説明

情報処理装置

【課題】僅かな数の動きパターンが与えられることによって所定の機能を実行する。
【解決手段】加速度センサ18によって測定された加速度が、所定の動作パターンを示すことが動きパターン検出通知機能11−1によって検出されると、システム動作実行機能11−3は、その動きパターンと対応付けられて動きパターンシステム動作対応記憶部12に記憶されたシステム動作を行い、また、ゲーム処理部21は、実行中のゲームプログラムに依存した動作を行う。そこで、ゲーム処理部21は、ゲームプログラム実行の際、システム動作抑止機能11−2に要求して、システム動作実行機能11−3の動きパターンに起因するシステム動作を抑止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に係り、特に、装置に加えられた加速度に依存して動作する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置などの小型の携帯型の情報処理装置への動作指示は、キー操作によって与えられることが多い。しかしながら、小型の装置のキーは小さく、操作に慣れない使用者は、キー操作を困難に感じることもある。
【0003】
そこで、使用者は、装置を動かすことによって、装置に動作指示を与えることが知られている。即ち、装置は加速度センサを備え、加速度センサは、装置に与えられた加速度を測定することによって装置に与えられた動きのパターンを検出する。そして、一連の動きパターンと、装置の機能とを一対一に対応付けて記憶し、その一連の動きパターンが検出された場合、その一連の動きパターンと対応付けて記憶された機能を実行させる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2008−176641号公報(第11−13、20頁、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、一連の動きパターンと、装置の機能との対応を一対一の対応関係としたため、一連の動きパターンは数個にも及ぶ動きパターンからなる結果、使用者は、1つの機能の実行のために、数回にも及んで装置を動かす必要がある問題点があった。また、使用者は、機能に対応付けられた一連の動きパターンを記憶しきれない可能性がある問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、僅かな数の動きパターンが与えられることによって所定の機能を実行する情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、センサと、前記センサによる測定結果から所定の動きパターンを検出する動きパターン検出手段と、前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行う制御手段と、前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられたアプリケーション動作を行うアプリケーション処理手段とを有し、前記制御手段は、前記アプリケーション処理手段が動作中に前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、僅かな数の動きパターンが与えられることによって所定の機能を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明による情報処理装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置が適用された移動通信装置の、上下筐体MS1、MS2のスライドを開いた時の外観図であり、図1(a)は正面図を、図1(b)は側面図を示す。
【0009】
この移動通信装置は、スライド部(図示せず)を上筐体MS1が上下方向へスライドすることによって、上下筐体MS1、MS2が、開閉自在に構成されており、図1は、上筐体MS1が上方向にスライドされて上下筐体MS1、MS2が開かれた際の外観である。上筐体MS1の正面、即ち、下筐体MS2と逆方向の面には、受話に用いられるスピーカ15aと、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、カーソル位置や、装置の動作状態の表示などに用いられるバックライト付きのLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部16とが設置されている。更に、上筐体MS1の内部には、加速度センサ18が設置されている。
【0010】
下筐体MS2の正面、即ち、上筐体MS1側の面には、キーパッドからなる入力部17と、送話に用いられるマイクロフォン15bとが設置されている。また、下筐体MS2の内面には、電波の送受に用いられるアンテナ(図示せず)が設置されている。上下筐体MS1、MS2が開状態にあっては、入力部17の全てのキーが現れて、操作可能である。
【0011】
ここで、入力部17は、英数字や文字、記号の入力などに用いられる数字キーと、移動通信装置の電源の投入及び切断などの動作指示の入力に用いられる複数の機能キーとを含む。
【0012】
表示部16が設置された筐体、即ち、上筐体MS1の動きのパターンを説明するために、上筐体MS1の中央で互いに直交する3軸、即ち、図示したように、上下方向にX軸(上が正の方向。)、左右方向にY軸(左が正の方向。)、前後方向にZ軸(手前が正の方向。)の3軸を定める。
【0013】
図2は、移動通信装置の、上下筐体MS1、MS2を閉じた時の外観図であり、図2(a)は正面図を、図2(b)は側面図を示す。スライドを閉じる、即ち、上筐体MS1が下方向へスライドされることによって、下筐体MS2の正面側に設置された入力部17が隠れて、上下筐体MS1、MS2は、閉状態となる。上筐体MS1の中央で互いに直交する3軸については、開状態である場合と同じである。
【0014】
図3は、移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、動きパターンシステム動作対応記憶部12と、移動通信網に属する基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行うアンテナ13aと、移動通信網通信部13bと、移動通信網送受信部14と、受話に用いられるスピーカ15aと、送話に用いられるマイクロフォン15bと、通話部15cと、使用者へ情報の提示を行う表示部16と、使用者からの操作指示を入力する入力部17と、X、Y、Zの3軸方向の加速度を測定する加速度センサ18と、ゲーム処理部21と、ゲームプログラム記憶部22と、歩数計測部23とからなる。
【0015】
動きパターンシステム動作対応記憶部12には、動きパターンシステム動作対応が記憶される。ゲームプログラム記憶部22には、ゲーム処理部21によって実行されるゲームプログラムが記憶される。
【0016】
プログラムを実行することで実現される本発明に関する機能として、制御部11には、動きパターン検出通知機能11−1と、システム動作抑止機能11−2と、システム動作実行機能11−3とが存在している。
【0017】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信装置の各部の動作を、図1〜図3を参照して説明する。
【0018】
動きパターン検出通知機能11−1は、加速度センサ18によって測定された互いに直交するX、Y、Zの3軸方向の加速度を入力し、歩数計測部23が動作中は、これらの加速度をAPI(Application Programming Interface)を介して歩数計測部23に送る。
【0019】
また、動きパターン検出通知機能11−1は、加速度センサ18によって測定された互いに直交する3軸方向の加速度が所定の動きパターン(ジェスチャ)を示しているか否かを検出する。そして、検出された場合、検出された動きパターンをシステム動作実行機能11−3へ送る。また、ゲーム処理部21から動きパターン送信の要求がAPIを介してあった以降、ゲーム処理部21へもAPIを介して送る。ゲーム処理部21から動きパターン送信中止の要求がAPIを介してあった以降、ゲーム処理部21へは送らない。
【0020】
システム動作抑止機能11−2は、ゲーム処理部21からシステム動作抑止の要求がAPIを介してあった以降、動きパターン検出通知機能11−1から送られた動きパターンに起因するシステム動作実行機能11−3の動作を抑止する。ゲーム処理部21からシステム動作抑止解除の要求がAPIを介してあった以降、システム動作抑止機能11−2は、システム動作実行機能11−3の上記の動作を抑止しない。
【0021】
システム動作実行機能11−3は、動きパターン検出通知機能11−1から送られた動きパターンに起因して、その動きパターンと関連付けられて動きパターンシステム動作対応記憶部12に記憶されたシステム動作、例えば、表示部16に表示される内容の回転、表示部16に表示される内容の全部又は一部の表示中止、入力部17のキー操作に従う制御部11のタスク管理機能の起動を行う。
【0022】
このシステム動作は、アプリケーション処理部(ゲーム処理部21及び歩数計測部23)の動作に依存しない。なお、システム動作実行機能11−3は、入力部17の所定のキー操作に起因しても、上記システム動作を行うので、そのシステム動作のために、動きパターン検出通知機能11−1から動きパターンが送られることは必須ではない。
【0023】
移動通信網通信部13bは、アンテナ13aを介して受信した高周波信号を移動通信網送受信部14に送信する。また、移動通信網送受信部14から送信された高周波信号を、アンテナ13aを介して送信する。
【0024】
移動通信網送受信部14は、移動通信網通信部13bから送信された高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、復調されたデジタル音声信号を通話部15cに送信し、また、制御信号を制御部11に送信する。更には、通話部15cから送信されたデジタル音声信号、及び、制御部11から送信された制御信号を変調、周波数変換及び増幅し、増幅された高周波信号を移動通信網通信部13bに送信する。
【0025】
通話部15cは、移動通信網送受信部14から送信されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して増幅し、増幅されたアナログ音声信号をスピーカ15aに送る。また、マイクロフォン15bが出力するアナログ音声信号を増幅し、増幅されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換して移動通信網送受信部14へ送信する。
【0026】
表示部16は、制御部11に制御されることで、文字・数字や画像データの表示動作を行う。また、表示されているデータは、入力部17からの入力信号に応答して、また、ゲーム処理部21の動作に依存して切換わる。
【0027】
入力部17は、複数のキースイッチからなり、入力部17のキーが操作されると、そのキーの識別子が制御部11に通知され、制御部11によって表示部16に文字として表示され、また、移動通信装置の各部によって制御が行われる。
【0028】
ゲーム処理部21は、入力部17の所定のキー操作に基づいて起動され、ゲームプログラム記憶部22に記憶されたゲームプログラムの中から入力部17の所定のキー操作に基づいて選択されたプログラムを実行する。そのプログラムの動作の一環として、ゲーム処理部21は、動きパターン検出通知機能11−1へ動きパターンの送信を要求し、動きパターン検出通知機能11−1から送られた動きパターンに依存してプログラムを実行することがある。
【0029】
動きパターンが送られた際のゲーム処理部21の動作は、実行中のゲームプログラム内のデータとして、又は、そのプログラムに組み込まれることによって記憶された動きパターンとアプリケーション動作との対応に従う。この動きパターン送信の要求に併せて、ゲーム処理部21は、システム動作抑止機能11−2へシステム動作抑止を要求する。
【0030】
なお、動きパターン送信要求に係るプログラムの終了の際、そのプログラムの動作の一環として、又は、そのプログラムとは独立に、ゲーム処理部21は、動きパターン検出通知機能11−1へ動きパターン送信中止を要求する。併せて、システム動作抑止機能11−2へシステム動作抑止解除を要求する。
【0031】
歩数計測部23は、入力部17の所定のキー操作に基づいて動作を開始し、加速度センサ18によって測定された3つの軸方向加速度のそれぞれを二乗して加算し、この加算結果の平方根を求めることによって装置の動きの加速度を計算する。そして、計算された加速度を所定のサンプリング周波数でサンプリングし、加速度変化の周波数分布と、周波数成分毎の強さとを示すスペクトルが歩行によるスペクトルであると判定される度に、歩数計測部23内に記憶された歩数を加算する。
【0032】
そして、歩数計測部23は、入力部17の所定のキー操作に基づいて、歩数計測部23内に記憶された歩数を表示部16に表示させ、また、その記憶された歩数を0にリセットする。歩数計測部23は、システム動作抑止機能11−2へシステム動作抑止を要求しないので、歩数計測部23の動作は、システム動作実行機能11−3によるシステム動作に何ら影響を与えない。
【0033】
ここで、動きパターンシステム動作対応記憶部12に記憶される動きパターンシステム動作対応と、動きパターン検出通知機能11−1によって検出される動きパターンとを併せて説明する。
【0034】
図4は、動きパターンシステム動作対応の構成の一例であり、動きパターン12aと、システム動作12bとが関連付けられた情報からなる。動きパターン12aは、動きパターン検出通知機能11−1によって検出される移動通信装置の動きパターンであって、「回転」、「シェイク」、「チルト」、「タップ」、及び「ダブルタップ」のいずれを識別する情報である。
【0035】
上記の動きパターンを、図5を参照して説明する。「回転」は、Z軸を中心とした回転の動き、言い換えると、X−Y平面の回転の動きである。動きパターン検出通知機能11−1は、「回転」が検出された場合、併せて、その回転方向と、回転角度とを検出して、動きパターンに含ませる。ここで、回転角度は、例えば、90度単位でも良く、45度単位でも良い。
【0036】
「シェイク」は、X−Y平面上での振りの動き、即ち、往復の動きである。「チルト」は、X軸を中心とした傾ける動き、言い換えると、Y−Z平面の少ない回転角度での回転の動きである。動きパターン検出通知機能11−1は、「チルト」が検出された場合、併せて、その傾き方向(回転方向と等しい。)を検出して、動きパターンに含ませる。
【0037】
「タップ」は、衝撃を与える動き、例えば、上筐体MS1に設置された表示部16の画面を指先などで軽く叩く動きである。「ダブルタップ」は、所定の時間間隔以内に上記衝撃を与える動きが2回行われる動きである。
【0038】
システム動作12bは、システム動作実行機能11−3によって行われる、アプリケーション処理部の動作に依存しない所定のシステム動作を識別する情報であって、例えば、表示部16に表示される内容の回転や、表示部16に表示される内容の全部又は一部の表示中止を識別する情報である。
【0039】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信装置において、ゲームプログラムの実行の際、ゲーム処理部21が動きパターンに起因するシステム動作実行機能11−3の動作を抑止し、また、その抑止を解除する動作の一例を説明する。
【0040】
図6は、ゲーム処理部21がゲームプログラムの実行の際、動きパターンに起因するシステム動作実行機能11−3の動作を抑止し、また、その抑止を解除する動作の一例のフローチャートを示す。なお、ここで説明するシステム動作実行機能11−3の動作を抑止し、また、その抑止を解除する動作を行うか否かは、実行されるゲームプログラムに依存する。入力部17のキー操作による指示を入力して動作するゲームプログラムには、上記抑止及び抑止解除の動作のプログラムが含まれない結果、ゲーム処理部21は、上記抑止及び抑止解除の動作を行わないことが通例である。
【0041】
ゲーム処理部21は、ゲームプログラムの実行を開始し(ステップS21a)、システム動作抑止機能11−2にシステム動作の抑止を要求する(ステップS21b)と共に、動きパターン検出通知機能11−1に動きパターンの送信を要求する(ステップS21c)。そして、入力部17のキー操作と、動きパターン検出通知機能11−1から送られた動きパターンとを入力し、それらの入力されたキー操作と動きパターンとに従ってゲームプログラムを実行する(ステップS21d)。
【0042】
ゲーム処理部21は、上記キー操作又は動きパターンがゲームプログラムの実行の終了を示すか否かを判断し(ステップS21e)、終了でないと判断された場合、ステップS21dの入力と、その入力に従ったゲームプログラムの実行に移る。終了であると判断された場合、ゲーム処理部21は、システム動作抑止機能11−2にシステム動作抑止解除を要求する(ステップS21f)と共に、動きパターン検出通知機能11−1に動きパターンの送信中止を要求して(ステップS21g)、ゲームプログラムの実行を終了する(ステップS21h)。
【0043】
以上の動作により、同じ動きパターンが動きパターン検出通知機能11−1によって検出された場合、ゲーム処理部21が所定のゲームプログラムを実行している場合であるか否かによって、移動通信装置の動作は異なる。言い換えると、1つの動きパターンによって、移動通信装置に対する、状況に応じた複数種類の指示とすることができる。
【0044】
なお、例えば着信信号が受信されることによって、ゲームプログラムの実行が中断された場合、ゲーム処理部21は、ステップS21fのシステム動作抑止解除要求の動作と、ステップS21gの動きパターンの送信中止要求の動作とを行う。また、中断されたゲームプログラムの実行を再開する際、ゲーム処理部21は、ステップS21bのシステム動作の抑止要求の動作と、ステップS21cの動きパターンの送信要求の動作とを行う。このため、システム動作実行機能11−3は、ゲーム処理部21が動作を中断している際、動きパターンに起因して所定のシステム動作を行う。
【0045】
また、以上の説明で、ゲーム処理部21は、実行するゲームプログラムに従って、ステップS21bのシステム動作の抑止要求の動作と、ステップS21cの動きパターンの送信要求の動作と、ステップS21fのシステム動作抑止解除要求の動作と、ステップS21gの動きパターンの送信中止要求の動作とを行うとしたが、これに限るものではない。
【0046】
例えば、動きパターンに従った動作をするか否かがゲームプログラムの属性としてゲームプログラム記憶部22に記憶され、ゲーム処理部21又は制御部11のタスク管理機能は、ゲームプログラムの実行開始、終了、中断、及び再開にあたり、その属性を参照して、上記のシステム動作の抑止要求、動きパターンの送信要求、システム動作抑止解除要求、及び、動きパターンの送信中止要求を行うとしても良い。
【0047】
以上の説明では、システム動作抑止機能11−2は、システム動作実行機能11−3の動作を抑止し、また、抑止解除する際、全ての動きパターンに起因する動作を抑止し、また、抑止解除するとしたが、これに限るものではない。動きパターン12aを指定して、抑止し、及び/又は、抑止解除しても良い。これによれば、ゲーム処理部21は、実行中のゲームが一部の動きパターン12aに従って動作する場合、その一部の動きパターン12aに起因するシステム動作実行機能11−3の動作を抑止させ、また、抑止解除させることができる。
【0048】
以上の説明で、動きパターン検出通知機能11−1によって検出される移動通信装置の動きのパターンは、「回転」、「シェイク」、「チルト」、「タップ」、及び「ダブルタップ」の5種類であるとした。これは、片手で保持される小型の装置を動かすにあたり、使用者が片手で容易に行うことができ、かつ、なるべく多種の動き、更には、動きパターン検出通知機能11−1による検出誤りが少ない動きを選択したものである。複雑な動き、及び、連続した複数の動きは、使用者の記憶違いに起因する誤操作を招く可能性が大きく、また、検出誤りが多くなる可能性があり、装置は使い難くなる可能性があって、好ましくない。
【0049】
以上の説明では、加速度センサ18は、上筐体MS1の内部に設置されるとした。これは、ゲームの実行に際し、使用者は、上下筐体MS1、MS2が閉じられた状態で装置を保持し、又は、表示部16が設置された上筐体MS1を保持し、装置を動かすことによってゲーム処理部21に指示を与え、ゲーム処理部21によるゲームの実行結果を表示部16によって視認する状況が多いためである。この状況において、加速度センサ18を表示部16が設置された上筐体MS1内に設置することによって、動作パターンの検出誤差を少なくすることができる。
【0050】
しかし、これに限るものではなく、ゲーム処理部21が、主に入力部17のキー操作に従って動作するゲームを動作させる際、使用者は、入力部17が設置された下筐体MS2を保持する状況が多いため、加速度センサ18を入力部17が設置された下筐体MS2内に設置することが動作パターンの検出誤差を少なくするために適切である。また、加速度センサ18は、ケーブルを介して、又は、近距離無線通信回線を介して装置の筐体と接続されたリコモン部(図示せず)に設置されるとしても良い。この場合、使用者は、リモコン部を保持するので、動作パターンの検出誤差を少なくすることができる。
【0051】
以上の説明で、ゲーム処理部21は、ゲームプログラムの実行を開始した直後から、ゲームプログラムの実行を終了する直前まで、システム動作抑止機能11−2にシステム動作を抑止させ、また、動きパターン検出通知機能11−1に動きパターンを送信させるとしたが、これに限るものではない。動きパターンに依存した動きをする特定の段階でのみ、システム動作を抑止させ、また、動きパターンを送信させるとしても良い。
【0052】
以上の説明で、ゲーム処理部21は、動きパターン検出通知機能11−1から送られた動きパターンに依存した動きをするので、システム動作抑止機能11−2にシステム動作の抑止を要求するアプリケーション処理部の一例として記載した。一方、歩数計測部23は、上記動きパターンに依存した動きをしないので、上記システム動作の抑止を要求しないアプリケーション処理部の一例として記載した。これら以外のアプリケーション処理部であっても、動きパターンに依存した動きをするか否かに依存して、システム動作の抑止を要求し、又は、要求しないことによって、装置は適切な動作をする。
【0053】
以上の説明では、動きパターン検出通知機能11−1は、加速度センサ18によって測定された加速度から所定の動きパターンを検出するとしたが、これに限るものではない。加速度センサ18に代えて、又は、加えて、地磁気センサ(図示せず)、照度センサ(図示せず)、タッチセンサ(図示せず)、圧力センサ(図示せず)によって測定された結果を用いて動きパターンを検出しても良い。
【0054】
「回転」、「シェイク」、及び「チルト」の動きパターンは、地磁気センサによって測定された地磁気から検出可能である。また、「タップ」及び「ダブルタップ」の動きパターンは、照度センサ、タッチセンサ、圧力センサによって測定された指の位置とセンサとの位置関係から検出可能である。これらのセンサは、表示部16の表示画面と一体に成形されていても良く、また、別に成形されていても良い。
【0055】
以上の説明は、本発明をスライド式で上下筐体MS1、MS2が開閉自在に構成された移動通信装置に適用した形態を例に行ったが、本発明の適用は、その他の移動通信装置、例えば、ヒンジ部によって上下筐体MS1、MS2が回動することによって開閉自在に構成された移動通信装置や、1つの筐体からなる移動通信装置に当然に適用が可能である。また、移動通信装置以外の携帯型の装置、例えば、PDAや、携帯型のパソコンに当然に適用が可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係るスライド型移動通信装置の上下筐体を開いた際の外観図。
【図2】本発明の実施形態に係るスライド型移動通信装置の上下筐体を閉じた際の外観図。
【図3】本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る動きパターンシステム動作対応の構成の一例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る動きパターンの概要を示す図。
【図6】本発明の実施形態に係るゲーム処理部がゲームプログラムを実行する動作のフローチャートの一例。
【符号の説明】
【0057】
MS1 上筐体
MS2 下筐体
11 制御部
11−1 動きパターン検出通知機能
11−2 システム動作抑止機能
11−3 システム動作実行機能
12 動きパターンシステム動作対応記憶部
12a 動きパターン
12b システム動作
16 表示部
17 入力部
18 加速度センサ
21 ゲーム処理部
22 ゲームプログラム記憶部
23 歩数計測部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサと、
前記センサによる測定結果から所定の動きパターンを検出する動きパターン検出手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行う制御手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられたアプリケーション動作を行うアプリケーション処理手段とを有し、
前記制御手段は、前記アプリケーション処理手段が動作中に前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行わない
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
加速度センサと、
前記加速度センサによって測定された加速度から所定の動きパターンを検出する動きパターン検出手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行う制御手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられたアプリケーション動作を行うアプリケーション処理手段とを有し、
前記制御手段は、前記アプリケーション処理手段が動作中に前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行わない
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
加速度センサと、
前記加速度センサによって測定された加速度から所定の動きパターンを検出する動きパターン検出手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行う制御手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられたアプリケーション動作を行うアプリケーション処理手段とを有し、
前記アプリケーション処理手段は、前記制御手段による前記動きパターンと対応付けられた制御動作を抑止する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
加速度センサと、
前記加速度センサによって測定された加速度から所定の動きパターンを検出する動きパターン検出手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられた制御動作を行う制御手段と、
前記動きパターン検出手段によって動きパターンが検出された場合、その動きパターンと対応付けられたアプリケーション動作を行うアプリケーション処理手段とを有し、
前記アプリケーション処理手段は、動作開始の後に前記制御手段に前記動きパターンと対応付けられた制御動作を抑止させ、前記制御手段に前記動きパターンと対応付けられた制御動作の抑止を解除させた後にその動作を終了する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記アプリケーション処理手段は、API(Application Programming Interface)を介して前記制御動作を抑止させ、また、その制御動作の抑止を解除させる
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の動きパターンは、回転させること、往復の動きをさせること、傾けること、及び衝撃を与えることのいずれか1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記アプリケーション処理手段は、前記動きパターン検出手段によって検出された動きパターンをAPI(Application Programming Interface)を介して受信する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−152682(P2010−152682A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330657(P2008−330657)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】