説明

情報収集用カメラ装置

【課題】カメラの向きの調整が短時間で容易にできると共に、必要な情報収集を迅速に行うことができ、かつ簡単な構成ですむ情報収集用カメラ装置を提供する。
【解決手段】本発明の情報収集用カメラ装置1を、複数本の継手パイプ11,12,13を分解可能に組立てて形成したポール10と、撮影対象物を撮影して情報を収集するカメラ部21およびこのカメラ部21を一方向に回動自在に保持するカメラ保持部材22とで構成すると共に、ポール10を形成する一端部の継手パイプ11に着脱可能に取り付けた撮影手段20と、カメラ部21に設けられると共に、その向きがポール10の軸線と直交する方向に対して回動自在となるように回動力を付勢するカメラ回動力付勢機構25と、このカメラ回動力付勢機構25により回動されたカメラ部21の向きを任意の位置に設定するカメラ向き設定機構35とを備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集用カメラ装置に係り、より詳しくは、暗部または犯罪現場等の危険を伴う場所、高所、災害時に壊れた家屋等のような、人が容易に近づけない場所の様子を撮影し、その場所の詳細な情報を迅速に得られる情報収集用カメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暗部または犯罪現場等の危険を伴う場所、高所、災害時に壊れた家屋等のような、人が容易に近づけない場所においては、人の生命に係わることが多いため、その場所をカメラで撮影する等して点検し、素早く情報を得る必要がある。
特に、都市部においては建物が増え、それに伴って人口も増えており、その結果、何らかの事故や、事件に巻き込まれるおそれも多くなっている。
そのため、上記各場所等で、情報を得るために、上記各場所等を遠隔から撮影したり、点検できる等の装置が数多く開発されている。
例えば、建造物の屋根等の高所の点検箇所を点検する点検装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された点検装置は、伸縮可能に形成された操作棒を備え、この操作棒の先端に、自由雲台およびブラケットを介してカメラが取り付けられている。
自由雲台は、支持筒に設けられた把持体と、この把持体で支持されるボール継手と、締付けねじとを備えている。ボール継手には接続部材が連結され、この接続部材はブラケットに接続されている。また、カメラにはモニタが接続されている。
【0004】
操作棒は、径の異なる複数のパイプを連結させて形成されている。また、これらのパイプの伸縮は、複数の締付けリングを締め付けたり、緩めたりして行われる。
以上のような構成において、カメラの向きを決めるには、締付けねじを緩めておいて、カメラの向きを設定した後、締付けねじを締め付け、把持体でボール継手を固定することにより行うようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−86483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記特許文献1の点検装置では、カメラの向きを一度決めてしまえば、点検操作中に自由に変更することができず、操作性が悪いという問題がある。
すなわち、点検装置を使用して、例えば建造物の屋根の状態を点検する場合、カメラの向きをおおよその向きに決めておき、高さに合わせて操作棒を伸ばし、点検箇所にカメラを向けて撮影することになる。この場合、カメラの向きが点検箇所と一致していないことがある。そうすると、作業者は、操作棒の手元を、左右方行、あるいは上下方向に移動させ、カメラが必要な点検箇所をキャッチするまで点検装置全体を動かさなければならない。
【0007】
また、上記のように点検装置全体を動かしても、カメラの向きを必要な点検箇所に一致させることができない場合、操作棒を作業者の手元に引き寄せ、カメラの向きを再調整して、新しい向きに設定し、再度、操作棒を伸ばして点検することになる。
その結果、カメラの向きを、必要に応じてその都度、操作棒を作業者の手元に引き寄せておいて設定しなければならず、操作性が悪く、かつ迅速な情報収集ができず、一刻を争う状況の場合に対応できないという問題がある。
【0008】
さらに、カメラの向きを変えるための機構が複雑で、向きを設定するのに、締付けねじを緩めておいてカメラの向きを決め、かつその状態を保持し、その後に締付けねじで締め付ける作業があり、向き設定作業が面倒であるという問題もある。
【0009】
さらにまた、前記特許文献1の点検装置では、高所や遠い場所等を点検する際に、点検箇所を的確に見つけ出すまで、作業者が、先端にカメラが装着された操作棒を手に持った状態で、あちこち向きを変えながら、また動かしながら点検しなければならないため、操作性が悪いという問題があると共に、作業が長時間に及ぶと疲労が蓄積して判断力も鈍くなり、その結果、作業者の肉体的、精神的な負担が大きくなる、という問題もある。
【0010】
このため、本発明では、前記従来例の不都合を改善し、カメラの向きの調整がワンタッチで容易にできると共に、必要な情報収集を迅速に行うことができ、かつ簡単な構成ですむ情報収集用カメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の情報収集用カメラ装置は、複数本の継手パイプを分解可能に組立てて形成したポールと、撮影対象物を撮影して情報を収集するカメラ部およびこのカメラ部を一方向に回動自在に保持するカメラ保持部材とで構成すると共に、前記ポールを形成する一端部の継手パイプに着脱可能に取り付けた撮影手段と、前記カメラ部に設けられると共に、その向きが前記ポールの軸線と直交する方向に対して回動自在となるように回動力を付勢するカメラ回動力付勢機構と、このカメラ回動力付勢機構により回動された前記カメラの向きを任意の位置に設定するカメラ向き設定機構とを備えて構成したことを特徴とする(請求項1)。
【0012】
この発明によれば、ポールを持った状態で、かつ手元でカメラ回動力付勢機構を作用させ、カメラ部の向きをワンタッチでポールの軸線と直交する方向に対して回動自在とでき、カメラ向き設定機構により任意の位置に設定できる。その結果、撮影対象物に対してカメラ部の向きを容易に調整することができるので、必要な情報収集を迅速に行うことができる。
また、カメラ部の向きの調整を、カメラ回動力付勢機構とカメラ向き設定機構とにより容易にできるので、簡単な構成ですむ。
【0013】
本発明において、前記カメラ回動力付勢機構を、前記カメラ部の一部と前記カメラ保持部材との間に架けわたし、前記カメラ部を前記ポールの軸線に対して直交する通常時の姿勢に保持する付勢部材と、一端部を前記カメラ部における前記付勢部材の反対側に取り付けると共に、他端部を前記ポールを形成する他端部の継手パイプ側に延出し、かつ引っ張ることにより前記付勢部材の付勢力に抗して前記カメラ部を回動させる回動用引っ張り部材とで構成してもよい(請求項2)。
【0014】
この発明によれば、付勢部材により通常時の姿勢に保持されているカメラ部を、回動用引っ張り部材を引っ張るだけの作業で回動させることができるので、カメラ部の向きをワンタッチで変えることができ、その結果、必要な情報収集を迅速にできる。また、付勢部材と回動用引っ張り部材とでカメラ回動力付勢機構が構成されているので、簡単な構成ですむ。
【0015】
また、本発明において、前記回動用引っ張り部材の一端部に前記カメラ部に設けられた係止具と係合可能な係合部材を設け、前記回動用引っ張り部材の他端部側一部を前記カメラ部に固定されたガイド部材に装脱自在に挿通させると共に、他端部側の残部を前記一端部の継手パイプの内部から前記他端部の継手パイプの内部にわたって収容し、その先端部を前記他端部の継手パイプの外周部に引き出し、引き出した前記先端部を前記カメラ向き設定機構に固定してもよい(請求項3)。
【0016】
この発明によれば、回動用引っ張り部材と係止具とが係合可能であり、回動用引っ張り部材を係止具から容易に外せるので、装置を分解する際、回動用引っ張り部材が絡みついたりせず、分解が容易である。
【0017】
さらに、本発明において、前記カメラ向き設定機構を、前記他端部の継手パイプの外周から引き出された前記回動用引っ張り部材の先端部を固定しかつ前記継手パイプに沿ってスライド可能な本体部と、この本体部と一体的に形成されると共に、前記他端部の継手パイプを挟み込み装着する挟込部とを有した構成とし、少なくとも前記挟込部を弾力性を有する部材で形成し、前記挟込部に、当該挟込部を前記他端部の継手パイプの外周に装着した際滑らないように摩擦力を付与する摩擦力付与部を形成してもよい(請求項4)。
【0018】
この発明によれば、弾力性を有する部材で形成された挟込部で継手パイプを挟み込んで装着するので、着脱が容易である。また、挟込部に摩擦力付与部が形成されているので、挟込部を他端部の継手パイプに装着し、かつスライドさせ、所定の位置に止めたとき、挟込部に摩擦力が付与される。その結果、カメラ向き設定機構を任意の位置に止めることができ、カメラ部の向きを任意の向きに設定することができる。
【0019】
本発明において、前記撮影手段と前記一端部の継手パイプとを着脱可能とする撮影手段連結機構を備え、この撮影手段連結機構を、前記カメラ保持部材に形成された係止穴と、前記一端部の継手パイプの端部にあけられると共に前記カメラ保持部材を前記一端部の継手パイプに差し込んだとき前記係止穴と対応するパイプ側係止穴と、前記係止穴とパイプ側係止穴とに係合して前記保持部材と一端部の継手パイプとを連結する連結部材とで構成してもよい(請求項5)。
【0020】
この発明によれば、撮影手段のカメラ保持部材を一端部の継手パイプに差し込み、対応する係止穴とパイプ側係止穴とに連結部材を係合させることで、撮影手段と一端部の継手パイプとを連結できる。その結果、撮影手段の交換が容易にできるので、異なるタイプのカメラ部の中から撮影目的に合うものを選択し、そのカメラ部を有する撮影手段を容易に使用することができ、現場の状況に最適に対応することができる。
【0021】
本発明において、前記撮影手段の撮影状態を操作する操作手段と、前記撮影手段で撮影された情報を画面上に表示する画像表示手段とを、前記他端部の継手パイプに着脱可能に取り付け、前記撮影手段で撮影された情報を前記操作手段を介して前記画像表示手段に伝送するケーブルを、その一端部を前記カメラに接続させると共に、他端部側の大部分を前記一端部の継手パイプから前記他端部の継手パイプの内部に収容し、かつ当該他端部の継手パイプの内部から取り出し、その取り出し先端を前記操作手段に接続してもよい(請求項6)。
【0022】
この発明によれば、情報収集用カメラ装置が継手パイプに着脱可能に取り付けられるので、情報収集用カメラ装置を分解して収納保管するに際し、操作手段と画像表示手段とを継手パイプから取り外すことで、継手パイプからの突出部がなくなり、全体がコンパクトとなって、収納保管し易くなる。
また、ケーブルが各継手パイプの内部に収容されているので、装置全体がすっきりとまとまり、外観上も見栄えのよいものとなり、また、使用に際してもケーブルが絡まったりせず、操作性が向上する。
【0023】
本発明において、前記ケーブルを、外部に現れる外部ケーブル部と外部に現れない内部ケーブル部とで構成し、前記外部ケーブル部を、その一端を前記カメラに接続させると共に他端を前記一端部の継手パイプの前記撮影手段側の外周に固定された接続具に電気的に接続させ、前記内部ケーブル部を、その一端を前記接続具に接続させると共に他端を前記一端部の継手パイプの内部に導入してもよい(請求項7)。
【0024】
この発明によれば、ケーブルが外部ケーブル部と内部ケーブル部とで構成され、これらの一端が接続具に接続されているので、情報収集用カメラ装置を分解する際、外部ケーブル部を接続具から外せば、外部ケーブル部と内部ケーブル部とが絡み合ったりすることがなく、分解時の取り扱いが容易となる。
【0025】
本発明において、前記操作手段および画像表示手段は、それぞれ、前記他端部の継手パイプの外周を挟み込む挟込部を有し、この挟込部を弾力性を有する部材で形成すると共に、当該挟込部を介して前記他端部の継手パイプに着脱可能としていてもよい(請求項8)。
【0026】
この発明によれば、操作手段および画像表示手段が、それぞれ、挟込部を介して継手パイプに着脱可能となっているので、情報収集用カメラ装置を分解したとき等、操作手段および画像表示手段も取り外せるので、分解して収納用袋等に収納する際、操作手段および画像表示手段が出っ張らないので収納が容易となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の情報収集用カメラ装置は、以上のように構成され機能するので、これによると、ポールを持った状態で、かつ手元でカメラ回動力付勢機構を作用させ、カメラ部の向きをワンタッチでポールの軸線と直交する方向に対して回動自在とでき、カメラ向き設定機構により任意の位置に設定できる。その結果、撮影対象物に対してカメラ部の向きを容易に調整することができるので、必要な情報収集を迅速に行うことができる。
また、カメラ部の向きの調整を、カメラ回動力付勢機構とカメラ向き設定機構とにより容易にできるので、簡単な構成ですむ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る情報収集用カメラ装置(以下、単にカメラ装置という)の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜12には、上記カメラ装置1の実施形態が示されており、図1はカメラ装置1の全体斜視図、図2はカメラ装置1の分解斜視図、図3〜11はそれぞれ部分詳細図である。
【0029】
まず、図1,2に基づいてカメラ装置1の全体を説明する。
カメラ装置1は、例えば事件が発生して人が入り難いような室内や場所、あるいは高所の室内や暗い室内等の様子を撮影したり、危険な場所を離れた位置から撮影して、それらの場所の情報を迅速に得たいとき等に使用されるものである。
【0030】
カメラ装置1は、先端に撮影手段20を装着したポール10を備えている。このポール10は、複数本(実施形態では3本)の継手パイプ11,12,13を順次連結して構成されている。
すなわち、ポール10は、一端部の継手パイプである先端継手パイプ11と、この先端継手パイプ11と連結される1本の上記中間継手パイプ12と、この中間継手パイプ12と連結されるポール10の他端部の継手パイプである基端継手パイプ13とを備えて構成されている。そして、上記撮影手段20は、先端継手パイプ11の先端に装着されている。
【0031】
各継手パイプ11,12,13は、例えば、軽くて強度が強いCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で形成されており、それぞれの長さが、例えば1.5m程度に形成されている。また、各継手パイプ11,12,13の外径寸法は例えば25〜30mmのものが使用され、これにより、それぞれの継手パイプ11,12,13は、約230gの軽さに仕上がっている。その結果、継手パイプ11,12,13を連結しても、ポール10の全体は約690gとなり、軽量にすることができる。そして、このようなポール10の先端に前記撮影手段20を装着した場合でも、全体重量を約1〜1.5kg程度に抑えることができる。
その結果、カメラ装置1を比較的長時間持っていてもそれほどは疲れず、また、向きを変えるときなども容易に行えるので、操作性が向上すると共に、作業者に掛かる肉体的な負担を少なくすることができる。
【0032】
図3に示すように、前記撮影手段20は、前記カメラ部21と、このカメラ部21を先端継手パイプ11の軸線、ひいてはポール10の軸線と直交する方向に対して回動可能に支持するカメラ保持部材22とを備えて構成されている。
カメラ保持部材22は、カメラ部21に直結された断面角U字形状の受部23と、この受部23を一端部で固定すると共に、他端部が先端継手パイプ11に挿入され、かつ連結されるシャフト24とを備えて構成されている。
【0033】
カメラ部21は、カメラ回動力付勢機構25によりポール10の軸線に対して直交する方向に回動される。
すなわち、カメラ部21のレンズ21A側の下面と上記シャフト24の側面との間には、カメラ部21を先端継手パイプ11の軸線に対して常時直交する方向に付勢し、かつ維持する付勢部材26が架けわたされている。そして、この付勢部材26は、ばねで形成されている。また、付勢部材26により付勢された姿勢が通常時の姿勢である。
【0034】
また、カメラ部21は、回動用引っ張り部材であるワイヤ27により付勢部材26の付勢力に抗して通常の姿勢から回動されるようになっている。
この際、カメラ部21の図1における上面には、ワイヤ27の先端を止める丸環状部材で形成された係止具28が設けられている。
一方、ワイヤ27の先端には、上記係止具28にワンタッチで着脱できる引掛け部27Aが設けられている。また、ワイヤ27の他端部は、基端継手パイプ13の外周に装着されたカメラ向き設定機構35(詳細は後述する)に固着されている。
そして、ここにおいて、前記付勢部材26およびワイヤ27により前記カメラ回動力付勢機構25が構成されている。
【0035】
カメラ部21のレンズ21Aの反対側外部には、丸パイプ形状のガイド部材29が固定されている。このガイド部材29は、その軸線がカメラ部21のレンズ21Aを横切る方向と直交するように配置され、その軸線に沿って溝部が形成されている。
この溝部の向きは、前記係止具28の中心とポール10の軸心とを結ぶ中心線に対して、例えば90度の向きになっている。そのため、溝部からは、前記ワイヤ27が挿入されるが、溝部が横向きとなっているので、一端挿入されたワイヤ27は抜けにくい構成となっている。
【0036】
このような撮影手段20はカメラ部21やカメラ保持部材22等が一体となって構成され、撮影の対象に対応できるように異なるカメラ部21を備えたものが複数種類揃えられており、適宜、交換できるようになっている。
【0037】
図3に示すように、撮影手段20は交換可能となっている。すなわち、撮影手段20の交換は、前記シャフト24の先端を先端継手パイプ11の端部に差込むと共に、それらに形成された係止穴24B,11Bに連結部材30を差し込んだり、取り外したりすることで行われる。
シャフト24の先端部24Aは、先端継手パイプ11の端部の内径に差し込めるようになっており、それぞれの端部には、上記係止穴24B,11Bがあけられている。これらの係止穴24B,11Bは、シャフ24の先端部24Aを先端継手パイプ11に差し込んだとき、同一位置になるように設定されている。
なお、先端継手パイプ11の端部(先端)は、細径部11Aに形成されている。
【0038】
そして、このような係止穴24B,11Bには、前記連結部材30が差し込まれる。この連結部材30は、図4に詳細を示すように、断面半月形状の凹部30Aと、この凹部30Aの中央部に突起したロックピン30Bとで形成されている。凹部30Aは、先端継手パイプ11の先端細径部11Aに嵌め込み、固定できるような内径、および弾力性を有し、また、連結部材30は、前記係止穴24B,11Bに差し込まれるようになっている。
【0039】
従って、撮影手段20の取り付けは、シャフト24の先端部24Aを先端継手パイプ11の端部細径部11Aに差込んだ後、その先端細径部11Aに連結部材30の凹部30Aを押し込むと共に、連結部材30のロックピン30Bを係止穴24B,11Bに差し込むことで行う。これとは逆に、撮影手段20の取り外しは、連結部材30を上記先端細径部11Aから取り外した後、シャフト24を先端継手パイプ11の端部から引き抜くことで行える。
その結果、特別な工具を必要とせずに、容易に撮影手段20の取り付け、取り外しができ、撮影手段20の交換が容易となり、異なるタイプのカメラ部を備えた撮影手段20を目的に合わせて容易に使い分けすることができる。
【0040】
前記ワイヤ27は、前記カメラ部21の係止具28から前記基端継手パイプ13にわたって設けられている。
すなわち、ワイヤ27の先端部には、係止具28にワンタッチで着脱できる引掛け部27Aが設けられている。一方、ワイヤ27の基端部は、基端継手パイプ13の外周に装着されたカメラ向き設定機構35に固着されている。
【0041】
図3、5に示すように、ワイヤ27は、引掛け部27Aを係止具28に引掛けた後、その近傍を前記ガイド部材29にガイドさせ、その後、先端継手パイプ11の撮影手段20側端部にあけられた引込み穴11Cから先端継手パイプ11の内部に挿通され、そこから中間継手パイプ12の内部および基端継手パイプ13の一部を通り、基端継手パイプ13の外周端部にあけられた引出し穴13Cから引き出されるようになっている。そして、その引き出された端部が上記カメラ向き設定機構35に固着されている。
【0042】
図6,7に詳細を示すように、カメラ向き設定機構35は、例えば弾力性のある樹脂製とされ、前記ワイヤ27が固定される本体部35Aと、この本体部35Aと一体形成されると共に、基端継手パイプ13を挟み込んで着脱自在に取り付ける挟込部35Bとで形成されている。このようなカメラ向き設定機構35は、基端継手パイプ13に装着された状態で、図5に矢印Bで示すように、基端継手パイプ13の軸線に沿ってスライドできるようになっている。
【0043】
前記挟込部35Bは、断面半月形状に形成されており、基端継手パイプ13の外周に嵌め込めるように基端継手パイプ13の外径寸法よりわずかに小さな内径寸法に形成され、これにより挟込部35Bが基端継手パイプ13を確実に挟み込めるようになっている。
また、挟込部35Bの内周部には、カメラ向き設定機構35を基端継手パイプ13に嵌め込んだとき、より強い摩擦力が生じるように、その内周部から外側に突出する例えばギザギザ状の摩擦力付与部35Cが形成されている。そのため、カメラ向き設定機構35を基端継手パイプ13に沿ってスライドさせた後、所定位置でストップしたとき、その位置にカメラ向き設定機構35を停止させることができる。つまり、前記カメラ部21の向きを任意の位置に保持させることができる。
【0044】
図5に示すように、基端継手パイプ13においてカメラ向き設定機構35が装着され、かつスライドする部位には、例えば3段階にわたる目盛A,B,Cが記されている。
すなわち、ワイヤ27が引き出される引出し穴13Cに最も近い位置に目盛Aが記されており、この目盛Aは、ポール10の軸線に対してカメラ部21の軸線の向きが直交している状態である。この際には、前記付勢部材26によりカメラ部21が一方方向に引っ張られている。これに対して、ワイヤ27はカメラ部21の前記係止具28と、上端が目盛Aの位置にあるときのカメラ向き設定機構35とに張られ、カメラ部21に対して引っ張り力は働いていない状態である。つまり、カメラ部21が通常の姿勢に保持されている状態である。
【0045】
カメラ向き設定機構35を、目盛Aの位置にある状態から目盛Bの位置までスライドしたとき、カメラ向き設定機構35によりワイヤ27が、目盛Aと目盛Bとの距離の分だけ引っ張られる結果、カメラ部21が角度α1°だけ回動するように上記目盛Aと目盛Bとの距離が設定されている。そして、この角度α1°は、カメラ部21の前記通常時の姿勢時における軸線に対して例えば45°とされ、図3に仮想線で示すような位置にカメラ部21が回動される。また、ポール10の軸線に対しては135°となっている。この際には、付勢部材26の付勢力より大きな引張り力でワイヤ27が引っ張られるため、付勢部材26は伸ばされた状態となる。
【0046】
また、カメラ向き設定機構35を、目盛Bの位置にある状態からさらに目盛Cの位置までスライドしたとき、カメラ向き設定機構35によりワイヤ27が、目盛Bと目盛Cとの距離の分だけ引っ張られる結果、カメラ部21が角度α1°だけ回動するように上記目盛Bと目盛Cとの距離が設定されている。そして、この角度α1°は、カメラ部21の前記通常時の姿勢時における軸線に対して例えば90°とされ、図3に仮想線で示すような位置にカメラ部21が回動される。また、ポール10の軸線に対しては180°となっている。つまり、カメラ部21のレンズ21Aがポール10の軸線に沿った方向に向いており、ポール10の先端方向の点検を行えるようになっている。この際には、付勢部材26の付勢力より大きな引張り力でワイヤ27が最大限引っ張られるため、付勢部材26は伸び切った状態となる。
【0047】
図8に示すように、前記各継手パイプ11,12,13同士の連結は、パイプ連結機構14により行われている。
このパイプ連結機構14は、各継手パイプ11,12,13のそれぞれ対向する端部のうち、軸方向に隣り合う一方の継手パイプ11(12)の端部を、対向する他方の継手パイプ12(13)の端部に挿入して、一方の継手パイプ11(12)の端部に設けられた反発式の係合突起部材15を他方の継手パイプ12(13)にあけられた係合穴16に差し込むことで行われる。
ここで、一方の継手パイプ11(12)の端部の外径寸法を、所定寸法にわたって当該継手パイプ11(12)の外径寸法より小さくして、その部位が、連結される他方の継手パイプ12(13)の対向する端部の内径部に挿入できる挿入部12A(13A)とされている。
【0048】
上記係合突起部材15は、一方の継手パイプ11(12)の挿入部11A(12A)に、その径方向外側(図8の矢印D方向)に突出し、かつ径方向に反発可能な突起部を設けることで形成されている。
この突起部材15は、挿入部11A(12A)を相手の継手パイプ12(13)に挿入する際、手で押し込みながら継手パイプ12(13)に挿入できるようになっている。
そして、挿入部11A(12A)を完全に挿入したとき、突起部材15が前記係合穴16に係合すると共に、継手パイプ12(13)に押さえ込まれた状態から外側に反発し、これにより、突起部材15と係合穴16とが互いに係止しあうようになっている。
また、継手パイプ11,12,13同士を連結したとき、それらの継手パイプ11,12,13は、外径寸法が同じとなっているので、強度を確保することができ、ポール10の先端に撮影手段20を取り付けても、ポール10の先端が垂れたりすることがなく、そのうえ、継手パイプ11,12,13同士の連結部S(図1参照)に段差が生じない。
【0049】
各継手パイプ11,12,13の内部には、前述のように、ケーブル60とワイヤ27とが収容されており、これら60,27は各継手パイプ11,12,13を連結したとき、あるいは分解したとき、捩れないようになっていることが好ましい。
そこで、本実施形態では、各継手パイプ11,12,13の内部に捩れ防止手段17を設けることで、各継手パイプ11,12,13の内部に収容されているケーブル60とワイヤ27との捩れを防止している。
【0050】
捩れ防止手段17は、対向する一方の継手パイプ11(12)の挿入部11A(12A)の内径部に設けられる捩れ防止用埋込みプレート18と、他方の継手パイプ12(13)の端部に設けられる捩れ防止用埋込みピン19とで構成されている。
【0051】
上記捩れ防止用埋込みプレート18は挿入部11A(12A)の内径部に、かつ径方向中心部に配置され、挿入部11A(12A)の端部から係合突起部材15近傍まで延びて埋込まれている。そして、この埋込みプレート18によりケーブル60とワイヤ27とが分けられ、これにより各継手パイプ11,12,13内で両者60,27が捩れないようになっている。
【0052】
また、前記捩れ防止用埋込みピン19は前記捩れ防止用埋込みプレート18の向きと同じ向きで、他方の継手パイプ12(13)の径方向中心部を貫通して埋め込まれている。なお、埋め込まれた後の埋込みピン19の両端部と継手パイプ12(13)の貫通穴とを溶接等により固着し、埋込みピン19が抜けないようにしてもよい。
そして、ここにおいて、前記捩れ防止用埋込みプレート18および捩れ防止用埋込みピン19により、前記捩れ防止手段17が構成されている。
【0053】
捩れ防止用埋込みピン19の位置は、対向する一方の継手パイプ11(12)の挿入部11A(12A)を他方の継手パイプ12(13)の端部に完全に挿入したとき、挿入部11A(12A)の邪魔にならないように、挿入部11A(12A)の端部から僅かに離れた位置に設定されている。
その結果、捩れ防止用埋込みプレート18と捩れ防止用埋込みピン19とが僅かの距離で対向した状態である。そして、この埋込みピン19により、継手パイプ12(13)の端部において、ケーブル60とワイヤ27とが分けられ、これにより両者60,27が捩れないようになっている。
【0054】
なお、図8では、隣り合う一方の継手パイプ11(先端継手パイプ)と他方の継手パイプ(中間継手パイプ)12との連結を主に記載してある。しかし、隣り合う一方の継手パイプ12と他方の継手パイプ13との連結構造も同じなので、図8においては、継手パイプ12と他方の継手パイプ13については(12)(13)のように、カッコで囲んで示してある。また、挿入部(12A)も、挿入部11Aに対してカッコで囲んで示してある。
【0055】
ここで、一方の継手パイプ(先端継手パイプ)11の先端側(前記撮影手段20側)では、当該先端継手パイプ11の上部に、ワイヤ27の引込み穴11Cがあけられると共に、接続具63の裏側からケーブル60が引き込まれているので、両者27,60Bが重なる位置に、前記捩れ防止用埋込みピン19が設けられている(図略)。
【0056】
さらに、他方の継手パイプ(基端継手パイプ)13では、当該基端継手パイプ13の上部にワイヤ27を引き出す引出し穴13Cがあけられ、基端継手パイプ13の下部に内部ケーブル60Bを引き出す引出し穴13D(図1参照)があけられているので、基端継手パイプ13の下部においては、ワイヤ27とケーブル60とが捩れることはない。したがって、基端継手パイプ13にあっては、対向する中間継手パイプ12側の端部に捩れ防止用埋込みピン19が設けられているのみである。
【0057】
各継手パイプ11,12,13同士を分解するには、上述と逆の操作により行えばよい。すなわち、係合突起部材15を手で押し込み、その係合突起部材15と係合穴16との係止状態を外した後、継手パイプ11、12を互いに反対方向に引っ張ることで容易に取り外せる。これにより、図2に示すような状態となる。
従って、特別な工具を必要とせずに、各継手パイプ11,12,13同士の組み立て、分解が容易にできる。
【0058】
図1に戻って、基端継手パイプ13の外周には、前述のように、操作手段である操作器40と画像表示手段50とが着脱可能に取り付けられている。
また、前記カメラ部21のレンズ21Aの反対側外部、かつガイド部材29の近傍には、前記操作器40および画像表示装置50と連結され、カメラ部21で観察した情報を操作器40および画像表示装置に伝送するケーブル60の一端部が取り付けられている。
このケーブル60の他端にはプラグインコネクター64が装着され、このプラグインコネクター64は、先端継手パイプ11に取り付けられた接続具であるプラグ63に装脱可能となっている。
【0059】
ケーブル60は、外部ケーブル60Aと内部ケーブル60Bとで構成されている。
外部ケーブル60Aは、カメラ装置1の外部に現れ、前述のように、カメラ部21とプラグ63とを接続するようになっている。
これに対して、上記内部ケーブル60Bは、そのほとんどが、カメラ装置1の外部には現れず、プラグ63の裏面から前記先端継手パイプ11の内部に引き込まれ、そこから中間継手パイプ12および基端継手パイプ13の内部一部を通り、基端継手パイプ13の下部にあけられた引き出し穴13Aから引き出されるようになっている。そして、前記引き出し穴13Dから引き出された引き出し部60Cが、前記操作器40に接続されている。
なお、前記捩れ防止部材17によってワイヤ27との間で捩れを防止されるのは、上記内部ケーブル60Bである。
【0060】
前記操作器40は、図9に示すように、本体部40Aと、この本体部40Aと一体形成された挟込部40Bとを含み構成され、本体部40Aの表面側には、後で詳述するトグルスイッチ部41を構成する切替えレバー41Aが設けられている。
また、挟込部40Bは、弾力部材で断面半円形状に形成され、その半径寸法が基端継手パイプ13の半径寸法よりわずかに小さくなっている。これにより、挟込部40Bを基端継手パイプ13に押し込んで装着したとき、挟込部40Bの復元力により基端継手パイプ13を確実、かつ強固に挟み込み、これにより操作器40がその位置に保持される。
その結果、特別な工具を必要とせずに、容易に操作器40の取り付け、取り外しができる。
【0061】
図1に戻って、操作器40には、それぞれ、先端に音声出力端子45A、映像出力端子46A、バッテリー用端子47Aと映像出力端子45Aとを取り付けた接続ケーブル45,46,47が設けられ、これらの接続ケーブル45,46,47には、それぞれに対応する機器が接続されるようになっている。例えば、接続ケーブル47のバッテリー用端子47Aには、バッテリーパック55が接続されている。
【0062】
操作器40には、前記基端継手パイプ13の引き出し穴13Cから引き出された引き出しケーブル60Cの端部が接続されている。また、操作器40と画像表示装置50とは、操作器40に設けられた映像出力端子を介して接続ケーブル60Dで接続されている。さらに、操作器40と画像表示装置50とは、操作器40の前記音声出力端子45Aを介して、操作器40の接続ケーブル45と画像表示装置50からの接続ケーブル60Eとが接続されている。
【0063】
図10には、操作器40と前記撮影手段20との電気的な接続関係が示されている。
この図10において、操作器40は、前記切換えレバー41Aを備えたトグルスイッチ部41と、このトグルスイッチ部41に付勢されて切換え動作する第1のスイッチ部SW−1、及びこの第1のスイッチ部SW−1と同軸上に絶縁部材を介して一体的に連動するように構成された第2のスイッチ部SW−2から成る2連3極スイッチ42と、この2連3極スイッチ42を内蔵すると共に前記切換えレバー41Aを外部に突設してなる前記本体部40Aとを備えて構成されている。
【0064】
第1のスイッチ部SW−1は、前述した撮影手段20を構成するCCDカメラ21A及びIR LED21Bの各正極側に接続された入力接点(第1の接点)41Bと、この入力接点41Bを中心として回動し、当該入力接点41Bを他の二つの極である第2の接点41Cまたは第3の接点41Dに切換え接続する可動切片41Eとを備えて構成されている。この場合、CCDカメラ21Aの負極側は接地(アース)され、またIR LED21Bの負極側は後述する第2のスイッチ部SW−2の入力接点(第1の接点)43Bに接続されている。
【0065】
さらに、前述した第2の接点41Cまたは第3の接点41Dの中間点で何れの回路とも接続されない領域に開放端子部が設けられ、必要に応じて、前述した切換えレバー41Aによってこの開放端子部が選択され、前述した可動切片41Eが、当該開放端子部に配設される構成されている。すなわち、前述したトグルスイッチ部41の切換えレバー41Aにより、前述した可動切片41Eの接点切換え動作、もしくは接点接続開放動作が実行されるように構成されている。
ここで、前述した第2の接点41C及び第3の接点41Dは、それぞれ共通の直流電源であるDC12〔V〕の+側に接続されている。
【0066】
また、前述した第2のスイッチ部SW−2も、上述した第1のスイッチ部SW−1と同様に入力接点(第1の接点)43Bと、この入力接点43Bを中心として回動し当該入力接点43Bを他の二つの極である第2の接点43Cまたは第3の接点43Dに切換え接続する可動切片43Eとを備えて構成されている。
【0067】
さらに、前述した第1のスイッチ部SW−1の場合と同様に前記第2の接点43Cと第3の接点43Dの中間点で何れの回路とも接続されない領域に開放端子部が設けられ、前述した第1のスイッチ部SW−1の可動切片41Eに連動して、同一のタイミングで接点切換え動作もしくは接点接続開放動作が実行されるように構成されている。
ここで、この第2のスイッチ部SW−2の前記入力接点(第1の接点)43Bは前述したカメラ部21のIR LEDの負極に接続されている。また、この第2のスイッチ部SW−2の前記第2の接点43Cは開放状態に設定され、さらに第3の接点43Dは接地(アース)されている。
【0068】
前記撮影手段20を構成するカメラ部21は、前述のように、CCDカメラ21Aと前記IR LED21Bとで構成されている。そして、上記CCDカメラ21Aは、マイクと暗視機能付きのデイ&ナイトカメラであり、明るい場所ではカラー撮影、照度が低下した場合は、自動的に、低照度白黒カメラに切り替わるような機能を有し、さらに極度に照度が低下して低照度白黒カメラの能力でも、撮影が困難になった場合、IR LED21Bを作動させることで、0ルクスの暗闇でも暗視撮影ができるように構成されている。
【0069】
また、CCDカメラ21Aと第1のスイッチ部SW−1とは配線48Aで接続され、IR LED21Bと第2のスイッチ部SW−2とは配線48Bで接続され、CCDカメラ21AとIR LED21Bとは配線48Cで接続されている。
【0070】
以上のような構成において、トグルスイッチ部41の可動切片41Eが中立位置にあるときは(図10の実線で示す)、CCDカメラ21AとIR LED21Bとも作動していない状態、つまりOFFの状態である。
可動切片41Eを、中立位置から第2の接点41C側に倒し、第1の接点41Bと第2の接点41Cとを通電状態にしたとき、直流電源であるDC12〔V〕の+側からの電流がCCDカメラ21AおよびIR LED21B側に電流が流れるが、CCDカメラ21AのみがON状態となるように電気回路45が形成されている。
【0071】
これとは逆に、トグルスイッチ部41の可動切片41Eを、中立位置から第3の接点41D側に倒し、第1の接点41Bと第3の接点41Dとを通電状態にしたとき、DC12〔V〕の+側からの電流がCCDカメラ21AおよびIR LED21B側に電流が流れ、この際には、CCDカメラ21AとIR LED21Bとの両方がON状態となるように電気回路45が形成されている。
【0072】
したがって、作業者Mは、ポール10を手に持った状態で、手元の操作器40におけるトグルスイッチ部41の可動切片41Eを、状況に応じて適宜、切り換えることで、CCDカメラ21Aのみ作動させたり、あるいは、CCDカメラ21AとIR LED21Bとの両方を作動させることができる。
【0073】
前記画像表示装置50は、図11に詳細を示すように、表示画面を有する本体部50Aと、この本体部50Aと一体形成されると共にその本体部50Aを前記基端継手パイプ13に装着する挟込部50Bとを備えて構成されている。
挟込部50Bは、前記カメラ向き設定機構35および操作器40の挟込部35B、40Bと同様の構成とされ、画像表示装置50を基端継手パイプ13の任意の位置に、着脱可能に取り付けられるようになっている。
また、画像表示装置50には、前記撮影手段20からの情報が、操作器40および接続ケーブル60Dを介して伝送されるようになっている。
【0074】
図1に示すように、前記ポール10の複数個所には、バックル式止具65が設けられている。
すなわち、これらの止具65は、ポール10を構成する基端継手パイプ13の例えば長さ方向両端部と、中間継手パイプ12および先端継手パイプ11の長さ方向略中央部に、それぞれ1個ずつ設けられている。
【0075】
各止具65の先端にはそれぞれ第1ジョイント部65Aが設けられており、これらの第1ジョイント部65Aは、図1のポール10の左方に示された紐状部材であるショルダーベルト66の第2ジョイント部66Aと係合することで、止具65とショルダーベルト66とが係止しあうようになっている。
ショルダーベルト66は、前記止具65と共に、市販のリュック等に使用されている、例えばビニール製のもので、長さ調整自在になっている。
なお、前記ポール10に装着された止具65と、この止具65と係合するショルダーベルト66とを、必ずしも設ける必要はなく、これら65,66のないものもカメラ装置1として用いることができる。
【0076】
次に、以上のようなカメラ装置1の組み立て、および使用方法を説明する。
図2に示す分解状態では、ワイヤ27の先端の引掛け部27Aが、カメラ部21の係止具28から外されている。この際、カメラ向き設定機構35も基端継手パイプ13から外されている。また、ワイヤ27およびケーブル60の内部ケーブル60Bは、先端継手パイプ11、中間継手パイプ12、基端継手パイプ13の内部に収容された状態である。
【0077】
以上の状態から組み立てるには、まず、例えば基端継手パイプ13の一端部に中間継手パイプ12の挿入部12Aを差し込み、中間継手パイプ12の挿入部12Aの係合突起部材15を基端継手パイプ13の端部の係合穴16に係合させて、中間継手パイプ12と基端継手パイプ13とを連結させる。
【0078】
次に、上記と同じような手順により、先端継手パイプ11と中間継手パイプ12とを連結させ、ポール10を構成する。
その後、ワイヤ27の先端の引掛け部27Aをカメラ部21の係止具28に係合させた後、ワイヤ27を適宜引っ張り、カメラ部21の軸線の向きが通常の姿勢、つまりポール10の軸線に対して90°となるように、カメラ向き設定機構35を基端継手パイプ13の目盛Aの位置に装着する。
この際、先に、カメラ向き設定機構35を基端継手パイプ13に装着させておいて目盛Aの位置に合うようにスライドさせてもよい。
【0079】
次に、以上のように構成され、かつ組立てられたカメラ装置1の使用方法を図12に基づいて説明する。
図12には、建物80の特定の室内80Cで何らかの事情、例えば犯罪事件等が発生して、人がその室内80Cに入り込めないような場合に、外から、しかも遠隔から室内80Cの様子を撮影して情報を得ようとしている状態が示されている。
【0080】
上記の場合、まず、作業者M等は、建物80の階下等で組立てたカメラ装置1を、前記室内80Cに近い階の階段踊り場80Aに運び込む。それと並行して作業補助者M1はショルダーベルと66を持って建物80の屋上80Bに上がり、そこからショルダーベルと66の一端側を手に持った状態で、ショルダーベルと66の第2ジョイント部66A側端部を階段踊り場80A側に降ろす。
【0081】
作業者Mは、階段踊り場80Aにおいて、ポール10の先端継手パイプ11側を手元に引き寄せ、屋上80Bから降ろされたショルダーベルと66の第2ジョイント部66Aを、先端継手パイプ11に固着された止具65の第1ジョイント部65Aに係合させ、ショルダーベルと66により、ポール10の先端部の吊り上げ、支持を可能な状態とする。
【0082】
次いで、作業者Mは、カメラ装置1を肩に掛けるとともに、ポール10の先端を室内80Cに向けて伸ばす。この際、作業補助者M1は、ショルダーベルと66の一端を持ち、ポール10の先端部を吊り上げ、支持しながら、屋上80Bを室内80C側に移動する。
カメラ装置1のカメラ部21が室内80Cの様子を点検できる位置まで伸ばされたら、作業者Mは、操作器40および画面表示装置50の電源をONすると共に、それらの稼動状況を確認する。
【0083】
引続き、作業者Mは、まずカメラ部21の向きが通常の姿勢の状態で、CCDカメラ21Aが室内80Cの様子を点検する。画面に様子が表示されなかったら、カメラ部21の向きはそのままで、作業者Mはポール10の手元を回してカメラ部21の回転に沿った周囲を点検し、同じような作業を、ポール10を手に持った状態で手を伸ばしたり引っ込めたりして、室内80Cの様子を点検する。
【0084】
カメラ部21の向きを変えずに、ポール10を最大限伸ばした場合でも、室内80Cの様子が点検できないとき、作業者Mは、カメラ向き設定機構35を基端継手パイプ13に沿わせて、少しずつスライドさせながら、画像表示装置50の画面を確認する。カメラ部21の向きが室内80Cの様子がすべて確認できる向きになったら、カメラ向き設定機構35のスライドをその位置でストップする。この際、カメラ向き設定機構35のスライドによりワイヤ27が引っ張られ、これに連れてカメラ部21が、初期の向きから所定角度まで回動される。
【0085】
そうしたら、カメラ部21の向きを固定しておいて、カメラ部21の向きが初期の場合と同様に、ポール10の手元を適宜回して、室内80Cの様子を画像表示手段50の画面に映し出して情報を得ることができ、それに基づいた的確な指示を出すことができる。
撮影対象物が暗部にあって撮影困難な場合、作業者Mは、自己の判断に基づいて、あるいは全体の責任者等の指示に基づき、ポール10を手に持った状態で、手元の操作器40におけるトグルスイッチ部41の可動切片41Eを適宜、切り換えることで、CCDカメラ21AとIR LED21Bとの両方を作動させて、撮影を実行し、必要な情報を得ることができる。
【0086】
以上のような本実施形態のカメラ装置1によれば、次のような効果が得られる。
(1)作業者Mは、ポール10を持った状態で、かつ手元でカメラ回動力付勢機構35を作用させ、カメラ部21の向きをワンタッチでポール10の軸線と直交する方向に対して回動自在とでき、かつカメラ向き設定機構35により任意の位置に設定できる。その結果、撮影対象物に対してカメラ部21の向きを容易に調整することができるので、必要な情報収集を迅速に行うことができる。
【0087】
(2)カメラ向き設定機構35では、付勢部材26により通常時の姿勢に保持されているカメラ部21を、ワイヤ27を引っ張るだけの作業で回動させることができるので、カメラ部21の向きをワンタッチで変えることができ、その結果、必要な情報収集を迅速に行うことができ、また、簡単な構成ですむ。
【0088】
(3)ワイヤ27とカメラ部21に取り付けられた係止具28とが係合可能であり、ワイヤ27を係止具28から容易に外せるので、カメラ装置1を分解する際、ワイヤ27が絡みついたりせず、分解が容易である。
【0089】
(4)カメラ向き設定機構35では、弾力性部材で形成された挟込部35Bで基端継手パイプ13を挟み込んで装着できるので、着脱が容易である。また、挟込部35Bに摩擦力付与部35Cが形成されているので、挟込部35Bを基端継手パイプ13に装着し、かつスライドさせ、所定の位置に止めたとき、挟込部35Bに摩擦力が付与される。その結果、カメラ向き設定機構35を任意の位置に止めることができ、カメラ部21の向きを任意の向きに設定することができる。
【0090】
(5)撮影手段20の取り付けは、カメラ保持部材22を先端継手パイプ11に差し込み、互いに対応する係止穴24Bとパイプ側係止穴11Bとに連結部材30を係合させることで行うことができ、取り外しは、その逆の手順で行うことができる。その結果、撮影手段20の交換が容易にできるので、異なるタイプのカメラ部の中から撮影目的に合うものを選択し、そのカメラ部を有する撮影手段20を容易に使用することができ、現場の状況に最適に対応することができる。
【0091】
(6)複数本の継手パイプ11,12,13の組立てを行うには、軸線方向に隣り合う一方の継手パイプ11(12)の挿入部11A(12A)を、他方の継手パイプ12(13)の端部内径部に挿入させると共に、挿入部11A(12A)に形成された係合突起部15を、他方の継手パイプ12(13)の係合穴16に挿通させるだけで軸線方向に隣り合う継手パイプ11,12,13同士を連結させることができる。その結果、工具なしで、かつワンタッチ、つまり少ない手間で、継手パイプ11,12,13同士の連結を容易に行うことができる。
【0092】
(7)軸線方向に隣り合う一方の継手パイプ11(12)の挿入部11A(12A)の内径部に、捩れ防止埋込みプレート18が埋め込まれ、他方の継手パイプ12(13)の端部内径部に捩れ防止埋込みピン19が埋め込まれているので、各継手パイプ11,12,13の内部に収容されるワイヤ27と内部ケーブル60Bとが、プレート18とピン19とで分けられる。その結果、ワイヤ27と内部ケーブル60Bとが継手パイプ11,12,13の内部で捩れることがなくなり、これにより、ワイヤ27の引っ張り作用に悪影響を及ぼすことがなくなる。
【0093】
(8)軸線方向に隣り合う一方の継手パイプ11(12)の挿入部11A(12A)の内径部に、捩れ防止埋込みプレート18が埋め込まれ、他方の継手パイプ12(13)の端部内径部に捩れ防止埋込みピン19が埋め込まれているが、プレート18は、継手パイプ11(12)の端部から差し込んで取り付けることができるので、捩れ防止埋込みプレート18の取り付けが容易となる。
【0094】
(9)他方の継手パイプ12(13)の端部には、一方の継手パイプ11(12)の端部の挿入部11A(12A)が挿入されるため、捩れ防止手段を設けるには、その挿入部11A(12A)が邪魔となるので、挿入された挿入部の奥でなければならないが、他方の継手パイプの捩れ防止手段が捩れ防止埋込みピン19で形成されているので、挿入部の奥の部位でも、他方の継手パイプ12(13)の径方向に貫通させて取り付けることができる。したがって、挿入部が挿入される他方の継手パイプ12(13)であっても捩れ防止手段を容易に取り付けることができる。
【0095】
(10)複数本の継手パイプ11,12,13がそれぞれカーボンファイバーで形成されているので、それぞれが軽量に仕上がり、またそれらを連結したポール10も軽量となる。したがって、長時間の使用でも作業者Mにとってそれほど大きな負担とはならず、また、軽量なので、操作性の向上を図ることができる。そのうえ、複数本の継手パイプ11,12,13が同一外径寸法となっているので、それらを全部連結した場合でも、強度を確保でき、その結果、カメラ部21が装着されたポール10の先端側が垂れたりすることがなくなり、正確な撮影を確保することができ、かつ迅速な情報を得ることができる。
【0096】
(11)操作器40は、カメラ部21のCCDカメラ21AとIR LED21Bとを切り換えることができるように構成されているので、作業者Mは、ポール10を手に持った状態で、手元の操作器40におけるトグルスイッチ部41の可動切片41Eを、状況に応じて適宜、切り換えることで、CCDカメラ21Aのみ作動させたり、あるいは、CCDカメラ21AとIR LED21Bとの両方を作動させることができる。したがって、極度に照度が低下して低照度白黒カメラの能力でも、撮影が困難になった場合、装置1を操作する作業者M、または直属の責任者の指示等により、IR LED21Bを作動させることで、0ルクスの暗闇でも暗視撮影を行い、情報を得ることができるので、利用範囲が大幅に広がり、活用の場が大幅に増加する。
【0097】
(12)操作器40と画像表示手段50とが基端継手パイプ13に着脱可能に取り付けられるので、カメラ装置1を分解して収納保管するに際し、操作器40と画像表示手段50とを継手パイプから取り外すことで、基端継手パイプ13からの突出部がなくなり、全体がコンパクトとなって、収納保管し易くなる。
【0098】
(13)ケーブル60の内部ケーブル部60Bが各継手パイプ11,12,13の内部に収容されているので、カメラ装置1全体がすっきりとまとまり、外観上も見栄えのよいものとなり、また、使用に際しても内部ケーブル部60Bが絡まったりせず、操作性が向上する。
【0099】
(14)ケーブル60が外部ケーブル部60Aと内部ケーブル部60Bとで構成され、これらの一端が接続具63に接続されているので、カメラ装置1を分解する際、外部ケーブル部60Aを接続具63から外せば、外部ケーブル部60Aと内部ケーブル部60Bとが絡み合ったりすることがなくなり、分解時の取り扱いが容易となる。
【0100】
(15)端部に第1ジョイント部65Aを有する止具65を、先端継手パイプ11と中間継手パイプ12の外周にそれぞれ1個ずつ設け、基端継手パイプ13の長さ方向両端部に1個ずつ設けてあり、これらの止具65の何れかと、上記第1ジョイント部65Aと連結する第2ジョイント部66Aを有するショルダーベルト66を供えているので、各継手パイプ11,12,13のうちいずれかの止具65と、ショルダーベルト66とを接続することができる。そして、作業者Mがカメラ装置1を使用する際、ショルダーベルト66を肩に掛けて使用することができる。その結果、ポール10が軽いことと相俟って、操作性が向上し、作業者Mがずっと手に持っていなくてもよいので、疲労も少なくてすみ、作業者Mへの肉体的な負担を軽くすることができる。
【0101】
(16)作業者Mと作業補助者M1とが組んで作業を行うような場合、前記図12の作業時の操作で説明したように、作業者Mが1本のショルダーベルト66を基端継手パイプ13と中間継手パイプ12の止具65に連結させると共に肩に掛けたとき、作業補助者M1は、先端継手パイプ11の止具65に連結された別のショルダーベルト66を手に持ってポール10の先端部を吊り上げ、支持することができる。その結果、作業者Mの点検操作が非常に楽になり、長時間の作業でも、肉体的な負担が少なくなり、また、操作性が大幅に向上する。
【0102】
次に、図13,14に基づいて、本発明のカメラ装置1を三脚スタンド70に直立状に保持させた状態を説明する。
【0103】
三脚スタンド70は、柱部70Aと3本の脚部70Bと、柱部70Aの上端部に一方向に回動可能な雲台70Cとを備えて構成されている。
上記柱部70Aには、前記ポール10を直立状態に保持するポール固定具72が設けられている。このポール固定具72は、平面部を上記柱部70Aの軸線に沿わせて取り付けた側坂部72Aと、この側坂部72Aに固着された環状のフック部72Bとを備えて構成されている。フック部72Bは、その内部にポール10の基端継手パイプ13をワンタッチで挿脱できるような構成とされている。
【0104】
また、前記3本の脚部70Bの1本には、基端継手パイプ13等に設けられた前記バックル式止具65の第1ジョイント部65Aと係合可能な第2ジョイント部66Aを有する止具75が設けられている。したがって、ポール10をポール固定具72に通した後、基端継手パイプ13の止具65と、1本の脚部70Bの止具75とを連結したとき、ポール10を自立状態で、かつ略垂直に保持することができる。
【0105】
三脚スタンド70の上端部の前記雲台70Cは、例えば基端継手パイプ13の外周を把持できるように構成されている。そして、雲台70Cは、一方向に回動可能なので、図14に矢印Eで示すように、カメラ装置1を把持した状態で、そのカメラ装置1を水平面内において揺動可能とし、かつ所定位置で固定できるようになっている。
【0106】
以上のような状態から、バックル式止具65と脚部70Bの止具75との連結を外した場合、ポール固定具72を支点として、ポール10を水平面内で揺動させることができる。
【0107】
また、三脚スタンド70により前記カメラ装置1を図14に示すように支持することができる。
すなわち、三脚スタンド70で支持された直立状態のポール10を、バックル式止具65と脚部70Bの止具75との連結を外した後、ポール10をポール固定具72から外し、雲台70Cでポール10を支持すると共に、カメラ部21が検査対象物位に対応するように、ポール10の向きを調整し、その位置で雲台70Cを固定する。
【0108】
その後、カメラ向き設定機構35の位置を適宜変え、カメラ部21の向きを調整しながら、撮影対象物の撮影を行い、必要な情報収集を行う。この際、操作器40を操作し、画像表示装置50を確認しながら所定の作業を終了する。
【0109】
以上のような本発明の組立体7によれば、次のような効果を得ることができる。
(17)組立てたカメラ装置1を、例えば撮影対象物の撮影操作に入る前、あるいは撮影操作の途中で、立て掛けておくことができる。その結果、カメラ装置1を組立てた後、作業者Mがずっと手に持っていなくてもよいので、疲労も少なくてすみ、作業者Mへの肉体的な負担を軽くすることができる。
【0110】
(14)カメラ装置1を、三脚スタンド70により当該三脚スタンド70の軸線に対して交差する方向に対して自由な姿勢で支持できるので、撮影対象物にカメラ装置1のカメラ部21を向け、そのカメラ部21を最適の撮影状態を維持して固定することができる。
この際、作業者Mはカメラ装置1を手に持たなくてもよく、操作手段40および画像表示手段50に集中できるので、操作性が向上すると共に、疲労も少なくてすみ、作業者への肉体的な負担を軽くすることができる。
【0111】
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0112】
例えば、前記第1、第2実施形態におけるポール10を、先端継手パイプ11、中間継手パイプ12および基端継手パイプ13の3本の継ぎ手パイプによりを構成していたが、これに限らず、先端継手パイプ11と基端継手パイプ13との2本でポール10を構成してもよい。
【0113】
あるいは、中間継手パイプ12を増やして、全体で5本、6本の継ぎ手パイプからなるポール10としてもよい。そして、このように5本、6本の継ぎ手パイプからなるポール10とした場合でも、バックル式止具65とショルダーベルト66とを有効に利用することで、作業者に大きな負担を掛けることなく、より高所、より遠隔部所の、撮影、観察等が可能となる。そのうえ、前述のように、先端継手パイプ11等がカーボンファイバーで形成されているので、仮に5本あるいは6本連結したとしても、それらを連結したポールも軽量となる。したがって、長時間の使用でも作業者Mにとってそれほど大きな負担とはならず、また、軽量なので、操作性の向上を図ることができる。そのうえ、継手パイプ11等が同一外径寸法となっているので、それらを全部連結した場合でも、強度を確保でき、その結果、ポールの先端のカメラ部21が垂れたりすることがなくなり、正確な撮影を確保することができ、かつ迅速な情報を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の情報収集用カメラ装置は、事件が発生したり、地震等により倒壊したりして、人が容易に入れない、あるいは近づけないような室内や場所等の様子を撮影して、内部の情報を迅速に得たい場合に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明のカメラ装置の実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】前記実施形態のカメラ装置の分解斜視図である。
【図3】前記実施形態のカメラ装置における撮影手段および撮影手段の取り付け構造を示す側面図である。
【図4】前記実施形態のカメラ装置における撮影手段の取り付けに使用される連結部材を示す全体斜視図である。
【図5】前記実施形態のカメラ装置におけるカメラ向き設定機構と継手パイプとの関連を示す正面図である。
【図6】前記実施形態のカメラ装置におけるカメラ向き設定機構を示す平面図である。
【図7】図6におけるXII−XII線に沿った断面図である。
【図8】前記実施形態の継ぎ手パイプの連結構造を示す斜視図である。
【図9】前記実施形態のカメラ装置における操作器の取り付け構造を示す斜視図である。
【図10】前記実施形態のカメラ装置における操作器の電気回路図である。
【図11】前記実施形態のカメラ装置における画像処理装置の取り付け構造を示す平面図である。
【図12】前記実施形態のカメラ装置の一使用例を示す斜視図である。
【図13】前記実施形態のカメラ装置を三脚スタンドに保持させた状態を示す全体斜視図である。
【図14】前記実施形態のカメラ装置の一部を三脚スタンドに保持させた状態で使用する他の使用例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0116】
1 情報収集用カメラ装置
10 ポール
11 一端側継手パイプである先端継手パイプ
12 中間継手パイプ
13 他端側継手パイプである基端継手パイプ
14 パイプ連結機構
15 係合突起部材
16 係合穴
17 捩れ防止用埋込部材
18 捩れ防止用埋込みプレート
19 捩れ防止用埋込みピン
20 撮影手段
21 カメラ部
21A CCDカメラ
21B IR LED
22 カメラ保持部材
25 カメラ回動力付勢機構
26 付勢部材
27 回動用引っ張り部材であるワイヤ
28 係止具
35 カメラ向き設定機構
40 操作手段である操作器
41 トグルスイッチ部
50 画像表示手段
60 ケーブル
60A 外部ケーブル
60B 内部ケーブル
65 バックル式止具
66 紐状部材であるショルダーベルト
70 三脚支持装置である三脚スタンド
72 ポール固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の継手パイプを分解可能に組立てて形成したポールと、
撮影対象物を撮影して情報を収集するカメラ部およびこのカメラ部を一方向に回動自在に保持するカメラ保持部材とで構成すると共に、前記ポールを形成する一端部の継手パイプに着脱可能に取り付けた撮影手段と、
前記カメラ部に設けられると共に、その向きが前記ポールの軸線と直交する方向に対して回動自在となるように回動力を付勢するカメラ回動力付勢機構と、
このカメラ回動力付勢機構により回動された前記カメラの向きを任意の位置に設定するカメラ向き設定機構とを備えて構成したことを特徴とする情報収集用カメラ装置。
【請求項2】
前記カメラ回動力付勢機構を、前記カメラ部の一部と前記カメラ保持部材との間に架けわたし、前記カメラ部を前記ポールの軸線に対して直交する通常時の姿勢に保持する付勢部材と、一端部を前記カメラ部における前記付勢部材の反対側に取り付けると共に、他端部を前記ポールを形成する他端部の継手パイプ側に延出し、かつ引っ張ることにより前記付勢部材の付勢力に抗して前記カメラ部を回動させる回動用引っ張り部材とで構成したことを特徴とする請求項1に記載の情報収集用カメラ装置。
【請求項3】
前記回動用引っ張り部材の一端部に前記カメラ部に設けられた係止具と係合可能な係合部材を設け、前記回動用引っ張り部材の他端部側一部を前記カメラ部に固定されたガイド部材に装脱自在に挿通させると共に、他端部側の残部を前記一端部の継手パイプの内部から前記他端部の継手パイプの内部にわたって収容し、その先端部を前記他端部の継手パイプの外周部に引き出し、引き出した前記先端部を前記カメラ向き設定機構に固定したことを特徴とする請求項2に記載の情報収集用カメラ装置。
【請求項4】
前記カメラ向き設定機構を、前記他端部の継手パイプの外周から引き出された前記回動用引っ張り部材の先端部を固定しかつ前記継手パイプに沿ってスライド可能な本体部と、この本体部と一体的に形成されると共に、前記他端部の継手パイプを挟み込み装着する挟込部とを有した構成とし、少なくとも前記挟込部を弾力性を有する部材で形成し、前記挟込部に、当該挟込部を前記他端部の継手パイプの外周に装着した際滑らないように摩擦力を付与する摩擦力付与部を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の情報収集用カメラ装置。
【請求項5】
前記撮影手段と前記一端部の継手パイプとを着脱可能とする撮影手段連結機構を備え、この撮影手段連結機構を、前記カメラ保持部材に形成された係止穴と、前記一端部の継手パイプの端部にあけられると共に前記カメラ保持部材を前記一端部の継手パイプに差し込んだとき前記係止穴と対応するパイプ側係止穴と、前記係止穴とパイプ側係止穴とに係合して前記保持部材と一端部の継手パイプとを連結する連結部材とで構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の情報収集用カメラ装置。
【請求項6】
前記撮影手段の撮影状態を操作する操作手段と、前記撮影手段で撮影された情報を画面上に表示する画像表示手段とを、前記他端部の継手パイプに着脱可能に取り付け、前記撮影手段で撮影された情報を前記操作手段を介して前記画像表示手段に伝送するケーブルを、その一端部を前記カメラに接続させると共に、他端部側の大部分を前記一端部の継手パイプから前記他端部の継手パイプの内部に収容し、かつ当該他端部の継手パイプの内部から取り出し、その取り出し先端を前記操作手段に接続したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の情報収集用カメラ装置。
【請求項7】
前記ケーブルを、外部に現れる外部ケーブル部と外部に現れない内部ケーブル部とで構成し、前記外部ケーブル部を、その一端を前記カメラに接続させると共に他端を前記一端部の継手パイプの前記撮影手段側の外周に固定された接続具に電気的に接続させ、前記内部ケーブル部を、その一端を前記接続具に接続させると共に他端を前記一端部の継手パイプの内部に導入したことを特徴とする請求項6に記載の情報収集用カメラ装置。
【請求項8】
前記操作手段および画像表示手段は、それぞれ、前記他端部の継手パイプの外周を挟み込む挟込部を有し、この挟込部を弾力性を有する部材で形成すると共に、当該挟込部を介して前記他端部の継手パイプに着脱可能となっていることを特徴とする請求項6または7に記載の情報収集用カメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−8923(P2009−8923A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170747(P2007−170747)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000003388)東京計器株式会社 (103)
【出願人】(591217322)東京計器テクノポート株式会社 (1)
【Fターム(参考)】