とする。制御部14は、図3に示す処理を行うことで、複数の選択候補画像の中から、ユーザによる閲覧や編集等の対象となる操作対象画像を決定(確定)する。
【0025】
ステップS10において、制御部14は、図4(a)に示すように、複数の選択候補画像が一覧表示された一覧画像100を提示部13に表示する。ステップS20において、制御部14は、近接操作部11から近接操作情報が与えられたか否かを判定する。制御部14は、近接操作部11から近接操作情報が与えられたと判定した場合には、ステップS30に進み、近接操作部11から近接操作情報が与えられないと判定した場合には、ステップS10に戻る。一方、近接操作部11は、近接操作を検出した場合には、近接操作の内容に関する近接操作情報を制御部14に出力する。なお、制御部14は、一覧画像100の表示中に近接操作部11から接触操作情報が与えられた場合には、ステップS90の処理に直接進んでもよい。
【0026】
ステップS30において、制御部14は、近接操作情報に基づいて、ユーザの指先が一定時間以上同じ位置に静止したか否か(即ち、同じ選択候補画像に近接したか否か)を判定する。制御部14は、ユーザの指先が一定時間以上同じ位置に静止したと判定した場合には、ステップS40に進み、それ以外の場合には、ステップS10に戻る。
【0027】
ステップS40において、制御部14は、ユーザの指先が近接した選択候補画像を提示部13に表示する。図4(b)に表示例を示す。この例では、提示部13に選択候補画像101aが表示されている。なお、図4(b)に示す選択候補画像101bは、選択候補画像101aよりもインデックス番号が1大きく、選択候補画像101cは、選択候補画像101aよりもインデックス番号が1小さい。
【0028】
ステップS50において、制御部14は、近接操作部11から近接操作情報、接触操作情報、または離脱操作情報が与えられるまで待機する。ステップS60において、制御部14は、近接操作部11から近接操作情報が与えられたか否かを判定する。制御部14は、近接操作部11から近接操作情報が与えられたと判定した場合には、ステップS70に進み、近接操作部11から接触操作情報または離脱操作情報が与えられたと判定した場合には、ステップS80に進む。
【0029】
ステップS70において、制御部14は、近接操作に応じた選択候補画像を提示部13に表示する。これにより、制御部14は、近接処理を行なう。具体的には、例えば、制御部14は、ユーザが指先を右回転させた場合には、現在表示中の選択候補画像よりもインデックス番号が1大きい選択候補画像を提示部13に表示する。これにより、制御部14は、選択候補画像を順方向に画送りする。一方、制御部14は、ユーザが指先を左回転させた場合には、現在表示中の選択候補画像よりもインデックス番号が1小さい選択候補画像を提示部13に表示する。これにより、制御部14は、選択候補画像を逆方向に画送りする。
【0030】
なお、制御部14は、インデックス番号が最大の選択候補画像の表示中にユーザが指先を右回転させた場合には、インデックス番号が最小の選択候補画像を提示部13に表示する。同様に、制御部14は、インデックス番号が最小の選択候補画像の表示中にユーザが指先を左回転させた場合には、インデックス番号が最大の選択候補画像を提示部13に表示する。さらに、ユーザが回転操作を行なっても、指先が元の位置に戻るだけなので、ユーザは、回転操作を何度でも行なうことができる。したがって、制御部14は、エンドレスで選択候補画像を画送りすることができる。また、制御部14は、ユーザが回転方向を変えるだけで画送りの方向を変えることができるので、画送りの方向をシームレスに変えることができる。なお、制御部14は、回転操作以外の近接操作、例えば指先を近接操作部11の一方の端部から他方の端部まで移動させる操作に基づいて、画送りを行なってもよい。ただし、この場合、近接操作部11の端部で近接操作が終了してしまうので、制御部14は、エンドレスで画送りをすることができない。
【0031】
例えば、制御部14は、選択候補画像101aの表示中にユーザが指先を右回転させた場合には、選択候補画像101bを提示部13に表示する。一方、制御部14は、選択候補画像101aの表示中にユーザが指先を左回転させた場合には、選択候補画像101cを提示部13に表示する。制御部14は、ユーザが回転操作以外の近接操作を行った場合には、現在表示中の選択候補画像を継続して表示する。その後、制御部14は、ステップS50に戻る。
【0032】
これにより、ユーザは、近接操作を行なうことで、所望の選択候補画像、即ち操作対象画像とする選択候補画像を選択することができる。なお、この時点では、制御部14は、近接操作が行われても、操作対象画像を決定しない(即ち、即値で決定しない)ので、ユーザは、操作対象画像とする選択候補画像を仮決定することとなる。
【0033】
また、制御部14は、ユーザが指を近接操作部11から離した際に、近接処理をキャンセルすることができる。言い換えれば、ユーザは、指を近接操作部11から離すことで、近接操作をキャンセルすることができる。仮に制御部14が近接操作により操作対象画像を即値で決定してしまうと、ユーザが指を近接操作部11から離しても、その操作対象画像を表示し続ける必要がある。したがって、ユーザが操作対象画像を変更したい(近接操作をキャンセルしたい)場合には、別途の操作が必要になってしまう。
【0034】
なお、制御部14は、回転操作の回転半径に基づいて、1回転の回転操作毎に画送りする選択候補画像の数を決定してもよい。即ち、制御部14は、現在表示中の選択候補画像のインデックス番号を基準インデックス番号とし、回転半径の大きさに基づいて、インデックス番号の変化量を算出する。そして、制御部14は、右回転の回転操作が行われた場合には、基準インデックス番号に変化量を加算することで、新たなインデックス番号を算出し、算出されたインデックス番号を有する選択候補画像を表示する。制御部14は、左回転の回転操作が行われた場合には、基準インデックス番号から変化量を減算することで、新たなインデックス番号を算出し、算出されたインデックス番号を有する選択候補画像を表示する。これにより、例えば、制御部14は、回転半径がある値の場合には、選択候補画像を1インデックス分画送りし、回転半径が上記の値の3倍となる場合には、選択候補画像を3インデックス分画送りすることができる。
【0035】
ステップS80において、制御部14は、近接操作部11から接触操作情報が与えられたか否かを判定する。制御部14は、近接操作部11から接触操作情報が与えられたと判定した場合には、ステップS90に進む。一方、制御部14は、近接操作部11から離脱操作情報が与えられたと判定した場合には、ステップS10に戻る。これにより、制御部14は、近接処理、即ちユーザによる選択操作をキャンセルすることができる。
【0036】
ステップS90において、制御部14は、近接処理と異なる接触処理を行なう。具体的には、制御部14は、ユーザの指先が接触した選択候補画像を操作対象画像として決定(確定)し、操作対象画像と各種の編集用ボタン110とを提示部13に表示する。例えば、ユーザが提示部13に表示された選択候補画像101aに接触した場合には、図4(c)に示すように、選択候補画像101aを操作対象画像として決定し、操作対象画像101aと編集用ボタン110とを提示部13に表示する。ユーザは、編集用ボタン110を用いて、操作対象画像を編集することができる。その後、情報処理装置10は、図3に示す処理を終了する。
【0037】
以上により、本実施形態によれば、情報処理装置10は、近接操作部11が近接操作を検出した場合に、近接操作に基づいた近接処理を実行し、操作媒体が近接操作部11から離れた場合に、近接処理をキャンセルする。これにより、ユーザは、操作媒体、例えば自己の指を近接操作部11から離すだけで近接操作をキャンセルすることができるので、自己の操作を容易にキャンセルすることができる。即ち、ユーザは、容易にキャンセル操作を行うことができる。
【0038】
さらに、情報処理装置10は、近接操作に応じた選択候補画像を提示部13に表示するので、ユーザは、所望の選択候補画像を情報処理装置10に容易に表示させることができ、かつ、選択候補画像の選択を容易にキャンセルすることができる。
【0039】
さらに、情報処理装置10は、操作媒体が近接操作部11に近接するまで、一覧画像100を提示部13に表示し、近接操作が行われた場合に、近接操作に応じた選択候補情報を表示する。したがって、ユーザは、まず選択候補画像の一覧を確認した上で、所望の選択候補画像を情報処理装置10に表示させることができる。
【0040】
また、情報処理装置10は、操作媒体が近接操作部11から離れた際に、一覧画像100を提示部13に表示することで、近接処理をキャンセルするので、近接処理を容易にキャンセルすることができる。また、ユーザは、近接処理がキャンセルされたことを容易に把握することができる。
【0041】
また、情報処理装置10は、操作媒体が近接操作部11に接触した場合に、近接処理と異なる接触処理を行うので、ユーザは、操作媒体を近接操作部11に接触させるだけで、情報処理装置10に接触処理を行わせることができる。特に、情報処理装置10は、操作媒体が接触した選択候補画像を操作対象画像として決定するので、ユーザは、操作対象画像を容易に決定することができる。
【0042】
さらに、ユーザは、近接操作、接触操作、及び離脱操作(操作媒体を近接操作部11から離す操作)という一連の操作を行うだけで、操作対象画像の仮決定、決定、及びキャンセルを行なうことができる。したがって、ユーザは、操作対象画像の仮決定、決定、及びキャンセルを容易に行うことができる。なお、情報処理装置10は、選択候補画像を選択候補情報として表示したが、各種の文字情報を選択候補情報として表示してもよい。
【0043】
<3.第1の変形例>
次に、第1の変形例について説明する。第1の変形例は、情報処理装置10が画像レタッチ処理を行なうものである。まず、制御部14は、図5(a)に示すように、提示部13に基準画像200と各種の編集用ボタン210とを表示することで、通常モードに移行する。これらの編集用ボタン210には、基準画像200の明るさを調整するための明るさ調整ボタンが含まれる。
【0044】
制御部14は、ユーザの指先U1が明るさ調整ボタンに接触(または近接)した場合に、明るさ調整モードに移行する。制御部14は、明るさ調整モードとなっている場合には、ユーザからの回転操作に基づいて、基準画像200を調整することができる。これにより、制御部14は、近接処理を行なう。
【0045】
具体的には、制御部14は、図5(b)に示すように、右回転の回転操作が行われた場合には、基準画像の明るさが回転数に応じた量だけ増加した調整画像を表示し、左回転の回転操作が行われた場合には、基準画像200の明るさが回転数に応じた量だけ減少した調整画像を表示する。なお、この時点では、明るさの調整量は確定していない。
【0046】
次いで、制御部14は、ユーザの指先U1が近接操作部11に接触した場合には、調整画像を新たな基準画像200として確定し、表示することで、通常モードに戻る。これにより、制御部14は、接触処理を行なう。一方、制御部14は、ユーザの指先U1が近接操作部11から離れた場合には、近接処理、即ち明るさの調整をキャンセルし、元の基準画像200を表示する。これにより、制御部14は、通常モードに戻る。
【0047】
なお、制御部14は、他の近接操作、例えば指先を近接操作部11の一方の端部から他方の端部まで移動させる操作に基づいて、基準画像200の明るさを調整してもよい。例えば、制御部14は、図6に示すように、指先U1の上下方向の移動に応じて、基準画像200の明るさを調整してもよい。上述したように、指先を近接操作部11の一方の端部から他方の端部まで移動させる操作では、近接操作が近接操作部11の端部で終了してしまう。しかし、明るさの値にも一定の上限値、下限値がある。したがって、制御部14は、このような近接操作に基づいて基準画像200の明るさを調整する場合であっても、基準画像200の明るさを正確に調整することができる。なお、情報処理装置10は、明るさのみならず、彩度等、他のパラメータを調整してもよい。
【0048】
したがって、第1の変形例では、情報処理装置10は、近接操作に基づいて基準画像200を調整することで調整画像を生成し、調整画像を提示部13に表示する。これにより、ユーザは、例えば自己の指を近接操作部11から離すだけで、基準画像200の調整をキャンセルすることができる。
【0049】
<4.第2の変形例>
次に、第2の変形例について説明する。第2の変形例は、情報処理装置10が音声情報の出力中に音量を調整するものである。まず、制御部14は、音量の調整対象となる基準音声情報を出力する。さらに、制御部14は、図7(a)に示すように、基準音声情報の出力中であることを示す音声出力用画像300と各種の編集用ボタン310とを表示する。これにより、制御部14は、通常モードに移行する。これらの編集用ボタン310には、音声情報の音量を調整するための音量調整ボタンが含まれる。
【0050】
制御部14は、ユーザの指先U1が音量調整ボタンに接触(または近接)した場合に、音量調整モードに移行する。制御部14は、音量調整モードとなっている場合には、ユーザからの回転操作に基づいて、基準音声情報の音量を調整することができる。これにより、制御部14は、近接処理を行なう。
【0051】
具体的には、制御部14は、図7(b)に示すように、右回転の回転操作が行われた場合には、基準音声情報の音量が回転数に応じた音量だけ増加した調整音声情報を生成し、出力する。一方、制御部14は、左回転の回転操作が行われた場合には、基準音声情報の音量が回転数に応じた音量だけ減少した調整音声情報を生成し、出力する。なお、この時点では、音量の調整量は確定していない。
【0052】
次いで、制御部14は、ユーザの指先U1が近接操作部11に接触した場合には、調整音声情報を新たな基準音声情報として確定し、出力することで、通常モードに戻る。これにより、制御部14は、接触処理を行なう。一方、制御部14は、ユーザの指先U1が近接操作部11から離れた場合には、近接処理、即ち音量の調整をキャンセルし、元の基準音声情報を出力する。これにより、制御部14は、通常モードに戻る。なお、制御部14は、他の近接操作、例えば指先を近接操作部11の一方の端部から他方の端部まで移動させる操作に基づいて、基準音声情報の音量を調整してもよい。この理由は第1の変形例と同様である。
【0053】
したがって、第2の変形例では、情報処理装置10は、近接操作に基づいて基準音声情報を調整することで調整音声情報を生成し、出力する。これにより、ユーザは、例えば自己の指を近接操作部11から離すだけで、基準音声情報の調整をキャンセルすることができる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、情報処理装置10が画像作成処理を行なってもよい。この場合、情報処理装置10は、ユーザの回転操作に基づいて、スタンプ画像を拡大、縮小してもよい。また、情報処理装置10は、ユーザがスタンプ画像にタッチした際に、各スタンプ画像の大きさを確定し、ユーザが指先を近接操作部11から離した際に、スタンプ画像の調整をキャンセルし、スタンプ画像の大きさを元に戻してもよい。
【0055】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が前記近接操作を検出した場合に、前記近接操作に基づいた近接処理を実行し、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた場合に、前記近接処理をキャンセルする制御部を備える情報処理装置。
(2)
前記制御部は、前記近接操作に応じた情報を提示する制御を行なうことで、前記近接処理を行なう、前記(1)記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記操作媒体が前記近接操作部に近接するまで、複数の選択候補情報を一覧表示する制御を行い、前記近接操作が行われた場合に、前記近接操作に応じた前記選択候補情報を表示する制御を行う、前記(2)記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた際に、複数の選択候補情報を一覧表示する制御を行なうことで、前記近接処理をキャンセルする、前記(3)記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記近接操作に基づいて画像を調整することで調整画像を生成し、前記調整画像を表示する制御を行う、前記(2)記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記近接処理に基づいて音声情報を調整することで調整音声情報を生成し、前記調整音声情報を出力する制御を行う、前記(2)記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記操作媒体が前記近接操作部に接触した場合に、前記近接処理と異なる接触処理を行う、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が前記近接操作を検出した場合に、前記近接操作に基づいた近接処理を実行し、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた場合に、前記近接処理をキャンセルすることを含む、情報処理方法。
(9)
コンピュータに、
操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が前記近接操作を検出した場合に、前記近接操作に基づいた近接処理を実行し、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた場合に、前記近接処理をキャンセルする制御機能を実現させる、プログラム。
【符号の説明】
【0056】
10 情報処理装置
11 近接操作部
12 記憶部
13 提示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が前記近接操作を検出した場合に、前記近接操作に基づいた近接処理を実行し、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた場合に、前記近接処理をキャンセルする制御部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記近接操作に応じた情報を提示する制御を行なうことで、前記近接処理を行なう、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作媒体が前記近接操作部に近接するまで、複数の選択候補情報を一覧表示する制御を行い、前記近接操作が行われた場合に、前記近接操作に応じた前記選択候補情報を表示する制御を行う、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた際に、複数の選択候補情報を一覧表示する制御を行なうことで、前記近接処理をキャンセルする、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記近接操作に基づいて画像を調整することで調整画像を生成し、前記調整画像を表示する制御を行う、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記近接処理に基づいて音声情報を調整することで調整音声情報を生成し、前記調整音声情報を出力する制御を行う、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作媒体が前記近接操作部に接触した場合に、前記近接処理と異なる接触処理を行う、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が前記近接操作を検出した場合に、前記近接操作に基づいた近接処理を実行し、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた場合に、前記近接処理をキャンセルすることを含む、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
操作媒体を近接させた状態で行う入力操作である近接操作を検出可能な近接操作部が前記近接操作を検出した場合に、前記近接操作に基づいた近接処理を実行し、前記操作媒体が前記近接操作部から離れた場合に、前記近接処理をキャンセルする制御機能を実現させる、プログラム。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−114481(P2013−114481A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260434(P2011−260434)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】