説明

撮像装置

【課題】
内蔵ストロボ用のメインコンデンサの信頼性を向上させた撮像装置を提供する。
【解決手段】
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子33を備えた撮像ユニット400と、メインミラーを収納して撮像素子取付け部511aにより撮像ユニット400に取り付けられたミラーボックス511と、ミラーボックス511に固定され、レンズの着脱が可能なマウント部508と、電源基板810に実装され、ストロボ装置を発光させるために用いられるメインコンデンサ811とを有し、メインコンデンサ811は、撮像素子取付け部511aとマウント部508との間に配置され、メインコンデンサ811の2対の端子部811a、811bは、電源基板810に実装され、2対の端子部811a、811bの少なくとも一つは、マウント部508における突出部508aの背後に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に係り、特に、ストロボ装置に電力を供給するメインコンデンサを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置の高機能化が進み、搭載される部品数が増加し、撮像装置の内部構造は複雑化している。内蔵ストロボを有する撮像装置においては、ストロボの高性能化に伴い、大容量のメインコンデンサを搭載する必要が出てきている。
【0003】
このため、体積の大きいメインコンデンサを効率的に配置しないと、撮像装置の大型化を招くことになる。また、メインコンデンサに蓄積された電荷は、カメラの分解時において、感電や電気回路の破壊の原因になり得る。このため、撮像装置は、電荷を放電させやすい構造をとる必要がある。
【0004】
ここで、特開2004−20609号公報(特許文献1)には、メインコンデンサを複数に分割し、外装の形状にそって段差をつけて配置する構成が開示されている。
【0005】
また、特開2001−242512号公報(特許文献2)には、メインコンデンサを実装したプリント基板に放電用導電領域を設け、外装部材を外すと放電用導電領域が現れる構成が開示されている。
【特許文献1】特開2004−20609号公報
【特許文献2】特開2001−242512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2004−20609号公報(特許文献1)の構成では、カメラの外装部材とメインコンデンサの端子部が近接している。このため、外装部材に圧力がかかって撓んで変形した場合、コンデンサの端子部分と外装部材とが接触し、外装部材の材質によってはショートしてしまう怖れがある。
【0007】
また、特開2001−242512号公報(特許文献2)の構成では、放電用導電領域と外装部材の間に絶縁部材が配置され、絶縁部材上に開閉自在に形成された放電具挿入用の開口部が設けられている。このため、このような構成では、レイアウトの自由度や製品コストの点から不利である。
【0008】
そこで、本発明は、内蔵ストロボ用のメインコンデンサの信頼性を向上させた撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての撮像装置は、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子を備えた撮像ユニットと、メインミラーを収納し、撮像素子取付け部により前記撮像ユニットに取り付けられたミラーボックスと、前記ミラーボックスに固定され、レンズの着脱が可能なマウント部と、ストロボ基板に実装され、ストロボ装置を発光させるために用いられるメインコンデンサとを有し、前記メインコンデンサは、前記撮像素子取付け部と前記マウント部との間に配置され、前記メインコンデンサの2対の端子部は、前記ストロボ基板に実装され、前記2対の端子部の少なくとも一つは、前記マウント部における突出部の背後に配置されている。
【0010】
本発明のその他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内蔵ストロボ用のメインコンデンサの信頼性を向上させた撮像装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(撮像装置の電気的構成)
まず、本実施例における撮像装置の電気的構成を説明する。図1は、本実施例における撮像装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。本図は、具体的には、撮像装置としてデジタル一眼レフカメラの構成を示したものである。なお、後述の図2乃至図7と共通する部分には、図1と同一の符号が付されている。
【0013】
100はマイクロコンピュータ(以下、「MPU」という。)である。マイクロコンピュータ100は、カメラ本体1aに内蔵され、カメラ1の中央処理装置として動作する。MPU100は、カメラ1の動作制御を司るものであり、カメラ1の各要素に対して様々な処理や指示を実行する。
【0014】
100aはEEPROMである。EEPROM100aは、MPU100に内蔵された記憶装置として動作する。本実施例では、EEPROM100aは、時刻計測回路109の計時情報やその他の情報を記憶することができる。
【0015】
MPU100には、ミラー駆動回路101、焦点検出回路102、シャッタ駆動回路103、映像信号処理回路104、スイッチセンス回路105、測光回路106、及び、ストロボ駆動回路113が接続されている。ストロボ駆動回路113は、ストロボユニット504(ストロボ装置)の動作を制御する。
【0016】
また、MPU100には、液晶表示駆動回路107、バッテリチェック回路108、時刻計測回路109、電源供給回路110、圧電素子駆動回路111が接続されている。これらの回路は、MPU100に制御されることにより動作する。
【0017】
MPU100は、撮影レンズユニット200a内のレンズ制御回路201との間で、マウント接点507を介して通信を行う。マウント接点507は、撮影レンズユニット200aがカメラ本体1aに接続されると、MPU100へ信号を送信する機能をも有する。これにより、レンズ制御回路201は、MPU100との間で通信を開始し、AF駆動回路202及び絞り駆動回路203を介して、撮影レンズユニット200a内の撮影レンズ200及び絞り204の駆動を行う。なお、図1では便宜上1枚の撮影レンズ200のみを示しているが、実際には撮影レンズ200は多数のレンズ群によって構成される。
【0018】
AF駆動回路202は、例えば、ステッピングモータによって構成される。AF駆動回路202は、レンズ制御回路201の制御により撮影レンズ200内のフォーカスレンズの位置を変化させ、撮像素子33に撮影光束の焦点を合わせるように調整する。
【0019】
絞り駆動回路203は、例えば、オートアイリス等によって構成される。絞り駆動回路203は、レンズ制御回路201の制御により絞り204を変化させ、光学的な絞り値を得る。
【0020】
512はメインミラーである。メインミラー512は、図1に示される撮影光軸50に対して45°の角度に保持された状態で、撮影レンズ200を通過する撮影光束をペンタダハミラー22へ導く。また、メインミラー512は、撮影レンズ200を通過する撮影光束の一部を透過させて、サブミラー30へ導く。サブミラー30は、メインミラー512を透過した撮影光束を焦点検出センサユニット31へ導く。
【0021】
ミラー駆動回路101はメインミラー512を駆動するものであり、例えば、DCモータとギヤトレイン等によって構成される。ミラー駆動回路101は、ファインダにより被写体像を観察可能とする位置、及び、撮影光束から待避する位置の間において、メインミラー512を移動させる。ミラー駆動回路101によりメインミラー512が駆動されると、同時に、サブミラー30も焦点検出センサユニット31へ撮影光束を導く位置、及び、撮影光束から待避する位置の間を移動する。
【0022】
焦点検出センサユニット31は、不図示の結像面近傍に配置されたフィールドレンズ、反射ミラー、2次結像レンズ、絞り、及び、複数のCCDからなるラインセンサ等によって構成され、位相差方式の焦点検出を行う。焦点検出センサユニット31から出力される信号は、焦点検出回路102へ供給される。焦点検出回路102に供給された信号は、焦点検出回路102にて被写体像信号に換算され、MPU100に送信される。
【0023】
MPU100は、被写体像信号に基づいて、位相差検出法による焦点検出演算を行う。また、MPU100は、デフォーカス量及びデフォーカス方向を求め、これらに基づいて、レンズ制御回路201及びAF駆動回路202を介して撮影レンズ200内のフォーカスレンズを合焦位置まで駆動する。
【0024】
ペンタダハミラー22は、メインミラー512により反射された撮影光束を正立正像に変換反射する。撮影者は、ファインダ光学系18を介して、ファインダ接眼窓520から被写体像を観察することができる。ペンタダハミラー22は、撮影光束の一部を測光センサ46へも導く。測光回路106は、測光センサ46からの出力信号を得て、その出力信号を観察面上の各エリアにおける輝度信号に変換し、MPU100に出力する。MPU100は、輝度信号に基づいて露出値を算出する。
【0025】
撮影者がファインダにより被写体像を観察しているとき、シャッタユニット32(機械フォーカルプレーンシャッタ)のシャッタ先幕は遮光位置にあり、また、シャッタユニット32のシャッタ後幕は露光位置にある。次に、撮影時には、シャッタ先幕が遮光位置から露光位置へ移動する露光走行を行って被写体からの光を通過させ、撮像素子33にて撮像を行う。所望のシャッタ秒時経過後、シャッタ後幕は露光位置から遮光位置へ移動する遮光走行を行って撮影を完了する。シャッタユニット32は、MPU100の指令を受けたシャッタ駆動回路103により駆動制御される。
【0026】
撮像ユニット400は、光学ローパスフィルタ410、光学ローパスフィルタ保持部材420、圧電部材である圧電素子430、及び、撮像素子33を備え、これらがユニット化されて構成される。撮像素子33は、被写体の光学像を電気信号に変換(光電変換)するものである。本実施例では、撮像素子33としてCMOSセンサが用いられている。ただし、これに代えて、CCD等の他の形態の撮像デバイスを採用することもできる。
【0027】
撮像素子33の前方に配置された光学ローパスフィルタ410は、水晶からなる1枚の複屈折板であり、その形状は矩形状である。圧電素子430は、単板の圧電素子(ピエゾ素子)である。圧電素子430は、MPU100の指示を受けた圧電素子駆動回路111により加振され、その振動を光学ローパスフィルタ410に伝えるように構成されている。
【0028】
クランプ/CDS(相関二重サンプリング)回路34は、A/D変換を実行する前の基本的なアナログ処理を行う。また、クランプ/CDS回路34は、クランプレベルを変更することも可能である。AGC35(自動利得調整装置)は、A/D変換を実行する前の基本的なアナログ処理を行う。また、AGC35は、AGC基本レベルを変更することも可能である。A/D変換器36は、撮像素子33から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0029】
映像信号処理回路104は、デジタル化された画像データに対してガンマ/ニー処理、フィルタ処理、及び、モニタ表示用の情報合成処理等、ハードウエアによる画像処理全般を実行する。映像信号処理回路104からのモニタ表示用の画像データは、カラー液晶駆動回路112を介してカラー液晶モニタ529(液晶表示装置)に表示される。
【0030】
また、映像信号処理回路104は、MPU100の指示に従い、メモリコントローラ38を通じて、バッファメモリ37に画像データを保存することができる。さらに、映像信号処理回路104は、JPEG等の画像データ圧縮処理を行うこともできる。
【0031】
連写撮影等、連続して撮影が行われる場合、映像信号処理回路104は、一旦バッファメモリ37に画像データを格納し、メモリコントローラ38を通じて未処理の画像データを順次読み出すことができる。これにより、映像信号処理回路104は、A/D変換器36から入力される画像データの速度に関わらず、画像処理や圧縮処理を順次行うことができる。
【0032】
メモリコントローラ38は、外部インタフェース40から入力される画像データを外部メモリ39に記憶し、外部メモリ39に記憶されている画像データを外部インタフェース40から出力する機能を有する。なお、外部インタフェース40は、図4におけるビデオ信号出力用ジャック841、リモート操作用ジャック842、及び、USBコネクタ801に相当する。外部メモリ39としては、カメラ本体1aに着脱可能なフラッシュメモリ等が用いられる。
【0033】
スイッチセンス回路105は、各スイッチの操作状態に応じて、入力信号をMPU100に送信する。スイッチSW1(510a)は、レリーズボタン510の第1ストローク(半押し)によりONする。スイッチSW2(510b)は、レリーズボタン510の第2ストローク(全押し)によりONする。スイッチSW2(510b)がONされると、撮影開始の指示がMPU100に送信される。また、スイッチセンス回路105には、メイン操作ダイヤル503、撮影モード設定ダイヤル502、及び、電源スイッチ501が接続されている。
【0034】
液晶表示駆動回路107は、MPU100の指示に従って、ファインダ内液晶表示器41を駆動する。
【0035】
バッテリチェック回路108は、MPU100の指示に従って、バッテリチェックを行い、その検出結果をMPU100に送信する。電源42は、MPU100等のカメラ1の各要素に対して電源を供給する。
【0036】
時刻計測回路109は、電源スイッチ501がOFFされて次にONされるまでの時間や日付を計測し、MPU100からの指示に従って、計測結果をMPU100に送信する。
(撮像装置の外観構成)
次に、本実施例における撮像装置の外観構成について説明する。
【0037】
図2及び図3は、本実施例における撮像装置(デジタル一眼レフカメラ)の外観図である。図2は、撮像装置(カメラ)前面側より見た斜視図であり、撮影レンズユニットを外した状態を示している。図3は、撮像装置(カメラ)を撮影者側(背面側)から見た斜視図である。
【0038】
図2において、1aはカメラ本体である。カメラ本体1aには、使用者が撮影時にカメラ1aを安定して握り易いように、前方に突出したグリップ513が設けられている。501はカメラ1の電源スイッチである。電源スイッチ501が操作されることにより、カメラ1は起動又は停止する。
【0039】
511はカメラ本体1aの内部(カメラ筐体内)に配置されたミラーボックスである。ミラーボックス511には、撮影レンズを通過した撮影光束が導かれる。ミラーボックス511の内部には、メインミラー512が収納されている。メインミラー512は、撮影光束をペンタダハミラー22(図1参照)の方向へ導くため、撮影光束中において撮影光軸に対して45°の角度に保持される第1の状態をとる。また、メインミラー512は、撮影光束を撮像素子33(図1参照)の方向へ導くため、撮影光束から退避した位置に保持される第2の状態をとる。メインミラー512は、ミラー駆動回路101(図1参照)により駆動されることにより、第1の状態又は第2の状態のいずれかをとるように移動する。
【0040】
また、カメラ本体1aの上部中央には、カメラ本体1aに対してポップアップするカメラ内蔵型のストロボユニット504(ストロボ装置)が設けられている。カメラ内蔵型のストロボユニット504は、被写体に照明光を照射する。
【0041】
カメラ本体1aの上部の前面から見て左寄り(背面から見て右寄り)には、撮影者がカメラ1の撮影モードを設定するための撮影モード設定ダイヤル502が設けられている。撮影モード設定ダイヤル502により、撮影シーンに合わせたオート撮影モード、及び、シャッタスピードやレンズ絞り値の各々を撮影者の意志により設定するマニュアル撮影モードなどを選択することが可能である。また、メイン操作ダイヤル503の操作によって、撮影時の動作モードに応じてシャッタスピードやレンズ絞り値を設定することが可能となる。
【0042】
505a及び505bは、カメラ本体1aへストラップを取り付けるためのストラップ取り付け部材である。ストラップ取り付け部材505a、505bは、略中央部に設けられた穴にストラップ紐がかけられるように構成されている。
【0043】
508はマウント部である。マウント部508は、着脱可能な撮影レンズユニット(不図示)をカメラ本体1aに固定させる。506はレンズロック解除釦である。レンズロック解除釦506を押し込むことにより、撮影レンズユニットをカメラ本体1aから取り外すことができる。
【0044】
507はマウント接点である。マウント接点507は、カメラ本体1aと撮影レンズユニットとの間で制御信号、状態信号、及び、データ信号などの通信を行う。また、マウント接点507は、撮影レンズユニットに電力を供給する機能をも有する。このため、撮影レンズユニットは、独自の電源を必要としないで動作することができる。また、マウント接点507は、電気通信のみならず、光通信などを行うことができるように構成してもよい。
【0045】
カメラのグリップ513の上部側には、撮影開始の起動スイッチとしてのレリーズボタン510が配置されている。レリーズボタン510は、第1ストロークによってスイッチSW1(510a)がONし、撮影準備動作(焦点調節動作及び測光動作)が開始される。また、レリーズボタン510は、第2ストロークによってスイッチSW2(510b)がONし、撮影動作が開始される。
【0046】
509は、カメラ1にて撮影した撮影画像を記録する外部メモリ(不図示)を収納するための収納口である。
【0047】
図3に示すように、カメラ本体1aの背面側には、上方にファインダ接眼窓520、カメラ1の撮影前情報や設定内容、及び、撮影した画像などを表示可能なカラー液晶モニタ529が設けられている。
【0048】
カメラ本体1aの背面側には、AFフレーム選択ボタン522、AEロックボタン523、撮影した画像の再生等の操作を行う再生ボタン526、及び、撮影した画像の消去等の操作を行う消去ボタン524が配置されている。また、カメラ本体1aの背面側には、撮影した画像の印刷等の操作を行うイージーダイレクトボタン527、露出補正設定ボタン528、及び、メニュー画面の呼び出し等の操作を行うMENUボタン530が配置されている。さらに、カラー液晶モニタ529の表示/非表示の切替等の操作を行うDISPボタン531、及び、各種設定時に決定を行うための選択決定ボタン525なども、カメラ本体1aの背面側に配置されている。
【0049】
また、カメラ本体1aの上部の背面から見て右側には、撮影者が撮影時のISO感度設定を選択可能なモードへ移行するためのISO感度設定ボタン521が設けられている。
【0050】
カメラ本体1aのグリップ513側とは反対側の側面には、外部インタフェースとして、ビデオ信号出力用ジャック841とリモート操作用ジャック842、及び、USBコネクタ801が納められている(図6参照)。
【0051】
また、カメラ1の外装部材514は、金属又は導電樹脂で構成されている。ただし、これに代えて、外装部材514の内側に導電材料を塗布した構成を採用してもよい。
(撮像装置の内部構成)
次に、本実施例における撮像装置の内部構成について説明する。
【0052】
図4乃至図7は、本実施例における撮像装置(カメラ)の内部構成を示す斜視図である。図4及び図5は、それぞれ、カメラの前面側及び背面側から見た斜視図である。また、図6及び図7は、それぞれ、カメラの前面側及び背面から見た分解斜視図である。
【0053】
カメラ本体1aの骨格となる本体シャーシ300の被写体側(前面側)には、被写体側から順に、マウント部508、ミラーボックス511、及び、シャッタユニット32が配設されている。ミラーボックス511の上部には、ファインダーユニット600が配設されている。ファインダーユニット600は、ペンタダハミラー22を含み、撮影者に被写体像を提供する。
【0054】
本体シャーシ300の撮影者側(背面側)には、撮像ユニット400、第1のデジタル基板800、及び、インタフェース基板840が配設されている。撮像ユニット400は、撮影レンズユニットが取り付けられる基準となるミラーボックス511の撮像素子取付け部511aに固定されている。このとき、撮像ユニット400は、撮像素子33の撮像面がマウント部508から所定の距離だけ離れ、かつ、マウント部508と平行になるように調整されている。
【0055】
撮像ユニット400の背面には、A/D変換基板830が配設されている。A/D変換基板830には、例えば、A/D変換器36が配設されている。A/D変換器36は、撮像素子33から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0056】
カメラ本体1aの前面から見て、ミラーボックス511の右側には、シャッタユニット32の一部である駆動部32aが配設されている。駆動部32aは、シャッタユニット32の駆動、メインミラー512及びサブミラー30の駆動、及び、ストロボユニット504の駆動を行う。
【0057】
また、ミラーボックス511の左側には、電池室700が配設されている。電池室700には、カメラ1の電源となる電池が収納される。
【0058】
電池室700の被写体側(前面側)、すなわち電池室700のマウント部508近傍には、電源基板810(ストロボ基板)が配設されている。
【0059】
電源基板810は、電池室700の一方側(被写体側)に配置され、電池に接続される電池端子812、及び、電池から所定の電源電圧を生成する電源供給回路110(DC/DC変換回路)を有する。
【0060】
また、電池室700の撮影者側(背面側)には、第2のデジタル基板820が配設されている。第2のデジタル基板820は、電池室700と第1のデジタル基板800との間に配置されている。第2のデジタル基板820には、外部メモリ39を挿入するためのスロット821が搭載されている。
【0061】
第2のデジタル基板820のさらに撮影者側(背面側)には、第1のデジタル基板800が配設されている。第1のデジタル基板800は、電池室700の一方側(被写体側)とは反対の他方側(撮影者側)に配置され、第1のデジタル基板800には、電源供給回路110から電源電圧が入力されるMPU100が設けられている。
【0062】
このように、本実施例の撮像装置は、第1のデジタル基板800と電池室700との間に第2のデジタル基板820が配設される構成となっている。
【0063】
本体シャーシ300は、クランク状の折り曲げ部300aを有する。この折り曲げ部300aの付近において、電池室700は本体シャーシ300に取り付けられている。
【0064】
電源基板810の上には、電池端子812、電源供給回路110、及び、ストロボ駆動回路113が配設されている。このように、電池端子812、電源供給回路110、及び、ストロボ駆動回路113は、同一基板上に配設されていることになる。これらが同一基板上に配設されていることにより、配線長の長さを抑えることができ、電力の損失を抑制することができる。
【0065】
また、電源基板810には、ストロボ駆動回路113の一部であるメインコンデンサ811が配設されている。メインコンデンサ811は、ミラーボックス511と電池室700との間に位置するように、電源基板810(ストロボ基板)に実装されている。メインコンデンサ811は、ストロボユニット504(ストロボ装置)を発光させるために用いられる。
【0066】
第2のデジタル基板820には、外部メモリ39を利用するためのスロット821や圧電素子駆動回路111などの電源供給回路110からのノイズによる悪影響が少ない回路が配設されている。また、第2のデジタル基板820の複数の電子部品は、全て、電池室700とは反対側(撮影者側)の面に実装されている。複数の電子部品と電池室700の間に第2のデジタル基板820の配線層が介在している。このように、本実施例では、第2のデジタル基板820には、複数の電子部品が実装されており、これら全ての電子部品は、電池室700とは反対側(撮影者側)の面に実装されている。
【0067】
第1のデジタル基板800は略L字形状であり、MPU100、映像信号処理回路104、及び、カラー液晶駆動回路112などが配設されている。上述のとおり、本実施例の撮像装置は、カラー液晶モニタ529を有しており、第1のデジタル基板800に設けられた映像信号処理回路104は、カラー液晶モニタ529に表示される画像データを生成する。
【0068】
また、グリップ513と反対側の端部には、USBコネクタ801が配設されている。このような構成によれば、USBコネクタ801と同一基板上にあるMPU100との間で高速な通信を行うことが可能である。
【0069】
インタフェース基板840には、ビデオ信号出力用ジャック841及びリモート操作用ジャック842が配設されている。
(メインコンデンサ)
次に、図8及び図9を参照して、メインコンデンサ811の構成について説明する。図8は、本実施例におけるメインコンデンサの配置を示したものである。また、図9は、メインコンデンサの端子部の配置を示している。
【0070】
図8に示されるように、メインコンデンサ811は、ミラーボックス511の撮像素子取付け部511aとマウント部508との間に配置されている。また、メインコンデンサ811は、ミラーボックス511と電池を収納するための電池室700との間に配置されている。
【0071】
メインコンデンサ811は、メインコンデンサ811の上部から延びた、正極及び負極の端子となる2対の端子部811a、811bを有する。メインコンデンサ811の2対の端子部811a、811bは、カメラ1の被写体側に折り曲げられ、電源基板810(ストロボ基板)に接続される。このようにして、メインコンデンサ811は、電源基板810に実装されている。
【0072】
メインミラーを収納するミラーボックス511は、撮像素子取付け部511aを有する。ミラーボックス511は、撮像素子取付け部511aにより撮像ユニット400に取り付けられる。
【0073】
マウント部508は、レンズの着脱が可能なように、被写体側から見て円形状に構成されている。また、マウント部508は、その背後において、直方体状のミラーボックス511に固定されている。このため、マウント部508は、ミラーボックス511から突出した突出部508aを有する。突出部508aは、被写体側から見て、マウント部508の左側の部分に相当する。
【0074】
図9に示されるように、マウント部508の近傍における電池室700の側面には、電源基板810(ストロボ基板)が配置されている。すなわち、電源基板810は、電池室700の被写体側の面に配置されている。電源基板810には、電池に接続される電池端子812及び電源供給回路110を含む電源回路が設けられている。
【0075】
メインコンデンサ811の端子部811bは、マウント部508における突出部508aの背後に配置されている。すなわち、マウント部508の方向(被写体側)からメインコンデンサ811を見たとき、端子部811bは、マウント部508に重なるように配置されている。この状態を表すため、図9において、端子部811bは点線で示されている。
【0076】
このように、本実施例では、メインコンデンサ811の2対の端子部811a、811bの少なくとも一つは、マウント部508における突出部508aの背後に配置される。また、外装部材514は図2に図示するように、マウント部508からグリップ513の根元にかけて滑らかな曲面をもって構成されている。従って、突出部508a近傍の外装部材514と電源基板810の間には空間が存在する。このため、カメラ1の外装部材514に把持等により圧力がかかって多少撓んだ場合でも、メインコンデンサ811の端子部811a、811bと外装部材514との接触を防ぐことができる。この結果、メインコンデンサ811と外装部材514とが短絡することが防止できる。
【0077】
以上のとおり、本実施例の撮像装置によれば、内蔵ストロボ用のメインコンデンサの信頼性を向上させた撮像装置を提供することができる。
【0078】
特に、本実施例では、メインコンデンサを撮像装置内に効率的に配置できるため、撮像装置の小型化が可能である。また、マウント部にメインコンデンサの端子部が隠れるため、端子部がショートすることを防止できる。
【0079】
また、本実施例では、メインコンデンサは電池の近傍に配置されている。このため、コンデンサに電荷を蓄積する際の損失を抑制することができる。
【0080】
また、本実施例では、電池端子と電源回路の両方が電源基板に実装されている。このため、電気的な損失を抑えることが可能である。また、電源基板を電池室のマウント側の側面に配置することにより、外装部材を外した状態で、容易に電源基板上のメインコンデンサ端子部から放電を行うことができる。また、導電性の外装部材を使用することにより、撮像装置の動作に関して電磁波の影響を軽減することが可能である。
【0081】
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例にて説明した事項に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施例における撮像装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例における撮像装置を前面側より見た外観斜視図である。
【図3】本実施例における撮像装置を背面側より見た外観斜視図である。
【図4】本実施例における撮像装置の前面側より見た内部構成斜視図である。
【図5】本実施例における撮像装置の背面側より見た内部構成斜視図である。
【図6】本実施例における撮像装置の前面側より見た分解斜視図である。
【図7】本実施例における撮像装置の背面側より見た分解斜視図である。
【図8】本実施例におけるメインコンデンサの配置を示す図である。
【図9】本実施例におけるメインコンデンサの端子部の配置を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1:カメラ、1a:カメラ本体、22:ペンタダハミラー、30:サブミラー、31:焦点検出センサユニット、32:機械フォーカルプレーンシャッタ、33:撮像素子、34:クランプ/CDS(相関二重サンプリング)回路、35:AGC回路(自動利得調整装置)、36:A/D変換器、37:バッファメモリ、38:メモリコントローラ、39:外部メモリ、40:外部インタフェース、41:ファインダ内液晶表示器、42:電源、43:メインスイッチ、46:測光センサ、100:MPU、100a:EEPROM、101:ミラー駆動回路、102:焦点検出回路、103:シャッタ駆動回路、104:映像信号処理回路、105:スイッチセンス回路、106:測光回路、107:液晶表示駆動回路、108:バッテリチェック回路、109:時刻計測回路、110:電源供給回路、111:圧電素子駆動回路、112:カラー液晶駆動回路、113:ストロボ駆動回路、200:撮影レンズ、200a:撮影レンズユニット、201:レンズ制御回路、202:AF駆動部、203:絞り駆動部、204:絞り、300:本体シャーシ、400:撮像ユニット、410:光学ローパスフィルタ、420:光学ローパスフィルタ保持部材、430:圧電素子、501:電源スイッチ、502:撮影モード設定ダイヤル、503:メイン操作ダイヤル、504:ストロボユニット、505a,505b:ストラップ取り付け部、506:レンズロック解除ボタン、507:マウント接点、508:マウント部、508a:突出部、509:外部メモリ収容蓋、510:レリーズボタン、511:ミラーボックス、512:メインミラー、513:グリップ、514:外装部材、520:ファインダ接眼窓、521:ISO感度設定ボタン、522:AFフレーム選択ボタン、523:AEロックボタン、524:消去ボタン、525:決定ボタン、526:再生ボタン、527:イージーダイレクトボタン、528:露出補正設定ボタン、529:カラー液晶モニタ、530:MENUボタン、531:DISPボタン、700:電池室、701:金属プレート、800:第1のデジタル基板、801:USBコネクタ、810:電源基板、811:メインコンデンサ、812:電池端子、820:第2のデジタル基板、821:スロット、841:ビデオ信号出力用ジャック、842:リモート操作用ジャック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子を備えた撮像ユニットと、
メインミラーを収納し、撮像素子取付け部により前記撮像ユニットに取り付けられたミラーボックスと、
前記ミラーボックスに固定され、レンズの着脱が可能なマウント部と、
ストロボ基板に実装され、ストロボ装置を発光させるために用いられるメインコンデンサと、を有し、
前記メインコンデンサは、前記撮像素子取付け部と前記マウント部との間に配置され、
前記メインコンデンサの2対の端子部は、前記ストロボ基板に実装され、
前記2対の端子部の少なくとも一つは、前記マウント部における突出部の背後に配置されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記コンデンサは、前記ミラーボックスと電池を収納するための電池室との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ストロボ基板は、前記電池に接続される電池端子及び電源回路を有し、前記マウント部の近傍における前記電池室の側面に配置されていることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置の外装部材は、金属もしくは導電樹脂で構成されているか、又は、該外装部材の内側に導電材料が塗布されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−175313(P2009−175313A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12379(P2008−12379)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】