説明

情報端末装置、情報処理の方法及びプログラム

【課題】設備機器又は家電機器の制御を可能にする初期設定が完了していない未登録状態の場合に、情報端末装置から前記設備機器又は家電機器への制御を行う動作をさせないようにしたものである。
【解決手段】情報端末装置3は、ガスメータ2と通信する送受信部16と、ガスメータ2を登録する機器登録部20と、機器登録部20で登録されたガスメータ2の制御を行う機器制御部17と、機器登録部20でガスメータ2を登録していない場合はガスメータの遮断弁の開閉操作をさせないようにする未登録処理部23を備えることにより、ガスメータ2が未登録状態のとき、情報端末装置からガスメータ2へ制御電文を送信してしまい、応答を待つという無駄な時間を要すことがなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス、電気、水道で利用される設備機器または家電機器と通信を行うシステムに用いる情報端末装置、情報処理の方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシステムとしては、例えば、サーバ装置よりガス、水道、電気などのメータに設定する設定情報をダウンロードし、メータに設定を行うというものがあった(特許文献1参照)。
【0003】
図8は、特許文献1に記載された従来のメータ制御装置のメータリモコンのブロック構成図を示すものである。図8に示すように、メータリモコン5には、開閉操作手段26と、情報表示部28と、ガスメータの計測値情報や制御情報をTV33に伝送するための情報インタフェース29とが搭載されている。30は家の中に配置された情報ラインで、メータリモコン5とはアダプタ31で接続され、TV33とはアダプタ32で接続されている。
【0004】
上記構成において、メータリモコン5に搭載された開閉操作手段26が操作されると、メータリモコン側無線通信手段14およびアンテナ17を介してガスメータ1に信号伝送される。ガスメータ1では前記信号をアンテナ15および第1の端末側無線通信手段13を介して受信し、ガス供給遮断機構23を制御するため、屋内に設置するメータリモコンがワイヤレスでガスメータの制御や制御情報を受け渡すことができるので、各装置の設定に際して家の壁に穴を開けなくてはならないという従来の課題が解決され、設置工事に要する手間と経費を大幅に削減することができるという効果があるというものである。
【特許文献1】特開平6−303675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、メータリモコン5は、メータへの初期設定が完了しているのか、あるいは、無線通信するための初期設定が完了しているのかがわからないため、メータあるいは無線通信の初期設定が完了していないくても、メータリモコンからメータの開操作や閉操作を行うことができる。
【0006】
もし、メータや無線通信の初期設定が完了していない状態で、メータリモコンからメータの開操作や閉操作を行うと、メータまたは無線通信がエラー応答や無応答となるはずである。つまり、開操作や閉操作を行ってもメータの開閉に失敗し、何度試みても失敗してしまうということで初期設定が完了していないとに気付くことになる。
【0007】
特に、情報端末装置を設置する設置員は、機器への制御に対する応答で判断しないといけなかったため、機器の故障なのか登録作業に失敗したのか混乱を来たすことがあった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、メータや無線通信の初期設定状態を把握し、初期設定が完了していない未登録状態の場合は、開操作や閉操作をして制御電文を送信してしまうことなく、直ちに未登録状態であるということを知らせる情報端末装置、情報処理の方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の情報端末装置は、設備機器又は家電機器の制御を可能にする初期設定が完了していない未登録状態の場合に、情報端末装置から前記設備機器又は家電機器への制御を行う動作をさせないようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報端末装置、情報処理の方法及びプログラムは、設備機器又は家電機器の制御を可能にする初期設定が完了していない未登録状態の場合に、情報端末装置から前記設備機器又は家電機器の制御を行う操作をさせないので、情報端末装置から設備機器又は家電機器へ制御電文を送信して応答を待つという無駄な時間を要すことなく、直ちに未登録状態であるということがわかる。
【0011】
特に、情報端末装置を設置する設置員は、機器への制御に対する応答で判断しなくてもわかるので、機器の故障なのか登録作業に失敗したのか混乱を来たすこともなくなり、作業効率が落ちるということを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、設備機器または家電機器を登録する機器登録部と、前記機器登録部で登録された設備機器又は家電機器の制御を行う機器制御部と、前記機器登録部で前記設備機器又は家電機器を登録していない場合は前記機器制御部の操作をさせないようにする未登録処理部を備えた情報端末装置であり、設備機器又は家電機器の制御を可能にする初期設定が完了していない未登録状態の場合に、情報端末装置から前記設備機器又は家電機器の制御を行う操作をさせないので、情報端末装置から設備機器又は家電機器へ制御電文を送信して応答を待つという無駄な時間を要すことがなくなる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の情報端末装置において、表示部または音声出力部を備え、前記未登録処理部は、前記機器制御部が制御しようとした機器が、前記機器登録部に未登録であった場合、前記表示部または音声出力部に未登録であることを表示または音または音声で報知させるようにしたことを特徴としたものであり、情報端末装置を設置する設置員は、未登録状態の場合、機器への制御に対する応答で判断しなくても表示または音声でわかるので、機器の故障なのか登録作業に失敗したのか混乱を来たすこともなくなり、作業効率が落ちるということを回避できる。
【0014】
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の情報端末装置において、情報端末装置は、設備機器又は家電機器と通信する送受信部を備え、機器登録部は、送受信部でお互いが通信できるようにする通信初期設定部と、設備機器又は家電機器へ初期設定を行う機器初期設定部を備えたものであり、機器登録を通信初期設定と機器初期設定の2段階とすることで、機器初期設定のみ再設定した場合に通信初期設定をやり直す必要がないので、再設定時は設定作業の効率化が図れる。
【0015】
第4の発明は、特に、第3の発明の情報端末装置において、未登録処理部は、通信初期設定部または機器初期設定部のいずれも完了していないと未登録と判定しないことを特徴としたものであり、登録作業で通信の初期設置もしくは機器への初期設定のいずれかの設定に失敗した場合や、いずれかの設定をすることを忘れてしまっていた場合や、いずれかの設定を削除してしまった場合でも未登録であるということが判断できる。
【0016】
第5の発明は、特に、第1〜3のいずれかの発明の情報端末装置において、未登録処理部は、通信初期設定部及び機器初期設定部の双方の設定を完了していない場合に、未登録であると判定することを特徴としたものであり、設備機器又は家電機器と情報端末装置と接続する配線が不要になるため、設置する場所の自由度が広がり設置作業の効率化を実現できる。
【0017】
第6の発明は、設備機器または家電機器の制御を可能にする機器登録手順と、前記機器登録手順で前記設備機器又は家電機器を登録していない場合は前記機器制御部の操作をさせないようにする未登録処理手順と、未登録であれば表示または音または音声で報知する報知手順である情報処理の方法であり、設備機器又は家電機器の制御を可能にする初期設定が完了していない未登録状態の場合に、情報端末装置から前記設備機器又は家電機器の制御を行う操作をさせないので、情報端末装置から設備機器又は家電機器へ制御電文を送信して応答を待つという無駄な時間を要すことがなり、情報端末装置を設置する設置員は、未登録状態の場合、機器への制御に対する応答で判断しなくても表示または音声でわかるので、機器の故障なのか登録作業に失敗したのか混乱を来たすこともなくなり、作業効率が落ちるということを回避できる。
【0018】
第7の発明は、特に、第6の発明の情報処理の方法において、設備機器又は家電機器に対して通信ができるようにする通信初期設定手順と、設備機器又は家電機器へ初期設定を行う機器初期設定手順との両方が完了していないと未登録と判定することを特徴としたものであり、機器登録を通信初期設定と機器初期設定の2段階とすることで、機器初期設定のみ再設定した場合に通信初期設定をやり直す必要がないので、再設定時は設定作業の効率化が図れ、登録作業で通信の初期設置もしくは機器への初期設定のいずれかの設定に失敗した場合や、いずれかの設定をすることを忘れてしまっていた場合や、いずれかの設定を削除してしまった場合でも未登録であるということが判断できる。
【0019】
第8の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の情報端末装置の機能の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。そして、プログラムであるので電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明の情報端末装置の少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における情報端末装置のシステム構成図、図2は、本発明の第1の実施の形態における情報端末装置のブロック図を示すものである。
【0022】
図1において、第一のネットワーク通信部1として具体的には、LPガス用のガスメータ2と情報端末装置3とは無線を媒体として利用する構成で、ガスメータ2には無線子機4が取り付けられており、情報端末装置3には、無線親機5が内蔵されている。なお、無線通信方式としては、特定小電力無線を使用し400MHz帯の伝送周波数を用いて通信を行う。
【0023】
ガスメータ2は、ガスを遮断することができる遮断弁(図示なし)が備えられており、利用者の家屋に設置されたガスの使用量を計量し、ガス漏れ等の異常検知を行う。
【0024】
また、第二のネットワーク通信部6として情報端末装置3とガス供給業者がガス供給の安全監視、ガス使用量の検針または情報サービスなどを行う管理センターのセンターサーバ7との経路にインターネットや公衆回線網・専用回線網などの通信回線を利用して、ガスメータを使用開始するために必要な初期設定情報等をダウンロードしたり、情報の送受信や電子メールの送信を行ったり、NCU(網制御装置)を利用して公衆電話回線より直接電話発呼することができる。
【0025】
情報端末装置3の表示部8の表示画面は液晶ディスプレイパネル9aで透過型STN(Super Twisted Nematic)液晶であり、パネル下からバックライト9bを照射することで画面に描画された内容を視覚的に見ることができるようになる。
【0026】
入力部10の入力デバイスは液晶ディスプレイパネル9aに重ねて設けられたタッチパネル11である。使用者は画面の表示内容に対して触れることにより、所望の動作をさせることができる。
【0027】
また、液晶ディスプレイ9aの表示画面では、ガスメータ2で異常を検知した情報表示やセンターサーバで提供するコンテンツ情報を表示したり、利用者自身が簡単なスケジュール管理などをすることができる。
【0028】
また、音声出力部12の出力装置はスピーカ13であり、情報端末装置3上でのサービス内容に応じた音声ガイダンスやガスメータから異常情報を受信した場合、異常警報音などを報知する。
【0029】
ボタン群14は、TOPメニュー画面に戻るメニューボタン14a、表示部8で画面表示のON/OFFができる画面入/切ボタン14b、ガス販売店を呼び出すことができるコールボタン14cで構成されている。
【0030】
LED群15は、電源供給LED15a、ガス販売店からお知らせがあれば点灯するお知らせLED15b、ガスメータ2の遮断状態を示す遮断LED15cなどで構成される。
【0031】
次に、図2において、ガスメータ2は、入力した情報やデータを演算処理したり、制御信号、データの生成や送出を行うメータ制御部51、ガスメータ2のガス漏れ等の異常を検知する異常検知部52、異常状態をLED表示などで報知する機器報知部53、異常事象の応じて発呼の有無などのガスメータ2の動作内容の設定情報が記憶されるメータ設定部54で構成される。
【0032】
無線子機4は、無線親機5との通信を行うためのペアリングにより、相手(本実施例では、無線親機)の識別符号が無線設定部61に記憶される。なお、ペアリングとは、情報端末装置の画面操作より、無線子機4のリードスイッチをオンすることにより、登録するための電文が無線子機4と無線親機5の間で送受信され、双方の識別符号を認識し合うことである。無線設定部61は、無線親機5にも備えられている。
【0033】
また、無線子機4には、図示しないが、複数のポート(接続端子)があり、接続されるガスメータ2の検針条件(検針日時、検針周期)や、ガスメータ以外に接続する機器の動作条件などの設定情報が記憶されるNCU設定部62が備えられている。NCU設定部62の設定情報の設定は、情報端末装置から無線親機5を経由して通信電文により設定することができる。
【0034】
情報端末装置3は、機器制御部17が、入力した情報やデータを演算処理したり、制御信号、データの生成や送出を行い、ガスメータ2の遮断弁の開閉制御も行う。
【0035】
異常判定部18は、ガスメータ2から受信した情報に対して異常情報を判定する。異常を判定した場合は、報知部19で、異常が発生したことを知らせる画面表示を行い、音声ガイダンスを発声し、利用者へ注意を促し、異常情報をセンターサーバ7へ通知する。
第二の送受信部25は、ガス供給業者がガス供給の安全監視、ガス使用量の検針または情報サービスなどを行う管理センターのセンターサーバ7と情報の送受信を行う。
【0036】
機器登録部20は、ガスメータ2の登録をするものであり、通信初期設定部21と機器初期設定部22で構成される。また、通信初期設定部21は、無線親機のID(識別子)を設定することができる親機設定部21aと、無線子機4の登録を行う子機登録部21bが備えられている。画面操作から子機登録部21bより子機の登録動作が開始し、前述のペアリングにより子機登録が完了される。子機登録が完了すると、無線子機のID(識別子)が、画面に表示される。また、機器初期設定部22は、無線子機のNCU設定部62への設定やメータ設定部54への設定を行う。
【0037】
未登録処理部23は、機器登録部20で全て登録が完了していないと、未登録と判断し、ガスメータの制御画面に入る前に、未登録であると「ガスメーターは未登録です」の画面表示と注意を促す効果音を鳴らす。以下の説明では、ガスメーターの登録といえば、親機設定部21aの設定と、子機登録部21bの設定と、機器初期設定部22の全ての設定が完了したことを意味するものとする。
【0038】
センターサーバ7には、情報端末装置3の設置時に顧客の毎に管理されたガスメータに設定を行う設定情報や、顧客から取得した検針情報、ガス異常情報、他にコンテンツ情報などを管理するデータ管理装置31と、データ管理装置31のコンテンツ情報やデータ、情報端末装置3から取得するデータを演算処理したり、制御信号、データを生成し情報端末装置3へ送出するサーバ制御部32で構成される。
【0039】
データ管理装置31では、具体的には顧客の電話番号と対応付けられたファイルのテーブルを持ち、ファイルの中に固有の無線親機ID、無線子機IDを含む初期設定に必要な情報が含まれる。
【0040】
また、センターサーバに接続できるパソコン等の端末装置41から、データ管理装置31のデータの追加、編集、削除等の入力作業ができる。
【0041】
以上のように構成された情報端末装置のシステムについて、図3〜図7を用いて、情報端末装置からガスメータを登録する場合の動作、作用を説明する。
【0042】
図3は、本発明の第1の実施の形態における情報端末装置からガスメータを登録する動作を示すシーケンス図、図4は、無線通信の設定やガスメータを登録する表示画面例を示す図である。
【0043】
まずは、情報端末装置の表示画面よりガスメータの登録作業を行ったときの動作、作用を説明する。
【0044】
初めてガスメータの登録作業をする場合、図4の画面に表示された無線親機設定ボタンB1、無線子機登録ボタンB2、ダウンロード設定ボタンB3の順にタッチ操作することにより、登録を実施していくこととなる。
【0045】
まず、図3において、無線親機設定を行う。無線親機設定は、無線親機設定ボタンB1をタッチすると(S51)、無線親機5に設定するID入力画面が表示され(図示なし)、所定のIDを入力後、無線親機5にID設定を行うことになる。ID設定を行い(S52)、設定OKの応答が無線親機5から返ってくれば(S53)、無線親機5へのID設定が完了である。
【0046】
続いて、無線子機登録を行う。無線子機登録は、無線親機5と無線子機4のペアリングを行い、無線通信が可能な状態にすることである。無線子機登録ボタンB2をタッチし(S54a)、無線親機5を子機登録モードにする(S55)。所定時間以内(本実施の形態では15秒)に無線子機4に備えられた登録スイッチ(図示なし)を押下すると(S54b)、無線子機4より子機のIDが含まれた登録要求電文が出力され(S56)、無線親機5は、登録要求電文を受信すると、親機のIDが含まれた登録応答電文を返し(S57)、お互いのIDを把握することで子機登録が完了する(S58)。
【0047】
無線親機設定と無線子機登録の無線通信の初期設定が完了すれば、次に無線子機4とガスメータ2の設定を行う。無線子機4とガスメータ2の設定情報は、無線子機登録ボタンB2をタッチし(S59)、センターサーバからダウンロードして、設定を行う(S60)(S61)。ダウンロードしたデータは無線子機4に送信すべき複数の電文の組み合わせで構成されており、情報端末装置は、複数の電文を分けて、個別に順次、無線子機4に送受信を行っていく。
【0048】
まずは、情報端末装置は、無線親機5を経由し無線子機4のNCU設定部62に設定を行い(S62)、設定OKを受信すれば(S63)、次に、無線親機5、無線子機4を経由しガスメータ2のメータ設定部54に設定を行う(S64)(S65)。
【0049】
なお、図3では、説明を簡略にするためNCU設定部62への設定とメータ設定部54への設定の送受信は1回づつ行われるものとしたが、実際には複数行う。
【0050】
ダウンロード設定が完了すると(S66)、センターサーバへ設定完了ことを通知する(S67)。
【0051】
また、図示しなかったが、無線親機5は、無線子機4と通信を開始するには、起動電文と呼ばれるリンク確立電文を送信することを行い、必要な電文の送受信が終了すると、リンク終了電文を送信し、無線通信を完了するという動作になっている。これは、無線子機4は電池駆動であり、消費電力を抑えるため通常、間欠運転(本実施の形態では18秒毎に無線受信のセンシングを行う)をしていて、無線親機5は18秒以上のリンク確立電文を送信し、それを無線子機4が受信すると、無線送受信ができるようになっている。
【0052】
以上、初めてガスメータの登録作業をする場合の一連の動作である。この動作の中で、図4の無線親機設定ボタンB1、無線子機登録ボタンB2、ダウンロード設定ボタンB3のタッチ操作を行った時の情報端末装置の内部処理を図5のフローチャート、内部処理で登録状態を管理するデータを図6のデータの一例を示す図を用いて説明する。
【0053】
無線親機設定、無線子機登録、ダウンロード設定の設定や登録が完了しているかどうかが、図6に示すように、3ビットのフラグの組み合わせで管理されている。
【0054】
図5(a)は、無線親機設定ボタンB1をタッチ操作したときのフローチャートであり、タッチ操作し、無線親機に設定するID入力画面が表示され(図示なし)、所定のIDを入力完了後(S81)、親機設定部21aから入力したID設定電文を機器制御部17に送るとともに、無線親機設定フラグを0にクリアし(S82)、無線親機5へID設定が行われ、無線親機5からの設定結果が機器制御部17より受け取り、応答がOKであれば(S83)、無線親機設定フラグに1をセットし(S84)、無線親機設定が設定完了しているという状態にする。
【0055】
同様に、図5(b)は、無線子機登録ボタンB2をタッチ操作したときのフローチャートであり、タッチ操作し(S91)、子機登録部21bから無線子機登録モードにするため、子機登録要求電文を機器制御部17に送るとともに、無線子機登録フラグを0にクリアし(S92)、子機登録の結果を機器制御部17より受け取り、結果がOKであれば(S93)、無線子機登録フラグに1をセットし(S94)、無線子機登録が完了しているという状態にする。
【0056】
同様に、図5(c)は、ダウンロード設定ボタンB3をタッチ操作したときのフローチャートであり、タッチ操作し(S101)、機器初期設定部22からセンターへ設定情報をダウンロードするため、ダウンロード要求電文を機器制御部17に送るとともに、ダウンロード設定フラグを0にクリアし(S102)、機器制御部17がダウンロードで取得したファイルを解析し、複数の電文を分けて、個別に順次、無線子機4に送受信を行い、全ての送受信が完了した結果を機器初期設定部22に返し、機器初期設定部22は、結果がOKであれば(S103)、無線子機登録フラグに1をセットし(S104)、無線子機登録が完了しているという状態にする。
【0057】
なお、各々、設定や登録の動作で、最初に該当のフラグを0にクリアしているのは、再設定する場合を考慮したものであり、設定値が誤ったり、無線通信が失敗したりして、設定が失敗した場合、情報端末装置と無線親機や無線子機、ガスメータとの設定状態に食い違いが発生するといけないので、必ず再設定が成功するまで該当のフラグに1をセットしないようにすることとした。
【0058】
そして、無線親機設定、無線子機登録、ダウンロード設定の全ての設定や登録が完了した状態である図6の3つのフラグが全て「1」がセットされた状態が、ガスメータが登録された状態であり、3つの全てのフラグが「1」でないと、未登録処理部23で未登録と判断される。
【0059】
なお、設定する操作のみを説明したが、無線親機設定、無線子機登録、ダウンロード設定は、情報端末装置から各々、削除することも可能である。
【0060】
一方、図7は、情報端末装置からガスメータの遮断弁の開閉制御を行う画面遷移を示した図であり、ガス関連のサービスを提供するホームガスTOP画面F1からガスメーターアイコンをタッチすると、ガスメータの遮断弁の開閉制御ができる「ガスメーター復帰」「ガスメーター遮断」のボタンが表示された画面F2に遷移する。それぞれのボタンをタッチすると、ガスメータと通信を行い、ガスメータの遮断弁の開閉制御を行うことができる。
【0061】
しかしながら、図示しないが、通常、無線子機4やガスメータ2は、電池駆動で約10年間は電池交換なしで使用できるようになっているため、低消費電力の設計がされていて、通信速度が遅い。特に、無線子機4の場合は、間欠運転になっており、情報端末装置がガスメータの制御を行うには、30秒以上を要していた。
【0062】
そこで、ガスメータが未登録の場合は、非常に時間がかかってしまう無線通信を行わないため、図7のホームガスTOP画面F1でガスメーターアイコンをタッチしたときに、未登録処理部23で未登録と判断していれば、ガスメータの遮断弁の開閉制御ができる画面F2に遷移させずに、一早く、ガスメータの登録が不十分であることを知らせるために、ガスメーター未登録画面F3を表示し、注意を促す効果音を鳴らす。
【0063】
以上のように、本実施の形態においては、ガスメータを未登録状態の場合に、情報端末装置からガスメータの遮断弁の開閉制御を行う操作をさせず、未登録であることを表示し、さらに注意を促す効果音で知らせるため、情報端末装置からガスメータへ制御電文を送信して応答を待つという無駄な時間を要すことがなくなる。
【0064】
さらに、情報端末装置を設置する設置員は、設置時の動作テストとして情報端末装置からガスメータの遮断弁の開閉制御を行おうとしても、未登録状態の場合、機器への制御に対する応答で判断しなくても表示または音声でわかるので、機器の故障なのか登録作業に失敗したのか混乱を来たすこともなくなり、作業効率が落ちるということを回避できる。
【0065】
なお、本実施の形態では、無線親機設定、無線子機登録、ダウンロード設定の各々にフラグを持たせ、各々の操作を行うときに該当のフラグをクリアしたがフラグのクリア方法を限定するものではない。例えば、無線親機設定の操作時には、全てのフラグをクリアしても構わない。何故なら無線親機の再設定を行えば無線親機のIDが、変更される場合もあるので、無線子機登録をやり直さないといけないからである。
【0066】
また、未登録処理部で未登録と判断できるようなデータ管理であれば、判断するデータは、フラグに限定されなくても構わない。
【0067】
また、無線親機設定のID入力は、情報端末装置の表示画面から入力するようにしたが、センターサーバから入力すべきID情報を取得して、入力の手間を省けるようにして構わない。
【0068】
また、ガスメータが未登録の場合、ガスメータの遮断弁の開閉操作を行う画面に遷移できないようにしたが、遮断弁の開閉制御以外に、情報端末装置から無線子機やガスメータと通信を行う操作をするケースがあるならば、画面遷移しないようにしたり、無線子機やガスメータと通信を開始する操作ボタンを無効にするなどの方法で、予め通信が失敗することがわかっているのに、無線子機やガスメータに送信して応答を待つという無駄な処理をなくすことができる。
【0069】
また、機器初期設定部で設定を行う設定情報は、センターサーバからダウンロードするようにしたが、情報端末装置から入力して設定できるようにするなど、設定情報の取得先が限定されたものでもない。
【0070】
また、本実施の形態では、情報端末装置は、表示画面を備えたものとしたが、表示画面がなくても、ガスメータと通信が可能な通信装置であっても構わない。
【0071】
さらに、ガスメータが未登録の場合に、表示画面がない場合は、ガスメータの遮断弁の開閉操作をできないように、ブザー等の音だけで知らせたり、ガスメータの登録が完了していれば点灯するLEDを設けるなどの方法で、知らせるようにしても構わない。
【0072】
また、第一のネットワーク通信部には、特定小電力による無線を用いたが、無線LANや有線通信であっても構わない。
【0073】
なお、本実施の形態では、表示部は液晶を用いたが、蛍光表示管やプラズマ方式でも画面表示できれば何でも構わない。また、液晶はSTN(Super Twisted Nematic)でなくTFT(Thin Film Transistor)や有機EL(Electro Luminescence)であっても構わない。
【0074】
また、情報端末装置に第一のネットワーク通信部を介して接続される機器はガスメータのみとする構成としたが、第一のネットワーク通信部あるいは別のネットワーク通信部をさらに設けて、複数のガスメータ、冷蔵庫や洗濯機などの家電機器、他の設備機器やホームセキュリティを実現するセンサなどを混合する構成としても同様の方法で実現できる。
【0075】
なお、本実施の形態で説明した部は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明にかかる情報端末装置、情報処理の方法及びプログラムは、登録の対象となる機器にガスメータを使用したが、他の用途のメータ(たとえば電力メータ、水道メータ、燃料メータなど)や、冷蔵庫やエアコン等の家電機器であっても、情報端末装置と通信可能であれば、同様の方法で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態1における情報端末装置のシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態1における情報端末装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における情報端末装置からガスメータを登録する動作を示すシーケンス図
【図4】本発明の実施の形態1における情報端末装置の無線通信の設定やガスメータを登録する表示画面例を示す図
【図5】(a)本発明の実施の形態1における情報端末装置の無線親機設定の動作を示すフローチャート(b)本発明の実施の形態1における情報端末装置の無線子機登録の動作を示すフローチャート(c)本発明の実施の形態1における情報端末装置のダウンロード設定の動作を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態1における情報端末装置でガスメータの登録状態を示すデータ構成の一例を示す図
【図7】本発明の第1の実施の形態における情報端末装置がガス関連のサービスを提供する表示画面の遷移図
【図8】従来のメータ制御装置のメータリモコンのブロック構成図
【符号の説明】
【0078】
1 第一のネットワーク通信部
2 ガスメータ
3 情報端末装置
6 第二のネットワーク通信部
7 センターサーバ
8 表示部
10 操作部
12 音声出力部
16 第一の送受信部(送受信部)
17 機器制御部
19 報知部
20 機器登録部
21 通信初期設定部
21a 親機設定部
21b 子機登録部
22 機器初期設定部
23 未登録処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器または家電機器を登録する機器登録部と、前記機器登録部で登録された設備機器又は家電機器の制御を行う機器制御部と、前記機器登録部で前記設備機器又は家電機器を登録していない場合は前記機器制御部の操作をさせないようにする未登録処理部を備えた情報端末装置。
【請求項2】
表示部または音声出力部を備え、前記未登録処理部は、前記機器制御部が制御しようとした機器が、前記機器登録部に未登録であった場合、前記表示部または音声出力部に未登録であることを表示または音または音声で報知させるようにしたことを特徴とした請求項1記載の情報端末装置。
【請求項3】
情報端末装置は、設備機器又は家電機器と通信する送受信部を備え、機器登録部は、前記送受信部でお互いが通信できるようにする通信初期設定部と、設備機器又は家電機器へ初期設定を行う機器初期設定部を備えた請求項1または2記載の情報端末装置。
【請求項4】
未登録処理部は、通信初期設定部及び機器初期設定部の双方の設定を完了していない場合に、未登録であると判定することを特徴とした請求項3記載の情報端末装置。
【請求項5】
設備機器又は家電機器との通信は無線を媒体とするものを利用したことを特徴とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報端末装置。
【請求項6】
設備機器または家電機器の制御を可能にする機器登録手順と、前記機器登録手順で前記設備機器又は家電機器を登録していない場合は機器制御の操作をさせないようにする未登録処理手順と、未登録であれば表示または音または音声で報知する報知手順を備えた情報処理の方法。
【請求項7】
機器登録手順は、設備機器又は家電機器に対して通信ができるようにする通信初期設定手順と、設備機器又は家電機器へ初期設定を行う機器初期設定手順とで構成され、未登録処理手順は、前記通信初期設定手順と前記機器初期設定手順の双方が完了していないと未登録と判定することを特徴とした請求項6記載の情報処理の方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項記載の情報端末装置の機能の少なくとも一部をコンピュータにて実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−85434(P2006−85434A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269608(P2004−269608)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】