説明

撮像装置

【課題】 撮像素子に対するレンズの光軸方向の位置を調整可能としてレンズを通過した光を撮像素子に正確に結像させるようにするとともに、レンズと撮像素子との間における空間を有効に利用すべく、その空間に光学フィルタを配置して高精度で低背化を実現し得る新規な撮像装置を得る。
【解決手段】 基板と、この基板上に設けられた撮像素子と、この撮像素子上に配置されたレンズ部と、このレンズ部の端部に形成され、前記レンズ部の光軸方向において前記撮像素子の側の表面部に接する位置よりも前記撮像素子の側に延伸した脚部を有するフランジ部と、前記レンズ部及び前記フランジ部を光軸方向に移動させて、前記撮像素子に対する前記レンズ部の位置を調整する調整機構部と、前記フランジ部の脚部に固定され、前記レンズ部を通過する光のうち、所定の波長の光を遮断する光学フィルタとを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話等の情報端末、電子スチルカメラ、ビデオカメラに実装される撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置は、一般的には、赤外線などを遮断するために、光学フィルタが用いられている。この光学フィルタは、例えば、レンズを支持する鏡筒の内側に延びた鍔部を設け、この鍔部の底面に固定されたものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、この光学フィルタは、レンズと一体化したレンズ一体基板の上面に固定してレンズを覆うとともに、センサを一体基板の下面に固定するといったものがあった(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−336632号公報(第1図、第3図)
【0004】
【特許文献2】特開2003−125294号公報(第1図(B))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1には、光学フィルタは、レンズを支持する鏡筒に前記のような鍔部を設けてこの鍔部の底面に固定しているため、この鍔部の厚さの分だけレンズと光学フィルタとの間隔が大きくなる。したがって、特許文献1に記載の撮像装置によれば、前記のような鍔部を設けるため、レンズを支持する鏡筒及び撮像素子を含めた撮像装置全体として、その低背化の実現が困難になるという課題があった。また、特許文献1に記載の撮像装置によれば、入射光が前記のような鍔部によって乱反射され、乱反射された光が撮像素子に入射することによりフレア現象が生じるおそれがある。このようなフレア現象を回避するためには、その鍔部をレンズの光軸に対してできるだけ遠ざけることが考えられる。しかし、このような構成にすれば、鏡筒が広幅となり、撮像装置全体が広幅化・大型化するという課題もある。
【0006】
一方、特許文献2に記載の撮像装置では、レンズと一体化したレンズ一体基板の下面側にセンサを設け、光学フィルタをガラス一体基板の上面側に設けたというものであるから、レンズと撮像素子との間の間隔を調整するということはできないものと考えられる。そうすると、特許文献2に記載の撮像装置によれば、レンズと撮像素子との間の間隔を調整することによりレンズを通過した光を撮像素子に正確に結像させるようにした高精度な撮像装置を得ることが困難であるという課題があった。
【0007】
この発明は、前記のような課題を解消するためになされたもので、撮像素子に対するレンズの光軸方向の位置を調整可能としてレンズを通過した光を撮像素子に正確に結像させるようにするとともに、レンズの光軸方向における位置を調整、すなわち移動させることに伴い、レンズと撮像素子との間における空間を有効に利用すべく、その空間に光学フィルタを配置して高精度で低背化を実現し得る新規な撮像装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る撮像装置は、基板と、この基板上に設けられた撮像素子と、この撮像素子上に配置されたレンズ部と、このレンズ部の端部に形成され、前記レンズ部の光軸方向において前記撮像素子の側の表面部に接する位置よりも前記撮像素子の側に延伸した脚部を有するフランジ部と、前記レンズ部及び前記フランジ部を光軸方向に移動させて、前記撮像素子に対する前記レンズ部の位置を調整する調整機構部と、前記フランジ部の脚部に固定され、前記レンズ部を通過する光のうち、所定の波長の光を遮断する光学フィルタとを備えたものである。
【0009】
請求項2に係る撮像装置は、基板と、この基板上に設けられた撮像素子と、この撮像素子上に配置され、複数のレンズ玉を光軸方向に沿って配列したレンズ部と、前記レンズ玉の端部にそれぞれ形成され、脚部を有する複数のフランジ部と、光軸方向における隣り合うレンズ玉の間の空隙部が所定幅を有するように隣り合うレンズ玉の各フランジ部を支持するバレルと、このバレルを光軸方向に移動させて、前記撮像素子に対する前記レンズ部の位置を調整する調整機構部と、前記所定幅よりも薄い厚さを有し、前記隣り合うレンズ玉の間の空隙部に嵌挿され、前記隣り合うレンズ玉のいずれか一方又は双方のフランジ部の脚部に固定され、所定の波長の光を遮断する光学フィルタとを備えたものである。
【0010】
請求項3に係る撮像装置は、前記脚部が、前記光学フィルタを位置決めする突出部を有する請求項1又は2に記載のものである。
【0011】
請求項4に係る撮像装置は、前記脚部に前記光学フィルタを固定する接着剤の溜り溝を形成した請求項3に記載のものである。
【0012】
請求項5に係る撮像装置は、前記レンズ部と前記突出部及び前記溜り溝を有する前記フランジ部とを樹脂により一体成型した請求項4に記載のものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明の請求項1によれば、レンズ部の端部に脚部を有するフランジ部を設け、その脚部に光学フィルタを固定する構成であるから、調整機構部によりレンズ部と光学フィルタをともに光軸方向に移動させるので、光学フィルタを含めてレンズ部を通過した光を撮像素子に正確に結像するように調整することができ、フランジ部の脚部をレンズ部の光軸方向において少なくともレンズ部よりも撮像素子の側に延伸したので、光学フィルタに物理的な歪みを生じさせることもなく高精度な撮像装置を得ることができるとともに、従来のように鏡筒に鍔部を設ける必要もなく、レンズ部と撮像素子との間の空間を有効に利用するため低背化を実現した撮像装置を得ることができる。
【0014】
この発明の請求項2によれば、請求項1の場合と同様の効果が得られる他、光学設計上、レンズ部を複数のレンズ玉により構成して隣り合うレンズ玉の間の空隙部を所定幅に設定する場合に、光学フィルタの厚さがその所定幅よりも薄いときには、その空隙部を有効に利用して低背化を実現した撮像装置を得ることができる。
【0015】
この発明の請求項3によれば、フランジ部の脚部の突出部により、光学フィルタを正確な位置に容易に位置決めすることができる。
【0016】
この発明の請求項4によれば、フランジ部の脚部は接着剤の溜り溝を有するので、光学フィルタを接着剤により脚部に固定する場合には、接着剤が光の通過領域に侵入することを有効に防止することができる。
【0017】
この発明の請求項5によれば、レンズ部及びフランジ部を樹脂により構成するため、脚部の突出部、又はこの突出部及び接着剤の溜り溝を精度よく容易に構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1について、図1〜図4を用いて説明する。図1〜図3は、実施の形態1について、レンズ玉1枚である場合の一実施例を示し、図4はレンズ玉が複数である場合の他の実施例を示している。まず、図1は、この発明の実施の形態1(一実施例)に係る撮像装置の断面構成図である。図2は、図1に示すA−B線で切断して上方を見たときの平面図である。図1、図2において、1は基板、2は基板1上に設けた撮像素子である。21は撮像素子2に対して光が垂直に入射する光軸方向を示す。3は撮像素子を構成する撮像素子パッケージ、4は撮像素子2を構成するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子チップ、5は撮像素子チップ4に信号を入力し、その出力を取り出すための配線、6は撮像素子パッケージ3を気密封止して内部への異物混入を防止するカバーガラスである。
【0019】
7は撮像素子2上に配置されたレンズ部であり、ここではレンズ玉1枚の場合の凸レンズを示している。70はレンズ部7の光軸方向21において撮像素子2の側に最も突出した最下表面部である。この最下表面部70は、レンズ部7が凸レンズの場合には、図1に示すように光軸上の最下に位置し、凹レンズの場合には、図示しないが凹レンズの端部に位置する。8はレンズ部7を内部に収納するバレル、9は基板1上に設けられ、バレル8を保持するホルダ、10はバレル8に設けられた雄ねじとホルダ9に設けられた雌ねじによりレンズ部7及びバレル8の光軸方向21における位置を調整する調整機構部である。この調整機構部の構成は、図1において、その一部を取り出した拡大図を付記している。なお、この調整機構部10は、バレル8に雌ねじを、ホルダ9に雄ねじを設けてもよいことは勿論である。
【0020】
11はレンズ部7の端部に形成し、図2に示すように円形状のフランジ部である。このフランジ部11は、レンズ部7と連結した一体構造としている。そして、レンズ部7及びフランジ部11を透明樹脂により形成する場合には、上側及び下側金型の間に樹脂を流し込んで形成するため、レンズ部7を形成すると同時にフランジ部11も形成することとなる。12はフランジ部11の下方に形成した脚部である。この脚部12は、レンズ部7の光軸方向21において撮像素子2の側の表面部に接する位置、すなわち最下表面部70よりも撮像素子2の側に延伸させている。したがって、レンズ部7とフランジ部11を前記の金型により同時に形成するためには、フランジ部11の脚部12が、最下表面部70よりも撮像素子2の側に延伸するように、上側及び下側金型の間の距離を予め調整しておく。
【0021】
13は赤外線カットフィルタ等の所定の波長を遮断する薄板状の光学フィルタである。撮像素子チップがCCDやCMOS等の場合には、結像する入射光のうち赤外領域の波長で感度特性が高く、撮像素子から出力される映像信号による画像が赤色の色調になるので、光学フィルタ13として、例えば、赤外線カットフィルタを用いれば、可視光領域の感度特性を平坦化させて赤外領域の入射光を遮断する。この赤外線カットフィルタは、一般的に、酸化銅等の金属錯体を含有した色ガラス板又は樹脂性薄板や誘電体多層膜を蒸着させたホウ珪酸ガラス板や屈折率の異なる2種類以上の樹脂性薄板を張り合わせたものである。ただし、赤外線カットフィルタ以外の、画像のモアレ現象防止用のフィルタ表面に回折格子が形成された位相型ローパスフィルタや水晶や方解石等の複屈折物質からなる光学ローパスフィルタであってもよい。このような光学フィルタ13は、図1に示すようにフランジ部11の脚部12に固定し、図2に薄いハッチングで示すように、レンズ部7よりも径の大きな円形状の薄板である。なお、この場合に、光学フィルタ13の径を図2に示すものよりも大きくするか、或いは小さくするかは設計事項である。
【0022】
14は脚部12の底部に設け、光学フィルタ13の位置決めをするための突出部である。図2では、光学フィルタ13の外側に円周状に突出部14を形成しているが、光学フィルタ13の径に合わせて突出部14の光軸からの位置を設定している。このように突出部14を設けることにより光学フィルタ13の脚部12における位置を正確に位置決めすることができる。また、突出部14の前記の位置を光軸に近づけることにより、光学フィルタ13の小型化を実現することができる。
【0023】
15は光学フィルタ14を脚部12に固定するための接着剤であり、16は脚部12に設けた接着剤14の溜り溝である。接着剤14は、図2に示すように、円形状に形成した溜り溝16において4箇所で、光学フィルタ13を脚部12に固定している。溜り溝16は、光学フィルタ13を接着剤15により脚部12に固定するときに、接着剤15が光の通過領域、すなわち、光がレンズ部7を通過した領域に侵入することを有効に防止するためである。また、レンズ部7及びフランジ部11を樹脂により構成する場合には、脚部12に形成する突出部14及び溜り部16は、前記したような一体成形法により同時に、しかも精度よく形成することができる。なお、光学フィルタ13を脚部12に固定する手段については、接着剤14を用いる代わりにフランジ部11及び脚部12の形状や寸法、或いは光学フィルタの形状や材質等に対応して、ビスやネジ止めその他の固定手段を用いることもできる。
【0024】
また、図3は、光学フィルタ13を図2に示すような円形状ではなく、四角形状とした場合を示す平面図である。この場合には、図3は、光学フィルタ13の四隅部分において接着剤14により脚部12に固定した状態を示している。その他の構成は、図2に示す場合と同様である。なお、光学フィルタ13を脚部12に固定する固定箇所の周辺に遮光剤を塗布すれば、その固定箇所における入射光の乱反射を防ぐこともできる。
【0025】
次に、図4は、この発明の実施の形態1(他の実施例)に係る撮像装置の断面構成図である。図4において、図1〜図3に示した符号と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、説明は省略する。図4においては、レンズ部74は、3枚のレンズ玉71,72,73を光軸に沿って配列した構成である。図4には、これらのレンズ玉71,72,73の径は、最下位のレンズ玉71が一番大きく、最上位のレンズ玉73が一番小さい場合を図4に示している。したがって、バレル81は、図4に示すように、その内部を階段状に形成し、各階段状部分に各レンズ玉71,72,73のフランジ部11が装着するように構成している。ただし、この他の実施例では、図4に示すようなレンズ玉の径の配列に限るものでない。このように、レンズ部を複数枚のレンズ玉により構成する場合にも、前記した一実施例の場合と同様に、最下位のレンズ玉71の端部に設けたフランジ部11の脚部12に光学フィルタ13を固定している。なお、光学フィルタ13を脚部12に固定するための構成、すなわち、突出部14、溜り溝16を設けることは、一実施例の場合と同様である。
【0026】
ここで、前記した一実施例及び他の実施例において、光学フィルタ13は、フランジ部11の脚部12に固定するが、このとき、脚部12は、前記のように光軸方向において最下表面部70よりも撮像素子2の側に延伸させている。このため、薄板状の光学フィルタ13はレンズ部7の最下表面部70に接触することはなくなる。このように、光学フィルタ13をレンズ部7の最下表面部70に接触しないようにするのは、仮に、光学フィルタ13がレンズ部7の最下表面部70に接触すると、その接触する部分において光学フィルタ13が湾曲状に変形したり歪みが生じたりする。そうすると、光学フィルタ13の前記接触する部分と接触しない部分とにおいて屈折率が異なり、その結果、撮像装置の光学設計が複雑になるので、これを回避するためにこのように構成している。
【0027】
以上より、レンズ部7に入射した光は、レンズ部7により収束され、撮像素子2の受光部である撮像素子チップ4上に結像され、撮像素子チップ4により光電変換されて映像信号として出力される。しかし、撮像素子チップ4が高画素である場合には、高精度な撮像装置が求められるため、レンズ部7により収束された光を精度よく撮像素子チップ4上に結像させる必要がある。このため、実施の形態1に係る撮像装置は、レンズ部7と撮像素子チップ4との距離を微調整するために調整機構部10を設け、この調整機構部10により光を精度よく撮像素子チップ4上に結像させつつ、レンズ部7と撮像素子チップ4との間における空間を有効に利用すべく、フランジ部11の脚部12に光学フィルタを固定するという手段により高精度で低背化した撮像装置を実現することができる。また、従来では、例えば、光学フィルタ固定用の鍔部を設けるものがあったが、この場合には、鍔部によるフレア現象を回避するために、その鍔部の配置や形状の設計作業が必要となるのに対し、この実施の形態1によれば、鍔部を設ける必要がなくなり、撮像装置の低背化が可能となる。
【0028】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、実施の形態2に係る撮像装置の断面構成図である。図6は、図5に示すレンズ部の構成を説明するための説明図である。図7及び図8は、光学フィルタの固定に関して図5に記載の構成とは異なる実施例を示した撮像装置の断面構成図である。図5において、レンズ部74は3枚のレンズ玉73,72,71を光軸方向21に沿って配列している。レンズ玉73,72,71の各レンズ径は、光軸方向に沿って小さいものから順次に大きなものを配列し、これらのレンズ玉73,72,71はそれぞれ端部にフランジ部11a、11b、11cを形成している。フランジ部11a、11b、11cは階段状に形成したバレル81の段差部に装着しており、これらの内容は、図4において説明した構成と同様である。実施の形態2に係る撮像装置の特徴とするところは、図5においては、光学フィルタ13は、レンズ玉73とレンズ玉72との間に設けていることである。
【0029】
ここで、図6を用いて説明する。図6は、図5において、レンズ玉73とレンズ玉72とを取り出して図示した説明図である。レンズ玉73とレンズ玉72との間には、所定幅の空隙部を形成している。この所定幅の空隙部は、レンズ玉73及びレンズ玉72の中心を通る光軸方向21において、レンズ玉73の最下表面部75とレンズ玉72の最上表面部76との間の距離を示している。ところが、このようにレンズ玉73,72,71を配列した構成においては、所定の光学特性が得られることが必要であるが、所定の光学特性が得られるためには、図6に示すように、所定幅の空隙部が必要になる場合がある。この場合に、光学フィルタ13の厚さが、所定幅よりも薄い場合には、光学フィルタ13をレンズ玉73とレンズ玉72との間の所定幅の空隙部に嵌挿することができる。このことは、図5において、レンズ玉72とレンズ玉71との間において、所定幅の空隙部を有するのであれば、レンズ玉72とレンズ玉71との間に光学フィルタ13を装着することができる。
【0030】
次に、光学フィルタ13をレンズ玉73とレンズ玉72との間に挿入し、光学フィルタ13をフランジ部11の脚部12に固定する場合について、以下に説明する。図5においては、光学フィルタ13は、最上位のレンズ玉73のフランジ部11aにおいて、その脚部12aの底部に光学フィルタ13を接着剤15により固定している。また、図7においては、中間位のレンズ玉72のフランジ部11bにおいて、その脚部12bの上面部に光学フィルタ13を接着剤15により固定している。さらに、図8においては、光学フィルタ13は、最上位のレンズ玉73と中間位のレンズ玉72のフランジ部12aとフランジ部12cの双方であって、その脚部12aの底部及びその脚部12bの上面部の双方において、光学フィルタ13を接着剤15により固定している。このとき、図5、図7、及び図8に示すように、その脚部12に突出部14及び溜り部16を形成するが、これに関する[0021]欄に記載した点については、実施の形態2においても同様である。
【0031】
以上より、実施の形態2に係る撮像装置は、実施の形態1に係る撮像装置と同様、レンズ部7と撮像素子チップ4との距離を微調整するために調整機構部10を設けて撮像素子チップ4上に結像させつつ、レンズ部7のレンズ玉73,72,71の隣り合うレンズ玉の間に所定幅を有する場合において、その所定幅よりも光学フィルタの厚さが小さいときには、その所定幅の空隙部を有効に利用すべく、光学フィルタをその所定幅の空隙部に挿入して、フランジ部の脚部に光学フィルタを固定するという手段により、高精度で低背化した撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の実施の形態1に係る撮像装置の断面構成図である。
【図2】図1に示すA−B線で切断して上方を見たときの平面図である。
【図3】光学フィルタを四角形状とした場合を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1(他の実施例)に係る撮像装置の断面構成図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る撮像装置の断面構成図である。
【図6】図5に示すレンズ玉73とレンズ玉72とを取り出して図示した説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る撮像装置において、光学フィルタの固定に関する他の実施例を示した撮像装置の断面構成図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る撮像装置において、光学フィルタの固定に関するさらに他の実施例を示した撮像装置の断面構成図である。
【符号の説明】
【0033】
1…基板、2…撮像素子、21…光軸方向、3…撮像素子パッケージ、4…撮像素子チップ、5…配線、6…カバーガラス、7,74…レンズ部、70,75…最下表面部、76…最上表面部、71,72,73…レンズ玉、8、81…バレル、9…ホルダ、10…調整機構部、11,11a,11b,11c…フランジ部、12,12a,12b,12c…脚部、13…光学フィルタ、14…突出部、15…接着剤、16…溜り溝、17…空隙部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、この基板上に設けられた撮像素子と、この撮像素子上に配置されたレンズ部と、このレンズ部の端部に形成され、前記レンズ部の光軸方向において前記撮像素子の側の表面部に接する位置よりも前記撮像素子の側に延伸した脚部を有するフランジ部と、前記レンズ部及び前記フランジ部を光軸方向に移動させて、前記撮像素子に対する前記レンズ部の位置を調整する調整機構部と、前記フランジ部の脚部に固定され、前記レンズ部を通過する光のうち、所定の波長の光を遮断する光学フィルタとを備えた撮像装置。
【請求項2】
基板と、この基板上に設けられた撮像素子と、この撮像素子上に配置され、複数のレンズ玉を光軸方向に沿って配列したレンズ部と、前記レンズ玉の端部にそれぞれ形成され、脚部を有する複数のフランジ部と、光軸方向における隣り合うレンズ玉の間の空隙部が所定幅を有するように隣り合うレンズ玉の各フランジ部を支持するバレルと、このバレルを光軸方向に移動させて、前記撮像素子に対する前記レンズ部の位置を調整する調整機構部と、前記所定幅よりも薄い厚さを有し、前記隣り合うレンズ玉の間の空隙部に嵌挿され、前記隣り合うレンズ玉のいずれか一方又は双方のフランジ部の脚部に固定され、所定の波長の光を遮断する光学フィルタとを備えた撮像装置。
【請求項3】
前記脚部が、前記光学フィルタを位置決めする突出部を有する請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記脚部に前記光学フィルタを固定する接着剤の溜り溝を形成した請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記レンズ部と前記突出部及び前記溜り溝を有する前記フランジ部とを樹脂により一体成型した請求項4に記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−86598(P2007−86598A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277468(P2005−277468)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】