説明

拡散性の有害揮発物質を吸着し無害化する方法

【課題】 現代社会においては、さまざまな文化的生産物がつくり出されて人体の身近なところにあり、その中には各種の拡散性の有害揮発物質も存在し、当該拡散性の有害揮発物質が皮膚疾患をはじめとするアレルギー症状を引き起こす例が多発しているため、当該拡散性の有害揮発物質を無害化する方法の開発が急がれている。
いわゆる合板やビニールクロスなどの建材は、製造過程において人体に有害な有機溶媒等が用いられることがあり、その場合には、製造後においても有害な有機溶媒等が長期にわたって残存するので、当該建材で建物屋内の壁などをつくると、当該有機溶媒からなる拡散性の有害揮発物質が長期にわたって発生し続け、屋内にいる人の健康に影響を及ぼすため、この改善措置が急がれる。
【解決手段】 ホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)又はその溶媒液(2)若しくは当該溶媒液塗布膜(3)を、拡散性の有害揮発物質(4)が生じた空間(5)に置くことにより、当該拡散性の有害揮発物質(4)を吸着し無害化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散性の有害揮発物質を吸着し無害化する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、珪藻土粉末又はその溶媒液若しくは当該溶媒液塗布膜を、拡散性の有害揮発物質が生じた空間におくことにより、当該拡散性の有害揮発物質を吸着する方法があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現代社会においては、さまざまな文化的生産物がつくり出されて人体の身近なところにあり、その中には各種の拡散性の有害揮発物質も存在し、当該拡散性の有害揮発物質が皮膚疾患をはじめとするアレルギー症状を引き起こす例が多発しているため、当該拡散性の有害揮発物質を無害化する方法の開発が急がれている。
珪藻土粉末又はその溶媒液塗布膜を、拡散性の有害揮発物質が生じた空間におくことにより、当該拡散性の有害揮発物質を吸着する方法はあるが、吸着の効果は長く続かず、又、当該拡散性の有害揮発物質を変質させて無害化する効果はなかった。
いわゆる合板やビニールクロスなどの建材は、製造過程において人体に有害な有機溶媒等が用いられることがあり、その場合には、製造後においても有害な有機溶媒等が長期にわたって残存するので、当該建材で建物屋内の壁などをつくると、当該有機溶媒からなる拡散性の有害揮発物質が長期にわたって発生し続け、屋内にいる人の健康に影響を及ぼすため、この改善措置が急がれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻士粉末の混合粉末(1)又はその溶媒液(2)若しくは当該溶媒液塗布膜(3)を、拡散性の有害揮発物質(4)が生じた空間(5)に置くことにより、当該拡散性の有害揮発物質(4)を吸着し無害化する。
【発明の効果】
【0005】
本発明のホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)又はその溶媒液(2)若しくは当該溶媒液塗布膜(3)を、拡散性の有害揮発物質(4)が生じた空間(5)におくことにより、当該拡散性の有害揮発物質(4)を吸着し無害化することにより人体への影響を抑えることができる。
特に、本発明のホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)を構成材料とする建物壁構成材料(6)は、アルカリ性かつ化学反応に富む性質を有するほか微細な多孔質の構造を有しているため、他の合板(7)やビニールクロス(8)などの建材(9)から発生する有機溶媒(10)からなる拡散性の有害揮発物質(4)を吸着した上でそれを変質させて無害化する。このため、拡散性の有害揮発物質(4)の人体への影響が抑えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)又はその溶媒液(2)若しくは当該溶媒液塗布膜(3)を、建物壁材料に使用する。
本発明のホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)は、ホタテ貝殻(11)を粉末化して高温で熱し放冷して調製したホタテ貝殻焼成粉末(12)と、乾燥させた珪藻土(13)を粉末化した珪藻土粉末(14)を適当な割合で混合して作る。
本発明のホタテ貝殻焼成粉末と珪藻土粉末の混合粉末の溶媒液(2)は、本発明のホタテ貝殻焼成粉末と珪藻土粉末の混合粉末(1)に、水(15)を加えて作る他、一般的な接着剤(16)を加えて作る。
本発明のホタテ貝殻焼成粉末と珪藻土粉末の混合粉末の溶媒液塗布膜(3)は、本発明のホタテ貝殻焼成粉末と珪藻土粉末の混合粉末の溶媒液(2)を板状物(17)に塗って作る。
【実施例】
【0007】
本発明の実施例としては、本発明のホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末の溶媒液(2)を、建物の壁(18)の製作時に、いわゆる合板(7)やビニールクロス(8)などの建材(9)に塗布する。又、建物の壁(18)の製作時に、本発明のホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)又はその溶媒液(2)を、混合することが可能な建材(19)と混合し新たな建材(20)を作るため使用する。
本発明を実施するためのホタテ貝殻焼成粉末(21)は、ホタテ貝殻(11)を高温で熱し放冷し粉末化したものでもよい。本発明を実施するためのホタテ貝殻焼成粉末(21)は、ホタテ貝殻(11)を適当な大きさに砕いたものを高温で熱し放冷後に粉末化したものでもよい。本発明を実施するためのホタテ貝殻焼成粉末(21)は、ホタテ貝殻(11)の代わりにホタテ貝殻(11)以外の貝殻(22)や貝殻化石(23)を使っても類似の効果がある。
本発明を実施するためのホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)又はその溶媒液(2)若しくは当該溶媒液塗布膜(3)は、吸湿効果を有するため、吸湿剤材料(24)に利用することができる。
本発明を実施するためのホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)又はその溶媒液(2)若しくは当該溶媒液塗布膜(3)は、火災など高温の状態においては二酸化炭素を放出し消炎効果を持つため、防火壁材(25)として使用することができる。
本発明を実施するためのホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末(1)を構成材料とする建物壁構成材料(6)は、微細な多孔質構造の特性上、吸音効果を持つため、屋内(26)で適当な厚さの壁層(27)を形成する場合は、防音材(28)として使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホタテ貝殻焼成粉末及び珪藻土粉末の混合粉末又はその溶媒液若しくは当該溶媒液塗布膜を、拡散性の有害揮発物質が生じた空間におくことにより、当該拡散性の有害揮発物質を吸着し無害化する方法。

【公開番号】特開2006−247330(P2006−247330A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110329(P2005−110329)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(504313882)
【Fターム(参考)】