説明

撮像装置及びその制御方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】設定項目の表示形態に応じた好適なガイダンス表示の呈示を行う。
【解決手段】画像表示中に複数の設定項目を当該画像上に重畳して表示する第1の画面、あるいは画像を非表示の状態で複数の設定項目を表示する第2の画面を表示する。そして複数の設定項目のうち、少なくとも1つの設定項目を選択し、当該選択された少なくとも1つの設定項目のガイダンス表示を、所定の時間だけ表示されている画面に重畳して表示する。このとき撮像装置は、第1の画面にガイダンス表示を重畳して表示する場合よりも、第2の画面にガイダンス表示を重畳して表示する場合の方が、同一の設定項目のガイダンス表示を表示する所定の時間が短くなるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の設定項目に対するガイダンス表示に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル一眼レフカメラ等の撮像装置は、撮影に関する設定項目を手動で設定可能な、所謂マニュアル撮影モード等を備えるものがあり、ユーザは撮影前に好みの設定を行った上で所望の画像を撮影することができる。また撮像装置の中には、様々な撮影効果を施した画像を撮像可能にする機能が備えられる等、多機能化がなされているものもあり、ユーザが設定可能な項目や機能は益々増加している。
【0003】
このように多数の機能や設定項目をユーザが使用するためには、ユーザが撮像装置のマニュアル等を読み、当該機能や設定項目に対して理解があることが望ましいが、撮像装置の様々な年齢層への普及等を鑑みると現実的ではない。このため、撮像装置の中には、撮像装置が用意する機能や設定項目に対して、選択時に簡単な説明文をガイダンス表示としてユーザに呈示するものもある。
【0004】
しかしながら、撮像装置が備える小型LCD等の表示装置は、表示領域のサイズが限られているため、ガイダンス表示の表示により表示領域の一部が覆われ、画像の閲覧時等、ユーザの所望する画像や情報が表示される表示領域を遮ってしまうことがあった。
【0005】
特許文献1には、画像を再生するモードの場合はガイダンス表示を行わないように制御し、撮影モード等のそれ以外のモードではガイダンス表示を一定時間、あるいはユーザによる操作がなされるまで表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−187200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら撮像装置の中には、ライブビュー画面等、撮像装置が備える表示装置に画像を表示しているか否かにより、ユーザに表示する設定項目のGUI表示方法や配置が異なるものがある。このような撮像装置では、同じ設定項目であってもユーザに表示する設定項目の表示形態によっては、ガイダンス表示を行うことにより遮蔽される程度が異なるため、表示形態を考慮してガイダンス表示の有無、大きさ、または表示時間を異ならせることが好ましい。
【0008】
上述した特許文献1では、異なるモードで画像上に重畳されるガイダンス表示の有無を異ならせているが、同一の設定項目に対して画像が表示されているか否かに応じてガイダンス表示の有無、あるいは表示時間を異ならせることについては考慮されていなかった。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、設定項目の表示形態に応じた好適なガイダンス表示の提示を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するために、本発明の撮像装置は、以下の構成を備える。
画像表示中に複数の設定項目を当該画像上に重畳して表示する第1の画面、あるいは画像を非表示の状態で複数の設定項目を表示する第2の画面を表示する表示手段と、第1の画面及び第2の画面のいずれかを表示手段に表示している場合に、複数の設定項目のうち、少なくとも1つの設定項目を選択する選択手段と、選択手段により選択された少なくとも1つの設定項目について、当該設定項目に関するガイダンス表示を、表示手段に表示している画面に所定の時間だけ重畳して表示するように表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、表示制御手段は、第1の画面にガイダンス表示を重畳して表示する場合よりも、第2の画面にガイダンス表示を重畳して表示する場合の方が、同一の設定項目に関するガイダンス表示を表示する所定の時間が短くなるように表示手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
このような構成により本発明によれば、設定項目の表示形態に応じた好適なガイダンス表示の提示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの外観図
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの機能構成を示したブロック図
【図3】本発明の実施形態に係る設定項目及びガイダンス表示の表示例を示した図。
【図4】本発明の実施形態に係る設定画面表示制御処理のフローチャート。
【図5】本発明の実施形態に係るガイダンス表示制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、撮像装置の一例としての、ライブビュー画面の表示の有無に応じて撮影設定の設定項目及びガイダンス表示のGUIの表示形態が異なるデジタルカメラに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、表示部における画像の表示の有無に応じて設定項目及びガイダンス表示のGUIの表示形態が異なる任意の機器に適用可能である。また、本明細書において「ライブビュー画面」とは、後述する撮像されたスルー画像を表示装置に表示させた場合の画面表示方法であり、ライブビュー画面により当該表示装置をデジタルカメラの電子ビューファインダとして機能させることができる。また「設定画面」とは、ライブビュー画面を表示せずにデジタルカメラの設定を行うメニュー画面であり、複数の設定項目が選択可能に配置され、ユーザは当該設定項目を選択することで個々の設定項目の詳細設定を行えるものとする。
【0014】
なお、本実施形態に係るデジタルカメラでは、ユーザはライブビュー画面に重畳して表示される設定項目の選択、あるいは設定画面に遷移した上での設定項目の選択により、撮影設定を行えるものとして説明する。また、設定項目を示すGUIの配置等の表示形態はそれぞれの画面において異なっており、設定項目それぞれの説明をユーザに呈示するためのガイダンス表示の表示位置や領域の大きさも異なるものとする。
【0015】
(デジタルカメラの外観)
図1に、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の外観図を示す。図示されるように、デジタルカメラ100には、光学ファインダ121、表示部113、シャッタスイッチ115、モード切替スイッチ116、電源スイッチ117、及びコントローラホイール118が備えられている。また、決定スイッチ等の各種操作部材は、操作部114として統合して示されている。デジタルカメラ100の底部には、記録媒体200を格納するためのスロットである記録媒体I/F120があり、記録媒体200が挿入されている場合は撮影された静止画及び動画は当該記録媒体200に記録される。
【0016】
(デジタルカメラの機能構成)
図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
【0017】
システム制御部101は、例えばCPUであり、デジタルカメラ100が備える各ブロックの動作を制御する。具体的にはシステム制御部101は、例えば不揮発性メモリ102に記憶されている後述する設定項目表示制御処理のプログラムを読み出し、システムメモリ103に展開して実行することにより、デジタルカメラ100が備える各ブロックの動作を制御する。不揮発性メモリ102は、例えばEEPROM等の電気的に消去・記録可能なメモリであり、デジタルカメラ100が備える各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要なパラメータ等が記憶される。システムメモリ103は、例えばRAMであり、デジタルカメラ100が備える各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけではなく、各ブロックの動作において出力された中間データ等が一時的に記憶される領域としても用いられる。
【0018】
なお、本実施形態ではハードウェアとしてデジタルカメラ100が備える各ブロックにおいて各処理が実現されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限らず、各ブロックの処理は当該各ブロックと同様の処理を行うプログラムで実現されてもよい。
【0019】
撮影レンズ105は、フォーカスレンズを含むデジタルカメラ100が備える撮影レンズ郡であり、絞り、NDフィルタ機能を備えるシャッタ106を介して光学像を撮像部107に結像する。撮像部107は、例えばCCDやCMOSセンサ等の撮像素子であり、撮影レンズ105を介して結像された光学像をアナログ画像信号に変換してA/D変換部108に出力する。A/D変換部108は、撮像部107から入力されたアナログ画像信号に対してA/D変換処理を適用することにより、デジタル画像信号(画像)に変換する。バリア104は、撮影レンズ105、シャッタ106、撮像部107を含む撮像系を覆うことにより、当該撮像系の汚れや破損を防止する。
【0020】
画像処理部109は、A/D変換部108から出力された画像、または後述するメモリ制御部110によりメモリ111から読み出された画像に対し、所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を実行するブロックである。また、画像処理部109は、撮像によりA/D変換部108より入力された画像を用いて露光制御、測距制御に係る演算処理を実行し、演算結果をシステム制御部101に出力する。システム制御部101は、当該演算結果に基づき、不図示の駆動系により撮影レンズ105及びシャッタ106を動作させて露光制御及び測距制御を行う。
【0021】
本実施形態のデジタルカメラ100は、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理を採用しているものとする。なお、AE処理はシャッタスピード、絞り、NDフィルタの制御、及び画像処理部109においてデジタル画像信号に適用されるゲインの制御を行われる。また画像処理部109は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も実行する。
【0022】
なお、デジタルカメラ100では通常の動画像を撮影するモードでの使用においてAF処理、AE処理、AWB処理はリアルタイムに実行されるものとする。しかしながら、各処理のオート実行設定を解除した場合には、マニュアルで各処理のパラメータを設定することができるものとする。
【0023】
メモリ制御部110は、メモリ111からの情報の読み出し、及びメモリ111への情報の書き込みを制御するブロックである。メモリ制御部110は、A/D変換部108より入力されたデジタル画像信号、または画像処理部109により各種処理が適用されて出力された画像信号を、メモリ111に書き込む。メモリ111は、動画像の撮影中の動画像のフレームに係る画像群に加え、撮影中の音声の情報も書き込まれるため、当該情報を格納するために十分な記憶容量を有するように設計されているものとする。
【0024】
なお、メモリ111には撮像により得られた画像に加え、後述する表示部113に表示される表示画像も書き込まれる。当該表示画像を表示部113に表示する場合は、メモリ111により当該表示画像が読み出され、表示部113に表示するために後述するD/A変換部112に出力されるものとする。
【0025】
D/A変換部112は、入力されたデジタル画像信号に対してD/A変換処理を適用することにより、得られたアナログ画像信号を表示部113に出力して表示させる。表示部113は、例えば小型LCD等の表示装置であり、D/A変換部112より出力されたアナログ画像信号が表示される。なお、表示部113は、撮像によりA/D変換部108が逐次出力したデジタル画像信号がD/A変換部112に入力され、再びアナログ画像信号(スルー画像)に変換されて表示部113に表示されることにより、電子ビューファインダとして機能する。表示部113への表示は、システム制御部101により表示制御されるものとして以下に説明するが、表示制御用の回路等が別途設けられてもよい。
【0026】
システムタイマ119は、デジタルカメラ100に内蔵されるタイマであり、システム制御部101により実行される各プログラムや処理における経過時間の計測やタイムスタンプ等に用いられる。
【0027】
操作部114、シャッタスイッチ115、モード切替スイッチ116、電源スイッチ117、及びコントローラホイール118は、デジタルカメラ100が備えるユーザインタフェースである。当該ユーザインタフェースは、ユーザがそれぞれの操作部材を操作することにより入力された操作信号を解析し、入力された操作内容をシステム制御部101に伝送する。
【0028】
シャッタスイッチ115は、押し込まれたストロークにより2種類の指示、撮影準備指示、及び撮影指示をデジタルカメラ100に与えるための操作部材である。具体的にはシャッタスイッチ115は、半押し状態にされた場合に撮影準備指示であるSW1信号を出力し、さらに全押し状態にされた場合に撮影指示であるSW2信号を出力する。システム制御部101は、SW1信号を受信した場合、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。またシステム制御部101は、SW2信号を受信した場合、撮像部107からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0029】
モード切替スイッチ116は、デジタルカメラ100の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードには、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定である各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等が含まれる。モード切替スイッチ116で、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替スイッチ116で静止画撮影モードに一旦切り換えた後に、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0030】
電源スイッチ117は、デジタルカメラ100の起動あるいは終了を指示するための操作部材である。ユーザにより電源スイッチ117が操作され、デジタルカメラ100の電源がON状態にされると、システム制御部101は起動時の準備処理を実行し、また電源がOFF状態にされると、システム制御部101は終了処理を実行する。
【0031】
コントローラホイール118は、回転操作可能な操作部材であり、操作部114に含まれる方向スイッチと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール118を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部101はデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール118が回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。なお、コントローラホイール118は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール118自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサよりなる操作部材で、コントローラホイール118自体は回転せず、コントローラホイール118上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい(所謂、タッチホイール)。
【0032】
その他の操作部材は、操作部114として統合して示されている。各操作部材は、表示部113に表示された種々の機能アイコンの選択操作等、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能スイッチとして作用する。機能スイッチとしては、例えば終了スイッチ、戻るスイッチ、画像送りスイッチ、ジャンプスイッチ、絞込みスイッチ、属性変更スイッチ等がある。例えば、メニュースイッチが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部113に表示される。利用者は、表示部113に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向スイッチやSETスイッチとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0033】
記録媒体I/F120は、例えばメモリカードやHDD等の、デジタルカメラ100に着脱可能に接続される記録装置である記録媒体200とデジタルカメラ100とを接続するためのインタフェースである。記録媒体200には、例えば記録媒体I/F120を介して、所定の符号化形式に従って画像処理部109により符号化された動画像の画像及び音声が記録される。
【0034】
(設定項目及びガイダンス表示の表示形態)
ここで、本実施形態のデジタルカメラ100において、撮影モードで表示部113に表示されるGUIの表示形態について図3を参照して説明する。上述したように、本実施形態のデジタルカメラ100は、ライブビュー画面の表示有無によりユーザが設定可能な設定項目のGUIの表示形態が異なる。
【0035】
なお、本実施形態のデジタルカメラ100は、例えば操作部114が備えるライブビュー表示切替スイッチ(不図示)をユーザが操作することにより、表示部113におけるライブビュー画面の表示有無が切り替えられる。またさらにデジタルカメラ100が撮影モードにある際に、例えば操作部114が備える設定スイッチ(不図示)をユーザが操作した場合、撮影設定を変更する設定項目が表示されるものとする。具体的には、表示部113にライブビュー画面が表示されていた場合は当該ライブビュー画面に設定項目が重畳して表示され、ライブビュー画面が表示されていない場合は設定画面に遷移する。
【0036】
図3には、ライブビュー画面が表示されている際、あるいは設定画面が表示されている際の通常状態、設定項目が表示され、かつ設定項目の1つが選択された状態、及び設定項目に係るガイダンス表示がなされている状態が示されている。
【0037】
図3(a)のように表示部113にライブビュー画面が表示されている場合、当該画面には現在の撮影設定及び電池残量等がアイコン等(301)を用いて簡易表示されている。例えば操作部114が備える設定スイッチをユーザが操作したことにより、表示部113の表示は図3(b)に示すような設定項目のアイコン302が表示領域の左端に沿って配置された状態(第1の画面)になる。ライブビュー画面300に対して設定項目302を重畳表示する場合、ライブビュー画面300を確認しつつ撮影設定を変更可能であることがユーザにとって好ましいと考えられる。即ち、設定項目302はライブビュー画面の画像(スルー画像)300を遮蔽する領域をなるべく少なくするよう、小型のアイコンを用いて簡略化して表示される。ユーザは例えば操作部114が備える上下キースイッチ等を操作して当該設定項目を選択することにより、各種撮影設定を変更することが可能となる。選択された設定項目は303のような反転表示や着色等により識別可能に表示される。図3(b)の例では「画像特性設定」の設定項目が選択されている状態が示されている。
【0038】
表示部113に図3(a)のようなライブビュー画面が非表示の状態で、例えばユーザにより設定スイッチへの操作入力がなされた場合は、図3(d)のような設定画面310(第2の画面)が表示される。ライブビュー画面が表示されていた場合と異なり、設定画面310においてはライブビュー画面の画像300を提示する必要がないため、複数の設定項目は表示領域全体を用いて配置され、より視認性の高い選択項目の呈示を行うことができる。設定画面において設定項目の1つ(311)が選択された場合は、図3(b)と同様に反転表示、あるいは図3(e)に示すような着色されることにより識別可能に表示される。図3(e)の例では、図3(b)と同様に「画像特性設定」の設定項目が選択されている状態が示されている。
【0039】
また本実施形態のデジタルカメラ100では、設定項目303が選択されている状態でユーザによる操作が所定時間なされなかった場合、設定項目に加え、選択されている設定項目の説明であるガイダンス表示304がさらに重畳して表示部113に表示される。
【0040】
ライブビュー画面が表示されている場合、上述したようにライブビュー画面の画像300を遮蔽する領域をなるべく少なくするよう、ガイダンス表示304が表示されることが好ましい。特に表示部113の表示領域の中心には主被写体となる被写体が存在することが想定されるため、ガイダンス表示304は図3(c)のように表示領域の右上端の領域に表示される。なお、ライブビュー画面の画像において主被写体となる領域を検出し、当該領域を遮蔽しないように、ガイダンス表示304を重畳する位置が変更されてもよい。また、ライブビュー画面の画像300上においてガイダンス表示304により遮蔽される情報量を減らすために、設定項目302及びガイダンス表示304は半透過状態としてもよい。
【0041】
設定画面310が表示されている場合、複数の設定項目は視認性の向上を目的として表示部113の表示領域の全体を用いて配置されているため、図3(f)のようにガイダンス表示312は一部の設定項目を遮蔽して表示されることになる(304)。なお、ガイダンス表示312は、選択されている設定項目311に関する説明をユーザに対して呈示するものであるため、当該選択されている設定項目311については遮蔽しないように表示されるものとする。
【0042】
図からもわかるように、ライブビュー画面上における設定項目のガイダンス表示304と設定画面における設定項目のガイダンス表示312とは、表示形態が異なる。ライブビュー画面上において撮影設定の変更を行う場合は、ライブビュー画面がユーザに対して呈示されていることが前提であるため、ライブビュー画面の画像300を遮蔽しないように設定項目及びガイダンス表示304が表示される。これに対し、設定画面310は設定項目のユーザへの呈示が主たる目的となるため、設定画面310において撮影設定の変更を行う場合は、設定項目が表示部113の表示領域全体に並べられて表示され、その上にガイダンス表示312が重畳されることになる。
【0043】
即ち、ライブビュー画面においてガイダンス表示304の表示される領域及び設定項目302の表示される領域の表示部113の表示領域に対する比率は、設定画面310における比率より小さくなる。つまり、ライブビュー画面においてはガイダンス表示304と設定項目302とが重ならずに表示されるようにガイダンス表示304及び設定項目302とを配置することも可能であり、設定画面310に比べてユーザに対して呈示する情報を遮蔽する可能性が低い。また一方で、設定画面310においては設定項目の視認性を向上させるために表示部113の表示領域全体に並ぶように設定項目を配置した場合、ガイダンス表示を重畳表示する際は少なくとも1つの設定項目を遮蔽してしまうことになる。
【0044】
このため、設定画面310に表示されるガイダンス表示312については、重畳表示することより設定項目が遮蔽されてしまうため、設定項目の視認性が低く、ユーザに混乱あるいは設定において支障をきたす可能性がある。即ち、設定画面310に表示されるガイダンス表示312の表示時間は、ライブビュー画面におけるガイダンス表示304の表示時間に比べ、短く設定することが好適であると考えられる。
【0045】
これに対し、ライブビュー画面におけるガイダンス表示304は、ライブビュー画面の画像300をなるべく遮蔽しないように表示されるため、小さい文字サイズで表示される、あるいは半透過状態で表示されると考えられる。即ち、ライブビュー画面上に表示されるガイダンス表示304の表示時間は、設定画面310におけるガイダンス表示312の表示時間に比べて長く設定し、ユーザに対してガイダンス表示304が視認しやすいようにすることが好適であると考えられる。
【0046】
(設定項目表示制御処理)
このような構成をもつ本実施形態のデジタルカメラ100の、撮影設定の変更に係る設定項目表示制御処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。当該フローチャートに対応する処理は、システム制御部101が、例えば不揮発性メモリ102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、システムメモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本設定項目表示制御処理は、例えばデジタルカメラ100が撮影モードで起動中に、ユーザからの操作部114が備える設定スイッチへの操作入力がなされた際に開始されるものとして説明する。
【0047】
なお、本設定項目表示制御処理において、以下の変数及び定数を用いて説明を行う。
・変数
1.設定項目の表示開始時刻 Ts
2.ガイダンス表示の待機開始時刻 Tgw
3.ガイダンス表示の表示開始時刻 Tgs
4.ガイダンス表示の待機状態であるか否かを示すフラグ Fgw
5.ガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグ Fgp
・定数
1.ガイダンス表示を表示するまでの待機時間 T0
2.設定画面におけるガイダンス表示の表示時間 T1
3.ライブビュー画面におけるガイダンス表示の表示時間 T2
4.設定項目の表示時間 T3
【0048】
また、以下の説明では時刻に関する変数に対してシステムタイマ119より読み出された現在の時刻を代入するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限らず、例えばデジタルカメラ100が起動してからの時間、処理フレーム数等の情報を用いてもよい。また例えば、上述した定数は不揮発性メモリ102、変数はシステムメモリ103に記憶され、システム制御部101により適宜読み出し、あるいは書き込み、更新することにより用いられるものとして説明する。また、変数のうち、フラグFgwの処理開始時の初期値はON、フラグFgpの初期値はOFFと設定されているものとする。
【0049】
なお、定数であるT1及びT2は、上述したようにライブビュー画面の表示の有無によりガイダンス表示の好適な表示時間が異なる点に基づき、T1<T2として設定される。即ち、本実施形態では、ライブビュー画面の画像が表示されている場合は表示されていない場合に比べ、ガイダンス表示の表示時間が長く設定される。
【0050】
処理が開始すると、まずS401でシステム制御部101は、システムメモリ103に記憶されている設定項目の表示開始時刻Ts及びガイダンス表示の待機開始時刻Tgwに、システムタイマ119より取得した現在の時刻の情報を代入する。
【0051】
そしてS402でシステム制御部101は、例えば不揮発性メモリ102に記憶されている設定項目のGUI、あるいはライブビュー画面の表示がなされていない場合は設定画面のGUIを読み出し、メモリ制御部110に伝送する。メモリ制御部110は、システム制御部101の制御のもと、メモリ111において複数の設定項目が配置された表示画面を生成し、D/A変換部112におけるD/A変換を介して表示部113に当該表示画面を表示させる。これにより、表示部113には設定項目が重畳されたライブビュー画面、あるいは設定画面が表示される。
【0052】
なお、本実施形態のデジタルカメラ100では、ライブビュー画面の表示の有無に限らず、設定項目が表示部113に表示された場合、1つの設定項目が予め選択されるものとする。予め選択される設定項目は毎回固定であってもよいし、最後にユーザにより選択された設定項目が選択される構成であってもかまわない。また、選択されている設定項目の情報は例えばシステムメモリ103に記憶される。
【0053】
また、本ステップにおいてシステム制御部101はガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグFgpがONである場合は、選択されている設定項目のガイダンス表示のGUIを不揮発性メモリ102より読み出して、メモリ制御部110に伝送する。そして同様に、当該ガイダンス表示のGUIが表示画面に重畳表示されるように、システム制御部101はメモリ制御部110を制御する。
【0054】
S403で、システム制御部101は、ユーザによりコントローラホイール118が操作されたか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、コントローラホイール118をユーザが操作することによりコントローラホイール118から出力された操作信号を受信したか否かにより、操作の有無を判断する。システム制御部101は、ユーザによりコントローラホイール118が操作されたと判断した場合は処理をS404に移し、操作されていないと判断した場合は処理をS408に移す。
【0055】
なお、本実施形態では、表示部113に表示された設定項目の選択は操作部114が備える4方向キースイッチで行い、選択された設定項目の設定変更についてはコントローラホイール118で行われるものとして説明する。
【0056】
S404で、システム制御部101は、コントローラホイール118をユーザが操作することにより入力された信号に従い、選択された設定項目の設定内容(例えば設定値)を変更する。具体的には設定項目の設定内容は例えば列挙型で構成された設定値で不揮発性メモリ102において管理され、システム制御部101は入力された信号に従って選択された設定項目の設定値を変更し、再び記憶させればよい。
【0057】
S405で、システム制御部101は、ガイダンス表示が表示部113に表示されている場合は表示を終了する。具体的にはシステム制御部101は、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグFgpをOFFに更新する。なお、本実施形態ではシステム制御部101は、フラグFgpがONである場合にのみ不揮発性メモリ102よりガイダンス表示のGUIを読み出してメモリ制御部110に伝送し、表示画像にガイダンス表示を重畳させるように処理する。即ち、本ステップにおいてガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグFgpを強制的にOFFに更新することで、システム制御部101はガイダンス表示の重畳表示を終了することができる。
【0058】
S406で、システム制御部101は、現在選択されている設定項目に対して、ガイダンス表示を表示させないよう、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示の待機状態であるか否かを示すフラグFgwをOFFに更新する。これは、現在設定の変更がなされている設定項目については、既に当該設定項目の内容をユーザが理解しているものと判断できるからであり、当該設定項目が選択されている間はガイダンス表示を行わないものとしてシステム制御部101は待機状態を解除する。
【0059】
S407で、システム制御部101は、ユーザによる操作がなされたため、表示部113における設定項目の表示を消去する、タイムアウト時間の計測の基準となる時刻を更新する。具体的にはシステム制御部101は、システムタイマ119より現在の時刻を取得し、システムメモリ103に記憶されている設定項目の表示開始時刻Tsの値を取得した現在の時刻で更新する。なお、本実施形態では表示部113に表示された設定項目は、ユーザによる操作がなされずに設定項目の表示時間T3が経過した場合に、自動的に消去されるものとする。
【0060】
またS403でユーザによりコントローラホイール118が操作されていないと判断された場合、S408でシステム制御部101はユーザにより操作部114が備える4方向キーが操作されたか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、4方向キーをユーザが操作することにより操作部114から出力された操作信号を受信したか否かにより操作の有無を判断する。システム制御部101は、ユーザにより操作部114が備える4方向キーが操作されたと判断した場合は処理をS409に移し、操作されていないと判断した場合は処理をS413に移す。
【0061】
S409で、システム制御部101は、操作部114が備える4方向キーをユーザが操作することにより入力された信号に従い、選択する設定項目を変更する。システム制御部101は、操作部114より入力された信号に従い、新たに選択された設定項目を特定し、当該新たに選択された設定項目の情報で、不揮発性メモリ102に記憶されている選択されている設定項目の情報を更新する。
【0062】
S410で、システム制御部101は、S405と同様にガイダンス表示が表示部113に表示されている場合は表示を終了する。具体的にはシステム制御部101は、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグFgpをOFFに更新する。
【0063】
S411で、システム制御部101は、新たに選択された設定項目に対して、操作が所定時間なかった場合にガイダンス表示を表示するため、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示の待機状態であるか否かを示すフラグFgwをONに更新する。またシステム制御部101はガイダンス表示の待機状態であるか否かを示すフラグFgwをONに更新するとともに、システムタイマ119より取得した現在の時刻の値をガイダンス表示の待機開始時刻Tgwに代入する。これによりシステム制御部101は、新たに選択された設定項目が、時刻Tgwからガイダンス表示の待機状態であるものとして設定することができる。
【0064】
S412で、システム制御部101は、S407と同様にユーザによる操作がなされたため、表示部113における設定項目の表示を消去する、タイムアウト時間の計測の基準となる時刻を更新する。具体的にはシステム制御部101は、システムタイマ119より現在の時刻を取得し、システムメモリ103に記憶されている設定項目の表示開始時刻Tsの値を取得した現在の時刻で更新する。
【0065】
S408で、ユーザにより操作部114が備える4方向キーが操作されていないと判断された場合、即ち設定項目の選択あるいは撮影設定の変更に係る操作入力がなされていない場合、システム制御部101はS413でガイダンス表示制御処理を実行する。
【0066】
(ガイダンス表示制御処理)
ここで、ガイダンス表示制御処理について図5のフローチャートを用いてさらに具体的に説明する。
【0067】
S501で、システム制御部101は、現在表示部113にガイダンス表示が表示されているか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグFgpを読み出し、当該フラグがONであるか否かを判断する。システム制御部101は、ガイダンス表示が表示されていると判断した場合は処理をS506に移し、表示されていないと判断した場合は処理をS502に移す。
【0068】
S502で、システム制御部101は、デジタルカメラ100の現在の状態がガイダンス表示の待機状態であるか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、システムメモリ103記憶されているガイダンス表示の待機状態であるか否かを示すフラグFgwを読み出し、当該フラグがONであるか否かを判断する。システム制御部101は、ガイダンス表示の待機状態であると判断した場合は処理をS503に移し、待機状態でないと判断した場合は本ガイダンス表示制御処理を完了する。
【0069】
S503で、システム制御部101は、ガイダンス表示の待機状態であった時間が、ガイダンス表示を表示するまでの待機時間T0に達したか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、システムタイマ119より現在の時刻の情報を取得し、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示の待機開始時刻Tgwを減算することにより、待機状態であった時間を算出する。そしてシステム制御部101は、算出したガイダンス表示の待機状態であった時間が、不揮発性メモリ102に記憶されているガイダンス表示を表示するまでの待機時間T0に達しているか否かを判断する。システム制御部101は、ガイダンス表示の待機状態であった時間がT0に達していると判断した場合は処理をS504に移し、達していないと判断した場合は本ガイダンス表示制御処理を完了する。
【0070】
S504で、システム制御部101は、ガイダンス表示を表示部113に表示させるために、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグFgpをONに更新する。このようにすることで、次に設定項目表示制御処理のS402に処理が至った際に、選択されている設定項目のガイダンス表示を表示部113に表示させることができる。またシステム制御部101は、ガイダンス表示の待機状態が終了したため、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示の待機状態であるか否かを示すフラグFgwをOFFに更新する。
【0071】
S505で、システム制御部101は、システムタイマ119より現在の時刻を取得し、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示の表示開始時刻Tgsに代入し、本ガイダンス表示制御処理を完了する。
【0072】
またS501でガイダンス表示が表示されていると判断した場合、システム制御部101はS506で現在の表示部113の表示設定が、ライブビュー画面表示であるか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、システムメモリ103に記憶されている現在の表示設定の情報を読み出し、当該情報が複数の設定項目が重畳されたライブビュー画面の表示設定であるか否かを判断する。システム制御部101は、現在の表示部113の表示設定がライブビュー画面表示であると判断した場合は処理をS507に移し、ライブビュー画面表示でない、即ち設定画面であると判断した場合は処理をS508に移す。
【0073】
S507で、システム制御部101は、ガイダンス表示を表示部113に表示させた時間が、設定画面におけるガイダンス表示の表示時間T1に達したか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、システムタイマ119より現在の時刻の情報を取得し、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示の表示開始時刻Tgsを減算することにより、ガイダンス表示を表示部113に表示させた時間を算出する。そしてシステム制御部101は、算出した、ガイダンス表示を表示部113に表示させた時間が、不揮発性メモリ102に記憶されている設定画面におけるガイダンス表示の表示時間T1に達しているか否かを判断する。システム制御部101は、ガイダンス用事を表示部113に表示させた時間がT1に達していると判断した場合は処理をS509に移し、達していないと判断した場合は本ガイダンス表示制御処理を完了する。
【0074】
S508で、システム制御部101は、ガイダンス表示を表示部113に表示させた時間が、ライブビュー画面におけるガイダンス表示の表示時間T2に達したか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、システムタイマ119より現在の時刻の情報を取得し、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示の表示開始時刻Tgsを減算することにより、ガイダンス表示を表示部113に表示させた時間を算出する。そしてシステム制御部101は、算出した、ガイダンス表示を表示部113に表示させた時間が、不揮発性メモリ102に記憶されているT2に達しているか否かを判断する。システム制御部101は、ガイダンス表示を表示部113に表示させた時間がT2に達していると判断した場合は処理をS509に移し、達していないと判断した場合は本ガイダンス表示制御処理を完了する。
【0075】
S509で、システム制御部101は、表示部113におけるガイダンス表示の表示を終了するために、システムメモリ103に記憶されているガイダンス表示を表示するか否かを示すフラグFgpをOFFに更新し、本ガイダンス表示制御処理を完了する。
【0076】
このようにガイダンス表示制御処理を実行することにより、システム制御部101はガイダンス表示の表示有無及び表示時間を制御することができる。
【0077】
システム制御部101はS414で、ユーザによる操作がなされずに表示部113に設定項目が表示された時間が、設定項目の表示時間T3に達したか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、システムタイマ119より現在の時刻の情報を取得し、システムメモリ103に記憶されている設定項目の表示開始時刻Tsを減算することにより、ユーザによる操作がなされずに設定項目が表示された時間を算出する。そしてシステム制御部101は、算出した、ユーザによる操作がなされずに設定項目が表示された時間が、不揮発性メモリ102に記憶されている設定項目の表示時間T3に達しているか否かを判断する。システム制御部101は、ユーザによる操作がなされずに表示部113に設定項目が表示された時間が、T3に達していると判断した場合は本設定項目表示制御処理を完了し、達していないと判断した場合は処理をS402に戻す。
【0078】
このようにすることで、ライブビュー画面が表示されているか否かにより、それぞれの場合に好適な表示時間でガイダンス表示を表示するように表示部113の制御を実現することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、ライブビュー画面が表示されているか否かにより、選択された設定項目に対するガイダンス表示の表示時間を異ならせる構成について説明したが、本発明の実施はこれに限らない。本発明は、選択された設定項目に対するガイダンス表示の表示時間を、当該設定項目が画像上に重畳して表示されるか否かにより異ならせるものであり、ライブビュー画面のスルー画像に限らず実施可能である。また、複数の選択項目を同時に選択して変更可能な構成である場合、当該複数の選択項目のガイダンス表示がまとめて表示されてもよい。即ち、本発明は少なくとも1つの設定項目について、当該少なくとも1つの設定項目を例えば記録媒体200に記録された画像等に重畳せずに表示する場合は、画像に重畳して表示する場合よりもガイダンス表示の表示時間を短くするものである。
【0080】
また上述したように、1つの設定項目について、当該設定項目を画像に重畳せずに表示する場合のガイダンス時間の表示時間が、画像に重畳して表示する場合の表示時間に比べて短くなるように制御する構成であれば、表示時間を次のように制御してもよい。
【0081】
例えばガイダンス表示がなされてからユーザによって当該表示が消されるまでの時間が長い、あるいは1つの設定項目についてのガイダンス表示を表示させる回数が多い場合は、ユーザがガイダンス表示に注目していると考えることができる。このため、当該設定項目の表示時間が長くなるように制御してもよい。
【0082】
また例えば、ユーザにより設定されたシャッタスピードの設定が短い場合は、動きの速い被写体の撮影をユーザが所望していると考えることができるため、設定項目及びガイダンス表示の表示時間が全体的に短くなるように制御してもよい。
【0083】
さらに、例えば画像に重畳せずに設定項目を表示する画面では、ガイダンス表示の表示により設定項目が遮蔽される可能性があるため、画像に重畳して設定項目を表示する画面に比べ、ガイダンス表示が表示されるまでにかかる時間が長くなるようにしてもよい。
【0084】
(まとめ)
以上説明したように、本発明の撮像装置は設定項目の表示形態に応じた好適なガイダンス表示の呈示を行うことができる。具体的には撮像装置は、画像表示中に複数の設定項目を当該画像上に重畳して表示する第1の画面、あるいは画像を非表示の状態で複数の設定項目を表示する第2の画面を表示する。そして複数の設定項目のうち、少なくとも1つの設定項目を選択し、当該選択された少なくとも1つの設定項目のガイダンス表示を、所定の時間だけ表示されている画面に重畳して表示する。このとき撮像装置は、第1の画面にガイダンス表示を重畳して表示する場合よりも、第2の画面にガイダンス表示を重畳して表示する場合の方が、同一の設定項目のガイダンス表示を表示する所定の時間が短くなるように制御する。
【0085】
このようにすることで、画像に重畳せず、設定項目を表示領域全体に並べて表示した場合であっても、ガイダンス表示により設定項目が遮蔽されている時間を短くすることができるため、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0086】
なお、システム制御部101の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0087】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0088】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、ガイダンス表示を行う撮像装置であれば適用可能である。すなわち、本発明はデジタル一眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付きPDA、カメラ付き携帯電話端末、カメラ付き音楽プレーヤー、カメラ付きゲーム機、カメラ付き電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0089】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示中に複数の設定項目を当該画像上に重畳して表示する第1の画面、あるいは前記画像を非表示の状態で前記複数の設定項目を表示する第2の画面を表示する表示手段と、
前記第1の画面及び前記第2の画面のいずれかを前記表示手段に表示している場合に、前記複数の設定項目のうち、少なくとも1つの設定項目を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された少なくとも1つの設定項目について、当該設定項目に関するガイダンス表示を、前記表示手段に表示している画面に所定の時間だけ重畳して表示するように前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記第1の画面に前記ガイダンス表示を重畳して表示する場合よりも、前記第2の画面に前記ガイダンス表示を重畳して表示する場合の方が、同一の設定項目に関するガイダンス表示を表示する前記所定の時間が短くなるように前記表示手段を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第2の画面に前記ガイダンス表示を重畳して表示する場合、前記第2の画面を構成する前記複数の設定項目のうち、前記選択された少なくとも1つの設定項目を除く、少なくとも1つの設定項目を遮蔽して前記ガイダンス表示を重畳するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像は、記録媒体に記録された画像であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
被写体を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記画像は、前記撮像手段により撮像されたスルー画像であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像において主被写体の領域を検出する検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第1の画面に前記ガイダンス表示を重畳して表示する場合、前記検出手段により検出された前記画像の主被写体の領域を遮蔽せずに前記ガイダンス表示を重畳するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
表示手段が、画像表示中に複数の設定項目を当該画像上に重畳して表示する第1の画面、あるいは前記画像を非表示の状態で前記複数の設定項目を表示する第2の画面を表示する表示工程と、
取得手段が、前記第1の画面及び前記第2の画面のいずれかを前記表示工程で表示している場合に、前記複数の設定項目のうち、少なくとも1つの設定項目を選択する選択工程と、
表示制御手段が、前記選択工程において選択された少なくとも1つの設定項目について、当該設定項目に関するガイダンス表示を、前記表示工程で表示している画面に所定の時間だけ重畳して表示するように前記表示工程を制御する表示制御工程と、を備え、
前記表示制御工程において前記表示制御手段は、前記第1の画面に前記ガイダンス表示を重畳して表示する場合よりも、前記第2の画面に前記ガイダンス表示を重畳して表示する場合の方が、同一の設定項目に関するガイダンス表示を表示する前記所定の時間が短くなるように前記表示工程を制御することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項6に記載の撮像装置の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、請求項6に記載の撮像装置の制御方法の各工程を実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−163631(P2012−163631A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22078(P2011−22078)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】