指針照明装置
【課題】指針の反射面でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる指針照明装置を提供する。
【解決手段】光源21からの光を指針部材20の入射面M1に導く光透過性の導光部材22が、駆動軸24側に設けられた第1の導光用反射面M51と、駆動軸24側から離れた側に設けられた第2の導光用反射面M52とを有していて、第1の導光用反射面M51及び第2の導光用反射面M52で反射された光を入射面M1に導くように設けられている。第2の導光用反射面M52が、光源21からの光を反射して集光させつつ第1の導光用反射面M51に導くように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられ、第1の導光用反射面M51が、第2の導光用反射面M52からの光を反射して略平行光線に変換するように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられる。
【解決手段】光源21からの光を指針部材20の入射面M1に導く光透過性の導光部材22が、駆動軸24側に設けられた第1の導光用反射面M51と、駆動軸24側から離れた側に設けられた第2の導光用反射面M52とを有していて、第1の導光用反射面M51及び第2の導光用反射面M52で反射された光を入射面M1に導くように設けられている。第2の導光用反射面M52が、光源21からの光を反射して集光させつつ第1の導光用反射面M51に導くように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられ、第1の導光用反射面M51が、第2の導光用反射面M52からの光を反射して略平行光線に変換するように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指針照明装置に係り、特に、所定の入射面に入射された光を反射して指針先端に導く指針用反射面を有する光透過性の指針部材と、該指針部材の駆動軸の周囲に配置された光源と、該光源からの光を前記指針部材の入射面に導く光透過性の導光部材とを備えた指針照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車用メータの指針は、夜間照明機能付きメータ、自発光メータ共に夜間及び通常使用時の視認性確保の為、照明機能を有している。照明方法は、図16に示す様にメータ基板1上に設置された光源2(バルブ、LED)の光Lを、指針3側の受光面4により指針3内に導入、最終的にホットスタンプ、微細プリズムなどによる拡散/反射層5を用いて光Lを指針3外に出射させ、照明を行っている。
【0003】
また、デザイン上の要求(出来るだけ指針3は細く、明るくしたい)、指針3重量の制限(指針回転駆動用モータの駆動対象の重量制限)より、指針3側の受光面4の面積は小さくせざるを得ない。その為、指針3が回転するエリア内全てで、明るく、輝度ムラのない指針照明を実現する為に、図17の様に光源2を複数個設置している。しかし、同図斜線で示すように実際には指針3の受光面4の面積が小さい為、複数個ある光源2から出射される光Lのうち、一部の光Lしか指針3内に入射しておらず、非常にロスが大きい。
【0004】
上記のロスが大きい問題点を解決する為、特許文献1では図18の様に複数の光源2からの光Lを光導入部材6内の第1反射面7を用いて軸付近に集光、集光した光Lを第3反射面9方向に反射させる第2反射面8を経由して、最終的に第3反射面9により反射された光Lが指針3内に入光される。
【0005】
また、光源2から出射される光Lがある出射角度を持っていた場合、各反射面7、8、9には様々な角度で光が入射する。光導入部材6のうちの各反射面7、8、9は単純な傾斜、もしくは曲面となっており、全反射を満たす条件で入射する光Lのみ反射させる事が可能となる。光源2からの角度を持って出射される光Lを出来るだけ全反射条件が満たせる角度に光Lを絞り込むため、特許文献1では光源2と光導入部材6の間に導光部材10を設置、光Lを絞り込んでいる。
【0006】
しかし、上記導光部材10のような単純な円筒形状とした場合、図19に示す様に光源2の出射角度を絞り込むことは可能であるが、出射される光Lの平行度は低い。その為、全反射条件に外れた光が外に漏れる反射面7、8、9でロスが生じやすい。つまり、第1反射面7で反射された光Lのうち第2反射面8に導かれる光L、第2反射面8で反射された光Lのうち第3反射面9に導かれる光L、第3反射面9で反射された光Lのうち指針3先端に導かれる光Lが少なくなり、指針3を高輝度に発光させることができないという問題があった。
【0007】
また、出射角度を絞ったレンズ付きの光源2が有るが、あまり絞った光Lの場合、1つの光源2でカバー出来る範囲が減少する為、指針3回転範囲全てをカバーする為に、出来るだけ多くの光源2が必要となり、コストアップに繋がる。また、各反射面7、8、9にミラー処理を施すことによりロスを低減させることも考えられるが、これもコストアップに繋がる。
【0008】
また、特許文献1に記載された発明によれば、第3反射面9が指針3の駆動軸11上に設置されており、実際の指針3の発光領域は、駆動軸11上の第3反射面9から指針3先端に向けた範囲でしか設置出来ない。しかし、視認性、デザイン性向上の為、可能な限り指針3の発光領域を広く取りたい、駆動軸11上も発光領域としたいが、特許文献1に記載された発明の構成においては非常に難しい。つまり、視認性、デザイン性両面で制約が出てしまうという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−294344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、指針の反射面でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる指針照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、所定の入射面に入射された光を反射して指針先端に導く指針用反射面を有する光透過性の指針部材と、該指針部材の駆動軸の周囲に配置された光源と、該光源からの光を前記指針部材の入射面に導く光透過性の導光部材とを備えた指針照明装置において、前記導光部材が、前記駆動軸側に設けられた第1の導光用反射面と、前記駆動軸側から離れた側に設けられた第2の導光用反射面とを有していて、前記第1の導光用反射面及び前記第2の導光用反射面で反射された光を前記入射面に導くように設けられ、そして、前記第2の導光用反射面が、前記光源からの光を反射して集光させつつ前記第1の導光用反射面に導くように、光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられ、前記第1の導光用反射面が、前記第2の導光用反射面からの光を反射して略平行光線に変換するように、前記光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられたことを特徴とする指針照明装置に存する。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、導光部材の第1の導光用反射面で変換された略平行光線が指針部材の入射面に導かれるので、略平行光線が指針用反射面に入射され、指針用反射面で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができる。また、第2の導光用反射面が、光源からの光を反射して集光させつつ第1の導光用反射面に導くので、第2の導光用反射面により一旦集光した後に第1の導光用反射面で略平行光線に変換される。このため、第2の導光用反射面の集光具合で導光部材の出射面の大きさを制御することができる。即ち、導光部材内に取り込む光量をできるだけ多くする為、導光部材の入射面を大きくしても、高い効率を確保したまま出射面を小さくすることができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記第2の導光用反射面が、少なくとも前記光源の中心軸上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の指針照明装置に存する。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、第2の導光用反射面が少なくとも光軸の中心軸上に設けられているので、中心軸上の光を確実に略平衡光線に変換することができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、前記光源が、その中心軸が前記駆動軸と平行になるように配置された指針照明装置であって、前記導光部材が、前記第1の導光用反射面で変換された前記駆動軸と平行な平行光線を前記駆動軸に向かって反射して前記入射面に導く第3の導光用反射面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の指針照明装置に存する。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、第3の導光用反射面が、第1の導光用反射面で変換された駆動軸と平行な略平行光線を駆動軸に向かって反射して入射面に導くので、指針部材の入射面を駆動軸に沿った面に入射することができ、駆動軸と平行な略平行光線を直接入射面に入射する場合に比べて入射面を大きくすることができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記指針用反射面が、正面の指針後端に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記駆動軸の軸受部が突設された凹部に設けられ前記入射面から入射された光を前記第1の指針用反射面に向けて反射する第2の指針用反射面とを有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置に存する。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、入射面から入射された光が、軸受部が突設された凹部に設けた第2の指針用反射面で反射されて第2の指針用反射面に導かれるので、指針部材の回転位置に関係なく光源から出射された光を第1の指針用反射面に入射することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、前記凹部のうち最も正面側の頂点が前記軸受部よりも指針後端側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の指針照明装置に存する。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、凹部のうち最も正面側の頂点が軸受部よりも指針後端側に設けられているので、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、簡単に第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、前記指針部材が、前記第1の指針用反射面が設けられた指針本体部と、前記入射面及び前記第2の指針用反射面が設けられた光導入部とを有し、そして、前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項5に記載の指針照明装置に存する。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、屈折面が第2の指針用反射面から反射された光を第1の指針用反射面に向けて屈折するので、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、前記指針部材が、指針本体部と、前記入射面が設けられた光導入部とを有する指針照明装置であって、前記指針用反射面が、前記指針本体部の駆動軸よりも後端側に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記光導入部に設けられ前記入射面から入射された光を前記駆動軸に反射させる第2の指針用反射面とを有し、そして、前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置に存する。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、入射面から入射された光は、第2の指針用反射面で駆動軸方向に反射される。第2の指針用反射面で反射されて屈折面に入射された光は、第1の指針用反射面に向けて屈折される。従って、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、略平行光線が指針用反射面に入射され、指針用反射面で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができるので、指針の反射面でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。また、導光部材内に取り込む光量をできるだけ多くする為、導光部材の入射面を大きくしても、高い効率を確保したまま出射面を小さくすることができるので、効率的に光源からの光を指針部材に入射することができ、指針を高輝度で発光させることができる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、中心軸上の光を確実に略平衡光線に変換することができるので、より一層効率的に光源からの光を指針部材に入射することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、指針部材の入射面を駆動軸に沿った面に入射することができ、駆動軸と平行な略平行光線を直接入射面に入射する場合に比べて入射面を大きくすることができるので、効率的に光源からの光を指針部材に入射することができ、指針を高輝度で発光させることができる。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、指針部材の回転位置に関係なく光源から出射された光を第1の指針用反射面に入射することができるので、指針を高輝度で発光させることができる。
【0029】
請求項5記載の発明によれば、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、簡単に第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができるので、限られたスペース内で駆動軸よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0030】
請求項6記載の発明によれば、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができるので、限られたスペース内で駆動軸よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0031】
請求項7記載の発明によれば、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができるので、限られたスペース内で駆動軸よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】参考例における指針照明装置を示す断面図である。
【図2】(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する導光部材の斜視図、正面図及び背面図である。
【図3】図2(B)のA−A線断面図である。
【図4】図1の指針照明装置を構成する光導入部の背面図である。
【図5】(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する光導入部の一例を示す断面図である。
【図6】図1の指針照明装置を構成する指針本体部の部分断面図である。
【図7】他の参考例における光導光部の断面図である。
【図8】他の参考例における指針照明装置を示す断面図である。
【図9】他の参考例における指針照明装置を示す断面図である。
【図10】他の参考例における第1の導光用反射面を示す概略図である。
【図11】本発明の指針照明装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図12】(A)〜(C)はそれぞれ、図11に示す指針照明装置を構成する導光部材の斜視図、正面図及び背面図である。
【図13】図12(B)のB−B線断面図である。
【図14】他の実施形態における導光部材を示す断面図である。
【図15】第1の導光用反射面での反射角度と相対出射効率との関係を示すグラフである。
【図16】従来の指針照明装置の一例を示す概念図である。
【図17】図16に示す指針照明装置の正面概念図である。
【図18】従来の指針照明装置の一例を示す概念図である。
【図19】図18に示す指針照明装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
参考例
以下、参考例における指針照明装置を図面に基づいて説明する。図1は、参考例における指針照明装置を示す断面図である。図2(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する導光部材22の斜視図、正面図及び背面図である。図3は、図2(B)のA−A線断面図である。図4は、図1の指針照明装置を構成する光導入部28の背面図である。図5(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する光導入部28の一例を示す断面図である。図6は、図1の指針照明装置を構成する指針本体部の部分断面図である。
【0034】
同図に示すように、指針照明装置は、指針部材20と、光源21と、導光部材22とを備えている。上記指針部材20は、光透過性の樹脂(例えば透明ポリメチルメタクリレート(PMMA)、透明ポリカーボネート(PC)など)から形成される。指針部材20は、モータ23の駆動軸24が取り付けられる軸受部25が設けられ、駆動軸24の軸回りに回転する。上記モータ23は、メータ基板26の背面側に設けられている。モータ23の駆動軸24は、メータ基板26の正面側に突出して設けられている。
【0035】
指針部材20は、入射面M1に入射された光Lを反射して指針先端に導く第1の指針用反射面M21及び第2の指針用反射面M22を有している。指針部材20は、第1の指針用反射面M21が設けられた指針本体部27と、入射面M1及び第2の指針用反射面M22が設けられた光導入部28との2部品から構成されている。
【0036】
上記光源21は、メータ基板26上の駆動軸24の周囲に複数配置されている。本参考例では、光源21は、駆動軸24を中心とした円上に3つ配置されている。3つの光源21は、互いに成す角度が120°の等間隔で配置されている。図3に示すように、光源21は、中心軸C1が駆動軸24と平行になるようにメータ基板26上に配置されている。光源21は、中心軸C1と出射面M3との交点を中心とした放射状に光Lを発生するとみなせる。
【0037】
上記導光部材22は、光透過性の樹脂(例えば透明PMMA、透明PCなど)から形成されている。導光部材22は、光源21からの光Lを指針部材20の入射面M1に導く部材である。図2及び図3に示すように、導光部材22は、入射面M4、第1の導光用反射面M51、第3の導光用反射面M53及び出射面M6を有する。
【0038】
上記入射面M4は、光源21に向かって突出する突出部29(図2参照)の頂点に設けられている。突出部29は、光源21と同じ数の3つ設けられ、3つの突出部29は、指針部材20側で互いに連通する形状となっている。
【0039】
入射面M4は、光源21の中心軸C1上が光源21から離れた側に向かって最も凹む凹面に設けられている。詳しくは、入射面M4は、上記光源21の中心軸C1と出射面M3との交点を中心とした球状の凹面に設けられている。図2(C)に示すように、入射面M4は、駆動軸24を中心とした円R上に3つ設けられている。入射面M4は、光源21と同様に互いに成す角度が120°の等間隔で設けられている。図3に示すように、第1の導光用反射面M51は、光源21から出射された放射状の光Lを反射して駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換するように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸C1との成す角度θxが小さくなる曲面に設けられている。詳しくは、第1の導光用反射面M51は、その接線Lxと中心軸C1との成す角度θxが小さくなるように設けられている。
【0040】
本参考例では、第1の導光用反射面M51は、光源21の出射面M3と中心軸C1との交点を焦点とした放物面に設けられている。第1の導光用反射面M51は、図示しないが図2(B)のB−B線で切っても光軸21の中心軸C1を中心とした放物線状に設けられている。第3の導光用反射面M53は、第1の導光用反射面M51で変換された駆動軸24に沿った略平行光線Lpを反射して駆動軸24に向かう略平行光線Lpに変換する反射面である。
【0041】
第3の導光用反射面M53は、光源21から離れるに従って駆動軸24に近づくテーパ状の曲面である。第3の導光用反射面M53で反射された略平行光線Lpは、出射面M6を通って指針部材20の入射面M1に入射される。上述した導光部材22は、文字板30の背面に配置され、正面からは見えないようになっている。
【0042】
次に、上記指針部材20の詳細について説明する。指針部材20は、その一部が文字板30に設けた開口から正面側に突出するように設けられている。図6に示すように、上記指針本体部27には、上記第1の指針用反射面M21、第3の指針用反射面M23及び射出層31が設けられている。上記第1の指針用反射面M21は、指針本体部27の後端の正面側に設けられた反射面である。
【0043】
第1の指針用反射面M21は、駆動軸24よりも指針後端側に設けられている。第1の指針用反射面M21は、先端に向かうに従って正面に近づくテーパ状の曲面に形成されている。これにより、第1の指針用反射面M21は、入射された光Lを指針先端に向けて反射する。なお、第1の指針用反射面M21は、キャップ33(図1参照)に覆われていて、正面からは視認されないようになっている。
【0044】
第3の指針用反射面M23は、第1の指針用反射面M21よりも先端側の正面に設けられた反射面である。第3の指針用反射面M23は、先端に向かうに従って背面に近づくテーパ状の平面に形成されている。これにより、第3の指針用反射面M23は、第1の指針用反射面M21で反射された光Lを射出層31に向けて反射する。射出層31は、反射率の高い白色系のホットスタンプ層が設けられたり、微細プリズム加工が施された層である。射出層31は、第3の指針用反射面M23からの光Lを反射して正面に射出する反射層である。
【0045】
また、上記光導入部28には、図5に示すように、上記入射面M1、第2の指針用反射面M22及び屈折面M7が設けられている。図1及び図4に示すように、上記第2の指針用反射面M22は、軸受部25が突設された凹部32に設けられた反射面である。第2の指針用反射面M22は、入射面M1から入射された光Lを正面側に反射する反射面である。図1、図4及び図5に示すように、上述した凹部32は、最も正面側の頂点C2が軸受部25よりも指針後端側に設けられている。
【0046】
上述した第2の指針用反射面M22としては、例えば図5(A)に示すように設けることが考えられる。同図(A)では、駆動軸24よりも後端側に設けた頂点C2を通り駆動軸24と平行な軸C3との成す角度θ1が指針後端から指針先端側に向かうに従って変化するように、第2の指針用反射面M22が設けられている。より詳しく説明すると、角度θ1が指針後端から指針先端側に向かうに従って大きくなるように、第2の指針用反射面M22が設けられている。
【0047】
また、第2の指針用反射面M22としては、例えば図5(B)に示すように設けることも考えられる。同図(B)では、角度θ1が指針後端から指針先端に向かっても全て同じになるように、第2の指針用反射面M22が設けられている。また、上記第2の指針用反射面M22としては、例えば図5(C)に示すように設けることも考えられる。同図(C)では、第1の指針用反射面M21の中心軸C4上に頂点C2が位置するように、かつ中心軸C4との成す角度θ2が指針後端から指針先端側に向かっても全て同じになるように、第2の指針用反射面M22が設けられている。
【0048】
上記屈折面M7は、光導入部28の指針本体部27側に設けられている。屈折面M7は、第2の指針用反射面M22から反射された光Lを第1の指針用反射面M21に向けて屈折するように設けられる。
【0049】
次に、上述した構成の指針照明装置の光源21から出射された光Lの進み方について説明する。図3に示すように、光源21は、中心軸C1と出射面M3との交点を中心とした放射状の光Lを出射する。放射状に出射された光Lは、入射面M4から導光部材22内に入射される。
【0050】
導光部材22に入射された光Lは、入射面M4で中心軸C1から離れた側、即ち第1の導光用反射面M51に向けて屈折される。その後、入射面M4から入射された光Lは、第1の導光用反射面M51で反射されて駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換される。詳しくは、第1の導光用反射面M51は、導光部材22に入射された光Lのうち駆動軸24に沿わないで進む光Lを駆動軸24に沿った方向に反射する。駆動軸24に沿った略平行光線Lpは、第3の導光用反射面M53で反射して駆動軸24に向かう略平行光線Lpに変換される。
【0051】
その後、駆動軸24に向かう略平行光線Lpは、導光部材22の出射面M6から出射されて、入射面M1から光導入部28内に入射される。図1に示すように、入射面M1から入射された光Lは、第2の指針用反射面M22で正面側の第1の指針用反射面M21に向かって反射される。第2の指針用反射面M22で反射された光Lは、屈折面M7で第1の指針用反射面M21に向かうように屈折された後、第1の指針用反射面M21に入射される。
【0052】
その後、図6に示すように、第1の指針用反射面M21に入射された光Lは、第1の指針用反射面M21で指針先端に向かって反射される。指針先端に向かって反射された光Lは、第3の指針用反射面M23で反射され、射出層31に向けて反射される。そして、射出層31で反射した光Lが第3の指針用反射面M23を通過して運転者視点に到達して、指針が光輝しているように視認される。
【0053】
上述した構成の指針照明装置によれば、導光部材22の第1の導光用反射面M51で変換された略平行光線Lpが指針部材20の入射面M1に導かれるので、略平行光線Lpが第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22に入射され、第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができる。このため、第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。
【0054】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、導光部材22の入射面M4が、光源21の中心軸C1上が光源21から離れた側に向かって最も凹む凹面に設けられているので、導光部材22の入射面M4で光源21からの光Lを第1の導光用反射面M51に向けて屈折することができ、より多くの光Lを略平行光線Lpに変換することができる。このため、より一層、指針の第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。
【0055】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、第1の導光用反射面M51が、光源21の中心軸C1を軸とした放物線状に設けられているので、第1の導光用反射面M51によって光源21から出射される光の全てを中心軸C1に沿った略平行光線Lpに変換することができ、より一層、指針の第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。
【0056】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、第3の導光用反射面M53が、第1の導光用反射面M51で変換された駆動軸24と平行な略平行光線Lpを駆動軸24に向かって反射して入射面M1に導くので、指針部材20の入射面M1を駆動軸24に沿った面にすることができ、駆動軸24と平行な略平行光線Lpを直接入射面M1に入射する場合に比べて入射面M1を大きくすることができる。このため、効率的に光源21からの光Lを指針部材20に入射することができ、指針を高輝度で発光させることができる。
【0057】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、入射面M1から入射された光Lが、軸受部25が突設された凹部32に設けた第2の指針用反射面M22で反射されて第1の指針用反射面M21に導かれるので、指針部材20の回転位置に関係なく光源21から出射されたほとんどの光Lを第1の指針用反射面M21に入射することができる。このため、指針を高輝度で発光させることができる。
【0058】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、凹部32のうち最も正面側の頂点C2が軸受部25よりも指針後端側に設けられているので、第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22との距離をそんなに離間させなくても、簡単に第2の指針用反射面M22に入射した光Lを駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に向けて反射することができる。このため、限られたスペース内で、図6に示すように、駆動軸24よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0059】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、屈折面M7が第2の指針用反射面M22から反射された光Lを第1の指針用反射面M21に向けて屈折するので、第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22との距離をそんなに離間させなくても、屈折面M7により第2の指針用反射面M22に入射した光Lを駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に向けて反射することができる。このため、限られたスペース内で、図6に示すように、駆動軸24よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0060】
なお、上述した参考例によれば、凹部32の最も正面側の頂点C2を駆動軸24よりも後端側に設けることによって、第2の指針用反射面M22で反射された光Lが駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に入射できるようにしていたが、これに限ったものではない。第2の指針用反射面M22は、第2の導光用反射面M52からの光Lを正面側に向かって反射させるものであれば、どんな角度や形状であっても良い。
【0061】
例えば、図7に示すように、駆動軸24を中心に対象形状になるように、即ち凹部32の最も正面側の頂点C2と軸受部25とを一致させるように第2の指針用反射面M22を設けてもよい。この場合、第2の指針用反射面M22は、入射面M1から入射された光Lを反射して駆動軸24沿いに向けて反射する。そして、屈折面M7が第2の指針用反射面M22からの光Lを屈折して第1の指針用反射面M21に向けて反射する。図7に示す例も、上記参考例と同様に、屈折面M7により第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22との距離をそんなに離間させなくても、第2の指針用反射面M22に入射した光Lを駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に向けて反射することができる。
【0062】
また、第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22とをある程度離間することができれば、凹部32の最も正面側の頂点C2と軸受部25とを一致させても、第2の指針用反射面M22で反射された光Lが駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に入射できる。
【0063】
また、上述した参考例によれば、駆動軸24に向かう光Lを正面側に反射させる反射面である第2の指針用反射面M22を駆動軸24と共に回転する指針部材20に設けていたが、これに限ったものではない。
【0064】
例えば、図8に示すように、第2の指針用反射面M22の代わりに、駆動軸24に向かう光Lを正面側に反射させる反射面である第4の導光用反射面M54を導光部材22に設けてもよい。なお、図8において、上述した図1について説明した指針照明装置と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。同図に示すように、指針照明装置は、指針部材20と、光源21と、導光部材22とを備えている。
【0065】
導光部材22は、入射面M4、第1の導光用反射面M51、第3の導光用反射面M53、第4の導光用反射面M54及び出射面M6を有する。入射面M4、第1の導光用反射面M51及び第3の導光用反射面M53については上述した参考例と同様であるためその詳細な説明は省略する。
【0066】
第4の導光用反射面M54は、駆動軸24を囲むように設けられている。第4の導光用反射面M54は、正面に向かうに従って駆動軸24に近づくテーパ状の面であり、第3の導光用反射面M53と対向するように設けられている。これにより、第4の導光用反射面M54は、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面に向かって反射するように設けられている。第4の導光用反射面M54は、駆動軸24に沿った方向に光Lを反射する。そして、出射面M6は、導光部材22の正面に駆動軸24と直交するように設けられている。
【0067】
指針部材20は、一部品で設けられている。指針部材20は、入射面M1、第1の指針用反射面M21、第3の指針用反射面M23及び射出層31が設けられている。入射面M1は、駆動軸24と直交するように設けられている。第1の指針用反射面M21は、駆動軸24より先端側にも設けられている。第3の指針用反射面M23及び射出層31は、図1について説明した指針照明装置と同等であるためその詳細な説明については省略する。
【0068】
次に、上述した構成の指針照明装置の光源21から出射された光Lの進み方について説明する。図8に示すように、光源21から放射状に出射された光Lは、入射面M4から導光部材22内に入射される。
【0069】
導光部材22に入射された光Lは、第1の導光用反射面M51で反射されて駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換される。駆動軸24に沿った略平行光線Lpは、第3の導光用反射面M53で反射して駆動軸24に向かう略平行光線Lpに変換される。その後、駆動軸24に向かう略平行光線Lpは、第4の導光用反射面M54で駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換され、出射面M6から出射される。出射面M6から出射された光Lは、入射面M1から入射され、第1の指針用反射面M21に入射される。
【0070】
その後、第1の指針用反射面M21に入射された光Lは、第1の指針用反射面M21で指針先端に向かって反射される。指針先端に向かって反射された光Lは、第3の指針用反射面M23で反射され、射出層31に向けて反射される。そして、射出層31で反射した光Lが第3の指針用反射面M23を通過して運転者視点に到達して、指針が光輝しているように視認される。
【0071】
上述した図8に示す指針照明装置によれば、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面側に向けて反射する第4の導光用反射面M54も導光部材22に設けているので、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面側に向けて反射する第4の導光用反射面M54が回転することがなく、光源21と第4の導光用反射面M54との相対位置を固定することができるので、より一層光ムラの発生を防止することができる。
【0072】
また、上述した参考例によれば、上述した第1の導光用反射面M51は、光源21の出射面M3と中心軸C1との交点を焦点とした放物面に設けていたが、これに限ったものではない。第1の導光用反射面M51としては、光源21から出射された放射状の光Lを反射して駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換するように、光源21から離れるに従ってその接線Lxと光源21の中心軸C1との成す角度θxが小さくなる曲面であればよく、放物面に設けていなくてもよい。
【0073】
また、上述した参考例によれば、指針部材20には屈折面M7を設けていたが、これに限ったものではない。例えば、第2の指針用反射面M22のみ設けて、屈折面M7は設けなくてもよい。この場合、指針部材20は、指針本体部27と光導入部28とを一体に設けてもよい。
【0074】
また、上述した参考例によれば、第2の指針用反射面M22は、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面の指針後端寄りに傾けて反射することにより、第1の指針用反射面M21を指針軸24よりも指針後端に設けるようにしていたが、これに限ったものではない。例えば、図9に示すように、第1の指針用反射面M21を指針軸24の指針先端にも設けるようにすれば、第2の指針用反射面M22を駆動軸24に沿って反射するように設けても良い。
【0075】
また、上述した参考例によれば、第1の導光用反射面M51を一つの連続する曲面で設けていたが、これに限ったものではない。例えば、図10(A)に示すように、複数の曲面から構成してもよいし、図10(B)に示すように、複数の平面から構成してもよい。このように、複数の曲面、平面から設けることにより、第1の導光用反射面M51で反射される光を確実に略平行光線Lpに変換しやすくなる。
【0076】
第1実施形態
次に、第1実施形態における本発明の指針照明装置を図面に基づいて説明する。図11は、本発明の指針照明装置の第1実施形態を示す断面図である。図12(A)〜(C)はそれぞれ、図11の指針照明装置を構成する導光部材22の斜視図、正面図及び背面図である。図13は、図12(B)のB−B線断面図である。なお、図11において、上述した図1について説明した指針照明装置と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。同図に示すように、指針照明装置は、指針部材20と、光源21と、導光部材22とを備えている。
【0077】
導光部材22は、図12に示すように、光源21に近づくに従って径が大きくなるような略円筒状に設けられている。導光部材22は、入射面M4、駆動軸24側に設けられた第1の導光用反射面M51、駆動軸24とは離れた側に設けられた第2の導光用反射面M52及び出射面M6を有する。入射面M4は、光源21に対向して配置され、光源21の中心軸C1と垂直になるような平面に設けられている。
【0078】
上記第2の導光用反射面M52は、導光部材22の外側面に設けられ、そして、光源21からの光Lを反射して集光させつつ第1の導光用反射面M51に導くように、光源21から離れるに従ってその接線Lxと光源21の中心軸C1との成す角度θxが大きくなるような曲面に設けられている。
【0079】
上記第1の導光用反射面M51は、導光部材22の内側面のうち上記出射面M6と駆動軸24方向に対向する部分に設けられている。第1の導光用反射面M51は、第2の導光用反射面M52からの光Lを反射して略平行光Lpに変換するように、光源21から離れるに従ってその接線Lxと光源21の中心軸C1との成す角度が大きくなるような曲面に設けられている。また、上記出射面M6は、図12(A)に示すように、リング状に設けられている。
【0080】
上記指針部材20は、一部品で設けられている。指針部材20は、入射面M1、第1の指針用反射面M21、第3の指針用反射面M23及び射出層31が設けられている。入射面M1は、駆動軸24と直交するように設けられている。第1の指針用反射面M21は、指針軸24より先端側にも設けられている。第3の指針用反射面M23及び射出層31は、図1について説明した指針照明装置と同等であるためその詳細な説明については省略する。
【0081】
次に、上述した構成の指針照明装置の光源21から出射された光Lの進み方について説明する。図11及び図13に示すように、光源21から放射状に出射された光Lは、入射面M4から導光部材22内に入射される。
【0082】
導光部材22に入射された光Lは、第2の導光用反射面M52で反射されて集光されつつ第1の導光用反射面M51に導かれる。第1の導光用反射面M51に導かれた光Lは、第1の導光用反射面M51で反射されて駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換される。
【0083】
その後、略平行光線Lpは、出射面M6からリング状に出射され、指針部材20の入射面M1から入射され、第1の指針用反射面M21に入射される。第1の指針用反射面M21に入射された光Lは、第1の指針用反射面M21で指針先端に向かって反射される。指針先端に向かって反射された光Lは、第3の指針用反射面M23で反射され、射出層31に向けて反射される。そして、射出層31で反射した光Lが第3の指針用反射面M23を通過して運転者視点に到達して、指針が光輝しているように視認される。
【0084】
上述した図11に示す指針照明装置によれば、第1の導光用反射面M51で変換された略平行光線Lpが指針部材20の入射面M1に導かれるので、略平行光線Lpが第1の指針用反射面M21に入射され、第1の指針用反射面M21で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができる。また、第2の導光用反射面M52が、光源21からの光を反射して集光させつつ第1の導光用反射面M51に導くので、第2の導光用反射面M52により一旦集光した後に第1の導光用反射面M51で略平行光線Lpに変換される。このため、第2の導光用反射面M52の集光具合で導光部材22の出射面M6の大きさを制御することができる。即ち、導光部材22内に取り込む光量をできるだけ多くする為、導光部材22の入射面M1の幅W1を大きくしても、高い効率を確保したまま出射面M6の幅W2大きさを小さくすることができる。
【0085】
また、上述した図11に示す指針照明装置によれば、第2の導光用反射面M52が、少なくとも光源21の中心軸C1上に設けられているので、最も強い光が出射される中心軸上の光を確実に第2の導光用反射面M52に導いて略平行光線Lpに変換することができる。これにより、より一層効果的に光源21からの光を指針部材20に入射することができる。
【0086】
なお、上述した第1実施形態では、図11に示すように、導光部材22の出射面M6を平面で形成していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、出射面M6を凸レンズ状、凹レンズ状に設けて、より効率的に光源21からの光を指針部材20に導くようにしてもよい。
【0087】
また、上述した第1実施形態では、第1の導光用反射面M51及び第2の導光用反射面M52は一面で設けられていた。しかしながら、本発明はこれに限ったものではなく、例えば、図14に示すように、第1の導光用反射面M51及び第2の導光用反射面M52それぞれ、2分割することも考えられる。
【0088】
同図に示すように、導光部材22には、光源21の中心軸C1よりも駆動軸24から離れた側の第2の導光用反射面M521と、駆動軸24側の第2の導光用反射面M522と、が設けられている。また、導光部材22には、第1の導光用反射面M511と、第1の導光用反射面M512と、が設けられている。
【0089】
上記第2の導光用反射面M521、M522はそれぞれ、光源21からの光L1を反射して集光させつつ第1の導光用反射面M511、M512に導くように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなるように設けられている。第1の導光用反射面M511、M512はそれぞれ、第2の導光用反射面M521、M522から導かれた光を略平行光線Lpに変換するように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなるように設けられている。
【0090】
光源21からの入射光線は、中心軸C1を境に光線の方向性が反転するため、第1の導光用反射面M51、第2の導光用反射面M52を分割することでそれぞれの方向性の光に最適な形状に設定することができる。これにより、より高い出射平行度を達成することができる。また、図14に示す例では、2分割に設けていたが、本発明はこれに限ったものではなく、3分割、4分割としてもよい。また、図14に示す例では、第1の導光用反射面M51、第2の導光用反射面M52を複数の曲面で構成していたが、例えば複数の平面で構成してもよい。
【0091】
また、上述した第1実施形態によれば、第1の導光用反射面M51で反射された光Lはその後反射されることなく、直ちに出射面M6から出射していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図1に示す参考例と同様に、導光部材22に第3の導光用反射面M53を設けて、略平行光線Lpを駆動軸24に向けて反射した後に出射するようにしてもよい。このように第3の導光用反射面M53を設けた場合、指針部材20も図1や図5に示すように設けてもよい。
【0092】
また、上述した第1実施形態によれば、第1の導光用反射面M51は、光源21から出射された放射状の光Lを反射して略平行光線Lpに変換するように設けていた。ここで略平行光線Lpについて説明する。
【0093】
本発明者らは、上述した構成の指針照明装置において、第1の導光用反射面M51での反射角度を0〜±40°の範囲で変化させた場合の相対反射効率を測定した。結果を図15に示す。なお、反射角度とは、第1の導光用反射面M51で反射された光と中心軸C1との成す角度である。また、反射効率とは、光源21から出射された光量に対する指針部材20に入射される光量の割合である反射効率であり、相対反射効率とは、第1の導光用反射面M51での反射角度が0°のときの反射効率を1とした場合、反射角度を±40の範囲で変化させた時の反射効率である。
【0094】
同図に示すように、反射角度が0°〜10°の範囲では80%以上の高い相対出射効率が得られ、また10°を超えると相対出射効率が悪くなる。従って、第1の導光用反射面M51は略平行光線Lpのばらつきが0〜10°の範囲内となるように設ければよい。
【0095】
また、上述した第1実施形態によれば、光源21は3つ設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。光源21は、2つ設けても、3つ以上設けてもよい。
【0096】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
20 指針部材
21 光源
22 導光部材
24 駆動軸
25 軸受部
27 指針本体部
28 光導入部
32 凹部
C1 光源の中心軸
C2 頂点
L 光
Lp 平行光線
Lx 接線
M1 入射面
M4 入射面
M21 第1の指針用反射面
M22 第2の指針用反射面
M51 第1の導光用反射面
M52 第2の導光用反射面
M53 第3の導光用反射面
M7 屈折面
【技術分野】
【0001】
本発明は、指針照明装置に係り、特に、所定の入射面に入射された光を反射して指針先端に導く指針用反射面を有する光透過性の指針部材と、該指針部材の駆動軸の周囲に配置された光源と、該光源からの光を前記指針部材の入射面に導く光透過性の導光部材とを備えた指針照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車用メータの指針は、夜間照明機能付きメータ、自発光メータ共に夜間及び通常使用時の視認性確保の為、照明機能を有している。照明方法は、図16に示す様にメータ基板1上に設置された光源2(バルブ、LED)の光Lを、指針3側の受光面4により指針3内に導入、最終的にホットスタンプ、微細プリズムなどによる拡散/反射層5を用いて光Lを指針3外に出射させ、照明を行っている。
【0003】
また、デザイン上の要求(出来るだけ指針3は細く、明るくしたい)、指針3重量の制限(指針回転駆動用モータの駆動対象の重量制限)より、指針3側の受光面4の面積は小さくせざるを得ない。その為、指針3が回転するエリア内全てで、明るく、輝度ムラのない指針照明を実現する為に、図17の様に光源2を複数個設置している。しかし、同図斜線で示すように実際には指針3の受光面4の面積が小さい為、複数個ある光源2から出射される光Lのうち、一部の光Lしか指針3内に入射しておらず、非常にロスが大きい。
【0004】
上記のロスが大きい問題点を解決する為、特許文献1では図18の様に複数の光源2からの光Lを光導入部材6内の第1反射面7を用いて軸付近に集光、集光した光Lを第3反射面9方向に反射させる第2反射面8を経由して、最終的に第3反射面9により反射された光Lが指針3内に入光される。
【0005】
また、光源2から出射される光Lがある出射角度を持っていた場合、各反射面7、8、9には様々な角度で光が入射する。光導入部材6のうちの各反射面7、8、9は単純な傾斜、もしくは曲面となっており、全反射を満たす条件で入射する光Lのみ反射させる事が可能となる。光源2からの角度を持って出射される光Lを出来るだけ全反射条件が満たせる角度に光Lを絞り込むため、特許文献1では光源2と光導入部材6の間に導光部材10を設置、光Lを絞り込んでいる。
【0006】
しかし、上記導光部材10のような単純な円筒形状とした場合、図19に示す様に光源2の出射角度を絞り込むことは可能であるが、出射される光Lの平行度は低い。その為、全反射条件に外れた光が外に漏れる反射面7、8、9でロスが生じやすい。つまり、第1反射面7で反射された光Lのうち第2反射面8に導かれる光L、第2反射面8で反射された光Lのうち第3反射面9に導かれる光L、第3反射面9で反射された光Lのうち指針3先端に導かれる光Lが少なくなり、指針3を高輝度に発光させることができないという問題があった。
【0007】
また、出射角度を絞ったレンズ付きの光源2が有るが、あまり絞った光Lの場合、1つの光源2でカバー出来る範囲が減少する為、指針3回転範囲全てをカバーする為に、出来るだけ多くの光源2が必要となり、コストアップに繋がる。また、各反射面7、8、9にミラー処理を施すことによりロスを低減させることも考えられるが、これもコストアップに繋がる。
【0008】
また、特許文献1に記載された発明によれば、第3反射面9が指針3の駆動軸11上に設置されており、実際の指針3の発光領域は、駆動軸11上の第3反射面9から指針3先端に向けた範囲でしか設置出来ない。しかし、視認性、デザイン性向上の為、可能な限り指針3の発光領域を広く取りたい、駆動軸11上も発光領域としたいが、特許文献1に記載された発明の構成においては非常に難しい。つまり、視認性、デザイン性両面で制約が出てしまうという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−294344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、指針の反射面でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる指針照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、所定の入射面に入射された光を反射して指針先端に導く指針用反射面を有する光透過性の指針部材と、該指針部材の駆動軸の周囲に配置された光源と、該光源からの光を前記指針部材の入射面に導く光透過性の導光部材とを備えた指針照明装置において、前記導光部材が、前記駆動軸側に設けられた第1の導光用反射面と、前記駆動軸側から離れた側に設けられた第2の導光用反射面とを有していて、前記第1の導光用反射面及び前記第2の導光用反射面で反射された光を前記入射面に導くように設けられ、そして、前記第2の導光用反射面が、前記光源からの光を反射して集光させつつ前記第1の導光用反射面に導くように、光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられ、前記第1の導光用反射面が、前記第2の導光用反射面からの光を反射して略平行光線に変換するように、前記光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられたことを特徴とする指針照明装置に存する。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、導光部材の第1の導光用反射面で変換された略平行光線が指針部材の入射面に導かれるので、略平行光線が指針用反射面に入射され、指針用反射面で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができる。また、第2の導光用反射面が、光源からの光を反射して集光させつつ第1の導光用反射面に導くので、第2の導光用反射面により一旦集光した後に第1の導光用反射面で略平行光線に変換される。このため、第2の導光用反射面の集光具合で導光部材の出射面の大きさを制御することができる。即ち、導光部材内に取り込む光量をできるだけ多くする為、導光部材の入射面を大きくしても、高い効率を確保したまま出射面を小さくすることができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記第2の導光用反射面が、少なくとも前記光源の中心軸上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の指針照明装置に存する。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、第2の導光用反射面が少なくとも光軸の中心軸上に設けられているので、中心軸上の光を確実に略平衡光線に変換することができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、前記光源が、その中心軸が前記駆動軸と平行になるように配置された指針照明装置であって、前記導光部材が、前記第1の導光用反射面で変換された前記駆動軸と平行な平行光線を前記駆動軸に向かって反射して前記入射面に導く第3の導光用反射面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の指針照明装置に存する。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、第3の導光用反射面が、第1の導光用反射面で変換された駆動軸と平行な略平行光線を駆動軸に向かって反射して入射面に導くので、指針部材の入射面を駆動軸に沿った面に入射することができ、駆動軸と平行な略平行光線を直接入射面に入射する場合に比べて入射面を大きくすることができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記指針用反射面が、正面の指針後端に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記駆動軸の軸受部が突設された凹部に設けられ前記入射面から入射された光を前記第1の指針用反射面に向けて反射する第2の指針用反射面とを有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置に存する。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、入射面から入射された光が、軸受部が突設された凹部に設けた第2の指針用反射面で反射されて第2の指針用反射面に導かれるので、指針部材の回転位置に関係なく光源から出射された光を第1の指針用反射面に入射することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、前記凹部のうち最も正面側の頂点が前記軸受部よりも指針後端側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の指針照明装置に存する。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、凹部のうち最も正面側の頂点が軸受部よりも指針後端側に設けられているので、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、簡単に第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、前記指針部材が、前記第1の指針用反射面が設けられた指針本体部と、前記入射面及び前記第2の指針用反射面が設けられた光導入部とを有し、そして、前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項5に記載の指針照明装置に存する。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、屈折面が第2の指針用反射面から反射された光を第1の指針用反射面に向けて屈折するので、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、前記指針部材が、指針本体部と、前記入射面が設けられた光導入部とを有する指針照明装置であって、前記指針用反射面が、前記指針本体部の駆動軸よりも後端側に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記光導入部に設けられ前記入射面から入射された光を前記駆動軸に反射させる第2の指針用反射面とを有し、そして、前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置に存する。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、入射面から入射された光は、第2の指針用反射面で駆動軸方向に反射される。第2の指針用反射面で反射されて屈折面に入射された光は、第1の指針用反射面に向けて屈折される。従って、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、略平行光線が指針用反射面に入射され、指針用反射面で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができるので、指針の反射面でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。また、導光部材内に取り込む光量をできるだけ多くする為、導光部材の入射面を大きくしても、高い効率を確保したまま出射面を小さくすることができるので、効率的に光源からの光を指針部材に入射することができ、指針を高輝度で発光させることができる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、中心軸上の光を確実に略平衡光線に変換することができるので、より一層効率的に光源からの光を指針部材に入射することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、指針部材の入射面を駆動軸に沿った面に入射することができ、駆動軸と平行な略平行光線を直接入射面に入射する場合に比べて入射面を大きくすることができるので、効率的に光源からの光を指針部材に入射することができ、指針を高輝度で発光させることができる。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、指針部材の回転位置に関係なく光源から出射された光を第1の指針用反射面に入射することができるので、指針を高輝度で発光させることができる。
【0029】
請求項5記載の発明によれば、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、簡単に第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができるので、限られたスペース内で駆動軸よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0030】
請求項6記載の発明によれば、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができるので、限られたスペース内で駆動軸よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0031】
請求項7記載の発明によれば、第1の指針用反射面と第2の指針用反射面との距離をそんなに離間させなくても、屈折面によって第2の指針用反射面に入射した光を駆動軸よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面に向けて反射することができるので、限られたスペース内で駆動軸よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】参考例における指針照明装置を示す断面図である。
【図2】(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する導光部材の斜視図、正面図及び背面図である。
【図3】図2(B)のA−A線断面図である。
【図4】図1の指針照明装置を構成する光導入部の背面図である。
【図5】(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する光導入部の一例を示す断面図である。
【図6】図1の指針照明装置を構成する指針本体部の部分断面図である。
【図7】他の参考例における光導光部の断面図である。
【図8】他の参考例における指針照明装置を示す断面図である。
【図9】他の参考例における指針照明装置を示す断面図である。
【図10】他の参考例における第1の導光用反射面を示す概略図である。
【図11】本発明の指針照明装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図12】(A)〜(C)はそれぞれ、図11に示す指針照明装置を構成する導光部材の斜視図、正面図及び背面図である。
【図13】図12(B)のB−B線断面図である。
【図14】他の実施形態における導光部材を示す断面図である。
【図15】第1の導光用反射面での反射角度と相対出射効率との関係を示すグラフである。
【図16】従来の指針照明装置の一例を示す概念図である。
【図17】図16に示す指針照明装置の正面概念図である。
【図18】従来の指針照明装置の一例を示す概念図である。
【図19】図18に示す指針照明装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
参考例
以下、参考例における指針照明装置を図面に基づいて説明する。図1は、参考例における指針照明装置を示す断面図である。図2(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する導光部材22の斜視図、正面図及び背面図である。図3は、図2(B)のA−A線断面図である。図4は、図1の指針照明装置を構成する光導入部28の背面図である。図5(A)〜(C)はそれぞれ、図1の指針照明装置を構成する光導入部28の一例を示す断面図である。図6は、図1の指針照明装置を構成する指針本体部の部分断面図である。
【0034】
同図に示すように、指針照明装置は、指針部材20と、光源21と、導光部材22とを備えている。上記指針部材20は、光透過性の樹脂(例えば透明ポリメチルメタクリレート(PMMA)、透明ポリカーボネート(PC)など)から形成される。指針部材20は、モータ23の駆動軸24が取り付けられる軸受部25が設けられ、駆動軸24の軸回りに回転する。上記モータ23は、メータ基板26の背面側に設けられている。モータ23の駆動軸24は、メータ基板26の正面側に突出して設けられている。
【0035】
指針部材20は、入射面M1に入射された光Lを反射して指針先端に導く第1の指針用反射面M21及び第2の指針用反射面M22を有している。指針部材20は、第1の指針用反射面M21が設けられた指針本体部27と、入射面M1及び第2の指針用反射面M22が設けられた光導入部28との2部品から構成されている。
【0036】
上記光源21は、メータ基板26上の駆動軸24の周囲に複数配置されている。本参考例では、光源21は、駆動軸24を中心とした円上に3つ配置されている。3つの光源21は、互いに成す角度が120°の等間隔で配置されている。図3に示すように、光源21は、中心軸C1が駆動軸24と平行になるようにメータ基板26上に配置されている。光源21は、中心軸C1と出射面M3との交点を中心とした放射状に光Lを発生するとみなせる。
【0037】
上記導光部材22は、光透過性の樹脂(例えば透明PMMA、透明PCなど)から形成されている。導光部材22は、光源21からの光Lを指針部材20の入射面M1に導く部材である。図2及び図3に示すように、導光部材22は、入射面M4、第1の導光用反射面M51、第3の導光用反射面M53及び出射面M6を有する。
【0038】
上記入射面M4は、光源21に向かって突出する突出部29(図2参照)の頂点に設けられている。突出部29は、光源21と同じ数の3つ設けられ、3つの突出部29は、指針部材20側で互いに連通する形状となっている。
【0039】
入射面M4は、光源21の中心軸C1上が光源21から離れた側に向かって最も凹む凹面に設けられている。詳しくは、入射面M4は、上記光源21の中心軸C1と出射面M3との交点を中心とした球状の凹面に設けられている。図2(C)に示すように、入射面M4は、駆動軸24を中心とした円R上に3つ設けられている。入射面M4は、光源21と同様に互いに成す角度が120°の等間隔で設けられている。図3に示すように、第1の導光用反射面M51は、光源21から出射された放射状の光Lを反射して駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換するように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸C1との成す角度θxが小さくなる曲面に設けられている。詳しくは、第1の導光用反射面M51は、その接線Lxと中心軸C1との成す角度θxが小さくなるように設けられている。
【0040】
本参考例では、第1の導光用反射面M51は、光源21の出射面M3と中心軸C1との交点を焦点とした放物面に設けられている。第1の導光用反射面M51は、図示しないが図2(B)のB−B線で切っても光軸21の中心軸C1を中心とした放物線状に設けられている。第3の導光用反射面M53は、第1の導光用反射面M51で変換された駆動軸24に沿った略平行光線Lpを反射して駆動軸24に向かう略平行光線Lpに変換する反射面である。
【0041】
第3の導光用反射面M53は、光源21から離れるに従って駆動軸24に近づくテーパ状の曲面である。第3の導光用反射面M53で反射された略平行光線Lpは、出射面M6を通って指針部材20の入射面M1に入射される。上述した導光部材22は、文字板30の背面に配置され、正面からは見えないようになっている。
【0042】
次に、上記指針部材20の詳細について説明する。指針部材20は、その一部が文字板30に設けた開口から正面側に突出するように設けられている。図6に示すように、上記指針本体部27には、上記第1の指針用反射面M21、第3の指針用反射面M23及び射出層31が設けられている。上記第1の指針用反射面M21は、指針本体部27の後端の正面側に設けられた反射面である。
【0043】
第1の指針用反射面M21は、駆動軸24よりも指針後端側に設けられている。第1の指針用反射面M21は、先端に向かうに従って正面に近づくテーパ状の曲面に形成されている。これにより、第1の指針用反射面M21は、入射された光Lを指針先端に向けて反射する。なお、第1の指針用反射面M21は、キャップ33(図1参照)に覆われていて、正面からは視認されないようになっている。
【0044】
第3の指針用反射面M23は、第1の指針用反射面M21よりも先端側の正面に設けられた反射面である。第3の指針用反射面M23は、先端に向かうに従って背面に近づくテーパ状の平面に形成されている。これにより、第3の指針用反射面M23は、第1の指針用反射面M21で反射された光Lを射出層31に向けて反射する。射出層31は、反射率の高い白色系のホットスタンプ層が設けられたり、微細プリズム加工が施された層である。射出層31は、第3の指針用反射面M23からの光Lを反射して正面に射出する反射層である。
【0045】
また、上記光導入部28には、図5に示すように、上記入射面M1、第2の指針用反射面M22及び屈折面M7が設けられている。図1及び図4に示すように、上記第2の指針用反射面M22は、軸受部25が突設された凹部32に設けられた反射面である。第2の指針用反射面M22は、入射面M1から入射された光Lを正面側に反射する反射面である。図1、図4及び図5に示すように、上述した凹部32は、最も正面側の頂点C2が軸受部25よりも指針後端側に設けられている。
【0046】
上述した第2の指針用反射面M22としては、例えば図5(A)に示すように設けることが考えられる。同図(A)では、駆動軸24よりも後端側に設けた頂点C2を通り駆動軸24と平行な軸C3との成す角度θ1が指針後端から指針先端側に向かうに従って変化するように、第2の指針用反射面M22が設けられている。より詳しく説明すると、角度θ1が指針後端から指針先端側に向かうに従って大きくなるように、第2の指針用反射面M22が設けられている。
【0047】
また、第2の指針用反射面M22としては、例えば図5(B)に示すように設けることも考えられる。同図(B)では、角度θ1が指針後端から指針先端に向かっても全て同じになるように、第2の指針用反射面M22が設けられている。また、上記第2の指針用反射面M22としては、例えば図5(C)に示すように設けることも考えられる。同図(C)では、第1の指針用反射面M21の中心軸C4上に頂点C2が位置するように、かつ中心軸C4との成す角度θ2が指針後端から指針先端側に向かっても全て同じになるように、第2の指針用反射面M22が設けられている。
【0048】
上記屈折面M7は、光導入部28の指針本体部27側に設けられている。屈折面M7は、第2の指針用反射面M22から反射された光Lを第1の指針用反射面M21に向けて屈折するように設けられる。
【0049】
次に、上述した構成の指針照明装置の光源21から出射された光Lの進み方について説明する。図3に示すように、光源21は、中心軸C1と出射面M3との交点を中心とした放射状の光Lを出射する。放射状に出射された光Lは、入射面M4から導光部材22内に入射される。
【0050】
導光部材22に入射された光Lは、入射面M4で中心軸C1から離れた側、即ち第1の導光用反射面M51に向けて屈折される。その後、入射面M4から入射された光Lは、第1の導光用反射面M51で反射されて駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換される。詳しくは、第1の導光用反射面M51は、導光部材22に入射された光Lのうち駆動軸24に沿わないで進む光Lを駆動軸24に沿った方向に反射する。駆動軸24に沿った略平行光線Lpは、第3の導光用反射面M53で反射して駆動軸24に向かう略平行光線Lpに変換される。
【0051】
その後、駆動軸24に向かう略平行光線Lpは、導光部材22の出射面M6から出射されて、入射面M1から光導入部28内に入射される。図1に示すように、入射面M1から入射された光Lは、第2の指針用反射面M22で正面側の第1の指針用反射面M21に向かって反射される。第2の指針用反射面M22で反射された光Lは、屈折面M7で第1の指針用反射面M21に向かうように屈折された後、第1の指針用反射面M21に入射される。
【0052】
その後、図6に示すように、第1の指針用反射面M21に入射された光Lは、第1の指針用反射面M21で指針先端に向かって反射される。指針先端に向かって反射された光Lは、第3の指針用反射面M23で反射され、射出層31に向けて反射される。そして、射出層31で反射した光Lが第3の指針用反射面M23を通過して運転者視点に到達して、指針が光輝しているように視認される。
【0053】
上述した構成の指針照明装置によれば、導光部材22の第1の導光用反射面M51で変換された略平行光線Lpが指針部材20の入射面M1に導かれるので、略平行光線Lpが第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22に入射され、第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができる。このため、第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。
【0054】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、導光部材22の入射面M4が、光源21の中心軸C1上が光源21から離れた側に向かって最も凹む凹面に設けられているので、導光部材22の入射面M4で光源21からの光Lを第1の導光用反射面M51に向けて屈折することができ、より多くの光Lを略平行光線Lpに変換することができる。このため、より一層、指針の第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。
【0055】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、第1の導光用反射面M51が、光源21の中心軸C1を軸とした放物線状に設けられているので、第1の導光用反射面M51によって光源21から出射される光の全てを中心軸C1に沿った略平行光線Lpに変換することができ、より一層、指針の第1の指針用反射面M21、第2の指針用反射面M22でのロスを低減して、指針を高輝度で発光させることができる。
【0056】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、第3の導光用反射面M53が、第1の導光用反射面M51で変換された駆動軸24と平行な略平行光線Lpを駆動軸24に向かって反射して入射面M1に導くので、指針部材20の入射面M1を駆動軸24に沿った面にすることができ、駆動軸24と平行な略平行光線Lpを直接入射面M1に入射する場合に比べて入射面M1を大きくすることができる。このため、効率的に光源21からの光Lを指針部材20に入射することができ、指針を高輝度で発光させることができる。
【0057】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、入射面M1から入射された光Lが、軸受部25が突設された凹部32に設けた第2の指針用反射面M22で反射されて第1の指針用反射面M21に導かれるので、指針部材20の回転位置に関係なく光源21から出射されたほとんどの光Lを第1の指針用反射面M21に入射することができる。このため、指針を高輝度で発光させることができる。
【0058】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、凹部32のうち最も正面側の頂点C2が軸受部25よりも指針後端側に設けられているので、第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22との距離をそんなに離間させなくても、簡単に第2の指針用反射面M22に入射した光Lを駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に向けて反射することができる。このため、限られたスペース内で、図6に示すように、駆動軸24よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0059】
また、上述した構成の指針照明装置によれば、屈折面M7が第2の指針用反射面M22から反射された光Lを第1の指針用反射面M21に向けて屈折するので、第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22との距離をそんなに離間させなくても、屈折面M7により第2の指針用反射面M22に入射した光Lを駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に向けて反射することができる。このため、限られたスペース内で、図6に示すように、駆動軸24よりも後端側も指針の発光領域にすることができる。
【0060】
なお、上述した参考例によれば、凹部32の最も正面側の頂点C2を駆動軸24よりも後端側に設けることによって、第2の指針用反射面M22で反射された光Lが駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に入射できるようにしていたが、これに限ったものではない。第2の指針用反射面M22は、第2の導光用反射面M52からの光Lを正面側に向かって反射させるものであれば、どんな角度や形状であっても良い。
【0061】
例えば、図7に示すように、駆動軸24を中心に対象形状になるように、即ち凹部32の最も正面側の頂点C2と軸受部25とを一致させるように第2の指針用反射面M22を設けてもよい。この場合、第2の指針用反射面M22は、入射面M1から入射された光Lを反射して駆動軸24沿いに向けて反射する。そして、屈折面M7が第2の指針用反射面M22からの光Lを屈折して第1の指針用反射面M21に向けて反射する。図7に示す例も、上記参考例と同様に、屈折面M7により第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22との距離をそんなに離間させなくても、第2の指針用反射面M22に入射した光Lを駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に向けて反射することができる。
【0062】
また、第1の指針用反射面M21と第2の指針用反射面M22とをある程度離間することができれば、凹部32の最も正面側の頂点C2と軸受部25とを一致させても、第2の指針用反射面M22で反射された光Lが駆動軸24よりも後端側に設けられている第1の指針用反射面M21に入射できる。
【0063】
また、上述した参考例によれば、駆動軸24に向かう光Lを正面側に反射させる反射面である第2の指針用反射面M22を駆動軸24と共に回転する指針部材20に設けていたが、これに限ったものではない。
【0064】
例えば、図8に示すように、第2の指針用反射面M22の代わりに、駆動軸24に向かう光Lを正面側に反射させる反射面である第4の導光用反射面M54を導光部材22に設けてもよい。なお、図8において、上述した図1について説明した指針照明装置と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。同図に示すように、指針照明装置は、指針部材20と、光源21と、導光部材22とを備えている。
【0065】
導光部材22は、入射面M4、第1の導光用反射面M51、第3の導光用反射面M53、第4の導光用反射面M54及び出射面M6を有する。入射面M4、第1の導光用反射面M51及び第3の導光用反射面M53については上述した参考例と同様であるためその詳細な説明は省略する。
【0066】
第4の導光用反射面M54は、駆動軸24を囲むように設けられている。第4の導光用反射面M54は、正面に向かうに従って駆動軸24に近づくテーパ状の面であり、第3の導光用反射面M53と対向するように設けられている。これにより、第4の導光用反射面M54は、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面に向かって反射するように設けられている。第4の導光用反射面M54は、駆動軸24に沿った方向に光Lを反射する。そして、出射面M6は、導光部材22の正面に駆動軸24と直交するように設けられている。
【0067】
指針部材20は、一部品で設けられている。指針部材20は、入射面M1、第1の指針用反射面M21、第3の指針用反射面M23及び射出層31が設けられている。入射面M1は、駆動軸24と直交するように設けられている。第1の指針用反射面M21は、駆動軸24より先端側にも設けられている。第3の指針用反射面M23及び射出層31は、図1について説明した指針照明装置と同等であるためその詳細な説明については省略する。
【0068】
次に、上述した構成の指針照明装置の光源21から出射された光Lの進み方について説明する。図8に示すように、光源21から放射状に出射された光Lは、入射面M4から導光部材22内に入射される。
【0069】
導光部材22に入射された光Lは、第1の導光用反射面M51で反射されて駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換される。駆動軸24に沿った略平行光線Lpは、第3の導光用反射面M53で反射して駆動軸24に向かう略平行光線Lpに変換される。その後、駆動軸24に向かう略平行光線Lpは、第4の導光用反射面M54で駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換され、出射面M6から出射される。出射面M6から出射された光Lは、入射面M1から入射され、第1の指針用反射面M21に入射される。
【0070】
その後、第1の指針用反射面M21に入射された光Lは、第1の指針用反射面M21で指針先端に向かって反射される。指針先端に向かって反射された光Lは、第3の指針用反射面M23で反射され、射出層31に向けて反射される。そして、射出層31で反射した光Lが第3の指針用反射面M23を通過して運転者視点に到達して、指針が光輝しているように視認される。
【0071】
上述した図8に示す指針照明装置によれば、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面側に向けて反射する第4の導光用反射面M54も導光部材22に設けているので、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面側に向けて反射する第4の導光用反射面M54が回転することがなく、光源21と第4の導光用反射面M54との相対位置を固定することができるので、より一層光ムラの発生を防止することができる。
【0072】
また、上述した参考例によれば、上述した第1の導光用反射面M51は、光源21の出射面M3と中心軸C1との交点を焦点とした放物面に設けていたが、これに限ったものではない。第1の導光用反射面M51としては、光源21から出射された放射状の光Lを反射して駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換するように、光源21から離れるに従ってその接線Lxと光源21の中心軸C1との成す角度θxが小さくなる曲面であればよく、放物面に設けていなくてもよい。
【0073】
また、上述した参考例によれば、指針部材20には屈折面M7を設けていたが、これに限ったものではない。例えば、第2の指針用反射面M22のみ設けて、屈折面M7は設けなくてもよい。この場合、指針部材20は、指針本体部27と光導入部28とを一体に設けてもよい。
【0074】
また、上述した参考例によれば、第2の指針用反射面M22は、第3の導光用反射面M53からの光Lを正面の指針後端寄りに傾けて反射することにより、第1の指針用反射面M21を指針軸24よりも指針後端に設けるようにしていたが、これに限ったものではない。例えば、図9に示すように、第1の指針用反射面M21を指針軸24の指針先端にも設けるようにすれば、第2の指針用反射面M22を駆動軸24に沿って反射するように設けても良い。
【0075】
また、上述した参考例によれば、第1の導光用反射面M51を一つの連続する曲面で設けていたが、これに限ったものではない。例えば、図10(A)に示すように、複数の曲面から構成してもよいし、図10(B)に示すように、複数の平面から構成してもよい。このように、複数の曲面、平面から設けることにより、第1の導光用反射面M51で反射される光を確実に略平行光線Lpに変換しやすくなる。
【0076】
第1実施形態
次に、第1実施形態における本発明の指針照明装置を図面に基づいて説明する。図11は、本発明の指針照明装置の第1実施形態を示す断面図である。図12(A)〜(C)はそれぞれ、図11の指針照明装置を構成する導光部材22の斜視図、正面図及び背面図である。図13は、図12(B)のB−B線断面図である。なお、図11において、上述した図1について説明した指針照明装置と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。同図に示すように、指針照明装置は、指針部材20と、光源21と、導光部材22とを備えている。
【0077】
導光部材22は、図12に示すように、光源21に近づくに従って径が大きくなるような略円筒状に設けられている。導光部材22は、入射面M4、駆動軸24側に設けられた第1の導光用反射面M51、駆動軸24とは離れた側に設けられた第2の導光用反射面M52及び出射面M6を有する。入射面M4は、光源21に対向して配置され、光源21の中心軸C1と垂直になるような平面に設けられている。
【0078】
上記第2の導光用反射面M52は、導光部材22の外側面に設けられ、そして、光源21からの光Lを反射して集光させつつ第1の導光用反射面M51に導くように、光源21から離れるに従ってその接線Lxと光源21の中心軸C1との成す角度θxが大きくなるような曲面に設けられている。
【0079】
上記第1の導光用反射面M51は、導光部材22の内側面のうち上記出射面M6と駆動軸24方向に対向する部分に設けられている。第1の導光用反射面M51は、第2の導光用反射面M52からの光Lを反射して略平行光Lpに変換するように、光源21から離れるに従ってその接線Lxと光源21の中心軸C1との成す角度が大きくなるような曲面に設けられている。また、上記出射面M6は、図12(A)に示すように、リング状に設けられている。
【0080】
上記指針部材20は、一部品で設けられている。指針部材20は、入射面M1、第1の指針用反射面M21、第3の指針用反射面M23及び射出層31が設けられている。入射面M1は、駆動軸24と直交するように設けられている。第1の指針用反射面M21は、指針軸24より先端側にも設けられている。第3の指針用反射面M23及び射出層31は、図1について説明した指針照明装置と同等であるためその詳細な説明については省略する。
【0081】
次に、上述した構成の指針照明装置の光源21から出射された光Lの進み方について説明する。図11及び図13に示すように、光源21から放射状に出射された光Lは、入射面M4から導光部材22内に入射される。
【0082】
導光部材22に入射された光Lは、第2の導光用反射面M52で反射されて集光されつつ第1の導光用反射面M51に導かれる。第1の導光用反射面M51に導かれた光Lは、第1の導光用反射面M51で反射されて駆動軸24に沿った略平行光線Lpに変換される。
【0083】
その後、略平行光線Lpは、出射面M6からリング状に出射され、指針部材20の入射面M1から入射され、第1の指針用反射面M21に入射される。第1の指針用反射面M21に入射された光Lは、第1の指針用反射面M21で指針先端に向かって反射される。指針先端に向かって反射された光Lは、第3の指針用反射面M23で反射され、射出層31に向けて反射される。そして、射出層31で反射した光Lが第3の指針用反射面M23を通過して運転者視点に到達して、指針が光輝しているように視認される。
【0084】
上述した図11に示す指針照明装置によれば、第1の導光用反射面M51で変換された略平行光線Lpが指針部材20の入射面M1に導かれるので、略平行光線Lpが第1の指針用反射面M21に入射され、第1の指針用反射面M21で反射する光のほとんどを指針先端に導くことができる。また、第2の導光用反射面M52が、光源21からの光を反射して集光させつつ第1の導光用反射面M51に導くので、第2の導光用反射面M52により一旦集光した後に第1の導光用反射面M51で略平行光線Lpに変換される。このため、第2の導光用反射面M52の集光具合で導光部材22の出射面M6の大きさを制御することができる。即ち、導光部材22内に取り込む光量をできるだけ多くする為、導光部材22の入射面M1の幅W1を大きくしても、高い効率を確保したまま出射面M6の幅W2大きさを小さくすることができる。
【0085】
また、上述した図11に示す指針照明装置によれば、第2の導光用反射面M52が、少なくとも光源21の中心軸C1上に設けられているので、最も強い光が出射される中心軸上の光を確実に第2の導光用反射面M52に導いて略平行光線Lpに変換することができる。これにより、より一層効果的に光源21からの光を指針部材20に入射することができる。
【0086】
なお、上述した第1実施形態では、図11に示すように、導光部材22の出射面M6を平面で形成していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、出射面M6を凸レンズ状、凹レンズ状に設けて、より効率的に光源21からの光を指針部材20に導くようにしてもよい。
【0087】
また、上述した第1実施形態では、第1の導光用反射面M51及び第2の導光用反射面M52は一面で設けられていた。しかしながら、本発明はこれに限ったものではなく、例えば、図14に示すように、第1の導光用反射面M51及び第2の導光用反射面M52それぞれ、2分割することも考えられる。
【0088】
同図に示すように、導光部材22には、光源21の中心軸C1よりも駆動軸24から離れた側の第2の導光用反射面M521と、駆動軸24側の第2の導光用反射面M522と、が設けられている。また、導光部材22には、第1の導光用反射面M511と、第1の導光用反射面M512と、が設けられている。
【0089】
上記第2の導光用反射面M521、M522はそれぞれ、光源21からの光L1を反射して集光させつつ第1の導光用反射面M511、M512に導くように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなるように設けられている。第1の導光用反射面M511、M512はそれぞれ、第2の導光用反射面M521、M522から導かれた光を略平行光線Lpに変換するように、光源21から離れるに従って光源21の中心軸との成す角度が大きくなるように設けられている。
【0090】
光源21からの入射光線は、中心軸C1を境に光線の方向性が反転するため、第1の導光用反射面M51、第2の導光用反射面M52を分割することでそれぞれの方向性の光に最適な形状に設定することができる。これにより、より高い出射平行度を達成することができる。また、図14に示す例では、2分割に設けていたが、本発明はこれに限ったものではなく、3分割、4分割としてもよい。また、図14に示す例では、第1の導光用反射面M51、第2の導光用反射面M52を複数の曲面で構成していたが、例えば複数の平面で構成してもよい。
【0091】
また、上述した第1実施形態によれば、第1の導光用反射面M51で反射された光Lはその後反射されることなく、直ちに出射面M6から出射していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図1に示す参考例と同様に、導光部材22に第3の導光用反射面M53を設けて、略平行光線Lpを駆動軸24に向けて反射した後に出射するようにしてもよい。このように第3の導光用反射面M53を設けた場合、指針部材20も図1や図5に示すように設けてもよい。
【0092】
また、上述した第1実施形態によれば、第1の導光用反射面M51は、光源21から出射された放射状の光Lを反射して略平行光線Lpに変換するように設けていた。ここで略平行光線Lpについて説明する。
【0093】
本発明者らは、上述した構成の指針照明装置において、第1の導光用反射面M51での反射角度を0〜±40°の範囲で変化させた場合の相対反射効率を測定した。結果を図15に示す。なお、反射角度とは、第1の導光用反射面M51で反射された光と中心軸C1との成す角度である。また、反射効率とは、光源21から出射された光量に対する指針部材20に入射される光量の割合である反射効率であり、相対反射効率とは、第1の導光用反射面M51での反射角度が0°のときの反射効率を1とした場合、反射角度を±40の範囲で変化させた時の反射効率である。
【0094】
同図に示すように、反射角度が0°〜10°の範囲では80%以上の高い相対出射効率が得られ、また10°を超えると相対出射効率が悪くなる。従って、第1の導光用反射面M51は略平行光線Lpのばらつきが0〜10°の範囲内となるように設ければよい。
【0095】
また、上述した第1実施形態によれば、光源21は3つ設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。光源21は、2つ設けても、3つ以上設けてもよい。
【0096】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
20 指針部材
21 光源
22 導光部材
24 駆動軸
25 軸受部
27 指針本体部
28 光導入部
32 凹部
C1 光源の中心軸
C2 頂点
L 光
Lp 平行光線
Lx 接線
M1 入射面
M4 入射面
M21 第1の指針用反射面
M22 第2の指針用反射面
M51 第1の導光用反射面
M52 第2の導光用反射面
M53 第3の導光用反射面
M7 屈折面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入射面に入射された光を反射して指針先端に導く指針用反射面を有する光透過性の指針部材と、該指針部材の駆動軸の周囲に配置された光源と、該光源からの光を前記指針部材の入射面に導く光透過性の導光部材とを備えた指針照明装置において、
前記導光部材が、前記駆動軸側に設けられた第1の導光用反射面と、前記駆動軸側から離れた側に設けられた第2の導光用反射面とを有していて、前記第1の導光用反射面及び前記第2の導光用反射面で反射された光を前記入射面に導くように設けられ、そして、
前記第2の導光用反射面が、前記光源からの光を反射して集光させつつ前記第1の導光用反射面に導くように、光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられ、
前記第1の導光用反射面が、前記第2の導光用反射面からの光を反射して略平行光線に変換するように、前記光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられた
ことを特徴とする指針照明装置。
【請求項2】
前記第2の導光用反射面が、少なくとも前記光源の中心軸上に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の指針照明装置。
【請求項3】
前記光源が、その中心軸が前記駆動軸と平行になるように配置された指針照明装置であって、
前記導光部材が、前記第1の導光用反射面で変換された前記駆動軸と平行な平行光線を前記駆動軸に向かって反射して前記入射面に導く第3の導光用反射面を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の指針照明装置。
【請求項4】
前記指針用反射面が、正面の指針後端に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記駆動軸の軸受部が突設された凹部に設けられ前記入射面から入射された光を前記第1の指針用反射面に向けて反射する第2の指針用反射面とを有する
ことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置。
【請求項5】
前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、
前記凹部のうち最も正面側の頂点が前記軸受部よりも指針後端側に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の指針照明装置。
【請求項6】
前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、
前記指針部材が、前記第1の指針用反射面が設けられた指針本体部と、前記入射面及び前記第2の指針用反射面が設けられた光導入部とを有し、そして、
前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の指針照明装置。
【請求項7】
前記指針部材が、指針本体部と、前記入射面が設けられた光導入部とを有する指針照明装置であって、
前記指針用反射面が、前記指針本体部の駆動軸よりも後端側に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記光導入部に設けられ前記入射面から入射された光を前記駆動軸に反射させる第2の指針用反射面とを有し、
そして、前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置。
【請求項1】
所定の入射面に入射された光を反射して指針先端に導く指針用反射面を有する光透過性の指針部材と、該指針部材の駆動軸の周囲に配置された光源と、該光源からの光を前記指針部材の入射面に導く光透過性の導光部材とを備えた指針照明装置において、
前記導光部材が、前記駆動軸側に設けられた第1の導光用反射面と、前記駆動軸側から離れた側に設けられた第2の導光用反射面とを有していて、前記第1の導光用反射面及び前記第2の導光用反射面で反射された光を前記入射面に導くように設けられ、そして、
前記第2の導光用反射面が、前記光源からの光を反射して集光させつつ前記第1の導光用反射面に導くように、光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられ、
前記第1の導光用反射面が、前記第2の導光用反射面からの光を反射して略平行光線に変換するように、前記光源から離れるに従って前記光源の中心軸との成す角度が大きくなる面に設けられた
ことを特徴とする指針照明装置。
【請求項2】
前記第2の導光用反射面が、少なくとも前記光源の中心軸上に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の指針照明装置。
【請求項3】
前記光源が、その中心軸が前記駆動軸と平行になるように配置された指針照明装置であって、
前記導光部材が、前記第1の導光用反射面で変換された前記駆動軸と平行な平行光線を前記駆動軸に向かって反射して前記入射面に導く第3の導光用反射面を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の指針照明装置。
【請求項4】
前記指針用反射面が、正面の指針後端に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記駆動軸の軸受部が突設された凹部に設けられ前記入射面から入射された光を前記第1の指針用反射面に向けて反射する第2の指針用反射面とを有する
ことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置。
【請求項5】
前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、
前記凹部のうち最も正面側の頂点が前記軸受部よりも指針後端側に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の指針照明装置。
【請求項6】
前記第1の指針用反射面が、前記駆動軸よりも指針後端側に設けられた指針照明装置であって、
前記指針部材が、前記第1の指針用反射面が設けられた指針本体部と、前記入射面及び前記第2の指針用反射面が設けられた光導入部とを有し、そして、
前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の指針照明装置。
【請求項7】
前記指針部材が、指針本体部と、前記入射面が設けられた光導入部とを有する指針照明装置であって、
前記指針用反射面が、前記指針本体部の駆動軸よりも後端側に設けられ入射された光を指針先端に向けて反射する第1の指針用反射面と、前記光導入部に設けられ前記入射面から入射された光を前記駆動軸に反射させる第2の指針用反射面とを有し、
そして、前記光導入部が、前記第2の指針用反射面から反射された光を前記第1の指針用反射面に向けて屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の指針照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−64758(P2013−64758A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4424(P2013−4424)
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2007−153746(P2007−153746)の分割
【原出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2007−153746(P2007−153746)の分割
【原出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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