撮影条件設定装置、プログラム
【課題】撮影条件の内容確認が容易でかつその変更設定操作が簡単にできる撮影条件設定装置を提供する。
【解決手段】撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意されて選択された撮影モード211に応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置において、上記撮影条件を撮影条件列210として並べて表示させ、撮影条件列210の中で入力操作によって特定の撮影条件が選択されたことを検出して、検出された場合に当該特定の撮影条件において用意される個別の条件211他を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列240として表示させる。
【解決手段】撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意されて選択された撮影モード211に応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置において、上記撮影条件を撮影条件列210として並べて表示させ、撮影条件列210の中で入力操作によって特定の撮影条件が選択されたことを検出して、検出された場合に当該特定の撮影条件において用意される個別の条件211他を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列240として表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの撮影条件を設定するに際してのユーザーインターフェースの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの撮影条件、例えば、絞り・シャッター・ISO感度・WB等の条件を個別に設定するのは通常のユーザーにとっては簡単ではないので、被写体に合わせて撮影条件を自動的に設定する機能がさまざまに開発されている。一番代表的で、銀塩カメラの時代からあるのが、被写体の輝度を測光して、測光値から露光条件を設定するオートモードである。
【0003】
しかし、このオートモードでは、最大公約数的な特徴のない画像が撮影されてしまい、面白みに欠けた画像になりがちである。そこで、その場面の雰囲気がより忠実に再現されるように、シーンにあわせた撮影条件がまとめて設定できるシーン選択モードが開発された。これは、撮影シーン、例えば、ポートレイト・風景・夜景・夕日・パーティ等、いくつかの代表的な撮影シーンとその撮影シーンにふさわしい各種撮影条件を予めまとめて記憶させておき、その中から、ユーザーは現在目にしている場面に相当する撮影シーンを選択するだけで、そのシーンの撮影にふさわしい条件が自動的に設定されるものである。
【0004】
そして、最近では、シーン選択モードを更に使いやすくするために、オートシーンモードも開発されている。シーン選択モードでも、ユーザーは適当なシーンを選択するという操作をしなければならなかったが、オートシーンモードでは、画面全体の色・輝度・顔の有無等を判断して、画面全体の状況から現在のシーンが自動的に判断される。そして、自動的に判断されたシーンに合わせて、撮影条件が設定されるので、ユーザーは撮影シーンを選択するという操作からも開放される。
【0005】
そして、これらの撮影モードの選択や確認のために、撮影モードの表示機能が必要になるが、この表示はカメラの背面に設けられた画像用の表示部が利用される。しかし、カメラの背面表示部は、多数ある撮影条件の項目をまとめて表示するほど十分な大きさではないので、切換えながら表示する必要があり、この表示に関する提案もされている。例えば、特許文献1では、撮影条件の選択操作と選択された撮影条件の具体的な数値の変更操作の2つの操作を相互に直交するような操作に割り当てたカメラの表示制御装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-13476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
オートモード、シーン撮影モードやオートシーンモード等の撮影モードが搭載されているカメラでは、これら撮影モードをユーザーの好みや熟練にあわせて適宜使い分けてもらうようにすることで、多様なユーザー層に幅広く使えるカメラが実現される。そのためにはひとつに、これら複数の撮影モードの撮影条件の表示や切換えに関して、より分かりやすくかつ簡単な操作が必要とされる。多様なユーザー層に使ってもらうためには、ストレスのない操作性が必須であるからである。具体的には、カメラ用の小さな表示画面サイズでかつ操作ボタンを特に増やすことなく、撮影モードの種類やその内容が明確に表示され、かつその切換え操作が簡単にできるユーザーインターフェースを提案することが必要になる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、撮影条件の内容確認が容易でかつその変更設定操作が簡単にできる撮影条件設定装置、そのような処理を実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明による撮影条件設定装置は、撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意され、選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置において、上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件を表示させる表示制御部と、表示される上記撮影条件に対して撮影者の入力操作を受け付ける操作受付部と、上記入力操作に基づいて上記撮影条件を変更設定する撮影条件設定部と、備え上記表示制御部は、上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させ、当該撮影条件列の中で上記入力操作によって特定の撮影条件が選択された場合には、当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させる ことを特徴とする。
【0010】
これにより、表示されている撮影条件の中で選択された撮影条件だけの個別条件の列を交差するように表示したので、選択操作もスムースで、ライブビュー画像の邪魔にもなりにくい。
【0011】
さらに、本発明による撮影条件設定装置では、上記表示制御部は、上記個別条件列を表示する場合に、当該個別条件列の対象となった撮影条件以外の撮影条件の設定によって、変更設定不可能となった個別条件については、変更設定可能な個別条件と区別して表示させることを特徴とする。
【0012】
これにより、変更設定不可能な条件がある場合に、その具体的な条件が明示されるようにも表示されることで、使い勝手がよい。
【0013】
また、本発明による撮影条件設定装置では、上記表示制御部は、上記個別条件の並びに合わせて、当該個別条件が設定された場合に得られる画像を表現するライブビュー画像を複数並べて表示させる ことを特徴とする。
【0014】
これにより、直接画質に影響するような撮影条件が選択された場合には、その個別条件が反映された複数のライブビュー画像を、個別条件の並びと対応させて、配列表示したので、個別条件の選択が、さらに的確にできるようになる。
【0015】
本発明によるプログラムは、撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意されて選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置に使用されるプログラムであって、上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件の表示を制御するプログラムにおいて、上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させるステップと、当該撮影条件列の中で入力操作によって特定の撮影条件が選択されたことを検出するステップと、検出された場合に当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させるステップ を備える ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、撮影条件の内容確認が容易でかつその変更設定操作が簡単にできる撮影条件設定装置、そのような処理を実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの電気回路構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、デジタルカメラ1の背面側の外観を示す背面図である。
【図3】図3は、表示部に表示される画面であって、撮影メニュー付のライブビュー画像であって、撮影条件の設定操作を説明するための図である。
【図4】図4は、表示部に表示される画面であって、図3(2)で示された画面で、撮影モードがプログラムモードからオートシーンモードに変更設定された図である。
【図5】図5は、表示部に表示される画面であって、撮影モードの中の具体的な条件についてを変更設定する操作とその表示を説明するための図である。
【図6】図6は、表示部に表示される画面であって、個別条件列の中で他の条件設定によって変更設定不可能となった条件が区別して表示されることを説明するための図である。
【図7】図7は、表示部に表示される画面であって、個別条件を変更設定するための補助として、条件に対応するライブビュー画像を複数表示させる例を示す図である。
【図8】図8は、撮影条件の表示と対応する変更設定操作に関する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、図8のサブルーチンに関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の撮影条件設定装置を搭載したデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0019】
本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1は、制御部11、プログラムデータ記憶部12、ボタン操作部13、撮像部15、SDRAM16、画像処理部17、表示処理部18、表示部19、圧縮伸長部20、記録再生部21、画像記憶部22、バスライン25を主要な構成要件として備える。
【0020】
制御部11は、プログラムデータ記憶部12に記憶された制御プログラムを読み込んで、デジタルカメラ1の全体を統括的に制御するCPUである。本実施形態の特徴の1つである各撮影モードでの撮影条件設定処理において、制御部11は、制御プログラムに従って撮影条件設定の各処理を実行するが、便宜上各処理を撮影条件設定部11a、表示制御部11b、操作受付部11cという機能部として以下の説明では表現する。
【0021】
撮影条件設定部11aは、撮影モードとして、プログラムモード、シーン撮影モード、オートシーンモード等を備える。プログラムモードとは、被写体の明るさに応じて、絞りとシャッタースピードを線図に基づき自動的に設定されるモードである。他の条件は標準的な条件が選択される。
【0022】
シーン撮影モードとは、選択された被写体の種類に合わせて、その被写体が良く映るような撮影条件がまとめて設定されるモードである。例えば、撮影シーンとして人物撮影用の「ポートレイト」が選択されると、絞りを浅く設定し、かつ色処理として肌色がきれいになるよう処理がされる。また、「夜景」モードが選択されると、シャッター速を遅くし、ISO感度を高くし、好みによっては光線に特殊効果を与えるフィルタ効果も追加される。
撮影条件設定部11aは、シーン撮影モードが設定された場合には、その中で選択された撮影シーンに応じて、各撮影条件を定める。
【0023】
オートシーンモードとは、上記シーン撮影モードのシーンの種類がライブビュー画像の画面の被写体を解析した結果に基づき、自動的に設定されるモードである。例えば、画面の輝度が暗ければ夜間と判定され、画面に顔が検出されれば人物がいると判断されたりする。これら画面の特徴が総合的に判断されて、その場面での撮影シーンを決められる。撮影条件設定部11aは、オートシーンモードが設定された場合には、上記のように画面全体から、現在の被写体の特徴を検出して、撮影シーンのデータベースと比較して撮影シーンを決定する。
【0024】
そして、撮影条件設定部11aは、上記各撮影モードやその撮影シーンに応じて、シャッタースピード、画素数、ストロボ条件、ピント条件、あるいはコントラストや色補正等の各種撮影条件を具体的に設定する。撮影条件設定部11aによって設定された条件や値に応じて、制御部11は、撮像部15あるいは画像処理部17を制御する。
【0025】
なお、各撮影シーンに対応する具体的な撮影条件のデータやオートシーンモードで撮影シーンを決めるために使用するデータベースは、予めプログラムデータ記憶部12に記憶されている。
【0026】
表示制御部11bは、撮影者からの操作指示に応じて、表示処理部18を制御して、表示部19に表示される画像の内容を制御する。表示制御部11bは本実施形態では特に撮影メニューの表示に関しての制御を行う。
【0027】
操作受付部11cは、画面に対応した撮影者からの指示を検出するものである。具体的には、操作受付部11cは、ボタン操作部13からの出力された信号を受信して、操作内容を検出する。操作受付部11cで検出された操作内容に基づき、表示制御部11bによって、表示部19に表示される撮影条件等の具体的な表示内容が制御され、撮影条件設定部11aによって、撮影モード等の撮影条件が設定される。
【0028】
プログラムデータ記憶部12は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリから構成され、制御部11の処理実行用のプログラム、撮影条件データおよび撮影シーンを特定するための撮影シーンデータベースのデータが格納される。また、プログラムデータ記憶部12には、画面に表示される撮影メニュー用のアイコンのデータも格納される。
【0029】
ボタン操作部13は、デジタルカメラ1の背面や上面に設けられた操作部で、撮影の実行指示のためのレリーズボタンや、撮影モード・再生モード等の切り替えのためのメニューボタンが含まれる。
【0030】
ここで、ボタン操作部13の具体的な構成を図2を用いて説明する。図2は、デジタルカメラ1の背面側の外観を示す背面図である。デジタルカメラ1の背面部101では、左端から全体の半分以上を画像を表示する表示部19の画面が占めている。デジタルカメラ1の上面部および背面部101の右側の領域で表示部19に隣接する位置に、ボタン操作部13に含まれる各操作ボタンが配置されている。
【0031】
デジタルカメラ1の上面の右端に撮影指示用のレリーズボタン105が配置されている。
そして、背面部101には、上から順番にズームボタン106、電源ボタン107a、撮影再生切換えボタン107b、方向ボタン108、決定ボタン109、メニューボタン110が配置されている。ズームボタン106は、撮像部に内蔵された撮影レンズの焦点距離の変更を指示するボタンである。電源ボタン107aは、カメラの電源のオンオフ操作を指示するボタンである。撮影再生切換えボタン107bは、カメラの撮影モードと再生モードの切換えを指示するボタンである。
【0032】
方向ボタン108は、内部的に上下左右の4つのキーから構成され、各キーの操作に従って画面の中で上下左右の移動を指示するボタンである。決定ボタン109は、方向ボタン108で選択された内容の決定操作を指示するボタンである。メニューボタン110は、カメラの様々な動作条件を設定するためのメニュー画面の呼び出しおよび消去を指示するボタンである。
【0033】
撮像部15は、レンズから撮像素子までを含む光学部と、撮像素子を駆動する駆動回路や撮像素子から出力される光電変換信号を処理してデジタルの画像データとして出力する信号処理部からなる。光学部は、被写体像を結像するレンズと、レンズの位置を移動させるAF機構部とズーム機構部、被写体光束を絞る絞り部、読み出し時にスメアを防止するためのシャッター部等から構成される。
【0034】
信号処理部は、撮像素子から出力される光電変換信号について、ノイズを低減させるためのCDS回路、信号レベルを適切なレベルにまで増幅するAGC回路、これらで処理されたアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換するAD回路等から構成される。
【0035】
SDAM16は、一時的なメモリで、画像のデジタル処理に利用されるワーキングエリアである。撮像部15から出力されるデジタル画像信号が一時的に格納され、画像処理部17による画像処理が実行される。同様に、表示処理部18が撮影画像に撮影メニューや情報アイコンを重畳処理する場合、あるいは圧縮伸長部20が圧縮処理や伸長処理等の各処理を実行する際にも利用される。
【0036】
画像処理部17は、撮像部15から出力される画像データに対して、ライブビュー画像あるいは記録画像用に、所定のガンマ処理、画素補間処理、色補正処理、YC変換等を実行する。画像処理部17は、各撮影モードにおいて設定された撮影条件の中で、画質に関する条件に応じて、色補正やコントラスト補正、あるいは、顔処理であれば例えばスムージング処理の強度を変更する。
【0037】
表示処理部18は、表示制御部11bの制御により各種画像を表示部19に表示するための処理を行う。表示処理部18は、撮影された画像データの画素数を表示画素数に変換する処理を行う。また、表示処理部18は、表示制御部11bから指示があった場合には、撮影条件を示す情報(撮影メニュー)、例えば数字やアイコンを、プログラムデータ記憶部12からデータを読み出して、表示用に画素数変換したライブビュー画像や記録画像に重畳させる処理を行う。また、表示処理部18は、メニュー画面の表示指示があった場合には、上と同様にプログラムデータ記憶部12から必要なデータを読み出して、対応するメニュー画像を作成する。
【0038】
表示部19は、LCDあるいはELパネルから構成されてデジタルカメラ1の背面に配置され、表示処理部18から出力されるライブビュー画像、撮影された記録画像あるいは、メニュー情報が表示されるメニュー画面が表示される。
【0039】
圧縮伸長部20は、撮影画像の画像データを画像記憶部22に記録する際、あるいは画像記憶部22に記録されている画像データを表示する際等において、周知のJPEG方式等に基づく画像データの圧縮処理や伸長処理を行う。
【0040】
記録再生部21は、画像記憶部22に対して圧縮された画像データを書き込んだり、逆に画像記憶部22から圧縮された画像データの読み出しを行うものである。画像記憶部22は、例えばxDピクチャーカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)のカメラ本体に着脱可能な記録媒体あるいはHDDである。バスライン25は、上記各構成要素をデータラインとアドレスラインで結合するものである。
【0041】
以上がデジタルカメラ1の主たる構成要素の説明である。詳細は以下で説明するが、本実施形態は、撮影メニューの画面表示とその変更設定操作の処理に係るもので、以下の処理がその基本となる。表示制御部11bは、撮影モードの種類と当該撮影モードの具体的な条件を含む撮影条件を表示させる処理を行う。操作受付部11cは、表示される撮影条件に対して撮影者の入力操作の受け付け処理を行う。条件設定部11aは、撮影条件に対する入力操作に基づいて撮影条件を設定する処理を行う。このように、主に制御部11とこれに含まれる撮影条件設定部11a、表示制御部11b及び操作受付部11cの構成要件により、撮影メニューの画面表示や変更設定がなされるので、これらを撮影条件設定装置とも呼ぶ。
【0042】
図3から図7は、撮影メニュー付のライブビュー画像の画面であって、撮影条件の変更設定操作を説明するための図である。撮影時には、画像の構図や内容を確認するために表示部19にライブビュー画像が表示される。そして、このライブビュー画像に、撮影条件に関する各種情報が表示される撮影メニューが重畳して表示される。なお、撮影メニューの表示は、メニューボタン110の操作でオンオフ可能とする。
【0043】
図3(1)は、ライブビュー画像201に撮影メニューが重畳表示された画面の、最初の画面を示す図である。カメラの状態を示す撮影メニューは、大きく分けて、画面の右側と下部および左上隅の箇所の3箇所にアイコンの形態で表示されている。
【0044】
撮影メニューのうち撮影条件に関する各種情報は、画面の右側に垂直に並んだアイコン列と画面の下部に水平に並んだアイコン列の2つに分けて表示されている。画面の右側に垂直に並んだアイコン列を撮影条件列210と呼び、画面の下部に水平に並んだアイコン列を第2の撮影条件列220と呼ぶ。撮影条件列210には、撮影者によって設定変更可能な撮影条件の中で、撮影モードの種類に応じてまとめて設定される撮影条件が選ばれる。
【0045】
一方、第2の撮影条件列220には、撮影者によって設定変更可能な撮影条件であるが、原則として、撮影モードの種類には無関係、つまり撮影モードから独立した撮影条件が選ばれる。
【0046】
また、画面の左上隅のアイコンは、電池容量の残量情報を示すアイコン230である。電池容量の残量は、撮影条件とは無関係である。アイコン235は、セットアップ用のアイコンである。セットアップとは、日付や言語設定あるいはカメラの詳細な条件を設定するための画面であるメニュー画面を表示させる動作をいう。
【0047】
撮影条件列210で示される撮影条件の項目を説明する。一番上が撮影モードを示す項目で、現在設定されている撮影モードのアイコン211が表示される。ここでは、プログラムモードを示すアイコンが表示されている。その下、つまり2番目以降が、プログラムモードにおける具体的な撮影条件を示す条件項目になる。
【0048】
2番目の項目は、ストロボの発光条件を示す項目で、現在設定されているオートストロボを示すアイコン212が表示されている。3番目の項目は、撮影距離条件を示す項目で、現在設定されているマクロオフを示すアイコン213が表示されている。4番目の項目条件は、セルフタイマ条件を示す項目で、現在設定されているセルフタイマオフを示すアイコン214が表示されている。
【0049】
5番目の項目は、露出補正条件を示す項目で、現在設定されている露出補正なしを示すアイコン215が表示されている。6番目の項目は、ホワイトバランス条件を示す項目で、現在設定されているオートホワイトバランスを示すアイコン216が表示されている。
【0050】
7番目の項目は、撮影感度(ISO感度)条件を示す項目で、現在設定されている自動ISO感度を示すアイコン217が表示されている。8番目の項目は、ドライブ条件を示す項目で、現在設定されている単写撮影の設定を示すアイコン218が表示されている。
【0051】
次に、第2の撮影条件列220で示される撮影条件の項目を左から順番に説明する。1番目の項目は、使用しているメモリが内蔵メモリか着脱メモリかを示す項目で、現在内蔵メモリが使用中であることを示すアイコン221が表示されている。
【0052】
2番目の項目は、メモリへの記録可能枚数を示す項目で、現在は9999枚撮影可能であることを示すアイコン222が表示されている。3番目の項目は、設定されている記録画素数を示す項目で、現在は14メガ画素が設定されていることを示すアイコン223が表示されている。
【0053】
4番目の項目は、撮影の圧縮レベルを示す項目で、現在低圧縮が設定されていることを示すアイコン224が表示されている。5番目の項目は、測光方式の種類を示す項目で、現在はESP(intelligent electro selective pattern)が設定されていることを示すアイコン225が表示されている。ESPは、被写体が中央にない場合にも、焦点調整を行いたいときに使用する測光モードである。
【0054】
図3(1)に示す画面は、前述したように最初の画面であって、いずれの条件もまだ選択されていない状態である。この図3(1)に示す画面で、方向ボタン108の下キーが操作されると、図3(1)から図3(2)に示す画面に切換わる。いずれの条件もまだ選択されていない状態から、撮影者によって方向ボタン108が操作されると、操作受付部11cによって方向ボタン108の操作が検出され、最初は撮影モードが選択されるように設定されている。そして、撮影モードが選択されたことにより、表示制御部11bによって、撮影モードの項目に、現在の撮影モードと他の設定可能な撮影モードを示すアイコンが並んで表示される。このように、その条件において用意される個別の条件の集合としてのアイコンの列を、個別条件列240と呼ぶ。個別条件列240は、上記撮影条件列210に対して交差する方向に並べて表示される。
【0055】
個別条件列240には、現在の撮影モードであるプログラムモードを示すアイコン211bを中心に、左右に設定可能な撮影モードとしてアイコン211a、アイコン211cの計3つのアイコンが横に並んだ状態で表示される。向かって左のアイコン211aは、オートシーンモードを示すアイコンである。向かって右のアイコン211cは、ムービーモードを示すアイコンである。ムービーモードは、動画撮影用の撮影条件が設定されるモードである。
【0056】
ここで、本カメラには、撮影モードとして、順番に、ビューティモード、オートシーンモード、プログラムモード、ムービーモード、シーン撮影モードの5つのモードが、用意されているとする。図3(2)で示されているのは、その中の、2番目から4番目に当たるオートシーンモード、プログラムモード、ムービーモードの3モードで、他のモードは隠されているとする。
【0057】
このように、上記個別条件列では、選択された項目について現在の条件を示すアイコンを中心にして、その左右に所定の順で、設定可能な条件を示すアイコンを表示させるようにする。なお、以下の説明では個別条件列として3条件を表示する例で説明するが、表示数はこれに限られるものではなく、例えば5条件を表示するようにしてもよい。
【0058】
また、選択された条件を他の条件と識別するために、選択された条件には、濃い色の背景250が表示される。また、現在の設定条件を示す背景250の中央領域は目立つように、他と異なる濃度または色で表示される。本例では、背景250の中央領域は、左右より濃い色で表示される。そして、設定条件を変更設定させたい場合には、方向ボタン108の左右キーの操作により変更希望の条件のアイコンを中央位置に移動させればよい。
【0059】
また、現在の撮影モードの特徴を説明する文章として、コメント245が表示される。図3(2)では、プログラムモードの特徴を簡単に紹介する文章として、コメント245も、ライブビュー画像に重畳して表示される。ここで、撮影条件列210は、モードを示す個別条件列240を除いた他の条件から構成されるものとする。
【0060】
図4は、表示部に表示される画面であって、図3(2)で示された画面で、方向ボタン108の左キーが押されて、撮影モードがプログラムモードからオートシーンモードに変更設定された画面の図である。
【0061】
方向ボタン108の左キーが押されたことが検出されて、個別条件列240の並びが変更されて表示される。中央のアイコン211bには変更設定されたオートシーンモードが表示され、左のアイコン211aに新たにビューティモードのアイコンが表示され、右のアイコン211cには、プログラムのアイコンが表示にされる。上記3つの撮影モードの順番は、既に説明した撮影モードの順番に従うものである。あわせて、コメント245も、プログラムモードの紹介からオートシーンモードの特徴を紹介する内容に切換えて表示される。
【0062】
そして、撮影モードとしてオートシーンモードが設定されたことにより、個別条件列240の下の撮影条件列210には、オートシーンモードにおける設定変更が可能な撮影条件が表示される。オートシーンモードは、撮影シーンの種類が自動的に判定されて撮影条件が設定されるので、プログラムモードに比べて、撮影者によって変更可能な条件を少なくしている。
【0063】
本例では、ストロボ発光条件、マクロ撮影切換え及びセルフタイマの条件の3つの条件についてを、オートシーンモードにおいて、撮影者の意思で変更設定可能な条件にしている。上から2番目の項目に現在設定されているオートストロボを示すアイコン212、3番目の項目にマクロオフを示すアイコン213、4番目の項目にセルフタイマオフを示すアイコン214がそれぞれ表示されている。
【0064】
なお、撮影条件列での各項目の表示順番であるが、オートシーンモードでは、「ストロボ発光条件、マクロ、セルフタイマ」の3つが、その前のプログラムモードでの上から3つの項目と同一であったために、同じ項目に同じ条件が表示されたが、これに限るものではない。撮影モードに関わらず、画面の同じ位置に同じ条件(例えば、ストロボ発光条件は、常に上から2番目)が表示されるように規定しておいても良いし、逆に撮影モードの種類に応じて、例えば同じストロボの条件であっても適宜表示される位置を変えるようにしてもよい。
【0065】
この画面で、撮影者によりメニューボタン110が押圧操作されれば、操作受付部11cにより操作内容が検出され、表示制御部11bによって、画面から撮影メニューの表示が消され、ライブビュー画像主体の画面に切換わる。なお、電池容量の残量情報を示すアイコン230と第2の撮影条件列220の表示は残しておいてもよい。
【0066】
また、本例では、撮影条件の切換えによる画質変化をダイレクトに確認できるようにするために、方向ボタン108の操作による変更操作が行われた時点で直ちに、撮影条件設定部11aによって各条件を切り替えるようにしているが、これに限ることではない。例えば、決定ボタン109による確定操作後に、撮影条件設定部11aが各条件を切り替えるようにしてももちろんよい。
【0067】
図5は、表示部に表示される画面であって、撮影モードの中の具体的な条件についてを変更設定する操作とその表示を説明するための図である。図5(1)の画面は、図3(1)の画面で、方向ボタン108の下キーが1回押されて、2番目の条件についての個別条件列240が展開表示されている。2番目の条件はストロボ発光条件であるから、個別条件列240として、現在設定されているオートストロボを中心に他のストロボ発光条件を含めて、3つの条件のアイコンが横に並べられて表示される。
【0068】
ストロボ発光条件としては、発光禁止、オート、赤目防止、強制発光の4種が用意され、方向ボタン108の左右キーの操作に応じてループして連続的に表示させるものとする。ここではまず、4つの条件の中で、オートストロボを中心にその前後のアイコンが表示される。向かって左のアイコン211aが発光禁止を示すアイコンで、中央のアイコン211bがオートストロボを示すアイコンで、右のアイコンが赤目防止発光を示すアイコン211cである。
【0069】
図5(3)は、図5(2)の状態からさらに方向ボタン108の右キーが1回押された場合の画面の図である。撮影者により方向ボタン108の右キーを1回押されると、操作受付部11cにより操作が検出され、表示制御部11bによって、個別条件列240の中央のアイコン211bに赤目防止のアイコンが移動して表示され、右側のアイコン211aにオートストロボのアイコン、左側のアイコン211cに強制発光のアイコンがそれぞれ表示される。そして、撮影条件設定部11aによりストロボ発光条件が赤目防止に変更設定される。この操作により、撮影者はストロボ発光条件を赤目防止に変更設定することができる。
【0070】
つまり、撮影者は方向ボタン108の左右キーを操作して、希望のストロボ発光条件のアイコンを個別条件列240の中央位置に表示させるようにすれば、希望の条件に変更設定することができる。ストロボ発光条件以外の他の具体的な条件についても、同様な操作によって変更設定ができる。
【0071】
図6は、表示部に表示される画面であって、個別条件列の中で他の条件設定によって変更設定不可能となった条件が区別して表示されることを説明するための図である。これまで説明したように、撮影条件列には複数の撮影条件が含まれている。例えば、プログラムモードでは、ストロボ発光条件・撮影距離条件・セルフタイマ等の複数の撮影条件が変更設定可能に用意されている。そして、これらの撮影条件は全てが独立して設定できるわけではないことは注意が必要である。撮影条件によっては、相互に抵触するようなケースもあり得る。例えば、撮影距離が超近距離の場合にはストロボは使用できない。また、連写撮影時には、低速の連写であればストロボ発光も可能であるが、ストロボの赤目防止発光は使用できない。なぜなら赤目防止発光は、撮影用の露光前に予め人物の瞳孔を絞るための小さな連続発光させるから、連写の最中に実行させることは困難だからである。
【0072】
そこで、上記個別条件として表示される項目の中で、上記特定の項目以外の他の項目の内容によって、変更設定不可能となった個別条件については、変更設定可能な個別条件と区別して表示させるようにする。
【0073】
図6(1)は、撮影モードとしてプログラムモードが設定されている画面を示す図である。この画面の状態で、図3(1)で示した画面と異なるのは、上から8番目のドライブ条件を示す項目で、現在連写が設定されていて、アイコン218として連写を示すアイコンが表示されている。
【0074】
図6(1)の画面で、方向ボタン108が操作されてストロボ発光条件が選択され、ストロボ発光条件に関しての個別条件列240が表示された画面が、図6(2)の画面である。
【0075】
前述したように、連写撮影時には赤目防止発光は選択できないので、個別条件列240の中で向かって右の赤目発光を示すアイコン212cだけについては、背景250を斜線の表示にして、設定できない条件であることを示している。この場合に同時に、その要因となった連写撮影を示すアイコン218を点滅表示させてもよい。
【0076】
このようにすることで、選択された撮影モードにおいては本来設定できるはずの条件であっても、具体的な他の条件の影響によって設定できなくなった条件を、撮影者は簡単に認識することができる。また、どの条件によってその制限が発生したかも表示されるので、
原因となった条件を変更することも容易になる。
【0077】
図7は、表示部に表示される画面であって、個別条件を変更設定するための補助として、条件に対応するライブビュー画像を複数表示させる例を示す図である。撮影条件には、ストロボ発光条件のように内容が分かりやすいものばかりではなく、例えばホワイトバランスやISO感度のように、画質への影響が大きいものの、言葉による説明が容易でない撮影条件もある。さらに、ホワイトバランスやISO感度のような撮影条件は、被写体によってもその効果は大きく異なるので、画像を見ながらでないと条件をきめるのは難しい。
【0078】
そこで、本例では、特定の撮影条件にかかる個別条件列が選択された場合に、表示される個別条件による画質変化を表すように、個別条件の並びに合わせて、当該個別条件に対応する画質を表すライブビュー画像を複数並べて表示させるようにする。
【0079】
図7では、撮影モードがプログラムモードである場合において、6番目の項目であるホワイトバランスが選択され、ホワイトバランスの個別条件列240が表示されている。ここで、個別条件列240として、向かって左に晴天撮影を示すアイコン212a、中央に曇天撮影を示すアイコン212b、向かって右に電球下の撮影を示すアイコン212cが、配置されている。
【0080】
加えて、晴天撮影用のホワイトバランスにより画像処理されたライブビュー画像201a、曇天撮影用のホワイトバランスにより画像処理されたライブビュー画像201b、電球下の撮影のホワイトバランスにより画像処理されたライブビュー画像201cが、対応するアイコンと同じ順番で、配列される。また、これらのライブビュー画像201a、201b、201cは、縮小サイズで表示され、左右のライブビュー画像201a、201cは、さらに画像の一部のみ表示されている。左右のライブビュー画像201a、201cは、画面の左右へのスクロール操作により、全体を確認することができる。
【0081】
異なる3種のホワイトバランス処理は、撮影条件設定部11aの指示により画像処理部17によって実行される。ライブビュー画像の縮小処理や合成処理は、表示処理部18によって行われる。
【0082】
以上のように、個別条件の提示に合わせて、得られであろう画像を事前提示することで、適切な条件設定が簡単にできるようになる。なお、図7のような個別条件に合わせて複数のライブビュー画像を表示することは、事前に撮影者によりメニュー画面で選択できる事項としてもよい。
【0083】
図8、図9は、撮影条件の表示と対応する変更設定操作に関する処理手順を説明するためのフローチャートである。これらの処理は、撮影条件設定部11a、表示制御部11b及び操作受付部11cを含む制御部11に主に行われるが、以下の説明では、撮影条件設定部11a、表示制御部11b、操作受付部11cによる処理もまとめて制御部11による処理として説明する。
【0084】
図8は、処理手順のメインのフローチャートである。ここでデジタルカメラ1は、電源がオンされて、撮影モードに設定されているものとする。撮影モードでは、表示部19にライブビュー画像を表示させる(ステップS11)。制御部11の指示により、撮像部15で撮影された画像データが画像処理部17で所定の表示用処理が施され、さらに表示処理部18によってリサイズ処理やアイコンが重畳処理がされて、表示部19にライブビュー画像として表示される。
【0085】
次に、制御部11は、ライブビュー画像への撮影メニューの重畳表示が指示されているかを判断する(ステップS12)。制御部11は、メニューボタン110の操作による、撮影メニュー表示のオンオフ指示を判断する。制御部11は、撮影メニュー表示がオフであると判断した場合には(ステップS12NO)、ステップS14にジャンプする。制御部11は、撮影メニュー表示がオンと判断した場合には(ステップS12YES)、ステップS13の撮影条件設定処理のサブルーチンに進む。
【0086】
図9が、ステップS13の撮影条件設定処理のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。まず制御部11は、方向ボタン108の上下キー操作(ステップS31)あるいは左右キー操作(ステップS32)がされたかを判断する。制御部11は、上下左右いずれのキー操作もされないと判断すると(ステップS31NO、ステップS32NO)、表示処理部18を制御して、現撮影条件での所定の撮影メニューを作成し、作成された撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示部19の画面に表示させる(ステップS43)。図3(1)で示した画面である。その後、ステップS14に戻る。
【0087】
ステップ31に戻る。制御部11は、方向ボタン108の上下キー操作がされたと判断する場合(ステップS31YES)、上下キー操作によって選択された条件が撮影モードかを判断する(ステップS33)。制御部11は、選択された条件が撮影モードと判断する場合には(ステップS33YES)、撮影モードの表示を個別条件列形式に設定して(ステップS34)、ステップS43に進む。前述のように、制御部11は、対応して変更された撮影メニューを作成し、作成された撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS43)。図3(2)で示したような画面である。そして、ステップ14に戻る。
【0088】
ステップS31に戻り、制御部11は、方向ボタン108の上下キー操作ではなく、左右キー操作がされたと判断すると(ステップS31NO、ステップS32YES)、その操作によって選択された条件が撮影モードであるかを判断する(ステップS35)。
【0089】
制御部11は、選択された条件が撮影モードであると判断すると(ステップS35YES)、選択された撮影モードに対応する撮影条件列に切換えて設定する(ステップS36)。続いて、ステップS43に進み、制御部11は、対応して変更された撮影メニューを作成し、作成した撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS43)。図4で示したような画面である。そして、ステップS14に戻る。
【0090】
制御部11は、上下キー操作によって選択された撮影条件が撮影モードでない、つまり具体的条件の場合(ステップS33NO)、あるいは左右キー操作がされたのが同じく具体的条件の場合(ステップS35NO)は、ステップS37に進む。
【0091】
制御部11は、選択された撮影条件の個別条件に、他の条件によって変更設定不可能となった個別条件が存在するかを判断する(ステップS37)。制御部11は、変更設定不可能となった個別条件が存在すると判断する場合には(ステップS37YES)、変更設定不可能となった個別条件を指示する(ステップS38)。例えば、図6で説明したような、撮影距離が超近距離の場合のストロボや、高速連写撮影時の赤目防止発光がそれである。制御部11は、変更設定不可能となった個別条件がないと判断する場合には(ステップS37NO)、ステップS38をジャンプする。
【0092】
制御部11は、変更設定不可能となった個別条件の有無を考慮して、選択された撮影条件の個別条件列の表示形態を設定する(ステップS39)。
【0093】
次に、制御部11は、図7で示したような個別条件列に対応する複数のライブビュー画像を表示するかを判断する。そのために、制御部11は、選択された撮影条件が直接的に画質に関するものか(ステップS40)、あるいは、対応する複数のライブビュー画像が表示されるモードになっているか(ステップS41)を判断する。
【0094】
制御部11は、選択された撮影条件が直接的に画質に関するものでなく(ステップS40NO)、あるいは、対応する複数のライブビュー画像を表示されるモードになっていない(ステップS41NO)場合には、ステップS42をジャンプして、ステップS43に進む。ステップS43で、制御部11は、対応して変更された撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS43)。例えば、図5(1)、(2)で示したような画面である。そして、ステップS14に戻る。
【0095】
一方、制御部11は、選択された撮影条件が直接的に画質に関するもので(ステップS40YES)、かつ対応する複数のライブビュー画像を表示されるモードになっている(ステップS41YES)と判断する場合には、ステップ42に進む。制御部11は、選択されて表示されている個別条件にそれぞれ対応する複数のライブビュー画像の作成を画像処理部17に指示する(ステップS42)。
【0096】
さらに、制御部11は、複数作成されたライブビュー画像について縮小処理をして、複数のライブビュー画像を合成した画面に、対応して変更された撮影メニューを重畳して表示させる(ステップS43)。図7で示したような画面である。そして、ステップS14に戻る。
【0097】
図8に戻る。制御部11は、図9で説明した撮影条件設定処理の終了後、ステップS14以降で、いくつかの割り込み操作の判断をする。まず、制御部11は、レリーズボタン105によるレリーズ操作がされたかを判断し(ステップS14)、レリーズ操作がされたと判断したら(ステップS14YES)、撮影処理を行う(ステップS15)。撮影処理は、設定された撮影条件に従って、撮像部15、画像処理部17、圧縮伸長部20及び記録再生部21によって、撮影画像データを画像記憶部22に記録させる処理である。
【0098】
制御部11は、レリーズ操作がされていないと判断すると(ステップS14NO)、ステップS15をジャンプして、ステップS16に進む。ステップS16では、制御部11は撮影再生切換えボタン107bにより撮影再生の切換え操作がされたかを判断する。制御部11は、撮影再生の切換え操作がされていないと判断すると(ステップS16NO)、電源ボタン107aによる電源オフ操作がされたかを判断する。制御部11は、電源オフ操作がされたと判断したら(ステップS17YES)、電源オフの処理をして、カメラを停止させる。
【0099】
また、制御部11は、ステップS16で、再生モードへの切換え操作がされたと判断すると、再生モードに移行する処理を行う(ステップS18)。制御部11は、再生モードで、電源オフ操作を判断し(ステップS19)、電源オフ操作がされたと判断したら(ステップS19YES)、電源オフの処理をして、カメラを停止させる。
【0100】
制御部11は、ステップS19で電源オフ操作がされないと判断すると(ステップS19NO)、ステップS16に戻り、撮影再生の切換え操作がされたかを判断し、ステップS16,18,19をループする。一方、制御部11は、ステップS17で、電源オフ操作がされないと判断すると(ステップS17NO)、ステップS12に戻り、ステップS12以降をループする。
【0101】
以上説明したように、本実施形態では、ライブビュー画像に撮影メニューとして撮影モードと対応する撮影条件を垂直に並べて表示し、その中で選択された項目(撮影モードと対応する撮影条件)について、当該選択された項目の欄に設定可能な個別条件を水平に並べて表示して、表示された個別条件を選択させることで、撮影モードあるいは対応する撮影条件の変更設定するようにした。
【0102】
従来の撮影条件は、ライブビュー画像には主たる撮影条件が重畳して表示され、詳細な条件は別なメニュー画面上で切換えるようにされていた。設定可能な撮影条件はその種類が多いため、そのままライブビュー画像に重畳表示させると、被写体の視認の邪魔になるからである。このため、撮影条件を切換えるためには、ライブビュー画像の画面とメニュー画面を切換えることが必要になるので、使い勝手が悪かった。
【0103】
これに対して、本実施形態では、上記で説明したように、表示されている撮影条件の中で選択された撮影条件だけの個別条件の列を交差するように表示したので、選択操作もスムースで、ライブビュー画像の邪魔にもなりにくい。なお、撮影条件列を水平に表示し、個別条件列を垂直に表示するようにしても当然によい。
【0104】
さらに、個別条件列として、一定数の条件だけを表示するようにしたので、ライブビュー画像の邪魔にもなりにくい。また、変更設定不可能な条件がある場合に、その具体的な条件が明示されるようにも表示されることで、使い勝手がよい。
【0105】
また、直接画質に影響するような撮影条件が選択された場合には、その個別条件が反映された複数のライブビュー画像を、個別条件の並びと対応させて、配列表示したので、個別条件の選択が、さらに的確にできるようになる。
【0106】
なお、制御部11がプログラムデータ記憶部12に格納された操作制御用のプログラムを読み出して実行されることで、上記撮影条件の設定処理が実現されるので、このようなソフトウェア処理に関する制御用プログラムも本発明となる。また、このような制御用プログラムが記録された記録媒体も本発明となる。なお、プログラムを格納する記録媒体としては、フラッシュメモリに限定されるものではなく、CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体、MD等の磁気記録媒体、テープ媒体、ICカードなどの半導体メモリであってもよい。
【0107】
上記本実施形態では、処理の実行を、ソフトウェア処理とハードウェア処理の組み合わせで説明したが、これに限られるものではなく、その組合わせは選択事項である。
【0108】
また、本実施の形態では、撮影条件設定装置をデジタルカメラ1に適用した例で説明したが、当然これに限られるものではなく、パソコンのカメラ部や携帯電話のカメラ部あるいはムービーカメラ等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0109】
1・・・デジタルカメラ、11…制御部、11a…撮影条件設定部、11b…表示制御部、11c…操作受付部、12…プログラムデータ記憶部、13…ボタン操作部、15…撮像部、16…SDRAM、17…画像処理部、18…表示処理部、19…表示部、20…圧縮伸長部、21…記録再生部、22…画像記憶部、25…バスライン、101・・・背面部、105・・・レリーズボタン、106・・・ズームボタン、107a・・・電源ボタン、107b・・・撮影再生切換えボタン 、108・・・方向ボタン、109・・・決定ボタン、110・・・メニューボタン、210・・・撮影条件列、220・・・第2の撮影条件列、240・・・個別条件列
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの撮影条件を設定するに際してのユーザーインターフェースの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの撮影条件、例えば、絞り・シャッター・ISO感度・WB等の条件を個別に設定するのは通常のユーザーにとっては簡単ではないので、被写体に合わせて撮影条件を自動的に設定する機能がさまざまに開発されている。一番代表的で、銀塩カメラの時代からあるのが、被写体の輝度を測光して、測光値から露光条件を設定するオートモードである。
【0003】
しかし、このオートモードでは、最大公約数的な特徴のない画像が撮影されてしまい、面白みに欠けた画像になりがちである。そこで、その場面の雰囲気がより忠実に再現されるように、シーンにあわせた撮影条件がまとめて設定できるシーン選択モードが開発された。これは、撮影シーン、例えば、ポートレイト・風景・夜景・夕日・パーティ等、いくつかの代表的な撮影シーンとその撮影シーンにふさわしい各種撮影条件を予めまとめて記憶させておき、その中から、ユーザーは現在目にしている場面に相当する撮影シーンを選択するだけで、そのシーンの撮影にふさわしい条件が自動的に設定されるものである。
【0004】
そして、最近では、シーン選択モードを更に使いやすくするために、オートシーンモードも開発されている。シーン選択モードでも、ユーザーは適当なシーンを選択するという操作をしなければならなかったが、オートシーンモードでは、画面全体の色・輝度・顔の有無等を判断して、画面全体の状況から現在のシーンが自動的に判断される。そして、自動的に判断されたシーンに合わせて、撮影条件が設定されるので、ユーザーは撮影シーンを選択するという操作からも開放される。
【0005】
そして、これらの撮影モードの選択や確認のために、撮影モードの表示機能が必要になるが、この表示はカメラの背面に設けられた画像用の表示部が利用される。しかし、カメラの背面表示部は、多数ある撮影条件の項目をまとめて表示するほど十分な大きさではないので、切換えながら表示する必要があり、この表示に関する提案もされている。例えば、特許文献1では、撮影条件の選択操作と選択された撮影条件の具体的な数値の変更操作の2つの操作を相互に直交するような操作に割り当てたカメラの表示制御装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-13476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
オートモード、シーン撮影モードやオートシーンモード等の撮影モードが搭載されているカメラでは、これら撮影モードをユーザーの好みや熟練にあわせて適宜使い分けてもらうようにすることで、多様なユーザー層に幅広く使えるカメラが実現される。そのためにはひとつに、これら複数の撮影モードの撮影条件の表示や切換えに関して、より分かりやすくかつ簡単な操作が必要とされる。多様なユーザー層に使ってもらうためには、ストレスのない操作性が必須であるからである。具体的には、カメラ用の小さな表示画面サイズでかつ操作ボタンを特に増やすことなく、撮影モードの種類やその内容が明確に表示され、かつその切換え操作が簡単にできるユーザーインターフェースを提案することが必要になる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、撮影条件の内容確認が容易でかつその変更設定操作が簡単にできる撮影条件設定装置、そのような処理を実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明による撮影条件設定装置は、撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意され、選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置において、上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件を表示させる表示制御部と、表示される上記撮影条件に対して撮影者の入力操作を受け付ける操作受付部と、上記入力操作に基づいて上記撮影条件を変更設定する撮影条件設定部と、備え上記表示制御部は、上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させ、当該撮影条件列の中で上記入力操作によって特定の撮影条件が選択された場合には、当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させる ことを特徴とする。
【0010】
これにより、表示されている撮影条件の中で選択された撮影条件だけの個別条件の列を交差するように表示したので、選択操作もスムースで、ライブビュー画像の邪魔にもなりにくい。
【0011】
さらに、本発明による撮影条件設定装置では、上記表示制御部は、上記個別条件列を表示する場合に、当該個別条件列の対象となった撮影条件以外の撮影条件の設定によって、変更設定不可能となった個別条件については、変更設定可能な個別条件と区別して表示させることを特徴とする。
【0012】
これにより、変更設定不可能な条件がある場合に、その具体的な条件が明示されるようにも表示されることで、使い勝手がよい。
【0013】
また、本発明による撮影条件設定装置では、上記表示制御部は、上記個別条件の並びに合わせて、当該個別条件が設定された場合に得られる画像を表現するライブビュー画像を複数並べて表示させる ことを特徴とする。
【0014】
これにより、直接画質に影響するような撮影条件が選択された場合には、その個別条件が反映された複数のライブビュー画像を、個別条件の並びと対応させて、配列表示したので、個別条件の選択が、さらに的確にできるようになる。
【0015】
本発明によるプログラムは、撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意されて選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置に使用されるプログラムであって、上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件の表示を制御するプログラムにおいて、上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させるステップと、当該撮影条件列の中で入力操作によって特定の撮影条件が選択されたことを検出するステップと、検出された場合に当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させるステップ を備える ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、撮影条件の内容確認が容易でかつその変更設定操作が簡単にできる撮影条件設定装置、そのような処理を実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの電気回路構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、デジタルカメラ1の背面側の外観を示す背面図である。
【図3】図3は、表示部に表示される画面であって、撮影メニュー付のライブビュー画像であって、撮影条件の設定操作を説明するための図である。
【図4】図4は、表示部に表示される画面であって、図3(2)で示された画面で、撮影モードがプログラムモードからオートシーンモードに変更設定された図である。
【図5】図5は、表示部に表示される画面であって、撮影モードの中の具体的な条件についてを変更設定する操作とその表示を説明するための図である。
【図6】図6は、表示部に表示される画面であって、個別条件列の中で他の条件設定によって変更設定不可能となった条件が区別して表示されることを説明するための図である。
【図7】図7は、表示部に表示される画面であって、個別条件を変更設定するための補助として、条件に対応するライブビュー画像を複数表示させる例を示す図である。
【図8】図8は、撮影条件の表示と対応する変更設定操作に関する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、図8のサブルーチンに関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の撮影条件設定装置を搭載したデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0019】
本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1は、制御部11、プログラムデータ記憶部12、ボタン操作部13、撮像部15、SDRAM16、画像処理部17、表示処理部18、表示部19、圧縮伸長部20、記録再生部21、画像記憶部22、バスライン25を主要な構成要件として備える。
【0020】
制御部11は、プログラムデータ記憶部12に記憶された制御プログラムを読み込んで、デジタルカメラ1の全体を統括的に制御するCPUである。本実施形態の特徴の1つである各撮影モードでの撮影条件設定処理において、制御部11は、制御プログラムに従って撮影条件設定の各処理を実行するが、便宜上各処理を撮影条件設定部11a、表示制御部11b、操作受付部11cという機能部として以下の説明では表現する。
【0021】
撮影条件設定部11aは、撮影モードとして、プログラムモード、シーン撮影モード、オートシーンモード等を備える。プログラムモードとは、被写体の明るさに応じて、絞りとシャッタースピードを線図に基づき自動的に設定されるモードである。他の条件は標準的な条件が選択される。
【0022】
シーン撮影モードとは、選択された被写体の種類に合わせて、その被写体が良く映るような撮影条件がまとめて設定されるモードである。例えば、撮影シーンとして人物撮影用の「ポートレイト」が選択されると、絞りを浅く設定し、かつ色処理として肌色がきれいになるよう処理がされる。また、「夜景」モードが選択されると、シャッター速を遅くし、ISO感度を高くし、好みによっては光線に特殊効果を与えるフィルタ効果も追加される。
撮影条件設定部11aは、シーン撮影モードが設定された場合には、その中で選択された撮影シーンに応じて、各撮影条件を定める。
【0023】
オートシーンモードとは、上記シーン撮影モードのシーンの種類がライブビュー画像の画面の被写体を解析した結果に基づき、自動的に設定されるモードである。例えば、画面の輝度が暗ければ夜間と判定され、画面に顔が検出されれば人物がいると判断されたりする。これら画面の特徴が総合的に判断されて、その場面での撮影シーンを決められる。撮影条件設定部11aは、オートシーンモードが設定された場合には、上記のように画面全体から、現在の被写体の特徴を検出して、撮影シーンのデータベースと比較して撮影シーンを決定する。
【0024】
そして、撮影条件設定部11aは、上記各撮影モードやその撮影シーンに応じて、シャッタースピード、画素数、ストロボ条件、ピント条件、あるいはコントラストや色補正等の各種撮影条件を具体的に設定する。撮影条件設定部11aによって設定された条件や値に応じて、制御部11は、撮像部15あるいは画像処理部17を制御する。
【0025】
なお、各撮影シーンに対応する具体的な撮影条件のデータやオートシーンモードで撮影シーンを決めるために使用するデータベースは、予めプログラムデータ記憶部12に記憶されている。
【0026】
表示制御部11bは、撮影者からの操作指示に応じて、表示処理部18を制御して、表示部19に表示される画像の内容を制御する。表示制御部11bは本実施形態では特に撮影メニューの表示に関しての制御を行う。
【0027】
操作受付部11cは、画面に対応した撮影者からの指示を検出するものである。具体的には、操作受付部11cは、ボタン操作部13からの出力された信号を受信して、操作内容を検出する。操作受付部11cで検出された操作内容に基づき、表示制御部11bによって、表示部19に表示される撮影条件等の具体的な表示内容が制御され、撮影条件設定部11aによって、撮影モード等の撮影条件が設定される。
【0028】
プログラムデータ記憶部12は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリから構成され、制御部11の処理実行用のプログラム、撮影条件データおよび撮影シーンを特定するための撮影シーンデータベースのデータが格納される。また、プログラムデータ記憶部12には、画面に表示される撮影メニュー用のアイコンのデータも格納される。
【0029】
ボタン操作部13は、デジタルカメラ1の背面や上面に設けられた操作部で、撮影の実行指示のためのレリーズボタンや、撮影モード・再生モード等の切り替えのためのメニューボタンが含まれる。
【0030】
ここで、ボタン操作部13の具体的な構成を図2を用いて説明する。図2は、デジタルカメラ1の背面側の外観を示す背面図である。デジタルカメラ1の背面部101では、左端から全体の半分以上を画像を表示する表示部19の画面が占めている。デジタルカメラ1の上面部および背面部101の右側の領域で表示部19に隣接する位置に、ボタン操作部13に含まれる各操作ボタンが配置されている。
【0031】
デジタルカメラ1の上面の右端に撮影指示用のレリーズボタン105が配置されている。
そして、背面部101には、上から順番にズームボタン106、電源ボタン107a、撮影再生切換えボタン107b、方向ボタン108、決定ボタン109、メニューボタン110が配置されている。ズームボタン106は、撮像部に内蔵された撮影レンズの焦点距離の変更を指示するボタンである。電源ボタン107aは、カメラの電源のオンオフ操作を指示するボタンである。撮影再生切換えボタン107bは、カメラの撮影モードと再生モードの切換えを指示するボタンである。
【0032】
方向ボタン108は、内部的に上下左右の4つのキーから構成され、各キーの操作に従って画面の中で上下左右の移動を指示するボタンである。決定ボタン109は、方向ボタン108で選択された内容の決定操作を指示するボタンである。メニューボタン110は、カメラの様々な動作条件を設定するためのメニュー画面の呼び出しおよび消去を指示するボタンである。
【0033】
撮像部15は、レンズから撮像素子までを含む光学部と、撮像素子を駆動する駆動回路や撮像素子から出力される光電変換信号を処理してデジタルの画像データとして出力する信号処理部からなる。光学部は、被写体像を結像するレンズと、レンズの位置を移動させるAF機構部とズーム機構部、被写体光束を絞る絞り部、読み出し時にスメアを防止するためのシャッター部等から構成される。
【0034】
信号処理部は、撮像素子から出力される光電変換信号について、ノイズを低減させるためのCDS回路、信号レベルを適切なレベルにまで増幅するAGC回路、これらで処理されたアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換するAD回路等から構成される。
【0035】
SDAM16は、一時的なメモリで、画像のデジタル処理に利用されるワーキングエリアである。撮像部15から出力されるデジタル画像信号が一時的に格納され、画像処理部17による画像処理が実行される。同様に、表示処理部18が撮影画像に撮影メニューや情報アイコンを重畳処理する場合、あるいは圧縮伸長部20が圧縮処理や伸長処理等の各処理を実行する際にも利用される。
【0036】
画像処理部17は、撮像部15から出力される画像データに対して、ライブビュー画像あるいは記録画像用に、所定のガンマ処理、画素補間処理、色補正処理、YC変換等を実行する。画像処理部17は、各撮影モードにおいて設定された撮影条件の中で、画質に関する条件に応じて、色補正やコントラスト補正、あるいは、顔処理であれば例えばスムージング処理の強度を変更する。
【0037】
表示処理部18は、表示制御部11bの制御により各種画像を表示部19に表示するための処理を行う。表示処理部18は、撮影された画像データの画素数を表示画素数に変換する処理を行う。また、表示処理部18は、表示制御部11bから指示があった場合には、撮影条件を示す情報(撮影メニュー)、例えば数字やアイコンを、プログラムデータ記憶部12からデータを読み出して、表示用に画素数変換したライブビュー画像や記録画像に重畳させる処理を行う。また、表示処理部18は、メニュー画面の表示指示があった場合には、上と同様にプログラムデータ記憶部12から必要なデータを読み出して、対応するメニュー画像を作成する。
【0038】
表示部19は、LCDあるいはELパネルから構成されてデジタルカメラ1の背面に配置され、表示処理部18から出力されるライブビュー画像、撮影された記録画像あるいは、メニュー情報が表示されるメニュー画面が表示される。
【0039】
圧縮伸長部20は、撮影画像の画像データを画像記憶部22に記録する際、あるいは画像記憶部22に記録されている画像データを表示する際等において、周知のJPEG方式等に基づく画像データの圧縮処理や伸長処理を行う。
【0040】
記録再生部21は、画像記憶部22に対して圧縮された画像データを書き込んだり、逆に画像記憶部22から圧縮された画像データの読み出しを行うものである。画像記憶部22は、例えばxDピクチャーカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)のカメラ本体に着脱可能な記録媒体あるいはHDDである。バスライン25は、上記各構成要素をデータラインとアドレスラインで結合するものである。
【0041】
以上がデジタルカメラ1の主たる構成要素の説明である。詳細は以下で説明するが、本実施形態は、撮影メニューの画面表示とその変更設定操作の処理に係るもので、以下の処理がその基本となる。表示制御部11bは、撮影モードの種類と当該撮影モードの具体的な条件を含む撮影条件を表示させる処理を行う。操作受付部11cは、表示される撮影条件に対して撮影者の入力操作の受け付け処理を行う。条件設定部11aは、撮影条件に対する入力操作に基づいて撮影条件を設定する処理を行う。このように、主に制御部11とこれに含まれる撮影条件設定部11a、表示制御部11b及び操作受付部11cの構成要件により、撮影メニューの画面表示や変更設定がなされるので、これらを撮影条件設定装置とも呼ぶ。
【0042】
図3から図7は、撮影メニュー付のライブビュー画像の画面であって、撮影条件の変更設定操作を説明するための図である。撮影時には、画像の構図や内容を確認するために表示部19にライブビュー画像が表示される。そして、このライブビュー画像に、撮影条件に関する各種情報が表示される撮影メニューが重畳して表示される。なお、撮影メニューの表示は、メニューボタン110の操作でオンオフ可能とする。
【0043】
図3(1)は、ライブビュー画像201に撮影メニューが重畳表示された画面の、最初の画面を示す図である。カメラの状態を示す撮影メニューは、大きく分けて、画面の右側と下部および左上隅の箇所の3箇所にアイコンの形態で表示されている。
【0044】
撮影メニューのうち撮影条件に関する各種情報は、画面の右側に垂直に並んだアイコン列と画面の下部に水平に並んだアイコン列の2つに分けて表示されている。画面の右側に垂直に並んだアイコン列を撮影条件列210と呼び、画面の下部に水平に並んだアイコン列を第2の撮影条件列220と呼ぶ。撮影条件列210には、撮影者によって設定変更可能な撮影条件の中で、撮影モードの種類に応じてまとめて設定される撮影条件が選ばれる。
【0045】
一方、第2の撮影条件列220には、撮影者によって設定変更可能な撮影条件であるが、原則として、撮影モードの種類には無関係、つまり撮影モードから独立した撮影条件が選ばれる。
【0046】
また、画面の左上隅のアイコンは、電池容量の残量情報を示すアイコン230である。電池容量の残量は、撮影条件とは無関係である。アイコン235は、セットアップ用のアイコンである。セットアップとは、日付や言語設定あるいはカメラの詳細な条件を設定するための画面であるメニュー画面を表示させる動作をいう。
【0047】
撮影条件列210で示される撮影条件の項目を説明する。一番上が撮影モードを示す項目で、現在設定されている撮影モードのアイコン211が表示される。ここでは、プログラムモードを示すアイコンが表示されている。その下、つまり2番目以降が、プログラムモードにおける具体的な撮影条件を示す条件項目になる。
【0048】
2番目の項目は、ストロボの発光条件を示す項目で、現在設定されているオートストロボを示すアイコン212が表示されている。3番目の項目は、撮影距離条件を示す項目で、現在設定されているマクロオフを示すアイコン213が表示されている。4番目の項目条件は、セルフタイマ条件を示す項目で、現在設定されているセルフタイマオフを示すアイコン214が表示されている。
【0049】
5番目の項目は、露出補正条件を示す項目で、現在設定されている露出補正なしを示すアイコン215が表示されている。6番目の項目は、ホワイトバランス条件を示す項目で、現在設定されているオートホワイトバランスを示すアイコン216が表示されている。
【0050】
7番目の項目は、撮影感度(ISO感度)条件を示す項目で、現在設定されている自動ISO感度を示すアイコン217が表示されている。8番目の項目は、ドライブ条件を示す項目で、現在設定されている単写撮影の設定を示すアイコン218が表示されている。
【0051】
次に、第2の撮影条件列220で示される撮影条件の項目を左から順番に説明する。1番目の項目は、使用しているメモリが内蔵メモリか着脱メモリかを示す項目で、現在内蔵メモリが使用中であることを示すアイコン221が表示されている。
【0052】
2番目の項目は、メモリへの記録可能枚数を示す項目で、現在は9999枚撮影可能であることを示すアイコン222が表示されている。3番目の項目は、設定されている記録画素数を示す項目で、現在は14メガ画素が設定されていることを示すアイコン223が表示されている。
【0053】
4番目の項目は、撮影の圧縮レベルを示す項目で、現在低圧縮が設定されていることを示すアイコン224が表示されている。5番目の項目は、測光方式の種類を示す項目で、現在はESP(intelligent electro selective pattern)が設定されていることを示すアイコン225が表示されている。ESPは、被写体が中央にない場合にも、焦点調整を行いたいときに使用する測光モードである。
【0054】
図3(1)に示す画面は、前述したように最初の画面であって、いずれの条件もまだ選択されていない状態である。この図3(1)に示す画面で、方向ボタン108の下キーが操作されると、図3(1)から図3(2)に示す画面に切換わる。いずれの条件もまだ選択されていない状態から、撮影者によって方向ボタン108が操作されると、操作受付部11cによって方向ボタン108の操作が検出され、最初は撮影モードが選択されるように設定されている。そして、撮影モードが選択されたことにより、表示制御部11bによって、撮影モードの項目に、現在の撮影モードと他の設定可能な撮影モードを示すアイコンが並んで表示される。このように、その条件において用意される個別の条件の集合としてのアイコンの列を、個別条件列240と呼ぶ。個別条件列240は、上記撮影条件列210に対して交差する方向に並べて表示される。
【0055】
個別条件列240には、現在の撮影モードであるプログラムモードを示すアイコン211bを中心に、左右に設定可能な撮影モードとしてアイコン211a、アイコン211cの計3つのアイコンが横に並んだ状態で表示される。向かって左のアイコン211aは、オートシーンモードを示すアイコンである。向かって右のアイコン211cは、ムービーモードを示すアイコンである。ムービーモードは、動画撮影用の撮影条件が設定されるモードである。
【0056】
ここで、本カメラには、撮影モードとして、順番に、ビューティモード、オートシーンモード、プログラムモード、ムービーモード、シーン撮影モードの5つのモードが、用意されているとする。図3(2)で示されているのは、その中の、2番目から4番目に当たるオートシーンモード、プログラムモード、ムービーモードの3モードで、他のモードは隠されているとする。
【0057】
このように、上記個別条件列では、選択された項目について現在の条件を示すアイコンを中心にして、その左右に所定の順で、設定可能な条件を示すアイコンを表示させるようにする。なお、以下の説明では個別条件列として3条件を表示する例で説明するが、表示数はこれに限られるものではなく、例えば5条件を表示するようにしてもよい。
【0058】
また、選択された条件を他の条件と識別するために、選択された条件には、濃い色の背景250が表示される。また、現在の設定条件を示す背景250の中央領域は目立つように、他と異なる濃度または色で表示される。本例では、背景250の中央領域は、左右より濃い色で表示される。そして、設定条件を変更設定させたい場合には、方向ボタン108の左右キーの操作により変更希望の条件のアイコンを中央位置に移動させればよい。
【0059】
また、現在の撮影モードの特徴を説明する文章として、コメント245が表示される。図3(2)では、プログラムモードの特徴を簡単に紹介する文章として、コメント245も、ライブビュー画像に重畳して表示される。ここで、撮影条件列210は、モードを示す個別条件列240を除いた他の条件から構成されるものとする。
【0060】
図4は、表示部に表示される画面であって、図3(2)で示された画面で、方向ボタン108の左キーが押されて、撮影モードがプログラムモードからオートシーンモードに変更設定された画面の図である。
【0061】
方向ボタン108の左キーが押されたことが検出されて、個別条件列240の並びが変更されて表示される。中央のアイコン211bには変更設定されたオートシーンモードが表示され、左のアイコン211aに新たにビューティモードのアイコンが表示され、右のアイコン211cには、プログラムのアイコンが表示にされる。上記3つの撮影モードの順番は、既に説明した撮影モードの順番に従うものである。あわせて、コメント245も、プログラムモードの紹介からオートシーンモードの特徴を紹介する内容に切換えて表示される。
【0062】
そして、撮影モードとしてオートシーンモードが設定されたことにより、個別条件列240の下の撮影条件列210には、オートシーンモードにおける設定変更が可能な撮影条件が表示される。オートシーンモードは、撮影シーンの種類が自動的に判定されて撮影条件が設定されるので、プログラムモードに比べて、撮影者によって変更可能な条件を少なくしている。
【0063】
本例では、ストロボ発光条件、マクロ撮影切換え及びセルフタイマの条件の3つの条件についてを、オートシーンモードにおいて、撮影者の意思で変更設定可能な条件にしている。上から2番目の項目に現在設定されているオートストロボを示すアイコン212、3番目の項目にマクロオフを示すアイコン213、4番目の項目にセルフタイマオフを示すアイコン214がそれぞれ表示されている。
【0064】
なお、撮影条件列での各項目の表示順番であるが、オートシーンモードでは、「ストロボ発光条件、マクロ、セルフタイマ」の3つが、その前のプログラムモードでの上から3つの項目と同一であったために、同じ項目に同じ条件が表示されたが、これに限るものではない。撮影モードに関わらず、画面の同じ位置に同じ条件(例えば、ストロボ発光条件は、常に上から2番目)が表示されるように規定しておいても良いし、逆に撮影モードの種類に応じて、例えば同じストロボの条件であっても適宜表示される位置を変えるようにしてもよい。
【0065】
この画面で、撮影者によりメニューボタン110が押圧操作されれば、操作受付部11cにより操作内容が検出され、表示制御部11bによって、画面から撮影メニューの表示が消され、ライブビュー画像主体の画面に切換わる。なお、電池容量の残量情報を示すアイコン230と第2の撮影条件列220の表示は残しておいてもよい。
【0066】
また、本例では、撮影条件の切換えによる画質変化をダイレクトに確認できるようにするために、方向ボタン108の操作による変更操作が行われた時点で直ちに、撮影条件設定部11aによって各条件を切り替えるようにしているが、これに限ることではない。例えば、決定ボタン109による確定操作後に、撮影条件設定部11aが各条件を切り替えるようにしてももちろんよい。
【0067】
図5は、表示部に表示される画面であって、撮影モードの中の具体的な条件についてを変更設定する操作とその表示を説明するための図である。図5(1)の画面は、図3(1)の画面で、方向ボタン108の下キーが1回押されて、2番目の条件についての個別条件列240が展開表示されている。2番目の条件はストロボ発光条件であるから、個別条件列240として、現在設定されているオートストロボを中心に他のストロボ発光条件を含めて、3つの条件のアイコンが横に並べられて表示される。
【0068】
ストロボ発光条件としては、発光禁止、オート、赤目防止、強制発光の4種が用意され、方向ボタン108の左右キーの操作に応じてループして連続的に表示させるものとする。ここではまず、4つの条件の中で、オートストロボを中心にその前後のアイコンが表示される。向かって左のアイコン211aが発光禁止を示すアイコンで、中央のアイコン211bがオートストロボを示すアイコンで、右のアイコンが赤目防止発光を示すアイコン211cである。
【0069】
図5(3)は、図5(2)の状態からさらに方向ボタン108の右キーが1回押された場合の画面の図である。撮影者により方向ボタン108の右キーを1回押されると、操作受付部11cにより操作が検出され、表示制御部11bによって、個別条件列240の中央のアイコン211bに赤目防止のアイコンが移動して表示され、右側のアイコン211aにオートストロボのアイコン、左側のアイコン211cに強制発光のアイコンがそれぞれ表示される。そして、撮影条件設定部11aによりストロボ発光条件が赤目防止に変更設定される。この操作により、撮影者はストロボ発光条件を赤目防止に変更設定することができる。
【0070】
つまり、撮影者は方向ボタン108の左右キーを操作して、希望のストロボ発光条件のアイコンを個別条件列240の中央位置に表示させるようにすれば、希望の条件に変更設定することができる。ストロボ発光条件以外の他の具体的な条件についても、同様な操作によって変更設定ができる。
【0071】
図6は、表示部に表示される画面であって、個別条件列の中で他の条件設定によって変更設定不可能となった条件が区別して表示されることを説明するための図である。これまで説明したように、撮影条件列には複数の撮影条件が含まれている。例えば、プログラムモードでは、ストロボ発光条件・撮影距離条件・セルフタイマ等の複数の撮影条件が変更設定可能に用意されている。そして、これらの撮影条件は全てが独立して設定できるわけではないことは注意が必要である。撮影条件によっては、相互に抵触するようなケースもあり得る。例えば、撮影距離が超近距離の場合にはストロボは使用できない。また、連写撮影時には、低速の連写であればストロボ発光も可能であるが、ストロボの赤目防止発光は使用できない。なぜなら赤目防止発光は、撮影用の露光前に予め人物の瞳孔を絞るための小さな連続発光させるから、連写の最中に実行させることは困難だからである。
【0072】
そこで、上記個別条件として表示される項目の中で、上記特定の項目以外の他の項目の内容によって、変更設定不可能となった個別条件については、変更設定可能な個別条件と区別して表示させるようにする。
【0073】
図6(1)は、撮影モードとしてプログラムモードが設定されている画面を示す図である。この画面の状態で、図3(1)で示した画面と異なるのは、上から8番目のドライブ条件を示す項目で、現在連写が設定されていて、アイコン218として連写を示すアイコンが表示されている。
【0074】
図6(1)の画面で、方向ボタン108が操作されてストロボ発光条件が選択され、ストロボ発光条件に関しての個別条件列240が表示された画面が、図6(2)の画面である。
【0075】
前述したように、連写撮影時には赤目防止発光は選択できないので、個別条件列240の中で向かって右の赤目発光を示すアイコン212cだけについては、背景250を斜線の表示にして、設定できない条件であることを示している。この場合に同時に、その要因となった連写撮影を示すアイコン218を点滅表示させてもよい。
【0076】
このようにすることで、選択された撮影モードにおいては本来設定できるはずの条件であっても、具体的な他の条件の影響によって設定できなくなった条件を、撮影者は簡単に認識することができる。また、どの条件によってその制限が発生したかも表示されるので、
原因となった条件を変更することも容易になる。
【0077】
図7は、表示部に表示される画面であって、個別条件を変更設定するための補助として、条件に対応するライブビュー画像を複数表示させる例を示す図である。撮影条件には、ストロボ発光条件のように内容が分かりやすいものばかりではなく、例えばホワイトバランスやISO感度のように、画質への影響が大きいものの、言葉による説明が容易でない撮影条件もある。さらに、ホワイトバランスやISO感度のような撮影条件は、被写体によってもその効果は大きく異なるので、画像を見ながらでないと条件をきめるのは難しい。
【0078】
そこで、本例では、特定の撮影条件にかかる個別条件列が選択された場合に、表示される個別条件による画質変化を表すように、個別条件の並びに合わせて、当該個別条件に対応する画質を表すライブビュー画像を複数並べて表示させるようにする。
【0079】
図7では、撮影モードがプログラムモードである場合において、6番目の項目であるホワイトバランスが選択され、ホワイトバランスの個別条件列240が表示されている。ここで、個別条件列240として、向かって左に晴天撮影を示すアイコン212a、中央に曇天撮影を示すアイコン212b、向かって右に電球下の撮影を示すアイコン212cが、配置されている。
【0080】
加えて、晴天撮影用のホワイトバランスにより画像処理されたライブビュー画像201a、曇天撮影用のホワイトバランスにより画像処理されたライブビュー画像201b、電球下の撮影のホワイトバランスにより画像処理されたライブビュー画像201cが、対応するアイコンと同じ順番で、配列される。また、これらのライブビュー画像201a、201b、201cは、縮小サイズで表示され、左右のライブビュー画像201a、201cは、さらに画像の一部のみ表示されている。左右のライブビュー画像201a、201cは、画面の左右へのスクロール操作により、全体を確認することができる。
【0081】
異なる3種のホワイトバランス処理は、撮影条件設定部11aの指示により画像処理部17によって実行される。ライブビュー画像の縮小処理や合成処理は、表示処理部18によって行われる。
【0082】
以上のように、個別条件の提示に合わせて、得られであろう画像を事前提示することで、適切な条件設定が簡単にできるようになる。なお、図7のような個別条件に合わせて複数のライブビュー画像を表示することは、事前に撮影者によりメニュー画面で選択できる事項としてもよい。
【0083】
図8、図9は、撮影条件の表示と対応する変更設定操作に関する処理手順を説明するためのフローチャートである。これらの処理は、撮影条件設定部11a、表示制御部11b及び操作受付部11cを含む制御部11に主に行われるが、以下の説明では、撮影条件設定部11a、表示制御部11b、操作受付部11cによる処理もまとめて制御部11による処理として説明する。
【0084】
図8は、処理手順のメインのフローチャートである。ここでデジタルカメラ1は、電源がオンされて、撮影モードに設定されているものとする。撮影モードでは、表示部19にライブビュー画像を表示させる(ステップS11)。制御部11の指示により、撮像部15で撮影された画像データが画像処理部17で所定の表示用処理が施され、さらに表示処理部18によってリサイズ処理やアイコンが重畳処理がされて、表示部19にライブビュー画像として表示される。
【0085】
次に、制御部11は、ライブビュー画像への撮影メニューの重畳表示が指示されているかを判断する(ステップS12)。制御部11は、メニューボタン110の操作による、撮影メニュー表示のオンオフ指示を判断する。制御部11は、撮影メニュー表示がオフであると判断した場合には(ステップS12NO)、ステップS14にジャンプする。制御部11は、撮影メニュー表示がオンと判断した場合には(ステップS12YES)、ステップS13の撮影条件設定処理のサブルーチンに進む。
【0086】
図9が、ステップS13の撮影条件設定処理のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。まず制御部11は、方向ボタン108の上下キー操作(ステップS31)あるいは左右キー操作(ステップS32)がされたかを判断する。制御部11は、上下左右いずれのキー操作もされないと判断すると(ステップS31NO、ステップS32NO)、表示処理部18を制御して、現撮影条件での所定の撮影メニューを作成し、作成された撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示部19の画面に表示させる(ステップS43)。図3(1)で示した画面である。その後、ステップS14に戻る。
【0087】
ステップ31に戻る。制御部11は、方向ボタン108の上下キー操作がされたと判断する場合(ステップS31YES)、上下キー操作によって選択された条件が撮影モードかを判断する(ステップS33)。制御部11は、選択された条件が撮影モードと判断する場合には(ステップS33YES)、撮影モードの表示を個別条件列形式に設定して(ステップS34)、ステップS43に進む。前述のように、制御部11は、対応して変更された撮影メニューを作成し、作成された撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS43)。図3(2)で示したような画面である。そして、ステップ14に戻る。
【0088】
ステップS31に戻り、制御部11は、方向ボタン108の上下キー操作ではなく、左右キー操作がされたと判断すると(ステップS31NO、ステップS32YES)、その操作によって選択された条件が撮影モードであるかを判断する(ステップS35)。
【0089】
制御部11は、選択された条件が撮影モードであると判断すると(ステップS35YES)、選択された撮影モードに対応する撮影条件列に切換えて設定する(ステップS36)。続いて、ステップS43に進み、制御部11は、対応して変更された撮影メニューを作成し、作成した撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS43)。図4で示したような画面である。そして、ステップS14に戻る。
【0090】
制御部11は、上下キー操作によって選択された撮影条件が撮影モードでない、つまり具体的条件の場合(ステップS33NO)、あるいは左右キー操作がされたのが同じく具体的条件の場合(ステップS35NO)は、ステップS37に進む。
【0091】
制御部11は、選択された撮影条件の個別条件に、他の条件によって変更設定不可能となった個別条件が存在するかを判断する(ステップS37)。制御部11は、変更設定不可能となった個別条件が存在すると判断する場合には(ステップS37YES)、変更設定不可能となった個別条件を指示する(ステップS38)。例えば、図6で説明したような、撮影距離が超近距離の場合のストロボや、高速連写撮影時の赤目防止発光がそれである。制御部11は、変更設定不可能となった個別条件がないと判断する場合には(ステップS37NO)、ステップS38をジャンプする。
【0092】
制御部11は、変更設定不可能となった個別条件の有無を考慮して、選択された撮影条件の個別条件列の表示形態を設定する(ステップS39)。
【0093】
次に、制御部11は、図7で示したような個別条件列に対応する複数のライブビュー画像を表示するかを判断する。そのために、制御部11は、選択された撮影条件が直接的に画質に関するものか(ステップS40)、あるいは、対応する複数のライブビュー画像が表示されるモードになっているか(ステップS41)を判断する。
【0094】
制御部11は、選択された撮影条件が直接的に画質に関するものでなく(ステップS40NO)、あるいは、対応する複数のライブビュー画像を表示されるモードになっていない(ステップS41NO)場合には、ステップS42をジャンプして、ステップS43に進む。ステップS43で、制御部11は、対応して変更された撮影メニューをライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS43)。例えば、図5(1)、(2)で示したような画面である。そして、ステップS14に戻る。
【0095】
一方、制御部11は、選択された撮影条件が直接的に画質に関するもので(ステップS40YES)、かつ対応する複数のライブビュー画像を表示されるモードになっている(ステップS41YES)と判断する場合には、ステップ42に進む。制御部11は、選択されて表示されている個別条件にそれぞれ対応する複数のライブビュー画像の作成を画像処理部17に指示する(ステップS42)。
【0096】
さらに、制御部11は、複数作成されたライブビュー画像について縮小処理をして、複数のライブビュー画像を合成した画面に、対応して変更された撮影メニューを重畳して表示させる(ステップS43)。図7で示したような画面である。そして、ステップS14に戻る。
【0097】
図8に戻る。制御部11は、図9で説明した撮影条件設定処理の終了後、ステップS14以降で、いくつかの割り込み操作の判断をする。まず、制御部11は、レリーズボタン105によるレリーズ操作がされたかを判断し(ステップS14)、レリーズ操作がされたと判断したら(ステップS14YES)、撮影処理を行う(ステップS15)。撮影処理は、設定された撮影条件に従って、撮像部15、画像処理部17、圧縮伸長部20及び記録再生部21によって、撮影画像データを画像記憶部22に記録させる処理である。
【0098】
制御部11は、レリーズ操作がされていないと判断すると(ステップS14NO)、ステップS15をジャンプして、ステップS16に進む。ステップS16では、制御部11は撮影再生切換えボタン107bにより撮影再生の切換え操作がされたかを判断する。制御部11は、撮影再生の切換え操作がされていないと判断すると(ステップS16NO)、電源ボタン107aによる電源オフ操作がされたかを判断する。制御部11は、電源オフ操作がされたと判断したら(ステップS17YES)、電源オフの処理をして、カメラを停止させる。
【0099】
また、制御部11は、ステップS16で、再生モードへの切換え操作がされたと判断すると、再生モードに移行する処理を行う(ステップS18)。制御部11は、再生モードで、電源オフ操作を判断し(ステップS19)、電源オフ操作がされたと判断したら(ステップS19YES)、電源オフの処理をして、カメラを停止させる。
【0100】
制御部11は、ステップS19で電源オフ操作がされないと判断すると(ステップS19NO)、ステップS16に戻り、撮影再生の切換え操作がされたかを判断し、ステップS16,18,19をループする。一方、制御部11は、ステップS17で、電源オフ操作がされないと判断すると(ステップS17NO)、ステップS12に戻り、ステップS12以降をループする。
【0101】
以上説明したように、本実施形態では、ライブビュー画像に撮影メニューとして撮影モードと対応する撮影条件を垂直に並べて表示し、その中で選択された項目(撮影モードと対応する撮影条件)について、当該選択された項目の欄に設定可能な個別条件を水平に並べて表示して、表示された個別条件を選択させることで、撮影モードあるいは対応する撮影条件の変更設定するようにした。
【0102】
従来の撮影条件は、ライブビュー画像には主たる撮影条件が重畳して表示され、詳細な条件は別なメニュー画面上で切換えるようにされていた。設定可能な撮影条件はその種類が多いため、そのままライブビュー画像に重畳表示させると、被写体の視認の邪魔になるからである。このため、撮影条件を切換えるためには、ライブビュー画像の画面とメニュー画面を切換えることが必要になるので、使い勝手が悪かった。
【0103】
これに対して、本実施形態では、上記で説明したように、表示されている撮影条件の中で選択された撮影条件だけの個別条件の列を交差するように表示したので、選択操作もスムースで、ライブビュー画像の邪魔にもなりにくい。なお、撮影条件列を水平に表示し、個別条件列を垂直に表示するようにしても当然によい。
【0104】
さらに、個別条件列として、一定数の条件だけを表示するようにしたので、ライブビュー画像の邪魔にもなりにくい。また、変更設定不可能な条件がある場合に、その具体的な条件が明示されるようにも表示されることで、使い勝手がよい。
【0105】
また、直接画質に影響するような撮影条件が選択された場合には、その個別条件が反映された複数のライブビュー画像を、個別条件の並びと対応させて、配列表示したので、個別条件の選択が、さらに的確にできるようになる。
【0106】
なお、制御部11がプログラムデータ記憶部12に格納された操作制御用のプログラムを読み出して実行されることで、上記撮影条件の設定処理が実現されるので、このようなソフトウェア処理に関する制御用プログラムも本発明となる。また、このような制御用プログラムが記録された記録媒体も本発明となる。なお、プログラムを格納する記録媒体としては、フラッシュメモリに限定されるものではなく、CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体、MD等の磁気記録媒体、テープ媒体、ICカードなどの半導体メモリであってもよい。
【0107】
上記本実施形態では、処理の実行を、ソフトウェア処理とハードウェア処理の組み合わせで説明したが、これに限られるものではなく、その組合わせは選択事項である。
【0108】
また、本実施の形態では、撮影条件設定装置をデジタルカメラ1に適用した例で説明したが、当然これに限られるものではなく、パソコンのカメラ部や携帯電話のカメラ部あるいはムービーカメラ等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0109】
1・・・デジタルカメラ、11…制御部、11a…撮影条件設定部、11b…表示制御部、11c…操作受付部、12…プログラムデータ記憶部、13…ボタン操作部、15…撮像部、16…SDRAM、17…画像処理部、18…表示処理部、19…表示部、20…圧縮伸長部、21…記録再生部、22…画像記憶部、25…バスライン、101・・・背面部、105・・・レリーズボタン、106・・・ズームボタン、107a・・・電源ボタン、107b・・・撮影再生切換えボタン 、108・・・方向ボタン、109・・・決定ボタン、110・・・メニューボタン、210・・・撮影条件列、220・・・第2の撮影条件列、240・・・個別条件列
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意され、選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置において、
上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件を表示させる表示制御部と、
表示される上記撮影条件に対して撮影者の入力操作を受け付ける操作受付部と、
上記入力操作に基づいて上記撮影条件を変更設定する撮影条件設定部と、備え
上記表示制御部は、上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させ、当該撮影条件列の中で上記入力操作によって特定の撮影条件が選択された場合には、当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させる
ことを特徴とする撮影条件設定装置。
【請求項2】
上記表示制御部は、上記個別条件列を表示する場合に、当該個別条件列の対象となった撮影条件以外の撮影条件の設定によって、変更設定不可能となった個別条件については、変更設定可能な個別条件と区別して表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件設定装置。
【請求項3】
上記表示制御部は、上記個別条件の並びに合わせて、当該個別条件が設定された場合に得られる画像を表現するライブビュー画像を複数並べて表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件設定装置。
【請求項4】
撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意されて選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置に使用されるプログラムであって、上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件の表示を制御するプログラムにおいて、
上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させるステップと、
当該撮影条件列の中で入力操作によって特定の撮影条件が選択されたことを検出するステップと、
検出された場合に当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させるステップ を備える
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意され、選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置において、
上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件を表示させる表示制御部と、
表示される上記撮影条件に対して撮影者の入力操作を受け付ける操作受付部と、
上記入力操作に基づいて上記撮影条件を変更設定する撮影条件設定部と、備え
上記表示制御部は、上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させ、当該撮影条件列の中で上記入力操作によって特定の撮影条件が選択された場合には、当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させる
ことを特徴とする撮影条件設定装置。
【請求項2】
上記表示制御部は、上記個別条件列を表示する場合に、当該個別条件列の対象となった撮影条件以外の撮影条件の設定によって、変更設定不可能となった個別条件については、変更設定可能な個別条件と区別して表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件設定装置。
【請求項3】
上記表示制御部は、上記個別条件の並びに合わせて、当該個別条件が設定された場合に得られる画像を表現するライブビュー画像を複数並べて表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件設定装置。
【請求項4】
撮影条件を一括して設定するための撮影モードが複数種類用意されて選択された撮影モードに応じて撮影条件を設定する撮影条件設定装置に使用されるプログラムであって、上記撮影モードの種類と当該撮影モードにおける具体的な条件を含む撮影条件の表示を制御するプログラムにおいて、
上記撮影条件を撮影条件列として並べて表示させるステップと、
当該撮影条件列の中で入力操作によって特定の撮影条件が選択されたことを検出するステップと、
検出された場合に当該特定の撮影条件において用意される個別の条件を、上記撮影条件列と交差する方向に並べて、個別条件列として表示させるステップ を備える
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図8】
【図9】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図8】
【図9】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−9966(P2011−9966A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150270(P2009−150270)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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