説明

撮像表示装置

【課題】 モニタに対して撮像部が広範囲で相対移動可能に構成された撮像表示装置を提供すること。
【解決手段】 撮像表示装置1は、被写体の映像を表示するモニタ2を有する本体部3と、被写体の像を取り込む撮像部4と、本体部3と撮像部4とを連結する管状の連結部5を備え、連結部5が、直線状態と湾曲状態とに変形可能に構成されることで、本体部3に対して撮像部4が相対移動可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の像を取り込む撮像部と、被写体の映像を表示するモニタとを備える撮像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等として、被写体の像を取り込む撮像部に加え、この撮像部から取り込まれた被写体の映像を表示するモニタを備える撮像表示装置が知られている。この種の撮像表示装置では、一般に、撮影者は、被写体の映像をモニタで確認しながら撮影を行っている。そのため、撮影者がモニタを確認しやすい状態で、撮像部を被写体に向ける必要がある。そこで、モニタに対して、撮像部が相対移動できる構成を備えた撮像表示装置が広く採用されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の撮像表示装置(ビデオカメラ)では、レンズを有する撮像部(カメラ部)やレコーダ部などを備える本体部(ビデオカメラ本体)と、モニタ(液晶モニタ)とがヒンジ機構によって連結されている。ヒンジ機構は、モニタを本体部へ近接収納する収納形態と、モニタを本体部から引き離して展開する展開形態とにモニタを移動可能にする第1の回転軸を備えている。また、ヒンジ機構は、第1の回転軸に直交する第2の回転軸を備え、モニタは、展開状態で、この第2の回転軸を中心に回動可能に構成されている。すなわち、撮像部を備える本体部はモニタに対して相対回転可能に構成されており、撮影者は確認しやすい位置にモニタを回転移動させながら、被写体の撮影が行われる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−248629号公報(段落番号0008〜0012、図1、図2、図7等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された撮像表示装置では、撮像部が、モニタに対して第2の回転軸を中心に相対回転可能に構成されていることから、モニタに対する撮像部の相対可動範囲は、第2の回転軸を中心とする回転方向に限られている。そのため、被写体の位置によっては、撮影時にモニタで被写体の映像の確認を行うことができないといった問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、モニタに対して撮像部が広範囲で相対移動可能に構成された撮像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、被写体の映像を表示するモニタを有する本体部と、被写体の像を取り込む撮像部とを備える撮像表示装置であって、本体部と撮像部とを連結する管状の連結部を備え、連結部が、直線状態と湾曲状態とに変形可能に構成されることで、本体部に対して撮像部が相対移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明では、撮像表示装置が、モニタを有する本体部と撮像部とを連結する連結部を備え、その連結部が直線状態と湾曲状態とに変形可能に構成されることで、本体部に対して撮像部が相対移動可能に構成されている。そのため、連結部を直線状態あるいは湾曲状態に変形させることで、本体部に対して、すなわち、モニタに対して撮像部の位置を柔軟に移動させることができる。したがって、モニタに対して撮像部が広範囲で相対移動可能となる。その結果、撮影時にモニタで被写体の映像を確認しやすくなる。
【0009】
本発明において、連結部は、直線状態および湾曲状態で、撮像部の自重を支えることができる剛性を有することが好ましい。ここで、本明細書において、「連結部が撮像部の自重を支えることができる剛性を有する」とは、外力が加わらない状態における撮像部の本体部に対する相対位置を連結部のみによって維持できる程度の剛性を連結部が有することをいうものとする。このように構成すると、撮像部を被写体に向けた状態で、本体部に対する撮像部の位置を維持することができるため、撮影時において、撮影者が撮像部を保持する必要がなくなり、撮影時における撮影者の負担が軽減される。
【0010】
本発明において、本体部は、扁平面と、扁平面に略直交する厚み方向に形成された側面とを有する扁平形状に形成され、撮像部と連結部とは、側面に沿って配置可能に構成されていることが好ましい。ここで、本明細書において、「扁平面」とは、側面に比べて大きな表面積を有する平面をいい、「扁平形状」とは、側面の厚み方向寸法が小さい厚みの薄い形状をいうものとする。このように構成すると、たとえば、撮像表示装置の不使用時においては、撮像部と連結部とを側面に沿って配置することで、撮像表示装置を厚み方向でコンパクト化することができる。そのため、撮像表示装置の持ち運びが容易になる。また、所定の収納容器に撮像表示装置を収納する際に、撮像表示装置をコンパクトに収納することができる。
【0011】
また、このように構成した場合、撮像部と連結部とが側面に沿って配置された状態では、撮像部および連結部の厚み方向の外形寸法が本体部の厚み以下であることが好ましい。このように構成すると、撮像部と連結部を側面に沿って配置したとき、撮像表示装置を厚み方向で更にコンパクト化することができる。
【0012】
本発明において、モニタは、扁平面がモニタの表示面となるように配置されていることが好ましい。このように構成すると、モニタの表示面積を大きくすることができ、撮影時に被写体の映像を確認しやすくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる撮像表示装置では、モニタに対して撮像部を広範囲で相対移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(撮像表示装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮像表示装置1を示す斜視図である。図2は、図1に示す撮像表示装置1の撮像部4および連結部5を示す断面図である。図3は、図1に示す撮像表示装置1の連結部5が湾曲した状態を示す斜視図である。
【0016】
本形態の撮像表示装置1は、撮影者が被写体の映像を確認しながら撮影を行うビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像表示装置であり、被写体の映像を表示するモニタ2を有する本体部3と、被写体の像を取り込む撮像部4とを備えている。また、撮像表示装置1は、本体部3と撮像部4とを連結する連結部5を備えている。より具他的には、撮像部4は、連結部5を介して本体部3に対して近接した状態で配置されている。さらに、本形態における撮像表示装置1は、カード型のものであり、たとえば、その外形は、横幅85mm、縦幅55mm、厚み5.5mmの略直方体形状をしている。なお、図1に示すように、本体部3が備える長方形状の扁平面3a1の長辺の方向が撮像表示装置1の横幅方向(X方向)、扁平面3a1の短辺の方向が撮像表示装置1の縦幅方向(Y方向)、扁平面3a1に略直交する方向が撮像表示装置1の厚み方向(Z方向)となる。
【0017】
図1に示すように、本体部3は、扁平な直方体形状に形成された基部3aと、連結部5が接続される接続部3bとから構成されている。
【0018】
基部3aは、比較的大きな表面積を有する平行に配置された2つの長方形状の扁平面3a1と、扁平面3a1の2つの短辺から厚み方向(Z方向)に平行に形成された2つの側面3a2と、扁平面3a1の2つの長辺から厚み方向(Z方向)に平行に形成された2つの側面3a3とを備えており、側面3a2、3a3の厚み方向寸法が小さい厚みの薄い形状、すなわち、扁平形状に形成されている。なお、図1では、2つの扁平面3a1のうちの一方のみに符号を付している。同様に、2つの側面3a2のうちの一方のみ符号を付し、また、2つの側面3a3のうちの一方のみに符号を付している。本形態では、基部3aの厚みは5.5mmとなっており、基部3aの厚みが、撮像表示装置1の厚みとなっている。この基部3aには、モニタ2の他、図示を省略するデータ記録部等の制御部やバッテリなどが配設されている。
【0019】
接続部3bは、2つの側面3a3の一方からY方向外側に向かって突出した直方体形状に形成されている。より具体的には、接続部3bは、基部3aと同じ厚みで基部3aの1つの角部に設けられており、2つの扁平面3a1とそれぞれ同一面となる2つの面と、側面3a2の一方と同一面となる面と、側面3a3に直交する直交面3b1と、曲面状の頭部面3b2とを備えている。この直交面3b1には、連結部5の一端がその面から突出するように接続されており、連結部5および撮像部4は、側面3a3に沿って配置可能になっている。なお、基部3aに対する接続部3bのY方向の突出量は、後述する連結部5および撮像部4の外径とほぼ同程度となっており、本形態では、この突出量は5.5mmとなっている。
【0020】
モニタ2は、液晶モニタ等の長方形をした薄型モニタであり、その表示面が一方の扁平面3a1となるように配置されている。本形態では、モニタ2が配置された扁平面3a1の表面積の大半は、モニタ2の表示面が占めている。
【0021】
扁平面3a1におけるモニタ2のX方向の一方側の側方には、操作ボタン6が設けられている。本形態では、4つの操作ボタン6がY方向に並ぶように配置されており、これらの操作ボタン6によって、被写体の撮影が行われたり、撮影された映像の再生が行われるようになっている。
【0022】
図2に示すように、撮像部4は、円筒形状の保持筒7と、保持筒7の内周側に保持されたレンズ群8および撮像素子9を備えている。なお、図2においては、後述する各湾曲駒を省略し、複数の湾曲駒が一体となった管状の連結部5を示している。
【0023】
保持筒7はその基端が連結部5に接続されている。また、保持筒7の外径は、基部3aの厚み、すなわち、本体部3の厚み以下となっている。本形態では、保持筒7の外径は、5mmとなっている。また、レンズ群8は、被写体の像を撮像素子9に結像させるための5枚のレンズ10、11、12、13、14から構成されており、撮像部4の先端4aからこの順番で保持筒7の内周側に保持されている。
【0024】
撮像素子9は、レンズ群8によって結像された光を電気信号に変換するものであり、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)である。この撮像素子9は、撮像素子ホルダ15に固定されており、この撮像素子ホルダ15を介して保持筒7の内周側に保持されている。また、撮像素子9には、複数の配線16の一端が接続されている。なお、撮像素子9は、CCDには限定されず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であっても良い。
【0025】
連結部5は、図1に示す直線状態と、図3に示す湾曲状態とに変形可能な管状に構成されており、それによって、本体部3に対して撮像部4が相対移動可能に構成されている。また、連結部5は、直線状態および湾曲状態で、撮像部4の自重を支えることができる剛性を有するように構成されている。すなわち、連結部5は、外力を受けていない状態において、本体部3に対して設定された撮像部4の相対位置を連結部5のみによって維持できる程度の剛性を有するように構成されている。
【0026】
より具体的には、連結部5は、多数の湾曲駒(図示省略)から構成されており、これらの湾曲駒が互いに隣接するように連続して接続されている。湾曲駒は、隣接する湾曲駒に対して互いに回動可能になっている。そのため、隣接する一方の湾曲駒に対する他方の湾曲駒の傾斜角度を柔軟に変化させることができるようになっており、連結部5は、直線状態と湾曲状態とに変形可能となっている。特に本形態では、連結部5は、図3に示すように、本体部3を固定した状態で、XYZ方向のあらゆる方向に撮像部4の先端4aを向けることができるようになっている。すなわち、連結部5は、本体部3を固定した状態で、あらゆる方向の被写体を撮影できるように構成されている。
【0027】
また、湾曲駒は、隣接する湾曲駒との間に生じる摩擦力によって、直線状態および湾曲状態を維持できるようになっている。この湾曲駒間に生じる摩擦力によって、連結部5は、外力が加わらない状態における撮像部4の本体部3に対する相対位置を連結部5のみによって維持できる程度の剛性を有することになっている。
【0028】
さらに、本形態では、連結部5は、図2に示すように全体としては、円管状に形成されており、その外径は、基部3aの厚み、すなわち、本体部3の厚み以下となっている。本形態では、連結部5の外径は、保持筒7の外径と同様に5mmとなっている。また、連結部5の内部には、一端が撮像素子9に接続された複数の配線16が挿通されている。配線16の他端は、基部3aに配設された制御部に接続されている。
【0029】
なお、連結部5は、上述のような湾曲駒を用いる構成には限定されない。たとえば、直線状態と湾曲状態とに変形可能でかつ、撮像部4の自重を支えることができる剛性を有することができるポリマー樹脂を用いて管状の連結部5を構成しても良い。また、連結部5は、細い帯状の金属の弾性薄板を螺旋状に巻いて形成した螺旋管状のものであっても良い。
【0030】
本形態においては、連結部5が図1に示すように直線状態となって、連結部5および撮像部4が本体部3の側面3a3に沿って配置された状態では、接続部3bのX方向の長さと、撮像部4のX方向の長さと、連結部5のX方向の長さとの和は、本体部3の横幅以下となるように構成されている。
【0031】
以上のように構成された撮像表示装置1では、不使用時すなわち、撮影を行わない時には、通常、図1に示すように、連結部5が直線状態となって、撮像部4と連結部5とが側面3a3に沿って配置される。また、被写体の撮影時には、通常、図3に示すように、連結部5が湾曲状態となり、被写体に対して撮像部4の先端4aが向けられて、モニタ2で被写体の映像を確認しながら、被写体の撮影が行われる。なお、図1に示す状態で、被写体の撮影を行うことも可能である。
【0032】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の撮像表示装置1は、本体部3と撮像部4とを連結する連結部5を備え、その連結部5が直線状態と湾曲状態とに変形可能に構成されることで、本体部3に対して撮像部4が相対移動可能に構成されている。そのため、連結部5を直線状態あるいは湾曲状態に変形させることで、本体部3に対して、すなわち、モニタ2に対して撮像部4の位置を柔軟に移動させることができ、モニタ2に対して撮像部4が広範囲で相対移動可能となる。したがって、モニタ2で被写体の映像を確認しながら、広範囲にわたって被写体の撮影ができるようになる。
【0033】
特に本形態では、連結部5は、図3に示すように、本体部3を固定した状態で、XYZ方向のあらゆる方向に撮像部4の先端4aを向けることができるように構成されている。そのため、モニタ2で被写体の映像を確認しながら、あらゆる方向の被写体の撮影ができる。
【0034】
本形態では、連結部5は、直線状態および湾曲状態で、撮像部4の自重を支えることができる剛性を有している。そのため、撮像部4を被写体に向けた状態で撮像部4に外力が加わらなければ、連結部5のみで本体部3に対する撮像部4の位置を維持することができる。したがって、撮影時において、撮影者が撮像部4を保持する必要がなくなり、撮影時における撮影者の負担が軽減される。
【0035】
本形態では、本体部3は、扁平面3aに略直交する厚み方向に形成された側面3a3に沿って、撮像部4と連結部5とが配置可能に構成されている。そのため、たとえば、撮像表示装置1の不使用時においては、撮像部4と連結部5を側面3a3に沿って配置することで、本体部3が扁平形状に形成された撮像表示装置1を厚み方向(Z方向)でコンパクト化することができる。したがって、撮像表示装置1の持ち運びが容易になる。また、所定の収納容器に撮像表示装置1を収納する際には、撮像表示装置1を収納容器内にコンパクトに収納することができる。
【0036】
また、本形態では、円筒形状に形成された保持筒7の外径すなわち撮像部4の外径、および、円管状に形成された連結部5の外径が、本体部3の厚み以下となっている。そのため、撮像部4と連結部5を側面3a3に沿って配置したとき、撮像表示装置1を厚み方向(Z方向)でコンパクト化することができる。
【0037】
特に本形態では、連結部5および撮像部4の外径が、本体部3の基部3aに対する接続部3bのY方向の突出量とほぼ同程度となっている。そのため、撮像部4と連結部5を側面3a3に沿って配置したとき、撮像表示装置1を縦幅方向(Y方向)でもコンパクト化することができる。また、連結部5および撮像部4が、本体部3の側面3a3に沿って配置された状態では、接続部3bのX方向の長さと、撮像部4のX方向の長さと、連結部5のX方向の長さとの和は、本体部3の横幅以下となるように構成されている。そのため、撮像部4と連結部5を側面3a3に沿って配置したとき、撮像表示装置1を横幅方向(X方向)でもコンパクト化することができる。
【0038】
本形態では、モニタ2は、その表示面が扁平面3aとなるように配置されている。そのため、モニタ2の表示面積を大きくすることができ、撮影時に被写体の映像を確認しやすくなる。その結果、撮像表示装置1を、たとえば、その外形が、横幅85mm、縦幅55mm、厚み5.5mmの略直方体形状となる小型かつ薄型のカード型とすることができる。
【0039】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形可能である。たとえば、上述した形態では、本体部3は基部3aと接続部3bとから構成されていたが、図4に示す撮像表示装置51のように、扁平な直方体形状に形成された基部53aのみから本体部53を構成しても良い。この撮像表示装置51は、モニタ52を有する本体部53と、撮像部54と、本体部53と撮像部54とを連結する連結部55とを備えている。この図4に示す撮像表示装置51の場合には、側面53a3のX方向の一端側に連結部55の一端を側面53a3から突出するように接続して、連結部55および撮像部54を側面53a3に沿って配置可能となるように構成すれば良い。
【0040】
また、上述した形態では、撮像部4は、円筒形状の保持筒7を備えていたが、図4に示すように角筒形状の保持筒を備えた撮像部54であっても良い。この場合には、撮像部54と連結部55とを側面53a3に沿って配置したとき、撮像部54の厚み方向(Z方向)の外形寸法が本体部53の厚み以下となるように、撮像部54を構成すれば良い。こうすることで、撮像表示装置51を厚み方向(Z方向)でコンパクト化することができる。
【0041】
さらに、図4に示すように、撮像部54に照明70を設けても良い。また、用途に応じて撮像部4、54あるいは、基部3a、53aに種々の機能を設けても良い。なお、図4における扁平面53a1、測面53a2、先端54aは、それぞれ、図1における扁平面3a1、測面3a2、先端4aに相当する。
【0042】
さらにまた、上述した各形態では、本体部3、53を固定した状態で、XYZ方向のあらゆる方向に撮像部4、54の先端4a、54aを向けることができるように構成されていたが、必ずしもこのように構成される必要はなく、モニタ2、52に対して撮像部4、54の位置を柔軟に移動させることができ、モニタ2、52で被写体の映像を確認しながら、広範囲にわたって被写体の撮影ができるように構成されていれば良い。
【0043】
また、上述した各形態では、本体部3、53の基部3a、53aは、長方形状の扁平面3a1、53a1を有する直方体形状に形成されていたが、基部は必ずしも直方体形状である必要はない。たとえば、本体部の基部は、楕円形状の扁平面を有するように形成されても良い。この場合には、扁平面に略直交する厚み方向に形成された側面は平面状ではなく曲面状となる。また、この場合にも、撮像部と連結部とを側面に沿って配置可能に構成することで、撮像表示装置を厚み方向でコンパクト化することができる。なお、この場合には、撮像部と連結部とが側面に沿って配置された状態では、連結部は曲面状の側面に沿って湾曲することになる。
【0044】
さらに、上述した各形態では、本体部3、53は扁平な直方体形状であったが、本体部は、扁平でない直方体形状であったり、球形状等の他の形状であっても良い。また、連結部は撮像部の自重を支えることができない程度の剛性を有するものであっても良い。さらに、連結部は、扁平面に接続されていても良い。また、上述した各形態では、モニタ2、52をそれぞれ1つとしたが、2つの扁平面のそれぞれにモニタを配置するようにしても良い。また、不使用時に撮像部4、54を本体部3、53に固定する固定手段を、側面3a3、53a3に設けるようにしても良い。
【0045】
また、上述した各形態では、連結部5、55が手動にて変形可能に構成されているが、モータ等の駆動手段によって自動的に変形するように構成したり、大まかな方向設定は自動とし、細かな方向設定は手動で行うように構成しても良い。さらに、撮像部4、54は、本体部3、53に対して近接した状態で配置されているが、この「近接した状態」は、扱いやすさの面から、撮像部4、54が本体部3、53から最も離れた状態で本体部3、53の側面3a3、53a3の長さの1/2以上で、かつ、側面3a3、53a3の長さ以下であることが好ましい。また、この「近接した状態」は、撮像部4、54が本体部3、53から最も離れた状態で本体部3、53の側面3a3、53a3の長さを超え、その側面3a3、53a3の2倍以下としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態にかかる撮像表示装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す撮像表示装置の撮像部および連結部を示す断面図である。
【図3】図1に示す撮像表示装置の連結部が湾曲した状態を示す斜視図で、(A)はモニタの背面側に撮像部の先端を向けた状態を示す図、(B)はモニタ側に撮像部の先端を向けた状態を示す図である。
【図4】本発明の他の形態にかかる撮像表示装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1、51 撮像表示装置
2、52 モニタ
3、53 本体部
3a1、53a1 扁平面
3a3、53a3 側面
4、54 撮像部
5、55 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の映像を表示するモニタを有する本体部と、上記被写体の像を取り込む撮像部とを備える撮像表示装置であって、
上記本体部と上記撮像部とを連結する管状の連結部を備え、
該連結部が、直線状態と湾曲状態とに変形可能に構成されることで、上記本体部に対して上記撮像部が相対移動可能に構成されていることを特徴とする撮像表示装置。
【請求項2】
前記連結部は、前記直線状態および前記湾曲状態で、前記撮像部の自重を支えることができる剛性を有することを特徴とする請求項1記載の撮像表示装置。
【請求項3】
前記本体部は、扁平面と、該扁平面に略直交する厚み方向に形成された側面とを有する扁平形状に形成され、前記撮像部と前記連結部とは、上記側面に沿って配置可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の撮像表示装置。
【請求項4】
前記撮像部と前記連結部とが前記側面に沿って配置された状態では、前記撮像部および前記連結部の前記厚み方向の外形寸法が前記本体部の厚み以下であることを特徴とする請求項3記載の撮像表示装置。
【請求項5】
前記モニタは、前記扁平面が前記モニタの表示面となるように配置されていることを特徴とする請求項3または4記載の撮像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−101001(P2006−101001A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282362(P2004−282362)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(397077298)チノンテック株式会社 (64)
【Fターム(参考)】