手持ち式作業機
【課題】カセットガスボンベ内のガス燃料を好適(十分)に使い切ることができる手持ち式作業機を提供する。
【解決手段】刈払機10は、カセットガスボンベ21からエンジン15に液相状のガス燃料25を供給し、供給されたガス燃料25でエンジンを駆動し、エンジンで刈刃13を作動させるものである。この刈払機を水平面34に載置した標準載置状態においてカセットガスボンベを鉛直に配置するようにした。具体的には、カセットガスボンベを収納ケース36に収納した状態において、カセットガスボンベの供給ノズル23を下方に配置し、かつ、供給ノズルを通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにした。
【解決手段】刈払機10は、カセットガスボンベ21からエンジン15に液相状のガス燃料25を供給し、供給されたガス燃料25でエンジンを駆動し、エンジンで刈刃13を作動させるものである。この刈払機を水平面34に載置した標準載置状態においてカセットガスボンベを鉛直に配置するようにした。具体的には、カセットガスボンベを収納ケース36に収納した状態において、カセットガスボンベの供給ノズル23を下方に配置し、かつ、供給ノズルを通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給してエンジンを駆動し、エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち式作業機のなかにはエンジン(ガスエンジン)を駆動源として備えた刈払機が知られている。この刈払機は、収納ケースにカセットガスボンベが略水平に収納され、カセットガスボンベの供給ノズルからエンジンにガス燃料を供給してエンジンを駆動し、エンジンで作業部(刈刃)を回転させるものである。
【0003】
刈払機を用いて雑草を刈る際には、作業者の上半身に肩掛け用ベルトを掛け、肩掛け用ベルトに刈払機を吊して上半身で支える。刈払機を支えた状態で、刈刃をエンジンで回転させて刈刃で雑草を刈ることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3−116751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の刈払機は、収納ケースにカセットガスボンベが略水平に収納されている。よって、平地の雑草を刈刃で刈る際には、刈刃がエンジンより低い位置に配置される。このため、カセットガスボンベの供給ノズルが下側に位置した状態で、カセットガスボンベが傾斜状に配置される。
【0006】
一方、立木などの枝葉を刈る際には、刈刃がエンジンより高い位置に配置される。このため、カセットガスボンベの供給ノズルが上側に位置した状態で、カセットガスボンベが傾斜状に配置される。
このように、刈払機の用途に応じてカセットガスボンベが傾斜することで、カセットガスボンベ内のガス燃料を好適(十分)に使い切ることが難しい場合がある。
【0007】
本発明は、カセットガスボンベ内のガス燃料を好適(十分)に使い切ることができる手持ち式作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給し、供給されたガス燃料で前記エンジンを駆動し、前記エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機であって、前記手持ち式作業機を水平面に載置した標準載置状態において、前記カセットガスボンベの供給ノズルが下方に配置された状態で、前記供給ノズルを通るボンベ中心線が略鉛直方向を向くように前記カセットガスボンベを収納ケースに収納可能としたことを特徴とする。
【0009】
ここで、カセットガスボンベは、例えば、通常市販されているカセットボンベが用いられる。このカセットガスボンベは、カセットガスボンベの内部に燃料取出パイプが収納され、燃料取出パイプの出口が供給ノズルに連通されている。
燃料取出パイプは、略L型に形成され、燃料取出パイプの燃料入口部がボンベ中心線に対して直交する方向に配置されている。
ボンベ中心線は、供給ノズルを通るカセットガスボンベの中心線である。
【0010】
よって、カセットガスボンベを傾斜させて用いる際に、燃料取出パイプの燃料入口部を下側に配置することができる。このように、燃料取出パイプの燃料入口部を下側に配置することで、カセットガスボンベ内のガス燃料を液相の状態で燃料入口部から好適に取り出すことが可能になる。
燃料取出パイプで取り出された液相のガス燃料は供給ノズルを経てエンジンに導かれる。
【0011】
そこで、請求項1において、カセットガスボンベの供給ノズルが下方に配置された状態で、供給ノズルを通るボンベ中心線が略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベを収納した。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記カセットガスボンベを前記収納ケースに収納した状態において、前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線を中心として回転させるボンベ回転機構を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記ボンベ回転機構に前記カセットガスボンベの回転を操作する操作ノブを備えるとともに、前記操作ノブを前記カセットガスボンベを覆うボンベカバーの外側に突出させ、前記操作ノブが前記カセットガスボンベ内の前記ガス燃料を最も少なくできる所定位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記カセットガスボンベから前記エンジンに前記ガス燃料を導くガス燃料流路の途中に開閉切替弁を備え、前記開閉切替弁の開閉状態を切り替える切替ノブを備え、前記切替ノブが閉位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に対して直交する方向に移動させて収納ケースに収納する際に、前記カセットガスボンベの前記供給ノズルを案内する第1ガイド溝と、前記カセットガスボンベの口金を案内する第2ガイド溝と、を備え、前記供給ノズルを前記第1ガイド溝に沿って案内するとともに、前記口金を第2ガイド溝に沿って案内することで、前記カセットガスボンベを口金受部と同軸上に配置し、同軸上に配置した前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に沿って下降させることで、前記口金受部に供給ノズルを配置可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、カセットガスボンベを収納した状態において、カセットガスボンベの供給ノズルを下方に配置し、かつ、ボンベ中心線を略鉛直方向に配置した。
よって、刈払機の用途に応じてカセットガスボンベが傾斜した場合に、カセットガスボンベの供給ノズル(燃料取出パイプの燃料入口部)を下側に配置可能である。
これにより、刈払機の用途に応じてカセットガスボンベが傾斜した場合でも、カセットガスボンベ内に蓄えられたガス燃料(液相)を好適(十分)に使い切ることができる。
【0017】
請求項2に係る発明では、ボンベ回転機構を備えることで、カセットガスボンベをボンベ中心線を中心として回転させることができる。
ここで、供給ノズルに連通する燃料取出パイプは略L型に形成されている。よって、カセットガスボンベをボンベ中心線を中心として回転させることで、液相状のガス燃料の残量が少なくなった場合、液相状のガス燃料を吸い込みやすい位置に燃料取出パイプの燃料入口部を合わせることができる。
これにより、カセットガスボンベ内に残存するガス燃料(液相)を一層好適(十分)に使い切ることができる。
【0018】
請求項3に係る発明では、カセットガスボンベ内のガス燃料を最も少なくできる所定位置に操作ノブを配置した状態においてボンベカバーを開放可能とした。
このように、操作ノブを所定位置に配置した状態でボンベカバーを開放可能とすることにより、操作ノブの操作頻度を少なくできるので使い勝手の向上を図ることができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、切替ノブを閉位置に配置した状態でボンベカバーを開放可能とした。よって、開閉切替弁を開いた状態でボンベカバーを開放することを防ぐことができる。
これにより、開閉切替弁を開いた状態で、カセットガスボンベを収納ケースから取り外すことを防止できる。
【0020】
請求項5に係る発明では、供給ノズルを案内する第1ガイド溝を備え、口金を案内する第2ガイド溝を備えることで、カセットガスボンベをボンベ中心線に対して直交する方向に移動させて口金受部と同軸上に配置できる。
そして、口金受部と同軸上に配置したカセットガスボンベをボンベ中心線に沿って下降させて口金受部に供給ノズルを配置可能とした。
これにより、口金受部に供給ノズルを配置する際に、供給ノズルを曲げようとする負荷がかかることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る手持ち式作業機(刈払機)を示す斜視図である。
【図2】図1に示す刈払機の使用例を説明する図である。
【図3】図1のボンベ収納構造体のボンベカバーを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを収納した状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るボンベ支持手段を示す斜視図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】本発明に係るボンベ収納構造体の操作ノブおよびカバーガイド部を示す斜視図である。
【図9】図6の9a−9a線断面図、図6の9b−9b線断面図である。
【図10】図1の10矢視図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】本発明に係るロック手段を説明する図である。
【図13】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを配置する例を説明する図である。
【図14】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを配置した状態でボンベカバーを閉じる例を説明する図である。
【図15】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを収納した状態を示す断面図である。
【図16】本発明に係るボンベ収納構造体に収納したカセットガスボンベを鉛直状態で使用する例を説明する図である。
【図17】本発明に係るボンベ収納構造体に収納したカセットガスボンベを傾斜状態で使用する例を説明する図である。
【図18】本発明に係るボンベ回転機構でカセットガスボンベを回転させる例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0023】
実施例に係る手持ち式作業機について説明する。なお、実施例においては本発明を適用する手持ち式作業機として刈払機を例示するが、これに限定するものではなく、例えば、噴出口から空気を噴き出すブロアや、木立の枝葉を刈る(切り落とす)チェーンソーなどの他の手持ち式作業機に本発明を適用することも可能である。
【0024】
図1〜図2に示すように、刈払機10は、操作杆12の先端部12aに設けられた刈刃(作業部)13と、操作杆12の基端部12bに設けられたエンジン(ガスエンジン)15と、エンジン15のエンジンケース16に一体に形成されたボンベ収納構造体20と、操作杆12の基端部12b近傍に設けられた掛け部17と、操作杆12の略中央に設けられたハンドル18とを備えている。
ここで、刈払機10を水平面34に載置することにより、供給ノズル23(図4参照)を通るボンベ中心線35(図4参照)が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くように配置した状態を「標準載置状態」として説明する。
【0025】
刈払機10は、ボンベ収納構造体20に収納されたカセットガスボンベ21からエンジン15にガス燃料流路41(図4参照)を経て液相状のガス燃料25(図4参照)が供給され、供給されたガス燃料25でエンジン15を駆動し、エンジン15で刈刃13を回転(作動)させる手持ち式作業機である。
エンジン15は、リコイルスタータ19のノブ19aを手で握って引張ることで始動する。
【0026】
ところで、図2(a)に示すように、刈払機10を用いて平地の雑草26を刈る際には、作業者27の上半身27aに肩掛け用ベルト28を掛け、肩掛け用ベルト28に掛け部17を掛けて上半身27aで刈払機10を支える。
この状態で、エンジン15で刈刃13を回転させた後、ハンドル18を手で握って操作杆12を前後左右に振りながら刈刃13で雑草26を刈ることができる。
ここで、平地の雑草26を刈刃13で刈る際には、刈刃13がエンジン15より低い位置に配置される。よって、エンジン15の出力取出部15a側(すなわち、操作杆12側)を下側に向けた状態でエンジン15が傾斜状に配置される。
【0027】
一方、図2(b)に示すように、立木などの枝葉29を刈る際には、刈刃13がエンジン15より高い位置に配置される。よって、エンジン15の出力取出部15a側(すなわち、操作杆12側)を上側に向けた状態でエンジン15が傾斜状に配置される。
このように、刈払機10の用途に応じてエンジン15が傾斜した場合に、カセットガスボンベ21内のガス燃料(液相)25(図4参照)を好適(十分)に使い切ることが好ましい。
【0028】
図3に示すように、ボンベ収納構造体20は、カセットガスボンベ21を収納するボンベ収納部31と、ボンベ収納部31に収納されたカセットガスボンベ21を覆うボンベカバー32と、ボンベカバー32をカバー閉位置P1(図10も参照)にロックするロック手段33とを備えている。
【0029】
図4、図5に示すように、ボンベ収納構造体20は、刈払機10を水平面34に載置した標準載置状態(図1の状態)において、カセットガスボンベ21の口金22(供給ノズル23)が下方に配置され、かつ、供給ノズル23を通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベ21を収納ケース36に収納可能である。
【0030】
カセットガスボンベ21は、例えば、通常市販されているカセットボンベが用いられる。このカセットガスボンベ21は、カセットガスボンベ21の内部に燃料取出パイプ24が収納され、燃料取出パイプ24の燃料出口部24aが供給ノズル23に連通されている。
【0031】
燃料取出パイプ24は、ボンベ中心線35に対して同軸上に設けられ、燃料取出パイプ24の燃料入口部24bがボンベ中心線35に対して直交する方向に延出されて略L型に形成されている。
ボンベ中心線35は、供給ノズル23を通るカセットガスボンベ21の中心線である。
カセットガスボンベ21によれば、カセットガスボンベ21内のガス燃料25を液相の状態で燃料入口部24bから取り出し、燃料取出パイプ24で取り出された液相のガス燃料25は供給ノズル23を経てエンジン15に導かれる。
【0032】
ボンベ収納部31は、エンジンケース16に一体に形成された収納ケース36と、収納ケース36内に設けられたボンベ支持手段37と、ボンベ支持手段37の内部に設けられた口金受部38と、口金受部38に連通されたガス燃料流路41と、ガス燃料流路41の途中に設けられた開閉切替弁42と、開閉切替弁42を開閉状態に切り換える切替ノブ43とを備えている。
【0033】
収納ケース36は、カセットガスボンベ21を縦置き(鉛直方向を向いた状態)にした状態で、カセットガスボンベ21のうちエンジン15側の半部(以下、「エンジン側半部」という)21aを収納可能なケースである。
カセットガスボンベ21のうちエンジン15側と反対側の半部(以下、「反対側半部」という)21bはボンベカバー32で覆われる。
収納ケース36の下部36a内にボンベ支持手段37が収容されている。
【0034】
ボンベ支持手段37は、収納ケース36の下部36a内に収容されたベース筒体46と、ベース筒体46内に回転自在に支持されたボンベ回転機構47とを備えている。
【0035】
ベース筒体46は、環状に形成されたベース周壁52と、ベース周壁52の底部を覆うベース底部53と、ベース周壁52の上端部52aに設けられたフランジ54とを備えている。
このベース筒体46は、ベース周壁52の上端部52aに形成された第1ベースガイド溝(第1ガイド溝)56と、フランジ54に形成された第2ベースガイド溝(第2ガイド溝)57とを備えている。
【0036】
第1ベースガイド溝56は、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23との干渉を避けるために形成された溝部である。
第2ベースガイド溝57は、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の口金22との干渉を避けるために形成された溝部である。
【0037】
ボンベ回転機構47は、環状の回転体61と、回転体61内に上下方向に移動自在(摺動自在)に支持された環状の上下動体62と、上下動体62を回転体61に上下方向に移動自在に支える上下動手段63と、回転体61に設けられた操作ノブ64と、回転体61を所定位置に保持するクリック手段65とを備えている。
このボンベ回転機構47は、カセットガスボンベ21を収納ケース36に収納した状態において、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心として回転させる機構である。
【0038】
回転体61は、ベース周壁52に沿って環状に形成された回転周壁71と、回転周壁71の下端部に設けられた底部72とを備えている。
この回転体61は、回転周壁71の上端部71aがフランジ54の下側に配置され、上端部71aに形成された第1回転ガイド溝(第1ガイド溝)74を備えている。
【0039】
第1回転ガイド溝74は、第1ベースガイド溝56と同様に、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23との干渉を避けるために形成された溝部である。
【0040】
上下動体62は、回転周壁71に沿って環状に形成され、上端部62aに形成された第1上下動ガイド溝(第1ガイド溝)77および第2上下動ガイド溝(第2ガイド溝)78と、第2上下動ガイド溝78から突出された位置決め突起79とを備えている。
【0041】
第1上下動ガイド溝77は、第1ベースガイド溝56と同様に、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23との干渉を避けるために形成された溝部である。
【0042】
第2上下動ガイド溝78は、平面視で略U字状に形成され(図6参照)、第2ベースガイド溝57と同様に、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の口金22との干渉を避けるために形成された溝部である。
加えて、第2上下動ガイド溝78は、平面視で略U字状に形成されることで、口金22を第2上下動ガイド溝78内に導き入れる溝開口部78aと、導入された口金22を支える溝支え部78bを有している。
【0043】
溝支え部78bのうち、溝開口部78aに対向する部位78cに位置決め突起79が設けられている。
位置決め突起79は、口金22の位置決め凹み22aが嵌合可能に溝開口部78aに向けて突出されている。
位置決め突起79に位置決め凹み22aを嵌合することにより、口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)を正規の取付向きに位置決めすることができる。
【0044】
上下動手段63は、上下動体62および回転体61の底部72を連結する複数のボルト82と、各々のボルト82に嵌入されたカラー83と、カラー83に支持されたばね部材84とを備えている、
ボルト82にカラー83が嵌入され、カラー83が底部72の貫通孔72aに上下動可能に貫通され、ボルト82のねじ部82aが上下動体62の下端部62bにねじ結合されている。この状態で、ボルト82の頭部82bが底部72の下方に位置している。
【0045】
第2上下動ガイド溝78の溝支え部78bに口金22が収納された状態で、口金22が溝支え部78bに向けて押圧されると、口金22からの押圧力でばね部材84が圧縮される。ばね部材84が圧縮されることにより、上下動体62が待機位置P3(図7も参照)から収納位置P4まで下方に向けて押し下げられる。
一方、第2上下動ガイド溝78の溝支え部78bから口金22が除去されると、圧縮されたばね部材84が復元し、上下動体62がばね部材84のばね力で収納位置P4から待機位置P3まで上方に向けて押し上げられる。
【0046】
図4に示すように、操作ノブ64は、回転周壁71に設けられた突片86と、突片86の先端部に設けられたつまみ部87とを備えている。
突片86は、基端部が回転周壁71に設けられ、回転周壁71からベースガイド部58およびカバーガイド部92(図1も参照)を経てボンベカバー32の外側に突出されている。
ベースガイド部58は、ベース周壁52に周方向に延びるように形成された円弧状の開口部である。
カバーガイド部92は、ボンベカバー32のカバー周壁91に周方向に延びるように形成された円弧状の開口部である(図8参照)。
【0047】
図6に示すように、つまみ部87は、カバー周壁91の外側に配置されている。
つまみ部87をカバー周壁91の外側から指でつまみ、操作ノブ64をベースガイド部58(図5参照)およびカバーガイド部92(図8参照)に沿って移動することで、回転体61および上下動体62を一体的に回転させることができる。
具体的には、操作ノブ64で回転体61および上下動体62を一体的に回転することで、操作ノブ64をホーム位置(所定位置)T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に配置することができる。
【0048】
ここで、上下動体62の位置決め突起79に口金22の位置決め凹み22aが嵌合されることにより、口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)が正規の取付向きに位置決めされている。
これにより、操作ノブ64で上下動体62を回転することで、上下動体62と一体にカセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして矢印の如く回転させることができる。
なお、ホーム位置T1とは、刈払機10(図1参照)の作業頻度が高い作業姿勢において、カセットガスボンベ21内に残存するガス燃料(液相)25(図4参照)を最も少なくできる位置をいう。
【0049】
図4に示すように、クリック手段65は、回転体61の底部72に設けられた複数のクリック凹み96と、クリック凹み96に係止可能な球体97と、球体97をクリック凹み96に保持可能なクリックばね部98とを備えている。
このクリック手段は、操作ノブ64で回転体61を回転した際に、操作ノブ64がホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に配置されたとき、クリック凹み96に球体97が保持可能に構成されている。
【0050】
これにより、操作ノブ64がホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に配置されたとき抵抗感(いわゆる、クリック感触)を与えることができる。
よって、操作ノブ64がホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4(図6参照)に配置されたことを操作者に容易に感知させることができる。
【0051】
図6、図7に示すように、操作ノブ64がホーム位置T1に配置された状態において、第1回転ガイド溝74および第1上下動ガイド溝77が第1ベースガイド溝56に対して同一直線上に配置される。
また、操作ノブ64がホーム位置T1に配置された状態において、第2上下動ガイド溝78が第2ベースガイド溝57に対して同一直線上に配置される。
【0052】
よって、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35に対して直交する方向(横方向)に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23を第1ベースガイド溝56、第1回転ガイド溝74および第1上下動ガイド溝77内に沿って収納位置まで案内(移動)することができる。
また、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の口金22を第2ベースガイド溝57および第2上下動ガイド溝78内に沿って収納位置まで案内(移動)することができる。
【0053】
カセットガスボンベ21を収納位置まで移動した際に、口金22の位置決め凹み22aが位置決め突起79に嵌合して口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)を正規の取付向きに位置決めする。
この状態において、カセットガスボンベ21の口金22が口金受部38と同軸上に配置される。
【0054】
口金受部38は、開閉切替弁42のボディ(バルブケース)42aに設けられて供給ノズル23に連通可能な部位である。この口金受部38は開閉切替弁42を経てガス燃料流路41(図4参照)に連通されている。
よって、カセットガスボンベ21の口金22を口金受部38と同軸上に配置した状態において、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35に沿って収納位置P4(図4参照)まで下降させることで、口金受部38に供給ノズル23を連通させることができる。
【0055】
このように、供給ノズル23を案内する第1回転ガイド溝74、第1上下動ガイド溝77および第1ベースガイド溝56を備え、口金22を案内する第2ベースガイド溝57および第2上下動ガイド溝78を備えた。
よって、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35に対して直交する方向に移動させて口金受部38と同軸上に配置できる。
【0056】
そして、口金受部38と同軸上に配置したカセットガスボンベ21をボンベ中心線35に沿って収納位置P4(図4参照)まで下降させて口金受部38に供給ノズル23を配置可能とした。
これにより、カセットガスボンベ21を収納して口金受部38に供給ノズル23を配置(連結)する際に、カセットガスボンベ21を斜め方向から収納させる必要がない。したがって、カセットガスボンベ21を収納する際に、供給ノズル23を曲げようとする負荷がかかることを抑えることができる。
【0057】
図3、図4に示すように、ボンベカバー32は、上端部32aが収納ケース36の上端部36bにヒンジピン101を介して回動自在に連結され、カバー閉位置P1(図4参照)とカバー開位置P2(図3参照)との間でスイング移動(揺動)可能に支持されている。
カバー閉位置P1は収納ケース36を閉塞する位置である。また、カバー開位置P2は収納ケース36を開放する位置である。
【0058】
収納ケース36にカセットガスボンベ21を縦置きに収納した状態において、ボンベカバー32をカバー閉位置P1に配置することで、カセットガスボンベ21の反対側半部21bをボンベカバー32で覆うことができる。
これにより、カセットガスボンベ21のエンジン側半部21aが収納ケース36に収納され、カセットガスボンベ21の反対側半部21bがボンベカバー32で覆われる。
【0059】
このボンベカバー32は、上端部32aに設けられた押付部93と、カバー周壁91に周方向に延びるように形成された円弧状のカバーガイド部92とを有する。
【0060】
押付部93は、ボンベカバー32をカバー閉位置P1に配置した状態において、カセットガスボンベ21の底部21cを下方に向けて押し付ける突起部である。
カセットガスボンベ21の底部21cを押付部93で下方に向けて押し付けることで、口金22からの押圧力でばね部材84が圧縮され、上下動体62が待機位置P3から収納位置P4まで下方に向けて押し下げられる。
【0061】
この状態において、刈払機10を標準載置状態(図1の状態)に配置することで、カセットガスボンベ21の口金22(供給ノズル23)が下方に配置され、かつ、供給ノズル23を通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベ21を収納ケース36に収納される。
【0062】
カバーガイド部92は、操作ノブ64の移動を許容するように、カバー周壁91に周方向に延びるように円弧状に形成されたガイド開口部である。
【0063】
図7〜図9に示すように、カバーガイド部92に沿って操作ノブ64を移動することで、操作ノブ64をホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に移動することができる。
このカバーガイド部92は、ホーム位置T1に相当する部位92aおいて開口高さH1に形成され、その他の部位が開口高さH2に形成されている。
【0064】
カバーガイド部92の開口高さH1は、つまみ部87のノブ高さH3より大きく形成されている。
よって、操作ノブ64をホーム位置T1に位置させた状態において、ボンベカバー32を開閉することができる。
【0065】
一方、カバーガイド部92の開口高さH2は、つまみ部87のノブ高さH3より小さく形成されている。
よって、操作ノブ64をホーム位置T1から離した位置(例えば、第1〜第3のツイスト位置T2〜T4)に位置させた状態において、ボンベカバー32を開閉する際にボンベカバー32がつまみ部87に干渉する。
これにより、ボンベカバー32を開閉することをつまみ部87で防ぐことができる。
【0066】
図10、図11に示すように、ロック手段33は、ボンベカバー32から切替ノブ43に向けて隆起された隆起部105と、切替ノブ43から隆起部105に向けて突出されたストッパ凸部106とを備えている。
切替ノブ43は、開閉切替弁42に備えた操作軸44の先端部に設けられている。
操作軸44は、開閉切替弁42のバルブ本体(図示せず)に連結されて開閉切替弁42を開閉操作する軸部シャフトである。
【0067】
隆起部105は、ボンベカバー32のうち切替ノブ43に対向するボス部32b(図12参照)において、側面視で略湾曲状に形成され(図12も参照)、かつ、ボンベカバー32から切替ノブ43に向けて隆起されている。
ストッパ凸部106は、隆起部105の外周縁105aの外側に対向する部位において、ボンベカバー32のボス部32bに向けて突出されている。
【0068】
図12(a)、図12(b)に示すように、このストッパ凸部106は、切替ノブ43がバルブ閉位置(閉位置)P5およびバルブ開位置(全開位置)P6間で移動する際に隆起部105の外周縁105aに沿って移動する。
そして、切替ノブ43がバルブ閉位置P5に配置されたとき(図12(a)参照)、ストッパ凸部106が隆起部105の外周縁105aから上方に離れてボンベカバー32の開閉を可能にする。
【0069】
一方、切替ノブ43がバルブ開位置P6に配置されたとき(図12(b)参照)、ストッパ凸部106に隆起部105の外周縁105aが干渉してボンベカバー32の開閉を不能にする(図17(b)も参照)。
すなわち、切替ノブ43がバルブ開位置P6に配置された状態において、ボンベカバー32を開けようとした場合、隆起部105の外周縁105aがストッパ凸部106に干渉(当接)する。
これにより、切替ノブ43がバルブ開位置P6に配置された状態において、ボンベカバー32をカバー閉位置P1にロックしてボンベカバー32が開くことを阻止できる。
【0070】
すなわち、ボンベカバー32は、図8に示す操作ノブ64がホーム位置T1に配置され、かつ、切替ノブ43がバルブ閉位置P5に配置された状態において開放可能に構成されている。
ここで、前述したように、ホーム位置T1は、刈払機10の作業頻度が高い作業姿勢において、カセットガスボンベ21内に残存するガス燃料(液相)25を最も少なくできる位置である。
これにより、図8に示す操作ノブ64をホーム位置T1に配置した状態でボンベカバー32を開放可能とすることにより、操作ノブ64の操作頻度を少なくできるので使い勝手の向上を図ることができる。
【0071】
加えて、切替ノブ43をバルブ閉位置P5に配置した状態でボンベカバー32を開放可能とすることにより、開閉切替弁42を開いた状態でボンベカバー32を開放することを防ぐことができる。
これにより、開閉切替弁42を開いた状態で、カセットガスボンベ21を収納ケース36から取り外すことを防止できる。
【0072】
つぎに、刈払機10のボンベ収納構造体20にカセットガスボンベ21を収納する例を図13〜図15に基づいて説明する。
図13(a)に示すように、刈払機10を水平面34に載置した標準載置状態において、切替ノブ43をバルブ閉位置P5に配置し、操作ノブ64をホーム位置T1に配置する。
【0073】
この状態で、ボンベカバー32をカバー閉位置P1(図10参照)からカバー開位置P2まで矢印Aの如く開放する。
ボンベカバー32を開放した状態において、カセットガスボンベ21を収納ケース36に向けてボンベ中心線35に対して直交する方向(横方向)に矢印Bの如く移動する。
【0074】
図13(b)に示すように、カセットガスボンベ21を矢印Bの如く移動する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23を第1ベースガイド溝56、第1回転ガイド溝74および第1上下動ガイド溝77内に沿って収納位置まで案内(移動)する。
同時に、カセットガスボンベ21の口金22を第2ベースガイド溝57および第2上下動ガイド溝78内に沿って収納位置まで案内(移動)する。
カセットガスボンベ21を収納位置まで移動した際に、口金22の位置決め凹み22aが位置決め突起79に嵌合して口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)を正規の取付向きに位置決めする。
【0075】
図14に示すように、カセットガスボンベ21を収納ケース36に縦置きに配置する。
この状態において、カセットガスボンベ21のエンジン側半部21a(図4参照)を収納ケース36に収納する。
【0076】
図15(a)に示すように、口金22の位置決め凹み22aが位置決め突起79に嵌合されカセットガスボンベ21を正規の取付向きに位置決めされる。
この状態において、カセットガスボンベ21の口金22が口金受部38と同軸上に配置される。
この状態において、ボンベカバー32をカバー開位置P2(図13(a)参照)からカバー閉位置P1に向けて矢印Cの如く閉じる方向にスイング移動する。
【0077】
図15(b)に示すように、ボンベカバー32をカバー閉位置P1に配置することで、ボンベカバー32の押付部93でカセットガスボンベ21の底部21cを下方に向けて矢印Fの如く押し付ける。
押付部93で底部21cを下方に向けて押し付けることで、口金22で第2上下動ガイド溝78の溝支え部78bを下方に向けて押圧する。
【0078】
口金22からの押圧力でばね部材84が圧縮され、上下動体62が待機位置P3から収納位置P4まで下方に向けて押し下げられる。
この状態において、カセットガスボンベ21の口金22(供給ノズル23)が下方に配置され、かつ、供給ノズル23を通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベ21を収納ケース36に収納することができる。
【0079】
ついで、カセットガスボンベ21を鉛直に配置した状態で刈払機10を使用する例を図16に基づいて説明する。
図16に示すように、収納ケース36(図15(b)参照)にカセットガスボンベ21を収納した状態においてカセットガスボンベ21を鉛直に配置した。
具体的には、カセットガスボンベ21の供給ノズル23を下方に配置し、かつ、ボンベ中心線35を鉛直方向あるいは略鉛直方向に配置した。
【0080】
よって、図2に示す刈払機10の用途に応じてカセットガスボンベ21が矢印D−E方向に傾斜(傾動)した場合に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23(燃料入口部24bから燃料取出パイプ24)を下側に配置できる。
これにより、ガス燃料25の液面25aがレベルL1に下降するまで、燃料入口部24bから燃料取出パイプ24内にガス燃料25を好適に導くことができる。そして、導いたガス燃料25を供給ノズル23からエンジン15(図1参照)に供給できる。
したがって、刈払機10の用途に応じてカセットガスボンベ21が傾斜した場合でも、カセットガスボンベ21内に蓄えられたガス燃料(液相)25を好適(十分)に使い切ることができる。
【0081】
つぎに、刈払機10の用途に応じてエンジン15が傾斜した場合に、カセットガスボンベ21内のガス燃料25を好適(十分)に使い切る例を図17、図18に基づいて説明する。
図17(a)に示すように、刈払機10(図2参照)をカセットガスボンベ21を傾斜角θに配置し、かつ、燃料取出パイプ24の燃料入口部24bを上向きに配置した状態で使用することが考えられる。
【0082】
カセットガスボンベ21内の液相状のガス燃料25の残量が少なくなった場合、ガス燃料25の液面25aがレベルL2まで下降して燃料入口部24bの下側に位置する。
このため、燃料入口部24bから燃料取出パイプ24内にガス燃料25を導くことは難しい。
【0083】
図17(b)に示すように、操作ノブ64をつまんで矢印F−Gの如く移動する。操作ノブ64を移動することで、回転体61(図4参照)および上下動体62が一体的に矢印F−G方向に回転する。
ここで、上下動体62の位置決め突起79に口金22の位置決め凹み22aが嵌合されているので、上下動体62と一体にカセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして矢印F−G方向に回転する。
【0084】
図18(a)に示すように、操作ノブ64を操作エリアEの範囲で操作する。操作ノブ64をホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4のなかから選択した1つの位置(以下、「選択位置」という)に配置する。
ここで、操作ノブ64を選択位置に配置したとき、クリック凹み96に球体97(図4参照)が保持され、抵抗感(いわゆる、クリック感触)を与えることができる。
よって、操作ノブ64が選択位置に配置されたことを操作者に容易に感知させることができる。
【0085】
図18(b)に示すように、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして矢印F−Gの方向に回転することで、燃料取出パイプ24の燃料入口部24bを下向き(すなわち、液相状のガス燃料25を吸い込みやすい位置)に配置できる。
よって、燃料入口部24bを、カセットガスボンベ21内に蓄えられたガス燃料25の液面25aの下側に配置することができる。
【0086】
これにより、ガス燃料25の液面25aがレベルL3に下降するまで、燃料入口部24bから燃料取出パイプ24内にガス燃料25を導くことができる。そして、導いたガス燃料25を供給ノズル23からエンジン15(図1参照)に供給できる。
このように、操作ノブ64を操作してカセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして回転可能に構成した。
したがって、図2に示す刈払機10の用途に応じてエンジン15が傾斜した場合に、カセットガスボンベ21内の液相状のガス燃料25を好適(十分)に使い切ることができる。
【0087】
なお、本発明に係る手持ち式作業機10は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、手持ち式作業機として刈払機を例示したが、これに限定するものではなく、例えば、噴出口から空気を噴き出すブロアや、木立の枝葉を刈る(切り落とす)チェーンソーなどの他の手持ち式作業機に本発明を適用することも可能である。
【0088】
また、前記実施例では、操作ノブ64を静止(配置)させる位置として、ホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4の4箇所を例示したが、これに限らないで、操作ノブ64を静止(配置)させる位置は適宜選択することが可能である。
【0089】
さらに、前記実施例のクリック手段65は例示した構成に限定するものではなく適宜変更が可能である。
【0090】
また、前記実施例で示した刈払機10、刈刃13、エンジン15、ボンベ収納構造体20、カセットガスボンベ21、口金22、供給ノズル23、ボンベカバー32、水平面34、収納ケース36、口金受部38、ガス燃料流路41、開閉切替弁42、切替ノブ43、ボンベ回転機構47、第1ベースガイド溝56、第2ベースガイド溝57、操作ノブ64、第1回転ガイド溝74、第1上下動ガイド溝77および第2上下動ガイド溝78などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給してエンジンを駆動し、エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機への適用に好適である。
【符号の説明】
【0092】
10…刈払機(手持ち式作業機)、13…刈刃(作業部)、15…エンジン、20…ボンベ収納構造体、21…カセットガスボンベ、22…口金、23…供給ノズル、32…ボンベカバー、34…水平面、35…ボンベ中心線、36…収納ケース、38…口金受部、41…ガス燃料流路、42…開閉切替弁、43…切替ノブ、47…ボンベ回転機構、56…第1ベースガイド溝(第1ガイド溝)、57…第2ベースガイド溝(第2ガイド溝)、64…操作ノブ、74…第1回転ガイド溝(第1ガイド溝)、77…第1上下動ガイド溝(第1ガイド溝)、78…第2上下動ガイド溝(第2ガイド溝)、P5…バルブ閉位置(閉位置)、T1…ホーム位置(所定位置)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給してエンジンを駆動し、エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち式作業機のなかにはエンジン(ガスエンジン)を駆動源として備えた刈払機が知られている。この刈払機は、収納ケースにカセットガスボンベが略水平に収納され、カセットガスボンベの供給ノズルからエンジンにガス燃料を供給してエンジンを駆動し、エンジンで作業部(刈刃)を回転させるものである。
【0003】
刈払機を用いて雑草を刈る際には、作業者の上半身に肩掛け用ベルトを掛け、肩掛け用ベルトに刈払機を吊して上半身で支える。刈払機を支えた状態で、刈刃をエンジンで回転させて刈刃で雑草を刈ることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3−116751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の刈払機は、収納ケースにカセットガスボンベが略水平に収納されている。よって、平地の雑草を刈刃で刈る際には、刈刃がエンジンより低い位置に配置される。このため、カセットガスボンベの供給ノズルが下側に位置した状態で、カセットガスボンベが傾斜状に配置される。
【0006】
一方、立木などの枝葉を刈る際には、刈刃がエンジンより高い位置に配置される。このため、カセットガスボンベの供給ノズルが上側に位置した状態で、カセットガスボンベが傾斜状に配置される。
このように、刈払機の用途に応じてカセットガスボンベが傾斜することで、カセットガスボンベ内のガス燃料を好適(十分)に使い切ることが難しい場合がある。
【0007】
本発明は、カセットガスボンベ内のガス燃料を好適(十分)に使い切ることができる手持ち式作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給し、供給されたガス燃料で前記エンジンを駆動し、前記エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機であって、前記手持ち式作業機を水平面に載置した標準載置状態において、前記カセットガスボンベの供給ノズルが下方に配置された状態で、前記供給ノズルを通るボンベ中心線が略鉛直方向を向くように前記カセットガスボンベを収納ケースに収納可能としたことを特徴とする。
【0009】
ここで、カセットガスボンベは、例えば、通常市販されているカセットボンベが用いられる。このカセットガスボンベは、カセットガスボンベの内部に燃料取出パイプが収納され、燃料取出パイプの出口が供給ノズルに連通されている。
燃料取出パイプは、略L型に形成され、燃料取出パイプの燃料入口部がボンベ中心線に対して直交する方向に配置されている。
ボンベ中心線は、供給ノズルを通るカセットガスボンベの中心線である。
【0010】
よって、カセットガスボンベを傾斜させて用いる際に、燃料取出パイプの燃料入口部を下側に配置することができる。このように、燃料取出パイプの燃料入口部を下側に配置することで、カセットガスボンベ内のガス燃料を液相の状態で燃料入口部から好適に取り出すことが可能になる。
燃料取出パイプで取り出された液相のガス燃料は供給ノズルを経てエンジンに導かれる。
【0011】
そこで、請求項1において、カセットガスボンベの供給ノズルが下方に配置された状態で、供給ノズルを通るボンベ中心線が略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベを収納した。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記カセットガスボンベを前記収納ケースに収納した状態において、前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線を中心として回転させるボンベ回転機構を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記ボンベ回転機構に前記カセットガスボンベの回転を操作する操作ノブを備えるとともに、前記操作ノブを前記カセットガスボンベを覆うボンベカバーの外側に突出させ、前記操作ノブが前記カセットガスボンベ内の前記ガス燃料を最も少なくできる所定位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記カセットガスボンベから前記エンジンに前記ガス燃料を導くガス燃料流路の途中に開閉切替弁を備え、前記開閉切替弁の開閉状態を切り替える切替ノブを備え、前記切替ノブが閉位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に対して直交する方向に移動させて収納ケースに収納する際に、前記カセットガスボンベの前記供給ノズルを案内する第1ガイド溝と、前記カセットガスボンベの口金を案内する第2ガイド溝と、を備え、前記供給ノズルを前記第1ガイド溝に沿って案内するとともに、前記口金を第2ガイド溝に沿って案内することで、前記カセットガスボンベを口金受部と同軸上に配置し、同軸上に配置した前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に沿って下降させることで、前記口金受部に供給ノズルを配置可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、カセットガスボンベを収納した状態において、カセットガスボンベの供給ノズルを下方に配置し、かつ、ボンベ中心線を略鉛直方向に配置した。
よって、刈払機の用途に応じてカセットガスボンベが傾斜した場合に、カセットガスボンベの供給ノズル(燃料取出パイプの燃料入口部)を下側に配置可能である。
これにより、刈払機の用途に応じてカセットガスボンベが傾斜した場合でも、カセットガスボンベ内に蓄えられたガス燃料(液相)を好適(十分)に使い切ることができる。
【0017】
請求項2に係る発明では、ボンベ回転機構を備えることで、カセットガスボンベをボンベ中心線を中心として回転させることができる。
ここで、供給ノズルに連通する燃料取出パイプは略L型に形成されている。よって、カセットガスボンベをボンベ中心線を中心として回転させることで、液相状のガス燃料の残量が少なくなった場合、液相状のガス燃料を吸い込みやすい位置に燃料取出パイプの燃料入口部を合わせることができる。
これにより、カセットガスボンベ内に残存するガス燃料(液相)を一層好適(十分)に使い切ることができる。
【0018】
請求項3に係る発明では、カセットガスボンベ内のガス燃料を最も少なくできる所定位置に操作ノブを配置した状態においてボンベカバーを開放可能とした。
このように、操作ノブを所定位置に配置した状態でボンベカバーを開放可能とすることにより、操作ノブの操作頻度を少なくできるので使い勝手の向上を図ることができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、切替ノブを閉位置に配置した状態でボンベカバーを開放可能とした。よって、開閉切替弁を開いた状態でボンベカバーを開放することを防ぐことができる。
これにより、開閉切替弁を開いた状態で、カセットガスボンベを収納ケースから取り外すことを防止できる。
【0020】
請求項5に係る発明では、供給ノズルを案内する第1ガイド溝を備え、口金を案内する第2ガイド溝を備えることで、カセットガスボンベをボンベ中心線に対して直交する方向に移動させて口金受部と同軸上に配置できる。
そして、口金受部と同軸上に配置したカセットガスボンベをボンベ中心線に沿って下降させて口金受部に供給ノズルを配置可能とした。
これにより、口金受部に供給ノズルを配置する際に、供給ノズルを曲げようとする負荷がかかることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る手持ち式作業機(刈払機)を示す斜視図である。
【図2】図1に示す刈払機の使用例を説明する図である。
【図3】図1のボンベ収納構造体のボンベカバーを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを収納した状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るボンベ支持手段を示す斜視図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】本発明に係るボンベ収納構造体の操作ノブおよびカバーガイド部を示す斜視図である。
【図9】図6の9a−9a線断面図、図6の9b−9b線断面図である。
【図10】図1の10矢視図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】本発明に係るロック手段を説明する図である。
【図13】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを配置する例を説明する図である。
【図14】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを配置した状態でボンベカバーを閉じる例を説明する図である。
【図15】本発明に係るボンベ収納構造体にカセットガスボンベを収納した状態を示す断面図である。
【図16】本発明に係るボンベ収納構造体に収納したカセットガスボンベを鉛直状態で使用する例を説明する図である。
【図17】本発明に係るボンベ収納構造体に収納したカセットガスボンベを傾斜状態で使用する例を説明する図である。
【図18】本発明に係るボンベ回転機構でカセットガスボンベを回転させる例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0023】
実施例に係る手持ち式作業機について説明する。なお、実施例においては本発明を適用する手持ち式作業機として刈払機を例示するが、これに限定するものではなく、例えば、噴出口から空気を噴き出すブロアや、木立の枝葉を刈る(切り落とす)チェーンソーなどの他の手持ち式作業機に本発明を適用することも可能である。
【0024】
図1〜図2に示すように、刈払機10は、操作杆12の先端部12aに設けられた刈刃(作業部)13と、操作杆12の基端部12bに設けられたエンジン(ガスエンジン)15と、エンジン15のエンジンケース16に一体に形成されたボンベ収納構造体20と、操作杆12の基端部12b近傍に設けられた掛け部17と、操作杆12の略中央に設けられたハンドル18とを備えている。
ここで、刈払機10を水平面34に載置することにより、供給ノズル23(図4参照)を通るボンベ中心線35(図4参照)が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くように配置した状態を「標準載置状態」として説明する。
【0025】
刈払機10は、ボンベ収納構造体20に収納されたカセットガスボンベ21からエンジン15にガス燃料流路41(図4参照)を経て液相状のガス燃料25(図4参照)が供給され、供給されたガス燃料25でエンジン15を駆動し、エンジン15で刈刃13を回転(作動)させる手持ち式作業機である。
エンジン15は、リコイルスタータ19のノブ19aを手で握って引張ることで始動する。
【0026】
ところで、図2(a)に示すように、刈払機10を用いて平地の雑草26を刈る際には、作業者27の上半身27aに肩掛け用ベルト28を掛け、肩掛け用ベルト28に掛け部17を掛けて上半身27aで刈払機10を支える。
この状態で、エンジン15で刈刃13を回転させた後、ハンドル18を手で握って操作杆12を前後左右に振りながら刈刃13で雑草26を刈ることができる。
ここで、平地の雑草26を刈刃13で刈る際には、刈刃13がエンジン15より低い位置に配置される。よって、エンジン15の出力取出部15a側(すなわち、操作杆12側)を下側に向けた状態でエンジン15が傾斜状に配置される。
【0027】
一方、図2(b)に示すように、立木などの枝葉29を刈る際には、刈刃13がエンジン15より高い位置に配置される。よって、エンジン15の出力取出部15a側(すなわち、操作杆12側)を上側に向けた状態でエンジン15が傾斜状に配置される。
このように、刈払機10の用途に応じてエンジン15が傾斜した場合に、カセットガスボンベ21内のガス燃料(液相)25(図4参照)を好適(十分)に使い切ることが好ましい。
【0028】
図3に示すように、ボンベ収納構造体20は、カセットガスボンベ21を収納するボンベ収納部31と、ボンベ収納部31に収納されたカセットガスボンベ21を覆うボンベカバー32と、ボンベカバー32をカバー閉位置P1(図10も参照)にロックするロック手段33とを備えている。
【0029】
図4、図5に示すように、ボンベ収納構造体20は、刈払機10を水平面34に載置した標準載置状態(図1の状態)において、カセットガスボンベ21の口金22(供給ノズル23)が下方に配置され、かつ、供給ノズル23を通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベ21を収納ケース36に収納可能である。
【0030】
カセットガスボンベ21は、例えば、通常市販されているカセットボンベが用いられる。このカセットガスボンベ21は、カセットガスボンベ21の内部に燃料取出パイプ24が収納され、燃料取出パイプ24の燃料出口部24aが供給ノズル23に連通されている。
【0031】
燃料取出パイプ24は、ボンベ中心線35に対して同軸上に設けられ、燃料取出パイプ24の燃料入口部24bがボンベ中心線35に対して直交する方向に延出されて略L型に形成されている。
ボンベ中心線35は、供給ノズル23を通るカセットガスボンベ21の中心線である。
カセットガスボンベ21によれば、カセットガスボンベ21内のガス燃料25を液相の状態で燃料入口部24bから取り出し、燃料取出パイプ24で取り出された液相のガス燃料25は供給ノズル23を経てエンジン15に導かれる。
【0032】
ボンベ収納部31は、エンジンケース16に一体に形成された収納ケース36と、収納ケース36内に設けられたボンベ支持手段37と、ボンベ支持手段37の内部に設けられた口金受部38と、口金受部38に連通されたガス燃料流路41と、ガス燃料流路41の途中に設けられた開閉切替弁42と、開閉切替弁42を開閉状態に切り換える切替ノブ43とを備えている。
【0033】
収納ケース36は、カセットガスボンベ21を縦置き(鉛直方向を向いた状態)にした状態で、カセットガスボンベ21のうちエンジン15側の半部(以下、「エンジン側半部」という)21aを収納可能なケースである。
カセットガスボンベ21のうちエンジン15側と反対側の半部(以下、「反対側半部」という)21bはボンベカバー32で覆われる。
収納ケース36の下部36a内にボンベ支持手段37が収容されている。
【0034】
ボンベ支持手段37は、収納ケース36の下部36a内に収容されたベース筒体46と、ベース筒体46内に回転自在に支持されたボンベ回転機構47とを備えている。
【0035】
ベース筒体46は、環状に形成されたベース周壁52と、ベース周壁52の底部を覆うベース底部53と、ベース周壁52の上端部52aに設けられたフランジ54とを備えている。
このベース筒体46は、ベース周壁52の上端部52aに形成された第1ベースガイド溝(第1ガイド溝)56と、フランジ54に形成された第2ベースガイド溝(第2ガイド溝)57とを備えている。
【0036】
第1ベースガイド溝56は、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23との干渉を避けるために形成された溝部である。
第2ベースガイド溝57は、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の口金22との干渉を避けるために形成された溝部である。
【0037】
ボンベ回転機構47は、環状の回転体61と、回転体61内に上下方向に移動自在(摺動自在)に支持された環状の上下動体62と、上下動体62を回転体61に上下方向に移動自在に支える上下動手段63と、回転体61に設けられた操作ノブ64と、回転体61を所定位置に保持するクリック手段65とを備えている。
このボンベ回転機構47は、カセットガスボンベ21を収納ケース36に収納した状態において、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心として回転させる機構である。
【0038】
回転体61は、ベース周壁52に沿って環状に形成された回転周壁71と、回転周壁71の下端部に設けられた底部72とを備えている。
この回転体61は、回転周壁71の上端部71aがフランジ54の下側に配置され、上端部71aに形成された第1回転ガイド溝(第1ガイド溝)74を備えている。
【0039】
第1回転ガイド溝74は、第1ベースガイド溝56と同様に、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23との干渉を避けるために形成された溝部である。
【0040】
上下動体62は、回転周壁71に沿って環状に形成され、上端部62aに形成された第1上下動ガイド溝(第1ガイド溝)77および第2上下動ガイド溝(第2ガイド溝)78と、第2上下動ガイド溝78から突出された位置決め突起79とを備えている。
【0041】
第1上下動ガイド溝77は、第1ベースガイド溝56と同様に、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23との干渉を避けるために形成された溝部である。
【0042】
第2上下動ガイド溝78は、平面視で略U字状に形成され(図6参照)、第2ベースガイド溝57と同様に、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の口金22との干渉を避けるために形成された溝部である。
加えて、第2上下動ガイド溝78は、平面視で略U字状に形成されることで、口金22を第2上下動ガイド溝78内に導き入れる溝開口部78aと、導入された口金22を支える溝支え部78bを有している。
【0043】
溝支え部78bのうち、溝開口部78aに対向する部位78cに位置決め突起79が設けられている。
位置決め突起79は、口金22の位置決め凹み22aが嵌合可能に溝開口部78aに向けて突出されている。
位置決め突起79に位置決め凹み22aを嵌合することにより、口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)を正規の取付向きに位置決めすることができる。
【0044】
上下動手段63は、上下動体62および回転体61の底部72を連結する複数のボルト82と、各々のボルト82に嵌入されたカラー83と、カラー83に支持されたばね部材84とを備えている、
ボルト82にカラー83が嵌入され、カラー83が底部72の貫通孔72aに上下動可能に貫通され、ボルト82のねじ部82aが上下動体62の下端部62bにねじ結合されている。この状態で、ボルト82の頭部82bが底部72の下方に位置している。
【0045】
第2上下動ガイド溝78の溝支え部78bに口金22が収納された状態で、口金22が溝支え部78bに向けて押圧されると、口金22からの押圧力でばね部材84が圧縮される。ばね部材84が圧縮されることにより、上下動体62が待機位置P3(図7も参照)から収納位置P4まで下方に向けて押し下げられる。
一方、第2上下動ガイド溝78の溝支え部78bから口金22が除去されると、圧縮されたばね部材84が復元し、上下動体62がばね部材84のばね力で収納位置P4から待機位置P3まで上方に向けて押し上げられる。
【0046】
図4に示すように、操作ノブ64は、回転周壁71に設けられた突片86と、突片86の先端部に設けられたつまみ部87とを備えている。
突片86は、基端部が回転周壁71に設けられ、回転周壁71からベースガイド部58およびカバーガイド部92(図1も参照)を経てボンベカバー32の外側に突出されている。
ベースガイド部58は、ベース周壁52に周方向に延びるように形成された円弧状の開口部である。
カバーガイド部92は、ボンベカバー32のカバー周壁91に周方向に延びるように形成された円弧状の開口部である(図8参照)。
【0047】
図6に示すように、つまみ部87は、カバー周壁91の外側に配置されている。
つまみ部87をカバー周壁91の外側から指でつまみ、操作ノブ64をベースガイド部58(図5参照)およびカバーガイド部92(図8参照)に沿って移動することで、回転体61および上下動体62を一体的に回転させることができる。
具体的には、操作ノブ64で回転体61および上下動体62を一体的に回転することで、操作ノブ64をホーム位置(所定位置)T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に配置することができる。
【0048】
ここで、上下動体62の位置決め突起79に口金22の位置決め凹み22aが嵌合されることにより、口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)が正規の取付向きに位置決めされている。
これにより、操作ノブ64で上下動体62を回転することで、上下動体62と一体にカセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして矢印の如く回転させることができる。
なお、ホーム位置T1とは、刈払機10(図1参照)の作業頻度が高い作業姿勢において、カセットガスボンベ21内に残存するガス燃料(液相)25(図4参照)を最も少なくできる位置をいう。
【0049】
図4に示すように、クリック手段65は、回転体61の底部72に設けられた複数のクリック凹み96と、クリック凹み96に係止可能な球体97と、球体97をクリック凹み96に保持可能なクリックばね部98とを備えている。
このクリック手段は、操作ノブ64で回転体61を回転した際に、操作ノブ64がホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に配置されたとき、クリック凹み96に球体97が保持可能に構成されている。
【0050】
これにより、操作ノブ64がホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に配置されたとき抵抗感(いわゆる、クリック感触)を与えることができる。
よって、操作ノブ64がホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4(図6参照)に配置されたことを操作者に容易に感知させることができる。
【0051】
図6、図7に示すように、操作ノブ64がホーム位置T1に配置された状態において、第1回転ガイド溝74および第1上下動ガイド溝77が第1ベースガイド溝56に対して同一直線上に配置される。
また、操作ノブ64がホーム位置T1に配置された状態において、第2上下動ガイド溝78が第2ベースガイド溝57に対して同一直線上に配置される。
【0052】
よって、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35に対して直交する方向(横方向)に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23を第1ベースガイド溝56、第1回転ガイド溝74および第1上下動ガイド溝77内に沿って収納位置まで案内(移動)することができる。
また、カセットガスボンベ21を横方向に矢印の如く移動させて収納ケース36に収容する際に、カセットガスボンベ21の口金22を第2ベースガイド溝57および第2上下動ガイド溝78内に沿って収納位置まで案内(移動)することができる。
【0053】
カセットガスボンベ21を収納位置まで移動した際に、口金22の位置決め凹み22aが位置決め突起79に嵌合して口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)を正規の取付向きに位置決めする。
この状態において、カセットガスボンベ21の口金22が口金受部38と同軸上に配置される。
【0054】
口金受部38は、開閉切替弁42のボディ(バルブケース)42aに設けられて供給ノズル23に連通可能な部位である。この口金受部38は開閉切替弁42を経てガス燃料流路41(図4参照)に連通されている。
よって、カセットガスボンベ21の口金22を口金受部38と同軸上に配置した状態において、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35に沿って収納位置P4(図4参照)まで下降させることで、口金受部38に供給ノズル23を連通させることができる。
【0055】
このように、供給ノズル23を案内する第1回転ガイド溝74、第1上下動ガイド溝77および第1ベースガイド溝56を備え、口金22を案内する第2ベースガイド溝57および第2上下動ガイド溝78を備えた。
よって、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35に対して直交する方向に移動させて口金受部38と同軸上に配置できる。
【0056】
そして、口金受部38と同軸上に配置したカセットガスボンベ21をボンベ中心線35に沿って収納位置P4(図4参照)まで下降させて口金受部38に供給ノズル23を配置可能とした。
これにより、カセットガスボンベ21を収納して口金受部38に供給ノズル23を配置(連結)する際に、カセットガスボンベ21を斜め方向から収納させる必要がない。したがって、カセットガスボンベ21を収納する際に、供給ノズル23を曲げようとする負荷がかかることを抑えることができる。
【0057】
図3、図4に示すように、ボンベカバー32は、上端部32aが収納ケース36の上端部36bにヒンジピン101を介して回動自在に連結され、カバー閉位置P1(図4参照)とカバー開位置P2(図3参照)との間でスイング移動(揺動)可能に支持されている。
カバー閉位置P1は収納ケース36を閉塞する位置である。また、カバー開位置P2は収納ケース36を開放する位置である。
【0058】
収納ケース36にカセットガスボンベ21を縦置きに収納した状態において、ボンベカバー32をカバー閉位置P1に配置することで、カセットガスボンベ21の反対側半部21bをボンベカバー32で覆うことができる。
これにより、カセットガスボンベ21のエンジン側半部21aが収納ケース36に収納され、カセットガスボンベ21の反対側半部21bがボンベカバー32で覆われる。
【0059】
このボンベカバー32は、上端部32aに設けられた押付部93と、カバー周壁91に周方向に延びるように形成された円弧状のカバーガイド部92とを有する。
【0060】
押付部93は、ボンベカバー32をカバー閉位置P1に配置した状態において、カセットガスボンベ21の底部21cを下方に向けて押し付ける突起部である。
カセットガスボンベ21の底部21cを押付部93で下方に向けて押し付けることで、口金22からの押圧力でばね部材84が圧縮され、上下動体62が待機位置P3から収納位置P4まで下方に向けて押し下げられる。
【0061】
この状態において、刈払機10を標準載置状態(図1の状態)に配置することで、カセットガスボンベ21の口金22(供給ノズル23)が下方に配置され、かつ、供給ノズル23を通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベ21を収納ケース36に収納される。
【0062】
カバーガイド部92は、操作ノブ64の移動を許容するように、カバー周壁91に周方向に延びるように円弧状に形成されたガイド開口部である。
【0063】
図7〜図9に示すように、カバーガイド部92に沿って操作ノブ64を移動することで、操作ノブ64をホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4に移動することができる。
このカバーガイド部92は、ホーム位置T1に相当する部位92aおいて開口高さH1に形成され、その他の部位が開口高さH2に形成されている。
【0064】
カバーガイド部92の開口高さH1は、つまみ部87のノブ高さH3より大きく形成されている。
よって、操作ノブ64をホーム位置T1に位置させた状態において、ボンベカバー32を開閉することができる。
【0065】
一方、カバーガイド部92の開口高さH2は、つまみ部87のノブ高さH3より小さく形成されている。
よって、操作ノブ64をホーム位置T1から離した位置(例えば、第1〜第3のツイスト位置T2〜T4)に位置させた状態において、ボンベカバー32を開閉する際にボンベカバー32がつまみ部87に干渉する。
これにより、ボンベカバー32を開閉することをつまみ部87で防ぐことができる。
【0066】
図10、図11に示すように、ロック手段33は、ボンベカバー32から切替ノブ43に向けて隆起された隆起部105と、切替ノブ43から隆起部105に向けて突出されたストッパ凸部106とを備えている。
切替ノブ43は、開閉切替弁42に備えた操作軸44の先端部に設けられている。
操作軸44は、開閉切替弁42のバルブ本体(図示せず)に連結されて開閉切替弁42を開閉操作する軸部シャフトである。
【0067】
隆起部105は、ボンベカバー32のうち切替ノブ43に対向するボス部32b(図12参照)において、側面視で略湾曲状に形成され(図12も参照)、かつ、ボンベカバー32から切替ノブ43に向けて隆起されている。
ストッパ凸部106は、隆起部105の外周縁105aの外側に対向する部位において、ボンベカバー32のボス部32bに向けて突出されている。
【0068】
図12(a)、図12(b)に示すように、このストッパ凸部106は、切替ノブ43がバルブ閉位置(閉位置)P5およびバルブ開位置(全開位置)P6間で移動する際に隆起部105の外周縁105aに沿って移動する。
そして、切替ノブ43がバルブ閉位置P5に配置されたとき(図12(a)参照)、ストッパ凸部106が隆起部105の外周縁105aから上方に離れてボンベカバー32の開閉を可能にする。
【0069】
一方、切替ノブ43がバルブ開位置P6に配置されたとき(図12(b)参照)、ストッパ凸部106に隆起部105の外周縁105aが干渉してボンベカバー32の開閉を不能にする(図17(b)も参照)。
すなわち、切替ノブ43がバルブ開位置P6に配置された状態において、ボンベカバー32を開けようとした場合、隆起部105の外周縁105aがストッパ凸部106に干渉(当接)する。
これにより、切替ノブ43がバルブ開位置P6に配置された状態において、ボンベカバー32をカバー閉位置P1にロックしてボンベカバー32が開くことを阻止できる。
【0070】
すなわち、ボンベカバー32は、図8に示す操作ノブ64がホーム位置T1に配置され、かつ、切替ノブ43がバルブ閉位置P5に配置された状態において開放可能に構成されている。
ここで、前述したように、ホーム位置T1は、刈払機10の作業頻度が高い作業姿勢において、カセットガスボンベ21内に残存するガス燃料(液相)25を最も少なくできる位置である。
これにより、図8に示す操作ノブ64をホーム位置T1に配置した状態でボンベカバー32を開放可能とすることにより、操作ノブ64の操作頻度を少なくできるので使い勝手の向上を図ることができる。
【0071】
加えて、切替ノブ43をバルブ閉位置P5に配置した状態でボンベカバー32を開放可能とすることにより、開閉切替弁42を開いた状態でボンベカバー32を開放することを防ぐことができる。
これにより、開閉切替弁42を開いた状態で、カセットガスボンベ21を収納ケース36から取り外すことを防止できる。
【0072】
つぎに、刈払機10のボンベ収納構造体20にカセットガスボンベ21を収納する例を図13〜図15に基づいて説明する。
図13(a)に示すように、刈払機10を水平面34に載置した標準載置状態において、切替ノブ43をバルブ閉位置P5に配置し、操作ノブ64をホーム位置T1に配置する。
【0073】
この状態で、ボンベカバー32をカバー閉位置P1(図10参照)からカバー開位置P2まで矢印Aの如く開放する。
ボンベカバー32を開放した状態において、カセットガスボンベ21を収納ケース36に向けてボンベ中心線35に対して直交する方向(横方向)に矢印Bの如く移動する。
【0074】
図13(b)に示すように、カセットガスボンベ21を矢印Bの如く移動する際に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23を第1ベースガイド溝56、第1回転ガイド溝74および第1上下動ガイド溝77内に沿って収納位置まで案内(移動)する。
同時に、カセットガスボンベ21の口金22を第2ベースガイド溝57および第2上下動ガイド溝78内に沿って収納位置まで案内(移動)する。
カセットガスボンベ21を収納位置まで移動した際に、口金22の位置決め凹み22aが位置決め突起79に嵌合して口金22(すなわち、カセットガスボンベ21)を正規の取付向きに位置決めする。
【0075】
図14に示すように、カセットガスボンベ21を収納ケース36に縦置きに配置する。
この状態において、カセットガスボンベ21のエンジン側半部21a(図4参照)を収納ケース36に収納する。
【0076】
図15(a)に示すように、口金22の位置決め凹み22aが位置決め突起79に嵌合されカセットガスボンベ21を正規の取付向きに位置決めされる。
この状態において、カセットガスボンベ21の口金22が口金受部38と同軸上に配置される。
この状態において、ボンベカバー32をカバー開位置P2(図13(a)参照)からカバー閉位置P1に向けて矢印Cの如く閉じる方向にスイング移動する。
【0077】
図15(b)に示すように、ボンベカバー32をカバー閉位置P1に配置することで、ボンベカバー32の押付部93でカセットガスボンベ21の底部21cを下方に向けて矢印Fの如く押し付ける。
押付部93で底部21cを下方に向けて押し付けることで、口金22で第2上下動ガイド溝78の溝支え部78bを下方に向けて押圧する。
【0078】
口金22からの押圧力でばね部材84が圧縮され、上下動体62が待機位置P3から収納位置P4まで下方に向けて押し下げられる。
この状態において、カセットガスボンベ21の口金22(供給ノズル23)が下方に配置され、かつ、供給ノズル23を通るボンベ中心線35が鉛直方向あるいは略鉛直方向を向くようにカセットガスボンベ21を収納ケース36に収納することができる。
【0079】
ついで、カセットガスボンベ21を鉛直に配置した状態で刈払機10を使用する例を図16に基づいて説明する。
図16に示すように、収納ケース36(図15(b)参照)にカセットガスボンベ21を収納した状態においてカセットガスボンベ21を鉛直に配置した。
具体的には、カセットガスボンベ21の供給ノズル23を下方に配置し、かつ、ボンベ中心線35を鉛直方向あるいは略鉛直方向に配置した。
【0080】
よって、図2に示す刈払機10の用途に応じてカセットガスボンベ21が矢印D−E方向に傾斜(傾動)した場合に、カセットガスボンベ21の供給ノズル23(燃料入口部24bから燃料取出パイプ24)を下側に配置できる。
これにより、ガス燃料25の液面25aがレベルL1に下降するまで、燃料入口部24bから燃料取出パイプ24内にガス燃料25を好適に導くことができる。そして、導いたガス燃料25を供給ノズル23からエンジン15(図1参照)に供給できる。
したがって、刈払機10の用途に応じてカセットガスボンベ21が傾斜した場合でも、カセットガスボンベ21内に蓄えられたガス燃料(液相)25を好適(十分)に使い切ることができる。
【0081】
つぎに、刈払機10の用途に応じてエンジン15が傾斜した場合に、カセットガスボンベ21内のガス燃料25を好適(十分)に使い切る例を図17、図18に基づいて説明する。
図17(a)に示すように、刈払機10(図2参照)をカセットガスボンベ21を傾斜角θに配置し、かつ、燃料取出パイプ24の燃料入口部24bを上向きに配置した状態で使用することが考えられる。
【0082】
カセットガスボンベ21内の液相状のガス燃料25の残量が少なくなった場合、ガス燃料25の液面25aがレベルL2まで下降して燃料入口部24bの下側に位置する。
このため、燃料入口部24bから燃料取出パイプ24内にガス燃料25を導くことは難しい。
【0083】
図17(b)に示すように、操作ノブ64をつまんで矢印F−Gの如く移動する。操作ノブ64を移動することで、回転体61(図4参照)および上下動体62が一体的に矢印F−G方向に回転する。
ここで、上下動体62の位置決め突起79に口金22の位置決め凹み22aが嵌合されているので、上下動体62と一体にカセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして矢印F−G方向に回転する。
【0084】
図18(a)に示すように、操作ノブ64を操作エリアEの範囲で操作する。操作ノブ64をホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4のなかから選択した1つの位置(以下、「選択位置」という)に配置する。
ここで、操作ノブ64を選択位置に配置したとき、クリック凹み96に球体97(図4参照)が保持され、抵抗感(いわゆる、クリック感触)を与えることができる。
よって、操作ノブ64が選択位置に配置されたことを操作者に容易に感知させることができる。
【0085】
図18(b)に示すように、カセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして矢印F−Gの方向に回転することで、燃料取出パイプ24の燃料入口部24bを下向き(すなわち、液相状のガス燃料25を吸い込みやすい位置)に配置できる。
よって、燃料入口部24bを、カセットガスボンベ21内に蓄えられたガス燃料25の液面25aの下側に配置することができる。
【0086】
これにより、ガス燃料25の液面25aがレベルL3に下降するまで、燃料入口部24bから燃料取出パイプ24内にガス燃料25を導くことができる。そして、導いたガス燃料25を供給ノズル23からエンジン15(図1参照)に供給できる。
このように、操作ノブ64を操作してカセットガスボンベ21をボンベ中心線35を中心にして回転可能に構成した。
したがって、図2に示す刈払機10の用途に応じてエンジン15が傾斜した場合に、カセットガスボンベ21内の液相状のガス燃料25を好適(十分)に使い切ることができる。
【0087】
なお、本発明に係る手持ち式作業機10は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、手持ち式作業機として刈払機を例示したが、これに限定するものではなく、例えば、噴出口から空気を噴き出すブロアや、木立の枝葉を刈る(切り落とす)チェーンソーなどの他の手持ち式作業機に本発明を適用することも可能である。
【0088】
また、前記実施例では、操作ノブ64を静止(配置)させる位置として、ホーム位置T1、第1ツイスト位置T2、第2ツイスト位置T3および第3ツイスト位置T4の4箇所を例示したが、これに限らないで、操作ノブ64を静止(配置)させる位置は適宜選択することが可能である。
【0089】
さらに、前記実施例のクリック手段65は例示した構成に限定するものではなく適宜変更が可能である。
【0090】
また、前記実施例で示した刈払機10、刈刃13、エンジン15、ボンベ収納構造体20、カセットガスボンベ21、口金22、供給ノズル23、ボンベカバー32、水平面34、収納ケース36、口金受部38、ガス燃料流路41、開閉切替弁42、切替ノブ43、ボンベ回転機構47、第1ベースガイド溝56、第2ベースガイド溝57、操作ノブ64、第1回転ガイド溝74、第1上下動ガイド溝77および第2上下動ガイド溝78などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給してエンジンを駆動し、エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機への適用に好適である。
【符号の説明】
【0092】
10…刈払機(手持ち式作業機)、13…刈刃(作業部)、15…エンジン、20…ボンベ収納構造体、21…カセットガスボンベ、22…口金、23…供給ノズル、32…ボンベカバー、34…水平面、35…ボンベ中心線、36…収納ケース、38…口金受部、41…ガス燃料流路、42…開閉切替弁、43…切替ノブ、47…ボンベ回転機構、56…第1ベースガイド溝(第1ガイド溝)、57…第2ベースガイド溝(第2ガイド溝)、64…操作ノブ、74…第1回転ガイド溝(第1ガイド溝)、77…第1上下動ガイド溝(第1ガイド溝)、78…第2上下動ガイド溝(第2ガイド溝)、P5…バルブ閉位置(閉位置)、T1…ホーム位置(所定位置)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給し、供給されたガス燃料で前記エンジンを駆動し、前記エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機であって、
前記手持ち式作業機を水平面に載置した標準載置状態において、前記カセットガスボンベの供給ノズルが下方に配置された状態で、前記供給ノズルを通るボンベ中心線が略鉛直方向を向くように前記カセットガスボンベを収納ケースに収納可能としたことを特徴とする手持ち式作業機。
【請求項2】
前記カセットガスボンベを前記収納ケースに収納した状態において、前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線を中心として回転させるボンベ回転機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の手持ち式作業機。
【請求項3】
前記ボンベ回転機構に前記カセットガスボンベの回転を操作する操作ノブを備えるとともに、前記操作ノブを前記カセットガスボンベを覆うボンベカバーの外側に突出させ、
前記操作ノブが前記カセットガスボンベ内の前記ガス燃料を最も少なくできる所定位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする請求項2記載の手持ち式作業機。
【請求項4】
前記カセットガスボンベから前記エンジンに前記ガス燃料を導くガス燃料流路の途中に開閉切替弁を備え、前記開閉切替弁の開閉状態を切り替える切替ノブを備え、
前記切替ノブが閉位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする請求項3記載の手持ち式作業機。
【請求項5】
前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に対して直交する方向に移動させて収納ケースに収納する際に、前記カセットガスボンベの前記供給ノズルを案内する第1ガイド溝と、前記カセットガスボンベの口金を案内する第2ガイド溝と、を備え、
前記供給ノズルを前記第1ガイド溝に沿って案内するとともに、前記口金を第2ガイド溝に沿って案内することで、前記カセットガスボンベを口金受部と同軸上に配置し、
同軸上に配置した前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に沿って下降させることで、前記口金受部に供給ノズルを配置可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の手持ち式作業機。
【請求項1】
カセットガスボンベからエンジンにガス燃料を供給し、供給されたガス燃料で前記エンジンを駆動し、前記エンジンで作業部を作動させる手持ち式作業機であって、
前記手持ち式作業機を水平面に載置した標準載置状態において、前記カセットガスボンベの供給ノズルが下方に配置された状態で、前記供給ノズルを通るボンベ中心線が略鉛直方向を向くように前記カセットガスボンベを収納ケースに収納可能としたことを特徴とする手持ち式作業機。
【請求項2】
前記カセットガスボンベを前記収納ケースに収納した状態において、前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線を中心として回転させるボンベ回転機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の手持ち式作業機。
【請求項3】
前記ボンベ回転機構に前記カセットガスボンベの回転を操作する操作ノブを備えるとともに、前記操作ノブを前記カセットガスボンベを覆うボンベカバーの外側に突出させ、
前記操作ノブが前記カセットガスボンベ内の前記ガス燃料を最も少なくできる所定位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする請求項2記載の手持ち式作業機。
【請求項4】
前記カセットガスボンベから前記エンジンに前記ガス燃料を導くガス燃料流路の途中に開閉切替弁を備え、前記開閉切替弁の開閉状態を切り替える切替ノブを備え、
前記切替ノブが閉位置に配置された状態において前記ボンベカバーを開放可能としたことを特徴とする請求項3記載の手持ち式作業機。
【請求項5】
前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に対して直交する方向に移動させて収納ケースに収納する際に、前記カセットガスボンベの前記供給ノズルを案内する第1ガイド溝と、前記カセットガスボンベの口金を案内する第2ガイド溝と、を備え、
前記供給ノズルを前記第1ガイド溝に沿って案内するとともに、前記口金を第2ガイド溝に沿って案内することで、前記カセットガスボンベを口金受部と同軸上に配置し、
同軸上に配置した前記カセットガスボンベを前記ボンベ中心線に沿って下降させることで、前記口金受部に供給ノズルを配置可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の手持ち式作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−208550(P2011−208550A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75873(P2010−75873)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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