説明

携帯通信端末装置

【課題】 予め設定した時刻の到来を報知する報知動作がユーザによる操作が行なわれることなく自動的に停止した場合に、ユーザがその後に該設定時刻の到来を知ることが出来る携帯通信端末装置1を提供する。
【解決手段】 本発明の携帯通信端末装置1は、操作部16と、操作部16に対する操作によって入力された報知時刻、メッセージを送信すべき通信端末装置の識別情報及びメッセージの送信時点情報を記憶するメモリ19と、制御部10とを具えている。該制御部10は、前記報知時刻の到来が検知された時点で報知動作を開始すると共に、報知動作の開始時点から前記送信時点情報が表わす時点までに前記操作部16に対しユーザ操作がなかった場合に、前記識別情報を有する通信端末装置にメッセージを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定した時刻の到来を報知するアラーム機能を有する携帯電話機等の携帯通信端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機においては、予め設定した時刻にアラームを鳴動させるアラーム機能を有するものが普及している。
この様なアラーム機能を有する携帯電話機は、例えば目覚まし時計として利用され、起床時刻をアラーム開始時刻として設定しておけば、アラーム開始時刻にアラーム機能が動作してアラームが鳴動し、ユーザはそのアラーム音によって目を覚ますことが出来る。その後、アラーム停止操作を行なうことによって、アラームを停止させることが出来る。
【0003】
尚、マナーモードを解除することなくアラーム音を発生させることが出来る種々の携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開2003−66172号公報 [G04G 13/02]
【特許文献2】特開2002−350578号公報 [G04G 13/02]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のアラーム機能を具えた携帯電話機においては、アラームが鳴動を開始した後、ユーザによりアラーム停止操作が行なわれることなく一定時間が経過すると、その時点で自動的にアラームが停止するので、ユーザがアラーム音に気づかなかった場合には寝過ごしてしまう問題があった。
そこで本発明の目的は、予め設定した時刻の到来を報知する報知動作がユーザによる操作が行なわれることなく自動的に停止した場合に、ユーザがその後に該設定時刻の到来を知ることが出来る携帯通信端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る携帯通信端末装置は、予め設定した時刻の到来を報知するアラーム機能と、アラーム機能の動作後に他の通信端末装置に対し音声データ或いは文字データからなるメッセージを送信するメッセージ送信機能とを有している。そして、該携帯通信端末装置は、
キー入力手段と、
キー入力手段に対する操作によって入力された報知時刻と、メッセージを送信すべき通信端末装置の識別情報と、メッセージを送信すべき時点を表わす送信時点情報とを記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶されている報知時刻の到来を検知する報知時刻検知手段と、
報知時刻の到来を報知する報知手段と、
記憶手段に記憶されている識別情報を有する通信端末装置にメッセージを送信する通信手段と、
報知時刻の到来が検知された時点で前記報知手段を動作させると共に、報知動作の開始時点から記憶手段に記憶されている送信時点情報が表わす時点までにキー入力手段に対してユーザ操作がなかった場合に、前記通信手段を動作させる制御手段
とを具えている。
【0006】
上記本発明に係る携帯通信端末装置においては、キー入力手段を操作して、報知時刻、メッセージを送信すべき通信端末装置の識別情報、例えば電子メールアドレスや電話番号、及びメッセージを送信すべき時点を表わす送信時点情報を入力しておく。これによって、報知時刻が到来した時点で該時刻の到来が報知される。時刻の到来を報知する方法としては、音響による方法や振動による方法が採用可能である。
そして、報知動作が開始されてから前記送信時点情報が表わす時点までにキー入力手段に対して操作を行なわなかった場合には、前記識別情報を有する通信端末装置にメッセージが送信され、その後、メッセージを受信した通信端末装置のユーザが該メッセージの内容に従ってメッセージ送信者に電話をかける等の行為を行なえば、メッセージ送信者は、該行為を受けることにより前記報知時刻の到来を知ることが出来る。
【0007】
具体的構成において、前記送信時点情報は、報知動作を継続すべき時間を表わす情報であって、前記制御手段は、報知動作の継続中に報知動作停止操作が行なわれたときに前記報知手段の報知動作を停止させ、報知動作の継続中に報知動作停止操作が行なわれなかったときに前記通信手段を動作させる。
【0008】
上記具体的構成においては、報知時刻が到来した時点で報知動作が開始され、その後、報知動作の継続中に報知動作停止操作が行なわれると、その時点で報知動作が停止する。一方、報知動作停止操作が行なわれることなく送信時点情報が表わす時間が経過すると、その時点で報知動作が停止すると共に、他の通信端末装置にメッセージが送信される。
【0009】
又、具体的には、前記メッセージは文字データから構成されており、前記記憶手段は、キー入力手段に対する操作によって入力されたメッセージを記憶し、前記通信手段は、記憶手段に記憶されているメッセージを送信する。
或いは、携帯通信端末装置はマイクロフォンを具え、前記メッセージは音声データから構成されており、前記記憶手段は、マイクロフォンから入力されたメッセージを記憶し、前記通信手段は、記憶手段に記憶されているメッセージを送信する。
上記具体的構成によれば、所望のメッセージを文字或いは音声で他の通信端末装置のユーザに伝えることが出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る携帯通信端末装置によれば、予め設定した時刻の到来を報知する報知動作がユーザによる操作が行なわれることなく自動的に停止した場合に、ユーザがその後に該設定時刻の到来を知ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を携帯電話機に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本発明に係る携帯電話機(1)の構成を表わしており、アンテナ(11)によって受信された信号は、RF部(12)を経てBB(ベースバンド)部(13)に供給され、受話信号が復調される。該受話信号は、CPUからなる制御部(10)を経てスピーカ(14)に供給され、放音される。又、マイクロフォン(15)に入力された送話信号は、制御部(10)を経てBB部(13)に供給され、変調を受ける。変調を受けた送話信号は、RF部(12)を経てアンテナ(11)から外部へ送信される。
上記制御部(10)には、複数の操作キーからなる操作部(16)と、種々の情報を表示するための表示部(17)と、後述のアラーム機能を実現するためのタイマー(18)と、後述の情報を格納するためのメモリ(19)とが接続されている。
【0012】
上記携帯電話機(1)は、予め設定した時刻(アラーム開始時刻)にスピーカ(14)からアラーム音を発するアラーム機能と、アラーム動作中にアラーム停止操作が行なわれなかった場合に、電子メール機能を利用して予め登録したメッセージを予め登録したアドレスを有するパーソナルコンピュータや携帯電話機等の通信端末装置に送信するメッセージ送信機能とを有しており、前記メモリ(19)には、図2に示す如くアラーム開始時刻、アラーム動作を継続すべき時間(アラーム継続時間)、メッセージ送信機能が有効であるか無効であるかを表わすメッセージ送信機能有効/無効フラグ、メッセージを送信すべき通信端末装置のメールアドレス(送信先アドレス)、送信すべきメッセージ、及びアラーム停止操作が行なわれたか否かを表わすアラーム停止操作有無フラグの格納領域が設けられている。アラーム開始時刻、アラーム継続時間、メッセージ送信機能有効/無効フラグ、送信先アドレス及びメッセージは、ユーザが予め操作部(16)に対してキー入力操作を行なうことによってメモリ(19)に格納される。
【0013】
図3は、上記制御部(10)によって実行されるアラーム機能及びメッセージ送信機能の設定手続きを表わしている。
ユーザによりアラーム機能及びメッセージ送信機能の設定を開始するための操作が行なわれると、先ずステップS1にて、所定のアラーム/メッセージ送信機能設定画面を表示部(17)に表示した後、ステップS2では、送信先アドレスを入力する操作が行なわれたか否かを判断する。ここで、ユーザが操作部(16)を操作してメッセージを送信すべき通信端末装置のアドレスを入力すると、イエスと判断されてステップS3に移行し、入力された送信先アドレスをメモリ(19)に格納した後、ステップS4に移行する。尚、送信先アドレスの入力は、予め登録されているアドレスの中から選択することによって行なうことも可能である。
【0014】
ステップS4では、メッセージを入力する操作が行なわれたか否かを判断する。ここで、ユーザが操作部(16)を操作して送信すべきメッセージを入力すると、イエスと判断されてステップS5に移行し、入力されたメッセージをメモリ(19)に格納した後、ステップS6に移行する。尚、メッセージの入力は、予め登録されているメッセージの中から選択することによって行なうことも可能である。
【0015】
ステップS6では、アラーム機能及びメッセージ送信機能の設定に必要な他の情報を入力する操作が行なわれたか否かを判断する。ここで、ユーザが操作部(16)を操作して、アラーム開始時刻、アラーム継続時間、及びメッセージ送信機能の有効/無効情報を入力すると、イエスと判断されてステップS7に移行する。ステップS7では、入力されたアラーム開始時刻及びアラーム継続時間をメモリ(19)に格納すると共に、入力された有効/無効情報が有効を表わす場合にメッセージ送信機能有効/無効フラグとして1の値をメモリ(19)に格納する一方、入力された有効/無効情報が無効を表わす場合には前記フラグとして0の値をメモリ(19)に格納する。
【0016】
その後、ステップS8では、アラーム機能及びメッセージ送信機能の設定を終了するための操作が行なわれたか否かを判断し、ノーと判断された場合には、ステップS2に戻る一方、イエスと判断された場合には、上記手続きを終了する。
上記手続きによって、アラーム機能及びメッセージ送信機能の設定に必要な情報が設定されることになる。
【0017】
図4は、アラーム機能が有効に設定されている場合に上記制御部(10)によって実行される手続きを表わしている。
先ずステップS11では、アラーム停止操作有無フラグとして0の値をメモリ(19)に格納した後、ステップS12では、タイマー(18)の出力に基づいてメモリ(19)に格納されているアラーム開始時刻となったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS12にて同じ判断を繰り返す。
【0018】
その後、アラーム開始時刻が到来すると、その時点でステップS12にてイエスと判断されてステップS13に移行し、アラーム動作を開始する。次にステップS14では、アラーム停止操作が行なわれたか否かを判断し、ノーと判断された場合には、ステップS15にて、アラーム動作を開始してからメモリ(19)に格納されているアラーム継続時間が経過したか否かを判断し、ノーと判断された場合にはステップS14に戻る。
アラーム動作の継続中にユーザがアラーム停止操作を行なうと、ステップS14にてイエスと判断されてステップS16に移行し、メモリ(19)に格納されているアラーム停止操作有無フラグをアラーム停止操作が行なわれたことを表わす1の値に書き換えた後、ステップS17にて、アラーム動作を停止する。
これに対し、アラーム動作が開始された後、ユーザがアラーム停止操作を行なうことなく前記アラーム継続時間が経過すると、その時点でステップS15にてイエスと判断されてステップS17に移行し、アラーム動作を停止する。
【0019】
その後、ステップS18では、メモリ(19)に格納されているメッセージ送信機能有効/無効フラグが1の値であるか否かを判断する。ここで、メッセージ送信機能有効/無効フラグが0の値である場合には、該値はメッセージ送信機能が無効であることを表わしているので、ステップS21に移行して待受け状態に戻り、上記手続きを終了する。
これに対し、メッセージ送信機能有効/無効フラグが1の値である場合には、該値はメッセージ送信機能が有効であることを表わしているので、ステップS19に移行して、アラーム停止操作有無フラグが1の値であるか否かを判断する。ここで、アラーム停止操作有無フラグが1の値である場合には、アラーム停止操作が行なわれたことを表わしているので、ステップS21に移行して待受け状態に戻り、上記手続きを終了する。
一方、アラーム停止操作有無フラグが0の値である場合には、該値はアラーム停止操作が行なわれなかったことを表わしているので、ステップS20に移行して、メモリ(19)に格納されているメッセージを該メモリ(19)に格納されている送信先アドレスを有する通信端末装置に送信した後、ステップS21にて待受け状態に戻り、上記手続きを終了する。
【0020】
例えば、上記携帯電話機(1)を目覚まし時計として利用する場合、ユーザは、予め操作部(16)に対しキー入力操作を行なって、アラーム開始時刻、アラーム継続時間、メッセージ送信機能の有効、送信先アドレス、及び「起こしてください」、「すぐに連絡してください」等のメッセージを登録しておく。これによって、アラーム開始時刻が到来した時点でスピーカ(14)からアラーム音が発せられる。
その後、アラーム動作の継続中にユーザがアラーム音により目を覚ましてアラーム停止操作を行なうと、その時点でアラーム動作が停止される。一方、ユーザが目を覚まさず、アラーム停止操作が行なわれることなくアラーム継続時間が経過すると、その時点でアラーム動作が停止されると共に、前記送信先アドレスを有する通信端末装置に前記メッセージが送信される。
その後、メッセージを受信した通信端末装置のユーザが該メッセージの内容に従ってメッセージ送信者に電話をかける等の行為を行なえば、メッセージ送信者は該行為を受けて目を覚ますことになる。
【0021】
本発明に係る携帯電話機(1)においては、上述の如く、ユーザがアラーム停止操作を行なうことなく自動的にアラームが停止した場合には、予め登録した送信先アドレスを有する通信端末装置に予め登録したメッセージが送信される。その後、該通信端末装置のユーザが該メッセージの内容に応じた行為を行なえば、メッセージ送信者は、該行為を受けることによりアラーム開始時刻の到来を知ることが出来る。
【0022】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、文字データからなるメッセージを送信する構成を採用しているが、音声データからなるメッセージをマイクロフォン(15)から入力しておき、該メッセージを送信する構成を採用することも可能である。
又、アラーム継続時間を入力しておき、アラーム動作の継続中にアラーム停止操作が行なわれなかった場合にメッセージを送信する構成を採用しているが、アラーム動作の開始時点からメッセージの送信時点までの時間を入力しておき、アラーム動作の開始時点から該時間が経過する時点までにユーザ操作が行なわれなかった場合にメッセージを送信する構成や、アラーム動作の停止時点からメッセージの送信時点までの時間を入力しておき、アラーム動作の開始時点からアラーム動作の停止後に前記時間が経過する時点までにユーザ操作が行なわれなかった場合にメッセージを送信する構成を採用することも可能である。
更に、本発明は、アラーム音を一定時間(例えば1分)だけ発する動作をアラーム開始時刻から予め設定したアラーム継続時間(例えば30分)が経過するまで一定の周期(例えば5分)で繰り返す所謂スヌーズ機能を有する携帯電話機に応用することが可能である。該携帯電話機においては、例えば、アラーム開始時刻からアラーム継続時間が経過するまでにアラーム停止操作が行なわれなかった場合にメッセージを送信する構成を採用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る携帯電話機の構成を表わすブロック図である。
【図2】上記携帯電話機のメモリの格納領域を表わす図である。
【図3】アラーム機能及びメッセージ送信機能の設定手続きを表わすフローチャートである。
【図4】メッセージ送信手続きを表わすフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
(1) 携帯電話機
(10) 制御部
(11) アンテナ
(12) RF部
(13) BB部
(14) スピーカ
(15) マイクロフォン
(16) 操作部
(17) 表示部
(18) タイマー
(19) メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定した時刻の到来を報知するアラーム機能と、アラーム機能の動作後に他の通信端末装置に対し音声データ或いは文字データからなるメッセージを送信するメッセージ送信機能とを有している携帯通信端末装置であって、
キー入力手段と、
キー入力手段に対する操作によって入力された報知時刻と、メッセージを送信すべき通信端末装置の識別情報と、メッセージを送信すべき時点を表わす送信時点情報とを記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶されている報知時刻の到来を検知する報知時刻検知手段と、
報知時刻の到来を報知する報知手段と、
記憶手段に記憶されている識別情報を有する通信端末装置にメッセージを送信する通信手段と、
報知時刻の到来が検知された時点で前記報知手段を動作させると共に、報知動作の開始時点から記憶手段に記憶されている送信時点情報が表わす時点までにキー入力手段に対してユーザ操作がなかった場合に、前記通信手段を動作させる制御手段
とを具えていることを特徴とする携帯通信端末装置。
【請求項2】
前記送信時点情報は、報知動作を継続すべき時間を表わす情報であって、前記制御手段は、報知動作の継続中に報知動作停止操作が行なわれたときに前記報知手段の報知動作を停止させ、報知動作の継続中に報知動作停止操作が行なわれなかったときに前記通信手段を動作させる請求項1に記載の携帯通信端末装置。
【請求項3】
前記メッセージは文字データから構成されており、前記記憶手段は、キー入力手段に対する操作によって入力されたメッセージを記憶し、前記通信手段は、記憶手段に記憶されているメッセージを送信する請求項1又は請求項2に記載の携帯通信端末装置。
【請求項4】
マイクロフォンを具え、前記メッセージは音声データから構成されており、前記記憶手段は、マイクロフォンから入力されたメッセージを記憶し、前記通信手段は、記憶手段に記憶されているメッセージを送信する請求項1又は請求項2に記載の携帯通信端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate