説明

携帯端末、表示装置、輝度制御方法及び輝度制御プログラム

【課題】表示部の個体間の輝度特性にばらつきがある場合でも、表示データを補正することなく、特定の輝度関係を有するように各表示部への表示を行うことが可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末は、入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部及び第2表示部と前記第1表示部の第1表示領域の輝度と入力量との関係及び前記第2表示部の第2表示領域の輝度と入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶部とを備え、前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記特性情報に基づいて特定した、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量を前記第1表示部に入力し、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示部を有する携帯電話機等の携帯端末に関し、特に、各表示部の輝度制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の表示部を備える携帯電話機等の携帯端末が知られている。
このような携帯端末では、表示部が複数あることを生かした表示、例えば、複数の表示部に1つの大きな画像を分割して表示することや、複数の表示部に関連する画像を表示するといったことが行われる。
このような表示を行う場合に、ユーザに違和感のないようにするため、あるいはユーザに特定の視覚効果を与えるために、各表示部の輝度が同程度になるように制御したり、一方の輝度が他方の輝度より高くなるように制御したりといったように、各表示部の輝度が特定の関係を有するように制御することが考えられる。
【0003】
ところで、表示部の一個体中の輝度特性のばらつきを考慮して表示領域の輝度を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の技術は、輝度センサを用いて測定した表示部の輝度に基づいて、表示データの明暗を補正し、補正後の表示データを表示させることで、表示部の一個体中の輝度特性のばらつきに関係なく、特定の輝度で表示を行えるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−330187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような複数の表示部を備える携帯端末において、各表示部の輝度が特定の関係を有するように制御するために、特許文献1の方法を適用することも考えられる。
しかしながら、特許文献1の方法では、各表示部に表示を行う際に、それぞれの画面全体分の明暗を補正した表示データを生成する必要があるため、処理負荷の観点からは、必ずしも望ましい方法とは言えない。
【0006】
そこで、本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、表示部の個体間の輝度特性にばらつきがある場合でも、表示データを補正することなく、特定の輝度関係を有するように各表示部への表示を行うことが可能な携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、第1表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部と、第2表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第2表示部と、前記第1表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係及び前記第2表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶部と、前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記記憶部の前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量と、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量とをそれぞれ特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する輝度制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を備える本発明に係る携帯端末によれば、表示部の個体間の輝度特性にばらつきがある場合でも、表示データを補正することなく、特定の輝度関係を有するように各表示部への表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る携帯電話機100の閉状態及び開状態の外観を示す図
【図2】携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図
【図3】特性情報テーブル10のデータ構成及び内容例を示す図
【図4】各バックライトに電流I0を入力した場合の各表示部の輝度の測定結果を示す図
【図5】各輝度レベルと各バックライトに入力すべき電流量との関係を示す図
【図6】携帯電話機100の輝度制御処理を示すフローチャート
【図7】各表示部の目標輝度レベルを決定する方法を説明するための図
【図8】特性情報テーブル10に登録されていない第1バックライトへの入力電流を算出する方法を説明するための図
【図9】特性情報テーブル10に登録されていない第2バックライトへの入力電流を算出する方法を説明するための図
【図10】実施の形態2に係る携帯電話機200の主要部の機能構成を示すブロック図
【図11】携帯電話機200の登録処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る携帯端末の一実施形態としての携帯電話機について説明する。
≪実施の形態1≫
<概要>
実施の形態1に係る携帯電話機は、第1表示部及び第2表示部という2つの表示部を備え、各表示部の輝度が同程度になるように、各表示部のバックライト(LED(Light Emitting Diode)バックライト)を制御するものである。
【0011】
各バックライトは、所定の入力電流の範囲において、入力電流量に応じた明るさで発光するものであるが、個体間の輝度特性のばらつきにより、同一電流の入力に対する明るさが異なるものである。
そのために、この携帯電話機は、制御可能な複数の輝度レベル毎に、第1表示部のバックライトに入力すべき電流量を示す情報と第2表示部のバックライトに入力すべき電流量を示す情報とを対応付けて記憶しておき、この情報に基づいて各バックライトに入力する電流量を制御することで、各表示部の輝度が同程度になるよう制御する。
【0012】
これにより、各表示部を見たユーザに違和感がないようにすることができる。
<装置構成>
まず、実施の形態1に係る携帯電話機100の装置構成について説明する。
図1(a)は携帯電話機100の閉状態の外観を示す斜視図であり、図1(b)は、携帯電話機100の開状態の外観を示す斜視図であり、図1(c)は、携帯電話機100の開状態の外観を示す正面図である。
【0013】
携帯電話機100は、図1(a)〜(c)に示されるように、第1筐体1と第2筐体2とが相対的に移動可能ないわゆるスライド式の端末であり、第1筐体1、第2筐体2及び第1筐体1と第2筐体2とを接続するアーム3を備えている。
第1筐体1には、レシーバ4、マイク5、光センサ130及び第1表示部110が備えられており、第2筐体2には、第2表示部120が備えられている。
【0014】
アーム3は、その基端側が第2筐体2に回転自在に軸支されており、先端側が第1筐体1をスライド移動並びに回転自在に支持している。
従って、この携帯電話機100は、第1筐体1と第2筐体2とが単なる相対回動するだけでなく、閉状態と開状態とに変更することが可能である。
携帯電話機100は、図1(a)に示すように、第2筐体2に第1筐体1が重ね合わさり、第2表示部120が視認できない閉状態から、アーム3により、第1筐体1が第2筐体2の表面に沿って移動し、図1(b)、(c)に示すように、第1筐体1の表面と第2筐体2の表面とが略同一平面上に揃う開状態となり、第1表示部110及び第2表示部120が視認可能な開状態になる。
【0015】
<機能構成>
図2は、携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機100は、同図に示すように、本発明に係る表示装置の一実施形態に係る表示装置160を含んで構成されており、第1表示部110、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ113、LEDコントローラ114、第1タッチパネル115、タッチパネルコントローラ116、第2表示部120、LCDコントローラ123、LEDコントローラ124、第2タッチパネル125、タッチパネルコントローラ126、光センサ130、計時部131、記憶部140及び制御部150を備える。
【0016】
なお、携帯電話機100は、通常の携帯電話機が備える通信部や、図1で示したレシーバ4、マイク5等を備えるが、同図では、図示を省略している。また、携帯電話機100は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、制御部150の各機能は、上述のメモリに記憶されているプログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
ここで、第1表示部110は、第1LCD111及び第1バックライト112を備え、第2表示部120は、第2LCD121及び第2バックライト122を備える。
【0017】
第1バックライト112及び第2バックライト122は、エッジライト方式のLEDバックライトであり、入力された電流量に応じた明るさで発光するものである。
また、LCDコントローラ113は、制御部150からの指示を受けて、第1LCD111に、LCDコントローラ123は、制御部150からの指示を受けて、第2LCD121に各種画像を表示させるIC(Integrated Circuit)である。
【0018】
また、LEDコントローラ114は、制御部150からの指示に応じた電流量を第1バックライト112に、LEDコントローラ124は、制御部150からの指示に応じた電流量を第2バックライト122に入力するよう制御するICである。
なお、入力する電流量を制御する方法は、従来から行われている様々な方法を用いることができ、例えば、各バックライト(LED)への電圧を、レギュレータを用いて制御することで、各バックライトに入力する電流量を制御することができる。
【0019】
また、第1タッチパネル115及び第2タッチパネル125は、例えば、静電容量方式のタッチセンサであり、第1タッチパネル115は、第1表示部110に重畳して設けられ、第2タッチパネル125は、第2表示部120に重畳して設けられている。なお、各タッチパネルは、透明部材を用いて構成されており、各表示部に表示された画像が見えるように構成されている。
【0020】
タッチパネルコントローラ116は、第1タッチパネル115へのユーザの指等の接触を検出し、検出している間、一定時間(例えば、25ms)毎に、その第1タッチパネルにおける接触位置の座標値(x,y)を制御部150に出力するICである。
また、タッチパネルコントローラ126は、タッチパネルコントローラ116と同様に、第2タッチパネル125への接触の検出と座標値の出力を行うICである。
【0021】
また、光センサ130は、周囲の明るさを検出し、検出した明るさに対応する電圧レベルの信号を制御部150へ出力する回路であり、例えば、フォトダイオードにより実現される。
また、計時部131は、制御部150からの指示に応じて計時を開始し、所定時間(例えば10秒)を計時すると、その旨を制御部150に通知する機能を有し、例えば、タイマやカウンタにより実現される。
【0022】
また、記憶部140は、特性情報テーブル10を記憶するためのメモリ領域であり、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより実現される。
ここで、特性情報テーブル10は、制御可能な輝度レベル毎に、その輝度レベルに各表示部(110、120)の輝度を制御するために各バックライト(112、122)に入力すべき電流量を示す情報を登録したテーブルである(図5参照)。この特性情報テーブル10については、後に詳細に説明する。
【0023】
また、制御部150は、一般的な携帯電話機が有する機能の他、特に、各表示部の輝度レベルが同程度になるように、各LEDコントローラ(114、124)を介して各バックライトを制御する機能を有する。なお、制御部150は、いずれかのタッチパネルコントローラ(116又は126)から座標値が出力される毎に、計時部131に所定時間の計時を開始させる機能も有する。
【0024】
制御部150は、処理実行部151、表示制御部152及び輝度制御部153を含んで構成される。
ここで、処理実行部151は、各タッチパネルコントローラ(116、126)から出力された座標値が示す各タッチパネル上の位置に応じた処理を実行する機能を有する。
例えば、出力された座標値が示す位置にアイコンが表示されている場合に、処理実行部151は、そのアイコンに割り当てられている処理を実行する。
【0025】
また、表示制御部152は、処理実行部151の処理結果に応じた画面を、各LCDコントローラ(113、123)を介して各LCD(111、121)に表示させる機能を有する。
また、輝度制御部153は、光センサ130から出力された信号に基づいて、各表示部の輝度レベルを決定し、決定した輝度レベルに制御するために各バックライトに入力すべき電流量を特定し、特定した電流量を示す情報を指定したバックライトの点灯指示を各LEDコントローラに行う機能を有する。
【0026】
また、輝度制御部153は、計時部131からの所定時間を計時した旨の通知があった場合、つまり、所定時間以上、各タッチパネルを介したユーザ操作が行われていない場合に、バックライトの消灯指示を各LEDコントローラに行う機能を有する。
<データ>
以下では、携帯電話機100が使用するデータについて、図3を用いて説明する。
【0027】
図3は、特性情報テーブル10のデータ構成及び内容例を示す図である。
特性情報テーブル10は、同図に示すように、輝度レベル11、第1バックライトへの入力電流12及び第2バックライトへの入力電流13を対応付けて構成される情報であり、携帯電話機100の製造時に予めメーカにより記憶部140に登録される。
なお、同図に示すI11〜I15及びI21〜I25は具体的な数値を表しているものとする。
【0028】
ここで、輝度レベル11は、L1〜L5までの5段階の輝度を示す情報であり、第1バックライトへの入力電流12は、第1表示部110の輝度を対応する輝度レベルに制御するために、第1バックライト112に入力すべき電流量を示す情報である。
また、第2バックライトへの入力電流13は、第2表示部120の輝度を対応する輝度レベルに制御するために、第2バックライト122に入力すべき電流量を示す情報である。
【0029】
同図は、例えば、輝度レベルを「L1」に制御するための第1バックライトへの入力電流は「I11」であり、第2バックライトへの入力電流は「I21」であることを示している。
以下、特性情報テーブル10に登録されている第1バックライトへの入力電流12及び第2バックライトへの入力電流13の算出方法を図4及び図5を用いて説明する。
【0030】
図4は、各バックライトに電流I0を入力した場合の各表示部の輝度の測定結果を示す図である。
同図では、各バックライトに電流I0を入力し、各表示部の画面中央の輝度を輝度計で測定した結果、第1表示部110の輝度がL10、第2表示部120の輝度がL20であったことを示している。
【0031】
ここで、各バックライトへの入力電流と各表示部の輝度とは、各バックライト(LED)に入力可能な電流の範囲内において比例関係にあることが一般的に知られている。
従って、第1バックライト112への入力電流と第1表示部110の輝度との関係(以下、「第1表示部110の特性」ともいう)は、同図において実線で表す、原点及び点P1を通る直線で示される。また、第2バックライト122への入力電流と第2表示部120の輝度との関係(以下、「第2表示部120の特性」ともいう)は、同図において一点鎖線で表す、原点及び点P2を通る直線で示される。
【0032】
なお、第1表示部110の特性は数1で、第2表示部120の特性は数2で示される。
[数1]
第1バックライト112への入力電流I1=I0/L10×第1表示部110の目標輝度L
[数2]
第2バックライト122への入力電流I2=I0/L20×第2表示部120の目標輝度L
図5は、各輝度レベルと各バックライトに入力すべき電流量との関係を示す図である。
【0033】
上記数1及び数2により、同図に示す各輝度レベル(L1〜L5)に制御するために、第1バックライト112への入力電流I11〜I15及び第2バックライト122への入力電流I21〜I25を算出することができる。
例えば、第1バックライト112への入力電流I11は「I0/L10×L1」と、第2バックライト122への入力電流I21は「I0/L20×L1」と算出できる。
【0034】
<動作>
次に、上記構成を備える携帯電話機100の動作について、図6を用いて説明する。
図6は、携帯電話機100の輝度制御処理を示すフローチャートである。
同図に示す輝度制御処理は、携帯電話機100の電源がONになると開始され、特に図示していないが、電源がOFFになると終了される。
【0035】
まず、制御部150の輝度制御部153は、光センサ130からの検出した明るさに対応する電圧レベルの信号に基づいて、各表示部の輝度レベルを決定する(ステップS1)。
輝度制御部153は、図7に示すように、光センサ130からの信号が示す明るさの範囲を5段階に分けるための閾値Th1〜Th4を用いて、各表示部の目標輝度レベルを決定する。
【0036】
即ち、同図に示すように、各表示部の目標輝度レベルを、光センサ130からの信号が示す明るさがTh1未満である場合には「L1」に、Th1以上Th2未満である場合には「L2」に、Th2以上Th3未満である場合には「L3」に、Th3以上Th4未満である場合には「L4」に、Th4以上である場合には「L5」に決定する。
続いて、輝度制御部153は、ステップS1で決定した各表示部の目標輝度レベルが、前回の目標輝度レベルから変化したか否かを判定する(ステップS2)。
【0037】
決定した各表示部の目標輝度レベルが変化した場合に(ステップS2:YES)、輝度制御部153は、決定した輝度レベルに対応する各バックライトへの入力電流を示す情報を記憶部140の特性情報テーブル10から取得する(ステップS3)。
例えば、ステップS1で決定した各表示部の輝度レベルが「L3」である場合には、図3の例では、第1バックライトへの入力電流を示す情報「I13」、第2バックライトへの入力電流を示す情報「I23」を取得することになる。
【0038】
また、輝度制御部153は、ステップS3で取得した第1バックライトへの入力電流を示す情報を指定した点灯指示をLEDコントローラ114に行い、ステップS3で取得した第2バックライトへの入力電流を示す情報を指定した点灯指示をLEDコントローラ124に行う(ステップS4)。
なお、この点灯指示を受けたLEDコントローラ114は、その点灯指示において指定されている入力電流を示す情報(つまり、ステップS3で取得した第1バックライトへの入力電流を示す情報)を第1バックライト112に入力するよう制御する。また、LEDコントローラ124は、点灯指示において指定されている入力電流を示す情報(つまり、ステップS3で取得した第2バックライトへの入力電流を示す情報)を第2バックライト122に入力するよう制御する。
【0039】
ステップS4の処理を完了し、又はステップS2において、各表示部の目標輝度レベルが変化していない場合には(ステップS2:NO)、輝度制御部153は、各タッチパネルにおいて所定時間以上ユーザ操作が行われていないかを判定する(ステップS5)。
輝度制御部153は、計時部131からの通知がない場合には、いずれかのタッチパネルコントローラから座標値の出力が行われていることを示すので、ユーザ操作が行われていると判定し(ステップS5:NO)、再びステップS1から処理を行う。
【0040】
また、計時部131からの通知があった場合には、いずれのタッチパネルコントローラからも座標値の出力が行われていないことを示すので、ユーザ操作が行われていないと判定し(ステップS5:YES)、各LEDコントローラに消灯指示を行う(ステップS6)。
また、輝度制御部153は、いずれかのタッチパネルにおいてユーザ操作が行われたかを繰り返し判定し(ステップS7)、いずれかのタッチパネルコントローラから座標値の出力がなされた場合に、ユーザ操作が行われたと判定し(ステップS7:YES)、再びステップS1から処理を行う。
【0041】
≪実施の形態2≫
<概要>
実施の形態1では、特性情報テーブル10には、第1バックライトへの入力電流及び第2バックライトへの入力電流の両方の情報が予め登録されているものとして説明した。
実施の形態2では、第1バックライトへの入力電流及び第2バックライトへの入力電流のうち、一方のバックライトへの入力電流を示す情報のみが登録されている場合に、他方のバックライトへの入力電流を算出し、算出した入力電流を示す情報を登録する例を説明する。
【0042】
これにより、携帯電話機の製造時に予めメーカにより登録しておく情報は、片方のバックライトへの入力電流の情報だけで足りることになる。
つまり、実施の形態1では、図4を用いて説明したように、各バックライトに電流I0を入力した場合の各表示部の輝度をそれぞれ測定し、各バックライトへの入力電流を算出し、算出した入力電流を示す情報を登録する必要があった。
【0043】
しかしながら、以下説明する実施の形態2の方法によれば、片方のバックライトに電流I0を入力した場合のそのバックライトの輝度を測定し、そのバックライトへの入力電流を算出し、算出した入力電流を示す情報を登録すれば済むことになる。従って、携帯電話機の製造時におけるメーカでの作業を軽減できる。
なお、以下では、実施の形態2に係る携帯電話機について、実施の形態1に係る携帯電話機100との相違点を中心に説明する。
【0044】
<算出方法>
以下、特性情報テーブル10に、一方のバックライトへの入力電流を示す情報のみが登録されている場合に、他方のバックライトへの入力電流を算出する方法について図8及び図9を用いて説明する。
まず、共通の電流量を入力した場合に、より輝度が高くなった表示部のバックライトへの入力電流を示す情報が特性情報テーブル10に登録されていない場合について説明する。
【0045】
図8は、特性情報テーブル10に登録されている第2バックライトの入力電流を示す情報に基づいて、第1バックライトへの入力電流を算出する方法を説明するための図である。
同図では、特性情報テーブル10において、輝度レベル「L5」と対応付けられている情報が示す第2バックライトへの入力電流(この例では、「I25」とする)を、第1バックライト112に入力した結果(同図の点P3参照)と、第2バックライト122に入力した結果(同図の点P4参照)とを示している。この例では、共通の入力電流(I25)を各バックライトに入力した結果、第1表示部110の輝度のほうがより高くなったことを示している。
【0046】
第1バックライト112への入力電流をI25から徐々に低下させるよう制御していき、その結果、第1表示部110の輝度が第2表示部120の輝度と同程度になったとき(図中の点P5参照)の第1表示部の輝度(この例では「L5」)と第1バックライト112への入力電流(この例では「Is1」)との関係から、第1表示部110の特性を特定できる。
【0047】
なお、この第1表示部110の特性は数3で示される。
[数3]
第1バックライト112への入力電流I1=Is1/L5×第1表示部110の目標輝度L
この数3により、各輝度レベル(L1〜L5)についての第1バックライト112への入力電流を算出することができる。
【0048】
次に、共通の電流量を入力した場合に、より輝度が低くなった表示部のバックライトへの入力電流を示す情報が特性情報テーブル10に登録されていない場合について説明する。
図9は、特性情報テーブル10に登録されている第1バックライトへの入力電流を示す情報に基づいて、第2バックライトへの入力電流を算出する方法を説明するための図である。
【0049】
同図では、特性情報テーブル10において、輝度レベル「L5」と対応付けられている情報が示す第1バックライトへの入力電流(この例では、「I15」とする)を、第1バックライト112に入力した結果(同図の点P6参照)と、第2バックライト122に入力した結果(同図の点P7参照)とを示している。この例では、共通の入力電流(I15)を各バックライトに入力した結果、第2表示部120の輝度のほうがより低くなったことを示している。
【0050】
第1バックライト112への入力電流をI15から徐々に低下させるよう制御していき、その結果、第1表示部110の輝度が第2表示部120の輝度と同程度になったとき(図中の点P8参照)の第1表示部の輝度(この例では「Ls2」)を、そのときの第1バックライト112への入力電流Is2と特性情報テーブル10に登録されている情報に基づいて算出する。この例では、Ls2=L5/I15×Is2と算出できる。
【0051】
算出した輝度Ls2と最初に各バックライトに入力した電流I15との関係から、第2表示部120の特性を特定できる。
なお、この第2表示部120の特性は数4で示される。
[数4]
第2バックライト122への入力電流I2=I15/Ls2×第2表示部110の目標輝度L
この数4により、各輝度レベル(L1〜L5)についての第2バックライト122への入力電流を算出することができる。
【0052】
<機能構成>
図10は、実施の形態2に係る携帯電話機200の主要部の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機200は、同図に示すように、本発明に係る表示装置の一実施形態に係る表示装置230を含んで構成されており、第1表示部110、LCDコントローラ113、LEDコントローラ114、第1タッチパネル115、タッチパネルコントローラ116、第2表示部120、LCDコントローラ123、LEDコントローラ124、第2タッチパネル125、タッチパネルコントローラ126、光センサ130、計時部131、記憶部140、受付部210、操作部211及び制御部220を備える。
【0053】
即ち、携帯電話機200は、実施の形態1に係る携帯電話機100の制御部150に代えて、制御部220を備え、更に受付部210及び操作部211を備える点で、携帯電話機100と異なる。
なお、携帯電話機200の製造時においては、記憶部140の特性情報テーブル10には、片方のバックライトへの入力電流を示す情報が登録されていない状態にある。後述する登録部221による登録処理が実行されることで、図3に示すように、両方のバックライトへの入力電流を示す情報が登録された状態となる。
【0054】
ここで、受付部210は、特性情報テーブル10に登録される一方のバックライトへの入力電流を示す情報の入力を受け付け、制御部220に伝達する機能を有する。受付部210は、携帯電話機200の製造時にメーカにおいて、特性情報テーブル10に登録される一方のバックライトへの入力電流を示す情報を入力する際に用いられる。
また、操作部211は、特に、ユーザが第1表示部110の輝度を低下させる指示を行うためのボタン(以下、「第1調整ボタン」という)及び第2表示部120の輝度を低下させる指示を行うためのボタン(以下、「第2調整ボタン」という)と、両表示部の輝度が同程度であるとユーザが判断したときに押下するボタン(以下、「決定ボタン」という)とを含むものである。操作部211は、ユーザにより押下されたボタンに対応する入力信号を制御部220に送出する。
【0055】
制御部220は、処理実行部151、表示制御部152、輝度制御部153及び登録部221を含んで構成され、登録部221を含む点で、実施の形態1に係る制御部150と異なる。
ここで、登録部221は、受付部210を介して受け付けた一方のバックライトへの入力電流を示す情報を特性情報テーブル10に登録する機能と、登録した一方のバックライトへの入力電流を示す情報に基づいて、他方のバックライトへの入力電流を算出し、算出した他方のバックライトへの入力電流を示す情報を特性情報テーブル10に登録する機能とを有する。
【0056】
<動作>
次に、上記構成を備える携帯電話機200の動作について、図11を用いて説明する。
図11は、携帯電話機200の登録処理を示すフローチャートである。
同図に示す登録処理は、携帯電話機200の電源がONになった際に、いずれかのバックライトへの入力電流を示す情報が特性情報テーブル10に登録されていない場合に開始される。
【0057】
以下、特性情報テーブル10に入力電流を示す情報が登録されていないほうのバックライトを「対象バックライト」といい、特性情報テーブル10に入力電流を示す情報が登録されているほうのバックライトを「非対象バックライト」という。
まず、制御部220の登録部221は、特性情報テーブル10において、最大輝度レベル(この例ではL5)と対応付けられている非対象バックライトへの入力電流(以下、「最大入力電流」ともいう)を示す情報を取得し、取得した最大入力電流を示す情報を指定した点灯指示を各LEDコントローラに行う(ステップS10、S11)。
【0058】
また、登録部221は、操作部211からの入力信号に基づいて、第1調整ボタン及び第2調整ボタンのうちのいずれかが押下されたか否かを判定する(ステップS12)。
ユーザが、輝度がより高くなっている表示部の輝度を低下させるための調整ボタンを押下した場合に(ステップS12:YES)、登録部221は、押下された調整ボタンに対応するバックライトへの現在の入力電流量から所定量低下させた入力電流量を示す情報を指定した点灯指示を、対応するLEDコントローラに行う(ステップS13)。
【0059】
ここで、押下された調整ボタンに対応するバックライトとは、押下された調整ボタンによりその輝度が低下するよう制御される表示部に含まれるバックライトのことをいい、対応するLEDコントローラとは、そのバックライトへの点灯指示を行うLEDコントローラのことをいう。
ステップS13の処理を完了すると、登録部221は、再びステップS12の処理を行い、いずれの調整ボタンも押下されていない場合には(ステップS12:NO)、操作部211からの入力信号に基づいて、決定ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS14)。
【0060】
決定ボタンが押下されていない場合に(ステップS14:NO)、登録部221は、再びステップS12から処理を行う。
一方、ユーザが、両表示部の輝度が同程度になったと判断し、決定ボタンが押下された場合に(ステップS14:YES)、登録部221は、対象バックライトへの現在の入力電流と、非対象バックライトを含む表示部(以下、「非対象表示部」ともいう)の現在の輝度とに基づいて、対象バックライトへの入力電流を算出し、算出した対象バックライトへの入力電流を示す情報を特性情報テーブル10に登録する(ステップS15)。
【0061】
この対象バックライトへの入力電流の算出方法は、上述した通りである。
即ち、ステップS12で押下された調整ボタンに対応するバックライトが、対象バックライトである場合には、図8を用いて説明したように、決定ボタンが押下された際の対象バックライトへの入力電流とその際の非対象表示部の輝度(最大輝度レベルL5)とに基づいて、つまり数3により算出できる。
【0062】
また、ステップS12で押下された調整ボタンに対応するバックライトが、非対象バックライトである場合には、図9を用いて説明したように、決定ボタンが押下された際の非対象表示部の輝度を算出し、算出した輝度とステップS10で取得した最大入力電流とに基づいて、つまり数4により算出できる。
≪補足≫
以上、本発明に係る表示装置及び携帯端末を、実施の形態1及び2に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した各実施の形態で示した通りの表示装置及び携帯電話機に限られないことは勿論である。
【0063】
(1)各実施の形態に係る携帯電話機は、第1タッチパネル115及び第2タッチパネル125を備えるものとして説明したが、一方のタッチパネルのみを備えるようにしてもよい。
また、各タッチパネル(115及び125)と各タッチパネルコントローラ(116及び126)に代えて、いわゆるテンキー等のキー群やボタン群を含み、ユーザにより押下されたキー及びボタンに対応する入力信号を制御部(150又は220)へ送出する入力部を備えるように、各実施の形態に係る携帯電話機を変形してもよい。
【0064】
その場合、この入力部から入力信号を受領する毎に、計時部131に所定時間の計時を開始させるよう、制御部を変形する必要がある。
(2)各実施の形態では、図6に示す輝度制御処理のステップS5において、所定時間以上ユーザ操作が行われていない場合に(ステップS5:YES)、輝度制御部153は、消灯指示を各LEDコントローラに行うものとして説明した(ステップS6)。
【0065】
しかしながら、所定時間毎に、段階的に輝度レベルを低下させ、最終的に消灯させるように制御してもよい。即ち、例えば、各表示部における現在の輝度レベルが「L2」である場合に、所定時間後には輝度レベルを「L1」に低下させ、更に所定時間後に消灯させるようにしてもよい。
なお、ここでは、輝度レベルを1レベルずつ低下させる例を用いて説明したが、複数レベルずつ、あるいは所定レベルに低下させるようにしてもよい。即ち、例えば、各表示部における現在の輝度レベルが「L3」である場合に、所定時間後に輝度レベルを「L1」に低下させ、更に所定時間後に消灯させるようにしてもよい。
【0066】
また、所定時間毎に、段階的に輝度レベルを低下させ、消灯させることなく、最も低い輝度レベル(この例ではL1)で維持するように制御してもよい。
(3)各実施の形態では、輝度制御部153が、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じて、各表示部の輝度レベルを決定するものとして説明したが、その他の方法で輝度レベルを決定するようにしてもよい。
【0067】
例えば、各表示部の輝度を調整(低下又は上昇)するためのボタンの押下といったユーザ操作に応じて、輝度レベルを決定するよう輝度制御部153を変形してもよい。なお、このボタンは、ハードウェアボタンであってもよいし、各タッチパネル(115、125)に表示されるソフトウェアボタンであってもよい。
また、各実施の形態では、輝度制御部153が、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じて、各表示部の輝度レベルを共通の輝度レベルに決定するものとして説明したが、異なる輝度レベルに決定してもよい。
【0068】
例えば、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じた輝度レベルを元に一方の表示部の輝度レベルを所定段階変更したり、処理実行部151からの指示に従って、各表示部の輝度レベルを個別に所定の輝度レベルに決定してもよい。
例えば、一部に太陽の画像を含む1つの大きな画像を各表示部に分割して表示させるような場合に、その太陽の画像を含む部分画像を表示する表示部の輝度レベルを、他方の表示部の輝度レベルより高くすることで、太陽光が降り注いでいるような特定の視覚効果が得られるようにしてもよい。
【0069】
(4)実施の形態2で説明した第1調整ボタン及び第2調整ボタンはハードウェアボタンであるものとして説明したが、各タッチパネルに表示されるソフトウェアボタンであってもよい。なお、この場合、図11に示す登録処理の実行中においてもこのソフトウェアボタンが視認できるように、最大輝度レベルL5を設定するか、あるいはこのソフトウェアボタンが視認できるような輝度レベル(例えば、輝度レベルL3)に対応する入力電流を示す情報を取得するよう、ステップS10の処理を変更する必要がある。
【0070】
(5)実施の形態2では、図11に示すように、まず、各バックライトに非対象バックライトへの最大入力電流を入力し、ユーザ操作に応じて、輝度がより高くなった表示部の輝度を低下させていき、両表示部の輝度が同程度になったときの対象バックライトへの入力電流と非対象表示部の輝度とに基づいて、対象バックライトへの入力電流を算出するものとして説明した。
【0071】
しかしながら、各バックライトに入力可能な電流量の範囲内の所定電流を各バックライトに入力し、ユーザ操作により、各表示部の輝度を調整(低下又は上昇)していき、両表示部の輝度が同程度になったときの対象バックライトへの入力電流と非対象表示部の輝度とに基づいて、対象バックライトへの入力電流を算出するようにしてもよい。
この場合、対応する表示部の輝度を調整(低下又は上昇)する指示を行えるように、各調整ボタンを変形する必要がある。
【0072】
(6)実施の形態2では、携帯電話機200の製造時において、特性情報テーブル10には、一方のバックライトへの入力電流を示す情報しか登録されていない場合を例に、他方のバックライトへの入力電流を算出して、算出した他方のバックライトへの入力電流を示す情報を特性情報テーブル10に登録するものとして説明した。
しかしながら、運用中に故障等により、一方のバックライトを交換する必要が生じた場合に、交換時にメーカにおいて、特性情報テーブル10に登録されている交換対象のバックライトへの入力電流を示す情報を削除するようにすることで、交換したバックライトへの入力電流を算出して、算出した交換したバックライトへの入力電流を示す情報を特性情報テーブル10に登録するようにすることもできる。
【0073】
また、交換時にメーカにおいて、特性情報テーブル10に登録されている交換対象のバックライトへの入力電流を示す情報を削除することに代えて、以下のようにフラグを更新するようにしてもよい。
即ち、携帯電話機200を、特性情報テーブル10の第1バックライトへの入力電流を示す情報が有効であるか無効であるかを示す第1フラグと、特性情報テーブル10の第2バックライトへの入力電流を示す情報が有効であるか無効であるかを示す第2フラグとを記憶するように変形してもよい。
【0074】
この場合において、一方のバックライトを交換する必要が生じた場合に、交換時にメーカにおいて、交換対象のバックライトに対応するフラグを「無効」に更新するようにする。
この変形に係る携帯電話機は、電源がONになった場合において、いずれかのフラグが「無効」を示すときに、図11に示す登録処理を行うようにする。なお、同図に示す登録処理では、「無効」を示すフラグに対応するバックライト(つまり、交換したバックライト)を対象バックライトとして処理する必要がある。
【0075】
(7)実施の形態2では、携帯電話機200の電源がONになった場合において、いずれか一方のバックライトへの入力電流を示す情報が特性情報テーブル10に登録されていないときに、図11に示す登録処理を実行するものとして説明した。
しかしながら、ユーザが、対象バックライトを指定して登録処理を開始する操作を行った際に、登録処理を実行するよう変形してもよい。
【0076】
これにより、例えば、各バックライト(LEDバックライト)が劣化し、各表示部の特性が変化してしまったような場合に、ユーザが特性情報テーブル10に登録されている情報を更新することができるようになる。
(8)実施の形態1では、受付部210を介して受け付けた一方のバックライトへの入力電流を示す情報を登録部221が記憶部140の特性情報テーブル10に登録するものとして説明した。しかしながら、記憶部140を着脱可能な不揮発性の記憶媒体により実現し、受付部210及び登録部221を介さずに、外部装置(例えばパソコン)を用いて直接この記憶媒体に、一方のバックライトへの入力電流を登録した特性情報テーブル10を書き込むようにしてもよい。
【0077】
(9)実施の形態1では、特性情報テーブル10は、製造時にメーカにおいて登録されるものとして説明した。しかしながら、製造時にメーカでは、各バックライトに電流I0を入力した場合の各表示部の輝度の測定結果(図4の輝度L10、輝度L20)を入力するようにし、入力された情報に基づいて携帯電話機側で各バックライトへの入力電流を示す情報を生成し、特性情報テーブル10に登録するようにしてもよい。
【0078】
(10)各実施の形態では、各表示部は、L1〜L5の5段階の輝度レベルでの表示が可能であるものとして説明したが、輝度レベルは5段階に限らず、1段階(つまり、点灯時の輝度が固定レベル)以上であれば、5段階より多くても少なくてもよく、ユーザが、段階数の選択肢の中から選択できるようにしてもよい。
(11)各実施の形態では、各表示部の輝度を、各バックライトへの入力電流量により制御するものとして説明したが、各バックライト(LED)の点灯と消灯とを高速に繰り返すことで、輝度を制御するようにしてもよい(いわゆるPWM(Pulse Width Modulation)制御)。
【0079】
即ち、各表示部の輝度を制御するための入力量の一例として、実施の形態では、入力電流量を用いて説明したが、単位時間当たりの定電流の入力時間長であってもよい。
(12)各実施の形態に係る携帯電話機は、スライド式の携帯電話機であるものとして説明したが、2つの表示部を備える限り、折りたたみ式の携帯電話機やストレート型の携帯電話機等、他の外観を有する携帯電話機であってもよい。
【0080】
(13)各実施の形態に係る各タッチパネルは、静電容量方式のタッチセンサであるものとして説明したが、この静電容量方式のタッチセンサとして、多数の電極パターンをプラスチックやガラス等の基板上に形成し、接触点の近傍の複数の電極パターンによる電流量の比率を計測することで判別する投影型や、導電膜と基板とを有して構成され、基板の隅に電極を設け、導電膜による均一な電界を形成し、指等の接触による隅の端子の電流量の比率を計測して接触位置を判別する表面型等、適宜なものを用いることができる。
【0081】
また、各タッチパネルは、静電容量方式のタッチセンサである場合に限らず、電子ペン等の専用のペンを用いる電磁誘導方式や、2層構造の透明電極からなるマトリクススイッチ方式や、2枚の抵抗膜の1枚に電圧を印加し、他方の抵抗膜において操作した位置に応じた電圧を検知する抵抗膜方式や、振動波の跳ね返りを圧電素子の電圧変化によって検出し、指等の接触を検知する表面弾性波方式や、遮光された赤外線により指等が接触した位置を検出する赤外線方式や、画面に光センサを組み込んで接触位置を検知する光センサ方式等、適宜なものを用いてもよい。
【0082】
(14)実施の形態1に係る携帯電話機100は、図1(c)に示すように開状態で、第1表示部110と第2表示部120とが略同一平面上に配置されるものとして説明したが、ユーザが各表示部を見ることができる態様であれば、どのような配置でもよい。
例えば、開状態で、第1筐体1の第1表示部110を含む表面と、第2筐体2の第2表示部120を含む表面とが略平行になるように配置されてもよいし、第1筐体1の第1表示部110を含む表面と、第2筐体2の第2表示部120を含む表面との間に、ユーザが各表示部を見ることができる程度の角度が生じるように配置されてもよい。
【0083】
また、各実施の形態では、各LCD(111、121)の形状は、略矩形状であるとして説明したが、例えば、円形上、その他多角形状であってもよく、また、各LCDの画素数は同一であっても、異なってもよい。
また、各表示部(110及び120)は、液晶ディスプレイ(LCD)であるものとして説明したが、プラズマディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。
【0084】
(15)各実施の形態において説明した各構成要素のうち、全部又は一部を1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実現してもよい。
また、各実施の形態において説明した各構成要素は、携帯電話機が有するプロセッサと協働することにより、その機能を実現する。
【0085】
(16)各実施の形態において説明した携帯電話機の輝度制御処理及び登録処理(図6、図11参照)をプロセッサに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるプロセッサで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがそのプログラムを実行することにより各実施の形態で示した携帯電話機の各機能が実現される。
【0086】
(17)各実施の形態に係る携帯電話機に、上記(1)〜(16)の一部又は全部の変形を組み合わせて適用してもよい。
(18)以下、更に本発明の一実施形態に係る携帯端末及び表示装置の構成及びその変形例と各効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る携帯端末は、第1表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部と、第2表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第2表示部と、前記第1表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係及び前記第2表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶部と、前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記記憶部の前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量と、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量とをそれぞれ特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する輝度制御部とを備える。
【0087】
また、本発明の一実施形態に係る表示装置は、第1表示領域を有し、輝度を制御するための入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部と、第2表示領域を有し、輝度を制御するための入力量に応じた輝度で表示を行う第2表示部と、前記第1表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係及び前記第2表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶部と、前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記記憶部の前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量と、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量とをそれぞれ特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する輝度制御部とを備える。
【0088】
この携帯端末及びこの表示装置によれば、各表示部における入力量に対する表示領域の輝度にばらつき、つまり、各表示部の個体間の輝度特性にばらつきがある場合でも、記憶されている特性情報に基づいて各表示部に入力すべき第1入力量及び第2入力量をより正確に特定できるので、各表示部の輝度が特定の関係を有するように表示を行うことができる。
【0089】
(b)また、前記第1表示部は、前記第1表示領域を有するLCD(Liquid Crystal Display)と、入力された電流量に応じた明るさで発光する第1バックライトとを含み、前記第2表示部は、前記第2表示領域を有するLCDと、入力された電流量に応じた明るさで発光する第2バックライトとを含み、前記特性情報は、各表示領域の輝度と当該輝度に制御するために各バックライトに入力されるべき電流量との関係を示す情報であり、前記輝度制御部は、前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための電流量を前記第1入力量として、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための電流量を前記第2入力量としてそれぞれ特定することとしてもよい。
【0090】
この携帯端末によれば、各バックライトにおける入力電流量に対する表示領域の輝度にばらつきがある場合でも、記憶されている特性情報に基づいて各バックライトに入力すべき電流量をより正確に特定できるので、各表示部の輝度が特定の関係を有するように表示を行うことができる。
(c)また、前記特性情報は、複数の輝度レベル毎に、当該輝度レベルを示す情報と、当該輝度レベルに各表示領域を制御するために各バックライトに入力すべき電流量を示す情報とを対応付けたものであり、前記第1輝度及び前記第2輝度は、前記複数の輝度レベルの内のいずれかの輝度レベルを示すものであり、前記輝度制御部は、前記第1輝度を示す情報と前記特定情報において対応付けられている情報が示す前記第1バックライトに入力すべき電流量を前記第1入力量として、前記第2輝度を示す情報と前記特定情報において対応付けられている情報が示す前記第2バックライトに入力すべき電流量を前記第2入力量としてそれぞれ特定することとしてもよい。
【0091】
この携帯端末によれば、各バックライトにおける入力電流量に対する表示領域の輝度にばらつきがある場合でも、記憶されている特性情報に基づいてより正確に、各表示部の輝度が、複数の輝度レベルの内の目標の輝度レベルになるように表示することができる。
(d)また、前記輝度制御部は、前記複数の輝度レベルの内の共通する一のレベルが前記第1輝度及び前記第2輝度と決定された場合に、前記第1入力量及び前記第2入力量を特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御することとしてもよい。
【0092】
この携帯端末によれば、各バックライトにおける入力電流量に対する表示領域の輝度にばらつきがある場合でも、記憶されている特性情報に基づいてより正確に、各表示部の輝度が、複数の輝度レベルの内の目標とする共通の輝度レベルになるように表示することができる。
(e)また、前記携帯端末は、更に前記第1表示部における輝度と前記第1バックライトに入力する電流量との関係を示す情報を受け付ける受付部と、各バックライトに共通の電流量を入力した後に、少なくとも一方のバックライトに入力する電流量を変化させることで、各表示領域の輝度が同程度になった際の前記第1表示領域における輝度を、その際に前記第1バックライトに入力されていた電流量と前記受付部が受け付けた情報とに基づいて特定し、特定した前記第1表示領域における輝度と各表示領域の輝度が同程度になった際に前記第2バックライトに入力されていた電流量との関係を示す情報及び前記受付部が受け付けた情報を前記特性情報として前記記憶部に登録する登録部とを備えることとしてもよい。
【0093】
この携帯端末によれば、第2バックライトにおける入力電流量と第2表示領域の輝度との関係を示す情報を外部から受け付けることなく、この情報を、外部から受け付けた第1バックライトにおける入力電流量と第1表示領域の輝度との関係を示す情報に基づいて特定することができる。従って、例えばこの携帯端末の製造時にメーカにおいて、第2バックライトにおける入力電流量と第2表示領域の輝度との関係を示す情報を生成し記憶させておく手間を省くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る携帯端末は、複数の表示部に画像を表示させて使用する場合に利用される。
【符号の説明】
【0095】
1 第1筐体
2 第2筐体
3 アーム
4 レシーバ
5 マイク
10 特性情報テーブル
100、200 携帯電話機
110 第1表示部
111 第1LCD
112 第1バックライト
113、123 LCDコントローラ
114、124 LEDコントローラ
115 第1タッチパネル
116、126 タッチパネルコントローラ
120 第2表示部
121 第2LCD
122 第2バックライト
125 第2タッチパネル
130 光センサ
131 計時部
140 記憶部
150、220 制御部
151 処理実行部
152 表示制御部
153 輝度制御部
160、230 表示装置
210 受付部
211 操作部
221 登録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部と、
第2表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第2表示部と、
前記第1表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係及び前記第2表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶部と、
前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記記憶部の前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量と、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量とをそれぞれ特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する輝度制御部とを備える
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第1表示部は、前記第1表示領域を有するLCD(Liquid Crystal Display)と、入力された電流量に応じた明るさで発光する第1バックライトとを含み、
前記第2表示部は、前記第2表示領域を有するLCDと、入力された電流量に応じた明るさで発光する第2バックライトとを含み、
前記特性情報は、各表示領域の輝度と当該輝度に制御するために各バックライトに入力されるべき電流量との関係を示す情報であり、
前記輝度制御部は、前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための電流量を前記第1入力量として、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための電流量を前記第2入力量としてそれぞれ特定する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記特性情報は、複数の輝度レベル毎に、当該輝度レベルを示す情報と、当該輝度レベルに各表示領域を制御するために各バックライトに入力すべき電流量を示す情報とを対応付けたものであり、
前記第1輝度及び前記第2輝度は、前記複数の輝度レベルの内のいずれかの輝度レベルを示すものであり、
前記輝度制御部は、前記第1輝度を示す情報と前記特定情報において対応付けられている情報が示す前記第1バックライトに入力すべき電流量を前記第1入力量として、前記第2輝度を示す情報と前記特定情報において対応付けられている情報が示す前記第2バックライトに入力すべき電流量を前記第2入力量としてそれぞれ特定する
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記輝度制御部は、前記複数の輝度レベルの内の共通する一のレベルが前記第1輝度及び前記第2輝度と決定された場合に、前記第1入力量及び前記第2入力量を特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する
ことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記携帯端末は、更に
前記第1表示部における輝度と前記第1バックライトに入力する電流量との関係を示す情報を受け付ける受付部と、
各バックライトに共通の電流量を入力した後に、少なくとも一方のバックライトに入力する電流量を変化させることで、各表示領域の輝度が同程度になった際の前記第1表示領域における輝度を、その際に前記第1バックライトに入力されていた電流量と前記受付部が受け付けた情報とに基づいて特定し、
特定した前記第1表示領域における輝度と各表示領域の輝度が同程度になった際に前記第2バックライトに入力されていた電流量との関係を示す情報及び前記受付部が受け付けた情報を前記特性情報として前記記憶部に登録する登録部とを備える
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項6】
第1表示領域を有し、輝度を制御するための入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部と、
第2表示領域を有し、輝度を制御するための入力量に応じた輝度で表示を行う第2表示部と、
前記第1表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係及び前記第2表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶部と、
前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記記憶部の前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量と、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量とをそれぞれ特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する輝度制御部とを備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
第1表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部と、第2表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第2表示部とを備える携帯端末における輝度制御方法であって、
前記第1表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係及び前記第2表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶ステップと、
前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記記憶ステップにより記憶された前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量と、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量とをそれぞれ特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する輝度制御ステップとを含む
ことを特徴とする輝度制御方法。
【請求項8】
第1表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第1表示部と、第2表示領域を有し、入力量に応じた輝度で表示を行う第2表示部とを備える携帯端末におけるプロセッサに、輝度制御処理を行わせるためのプログラムであって、
前記第1表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係及び前記第2表示領域の輝度と当該輝度に制御するための入力量との関係を示す特性情報を記憶する記憶ステップと、
前記第1表示領域の目標輝度が第1輝度と、前記第2表示領域の目標輝度が前記第1輝度と特定の関係を有する第2輝度と決定された場合に、前記記憶ステップにより記憶された前記特性情報に基づいて、前記第1表示領域の輝度を前記第1輝度に制御するための第1入力量と、前記第2表示領域の輝度を前記第2輝度に制御するための第2入力量とをそれぞれ特定し、特定した前記第1入力量を前記第1表示部に入力し、特定した前記第2入力量を前記第2表示部に入力するよう制御する輝度制御ステップとを含む
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−220937(P2012−220937A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90249(P2011−90249)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】