説明

成形方法

本発明は、ポリマーの成形方法であって、成形されるべきポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップを有し、ポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動化又は布設により)被着させる(好ましくは、このように被着されるポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、ポリマーは、ガラス転移温度よりも高い温度のままであり、ポリマーがガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上面」という)をポリマーの少なくとも露出面(以下、「上面」という)に当てるステップを有し、ポリマーが上側及び下側成形面内に又はこれら相互間に保持された状態でガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップを有し、その後、ポリマーは、成形面から取り出されることを特徴とする方法に関する。装置も又、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形方法に関し、特に、超精密構造体又はナノ構造体又はこれら両方を成形し又は作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分子スケールと顕微鏡的スケールとの間のスケールを持つナノ構造体又は微細構造体、例えば任意の加工又は製造された構造体の大量生産的成形又は作製は、既存の成形技術にとって課題を提供する。
【0003】
例えば、成形プロセス、例えば射出成形法により製造されるアイテム(成形品)又はアイテムの前駆物質は、応力のかかった材料状態で成形されている場合がある。成形プロセスそれ自体は、このようにして成形された材料又はアイテムに例えば変形応力、剪断応力、流動応力及び温度応力のような応力を与える。一般的に言って、既存の成形技術では、生産速度が高ければ高いほど、成形された製品に加えられる傾向のある応力がそれだけ一層大きくなる。伝統的に、これら応力は、製品を大量生産しようとする場合に大幅に増大する。
【0004】
製品を成形した場合のもう1つの欠点としては、成形ステップ後に材料中に残存している熱によってインプリントされ又は成形されたアイテム又は製品が後で変形するということが挙げられる。熱伝達量は、アイテム又は製品が冷却するのに要する時間の長さ及びパターンを保持するためのインプリント形状に悪影響を及ぼす場合がある。
【0005】
アイテム又はアイテムを成形するための前駆物質を、成形時の応力又は成形プロセス中におけるアイテムの端から端までの温度のばらつきに起因してアイテム中にロックアップ状態になる場合のある応力と関連した問題をなくし又は軽減する仕方で製造し又は作製することができれば有益である。アイテムをニヤネットシェイプに成形する際の全体的縮みを減少させ又は最小限に抑えることによっても、高い製造上の効率が得られる。
【0006】
したがって、製品を大量生産することができれば非常に有利である。大量生産は、単位当たりの有効コスト又は製造される単位面積当たりのコストを減少させるのを助ける。大量生産を可能にすることにより、従来可能ではなかったこのような高い効率の実現が可能である。多くの量又は広い面積を大量生産することができるということにより、伝統的な成形方法では従来可能ではなかった製品の商業化が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、アイテムを成形する改良方法を提供し又はこのような改良方法若しくはこのような改良方法により形成された前駆物質により成形されたアイテムを提供して上述の問題を解決するナノスケール又は近ナノスケールで成形特徴部をもたらすことにあり或いは少なくとも業界又は公衆に有用な選択肢を提供することにある。
【0008】
特許明細書又は他の外国特許文献若しくは他の情報源を参照する本明細書において、これは、一般に、本発明の特徴を説明するための技術背景を提供する目的のために与えられている。別段の指定がなければ、このような外国特許文献の参照は、このような特許文献又はこのような情報源が任意の管轄権の範囲内において、先行技術であり又は当該技術分野における通常の知識の一部をなすという承認として解されるべきではない。
【0009】
本発明の別の観点及び別の利点は、例示的に与えられるに過ぎない以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明の要旨は、広義には、ポリマーの成形方法であって、成形されるべきポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップと、ポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくは、このように被着されるポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップとを有し、ポリマーは、ガラス転移温度よりも高い温度のままであり、この方法は、ポリマーがガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)をポリマーの少なくとも露出面(以下、「上面」という)に当てるステップと、ポリマーが上側及び下側成形面内に又はこれら相互間に保持された状態でガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップとを更に有し、その後、ポリマーは、成形面から取り出されることを特徴とする方法にある。
【0011】
第2の態様では、本発明の要旨は、広義には、ポリマーの成形方法であって、ガラス転移温度よりも高い温度状態にあるポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくは、このように被着されるポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップと、ポリマーがガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)をポリマーの少なくとも露出面(以下、「上面」という)に当てるステップと、ポリマーが上側及び下側成形面内に又はこれら相互間に保持された状態でガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップとを有し、その後、ポリマーは、成形面から取り出されることを特徴とする方法にある。
【0012】
第3の態様では、本発明の要旨は、広義には、2種類のポリマーを成形する方法であって、第1のポリマー及び第2のポリマーの各々を各ポリマーのそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップと、ポリマーのうちの第1のポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくはこのように被着されるポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップとを有し、第1のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、この方法は、ポリマーのうちの第2のポリマーを第1のポリマーの露出面(以下、「上面」という)に連続的に被着させる(好ましくは、このように被着されるポリマー中の剪断応力、又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを更に有し、第2のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、この方法は、ポリマーがそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)を少なくとも第2のポリマーの上面に当てるステップと、ポリマーが成形面内に又はこれら相互間に保持された状態でそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップとを更に有し、その後、ポリマーは、互いに結合された状態で、上側及び下側成形面から取り出されることを特徴とする方法にある。
【0013】
第4の態様は、本発明の要旨は、広義には、多種類のポリマーを成形する方法であって、多種類のポリマーの各々を各ポリマーのそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップと、ポリマーのうちの第1のポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくはこのように被着されるポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップとを有し、第1のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、この方法は、ポリマーのうちの第2のポリマーを第1のポリマーの露出面(以下、「上面」という)に連続的に被着させる(好ましくは、このように被着されるポリマー中の剪断応力、又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを更に有し、第2のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、この方法は、1種類又は2種類以上の別のポリマーを別のポリマーのそれぞれの露出面(以下、「上面」という)に連続的に被着させる(好ましくは、このように被着されるポリマー中の剪断応力、又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを更に有し、別のポリマーの各々は、それぞれのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、この方法は、ポリマーの各々がそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)を少なくとも最も上側に位置するポリマーの上面に当てるステップと、ポリマーが成形面内に又はこれら相互間に保持された状態でそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップとを更に有し、その後、ポリマーは、互いに結合された状態で、上側及び下側成形面から取り出されることを特徴とする方法にある。
【0014】
第5の態様は、本発明の要旨は、広義には、ポリマーを連続的に成形する方法であって、ポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度の状態で成形ゾーン内に連続的に前進させると共にこれを通って前進させるステップを有し、
ポリマーは、
a.圧力を受け、そして
b.モールドによる成形を受け、モールド成形は、ナノスケールサイズの表面テキスチャ(好ましくは、ナノスケールサイズのテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)をポリマーの表面の少なくとも一部に与え、そして
c.能動的熱除去を受け、能動的熱除去は、ポリマーをガラス転移温度よりも低い温度に転移させ、
成形ゾーンを出た後に、ポリマーは、成形面から取り出されることを特徴とする方法にある。
【0015】
好ましくは、成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の成形面(以下、「下側成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の成形面(以下、「上側成形面」という)を連続的に前進させることにより構成される。
【0016】
好ましくは、成形されるべきポリマーは全体として、少なくとも成形圧力を上側成形面と下側成形面との間でポリマーに当初加えている間、それぞれのガラス転移温度よりも高い温度のままである。
好ましくは、成形面は、各々、熱伝導性であるモールド部分の一部である。
【0017】
好ましくは、下側成形面及び好ましくは上側成形面は、成形されるべきポリマーを少なくとも上側成形面を当てるステップの実施に先立って、それぞれのガラス転移温度よりも高い温度に維持するよう温度制御可能である。
【0018】
好ましくは、上側及び下側成形面は、成形されたポリマーを成形面から取り出す前に、成形されたポリマーがそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に制御可能に低下できるようにするよう温度制御可能である。
【0019】
好ましくは第1のモールドは、第1又は下側定盤に取り付けられる。
好ましくは、第2のモールドは、第2の又は上側定盤に取り付けられる。
【0020】
好ましくは、成形面のうちの少なくとも1つは、1つ又は2つ以上のナノ又は近ナノ又はミクロン又は近ミクロンサイズの表面凹凸又はプロフィールを備えている。
好ましくは、成形面のうちの少なくとも1つは、ナノ又は近ナノ又はミクロン又は近ミクロンサイズの表面パターンを備えている。
【0021】
好ましくは、上側成形面を当てるステップは、上側成形面を上側のポリマーの少なくとも最も上側の表面に接触させるステップを含む。
【0022】
好ましくは、ポリマーは、そのポリマーガラス転移温度よりも高い温度状態になると、下側成形面及び上側成形面の形状を取る。
好ましくは、ポリマーは、ガラス転移温度よりも高い温度に加熱されると共に押出しにより押出しヘッドに送られて直接下側成形面上に流れる。
【0023】
好ましくは、メルトポンプがポリマーの流量を制御する。
好ましくは、ポリマーは、ガラス転移温度よりも高い温度状態にあるとき、液相の状態にある。
【0024】
好ましくは、成形面は、成形されるべきポリマーが当初、上側成形面と下側成形面との間に配置されているとき、成形されるべきポリマーのガラス転移温度よりも僅かに高い温度状態にある。
好ましくは、成形面は、上側成形面をポリマー又は最も上側に位置するポリマーの少なくとも上面に当てるステップの実施中、ポリマーのガラス転移温度よりも高い温度状態に維持される。
【0025】
好ましくは、成形面のうちの少なくとも1つは、表面凹凸を有し、上側成形面を当てるステップは、圧力をポリマーに加えてポリマーを成形面の表面凹凸中に押し込む。
【0026】
好ましくは、上側成形面及び下側成形面は、最大約500kg/cm2までの成形圧力をポリマーに加える。
好ましくは、上側成形面及び下側成形面は、最大約260kg/cm2までの成形圧力をポリマーに加える。
好ましくは、上側成形面及び下側成形面は、最大約60kg/cm2までの成形圧力をポリマーに加える。
【0027】
好ましくは、上側成形面及び下側成形面は、約1〜200kg/cm2、1〜150kg/cm2、1〜100kg/cm2、1〜90kg/cm2、1〜80kg/cm2、1〜70kg/cm2、1〜60kg/cm2、1〜50kg/cm2、1〜40kg/cm2、1〜30kg/cm2、1〜20kg/cm2、1〜10kg/cm2、1〜9kg/cm2、1〜8kg/cm2、1〜7kg/cm2、1〜6kg/cm2、1〜5kg/cm2、1〜4kg/cm2、1〜3kg/cm2、1〜2kg/cm2、1〜1.5kg/cm2、1〜1.2kg/cm2の成形圧力をポリマーに加える。
【0028】
好ましくは、上側成形面及び下側成形面は、約1kg/cm2以下の成形圧力をポリマーに加える。
好ましくは、上側成形面及び下側成形面は、約0.9kg/cm2、0.8kg/cm2、0.7kg/cm2、0.6kg/cm2、0.5kg/cm2、0.4kg/cm2、0.3kg/cm2、0.2kg/cm2、0.1kg/cm2の成形圧力をポリマーに加える。
【0029】
好ましくは、ポリマーは、熱硬化性又は熱可塑性ポリマーである。
好ましくは、ポリマーは、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、汎用ポリスチレン(GPPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、熱可塑性(ポリ)ウレタン(TPU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルメタクリレート(PEM)、ポリプロピレン(PP)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル(PES)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリビニリデンクロリド(PVDC)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(ポリエーテルケトン)、ポリエーテルイミド(PEI)(ウルテム(Ultem))、ポリ乳酸(PLA)、耐衝撃性ポリスチレン、アキロブタルスチレン(aquilobutalstyrene)、ナイロン、アクリル樹脂、非晶質ポリマー、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(LLDPE)、熱可塑性エチレン(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ゴム、フェノール樹脂等のうちから選択された1つである。
【0030】
好ましくは、上面は、2つの成形面相互間でのポリマーの運動により圧力をポリマーに加えるようポリマーに当てられる。
【0031】
好ましくは、下側成形面は、コンベヤによって支持される。
好ましくは、上側成形面は、コンベヤによって支持される。
【0032】
好ましくは、下側成形面は、第1のコンベヤにより支持されると共に動かされ、上側成形面は、第1のコンベヤに隣接して配置された第2のコンベヤによって支持されると共に動かされ、それにより、第2の成形面を第1の成形面に隣接して位置決めすると共に第1及び第2の成形面をポリマーが第1の成形面と第2の成形面との間で圧力を受ける圧力ゾーン中に動かす。
【0033】
好ましくは、ポリマーは、圧力ゾーンに入る際、そのガラス転移温度よりも高い温度状態にある。
好ましくは、第1の成形面及び第2の成形面のうちの少なくとも一方の温度は、圧力ゾーン内で能動的に制御される。
【0034】
好ましくは、下側成形面の温度は、圧力ゾーンに入る前に、能動的に制御される。
好ましくは、下側成形面の温度は、ポリマーを成形面上に被着させた状態に保つのを助けるほど十分高く、ポリマーが圧力ゾーンに入る前においては、ポリマーのガラス転移温度よりも高い。
【0035】
好ましくは、能動的に制御される熱除去は、ポリマーが圧力ゾーン内に位置しているとき、上側成形面及び下側成形面のうちの少なくとも一方を介してポリマーから起こり、それにより、ポリマーを少なくとも第1及び第2の成形面のうちの少なくとも一方の温度の制御により、そのガラス転移温度よりも高い温度から圧力ゾーン内におけるそのガラス転移温度よりも低い温度に転移させる。
【0036】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、ポリマーを連続的に成形する方法であって、ガラス転移温度よりも低い温度状態にあるポリマーのシートを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に被着させる(好ましくは、このように被着されるシート中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップと、ポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度に移行させるステップと、ポリマーを下側成形面により支持されると共に下側成形面と共に且つそのガラス転移温度よりも高い温度のままの状態で圧力ゾーン中に前進させるステップとを有し、圧力ゾーンは、下側成形面及び第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)により構成され、この上側成形面は、ポリマーがそのガラス転移温度よりも高い温度のままである間、ポリマーの少なくとも露出面(以下、「上面」という)に接触して圧力を上側成形面と下側成形面との間のポリマーに加えるよう下側成形面に対して位置決めされており、この方法は、ポリマーが圧力ゾーン内に位置している間、ポリマーからの熱の除去を制御してポリマーをそのガラス転移温度よりも低い温度に転移させるステップを更に有し、しかる後、ポリマーは、成形面から取り出されることを特徴とする方法にある。
【0037】
好ましくは、この方法は、大量生産による成形ポリマー向きである。
好ましくは、この方法は、ポリマーを連続的に成形するための方法である。
【0038】
好ましくは、この方法は、ナノスケールサイズのテキスチャ(好ましくは、ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)をポリマーの表面のうちの少なくとも一方上に形成するために用いられる。
【0039】
好ましくは、上側成形面及び下側成形面のうちの少なくとも一方は、ナノスケールサイズの表面テキスチャ(好ましくは、ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)を有し、ナノスケールサイズの表面テキスチャは、実質的に対応のナノスケールサイズの表面テキスチャ(好ましくは、ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)を方法によって成形されるポリマーに与えるようになっている。
【0040】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、上記方法によって成形されたポリマーフィルム又はシートにある。
【0041】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、上記ポリマーフィルム又はシートであって、ナノスケールサイズの表面テキスチャがポリマーフィルム又はシートの表面のうちの少なくとも一方に設けられている(好ましくは、前記ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)ことを特徴とするポリマーフィルム又はシートにある。
【0042】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、上記方法により成形された非反射性製品にある。
【0043】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、ポリマーを連続的に成形する(好ましくは、このようにして成形されるポリマーの表面の少なくとも一部にナノスケールサイズの表面テキスチャを形成するために)装置であって、ポリマー押出し物(好ましくは、液体ポリマー押出し物)を連続的に押し出す押出し機を有し、押出し機は、押出しヘッドを含み、この装置は、押出し物をそのガラス転移温度以上の温度状態で受け入れる成形ゾーンを更に有し、成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第1の成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第2の成形面」という)により構成され、第1の成形面は、好ましくは、ポリマー押出し物が成形ゾーン内に前進する前に、ポリマー押出し物を受け入れて(好ましくは、第1の成形面上に被着させ、例えば、塗被することにより、且つ好ましくは、このように被着されたポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)、ポリマー押出し物を成形ゾーン中に運び込むよう提供され、
成形ゾーンは、ポリマー押出し物に
a.圧力を及ぼし、そして
b.モールドによる成形を施し(好ましくは、ナノスケールサイズの表面テキスチャをポリマーの表面の少なくとも一部に与え)、そして
c.熱除去を施して(好ましくは能動的に、そして好ましくは熱除去を制御して)ポリマーをガラス転移温度よりも低い温度に転移させるよう構成されていることを特徴とする装置にある。
【0044】
好ましくは、能動的熱除去は、少なくとも1つの温度制御ヒートシンクにより第1及び第2の成形面のうちの少なくとも一方を介して起こる。
【0045】
好ましくは、第1及び第2の成形面のうちの少なくとも一方のための複数のヒートシンクが設けられ、ヒートシンクは、成形ゾーン内において前進向きと後退向きの状態で互いに対して間隔を置いて配置されている。
【0046】
好ましくは、前進した状態のヒートシンクは、ポリマーが成形ゾーンを通って前進しているときにポリマーの温度を次第に減少させるために、隣接の後退したヒートシンクよりも低い温度のものである。
【0047】
好ましくは、各ヒートシンクの温度を制御するために各ヒートシンクのために温度制御装置が設けられている。
【0048】
好ましくは、第1及び第2の成形面のうちの少なくとも一方は、熱をヒータによって成形ゾーンの少なくとも開始時にポリマーに伝達することができる。
【0049】
好ましくは、第1の成形面は、ポリマーが成形ゾーンに入る前にポリマーを受け入れるよう提供されている。
好ましくは、第1の成形面が成形ゾーンに入る前に第1の成形面を加熱するためのヒータが設けられている。
【0050】
好ましくは、第1及び第2の成形面が成形ゾーンに入る前に第1及び第2の成形面のうちの少なくとも一方を加熱するための少なくとも1つのヒータが設けられている。
【0051】
好ましくは、ヒータは、ポリマーを少なくとも成形ゾーンの開始時にそのガラス転移温度よりも高い温度に維持しやすくすることができる。
好ましくは、ヒータは、少なくともポリマーが成形ゾーンに入る直前に、ポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度に維持しやすくすることができる。
【0052】
好ましくは、第1及び第2の成形面のうちの少なくとも一方は、ナノサイズの表面テキスチャを有し、ナノサイズの表面テキスチャは、ポリマーに実質的に対応したナノサイズの表面テキスチャを形成することができる。
【0053】
好ましくは、複数個の別々の且つ/或いは連続して前進する第1及び第2の成形面が成形ゾーンを通って前進することができるよう設けられ、各成形面は、同期速度で対をなした関係で成形ゾーン中を前進する。
【0054】
好ましくは、成形ゾーンを繰り返し通過する有限の数の又は別々の数の第1及び第2の成形面が設けられている。
好ましくは、成形ゾーンを1回だけ通過する有限の数の又は別々の数の第1及び第2の成形面が設けられている。
好ましくは、第1及び第2の成形面のうちの少なくとも一方は、各々、連続した形状のものである。
【0055】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、ポリマーを連続的に成形する(好ましくは、このようにして成形されるポリマーの表面の少なくとも一部にナノスケールサイズの表面テキスチャを形成するために)装置であって、ポリマーをポリマーがそのガラス転移温度よりも高い温度状態で受け入れる成形ゾーンを有し、成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第1の成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第2の成形面」という)により構成され、下側成形面は、好ましくは、ポリマーが成形ゾーン中に前進する前に、ポリマーを受け入れてポリマーを成形ゾーン中に運び込むよう提供され、成形ゾーンは、ポリマー押出し物に
a.圧力を及ぼし、そして
b.モールドによる成形を施し(好ましくは、ナノスケールサイズの表面テキスチャをポリマーの表面の少なくとも一部に与え)、そして
c.熱除去を施して(好ましくは能動的に、そして好ましくは熱除去を制御して)ポリマーをガラス転移温度よりも低い温度に転移させるよう構成されていることを特徴とする装置にある。
【0056】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、ポリマーを連続的に成形する(好ましくは、このようにして成形されるポリマーの表面の少なくとも一部にナノスケールサイズの表面テキスチャを形成するために)装置であって、同時押出し形態の少なくとも2種類のポリマーの押出し物を形成する少なくとも1つの押出し機と、押出し物を少なくとも1つ、好ましくは両方の/全てのポリマーがそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度状態にある状態で受け入れる成形ゾーンとを有し、成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第1の成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第2の成形面」という)により構成され、
【0057】
第1の成形面は、好ましくは、ポリマーが成形ゾーン中に前進する前に、ポリマーを受け入れてポリマーを成形ゾーン中に運び込むよう提供され、成形ゾーンは、ポリマー押出し物に
a.圧力を及ぼし、そして
b.モールドによる成形を施し(好ましくは、ナノスケールサイズの表面テキスチャをポリマーの表面の少なくとも一部に与え)、そして
c.熱除去を施して(好ましくは能動的に、そして好ましくは熱除去を制御して)ポリマーをガラス転移温度よりも低い温度に転移させるよう構成されていることを特徴とする装置にある。
好ましくは、押出し機は、ポリマーの各種類について設けられている。
【0058】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、上記装置により成形されたナノサイズの表面テキスチャを備えたポリマーにある。
【0059】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、連続的に成形されたナノサイズの表面テキスチャを備えた材料にある。
【0060】
別の態様は、本発明の要旨は、広義には、少なくとも2種類のポリマーを含む連続成形同時押出し材料であって、少なくとも1種類のポリマーがナノサイズの表面テキスチャを含むことを特徴とする材料にある。
【0061】
別の態様は、本発明の要旨は、広義には、ナノサイズの表面テキスチャを備えたポリマーの連続成形方法にある。
【0062】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、少なくとも2種類のポリマーを含む同時押出し材料の連続成形方法であって、ポリマーのうちの少なくとも1種類がナノサイズの表面テキスチャを含むことを特徴とする方法にある。
【0063】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、少なくとも1種類のポリマー(及び好ましくは少なくとも2種類の同時押出しポリマー)のシート又はフィルムであって、少なくとも1種類の前駆物質としてのポリマー材料の連続又は非個別的又は非有限的加工により形成されたナノサイズの表面テキスチャを含むことを特徴とするシート又はフィルムにある。
【0064】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、少なくとも1種類のポリマー(及び好ましくは少なくとも2種類の同時押出しポリマー)の単一シート又はフィルムであって、連続又は非個別的又は非有限的加工により成形されたナノサイズの表面テキスチャの複数の同一及び繰り返しゾーンを含むことを特徴とする単一シート又はフィルムにある。
【0065】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、少なくとも1種類のポリマー(及び好ましくは少なくとも2種類の同時押出しポリマー)の複数の個別のシート又はフィルムであって、各シート又はフィルムが、連続又は非個別的又は非有限仕方で成形された単一シート又はフィルム前駆物質から分離された同一のナノサイズの表面テキスチャを含むことを特徴とするシート又はフィルムにある。
【0066】
好ましくは、下側成形面は、第1の又は下側の定盤に取り付けられる。好ましくは、上側成形面は、第2の又は上側の定盤に取り付けられる。好ましくは、成形面は、1つ又は2つ以上のナノ又は近ナノ又はミクロン又は近ミクロンサイズの表面凹凸又はプロフィールで構成されている。
【0067】
好ましくは、上側成形面を当てるステップは、上側成形面を上側のポリマーの少なくとも最も上側の表面に接触させるステップを含む。
【0068】
好ましくは、ポリマーは、そのポリマーガラス転移温度よりも高い温度状態になると、下側成形面及び上側成形面の形状を取る。
【0069】
好ましくは、ガラス転移温度よりも高い温度に加熱されるポリマーは、押出しにより押出しヘッドに送られて下側成形面上に流れる。より好ましくは、メルトポンプがポリマーの流量を制御する。
【0070】
好ましくは、ポリマーは、ガラス転移温度よりも高い温度状態にあるとき、液相の状態にある。
【0071】
好ましくは、成形面は、成形されるべきポリマーのガラス転移温度に実質的に等しく又はこれに近い若しくはこれよりも高い温度で提供される。より好ましくは、成形面は、上側成形面を最も上側に位置するポリマーの少なくとも上面に当てるステップの実施中、実質的にポリマーのガラス転移温度よりも高い温度又はこれに近い温度状態に維持される。最も好ましくは、成形面は、成形されるべきポリマーのガラス転移温度よりも少なくとも高い温度状態にあるよう制御可能である。
【0072】
好ましくは、成形(ダイ)面は、熱伝導性である。好ましくは、他の成形(ダイ)面よりも比較的高い熱伝導率を持つ成形(ダイ)面を用いるのが良い。好ましくは、成形面は、ニッケル、スチール(鋼)、アルミニウム、カーボンのうちの1つ又は2つ以上である。好ましくは、成形(ダイ)面は、3次元成形面である(即ち、平面状ではない)。
【0073】
好ましくは、下側成形面へのポリマー材料の流動の際にニヤネットシェイプが形成される。好ましくは、ニヤネットシェイプは、上側成形面を最も上側のポリマーの少なくとも上面に当てた際に形成される。
【0074】
好ましくは、上側成形面を当てるステップは、ポリマーをダイ表面中に押し込む圧力をポリマーに及ぼす。より好ましくは、上側成形面を当てるステップは、成形面から空気を除去するのを助け、それにより、ポリマーは、成形面中に流れ込むことができる。
【0075】
好ましくは、成形されるべき材料又はポリマーがこれらのガラス転移温度よりも高い温度のままである間に圧力が加えられる。
【0076】
好ましくは、上側成形面は、最大約500kg/cm2までの、オプションとして最大約260kg/cm2まで、オプションとして最大約60kg/cm2までの成形圧力を及ばし、オプションとして、この成形圧力は、約1〜200kg/cm2、1〜150kg/cm2、1〜100kg/cm2、1〜90kg/cm2、1〜80kg/cm2、1〜70kg/cm2、1〜60kg/cm2、1〜50kg/cm2、1〜40kg/cm2、1〜30kg/cm2、1〜20kg/cm2、1〜10kg/cm2、1〜9kg/cm2、1〜8kg/cm2、1〜7kg/cm2、1〜6kg/cm2、1〜5kg/cm2、1〜4kg/cm2、1〜3kg/cm2、1〜2kg/cm2、1〜1.5kg/cm2、1〜1.2kg/cm2である。変形例として、加えられる圧力は、約1kg/cm2以下であっても良く、オプションとして、約0.9kg/cm2、0.8kg/cm2、0.7kg/cm2、0.6kg/cm2、0.5kg/cm2、0.4kg/cm2、0.3kg/cm2、0.2kg/cm2、0.1kg/cm2である。
【0077】
好ましくは、ポリマーが成形面の形状を取った後に、ポリマーの冷却及び/又はスキンニングが起こり始める。例えば、冷却及び/又はスキンニングは、上側成形面を当てるステップの実施後であって上側成形面が成形圧力を及ぼした後に起こり始める。
【0078】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、ナノスケール又は近ナノスケールの表面細部を備えた1つ又は複数の表面を有するようアイテムを成形する方法であって、成形可能な材料を流動又は塗被又は被着により表面上に塗布するステップと、材料を成形するステップとを有する方法にある。
【0079】
別の態様では、本発明の要旨は、広義には、ナノサイズの表面凹凸を含む少なくとも1つの表面を備えたアイテムを成形する方法であって、第1の定盤の表面上に成形されるべき前駆物質の1つ又は複数の層を被着させるステップを有し、この前駆物質は、被着時に、溶融状態又はオプションとして近溶融状態又は少なくとも非剛性状態であり、第2の定盤を第1の定盤に向かって変位させることにより圧力を前駆物質層に加えて前駆物質を少なくとも部分的に成形するステップを有し、一方又は両方の定盤は、前駆物質に少なくとも部分的にそのネガを与えるようナノサイズの表面凹凸を含む表面を支持し又は有することを特徴とする方法にある。
【0080】
好ましくは、この方法は、前駆物質が応力弛緩又は減少状態にあるときに前駆物質を塗布するステップを含む。
【0081】
好ましくは、前駆物質は、流動性材料であるのが良い。さらにより好ましくは、前駆物質は、実質的に溶融又は半溶融状態にあり又はそれに近い状態にあるのが良い。最も好ましくは、前駆物質は、その液相の状態にあるのが良い。
【0082】
好ましくは、前駆物質を表面に塗布するステップは、前駆物質を流動させることによって実施されるのが良い。
【0083】
好ましくは、前駆物質は、約50mm、40mm、30mm、20mm、10mm以下、より好ましくは約5mm以下、更により好ましくは、約3mm以下、最も好ましくは約2mm以下の厚さまで表面に塗布されるのが良い。さらにより好ましくは、前駆物質は、約0.1mm〜約3mmの深さまで表面に塗布されるのが良い。変形例として、この深さは、約4mm又は3mm又は2mm又は1mmである。
【0084】
変形例として、表面に塗布される材料の深さは、少なくとも約0.5マイクロメートル、1マイクロメートル、2マイクロメートル、3マイクロメートル、4マイクロメートル5マイクロメートル、6マイクロメートル、7マイクロメートル、8マイクロメートル、9マイクロメートル、10マイクロメートル、15マイクロメートル、20マイクロメートル、25マイクロメートル、30マイクロメートル、35マイクロメートル、40マイクロメートル、45マイクロメートル、50マイクロメートル、55マイクロメートル又は約56マイクロメートル、60マイクロメートル、65マイクロメートル、70マイクロメートル、75マイクロメートル、80マイクロメートル、85マイクロメートル、90マイクロメートル、95マイクロメートル、100マイクロメートル、105マイクロメートル、110マイクロメートル、115マイクロメートル、120マイクロメートル、125マイクロメートル、130マイクロメートル、135マイクロメートル、140マイクロメートル、145マイクロメートル、150マイクロメートル、155マイクロメートル、160マイクロメートル、165マイクロメートル、170マイクロメートル、175マイクロメートル、180マイクロメートル、185マイクロメートル、190マイクロメートル、195マイクロメートル、200マイクロメートル、220マイクロメートル、240マイクロメートル、260マイクロメートル、280マイクロメートル、290マイクロメートル、300マイクロメートル、350マイクロメートル、400マイクロメートル、450マイクロメートル、500マイクロメートル、550マイクロメートル、600マイクロメートル、650マイクロメートル、700マイクロメートル、750マイクロメートル、800マイクロメートル、850マイクロメートル、900マイクロメートル、950マイクロメートル、1,000マイクロメートル、1,050マイクロメートル、1,100マイクロメートル、1,150マイクロメートル、1,200マイクロメートル、1,250マイクロメートル、1,300マイクロメートル、1,350マイクロメートル、1,400マイクロメートル、1,450マイクロメートル、1,500マイクロメートル、1,550マイクロメートル、1,600マイクロメートル、1,650マイクロメートル、1,700マイクロメートル、1,750マイクロメートル、1,800マイクロメートル、1,850マイクロメートル、1,900マイクロメートル、1,950マイクロメートル、2,000マイクロメートル、2,050マイクロメートル、2,100マイクロメートル、2,150マイクロメートル、2,200マイクロメートル、2,250マイクロメートル、2,300マイクロメートル、2,350マイクロメートル、2,400マイクロメートル、2,450マイクロメートル、2,500マイクロメートル、2,550マイクロメートル、2,600マイクロメートル、2,650マイクロメートル、2,700マイクロメートル、2,750マイクロメートル、2,800マイクロメートル、2,850マイクロメートル、2,900マイクロメートル、2,950マイクロメートル、3,000マイクロメートル、3,500マイクロメートル、3,550マイクロメートル、3,600マイクロメートル、3,650マイクロメートル、3,700マイクロメートル、3,750マイクロメートル、3,800マイクロメートル、3,850マイクロメートル、3,900マイクロメートル、4,000マイクロメートル、4,050マイクロメートル、4,100マイクロメートル、4,150マイクロメートル、4,200マイクロメートル、4,250マイクロメートル、4,300マイクロメートル、4,350マイクロメートル、4,400マイクロメートル、4,450マイクロメートル、4,500マイクロメートル、4,550マイクロメートル、4,600マイクロメートル、4,650マイクロメートル、4,700マイクロメートル、4,750マイクロメートル、4,800マイクロメートル、4,850マイクロメートル、4,900マイクロメートル、4,950マイクロメートル、5,000マイクロメートル又は0.1ミリメートル〜約3ミリメートルの深さであるのが良く、有用な範囲は、これらの値のうちの任意の値相互間(例えば、約0.5ミリメートル〜約3ミリメートル、約0.2ミリメートル〜約2ミリメートル)から選択されるのが良い。
【0085】
好ましくは、前駆物質は、ダイからいったん取り出された材料又は製品のインプリント表面の再熱が最小限に抑えられるような深さまで表面に塗布されるのが良い。
好ましくは、表面に塗布される材料の深さが少なければ少ないほど、行う必要のある成形(圧縮又はインプリント)プロセスがそれだけ一層速くなると共にこのように形成されるアイテム又は製品の冷却時間がそれだけ一層短くなる。
【0086】
好ましくは、成形のための材料は、基板に塗布され、次に、基板は、成形のために表面又は定盤上に配置される。この基板は、任意深さのものであって良い。塗布される材料の深さは、任意深さであっても良く、成形方法は、ナノスケールインプレッション又はパターンを材料にインプリントする。
【0087】
好ましくは、材料がポリスチレンである場合、その温度は、表面との接触時に約230℃であるように制御されるのが良い。
【0088】
好ましくは、材料がポリカーボネートである場合、その温度は、表面との接触時に約300℃であるように制御されるのが良い。
【0089】
好ましくは、材料は、所定の材料の流動学的性質に従って温度制御されるのが良い。例えば、材料は、表面への材料の流動を可能にする溶融又は半溶融状態又は液体状態に達するようにするのが良い。
【0090】
好ましくは、材料は、温度制御されると共に貯まるようにし、その後、貯まった材料を流動により表面に塗布するのが良い。変形例では、材料は、実質的にシートの形態で表面に提供されるのが良い。例えば、材料は、オプションとしてメルトポンプを含む押出しシステムからの押出し物(即ち、連続流動体)であるのが良い。
【0091】
好ましくは、材料は、ガラス転移温度よりも高い温度に加熱され、成形面上に制御された仕方で連続して流れることができる材料(この材料は、液相である)、溶融成形可能材料、熱成形可能な温度で塗布される熱成形可能な材料、表面又は1つ若しくは複数の成形ツールにより成形可能な状態まで加熱される熱成形可能な材料、表面又は1つ若しくは複数のツール等により冷却される熱成形可能な材料又は溶融成形可能材料、表面又は1つ若しくは複数の成形ツールにより熱硬化されるべき熱成形可能な材料及び異なる性質の1種類又は2種類以上の材料と組み合わされた上記材料のうちの任意のものの中の1つ又は2つ以上であるのが良い。一実施形態では、材料を近溶融状態でダイ表面上に流動させ、ダイ表面上に位置している状態で加熱して材料をそのガラス転移温度よりも高い温度に昇温させ、それによりこの材料は、その液相の状態で用いられると、モールドの形状を取ることができる。
【0092】
好ましくは、材料は、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるのが良い。
好ましくは、材料は、熱成形可能な温度で表面に塗布されるのが良い。
好ましくは、材料は、ポリマー複合材であるのが良い。
【0093】
好ましくは、材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、汎用ポリスチレン(GPPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、熱可塑性(ポリ)ウレタン(TPU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルメタクリレート(PEM)、ポリプロピレン(PP)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル(PES)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリビニリデンクロリド(PVDC)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(ポリエーテルケトン)、ポリエーテルイミド(PEI)(ウルテム(Ultem))、ポリ乳酸(PLA)であるのが良い。
【0094】
本発明の成形方法に使用できる別の例示の材料は、次の通りである。用いることができる種々の熱成形可能な材料は、例えば、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン、ポリカーボネート(PC)、アキロブタルスチレン(aquilobutalstyrene:ABS)、ナイロン及び全てのアクリル樹脂であるが、これらには限定されず、又、結晶ポリマーに限定されるわけでもない。種々の薄手のプラスチック材料、例えば、非晶質ポリマーを用いることができるが、これには限定されず、又、種々の薄手のプラスチック材料は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(LLDPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、熱可塑性エチレン(TPE)及びポリプロピレン(PP)であっても良い。例えば、ポリプロピレンが1〜20個の層をなして機械中に送り込まれるのが良く、この場合、例えばプレート及びボウル又は形成される類似の皿状又は異形材料の形態をした適当な材料が定位置に位置しているのが良い。
【0095】
好ましくは、材料は、光材料、例えば、次の材料、即ち、紫外線安定化熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、汎用ポリスチレン(PS)のうちの任意の1つ又は2つ以上であって良い。光材料は、例えば、光学レンズとして適した材料であるのが良い。
【0096】
好ましくは、多種多様な材料を本発明の成形方法において流動可能に供給して用いることができる。例えば、別の適当な材料としては、例えば成形ゾーンにおいて成形作業の圧力の影響を受け又は作用を受けることができる材料が挙げられる。このような作用は、圧力及び/又は熱の作用により触媒され、作られ又は生じるのが良いが、最終結果として、成形のための材料のうちの少なくとも1つの材料には成形変化が与えられる。別の実施例では、延性材料、例えば板金を種々の材料がこの上下に位置した状態で送り込んでも良く、かくして、金属材料又は展性材料が圧力成形ゾーン内で所望の形状に成形され、これは、他の材料が圧力成形ゾーンの影響を受けるかどうかとは無関係であり、ただし、この場合、少なくともその1つの材料、例えば、半溶融板金が溶融又は半溶融状態にあるのが良いことを条件とする。
【0097】
成形可能な材料の基本的な成分は、圧力だけを受けて形状を保持し又は形状を取り又はインプリントする材料(例えば、展性又は延性材料、例えば鉛、銅、亜鉛等、プラスチック等)、成形可能であるためには熱を必要とする熱可塑性化合物、成形可能であるためには圧力に加えて熱又は触媒の他の何らかの形態を必要とする熱硬化性化合物又は一般に、成形可能であるためには熱及び圧力を必要とする熱成形可能な化合物である。一例として、ゴムを圧力成形するのが良いが、熱を加えると、ゴム分子の架橋を一段と容易にすることができ、その結果、いったん圧力及び熱を除くと、ゴム材料に与えられた形状が保持されるようになる。
【0098】
他の材料では、材料を成形するのは圧力であると共に材料を例えば熱硬化性材料中で分離するのは熱であるのが良く、或いは触媒として熱を必要とする2種類又は3種類以上の材料が存在する。例えば、予備含浸炭素繊維の供給材料は、このような1種類の金属であって良く、圧力を加えると材料が成形され、熱を加えると材料が分離されると共にマトリックス又はエポキシが硬化する。
【0099】
好ましい材料は、材料又は材料の成分を液相にすることができる(即ち、この材料のガラス転移温度Tgよりも高い温度にすることができる)よう加熱可能な材料である。冷却時(即ち、材料のガラス転移温度Tgよりも低い温度に温度を下げたとき)、材料は、固化(結晶化)し、それにより、材料が液相状態で流し込まれたモールドの形状又は表面凹凸パターンを保持する。
【0100】
好ましくは、材料は、導電性ポリマーの一部であるのが良く、又は導電性ポリマーであるのが良い。
【0101】
好ましくは、材料は、ポリマー創傷被覆材の一部であるのが良く又はポリマー創傷被覆材であるのが良い。
【0102】
好ましくは、成形された製品は、金属化処理を受けるのが良い。より好ましくは、金属化処理を受けた成形された製品は、例えば溶解によって除去される成形材料(ポリマー)を有することができ、結果的に得られる金属構造は、成形された製品の表面のネガの細部を有する。
【0103】
好ましくは、このようにして成形された製品は、反射防止性のものであって良く又は極めて非反射性の表面凹凸構造体であって良い。
【0104】
好ましくは、表面は、成形ゾーンの一部に提供され又は成形ゾーンの一部をなす。好ましくは、成形ゾーンは、圧力成形ゾーンである。
【0105】
好ましくは、表面は、成形ブロックの表面の一部をなすのが良い。好ましくは、表面は、成形ツール又はダイ又はインプリンタの一表面であるのが良い。好ましくは、表面は、プレス又は成形ツールの一定盤である。
【0106】
好ましくは、表面は、連続成形ツール(CFT)の一部である。好ましくは、表面は、可動ベルトフォーマ(MBF)の一部である。
【0107】
好ましくは、成形は、インプリントを含むのが良い。好ましくは、ダイは、インプリンタダイであるのが良い。
【0108】
好ましくは、材料を成形するための成形ツール又はダイ又はインプリント表面は、1つ又は2つ以上の金属被覆ナノチューブから成る。より好ましくは、金属被覆ナノチューブは、成形されるべき所定の製品に従って配置され又は構成される。最も好ましくは、成形面は、ニッケルダイ表面である。
【0109】
好ましくは、表面は、プレスの一方の定盤であり、プレスは、所望のパターンを材料中にインプリントし又はプレスする適当なトポロジーの対向した定盤を有する。
【0110】
好ましくは、トポロジーは、プロフィールである。好ましくは、定盤のうちの一方又は両方は、材料上に成形されるべきナノスケールの表面細部を備えた表面を含み又はこれを備える。
【0111】
好ましくは、材料は、表面への塗布前に温度制御されるのが良い。好ましくは、材料は、表面への塗布時に温度制御されるのが良い。
【0112】
好ましくは、材料は、表面への塗布前に温度制御されると共に表面への塗布時に温度制御されるのが良い。
【0113】
さらに別の観点では、本発明の要旨は、広義には、以下の形式のアイテム、即ち、例えば水、化学薬品、ガス、血液から又はこれらの中の成分の分離のための分離膜又は燃料電池内での分離膜の使用、センサ装置、光ディフューザ、光エミッタ、波反射又は吸収装置、例えばレーダ等、電子回路又は電子回路部品、粒子アライメント又は位置合わせ技術、撥水材又は撥水技術、例えば疎水性材料、光媒体、例えば液晶ディスプレイ(“LCD”)又はコンパクトディスク(“CD”)又はディジタルビデオディスク(“DVD”)技術又は光電池、記憶装置、医療器具、例えば皮膚修復又は創傷修復器具(例えば、包帯)、薬剤運搬機構体又は装置、減少(低)摩擦性表面材料、増大(高)摩擦性表面材料、積層技術、無線認証(“RFID”)チップ、導電性ポリマー層/製品/回路、光曲げ技術、例えばネガティブ光反射、後で金属化される反射防止面又は二次成形表面構造体、このような構造体から取り出された二次成形製品材料のうちの1つ又は2つ以上を形成するよう上述の観点のうちの任意の1つに従って構成された方法にある。
【0114】
さらに別の観点では、本発明の要旨は、広義には、互いに向かって押し付けられる少なくとも1つの他の定盤と関連して形成されるべきプレスの一方の定盤に塗被され又は塗布される前駆物質から形成された以下のアイテムの1つ又は2つ以上にあり、このようなアイテムは、例えば、例えば水、化学薬品、ガス、血液から又はこれらの中の成分の分離のための分離膜又は燃料電池内での分離膜の使用、センサ装置、光ディフューザ、光エミッタ、波反射又は吸収装置、例えばレーダ等、電子回路又は電子回路部品、粒子アライメント又は位置合わせ技術、撥水材又は撥水技術、例えば疎水性材料、光媒体、例えば液晶ディスプレイ(“LCD”)又はコンパクトディスク(“CD”)又はディジタルビデオディスク(“DVD”)技術又は光電池、記憶装置、医療器具、例えば皮膚修復又は創傷修復器具(例えば、包帯)、薬剤運搬機構体又は装置、減少(低)摩擦性表面材料、増大(高)摩擦性表面材料、積層技術、無線認証(“RFID”)チップ、導電性ポリマー層/製品/回路、光曲げ技術、例えばネガティブ光反射、後で金属化される反射防止面又は二次成形表面構造体、このような構造体から取り出された二次成形製品材料であるのが良い。
【0115】
好ましくは、形成されるアイテムは、光媒体であるのが良く、このような光媒体としては、光電池、コンパクトディスク(CD)、ディジタルビデオディスク(DVD)のうちの1つ又は2つ以上が挙げられる。好ましくは、形成されるアイテムは、液晶ディスプレイ(“LCD”)を含む光媒体であるのが良い。好ましくは、形成されるアイテムは、導電性回路の一要素であるのが良い。
【0116】
好ましくは、定盤のうちの一方又は両方は、前駆物質上に形成されるべきミクロンスケール又はナノスケールサイズの表面細部を備えた表面を有し又は支持する。
【0117】
本発明を利用できる改良型成形方法を記載した国際出願PCT/NZ2006/000301号を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。また、本発明を利用できる改良型成形装置を記載した国際出願PCT/NZ2006/000300号を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0118】
定義
【0119】
本明細書で用いられる「ナノスケール」又は「ナノ」は、以下の意味を有し、即ち、0.1〜1,000ナノメートルの1つ又は2つ以上の寸法を有する。
【0120】
「液相」は、固体又は気体以外の材料の相である。すなわち、この材料の相は、液体である。液相は、分子又は原子の熱的易動度が凝集性と同等であり、分子又は原子を互いに結合するが、物体中では流動性にする物質の3つの基本的な構造的状態のうちの1つである。
【0121】
本明細書で用いられる「溶融」という用語は、次の意味を有し、即ち、典型的には例えば最小の特定温度、例えば融点まで熱を加えることによる材料の内部エネルギーの増大が材料の物理的性質又は状態を固相から液相に変化させる材料の物理的性質を有する。
【0122】
本明細書で用いられる「半溶融」という用語は、次の意味を有し、即ち、材料が固相の物理的性質又は状態と「溶融」状態又は「液相」の物理的性質又は状態との間の物理的性質又は状態を有する。
【0123】
原文名細書において用いられる“comprising”という用語(翻訳文では、「〜を有する」又は「〜を含む」と訳出されている場合が多い)は、“consisting at least in part of”(少なくとも一部が〜から成る)を意味している。“comprising”という用語を含む原文明細書における各記載を解釈する場合、この用語の前に位置する1つ又は複数の特徴以外の特徴も又存在する場合がある。例えば“compose”及び“comprises”という関連用語は、同様に解釈されるべきである。
【0124】
本発明の要旨は又、本願の明細書において個々に又はひとまとめに言及され又は示された部品、要素及び特徴部並びに任意の2つ又は3つ以上のこれら部品、要素又は特徴部の任意の組み合わせ又は全ての組み合わせにあるといえ、本発明と関連した技術における公知の均等例を有する特定の整数が本明細書において言及されている場合、このような公知の均等例は、あたかも個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれていると考えられる。
【0125】
本発明の要旨は、上記内容にあり、又、以下において例示を示すに過ぎない構成を想定している。
【0126】
次に、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明に従って成形された液相状態にあるポリマーの流れを示すナノサイズ走査型電子顕微鏡画像を示す図である。
【図2】図1に示された製品の原子間力顕微鏡測定結果を示す図である。
【図3】図1に示された製品の一部の原子間力顕微鏡画像を示す図である。
【図4】本発明に従って成形されたナノスケール製品のナノ/ミクロンサイズ(DVD)走査型電子顕微鏡画像を示す図である。
【図5】図4に示された製品の原子間力顕微鏡測定結果を示す図である。
【図6】本発明の成形法のステージ間で成形されるべき材料の温度のグラフ図である。
【図7】単一の押出し物が下側成形面上に流れている状態の押出しヘッドの側面図である。
【図8】図7の実施形態の斜視図である。
【図9】上側成形面が現場の形態を取っている状態の図7及び図8の実施形態を示す図である。
【図10】図9の実施形態の斜視図である。
【図11】図8に類似した斜視図であるが、単一の押出しヘッドが2種類の押出し物を下側成形面上に流している状態を示す図である。
【図12】2種類の押出し物が1対の押出しヘッドから下側成形面上に流され、上側成形面が本発明に従って多数の材料層の被着のために現場に位置した状態で示された図11の形態の変形実施形態を示す図である。
【図13a】対応の図13bに示された成形パターン製品を生じさせるために用いられる成形面のSEM画像を示す図である。
【図13b】成形されたパターン製品を示す図である。
【図14a】対応の図14bに示された成形パターン製品を生じさせるために用いられる成形面のSEM画像を示す図である。
【図14b】成形されたパターン製品を示す図である。
【図15a】対応の図15bに示された成形パターン製品を生じさせるために用いられる成形面のSEM画像を示す図である。
【図15b】成形されたパターン製品を示す図である。
【図16】特定の成形面の概略的形態を示す図である。
【図17】図16の成形面上に流されているポリマー及び本発明に従って成形された製品のSEM画像を示す図である。
【図18】図16の成形面上に流されているポリマー及び本発明に従って成形された製品のSEM画像を示す図である。
【図19】図16の成形面上に流されているポリマー及び本発明に従って成形された製品のSEM画像を示す図である。
【図20】図16の成形面上に流されているポリマー及び本発明に従って成形された製品のSEM画像を示す図である。
【図21】図16の成形面上に流されているポリマー及び本発明に従って成形された製品のSEM画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0128】
次に、図を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0129】
本発明は、成形可能な材料が流動可能な形態で又は成形作業向きの条件又は状態で提供された場合に成形可能な材料を成形する方法を提供する上で顕著な利点を提供する。製品加工ライン速度を成形製品の品質を落とさないで大幅に増大させることができる。さらに、本発明は、高品質再現性及び高いデフィニションの製品の成形を想定している。
【0130】
本発明の最大加工速度に関する制限要因は、或る程度の精度を持って、成形面への成形されるべき材料の供給速度及び流量を制御できるかどうかであると予想される。理解されるように、押出し物の流量制御の向上は、当然のことながら高い加工速度の実現を一段と可能にする。
【0131】
本発明の第1の実施形態では、ポリマーの成形方法であって、成形されるべきポリマーをそのガラス転移温度(Tg)よりも高い温度まで加熱するステップと、ポリマーP(a)を下側成形面2上に連続的に流すステップとを有し、ポリマーP(a)は、ガラス転移温度よりも高い温度のままであり、更に、ポリマーP(a)がガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、上側成形面3をポリマーP(a)の少なくとも上面3aに当てるステップと、ポリマーP(a)が成形面2,3内に又はこれら相互間に保持された状態でガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップとを更に有する方法が提供される。次に、このようにして成形されたポリマーP(a)は、成形面2,3から取り出される。
【0132】
本発明の第2の実施形態では、ポリマーの成形方法であって、第1のポリマーP(a)及び第2のポリマーP(b)の各々をそれぞれのガラス転移温度(Tg)よりも高い温度状態に加熱するステップと、ポリマーのうちの第1のポリマーP(a)を下側成形面2上に連続的に流すステップとを有し、第1のポリマーP(a)は、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、更に、ポリマーのうちの第2のポリマーP(b)を第1のポリマーP(a)上面3a上に連続的に流すステップを有し、第2のポリマーP(b)は、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、更に、ポリマーP(a),P(b)がそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、上側成形面3を少なくとも第2のポリマーの上面3bに当てるステップと、ポリマーP(a),P(b)が成形面2,3内に又はこれら相互間に保持された状態でそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップとを有する方法が提供される。次に、このようにして成形されたポリマーP(a),P(b)は、成形面から取り出される。
【0133】
本発明の第3の実施形態では、多種類のポリマーを成形する方法であって、多種類のポリマーの各々を各ポリマーのそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップと、ポリマーのうちの第1のポリマーP(a)を下側成形面2上に連続的に流すステップとを有し、第1のポリマーP(a)は、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、更に、ポリマーのうちの第2のポリマーP(b)を第1のポリマーP(a)の上面3a上に連続的に流すステップを有し、第2のポリマーP(b)は、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、更に、1種類又は2種類以上の別のポリマーを各別のポリマーP(x)(図示せず)の上面3x(図示せず)上に連続的に流すステップを有し、別のポリマーの各々は、それぞれのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、更に、ポリマーの各々がそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、上側成形面3を少なくとも最も上側に位置するポリマーP(x)の上面3xに当てるステップと、ポリマーが成形面2,3内に又はこれら相互間に保持された状態でそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップを有する方法が提供される。次に、このようにして成形されたポリマーP(a),P(b),P(x)は、成形面から取り出される。
【0134】
有利には、上側成形面から加えられる圧力は、成形されるべき材料又はポリマーがこれらのガラス転移温度よりも高い温度のままである間に加えられる。
ポリマーの冷却及び/又はスキンニングは、ポリマーが成形面2,3の形状を取った後に起こり始めるようになる。例えば、冷却及び/又はスキンニングは、上側成形面を当てるステップの実施後であって上側成形面が成形圧力を及ぼした後に起こり始めるようになっている。
【0135】
図7〜図12は、全体として、連続成形ツール(CFT)又は移動ベルトフォーマ(MBF)又は他の無端ベルトシステム1の下側成形面2上への押出しヘッド6からのポリマーP(a),P(b)(図示されていないP(x))の連続流れを示している。説明を簡単にするために、上側成形面3は、ポリマーP(a),P(b),P(x)の最も上側の表面と接触状態では示されていない。しかしながら、理解されるように、上側成形面3を下側成形面2の上方の高さ又はゲージングに関して制御することができ、そしてこのような上側成形面を上側成形面3が成形中のポリマーの少なくとも最も上側の表面に当てられる位置まで下降させることができる。変形例として、下側成形面を上側成形面に向かって近づけても良い。上側成形面と下側成形面との間の距離の調節は、成形プロセス中に実施できる。
【0136】
押出しヘッド6は、下側成形面2への成形されるべき材料(ポリマー)の流量を制御することができる任意の押出しシステムに用いられる押出しヘッドであるのが良い。押出し機に加えて、オプションとして、メルトポンプ(図示せず)を押出し機とインライン状態で用いて成形面2への押出し物の流量の精度及び制御を支援し又は向上させるのが良い。メルトポンプは、ポリマーの押出し機出力を増大させると共にポリマー押出し物流量を制御する上で特に有用な追加手段であるといえる。
【0137】
図を参照して以下に本発明の実施形態について説明する。図6に示されているように、材料の温度プロフィール(分布)は、本発明による材料の加工中、変化するようになっている。加工されるべき材料の温度は、Tpで示されている。参照しやすくするために、このプロセスは又、セグメントに分割されている。ただし、制御システムの改良及びプロセスの実施中における検出の向上により、プロセスをこれよりも多くの制御可能なセグメントに分割することができる場合がある。図示のセグメントは、一般的な説明のためのものである。次に、本発明のプロセスについて詳細に説明する。
【0138】
成形のために加工されるべき材料を選択する。この1種類又は複数種類の材料を各材料のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度まで昇温させる。この初期加熱ステージを第1の温度ゾーン1(TZ‐1)と称する。このステップにより、成形されるべき材料を「流動可能な」状態にすることができる。このような状態は、材料をCFT又はMBF又は無端ベルトシステム1上の下側成形面2(第2の温度ゾーン(TZ‐2))上に制御可能に流すことができるようにするのに必要である。理解されるべきこととして、成形されるべき材料を連続的に流すための成形面を提供する他の形態の採用が可能である。
【0139】
第2の温度ゾーン(TZ‐2)中、材料又は材料が存在している環境(即ち、周囲空気又はダイ又は成形面)は、材料がこれらのTgよりも高い温度のままであることができるようにするよう制御され、例えば、1つ又は複数のヒータを用いるのが良い。次に、上側ダイ又は成形面3を成形されるべき材料に当てる。このようにすると、少なくともダイ又は成形面と接触状態にある材料の表面を成形することができる。例えば2つの材料層(又は、必要ならばこれよりも多い層)を成形面2上に流す場合、成形面の凹凸パターンは、実質的に材料のうちの何割か又は全ての中に入り込むのが良い。このようにすると、多層製品を成形することができる。このような一実施形態では、伝統的に非両立性の材料、例えばTPUとPCを一緒に成形することができる。
【0140】
次に、材料を成形中の製品が無端ベルトシステム1に沿って運ばれているときに成形面2,3の境界部内に保持する。温度ゾーン3(TZ‐3)は、次の期間にわたり成形面2,3内の材料を制御し、それにより、材料は、材料が成形面上に流されたときの温度から温度が減少し始めることができる。
【0141】
次の期間後、材料は、温度が一段と減少し、例えば、温度ゾーン4(TZ‐4)の領域内に位置するのが良い。TZ‐4により、材料は、温度が更に一段と減少することができ、このゾーンの終わりでは材料のガラス転移温度に達する。
【0142】
次の温度ゾーン5、6及び7(TZ‐5,TZ‐6,TZ‐7)がTZ‐1〜TZ‐4から見て下流側に更に設けられている。これら後者のゾーンにより、材料は、ガラス転移温度よりも低い温度から周囲温度(Ta)に(例えば、約90℃から約20℃に)温度が減少することができる。これら温度ゾーンは、先のゾーンと同様、成形された材料をダイ又は成形表面内に保持した状態で冷えることができるよう温度制御される。このように、成形製品を成形面から取り出し可能に材料のガラス転移温度よりも低い温度まで且つ周囲温度(Ta)に近い温度まで温度を減少させる。
【0143】
材料が各温度ゾーン内に保持されるのに必要な期間は、コンベヤシステム1が作動する線速度(LS‐1)(例えば、メートル/分)で決まる。この期間は又、材料の冷却速度の制御能力で決まる。材料が各温度ゾーン内に保持される期間は、コンベヤの線速度LS‐1又は冷却ゾーンCZの長さを調節することにより(即ち、長くし又は短くすることにより)制御可能である。これらの期間は又、成形中のポリマーの冷却速度で決まるであろう。
【0144】
一般的に言って、加熱ゾーン(TZ‐1,TZ‐2)は、できるだけ迅速に稼働されることが考えられ、これにより、材料をこれらのTgよりも高い温度に保つためのエネルギーが必要とされる期間が最小限に抑えられる。これら温度ゾーンセグメントを迅速に作動させることは、プロセス及び材料又はポリマーの最も溶融した状態での送り出しに関する全(エネルギー)加熱要件を最小限にするのを助ける。
【0145】
一般的に言って、冷却ゾーン(TZ‐3,TZ‐4,TZ‐5,TZ‐6,TZ‐7)は、材料をこれらのガラス転移温度よりも低い温度に、更に周囲温度Taまで冷却するのに必要な時間に応じて稼働されることが考えられる。成形された材料から十分な熱エネルギーを除去してダイからの材料の取り出し時に、材料が成形形状を保持するようにしなければならない。十分な熱エネルギーを材料から除去する前にダイ又は成形面からの取り出しを行うと、その結果として、材料内部からの熱エネルギーが引き続き、このようにして形成された材料及び製品の外面に移動する場合がある。
【0146】
成形された製品が十分に冷却されない場合、製品のコアは、成形された製品の表面に伝わるのに十分な熱エネルギーを保持する場合があり、その結果、表面構造体及び製品それ自体の不安定化が生じる。このような場合、このようにして成形された製品の構造的安定性は、材料が固相になる上でまだ十分な熱エネルギーを失っていないので失われる場合がある。互いに異なる種類の材料(ポリマー)が互いに異なる速度で冷却する場合があるので、CZをそれに応じて調節するのが良い。
【0147】
成形されるべき多層製品の場合、用いられるべき材料(例えばポリマー)をこれらのガラス転移温度よりも高い温度まで昇温させる。次に、ポリマーのうちの最初のものP(a)を押出し物として押出しヘッド6から無端ベルトシステム1の下側成形面2上に連続的に流す。同様に、ポリマーのうちの第2のものP(b)を第1のポリマーP(a)の上面3a上に押出し物として連続的に流す。このようにすると、ポリマーの二重層が成形面2上に塗被される。これは、計画している最初の2つの温度ゾーンセグメントである。次に、ポリマーP(a),P(b)を依然としてこれらのそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度のままの状態で運んで上側成形面3が上側ポリマー層P(b)の少なくとも最も上側の表面3bに当てられるようにする。上側成形面3をポリマーに当てて圧力をこれに加え、すると、上側成形面の成形が実施される。上側成形面3からの圧力は、ポリマーを成形面2,3相互間の定位置に保持するのを助ける。また、このような圧力を用いると、ポリマーを使用中のダイ又は成形面の表面凹凸特徴部中に押し込むことができる。図6に示されているように圧力をダイ圧力箇所(DP)のところで加える。このような表面凹凸特徴部は、ポリマー上に成形されるべきパターン又は3次元形状を定める。成形可能な製品の例について以下に説明する。
【0148】
“D”は、下側成形面2上に流される材料の幅である。材料の幅は、押出しヘッド6により調節可能である。幅は、このように成形されている製品の用途で決まる場合がある。押出し物を成形製品に加工する上での制限要因は、成形面2の直径“C”で決まるであろう。押出しヘッド6からの流量の制御も又、問題になる場合があり、即ち、メルトポンプ(図示せず)の導入によって流量制御を支援するのが良い。しかしながら、明らかなこととして、幅の広いベルトシステム及び成形面を提供することにより、成形されるべき製品の幅を大きくすることができるであろう。
【0149】
“A”は、成形面2に対する押出しヘッド6からの材料の流れ角度である。押出しヘッドの角度は、ダイ表面上への押出し物の角度を変えるよう変更可能である。このような押出し物の角度を変更することは、押出し物がダイ表面に出会う流れ方向の変更を助ける。このようにダイ角度を変更することができることは、押出し物及びプロセス速度の僅かな変更に対応することができると共に第2の押出しヘッドからのメルトフローインデックスが異なる別の押出し物と連続して用いられる場合のポリマーのメルトフローインデックスの変更に対応することができる。押出し物がダイ表面と出会う理想的な角度は、約60°〜約90°である。この角度範囲は、押出し物とダイ表面との間の空気取り込みを最小限に抑えるのを保証するのに役立つ。また、種々のダイ角度は、ポリマーをダイ表面上に流すのに利用される領域内における数個のダイの位置合わせに対応するよう使用できる。
【0150】
“R”は、材料が下側成形面上に流れる際の変向(方向転換)角度である。最小限の変向アールは、押出し物とダイ表面との間の最小限の空気取り込みを保証する。このアールは、このようなアール周りのポリマーの流れが応力をポリマー中に加えるようにするほどきつすぎてはならない。一般的に言って、このアールは、押出し物の厚さの約2倍以上且つ押出し物の厚さの約10倍以下であるべきである。
【0151】
“B”は、押出しヘッド6のリップから下側成形面の表面までの垂直高さである。ダイ頂面の高さ、ダイ底面の高さ及びダイ底面に対する押出しダイの高さを調節できることによりダイ表面上への自由落下押出し物の長さを制御することができる。この押出し物長さの制御は、ポリマーの重量からの押出し物の延伸/伸びを最小限に抑える。延伸/伸びは、応力をポリマー中に生じさせ、押出し物の厚さを変化させ、しかも押出し物の幅を減少させる。
【0152】
“ES‐1”は、押出し物が押出しヘッド6から流し出される際の線速度である。押出し物の線速度をプロセス/ベルトの線速度にできるだけ近づけて一致させるべきである。押出し物の線速度がプロセス/ベルトの線速度よりも低い場合、押出し物は、細長くなり又は引き伸ばされてポリマーに応力が加えられ、押出し物の厚さが減少し、しかも押出し物の幅が減少し、これは、押出し物の「ネックイン(neck in)」と一般に呼ばれている。
【0153】
押出し物の線速度がプロセス/ベルトの線速度LS‐1よりも高い場合、押出し物は、集まり、貯まり、ひだ状になり又はリップルし、それによりダイ表面上における押出し物の厚さが不均一になる。例えば、“LS‐1”は、無端ベルトシステム1が走行する際の線速度又は線速度(メートル/分)である。
【0154】
ポリマーの僅かなプロセス方向引き伸ばし又は配向現象が最終製品にとって有益である用途に関し、押出し物線速度と比較した場合のプロセス速度の僅かな増大により、ポリマーの配向現象が引き起こされる。このポリマー配向現象は、流れ方向における光学的性質又は強度の増大を製造中の製品に与えるために利用可能である。
【0155】
押出しヘッド6ES‐1からの押出し物の線速度(例えば、メートル/分)を有利には、無端ベルトシステムの線速度LS‐1(例えば、メートル/分)に一致させる。このように、下側成形面2上に連続的に流されている材料は、成形面上に引き伸ばされず又は動かされず又は引っ張られない(これは、ES‐1,LS‐2相互間の線速度の相対的差である)。これは、押出し物に加わる応力又は張力を最小限に抑えるのを容易にすることができる。それどころか、押出し物は、成形面上に塗被され又は流され、この成形面は、押出し物を受け入れ、押出し物は、モールドの表面凹凸特徴部中に流れる。
【0156】
図7〜図12(幾つかの図は、上側成形面3を示していない)を参照すると、無端ベルトシステム1が示されており、この無端ベルトシステムは、下側成形面2及び上側成形面3を有し、上側成形面を計測し、そして押出しシステム(細部は示されていない)の押出しヘッド6から連続的に流されているポリマーP(a)の上面3aに接触させることができる。ポリマーP(a)は、そのTgよりも高い温度状態で提供され、従って、ポリマーを下側成形面に流すと、ポリマーは、モールドの形状を取るようになる。プロセスを上述した種々の温度ゾーンに従って実施するのが良い。
【0157】
図11及び図12は、2種類以上の押出し物が加工されるべき本発明の別の実施形態を示している。図11は、押出し材料の二重層P(a),P(b)を下側成形面上に流す単一の押出しヘッド6を示している。図12は、押出し材料の層P(a),P(b)を下側成形面2上に流す1対の押出しヘッド6を示している。理解されるように、3つ以上の押出しヘッドを押出し物の追加の層状化のために使用することができる。変形例として、多数の材料層を押し出すことが可能な押出しヘッドを用いても良い。
【0158】
図13a、図14a、図15aは、種々の成形面のSEM画像を示す図であり、対応の図13b、図14b、図15bは、これらのそれぞれの成形製品(即ち、成形PS)を示している。
【0159】
図16は、成形面の一部の断面図である。例えば、この成形面は、下側成形面2であるのが良い。提供されている寸法は、孔“a”(例えば、直径約5マイクロメートルである)、孔の厚さt1(例えば、約2マイクロメートル)、孔から頂面の頂部までの高さt2(例えば、約50マイクロメートル)、内側半径R1(例えば、約15マイクロメートル)及び外側半径R2(例えば、約25マイクロメートル)及び開口部“b”(例えば、約50マイクロメートル)である。
【0160】
図17〜図21は、材料(例えばポリマー)が表面2Iか表面2IIかのいずれかからモールド上に流される場合に用いられる図16のモールドを示している。
【0161】
図17は、低応力材料(例えば、液体ポリマー)を表面2Iから小径孔(a)を通って流してモールドキャビティを充填することができることを実証しているSEM画像を示す図である。この図は、本発明が小径孔を通って多量の材料を通して低応力多量のポリマーの流れが高いアスペクト比の製品を形成することができることを例示している。モールドのキャビティ内の材料の量は、孔(a)及び厚さt1で境界付けられた容積内に保持可能な材料の量の50倍以上である。
【0162】
図18は、図示の孔(a)を備えた成形面2IIのSEM画像を示す図である。図19は、低応力材料(例えば、液体ポリマー)を成形面2Iからモールドの他方の表面2IIに流すことができることを実証しているSEM画像を示す図である。画像は、下側の表面2IIのところで孔(a)から流れ出ているポリマーP(a)を示している。
【0163】
図20は、成形面からいったん取り出された成形ポリマーのSEM画像の図である。成形ポリマー製品は、ポリマーを成形面2Iに塗布した結果であって、孔(a)を越えて外方に延びるよう流され又は押し込められたものではない。図21は、再現性を実証している図20の製品のうちの多くのもののSEM画像を示す図である。
【0164】
別の実施形態では、本発明の方法は、ナノスケール又は近ナノスケールの表面細部を備えた1つ又は複数の表面を有するようアイテムを成形する方法から成り、この方法は、成形可能な材料を流動又は塗被又は被着により表面上に塗布するステップと、材料を成形するステップとを有する。
【0165】
別の実施形態では、本発明の方法は、ナノサイズの表面凹凸を含む少なくとも1つの表面を備えたアイテムを成形する方法から成り、この方法は、第1の定盤の表面上に成形されるべき前駆物質の1つ又は複数の層を被着させるステップを有し、この前駆物質は、被着時に、溶融状態又はオプションとして近溶融状態又は少なくとも非剛性状態であり、第2の定盤を第1の定盤に向かって変位させることにより圧力を前駆物質層に加えて前駆物質を少なくとも部分的に成形するステップを有し、一方又は両方の定盤は、前駆物質に少なくとも部分的にそのネガを与えるようナノサイズの表面凹凸を含む表面を支持し又は有する。
【0166】
表面は、両面型ダイ又はインプリンタダイ又は打抜きモールドの一方の側又は成形面を受け入れる基板又は定盤であるのが良い。成形面は、連続成形ツール(CFT)、移動ベルトフォーマ(MBF)、インプリンタ又はダイ若しくは適当なインプリンタモールドの一部であるのが良い。ダイ又は成形面は、望ましくは、比較的高い熱伝達量又は高い熱伝導率を有する材料である。
【0167】
成形面は、定盤又は例えば移動ベルトフォーマ、スタンプインプリンタ又はダイインプリンタ又は打抜きモールド連続成形ツールのうちの任意のものの一部であるのが良いことが認識される。
【0168】
図7〜図12に示されているように、本発明の方法の実施にあたり無端ベルトシステムを用いるのが良い。PCT/NZ2006/000301及びPCT/NZ2006/000300に記載された方法及び装置に関する説明をこれら国際出願を参照により引用することにより本明細書の一部とする。これら国際出願に記載された方法及び装置は、特に本発明の実施に適しているといえる。
【0169】
有利には、材料(ポリマー)が弛緩又は応力減少状態にあるときにこのような材料がダイ表面を横切って動くことを必要としない仕方で材料を塗布することにより、所望の製品を成形するための成形圧力を減少させることができる。必要な成形圧力を減少させ又はほぼゼロにすることにより、材料の変形応力を最小限に抑えるのに役立つと共に溶融状態又は液相から固体状態又は固相への変化の際に材料の収縮応力を一段と減少させることができる。例えば、本発明により、成形プロセス中、成形される製品に与えられる場合のある表面応力又は張力が最小限に抑えられた成形製品の形成が可能である。これら利点は、成形作業に先立って流動可能な状態又は条件に変更することができる材料の使用によって達成できるように思われる。また、材料は、ダイ表面を横切って流れる必要はない。
【0170】
例えば、材料は、成形ツールの表面への塗布時に実質的に溶融状態であるのが良く又はこれに近い状態であるのが良い。変形例として、材料は、成形ツールの表面への連続的塗布の際に実質的に液相であっても良く又はこれに近い状態であって良い。このような特徴により、材料の流動可能な状態での塗布が可能である。
【0171】
一実施形態では、材料は、表面を実質的に覆う材料のシートが達成されるまで流れることによって表面に塗布されるのが良い。
【0172】
具体的に説明すると、材料の熱伝達特性は、少なくとも一部が、次の成形作業のために表面に塗布可能な材料の最大深さに寄与することができる。しかしながら、予想されるように、温度制御可能な冷却ゾーンを設けることにより、材料(ポリマー)が成形面からの材料の取り出しに先立って、その(又はこれらの)ガラス転移温度よりも低い温度まで減少することができるようにする際に高い熱容量の材料又は深さ若しくは厚さが増大した製品の製造が可能である。
【0173】
特定の実施形態では、材料を約50mm、40mm、30mm、20mm、10mm以下又は約5mm以下又は約3mm以下又は約2mm以下の厚さまで表面に塗布するのが良い。さらに別の実施形態では、材料は、0.1mm〜約3mmの深さまで塗布される。変形例として、深さは、約4mm又は3mm又は2mm又は1mmである。
【0174】
別の実施形態では、表面に塗布される材料の厚さは、少なくとも約0.5マイクロメートル、1マイクロメートル、2マイクロメートル、3マイクロメートル、4マイクロメートル5マイクロメートル、6マイクロメートル、7マイクロメートル、8マイクロメートル、9マイクロメートル、10マイクロメートル、15マイクロメートル、20マイクロメートル、25マイクロメートル、30マイクロメートル、35マイクロメートル、40マイクロメートル、45マイクロメートル、50マイクロメートル、55マイクロメートル又は約56マイクロメートル、60マイクロメートル、65マイクロメートル、70マイクロメートル、75マイクロメートル、80マイクロメートル、85マイクロメートル、90マイクロメートル、95マイクロメートル、100マイクロメートル、105マイクロメートル、110マイクロメートル、115マイクロメートル、120マイクロメートル、125マイクロメートル、130マイクロメートル、135マイクロメートル、140マイクロメートル、145マイクロメートル、150マイクロメートル、155マイクロメートル、160マイクロメートル、165マイクロメートル、170マイクロメートル、175マイクロメートル、180マイクロメートル、185マイクロメートル、190マイクロメートル、195マイクロメートル、200マイクロメートル、220マイクロメートル、240マイクロメートル、260マイクロメートル、280マイクロメートル、290マイクロメートル、300マイクロメートル、350マイクロメートル、400マイクロメートル、450マイクロメートル、500マイクロメートル、550マイクロメートル、600マイクロメートル、650マイクロメートル、700マイクロメートル、750マイクロメートル、800マイクロメートル、850マイクロメートル、900マイクロメートル、950マイクロメートル、1,000マイクロメートル、1,050マイクロメートル、1,100マイクロメートル、1,150マイクロメートル、1,200マイクロメートル、1,250マイクロメートル、1,300マイクロメートル、1,350マイクロメートル、1,400マイクロメートル、1,450マイクロメートル、1,500マイクロメートル、1,550マイクロメートル、1,600マイクロメートル、1,650マイクロメートル、1,700マイクロメートル、1,750マイクロメートル、1,800マイクロメートル、1,850マイクロメートル、1,900マイクロメートル、1,950マイクロメートル、2,000マイクロメートル、2,050マイクロメートル、2,100マイクロメートル、2,150マイクロメートル、2,200マイクロメートル、2,250マイクロメートル、2,300マイクロメートル、2,350マイクロメートル、2,400マイクロメートル、2,450マイクロメートル、2,500マイクロメートル、2,550マイクロメートル、2,600マイクロメートル、2,650マイクロメートル、2,700マイクロメートル、2,750マイクロメートル、2,800マイクロメートル、2,850マイクロメートル、2,900マイクロメートル、2,950マイクロメートル、3,000マイクロメートル、3,500マイクロメートル、3,550マイクロメートル、3,600マイクロメートル、3,650マイクロメートル、3,700マイクロメートル、3,750マイクロメートル、3,800マイクロメートル、3,850マイクロメートル、3,900マイクロメートル、4,000マイクロメートル、4,050マイクロメートル、4,100マイクロメートル、4,150マイクロメートル、4,200マイクロメートル、4,250マイクロメートル、4,300マイクロメートル、4,350マイクロメートル、4,400マイクロメートル、4,450マイクロメートル、4,500マイクロメートル、4,550マイクロメートル、4,600マイクロメートル、4,650マイクロメートル、4,700マイクロメートル、4,750マイクロメートル、4,800マイクロメートル、4,850マイクロメートル、4,900マイクロメートル、4,950マイクロメートル、5,000マイクロメートル又は0.1ミリメートル〜約3ミリメートルの深さであるのが良く、有用な範囲は、これらの値のうちの任意の値相互間(例えば、約0.5ミリメートル〜約3ミリメートル、約0.2ミリメートル〜約2ミリメートル)から選択されるのが良い。
【0175】
材料がポリスチレンである別の実施形態では、その温度は、表面との接触時に約230℃であるように制御されるのが良く、材料がポリカーボネートである場合、その温度は、表面との接触時に約300℃であるように制御されるのが良い。温度制御は、熱調節システムの任意の仕方により、例えば、電気ヒータ又は熱交換器により達成できる。表面又は成形ツールの一部の温度制御も又、実施できる。この場合も又、これらは、温度調節装置、例えば電気加熱システム、赤外線(IR)又は他の熱交換器、例えば成形ツールの定盤を加熱するための高温油システムによって実施されるのが良い。理解されるように、表面を加熱し又は表面温度を維持する他の方法が想定され、これは、本明細書にのみ説明したシステムには限定されない。
【0176】
また、例えば材料の物理的性質を特定の温度におけるその粘度又は展性に応じて例えば溶融又は半溶融状態又は液相に合わせて制御するために、材料は、所定の材料の流動学的性質に従って温度制御されるのが良いことが想定される。
【0177】
成形作業の実施前に材料の温度を制御する際、エネルギーを材料に入力して材料の半溶融若しくは溶融状態又は液相を形成したり材料が集まって貯まることができるようにすることは、表面上への材料の次の流動又は布設を助けることができることが考えられる。材料を半溶融状態、溶融状態又は液相で表面に供給するのが良い。変形例として、材料をシート形態で表面に供給しても良い。
【0178】
適当な材料は、次のもの、即ち、溶融状態の成形可能な材料、熱成形可能な温度で塗布される熱成形可能材料、表面又は1つ若しくは複数の成形ツールにより成形可能な状態まで加熱される熱成形可能な材料、表面又は1つ若しくは複数の成形ツール等により冷却される熱成形可能な材料又は溶融状態の成形可能な材料、表面又は1つ若しくは複数の成形ツールにより熱硬化される熱成形可能な材料及び異なる性質の1種類又は2種類以上の材料と組み合わせられた上述の材料のうちの任意のもののうちの1つ又は2つ以上を含むのが良い。
【0179】
本発明を任意の流動性材料又は塑性変形可能な材料、例えばポリマー及び金属に利用できることが想定される。しかしながら、最も好ましい材料としては、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーが挙げられる。ポリマー材料としては、炭化水素系物質が挙げられ、このような炭化水素系物質としては、最近の技術傾向が示唆するように広汎に利用できる植物由来の油性物質で構成されたポリマー材料が挙げられる。
【0180】
また、本発明の方法に使用できる材料は、これらの熱成形可能な温度で表面に塗布可能であるべきであることはいうまでもない。
【0181】
特に適当で且つ想定される材料としては、以下のもの、即ち、ポリマー複合材、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、汎用ポリスチレン(GPPS)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられるが、これらには限定されない。光媒体用途に特に適しているといえる材料としては、以下のもの、即ち、紫外線安定化熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート又は汎用ポリスチレンが挙げられるが、これらには限定されない。
【0182】
他の適当な材料としては、導電性ポリマー及び創傷被覆材に適したポリマーが挙げられる。
【0183】
金属又は金属合金の例としては、純金属、金属酸化物(例えば、成形プロセスの一部又は成形作業に続くプロセスステップとして焼結可能なセラミックス)、非結晶性セラミックス、結晶セラミックス、非酸化物セラミックス、例えば炭化物、ホウ化物、窒化物又は珪化物又はこれらの複合材例えば、粒子強化セラミックス、又は酸化物セラミックスと非酸化物セラミックスの組み合わせが挙げられる。例えば、金属酸化物、例えばアルミナ又はジルコニアの酸化物が用いられ、セラミックスが形成される場合、成形ステップは、未加工物体又は未加工物体及び焼結アイテムの中間生成物の成形を可能にする。
【0184】
オプションとしてスラリーの形態で又は次の成形作業のための支持基板上に提供されるセラミックスの幾つかの別の例としては、チタン化バリウム(多くの場合、チタン化ストロンチウムと混合される)、ビスマスストロンチウムカルシウム銅酸化物、窒化ホウ素、フェライト(Fe34)、ジルコン酸チタン酸鉛、マグネシウムジボライド(Magnesium diboride:MgB2)、シアロン/シリコンアルミニウムオキシニトリド、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si34)、ステアタイト(珪酸マグネシウム)、炭化チタン、酸化ウラニウム(UO2)、イットリウムバリウム銅酸化物(YBa2Cu37-x)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)が挙げられる。
【0185】
適当な材料は、望ましくは、流動性要件を満たすのが良い。
【0186】
当業者であれば、本発明において有効に働く本明細書には記載されていない多くの他の材料が存在することを理解し、本発明は、本明細書において説明した例示の実施例には限定されないことは理解されるべきである。
【0187】
有利には、材料は、表面への塗布前に温度制御されるのが良い。変形例として、材料は、表面への塗布時に温度制御されても良い。さらに別の変形例として、材料は、表面への塗布前に温度制御されると共に表面への塗布時に温度制御されても良い。温度制御は、材料の温度を測定し、これをヒータにより調節することによって達成できる。ヒータは、直接加熱装置、例えば、材料中に浸漬される電気ヒータであっても良く、或いは、間接加熱装置、例えば熱を熱伝達流体から熱導電性表面を介して加熱されるべき材料に与える熱交換器(例えば、多管式熱交換器)であっても良い。
【0188】
また、成形装置(MBF、CFT、ダイ又はモールド)の1つ又は複数の表面を加熱して形成されるべき又は形成中の材料の温度を維持しても良いことは理解されるべきである。加熱型表面を設けることは、材料の冷却若しくはアニーリング又は材料の凍結速度を成形作業前、成形作業中又は成形作業後に加工中の材料のTgよりも低い温度に減速することも又助けることができる。
【0189】
成形作業に用いられる表面は、成形されるべき所定の製品に従って構成され又は配置されるのが良い。インプリント又は成形面を所望に応じて配置され又は構成された金属被覆ナノチューブで形成するのが良い。ただし、他の表面成形方法も又、本発明において利用できることが想定される。
【0190】
例えば上述のPCT出願において記載されている連続成形ツール(CFT)を用いた場合の利点としては、成形ゾーン内の圧力を変化させることができること、成形ブロックの側方及び軸方向膨張が可能であること、成形面を備えた底部軌道/定盤の昇降が可能であること、作業相互間及び軌道の長さ全体にわたる機械のクランプ圧力を変化させることができるということのうちの1つ又は2つ以上が挙げられる。
【0191】
CFT製造技術は、平らなシートや多くの他の異形材、例えば3次元形状物、非対称形状物、軸方向非対称形状物(例えば管)又は光学レンズ(これらには限定されない)に利用できる。この製造技術の別の利点としては、中間プロセス、例えば射出成形部分挿入、長さ及び速度が様々であって良い頂部及び底部軌道/定盤、に対応できること、つがい関係をなすダイの高精度位置合わせが可能であること、各成形ブロック及び/又は各軌道の温度を別々に制御できること、高い成形速度、成形ブロックのフェース又は縁部ではなく側板が荷重を支える成形ブロックが溶融及び半溶融材料に関して働くことができるということ、液体又は半液状材料が底部ダイまで流れ、次に圧力成形されること、極めて小さな形状物をインプリントすることができるということ、幅又は深さが少なくとも1ナノメートルまで小さいこと若しくはこれ以下であること、及び非直線状圧力成形ゾーンを有することができるということが挙げられる。
【0192】
本発明は、有利には、ポリマーがダイ又は成形面を横切って流れることがないようにポリマーをダイ又は成形面上に連続的に流し又は布設することができる。ダイ又は成形面は、ポリマーの温度状態に又はこれに近い温度状態になるよう制御され又は可能であり、ポリマーは、その液相状態にあり又はこれに近い状態にある。ポリマーがダイ又は成形面を横切って動くことがないようにポリマーをダイ又は成形面上に塗布して保持し、ポリマーは、重力により動くが、任意他の力によっては動かない。ポリマーは、圧縮成形力が加えられるまで十分な時間にわたってモールド内にその形状のまま保持される。
【0193】
望ましくは、本発明の方法は、成形中、最小限の応力をポリマー中に与えるよう設計されている。これは、ポリマーが弛緩状態で、好ましくは可能な限り最も弛緩した状態(即ち、液相)でダイ又は成形面に塗布され、ポリマーの移動量は、ダイ又は成形面の表面パターンのみを受け取ることによって最小限に抑えられるからである。これは、ポリマーができるだけその液相に近い状態にあり、ダイ又は成形面を直接的に完全に横切ると共に/或いはこの上に布設されるので可能である。表面パターン又は凹凸を形成するためにポリマーをモールド表面を相当横切って動かす必要はない。これとは異なり、上側ダイ又は成形面は、ポリマーを成形面の表面パターン又は凹凸の形態に仕上げ又は動かすために例えば1〜3kg/cm2の最小圧力を及ぼすために用いられる。
【0194】
本発明によれば、成形ゾーンは、加熱ゾーンの延長部であるのが良い。冷却ゾーンは、成形されるべきポリマーがいったん「付形」された場合にのみ開始され又は始まる。既存の方法と比較して、通常、冷却ゾーンは、押出し機又は射出成形装置を出た際に又はその直後に設けられる。
【0195】
さらに、本発明の方法は、液相ポリマーを十分な速度で圧縮ゾーン中に移送し、ポリマーをダイ又は成形面を横切ってそれほど動かさないで、ポリマーをその液相状態に維持することができる。
【0196】
この方法では、成形中、ポリマーに加える応力がほぼゼロであり、これは、ポリマーが液相状態にあって完全に弛緩されていること、ダイ表面を横切るポリマーの移動が最小限であること、成形中におけるダイ表面の温度がポリマー温度に近いこと、冷却サイクルが制御されること、成形方法が高速であることに起因している。ポリマーは、射出されず、又は、大きな力/高い圧力を受けず或いは多くの流路を辿らない。
【0197】
また、小さな応力の結果として、ダイをポリマー温度が依然として比較的高い状態である時にポリマーから取り出すことができ、最終冷却中、この形状は、変形しない。これは、成形された材料中の内部応力がほとんどなく又はゼロであるからである。
【0198】
製造された製品は、使用の際、内部ポリマー応力、例えば剪断応力又は成形応力の弛緩を引き起こす特に高い温度及び/又は化学薬品への曝露の際に変形の恐れが小さく、もしそうしなければ、成形されたパターンの変形が引き起こされる。
【0199】
また、小さな応力の結果として、高い圧縮性により柔軟性材料(例えば、TPU)をミクロン及びサブミクロンサイズのパターンに形成することができ、これらパターンは、パターンを形成するために圧縮力を及ぼすモールドからの離型の際に通常失われる。
【0200】
高い熱伝導性のダイ又は成形面を用いることにより、ダイ表面は、ダイ表面への塗布の際にポリマーの温度を迅速に吸収し又はこのダイ表面をこのようなポリマー温度に合わせて増大させ又は調節することができる。同様に、このようなダイ又は成形面は、次に、ダイ表面との接触時にポリマーを冷却し又はこのようなポリマーから熱を奪うことができる。
【0201】
有利には、本発明により、ポリマーを約1kg/cm2〜約3kg/cm2の圧力で成形することができる。ただし、この方法では上述の他の圧力又は圧力範囲を用いることができる。この特定の成形圧力は、公知の成形技術と比較して比較的極めて低い。射出成形用の公知の技術の圧力は、約260〜350kg/cm2である場合が多い。
【0202】
上述したように、多種類のポリマーを成形面上に成形することができるということは、本発明により可能であり、例えば、2種類のポリマーを同時に成形することが可能である。製品の両面に同時にパターン付けし、パターン又は成形面を位置合わせして所望の成形製品を製造することができる。押出し物の各側でのパターンの位置合わせは、ダイ表面の位置合わせにより達成される。位置合わせは、テーパ締まり嵌め又は他の通常の物理的方法による表面の物理的位置合わせかダイ表面の配置場所及びダイ表面からのセンサフィードバックを介するダイ表面の相対速度の制御かのいずれかにより制御可能である。
【0203】
製品の各側のパターンの位置合わせは、製品の光学的性質を高めるために利用可能である。
【0204】
互いに異なる種類のポリマーの多層積層物を形成し、互いに異なるパターンを互いに異なるポリマーであるのが良い2つの外面に施すことができ、一方のポリマー/表面は、UV安定性を提供すると共に非反射性表面をもたらすパターンを有することができ、他方のポリマー/表面は、活性被膜、例えば電極を被着させるための表面積が増大した状態で耐化学性(耐薬品性)をもたらすことができる。
【0205】
アスペクト比が大きな製品の成形は、成形面を横切る最小限のポリマー流量及びポリマーがポリマーの自重により、必要とする最小限の追加の圧縮成形力(小さな応力)の状態で、ダイ又は成形面の表面パターン又は凹凸キャビティ中に流れ込むことができるようにするダイ表面温度により可能である。約10:1又はそれどころか最高20:1又はそれどころかこれよりも大きなアスペクト比が達成可能である(表面凹凸の深さ:幅)。
【0206】
本発明は、加熱ゾーンHZ及び冷却ゾーンCZの時間及び長さ、押出し機のダイ高さ、押出しダイヘッドからの押出しメルトの速度とダイ又は成形面上に塗布される押出しメルトの半径を変化させるための速度制御を含む押出し厚さ及び幅を制御するためのプロセス速度の速度差を変化させることができるプロセスを提供する。
【0207】
約36メートル/分(又はこれ以上)の線速度での成形製品の生産速度が達成可能である。例えばナノスケールサイズの凹凸成形構造体の既存の成形技術は、これよりも著しく速度が低い(ナノスケールサイズの成形構造体の生産速度に関する既存の技術は、1日につき約数平方メートルあたりである)。これとは対照的に、本発明は、1日につき約25,000m2の生産速度を容易に達成することができる(毎日23時間稼働する500mm幅の成形面上での36m/分の作動条件で)。
【0208】
別の利点としては、押出し速度ES‐1とダイ表面速度又は線速度LS‐2の速度差により引き抜き速度をスピードアップすることによって押出し物の厚さを減少させると共に/或いは調節すると共に/或いは制御することができるということが挙げられる。
【0209】
プロセス速度、加熱時間の長さ、冷却時間の長さ、プロセスの幅及び生産性に関する変数を調節することは、全て、所望の製品を製造するために実施可能である。本発明の作動における制限要因は、現在のところ、押出し速度であると理解される。ただし、これは、押出し物流量の制御を向上させると増大させることができる。
【0210】
本発明は、約1MFIから約50(又はこれ以上)のMFI(MFIは、「メルトフローインデックス」である)の広汎なポリマー粘度の加工を含む押出し可能な材料、例えばポリマーに適していると考えられる。代表的には、これは、他の技術、例えば押出し、ホットエンボシング又は射出成形では可能ではない。
【0211】
約10(又はこれ以下の)マイクロメートルから約20mmまでの押出し厚さが想定され、このような押出し厚さは、例えば幅が約3mの広い表面領域のパターン付けを含み、又、押出し厚さは、必要な用途又は機械又は用いられるべき成形面に応じてこれよりも幅が広くても良い。加うるに、本発明は、押出し物の全幅Dにわたるパターン付けが可能であるよう実施可能である。これと比較すると、他の生産プロセスは、通常、幅が約8インチ(20.32cm)までの製品(例えば、ウェーハ)を製造することができるにすぎない。 連続方法(プロセス中へのポリマーの連続供給と連続製品生産の両方)は、このように成形中のパターン又は表面凹凸パターンにつなぎ目がない状態で可能である。
【0212】
さらに、成形中の製品は、まさしく平坦な又は平らな表面ではなく、3次元表面周りに成形面によって成形可能である。
【0213】
さらに、本発明によれば、プロセス要件(例えば、同時に用いられるガラス転移温度又はMFI又はメルトフロー粘度)が互いに異なるために通常は非両立性の材料を組み合わせることができる。これらの例としては、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含むポリカーボネート(PC)の多層成形製品が挙げられる。
【0214】
成形されるべき製品の成形の大部分は、液体ポリマーが表面上に当初流されたときの成形面の表面凹凸又はパターンを取ることによって起こると考えられ、重力は、次の機械的力が圧縮ステップによって上側成形面に加えられる前に液体ポリマーをモールド中に導入するのを助ける。
【0215】
本発明は、通常の押出しロールスタック加工下で明白な先行技術の他の問題、例えば「ロールスタックチャター(roll-stack chatter)」を回避する。「チャター」は、圧力、モータ駆動制御及び摩擦の影響に起因して成形中のロールスタックのローラ相互間の速度差に起因して生じる。
【0216】
冷却ゾーン―冷却/加熱―再熱及び再冷却(アニーリング)、ポリマーとダイ表面との間の非常に僅かな温度差、非常に大きな温度差、ガラス転移温度未満になるまでの特定ゾーン(例えば成形ゾーン及び第1の冷却ゾーン)における極めて穏やかな減少を変化させることができる。
【0217】
押出し物の頂面又は底面の温度を変化させることができるようにするためには、種々のポリマー又は種々のパターンに関する種々の温度が必要であり、これは又、ポリマーの一様な又は非一様な「結晶化」を提供するよう利用可能である(特に、光学基板には又は一方の表面上におけるポリマー、例えば結晶ポリエチレンテレフタレート(CPET)を架橋するのに有用である)。
【0218】
互いにくっつかない2種類のポリマーを互いに結合し、第1の層を貫通し、部分的に第2の層中に穴を形成することが可能であり、この場合、ダイ表面(例えばピン形状物)がいったんプロセス及びダイ表面から取り外され、2つの層を離層し(分離し)、後には、穴が完全に貫通した1つの層が残される。これら材料の一例は、第1の層としての熱可塑性ポリウレタン(TPU)であり、第2の層としてのポリプロピレン(PP)であるのが良い。
【0219】
本発明を実施するための適当な無端ベルトシステム又は他の装置では、押出しダイ高さ(B)及び角度(A)を変化させることができる。
【0220】
本発明の方法は、以下の形式のアイテム、即ち、例えば水、化学薬品、ガス、血液から又はこれらの中の成分の分離のための分離膜又は燃料電池内での分離膜の使用、センサ装置、光ディフューザ、光エミッタ、波反射又は吸収装置、例えばレーダ等、電子回路又は電子回路部品、粒子アライメント又は位置合わせ技術、撥水材又は撥水技術、例えば疎水性材料、光媒体、例えば液晶ディスプレイ(“LCD”)又はコンパクトディスク(“CD”)又はディジタルビデオディスク(“DVD”)技術又は光電池、記憶装置、医療器具、例えば皮膚修復又は創傷修復器具(例えば、包帯)、薬剤運搬機構体又は装置、減少(低)摩擦性表面材料、増大(高)摩擦性表面材料、積層技術、無線認証(“RFID”)チップ、導電性ポリマー層/製品/回路、光曲げ技術、例えばネガティブ光反射のうちの1つ又は2つ以上の成形を容易にすることができる。特に好ましいアイテムとしては、光媒体、例えば光電池、コンパクトディスク(CD)、ディジタルビデオディスク(DVD)、液晶ディスプレイ(“LCD”)又は導電性回路又は回路部分の要素のための前駆物質の成形が挙げられ、このようなアイテムは、後で行われる金属化及び成形材料の金属のネガの画像が後に残るようにする成形物質の除去のための非反射性又は反射防止パターン又は膜を含む(例えば、次の金属化処理のためのベースとして成形製品を用いることができる)。
【0221】
当業者には理解されるように、具体的には上述していない本発明に従って製造可能な他のアイテムが存在する。
【0222】
本発明の別の実施形態では、上述のアイテムは、成形されるべきプレスの一方の定盤上に、互いに向かって押し付けられる少なくとも1つの他方の定盤と関連して布設され又は塗布される材料前駆物質から形成可能であり、この場合、アイテムは、後で成形可能である。本発明が全体的製造プロセスの一部をなし又は成形プロセスの中間部分をなす場合、このようなアイテムを成形可能であり、又は、本発明により、アイテムを製造するための材料又は前駆物質が提供される。当業者であれば理解されるように、本発明は、他の製造プロセス又は手順の一部として利用可能である。
【0223】
実施例1
【0224】
ポリスチレンを、
(i)加熱して230℃の温度に維持し、
(ii)加熱したポリスチレンを移送して連続成形ツールの表面、例えば、PCT/NZ2006/000300の符号26又は24で示され、PCT/NZ2006/000301の方法に従って成形された表面に塗布し、
(iii)約1kg/cm2〜約3kg/cm2の圧力を表面上の材料に加え、
(iv)成形面を分離することにより圧力を除き、それによりこのようにして成形されたアイテム又は製品をリリースする。
【0225】
このようにして形成された製品は、図1に示されているものであり、その製品分析結果は、図2に示され、製品の一部の原子間力顕微鏡画像が図3に示されている。
【0226】
実施例2
【0227】
ポリカーボネートを、
(i)加熱して300℃の温度に維持し、
(ii)加熱したポリスチレンを移送して連続成形ツールの表面、例えば、PCT/NZ2006/000300の符号26又は24で示され、PCT/NZ2006/000301の方法に従って成形された表面に塗布し、
(iii)約1kg/cm2〜約3kg/cm2の圧力を表面上の材料に加え、
(iv)成形面を分離することにより圧力を除き、それによりこのようにして成形されたアイテム又は製品をリリースする。
【0228】
このようにして成形された製品は、図4に示されたものであり、製品の分析結果が図5に示されている。
【0229】
実施例3
【0230】
ポリメチルメタクリレート(PMMA)を、
(i)加熱して190℃〜240℃の温度に維持し、
(ii)加熱状態のPMMAを押出しヘッドから押し出して移動ベルトフォーマ(MBF)又は無端ベルト又は連続成形ツールの下側成形面(例えば、PCT/NZ2006/000300の符号26又は24で示され、PCT/NZ2006/000301の方法に従って成形された表面)上に1mmの深さ又は厚さをなして連続流の状態で流し、PMMAを成形面上に保持すると共にそのガラス転移温度(PMMAのTgは、約105℃である)よりも高い温度状態に保持し又は可能にし、
(iii)上側成形面を下側成形面上に保持されたPMMAの上面に当て、上側成形面は、約1kg/cm2〜約3kg/cm2の圧力をPMMA材料に及ぼし、
(iv)成形面(又は、下側及び上側成形面)を分離することにより圧力を除き、それによりこのようにして成形されたアイテム又は製品をリリースする。
【0231】
以下の表は、この実施例の加工パラメータの別の細部を提供している。理解されるべきこととして、この実施例は、本発明に従って成形されるべき広汎な材料に利用できる。異なる物理的性質を備えた別の材料を用いることとは別に、加工されるべき材料に応じて他の加工パラメータを変更することができる。
【0232】
表1‐PMMA加工パラメータ






【0233】
表2‐プロセス中のPMMA温度変化

【0234】
図6を参照すると、上述の表2は、PMMA材料が本発明に従って加工されているときの加工中のPMMA材料の近似的温度プロフィールの細部を提供している。温度ゾーンTZ‐1,TZ‐2,TZ‐3,TZ‐4,TZ‐5,TZ‐6,TZ‐7は、図6に示されたプロセスの種々のゾーンに対応している。図6は、材料が本発明のプロセスを通過しているときの材料の温度プロフィールのグラフ図である。
【0235】
実施例4
【0236】
ポリスチレン(PS)を、
(i)加熱して約230℃の温度に維持し、
(ii)加熱状態のPSを押出しヘッドから押し出して移動ベルトフォーマ(MBF)又は無端ベルト又は連続成形ツールの下側成形面(例えば、PCT/NZ2006/000300の符号26又は24で示され、PCT/NZ2006/000301の方法に従って成形された表面)上に1mmの深さ又は厚さをなして連続流の状態で流し、PSを成形面上に保持すると共にそのガラス転移温度(Tgは、約100℃である)よりも高い温度状態に保持し又は可能にし、
(iii)上側成形面を下側成形面上に保持されたPSの上面に当て、上側成形面は、約1kg/cm2〜約3kg/cm2の圧力をPS材料に及ぼし、
(iv)成形面(又は、下側及び上側成形面)を分離することにより圧力を除き、それによりこのようにして成形されたアイテム又は製品をリリースする。
【0237】
表3‐PS加工パラメータ





【0238】
表4‐プロセス中のPS温度変化

【0239】
本発明の上記説明は、本発明の好ましい形態に関する。本発明の範囲から逸脱することなく、このような形態の改造例を想到できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーの成形方法であって、
成形されるべきポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップを有し、
前記ポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくは、このように被着される前記ポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、前記ポリマーは、前記ガラス転移温度よりも高い温度のままであり、
前記ポリマーが前記ガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)を前記ポリマーの少なくとも露出面(以下、「上面」という)に当てるステップを有し、
前記ポリマーが前記上側及び前記下側成形面内に又はこれら相互間に保持された状態で前記ガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップを有し、
その後、前記ポリマーは、前記成形面から取り出される、方法。
【請求項2】
ポリマーの成形方法であって、
ガラス転移温度よりも高い温度状態にあるポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくは、このように被着される前記ポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップと、
前記ポリマーが前記ガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)を前記ポリマーの少なくとも露出面(以下、「上面」という)に当てるステップと、
前記ポリマーが前記上側及び前記下側成形面内に又はこれら相互間に保持された状態で前記ガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップとを有し、
その後、前記ポリマーは、前記成形面から取り出される、方法。
【請求項3】
2種類のポリマーを成形する方法であって、
第1のポリマー及び第2のポリマーの各々を各ポリマーのそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップを有し、
前記ポリマーのうちの第1のポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくはこのように被着される前記ポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、前記第1のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、
前記ポリマーのうちの第2のポリマーを前記第1のポリマーの露出面(以下、「上面」という)に連続的に被着させる(好ましくは、このように被着される前記ポリマー中の剪断応力、又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、前記第2のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、
前記ポリマーがそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)を少なくとも前記第2のポリマーの前記上面に当てるステップを有し、
前記ポリマーが前記成形面内に又はこれら相互間に保持された状態でそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップを有し、
その後、前記ポリマーは、互いに結合された状態で、前記上側及び前記下側成形面から取り出される、方法。
【請求項4】
多種類のポリマーを成形する方法であって、
多種類のポリマーの各々を各ポリマーのそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱するステップを有し、
前記ポリマーのうちの第1のポリマーを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に連続的に(好ましくは、流動又は塗被により)被着させる(好ましくはこのように被着される前記ポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、前記第1のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、
前記ポリマーのうちの第2のポリマーを前記第1のポリマーの露出面(以下、「上面」という)に連続的に被着させる(好ましくは、このように被着される前記ポリマー中の剪断応力、又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、前記第2のポリマーは、そのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、
1種類又は2種類以上の別のポリマーを前記別のポリマーのそれぞれの露出面(以下、「上面」という)に連続的に被着させる(好ましくは、このように被着される前記ポリマー中の剪断応力、又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、前記別のポリマーの各々は、それぞれのガラス転移温度よりも高い温度のままであり、
前記ポリマーの各々がそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度を保っている間、第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)を少なくとも最も上側に位置する前記ポリマーの前記上面に当てるステップを有し、
前記ポリマーが前記成形面内に又はこれら相互間に保持された状態でそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に転移できるようにするステップを有し、
その後、前記ポリマーは、互いに結合された状態で、前記上側及び前記下側成形面から取り出される、方法。
【請求項5】
ポリマーを連続的に成形する方法であって、
ポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度の状態で成形ゾーン内に連続的に前進させると共にこれを通って前進させるステップを有し、前記ポリマーは、
a.圧力を受け、そして
b.モールドによる成形を受け、前記モールド成形は、ナノスケールサイズの表面テキスチャ(好ましくは、ナノスケールサイズのテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)を前記ポリマーの表面の少なくとも一部に与え、そして
c.能動的熱除去を受け、前記能動的熱除去は、前記ポリマーを前記ガラス転移温度よりも低い温度に転移させ、
前記成形ゾーンを出た後に、前記ポリマーは、前記成形面から取り出される、方法。
【請求項6】
前記成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の成形面(以下、「下側成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の成形面(以下、「上側成形面」という)を連続的に前進させることにより構成される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
成形されるべき前記ポリマーは全体として、少なくとも成形圧力を前記上側成形面と前記下側成形面との間で前記ポリマーに当初加えている間、それぞれのガラス転移温度よりも高い温度のままである、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記成形面は、各々、熱伝導性であるモールド部分の一部である、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
前記下側成形面及び好ましくは前記上側成形面は、成形されるべき前記ポリマーを少なくとも前記上側成形面を当てる前記ステップの実施に先立って、それぞれのガラス転移温度よりも高い温度に維持するよう温度制御可能である、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
前記上側及び前記下側成形面は、成形された前記ポリマーを前記成形面から取り出す前に、成形された前記ポリマーがそれぞれのガラス転移温度よりも低い温度に制御可能に低下できるようにするよう温度制御可能である、請求項1〜9のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のモールドは、第1又は下側定盤に取り付けられる、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のモールドは、第2の又は上側定盤に取り付けられる、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
前記成形面のうちの少なくとも1つは、1つ又は2つ以上のナノ又は近ナノ又はミクロン又は近ミクロンサイズの表面凹凸又はプロフィールを備えている、請求項1〜12のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記成形面のうちの少なくとも1つは、ナノ又は近ナノ又はミクロン又は近ミクロンサイズの表面パターンを備えている、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項15】
前記上側成形面を当てる前記ステップは、前記上側成形面を上側の前記ポリマーの少なくとも最も上側の表面に接触させるステップを含む、請求項1〜14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリマーは、そのポリマーガラス転移温度よりも高い温度状態になると、前記下側成形面及び前記上側成形面の形状を取る、請求項1〜15のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマーは、前記ガラス転移温度よりも高い温度に加熱されると共に押出しにより押出しヘッドに送られて直接前記下側成形面上に流れる、請求項1〜16のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
メルトポンプが前記ポリマーの流量を制御する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマーは、前記ガラス転移温度よりも高い温度状態にあるとき、液相の状態にある、請求項1〜18のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項20】
前記成形面は、成形されるべき前記ポリマーが当初、前記上側成形面と前記下側成形面との間に配置されているとき、成形されるべき前記ポリマーのガラス転移温度よりも僅かに高い温度状態にある、請求項1〜19のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項21】
前記成形面は、上側成形面をポリマー又は最も上側に位置するポリマーの少なくとも前記上面に当てるステップの実施中、前記ポリマーのガラス転移温度よりも高い温度状態に維持される、請求項1〜20のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項22】
前記成形面のうちの少なくとも1つは、表面凹凸を有し、前記上側成形面を当てるステップは、圧力を前記ポリマーに加えて前記ポリマーを前記成形面の表面凹凸中に押し込む、請求項1〜21のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項23】
前記上側成形面及び前記下側成形面は、最大約500kg/cm2までの成形圧力を前記ポリマーに加える、請求項1〜22のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項24】
前記上側成形面及び前記下側成形面は、最大約260kg/cm2までの成形圧力を前記ポリマーに加える、請求項1〜23のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項25】
前記上側成形面及び前記下側成形面は、最大約60kg/cm2までの成形圧力を前記ポリマーに加える、請求項1〜24のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項26】
前記上側成形面及び前記下側成形面は、約1〜200kg/cm2、1〜150kg/cm2、1〜100kg/cm2、1〜90kg/cm2、1〜80kg/cm2、1〜70kg/cm2、1〜60kg/cm2、1〜50kg/cm2、1〜40kg/cm2、1〜30kg/cm2、1〜20kg/cm2、1〜10kg/cm2、1〜9kg/cm2、1〜8kg/cm2、1〜7kg/cm2、1〜6kg/cm2、1〜5kg/cm2、1〜4kg/cm2、1〜3kg/cm2、1〜2kg/cm2、1〜1.5kg/cm2、1〜1.2kg/cm2の成形圧力を前記ポリマーに加える、請求項1〜25のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項27】
前記上側成形面及び前記下側成形面は、約1kg/cm2以下の成形圧力を前記ポリマーに加える、請求項1〜26のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項28】
前記上側成形面及び前記下側成形面は、約0.9kg/cm2、0.8kg/cm2、0.7kg/cm2、0.6kg/cm2、0.5kg/cm2、0.4kg/cm2、0.3kg/cm2、0.2kg/cm2、0.1kg/cm2の成形圧力を前記ポリマーに加える、請求項1〜27のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリマーは、熱硬化性又は熱可塑性ポリマーである、請求項1〜28のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリマーは、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、汎用ポリスチレン(GPPS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、熱可塑性(ポリ)ウレタン(TPU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルメタクリレート(PEM)、ポリプロピレン(PP)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル(PES)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリビニリデンクロリド(PVDC)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(ポリエーテルケトン)、ポリエーテルイミド(PEI)(ウルテム(Ultem))、ポリ乳酸(PLA)、耐衝撃性ポリスチレン、アキロブタルスチレン(aquilobutalstyrene)、ナイロン、アクリル樹脂、非晶質ポリマー、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(LLDPE)、熱可塑性エチレン(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ゴム、フェノール樹脂等のうちから選択された1つである、請求項1〜29のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項31】
前記上面は、2つの前記成形面相互間での前記ポリマーの運動により圧力を前記ポリマーに加えるよう前記ポリマーに当てられる、請求項1〜30のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項32】
前記下側成形面は、コンベヤによって支持される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記上側成形面は、コンベヤによって支持される、請求項31又は32記載の方法。
【請求項34】
前記下側成形面は、第1のコンベヤにより支持されると共に動かされ、前記上側成形面は、前記第1のコンベヤに隣接して配置された第2のコンベヤによって支持されると共に動かされ、それにより、前記第2の成形面を前記第1の成形面に隣接して位置決めすると共に前記第1及び前記第2の成形面を前記ポリマーが前記第1の成形面と前記第2の成形面との間で圧力を受ける圧力ゾーン中に動かす、請求項31記載の方法。
【請求項35】
前記ポリマーは、前記圧力ゾーンに入る際、そのガラス転移温度よりも高い温度状態にある、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記第1の成形面及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方の温度は、前記圧力ゾーン内で能動的に制御される、請求項34又は35記載の方法。
【請求項37】
前記下側成形面の温度は、前記圧力ゾーンに入る前に、能動的に制御される、請求項34〜36のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項38】
前記下側成形面の温度は、前記ポリマーを前記成形面上に被着させた状態に保つのを助けるほど十分高く、前記ポリマーが前記圧力ゾーンに入る前においては、前記ポリマーのガラス転移温度よりも高い、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記能動的に制御される熱除去は、前記ポリマーが前記圧力ゾーン内に位置しているとき、前記上側成形面及び前記下側成形面のうちの少なくとも一方を介して前記ポリマーから起こり、それにより、前記ポリマーを少なくとも前記第1及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方の温度の制御により、そのガラス転移温度よりも高い温度から前記圧力ゾーン内におけるそのガラス転移温度よりも低い温度に転移させる、請求項34〜38のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項40】
ポリマーを連続的に成形する方法であって、
ガラス転移温度よりも低い温度状態にあるポリマーのシートを第1のモールドの成形面(以下、「下側成形面」という)に被着させる(好ましくは、このように被着される前記シート中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)ステップを有し、
前記ポリマーをそのガラス転移温度よりも高い温度に移行させるステップを有し、
前記ポリマーを前記下側成形面により支持されると共に前記下側成形面と共に且つそのガラス転移温度よりも高い温度のままの状態で圧力ゾーン中に前進させるステップを有し、前記圧力ゾーンは、前記下側成形面及び第2のモールドの成形面(以下、「上側成形面」という)により構成され、該上側成形面は、前記ポリマーがそのガラス転移温度よりも高い温度のままである間、前記ポリマーの少なくとも露出面(以下、「上面」という)に接触して圧力を前記上側成形面と前記下側成形面との間の前記ポリマーに加えるよう前記下側成形面に対して位置決めされており、
前記ポリマーが前記圧力ゾーン内に位置している間、前記ポリマーからの熱の除去を制御して前記ポリマーをそのガラス転移温度よりも低い温度に転移させるステップを有し、
しかる後、前記ポリマーは、前記成形面から取り出される、方法。
【請求項41】
前記方法は、大量生産による成形ポリマー向きである、請求項1〜40のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項42】
前記方法は、ポリマーを連続的に成形するための方法である、請求項1〜41のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項43】
前記方法は、ナノスケールサイズのテキスチャ(好ましくは、前記ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)を前記ポリマーの前記表面のうちの少なくとも一方上に形成するために用いられる、請求項1〜42のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項44】
前記上側成形面及び前記下側成形面のうちの少なくとも一方は、ナノスケールサイズの表面テキスチャ(好ましくは、ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)を有し、前記ナノスケールサイズの表面テキスチャは、実質的に対応のナノスケールサイズの表面テキスチャ(好ましくは、前記ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)を前記方法によって成形される前記ポリマーに与えるようになっている、請求項1〜43のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項45】
請求項1〜44のうちいずれか一に記載の方法によって成形されたポリマーフィルム又はシート。
【請求項46】
ナノスケールサイズの表面テキスチャが前記ポリマーフィルム又はシートの表面のうちの少なくとも一方に設けられている(好ましくは、前記ナノスケールテキスチャは、0.1〜1,000nmの少なくとも1つの寸法を有する)、請求項45記載のポリマーフィルム又はシート。
【請求項47】
請求項1〜5のうちいずれか一に記載の方法により成形された非反射性製品。
【請求項48】
ポリマーを連続的に成形する(好ましくは、このようにして成形される前記ポリマーの表面の少なくとも一部にナノスケールサイズの表面テキスチャを形成するために)装置であって、
ポリマー押出し物(好ましくは、液体ポリマー押出し物)を連続的に押し出す押出し機を有し、前記押出し機は、押出しヘッドを含み、
前記押出し物をそのガラス転移温度以上の温度状態で受け入れる成形ゾーンを有し、前記成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第1の成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第2の成形面」という)により構成され、
前記第1の成形面は、好ましくは、前記ポリマー押出し物が前記成形ゾーン内に前進する前に、前記ポリマー押出し物を受け入れて(好ましくは、前記第1の成形面上に被着させ、例えば、塗被することにより、且つ好ましくは、このように被着された前記ポリマー中の剪断応力又は他の応力を減少させ、ゼロにし又は最小限に抑える仕方で)、前記ポリマー押出し物を成形ゾーン中に運び込むよう提供され、
前記成形ゾーンは、前記ポリマー押出し物に
a.圧力を及ぼし、そして
b.モールドによる成形を施し(好ましくは、ナノスケールサイズの表面テキスチャを前記ポリマーの表面の少なくとも一部に与え)、そして
c.熱除去を施して(好ましくは能動的に、そして好ましくは熱除去を制御して)前記ポリマーを前記ガラス転移温度よりも低い温度に転移させるよう構成されている、装置。
【請求項49】
前記能動的熱除去は、少なくとも1つの温度制御ヒートシンクにより前記第1及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方を介して起こる、請求項48記載の装置。
【請求項50】
前記第1及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方のための複数のヒートシンクが設けられ、前記ヒートシンクは、成形ゾーン内において前進向きと後退向きの状態で互いに対して間隔を置いて配置されている、請求項48又は49記載の装置。
【請求項51】
前進した状態の前記ヒートシンクは、前記ポリマーが前記成形ゾーンを通って前進しているときに前記ポリマーの温度を次第に減少させるために、隣接の後退した前記ヒートシンクよりも低い温度のものである、請求項50記載の装置。
【請求項52】
各前記ヒートシンクの温度を制御するために各前記ヒートシンクのために温度制御装置が設けられている、請求項49〜51のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項53】
前記第1及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方は、熱をヒータによって前記成形ゾーンの少なくとも開始時に前記ポリマーに伝達することができる、請求項48〜52のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項54】
前記第1の成形面は、前記ポリマーが前記成形ゾーンに入る前に前記ポリマーを受け入れるよう提供されている、請求項48〜53のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項55】
前記第1の成形面が前記成形ゾーンに入る前に前記第1の成形面を加熱するためのヒータが設けられている、請求項54記載の装置。
【請求項56】
前記第1及び前記第2の成形面が前記成形ゾーンに入る前に前記第1及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方を加熱するための少なくとも1つのヒータが設けられている、請求項48〜55のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項57】
前記ヒータは、前記ポリマーを少なくとも前記成形ゾーンの開始時にそのガラス転移温度よりも高い温度に維持しやすくすることができる、請求項55又は56記載の装置。
【請求項58】
前記ヒータは、少なくとも前記ポリマーが前記成形ゾーンに入る直前に、前記ポリマーを前記そのガラス転移温度よりも高い温度に維持しやすくすることができる、請求項55〜57のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項59】
前記第1及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方は、ナノサイズの表面テキスチャを有し、前記ナノサイズの表面テキスチャは、前記ポリマーに実質的に対応したナノサイズの表面テキスチャを形成することができる、請求項48〜58のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項60】
複数個の別々の且つ/或いは連続して前進する第1及び第2の成形面が前記成形ゾーンを通って前進することができるよう設けられ、各成形面は、同期速度で対をなした関係で前記成形ゾーン中を前進する、請求項48〜59のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項61】
前記成形ゾーンを繰り返し通過する有限の数の又は別々の数の第1及び第2の成形面が設けられている、請求項48〜60のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項62】
前記成形ゾーンを1回だけ通過する有限の数の又は別々の数の第1及び第2の成形面が設けられている、請求項48〜60のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項63】
前記第1及び前記第2の成形面のうちの少なくとも一方は、各々、連続した形状のものである、請求項48〜58のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項64】
ポリマーを連続的に成形する(好ましくは、このようにして成形される前記ポリマーの表面の少なくとも一部にナノスケールサイズの表面テキスチャを形成するために)装置であって、
ポリマーを前記ポリマーがそのガラス転移温度よりも高い温度状態で受け入れる成形ゾーンを有し、前記成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第1の成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第2の成形面」という)により構成され、
前記下側成形面は、好ましくは、前記ポリマーが前記成形ゾーン中に前進する前に、前記ポリマーを受け入れて前記ポリマーを前記成形ゾーン中に運び込むよう提供され、前記成形ゾーンは、前記ポリマー押出し物に
a.圧力を及ぼし、そして
b.モールドによる成形を施し(好ましくは、ナノスケールサイズの表面テキスチャを前記ポリマーの表面の少なくとも一部に与え)、そして
c.熱除去を施して(好ましくは能動的に、そして好ましくは熱除去を制御して)前記ポリマーを前記ガラス転移温度よりも低い温度に転移させるよう構成されている、装置。
【請求項65】
ポリマーを連続的に成形する(好ましくは、このようにして成形される前記ポリマーの表面の少なくとも一部にナノスケールサイズの表面テキスチャを形成するために)装置であって、
同時押出し形態の少なくとも2種類のポリマーの押出し物を形成する少なくとも1つの押出し機を有し、
前記押出し物を少なくとも1つ、好ましくは両方の/全てのポリマーがそれぞれのガラス転移温度よりも高い温度状態にある状態で受け入れる成形ゾーンを有し、前記成形ゾーンは、1つ又は複数の第1のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第1の成形面」という)及び1つ又は複数の第2のモールドの1つ又は複数の連続的に前進する成形面(以下、「第2の成形面」という)により構成され、
前記第1の成形面は、好ましくは、前記ポリマーが前記成形ゾーン中に前進する前に、前記ポリマーを受け入れて前記ポリマーを前記成形ゾーン中に運び込むよう提供され、前記成形ゾーンは、前記ポリマー押出し物に
a.圧力を及ぼし、そして
b.モールドによる成形を施し(好ましくは、ナノスケールサイズの表面テキスチャを前記ポリマーの表面の少なくとも一部に与え)、そして
c.熱除去を施して(好ましくは能動的に、そして好ましくは熱除去を制御して)前記ポリマーを前記ガラス転移温度よりも低い温度に転移させるよう構成されている、装置。
【請求項66】
前記押出し機は、前記ポリマーの各種類について設けられている、請求項65記載の装置。
【請求項67】
請求項48〜64のうちいずれか一に記載の装置により成形されたナノサイズの表面テキスチャを備えたポリマー。
【請求項68】
請求項65又は66記載の装置により成形されたナノサイズの表面テキスチャを備えた材料。
【請求項69】
ナノサイズの表面テキスチャを備えた連続成形ポリマー。
【請求項70】
少なくとも2種類のポリマーを含む連続成形同時押出し材料であって、少なくとも1種類のポリマーがナノサイズの表面テキスチャを含む、材料。
【請求項71】
ナノサイズの表面テキスチャを備えたポリマーの連続成形方法。
【請求項72】
少なくとも2種類のポリマーを含む同時押出し材料の連続成形方法であって、前記ポリマーのうちの少なくとも1種類がナノサイズの表面テキスチャを含む、方法。
【請求項73】
少なくとも1種類のポリマー(及び好ましくは少なくとも2種類の同時押出しポリマー)のシート又はフィルムであって、少なくとも1種類の前駆物質としてのポリマー材料の連続又は非個別的又は非有限的加工により形成されたナノサイズの表面テキスチャを含む、シート又はフィルム。
【請求項74】
少なくとも1種類のポリマー(及び好ましくは少なくとも2種類の同時押出しポリマー)の単一シート又はフィルムであって、連続又は非個別的又は非有限的加工により成形されたナノサイズの表面テキスチャの複数の同一及び繰り返しゾーンを含む、単一シート又はフィルム。
【請求項75】
少なくとも1種類のポリマー(及び好ましくは少なくとも2種類の同時押出しポリマー)の複数の個別のシート又はフィルムであって、各シート又はフィルムが、連続又は非個別的又は非有限仕方で成形された単一シート又はフィルム前駆物質から分離された同一のナノサイズの表面テキスチャを含む、シート又はフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−505095(P2012−505095A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530977(P2011−530977)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【国際出願番号】PCT/NZ2009/000214
【国際公開番号】WO2010/041962
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(511088195)マニュファクチュアリング システムズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】