説明

情報記録媒体、情報記録再生装置、情報記録再生方法、情報記録再生プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減する。
【解決手段】光ディスク100は、複数のセクタS(N)を含んでおり、絶対アドレス情報が割り当てられているセクタS(n)の総数が、複数のセクタS(N)の総数よりも少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体のアドレス配置、および該情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生装置、情報記録再生方法、情報記録再生プログラム、および該情報記録再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から情報記録の技術分野においては、光ディスクに関する研究が積極的に行われている。この光ディスクは、非接触で記録または再生が行えること、安価な大容量ファイルの実現が可能であること、用途に応じて、再生専用型(ROM;Read only memory)、追記型(R;Recordable または Write once)および書換可能型(RE;Re-writable)の多種のメディア(光ディスク)が存在していることから産業用から民生用まで幅広く応用されている。
【0003】
上記各種の光ディスクの大容量化は、ディスク上のトラックに書き込まれる情報の情報量を小さくするとともに、記録または再生に用いる光源としてのレーザ光の短波長化を実現し、高開口数(NA;Numerical Aperture)の対物レンズを採用することにより、焦点面での集光スポットサイズを小さくすることによって達成されてきた。
【0004】
例えば、CD(Compact Disc)では、光透過層となるディスク基板の厚さが約1.2mm、レーザ光の発振波長が約780nm、対物レンズの開口数が0.45であり、650MB(Mega-Byte)の記録容量であった。
【0005】
一方、DVD(Digital Versatile Disc)では、光透過層となるディスク基板の厚さが約0.6mm、レーザ光の発振波長が約650nm、NAが0.6であり、4.7GB(Giga-Byte)の容量となっている。DVDは、例えば、厚さ約0.6mmのディスク基板を2枚貼り合わせて1.2mmの厚さのディスクとして用いられている。
【0006】
さらに、高密度のBD(Blu-ray Disc)では、光学記録層上に設けられる光透過層の保護層の厚さを0.1mmに薄くした光ディスクを用いて、レーザ光の発振波長を約405nm、NAを0.85とすることで23GB以上の大容量化を実現している。
【0007】
ところで、光ディスクには、光ディスク内の物理的な位置を示すアドレス情報が割り当てられている(配置または記録されている)。
【0008】
アドレス情報は、光ディスク内での各単位記録領域(セクタ)の位置が判別できるように割り当てられており、探索のしやすさの観点から、連続するアドレス情報が付加されている。また、予め定められたアドレス情報の配置に関する規則(以下、単に「アドレス規則」という)に基づいてアドレス情報が割り当てられている。
【0009】
例えば、特許文献1に開示された光ディスクでは、アドレス情報が情報記録領域の全域にわたってディスクの内周側から外周側に向かうに従って単調増加するように設定することにより、光学ヘッドの移動を簡便にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−32922号公報(2002年1月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記の従来技術のように、光ディスクの情報記録領域の全域にわたってアドレス情報を配置する方法では、光ディスクの大容量化が更に進んだ場合、従来のアドレス規則におけるアドレス情報の下限値〜上限値の範囲では全ての情報記録領域に対して、互いに重複しない固有のアドレス情報が割り当てられなくなってしまう可能性があるという問題点がある。
【0012】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる情報記録媒体および情報記録再生装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の情報記録媒体は、複数の単位記録領域を含んでおり、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数が、上記複数の単位記録領域の総数よりも少ないことを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数を少なくすることで、情報記録媒体全体として使用する絶対アドレス情報の数(情報量)を減少させることができる。このため、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる。
【0015】
「絶対アドレス情報」とは、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号であり、例えば、互いに重複しない固有の番号であって所定の下限値(0)から1ずつ単調に増加する通し番号などである。なお、「絶対アドレス情報」を「通し番号情報」と言い換えても良い。
【0016】
以上より、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる。
【0017】
本発明の情報記録媒体は、上記の構成に加えて、上記複数の単位記録領域のうち、少なくとも1つの単位記録領域が、上記絶対アドレス情報が割り当てられている第1記録領域であり、当該第1記録領域以外の少なくとも1つの単位記録領域が、上記絶対アドレス情報が割り当てられていない第2記録領域であっても良い。
【0018】
上記構成によれば、本発明の情報記録媒体は、互いに重複しない固有の値である絶対アドレス情報が割り当てられる単位記録領域(第1記録領域)と、絶対アドレス情報が割り当てられない単位記録領域(第2記録領域)の両方を含んでいる。
【0019】
これにより、仮にアドレス情報に割り当て可能な全情報量を固定した状態でも、第2記録領域の数を増加させることで、光ディスク全体として使用する絶対アドレス情報の数(情報量)を減少させることができる。このため、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる。
【0020】
以上より、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる。
【0021】
また、使用する絶対アドレス情報の数を削減することが可能であるため、大容量の情報記録媒体に対しても情報記録領域の全域に渡ってアドレス情報を不足することなく割り当てることができ、情報記録媒体の使用可能な容量を増やすことができる。
【0022】
なお、第1記録領域に割り当てる絶対アドレス情報については、複数の第1記録領域の再生順に絶対アドレス情報を割り当てていけば、従来のアドレス規則を簡単に利用できるので従来機器との互換性を保つことが容易となるという副次的な効果を奏する。
【0023】
また、本発明の情報記録媒体は、上記の構成に加えて、少なくとも1つの上記第1記録領域と、当該少なくとも1つの上記第1記録領域の再生後、当該第1記録領域とは別の第1記録領域が再生される前に再生される、少なくとも1つの上記第2記録領域と、を含む複数の単位記録領域が所定の再生順序にしたがって配置された記録領域グループが複数存在し、当該記録領域グループのそれぞれが、上記複数の単位記録領域の再生方向に沿って繰り返し配置されていても良い。
【0024】
上記構成によれば、少なくとも1つの第1記録領域と少なくとも1つの第2記録領域とが再生順に繰り返し配置される(すなわち、規則的に配置される)ことになるので、第1記録領域が情報記録媒体内で再生方向に沿って均等に出現することになる。
【0025】
よって、例えば、光ディスクを例にとると、どの半径位置においても、光ディスク内の任意のセクタ(単位記録領域)の位置を迅速に認識することができる。
【0026】
また、本発明の情報記録媒体は、上記の構成に加えて、上記第2記録領域には、当該第2記録領域の再生前に再生される最近接の上記第1記録領域の自媒体における絶対位置に対する上記第2記録領域の相対位置を示す相対アドレス情報が割り当てられていても良い。
【0027】
上記構成によれば、絶対アドレス情報が割り当てられていない第2記録領域の絶対位置を、その第2記録領域に割り当てられた相対アドレス情報を用いて特定することができる。
【0028】
「相対アドレス情報」とは、第2記録領域の再生前に再生される最近接の第1記録領域の自媒体における絶対位置に対する、上記第2記録領域の相対位置を示す情報のことである。言い換えれば、第2記録領域の再生前に再生される最近接の第1記録領域の自媒体における絶対位置と、上記第2記録領域の絶対位置との相対的な位置関係を示す情報のことである。
【0029】
ここで、上述したように光ディスクの大容量化が更に進んだ場合、全ての情報記録領域に対して固有のアドレス情報が割り当てられなくなってしまう可能性がある。また、このような問題点を解決すべく、仮にアドレス規則を変更した場合、従来のアドレス規則と異なるので、従来機器との互換性を取ることが困難となってしまうという副次的な課題がある。
【0030】
そこで、このような副次的な課題を解決するために、本発明の情報記録媒体は、上記の構成に加えて、自媒体に記録される情報を管理するための管理情報が記録される管理情報記録領域が、上記第1記録領域のみから構成されていても良い。
【0031】
上記構成によれば、管理情報記録領域には絶対アドレス情報が割り当てられている第1記録領域のみが配置される。よって、管理情報記録領域に関しては従来と同じアドレス規則に従ってアクセスして管理情報を取得することが容易となるため、従来機器との互換性を保つことが容易となる。
【0032】
また、本発明の情報記録再生装置は、上記の課題を解決するために、複数の単位記録領域を含んでおり、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数が、上記複数の単位記録領域の総数よりも少ない情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生装置であって、上記複数の単位記録領域のうちの第1の単位記録領域からアドレス情報を取得するアドレス取得手段と、上記アドレス取得手段が取得したアドレス情報が上記絶対アドレス情報であるか否かを判定するアドレス判定手段と、上記アドレス判定手段によって上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第1の単位記録領域から上記アドレス情報が取得される前に取得された絶対アドレス情報が割り当てられている第2の単位記録領域の絶対位置に対する、上記第1の単位記録領域の相対位置を特定する相対位置特定手段と、上記アドレス判定手段によって上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第2の単位記録領域の絶対位置と、上記第1の単位記録領域の相対位置とから上記第1の単位記録領域の自媒体における絶対位置を特定する絶対位置特定手段と、を備えていることを特徴とする。
【0033】
また、本発明の情報記録再生方法は、上記の課題を解決するために、複数の単位記録領域を含んでおり、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数が、上記複数の単位記録領域の総数よりも少ない情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生方法であって、上記複数の単位記録領域のうちの第1の単位記録領域からアドレス情報を取得するアドレス取得ステップと、上記アドレス取得ステップで取得したアドレス情報が上記絶対アドレス情報であるか否かを判定するアドレス判定ステップと、上記アドレス判定ステップで上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第1の単位記録領域から上記アドレス情報が取得される前に取得された絶対アドレス情報が割り当てられている第2の単位記録領域の絶対位置に対する、上記第1の単位記録領域の相対位置を特定する相対位置特定ステップと、上記アドレス判定ステップで上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第2の単位記録領域の絶対位置と、上記第1の単位記録領域の相対位置とから上記第1の単位記録領域の自媒体における絶対位置を特定する絶対位置特定ステップと、を含んでいることを特徴とする。
【0034】
上記構成または方法によれば、第1の単位記録領域に絶対アドレス情報が割り当てられていない場合でも、第2の単位記録領域の絶対位置と、第1の単位記録領域の第2の単位記録領域の絶対位置に対する相対位置とから、第1の単位記録領域の絶対位置を特定することができる。
【0035】
また、本発明の情報記録再生装置は、上記の構成に加えて、上記第1の単位記録領域には、上記第2の単位記録領域の絶対位置に対する上記第1の単位記録領域の相対位置を示す相対アドレス情報が割り当てられており、上記相対位置特定手段は、上記相対アドレス情報を用いて、上記第2の単位記録領域の絶対位置に対する上記第1の単位記録領域の相対位置を特定しても良い。
【0036】
上記構成によれば、第1の単位記録領域から相対アドレス情報を受け取ることにより、確実に第1の単位記録領域の相対位置(第2の単位記録領域の絶対位置に対する第1の単位記録領域の相対位置)を取得することができる。よって、第2の単位記録領域の絶対位置が特定されていれば、第1の単位記録領域の絶対位置を確実に特定することができる。
【0037】
また、本発明の情報記録再生装置は、上記の構成に加えて、上記相対位置特定手段は、上記第2の単位記録領域から上記第1の単位記録領域までの間に存在する単位記録領域の総数を算出し、算出された当該単位記録領域の総数を用いて、上記第2の単位記録領域の絶対位置に対する上記第1の単位記録領域の相対位置を特定しても良い。
【0038】
上記構成によれば、簡易な構成で第1の単位記録領域の相対位置を特定することができる。このとき、例えば、第1の単位記録領域に相対アドレス情報を割り当てなくても良いので、第1の単位記録領域に相対アドレス情報を割り当てる場合と比較して、アドレス情報の割り当てに必要な情報量をさらに削減することができる。
【0039】
例えば、複数の第1の単位記録領域に、共通の補助的なアドレス情報(例えば、共通の数値)を割り当てた場合、共通の補助的なアドレス情報が割り当てられている第1の単位記録領域の数が増加すればする程、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる。
【0040】
なお、上記情報記録再生装置および情報記録再生方法における各手段、各機能、各処理、ならびに、各ステップおよび各工程のそれぞれは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを各手段として動作させ、コンピュータに上記各機能を実現させ、もしくはコンピュータに上記各処理、上記各ステップまたは上記各工程を実行させることにより上記情報記録再生装置および情報記録再生方法を、コンピュータにて実現させる上記情報記録再生プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0041】
本発明の情報記録媒体は、以上のように、複数の単位記録領域を含んでおり、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数が、上記複数の単位記録領域の総数よりも少ない構成である。
【0042】
また、本発明の情報記録再生装置は、以上のように、上記複数の単位記録領域のうちの第1の単位記録領域からアドレス情報を取得するアドレス取得手段と、上記アドレス取得手段が取得したアドレス情報が上記絶対アドレス情報であるか否かを判定するアドレス判定手段と、上記アドレス判定手段によって上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第1の単位記録領域から上記アドレス情報が取得される前に取得された絶対アドレス情報が割り当てられている第2の単位記録領域の絶対位置に対する、上記第1の単位記録領域の相対位置を特定する相対位置特定手段と、上記アドレス判定手段によって上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第2の単位記録領域の絶対位置と、上記第1の単位記録領域の相対位置とから上記第1の単位記録領域の自媒体における絶対位置を特定する絶対位置特定手段と、を備えている構成である。
【0043】
また、本発明の情報記録再生方法は、以上のように、上記複数の単位記録領域のうちの第1の単位記録領域からアドレス情報を取得するアドレス取得ステップと、上記アドレス取得ステップで取得したアドレス情報が上記絶対アドレス情報であるか否かを判定するアドレス判定ステップと、上記アドレス判定ステップで上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第1の単位記録領域から上記アドレス情報が取得される前に取得された絶対アドレス情報が割り当てられている第2の単位記録領域の絶対位置に対する、上記第1の単位記録領域の相対位置を特定する相対位置特定ステップと、上記アドレス判定ステップで上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第2の単位記録領域の絶対位置と、上記第1の単位記録領域の相対位置とから上記第1の単位記録領域の自媒体における絶対位置を特定する絶対位置特定ステップと、を含んでいる方法である。
【0044】
それゆえ、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の一形態である光ディスクの構成を示す模式図である。
【図2】上記光ディスクに含まれている各セクタにおけるアドレス情報の割り当て方の具体例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の一形態である光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図4】上記光ディスク装置に関し、制御部の構成の詳細を示すブロック図である。
【図5】上記光ディスク装置に関し、光ディスク内の各セクタにおけるセクタアドレス(絶対位置)を特定するための動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の一実施形態について図1〜図5に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の実施形態で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0047】
〔1.光ディスクの構成〕
まず、図1に基づいて、本発明の一実施形態である光ディスク(情報記録媒体)100の構造について説明する。図1は、光ディスク100の構造を示す模式図である。また、図1の(a)部分は、光ディスク100を、再生光入射側から見たときの様子を示す模式図である。一方、図1の(b)部分は、光ディスク100における断面構造の一部を示す模式図である。
【0048】
(情報記録層L0)
同図に示すように、光ディスク100は、1層の情報記録層L0を含んでいる。本実施形態の光ディスク100は、情報記録層L0が1層のみである単層の情報記録媒体であるが、光ディスク100は、2層以上の情報記録層を含む多層の情報記録媒体であっても良い。
【0049】
(情報記録領域103)
情報記録層L0には、図1の(a)部分に示す光ディスク100の中心(内周側)から外周側に向けて円環形状を為して延在する情報記録領域103(図1の(b)部分も併せて参照)が形成されており、この情報記録領域103は、大きく分けて管理情報領域101およびユーザ領域102の2つの領域に分けられる。
【0050】
ここで、情報記録領域とは、情報記録層L0において、情報記録層として機能するために設けられる反射膜や記録膜などからなる単膜、または、多層膜が設けられている媒体面方向(再生光の入射面の面内方向)の範囲を指す。
【0051】
(管理情報領域101)
管理情報領域(管理情報記録領域)101には、情報記録層の層数、各情報記録層の層番号、各情報記録層の種類、図3に示す光ヘッド11から出射される再生用の光の再生パワー、光ピックアップ12のサーボ方式などの再生条件、光ヘッド11から出射される記録用の光の記録パワーや記録用の光の照射タイミングなどの記録条件、および、自媒体に記録される情報をファイル単位で管理するためのファイル管理情報など、光ディスク100の記録や再生に関わる各種の管理情報が含まれている。
【0052】
管理情報領域101は、トラッキング制御が不要な領域、または、フォーカス制御のみでアクセス可能な領域であってもよいし、トラッキング制御が必要な領域であってもよい。また、試し書き記録(テストライト)を行うためのテストライト領域や、光ディスク100の欠陥管理のための情報を記録する欠陥管理領域が含まれていてもよい。
【0053】
また、管理情報領域101は、後述する絶対アドレス情報が割り当てられたセクタ(第1記録領域、第2の単位記録領域、単位記録領域)S(n)のみから構成されていても良い。ここで、「絶対アドレス情報」とは、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号であり、例えば、互いに重複しない固有の番号であって所定の下限値(0)から1ずつ単調に増加する通し番号などである。なお、「絶対アドレス情報」を「通し番号情報」と言い換えても良い。
【0054】
これにより、管理情報領域101には互いに重複しない固有の値である絶対アドレス情報のみが割り当てられる(配置される)。このため、管理情報領域101に関しては従来と同じアドレス規則に従ってアクセスして管理情報を取得することが容易となるため、従来機器との互換性を保つことが容易となる。
【0055】
(ユーザ領域102)
ユーザ領域102は、主にユーザデータを記録するために用意されている領域であり、各種ソフトウェアまたは各種コンテンツといったユーザ情報や上記ソフトウェアまたはコンテンツの利用に供される付随情報など、様々な情報が記録される。
【0056】
情報記録領域103は、図1の(a)部分に示す光ディスク100の内周側から外周側に向けて並列する同心円環形状の複数のトラックT(l)から構成される(但し、lは、0以上の整数である)。図1の(a)部分に示すトラックT(l)は、同心円環形状のトラックT(l)の一部のみを示している。なお、各トラックT(l)における記録容量は、内周側と外周側とで一致させても良いし、一致させなくても良い。
【0057】
このトラックT(l)は、複数のセクタ(単位記録領域)S(N)から構成されている(但し、Nは、0以上の整数である)。
【0058】
セクタS(N)には、アドレス情報(後述する絶対アドレス情報、相対アドレス情報、もしくは、補助アドレス情報)の他、上述したユーザ情報および付随情報などが含まれており、所定の順序や規則に従って格納される。セクタS(N)には、アドレス情報の記録が可能な少なくとも1つのアドレス記録領域が含まれている。また、同一のアドレス情報を、セクタS(N)内で、複数箇所のアドレス記録領域に分散して記録しても良い。これにより、光ディスク100に対して傷などの欠陥が生じた場合でも、アドレス情報の消失を防止することができる。
【0059】
また、アドレス情報は、例えば、通常のROM型ディスク(再生専用ディスク)のように直接ピットで記録しても良いし、R型ディスク(追記型ディスク)やRE型ディスク(書換可能型ディスク)のように、トラックT(l)をウォブリングさせて記録するなど、どのような形態で記録しても良い。また、R型ディスクとRE型ディスクのように記録される記録マークにアドレス情報を含めても良い。
【0060】
複数のセクタS(N)は、大きく分けて、図1の(a)部分に斜線の箱で示す少なくとも1つのセクタS(n)と、無地(白地)の箱で示す少なくとも1つのセクタ(第2記録領域、第1の単位記録領域、単位記録領域)S(m)とを含む。但し、n、mは、0以上の整数であり、N>n、mである。また、SUM(N)でセクタS(N)の総数を表すとき、SUM(N)=SUM(n)+SUM(m)の関係を満たす。
【0061】
また、セクタS(n)には、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレス情報が割り当てられる。
【0062】
一方、セクタS(m)は、アドレス情報が割り当て可能なアドレス記録領域を含んでいるが、本実施形態では、このアドレス記録領域に絶対アドレス情報を割り当てないか、または、後述する相対アドレス情報もしくは補助アドレス情報(但し、絶対アドレス情報を通し番号ですべてのセクタS(N)に割り当てた場合よりも情報量が小さくなるように設定する)を割り当てる。
【0063】
ここで、通常のアドレス規則で定められている物理アドレスでは、所定の下限値と所定の上限値が定められており、下限値から上限値に向けて1ずつ単調に増加する通し番号とされる。
【0064】
そこで、例えば、下限値と上限値との間の任意の番号を境界値とし、下限値以上、境界値未満の番号を絶対アドレス情報の割り当てに使用し、境界値以上、上限値以下の番号を相対アドレス情報または補助アドレス情報の割り当てに使用しても良い。また、これとは逆に、境界値以上、上限値以下の番号を絶対アドレス情報の割り当てに使用し、下限値以上、境界値未満の番号を相対アドレス情報または補助アドレス情報の割り当てに使用しても良い。
【0065】
これにより、特定のセクタS(N)に割り当てられている情報が、絶対アドレス情報および相対アドレス情報(または補助アドレス情報)のいずれであるかを簡単に判別することができる。
【0066】
これにより、仮にアドレス情報に割り当て可能な全情報量を固定した状態でも、セクタS(m)の数を増加させる(境界値を下限値側にシフトさせる)ことで、光ディスク100全体として使用する絶対アドレス情報の数(情報量)を減少させることができる。このため、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる。
【0067】
以上より、アドレス情報の割り当てに必要な情報量を削減することができる。
【0068】
また、使用する絶対アドレス情報の数を削減することが可能であるため、大容量の光ディスク100に対しても情報記録領域103の全域に渡ってアドレス情報を不足することなく割り当てることができ、光ディスク100の使用可能な容量を増やすことができる。
【0069】
なお、セクタS(n)に割り当てる絶対アドレス情報については、複数のセクタS(n)の再生順に絶対アドレス情報を割り当てていけば、従来のアドレス規則を簡単に利用できるので従来機器との互換性を保つことが容易となるという副次的な効果を奏する。
【0070】
また、セクタS(m)に、相対アドレス情報を割り当てても良い。ここで、「相対アドレス情報」とは、セクタS(m)の再生前に再生される最近接のセクタS(n)の自媒体における絶対位置に対する、上記セクタS(m)の相対位置を示す情報のことである。言い換えれば、セクタS(m)の再生前に再生される最近接のセクタS(n)の自媒体における絶対位置と、上記セクタS(m)の絶対位置との相対的な位置関係を示す情報のことである。
【0071】
なお、複数の連続するセクタS(m)に割り当てる「相対アドレス情報」の例としては、物理アドレスの境界値から開始し、セクタ番号の増加に伴って単調に増加する番号や、物理アドレスの上限値から開始し、セクタ番号の増加に伴って単調に減少する番号などを挙示することができる。
【0072】
上記構成によれば、絶対アドレス情報が割り当てられていないセクタS(m)の絶対位置を、そのセクタS(m)に割り当てられた相対アドレス情報を用いて特定することができる。
【0073】
また、セクタS(m)に、補助アドレス情報を割り当てても良い。ここで、「補助アドレス情報」とは、上記の境界値よりも大きく、上限値以下の番号から選択される任意の番号であり、上記の相対アドレス情報や、当該セクタS(m)の再生前に再生される最近接のセクタS(n)と相関関係を持たない任意の番号などである。例えば、セクタ番号の増加に関わらず常に一定の番号や、セクタ番号の増加に伴って、単調に増加し、ある番号から単調に減少する番号などを例示することができる。
【0074】
また、上記のアドレス情報は、通常のROM型ディスクのように直接ピットで記録しても良いし、R型ディスクやRE型ディスクのように、トラックT(l)をウォブリングさせて記録しても良く、その他の様々な形式で光ディスク100に記録することができる。また、R型ディスクとRE型ディスクでは記録される記録マークにアドレス情報を含めてもよい。
【0075】
ここで、図2(a)〜(e)に基づいて、光ディスク100の情報記録領域103におけるアドレス情報の割り当て方の具体例について説明する。
【0076】
なお、ここでは、簡単のため、セクタ数(総数)が7(セクタ番号0〜6)の場合について説明する。しかしながら、セクタ数は7に限られず、必要に応じて任意の数のセクタ数を設定することが可能である。また、本明細書では、説明の便宜上、セクタS(N)に記録される情報としては上記のアドレス情報のみを表示している。実際には、上記に説明した通り、ユーザ情報や付随情報なども含まれている。
【0077】
セクタS(N)(セクタ番号0〜6)は、光ディスク100のトラックT(l)(図1(a)参照)上に所定の再生順序に従って順番に配置されており、後述する光ディスク装置(情報記録再生装置)1は、光ディスク100を回転させて所定の再生順序に従ってアドレス情報を取得する。ここでは、セクタ番号0から6まで、順番にアドレス情報を取得することとする。
【0078】
また、絶対アドレス情報A0〜A6は再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号情報(絶対アドレス情報)であり、補助アドレス情報R1〜R2は上記通し番号情報でない補助的なアドレス情報(例えば、相対アドレス情報)である。
【0079】
絶対アドレス情報A0〜A6および補助アドレス情報R1〜R2はそれぞれ互いに異なる物理アドレス情報である。言い換えれば、絶対アドレス情報と、補助アドレス情報とが同一の番号となることはない。
【0080】
まず、図2(a)は、従来の光ディスクに割り当てられているアドレス情報の一例を示すものである。アドレス情報として絶対アドレス情報A0〜A6を使用しており、使用しているアドレス情報の総数(以下、アドレス総数という)は7とセクタの総数(以下、セクタ総数という)7と一致している。
【0081】
一方、図2(b)〜(e)は、本実施形態の光ディスク100に割り当てるアドレス情報の具体例を示す。
【0082】
図2(b)では、アドレス情報として絶対アドレス情報A0〜A2と補助アドレス情報R1〜R2を使用しており、使用しているアドレス総数は5とセクタ総数7よりも少ない。補助アドレス情報R1は2つの異なるセクタ番号1のセクタS(N)(以下、単に「セクタ1」という)とセクタ4とで使用されており、補助アドレス情報R2も2つの異なるセクタ2とセクタ5で使用されている。すなわち、複数箇所に配置された補助アドレス情報R1(またはR2)は、光ディスク100内で重複する(同一の)アドレス情報となっている。なお、補助アドレス情報R1とR2とは互いに異なるアドレス情報であっても良いし、重複する(同一の)アドレス情報であっても良い。
【0083】
また、図2(c)は、本実施形態の光ディスク100に割り当てるアドレス情報の更に別の一例を示すものである。
【0084】
図2(c)では、アドレス情報として絶対アドレス情報A0〜A3と補助アドレス情報R1を使用しており、使用しているアドレス数は5とセクタ総数7よりも少ない。補助アドレス情報R1は3つの異なるセクタ3、セクタ4、セクタ5で使用されており、光ディスク100内で重複する(同一の)アドレス情報となっている。
【0085】
また、図2(d)は、本実施形態の光ディスク100に割り当てるアドレス情報の更に別の一例を示すものである。
【0086】
図2(d)では、アドレス情報として絶対アドレス情報A0〜A2と補助アドレス情報R1を使用しており、使用しているアドレス数は4とセクタ総数7よりも少ない。R1は4つの異なるセクタ1、セクタ2、セクタ4、セクタ5で使用されており、光ディスク100内で重複する(同一の)アドレス情報となっている。
【0087】
また、図2(e)は、本実施形態の光ディスク100に割り当てるアドレス情報の更に別の一例を示すものである。
【0088】
図2(e)では、アドレス情報は絶対アドレス情報A0〜A3と補助アドレス情報R1を使用しており、使用しているアドレス数は5とセクタ総数7よりも少ない。補助アドレス情報R1は3つの異なるセクタ1、セクタ3、セクタ5で使用されており、光ディスク100内で重複する(同一の)アドレスとなっている。
【0089】
つまり、従来の光ディスクにおいては図2(a)で示されるように使用しているアドレス数がセクタ総数と一致しているのに対し、本実施形態の光ディスク100においては図2(b)〜(e)で示されるように使用しているアドレス数はセクタ総数よりも少なくなっている。
【0090】
以上のように、本実施形態における光ディスク100はレーザ光の照射によって情報の記録または再生が行われる光ディスクである。また、各セクタS(N)にアドレス情報が配置されており、アドレス情報は、絶対アドレス情報と補助アドレス情報(または相対アドレス情報)を含んでいる。絶対アドレス情報は、全て互いに重複しない固有の値であり、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号であるため、再生方向に沿って配置された各セクタS(N)の再生順序を特定することができる。
【0091】
一方、補助アドレス情報は、少なくとも2つが重複する(同一の)アドレス情報であっても良い。このとき、光ディスク100内で同じ補助アドレス情報を持つセクタS(m)が少なくとも2つ以上存在するため、補助アドレス情報だけでは、そのセクタS(m)の絶対位置を特定することができない場合がある。このような場合、例えば、セクタS(n)からセクタS(m)までの間に存在するセクタS(N)の総数をカウント(算出)すれば良い。または、セクタS(m)がセクタS(n)から数えて何番目のセクタS(N)にあたるかを特定しても良い。
【0092】
これにより、上記の算出結果(特定結果)と、セクタS(n)の絶対位置を用いて、セクタS(m)の絶対位置を特定することができる。
【0093】
以上により、本実施形態の光ディスク100では、使用するアドレス数を減らすことができ、光ディスクの使用可能な容量を増やすことができる。
【0094】
なお、図2(b)〜(e)はいずれも、絶対アドレス情報が割り当てられたセクタS(n)と、補助アドレス情報(相対アドレス情報を含む)が割り当てられたセクタS(m)がそれぞれ少なくとも1つずつ含まれるグループ(記録領域グループ)を構成している。
【0095】
具体的には、少なくとも1つのセクタS(n)と、当該少なくとも1つのセクタS(n)の再生後、当該セクタS(n)とは別のセクタS(n+1)が再生される前に再生される、少なくとも1つのセクタS(m)と、を含む複数のセクタS(N)が所定の再生順序にしたがって配置された記録領域グループが複数存在し、当該記録領域グループのそれぞれが、上記複数のセクタS(N)の再生方向に沿って繰り返し配置されている。
【0096】
上記構成によれば、少なくとも1つのセクタS(n)と少なくとも1つのセクタS(m)とが再生順に繰り返し配置される(すなわち、規則的に配置される)ことになるので、セクタS(n)が光ディスク100内で再生方向に沿って均等に出現することになる。
【0097】
よって、例えば、光ディスク100を例にとると、どの半径位置においても、光ディスク100内の任意のセクタS(N)の位置を迅速に認識することができる。
【0098】
より具体的には、図2(b)では絶対アドレス情報A0を割り当てられたセクタ0と、補助アドレス情報R1、R2がそれぞれ割り当てられたセクタ1、セクタ2の、合計3セクタから構成されるグループが含まれている。同様に絶対アドレス情報A1を持つセクタ3と、補助アドレス情報R1、R2をそれぞれ持つセクタ4、セクタ5の、同じく合計3セクタから構成される記録領域グループが再生する順序に従って、繰り返し含まれている。このような記録領域グループを繰り返しとして含むよう光ディスク100を構成することで、絶対アドレス情報と補助アドレス情報がそれぞれ一定の割合と頻度で配置され、光ディスク100内で絶対アドレス情報が均等に出現するため、どの半径位置においても、迅速に光ディスク100上の位置を認識することができる。更に、後述するように、絶対アドレス情報が割り当てられたセクタS(n)の場合、絶対アドレス情報から簡単な計算によってセクタS(n)の絶対位置を特定することができる。
【0099】
なお、前述したとおり、光ディスク100の情報記録領域103は、図1のように管理情報領域101とユーザ領域102で構成されている。
【0100】
このうち、管理情報領域101は、光ディスク100の認識に関わる管理情報が記録されており、光ディスク装置1が光ディスク100を誤認識することに起因して光ディスク100にダメージを与えるなどのトラブルを避けるため、管理情報領域101についてはどの光ディスク装置1においても確実に認識できることが好ましい。
【0101】
そこで、管理情報領域101については、図2(a)に示されるような従来のアドレス規則に従って配置し、ユーザ領域102についてのみ、図2(b)〜(e)に示されるような本実施形態のアドレス規則を適用することが好ましい。これにより、本実施形態のアドレス規則に対応していない、すなわち補助アドレス情報が割り当てられたセクタS(m)の位置を特定することができない光ディスク装置1においても、絶対アドレス情報が割り当てられたセクタS(n)のみから構成される管理情報領域101についてはその位置を認識することができるため、光ディスク100の管理情報を確実に認識することができる。
【0102】
〔2.光ディスク装置の構成〕
図3に基づいて、本発明の一実施形態である光ディスク装置(情報記録再生装置)1の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態である光ディスク装置1の概要構成を示すブロック図である。
【0103】
図3に示すように、光ディスク装置1は、主として記録再生回路群10、光ヘッド11、光ピックアップ12および制御部20を備えている。
【0104】
また、記録再生回路群10は、主としてピックアップ駆動回路13、レーザ駆動回路14および再生回路15を備えている。
【0105】
また、光ディスク装置1は、光ディスク100を含むDVDやBDなどの光ディスク100に対して情報の記録または再生を行う装置である。
【0106】
図3に示すように、光ディスク装置1では、回転する光ディスク100の図1の(a)部分に示すトラックT(l)へ、制御部20がピックアップ駆動回路13を介して光ピックアップ12を移動させるようになっている。
【0107】
光ピックアップ12には、光ヘッド11が設けられている。また、光ディスク装置1は、制御部20がピックアップ駆動回路13を介して光ピックアップ12を光ディスク100の所望の記録部位(セクタS(N))へ移動させる。そして、制御部20がレーザ駆動回路14を介して記録条件または再生条件を設定し、光ヘッド11から記録用または再生用のレーザビーム(光)を光ディスク100に照射するようになっている。
【0108】
記録時には、記録情報に応じて変調されたレーザビームが光ヘッド11から光ディスク100に照射され、光ディスク100上に記録情報に対応するマークおよびスペースが記録される。これにより、光ディスク装置1は、光ディスク100の所望のセクタS(N)に情報を記録することができる。
【0109】
再生時には、光ヘッド11が検出した反射光が再生回路15にて再生信号に変換され、制御部20に入力される。これにより、光ディスク装置1は、光ディスク100の所望のセクタS(N)に記録された情報を再生することができる。
【0110】
次に、図4に基づいて、光ディスク装置1の主要部である制御部20の構成について説明する。制御部20は、アドレス制御部22および記録再生回路群制御部21を備えている。
【0111】
(制御部20)
制御部20は、光ディスク100に対する情報の書込み、光ディスク100に記録された情報の読み出し、ユーザによる指示の入力を受けて当該指示を実行するなどの様々な制御を行う。
【0112】
(アドレス制御部22)
アドレス制御部22は、アドレス取得部(アドレス取得手段)221、アドレス判定部(アドレス判定手段)222、絶対位置特定部(絶対位置特定手段)223、および、相対位置特定部(相対位置特定手段)224、を動作させて、主として光ディスク100に記録されている各セクタS(N)のアドレス情報を特定する制御を行うものである。さらに、アドレス制御部22は、記録再生回路群制御部21を介して記録再生回路群10を駆動し、光ヘッド11のトラッキング制御やフォーカス制御などを行って光ディスク100の各セクタS(N)からアドレス情報を取得し、各セクタS(N)の絶対位置を特定するなどのアドレス情報に関する制御を行う。なお、アドレス制御部22は、各セクタS(N)の絶対位置を特定し、その特定結果を記録再生回路群制御部21に受け渡す。
【0113】
アドレス取得部221は、現在再生しているセクタS(N)のアドレス情報を取得(読み出す)し、一時情報保持部225へ記憶し、アドレス情報を取得した旨の通知をアドレス判定部222に受け渡す。また、セクタS(N)から取得されるアドレス情報は、上述した絶対アドレス情報である場合と、補助アドレス情報(例えば、相対アドレス情報)である場合がある。
【0114】
アドレス判定部222は、アドレス取得部221からアドレス情報を取得した旨の通知を受け取ると、アドレス取得部221が一時情報保持部225に記憶したアドレス情報を読み出す。アドレス判定部222は、読み出したアドレス情報が、絶対アドレス情報および補助アドレス情報のいずれであるかを判定する。
【0115】
なお、アドレス判定部222に設けられた図示しないメモリには、上述した物理アドレスの境界値が予め記録されており、セクタS(N)から取得したアドレス情報が、境界値未満の番号であれば、絶対アドレス情報と判定し、境界値以上の番号であれば、補助アドレス情報であると判定する。
【0116】
また、読み出したアドレス情報が、絶対アドレス情報であれば、絶対アドレス情報を絶対位置特定部223に受け渡し、補助アドレス情報であれば、補助アドレス情報を相対位置特定部224に受け渡す。
【0117】
相対位置特定部224は、アドレス判定部222から受け取ったセクタS(m)の補助アドレス情報(ここでは、相対アドレス情報)を用いて、セクタS(m)の相対位置を特定する。その後、相対位置特定部224は、相対位置の特定結果に関する情報を、絶対位置特定部223に受け渡す。
【0118】
また、相対位置特定部224は相対アドレス情報を用いて、その相対アドレス情報が割り当てられているセクタS(m)の再生前に再生される最近接のセクタS(n)の絶対位置に対する、上記セクタS(m)の相対位置を特定しても良い。
【0119】
このように、相対アドレス情報が割り当てられているセクタS(m)から相対アドレス情報を受け取ることにより、確実に相対アドレス情報が割り当てられているセクタS(m)の相対位置を特定することができる。よって、セクタS(m)の再生前に再生される最近接のセクタS(n)の絶対位置が特定されていれば、セクタS(m)の相対位置を確実に特定することができる。
【0120】
また、相対位置特定部224は、上記セクタS(n)から上記セクタS(m)までの間に存在するセクタS(N)の総数を算出し、算出されたセクタS(N)の総数を用いて、上記セクタS(n)の絶対位置に対する上記セクタS(m)の相対位置を特定しても良い。
【0121】
上記構成によれば、簡易な構成でセクタS(m)の相対位置を特定することができる。このとき、例えば、セクタS(m)に相対アドレス情報を割り当てなくても良いので、セクタS(m)に相対アドレス情報を割り当てる場合と比較して、アドレス情報の割り当てに必要な情報量をさらに削減することができる。
【0122】
絶対位置特定部223は、現在再生しているセクタS(N)がセクタS(n)である場合、アドレス判定部222から取得した絶対アドレス情報に基づいて、上記セクタS(n)の光ディスク100内における絶対的な位置(絶対位置)を特定する。また、現在再生しているセクタS(N)がセクタS(m)である場合、相対位置特定部224から送られた相対位置の特定結果に関する情報と、その直前(直近)に取得した絶対アドレス情報とから、現在再生しているセクタS(m)の光ディスク100内における絶対位置を特定する。絶対位置特定部223で特定された絶対位置は、一時情報保持部225に保存される。
【0123】
一時情報保持部225は、アドレス取得部221が取得したアドレス情報や、各セクタS(N)の絶対位置の特定結果に関する情報などを一時的に保持する。
【0124】
(記録再生回路群制御部21)
記録再生回路群制御部21は、アドレス制御部22から受け取った各セクタS(N)の絶対位置の特定結果に基づいて、光ディスク100に対する情報の記録または再生の制御などを行う。
【0125】
〔3.情報記録再生装置の動作〕
次に、図5で示すフローチャートに基づいて、本実施形態の光ディスク装置1において、光ディスク100からアドレス情報を再生(取得)し、現在再生中のセクタS(N)のセクタアドレス(絶対位置)を特定する動作のフローについて説明する。なお、セクタアドレスとは、個々のセクタと一対一に対応するアドレスであり、光ディスク100内で重複することがない番号である。通常は連続するセクタS(N)に対して値が1ずつ単調に増加するように付与される通し番号であり、本実施形態においてもそのような各セクタS(N)固有の通し番号であるとする。なお、以下、簡単のため、アドレス情報に関する数値は、10進数表記で説明する。
【0126】
図5に示すように、ステップS101(以降、ステップは省略)では、アドレス取得部221が、光ディスク100の現在再生中のセクタS(N)(再生セクタ)からアドレス情報を取得する(アドレス取得ステップ)。上記のように、アドレス情報は、ROM型ディスクのように直接ピットで形成したり、R型ディスクやRE型ディスクのようにトラックT(l)をウォブリングさせたり、トラックT(l)上に記録マークとして含めたりしている。これにより、アドレス取得部221は、図3に示す光ヘッド11からの再生用のレーザビームの反射光により、必要なアドレス情報を読み出すことが可能となっている。取得したアドレス情報は、一時情報保持部225に保持される。一時情報保持部225は、これまで取得した複数のアドレス情報を取得順序(取得時刻)と対応付けて保持しておく。光ディスク100より再生セクタのアドレス情報を取得したらS102へ進む。
【0127】
S102では、アドレス判定部222が、まず、S101で取得し一時情報保持部225に保持した再生セクタのアドレス情報が絶対アドレス情報か否かを判定する(アドレス判定ステップ)。YESの場合はS103へ、NOの場合はS104へ進む。
【0128】
S103では、絶対位置特定部223が再生セクタの絶対アドレス情報から再生セクタのセクタアドレスを求めて(特定して)出力する(絶対位置特定ステップ)。絶対アドレス情報もセクタアドレスも光ディスク100内では重複しない固有の番号であるため、必ず一対一に対応する。絶対アドレス情報とセクタアドレスの対応付けは、対応表(LUT:Look Up Table)として絶対位置特定部223に設けられた図示しないメモリに予め保持していてもよい。また、絶対位置特定部223が、所定の計算式によって絶対アドレス情報からセクタアドレスを算出するようにしてもよい。例えば、図2(b)の例の場合、上記で説明した通り、絶対アドレス情報が割り当てられているセクタS(0)1つと、補助アドレス情報(ここでは、相対アドレス情報であるものとする)が割り当てられているセクタS(1)、S(2)2つの、合計3セクタから構成される記録領域グループの繰り返しとなっているので、絶対アドレス情報A0=0、絶対アドレス情報A1=1、・・・と絶対アドレス情報が割り当てられていれば、絶対アドレス情報に3を掛けるといった簡単な計算式でセクタS(n)(n=0、3、6・・・)のセクタアドレスを求めることができる。
【0129】
S104では、相対位置特定部224が再生セクタの相対位置を特定する(相対位置特定ステップ)。相対位置とは、例えば、直近の絶対アドレス情報が割り当てられているセクタS(n)から数えて、再生セクタS(m)が何セクタ離れた位置にあるかを示す情報などである。この相対位置の情報をそのまま相対アドレス情報として割り当てられている光ディスク100を再生する場合、相対位置特定部224は、S101で取得し一時情報保持部225に保持した再生セクタのアドレス情報から特定される相対位置を出力すればよい。例えば、図2(b)の例の場合、補助アドレス情報R1とR2をR1=境界値、R2=境界値+1、と割り当ててあれば、セクタ番号1の相対位置として1、セクタ番号2の相対位置として2をそれぞれ出力する。なお、再生セクタS(N)が絶対アドレス情報を持つセクタS(n)である場合、その相対位置は0と考えればよい。
【0130】
S105では、絶対位置特定部223が、一時情報保持部225に保持された直近に取得された絶対アドレス情報と、再生セクタの相対位置の情報から、再生セクタS(N)のセクタアドレスを求めて出力する(絶対位置特定ステップ)。図2(b)の例の場合(A0=0、A1=1、R1=境界値+1、R2=境界値+2とする)、各セクタアドレスは、セクタ番号0:3*A0=0、セクタ番号1:3*A0+R1−境界値=1、セクタ番号2:3*A0+R2−境界値=2、セクタ番号3:3*A1=3、セクタ番号4:3*A1+R1−境界値=4、というふうに求められる。
【0131】
なお、S104において、相対位置特定部224が再生セクタS(N)の相対位置を取得する方法として、直近に取得した絶対アドレス情報が割り当てられているセクタS(n)から、順に再生したセクタS(m)の数をカウントしていく構成としてもよい。この構成であれば、必ずしもセクタS(n)との相対的な位置関係を相対アドレス情報として記録しておく必要はない。すなわち、光ディスク100内の補助アドレス情報を全て同一の値とすることもできる。この同一の値として、絶対アドレス情報に用いられていない特定の数値を設定しておけば、アドレス取得部221で取得したアドレス情報を、アドレス判定部222において、その特定の数値と比較することによって、そのアドレス情報が絶対アドレス情報であるか補助アドレス情報であるかを極めて簡単な構成で判断することが可能となる。
【0132】
なお、本発明は、以下のように表現することもできる。
【0133】
すなわち、本発明の光ディスク(情報記録媒体)では、光ディスク内での絶対位置を示せるが割り当て可能な数が限られている絶対アドレスを一部のセクタ(第1記録領域)のみに割り当て、絶対アドレスが割り当てられないセクタ(第2記録領域)は、直前の絶対アドレスを持つセクタとの相対的な位置関係(セクタに相対アドレスを割り当てるか、スキャンしたセクタ数をカウントして特定する)を用いて絶対位置を特定する。
【0134】
これにより、絶対アドレスについては従来のアドレス規則と同一にできるので従来機器との互換性を保つことが容易となり、同時に使用する絶対アドレスの数を減らせるので、更なる大容量の光ディスクに対しても情報領域の全域に渡ってアドレスを不足することなく割り当てることができる。
【0135】
また、本発明の光ディスク(情報記録媒体)は、レーザ光の照射によって情報の記録または再生が行われる光ディスクにおいて、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレスが配置されている第1記録領域と、絶対アドレスが配置されていない第2記録領域とから構成されていても良い。
【0136】
また、本発明の光ディスクは、上記第2記録領域には、直前に配置されている上記第1記録領域の絶対位置に対する相対位置を示す相対アドレスが配置されていても良い。
【0137】
また、本発明の光ディスクは、N個の上記第1記録領域と、M個の上記第2記録領域とから構成される記録領域グループの繰り返しを含んでいても良い。
【0138】
また、本発明の光ディスクは、上記光ディスクの管理情報を記録する管理情報記録領域は、上記第1記録領域のみから構成されていても良い。
【0139】
また、本発明の情報記録再生装置は、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレスが配置されている第1記録領域と、絶対アドレスが配置されていない第2記録領域とから構成される光ディスクに対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、上記第1記録領域の絶対アドレスを取得するアドレス取得手段と、直前に配置されている上記第1記録領域の絶対位置に対する上記第2記録領域の相対位置を取得する相対位置取得手段と、上記絶対アドレスに対し、上記相対位置を加算することによって、上記第2記録領域の位置を特定するアドレス判定手段とを備えていても良い。
【0140】
また、本発明の情報記録再生装置は、上記光ディスクの上記第2記録領域には、直前に配置されている上記第1記録領域の絶対位置に対する相対位置を示す相対アドレスが配置されており、上記相対位置取得手段は、上記第2記録領域の相対アドレスを取得して、上記相対位置として出力しても良い。
【0141】
また、本発明の情報記録再生装置は、上記相対位置取得手段は、上記レーザ光が上記第1記録領域から上記第2記録領域に至るまでに通過した記録領域数をカウントして、上記相対位置として出力しても良い。
【0142】
また、本発明の情報記録再生方法は、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレスが配置されている第1記録領域と、絶対アドレスが配置されていない第2記録領域とから構成される光ディスクに対して情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、上記第1記録領域の絶対アドレスを取得するアドレス取得ステップと、直前に配置されている上記第1記録領域の絶対位置に対する上記第2記録領域の相対位置を取得する相対位置取得ステップと、上記絶対アドレスに対し、上記相対位置を加算することによって、上記第2記録領域の位置を特定するアドレス判定ステップとを備えていても良い。
【0143】
また、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能媒体内に符号化されたコンピュータプログラムであって、上記情報記録再生装置が、上記読取可能媒体を備え、コンピュータによって実行されるときに、上記情報記録再生装置における上記各手段の機能を実現するコンピュータプログラムとして実現することもできる。
【0144】
最後に、光ディスク装置1の各ブロック、特に制御部20の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0145】
後者の場合、光ディスク装置1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである光ディスク装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、光ディスク装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0146】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(Compact Disc-ROM)/MO(Magnet Optical)ディスク/MD(Mini Disc)/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0147】
また、光ディスク装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value Added Network)、CATV(Community Antenna TV)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0148】
〔付記事項〕
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、各種の記録媒体に適用することができる。上記記録媒体としては、例えば、上述したテープ類、磁気ディスクおよび光ディスクを含むディスク類、カード類、半導体メモリ類、ならびに、論理回路類などの各種の記録媒体に広く適用することができる。特に、大容量の光ディスクや、該光ディスクに対して情報の記録または再生を行う情報記録再生装置などに好適である。
【符号の説明】
【0150】
1 光ディスク装置(情報記録再生装置)
10 記録再生回路群
11 光ヘッド
12 光ピックアップ
13 ピックアップ駆動回路
14 レーザ駆動回路
15 再生回路
20 制御部
21 記録再生回路群制御部
22 アドレス制御部
100 光ディスク(情報記録媒体)
101 管理情報領域(管理情報記録領域)
102 ユーザ領域
103 情報記録領域
221 アドレス取得部(アドレス取得手段)
222 アドレス判定部(アドレス判定手段)
223 絶対位置特定部(絶対位置特定手段)
224 相対位置特定部(相対位置特定手段)
225 一時情報保持部
A0〜A6 絶対アドレス情報
L0 情報記録層
R1,R2 補助アドレス情報(相対アドレス情報)
S(N) セクタ(単位記録領域)
S(n) セクタ(第1記録領域、第2の単位記録領域、単位記録領域)
S(m) セクタ(第2記録領域、第1の単位記録領域、単位記録領域)
T(l) トラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位記録領域を含んでおり、
再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数が、上記複数の単位記録領域の総数よりも少ないことを特徴とする情報記録媒体。
【請求項2】
上記複数の単位記録領域のうち、
少なくとも1つの単位記録領域が、上記絶対アドレス情報が割り当てられている第1記録領域であり、
当該第1記録領域以外の少なくとも1つの単位記録領域が、上記絶対アドレス情報が割り当てられていない第2記録領域であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
少なくとも1つの上記第1記録領域と、
当該少なくとも1つの上記第1記録領域の再生後、当該第1記録領域とは別の第1記録領域が再生される前に再生される、少なくとも1つの上記第2記録領域と、を含む複数の単位記録領域が所定の再生順序にしたがって配置された記録領域グループが複数存在し、当該記録領域グループのそれぞれが、上記複数の単位記録領域の再生方向に沿って繰り返し配置されていることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
上記第2記録領域には、当該第2記録領域の再生前に再生される最近接の上記第1記録領域の自媒体における絶対位置に対する上記第2記録領域の相対位置を示す相対アドレス情報が割り当てられていることを特徴とする請求項2または3に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
自媒体に記録される情報を管理するための管理情報が記録される管理情報記録領域が、上記第1記録領域のみから構成されていることを特徴とする請求項2から4までのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
複数の単位記録領域を含んでおり、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数が、上記複数の単位記録領域の総数よりも少ない情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生装置であって、
上記複数の単位記録領域のうちの第1の単位記録領域からアドレス情報を取得するアドレス取得手段と、
上記アドレス取得手段が取得したアドレス情報が上記絶対アドレス情報であるか否かを判定するアドレス判定手段と、
上記アドレス判定手段によって上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第1の単位記録領域から上記アドレス情報が取得される前に取得された絶対アドレス情報が割り当てられている第2の単位記録領域の絶対位置に対する、上記第1の単位記録領域の相対位置を特定する相対位置特定手段と、
上記アドレス判定手段によって上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第2の単位記録領域の絶対位置と、上記第1の単位記録領域の相対位置とから上記第1の単位記録領域の自媒体における絶対位置を特定する絶対位置特定手段と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項7】
上記第1の単位記録領域には、上記第2の単位記録領域の絶対位置に対する上記第1の単位記録領域の相対位置を示す相対アドレス情報が割り当てられており、
上記相対位置特定手段は、
上記相対アドレス情報を用いて、上記第2の単位記録領域の絶対位置に対する上記第1の単位記録領域の相対位置を特定することを特徴とする請求項6に記載の情報記録再生装置。
【請求項8】
上記相対位置特定手段は、
上記第2の単位記録領域から上記第1の単位記録領域までの間に存在する単位記録領域の総数を算出し、算出された当該単位記録領域の総数を用いて、上記第2の単位記録領域の絶対位置に対する上記第1の単位記録領域の相対位置を特定することを特徴とする請求項6に記載の情報記録再生装置。
【請求項9】
複数の単位記録領域を含んでおり、再生方向に沿って所定の下限値から単調に増加するように割り当てられる通し番号である絶対アドレス情報が割り当てられている単位記録領域の総数が、上記複数の単位記録領域の総数よりも少ない情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生方法であって、
上記複数の単位記録領域のうちの第1の単位記録領域からアドレス情報を取得するアドレス取得ステップと、
上記アドレス取得ステップで取得したアドレス情報が上記絶対アドレス情報であるか否かを判定するアドレス判定ステップと、
上記アドレス判定ステップで上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第1の単位記録領域から上記アドレス情報が取得される前に取得された絶対アドレス情報が割り当てられている第2の単位記録領域の絶対位置に対する、上記第1の単位記録領域の相対位置を特定する相対位置特定ステップと、
上記アドレス判定ステップで上記アドレス情報が上記絶対アドレス情報でないと判定された場合に、上記第2の単位記録領域の絶対位置と、上記第1の単位記録領域の相対位置とから上記第1の単位記録領域の自媒体における絶対位置を特定する絶対位置特定ステップと、を含んでいることを特徴とする情報記録再生方法。
【請求項10】
請求項6から8までのいずれか1項に記載の情報記録再生装置における各手段としてコンピュータを動作させるための情報記録再生プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の情報記録再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−93072(P2013−93072A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233322(P2011−233322)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】