説明

撮影装置

【課題】 無駄な電力を消費せずに異常の有無を効率良く診断し、異常の内容によっては正常に戻す工夫が施された撮影装置を提供する。
【解決手段】 上記目的を達成する本発明の撮影装置は、撮影操作に応じて、撮影装置内の複数の所定箇所それぞれについて異常の有無を検出する検出部と、上記検出部で異常が検出された回数を所定箇所ごとに計数するカウンタを有する計数部と、上記計数部で計数された計数値が所定箇所ごとに定められた規定値に達した場合には、規定値に達した要確認箇所について動作確認用のプログラムを実行して、そのプログラムの実行時に異常が発生するか否かを診断する診断部と、上記診断部の診断結果を記憶する記憶部とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影操作に応じて被写体像から画像データを生成し、生成した画像データを着脱自在に装着された記録媒体に記録する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置の1つであるカメラには、精密な機器等が配備されており、機器の動作状態に異常があれば速やかに対処することが望ましい。
【0003】
従来、異常を速やかに検出する技術の1つとして、カメラのレリーズボタンが押下された回数をカウントして規定回数に達するごとにカメラ内部にある複数の機器について動作確認用のプログラムを実行し、異常の有無を調べてその結果をフィルムに記録するカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、マイクロプロセッサを搭載した情報処理装置のソフトウエア制御において、使用条件等により、不規則的に発生する異常を診断する診断方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−43538号公報
【特許文献2】特開平9−218798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のカメラでは、連写撮影を行なう場合、例えば、最初の撮影時に上記規定回数に達すると異常が発生していなくても自動的に動作確認用のプログラムを実行してしまうので、使用者は連続した撮影操作をすることができずに、シャッタチャンスを逃すおそれがあるという問題が生じる。また、カメラに異常が発生していなくても複数の機器について動作確認をするのでは、バッテリの電力を余計に消費してしまうという問題も生じる。
【0006】
ここで、異常の内容によっては、カメラ本体が正常に戻す処理を施すことが望ましいが、特許文献1のカメラにはそのような機能はなく、異常の有無を調べてその結果をフィルムに記録するだけである。
【0007】
また、特許文献2の診断方法は不規則的に発生する異常の有無を診断する診断方法として優れているが、ソフトウエア制御に関して不規則的に発生する異常を診断するのであって、カメラのようなハードウエアの異常を診断するには適さないと考えられる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて、無駄な電力を消費せずに異常の有無を効率良く診断する撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の撮影装置は、
撮影操作に応じて被写体像から画像データを生成し、生成した画像データを、着脱自在に装着された記録媒体に記録する撮影装置において、
撮影操作に応じて、撮影装置内の複数の所定箇所それぞれについて異常の有無を検出する検出部と、
上記検出部で異常が検出された回数を所定箇所ごとに計数するカウンタを有する計数部と、
上記計数部で計数された計数値が所定箇所ごとに定められた規定値に達した場合には、規定値に達した要確認箇所について動作確認用のプログラムを実行して、そのプログラムの実行時に異常が発生するか否かを診断する診断部と、
上記診断部の診断結果を記憶する記憶部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
なお、ここで本発明のいう「所定箇所ごと」とは、複数の所定箇所をひとまとめにしてカウントするカウンタは許容しないが、1つの所定箇所に対して、異常の種別ごとに細分化して、カウントするカウンタは許容することを意味する。
【0011】
上記本発明の撮影装置によれば、複数の所定箇所すべてについて動作確認用のプログラムを1度に実行させる事態を回避して異常の発生の有無を効率良く診断することができ、省電力化が図られる。
【0012】
こうすることにより異常がさらに悪化するのを防ぐことができる。
【0013】
また、本発明の撮影装置において、上記診断部での異常が発生しなかった旨の診断結果を受けて、上記要確認箇所の計数値を初期値に戻すリセット部を備えたものであることが好ましい。
【0014】
上記リセット部を設けることにより、上記診断部での診断結果に異常が発生しなかった場合には、上記検出部における異常の検出の回数が規定値に達しても、再現性のある異常ではなく撮影動作に影響を与えない程度の異常であるとして、使用者は撮影装置をそのまま使用し続けることができる。
【0015】
また、本発明の撮影装置において、上記計数部が、上記リセット部によりリセットされるカウンタに加え、さらに、上記計数値を所定箇所ごとに累積する累積カウンタを有し、
上記診断部は、上記累積カウンタの計数値が所定箇所ごとに定められた累積閾値を超えた場合には、その累積閾値を超えた箇所について異常ありの診断結果を上記記憶部に記憶するものであることが好ましい。
【0016】
上記診断部が累積閾値を超えた箇所について異常ありの診断結果とすることにより、リセットされる程度に頻度の低い異常であっても、その異常が長期間続き何度もリセットされるような異常は異常として顕在化させることが好ましいからである。
【0017】
さらに、本発明の撮影装置において、被写体光を結像させる、可動部を有する撮影光学系を有し、上記診断部は、上記撮影光学系の可動部が上記要確認箇所であってその可動部について上記プログラムを実行してそのプログラムの実行時に異常が発生した場合には、その可動部を制御するための制御パラメータを変更してそのプログラムを再度実行し、そのプログラムの再度実行時に異常が発生するか否かを診断するものであることが好ましい。
【0018】
上記要確認箇所で可動部を制御する制御パラメータを変更して動作確認用のプログラムを実行したときに異常が発生しなければ、今度はその変更後のパラメータを使用することで正常な状態を持続することができる。
【0019】
ここで、上記の制御パラメータを変更してプログラムを再度実行する態様において、上記診断部は、上記プログラムの再度の実行時にもさらに異常が発生した場合には、上記可動部についてそのプログラムの実行を停止するものであることが好適である。
【0020】
こうすると、動作確認用のプログラムを必要以上に実行して、異常箇所の部品や機器の状態を悪化させずに済む。
【0021】
また、本発明の撮影装置において、被写体光を結像させる、複数の可動光学部材を含む撮影光学系を有し、上記診断部は、複数の可動光学部材のうちのいずれか1つの可動光学部材が上記要確認箇所であってその1つの可動光学部材について上記プログラムを実行してそのプログラムの実行時に異常が発生しなかった場合には、上記要確認箇所である可動光学部材とは別の可動光学部材についてそのプログラムを実行し、そのプログラムの実行時に異常が発生した場合には、異常が発生した可動光学部材について異常ありの診断結果を上記記憶部に記憶するものであることが好ましい。
【0022】
ここで本発明のいう「可動光学部材」とは、上述した可動部をさらに限定したものである。すなわち、撮影光学系の部材のうち、移動可能な部材のことである。
【0023】
このような構成により、異常箇所が正確に特定される。
【発明の効果】
【0024】
以上、説明したように、本発明によれば、無駄な電力を消費せずに異常の有無を効率良く診断する撮影装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図1は、レンズ鏡胴が沈胴状態下にあるデジタルカメラの、前方斜め上から見たときの外観斜視図である。
【0027】
このデジタルカメラ1は、本発明の撮影装置の第1実施形態に相当する。
【0028】
図2は、図1に示すデジタルカメラと同一のカメラであって、レンズ鏡胴が繰出状態下にあるデジタルカメラの、前方斜め上から見たときの外観斜視図である。
【0029】
図1および図2に示すデジタルカメラ1の前面11には、撮影光学系を有するレンズ鏡胴10、被写体に向けて閃光を発光するための閃光発光窓12、および被写体を見るためのファインダ対物窓13が配備されている。また、このデジタルカメラ1の上面14には、レリーズボタン15が備えられている。
【0030】
図3は、図1に示すデジタルカメラの、後方斜め上から見たときの外観斜視図である。
【0031】
図3に示されるように、このデジタルカメラ1の背面21には、電源ボタン22、モードスイッチ23が設けられている。この電源ボタン22は、デジタルカメラ1の電源をON/OFFするものであり、このモードスイッチ23は、撮影モードと再生モードとを切り替えるスイッチである。
【0032】
また、このデジタルカメラ1の背面21には、メニュー切替えおよび実行キー24が備えられている。このメニュー切替えおよび実行キー24は、撮影モード時には静止画撮影や動画撮影、再生モード時には静止画再生や動画再生に使用されるメニューを自在に切り替えて設定条件を選択して実行するキーである。
【0033】
さらに、このデジタルカメラ1の背面21には、広角ズームキー25、望遠ズームキー26、液晶表示パネル27、ファインダ接眼窓28、スピーカ29が備えられている。広角ズームキー25は、焦点距離を広角側に変更するためのキーであり、望遠ズームキー26は、焦点距離を望遠側に変更するためのキーである。液晶表示パネル27は、被写体の画像、メニュー切替えおよび実行キー24のメニュー等を液晶表示するものである。ファインダ接眼窓28は、使用者が撮影の際に被写体を覗く窓である。スピーカ29は、警告音を発生するものである。
【0034】
また、このデジタルカメラ1の背面21には、エラー表示用LED30が備えられている。このエラー表示用LED30は、異常が発生したときに点滅して使用者に異常を報知するものである。
【0035】
また、このデジタルカメラ1の側面31には、記録媒体装填口32が設けられている。この記録媒体装填口32から、画像データが記録される記録媒体301_1が取出し自在に装填される。
【0036】
次に、デジタルカメラ1の内部構成を説明する。
【0037】
図4は、図1に示すデジタルカメラの内部の構成を示す図である。
【0038】
まず撮影光学系の構成を、図4を参照にして説明する。
【0039】
デジタルカメラ1では、被写体光がズームレンズ101_1に入射し、フォーカスレンズ101_2を経て、被写体光の光量を調整するアイリス102を通過した後、固体撮像素子であるCCD103に結像する。本来、撮影光学系には複数のレンズが配備され、それら複数のレンズのうち少なくとも1つのレンズがピント調節に大きく関与し、各レンズの相対位置が焦点距離に関与するが、この図4では、焦点距離の変更に係わるレンズをズームレンズ101_1として模式的に示しており、同じくピントの調節に係わるレンズをフォーカスレンズ101_2として模式的に示している。
【0040】
ここで、ズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、アイリス102が本発明にいう可動部の一例に相当する。さらに、ズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、およびアイリス102を配備しているレンズ鏡胴10も本発明にいう可動部の一例に相当する。また、ズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、アイリス102は、本発明にいう可動光学部材の一例に相当する。
【0041】
このデジタルカメラ1には、光学系制御部200、ズームレンズ用モータドライバ201、フォーカスレンズ用モータドライバ202、アイリス用モータドライバ203が備えられている。
【0042】
この光学系制御部200は、撮影光学系を制御するものであり、異常が発生した場合には、例えば、ズームレンズ101_1の動作を止めたりするものである。この光学系制御部200には、ズームレンズ用モータM1、フォーカスレンズ用モータM2、およびアイリス用モータM3が設けられている。これらのモータM1、M2、およびM3は、パルス数を入力することで回転するパルスモータである。このパルス数が本発明にいう制御パラメータの一例に相当する。
【0043】
このズームレンズ用モータドライバ201は、ズームレンズ用モータM1を介してズームレンズ101_1を駆動させるものである。フォーカスレンズ用モータドライバ202は、フォーカスレンズ用モータM2を介してフォーカスレンズ101_2を駆動させるものである。アイリス用モータドライバ204は、アイリス用モータM3を介してアイリス102の開口径を変化させるものである。
【0044】
また、このデジタルカメラ1には、他の位置に移動するズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2の基準状態の位置であるホームポジションの位置を検出するためのズームレンズ用センサS1およびフォーカスレンズ用センサS2が設けられている。
【0045】
ズームレンズ用センサS1、およびフォーカスレンズ用センサS2には、光を投光する投光部およびその投光部から投光され反射して戻ってきた光を受光する受光部が設けられている。
【0046】
このデジタルカメラ1には、垂直ドライバ(V−DRV)104、相関二重サンプリング(CDS)105、ゲインコントロール(GC)106、A/D変換部107、およびタイミングジェネレータ(TG)110が備えられている。垂直ドライバ(V−DRV)104は、CCD103の電荷の転送を制御するものである。相関二重サンプリング(CDS)105は、CCD103から出力されたアナログ画像信号のアンプ雑音およびリセット雑音を除去する処理等を行ない、ゲインコントロール(GC)106は、雑音が低減されたアナログ画像信号のゲインをコントロールし、A/D変換部107は、このアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。このタイミングジェネレータ(TG)110は、CCD103での電子シャッタのタイミングや画像信号の読出しのタイミングを制御するものである。
【0047】
また、このデジタルカメラ1には、CPU(中央処理装置)300、メモリ制御部302、フラッシュROM302_1、シンクロナスDRAM(SDRAM)302_2、およびクロック制御部306が備えられている。
【0048】
CPU300は、フラッシュROM302_1に書き込まれたプログラムを実行し、メモリ制御部302を介してプログラムをSDRAM302_2に展開する。このプログラムの手順にしたがってデジタルカメラ1の動作がCPU300により制御される。また、このプログラムの中には、本発明にいう動作確認用のプログラムの一例も含まれている。この動作確認用のプログラムについては後述する。また、CPU300は、メディア制御部301に不図示のメディアドライブを制御させて、記録媒体301_1の初期化、画像データの記録動作及び消去動作を実行させる。ここで、メディア制御部301では、記録媒体301_1が記録媒体装填口32に装着されると、装着されたことを示す信号をメディアドライブから受信し、メディア制御部301内にある装着フラグがセットされる。また、記録媒体301_1が記録媒体装填口32から取り出されると、取り出されたことを示す信号をメディアドライブから受信し、装着フラグがリセットされる。
【0049】
クロック制御部306は、CPU300のクロック制御を行うものである。
【0050】
また、このデジタルカメラ1には、画像入力コントローラ108、画像信号処理部109、および圧縮/伸長処理部111が備えられている。画像入力コントローラ108は、A/D変換部107でデジタル画像信号に変換された画像データをSDRAM302_2に転送する。画像信号処理部109は、SDRAM302_2に記憶された画像データの画像処理を実行する。圧縮/伸長処理部111は、CPU300の指示により画像データを圧縮もしくは伸長処理するものである。
【0051】
また、このデジタルカメラ1には、オートフォーカス(AF)検出部112、および自動露出(AE)/自動ホワイトバランス(AWB)検出部113が備えられている。AF検出部112は画像のピント情報を検出し、AE/AWB検出部113は画像の輝度情報と白色バランス情報を検出する。
【0052】
また、このデジタルカメラ1には、液晶表示(LCD)制御部303、画像エンコード部304が備えられている。
【0053】
画像エンコード部304は、画像データをビデオ信号に変換するものであり、LCD制御部303は、そのビデオ信号を用いて液晶表示パネル27上に画像を表示するための制御を行うものである。
【0054】
また、このデジタルカメラ1には、閃光発光制御部401、電源制御部402、電源部403、および電子ボリューム404が備えられている。
【0055】
この閃光発光制御部401は、閃光発光部12の閃光発光量を制御するものである。電源部403は、不図示バッテリ(充電池)が装着され、電源投入操作を受けてそのバッテリから各ブロックへ給電するものである。電源制御部402は、電源部403のバッテリの消費量を制御するものである。電子ボリューム404は、閃光発光制御部401や電源制御部402の電圧調整を行うものである。
【0056】
また、このデジタルカメラ1には、操作部20、および音声出力処理部305が備えられている。この操作部20は、図3に既に説明したデジタルカメラ1の背面21および上面14に備えられている各操作子の操作を受け付けてCPU300に各操作子の処理の命令を出すものである。音声出力処理部305は、音声出力処理を行なう。この音声出力処理部305は、後述するように診断部の診断結果が異常であった場合に、その異常を使用者に知らせるためにスピーカ28からアラーム音を鳴らすものである。なお、このアラーム音を鳴らすか否かは、前述のメニュー切替えおよび実行キー24で選択する。
【0057】
また、このデジタルカメラ1には、異常検出部114が備えられている。この異常検出部114は、本発明にいう検出部の一例である。
【0058】
この異常検出部114は、デジタルカメラ1内部に配備されている、ズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、アイリス102、および記録媒体301_1の異常を検出するものであり、これらズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、アイリス102、および記録媒体301_1が、本発明にいう複数の所定箇所の例に相当する。
【0059】
次に、本発明の第1実施形態のデジタルカメラ1の撮影動作について説明する。
【0060】
このデジタルカメラ1の撮影動作は総合的にCPU300により制御される。
【0061】
図5は、デジタルカメラ1の電源投入操作を受けて開始される撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【0062】
先ず、使用者が電源ボタン22を押すという電源投入操作を行うと、デジタルカメラ1の初期化により、操作部20が電源投入操作を受け付けて、CPU300では、フラッシュROM302_1のプログラムの実行が開始され、液晶表示パネル27に画像が表示されるとともに、撮影条件の設定操作やレリーズボタン15の操作を受け付ける状態となる(ステップS100)。
【0063】
次に、異常検出部114が、メディア制御部301の装着フラグに対するチェックを行い(ステップS101)、記録媒体301_1に異常があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0064】
ここで、装着フラグがセットされていなかった場合には、記録媒体301_1に異常ありの判定がなされ、サブルーチン‘診断処理’がコールされる(ステップS118)。このサブルーチン‘診断処理’については後述する。
【0065】
一方、装着フラグがセットされていた場合には、記録媒体301_1に異常なしの判定がなされ、次のステップS103に進み、CPU300は、レリーズボタン15が半押しされたか否かを判定する。ここで、「半押し」とは、レリーズボタン15をある程度押し込み、その位置で止める操作のことである。
【0066】
ここで、使用者がレリーズボタン15を半押しするまでは、このステップS103は、半押しされずという旨の判定をし、ステップS111にスキップする。ステップS111では、レリーズボタンが全押しされたか否かの判定がなされ、全押しされずという旨の判定結果の場合には、再びステップS103に戻る。つまり、レリーズボタン15が操作されない場合には、ステップS103とステップS111との間を行ったり来たりするという待機ループになる。この待機ループの間、使用者は、デジタルカメラ1の背面21に設けられた広角ズームキー25もしくは望遠ズームキー26を使って撮影画角を指示することができ、その指示された撮影画角がCPU300に伝えられ、CPU300は、撮影画角に応じた位置にズームレンズ101_1を移動させる。
【0067】
ここで、使用者がレリーズボタン15を半押しすると、CPU300は、半押しされたことを知らせる信号を操作部20から受信し、半押しされた旨の判定をする。そして、異常検出部114は、ズームレンズ101_1の移動のチェックを行う(ステップS104)。具体的には、異常検出部114は、ズームレンズ101_1がホームポジションから移動したか否かをズームレンズ用センサS1を用いて検出する。
【0068】
まず、ズームレンズ101_1がホームポジション上にあるときには、ズームレンズ用センサS1から投光した光は、ズームレンズ101_1で反射されてこのセンサS1に到達し、反射光は光電変換により電気信号に変換される。異常検出部114は、この電気信号を受信することによりホームポジションにズームレンズ101_1が存在することを検出する。
【0069】
一方、ズームレンズ101_1がホームポジションから離れているときには、ズームレンズ用センサS1から投光した光は、ズームレンズ101_1で反射されず、このセンサS1には到達しないので、異常検出部114では、この電気信号を受信できず、ズームレンズ101_1が他の位置に移動していることを検出する。
【0070】
また、異常検出部114は、ズームレンズ101_1移動を制御する2種類の制御信号もCPU300から入手する。1つは、ズームレンズ101_1をホームポジションから他の位置に動かすための移動指示の信号であり、もう1つは、ズームレンズ101_1をホームポジションに戻すための復帰指示の信号である。
【0071】
異常検出部114は、このようなチェックの後、ズームレンズ101_1に異常があるか否かを判定する(ステップS105)。
【0072】
ここで、まず、CPU300が移動指示の信号を出している場合について説明する。この場合に、ズームレンズ101_1がホームポジションに存在することが検出されると、ズームレンズ101_1は指示通りに移動していないことを意味するので、異常検出部114は、異常ありと判定し、ズームレンズ101_1が他の位置に移動していることが検出されていると、ズームレンズ101_1は、指示通りに移動していることを意味するので異常なしと判定する。
【0073】
次に、CPU300が復帰指示の信号を出ている場合について説明する。この場合には、ズームレンズ101_1がホームポジションに存在することが検出されていると、ズームレンズ101_1が指示通りにホームポジションに戻っていることを意味するので、異常検出部114は、異常なしと判定し、ズームレンズ101_1が他の位置に移動していることが検出されていると、ズームレンズ101_1は指示があるのにホームポジションに戻ってこないことを意味するので異常ありと判定する。
【0074】
なお、異常検出部114は、ホームポジションを基準としてズームレンズ用センサS1を用いてチェックを行なっているため、ホームポジションからズームレンズ101_1が移動した後、ズームレンズ101_1の復帰指示の信号が出されるまでの間におけるズームレンズ101_1の移動については異常なしと判定する。
【0075】
ここで、ズームレンズ101_1について異常ありの判定結果の場合には、ステップS117の「駆動系エラー発生情報フラグのセット」にスキップする。続いて、サブルーチン‘診断処理’がコールされる(ステップS118)。この「駆動系エラー発生情報フラグのセット」およびサブルーチン‘診断処理’については後述する。
【0076】
一方、ズームレンズ101_1に異常なしの判定結果の場合には、AF検出部112は、画像のピント情報を検出し、AE/AWB検出部113は、画像の輝度情報を検出する(ステップS106)。このように検出されたピント情報と輝度情報とに基づいて、フォーカスレンズ101_2は、適切なピントが得られる位置に移動し、アイリス102は、適切な露出が得られる開口径に調整される。続いて、異常検出部114が、フォーカスレンズ101_2やアイリス102の動作のチェックを行う(ステップS107)。
【0077】
まず、フォーカスレンズ101_2の動作のチェックについて説明する。
【0078】
ここで、異常検出部114は、ズームレンズ101_1の動作のチェックと同様にして、フォーカスレンズ101_2が移動したか否かをフォーカスレンズ用センサS2を用いて検出する。
【0079】
即ち、フォーカスレンズ101_2がホームポジション上にあるときには、フォーカスレンズ用センサS2から投光した光は、フォーカスレンズ101_2で反射されてこのセンサS2に到達し、反射光は光電変換により電気信号に変換される。異常検出部114は、この電気信号を受信することによりホームポジションにフォーカスレンズ101_2が存在することを検出する。また、フォーカスレンズ101_2がホームポジションから離れているときには、異常検出部114では、この電気信号を受信できず、フォーカスレンズ101_2が他の位置に移動していることを検出する。さらに、CPU300から、フォーカスレンズ101_2に対する移動指示の信号と復帰指示の信号を入手する。
【0080】
次に、アイリス102の動作のチェックについて説明する。
【0081】
上述した輝度情報に基づいた適切な露出制御のためには、アイリス102の開口径を拡大して現在の光量より多くの光量を取り込む必要が生じたり、もしくは、アイリス102の開口径を縮小して現在の光量より少ない光量を取り込む必要が生じたりする。
【0082】
そのため、CPU300は、開口径を拡大させる拡大指示や開口径を縮小させる縮小指示を信号として発し、異常検出部114は、その信号を入手する。
【0083】
また、アイリス102の開口径が拡大すると、より多くの光がCCD103に到達し、その光が光電変換される。その結果、光量が増加したことを示す第1の信号が異常検出部114に向けて送信される。異常検出部114は、この第1の信号を受信することにより、アイリス102の開口径が拡大したことを検出する。
【0084】
また、アイリス102の開口径が縮小すると、より少ない光がCCD103に到達し、その光が光電変換される。その結果、光量が減少したことを示す第2の信号が異常検出部114に向けて送信される。異常検出部114は、この第2の信号を受信することにより、アイリス102の開口径が縮小したことを検出する。
【0085】
異常検出部114は、このようなチェックに基づいて、フォーカスレンズ101_2に異常があるか否かを判定し、アイリス102に異常があるか否かも判定する(ステップS108)。
【0086】
まず、フォーカスレンズ101_2の異常の有無の判定について説明する。
【0087】
CPU300が移動指示の信号を出している場合には、フォーカスレンズ101_2がホームポジションに存在することが検出されていると、フォーカスレンズ101_2は指示通りに移動していないことを意味するので異常検出部114は、異常ありと判定し、フォーカスレンズ101_2が他の位置に移動していることが検出されていると、フォーカスレンズ101_2が指示通りに移動していることを意味するので異常なしと判定する。
【0088】
また、CPU300が、復帰指示の信号を出している場合には、フォーカスレンズ101_2がホームポジションに存在することが検出されると、フォーカスレンズ101_2が指示通りにホームポジションに戻っていることを意味するので、異常検出部114は異常なしと判定し、フォーカスレンズ101_2が他の位置に移動していることが検出されていると、フォーカスレンズ101_2が、指示があるのにホームポジションに戻ってこないことを意味するので異常ありと判定する。
【0089】
なお、ホームポジションからフォーカスレンズ101_2が移動した後、復帰指示の信号が出されるまでの間におけるフォーカスレンズ101_2の移動については、ズームレンズ101_1と同様、異常検出部114は、異常なしの判定をする。
【0090】
次に、アイリス102の異常の有無の判定について説明する。
【0091】
CPU300がアイリス102の開口径を拡大させる指示を出している場合には、異常検出部114が第1の信号を受信してアイリス102の開口径の拡大を検出すると、異常検出部114は異常なしと判定し、第1の信号を受信せず拡大が検出されないと、異常ありと判定する。
【0092】
一方、CPU300がアイリス102の開口径を縮小させる指示を出している場合には、異常検出部114が第2の信号を受信してアイリス102の開口径の縮小を検出すると、異常検出部114は異常なしと判定し、第2の信号を受信せず縮小が検出されないと、異常ありと判定する。
【0093】
ここで、フォーカスレンズ101_2、アイリス102の動作のうちの少なくとも一方に異常ありの判定結果が生じた場合には、ステップS117の「駆動系エラー発生情報フラグのセット」にスキップし、続いて、サブルーチン‘診断処理’がコールされる(ステップS118)。この「駆動系エラー発生情報フラグのセット」およびサブルーチン‘診断処理’については後述する。
【0094】
一方、フォーカスレンズ101_2およびアイリス102の双方ともに動作に異常なしの判定結果が得られた場合には、CPU300により撮影警告があるか否かが判定される(ステップS109)。
【0095】
このCPU300のプログラムには、使用者の撮影を補助するために、撮影条件が最適な条件になるように撮影警告で導く機能が組み込まれており、例えば、フラッシュ撮影を必要とする暗さの条件下であるにもかかわらず、フラッシュオンのモードになっていない、あるいは強制的にフラッシュオフの設定になっているというような場合には、撮影警告としてフラッシュオンのモードにする旨の内容を液晶表示パネル27に表示する(ステップS110)。
【0096】
続いて、使用者によりレリーズボタン15が全押しされると(ステップS111:Yes)、以下の撮影処理が実行される(ステップS112)。
【0097】
操作部20がCPU300に撮影開始の信号を送り、CPU300は、タイミングジェネレータ110にシャッタスピードに応じた露光開始信号および露光終了信号をCCD303に向けて出力させる。
【0098】
続いて、CCD103に結像されている被写体を表わす画像データがCDS105に出力される。CDS105では、CCD103から出力された画像データのアンプ雑音およびリセット雑音の除去が行なわれその雑音が除去された画像データがGC106でゲイン調整された後、A/D変換部107に供給される。このA/D変換部107では、アナログ信号からデジタル信号に変換されたRGBからなる画像データが生成される。生成された画像データは、画像入力コントローラ108によってSDRAM302_2に転送される。SDRAM302_2に転送された画像データは、画像信号処理部109で画像処理が施されて、圧縮/伸張部112で圧縮処理が施される。
【0099】
一方、液晶表示パネル27に画像を表示するために、画像エンコード部313では、圧縮前の画像データがビデオ信号に変換される。このビデオ信号が画像として液晶表示パネル27に表示される。
【0100】
次に、画像データを記録媒体301_1に記録する処理を行う(ステップS113)。
【0101】
次に、異常検出部114が、メディア制御部301の記録フラグに対するチェックを行い(ステップS101)、記録媒体301_1の記録に異常があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0102】
ここで、メディア制御部301は、メディアドライブから画像データの記録終了を示す第1の記録信号を受信することにより、メディア制御部301内にある記録フラグをセットする。一方、メディア制御部301は、メディアドライブから画像データの記録ができなかったことを示す第2の記録信号を受信することにより、メディア制御部301内にある記録フラグをリセットする。
【0103】
異常検出部114は、この記録フラグを参照することにより、記録媒体301_1の記録の異常を判定する(ステップS115)。
【0104】
ここで、記録フラグがリセットされている場合には、画像データが記録媒体301_1に記録されていないことを意味するので記録媒体301_1の記録に異常ありの判定がなされ、サブルーチン‘診断処理’がコールされる(ステップS118)。このサブルーチン‘診断処理’については後述する。
【0105】
一方、記録フラグがセットされていた場合には、画像データが記録媒体301_1に記録されていることを意味するので、記録媒体301_1の記録は異常なしの判定がなされ、次のステップS116に進む。
【0106】
使用者により電源がオフされると(ステップS116:Yes)、この図5に示す撮影動作は終了する。一方、使用者により電源がオフされない場合には(ステップS116:No)、ステップS101の記録媒体のチェックに戻る。
【0107】
以上の説明では、異常が検出されたときのサブルーチン‘診断処理’等については説明を後回しにして、正常な場合の撮影動作について説明した。
【0108】
以下では、異常が検出された場合の撮影動作の処理について説明する。
【0109】
まず、図5に示すステップS102で記録媒体に異常ありの判定がされた後の処理について説明する。ここで、記録媒体に異常ありの判定結果の場合には、ステップS118にスキップし、サブルーチン‘診断処理’がコールされる。
【0110】
図6は、第1の実施形態における ‘診断処理’を示すフローチャートである。
【0111】
この‘診断処理’には、本発明にいう計数部の一例としての動作が組み込まれている。
【0112】
即ち、異常検出部114で異常が検出された回数をズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、アイリス102、および記録媒体301_1ごとに計数するカウンタ、および、計数値を累積して所定箇所ごとにカウントする累積カウンタを有している。このカウンタおよび累積カウンタは、ソフト的な処理によって実現されるものである。
【0113】
本実施形態では、記録媒体の異常に関しては、記録媒体301_1の電気的接続の異常や記録媒体への書き込みの異常とに細分化している。記録媒体301_1の異常の検出には、2つのカウンタ、2つの累積カウンタが用意されている。
【0114】
また、カウンタの計数値および累積カウンタの計数値は、‘診断処理’が終了するときに、フラッシュROM302_1内に記憶され、再び、‘診断処理’が起動されたときに、現在の各計数値が、カウンタおよび累積カウンタに書き込まれる。
【0115】
この図6に示すサブルーチン‘診断処理’が、図5に示すステップS102からステップS118にスキップしてコールされた場合には、まず、記録媒体用の第1カウンタの計数値を1加算する(ステップS201)。
【0116】
続いて、記録媒体用の第1累積カウンタの計数値を1加算する(ステップS202)。
【0117】
ここで、記録媒体用の計数値を加算するステップS201およびステップS202の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0118】
次に、記録媒体用の第1カウンタの計数値が記録媒体エラー用に定められた規定値に達したか否かが判定される(ステップS203)。
【0119】
記録媒体用の第1カウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS207にスキップする。この場合は、ここまでの処理で記録媒体301_1に異常は見つからないので、図6に示すサブルーチン‘診断処理’は終了して、図5に示すレリーズボタン半押しの待ち状態(ステップS103)に戻る。
【0120】
一方、ステップS203で記録媒体用の第1カウンタの計数値が規定値に達していた場合には、本発明にいう動作確認用のプログラムの一例に相当する記録媒体用診断プログラムを実行させる(ステップS204)。
【0121】
この記録媒体用の第1診断プログラムが実行されると、メディア制御部301は、メディアドライブを介して記録媒体301_1と電気的な接続の有無を確認する。
【0122】
電気的な接続が得られた場合には、メディア制御部301は、装着フラグをセットする。一方、電気的な接続が得られなかった場合には、メディア制御部301は、装着フラグをリセットする。
【0123】
次に、記録媒体用の第1診断プログラムの実行結果から、診断対象の記録媒体301_1に異常があるか否かの判定をする(ステップS205)。具体的には、装着フラグを参照し、装着フラグがセットされていれば、電気的な接続が得られているので記録媒体301_1に異常なしと判定し、装着フラグがリセットされていれば、電気的な接続が得られていないので記録媒体301_1に異常ありと判定する。ここで、記録媒体を診断するステップS204およびステップS205の動作が本発明にいう診断部の一例の動作に相当する。
【0124】
ここで、記録媒体301_1が未装着であることや記録媒体301_1が故障していることなどが原因で電気的接続が得られず記録媒体301_1に異常ありと判定された場合には、その判定された内容である診断結果を記録する(ステップS206)。具体的には、以下説明する状態管理テーブルで、診断結果をエラー情報として管理し、その状態管理テーブルにそのエラー情報が記録される。本実施形態では、フラッシュROM302_1内に、エラー情報(診断結果)を管理する状態管理テーブルが設けられている。
【0125】
表1は状態管理テーブルを表わす表である。
【0126】
【表1】

【0127】
この状態管理テーブルは、エラー情報のうちのズームレンズエラーをE1のエラー番号で管理し、フォーカスレンズエラーをE2のエラー番号で管理し、以下同様にして、アイリスエラー、記録媒体エラーおよび記録エラーをそれぞれ、E3、E4、E5のエラー番号で管理する。なお、表1では、説明の便宜上、エラー番号の内容も付記している。
【0128】
この表1には、一例として、ズームレンズ駆動系に異常が発生しているという診断結果を表したズームレンズエラーが示されている。
【0129】
上述したステップS206では、具体的には、記録媒体301_1に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおける記録媒体エラーに対応した診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。
【0130】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理で何らかの異常が見つかった場合には、警告の処理がなされる(ステップS208)。すなわち、図3に示すスピーカ29から警告音が鳴り、エラー表示用LED30が点滅して、記録媒体301_1に異常が起きたことを使用者に報知する。
【0131】
液晶表示パネル27には、表1の状態管理テーブルにおける記録媒体エラーの診断結果の内容が表示される。
【0132】
そして、しばらくその警告表示をした後、デジタルカメラ1の電源が自動的にオフになる(ステップS209)。
【0133】
一方、ステップS205でメディア制御部301の装着フラグがセットされていた場合には、記録媒体301_1に対して電気的な接続が得られているので記録媒体301_1は異常なしと判定され、ステップS210に進み、記録媒体用の第1累積カウンタの計数値が記録媒体エラー用に定められた累積閾値以上か否かが判定される。
【0134】
記録媒体用の第1累積カウンタの計数値が累積閾値に達した場合には、記録媒体301_1に異常ありと判定し(ステップS211)、記録媒体301_1などに異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおける記録媒体エラーの診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。以下の手順は上記と同様なので重複説明は省略する。
【0135】
一方、ステップS210で記録媒体用の第1累積カウンタの計数値が累積閾値に達していなかった場合には、異常なしと判定し、状態管理テーブルの記録媒体エラーの診断結果の欄を初期化し「異常なし」を書き込む(ステップS212)。
【0136】
続いて、記録媒体用の第1カウンタの計数値が初期値に戻される(ステップS213)。このステップS213の動作が本発明にいうリセット部の一例の動作に相当する。
【0137】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理で記録媒体301_1に異常がなかった場合には、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示すレリーズボタン半押しの待ち状態(ステップS103)に戻る。
【0138】
以上、図5に示すステップS102で記録媒体に異常ありの判定がされた後の処理について説明を終了し、次に、図5に示すステップS105でズームレンズ101_1に異常ありの判定がされた後の処理について説明する。ここで、ズームレンズ101_1に異常ありの判定結果であった場合には、ステップS117にスキップし、ズームレンズ101_1に異常が発生したことを示す駆動系エラー発生情報フラグがフラッシュROM302_1にセットされる。この駆動系エラー発生情報フラグはソフト的に処理されるフラグである。なお、フォーカスレンズ101_2、アイリス102にも各々駆動系エラー発生情報フラグが用意されている。続いて、ステップS118に進み、図6に示すサブルーチン‘診断処理’がコールされる。
【0139】
ここで、この図6に示すサブルーチン‘診断処理’が、図5に示すステップS105からステップS117にスキップし、ステップS118に進んでコールされた場合には、まず、ズームレンズ用のカウンタの計数値を1加算し(ステップS201)、続いて、ズームレンズ用の累積カウンタの計数値を1加算する(ステップS202)。
【0140】
ここで、ズームレンズ用の計数値を加算するステップS201およびステップS202の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0141】
次に、ズームレンズ用のカウンタの計数値がズームレンズエラー用に定められた規定値に達したか否かが判定される(ステップS203)。
【0142】
ズームレンズ用のカウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS207にスキップする。この場合は、ここまでの処理でズームレンズ101_1に異常は見つからないので、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示すAE/AF処理(ステップS106)に戻る。
【0143】
一方、ステップS203でズームレンズのカウンタの計数値が規定値に達していた場合には、本発明にいう動作確認用のプログラムの一例に相当するズームレンズ用診断プログラムを実行させる(ステップS204)。
【0144】
撮影時には、レンズ鏡胴10は図2に示す繰出状態となっており、ズームレンズ用診断プログラムを実行させると、ズームレンズ101_1がホームポジションの位置から他の位置に移動している場合には、一旦、ズームレンズ101_1はホームポジションの位置に戻される。続いて、CPU300は、ズームレンズ101_1をホームポジションの位置から最大繰り出し位置に移動させ、さらにホームポジションの位置に戻す指示を出す。なお、ズームレンズ101_1がホームポジションの位置から最大繰り出し位置に移動し、さらにホームポジションの位置に戻ってくるまでに要する所定のパルス数があらかじめフラッシュROM302_1に記憶されており、CPU300は、そのパルス数をズームレンズ用モータM1に入力することでズームレンズ101_1を移動させる。
【0145】
この場合、ズームレンズ101_1の移動に伴ってズームレンズモータM1の回転量が不図示のエンコーダによりパルス数に変換され、CPU300は、そのパルス数をカウントしており、このカウントしているパルス数とこの往復移動に見込まれる所定のパルス数とを比較する。また、ズームレンズ101_1がsホームポジションの位置に戻っているか否かをズームレンズ用センサS1で検出する。そして、ズームレンズ用診断プログラムを実行した結果から診断対象のズームレンズ101_1に異常があるか否かの判定をする(ステップS205)。
【0146】
ズームレンズ101_1がホームポジションの位置に存在することが検出されており、ホームポジションの位置に戻った時にカウントされたパルス数とこの往復移動に見込まれる所定のパルス数が一致していると、指示通りに移動していることを意味するので異常なしと判定する。
【0147】
一方、ズームレンズ101_1がホームポジションの位置から他の位置に移動していることが検出されていると、ズームレンズ101_1が、この往復移動に見込まれる所定のパルス数に達しても戻ってこず、指示通りに移動していないことを意味するので異常ありと判定する。また、ズームレンズ101_1がホームポジションの位置に存在することが検出されている場合であっても、この往復移動に見込まれる所定のパルス数よりも少ないパルス数でズームレンズ101_1がホームポジションの位置に戻っているときには、この往復移動に見込まれる所定のパルス数よりも早くホームポジションの位置に戻っており、指示通りに移動していないことを意味するので異常ありと判定する。
【0148】
ここで、ズームレンズ101_1を診断するステップS204およびステップS205の動作が本発明にいう診断部の一例の動作に相当する。
【0149】
ズームレンズ用診断プログラムを実行した結果に基づいて、ズームレンズ101_1に異常ありと判定された場合には、ズームレンズ駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるズームレンズエラーの診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。
【0150】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理で何らかの異常が見つかった場合には、警告の処理がなされる(ステップS208)。すなわち、図3に示すスピーカ29から警告音が鳴り、エラー表示用LED30が点滅して、ズームレンズ101_1に異常が起きたことを使用者に報知する。
【0151】
液晶表示パネル27には、表1の状態管理テーブルにおける記録媒体エラーの診断結果の内容が表示される。
【0152】
そして、しばらくその警告表示をした後、デジタルカメラ1の電源が自動的にオフになる(ステップS209)。
【0153】
一方、ステップS205で、ズームレンズ101_1に異常なしと判定された場合には、次に、ズームレンズ用の累積カウンタの計数値がズームレンズエラー用に定められた累積閾値以上か否かが判定される(ステップS210)。
【0154】
ズームレンズ用の累積カウンタの計数値が累積閾値に達した場合には、ズームレンズに異常ありと判定し(ステップS211)、ズームレンズ駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるズームレンズエラーの診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。以下の手順は上記と同様であるので重複説明は省略する。
【0155】
また、ステップS210でズームレンズ用の累積カウンタの計数値が累積閾値に達していなかった場合には、異常なしと判定し、状態管理テーブルのズームレンズエラーの診断結果の欄を初期化し、「異常なし」を書き込む(ステップS212)。
【0156】
続いて、ズームレンズ用のカウンタの計数値が初期値に戻される(ステップS213)。ここで、このステップS213の動作が本発明にいうリセット部の一例の動作に相当する。
【0157】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理でズームレンズ101_1に異常がなかった場合には、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示すAE/AF処理(ステップS106)に戻る。
【0158】
以上、図5に示すステップS105でズームレンズ101_1に異常ありの判定がされた後の処理について説明を終了し、次に、図5に示すステップS108でフォーカスレンズ101_2に異常ありの判定がされた後の処理について説明する。ここで、フォーカスレンズ101_2に異常ありの判定結果であった場合には、ステップS117にスキップし、フォーカスレンズ用の駆動系エラー発生情報フラグがフラッシュROM302_1にセットされる。続いて、ステップS118に進み、図6に示すサブルーチン‘診断処理’がコールされる。
【0159】
ここで、この図6に示すサブルーチン‘診断処理’が、図5に示すステップS108でフォーカスレンズ101_1に異常ありの判定がなされてステップS117にスキップし、ステップS118に進んでコールされた場合には、まず、フォーカスレンズ用のカウンタの計数値を1加算し(ステップS201)、続いて、フォーカスレンズ用の累積カウンタの計数値を1加算する(ステップS202)。
【0160】
ここで、フォーカスレンズ用の計数値を加算するステップS201およびステップS202の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0161】
次に、フォーカスレンズ用のカウンタの計数値がフォーカスレンズエラー用に定められた規定値に達したか否かが判定される(ステップS203)。
【0162】
フォーカスレンズ用のカウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS207にスキップする。この場合は、ここまでの処理でフォーカスレンズ101_2に異常が見つからないので、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示すアイリスの異常の有無の判定(ステップS108)に戻る。
【0163】
一方、ステップS203でフォーカスレンズのカウンタの計数値が規定値に達していた場合には、本発明にいう動作確認用のプログラムの一例に相当するフォーカスレンズ用診断プログラムを実行させる(ステップS204)。
【0164】
ここで、診断のステップS204では、ズームレンズ101_1の診断と同様にして、CPU300は、パルス数をカウントしながら、フォーカスレンズ101_2をホームポジションの位置から最大繰り出し位置に移動させて、さらにホームポジションの位置に戻す指示を出す。なお、フォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置から最大繰り出し位置に移動し、さらにホームポジションの位置に戻ってくるまでに要する所定のパルス数がフラッシュROM302_1に記憶されており、CPU300は、そのパルス数をフォーカスレンズモータM2に入力することでフォーカスレンズ101_2を移動させる。
【0165】
CPU300は、ズームレンズ101_1と同様、フォーカスレンズ101_2の移動に伴うパルス数をカウントしており、このカウントしているパルス数とこの往復移動に見込まれる所定のパルス数とを比較する。また、フォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置に戻っているか否かをフォーカスレンズ用センサS2で検出する。
【0166】
そして、フォーカスレンズ用診断プログラムを実行した結果から診断対象のフォーカスレンズ101_2に異常があるか否かの判定をする(ステップS205)。
【0167】
フォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置に存在することが検出されており、ホームポジションの位置に戻ったときにカウントされたパルス数とこの往復移動に見込まれる所定のパルス数が一致していると、指示通りに移動していることを意味するので異常なしと判定する。
【0168】
一方、フォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置から他の位置に移動していることが検出されていると、フォーカスレンズ101_2が、この往復移動に見込まれる所定のパルス数に達しても戻ってこず、指示通りに移動していないことを意味するので異常ありと判定する。また、フォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置に存在することが検出されている場合であっても、この往復移動に見込まれる所定のパルス数よりも少ないパルス数でフォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置に戻っているときには、所定のパルス数よりも早くホームポジションの位置に戻っており、指示通りに移動していないことを意味するので異常ありと判定する。
【0169】
ここで、フォーカスレンズ101_2を診断するステップS204およびステップS205の動作が本発明にいう診断部の一例の動作に相当する。
【0170】
ここで、フォーカスレンズ用診断プログラムを実行した結果、フォーカスレンズ101_2に異常ありと判定された場合には、フォーカスレンズ駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるフォーカスレンズエラーに対応した診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。
【0171】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理で何らかの異常が見つかった場合には、警告の処理がなされる(ステップS208)。すなわち、図3に示すスピーカ29から警告音が鳴り、エラー表示用LED30が点滅して、フォーカスレンズ101_2に異常が起きたことを使用者に報知する。
【0172】
液晶表示パネル27には、表1の状態管理テーブルにおける記録媒体エラーの診断結果の内容が表示される。
【0173】
そして、しばらくその警告表示をした後、デジタルカメラ1の電源が自動的にオフになる(ステップS209)。
【0174】
一方、ステップS205でフォーカスレンズ用診断プログラムを実行した結果、フォーカスレンズ101_2に異常なしと判定された場合には、ステップS210に進み、次に、フォーカスレンズ用の累積カウンタの計数値がフォーカスレンズエラー用に定められた累積閾値以上か否かが判定される。フォーカスレンズ用の累積カウンタの計数値が累積閾値に達した場合には、フォーカスレンズに異常ありと判定し(ステップS211)、フォーカスレンズ駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるフォーカスレンズエラーに対応した診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。以下の手順は上記と同様であるので重複説明は省略する。
【0175】
また、ステップS210でフォーカスレンズ用の累積カウンタの計数値が累積閾値に達していなかった場合には、異常なしと判定し、状態管理テーブルのフォーカスレンズエラーに対応した診断結果の欄を初期化し、「異常なし」を書き込む(ステップS212)。
【0176】
続いて、フォーカスレンズ用のカウンタの計数値が初期値に戻される(ステップS213)。このステップS213の動作が本発明にいうリセット部の一例の動作に相当する。
【0177】
次に、ステップS207に進み、この場合は、ここまでの処理でフォーカスレンズ101_2に異常は見つからないので、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示すアイリスの異常の有無の判定(ステップS108)に戻る。
【0178】
以上、図5に示すステップS105でフォーカスレンズ101_2に異常ありの判定がされた後の処理について説明を終了し、次に、図5に示すステップS108でアイリス102に異常ありの判定がされた後の処理について説明する。
【0179】
ここで、アイリス102に異常ありの判定結果であった場合には、ステップS117にスキップし、アイリス用の駆動系エラー発生情報フラグがフラッシュROM302_1にセットされる。続いて、ステップS118に進み、図6に示すサブルーチン‘診断処理’がコールされる。
【0180】
ここで、この図6に示すサブルーチン‘診断処理’が、図5に示すステップS108でアイリス102に異常ありの判定がなされてステップS117にスキップし、ステップS118に進んでコールされた場合には、まず、アイリス用のカウンタの計数値を1加算する(ステップS201)。続いて、アイリス用の累積カウンタの計数値を1加算する(ステップS202)。
【0181】
ここで、アイリス用の計数値を加算するステップS201およびステップS202の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0182】
次に、アイリス用のカウンタの計数値がアイリスエラー用に定められた規定値に達したか否かが判定される(ステップS203)。
【0183】
アイリス用のカウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS207にスキップする。この場合は、ここまでの処理でアイリス102に異常が見つからないので、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す撮影警告の判定(ステップS109)に戻る。
【0184】
一方、ステップS203でアイリスのカウンタの計数値が規定値に達していた場合には、本発明にいう動作確認用のプログラムの一例に相当するアイリス用診断プログラムを実行させる(ステップS204)。
【0185】
具体的には、まず、CPU300は、アイリス102を一旦、完全に閉じた閉状態に戻してから全開状態にし、全開状態から閉状態に戻すという開閉動作を実行させる。
【0186】
アイリス102の開閉動作に要する所定のパルス数がフラッシュROM302_1に記憶されており、CPU300は、そのパルス数をアイリスモータM3に入力することでアイリス102を開閉させる。
【0187】
ここで、アイリス102が閉状態から全開状態に移行するにともない、CPU300は、光量が増加したことを示す第1の信号を受信しているかをチェックし、かつアイリス102が全開状態から閉状態に移行するにともない、CPU300は、光量が減少したことを示す第2の信号を受信しているかをチェックする。
【0188】
そして、アイリス用診断プログラムを実行して得られた結果から診断対象のアイリス102に異常があるか否かの判定をする(ステップS205)。
【0189】
ここで、アイリス102を診断するステップS204およびステップS205の動作が本発明の診断部の一例の動作に相当する。
【0190】
ここで、CPU300がアイリス102の開口径を拡大させる指示を出しているにもかかわらず、CPU300が第1の信号を受信せず拡大が検出されない場合や、CPU300がアイリス102の開口径を縮小させる指示を出しているにもかかわらず、CPU300が第2の信号を受信せず縮小が検出されない場合には、アイリス102が正常に動作していないので、アイリス102に異常ありの判定をし、アイリス駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるアイリスエラーに対応した診断結果の欄に記憶する(ステップS206)。
【0191】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理で何らかの異常が見つかった場合には、警告の処理がなされる(ステップS208)。すなわち、図3に示すスピーカ29から警告音が鳴り、エラー表示用LED30が点滅して、アイリス102に異常が起きたことを使用者に報知する。
【0192】
液晶表示パネル27には、表1の状態管理テーブルにおける記録媒体エラーの診断結果の内容が表示される。
【0193】
そして、しばらくその警告表示をした後、デジタルカメラ1の電源が自動的にオフになる(ステップS209)。
【0194】
一方、ステップS205おいて、CPU300がアイリス102の開口径を拡大させる指示を出したときに、CPU300が第1の信号を受信して開口径の拡大が検出され、かつ、CPU300がアイリス102の開口径を縮小させる指示を出したときに、CPU300が第2の信号を受信して開口径の縮小が検出されている場合には、アイリス102が正常に動作しているので、アイリス102に異常なしの判定をし、ステップS210に進み、アイリス用の累積カウンタの計数値がアイリスエラー用に定められた累積閾値以上か否かが判定される。
【0195】
アイリス用の累積カウンタの計数値が累積閾値に達した場合には、アイリスに異常ありと判定し(ステップS211)、アイリス駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるアイリスエラーに対応した診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。以下の手順は上記と同じであるので重複説明は省略する。
【0196】
一方、ステップS210でアイリス用の累積カウンタの計数値が累積閾値に達していなかった場合には、異常なしと判定し、状態管理テーブルのアイリスエラーに対応した診断結果の欄を初期化し、「異常なし」を書き込む(ステップS212)。
【0197】
続いて、アイリス用のカウンタの計数値が初期値に戻される(ステップS213)。ここで、このステップS213の動作が本発明にいうリセット部の一例の動作に相当する。
【0198】
次にステップS207に進み、ここまでの処理でアイリス102に異常がなかった場合には、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す撮影警告の判定(ステップS109)に戻る。
【0199】
以上、図5に示すステップS108でアイリス102に異常ありの判定がされた後の処理の説明を終了し、次に、図5に示すステップS115で記録エラーありの判定がされた後の処理について説明する。記録媒体への書き込み動作がなされなかった場合には、ステップS118に進み、図6に示すサブルーチン‘診断処理’がコールされる。
【0200】
この図6に示すサブルーチン‘診断処理’が、図5に示すステップS102からステップS118にスキップしてコールされた場合には、まず、記録媒体用の第2カウンタの計数値を1加算する(ステップS201)。
【0201】
続いて、記録媒体用の第2累積カウンタの計数値を1加算する(ステップS202)。
【0202】
ここで、このステップS201およびステップS202の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0203】
次に、記録媒体用の第2カウンタの計数値が記録エラー用に定められた規定値に達したか否かが判定される(ステップS203)。
【0204】
記録媒体用の第2カウンタの計数値が規定値に達していない場合には、ステップS207にスキップする。この場合は、ここまでの処理で記録媒体301_1の記録エラーでなかった場合には、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す撮影の終了の判定(ステップS116)に戻る。
【0205】
一方、ステップS203で記録媒体用の第2カウンタの計数値が規定値に達していた場合には、本発明にいう動作確認用のプログラムの一例に相当する記録媒体用の第2診断プログラムを実行させる(ステップS204)。
【0206】
この記録媒体用の第2診断プログラムが実行されると、CPU300は、メディア制御部301に不図示のメディアドライブを制御させて、画像データの記録動作を実行させ、メディア制御部301の記録フラグに対するチェックを行う。
【0207】
ここで、画像データが記録媒体301_1に記録された場合には、メディア制御部301は、メディアドライブからの記録終了を示す第1の記録信号を受信することにより、メディア制御部301の記録フラグをセットする。画像データが記録媒体301_1に記録されなかった場合には、メディア制御部301は、メディアドライブからの記録できなかったことを示す第2の記録信号を受信することにより、記録フラグをリセットする。
【0208】
そして、記録媒体用の第2診断プログラムの実行結果から、診断対象の記録媒体301_1の記録に異常があるか否かの判定をする(ステップS205)。
【0209】
ここで、記録媒体の記録動作を診断するステップS204およびステップS205の動作が本発明にいう診断部の一例の動作に相当する。
【0210】
具体的には、メディア制御部301の記録フラグを参照し、記録フラグがリセットされていた場合には、異常ありと判定し、記録媒体に記録できなかったという診断結果を表1の状態管理テーブルにおける記録エラーに対応した診断結果の欄に書き込む(ステップS206)。
【0211】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理で記録媒体301_1の記録に異常が見つかった場合には、上述した通り、警告の処理がなされる(ステップS208)。以下の手順は上記と同じであるので重複説明は省略する。
【0212】
一方、ステップS210で記録媒体用の第1累積カウンタの計数値が累積閾値に達していなかった場合には、異常なしと判定し、状態管理テーブルの記録エラーに対応した診断結果の欄を初期化し、「異常なし」を書き込む(ステップS212)。
【0213】
続いて、記録媒体用の第2カウンタの計数値が初期値に戻される(ステップS213)。ここで、このステップS213の動作が本発明にいうリセット部の一例の動作に相当する。
【0214】
次に、ステップS207に進み、ここまでの処理で記録媒体301_1に異常がなかった場合には、図6に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す撮影終了(ステップS116)に戻る。
【0215】
以上より、本発明の第1実施形態のデジタルカメラによれば、ズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、アイリス102、および記録媒体301_1について動作確認用のプログラムを1度に実行させる事態を回避して異常の発生の有無を効率良く診断することができ、省電力化が図られる。
【0216】
以上で、本発明の第1実施形態のデジタルカメラについて説明を終了し、本発明の第2実施形態のデジタルカメラについて説明する。
【0217】
なお、この第2実施形態のデジタルカメラは、‘診断処理’を除いて、この第1実施形態のデジタルカメラと同様であるので、第1実施形態における‘診断処理’を示すフローチャート(図6)に替えて第2実施形態における‘診断処理’を示すフローチャート(図7)を採用し、図1から図5までについては、そのまま流用して説明する。
【0218】
この第2実施形態のデジタルカメラでは、上述した可動部である、ズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、アイリス102について、第1実施形態のデジタルカメラよりも詳細な診断処理を行う。
【0219】
以下、フローチャートを用いて説明する。
【0220】
図7は、第2の実施形態における‘診断処理’を示すフローチャートである。
【0221】
この図7に示すサブルーチン‘診断処理’は、図5に示すステップS118の‘診断処理’のサブルーチンコールによって開始されるものである。
【0222】
まず、駆動系エラー発生情報フラグがセットされているか否かが判定される(ステップS301)。
【0223】
ここで、図5に示す、ステップS102もしくはステップS115からステップS118にスキップして、図7の第2の実施形態における‘診断処理’がコールされた場合には、駆動系エラー発生情報フラグがセットされておらず、記録媒体の診断を行うため、図6に示す、第1の実施形態における‘診断処理’と同一のサブルーチンがコールされる(ステップS302)。その後の処理については、第1実施形態のデジタルカメラと同じであるので、重複説明は省略する。
【0224】
一方、図5に示す、ステップS105からステップS117にスキップし、ステップS117で駆動系エラー発生情報フラグがセットされてステップS118に進み、この図7に示すサブルーチン‘診断処理’が、コールされた場合は、駆動系エラー発生情報フラグがセットされているので、ズームレンズ用のカウンタの計数値を1加算する(ステップS303)。
【0225】
ここで、このステップS303の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0226】
次に、ズームレンズ用のカウンタの計数値がズームレンズエラー用に定められた規定値に達しているか否かが判定される(ステップS304)。
【0227】
ズームレンズ用のカウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS312にスキップし、ここまでの処理でズームレンズ101_1に異常が見つからないので、図7に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5のステップS106のAE/AF処理に戻る。
【0228】
一方、ステップS304でズームレンズ用のカウンタの計数値がズームレンズ用に定められた規定値に達していた場合には、ステップS305に進み、既に異常が発生していて、さらに動かすと状態が悪化するおそれがあることを表わすソフト的な駆動禁止フラグがフラッシュROM302_1にセットされているか否かが判定される。この駆動禁止フラグは、ズームレンズ101_1とフォーカスレンズ101_2とアイリス102とのそれぞれに用意されている。
【0229】
ステップ305でズームレンズ用の駆動禁止フラグがセットされている場合には、ステップS312に進み、ここまでの処理でズームレンズ101_1に異常が見つかっているので、ステップS313に進み、警告の処理がなされる。以下の手順は上記と同じであるので重複説明は省略する。
【0230】
一方、ステップS305でこの駆動禁止フラグがリセットされている場合には、図6のステップ204で説明した、第1実施形態と同様のズームレンズ診断用プログラムを実行させる(ステップS306)。
【0231】
続いて、ズームレンズ診断用プログラムを実行して得られた結果から診断対象のズームレンズ101_1に異常があるか否かの判定を第1実施形態での判定と同様に実行する(ステップS307)。
【0232】
ここで、ズームレンズ101_1を診断するステップS306およびステップS307の動作が本発明の診断部の一例の動作に相当する。
【0233】
ここで、ズームレンズ診断用プログラムを実行した結果、ズームレンズ101_1に動作異常ありの判定がなされた場合には、以下説明する処理を行う(ステップS306)。
【0234】
ズームレンズ101_1が上述した往復運動に見込まれる所定のパルス数で戻ってこないという動作異常の場合には、ズームレンズ用モータM1に入力するパルス数を増やして、ズームレンズ診断用プログラムを再度実行する。
【0235】
また、往復運動に見込まれる所定のパルス数でズームレンズ101_1を移動させ、その所定のパルス数よりも少ないパルス数で戻ってきた場合には、ズームレンズ用モータM1に入力するパルス数をその少ないパルス数にして、第1実施形態と同様のズームレンズ診断用プログラムを実行する。
【0236】
パルス数を変更することで、ズームレンズ101_1がそのパルス数でホームポジションの位置に戻ってきた場合には、再度、そのパルス数を用いて、第1実施形態と同様のズームレンズ診断用プログラムを実行する。
【0237】
続いて、パルス数を変更することで、ズームレンズ101_1が正常な状態に復旧ができるか否かの判定がなされる(ステップS309)。
【0238】
パルス数を変更することで、ズームレンズ101_1がホームポジションの位置に戻っている場合には、正常な状態に復旧ができると判定され、ステップS315に進む。そして、変更したパルス数を正常時における所定のパルス数としてフラッシュROM302_1に記憶する(ステップS315)。
【0239】
一方、ステップS308でパルス数を変更しても、ズームレンズ101_1がホームポジションの位置に戻ってこない場合には、正常な状態に復旧ができずと判定され、ズームレンズ101_1について駆動禁止フラグをセットする(ステップS310)。
【0240】
次に、ズームレンズ駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルのズームレンズエラーの欄に書き込む(ステップS311)。
【0241】
続いて、ステップS312に進み、ここまでの処理でズームレンズ101_1に異常が見つかった場合には、ズームレンズ101_1の警告がなされ(ステップS313)、異常の内容が液晶表示パネル27に表示され、しばらく経過した後、デジタルカメラ1は自動的に停止する(ステップS314)。
【0242】
また、ステップS307でズームレンズ診断用プログラムを実行して得られた結果から診断対象のズームレンズ101_1に異常がなかった場合には、エラー発生情報を初期化するため、表1の状態管理テーブルにおけるズームレンズエラーの診断結果の欄に「異常なし」を書き込む(ステップS316)。
【0243】
次に、ズームレンズ用の計数値を初期値に戻す(ステップS317)。ズームレンズ用の計数値を初期値に戻すステップS317の動作が本発明にいうリセット部の動作の一例に相当する。
【0244】
続いて、ステップS312に進み、この場合は、ここまでの処理でズームレンズ101_1に異常が見つからないので、図7に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5のAE/AF処理(ステップS106)に戻る。
【0245】
以上、図5に示すズームレンズ101_1に異常ありの判定がされた後の処理について説明を終了し、次に、図5に示すステップS108でフォーカスレンズ101_2に異常ありの判定がされた後の処理について説明する。
【0246】
ここで、フォーカスレンズ101_2に異常ありの判定結果であった場合には、ステップS117にスキップし、駆動系エラー発生情報フラグがフラッシュROM302_1にセットされる。続いて、ステップS118に進み、図7に示すサブルーチン‘診断処理’がコールされる。
【0247】
この場合には、ステップ301でフォーカスレンズ用の駆動系エラー発生情報フラグがセットされていると判定されるので、フォーカスレンズ用のカウンタの計数値を1加算する(ステップS303)。
【0248】
ここで、このステップS303の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0249】
次に、フォーカスレンズ用のカウンタの計数値がフォーカスレンズエラー用に定められた規定値に達しているか否かが判定される(ステップS304)。
【0250】
フォーカスレンズ用のカウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS312にスキップし、計数値が規定値に達しておらず、フォーカスレンズに異常がなかった場合には、図7に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5のステップS108に戻り、アイリス102の異常の有無の判定がなされる。
【0251】
一方、ステップS304でフォーカスレンズ用のカウンタの計数値がフォーカスレンズ用に定められた規定値に達していた場合には、ステップS305に進み、駆動禁止フラグがフラッシュROM302_1にセットされているか否かが判定される。
【0252】
駆動禁止フラグがセットされている場合には、ステップS312に進み、ここまでの処理でフォーカスレンズ101_2に異常が見つかっているので、フォーカスレンズ101_2の警告がなされ(ステップS313)、異常の内容が液晶表示パネル27に表示され、しばらく経過した後、デジタルカメラ1は自動的に停止する(ステップS314)。
【0253】
一方、ステップS305で駆動禁止フラグがリセットされている場合には、図6のステップ204で説明した、第1実施形態と同様のフォーカスレンズ診断用プログラムを実行させる(ステップS306)。
【0254】
続いて、フォーカスレンズ診断用プログラムを実行して得られた結果から診断対象のフォーカスレンズ101_2に異常があるか否かの判定を第1実施形態での判定と同様に実行する(ステップS307)。
【0255】
ここで、フォーカスレンズ101_2を診断するステップS306およびステップS307の動作が本発明の診断部の一例の動作に相当する。
【0256】
ここで、フォーカスレンズ診断用プログラムを実行した結果、フォーカスレンズ101_2に動作異常ありの判定がなされた場合には、以下説明する処理を行う(ステップS306)。
【0257】
フォーカスレンズ101_2が上述した往復運動に見込まれる所定のパルス数で戻ってこないという動作異常の場合には、フォーカスレンズ用モータM2に入力するパルス数を増やして、フォーカスレンズ診断用プログラムを再度実行する。
【0258】
また、往復運動に見込まれる所定のパルス数でフォーカスレンズ101_2を移動させ、その所定のパルス数よりも少ないパルス数で戻ってきた場合には、フォーカスレンズ用モータM2に入力するパルス数をその少ないパルス数にして、第1実施形態と同様のフォーカスレンズ診断用プログラムを実行する。
【0259】
続いて、パルス数を変更することで、フォーカスレンズ101_2が正常な状態に復旧ができるか否かの判定がなされる(ステップS309)。
【0260】
パルス数を変更することで、フォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置に戻っている場合には、正常な状態に復旧ができると判定され、ステップS315に進む。そして、変更したパルス数を正常時における所定のパルス数としてフラッシュROM302_1に記憶する(ステップS315)。
【0261】
一方、ステップS308でフォーカスレンズ用のパルス数を変更しても、フォーカスレンズ101_2がホームポジションの位置に戻ってこない場合には、正常な状態に復旧ができずと判定され、フォーカスレンズ101_2について駆動禁止フラグをセットする(ステップS310)。
【0262】
次に、フォーカスレンズ駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルのフォーカスレンズエラーの欄に書き込む(ステップS311)。
【0263】
続いて、ステップS312に進み、ここまでの処理でフォーカスレンズ101_2に異常が見つかった場合には、フォーカスレンズ101_2の警告がなされ(ステップS313)、異常の内容が液晶表示パネル27に表示され、しばらく経過した後、デジタルカメラ1は自動的に停止する(ステップS314)。
【0264】
また、ステップS307でフォーカスレンズ診断用プログラムを実行して得られた結果から診断対象のフォーカスレンズ101_2に異常がなかった場合には、エラー発生情報を初期化するため、表1の状態管理テーブルにおけるフォーカスレンズエラーに対応した診断結果の欄に「異常なし」を書き込む(ステップS316)。
【0265】
次に、フォーカスレンズ用の計数値を初期値に戻す(ステップS317)。フォーカスレンズ用の計数値を初期値に戻すステップS317の動作が本発明にいうリセット部の動作の一例に相当する。
【0266】
続いて、ステップS312に進み、ここまでの処理でフォーカスレンズ101_2に異常が見つからないので、図7に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5のステップS108に戻り、アイリスの異常の有無の判定がなされる。
【0267】
以上、図5に示すフォーカスレンズ101_2に異常ありの判定がされた後の処理について説明を終了し、次に、図5に示すステップS108でアイリス102に異常ありの判定がされた後の処理について説明する。ここで、アイリス102に異常ありの判定結果であった場合には、ステップS117にスキップし、アイリス102の動作に異常が発生したことを示す駆動系エラー発生情報フラグがフラッシュROM302_1にセットされる。続いて、ステップS118に進み、図7に示すサブルーチン‘診断処理’がコールされる。
【0268】
この場合には、ステップS301でアイリス用の駆動系エラー発生情報フラグがセットされていると判定されるので、アイリス用のカウンタの計数値を1加算する(ステップS303)。
【0269】
ここで、アイリス用のカウンタの計数値を加算するステップS303が本発明にいう計数部の一例に相当する。
【0270】
次に、アイリス用のカウンタの計数値がアイリスエラー用に定められた規定値に達しているか否かが判定される(ステップS304)。
【0271】
アイリス用のカウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS312にスキップし、ここまでの処理でアイリス102に異常が見つからないので、図7に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す撮影警告の判定(ステップS109)に戻る。
【0272】
一方、ステップS304でアイリス用のカウンタの計数値がアイリス102用に定められた規定値に達していた場合には、ステップS305に進み、アイリス102用の駆動禁止フラグがフラッシュROM302_1にセットされているか否かが判定される。
【0273】
アイリス102用の駆動禁止フラグがセットされている場合には、ステップS312に進み、ここまでの処理でアイリス102に異常が見つかった場合には、アイリス102の警告がなされ(ステップS313)、異常の内容が液晶表示パネル27に表示され、しばらく経過した後、デジタルカメラ1は自動的に停止する(ステップS314)。
【0274】
一方、ステップS305でこの駆動禁止フラグがリセットされている場合は、第1実施形態と同様のアイリス診断用プログラムを実行させる(ステップS306)。
【0275】
続いて、アイリス診断用プログラムを実行して得られた結果から診断対象のアイリス102に異常があるか否かの判定をする(ステップS307)。
【0276】
ここで、アイリス102を診断するステップS306およびステップS307の動作が本発明の診断部の一例の動作に相当する。
【0277】
ここで、アイリス診断用プログラムを実行した結果、第1実施形態での判定同様、アイリス102に動作異常ありの判定がなされた場合には、以下の処理を行う。
【0278】
CPU300がアイリス102の開口径を拡大させる指示を出しているにもかかわらず、CPU300が第1の信号を受信せず拡大が検出されない場合、アイリスモータM3に入力するパルス数を増加させて、アイリス診断用プログラムを再度実行する。
【0279】
また、CPU300がアイリス102の開口径を縮小させる指示を出しているにもかかわらず、CPU300が第2の信号を受信せず縮小が検出されない場合にも、アイリスモータM3に入力するパルス数を増加させて、アイリス診断用プログラムを再度実行する。
【0280】
続いて、アイリス用のパルス数を変更することで、アイリス102が正常な状態に復旧ができるか否かの判定がなされる(ステップS309)。
【0281】
CPU300が、アイリス102の開口径を拡大させる指示を出したときに第1の信号を受信し、開口径の拡大が検出された場合やアイリス102の開口径を縮小させる指示を出したときに第2の信号を受信し、開口径の縮小が検出された場合には、正常な状態に復旧ができると判定され、ステップS315に進む。そして、変更したパルス数を正常時における所定のパルス数としてフラッシュROM302_1に記憶する(ステップS315)
一方、ステップS309の判定において、CPU300がアイリス102の開口径を拡大させる指示を出しているにもかかわらず、第1の信号を受信せず拡大が検出されない場合や、CPU300がアイリス102の開口径を縮小させる指示を出しているにもかかわらず、第2の信号を受信せず縮小が検出されない場合には、正常な状態に復旧ができずと判定され、アイリス102用の駆動禁止フラグをセットする(ステップS310)。
【0282】
次に、アイリス駆動系に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルのアイリスエラーの欄に書き込む(ステップS311)。
【0283】
続いて、ステップS312に進み、ここまでの処理でアイリス102に異常が見つかった場合には、警告がなされる(ステップS313)。以下の手順は上記と同様であるので重複説明は省略する。
【0284】
また、ステップS307でアイリス診断用プログラムを実行して得られた結果から診断対象のアイリス102に異常がなかった場合には、エラー発生情報を初期化するため、表1の状態管理テーブルにおけるフォーカスレンズエラーの診断結果の欄に異常なしを書き込む(ステップS316)。
【0285】
次に、アイリス102用の計数値を初期値に戻す(ステップS317)。アイリス102用の計数値を初期値に戻すステップS317の動作が本発明にいうリセット部の動作の一例に相当する。
【0286】
続いて、ステップS312に進み、ここまでの処理でアイリス102に異常が見つからないので、図7に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す撮影警告の判定(ステップS109)に戻る。
【0287】
以上より、本発明の第2実施形態のデジタルカメラによれば、制御パラメータを変更して動作確認用のプログラムを実行したときに異常が発生しなければ、今度はその変更後のパラメータを使用することで正常な状態を持続することができる。
【0288】
以上で、本発明の第2実施形態のデジタルカメラについて説明を終了し、本発明の第3実施形態のデジタルカメラについて説明する。
【0289】
なお、この第3実施形態のデジタルカメラは、フォーカスレンズについての図5のステップS107の異常検出およびステップS108の判定と、‘診断処理’とを除いて、第1実施形態のデジタルカメラと同様であるので、第1実施形態における‘診断処理’を示すフローチャート(図6)に替えて第3実施形態における‘診断処理’を示すフローチャート(図8)を採用し、図1から図4まで、さらには、図5についても、そのまま流用して説明する。
【0290】
この第3実施形態では、フォーカスレンズにおける、図5のステップS107の異常検出部114のチェックは、機械的動作をチェックするのではなく、図5のステップS106のAFの処理で検出された画像のピント情報に基づいてフォーカスレンズ101_2が動いた結果ピント情報を検出してピント状態のチェックを行う。
【0291】
図5のステップS108の判定では、ピント状態がより良くなるはずなのに、ピントが合っていない場合には、異常ありと判定し、ピントが合っている場合には、異常なしと判定する。
【0292】
ここで、一般的には、異常検出部114がピントの異常を検出しても、実際には、フォーカスレンズ101_2の動作に異常があるのでなく、アイリス102もしくはズームレンズ101_1の動作異常が原因でフォーカスレンズ101_1の機械的な動作確認用のプログラムを実行してそのプログラムの実行時に異常が発生しなかった場合には、フォーカスレンズ101_2のピント異常を誘発している可能性のあるアイリス102、ズームレンズ101_1についても動作確認用のプログラムの実行して診断を行うのが、第3実施形態のデジタルカメラである。
【0293】
以下、フローチャートを用いて説明する。
【0294】
図8は、第3の実施形態における‘診断処理’を示すフローチャートである。
【0295】
このフローチャートは、図5に示すステップS118の診断処理のサブルーチンコールによって開始されるものである。
【0296】
ここで、この図8に示すサブルーチン‘診断処理’が、図5に示すステップS108でフォーカスレンズ101_1に異常ありの判定がなされてステップS117にスキップし、駆動系エラー発生情報フラグがフラッシュROM302_1にセットされ、ステップS118に進んでコールされた場合には、まず駆動系エラー発生情報フラグがセットされているか否かが判定される(ステップS401)。
【0297】
ここで、駆動系エラー発生情報フラグがセットされているので、フォーカスレンズ用のカウンタの計数値を1加算する(ステップS403)。
【0298】
このフォーカスレンズ用のカウンタの計数値を加算するステップS403の動作が本発明にいう計数部の一例の動作に相当する。
【0299】
次に、フォーカスレンズ用のカウンタの計数値がフォーカスレンズエラー用に定められた規定値に達しているか否かが判定される(ステップS404)。
【0300】
フォーカスレンズ用のカウンタの計数値が規定値に達していなかった場合には、ステップS408に進み、この場合はここまでの処理で、フォーカスレンズ101_2に異常は見つからないので、図8に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す、アイリスの判定(ステップS108)に戻る。
【0301】
一方、ステップS404でフォーカスレンズ用のカウンタの計数値が規定値に達していた場合には、第1実施形態におけるフォーカスレンズ用の診断プログラムと同様のフォーカスレンズ用診断プログラムが実行される(ステップS405)。
【0302】
次に、フォーカスレンズ用診断プログラムが実行した結果から診断対象のフォーカスレンズに異常があるか否かの判定が第1実施形態における判定と同様になされる(ステップS406)。
【0303】
ここで、記録媒体の記録動作を診断するステップS405およびステップS406の動作が本発明にいう診断部の一例の動作に相当する。
【0304】
フォーカスレンズに異常ありの判定がなされた場合には、その旨の内容を表1の状態管理テーブルにおけるフォーカスレンズエラーの診断結果の欄に書き込む(ステップS407)。
【0305】
一方、フォーカスレンズに異常なしの判定がなされた場合には、ステップS411に進み、以下説明するように、フォーカスレンズ101_2の異常を誘発するおそれのある可動光学部材として関連付けられた診断箇所が全て終了したかの判定が行なわれる。
【0306】
以下説明する関連付けテーブルに挙げられている診断箇所のうち未診断箇所が残っている場合には、ステップS412に進み、次の診断箇所を表2の関連付けテーブルから決定する。
【0307】
この新規の診断箇所の選択は以下に示す表2に基づいて決定される。
【0308】
表2は、フォーカスレンズエラーの関連付けテーブルを表す表である。
【0309】
【表2】

【0310】
この表2は、表1の状態管理テーブルと同様、フラッシュROM302_1内で管理されているフォーカスレンズエラーの関連付けテーブルであり、上述したフォーカスレンズ診断用プログラム実行時に異常なしの判定がなされた場合、診断箇所を診断する順番を表わしている。ここに示す例では、アイリス102、ズームレンズ101_1の順番で診断を行うことを意味している。表2において、診断結果のフラグが‘0’である場合には、その診断箇所は異常なしを表わし、診断結果のフラグが‘1’である場合には、その診断箇所は異常ありを表わしている。診断結果のフラグをセットすると‘1’になり、リセットすると‘0’になる。表2は、診断前の初期状態の表である。
【0311】
まず、ステップS412では、表2にしたがって次の診断箇所として、まずアイリス102が決定され、ステップS405の診断に戻り、アイリス102の異常の有無を診断するために、第1実施形態で図6のステップS204で説明したアイリス102の診断と同じ診断がなされる。
【0312】
第1実施形態と同様のアイリス用診断プログラム実行させた結果、アイリス102が異常ありの場合には、アイリス102の診断結果のフラグをセットし、アイリス102に異常ありという診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるアイリスエラーの診断結果の欄に書き込む(ステップS407)。
【0313】
一方、ステップS405でアイリス診断用プログラム実行した結果、アイリス102が異常なしの場合には、ステップS411に進み、関連付けテーブルに挙げられている診断箇所の全てについて診断がなされたか否かの判定が行なわれる(ステップS411)。この場合には、関連付けテーブルに挙げられている診断箇所のうち未診断箇所が残っているので、次の診断箇所を表2の関連付けテーブルから決定する(ステップS412)。
【0314】
即ち、次の診断箇所としてズームレンズが決定され(ステップS412)、ズームレンズ101_1の動作に異常があるか否かの診断がなされる(ステップS405)。
【0315】
ここでは、第1実施形態におけるズームレンズ診断用プログラムと同様のズームレンズ診断用プログラムを実行した結果、ズームレンズ101_1が異常であれば、ズームレンズの診断結果のフラグをセットし、その診断結果を表1の状態管理テーブルにおけるズームレンズエラーの診断結果の欄に書き込む(ステップS407)。
【0316】
一方、ステップS405でズームレンズ診断用プログラムを実行した結果、ズームレンズ101_1に異常がなければ、表2に示す関連付けテーブルに挙げられている診断箇所について全て診断が終了しているので、ステップS408に進む。アイリス102もしくはフォーカスレンズ101_2について異常が見つかった場合には、アイリス102の警告がなされ(ステップS313)、異常の内容が液晶表示パネル27に表示され、しばらく経過した後、デジタルカメラ1は自動的に停止する(ステップS314)。
【0317】
一方、ステップS408で、ここまでの処理でアイリス102、フォーカスレンズ101_2について異常がなかった場合には、図8に示すサブルーチン‘診断処理’を終了して、図5に示す撮影警告有りか否かの判定のステップS109に戻る。
【0318】
このような処理を実行することで、フォーカスレンズエラーに関連付けられた箇所に異常があれば、異常箇所が正確に特定される。
【0319】
以上より、本発明の第3実施形態のデジタルカメラによれば、可動光学部材について異常箇所が正確に特定される。
【0320】
なお、本発明にいう可動光学部材は、これらのズームレンズ101_1、フォーカスレンズ101_2、およびアイリス102に限られず、例えば、CCD103への照射時間を制限する機械式のシャッタであってもよい。
【0321】
なお、本発明における撮影装置内の複数の所定箇所として、記録媒体、ズームレンズ、フォーカスレンズ、アイリスを例に挙げて説明したが、本発明において、これらの所定箇所に限るものではなく、他の所定箇所を追加してもよい。また、本実施形態では、記録媒体の異常に関しては、記録媒体の装着状態や記録媒体への記録の有無を診断したが、本発明において、例えば、記録媒体のフォーマットの異常の有無を診断する診断項目を追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0322】
【図1】レンズ鏡胴が沈胴状態下にあるデジタルカメラの、前方斜め上から見たときの外観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラと同一のカメラであって、レンズ鏡胴が繰出状態下にあるデジタルカメラの、前方斜め上から見たときの外観斜視図である。
【図3】図1に示すデジタルカメラの、後方斜め上から見たときの外観斜視図である。
【図4】図1に示すデジタルカメラの内部の構成を示す図である。
【図5】デジタルカメラの電源投入操作を受けて開始される撮影動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第1の実施形態における‘診断処理’を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における‘診断処理’を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態における‘診断処理’を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0323】
1 デジタルカメラ
10 レンズ鏡胴
11 デジタルカメラ1の前面
12 閃光発光窓
13 ファインダ対物窓
14 デジタルカメラの上面
15 レリーズボタン
20 操作部
21 デジタルカメラの背面
22 電源ボタン
22_1 電源部
23 モードスイッチ
24 メニュー切替および実行キー
25 広角ズームキー
26 望遠ズームキー
27 液晶表示パネル
28 ファインダ接眼窓
29 スピーカ
30 エラー表示LED
31 側面
32 記録媒体装填口
101_1 ズームレンズ
101_2 フォーカスレンズ
102 アイリス
103 CCD
104 V−DRV
105 CDS
106 GC
107 A/D変換部
108 画像入力コントローラ
109 画像信号処理部
110 TG
111 圧縮/伸長部
112 AF検出部
113 AE/AWB検出部
114 異常検出部
200 光学系制御部
201 ズームレンズ用モータドライバ
202 フォーカスレンズ用モータドライバ
203 シャッタモータドライバ
204 アイリス用モータドライバ
300 CPU
301 メディア制御部
301_1 記録媒体
302 メモリ制御部
302_1 フラッシュROM
302_2 SDRAM
303 LCD制御部
304 画像エンコード部
305 音声出力処理部
401 閃光発光制御部
402 電源制御部
403 電源部
404 電子ボリューム
M1 ズームレンズ用モータ
M2 フォーカスレンズ用モータ
M3 アイリス用モータ
S1 ズームレンズ用センサ
S2 フォーカスレンズ用センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影操作に応じて被写体像から画像データを生成し、生成した画像データを、着脱自在に装着された記録媒体に記録する撮影装置において、
撮影操作に応じて、撮影装置内の複数の所定箇所それぞれについて異常の有無を検出する検出部と、
前記検出部で異常が検出された回数を所定箇所ごとに計数するカウンタを有する計数部と、
前記計数部で計数された計数値が所定箇所ごとに定められた規定値に達した場合には、規定値に達した要確認箇所について動作確認用のプログラムを実行して、該プログラムの実行時に異常が発生するか否かを診断する診断部と、
前記診断部の診断結果を記憶する記憶部とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記診断部での異常が発生しなかった旨の診断結果を受けて、前記要確認箇所の計数値を初期値に戻すリセット部を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記計数部が、前記リセット部によりリセットされるカウンタに加え、さらに、前記計数値を所定箇所ごとに累積する累積カウンタを有し、
前記診断部は、前記累積カウンタの計数値が所定箇所ごとに定められた累積閾値を超えた場合には、該累積閾値を超えた箇所について異常ありの診断結果を前記記憶部に記憶するものであることを特徴とする請求項2記載の撮影装置。
【請求項4】
被写体光を結像させる、可動部を有する撮影光学系を有し、
前記診断部は、前記撮影光学系の可動部が前記要確認箇所であって該可動部について前記プログラムを実行して該プログラムの実行時に異常が発生した場合には、該可動部を制御するための制御パラメータを変更して該プログラムを再度実行し、該プログラムの再度実行時に異常が発生するか否かを診断するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項5】
前記診断部は、前記プログラムの再度の実行時にもさらに異常が発生した場合には、前記可動部について該プログラムの実行を停止するものであることを特徴とする請求項4記載の撮影装置。
【請求項6】
被写体光を結像させる、複数の可動光学部材を含む撮影光学系を有し、
前記診断部は、複数の可動光学部材のうちのいずれか1つの可動光学部材が前記要確認箇所であって該1つの可動光学部材について前記プログラムを実行して該プログラムの実行時に異常が発生しなかった場合には、前記要確認箇所である可動光学部材とは別の可動光学部材について該プログラムを実行し、該プログラムの実行時に異常が発生した場合には、異常が発生した可動光学部材について異常ありの診断結果を前記記憶部に記憶するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−32910(P2008−32910A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204759(P2006−204759)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】