説明

撮像装置

【課題】 タッチパネルを搭載し、グリップ部と表示部が回動可能な撮像装置において、タッチペンを使用して入力を行う際に、片手で撮像装置を把持しているとタッチ操作により、タッチパネルを搭載した表示部が回転し操作が行いにくかった。
【解決手段】 本体部に収納されたタッチペンを取り出すと、バネの力によりロックノブが移動し、カメラ部に設けられた凹部に係合し、本体部とカメラ部の回動を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチペンを収納可能な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の撮像装置においては、例えば、特許文献1に開示されているように、撮影レンズユニットを備えた撮像部と表示部を備えた表示部本体とがあり、相互に回動自在に連結されたものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-261859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例では、タッチパネルを搭載し、カメラ部をグリップする撮像装置においては、タッチパネルを操作する際に、本体部と表示部を連結した軸の中心から離れた位置を操作すると、表示部が回転してしまい、操作が行いずらいという問題点があった。
【0005】
本出願に係わる発明の目的は、タッチパネルの操作を行う際に表示部の端を操作しても表示部が回転せずに安定した操作を行うことができる撮像装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1にかかわる発明によれば、撮像部を有する第1の筺体と、表示部を有する第2の筺体は、回動自在に接続され、第2の筺体には、タッチパネル操作用のペンが収納可能であり、前記タッチペンを前記第2の筺体から取り出すと、前記第1の筺体と前記第2の筺体の回動がロックされることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の他の特徴とするところは、請求項1に記載の撮像装置において、前記第1の筺体には係合用の凹形状が設けられており、前記タッチペンが取り出されると、前記第2の筺体から係合部が突出し、前記第1の筺体に設けられた凹形状に係合することにより前記第1の筺体と前記第2の筺体の回動をロックすることを特徴としている。
【0008】
また、本発明のその他の特徴とするところは、請求項1、2に記載の撮像装置において、前記第1の筺体に設けられた凹形状は、前記第1の筺体と前記第2の筺体を接続する回転軸中心から略同一の距離に複数個配置されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、タッチペンを本体部から取り出すと、ロックノブが本体部から突出し、カメラ部に設けられた係合穴に係合することにより、カメラ部と本体部の回動を規制する。これによりタッチペンを使用し、タッチパネルが搭載された表示部を操作しても、表示部が回転せず、安定した操作感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に関わる撮像装置の全体図
【図2】本発明に関わる撮像装置のブロック図
【図3】図1A部の拡大図タッチペン収納状態
【図4】図1A部の拡大図タッチペン取り出し状態
【図5】本発明に関わる撮像装置の90°回転状態図
【図6】図1A部の拡大図タッチペン収納状態
【図7】図1A部の拡大図タッチペン取り出し状態
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に本発明の一例としてビデオカメラの外観図を示す。図1に示す、100ビデオカメラは101カメラ部と102本体部とから構成されており、前記カメラ部101と前記本体部102は回動可能なヒンジにより連結されることにより、互いに回動することができる。
【0012】
前記カメラ部101には撮影レンズなどの撮像部が搭載され、ワイヤ等により前記本体部102に搭載されたメイン基板に接続されている。
【0013】
前記本体部102には104タッチパネル付表示部と105タッチペン、106タッチペン取り出しノブ、図示しないが、本体内部にメイン基板とバッテリが搭載されている。前記タッチパネル付表示部104は、前記本体部102の片側面のほぼ全域を覆っており、表示パネルの上面にタッチパネルを搭載している。前記タッチペン105は前記タッチパネルを操作するためのツールであり、メニューの選択や、文字入力等に使用する。前記タッチペン105は前記タッチペン取り出しノブ106をスライド移動することにより、内部のロックが解除され、前記タッチペン105が前記本体部102から突出し取り出すことができる。
【0014】
次に図2は本実施形態によるビデオカメラ100の構成例を示すブロック図である。
【0015】
図2において、201はバリアであり、ビデオカメラ100の、撮像部を覆うことにより、撮像系の汚れや破損を防止する。202はフォーカスレンズを含む撮影レンズ、203は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像部である。204はA/D変換器であり、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器204は、撮像部203から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。前記201〜204が図1により示したカメラ部101である。
【0016】
A/D変換器204からの出力データは、メモリ制御部206を介して、メモリ207に直接書き込まれる。メモリ207は、撮像部203によって得られA/D変換器204によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部104に表示するための画像データを格納する。メモリ207は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0017】
また、メモリ207は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。表示部104は、LCD等の表示器上に表示を行う。 208はシステム制御部であり、ビデオカメラ100全体を制御する。操作部209はシステム制御部208に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0018】
操作部209の各操作部材は、表示部104に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部104に表示される。利用者は、表示部104に表示されたメニュー画面と、4方向ボタンやSETボタンもしくはタッチパネルによる入力とを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0019】
210は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部210は、その検出結果及びシステム制御部208の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、各部へ供給する。
【0020】
211は電源部であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。212記録媒体は、メモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。前記206〜212までが図1で示した本体部102である。
【0021】
尚、操作部209の一つとして、表示部104に対する接触を検知可能なタッチパネルを有する。タッチパネルと表示部104とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネルを光の透過率が表示部104の表示を妨げないように構成し、表示部104の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネルにおける入力座標と、表示部104上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザが表示部104上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。システム制御部208はタッチパネルへの以下の操作を検出できる。タッチパネルを指やペンで触れたこと(以下、タッチダウンと称する)。タッチパネルを指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオンと称する)。タッチパネルを指やペンで触れたまま移動していること(以下、ムーブと称する)。タッチパネルへ触れていた指やペンを離したこと(以下、タッチアップと称する)。タッチパネルに何も触れていない状態(以下、タッチオフと称する)。これらの操作や、タッチパネル上に指やペンが触れている位置座標はシステム制御部208に通知され、システム制御部208は通知された情報に基づいてタッチパネル上にどのような操作が行なわれたかを判定する。ムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。
【0022】
次に図3、4、5を用い前記カメラ部と前記本体部の動きを規制するためのロック機構について説明する。
【0023】
図3、図4は、図1に示すA部の拡大図であり、表示部及び表示部を保持するカバーを非表示とした状態であり、図3はタッチペン105が収納されている状態を示している。
【0024】
301はロックノブであり、302はロックノブを付勢するバネであり、圧縮コイルばねを使用している。303は本体部を覆うカバー部品であり、前記表示部104と反対側の外観面を覆っており、前記タッチペン105を収納する収納部が設けられている。
【0025】
図4は図3の状態から前記タッチペン105を取り出した状態を示している。
【0026】
前記タッチペン105が取り出されると、302ロックノブ付勢バネにより前記ロックノブ301の片方の端が押され、303本体カバーに設けられた、304ロックノブ回転軸を中心に回転移動し、前記303本体カバーから突出し、前記101カメラ部に設けられた凹部に係合することにより、前記カメラ部101と前記本体部102の回転が規制される。
【0027】
図5は前記カメラ部が90°回転した状態を示している。
【0028】
図5に示す、501は前記ロックノブ301の係合穴であり、前記ロックノブ301が係合することにより前記カメラ部101と前記本体部102の回転が規制される。図5に示すように前記係合穴501は前記カメラ部101と前記本体部102を接続する回転軸中心から略同一の距離に2個配置されている。これはカメラの向きが被写体側を向いている状態でも、撮影者側を向いている状態でも固定ができるためである。
【0029】
次に図6、7を用いてタッチペンの取り出しについて説明する。図6,7は図1に示す、B部の拡大図であり、表示部及び表示部を保持するカバーを非表示とした状態である。
【0030】
図6はタッチペン取り出し口周辺を示した図であり、タッチペンが収納された状態を示している。
【0031】
601タッチペン取り出しバネは前記タッチペン取り出しノブ106を付勢するための圧縮コイルばねであり、602は前記タッチペン105に設けられたタッチペン取り出しノブとの係合用の切り欠きである。前記タッチペン取り出しバネ601により前記タッチペン取り出しノブ106は前記タッチペン切り欠き602方向に付勢されている。これによりタッチペンを前記本体部102に収納すると、タッチペンが固定される。
【0032】
図7はタッチペン取り出し口周辺を示した図であり、タッチペンのロックが解除された状態を示している。
【0033】
前記タッチペン付勢ノブをスライド移動させると前記タッチペンに設けられた切り欠きから前記タッチペン付勢ノブとの係合が外れ、図3,4を用いて説明したように、前記ロックノブ301が前記ロックノブ付勢バネ302の力により移動する。これにより前記105タッチペンが前記本体カバー303から突出し、取り外すことが可能となる。
【0034】
以上説明したように前記タッチペン105を前記本体部102から取り出すと、前記ロックノブ301が前記本体部102から突出し、前記カメラ部101に設けられた前記係合穴501に係合し、前記カメラ部101と前記本体部102の回動を規制することができる。これにより前記タッチペン105を使用し、前記タッチパネルが搭載された表示部に触れても、回転せず、安定した操作感を得ることができる。
【0035】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
100‥‥ビデオカメラ
101‥‥カメラ部
102‥‥本体部
104‥‥タッチパネル付表示部
105‥‥タッチペン
106‥‥タッチペンロックノブ
201‥‥バリア
202‥‥撮影レンズ
203‥‥撮像部
204‥‥A/D変換器
206‥‥メモリ制御部
207‥‥メモリ
208‥‥システム制御部
209‥‥操作部
210‥‥電源制御部
211‥‥電源部
212‥‥記録媒体
301‥‥ロックノブ
302‥‥ロックノブ付勢バネ
303‥‥本体カバー
304‥‥ロックノブ回転軸
501‥‥係合穴
601‥‥タッチペン取り出しバネ
602‥‥係合切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を有する第1の筺体と、表示部を有する第2の筺体は、回動自在に接続され、第2の筺体には、タッチパネル操作用のペンが収納可能であり、前記タッチペンを前記第2の筺体から取り出すと、前記第1の筺体と前記第2の筺体の回動がロックされることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の筺体には係合用の凹形状が設けられており、前記タッチペンが取り出されると、前記第2の筺体から係合部が突出し、前記第1の筺体に設けられた凹形状に係合することにより前記第1の筺体と前記第2の筺体の回動をロックすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の筺体に設けられた凹形状は、前記第1の筺体と前記第2の筺体を接続する回転軸中心から同一の距離に複数個配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−186579(P2012−186579A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47191(P2011−47191)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】