説明

接続構造

【課題】この発明は、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造を提供することを目的とする。
【解決手段】対向方向Xの両端に接点40aが配置された電子部品40を対向方向Xの両側から挟み込んで各接点40aと接触することで、電気回路を構成するとともに、フラットケーブル100と電子部品40とを電気的に接続する対の接続端子30と、対向させて配置した接続端子30の挿着固定を許容するモジュールケース10とを備えたLEDモジュール1であって、該接続端子30を、モジュールケース10に挿着固定する固定プレート30aと、接点40aに接触する傾斜接触部30cと、固定プレート30aを反力として傾斜接触部30cを対向方向Xに付勢するメインスプリング部30bと、該メインスプリング部30bによる、前記傾斜接触部30cの対向方向への付勢を補助するサブスプリング部30dとで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両の照明装置や制御装置に使用される電子部品を電気ケーブルに接続する接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の各種コントロールユニットや照明装置等にはプリント基板上に複数の電子部品を実装した電子部品搭載モジュールが用いられている。このような電子部品搭載モジュールは、例えば、半田接続によって電子部品を基板に実装し、モジュールと外部電気回路とは、基板と半田接続された端子を有するコネクタによって接続される(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、電子部品と回路導体とは半田接続されるため、例えば、平面視2mm×2mm角のLEDチップのようにますます小型化する電子部品を接続する場合には、多くの工数もしくは設備投資と品質管理を要するという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004―111435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、対向方向の両端に接点が配置された電子部品を対向方向の両側から挟み込んで各接点と接触することで、電気回路を構成するとともに、電気ケーブルと前記電子部品とを電気的に接続する対の端子部材と、対向させて配置した前記端子部材の挿着固定を許容する函体とを備えた接続構造であって、前記端子部材を、前記函体に挿着固定する挿着固定部と、前記接点に接触する接触部と、前記挿着固定部を反力として、前記接触部を対向方向に付勢するばね部と、該ばね部による、前記接触部の対向方向への付勢を補助する付勢補助部とで構成したことを特徴とする。
【0007】
この発明の態様として、該接触部を、前記対の接続端子の対向側に配置され、上方が対向方向の外側に傾斜する傾斜面で構成することができる。
また、この発明の態様として、前記挿着固定部、前記ばね部、前記接触部及び前記付勢補助部を、この順で一体構成することができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記ばね部を、前記挿着固定部から突出させて形成し、前記付勢補助部を、前記接触部の先端から折り返して形成するとともに、前記挿着固定部に接触させることができる。
【0009】
上記対向方向は、一対で構成された接続端子を対向させて配置した方向であり、取り付けるフラットケーブルの長手方向と同方向であることを含む。
上記電子部品には、LEDチップ等の光源デバイスや各種センサ、さらには供給電圧を調整する抵抗器や高い電圧が印加される場合のバイパス回路を構成するダイオード等であることを含む。
【0010】
上記接続端子は、電子部品を電気ケーブルに直接接続する端子や、電子部品同士を接続することで間接的に電気ケーブルに接続する端子であることを含む。
上記電気ケーブルは、幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とからなるフラットケーブルであることを含む。
なお、電気ケーブルとして丸撚り線を幅方向に並べて一体化したリボン電線を用いても良いが、放熱効果が高いフラットケーブルがより好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のLEDモジュール1は、対向方向Xの両端に接点40aが配置された電子デバイス40(41,42,43)を対向方向Xの両側から挟み込む対の接続端子30(31,32,33)と、対向させて配置した接続端子30の挿着固定を許容するデバイスケース12とで構成している。
【0013】
接続端子30は、電子デバイス40を対向方向Xの両側から挟み込んで各接点40a(41a,42a,43a)と接触することで、電気回路を構成するとともに、フラットケーブル100と電子デバイス40とを電気的に接続している。
【0014】
また、接続端子30は、デバイスケース12に挿着固定する固定プレート30aと、接点40aに接触する傾斜接触部30cと、前記固定プレート30aを反力として前記傾斜接触部30cを対向方向Xに付勢するメインスプリング部30bと、メインスプリング部30bによる傾斜接触部30cの対向方向Xへの付勢を補助するサブスプリング部30dとで構成している。
また、傾斜接触部30cは、接続端子30において前記対の接続端子の対向側に配置され、上方が対向方向Xの外側に傾斜する傾斜面で構成している。
【0015】
なお、固定プレート30a、メインスプリング部30b、傾斜接触部30c及びサブスプリング部30dは、この順で一体構成されている。
メインスプリング部30bは、固定プレート30aから突出させて形成している。
サブスプリング部30dは、傾斜接触部30cの先端から折り返して形成するとともに、固定プレート30aに接触させている。
【0016】
上述するLEDモジュール1の構成について、図1乃至9とともに、詳述する。
なお、図1はLEDモジュール1の斜視図を示し、図2はLEDモジュール1の分解斜視図を示し、図3はデバイスケース12への接続端子30の組み付けについての説明図を示し、図4は接続端子30が組み付けられたデバイスケース12の平面図(図4(a))と底面図(図4(b))による説明図を示している。
【0017】
さらに、図5は、接続端子30が組み付けられたデバイスケース12への電子デバイス40及びケースカバー11の組み付けについての説明図を示し、図6は電子デバイス40が組み付けられたデバイスケース12の平面図(図6(a))と底面図(図6(b))による説明図を示し、図7はデバイスケース12に組み付けられた状態の接続端子30と電子デバイス40の斜視図を示し、図8は接続端子30及び電子デバイス40が組み付けられたモジュールケース10のフラットケーブル100への取付けについての説明図を示し、図9は対向方向Xの断面図による説明図を示している。
【0018】
電子デバイス40を対向方向Xの両側から挟み込む接続端子30と、対向させて配置した接続端子30の挿着固定を許容するデバイスケース12とで構成したLEDユニット1は、電気回路を構成して電子デバイス40と、フラットケーブル100とを電気的に接続する接続ユニットである。
【0019】
フラットケーブル100は、幅方向Yに所定間隔を隔てて配設した2本の導電体101と、2本の導電体101を一体的に平板状に被覆する不導電性ラミネートシート102とで構成している。
【0020】
電子デバイス40は、光源となるLEDチップ42と、該LEDチップ42に高い電圧が印加される場合のバイパス回路を構成するダイオード41と、LEDチップ42に印加される基本電圧を所定電圧に調整する電圧調整回路を構成する抵抗器43とで構成され、ダイオード41、LEDチップ42並びに抵抗器43の順で配置している。
【0021】
なお、LEDチップ42は、幅及び奥行きに対して高さの低い約1〜2mm角の略直方体で形成され、LEDチップ42は上面に平面視円形の発光部42bを備え、対向する両側面に底面から連続するL型の接点42aを備えている。
【0022】
また、ダイオード41、及び抵抗器43の対向する両側面に底面から連続する接点41a,43aを備えている。そして、接点40a(42a,41a,43a)がフラットケーブル100の長手方向と同方向である対向方向Xとなる向きで、電子デバイス40(42,41,43)を配置している。
【0023】
モジュールケース10は、接続端子30及び電子デバイス40の挿着固定を許容するデバイスケース12と、デバイスケース12の上面に係止固定するケースカバー11とで構成している。
ケースカバー11は、上面略中央にレンズ部11aを備え、対向方向Xの両側部中央にデバイスケース12の係止フック12aの係止を許容する被係止部11bを備えて、板状の平面視H型で形成している。
【0024】
レンズ部11aは、図8に示すように、デバイスケース12に装着されたLEDチップ42の上方で、発光部42bの照射方向Sに配置された平面視円形のレンズで構成されている。
【0025】
デバイスケース12は、接続端子30及び電子デバイス40の挿着を許容し、厚み方向Zに貫通する端子挿着部20(21,22,23)を備えるとともに、上面における対向方向Xの両側部中央にケースカバー11の被係止部11bに係止する係止フック12aを備えている。
また、デバイスケース12の底面の幅方向Yの中央を厚み方向Zに凹ませて、取付けるフラットケーブル100が嵌合する嵌合溝12bを形成している。
【0026】
端子挿着部20は、ダイオード41及びダイオード41に接触するダイオード用接続端子31の挿着を許容するダイオード用端子挿着部21と、LEDチップ42及びLEDチップ42に接触するLED用接続端子32の挿着を許容するLED用端子挿着部22と、抵抗器43及び抵抗器43に接触する抵抗器用接続端子33の挿着を許容する抵抗器用端子挿着部23とで構成し、幅方向Yにこの順で配置している。
【0027】
各端子挿着部20は、デバイスケース12を厚み方向Zに貫通する挿着溝本体20a(21a,22a,23a)と、端子挿着部20の底面側における挿着溝本体20aの対向方向Xの両端に配置し、固定プレート30aの挿着固定を許容するプレート挿着固定部20b(21b,22b,23b)と、端子挿着部20の上面側における挿着溝本体20aの対向方向Xの中央付近に配置し、電子デバイス40の挿入を許容するデバイス挿入部20c(21c,22c,23c)とで構成している。
【0028】
なお、挿着溝本体20aにおいて手前側(図3において左下側)にあるダイオード用端子挿着部21のプレート挿着固定部21ba、LED用端子挿着部22のプレート挿着固定部22ba及び抵抗器用端子挿着部23のプレート挿着固定部23baのうち、プレート挿着固定部21baとプレート挿着固定部22baとは連通しており、奥側(図3において右上側)にあるダイオード用端子挿着部21のプレート挿着固定部21bb、LED用端子挿着部22のプレート挿着固定部22bb及び抵抗器用端子挿着部23のプレート挿着固定部23bbは連通している。
【0029】
接続端子30は、ダイオード41に接触するダイオード用接続端子31と、LEDチップ42に接触するLED用接続端子32と、抵抗器43に接触する抵抗器用接続端子33とで構成し、各接続端子30は対向方向Xの中心を対称軸として2つの端子部材を対向配置して一対の接続端子を構成している。
【0030】
各接続端子30は、デバイスケース12における端子挿着部20のプレート挿着固定部20bに挿着固定する固定プレート30a(31a,32a,33a)と、電子デバイス40の接点40aに接触する傾斜接触部30c(31c,32c,33c)と、前記固定プレート30aを反力として前記傾斜接触部30cを対向方向に付勢するメインスプリング部30b(31b,32b,33b)と、メインスプリング部30bによる傾斜接触部30cの対向方向Xへの付勢を補助するサブスプリング部30d(31d,32d,33d)とで構成している。
【0031】
固定プレート30aは、幅方向Y及び厚み方向Zの正面視幅広の長方形板状態で構成されている。
メインスプリング部30b、傾斜接触部30c及びサブスプリング部30dは、固定プレート30aの上辺幅方向中央から上方に突出させた、固定プレート30aの1/3程度の幅の帯状体で以下の折り曲げ加工によって形成されている。
【0032】
詳しくは、固定プレート30aの上辺幅方向中央から上方に突出させ、対向方向Xの中央に向かっておよそ90度屈曲させて形成した水平部分と、水平部分の先端から対向方向Xの中央下向きに向かっておよそ60度屈曲させて形成した傾斜部分と、傾斜部分の下端から対向方向Xの外側上向きに向かっておよそ165度折り返して、前記水平部分の下側に戻るように形成した戻り傾斜部分と、戻り傾斜部分の先端から対向方向Xの外側下向きに向かって2段階屈曲させて形成した折返し端部分とで構成している。
【0033】
このうち、固定プレート30aの上辺幅方向中央から上方に突出させ、およそ90度屈曲させた水平部分と、水平部分の先端から対向方向Xの中央下向きに向かっておよそ60度屈曲させた屈曲部分までをメインスプリング部30bとし、傾斜部分を傾斜接触部30cとし、傾斜部分の下端から折り返した折返し部分から、戻り傾斜部分及び折返し端部分までをサブスプリング部30dとしている。
【0034】
なお、手前側(図3において左下側)のダイオード用接続端子31の固定プレート31aと、LED用接続端子32の固定プレート32aとは一体に構成されているため電気的に接続されており、奥側(図3において右上側)にあるダイオード用接続端子31の固定プレート31a、LED用接続端子32の固定プレート32a及び抵抗器用接続端子33の固定プレート33aは一体構成されているため電気的に接続されている。
【0035】
また、一体に構成された手前側の固定プレート31a及び固定プレート32a、並びに抵抗器用接続端子33の固定プレート33aのそれぞれには、フラットケーブル100を貫通して接続端子30を電気的に接続する接続脚部34が一体構成されている。接続脚部34は、対向方向X及び厚み方向Zの面で構成されたピアス刃34aを対向方向Xに所定間隔を隔てて3つ備えている。
【0036】
なお、このような構成の接続端子30は、適宜の弾性を有する銅製のプレートからプレス加工により形成されているが、導電性を有すれば金属製部材以外であってもよい。
【0037】
上述のような構成で構成されたモジュールケース10、接続端子30、電子デバイス40で構成するLEDモジュール1の組み付け方法について、以下で説明する。
まず図3(a)に示すように、対で構成された接続端子30(31,32,33)のうち固定プレート31a,32a,33aが一体構成された側の接続端子30(31,32,33)が奥側、そして接続脚部34が装着された側の接続端子30(31,32,33)が手前側となり、さらに、各傾斜接触部30cが対向方向Xの中央に向かって対向する向きで、接続脚部34が上側となる上下逆さまの状態の接続端子30(31,32,33)を、上下逆さまのデバイスケース12の上方に配置する。
【0038】
このときデバイスケース12は、連通するプレート挿着固定部21bb、プレート挿着固定部22bb及びプレート挿着固定部23bbが奥側となり、嵌合溝12bが上側となるように上下逆さまの向きで配置する。
【0039】
そして、固定プレート30aがプレート挿着固定部20bに挿着固定されるまで、メインスプリング部30b、傾斜接触部30c及びサブスプリング部30dを挿着溝本体20aに挿入する。この状態において、図3(b)に示すように、接続脚部34は、嵌合溝12bの端子挿着部20より突出した態様で、接続端子30をデバイスケース12に挿着することができる。
【0040】
また、接続端子30を挿着固定したデバイスケース12の底面図である図4(b)に示すように、各接続端子30は固定プレート30aがプレート挿着固定部20bに挿着固定されて、対向配置された各接続端子30の位置が固定される。
【0041】
なお、接続端子30を挿着固定したデバイスケース12の平面図である図4(a)や図9(a)に示すように、傾斜接触部30cが対向する向きで配置され、端子挿着部20に挿着固定された接続端子30の傾斜接触部30cが、各端子挿着部20のデバイス挿入部20cの平面における対向方向Xに突出し、側面視略V字状となる。
【0042】
このように、上下逆さまにして各端子挿着部20に各接続端子30が挿着固定されたデバイスケース12の上下方向を戻し、デバイスケース12の上方から各電子デバイス40を各端子挿着部20のデバイス挿入部20cに挿入する(図5(b)参照)。
【0043】
このとき、図4(a)や図9(a)に示すように、各電子デバイス40は、各端子挿着部20のデバイス挿入部20c側の平面における対向方向Xに突出し、側面視略V字状で端子挿着部20に挿着固定された接続端子30の傾斜接触部30cの間に割り込んで挿着される(図6,図9(b)参照)。
【0044】
詳述すると、固定プレート30aを反力とするメインスプリング部30bやサブスプリング部30dの弾性力に逆らって傾斜接触部30cを対向方向外側X1に押し広げて電子デバイス40を挿着するため、傾斜接触部30cに載置された状態となる電子デバイス40の接点40aには、メインスプリング部30b及びサブスプリング部30dによる対向方向内側X2(図6(a))の付勢力が作用することとなる。
【0045】
したがって、接点40aと傾斜接触部30cとは確実に電気的に接続することができるとともに、対向して略V字状を構成する傾斜接触部30c上に載置した状態で電子デバイス40を挿着することができる。
【0046】
図5(c)や図9(c)に示すように、電子デバイス40を挿着したこの状態のデバイスケース12の上方から、係止フック12aと被係止部11bとを係止させてデバイスケース12の上面にケースカバー11を取付けてモジュールケース10を構成する。なお、この状態においてダイオード用接続端子31のダイオード用接続端子31bの照射方向S上にケースカバー11のレンズ部11aが配置されるようケースカバー11が取付けられる。
【0047】
そして、図8に示すように、デバイスケース12の底面から突出する接続脚部34のピアス刃34aでフラットケーブル100を不導電性ラミネートシート102ごと貫通させて、フラットケーブル100を嵌合溝12bに嵌合させる。そして、フラットケーブル100の底面(図8においては上面)から突出する突出部分34bを幅方向Yの外側向きにカールさせてモジュールケース10のフラットケーブル100への取付けを完了する。
【0048】
これにより、不導電性ラミネートシート102ごとフラットケーブル100を貫通させたピアス刃34aによって、フラットケーブル100の導電体101と接続端子30とを電気的に接続することができる。したがって、接続端子30に電気的に接続された電子デバイス40と導電体101とを電気的に接続することができる。
【0049】
また、手前側の固定プレート31a,32aを一体に構成するとともに、奥側にある固定プレート31a,32a,33aを一体構成した各接続端子30を対向配置し、その対向する傾斜接触部30cの間に電子デバイス40を挿着したことにより、光源となるLEDチップ42との電気回路、ダイオード41によるLEDチップ42に高い電圧が印加される場合のバイパス回路、及び抵抗器43によるLEDチップ42に印加される基本電圧を所定電圧に調整する電圧調整回路を構成し、当該電気回路をフラットケーブル100に電気的に接続することができる。
【0050】
さらに、点線で示すデバイスケース12を透過した状態の斜視図である図7に示すように、各電子デバイス40は、対向する傾斜接触部30c,30cの間を割り込んで、固定プレート30aを反力とするメインスプリング部30b及びサブスプリング部30dの付勢力を受けて側面視略V字状の傾斜接触部30cに載置された状態で挿着されているため、接点40aと接続端子30とを確実に電気的に接続することができる。
【0051】
また、接続端子30は、固定プレート30aによってデバイスケース12に固定されるとともに、接続脚部34によってフラットケーブル100に固定されているものの、2つのバネ体であるメインスプリング部30b及びサブスプリング部30dを介した傾斜接触部30cで電子デバイス40を支持する、すなわちデバイスケース12から浮いた状態で支持することができる。
【0052】
したがって、例えば、熱等によってモジュールケース10が変形した場合やフラットケーブル100に外力が付加された場合であっても、変形負荷や外力負荷をバネ体であるメインスプリング部30b及びサブスプリング部30dが吸収できるため、上記負荷の悪影響が電子デバイス40に及ぶことを防止できる。
【0053】
さらには、各電子デバイス40の間の相対位置に変化が生じた場合であっても、バネ体であるメインスプリング部30b及びサブスプリング部30dが上記相対位置変化を吸収できるため、信頼性の高い電気回路を構築することができる。
【0054】
なお、傾斜接触部30cをバネ体であるメインスプリング部30bのみならず、メインスプリング部30bの付勢を補助するサブスプリング部30dとともに付勢する構成としたことにより、確実に電子デバイス40を傾斜接触部30cで支持することができる。
【0055】
さらには、サブスプリング部30dの反力を、メインスプリング部30bの反力と同様に固定プレート30aとしたことによって、サブスプリング部30dの付勢方向をメインスプリング部30bの付勢方向と同方向とすることができ、より効率的に、サブスプリング部30dによってメインスプリング部30bの付勢を補助することができる。
【0056】
なお、上述のLEDモジュール1のフラットケーブル100への取付け方法の説明においては、フラットケーブル100を貫通し、底面から突出した突出部分34bをカールさせて接続脚部34をフラットケーブル100に固定したが、突出部分34bをカールさせずとも、図示しない抜け止め手段を突出部分34bに装着して接続脚部34のフラットケーブル100への固定を行ってもよい。
【0057】
また、接続端子30を挿着固定したデバイスケース12をモジュールケース100に取り付けてから電子デバイス40を装着する構成であってもよい。
【0058】
以上、この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の電子部品は、電子デバイス40、ダイオード41、LEDチップ42、及び抵抗器43に対応し、
以下同様に、
電気ケーブルは、フラットケーブル100に対応し、
端子部材は、接続端子30,ダイオード用接続端子31,LED用接続端子32,抵抗器用接続端子33に対応し、
函体は、デバイスケース12に対応し、
接続構造は、LEDモジュール1に対応し、
挿着固定部は、固定プレート30a,31a,32a,33aに対応し、
接触部は、傾斜接触部30c,31c,32c,33cに対応し、
ばね部は、メインメインスプリング部30b,31b,32b,33bに対応し、
付勢補助部は、サブスプリング部30d,31d,32d,33dに対応し、
電気回路は、バイパス回路や、電圧調整回路に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0059】
フラットケーブル100は、接続脚部34が接続しやすい絶縁部材である不導電性ラミネートシート102で被覆されたフラットケーブル100であればよく、特に、本実施形態のものに限定されるものではないが、不導電性ラミネートシート102の材質としては、具体的にはPET樹脂が好ましい。
【0060】
また、導電体101についても、放熱性に優れる帯状の導電体だけでなく、丸形断面の導電体であってもよく、導電体101の材質としては導電性を有するものであれば良いが、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】LEDモジュールの斜視図。
【図2】LEDモジュールの分解斜視図。
【図3】デバイスケースへの接続端子の組み付けについての説明図。
【図4】接続端子が組み付けられたデバイスケースの説明図。
【図5】デバイスケースへの電子デバイス及びケースカバーの組み付けについての説明図。
【図6】電子デバイスが組み付けられたデバイスケースの説明図。
【図7】デバイスケースに組み付けられた状態の接続端子と電子デバイスの斜視図。
【図8】モジュールケースのフラットケーブルへの取付けについての説明図。
【図9】対向方向Xの断面図による説明図。
【符号の説明】
【0062】
1…LEDモジュール
12…デバイスケース
20…端子挿着部
21…ダイオード用端子挿着部
22…LED用端子挿着部
23…抵抗器用端子挿着部
30…接続端子
31…ダイオード用接続端子
32…LED用接続端子
33…抵抗器用接続端子
30a,31a,32a,33a…固定プレート
30b,31b,32b,33b…スプリング部
30c,31c,32c,33c…接触部
30d,31d,32d,33d…サブスプリング部
40…電子デバイス
41…ダイオード
42…LEDチップ
43…抵抗器
40a,41a,42a,43a…接点
100…フラットケーブル
X…対向方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向方向の両端に接点が配置された電子部品を対向方向の両側から挟み込んで各接点と接触することで、電気回路を構成するとともに、電気ケーブルと前記電子部品とを電気的に接続する対の端子部材と、
対向させて配置した前記端子部材の挿着固定を許容する函体とを備えた接続構造であって、
前記端子部材を、
前記函体に挿着固定する挿着固定部と、
前記接点に接触する接触部と、
前記挿着固定部を反力として、前記接触部を対向方向に付勢するばね部と、
該ばね部による、前記接触部の対向方向への付勢を補助する付勢補助部とで構成した
接続構造。
【請求項2】
該接触部を、
前記対の接続端子の対向側に配置され、上方が対向方向の外側に傾斜する傾斜面で構成した
請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記挿着固定部、前記ばね部、前記接触部及び前記付勢補助部を、この順で一体構成した
請求項1又は2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記ばね部を、前記挿着固定部から突出させて形成し、
前記付勢補助部を、前記接触部の先端から折り返して形成するとともに、前記挿着固定部に接触させた
請求項3に記載の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−239025(P2009−239025A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83337(P2008−83337)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】