説明

撮像装置

【課題】 所定の仕様に準拠していない電池がフラッシュ装置に接続された場合に、フラッシュ装置の発光による電池へのダメージを軽減すること。
【解決手段】 撮像素子と、撮像素子から出力された電気信号を設定されたゲインにより増幅する増幅手段とを有すると共に、接続された電池から電力の供給を受けて発光を行うフラッシュ装置を着脱可能な撮像装置であって、前記フラッシュ装置に前記電池の情報を問い合わせ、得られた情報に基づいて、前記電池が所定の仕様に準拠した電池であるかどうかを判定し(S2)、フラッシュ撮影を行うときに、前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池ではないと判定されると、前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池である場合よりも、前記フラッシュ装置の発光量を少なくすると共に、より高いゲインを前記増幅手段に設定する(S10、S11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュ撮影を行うことのできる撮像装置(デジタルカメラ等)に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュ撮影可能なカメラにおいて、ISO感度(ゲイン)を上げてフラッシュ装置の発光量を抑えることにより、電池の消耗を抑える方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−134850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フラッシュ装置に接続された電池が正規品である場合に行われるフラッシュ装置の制御と、フラッシュ装置に接続された電池が非正規品である場合に行われるフラッシュ装置の制御とが同じである場合、非正規電池にダメージを与える可能性がある。そのため、フラッシュ装置に接続された電池が非正規電池であるか否かを判定し、その判定の結果に応じてフラッシュ装置を制御できるようにすることが望まれている。この問題は、フラッシュ装置に接続された電池が所定の仕様に準拠していない電池である場合にも生ずる問題である。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたカメラは、フラッシュ装置に接続された電池が非正規品であるか否かを判定していないし、フラッシュ装置に接続された電池が所定の仕様に準拠していない電池であるか否かを判定してもいない。そのため、特許文献1に記載されたカメラでは、上述した問題を解決することはできない。
【0006】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、フラッシュ装置に所定の仕様に準拠していない電池が接続された場合に、フラッシュ装置の発光による電池へのダメージを軽減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、電池から電力の供給を受けて発光を行うフラッシュ装置を着脱可能な撮像装置であって、入射した光を光電変換して得た電気信号を出力する撮像素子と、前記電気信号を設定されたゲインにより増幅する増幅手段と、前記フラッシュ装置に前記電池の情報を問い合わせ、得られた情報に基づいて、前記電池が所定の仕様に準拠した電池であるかどうかを判定する判定手段と、フラッシュ撮影を行うときに、前記判定手段が前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池ではないと判定すると、前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池である場合よりも、前記フラッシュ装置の発光量を少なくすると共に、より高いゲインを前記増幅手段に設定する制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定の仕様に準拠していない電池がフラッシュ装置に接続された場合に、フラッシュ装置の発光による電池へのダメージを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1及び2における撮像システムの構成要素の一部を示すブロック図である。
【図2】実施形態1におけるカメラで行われる撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】実施形態1におけるフラッシュ装置で行われる電池判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】実施形態1におけるゲイン設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施形態2におけるカメラで行われる撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施形態2におけるカメラで行われる撮影処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態2における発光量演算処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1及び2における撮像システム(カメラシステム)の構成要素の一部を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態1及び2における撮像システムは、撮像装置の一例であるカメラ100と、カメラ100から取り外し可能なレンズユニット220と、カメラ100から取り外し可能なフラッシュ装置230とを有する。カメラ100は、例えば、レンズユニットが交換可能なタイプのカメラである。ただし、実施形態1及び2における撮像装置は、カメラ100に限るものではない。レンズユニットが交換できないタイプのカメラを実施形態1及び2における撮像装置としてもよい。
【0013】
まず、レンズユニット220について説明する。撮像レンズ部1は、複数のレンズにより構成される。撮像レンズ部1は、光軸方向に移動してフォーカス調整を行うフォーカスレンズと、光軸方向に移動して変倍を行うズームレンズとを含む。絞り224は、撮像素子5に到達する光量を調節する。撮像レンズ部1及び絞り224により、撮像光学系が構成される。
【0014】
レンズ制御部226は、システム制御部50からの制御信号に応じて、撮像レンズ部1及び絞り224を駆動するためのアクチュエータを制御する。また、レンズ制御部226は、レンズユニット220の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリの機能を備えている。その他、レンズユニット220に固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを記憶する不揮発メモリの機能も備えている。
【0015】
コネクタ228は、カメラ100のコネクタ41と接続されてレンズ制御部226とシステム制御部50との間での通信を可能とする。また、コネクタ228は、電池86からの電源電圧をレンズユニット220内に供給する。
【0016】
次に、カメラ100の構成について説明する。ミラー2は、レンズユニット220に入射した光を撮像素子5と焦点検出部6とに導くとともに、光学ファインダー104に導く。なお、ミラー2は、クイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。シャッター4は、絞り機能を有し、撮像素子5の露出量を制御することができる。撮像素子5は、CCDセンサ、CMOSセンサ等の何れかにより構成され、レンズユニット220により形成された被写体像を光電変換し、アナログ画像信号を出力する。
【0017】
A/D変換器16は、撮像素子5から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。タイミング発生回路18は、撮像素子5、A/D変換器16及びD/A変換器26にクロック信号と制御信号とを供給する。タイミング発生回路18は、メモリ制御回路22及びシステム制御部50により制御される。
【0018】
画像処理回路20は、A/D変換器16またはメモリ制御回路22からのデジタル画像信号に対して、所定の画像処理を行い、静止画像または動画像を含む画像データを生成する。所定の画像処理は、画素補間処理、色変換処理、AWB(オートホワイトバランス)処理の少なくとも一つを含む。
【0019】
焦点検出部6は、複数の測距エリアを有する位相差検出用のセンサが含まれている。システム制御部50は、焦点検出部6の蓄積制御や読み出し制御を行い、周知である位相差検出方法によりデフォーカス量を算出する。
【0020】
システム制御部50は、CPU(Central Processing Unit)などを有し、カメラ100の動作を制御する。システム制御部50は、デフォーカス量などからレンズユニット220のフォーカス駆動と、絞り駆動とを制御することもできる。また、システム制御部50は、フラッシュ装置230と通信を行い、フラッシュ装置230を制御することもできる。更に、システム制御部50は、不図示の記憶制御手段及び表示制御手段としての機能を有する。
【0021】
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30及び圧縮・伸長回路32を制御することができる。画像処理回路20からの画像信号またはA/D変換器16からのデジタル撮像信号は、メモリ制御回路22を介して画像表示メモリ24、メモリ30及びシステム制御部50に送られる。
【0022】
画像表示部28は、液晶表示器等を有する。画像表示メモリ24に書き込まれた表示用画像データは、D/A変換器26を介して画像表示部28に送られ、画像表示部28にて表示される。
【0023】
メモリ30は、生成された静止画像や動画像の画像データを格納する。また、メモリ30は、システム制御部50の作業領域としても使用される。
【0024】
顔検出部31は、画像処理回路20からの画像データあるいはメモリ制御回路22からの画像データに対して所定の顔検出処理を行う。
【0025】
圧縮・伸長回路32は、所定の画像圧縮方法を用いて画像データを圧縮することができる。圧縮・伸長回路32は、圧縮画像データを伸長することもできる。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像データを読み込んで圧縮処理した場合は、圧縮された画像データをメモリ30に書き込む。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された圧縮画像データを読み込んで伸長処理をした場合は、伸長した画像データをメモリ30に書き込む。
【0026】
露光制御回路40は、シャッター4を制御することができる。露光制御回路40は、システム制御部50を介してレンズユニット220の絞り224も制御することができる。
【0027】
メモリ52は、システム制御部50で実行される制御プログラムを記憶するメモリである。
【0028】
情報出力部56は、文字、画像、音声等を用いてカメラ100の動作状態やメッセージ等を示す情報を出力する。情報出力部56は、液晶表示素子、スピーカの少なくとも一つを有する。
【0029】
モードダイヤルスイッチ60は、カメラ100の電源をON及びOFFのいずれかに切り替えるためのスイッチである。モードダイヤルスイッチ60は、複数の動作モードの一つを選択するためのスイッチでもある。複数の動作モードは、静止画撮像モード、動画撮像モード、再生モードを含む。
【0030】
シャッタースイッチ62は、撮像準備(SW1)と撮影開始(SW2)とを指示するためのスイッチである。不図示のシャッターボタンの操作途中(例えば半押し)でSW1がONとなり、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。更に、シャッターボタンの操作完了(例えば全押し)でSW2がONとなり、撮像動作が開始される。ここでいう撮像動作は、シャッター4の開閉動作、撮像素子5からの撮像信号に基づいて画像処理回路20にて画像信号を生成する動作、画像信号をメモリ制御回路22を介してメモリ30に書き込む動作を含む。また、メモリ30から画像データを読み出して、圧縮・伸長回路32で圧縮し、記録媒体200及び210の少なくとも一つに記録する動作も含む。これら一連の撮像動作は、記録用画像の取得動作ということもできる。
【0031】
ISO感度設定スイッチ69は、撮像素子5から出力される電気信号にかけるゲインの設定を変更するためのスイッチであり、ISO感度(撮影感度)の設定を変更するためのスイッチである。
【0032】
操作部70は、複数のボタン、タッチパネル等を含む。ユーザは、操作部70を操作することにより、メニュー画面を画像表示部28に表示させたり、複数のメニュー項目の一つを決定したりすることができる。
【0033】
電池装置80は、カメラ100に接続される電池装置である。電池装置80は、電池86とコネクタ82とを有する。電池86は、充電可能な電池であり、少なくとも一つの二次電池を含む。NiMH電池、Li電池等は、電池86に含まれる二次電池の一例である。コネクタ82は、カメラ100のコネクタ84と電気的接続される。
【0034】
電源制御回路78は、電池装置80の残量の検出を行う電池検出回路と、電池装置80からの電源電圧を所定の動作電圧に変換するDC−DCコンバータとを含む。
【0035】
通信部110は、カメラ100と他の機器との間で所定の有線通信を行うための有線通信回路と、カメラ100と他の機器との間で所定の無線通信を行うための無線通信回路とを有する。コネクタ・アンテナ部112は、カメラ100と他の機器との間で所定の有線通信を行うためのコネクタと、カメラ100と他の機器との間で所定の無線通信を行うためのアンテナとを有する。
【0036】
記録媒体200は、メモリカード、ハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、記録部202と、インタフェース部204と、コネクタ206とを有する。記録部202は、半導体メモリ、磁気ディスク等を有する。インタフェース部204は、カメラ100のインタフェース部90と通信することができる。コネクタ206は、カメラ100のコネクタ92に接続される。記録媒体200がカメラ100に接続されているか否かは、検知器98によって検出され、システム制御部50に通知される。
【0037】
記録媒体210は、メモリカード、ハードディスク等の記録媒体である。記録媒体210は、記録部212と、インタフェース部214と、コネクタ216とを有する。記録部212は、半導体メモリ、磁気ディスク等を有する。インタフェース部214は、カメラ100のインタフェース部94と通信することができる。コネクタ216は、カメラ100のコネクタ96に接続される。記録媒体210がカメラ100に接続されているか否かは、検知器98によって検出され、システム制御部50に通知される。
【0038】
次に、フラッシュ装置230の構成について説明する。フラッシュ制御部232は、フラッシュ装置230に関する情報(電池情報、ガイドナンバー情報等)をカメラ100に送信する。フラッシュ制御部232は、カメラ100に関する情報(撮影モード、シャッタースピード、絞り、ズーム位置等)をカメラ100から受信する。フラッシュ制御部232は、発光量、発光タイミング等を制御するための指示をカメラ100から受信する。フラッシュ制御部232は、カメラ100に関する情報に基づいて、発光回路236と電源制御部233とを制御する。フラッシュ制御部232は、カメラ100からの指示に従って、発光回路236と電源制御部233とを制御する。発光回路236は、フラッシュ制御部232からの指示に従って、発光部237の発光の開始及び停止を制御する。電源制御部233は、発光部237を発光させるためのコンデンサを有する。電源制御部233は、フラッシュ制御部232からの指示に従って、コンデンサの充電の開始及び停止を制御する。
【0039】
電源制御部233は、電池238から供給された電源電圧を所定の電圧に変換するDC−DCコンバータを有する。フラッシュ装置230の電源は、電源制御部233が作り出している。コネクタ234は、電池238のコネクタ235と接続されるコネクタである。電池238が正規品の場合、電源制御部233は、電池238に関する情報を電池238から受信することができる。電池238に関する情報は、暗号化情報、暗号化された電池製品情報、電池残量、電池温度、劣化度等を含む。
【0040】
電池238は、充電可能な電池であり、少なくとも一つの二次電池を含む。NiMH電池、Li電池等は、電池238に含まれる二次電池の一例である。電池238が正規品である場合、電池238は、電池238に関する情報を電源制御部233を介してフラッシュ制御部232に送信することができる。
【0041】
次に、図2〜図4のフローチャートを参照して、カメラ100の実施形態1における動作について説明する。
【0042】
図2は、実施形態1におけるカメラで行われる撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【0043】
S1において、システム制御部50は、レジスタの初期化、データの初期化、周辺回路の初期化等の初期設定を行う。フラッシュ装置230に非正規電池が接続された場合に用いる連写回数カウンタnの初期化もここで行われる。S2において、システム制御部50は、フラッシュ装置230に関する情報をフラッシュ装置230から受信する。フラッシュ装置230に関する情報は、フラッシュ装置230に接続された電池238が正規電池であるか、非正規電池であるかを示す情報を含む。また、S2において、システム制御部50は、カメラ100に関する情報をフラッシュ装置230に送信する。また、S2において、システム制御部50は、発光部237を発光させるための充電の開始をフラッシュ制御部232に指示する。
【0044】
ここで、図3のフローチャートを参照して、フラッシュ装置230で行われる電池判定処理を説明する。
【0045】
S31において、フラッシュ制御部232は、電池238に関する情報を電池238から取得する。電池238に関する情報は、暗号化情報、暗号化された電池製品情報、電池残量、電池温度、劣化度等を含む。
【0046】
S32において、S31で電池238に関する情報が取得できなければ、フラッシュ制御部232は、電池238を非正規品であると判定する。また、S31で電池238に関する情報が取得できた場合、フラッシュ制御部232は、電池238に関する情報に基づいて、電池238が正規品か否かを判定する。
【0047】
S33において、フラッシュ制御部232は、電池判定の結果を不図示の内部メモリに記憶する。カメラ100とフラッシュ装置230とが接続された場合、フラッシュ制御部232は、電池判定の結果をシステム制御部50に送信する。
【0048】
図2のS3において、設定ボタン、モードダイヤルスイッチ60、操作部70等の状態を検出する。S4において、設定ボタンがオンならば、S5の各種設定処理(ISO感度(ゲイン)設定、ホワイトバランス設定、測距点設定、画質設定など)へ移行する。設定ボタンがオフならば、S6へ移行する。S6において、シャッタースイッチ62のSW1がオフならば、S16へ移行し、オンならばS7へ移行する。
【0049】
S7において、システム制御部50によりレンズユニット220と通信を行い、レンズユニット220の各種レンズ情報を取得する。レンズ情報には、レンズ固有情報、焦点距離、絞り値、フォーカスレンズ位置等の情報が含まれている。
【0050】
S8において、被写体に焦点を合わせるために、周知の位相差検出方式によるデフォーカス量の演算を行い、S9において、得られたデフォーカス量を基にレンズ駆動量を算出してフォーカスレンズを駆動する。S10において、撮影に用いるISO感度に応じたゲイン設定を行う。
【0051】
ここで、図4のフローチャートを参照して、実施形態1におけるゲイン設定処理を説明する。図4のS101において、フラッシュ装置230の不図示のコンデンサが充電完了して発光できる状態であるかどうかを判定する。完了していない場合には、S104へ移行し、撮影に用いるゲインとしてISO感度設定スイッチ69によりユーザが設定したゲイン(ISO感度)を決定し、図2の処理に戻る。
【0052】
一方、S101で充電が完了していると判定された場合、S102に移行してフラッシュ装置230の電池238が正規電池かどうかを判定する。正規電池ならば(S102でYES)、S103へ移行して上述した処理を行い、非正規電池ならば(S102でNO)、S104へ移行し、撮影に用いるゲインとして最大ゲインを決定し、図2の処理に戻る。
【0053】
図2のS11において、不図示の測光センサにより得られた測光値、S10で設定されたゲイン、撮影モード等のカメラ設定から、シャッター秒時(電荷蓄積時間)、絞り値、フラッシュ発光量等を決定する測光演算処理を行う。S12において、測光演算処理により求められたシャッター秒時、絞り値、フラッシュ発光量等の撮影情報を情報出力部56または画像表示部28に表示する。
【0054】
S13において、シャッタースイッチ62のSW2がオンかどうかを判定し、オフならばS16へ移行する。S16では、フラッシュ装置230に非正規電池が接続された場合の連写回数カウンタnを0にクリアして、S20に移行する。一方、シャッタースイッチ62のSW2がオンならば、S14へ移行する。
【0055】
S14において、フラッシュ装置230の充電が完了して発光可能であって、且つ、フラッシュ装置230の電池238が非正規電池かどうかを判定する。YESの場合にはS17へ移行し、NOの場合、即ち、発光可能でない場合、及び、電池238が正規電池の場合の少なくともいずれか一方である場合にはS15へ移行する。S17では非正規電池が接続された場合の連写回数カウンタnを0にクリアしてS19へ移行する。
【0056】
一方、S15において、連写回数カウンタnが予め設定された所定回数(図2に示す例では10回)より多いかどうか判定し、多ければ、撮影を行わずにそのままS2へ戻り、所定回数以下(図2に示す例では10回以下)であれば、S18へ移行する。S18では、連写回数カウンタnの値を1つ増やして、S19に進む。
【0057】
S19では、公知の撮像素子5のゲイン設定、フラッシュ発光が可能であればフラッシュ発光、蓄積動作、読み出し動作を行い、画像処理、画像書き込み等、静止画の撮影動作を行い、S2へ戻る。
【0058】
S20では、カメラの電源がオンかどうかを判定し、オンならば、S2へ戻って上記処理を繰り返し、オフならばS21へ移行する。S21では、カメラ100の動作を終了させるために、周辺回路への電源オフの指示やデータの退避等の終了設定を行い、動作を終了する。
【0059】
上記の通り実施形態1によれば、図4で説明したように、カメラ100に接続されたフラッシュ装置230の電池238が非正規電池と判定された場合は、ゲイン(ISO感度)として、ユーザ設定値ではなく、最大ゲインを設定する。このように最大ゲインにすることにより、フラッシュ発光量を通常の発光量に比べて抑えることができるため、非正規電池に与える影響を減らすことができる。
【0060】
また、図2のS14からS19で説明したように、フラッシュ装置230の電池238が非正規電池の場合の連続撮影時は、連写回数を所定回数(上述した実施形態1では、10回)に限定する。これにより、非正規電池が接続された場合に、長い間継続して重い負荷を与えないようにしている。なお、実施形態1は、連写回数により限られるものではなく、非正規電池に過度な負担を掛けないと予測される範囲で適宜変更することができる。
【0061】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2におけるカメラ100の動作を説明する。上述した実施形態1では、フラッシュ装置230の電池238が非正規電池である場合に、ゲインを最大ゲインに設定し、フラッシュ発光量を抑えるように制御した。これに対し、実施形態2では、電池238が非正規電池である場合に、フラッシュ発光量が予め決められた発光量よりも小さくなるように、ゲインを設定する。
【0062】
実施形態2における図5の処理は、実施形態1で上述した図2と比較して、S10でのゲイン設定処理が無く、また、S210の測光演算と、S211の撮影動作が図2のS11及びS19で行われる処理と異なる。それ以外の処理は、図2で説明したものと同様であるので、同じ参照番号を付して、適宜説明を省略する。
【0063】
実施形態2において、S210では、不図示の測光センサにより得られた測光値、S5で設定されたISO感度(ゲイン)、撮影モード等のカメラ設定から、シャッター秒時(電荷蓄積時間)、絞り値等を決定する測光演算処理を行う。実施形態2では、ここではフラッシュ発光量は決定しない。S12では、測光演算により求められたシャッター秒時、絞り値等の撮影情報を情報出力部56または画像表示部28に表示する。
【0064】
次に、S211で行われる実施形態2における撮影動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0065】
図6のS301では、上述したS210で得られた測光値に基づいて、フラッシュ発光するかどうかを判定し、フラッシュ発光するならばS303へ移行し、そうでなければS305へ移行する。S303において、フラッシュのプレ発光を行い、そのときの測光値と、S210で取得したプレ発光しないときの測光値とを記憶する。S304において、フラッシュの発光量演算を行う。
【0066】
ここで、発光量演算処理を図7のフローチャートにより説明する。
【0067】
図7のS401において、現時点で設定されているゲイン(ISO感度)で、S303にて記憶したプレ発光時の測光値とプレ発光しないときの測光値とから、フラッシュ発光量を算出する。S402において、フラッシュ装置230の電池238が、正規電池かどうかを判定し、正規電池ならば発光量演算処理を終了する。一方、非正規電池ならば、S403へ移行する。
【0068】
S403において、算出したフラッシュ発光量が最大発光量(FULL)の、例えば、4分の3よりも小さいかどうか判定し、小さければ発光量演算処理を終了し、小さくなければS404へ移行する。なお、実施形態2は、最大発光量の4分の3に限るものではなく、非正規電池に過度な負担を掛けないと予測される範囲で適宜変更することができる。S404ではゲインが最大かどうかを判定し、最大でなければ、S405へ移行し、最大であれば発光量演算を終了する。
【0069】
S405において、ゲインを所定量上げてフラッシュ発光量の再演算を行い、S403へ戻り、上記処理を繰り返す。この処理は、算出したフラッシュ発光量が最大発光量(FULL)の4分の3よりも小さくなるか(S403でYES)、ゲインが最大になるまで、繰り返し実行される。
【0070】
上述した図7の処理により、ゲインとフラッシュ発光量とが決定される。
【0071】
図6に戻り、S305において、撮像素子5の蓄積を開始する。S306において、シャッター4の先幕を走行させて、露光を開始し、シャッター秒時後にシャッター4の後幕を走行させるようにタイマー設定する。
【0072】
S307において、フラッシュ発光するならばS308へ移行して、S304で演算されたフラッシュ発光量でフラッシュ発光を行ってS309へ進み、発光しない場合にはそのままS309へ移行する。なお、S308では、フラッシュ装置230にフラッシュ発光量や発光開始指示の通信を行う。
【0073】
S309において、シャッター秒時後にシャッター4の後幕を走行させ、S310において、撮像素子5の蓄積を終了し、S314において、撮像素子5から画像信号の読み出し処理を行う。S315において、読み出した画像信号に対して所定の画像処理を行い、S319において処理した画像信号を記録し、撮影動作フローを終了する。
【0074】
上記の通り実施形態2によれば、図7で説明したように、カメラ100に接続されたフラッシュ装置230の電池238が非正規電池と判定された場合は、発光量が所定値以下(図7の例では、最大発光量の4分の3未満)となるように制御する。また、発光量が所定値以下とならなくとも、ゲインを最大値まで上げるように制御する。このように制御することにより、フラッシュ発光量を通常の発光量に比べて抑えることができるため、非正規電池に与える影響を減らすことができる。
【0075】
また、図6のS14からS19で説明したように、フラッシュ装置230の電池238が非正規電池の場合の連続撮影時は、連写回数を所定回数(上述した実施形態1では、10回)に限定する。これにより、非正規電池が接続された場合に、長い間継続して重い負荷を与えないようにしている。なお、実施形態2は、連写回数により限られるものではなく、非正規電池に過度な負担を掛けないと予測される範囲で適宜変更することができる。
【0076】
なお、実施形態1及び2では、電池238が正規電池であるか、非正規電池であるかを判定するものとして説明した。しかしながら、実施形態1及び2はこれに限るものではなく、電池238が所定の仕様に準拠した電池であるかどうかに応じて、上述したように制御を変えればよい。即ち、電池238が所定の仕様に準拠した電池である場合には、正規電池の場合と同様の制御を行い、所定の仕様に準拠した電池ではない場合は、非正規電池の場合と同様の制御を行うようにすればよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池から電力の供給を受けて発光を行うフラッシュ装置を着脱可能な撮像装置であって、
入射した光を光電変換して得た電気信号を出力する撮像素子と、
前記電気信号を設定されたゲインにより増幅する増幅手段と、
前記フラッシュ装置に前記電池の情報を問い合わせ、得られた情報に基づいて、前記電池が所定の仕様に準拠した電池であるかどうかを判定する判定手段と、
フラッシュ撮影を行うときに、前記判定手段が前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池ではないと判定すると、前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池である場合よりも、前記フラッシュ装置の発光量を少なくすると共に、より高いゲインを前記増幅手段に設定する制御手段と
を有する撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定手段が前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池ではないと判定した場合に、前記ゲインを最大値に設定し、前記最大値のゲインに応じて前記フラッシュ装置の発光量を決定する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判定手段が前記電池が前記所定の仕様に準拠した電池ではないと判定した場合に、前記フラッシュ装置の発光量が予め設定された発光量よりも小さくなるか、または前記ゲインが最大値になるまで、前記ゲインを高くする請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−15777(P2013−15777A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150337(P2011−150337)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】