説明

成形研磨粒子を製造するための転写補助スクリーン印刷法及びその結果得られる成形研磨粒子

成形セラミック物品は、セラミックの前駆体の分散系からの所望の形状を、転写補助技法を用いて、受け取り面上にスクリーン印刷することによって得ることができ、該転写補助技法は、差圧を加え、スクリーン印刷された形状を少なくとも部分的に乾燥させ、かつそれらを焼成して成形セラミック物品を作製する。スクリーン印刷による形成の後にフローする又はクリープする傾向がある低粘度のゾル−ゲルを使用して製造された成形研磨粒子は、高粘度のゾル−ゲルを使用して製造されたスクリーン印刷された成形研磨粒子よりも高度な研磨性能を有することが見出された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、発明の名称が共に「Transfer Assisted Screen Printing Method of Making Shaped Abrasive Particles and the Resulting Shaped Abrasive Particles」である、2009年12月22日付申請の米国仮特許出願第61/289,188号及び2010年6月30日付申請の米国特許出願第12/827,274号の利益を主張し、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
研磨粒子及びこれらの研磨粒子から製造される研磨物品は、物品の製造工程において広範な材料及び表面を研磨、仕上げ、又は研磨するために有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、研磨粒子及び/又は研磨物品のコスト、性能、又は寿命を改善する必要性が引き続き存在する。
【0004】
三角形状の成形研磨粒子、及びこの三角形状の成形研磨粒子を使用する研磨物品は、米国特許第5,201,916号(Berg)、同第5,366,523号(Rowenhorst)(Re35,570)、及び同第5,984,988号(Berg)に開示されている。1つの実施形態では、この研磨粒子の形状は正三角形を含んでいた。三角形状の成形研磨粒子は、高い切削速度を有する研磨物品の製造に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
成形研磨粒子は、概して、ランダムに破砕された研磨粒子に勝る性能を有することができる。研磨粒子の形状を調整することによって、研磨物品がもたらす性能を調整することが可能である。本発明者らは、印刷スクリーンの中の開口部からの分散系の転写補助(an assisted transfer)を用いるスクリーン印刷技法を用いて、αアルミナ前駆体の分散系から成形される研磨粒子を製造することによって、該方法の生産性の向上がもたらされることを発見した。更に、より厚い粒子をスクリーン開口部から取り出すことが可能であるので、はるかに厚い成形研磨粒子を製造することができる。
【0006】
転写補助は、スクリーン印刷された形状の第1の側面と、受け取り面(receiving surface)と接触状態にあるスクリーン印刷された形状の第2の側面との間に差圧を加えることを含み得る。一実施形態において、加圧された転写ロールは、第1の側面に正圧を加えて、連続した印刷ベルトの形態の印刷スクリーンから、スクリーン印刷された形状を離型させることができる。別の実施形態において、受け取り面は通気性受け取り面を含むことができ、真空ボックス又は真空ロールは、スクリーン印刷された形状が印刷スクリーンの中の開口から取り出されるときに、大気圧より低い圧力をスクリーン印刷された形状の第2の側面に提供するように位置決めされ得る。あるいは、スクリーン印刷された形状の第1の側面に正圧を加えるのと同時に、大気圧より低い圧力を第2の側面に加えることができる。
【0007】
要約すると、一実施形態において、本方法は、成形研磨粒子をスクリーン印刷法によって作製することを包含し、該スクリーン印刷法は、成形研磨粒子の所望の形状に対応する複数の開口を有する印刷スクリーンを通して、分散系を受け取り面に適用することを含む。好ましい方法は、αアルミナ前駆体の分散系を、受け取り面上に支持された開口を有する印刷スクリーンの1つの表面に適用する工程と、印刷スクリーンの中の開口を充填する工程と、印刷スクリーンを受け取り面から取り除くと同時に、スクリーン印刷された形状の第1の側面と、受け取り面と接触状態にあるスクリーン印刷された形状の第2の側面との間に差圧を加える工程と、分散系を少なくとも部分的に乾燥させ前駆体成形研磨粒子形成し、前駆体成形研磨粒子を最終焼結硬度まで焼成して、αアルミナを含む成形研磨粒子を形成する工程と、を含む。
【0008】
驚くべきことに、本発明者らは、形成プロセス後に自重でクリープ又はフローする低粘度を有するゾル−ゲル分散系が、高粘度の分散系を使用する同じプロセスによって製造された成形研磨粒子に勝る、改善された研磨性能を有する成形研磨粒子を提供することを確認した。そのため、完全な寸法安定性ゾル−ゲル分散系は、いくつかの実施形態において好ましくなく、第1の側面よりも大きい第2の側面と、崩れている(slumping)側壁とを有する成形研磨粒子は、より良好な研磨性能を有することが予想外に判明した。成形研磨粒子を製造するのに使用された開口はテーパ状でないにもかかわらず(約90度の壁)、結果として得られる成形研磨粒子は、大きな方の第2の側面(乾燥中に受け取り面と接触状態にある側面)から小さい方の第1の側面(支持のない空気側)までテーパする。
【0009】
テーパは、乾燥プロセス中に、あるいは、低粘度のゾル−ゲルのスクリーン印刷された形状を取り出す際に加えられる差圧を受けて、又はこれらの組み合わせにより生じると考えられている。低粘度のゾル−ゲルは、オーブンの中のクッキーの生地が初期の丸いボールから最終的な円盤状に変形する様式と同様に実質的に乾燥する前に、乾燥プロセスの間に自重でクリープする又はフローすることが可能である。こうして、乾燥プロセスは、成形研磨粒子の側壁と第2の側面との間が鋭角である薄い縁部を有する、成形研磨粒子を形成する。この薄い縁部は研磨性能を高めると考えられている。
【0010】
したがって、一実施形態において、本発明は、スクリーン印刷法による成形セラミック物品の製造方法に関し、該方法は、セラミック前駆体の分散系を、複数の開口を含む印刷スクリーンを通して受け取り面に適用する工程と、印刷スクリーンを受け取り面から取り除いて複数のスクリーン印刷された形状を形成すると同時に、スクリーン印刷された形状の第1の側面と、受け取り面と接触状態にあるスクリーン印刷された形状の第2の側面との間に差圧を加える工程と、受け取り面上に残っているスクリーン印刷された形状を少なくとも部分的に乾燥させ、スクリーン印刷された形状を焼成して、焼結成形セラミック物品を形成する工程と、を含む。
【0011】
別の実施形態において、本発明は、αアルミナを含む成形研磨粒子の製造方法に関し、該方法は、ベーマイトアルミナゾル−ゲルの形状を受け取り面上にスクリーン印刷して、複数のスクリーン印刷された形状を形成する工程と、スクリーン印刷された形状を印刷スクリーンから取り出すと同時に、スクリーン印刷された形状の第1の側面と、受け取り面と接触状態にあるスクリーン印刷された形状の第2の側面との間に差圧を加える工程と、スクリーン印刷された形状を少なくとも部分的に乾燥させる工程と、アルミナをα相に変態させるのに十分な温度でスクリーン印刷された形状を焼成する工程と、を含む。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、αアルミナを含む成形研磨粒子の製造方法に関し、該方法は、ベーマイトアルミナゾル−ゲルの形状を、真空ボックス又は真空ロールに隣接して位置する通気性受け取り面の上にスクリーン印刷すると同時に、印刷スクリーンの中の開口をゾル−ゲルで充填して、複数のスクリーン印刷された形状を形成する工程と、スクリーン印刷された形状を印刷スクリーンから取り出す工程と、スクリーン印刷された形状を少なくとも部分的に乾燥させる工程と、アルミナをα相に変態させるのに十分な温度でスクリーン印刷された形状を焼成する工程と、を含む。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、成形後フロー表面を含む成形研磨粒子に関する。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、成形研磨粒子に関し、該成形研磨粒子は、第1の側面と、第2の側面と、第1の側面と第2の側面を接続している側壁と、を含み、側壁は、第1の側面と交わる第1の部分と、第2の側面と交わる第2の部分と、を含み、第1の部分の傾斜は第2の部分の傾斜よりも大きい。
【0015】
別の実施形態において、本発明は、第1の側面と、第2の側面と、第1の側面と第2の側面を接続している側壁と、を含む成形研磨粒子に関し、第1の側面は凹形であり、かつ側壁は凹形である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
当業者は、本説明はあくまで例示的な実施形態の説明であって、本開示のより広範な観点を制限することを意図するものでなく、それらのより広範な観点が例示的な構築に具現化されていることを理解するであろう。
【0017】
明細書及び図中で繰り返し使用される参照記号は、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図する。
【0018】
【図1】連続モードで動作する本発明によるスクリーン印刷法の略図。
【図2】本発明による、連続モード又はバッチモードのスクリーン印刷法のいずれかで用いるのに適した印刷スクリーンの上面の写真。
【図3A】図2に示される印刷スクリーンを使用し、高粘度のゾル−ゲルを用いて製造された成形研磨粒子の平面図、側面図、及び斜視図を示す顕微鏡写真。
【図3B】図2に示される印刷スクリーンを使用し、高粘度のゾル−ゲルを用いて製造された成形研磨粒子の平面図、側面図、及び斜視図を示す顕微鏡写真。
【図3C】図2に示される印刷スクリーンを使用し、高粘度のゾル−ゲルを用いて製造された成形研磨粒子の平面図、側面図、及び斜視図を示す顕微鏡写真。
【図4A】図2に示される印刷スクリーンを使用し、低粘度のゾル−ゲルを用いて製造された成形研磨粒子の平面図、側面図、及び斜視図を示す顕微鏡写真。
【図4B】図2に示される印刷スクリーンを使用し、低粘度のゾル−ゲルを用いて製造された成形研磨粒子の平面図、側面図、及び斜視図を示す顕微鏡写真。
【図4C】図2に示される印刷スクリーンを使用し、低粘度のゾル−ゲルを用いて製造された成形研磨粒子の平面図、側面図、及び斜視図を示す顕微鏡写真。
【図5】高粘度及び低粘度のゾル−ゲルを用いて製造された成形研磨粒子の研磨性能を比較する、切断と時間を対比したグラフ。
【0019】
定義
本明細書で使用される場合、「略三角形」とは、図2、図3、及び図4に示されるような、頂点ではなく丸い隅部を有する三角形又は三面のテーパ状若しくは非テーパ状多角形を意味する。
【0020】
本明細書で使用される場合、「成形後フロー表面(flowedsurface)」とは、印刷スクリーン又は金型から成形分散系を取り出した後に有意に崩れている、成形研磨粒子の表面を意味する。したがって、前記成形研磨粒子は、同じ印刷スクリーン又は金型から製造された有意に崩れていない成形研磨粒子よりも大きな表面積を、崩れに起因して片面に有し、かつ、これより小さい厚さ又は高さを有する。成形後フロー表面は、崩れを生じさせる条件下(例えば、低粘度のゾル−ゲル又は遅い乾燥速度)での力(例えば、重力又は加えられる差圧)が原因で成形分散系が移動した結果、滑らかな輪郭と傾斜を有する比較的滑らかな表面である。印刷スクリーン又は金型を充填し過ぎたために、ゾル−ゲルが印刷スクリーン又は金型の意図される所定の幾何学的形状を越えて広がった結果として成形研磨粒子の表面に付着したゾル−ゲルのフラッシング領域又は極端に薄い領域は、成形後フロー表面ではない。
【0021】
本明細書で使用される場合、「成形研磨粒子」とは、印刷スクリーンの開口、又は型穴、に分散系を入れることによって形成される研磨粒子を意味し、開口又は型穴は、それらの形状に似た成形研磨粒子を製造する所定の幾何学的形状を有するが、成形研磨粒子はこうした開口又は型穴を完璧に複製しなくてもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、「非平坦面」とは、粗い又は滑らかでない表面品質を有する成形研磨粒子の表面を意味する。非平坦面は、通気性受け取り面と、ゾル−ゲルを受け取り面と密着するように引き入れる真空との組み合わせによって生成される。非平坦面は、受け取り面の織り目又はメッシュ、受け取り面を形成する細長い繊維の構造、又は受け取り面の開口の輪郭を部分的に複製してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
連続した印刷ベルトの形態の印刷スクリーン10は、一連の3つのロール12、14、及び16の周りを通過する。一実施形態では、印刷スクリーン10が受け取り面18から離脱する地点の近くに、圧力転写ロール20が位置している。別の実施形態では、従来型のロールが圧力転写ロール20の代用品であり得る。ロール14と圧力転写ロール20との間のスペースは、適用ゾーン22を画定し、この領域は圧力転写ロール20を含み、圧力転写ロールとロール16との間のオープンスペースは、離脱ゾーン24を画定し、ロール16と12との間のスペースは、洗浄ゾーン26を画定し、ロール12と14との間のスペースは、処理ゾーン30を画定する。
【0024】
適用ゾーン22内では、印刷スクリーン10は、その外側表面に沿って連続ベルト32としっかりと接触して保持されると同時に、両方のベルトは、基本的に同じ速度で同一方向に移動し、セラミック前駆体粒子の分散系が、ドクターブレード34の前で印刷スクリーン10の内側表面に適用される(適用機構は図示せず)。好適なポンプ及びマニホルド又は穴あきダイを使用して、分散系を印刷スクリーンに適用することができる。ドクターブレードの下の通路は、印刷スクリーン10の中の開口に分散系を押し込み、この時点では、印刷スクリーン10は連続ベルト32としっかりと接触している。必要に応じて、印刷スクリーン10及び連続ベルト32のたわみを低減するために、連続ベルト32の下でドクターブレード34と反対側に支持ロールを設置することができる。別の実施形態では、真空ボックス46又は真空ロールを、通気性構造を有する連続ベルト32の反対面に設置することができる。特に、高粘度の分散系の場合、開口を分散系で充填するのを支援するために、真空源を使用することができる。
【0025】
離脱ゾーン24内で、印刷スクリーン10は、1つ以上のスクリーン印刷された形状36を受け取り面18の上に載せた状態で、連続ベルト32から離れる。離脱ゾーン24には、印刷スクリーン10の中の開口からの分散系の転写補助が備わっている。転写補助は、スクリーン印刷された形状36の第1の側面38と、印刷スクリーン10の中の開口から取り外される間受け取り面18と接触状態にある第2の側面40と、の間に差圧を加えることを含み得る。
【0026】
一実施形態において、圧力転写ロール20は、第1の側面38に正圧を加えて、スクリーン印刷された形状36を印刷スクリーン10の中の開口から押し出すことができる。圧力転写ロールは、穴の開いた外殻を有する中空ロールを含み得る。圧力転写ロール20に供給された加圧流体を、外殻の穴を通過した後に更に分配するために、外殻は、その上に適用されたメッシュ、スクリーン、布地、又は不織布を有することができる。内部には、固定された又は調整可能なバッフルが提供されて、圧力転写ロールに供給される加圧流体を集中させる半径方向圧力ゾーン42を形成することができる。スクリーン印刷された形状を過度に変形させることなく、印刷スクリーンの中の開口から分散系をきれいに取り出すように、加圧流体の動作圧力及び圧力転写ロールの機械方向位置に沿って、半径方向圧力ゾーンの幅及び角位置調整することができる。これらと他の特徴を有する圧力転写ロール(又は調整可能な真空ロール)は、製紙装置の分野において既知である。一実施形態において、加圧流体は、コンプレッサー44によって供給され、回転継手及びパイプを通って半径方向圧力ゾーン42に流体接続される空気であった。
【0027】
別の実施形態において、受け取り面18は、通気性受け取り面(例えば、紙の製造中に紙の脱水で使用されるもののようなメッシュ若しくは多孔質ベルト又は布地)を含むことができ、真空ボックス46又は真空ロールは、離脱ゾーン24の中に設置されて、印刷スクリーン10の中の開口から分散系を引き離すためにスクリーン印刷された形状36の第2の側面40に大気圧未満を提供することができる。真空ボックス46又は真空ロールは、真空ポンプ48と流体接続する。好適な真空ボックス又は真空ロールは、製紙分野で既知である。更に、真空ボックスは適用ゾーン22の中まで延在することができ、あるいは、追加の真空ボックス46又は真空ロールが、印刷スクリーンの中の開口を充填するのを支援するために、適用ゾーン22の中に設置されることができる。好適な制御弁47を使用して、各ゾーンに加えられる真空を調節することができる。
【0028】
好適な通気性受け取り面には、印刷スクリーンの中の開口よりも有意に小さい小孔を有する任意の多孔質材料が含まれる。上述のように、製紙産業において公知の織布地及びフェルトを使用することができる。不織布を使用することができる。耐食金属スクリーン又は金メッシュを使用することができる。通気性にするために加工、型打、又は変更されている薄い金属帯又はベルトを使用することができる。一部の材料には、油又はポリテトラフルオロエチレンのコーティングなどの好適な離型剤を適用する必要がある。許容可能な材料としては、ステンレス鋼及びポリエチレンが挙げられる。
【0029】
一実施形態では、圧力転写ロール20の代わりに配置された中実ロールを、真空ボックス46及び通気性受け取り面と組み合わせて使用することができる。真空ゾーンの機械方向幅、真空ボックス46又は真空ロールの機械方向位置、及び適用される真空の大きさは、スクリーン印刷された形状を過度に変形することなく、印刷スクリーンの中の開口から分散系をきれいに取り出すように調整され得る。
【0030】
あるいは、別の実施形態では、図1に示される圧力転写ロール20及び真空ボックス46の両方を使用して、大気圧より高い圧力をスクリーン印刷された形状36の第1の側面38に加え、その一方で、大気圧より低い圧力を第2の側面40に加えることができる。上述のように、圧力転写ロール及び真空ボックスの動作パラメータは、スクリーン印刷された形状を過度に変形することなく、スクリーン印刷された形状をきれいに取り出すように調整され得る。いくつかの実施形態において、圧力転写ロール20及び真空ボックス46は、直接互いに対向するのではなく、機械方向に交互にされてもよく、どちらかの装置が、連続ベルト32の移動方向に対して他の装置の前方に位置決めされてもよい。
【0031】
本発明者らは、スクリーン印刷された形状の厚さが増加する場合には、スクリーン印刷された形状を形成するために転写補助が必要であると判断した。印刷スクリーンの厚さが約0.010”(0.25mm)を超えて増加する場合、セラミックの成形研磨粒子を形成するために通常使用される一部のゾル−ゲルは、印刷スクリーンの中の開口から具合悪く離型する。本発明者らは、0.030”(0.76mm)の厚さを有する印刷スクリーンを通気性のある離型ライナ(US Paper Corporation製のPart−Wick #4400)の上で使用して、スクリーン印刷された形状を作製し、この離型ライナは、印刷スクリーンの中の開口をゾル−ゲルで充填する前に、4.5水柱インチ(1120.9Pa)の真空でプラスチック支持格子(plastic support grid)の上の真空ボックスを覆って配置された。真空がオフにされた場合、取り出し後にかなりの量のゾル−ゲルが印刷スクリーンの開口に残っている状態で印刷スクリーンを取り除こうとすると、スクリーン印刷された形状の不十分な離型及び広範囲な変形が生じた。
【0032】
印刷スクリーン10が除去された後、スクリーン印刷された形状36は、連続ベルト32によって乾燥ゾーン50まで運ばれ、そこで、取り扱われる際に構造的一体性を維持する前駆体成形研磨粒子52にそれらを変態させるのに少なくとも必要な程度まで、スクリーン印刷された形状から水分が除去される。次いで、前駆体成形研磨粒子52は連続ベルト32から取り外され、好適な炉又はキルンの中で焼成され、それらを成形研磨粒子55に変態させる。連続ベルトが焼付離型層を付与される前処理をされていない場合、連続ベルト32が印刷スクリーン10と接触する適用ゾーン22に入る前に、離型処理を施され得る(例えば、フルオロカーボンのスプレー)。
【0033】
一方、印刷スクリーン10は、離脱ゾーン24を通り過ぎた後、洗浄ゾーン26を通過し、そこで、必要であれば、印刷スクリーンは洗浄されて、好適な高圧流体スプレー、流体浴、ブラシ、エアブラスト、又はこれらの組み合わせによって印刷スクリーン10上に残る全ての残存物質が除去され、その後必要に応じて乾燥される。印刷スクリーン10は、洗浄ゾーン26から処理ゾーン30を通り、その過程で、離脱ゾーン24において印刷スクリーンの中の開口からスクリーン印刷された形状36の離脱を容易にさせるため、離型剤が所望により施される。
【0034】
図面に記載の構成においては多くの変形が存在する。例えば、印刷スクリーンへの分散系の適用は、ベルトが水平ではなくて垂直に移動するときに行なわれ得る。印刷スクリーン10は、ドラムの周囲の異なるセグメントによって提供されるゾーン22、24、26、及び30を有する1つの中空ドラムの表面によって提供され得る。このような変形の全ては、本発明の範囲に包含されるものである。
【0035】
開口の形状は、成形粒子の最終用途に応じて変更又は選択されてもよい。しかしながら、このプロセスは、事実上同一形状を大量に、又は、必要に応じて、様々な所定の形状の正確な混合物を作製する方法を提供することは明らかであろう。本発明のプロセスの好ましい用途はセラミック成形研磨粒子の作製であるが、研磨物品での使用を目的としないセラミック形状を作製するのに有用である。そうした形状は、角張っていても球形でもよく、有用な形状は、約2:1〜約50:1、好ましくは約5:1〜約25:1であるアスペクト比(長さと最大断面寸法との比である)を有する、標準的な矩形形状を包含する。矩形のもの以外の形状に関しても、同様のアスペクト比を用いることができる。
【0036】
他の有用な形状としては、米国特許第5,201,916号(Berg)、同第5,366,523号(Rowenhorst)(Re 35,570)、及び同第5,984,988号(Berg)に開示されているような、三角形、正方形、矩形、又は円形などの種々の幾何学的形状を有する薄い円盤状を含む成形研磨粒子が挙げられる。特に好ましい形状は、図3及び図4に示されるような正三角形である。後述されるように、成形研磨粒子の第2の側面が成形研磨粒子第1の側面及び縁部よりも大きくなり、成形研磨粒子の縁部が崩れるように、低粘度のゾル−ゲルを使用することにより、研磨性能が強化されることが分かっている。
【0037】
開口を有するスクリーンは、ステンレス鋼、PTFE、EVA、ポリエステル又はナイロンなどのプラスチック、布地等のような任意の好適な材料から製造され得る。印刷スクリーンの厚さは多様であり得、得られるスクリーン印刷された形状の厚さを変化させるように変更されてもよい。印刷スクリーンの好適な厚さは、典型的には約10mm、及びより典型的には3mm以下である。スクリーン印刷は公知の手段であり、スクリーンの製造に一般に適している材料は、本発明においてもまた一般に有用である。シリコーン、フルオロカーボン、又は炭化水素の誘導体などの好適な離型剤を、必要に応じて処理ゾーン30で塗布して、分散系のスクリーンからの離型特性を改善することができる。同様の離型剤を、連続ベルト32上又は通気性受け取り面上で使用することができる。
【0038】
スクリーン印刷動作で用いられる開口を有する印刷スクリーンは、バッチモード又は連続モード用に容易に適合させることができる。スクリーン厚さが大きい場合(約10mm)、スクリーンは、一般に、印刷スクリーンが連続した印刷ベルトの形態である連続プロセスで使用するのに十分なほど可撓性でない。ほとんどの用途に関し、好ましい動作は、連続生産モードである。そうした自動動作では、開口を有する印刷スクリーンは、通常、駆動印刷ベルトの形態をとり、このことは、印刷ベルトにかかる優勢な応力が長手方向にあること、つまり、印刷ベルトが伸長しがちであることを意味する。開口の最大寸法が印刷ベルトの移動方向に整列される場合、伸長する傾向が、開口の断面をあまり変形しないことになる。駆動印刷ベルトの形態の印刷スクリーンを使用する場合には、これは開口の望ましい配向である。
【0039】
使用時に、印刷スクリーン10は、印刷ベルトの形態の場合、適用ゾーン22を通過する際に連続ベルト32と接触する。したがって、印刷ベルトは、ゾル−ゲルの水分又は酸分の影響を受けないのを確実にするために、耐湿性材料から作製されるのが好ましい。印刷ベルトは駆動もされるので、比較的伸長性でないのが好ましい。ゾル−ゲルが、印刷ベルトの材料に浸透して離脱が困難になるのを避けるように、印刷ベルトは実質的に滑らかであるのも好ましい。多くのアルミナゾル−ゲルは、特に酸の添加によって解膠されている場合には、酸性pHを有するので、好ましい印刷ベルトは、十分な耐食性を有する必要がある。これらの基準を満たす好ましい材料としては、ステンレス鋼、クロムめっきされたニッケル、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンモノマー成分を含有するコポリマー、及びポリプロピレンが挙げられる。これらの材料は、通気性受け取り面を有する連続ベルト32を製造するのにも適している。
【0040】
印刷スクリーンを製造するために使用される一部の材料では、印刷スクリーンからスクリーン印刷された形状を取り出しやすくするために、離型剤コーティングで材料をコーティングするのが望ましい。離型剤コーティングは、例えば、DuPont Co.から商標「Teflon」で一般に販売されているもののような、焼き付けされたフルオロポリマーであり得る。あるいは、使用前にコーティングをスプレーすることができる。そうしたスプレー式コーティングとしては、オクタノール、デカン、ヘキサデカン、油等などの有機滑剤が挙げられる。開口を有するスクリーンを、バッチモードでの動作に適している場合がある単純なシート状などの異なる形態に設計する場合にも、同じ考えが適用される。これら材料は、通気性受け取り面を有する連続ベルト32上の離型剤として使用するのにも適している。
【0041】
図2は、印刷スクリーンの一実施形態の平面図を示す顕微鏡写真である。印刷スクリーンは、厚さ0.030”(0.76mm)のポリカーボネートシートで構成された。印刷スクリーンの中の開口は、1辺当たり0.110”(2.79mm)の正三角形の入れ子の列のパターンを形成し、この列は、頂点又は底面において0.100”(2.54mm)離間していた。開口はレーザー加工技術を用いて形成され、開口は、印刷スクリーンの上部表面及び底部表面の開口がほぼ同一寸法となるように、テーパ状ではなかった。
【0042】
本発明のプロセスを用いて成形セラミック物体に形成され得る材料としては、既知のセラミック材料、例えば、αアルミナ、炭化ケイ素、アルミナ/ジルコニア、及びCBNなどの細粒などの物理的前駆体が挙げられる。また、三水和アルミナ、ベーマイト、γアルミナ及び他の遷移相アルミナ、並びにボーキサイトなどの化学的及び/又は形態的前駆体が挙げられる。上記の中で最も有用なものは、典型的には、アルミナ及びその物理的又は化学的前駆体を主成分とするものである。しかしながら、本発明はそれらに限定されるものではなく、様々な前駆体材料についても適用可能であると理解すべきである。
【0043】
アルミナを主成分とする粒子を製造するための特定の状況において望ましいことが分っているその他の成分としては、核生成剤、例えば、微細に分割されたαアルミナ、酸化鉄、酸化クロム、及び前駆体形態からαアルミナ形態への転化において核形成することができるその他の物質、また、マグネシア、チタニア、ジルコニア、イットリア、及び希土類金属酸化物が挙げられる。このような添加剤は、多くの場合、結晶成長抑制剤又は境界相改質剤として作用する。前駆体中のこのような添加剤の量は、通常、約10重量%未満であり、多くの場合5重量%未満である(固体基準)。
【0044】
また、αアルミナの化学的又は形態的前駆体の代わりに、微細に分割されたαアルミナそのもののスリップを有機化合物と一緒に使用することも可能であり、有機化合物は、スリップを懸濁液の中に保持し、粒子が焼成されて実質的に十分に緻密化する際の一時的な結合剤として作用する。そのような場合、懸濁液物質を含むことが多くの場合に可能であり、この懸濁液物質は、焼成すると異質な相を形成する、又は、乾燥及び焼成中、若しくは焼成後に成形粒子の構造的一体性を維持する助剤として作用することができる。このような物質は不純物として存在することができる。例えば、前駆体が微細に分割されたボーキサイトの場合、粉末粒子が共に焼結して成形粒子を形成した後に第2の相を形成する少量のガラス質材料が存在する。
【0045】
使用する分散系は、スクリーンの中の開口と似たスクリーン印刷された形状へと成形されることができるが、後述されるように、この形状は、印刷プロセスの後に流体流動力学又は固体力学によって変化して、底面で大きくなりかつ崩れている側壁を有するようになるのが所望され得る。必要な安定性は、前駆体のゲルが容易に得られない場合には、添加剤の使用によって達成され得る。添加剤の使用によって形状維持が達成されない場合には、分散系の固形分が本発明における要因である。低い固形分では、印刷スクリーンが取り除かれた際の印刷形状の全損を防止するために、粘度を調整する必要があり得る。これは、粘度調整剤の添加によって行われてもよい。分散系がゾル−ゲルの場合には、好ましい技術は、硝酸などの酸を使用する解膠である。しかしながら、分散系の固形分が高過ぎる場合、スクリーンの開口を一貫して充填するのが困難であり得る。印刷スクリーンの中の開口を分散系で充填するアセンブリの反対側の、通気性受け取り面に隣接して適用ゾーン24の中に位置する真空ボックス46又は真空ロールを使用して、こうした一貫性の無さを克服又は低減することができる。
【0046】
本発明のプロセスで使用される分散系は、細かく分散した材料などの任意のセラミック前駆体分散系であってもよく、本発明のプロセスを施された後、成形セラミック物品の形態となる。分散系は、化学的前駆体(例えば、ベーマイはαアルミナの化学的前駆体である)、形態的前駆体(例えば、γアルミナはαアルミナの形態的前駆体である)、並びに(又はあるいは)、αアルミナの微細に分割された形態はある形状へと成形され、その形状を維持するために焼結されることができるという意味では、物理的前駆体であってもよい。
【0047】
分散系が、物理的又は形態的前駆体を含む場合には、本明細書においてこの用語を用いる場合、前駆体は、共に焼結されると従来の結合及び被覆研磨用途において有用な研磨粒子などのセラミック物品を形成する、微細に分割された粉末粒子の形態である。このような材料は、一般に、約20ミクロン未満、好ましくは約10ミクロン未満、及び最も好ましくは約1ミクロン未満の平均寸法を有する粉末粒子を含む。
【0048】
好ましいプロセスにおいて使用される分散系は、最も好都合には、ベーマイトゾル−ゲルである。このゾル−ゲルは、アルミナ前駆体からαアルミナへの変態において核形成することができる細かく分散した種粒子を含む種晶ゾル−ゲル、又は焼結されるとαアルミナに変わる非種晶ゾル−ゲルであってもよい。
【0049】
物理的又は形態的前駆体の分散系の固形分は、約40〜65%が好ましいが、最大約80%までの高い固形分を使用することができる。このような分散系においては、微細に分割された粒子と一緒に有機化合物が使用されることが多く、懸濁化剤として、また多くは形成された粒子が乾燥されてその形状を十分に保持するまでの一時的結合剤として使用される。これらは、そのような目的に広く知られる任意のものでよく、例えばポリエチレングリコール、ソルビタンエステル等が挙げられる。
【0050】
加熱すると最終的な安定したセラミック形態に変化する前駆体固形分は、乾燥及び焼成して研磨粒子を焼結させる間に前駆体から遊離し得る水を考慮する必要がある場合がある。このような場合、固形分は、典型的にはやや低めであり、例えば約75%以下、より好ましくは約30%〜約50%である。ベーマイトゾル−ゲルの場合、約60%、又は更に40%の最大固形分が好ましく、解膠された約20%の最小固形分のゾル−ゲルも使用可能である。
【0051】
物理的前駆体から作製される成形研磨粒子は、典型的には、種晶化学的前駆体から形成されるものよりも高い温度で焼成される必要がある。例えば、種晶ベーマイトゾル−ゲルの粒子は、約1250℃を下回る温度で、実質的に完全に緻密化したαアルミナを形成するのに対して、非種晶ベーマイトゾル−ゲルから製造された粒子は、十分に緻密化するために約1400℃を上回る焼成温度が必要となり得る。
【0052】
最終硬度まで焼成された成形研磨粒子は、砥石車などの結合研磨物品に組み込まれてもよく、若しくは研磨ディスク又はベルトなどの被覆研磨製品を作製するのに使用されてもよく、又は不織布研磨物品に組み込まれてもよく、あるいは研磨ブラシに組み込まれてもよい。あるいは、販売目的で又は上述された製品における使用目的で、砥粒を研磨産業規定の等級に選別又は等級付けすることができる。研磨産業規定の等級には、ANSI規格、FEPA規格、JIS規格、又は、ASTM規格試験用篩を使用して公称スクリーン等級に等級付けされた成形研磨粒子(例えば−18+20、つまり、成形研磨粒子は18号篩を通過し、20号篩の上に留まる)が含まれる。
【0053】
ここで図3及び図4を参照すると、実施例で更に記述されるように、成形研磨粒子は、図2の印刷スクリーンを使用してバッチモードで製造された。ゾル−ゲルの粘度は、より高い最大降伏応力を有する高粘度のゾル−ゲル、及びより低い最大降伏応力を有する低粘度のゾル−ゲルの両方を使用した成形研磨粒子を、同じ印刷スクリーンから作製するように調整された。
【0054】
図3Aから分かるように、80,154Paの最大降伏応力を有する高粘度のゾル−ゲルで製造された成形研磨粒子は、第2の側面40から第1の側面38までのテーパがずっと小さかった。第2の側面40の外辺部は、第1の側面38の外辺部よりもわずかに大きく、第1の側面と第2の側面を接続している小さい(less of)側壁54が、顕微鏡写真において可視である。第1の側面38、又は成形研磨粒子の乾燥中の空気側は、図3Aにおいて各成形研磨粒子の中央に輪郭を有して示されている。第2の側面40、又は乾燥中に受け取り面18と接触する成形研磨粒子の支持側は、図3Bにおいて部分的に可視である。第2の側面40は、ゾル−ゲルを少なくとも部分的に通気性受け取り面の中に引き入れる真空によって形成された非平坦面を含む。図3Bで明らかなように第1の側面38と第2の側面40を接続している側壁54は、切り込み線が入れられている又はうね状に隆起されており、図2に示されるようなレーザー加工による印刷スクリーンの中のうね状の隆起を複製する傾向がある。更に、側壁54は、第1の側面38と第2の側面40との間の全ての場所においてほぼ同じ勾配を有する、かなり急勾配の傾斜を有している。乾燥後の成形研磨粒子は、図3Cに見られるように、凹形の第1の側面38と、わずかに凸形又は平坦な第2の側面40とを有する傾向がある。成形研磨粒子は、第2の側面40から第1の側面38に向かってわずかにテーパしているが、側壁の角度又は傾斜は非常に大きく、第2の側面40に対して60度をかなり超えている。第2の側面40に対する側壁の角度は、顕微鏡写真に基づいて、約70度〜約80度であると推測される。
【0055】
図4Aに見られるように、10,154Paの最大降伏応力を有する低粘度のゲルで製造された成形研磨粒子は、第2の側面40から第1の側面38に向かって更に大きなテーパを有した。第2の側面40の外辺部は、第1の側面38よりも有意に大きく、第1の側面38と第2の側面40とを接続している側壁54のより多くが、顕微鏡写真において可視である。側壁54は、成形後フロー表面を含む。したがって、成形研磨粒子は、高粘度のゾル−ゲルから形成された成形研磨粒子よりも薄くなる傾向があり、このことは、図3Bと図4Bとを比較することによって明らかである。第1の側面38、又は成形研磨粒子の乾燥中の空気側は、図4Aにおいて各成形研磨粒子の中央に輪郭を有して示されている。第2の側面40、又は乾燥中に受け取り面18と接触する成形研磨粒子の支持側は、図4Bにおいて部分的に可視である。第2の側面40は、ゾル−ゲルを少なくとも部分的に通気性受け取り面の中に引き入れる真空によって形成された非平坦面を含む。第1の側面38と第2の側面40とを接続している側壁54は、図4Bに見られるように、切り込み線が入れていない又はうね状に隆起されておらず、スクリーン印刷された形状を印刷スクリーンから取り出した後のゾル−ゲルのフロー又はクリープのせいで、かなり滑らかである。図3Bの成形研磨粒子の側壁54に見ることができるうね状の隆起は、同じ印刷スクリーンを使用したにもかかわらず、図4Bではもはや可視でない。
【0056】
更に、側壁54は、その長さに沿って実質的に均一な傾斜又は勾配を有していない。図4Cで最もよく見られるように、成形研磨粒子55の側壁54は、第2の側面40と交わる第2の部分58よりも急勾配の傾斜又は角度を有する第1の側面38と交わる第1の部分56を含む。更に、第1の部分56の長さは、第2の部分58の長さよりも短い。こうした側壁構成は、スクリーン印刷された後のゾル−ゲルの崩れによって形成されたが、これらの特徴の一方又は両方を有する印刷スクリーン又は金型を設計して、高粘度のゾル−ゲルを使用する際に側壁54をこの構成に成形することが可能である。側壁54は、第2の表面58と所定の角度で交わる第1の表面56を含むことができ、各表面の長さは、一方の表面が他方より大きい状態で、要望通りに変化させることができる。
【0057】
乾燥後の成形研磨粒子は、図4Bに見られるように、凹形の第1の側面38と、わずかに凸形又は平坦な第2の側面40とを有する傾向がある。成形研磨粒子は、第2の側面40から第1の側面38に向かって著しくテーパしており、側壁54が第2の側面40と交わる側壁の角度又は傾斜はかなり小さい。図4Bで最もよく見られるこの角度は、像解析法を用いて20個の成形研磨粒子に関して測定され、平均角度は33.9度であることが分かり、これは、印刷スクリーンの中の開口がテーパ状でなかったことから予測された角度である90度よりもかなり小さい。
【0058】
本発明の様々な実施形態において、側壁54と、具体的には、第2の部分58及び第2の側面40との間の角度は、約60、50、45、又は40、又は35度未満及び約10度超過であり得る。広くは、角度が約10度未満の場合、成形研磨粒子の縁部は脆弱になり過ぎ、あらゆる用途で使用する間にあまりにも簡単に破砕する可能性がある。
【0059】
物理試験
最大降伏応力
ゾル−ゲルの降伏応力(剪断速度の関数としての最大粘度)は、Worcestershire,United Kingdomに事業所を有するMalvern instruments Ltdから入手可能なBohlin Gemini 200などのレオメーターを使用して測定することができる。ゾル−ゲルの測定は、温度平衡に達した後に25℃、0.01〜1000秒−1の剪断速度で行われる。本発明の様々な実施形態において、焼結された成形研磨粒子を作製するために乾燥中にクリープする又はフローするスクリーン印刷された形状を作製するためのゾル−ゲルの最大降伏応力は、約90,000;約80,000;約70,000;約60,000;約50,000;約40,000;約30,000;約20,000、又は約15,000Pa・秒[パスカル(秒)]未満;及び約5,000Pa・秒超過であり得る。粘度が低くなり過ぎると、分散系を印刷スクリーン又は金型から取り出した後、スクリーン印刷された形状は、印刷スクリーン又は金型に形成された所定の形状とはもはや似ていない。
【0060】
第1の側面に対する第2の側面の面積比
第1の側面に対する第2の側面の面積比を、緻密化されかつ焼結された成形研磨粒子に関して画像解析によって判定した。成形研磨粒子をその第2の側面40によって装着し、走査型電子顕微鏡(SEM)の中に位置付けて、SEMの後方散乱電子による画像化を用いて第1の側面38の平面図顕微鏡写真を撮像する(第1の側面に対して約90度の顕微鏡視野位置)。成形研磨粒子全体を見ることができ、かつ1〜2個の完全な成形研磨粒子がSEMの視野を満たすように、適切な倍率を用いる。成形研磨粒子の典型的なSEM画像が、倍率50Xで図3A及び図4Aに示されている。
【0061】
次に、Image J(the National Institute of Healthより入手可能)などの画像解析ソフトを使用して、外辺部で囲まれている第1の側面38の面積、及び外辺部で囲まれている第2の側面40の面積を、10個の異なる成形研磨粒子に関して測定する。時には、各外辺部を自動で検出する画像解析ソフトで十分なコントラストが認められなければ、外辺部を手でトレースすることが必要な場合がある。10の第1の側面面積及び10の第2の側面面積を、個々に平均化し、第2の側面の平均面積を第1の側面の平均面積で割って、第1の側面に対する第2の側面の面積比を決定する。第1の側面に対する第2の側面のより大きな面積比は、印刷スクリーンの上部及び底部開口部が同一寸法である場合には、崩れるゾル−ゲルが増加する結果であり、又は、印刷スクリーン又は金型が意図的にテーパ状にされている場合の結果である。1.0の比は、非テーパ状の開口を用いたスクリーン印刷の後に完全に寸法安定性である分散系で生じることになる。図3の成形研磨粒子は、個別に測定された10の第1の側面面積及び第2の側面面積を平均化する代わりに、10の個々の比を計算した場合、標準偏差約0.15で1.65の第1の側面に対する第2の側面の面積比を有することが分かった。図4の成形研磨粒子は、個別に測定された10の第1の側面面積及び第2の側面面積を平均化する代わりに、10の個々の比を計算した場合、標準偏差約0.44で3.44の第1の側面に対する第2の側面の面積比を有することが分かった。
【0062】
本発明の様々な実施形態では、第1の側面に対する第2の側面の面積比は、約1.5〜約10.0、約2.0〜約10.0、約2.0〜約6.0、約3.0〜約5.0、約2.0〜約3.5、又は約1.5〜約3.5であり得る。
【0063】
厚さ比
厚さ比を算出するには、ランダムに選択した15個の成形研磨粒子を選別する。各粒子のそれぞれの角部の高さが測定され、次いで全ての高さは平均化され、平均Tcを判定する。例えば、Tcの平均値を測定するときに使用するために、三角形は成形研磨粒子毎に3つのTc測定値と、合計45の測定値とを有する。成形研磨粒子が円形であるか、楕円形であるか、ないしは別の方法で角部又はポイントを有さない場合、外周部に沿って、互いから等距離の3つのポイントが、各成形研磨粒子のために測定されるべきである。次に、各成形研磨粒子の第1の側面38の内部について最小の厚さTiを測定する。最小の内部厚さを見出すために、成形研磨粒子の透光性が使用され得ることが多く、15個の結果が平均化されて平均値Tiを決定する。平均値Tcを平均値Tiで除すことによって、厚さ比が決定される。
【0064】
XYステージ及び垂直位置測定ステージを装備する光学顕微鏡を使用して、成形研磨粒子の様々な部分の厚さを測定することができる。米国特許第5,366,523号、発明の名称「Abrasive Article Containing Shaped Abrasive Particles」(Rowenhorstら)に開示される従来技術の方法で製造された三角形の粒子は、0.94〜1.15の厚さ比を有することが測定された。つまり、これらの粒子は実質的に平坦であり、中央部がやや薄い可能性があるのと同様に、中央部がやや厚い可能性がある。1.20を超える厚さ比を有する成形研磨粒子は、95%の信頼区間で統計的にRowenhorst粒子とは異なる。凹状表面を有する成形研磨粒子は、2008年12月17日に出願された米国特許出願第12/336,961号、発明の名称「Dish−Shaped Abrasive Particles With A Recessed Surface」にも開示されている。本発明の種々の実施形態において、凹形の第1の側面38の厚さ比Tc/Tiは、約1.20〜約5.00、約1.25〜約5.00、約1.25〜約4.00、又は約1.25〜約2.00であり得る。
【実施例】
【0065】
本開示の目的及び利点を以下の非限定的な実施例で更に例示する。これらの実施例において列挙されるその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないと解釈されるべきである。特に記載のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部、パーセント、及び比率などは、重量による。
【0066】
ゲルの調製
商品名「DISPERAL」(Sasol North America,Houston,Texas)の酸化アルミニウム一水和物粉末を、連続混合することにより、水と、3.0パーセントの硝酸(ゲルA)又は4.5%の硝酸(ゲルB)のいずれかとを含有する溶液の中に分散させて、2つの異なる粘度のベーマイトゲル(ゲルA及びゲルB)を調製した。次いで、結果として生じたゾルを連続乾燥機の中で約125℃の温度まで加熱して、40%固形分の分散系(ゲルA)又は42.5%固形分の分散系(ゲルB)を調製した。ゲルAに関して得られた最大降伏応力は10,154Paであり、ゲルBに関して得られた最大降伏応力は80,154Paであった。
【0067】
(実施例1及び2)
実施例1の成形研磨粒子及び研磨物品をゲルAから調製した。面開放型のアクリルボックスを真空ボックスとして使用し、アクリルボックスの解放面を硬質プラスチックの格子材料で覆って、ボックス内への比較的遮断されていない空気流を可能にした。穴開き金属スクリーンがプラスチック格子を支持した。真空源は、約6”Hg(0.8kPa.)の真空をもたらすことができる「NILFISK Advance model GMP−J−115」電気掃除機(Nilfisk−Advance Inc.,Plymouth,Minnesota)であった。真空をかける面積は約7”×9”(18cm×23cm)であり、ボックス内の真空圧力を示すために、アクリルボックスに真空計を取り付けた。印刷スクリーンは、厚さ0.030”(0.76mm)のポリカーボネートシートで構成された。印刷スクリーン上の開口パターンは、1辺当たり0.110”(2.79mm)の正三角形の入れ子の列であった。列は、頂点又は底面において0.100”(2.54mm)離間していた。レーザー加工技術によって開口を形成した。真空スクリーン印刷中、通気性のある離型ライナを通気性受け取り面として使用した。通気性のある離型ライナは「PART−WICK #4400」と確認され、PacoThane Technologies(Woburn,Massachusetts)製であった。
【0068】
評価のための成形研磨粒子は、まず、真空ボックスのプラスチック格子の上に通気性のある離型ライナを置き、真空をオンにすることによって製造された。空気流はライナを真空ボックスの上部に引き込ませ、真空計により示されたように約4.5”Hg(0.6kPa)の真空を得た。次に、印刷スクリーンを離型ライナの上に設置した。無制限量のゲルAをパターン付きスクリーンの上に置き、幅8”(20cm)の可撓性スチールドライウォール工具を使用して開口の中に、スクリードで敷きならした。印刷スクリーンの開口を充填した後、真空は約5.5”Hg(0.73kPa)まで上昇し、通気性のある離型ライナを通過する空気流が減少したことを示した。真空をオンにしたままで、印刷スクリーンを通気性受け取り面から除去し、表面がスクリーン印刷された形状でコーティングされた状態にした。真空をオフにし、依然として濡れているスクリーン印刷された形状を有する受け取り面を、真空ボックスの上から取り除いた。スクリーン印刷された形状を有する受け取り面を45℃で1時間乾燥させ、その後、粒子に損傷を与えずに前駆体成形研磨粒子を受け取り面から簡単にこそげ落とすことができた。複数回分の前駆体成形研磨粒子をこのやり方で作製しかつ収集して、焼成及び後続試験のために十分な量を準備した。
【0069】
前駆体成形研磨粒子は、約650℃でか焼された後、か焼された前駆体成形研磨粒子の重量を基準として70重量%のレベルで含浸させた、1.4%のMgO、1.7%のY、5.7%のLa、及び0.07%のCoOを含有する混合硝酸塩溶液で飽和された。含浸に先だって、「HYDRAL COAT 5」粉末(0.5ミクロン平均粒径、Almatis(Pittsburgh,PA)より入手可能)を、含浸溶液の重量を基準として1.4重量%のレベルで、含浸溶液の中に分散させた。か焼された前駆体成形研磨粒子に添加されるまで「HYDRAL COAT 5」粉末粒子を含浸溶液内で懸濁状態に保つため、十分に混合した。か焼された前駆体成形研磨粒子に含浸させたら、粒子を乾燥させ、その後粒子を650℃で再度か焼し、約1400℃で最終硬度まで焼結して、成形研磨粒子を作製した。か焼及び焼結のいずれも、回転管状窯を使用して実行した。
【0070】
次に、成形研磨粒子を、炭酸カルシウム入りメイクコーティング(calcium carbonate filled make coating)及びクライオライト入りサイズコーティング(cryolite filled size coating)を用いて、ディスク当たり18グラムのレベルの成形研磨粒子で繊維ディスク裏材に静電的にコーティングした。1045個の硬化鋼ワークピースを使用してthe Grinding Testによってディスクを評価した。
【0071】
ゲルAがより固いゲルBで置き換えられたことを除いて、実施例2の成形研磨粒子及び研磨物品を実施例1と同様に調製した。硝酸の含有パーセントを、ゲルA及びゲルBを調製するために用いた含有パーセントの間の中間レベルに変更することによってゲルの降伏応力を表1に記載の通りの値に変更したことを除き、実施例4、5、及び6の追加の成形研磨粒子を実施例1及び2と同様に調製した。上記の方法で製造された成形研磨粒子の物理的パラメータが表1に記載されている。
【0072】
【表1】

【0073】
研磨試験
以下の手順を用いて研磨ディスクを試験した。評価用の直径7インチ(17.8cm)の研磨ディスクを、7インチ(17.8cm)のリブ付きディスクパッド平面皿(3M Company(St.Paul,Minnesota)から入手した「80514 Extra Hard Red」)を装備した回転研磨盤に取り付けた。次に、研磨盤を稼動させて、10ポンド(4.5kg)の荷重下の、0.75×0.75in(1.9×1.9cm)の予め計量された1045スチールバーの末端面を付勢した。この荷重下でのこの加工対象物に対する研磨盤の結果的な回転速度は5000rpmであった。この加工対象物を、これらの条件下で合計36回20秒研磨インターバル(パス)で研磨した。それぞれの20秒インターバルの後、加工対象物を室温まで冷却させ、計量して、研磨動作による削り取りを測定した。試験結果は、それぞれのインターバルでのインクリメンタルな削り取り、及び取り除かれた合計削り取りとして報告した。所望により、好適な設備を用いて試験を自動化することができる。
【0074】
試験結果のまとめを図5にグラフを使って示す。プロットは、低粘度のゾル−ゲルから製造された成形研磨粒子の、高粘度のゾル−ゲルから製造された成形研磨粒子に勝る、改善された性能を明確に示している。SEM顕微鏡写真は、高粘度ゲルを使用して製造された粒子と比べた場合、低粘度の粒子は、成形プロセスの後に、おそらく乾燥プロセス中に、有意にフローした又は崩れたことを示している。その結果、低粘度の成形研磨粒子は格段に鋭利な(薄い)縁部を有し、それによってより優れた性能が得られる。
【0075】
当業者は、より具体的に添付の請求項に記載した本開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに、本開示への他の修正及び変更を行うことが可能である。様々な実施形態の態様は、様々な実施形態の他の形態と全体的に、若しくは一部的に互換可能、又は結合され得るということが理解される。特許状への上記の出願の中で引用されている全ての参照、特許、又は特許出願は、全体として一貫した方法で参照することにより本明細書に組み込まれる。これらの組み込まれた参照と本明細書との間に部分的に不一致又は矛盾がある場合、先行する記述の情報が優先するものとする。当業者が請求項の開示を実行することを可能にするために与えられた先行する記述は、本請求項及びそれと等しい全てのものによって定義される本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン印刷法による成形セラミック物品の製造方法であって、セラミック前駆体の分散系を、複数の開口を含む印刷スクリーンを通して受け取り面に適用する工程と、前記印刷スクリーンを前記受け取り面から取り除いて複数のスクリーン印刷された形状を形成すると同時に、前記スクリーン印刷された形状の第1の側面と、前記受け取り面と接触状態にある前記スクリーン印刷された形状の第2の側面との間に差圧を加える工程と、前記受け取り面上に残っている前記スクリーン印刷された形状を少なくとも部分的に乾燥させ、前記スクリーン印刷された形状を焼成して、焼結成形セラミック物品を形成する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記前駆体が化学的前駆体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分散系がαアルミナ前駆体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分散系がベーマイトアルミナゾル−ゲルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ゾル−ゲルが、約30%〜約60%の固形分を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ゾル−ゲルが最大降伏応力を有し、該最大降伏応力が、約60,000Pa・秒〜約5,000Pa・秒である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ゾル−ゲルの降伏応力が、約15,000Pa・秒〜約5,000Pa・秒である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第1の側面に正圧を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第2の側面に負圧を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第2の側面に負圧を加えることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
αアルミナを含む成形研磨粒子の製造方法であって、ベーマイトアルミナゾル−ゲルの形状を受け取り面上にスクリーン印刷して、複数のスクリーン印刷された形状を形成する工程と、前記スクリーン印刷された形状を印刷スクリーンから取り出すと同時に、前記スクリーン印刷された形状の第1の側面と、前記受け取り面と接触状態にある前記スクリーン印刷された形状の第2の側面との間に差圧を加える工程と、前記スクリーン印刷された形状を少なくとも部分的に乾燥させ、前記アルミナをα相に変態させるのに十分な温度で前記スクリーン印刷された形状を焼成する工程と、を含む方法。
【請求項12】
前記印刷スクリーンが、約2:1〜約50:1のアスペクト比を有するスクリーン印刷された形状を形成するための寸法を有する開口を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記印刷スクリーンが、複数の略三角形の開口を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第1の側面に正圧を加えることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記正圧を加えるために圧力転写ロールを使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第2の側面に負圧を加えることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記受け取り面が通気性であり、真空ボックス又は真空ロールが、前記受け取り面上の前記スクリーン印刷された形状の前記第2の側面に対向して前記受け取り面に隣接して配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第2の側面に負圧を加えることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
αアルミナを含む成形研磨粒子の製造方法であって、ベーマイトアルミナゾル−ゲルの形状を、真空ボックス又は真空ロールに隣接して位置する通気性受け取り面の上にスクリーン印刷すると同時に、印刷スクリーンの中の開口を前記ゾル−ゲルで充填して、複数のスクリーン印刷された形状を形成する工程と、前記スクリーン印刷された形状を前記印刷スクリーンから取り出す工程と、前記スクリーン印刷された形状を少なくとも部分的に乾燥させる工程と、前記アルミナをα相に変態させるのに十分な温度で前記スクリーン印刷された形状を焼成する工程と、を含む方法。
【請求項20】
前記スクリーン印刷された形状を前記印刷スクリーンから取り出す工程が、前記スクリーン印刷された形状の第1の側面と、前記受け取り面と接触状態にある前記スクリーン印刷された形状の第2の側面との間に差圧を加えることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第1の側面に正圧を加えることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記正圧を加えるために圧力転写ロールを使用する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記差圧を加える工程が、前記スクリーン印刷された形状の前記第2の側面に負圧を加えることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
真空ボックス又は真空ロールが、前記受け取り面上の前記スクリーン印刷された形状の前記第2の側面に対向して前記通気性受け取り面に隣接して配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
成形後フロー表面を含む、成形研磨粒子。
【請求項26】
第1の側面と、第2の側面と、該第1の側面と該第2の側面を接続している側壁と、を含み、該側壁が前記成形後フロー表面を含む、請求項25に記載の成形研磨粒子。
【請求項27】
前記側壁が凹形である、請求項26に記載の成形研磨粒子。
【請求項28】
前記側壁が、前記第1の側面と交わる第1の部分と、前記第2の側面と交わる第2の部分と、を含み、該第1の部分の傾斜が該第2の部分の傾斜よりも大きい、請求項27に記載の成形研磨粒子。
【請求項29】
前記第1の部分の長さが、前記第2の部分の長さよりも短い、請求項28に記載の成形研磨粒子。
【請求項30】
前記第2の部分と前記第2の側面との間に角度を含み、該角度が約10度〜約60度である、請求項28に記載の成形研磨粒子。
【請求項31】
第1の側面に対する第2の側面の面積比が約2.0〜約10.0である、請求項26に記載の成形研磨粒子。
【請求項32】
前記側壁と前記第2の側面との間に角度を有し、該角度が約10度〜約60度である、請求項30に記載の成形研磨粒子。
【請求項33】
前記第1の側面に対する第2の側面の面積比が約2.0〜約3.5である、請求項31に記載の成形研磨粒子。
【請求項34】
前記第1の側面が凹形である、請求項26に記載の成形研磨粒子。
【請求項35】
厚さ比であるTc/Tiが、約1.20〜約5.00である、請求項33に記載の成形研磨粒子。
【請求項36】
約2:1〜約50:1のアスペクト比を有する、請求項26に記載の成形研磨粒子。
【請求項37】
略三角形を含む、請求項26に記載の成形研磨粒子。
【請求項38】
前記第2の側面が非平坦である、請求項26に記載の成形研磨粒子。
【請求項39】
第1の側面と、第2の側面と、該第1の側面と該第2の側面を接続している側壁と、を含み、該側壁は、該第1の表面と交わる第1の部分と、該第2の表面と交わる第2の部分とを含み、前記第1の部分の傾斜は、前記第2の部分の傾斜よりも大きい、成形研磨粒子。
【請求項40】
前記第1の部分の長さが、前記第2の部分の長さよりも短い、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項41】
前記第2の部分と前記第2の表面との間に角度を含み、該角度が約10度〜約60度である、請求項39に記載の成形研磨粒子。
【請求項42】
第1の側面に対する第2の側面の面積比が約1.5〜約10.0である、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項43】
前記第2の部分と前記第2の側面との間に角度を含み、該角度が約10度〜約60度である、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項44】
第1の側面に対する第2の側面の面積比が約1.5〜約10.0である、請求項42に記載の成形研磨粒子。
【請求項45】
前記第1の側面が凹形である、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項46】
厚さ比であるTc/Tiが、約1.20〜約5.00である、請求項44に記載の成形研磨粒子。
【請求項47】
約2:1〜約50:1のアスペクト比を有する、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項48】
略三角形を含む、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項49】
前記第2の側面が非平坦である、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項50】
前記側壁が成形後フロー表面を含む、請求項38に記載の成形研磨粒子。
【請求項51】
第1の側面と第2の側面と、該第1の側面と該第2の側面を接続している側壁とを含み、前記第1の側面が凹形であり、前記側壁が凹形である、成形研磨粒子。
【請求項52】
前記側壁が、前記第1の側面と交わる第1の部分と、前記第2の側面と交わる第2の部分と、を含み、該第1の部分の傾斜が該第2の部分の傾斜よりも大きい、請求項50に記載の成形研磨粒子。
【請求項53】
前記第1の部分の長さが、前記第2の部分の長さよりも短い、請求項51に記載の成形研磨粒子。
【請求項54】
前記第2の側面が非平坦である、請求項50に記載の成形研磨粒子。
【請求項55】
厚さ比であるTc/Tiが、約1.20〜約5.00である、請求項50に記載の成形研磨粒子。
【請求項56】
第1の側面に対する第2の側面の面積比が約1.5〜約10.0である、請求項50に記載の成形研磨粒子。
【請求項57】
約2:1〜約50:1のアスペクト比を有する、請求項50に記載の成形研磨粒子。
【請求項58】
略三角形を含む、請求項50に記載の成形研磨粒子。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−514900(P2013−514900A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546010(P2012−546010)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/059830
【国際公開番号】WO2011/087649
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】