撮影装置
【課題】通常の作動状態から省電力のスタンバイ状態に移行した撮影装置を容易に通常の作動状態に復活させることを可能とするとともに、通常の作動状態への意図しない復活によって無駄な電力消耗を生じるのを抑制する。
【解決手段】水中撮影可能なデジタルカメラ100は水検出センサ116、圧力センサ112を有し、カメラ100が水中にあるか否かを判定可能に構成される。カメラ100はタップ操作許可モードを有し、このモードではユーザによる加振操作を振動検出部400で検出した結果に基づいてカメラ100の動作が変化する。加振操作を検出してスタンバイ状態から通常の作動状態への復帰も可能に構成される。このとき、カメラ100が水中に無い場合には加振操作を検出しても通常の作動状態への復活は行われず、水中にある場合には加振操作を検出して通常の作動状態へ復帰する。
【解決手段】水中撮影可能なデジタルカメラ100は水検出センサ116、圧力センサ112を有し、カメラ100が水中にあるか否かを判定可能に構成される。カメラ100はタップ操作許可モードを有し、このモードではユーザによる加振操作を振動検出部400で検出した結果に基づいてカメラ100の動作が変化する。加振操作を検出してスタンバイ状態から通常の作動状態への復帰も可能に構成される。このとき、カメラ100が水中に無い場合には加振操作を検出しても通常の作動状態への復活は行われず、水中にある場合には加振操作を検出して通常の作動状態へ復帰する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影装置に関し、撮影装置本体を振る、叩くといった振動を与えることにより操作が可能なユーザインタフェースを有する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラのモード切替等の操作はユーザがカメラに設けられた操作ボタンを操作することによるのが一般的である。ところが、カメラの小型化が進むにつれて、上述した操作ボタンの配設スペースが足りなくなってくることがある。この問題を解決するため、特許文献1には、カメラに加えられた振動を検出し、その検出した振動に基づいて操作ボタンを操作したときと同様の指令信号を出力可能なカメラが開示されている。
【0003】
また、電池を電源として作動するカメラ等の小型の電子装置は、電池消耗を抑制することを目的として、操作が一定時間行われなかったことを検出すると省電力作動状態へ移行するように構成されているものがある。この省電力作動状態は、スタンバイ状態(スタンバイモード)、ハイバネーション状態(ハイバネーションモード)などと称される。省電力作動状態にある電子装置は、操作部材が操作されたことを検出する機能を残して、その他の機能を停止させることにより消費電力を低減する。そして、操作部材が操作されたことを検出すると直ちに通常の作動状態に復帰することが可能に構成されている。このように構成されることにより、ユーザが電子装置の使用後に電源を切るのを忘れても、操作が一定時間行われていないことを検出して自動的に省電力作動状態へ移行し、無駄な電池消耗を抑制することが可能となる。
【特許文献1】特開2000−125184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した省電力作動状態から通常の作動状態に復帰するきっかけとして、操作部材が操作されたことを検出するのに加えて、電子装置に加えられた振動を検出することも有効である。すなわち、ユーザは電子装置の操作部材を操作するか、或いは電子装置に振動を加えることにより省電力作動状態にある電子装置を通常の作動状態に復帰させることができれば、操作性が向上する。
【0005】
ところで、水中での使用が可能な電子装置として、防水ハウジング等を用いることなく、単体での水中で撮影動作が可能な、防水機能を有するカメラがある。しかし、防水機能を有するカメラは、陸上(空気中)での使用も考慮してダイヤル、押しボタン、スライドレバー等の操作部材が設計されている。水中では、ユーザが水中マスクや手袋を装着していたり、撮影者(ユーザ)に浮力や水圧、或いは水流が作用したりすることにより、操作性が低下する。このような水中での撮影動作が可能なカメラで、ユーザがカメラに振動を加えて操作可能に構成することにより、操作性を向上させることが可能となる。
【0006】
また、防水機能を有していないカメラを防水ハウジングに収納して水中で撮影動作をする場合、カメラに備えられる操作部材を防水ハウジングの外側から操作可能とするためには、防水ハウジングに設けられる操作部材の動きを、防水ハウジング内に収容されるカメラの操作部材に伝えるためのリンク部材が必要となる。このとき、カメラに備えられる全ての操作部材を防水ハウジングの外側から操作可能とするためには、多くの操作部材やリンク部材を防水ハウジング内に設ける必要がある。そのようにすると、防水ハウジングの構造は複雑となり、防水ハウジング自体も大きくなる。また、リンク部材が介在することにより、操作性が低下する場合がある。これに対し、ユーザがカメラに振動を加えて操作可能に構成することにより、カメラ操作に必要な操作部材の数を減らすことができ、防水ハウジングの構成も単純化可能となる。
【0007】
ところが、電子装置に加えられた振動を検出して省電力作動状態から通常の作動状態に復帰させるようにした場合、問題を生じる場合がある。例えばユーザが電子装置をケースや鞄等に収納する際に電源を切るのを忘れたと仮定する。この状態で電子装置を携帯すると、電子装置に振動が加わる場合がある。この振動を、省電力作動モード中の電子装置が検出すると通常の作動モードに復帰してしまう。電子装置に対して振動が断続的に加わると、省電力状態を安定して維持できず、電池の無駄な消耗を抑止することができない。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、カメラの操作性向上と電力消費の抑制とを達成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明の第1の態様は、通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置に適用される。そしてこの撮影装置が、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作を検出するユーザ操作検出部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記撮影装置の作動状態を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記ユーザ操作または前記加振操作が最後に行われてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、
前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに、前記加振操作には応答せず、前記ユーザ操作には応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成されることにより上述した課題を解決する。
(2) 本発明の第2の態様において、通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置が、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動が所定の閾値を超したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される閾値である第1の閾値よりも大きい値を有する閾値である第2の閾値に設定するように構成される。
(3) 本発明の第3の態様において、通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置が、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動のパターンが所定の判定パターンと略一致したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の判定パターンを、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される判定パターンである第1のパターンと異なる第2のパターンに設定するように構成される。
【発明の効果】
【0010】
(1) 本発明の第1の態様によれば、影装置がスタンバイ状態にあるときに、ユーザが撮影装置に振動を与える操作である加振操作には応答せず、撮影装置に備えられる操作スイッチをユーザが操作する動作であるユーザ操作には応答して撮影装置の作動状態をスタンバイ状態から通常作動状態に切り替えるように構成されることにより、主電源を切り忘れた状態で撮影装置を持ち運ぶような状況で、待ち運び中の振動で撮影装置がスタンバイ状態から通常の作動状態に復帰してしまって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
(2) 本発明の第2の態様によれば、撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、加振操作判定部で加振操作が行われたと判定する際の所定の閾値を、撮影装置が通常作動状態にあるときに設定される閾値である第1の閾値よりも大きい値を有する閾値である第2の閾値に設定するように構成されることにより、スタンバイ状態にある撮影装置を加振操作によっても通常の作動状態に復帰させることが可能で操作性が向上する。このとき、上記第2の閾値は第1の閾値よりも大きい値に設定されるので、主電源を切り忘れた状態で撮影装置を持ち運ぶような状況で、待ち運び中の振動で撮影装置がスタンバイ状態から通常の作動状態に復帰しにくくなるので、通常の作動状態への意図しない復帰が抑制され、したがって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
(3) 本発明の第3の態様によれば、撮影装置がスタンバイ状態にあるときには、加振操作判定部で加振操作が行われたと判定する際の所定の判定パターンを、撮影装置が通常作動状態にあるときに設定される判定パターンである第1のパターンと異なる第2のパターンに設定するように構成されるので、スタンバイ状態にある撮影装置を加振操作によっても通常の作動状態に復帰させることが可能で操作性が向上する。このとき、上記第1のパターンはより簡単な加振操作に対応したものとすることで撮影装置の操作性を向上させることができる。そして、上記第2のパターンは第1のパターンとは異なって、持ち運び中に生ずる振動との弁別が容易なパターンとすることが可能となる。その結果、主電源を切り忘れた状態で撮影装置を持ち運ぶような状況で、待ち運び中の振動で撮影装置がスタンバイ状態から通常の作動状態に復帰しにくくなるので、通常の作動状態への意図しない復帰が抑制され、したがって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明が適用されるデジタルカメラ100の概略的構成を示す外観斜視図であり、デジタルカメラ100の正面側(撮影時に被写体に向けられる側)から見た様子を示す図である。図2は、同じくデジタルカメラ100の概略的構成を示す外観斜視図であり、デジタルカメラ100の背面側(撮影時にデジタルカメラ100のユーザと向き合う側)から見た様子を示す図である。デジタルカメラ100は、外装部材が水密に構成されており、水中において通常稼働が可能な構成を有する、いわゆる防水仕様を有する。図1、図2には、互いに直交するX、Y、Zの座標軸を示してある。これらの座標軸は、ユーザがデジタルカメラ100を横位置(撮影画面が一般的な横長のアスペクト比を有するものと仮定して、撮影画面の長辺が水平線と略平行になるような構図)で構えた場合に、水平線と平行な方向にX軸の向きが、鉛直線と平行な方向にY軸の向きが、そしてX軸およびY軸の両方と直交する向きにZ軸の向きが定められているものとする。以下の説明中では、例えばX軸に沿う方向を「X軸方向」と称する。
【0012】
また、上記の通常稼働とは、デジタルカメラ100が、ユーザによる撮影操作に基づいて少なくとも撮影動作を実行することが可能なことを意味するものとする。すなわち、水中においては機能が制限され、撮影して得られた画像を表示する再生動作や、撮影画角の変更(変倍動作)が不可能な構成のデジタルカメラであっても、水中において通常稼働が可能なデジタルカメラの範疇に入るものとする。
【0013】
図1および図2を参照して説明すると、デジタルカメラ100は、撮影レンズ102と、閃光発光装置104と、パワースイッチ106と、レリーズスイッチ108と、圧力センサ112と、加速度センサ(振動センサ)114と、水検出センサ116と、再生スイッチ120と、メニュースイッチ122と、タップ操作許可スイッチ124と、ズーム指示スイッチ126および128と、十字キースイッチ130と、表示装置132とを有する。
【0014】
撮影レンズ102は、変倍動作に際してレンズエレメントがデジタルカメラ100の本体から突出しない構成のものを用いることがデジタルカメラ100の水密性を高める上で望ましい。閃光発光装置104は、撮影時、必要に応じて発光して被写体に光を照射するためのものであり、高圧放電回路とキセノン管とを有して構成されるものであっても良いし、高輝度LED等の発光部を有して構成されるものであってもよい。
【0015】
ここで、デジタルカメラ100が有する上述した要素のうち、各種スイッチ類について先に説明する。以下に説明する各種のスイッチは、デジタルカメラ100のユーザによる操作を受付可能に構成される。
【0016】
パワースイッチ106は、デジタルカメラ100の起動およびシャットダウンを指示するためのスイッチである。レリーズスイッチ108は、撮影動作の開始指示をするためのスイッチである。ズーム指示スイッチ126および128は、デジタルカメラ100が撮影モードに設定されているときに撮影レンズ102の変倍動作を指示するためのスイッチである。ズーム指示スイッチ126および128はまた、デジタルカメラ100が再生モードに設定されているときに、表示装置132に表示される画像を拡大して表示したり縮小して表示したりする操作をするためのものとして用いられる。
【0017】
再生スイッチ120は、画像記録モードにあるデジタルカメラ100を再生モードへ切り替える動作、或いは再生モードにあるデジタルカメラ100を画像記録モードへ切り替える動作を指示するためのスイッチである。メニュースイッチ122は、画像記録モード、或いは再生モードにおけるデジタルカメラ100の各種設定の変更指示をするためのメニュー画面を呼び出す指示をするためのスイッチである。メニュースイッチ122はまた、表示装置132にメニュー画面を表示するのを中止する指示をする際にも用いられる。
【0018】
十字キースイッチ130は、メニュースイッチ122が操作されてメニュー画面が表示装置132に表示されているときに操作して、デジタルカメラ100の各種設定の変更指示をするためのスイッチである。十字キースイッチ130はまた、デジタルカメラ100が画像記録モードに設定されているときに、閃光発光装置104の発光モード(発光禁止、自動発光、強制発光など)の切り替えや、遠景撮影モード、マクロ撮影モード、セルフタイマ撮影モード等の設定変更指示をするためのスイッチとしても用いられる。十字キースイッチ130はさらに、デジタルカメラ100が再生モードに設定されているときに、サムネール画像中からユーザが表示対象の画像を選択する操作や、表示画像を一駒進めたり戻したりする操作をする際にも用いられる。
【0019】
タップ操作許可スイッチ124は、ユーザによるタップ操作の受け付けを可能とするモード(タップ操作許可モード)と、タップ操作の受け付けを禁止するモード(タップ操作禁止モード)との間で切り替え操作をするためのスイッチである。なお、タップ操作については後で詳述する。本明細書中では、デジタルカメラ100に備えられる上述した各種の操作スイッチをユーザが操作することを「ユーザ操作」と称する。また、以下の説明中でスイッチを個別に特定する必要が無い場合には、上述したスイッチを「操作スイッチ」と称する。すなわち、「ユーザ操作」は、デジタルカメラ100に備えられる操作スイッチのいずれかをユーザが操作することを意味するものとする。この操作スイッチは、後に参照する図3において符号332が付されている。
【0020】
続いて、デジタルカメラ100が有する他の構成要素について説明する。圧力センサ112は、本実施の形態では、シリコンダイアフラムを用いた、いわゆる半導体式圧力センサを用いるものとする。この圧力センサ112のダイアフラム110は、デジタルカメラ100に加わる圧力を検出可能な位置に配設されている。半導体式圧力センサの構成は公知であるので詳細な説明は省略し、概略的構成について説明する。圧力センサ112のダイアフラム110には、ブリッジ抵抗回路が形成されており、圧力を受けて生じるダイアフラム110の変形量を、ブリッジ抵抗回路における電圧の変化量によって検出可能とするものである。なお、圧力センサ112は半導体式のものに限られるものではなく、静電容量式等の他の方式を用いたものであってもよい。
【0021】
水検出センサ116は、デジタルカメラ100が水中や水際等、水に接する環境に存在するか否かを検出するためのものである。本実施の形態では、水検出センサ116は電極118Aおよび118Bを有し、これらの電極118A、118Bはデジタルカメラ100が水に接する環境に存在する場合に水に漬かる箇所に配設されている。これらの電極118A、118B間の抵抗値が変化するのに応じて、デジタルカメラ100が水に接する環境にあるか否かを判定することが可能となる。例えば、デジタルカメラ100が空気中にある場合には、これらの電極118A、118B間の抵抗値は略無限大となる。一方、これらの電極118A、118Bが水に没している状態では、上記抵抗値は、電極118A、118Bが空気中にある場合に比して小さくなる。このように、電極118A、118B間の抵抗値の検出結果に基づいて、デジタルカメラ100が水に接する環境に存在するか否かを検出することが可能となる。
【0022】
上述した圧力センサ112のダイアフラム110と水検出センサ116の電極118Aおよび118Bとは、ユーザがデジタルカメラ100を操作する場合に、上記圧力の検出や水の検出を妨げることの無いような位置に配設することが望ましい。例えば、ユーザがデジタルカメラ100を保持したときに指の掛からない位置に設けることが望ましい。或いは、スリット、メッシュ等を有するカバーで上記ダイアフラム110、電極118Aおよび118Bを覆い、ユーザの指が掛かっても上記検出に影響を及ぼさないように構成されていてもよい。
【0023】
加速度センサ114は、デジタルカメラ100に対して加わる振動を検出可能に構成される。この加速度センサ114は、ユーザによってデジタルカメラ100に与えられる加振操作によって生じる振動を検出可能に構成される。この加振操作とは、本明細書においては、ユーザがデジタルカメラ100を指先やペン等で軽く叩く操作、手のひら等に当てる操作、揺する操作、振る操作、回転させる操作等を意味する。
【0024】
加速度センサ114としては、MEMES(micro electro mechanical systems)を用いたものがすでに実用化されている。MEMSを用いた加速度センサでは、図1、図2に示したX、Y、Z軸方向に生じる加速度を検出可能に構成されるセンサが単一のシリコン基板上に形成されている。また、上記のX、Y、Z軸方向に生じる加速度のみならず、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りに生じる動きも検出可能なセンサもまた実用化されている。加速度センサ114は、ユーザによる上記加振操作を検出可能なようにデジタルカメラ100内に配設される。
【0025】
ところで、カメラに加わる振動(手ぶれ)をジャイロスコープで検出し、撮影光学系の一部、或いは撮像素子を撮影光学系の光軸と直交する平面内で移動させ、手ぶれによって生ずる像ブレを減じる手ぶれ補正システムがすでに商品化されている。デジタルカメラ100がこのような手ぶれ補正システムを有するものである場合、上述した加振操作を検出する専用の加速度センサを設けるのに代えて、上記手ぶれ補正システム用に組み込まれたジャイロスコープで加振操作を検出するようにしてもよい。
【0026】
デジタルカメラ100は、ユーザによる上記加振操作により生じる振動を検出し、検出された振動に基づいてユーザの操作を受け付けることが可能に構成される。例えば、十字キースイッチ130を直接押下するのに代えて、ユーザがデジタルカメラ100を上下(Y軸方向)左右(X軸方向)に振ったり、図1に示すX軸回、Y軸回り、或いはZ軸回りに揺動させたりしてデジタルカメラ100の各種設定を変更する操作をすることが可能である。同時に、或いは別の例では、ズーム指示スイッチ126、128を直接押下するのに代えて、例えばデジタルカメラ100を2回続けて叩くとズームアップ動作が行われ、1回だけ叩くとズームダウン動作が行われるようにすると云った操作をすることも可能である。
【0027】
以上のように、ユーザが行うことの可能な加振操作としては様々なものがあるが、以下では説明を単純化することを目的として、デジタルカメラ100はユーザによる上記加振操作としてデジタルカメラ100を軽く叩く操作、すなわちタップ操作を受付可能に構成されるものとして説明をする。ユーザがタップ操作許可スイッチ124を操作してデジタルカメラ100をタップ操作許可モードにすると、ユーザは上述した各種スイッチの操作に加えてタップ操作によってもデジタルカメラ100を操作することが可能となる。
【0028】
図1、図2において図示はしていないが、デジタルカメラ100の側面部や底部等には
、デジタルカメラ100の電源である電池を収納する電池収容室、撮影して得られた画像データを記録するためのメモリカードを収容するメモリカード収容室、そしてパーソナルコンピュータ、画像データストレージ装置、プリンタ等の外部装置と通信を行うためのケーブルを装着するためのUSB(Universal Serial Bus)端子等が備えられる。
【0029】
図3は、デジタルカメラ100の内部構成を概略的に示すブロック図である。デジタルカメラ100の動作を制御するための制御部として機能するシステムコントローラ300は、CPU303と、以下に説明する複数の機能ブロックとを有して構成される。この、複数の機能ブロックには、電力制御部302と、画像処理部304と、画像圧縮伸長部306と、外部メモリインターフェース部308と、入出力部(I/O)310と、割り込み制御部312と、タイマカウンタ314と、A/Dコンバータ316と、D/Aコンバータ318と、クロック部320とを含む。CPU303と上記機能ブロックとは、制御ラインやバスラインを介して互いに接続されている。また、図3においてこれらの機能ブロックは、CPU303と別体に描かれているが、CPU303の内部に設けられるものであってもよい。
【0030】
システムコントローラ300には、撮像素子インターフェース回路336を介して撮像素子335が、抵抗値検出回路352を介して水検出センサ116が、電力回路322を介してバッテリー324が、表示制御部326を介して表示装置132が接続される。システムコントローラ300にはまた、時計回路338、メモリカード340、DRAM342、フラッシュメモリ344、圧力センサ112、USBコントローラ328、操作スイッチ332、発振子334、振動検出部400等が接続される。
【0031】
撮像素子335は、CCD、或いはC−MOS等で構成され、撮影レンズ102によって形成される被写体像を光電変換して画像信号を生成する。撮像素子インターフェース回路336は、撮像素子335を駆動し、撮像素子335から出力される画像信号を画像データに変換する。
【0032】
システムコントローラ300の内部構成について説明する。電力制御部302は、システムコントローラ300内におけるCPU303や各機能ブロックで必要とされる電力を、CPU303からの指令に基づいて制御する。
【0033】
CPU303は、システムコントローラ300の中核を成し、以下に説明する機能ブロックを統括的に制御する。画像処理部304は、撮像素子インターフェース回路336から出力される画像データにγ補正、色変換、デモザイキング等の処理をし、画像圧縮伸長部306に出力する。画像処理部304はまた、デジタルカメラ100が撮影準備状態(デジタルカメラ100が画像記録モードに設定されていてユーザがデジタルカメラ100を被写体に向けている状態)にあるときに撮像素子インターフェース回路336から入力した表示用の画像データを毎秒30フレーム、或いは毎秒60フレームなどといったフレームレートで処理し、表示制御部326に出力する。表示制御部326は、画像処理部304から出力される画像に基づく画像を表示装置132に表示する処理を行う。このとき表示装置132に表示される画像はスルー画像、或いはライブビュー画像と称される。
【0034】
画像圧縮伸長部306は、画像処理部304から出力された画像データを圧縮し、外部メモリインターフェース部308を介してメモリカード340に記録する。画像圧縮伸長部306はまた、デジタルカメラ100が画像再生モードに設定されているときに、外部メモリインターフェース部308を介してメモリカード340から読み込んだ圧縮画像データを伸長し、表示制御部326に出力する。表示制御部326は、画像圧縮伸長部306から入力した画像データに基づく画像を表示装置132に表示する。
【0035】
外部メモリインターフェース部308は、システムコントローラ300内のバスとメモリカード340とのインターフェース機能を有するのに加え、上記バスとDRAM342、フラッシュメモリ344とのインターフェース機能も有する。
【0036】
DRAM342は、画像処理部304、画像圧縮伸長部306が上述した処理をする際の作業領域として用いられる。フラッシュメモリ344に記録される制御プログラム346は、DRAM342上に読み出され、CPU303によって実行される。
【0037】
入出力部310は、システムコントローラ300に電気的に接続された時計回路338、抵抗値検出回路352、圧力センサ112、USBコントローラ328、操作スイッチ332、振動検出部400とCPU303との間で行われるデータや制御信号の授受を行うためのものである。
【0038】
割り込み制御部312は、ユーザによる操作スイッチ332の操作、ユーザによるタップ操作、タイマカウンタ314での計時完了等の事象が発生したときにCPU303へ割り込み信号を発することが可能に構成される。タイマカウンタ314は、クロック部320から出力されるクロック信号をカウントしてシステムコントローラ300によるシステム制御に必要なタイミング信号を生成する。
【0039】
クロック部320は、システムコントローラ300に電気的に接続された発振子334から出力される信号をもとに、システムコントローラ300の作動に必要な周波数のクロックを生成する。クロック部320で生成されたクロック信号は、クロック信号の入力を必要とする機能ブロックに出力される。
【0040】
A/Dコンバータ316は、システムコントローラ300に電気的に接続される抵抗値検出回路352、圧力センサ112、振動検出部400等から出力されるアナログ信号を入力してデジタル信号に変換する。D/Aコンバータ318は、CPU303から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。本実施の形態においてD/Aコンバータ318からのアナログ出力信号は、後で図4を参照して説明するように振動検出部400に出力される。
【0041】
以上のように構成されるシステムコントローラ300は、フラッシュメモリ344に記録される制御プログラム346をCPU303が解釈・実行することによりデジタルカメラ100の動作を統括的に制御する。
【0042】
続いて、システムコントローラ300に接続される構成要素について説明する。電力回路322は、DC/DCコンバータを含んでおり、CPU303や電力の供給を必要とする機能ブロックに対して電力を分配(供給)する。このとき電力回路322は、電力を供給する対象のシステムコントローラ300や機能ブロックのそれぞれで必要とする電圧に昇圧、或いは降圧する。電力回路322による電力の分配は、システムコントローラ300から出力される指令信号に基づいて制御される。バッテリー324は、一次電池であっても二次電池であってもよい。
【0043】
表示装置132は、液晶表示パネル、或いは有機EL表示パネルなどを有し、カラー画像やアイコン、文字等を表示可能に構成される。表示制御部326は、表示装置132を駆動して、上記の画像やアイコン、文字等を表示する。
【0044】
USBコントローラ328は、デジタルカメラ100と、USBケーブルを介して電気的に接続される外部装置、たとえばパーソナルコンピュータ、画像データストレージ装置、プリンタなどとの間で行われるデータの送受信の制御を行うためのものである。
【0045】
操作スイッチ332は、先にも説明したように、図1或いは図2に示される各種のスイッチを総称したものであり、タクトスイッチ、ダイヤルスイッチ、タッチセンサ式のスイッチ、或いはスライドスイッチ等で構成される。発振子334は、水晶発振子、或いはセラミック発振子等で構成され、発振によって生成された信号をシステムコントローラ300内のクロック部320に出力する。
【0046】
時計回路338は、年月日時分秒の時間データを生成してシステムコントローラ300へ出力する。メモリカード340は、不揮発性の半導体メモリや小型のハードディスクドライブ等を有して構成され、デジタルカメラ100に着脱自在に装着される。
【0047】
フラッシュメモリ344は、デジタルカメラ100内に内蔵される不揮発性の半導体メモリである。このフラッシュメモリ344には、CPU303で実行される制御プログラム346、圧力センサ112で計測された圧力(水圧)の履歴を記録したデータであるログデータ348、デジタルカメラ100で設定された撮影パラメータ、デジタルカメラ100の個体差に対応して調整されたパラメータ、そして累計撮影コマ数、画像データに付与されるファイル名中に含まれるシリアルナンバー、画像データを記録するフォルダ名を特定する情報等を含む制御パラメータ350などが記録される。
【0048】
抵抗値検出回路352は、水検出センサ116の電極118A、118B間の抵抗値に応じた信号をシステムコントローラ300に出力する。電極118A、118B間に水が存在しているときには抵抗値が下がるが、このとき抵抗値検出回路352は例えばLo信号をシステムコントローラ300に出力するように構成することが可能である。この場合、電極118A、118B間に水が存在しないときには抵抗値が上がり、抵抗値検出回路352はHi信号をシステムコントローラ300に出力する。このように、水検出センサ116と抵抗値検出回路352とで水検知部が構成される。この水検知部により、デジタルカメラ100が水中にあるか否かをCPU303は判定可能となる。
【0049】
なお、上記の水検出センサ116として、電極118A、118Bを有するものに代えて、光センサを用いるものであってもよい。光センサの構成としては、赤外光等を発光する発光部と、発光部から出射される光を受光する受光部とを有するものとすることが可能である。そして、これら発光部、受光部間に存在するのが空気か水かによって屈折率等が変化し、受光部に入射する光の光量が変化するのを検出して、デジタルカメラ100が水中にあるか、気中にあるかを判定可能に構成されていてもよい。
【0050】
圧力センサ112は、歪みゲージとしてのブリッジ抵抗358が形成されたダイアフラム110と、増幅回路354と、定電流回路356とを有して構成される。図3に示されるように、ブリッジ抵抗358は四つの抵抗が四つの接続点で接続された閉回路(ブリッジ回路)を成しているが、互いに対向しあう二組の接続点のうち、一方の組の接続点に増幅回路354が、他方の組の接続点に定電流回路356が接続されている。ダイアフラム110が圧力を受けて変形するのに伴い、ブリッジ抵抗358を構成する四つの抵抗の抵抗値が変化する。これによりブリッジ回路内の平衡が崩れ、増幅回路の接続される一対の接続点間に電位差が生じる。増幅回路354は、この電位差を増幅してA/Dコンバータ316に出力する。このように、圧力センサ112を構成するダイアフラム110(ブリッジ抵抗358)、増幅回路354、定電流回路356によって圧力測定部が構成される。この圧力測定部によって、デジタルカメラ100が水中にあるか否かをCPU303は判定可能となる。
【0051】
以上ではデジタルカメラ100が水検出センサ116と圧力センサ112とを有する例について説明した。デジタルカメラ100が水検出センサ116と圧力センサ112とを有することにより、雨中での撮影時に、それが陸上での撮影か、水中での撮影かを区別することが可能となる。また、デジタルカメラ100がごく浅い水深に位置していて、圧力センサ112による圧力検出結果からはデジタルカメラ100が水中にあるのか否かを判定しづらい場合であっても水検出センサ116による検出結果によってデジタルカメラ100が水中にあるか否かを容易に判定することが可能となる。デジタルカメラ100は、上述した水検出センサ116および圧力センサ112のうち、いずれか一方のセンサのみを有するものであってもよい。
【0052】
また、本実施の形態において、デジタルカメラ100は防水ハウジング等を用いずに単体で水中での撮影が可能なものであるとして説明しているが、防水ハウジング内に収容して水中での撮影が可能なものであってもよい。その場合、防水ハウジング内に設けられた突起がデジタルカメラ100に設けられたスイッチを押すようにして、CPU303はデジタルカメラ100が水中で使用されることを検出可能に構成されていてもよい。
【0053】
振動検出部400は、先に説明した加速度センサ114と、加速度センサ114から出力される信号を処理してシステムコントローラ300へ出力する処理部とを有して構成される。
【0054】
図4は振動検出部400の概略的構成を説明するブロック図である。振動検出部400は、電力制御部402と、加速度センサ114と、X軸加速度処理部410と、Y軸加速度処理部420と、Z軸加速度処理部430とを有する。
【0055】
電力制御部402は、電力回路322(図3)から供給される電力を、振動検出部400内の各構成要素に供給する。この電力制御部402には、入出力部310を介してCPU303から制御信号が出力される。そして、CPU303は、この制御信号によって、電力制御部402が振動検出部400内の各構成要素に電力を供給するかしないかを制御可能に構成される。これにより、CPU303は振動検出部400の動作許可と動作禁止(停止)とを制御できる。
【0056】
加速度センサ114は、図1、図2に示されるX軸方向の加速度(振動)を検出可能なX軸加速度センサ404と、Y軸方向の加速度(振動)を検出可能なY軸加速度センサ406と、Z軸方向の加速度(振動)を検出可能なZ軸加速度センサ408とを有する。
【0057】
これらのX軸加速度センサ404、Y軸加速度センサ406、Z軸加速度センサ408からの出力信号は、対応するX軸加速度処理部410、Y軸加速度処理部420、Z軸加速度処理部430へ入力される。これらX軸加速度処理部410、Y軸加速度処理部420、Z軸加速度処理部430の内部構成は基本的に同じであるので、X軸加速度処理部410の内部構成についてのみ以下に説明する。
【0058】
X軸加速度処理部410は、増幅器412と、波形成形部418とを有する。波形成形部418は、コンパレータ414とフィルタ416とを有する。増幅器412は、X軸加速度センサ404から出力される信号を、システムコントローラ300内のA/Dコンバータ316で処理可能なレベルにまで増幅し、A/Dコンバータ316に入力する。増幅器412の出力信号はまた、波形成形部を構成するフィルタ416にも入力され、不要な信号成分がフィルタ416で除去されてコンパレータ414の非反転入力部へ入力される。CPU303は、コンパレータ414の反転入力部に入力すべき基準電圧(Vref)に他応するデジタルデータをD/Aコンバータ318に出力する。D/Aコンバータ318は、このデジタルデータを、電圧がVrefのアナログ信号に変換してコンパレータ414の反転入力部に入力する。コンパレータ414から出力される信号は、入出力部310および割り込み制御部312に出力される。
【0059】
上述した構成により、X軸加速度センサ404から出力された加速度信号は増幅器412で増幅され、フィルタ416で濾波された後、コンパレータ414によってシステムコントローラ300内の入出力部310、割り込み制御部312で入力可能な二値信号に変換される。CPU303は、この二値信号の状態に基づいてユーザにより行われるタップ操作を検出することができる。このとき、CPU303がD/Aコンバータ318に出力するデジタルデータの値を変化させることにより、コンパレータ414の反転入力部に入力される基準電圧(Vref)の値を変化させることが可能となり、これにより加速度の検出感度を任意に変更可能となる。
【0060】
また、増幅器412から出力された加速度信号をA/Dコンバータ316でデジタルデータに変換し、そのデータをCPU303が処理することによっても、ユーザによるタップ操作を検出することができる。この場合、後で説明するように、ユーザが一回目には強めにタップ操作し、それに引き続いて弱めに二回タップ操作する等、デジタルカメラ100に所定の振動パターンで振動が加えられるように加振操作するのをCPU303は検出可能となる。このとき、波形成形部418が有する波形成形機能は、CPU303により実行されるソフトウェアによって実現可能である。
【0061】
Y軸加速度処理部420、Z軸加速度処理部430からの出力信号もまた、X軸加速度処理部410からの出力信号と同様に、A/Dコンバータ316、D/Aコンバータ318、入出力部310、割り込み制御部312へ入力される。
【0062】
以上、振動検出部400がX、Y、Zの3軸方向の振動を検出可能に構成される例について説明したが、振動検出部400が1軸方向、或いは2軸方向の振動のみを検出可能に構成されていてもよい。また、X、Y、Zの各軸のうち、任意の軸回りの回転(揺動)を検出可能に構成されていてもよい。
【0063】
以上に説明したように構成されるデジタルカメラ100は、通常の作動状態と、通常の作動状態に比して少ない消費電力で待機動作してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態をと有する。スタンバイ状態においてCPU303は、電力回路322に制御信号を発して、必要最小限の機能ブロックにのみ電力を供給するようにする。CPU303自体も通常の作動状態に比して低い消費電力となるように、いわゆるスリープモードに移行することが可能に構成される。
【0064】
通常の作動状態からスタンバイ状態への移行は、デジタルカメラ100の電源がオンされた状態で、ユーザがデジタルカメラ100を最後に操作してから例えば30秒、1分といった所定の時間が経過したときに(ユーザがデジタルカメラ100を操作しない状態が例えば30秒、1分といった所定の時間を超して続いたときに)行われる。
【0065】
また、スタンバイ状態から通常の作動状態への復帰は、割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が出力されたときに行われる。割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号を出力する動作は、ユーザが操作スイッチ332を操作することにより行われる。
【0066】
デジタルカメラ100は、防水ハウジング等に収納することなく、水中での撮影が可能に構成される。上述したように、デジタルカメラ100は水検出センサ116や圧力センサ112を備えているのでデジタルカメラ100が水中にあるか否かを判定可能である。デジタルカメラ100はまた、ユーザがメニュースイッチ122等を操作して、水中スナップモード、水中マクロモード等、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成されている。水中での使用中に、上述したように通常の作動状態からスタンバイ状態へ移行することもある。
【0067】
水中においても、ユーザがスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100を通常の作動状態に復帰させるためには、操作スイッチ332を操作すればよい。しかし、水中での撮影に際しては、ユーザは手袋やマスクを装着していたり、水圧や水の抵抗を受けたりして、操作スイッチ332の操作が容易でない場合がある。そのような場合にも容易に操作可能とするため、デジタルカメラ100は、ユーザのタップ操作(加振操作)によってもスタンバイ状態から通常の作動状態への復帰が可能となるように構成されている。
【0068】
ところで、ユーザがデジタルカメラ100の電源をオフするのを忘れてケースや鞄に入れて持ち運ぶことは通常に起こりうることである。この場合、デジタルカメラ100はスタンバイ状態へ移行するので電力の無駄な消費を抑制することが可能となる。しかし、単にユーザのタップ操作によってもスタンバイ状態から通常の作動状態へ復帰可能とすると、以下のような問題を生じる可能性がある。すなわち、持ち運びに伴ってデジタルカメラ100に生じる振動により、割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が出力されて通常の作動状態への復帰が行われると、持ち運び中のデジタルカメラ100で電力が無駄に消費される可能性がある。
【0069】
そこで、デジタルカメラ100では、水中で通常の作動状態へ復帰する操作を容易にするとともに、上述した電力の無駄な消費を抑制可能とするため、以下の第1から第3の実施の形態で説明するような制御が行われる。なお、以下で説明する第1から第3の実施の形態において、デジタルカメラ100の内部構成はいずれも同じで、図1から図4を参照して先に説明した内容のものとなっている。そして、CPU303によって実行される制御手順が相違する。
【0070】
− 第1の実施の形態 −
図5Aおよび図5Bは、本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ100内のCPU303で実行される概略処理手順を説明するフローチャートである。図5Aおよび図5Bに示される処理手順をCPU303が実行することにより、概略以下に示されるような制御が成される。
【0071】
(1)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出されない場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されていない場合、CPU303は、デジタルカメラ100がタップ許可モードに設定されていても、スタンバイ状態に移行する際に振動検出部400での振動検出動作を停止させる。これにより、スタンバイ状態時にタップ操作による振動、或いはタップ操作による振動と似た振動がデジタルカメラ100に与えられても通常の作動状態への復帰は行われない。
【0072】
(2)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合で、タップ操作許可モードに切り替えられている場合には、CPU303はスタンバイ状態に移行する際に振動検出部400での振動検出動作を継続して行うようにする。これにより、デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合には、ユーザがスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作をすることにより、通常の作動状態に復帰させることが可能となる。
【0073】
(3)デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合で、タップ操作禁止モードに切り替えられている場合には、CPU303はスタンバイ状態に移行する際に振動検出部400での振動検出動作を行うようにはしない。これにより、デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合であっても、タップ操作禁止モードに切り替えられている場合にはスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作による振動、或いはタップ操作による振動に似た振動が与えられても通常の作動状態への復帰は行われない。
【0074】
以下、図5A、図5Bのフローチャートを参照してCPU303により実行される処理手順について説明する。図5A、図5Bに示される処理手順は、デジタルカメラ100のパワースイッチ106をユーザが操作して電源がオンされた場合、或いは割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が出力されたときに実行が開始される。
【0075】
S500においてCPU303は、デジタルカメラ100内のシステム起動に際しての初期設定を、起動プロセスの種類に対応して行う。すなわち、起動プロセスの種類に対応して、メモリ、入出力部、そして他の機能ブロックを初期化する処理を行う。ここで、起動プロセスは二種類ある。一つは、パワースイッチ106が操作され、システムが完全に停止した状態から起動するプロセスである。もう一つは、システムがスタンバイ状態から起動するプロセスである。
【0076】
S502においてCPU303は、タイマカウンタ314の設定を行う。CPU303は、タイマカウンタ314から出力されるタイミング信号に従い、圧力センサ112から出力される信号の入力や、通常の作動状態からスタンバイ状態へ移行する処理を行う。
【0077】
S504においてCPU303は、タップ操作許可スイッチ124が操作されたか否かの判定を行う。S504で、タップ操作許可スイッチ124が操作されたとCPU303が判定するとS506に進み、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS506で判定された場合の分岐先であるS508においてCPU303は、操作モードをタップ操作許可モードに切り替える設定をする。
【0078】
CPU303は、S510において振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400を起動し、D/Aコンバータ318を介してコンパレータ414に基準電圧Vrefを出力してS534に進む。基準電圧Vrefを大きく設定すると、タップ操作に対する感度を低めることが可能となる。逆に基準電圧Vrefを小さく設定すると、タップ操作に対する感度を高めることが可能となる。すなわち、基準電圧Vrefを大きく設定した場合、ユーザがより強いタップ操作をしないとCPU303は当該のタップ操作を認識しない。逆に基準電圧Vrefを小さく設定した場合、ユーザが軽目のタップ操作をしてもCPU303は当該のタップ操作を認識することが可能となる。タップ操作に対する感度は、加速度センサ114の特性や増幅器412のゲインにも影響を受けるので、デジタルカメラ100の製造過程で振動検出部400のキャリブレーション結果に基づく制御パラメータをフラッシュメモリ344内に記録することが望ましい。
【0079】
現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS506で判定された場合の分岐先であるS512においてCPU303は、操作モードをタップ操作禁止モードに切り替える設定をする。続くS514においてCPU303は振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400の作動を停止し、S534に進む。
【0080】
S504での判定が否定された場合の分岐先であるS520においてCPU303は、メニュースイッチ122の操作がなされたか否かの判定を行い、この判定が肯定されるとS522に進む。S522においてCPU303は、デジタルカメラ100で現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS522で判定された場合の分岐先であるS524においてCPU303は、ユーザが操作スイッチ332を操作するのに応じて、デジタルカメラ100の動作モードの選択、撮影条件の設定、再生画像の表示等の処理を行う。その後CPU303は、S534の処理に進む。
【0081】
現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS522で判定された場合の分岐先であるS526において、CPU303はユーザによるタップ操作を振動検出部400から出力される信号をもとに検出し、検出されたタップ操作に基づいてデジタルカメラ100の動作モードの選択、撮影条件の設定、再生画像の表示等の処理を行う。その後CPU303は、S534の処理に進む。
【0082】
S520での判定が否定された場合、すなわちメニュースイッチ122が操作されていないと判定された場合、CPU303はS530に進む。CPU303はS530で、レリーズスイッチ108が操作されたか否かの判定を行い、この判定が肯定されるとS532に進む。CPU303は、S532で撮影に係る一連の動作を行う。すなわち、CPU303は撮影レンズ102の焦点調節動作、測光動作等の撮影準備動作を実行した後に、不図示のシャッタの開閉動作を行う。CPU303はその後、画像処理部304および画像圧縮伸長部305に制御信号を発する。この制御信号を受け、画像処理部304は撮像素子インターフェース回路336から出力された画像データに画像処理をし、画像圧縮伸長部305は画像処理部304から出力される画像データに対して圧縮処理を行い、メモリカード340に記録する処理を行う。S532の処理を完了したCPU303はS534に進む。
【0083】
S530での判定が否定された場合の分岐先であるS540においてCPU303は、操作スイッチ332のいずれもが操作されずに所定時間が経過したか否かを判定する。S540での判定が肯定されるとCPU303はS542に進み、ユーザ操作に伴う割り込み許可の処理をする。すなわち、スタンバイ状態中に操作スイッチ332が操作されたときに割り込み制御部312から割り込み信号をCPU303に出力するようにCPU303は割り込み制御部312を設定する。
【0084】
続くS544においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS544で判定された場合、CPU303はシステムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。
【0085】
現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合、CPU303はS546に分岐する。S546においてCPU303は、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。S546での判定が肯定された場合、すなわちデジタルカメラ100が水中にある、水中撮影モードに設定されている、或いは両方であると判定された場合、CPU303はS548に進み、振動検出部400による割り込み動作を許可する。すなわち、CPU303は振動検出部400を作動状態に維持し、振動検出部400が振動を検出してコンパレータ414から割り込み制御部312に信号が出力された場合にCPU303に対して割り込み信号が出力されるように割り込み制御部312を設定する。CPU303がこのように設定をすることにより、デジタルカメラ100がスタンバイ状態にあるときにユーザがタップ操作をするのに応じて通常の作動状態に復帰することが可能となる。
【0086】
S546での判定が否定された場合の分岐先であるS550においてCPU303は、振動検出部400の電力制御部402に制御信号を出力して振動検出部400の動作を停止させる。
【0087】
CPU303は、S548、またはS550の処理を終え、システムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。CPU303によって実行されるS550の処理により、デジタルカメラ100がスタンバイ状態にあるときにはタップ操作を受け付けない。これにより、スタンバイ状態にあるデジタルカメラ100が持ち運ばれているときにタップ操作による振動と類似する振動がデジタルカメラ100に与えられても、通常の作動状態に復帰することはない。
【0088】
S540での判定が否定された場合の分岐先であるS560においてCPU303は、パワースイッチ106が操作されたか否かを判定し、この判定が肯定されるとS562に進む一方、否定されるとS504に戻る。S562においてCPU303は、システムを停止するための設定動作を行い、一連の処理を終える。
【0089】
S510、S514、S524、S526、或いはS532の処理に続いて行われるS534の処理は、通常の作動状態からスタンバイ状態へ移行する際に、ユーザがデジタルカメラ100を操作しない状態の時間を計時するタイマカウンタ314を初期化するための処理である。このタイマカウンタ314の初期化により、例えば30秒、1分といった時間が設定されてカウントダウン(或いはカウントアップ)が開始される。すなわち、S510、S514、S524、S526、S532は何らかのユーザ操作がなされた直後のステップであるので、これらのステップを経た後のS534でタイマカウンタ314が初期化される。S534の処理を終えたCPU303は、S504に戻り、上述した処理を繰り返し行う。
【0090】
図5Aに示されるS090、S092、およびS094の処理について説明する。デジタルカメラ100(システムコントローラ300)がスタンバイ状態にあるときに、ユーザ操作やタップ操作が行われたのに応じて割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が発せられる。なお、タップ操作によって割り込み信号は発せられるのは、スタンバイ状態に移行する際に振動検出部400が作動状態に維持されている場合のみである。この割り込み信号を受けて起動したCPU303により、S090、S092、およびS094の処理が実行される。
【0091】
S090においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるかタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであると判定された場合、CPU303はS092に進み、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。S092での判定が否定された場合、すなわちデジタルカメラ100は水中になく、水中撮影モードにも設定されていないと判定された場合、CPU303はS094に進み、振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400を起動し、D/Aコンバータ318を介してコンパレータ414に基準電圧Vrefを出力してS500に進む。
【0092】
現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS090で判定された場合、或いはS092で肯定の判定がなされた場合には、CPU303は何もせずにS500に進む。
【0093】
第1の実施の形態においてデジタルカメラ100は、設定可能な操作モードとしてタップ操作許可モードとタップ操作禁止モードとを有する。そして、タップ操作許可モードに設定されている状態でスタンバイ状態に移行する際には振動検出部400の動作が停止される。このため、スタンバイ状態中にタップ操作によって生じる振動と似た振動がデジタルカメラ100に加えられても、スタンバイ状態から通常の作動状態に復帰することは無いので電力の無駄な消費を抑制することが可能となる。
【0094】
一方、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定されていて、デジタルカメラ100が水中にある、或いは水中撮影モードに設定されていると判定された場合には、スタンバイ状態に移行する際に振動検出部400は作動状態に維持され、振動検出部400による割り込み動作が許可されるので、水中撮影の状況下においてスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100をタップ操作によって通常の作動状態に復帰させることが可能となり、デジタルカメラ100の操作性を向上させることが可能となる。
【0095】
なお、S094において振動検出部起動の処理が行われる理由は、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、S550で振動検出部の動作が停止されているからである。すなわち、スタンバイ状態から通常の作動状態に復帰するのに際し、振動検出部400を起動させてスタンバイ状態移行前に設定されていたタップ操作許可モードを有効にする必要があるからである。
【0096】
− 第2の実施の形態 −
図6Aおよび図6Bは、本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ100内のCPU303で実行される概略処理手順を説明するフローチャートである。図6Aおよび図6Bに示される処理手順をCPU303が実行することにより、概略以下に示されるような制御が成される。
【0097】
(1)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出されない場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されていない場合、CPU303は、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、振動検出部400での振動検出動作を継続して行うようにする。CPU303はこのとき、振動検出レベルを通常の作動状態で設定される振動検出レベル(Vref1)よりも高い値(Vref2)に設定する。これにより、スタンバイ状態時にタップ操作による振動と似た振動がデジタルカメラ100に与えられても通常の作動状態への復帰が行われにくくなるようにし、デジタルカメラ100の持ち運び時等に電力が無駄に消費されるのを抑制する。
【0098】
(2)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合、CPU303は、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、振動検出部400での振動検出動作を継続して行うようにする。CPU303はこのとき、振動検出レベルを、上述したスタンバイ状態時の振動検出レベル(Vref2)よりも低い値(Vref3)に設定する。これにより、デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合には、ユーザがスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作をする際に、比較的容易に通常の作動状態に復帰させることが可能となる。
【0099】
(3)デジタルカメラ100がタップ操作禁止モードに切り替えられている場合には、CPU303はスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中にあることが検出されたか否か、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されているか否かに拘わらず、振動検出部400での振動検出動作を行うようにはしない。これにより、デジタルカメラ100がタップ操作禁止モードに切り替えられている場合には、スタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作による振動、或いはタップ操作による振動に似た振動が与えられても通常の作動状態への復帰は行われない。
【0100】
以下、図6A、図6Bのフローチャートを参照してCPU303により実行される処理手順について説明する。図6A、図6Bに示される処理手順において、図5A、図5Bに示される処理手順と同様の処理手順には図5A、図5Bで付したのと同じステップ番号を付し、その説明を省略する。そして、第1の実施の形態との差異を中心に説明をする。
【0101】
図6Aにおいては、割り込みが発生したときに実行が開始される処理手順(S610、S612)と、現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS504で判定された場合の処理手順(S620からS624)が第1の実施の形態と異なる。また、図6Bにおいては、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合の処理手順(S600からS606)が第1の実施の形態と異なる。
【0102】
図6Aを参照して説明する。S504でタップ操作許可スイッチ124が操作されたと判定され、現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS506で判定されると、CPU303はS620でデジタルカメラ100の動作モードをタップ操作許可モードに設定する。続くS622においてCPU303は、振動検出部400での振動検出レベルを以下に説明するように設定する。すなわち、CPU303は、コンパレータ414の反転入力部に入力する基準電圧Vrefとして、通常の作動状態でタップ操作許可モード時に設定される基準電圧である、第1の基準電圧(これを便宜的に「Vref1」と称する)に設定する。CPU303は続いてS624に進み、振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400を起動する。
【0103】
続いて、図6Bを参照して説明すると、デジタルカメラ100の操作が検出されずに所定時間が経過したとS540で判定されてスタンバイ動作に移行する処理を開始したCPU303は、S542でユーザ操作に伴う割り込み許可をする。すなわち、スタンバイ状態中に操作スイッチ332が操作されたときに割り込み制御部312から割り込み信号をCPU303に出力するようにCPU303は割り込み制御部312を設定する。そして、続くS544においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。以上、S540、S542、S544での処理内容は第1の実施の形態と同じである。
【0104】
そして、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合の処理が以下に説明するように第1の実施の形態と異なる。S600においてCPU303は、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。
【0105】
S600での判定が否定された場合、すなわちデジタルカメラ100は水中に無く、また、水中撮影モードに設定されていないと判定された場合、CPU303はS606に進む。S606においてCPU303は、振動検出部400での振動検出レベルを変更する。具体的には、コンパレータ414の反転入力部に入力する基準電圧Vrefが通常の作動状態でタップ操作許可モード時に設定される第1の基準電圧であるVref1よりも高い第2の基準電圧(これを便宜的に「Vref2」と称する)となるように設定する。
【0106】
一方、S600での判定が肯定された場合、すなわちデジタルカメラ100が水中にある、水中撮影モードに設定されている、或いは両方であると判定された場合、CPU303はS602に進み、振動検出部400での振動検出レベルを変更する。具体的には、コンパレータ414の反転入力部に入力する基準電圧Vrefが上記第2の基準電圧Vref2よりも低い第3の基準電圧(これを便宜的に「Vref3」と称する)に設定する。
【0107】
S602、またはS606の処理を終えたCPU303は、S604に進み、振動検出部400による割り込み動作を許可する。すなわち、CPU303は振動検出部400を作動状態に維持し、振動検出部400が振動を検出してコンパレータ414から割り込み制御部312に信号が出力された場合にCPU303に対して割り込み信号が出力されるように割り込み制御部312を設定する。そしてCPU303は、システムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。
【0108】
再び図6Aを参照してS610、S612の処理について説明する。デジタルカメラ100(システムコントローラ300)がスタンバイ状態にあるときに、ユーザ操作やタップ操作が行われたのに応じて割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が発せられる。この割り込み信号を受けて起動したCPU303により、S610およびS612の処理が実行される。
【0109】
S610においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、タップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであると判定された場合、CPU303はS612に進む。S612においてCPU303は、D/Aコンバータ318を介して振動検出部400のコンパレータ414に基準電圧Vref1を出力し、S500に進む。
【0110】
デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、上述したS600、S602、S606の処理によってコンパレータ414に出力される基準電圧がVref2、またはVref3に変更されている。その基準電圧Vref、すなわち振動検出部400での振動検出レベルを元のレベルであるVref1に戻すためにS612において上述した処理が行われる。
【0111】
CPU303によって上述した処理が行われる結果、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100が通常の作動状態にあるときには振動検出レベルとしてVref1が設定される。また、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100がスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、或いは両方であると判定された場合には振動検出レベルとしてVref3が設定される。さらに、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100がスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中に無く、水中撮影モードにも設定されていないと判定された場合には、振動検出レベルとしてVref2が設定される。
【0112】
上記Vref1、Vref2、Vref3の大小関係は、Vref2はVref1より大きく、Vref3はVref2より小さい。すなわち、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100がスタンバイ状態に移行する際に、このデジタルカメラ100が水中に無く、水中撮影モードにも設定されていない場合、振動検出部400の振動検出感度は低められる。したがって、通常の作動状態にあるときよりも強いタップ操作が加えられないと通常の作動状態に復帰しない。このため、ユーザが電源を切るのを忘れてデジタルカメラ100を持ち運ぶような状況で、タップ操作によって生じる振動に似た振動がデジタルカメラ100に加えられても、その振動レベルがVref2を上回らないと通常の作動状態に復帰しない。これにより、通常の作動状態への意図しない復帰動作によって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
【0113】
一方、タップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、或いは両方であると判定された場合には振動検出レベルとしてVref2よりも小さいVref3に設定される。これにより、振動検出部400の振動検出感度は高められる。したがって、地上(気中)に比べて操作のしづらい水中で、デジタルカメラ100を容易にスタンバイ状態から通常の作動状態へ復帰させることが可能となり、デジタルカメラ100の操作性が向上する。このVref3に関し、Vref2よりも小さい値に設定することは以上に説明したとおりであるが、Vref1よりも高い値に設定しても、Vref1以下の値に設定してもよい。また、ユーザの好みや使用形態に応じてこれらのVref1、Vref2、Vref3を自由に設定可能に構成されていてもよい。
【0114】
− 第3の実施の形態 −
図7A、図7B、および図7Cは、本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ100内のCPU303で実行される概略処理手順を説明するフローチャートである。図7Aから図7Cに示される処理手順をCPU303が実行することにより、概略以下に示されるような制御が成される。
【0115】
(1)デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際には、振動検出部400による割り込み動作が常に許可される。
【0116】
(2)振動検出部による割り込み動作が発生した場合、CPU303はデジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されているかを判定し、この判定が肯定された場合には通常の作動状態に復帰する。
【0117】
(3)振動検出部400による割り込み動作が発生した場合、CPU303はデジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されているかを判定する。この判定が否定された(デジタルカメラ100は気中にあり、なおかつ水中撮影モードに設定されていない)場合には、CPU303は振動検出部400からの出力信号を所定時間にわたって測定し、振動波形を分析する。そしてこの振動波形が所定のタップ操作により得られる振動波形とマッチしない場合には、CPU303はデジタルカメラ100を再度スタンバイ状態に移行させる。一方、振動波形が所定のタップ操作により得られる振動波形と略マッチする場合には、CPU303はデジタルカメラ100を通常の作動状態に復帰させる。
【0118】
以下、図7Aから図7Cのフローチャートを参照し、CPU303により実行される処理手順について説明する。図7Aから図7Cに示される処理手順において、図5A、図5Bに示される処理手順と同様の処理手順には図5A、図5Bで付したのと同じステップ番号を付し、その説明を省略する。そして、第1の実施の形態との差異を中心に説明をする。
【0119】
図7Aにおいて、割り込み発生時の処理が紙面の都合で図7Cに移され、図7Cに示される処理からS500に分岐する処理経路を示す結合子Dが追加された以外、図5Aに示されるものと異なる点は無い。図7Bにおいては、通常の作動状態からスタンバイ状態に移行する際に、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定されたときのS720の処理が図5Bに示される第1の実施の形態と異なる。図7Cに示される割り込み発生時の処理は、図5Aに示される第1の実施の形態のものと全体的に異なっている。
【0120】
図7Bを参照して説明する。デジタルカメラ100の操作が検出されずに所定時間が経過したとS540で判定されてスタンバイ動作に移行する処理を開始したCPU303は、S542でユーザ操作に伴う割り込み許可をする。すなわち、スタンバイ状態中に操作スイッチ332が操作されたときに割り込み制御部312から割り込み信号をCPU303に出力するようにCPU303は割り込み制御部312を設定する。そして、続くS544においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。以上、S540、S542、S544での処理内容は第1の実施の形態と同じである。
【0121】
そして、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合に行われる、S720での処理が以下に説明するように第1の実施の形態と異なる。S720においてCPU303は、振動検出部400による割り込み動作を許可する。すなわち、CPU303は振動検出部400を作動状態に維持し、振動検出部400が振動を検出してコンパレータ414から割り込み制御部312に信号が出力された場合にCPU303に対して割り込み信号が出力されるように割り込み制御部312を設定する。そしてCPU303は、システムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。このとき、コンパレータ414の反転入力部に入力される基準電圧は、デジタルカメラ100が通常の作動状態にあってタップ操作許可モードに設定されたときの基準電圧と同じであっても、異なる電圧であってもよい。
【0122】
図7Cを参照してS700からS710の処理について説明する。デジタルカメラ100(システムコントローラ300)がスタンバイ状態にあるときに、ユーザ操作やタップ操作が行われたのに応じて割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が発せられる。この割り込み信号を受けて起動したCPU303により、S700から始まる処理の実行が開始される。
【0123】
S700においてCPU303は、操作スイッチ332を構成するいずれかのスイッチがオンであるか否かを判定する。S700での判定が肯定される、すなわち割り込みの発生がユーザによる操作スイッチ332の操作がきっかけであると判定されると、CPU303はS500(図7A)に進む。一方、S700での判定が否定されるとCPU303はS702に進む。ここでS700での判定処理結果について補足説明をしておく。割り込みが発生し、S700での判定が否定される、すなわち操作スイッチ332はオンしていない、ということは、デジタルカメラ100はタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行し、振動検出部400が振動を検出して割り込みが発生した、ということを意味する。ただし、振動検出部440で検出された振動がユーザのタップ操作によるものなのか、或いは単なる振動によるものなのかを明確に判定することはできない。この判定を明確にするために、以下で説明するS702からS708の処理が行われる。
【0124】
S702においてCPU303は、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。S702での判定が肯定された場合には、CPU303は図7AのS500の処理に進む。すなわち、デジタルカメラ100が水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、或いはその両方であると判定された場合には、CPU303はS500に進んで通常の作動状態へ復帰する処理を行う。これはすなわち、水中ではユーザが手袋等を装着し、また水圧や水の抵抗を受けて、地上で行うのと同じタッピング操作するのは困難である場合があるので、より単純なタップ操作で通常の作動状態への復帰を可能としている。素潜りは元より、スキューバダイビングであっても潜水時間は高々1時間程度であり、上述したように、容易に通常の作動状態への復帰を可能としても、電力の無駄な消費の影響は少ない。
【0125】
S702での判定が否定された場合、すなわちデジタルカメラ100は地上で用いられている場合、CPU303はS704に進み、振動検出部400から出力される信号を所定時間、例えば2秒、5秒といった時間にわたって入力(監視)する。S706においてCPU303は、S704の入力(監視)で得られた振動波形を分析する。
【0126】
S708においてCPU303は、S706での分析の結果、それが予め定められたタップ操作によって得られる振動波形と略マッチするか否かを判定する。S708での判定が肯定されると、CPU303はS500の処理に進み、通常の作動状態への復帰動作を行う。一方、S708での判定が否定される、すなわちS706での分析の結果、それが予め定められたタップ操作によって得られる振動波形とマッチしない場合には、振動検出部400で検出された振動がタップ操作によるものではない可能性があるので、再度スタンバイ状態に戻る。
【0127】
以上のように、第3の実施の形態においては、デジタルカメラ100が通常の作動状態にあるときにS526で受け付けるタップ操作(タップ操作により生じる振動のパターン)と、スタンバイ状態にあるときにS708で受け付けるタップ操作(タップ操作により生じる振動のパターン)とは異なるものとなっている。
【0128】
ここで、上記の振動パターンについて図8を参照して説明する。図8の(a)は、デジタルカメラ100がタップ操作(加振操作)された場合に加速度センサ114から出力され、増幅器412で増幅され、フィルタ416で波形整形されて出力される信号の波形を例示している。図8の(b)は、図8の(a)に示される波形の信号がコンパレータ414の非反転入力部に入力されたときの、コンパレータ414から出力される信号の波形を例示している。
【0129】
デジタルカメラ100に対して波形802を生じるようなタップ操作が行われると、コンパレータ414からは波形806で示されるような信号が割り込み制御部312および入出力部310に出力される。デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定されていて、通常の作動状態にある場合には、コンパレータ414から波形806で示されるような信号を入力するのに応じて、CPU303はユーザによるタップ操作を受け付ける。
【0130】
一方、図7Cを参照して以上に説明した割り込み発生処理におけるS700からS702、S704、S706を経てS708に至る処理においては、CPU303はS704において、予め定められた時間trefの間、図8の(b)に波形808として示されるような信号をコンパレータ414から入力する。そして、この時間trefの間に三つの信号C2、C3、C4がコンパレータ414から出力されたときに通常の作動状態へ復帰する処理を行う。一方、デジタルカメラが水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、それらの両方であるとS702で判定された場合には、図8の(b)に波形806として示されるような信号が入力されても通常の作動状態へ復帰する。
【0131】
以上では、CPU303が振動検出部400の出力を測定する際に、CPU303はコンパレータ414から二値の信号を入力する例について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではない。例えば、フィルタ416から出力される信号を、互いに異なる基準電圧が設定された複数のコンパレータに入力し、これら複数のコンパレータから出力される二値信号の組み合わせから振動波形を分析することもできる。あるいは、CPU303が振動検出部400から出力される、例えば、デジタルカメラ100がタップ操作(加振操作)された場合に加速度センサ114から出力され、増幅器412で増幅されて出力される信号を例示する図9において波形810として示されるようなアナログ信号を、A/Dコンバータ316を介して入力し、入力信号の振幅(信号レベル)も含めて振動波形を分析することも可能である。この場合、ユーザが所定の時間trefの間に3回タップし、2回目、3回目のタップの強度(P12、P13)が1回目のタップの強度(P11)に比して弱いと判定されたときにS708での判定が肯定されるようにすることも可能である。すなわち、1回目のタップによる信号が閾値V1を超すと図7Cの処理の実行が開始され、2回目、3回目のタップによる信号が閾値V2よりも小さく、閾値V3よりも大きいときにS708での判定が肯定されるようにすることも可能である。
【0132】
或いは、加速度センサ114が有する複数の加速度センサ(例:X軸加速度センサ404およびY軸加速度センサ406)から出力される信号をCPU303がS704で入力(監視)し、例えば所定の時間trefの間に、デジタルカメラ100に対してX軸方向に2回、続いてY軸方向に1回タップ操作されたことを検出したときにS708での判定が肯定されるようにすることも可能である。このようにすることにより、ユーザによるタップ操作で生じる振動と、持ち運び時に生じる振動等、ユーザの意図しない振動とをより高い精度で弁別することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルムービーカメラ、その他水陸で使用可能な可搬型の装置等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明が適用されるデジタルカメラの正面側外観を示す斜視図である。
【図2】同じく、デジタルカメラの背面側外観を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラ内部の概略的構成を示すブロック図である。
【図4】振動検出部内部の概略的構成を示すブロック図である。
【図5A】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図5B】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図6A】本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図6B】本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図7A】本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図7B】本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図7C】本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図8】デジタルカメラがタップ操作された場合に振動検出部で生成され、出力される信号の波形例を示す図であり、(a)はアナログの信号波形を示し、(b)は(a)に示されるアナログ信号に対応してコンパレータから出力される二値の波形を示している。
【図9】デジタルカメラがタップ操作された場合に振動検出部で生成され、出力される信号の別の波形例を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
100 … デジタルカメラ
102 … 撮影レンズ
104 … 閃光発光装置
106 … パワースイッチ
108 … レリーズスイッチ
110 … ダイアフラム
112 … 圧力センサ
114 … 加速度センサ
116 … 水検出センサ
118A、118B … 電極
120 … 再生スイッチ
122 … メニュースイッチ
124 … タップ操作許可スイッチ
126、128 … ズーム指示スイッチ
130 … 十字キースイッチ
132 … 表示部
300 … システムコントローラ
302 … 電力制御部
303 … CPU
304 … 画像処理部
306 … 画像圧縮伸長部
308 … 外部メモリインターフェース部
310 … 入出力部
312 … 割り込み制御部
314 … タイマカウンタ
316 … A/Dコンバータ
318 … D/Aコンバータ
320 … クロック部
322 … 電力回路
324 … バッテリー
326 … 表示制御部
328 … USBコントローラ
332 … 操作スイッチ
334 … 発振子
335 … 撮像素子
336 … 撮像素子インターフェース回路
338 … 時計回路
340 … メモリカード
342 … DRAM
344 … フラッシュメモリ
352 … 抵抗値検出回路
354 … 増幅回路
356 … 定電流回路
400 … 振動検出部
402 … 電力制御部
410 … X軸加速度処理部
412 … 増幅器
414 … コンパレータ
416 … フィルタ
418 … 波形整形部
420 … Y軸加速度処理部
430 … Z軸加速度処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影装置に関し、撮影装置本体を振る、叩くといった振動を与えることにより操作が可能なユーザインタフェースを有する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラのモード切替等の操作はユーザがカメラに設けられた操作ボタンを操作することによるのが一般的である。ところが、カメラの小型化が進むにつれて、上述した操作ボタンの配設スペースが足りなくなってくることがある。この問題を解決するため、特許文献1には、カメラに加えられた振動を検出し、その検出した振動に基づいて操作ボタンを操作したときと同様の指令信号を出力可能なカメラが開示されている。
【0003】
また、電池を電源として作動するカメラ等の小型の電子装置は、電池消耗を抑制することを目的として、操作が一定時間行われなかったことを検出すると省電力作動状態へ移行するように構成されているものがある。この省電力作動状態は、スタンバイ状態(スタンバイモード)、ハイバネーション状態(ハイバネーションモード)などと称される。省電力作動状態にある電子装置は、操作部材が操作されたことを検出する機能を残して、その他の機能を停止させることにより消費電力を低減する。そして、操作部材が操作されたことを検出すると直ちに通常の作動状態に復帰することが可能に構成されている。このように構成されることにより、ユーザが電子装置の使用後に電源を切るのを忘れても、操作が一定時間行われていないことを検出して自動的に省電力作動状態へ移行し、無駄な電池消耗を抑制することが可能となる。
【特許文献1】特開2000−125184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した省電力作動状態から通常の作動状態に復帰するきっかけとして、操作部材が操作されたことを検出するのに加えて、電子装置に加えられた振動を検出することも有効である。すなわち、ユーザは電子装置の操作部材を操作するか、或いは電子装置に振動を加えることにより省電力作動状態にある電子装置を通常の作動状態に復帰させることができれば、操作性が向上する。
【0005】
ところで、水中での使用が可能な電子装置として、防水ハウジング等を用いることなく、単体での水中で撮影動作が可能な、防水機能を有するカメラがある。しかし、防水機能を有するカメラは、陸上(空気中)での使用も考慮してダイヤル、押しボタン、スライドレバー等の操作部材が設計されている。水中では、ユーザが水中マスクや手袋を装着していたり、撮影者(ユーザ)に浮力や水圧、或いは水流が作用したりすることにより、操作性が低下する。このような水中での撮影動作が可能なカメラで、ユーザがカメラに振動を加えて操作可能に構成することにより、操作性を向上させることが可能となる。
【0006】
また、防水機能を有していないカメラを防水ハウジングに収納して水中で撮影動作をする場合、カメラに備えられる操作部材を防水ハウジングの外側から操作可能とするためには、防水ハウジングに設けられる操作部材の動きを、防水ハウジング内に収容されるカメラの操作部材に伝えるためのリンク部材が必要となる。このとき、カメラに備えられる全ての操作部材を防水ハウジングの外側から操作可能とするためには、多くの操作部材やリンク部材を防水ハウジング内に設ける必要がある。そのようにすると、防水ハウジングの構造は複雑となり、防水ハウジング自体も大きくなる。また、リンク部材が介在することにより、操作性が低下する場合がある。これに対し、ユーザがカメラに振動を加えて操作可能に構成することにより、カメラ操作に必要な操作部材の数を減らすことができ、防水ハウジングの構成も単純化可能となる。
【0007】
ところが、電子装置に加えられた振動を検出して省電力作動状態から通常の作動状態に復帰させるようにした場合、問題を生じる場合がある。例えばユーザが電子装置をケースや鞄等に収納する際に電源を切るのを忘れたと仮定する。この状態で電子装置を携帯すると、電子装置に振動が加わる場合がある。この振動を、省電力作動モード中の電子装置が検出すると通常の作動モードに復帰してしまう。電子装置に対して振動が断続的に加わると、省電力状態を安定して維持できず、電池の無駄な消耗を抑止することができない。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、カメラの操作性向上と電力消費の抑制とを達成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明の第1の態様は、通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置に適用される。そしてこの撮影装置が、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作を検出するユーザ操作検出部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記撮影装置の作動状態を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記ユーザ操作または前記加振操作が最後に行われてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、
前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに、前記加振操作には応答せず、前記ユーザ操作には応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成されることにより上述した課題を解決する。
(2) 本発明の第2の態様において、通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置が、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動が所定の閾値を超したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される閾値である第1の閾値よりも大きい値を有する閾値である第2の閾値に設定するように構成される。
(3) 本発明の第3の態様において、通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置が、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動のパターンが所定の判定パターンと略一致したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の判定パターンを、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される判定パターンである第1のパターンと異なる第2のパターンに設定するように構成される。
【発明の効果】
【0010】
(1) 本発明の第1の態様によれば、影装置がスタンバイ状態にあるときに、ユーザが撮影装置に振動を与える操作である加振操作には応答せず、撮影装置に備えられる操作スイッチをユーザが操作する動作であるユーザ操作には応答して撮影装置の作動状態をスタンバイ状態から通常作動状態に切り替えるように構成されることにより、主電源を切り忘れた状態で撮影装置を持ち運ぶような状況で、待ち運び中の振動で撮影装置がスタンバイ状態から通常の作動状態に復帰してしまって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
(2) 本発明の第2の態様によれば、撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、加振操作判定部で加振操作が行われたと判定する際の所定の閾値を、撮影装置が通常作動状態にあるときに設定される閾値である第1の閾値よりも大きい値を有する閾値である第2の閾値に設定するように構成されることにより、スタンバイ状態にある撮影装置を加振操作によっても通常の作動状態に復帰させることが可能で操作性が向上する。このとき、上記第2の閾値は第1の閾値よりも大きい値に設定されるので、主電源を切り忘れた状態で撮影装置を持ち運ぶような状況で、待ち運び中の振動で撮影装置がスタンバイ状態から通常の作動状態に復帰しにくくなるので、通常の作動状態への意図しない復帰が抑制され、したがって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
(3) 本発明の第3の態様によれば、撮影装置がスタンバイ状態にあるときには、加振操作判定部で加振操作が行われたと判定する際の所定の判定パターンを、撮影装置が通常作動状態にあるときに設定される判定パターンである第1のパターンと異なる第2のパターンに設定するように構成されるので、スタンバイ状態にある撮影装置を加振操作によっても通常の作動状態に復帰させることが可能で操作性が向上する。このとき、上記第1のパターンはより簡単な加振操作に対応したものとすることで撮影装置の操作性を向上させることができる。そして、上記第2のパターンは第1のパターンとは異なって、持ち運び中に生ずる振動との弁別が容易なパターンとすることが可能となる。その結果、主電源を切り忘れた状態で撮影装置を持ち運ぶような状況で、待ち運び中の振動で撮影装置がスタンバイ状態から通常の作動状態に復帰しにくくなるので、通常の作動状態への意図しない復帰が抑制され、したがって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明が適用されるデジタルカメラ100の概略的構成を示す外観斜視図であり、デジタルカメラ100の正面側(撮影時に被写体に向けられる側)から見た様子を示す図である。図2は、同じくデジタルカメラ100の概略的構成を示す外観斜視図であり、デジタルカメラ100の背面側(撮影時にデジタルカメラ100のユーザと向き合う側)から見た様子を示す図である。デジタルカメラ100は、外装部材が水密に構成されており、水中において通常稼働が可能な構成を有する、いわゆる防水仕様を有する。図1、図2には、互いに直交するX、Y、Zの座標軸を示してある。これらの座標軸は、ユーザがデジタルカメラ100を横位置(撮影画面が一般的な横長のアスペクト比を有するものと仮定して、撮影画面の長辺が水平線と略平行になるような構図)で構えた場合に、水平線と平行な方向にX軸の向きが、鉛直線と平行な方向にY軸の向きが、そしてX軸およびY軸の両方と直交する向きにZ軸の向きが定められているものとする。以下の説明中では、例えばX軸に沿う方向を「X軸方向」と称する。
【0012】
また、上記の通常稼働とは、デジタルカメラ100が、ユーザによる撮影操作に基づいて少なくとも撮影動作を実行することが可能なことを意味するものとする。すなわち、水中においては機能が制限され、撮影して得られた画像を表示する再生動作や、撮影画角の変更(変倍動作)が不可能な構成のデジタルカメラであっても、水中において通常稼働が可能なデジタルカメラの範疇に入るものとする。
【0013】
図1および図2を参照して説明すると、デジタルカメラ100は、撮影レンズ102と、閃光発光装置104と、パワースイッチ106と、レリーズスイッチ108と、圧力センサ112と、加速度センサ(振動センサ)114と、水検出センサ116と、再生スイッチ120と、メニュースイッチ122と、タップ操作許可スイッチ124と、ズーム指示スイッチ126および128と、十字キースイッチ130と、表示装置132とを有する。
【0014】
撮影レンズ102は、変倍動作に際してレンズエレメントがデジタルカメラ100の本体から突出しない構成のものを用いることがデジタルカメラ100の水密性を高める上で望ましい。閃光発光装置104は、撮影時、必要に応じて発光して被写体に光を照射するためのものであり、高圧放電回路とキセノン管とを有して構成されるものであっても良いし、高輝度LED等の発光部を有して構成されるものであってもよい。
【0015】
ここで、デジタルカメラ100が有する上述した要素のうち、各種スイッチ類について先に説明する。以下に説明する各種のスイッチは、デジタルカメラ100のユーザによる操作を受付可能に構成される。
【0016】
パワースイッチ106は、デジタルカメラ100の起動およびシャットダウンを指示するためのスイッチである。レリーズスイッチ108は、撮影動作の開始指示をするためのスイッチである。ズーム指示スイッチ126および128は、デジタルカメラ100が撮影モードに設定されているときに撮影レンズ102の変倍動作を指示するためのスイッチである。ズーム指示スイッチ126および128はまた、デジタルカメラ100が再生モードに設定されているときに、表示装置132に表示される画像を拡大して表示したり縮小して表示したりする操作をするためのものとして用いられる。
【0017】
再生スイッチ120は、画像記録モードにあるデジタルカメラ100を再生モードへ切り替える動作、或いは再生モードにあるデジタルカメラ100を画像記録モードへ切り替える動作を指示するためのスイッチである。メニュースイッチ122は、画像記録モード、或いは再生モードにおけるデジタルカメラ100の各種設定の変更指示をするためのメニュー画面を呼び出す指示をするためのスイッチである。メニュースイッチ122はまた、表示装置132にメニュー画面を表示するのを中止する指示をする際にも用いられる。
【0018】
十字キースイッチ130は、メニュースイッチ122が操作されてメニュー画面が表示装置132に表示されているときに操作して、デジタルカメラ100の各種設定の変更指示をするためのスイッチである。十字キースイッチ130はまた、デジタルカメラ100が画像記録モードに設定されているときに、閃光発光装置104の発光モード(発光禁止、自動発光、強制発光など)の切り替えや、遠景撮影モード、マクロ撮影モード、セルフタイマ撮影モード等の設定変更指示をするためのスイッチとしても用いられる。十字キースイッチ130はさらに、デジタルカメラ100が再生モードに設定されているときに、サムネール画像中からユーザが表示対象の画像を選択する操作や、表示画像を一駒進めたり戻したりする操作をする際にも用いられる。
【0019】
タップ操作許可スイッチ124は、ユーザによるタップ操作の受け付けを可能とするモード(タップ操作許可モード)と、タップ操作の受け付けを禁止するモード(タップ操作禁止モード)との間で切り替え操作をするためのスイッチである。なお、タップ操作については後で詳述する。本明細書中では、デジタルカメラ100に備えられる上述した各種の操作スイッチをユーザが操作することを「ユーザ操作」と称する。また、以下の説明中でスイッチを個別に特定する必要が無い場合には、上述したスイッチを「操作スイッチ」と称する。すなわち、「ユーザ操作」は、デジタルカメラ100に備えられる操作スイッチのいずれかをユーザが操作することを意味するものとする。この操作スイッチは、後に参照する図3において符号332が付されている。
【0020】
続いて、デジタルカメラ100が有する他の構成要素について説明する。圧力センサ112は、本実施の形態では、シリコンダイアフラムを用いた、いわゆる半導体式圧力センサを用いるものとする。この圧力センサ112のダイアフラム110は、デジタルカメラ100に加わる圧力を検出可能な位置に配設されている。半導体式圧力センサの構成は公知であるので詳細な説明は省略し、概略的構成について説明する。圧力センサ112のダイアフラム110には、ブリッジ抵抗回路が形成されており、圧力を受けて生じるダイアフラム110の変形量を、ブリッジ抵抗回路における電圧の変化量によって検出可能とするものである。なお、圧力センサ112は半導体式のものに限られるものではなく、静電容量式等の他の方式を用いたものであってもよい。
【0021】
水検出センサ116は、デジタルカメラ100が水中や水際等、水に接する環境に存在するか否かを検出するためのものである。本実施の形態では、水検出センサ116は電極118Aおよび118Bを有し、これらの電極118A、118Bはデジタルカメラ100が水に接する環境に存在する場合に水に漬かる箇所に配設されている。これらの電極118A、118B間の抵抗値が変化するのに応じて、デジタルカメラ100が水に接する環境にあるか否かを判定することが可能となる。例えば、デジタルカメラ100が空気中にある場合には、これらの電極118A、118B間の抵抗値は略無限大となる。一方、これらの電極118A、118Bが水に没している状態では、上記抵抗値は、電極118A、118Bが空気中にある場合に比して小さくなる。このように、電極118A、118B間の抵抗値の検出結果に基づいて、デジタルカメラ100が水に接する環境に存在するか否かを検出することが可能となる。
【0022】
上述した圧力センサ112のダイアフラム110と水検出センサ116の電極118Aおよび118Bとは、ユーザがデジタルカメラ100を操作する場合に、上記圧力の検出や水の検出を妨げることの無いような位置に配設することが望ましい。例えば、ユーザがデジタルカメラ100を保持したときに指の掛からない位置に設けることが望ましい。或いは、スリット、メッシュ等を有するカバーで上記ダイアフラム110、電極118Aおよび118Bを覆い、ユーザの指が掛かっても上記検出に影響を及ぼさないように構成されていてもよい。
【0023】
加速度センサ114は、デジタルカメラ100に対して加わる振動を検出可能に構成される。この加速度センサ114は、ユーザによってデジタルカメラ100に与えられる加振操作によって生じる振動を検出可能に構成される。この加振操作とは、本明細書においては、ユーザがデジタルカメラ100を指先やペン等で軽く叩く操作、手のひら等に当てる操作、揺する操作、振る操作、回転させる操作等を意味する。
【0024】
加速度センサ114としては、MEMES(micro electro mechanical systems)を用いたものがすでに実用化されている。MEMSを用いた加速度センサでは、図1、図2に示したX、Y、Z軸方向に生じる加速度を検出可能に構成されるセンサが単一のシリコン基板上に形成されている。また、上記のX、Y、Z軸方向に生じる加速度のみならず、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りに生じる動きも検出可能なセンサもまた実用化されている。加速度センサ114は、ユーザによる上記加振操作を検出可能なようにデジタルカメラ100内に配設される。
【0025】
ところで、カメラに加わる振動(手ぶれ)をジャイロスコープで検出し、撮影光学系の一部、或いは撮像素子を撮影光学系の光軸と直交する平面内で移動させ、手ぶれによって生ずる像ブレを減じる手ぶれ補正システムがすでに商品化されている。デジタルカメラ100がこのような手ぶれ補正システムを有するものである場合、上述した加振操作を検出する専用の加速度センサを設けるのに代えて、上記手ぶれ補正システム用に組み込まれたジャイロスコープで加振操作を検出するようにしてもよい。
【0026】
デジタルカメラ100は、ユーザによる上記加振操作により生じる振動を検出し、検出された振動に基づいてユーザの操作を受け付けることが可能に構成される。例えば、十字キースイッチ130を直接押下するのに代えて、ユーザがデジタルカメラ100を上下(Y軸方向)左右(X軸方向)に振ったり、図1に示すX軸回、Y軸回り、或いはZ軸回りに揺動させたりしてデジタルカメラ100の各種設定を変更する操作をすることが可能である。同時に、或いは別の例では、ズーム指示スイッチ126、128を直接押下するのに代えて、例えばデジタルカメラ100を2回続けて叩くとズームアップ動作が行われ、1回だけ叩くとズームダウン動作が行われるようにすると云った操作をすることも可能である。
【0027】
以上のように、ユーザが行うことの可能な加振操作としては様々なものがあるが、以下では説明を単純化することを目的として、デジタルカメラ100はユーザによる上記加振操作としてデジタルカメラ100を軽く叩く操作、すなわちタップ操作を受付可能に構成されるものとして説明をする。ユーザがタップ操作許可スイッチ124を操作してデジタルカメラ100をタップ操作許可モードにすると、ユーザは上述した各種スイッチの操作に加えてタップ操作によってもデジタルカメラ100を操作することが可能となる。
【0028】
図1、図2において図示はしていないが、デジタルカメラ100の側面部や底部等には
、デジタルカメラ100の電源である電池を収納する電池収容室、撮影して得られた画像データを記録するためのメモリカードを収容するメモリカード収容室、そしてパーソナルコンピュータ、画像データストレージ装置、プリンタ等の外部装置と通信を行うためのケーブルを装着するためのUSB(Universal Serial Bus)端子等が備えられる。
【0029】
図3は、デジタルカメラ100の内部構成を概略的に示すブロック図である。デジタルカメラ100の動作を制御するための制御部として機能するシステムコントローラ300は、CPU303と、以下に説明する複数の機能ブロックとを有して構成される。この、複数の機能ブロックには、電力制御部302と、画像処理部304と、画像圧縮伸長部306と、外部メモリインターフェース部308と、入出力部(I/O)310と、割り込み制御部312と、タイマカウンタ314と、A/Dコンバータ316と、D/Aコンバータ318と、クロック部320とを含む。CPU303と上記機能ブロックとは、制御ラインやバスラインを介して互いに接続されている。また、図3においてこれらの機能ブロックは、CPU303と別体に描かれているが、CPU303の内部に設けられるものであってもよい。
【0030】
システムコントローラ300には、撮像素子インターフェース回路336を介して撮像素子335が、抵抗値検出回路352を介して水検出センサ116が、電力回路322を介してバッテリー324が、表示制御部326を介して表示装置132が接続される。システムコントローラ300にはまた、時計回路338、メモリカード340、DRAM342、フラッシュメモリ344、圧力センサ112、USBコントローラ328、操作スイッチ332、発振子334、振動検出部400等が接続される。
【0031】
撮像素子335は、CCD、或いはC−MOS等で構成され、撮影レンズ102によって形成される被写体像を光電変換して画像信号を生成する。撮像素子インターフェース回路336は、撮像素子335を駆動し、撮像素子335から出力される画像信号を画像データに変換する。
【0032】
システムコントローラ300の内部構成について説明する。電力制御部302は、システムコントローラ300内におけるCPU303や各機能ブロックで必要とされる電力を、CPU303からの指令に基づいて制御する。
【0033】
CPU303は、システムコントローラ300の中核を成し、以下に説明する機能ブロックを統括的に制御する。画像処理部304は、撮像素子インターフェース回路336から出力される画像データにγ補正、色変換、デモザイキング等の処理をし、画像圧縮伸長部306に出力する。画像処理部304はまた、デジタルカメラ100が撮影準備状態(デジタルカメラ100が画像記録モードに設定されていてユーザがデジタルカメラ100を被写体に向けている状態)にあるときに撮像素子インターフェース回路336から入力した表示用の画像データを毎秒30フレーム、或いは毎秒60フレームなどといったフレームレートで処理し、表示制御部326に出力する。表示制御部326は、画像処理部304から出力される画像に基づく画像を表示装置132に表示する処理を行う。このとき表示装置132に表示される画像はスルー画像、或いはライブビュー画像と称される。
【0034】
画像圧縮伸長部306は、画像処理部304から出力された画像データを圧縮し、外部メモリインターフェース部308を介してメモリカード340に記録する。画像圧縮伸長部306はまた、デジタルカメラ100が画像再生モードに設定されているときに、外部メモリインターフェース部308を介してメモリカード340から読み込んだ圧縮画像データを伸長し、表示制御部326に出力する。表示制御部326は、画像圧縮伸長部306から入力した画像データに基づく画像を表示装置132に表示する。
【0035】
外部メモリインターフェース部308は、システムコントローラ300内のバスとメモリカード340とのインターフェース機能を有するのに加え、上記バスとDRAM342、フラッシュメモリ344とのインターフェース機能も有する。
【0036】
DRAM342は、画像処理部304、画像圧縮伸長部306が上述した処理をする際の作業領域として用いられる。フラッシュメモリ344に記録される制御プログラム346は、DRAM342上に読み出され、CPU303によって実行される。
【0037】
入出力部310は、システムコントローラ300に電気的に接続された時計回路338、抵抗値検出回路352、圧力センサ112、USBコントローラ328、操作スイッチ332、振動検出部400とCPU303との間で行われるデータや制御信号の授受を行うためのものである。
【0038】
割り込み制御部312は、ユーザによる操作スイッチ332の操作、ユーザによるタップ操作、タイマカウンタ314での計時完了等の事象が発生したときにCPU303へ割り込み信号を発することが可能に構成される。タイマカウンタ314は、クロック部320から出力されるクロック信号をカウントしてシステムコントローラ300によるシステム制御に必要なタイミング信号を生成する。
【0039】
クロック部320は、システムコントローラ300に電気的に接続された発振子334から出力される信号をもとに、システムコントローラ300の作動に必要な周波数のクロックを生成する。クロック部320で生成されたクロック信号は、クロック信号の入力を必要とする機能ブロックに出力される。
【0040】
A/Dコンバータ316は、システムコントローラ300に電気的に接続される抵抗値検出回路352、圧力センサ112、振動検出部400等から出力されるアナログ信号を入力してデジタル信号に変換する。D/Aコンバータ318は、CPU303から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。本実施の形態においてD/Aコンバータ318からのアナログ出力信号は、後で図4を参照して説明するように振動検出部400に出力される。
【0041】
以上のように構成されるシステムコントローラ300は、フラッシュメモリ344に記録される制御プログラム346をCPU303が解釈・実行することによりデジタルカメラ100の動作を統括的に制御する。
【0042】
続いて、システムコントローラ300に接続される構成要素について説明する。電力回路322は、DC/DCコンバータを含んでおり、CPU303や電力の供給を必要とする機能ブロックに対して電力を分配(供給)する。このとき電力回路322は、電力を供給する対象のシステムコントローラ300や機能ブロックのそれぞれで必要とする電圧に昇圧、或いは降圧する。電力回路322による電力の分配は、システムコントローラ300から出力される指令信号に基づいて制御される。バッテリー324は、一次電池であっても二次電池であってもよい。
【0043】
表示装置132は、液晶表示パネル、或いは有機EL表示パネルなどを有し、カラー画像やアイコン、文字等を表示可能に構成される。表示制御部326は、表示装置132を駆動して、上記の画像やアイコン、文字等を表示する。
【0044】
USBコントローラ328は、デジタルカメラ100と、USBケーブルを介して電気的に接続される外部装置、たとえばパーソナルコンピュータ、画像データストレージ装置、プリンタなどとの間で行われるデータの送受信の制御を行うためのものである。
【0045】
操作スイッチ332は、先にも説明したように、図1或いは図2に示される各種のスイッチを総称したものであり、タクトスイッチ、ダイヤルスイッチ、タッチセンサ式のスイッチ、或いはスライドスイッチ等で構成される。発振子334は、水晶発振子、或いはセラミック発振子等で構成され、発振によって生成された信号をシステムコントローラ300内のクロック部320に出力する。
【0046】
時計回路338は、年月日時分秒の時間データを生成してシステムコントローラ300へ出力する。メモリカード340は、不揮発性の半導体メモリや小型のハードディスクドライブ等を有して構成され、デジタルカメラ100に着脱自在に装着される。
【0047】
フラッシュメモリ344は、デジタルカメラ100内に内蔵される不揮発性の半導体メモリである。このフラッシュメモリ344には、CPU303で実行される制御プログラム346、圧力センサ112で計測された圧力(水圧)の履歴を記録したデータであるログデータ348、デジタルカメラ100で設定された撮影パラメータ、デジタルカメラ100の個体差に対応して調整されたパラメータ、そして累計撮影コマ数、画像データに付与されるファイル名中に含まれるシリアルナンバー、画像データを記録するフォルダ名を特定する情報等を含む制御パラメータ350などが記録される。
【0048】
抵抗値検出回路352は、水検出センサ116の電極118A、118B間の抵抗値に応じた信号をシステムコントローラ300に出力する。電極118A、118B間に水が存在しているときには抵抗値が下がるが、このとき抵抗値検出回路352は例えばLo信号をシステムコントローラ300に出力するように構成することが可能である。この場合、電極118A、118B間に水が存在しないときには抵抗値が上がり、抵抗値検出回路352はHi信号をシステムコントローラ300に出力する。このように、水検出センサ116と抵抗値検出回路352とで水検知部が構成される。この水検知部により、デジタルカメラ100が水中にあるか否かをCPU303は判定可能となる。
【0049】
なお、上記の水検出センサ116として、電極118A、118Bを有するものに代えて、光センサを用いるものであってもよい。光センサの構成としては、赤外光等を発光する発光部と、発光部から出射される光を受光する受光部とを有するものとすることが可能である。そして、これら発光部、受光部間に存在するのが空気か水かによって屈折率等が変化し、受光部に入射する光の光量が変化するのを検出して、デジタルカメラ100が水中にあるか、気中にあるかを判定可能に構成されていてもよい。
【0050】
圧力センサ112は、歪みゲージとしてのブリッジ抵抗358が形成されたダイアフラム110と、増幅回路354と、定電流回路356とを有して構成される。図3に示されるように、ブリッジ抵抗358は四つの抵抗が四つの接続点で接続された閉回路(ブリッジ回路)を成しているが、互いに対向しあう二組の接続点のうち、一方の組の接続点に増幅回路354が、他方の組の接続点に定電流回路356が接続されている。ダイアフラム110が圧力を受けて変形するのに伴い、ブリッジ抵抗358を構成する四つの抵抗の抵抗値が変化する。これによりブリッジ回路内の平衡が崩れ、増幅回路の接続される一対の接続点間に電位差が生じる。増幅回路354は、この電位差を増幅してA/Dコンバータ316に出力する。このように、圧力センサ112を構成するダイアフラム110(ブリッジ抵抗358)、増幅回路354、定電流回路356によって圧力測定部が構成される。この圧力測定部によって、デジタルカメラ100が水中にあるか否かをCPU303は判定可能となる。
【0051】
以上ではデジタルカメラ100が水検出センサ116と圧力センサ112とを有する例について説明した。デジタルカメラ100が水検出センサ116と圧力センサ112とを有することにより、雨中での撮影時に、それが陸上での撮影か、水中での撮影かを区別することが可能となる。また、デジタルカメラ100がごく浅い水深に位置していて、圧力センサ112による圧力検出結果からはデジタルカメラ100が水中にあるのか否かを判定しづらい場合であっても水検出センサ116による検出結果によってデジタルカメラ100が水中にあるか否かを容易に判定することが可能となる。デジタルカメラ100は、上述した水検出センサ116および圧力センサ112のうち、いずれか一方のセンサのみを有するものであってもよい。
【0052】
また、本実施の形態において、デジタルカメラ100は防水ハウジング等を用いずに単体で水中での撮影が可能なものであるとして説明しているが、防水ハウジング内に収容して水中での撮影が可能なものであってもよい。その場合、防水ハウジング内に設けられた突起がデジタルカメラ100に設けられたスイッチを押すようにして、CPU303はデジタルカメラ100が水中で使用されることを検出可能に構成されていてもよい。
【0053】
振動検出部400は、先に説明した加速度センサ114と、加速度センサ114から出力される信号を処理してシステムコントローラ300へ出力する処理部とを有して構成される。
【0054】
図4は振動検出部400の概略的構成を説明するブロック図である。振動検出部400は、電力制御部402と、加速度センサ114と、X軸加速度処理部410と、Y軸加速度処理部420と、Z軸加速度処理部430とを有する。
【0055】
電力制御部402は、電力回路322(図3)から供給される電力を、振動検出部400内の各構成要素に供給する。この電力制御部402には、入出力部310を介してCPU303から制御信号が出力される。そして、CPU303は、この制御信号によって、電力制御部402が振動検出部400内の各構成要素に電力を供給するかしないかを制御可能に構成される。これにより、CPU303は振動検出部400の動作許可と動作禁止(停止)とを制御できる。
【0056】
加速度センサ114は、図1、図2に示されるX軸方向の加速度(振動)を検出可能なX軸加速度センサ404と、Y軸方向の加速度(振動)を検出可能なY軸加速度センサ406と、Z軸方向の加速度(振動)を検出可能なZ軸加速度センサ408とを有する。
【0057】
これらのX軸加速度センサ404、Y軸加速度センサ406、Z軸加速度センサ408からの出力信号は、対応するX軸加速度処理部410、Y軸加速度処理部420、Z軸加速度処理部430へ入力される。これらX軸加速度処理部410、Y軸加速度処理部420、Z軸加速度処理部430の内部構成は基本的に同じであるので、X軸加速度処理部410の内部構成についてのみ以下に説明する。
【0058】
X軸加速度処理部410は、増幅器412と、波形成形部418とを有する。波形成形部418は、コンパレータ414とフィルタ416とを有する。増幅器412は、X軸加速度センサ404から出力される信号を、システムコントローラ300内のA/Dコンバータ316で処理可能なレベルにまで増幅し、A/Dコンバータ316に入力する。増幅器412の出力信号はまた、波形成形部を構成するフィルタ416にも入力され、不要な信号成分がフィルタ416で除去されてコンパレータ414の非反転入力部へ入力される。CPU303は、コンパレータ414の反転入力部に入力すべき基準電圧(Vref)に他応するデジタルデータをD/Aコンバータ318に出力する。D/Aコンバータ318は、このデジタルデータを、電圧がVrefのアナログ信号に変換してコンパレータ414の反転入力部に入力する。コンパレータ414から出力される信号は、入出力部310および割り込み制御部312に出力される。
【0059】
上述した構成により、X軸加速度センサ404から出力された加速度信号は増幅器412で増幅され、フィルタ416で濾波された後、コンパレータ414によってシステムコントローラ300内の入出力部310、割り込み制御部312で入力可能な二値信号に変換される。CPU303は、この二値信号の状態に基づいてユーザにより行われるタップ操作を検出することができる。このとき、CPU303がD/Aコンバータ318に出力するデジタルデータの値を変化させることにより、コンパレータ414の反転入力部に入力される基準電圧(Vref)の値を変化させることが可能となり、これにより加速度の検出感度を任意に変更可能となる。
【0060】
また、増幅器412から出力された加速度信号をA/Dコンバータ316でデジタルデータに変換し、そのデータをCPU303が処理することによっても、ユーザによるタップ操作を検出することができる。この場合、後で説明するように、ユーザが一回目には強めにタップ操作し、それに引き続いて弱めに二回タップ操作する等、デジタルカメラ100に所定の振動パターンで振動が加えられるように加振操作するのをCPU303は検出可能となる。このとき、波形成形部418が有する波形成形機能は、CPU303により実行されるソフトウェアによって実現可能である。
【0061】
Y軸加速度処理部420、Z軸加速度処理部430からの出力信号もまた、X軸加速度処理部410からの出力信号と同様に、A/Dコンバータ316、D/Aコンバータ318、入出力部310、割り込み制御部312へ入力される。
【0062】
以上、振動検出部400がX、Y、Zの3軸方向の振動を検出可能に構成される例について説明したが、振動検出部400が1軸方向、或いは2軸方向の振動のみを検出可能に構成されていてもよい。また、X、Y、Zの各軸のうち、任意の軸回りの回転(揺動)を検出可能に構成されていてもよい。
【0063】
以上に説明したように構成されるデジタルカメラ100は、通常の作動状態と、通常の作動状態に比して少ない消費電力で待機動作してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態をと有する。スタンバイ状態においてCPU303は、電力回路322に制御信号を発して、必要最小限の機能ブロックにのみ電力を供給するようにする。CPU303自体も通常の作動状態に比して低い消費電力となるように、いわゆるスリープモードに移行することが可能に構成される。
【0064】
通常の作動状態からスタンバイ状態への移行は、デジタルカメラ100の電源がオンされた状態で、ユーザがデジタルカメラ100を最後に操作してから例えば30秒、1分といった所定の時間が経過したときに(ユーザがデジタルカメラ100を操作しない状態が例えば30秒、1分といった所定の時間を超して続いたときに)行われる。
【0065】
また、スタンバイ状態から通常の作動状態への復帰は、割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が出力されたときに行われる。割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号を出力する動作は、ユーザが操作スイッチ332を操作することにより行われる。
【0066】
デジタルカメラ100は、防水ハウジング等に収納することなく、水中での撮影が可能に構成される。上述したように、デジタルカメラ100は水検出センサ116や圧力センサ112を備えているのでデジタルカメラ100が水中にあるか否かを判定可能である。デジタルカメラ100はまた、ユーザがメニュースイッチ122等を操作して、水中スナップモード、水中マクロモード等、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成されている。水中での使用中に、上述したように通常の作動状態からスタンバイ状態へ移行することもある。
【0067】
水中においても、ユーザがスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100を通常の作動状態に復帰させるためには、操作スイッチ332を操作すればよい。しかし、水中での撮影に際しては、ユーザは手袋やマスクを装着していたり、水圧や水の抵抗を受けたりして、操作スイッチ332の操作が容易でない場合がある。そのような場合にも容易に操作可能とするため、デジタルカメラ100は、ユーザのタップ操作(加振操作)によってもスタンバイ状態から通常の作動状態への復帰が可能となるように構成されている。
【0068】
ところで、ユーザがデジタルカメラ100の電源をオフするのを忘れてケースや鞄に入れて持ち運ぶことは通常に起こりうることである。この場合、デジタルカメラ100はスタンバイ状態へ移行するので電力の無駄な消費を抑制することが可能となる。しかし、単にユーザのタップ操作によってもスタンバイ状態から通常の作動状態へ復帰可能とすると、以下のような問題を生じる可能性がある。すなわち、持ち運びに伴ってデジタルカメラ100に生じる振動により、割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が出力されて通常の作動状態への復帰が行われると、持ち運び中のデジタルカメラ100で電力が無駄に消費される可能性がある。
【0069】
そこで、デジタルカメラ100では、水中で通常の作動状態へ復帰する操作を容易にするとともに、上述した電力の無駄な消費を抑制可能とするため、以下の第1から第3の実施の形態で説明するような制御が行われる。なお、以下で説明する第1から第3の実施の形態において、デジタルカメラ100の内部構成はいずれも同じで、図1から図4を参照して先に説明した内容のものとなっている。そして、CPU303によって実行される制御手順が相違する。
【0070】
− 第1の実施の形態 −
図5Aおよび図5Bは、本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ100内のCPU303で実行される概略処理手順を説明するフローチャートである。図5Aおよび図5Bに示される処理手順をCPU303が実行することにより、概略以下に示されるような制御が成される。
【0071】
(1)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出されない場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されていない場合、CPU303は、デジタルカメラ100がタップ許可モードに設定されていても、スタンバイ状態に移行する際に振動検出部400での振動検出動作を停止させる。これにより、スタンバイ状態時にタップ操作による振動、或いはタップ操作による振動と似た振動がデジタルカメラ100に与えられても通常の作動状態への復帰は行われない。
【0072】
(2)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合で、タップ操作許可モードに切り替えられている場合には、CPU303はスタンバイ状態に移行する際に振動検出部400での振動検出動作を継続して行うようにする。これにより、デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合には、ユーザがスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作をすることにより、通常の作動状態に復帰させることが可能となる。
【0073】
(3)デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合で、タップ操作禁止モードに切り替えられている場合には、CPU303はスタンバイ状態に移行する際に振動検出部400での振動検出動作を行うようにはしない。これにより、デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合であっても、タップ操作禁止モードに切り替えられている場合にはスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作による振動、或いはタップ操作による振動に似た振動が与えられても通常の作動状態への復帰は行われない。
【0074】
以下、図5A、図5Bのフローチャートを参照してCPU303により実行される処理手順について説明する。図5A、図5Bに示される処理手順は、デジタルカメラ100のパワースイッチ106をユーザが操作して電源がオンされた場合、或いは割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が出力されたときに実行が開始される。
【0075】
S500においてCPU303は、デジタルカメラ100内のシステム起動に際しての初期設定を、起動プロセスの種類に対応して行う。すなわち、起動プロセスの種類に対応して、メモリ、入出力部、そして他の機能ブロックを初期化する処理を行う。ここで、起動プロセスは二種類ある。一つは、パワースイッチ106が操作され、システムが完全に停止した状態から起動するプロセスである。もう一つは、システムがスタンバイ状態から起動するプロセスである。
【0076】
S502においてCPU303は、タイマカウンタ314の設定を行う。CPU303は、タイマカウンタ314から出力されるタイミング信号に従い、圧力センサ112から出力される信号の入力や、通常の作動状態からスタンバイ状態へ移行する処理を行う。
【0077】
S504においてCPU303は、タップ操作許可スイッチ124が操作されたか否かの判定を行う。S504で、タップ操作許可スイッチ124が操作されたとCPU303が判定するとS506に進み、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS506で判定された場合の分岐先であるS508においてCPU303は、操作モードをタップ操作許可モードに切り替える設定をする。
【0078】
CPU303は、S510において振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400を起動し、D/Aコンバータ318を介してコンパレータ414に基準電圧Vrefを出力してS534に進む。基準電圧Vrefを大きく設定すると、タップ操作に対する感度を低めることが可能となる。逆に基準電圧Vrefを小さく設定すると、タップ操作に対する感度を高めることが可能となる。すなわち、基準電圧Vrefを大きく設定した場合、ユーザがより強いタップ操作をしないとCPU303は当該のタップ操作を認識しない。逆に基準電圧Vrefを小さく設定した場合、ユーザが軽目のタップ操作をしてもCPU303は当該のタップ操作を認識することが可能となる。タップ操作に対する感度は、加速度センサ114の特性や増幅器412のゲインにも影響を受けるので、デジタルカメラ100の製造過程で振動検出部400のキャリブレーション結果に基づく制御パラメータをフラッシュメモリ344内に記録することが望ましい。
【0079】
現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS506で判定された場合の分岐先であるS512においてCPU303は、操作モードをタップ操作禁止モードに切り替える設定をする。続くS514においてCPU303は振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400の作動を停止し、S534に進む。
【0080】
S504での判定が否定された場合の分岐先であるS520においてCPU303は、メニュースイッチ122の操作がなされたか否かの判定を行い、この判定が肯定されるとS522に進む。S522においてCPU303は、デジタルカメラ100で現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS522で判定された場合の分岐先であるS524においてCPU303は、ユーザが操作スイッチ332を操作するのに応じて、デジタルカメラ100の動作モードの選択、撮影条件の設定、再生画像の表示等の処理を行う。その後CPU303は、S534の処理に進む。
【0081】
現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS522で判定された場合の分岐先であるS526において、CPU303はユーザによるタップ操作を振動検出部400から出力される信号をもとに検出し、検出されたタップ操作に基づいてデジタルカメラ100の動作モードの選択、撮影条件の設定、再生画像の表示等の処理を行う。その後CPU303は、S534の処理に進む。
【0082】
S520での判定が否定された場合、すなわちメニュースイッチ122が操作されていないと判定された場合、CPU303はS530に進む。CPU303はS530で、レリーズスイッチ108が操作されたか否かの判定を行い、この判定が肯定されるとS532に進む。CPU303は、S532で撮影に係る一連の動作を行う。すなわち、CPU303は撮影レンズ102の焦点調節動作、測光動作等の撮影準備動作を実行した後に、不図示のシャッタの開閉動作を行う。CPU303はその後、画像処理部304および画像圧縮伸長部305に制御信号を発する。この制御信号を受け、画像処理部304は撮像素子インターフェース回路336から出力された画像データに画像処理をし、画像圧縮伸長部305は画像処理部304から出力される画像データに対して圧縮処理を行い、メモリカード340に記録する処理を行う。S532の処理を完了したCPU303はS534に進む。
【0083】
S530での判定が否定された場合の分岐先であるS540においてCPU303は、操作スイッチ332のいずれもが操作されずに所定時間が経過したか否かを判定する。S540での判定が肯定されるとCPU303はS542に進み、ユーザ操作に伴う割り込み許可の処理をする。すなわち、スタンバイ状態中に操作スイッチ332が操作されたときに割り込み制御部312から割り込み信号をCPU303に出力するようにCPU303は割り込み制御部312を設定する。
【0084】
続くS544においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS544で判定された場合、CPU303はシステムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。
【0085】
現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合、CPU303はS546に分岐する。S546においてCPU303は、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。S546での判定が肯定された場合、すなわちデジタルカメラ100が水中にある、水中撮影モードに設定されている、或いは両方であると判定された場合、CPU303はS548に進み、振動検出部400による割り込み動作を許可する。すなわち、CPU303は振動検出部400を作動状態に維持し、振動検出部400が振動を検出してコンパレータ414から割り込み制御部312に信号が出力された場合にCPU303に対して割り込み信号が出力されるように割り込み制御部312を設定する。CPU303がこのように設定をすることにより、デジタルカメラ100がスタンバイ状態にあるときにユーザがタップ操作をするのに応じて通常の作動状態に復帰することが可能となる。
【0086】
S546での判定が否定された場合の分岐先であるS550においてCPU303は、振動検出部400の電力制御部402に制御信号を出力して振動検出部400の動作を停止させる。
【0087】
CPU303は、S548、またはS550の処理を終え、システムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。CPU303によって実行されるS550の処理により、デジタルカメラ100がスタンバイ状態にあるときにはタップ操作を受け付けない。これにより、スタンバイ状態にあるデジタルカメラ100が持ち運ばれているときにタップ操作による振動と類似する振動がデジタルカメラ100に与えられても、通常の作動状態に復帰することはない。
【0088】
S540での判定が否定された場合の分岐先であるS560においてCPU303は、パワースイッチ106が操作されたか否かを判定し、この判定が肯定されるとS562に進む一方、否定されるとS504に戻る。S562においてCPU303は、システムを停止するための設定動作を行い、一連の処理を終える。
【0089】
S510、S514、S524、S526、或いはS532の処理に続いて行われるS534の処理は、通常の作動状態からスタンバイ状態へ移行する際に、ユーザがデジタルカメラ100を操作しない状態の時間を計時するタイマカウンタ314を初期化するための処理である。このタイマカウンタ314の初期化により、例えば30秒、1分といった時間が設定されてカウントダウン(或いはカウントアップ)が開始される。すなわち、S510、S514、S524、S526、S532は何らかのユーザ操作がなされた直後のステップであるので、これらのステップを経た後のS534でタイマカウンタ314が初期化される。S534の処理を終えたCPU303は、S504に戻り、上述した処理を繰り返し行う。
【0090】
図5Aに示されるS090、S092、およびS094の処理について説明する。デジタルカメラ100(システムコントローラ300)がスタンバイ状態にあるときに、ユーザ操作やタップ操作が行われたのに応じて割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が発せられる。なお、タップ操作によって割り込み信号は発せられるのは、スタンバイ状態に移行する際に振動検出部400が作動状態に維持されている場合のみである。この割り込み信号を受けて起動したCPU303により、S090、S092、およびS094の処理が実行される。
【0091】
S090においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるかタップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであると判定された場合、CPU303はS092に進み、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。S092での判定が否定された場合、すなわちデジタルカメラ100は水中になく、水中撮影モードにも設定されていないと判定された場合、CPU303はS094に進み、振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400を起動し、D/Aコンバータ318を介してコンパレータ414に基準電圧Vrefを出力してS500に進む。
【0092】
現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS090で判定された場合、或いはS092で肯定の判定がなされた場合には、CPU303は何もせずにS500に進む。
【0093】
第1の実施の形態においてデジタルカメラ100は、設定可能な操作モードとしてタップ操作許可モードとタップ操作禁止モードとを有する。そして、タップ操作許可モードに設定されている状態でスタンバイ状態に移行する際には振動検出部400の動作が停止される。このため、スタンバイ状態中にタップ操作によって生じる振動と似た振動がデジタルカメラ100に加えられても、スタンバイ状態から通常の作動状態に復帰することは無いので電力の無駄な消費を抑制することが可能となる。
【0094】
一方、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定されていて、デジタルカメラ100が水中にある、或いは水中撮影モードに設定されていると判定された場合には、スタンバイ状態に移行する際に振動検出部400は作動状態に維持され、振動検出部400による割り込み動作が許可されるので、水中撮影の状況下においてスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100をタップ操作によって通常の作動状態に復帰させることが可能となり、デジタルカメラ100の操作性を向上させることが可能となる。
【0095】
なお、S094において振動検出部起動の処理が行われる理由は、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、S550で振動検出部の動作が停止されているからである。すなわち、スタンバイ状態から通常の作動状態に復帰するのに際し、振動検出部400を起動させてスタンバイ状態移行前に設定されていたタップ操作許可モードを有効にする必要があるからである。
【0096】
− 第2の実施の形態 −
図6Aおよび図6Bは、本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ100内のCPU303で実行される概略処理手順を説明するフローチャートである。図6Aおよび図6Bに示される処理手順をCPU303が実行することにより、概略以下に示されるような制御が成される。
【0097】
(1)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出されない場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されていない場合、CPU303は、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、振動検出部400での振動検出動作を継続して行うようにする。CPU303はこのとき、振動検出レベルを通常の作動状態で設定される振動検出レベル(Vref1)よりも高い値(Vref2)に設定する。これにより、スタンバイ状態時にタップ操作による振動と似た振動がデジタルカメラ100に与えられても通常の作動状態への復帰が行われにくくなるようにし、デジタルカメラ100の持ち運び時等に電力が無駄に消費されるのを抑制する。
【0098】
(2)デジタルカメラ100が、水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合、CPU303は、デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、振動検出部400での振動検出動作を継続して行うようにする。CPU303はこのとき、振動検出レベルを、上述したスタンバイ状態時の振動検出レベル(Vref2)よりも低い値(Vref3)に設定する。これにより、デジタルカメラ100が水中にあることが検出された場合、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されている場合には、ユーザがスタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作をする際に、比較的容易に通常の作動状態に復帰させることが可能となる。
【0099】
(3)デジタルカメラ100がタップ操作禁止モードに切り替えられている場合には、CPU303はスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中にあることが検出されたか否か、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されているか否かに拘わらず、振動検出部400での振動検出動作を行うようにはしない。これにより、デジタルカメラ100がタップ操作禁止モードに切り替えられている場合には、スタンバイ状態にあるデジタルカメラ100に対してタップ操作による振動、或いはタップ操作による振動に似た振動が与えられても通常の作動状態への復帰は行われない。
【0100】
以下、図6A、図6Bのフローチャートを参照してCPU303により実行される処理手順について説明する。図6A、図6Bに示される処理手順において、図5A、図5Bに示される処理手順と同様の処理手順には図5A、図5Bで付したのと同じステップ番号を付し、その説明を省略する。そして、第1の実施の形態との差異を中心に説明をする。
【0101】
図6Aにおいては、割り込みが発生したときに実行が開始される処理手順(S610、S612)と、現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS504で判定された場合の処理手順(S620からS624)が第1の実施の形態と異なる。また、図6Bにおいては、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合の処理手順(S600からS606)が第1の実施の形態と異なる。
【0102】
図6Aを参照して説明する。S504でタップ操作許可スイッチ124が操作されたと判定され、現在設定されている操作モードがタップ操作禁止モードであるとS506で判定されると、CPU303はS620でデジタルカメラ100の動作モードをタップ操作許可モードに設定する。続くS622においてCPU303は、振動検出部400での振動検出レベルを以下に説明するように設定する。すなわち、CPU303は、コンパレータ414の反転入力部に入力する基準電圧Vrefとして、通常の作動状態でタップ操作許可モード時に設定される基準電圧である、第1の基準電圧(これを便宜的に「Vref1」と称する)に設定する。CPU303は続いてS624に進み、振動検出部400の電力制御部402に制御信号を発して振動検出部400を起動する。
【0103】
続いて、図6Bを参照して説明すると、デジタルカメラ100の操作が検出されずに所定時間が経過したとS540で判定されてスタンバイ動作に移行する処理を開始したCPU303は、S542でユーザ操作に伴う割り込み許可をする。すなわち、スタンバイ状態中に操作スイッチ332が操作されたときに割り込み制御部312から割り込み信号をCPU303に出力するようにCPU303は割り込み制御部312を設定する。そして、続くS544においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。以上、S540、S542、S544での処理内容は第1の実施の形態と同じである。
【0104】
そして、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合の処理が以下に説明するように第1の実施の形態と異なる。S600においてCPU303は、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。
【0105】
S600での判定が否定された場合、すなわちデジタルカメラ100は水中に無く、また、水中撮影モードに設定されていないと判定された場合、CPU303はS606に進む。S606においてCPU303は、振動検出部400での振動検出レベルを変更する。具体的には、コンパレータ414の反転入力部に入力する基準電圧Vrefが通常の作動状態でタップ操作許可モード時に設定される第1の基準電圧であるVref1よりも高い第2の基準電圧(これを便宜的に「Vref2」と称する)となるように設定する。
【0106】
一方、S600での判定が肯定された場合、すなわちデジタルカメラ100が水中にある、水中撮影モードに設定されている、或いは両方であると判定された場合、CPU303はS602に進み、振動検出部400での振動検出レベルを変更する。具体的には、コンパレータ414の反転入力部に入力する基準電圧Vrefが上記第2の基準電圧Vref2よりも低い第3の基準電圧(これを便宜的に「Vref3」と称する)に設定する。
【0107】
S602、またはS606の処理を終えたCPU303は、S604に進み、振動検出部400による割り込み動作を許可する。すなわち、CPU303は振動検出部400を作動状態に維持し、振動検出部400が振動を検出してコンパレータ414から割り込み制御部312に信号が出力された場合にCPU303に対して割り込み信号が出力されるように割り込み制御部312を設定する。そしてCPU303は、システムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。
【0108】
再び図6Aを参照してS610、S612の処理について説明する。デジタルカメラ100(システムコントローラ300)がスタンバイ状態にあるときに、ユーザ操作やタップ操作が行われたのに応じて割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が発せられる。この割り込み信号を受けて起動したCPU303により、S610およびS612の処理が実行される。
【0109】
S610においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、タップ操作禁止モードであるかを判定する。現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであると判定された場合、CPU303はS612に進む。S612においてCPU303は、D/Aコンバータ318を介して振動検出部400のコンパレータ414に基準電圧Vref1を出力し、S500に進む。
【0110】
デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、上述したS600、S602、S606の処理によってコンパレータ414に出力される基準電圧がVref2、またはVref3に変更されている。その基準電圧Vref、すなわち振動検出部400での振動検出レベルを元のレベルであるVref1に戻すためにS612において上述した処理が行われる。
【0111】
CPU303によって上述した処理が行われる結果、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100が通常の作動状態にあるときには振動検出レベルとしてVref1が設定される。また、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100がスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、或いは両方であると判定された場合には振動検出レベルとしてVref3が設定される。さらに、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100がスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中に無く、水中撮影モードにも設定されていないと判定された場合には、振動検出レベルとしてVref2が設定される。
【0112】
上記Vref1、Vref2、Vref3の大小関係は、Vref2はVref1より大きく、Vref3はVref2より小さい。すなわち、タップ操作許可モードに設定されたデジタルカメラ100がスタンバイ状態に移行する際に、このデジタルカメラ100が水中に無く、水中撮影モードにも設定されていない場合、振動検出部400の振動検出感度は低められる。したがって、通常の作動状態にあるときよりも強いタップ操作が加えられないと通常の作動状態に復帰しない。このため、ユーザが電源を切るのを忘れてデジタルカメラ100を持ち運ぶような状況で、タップ操作によって生じる振動に似た振動がデジタルカメラ100に加えられても、その振動レベルがVref2を上回らないと通常の作動状態に復帰しない。これにより、通常の作動状態への意図しない復帰動作によって電力が無駄に消費されるのを抑制することが可能となる。
【0113】
一方、タップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際に、デジタルカメラ100が水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、或いは両方であると判定された場合には振動検出レベルとしてVref2よりも小さいVref3に設定される。これにより、振動検出部400の振動検出感度は高められる。したがって、地上(気中)に比べて操作のしづらい水中で、デジタルカメラ100を容易にスタンバイ状態から通常の作動状態へ復帰させることが可能となり、デジタルカメラ100の操作性が向上する。このVref3に関し、Vref2よりも小さい値に設定することは以上に説明したとおりであるが、Vref1よりも高い値に設定しても、Vref1以下の値に設定してもよい。また、ユーザの好みや使用形態に応じてこれらのVref1、Vref2、Vref3を自由に設定可能に構成されていてもよい。
【0114】
− 第3の実施の形態 −
図7A、図7B、および図7Cは、本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ100内のCPU303で実行される概略処理手順を説明するフローチャートである。図7Aから図7Cに示される処理手順をCPU303が実行することにより、概略以下に示されるような制御が成される。
【0115】
(1)デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行する際には、振動検出部400による割り込み動作が常に許可される。
【0116】
(2)振動検出部による割り込み動作が発生した場合、CPU303はデジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されているかを判定し、この判定が肯定された場合には通常の作動状態に復帰する。
【0117】
(3)振動検出部400による割り込み動作が発生した場合、CPU303はデジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影に適した撮影モードに設定されているかを判定する。この判定が否定された(デジタルカメラ100は気中にあり、なおかつ水中撮影モードに設定されていない)場合には、CPU303は振動検出部400からの出力信号を所定時間にわたって測定し、振動波形を分析する。そしてこの振動波形が所定のタップ操作により得られる振動波形とマッチしない場合には、CPU303はデジタルカメラ100を再度スタンバイ状態に移行させる。一方、振動波形が所定のタップ操作により得られる振動波形と略マッチする場合には、CPU303はデジタルカメラ100を通常の作動状態に復帰させる。
【0118】
以下、図7Aから図7Cのフローチャートを参照し、CPU303により実行される処理手順について説明する。図7Aから図7Cに示される処理手順において、図5A、図5Bに示される処理手順と同様の処理手順には図5A、図5Bで付したのと同じステップ番号を付し、その説明を省略する。そして、第1の実施の形態との差異を中心に説明をする。
【0119】
図7Aにおいて、割り込み発生時の処理が紙面の都合で図7Cに移され、図7Cに示される処理からS500に分岐する処理経路を示す結合子Dが追加された以外、図5Aに示されるものと異なる点は無い。図7Bにおいては、通常の作動状態からスタンバイ状態に移行する際に、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定されたときのS720の処理が図5Bに示される第1の実施の形態と異なる。図7Cに示される割り込み発生時の処理は、図5Aに示される第1の実施の形態のものと全体的に異なっている。
【0120】
図7Bを参照して説明する。デジタルカメラ100の操作が検出されずに所定時間が経過したとS540で判定されてスタンバイ動作に移行する処理を開始したCPU303は、S542でユーザ操作に伴う割り込み許可をする。すなわち、スタンバイ状態中に操作スイッチ332が操作されたときに割り込み制御部312から割り込み信号をCPU303に出力するようにCPU303は割り込み制御部312を設定する。そして、続くS544においてCPU303は、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるか、或いはタップ操作禁止モードであるかを判定する。以上、S540、S542、S544での処理内容は第1の実施の形態と同じである。
【0121】
そして、現在設定されている操作モードがタップ操作許可モードであるとS544で判定された場合に行われる、S720での処理が以下に説明するように第1の実施の形態と異なる。S720においてCPU303は、振動検出部400による割り込み動作を許可する。すなわち、CPU303は振動検出部400を作動状態に維持し、振動検出部400が振動を検出してコンパレータ414から割り込み制御部312に信号が出力された場合にCPU303に対して割り込み信号が出力されるように割り込み制御部312を設定する。そしてCPU303は、システムコントローラ300をスタンバイ状態に設定し、CPU303自体もスリープモードに入る。このとき、コンパレータ414の反転入力部に入力される基準電圧は、デジタルカメラ100が通常の作動状態にあってタップ操作許可モードに設定されたときの基準電圧と同じであっても、異なる電圧であってもよい。
【0122】
図7Cを参照してS700からS710の処理について説明する。デジタルカメラ100(システムコントローラ300)がスタンバイ状態にあるときに、ユーザ操作やタップ操作が行われたのに応じて割り込み制御部312からCPU303に割り込み信号が発せられる。この割り込み信号を受けて起動したCPU303により、S700から始まる処理の実行が開始される。
【0123】
S700においてCPU303は、操作スイッチ332を構成するいずれかのスイッチがオンであるか否かを判定する。S700での判定が肯定される、すなわち割り込みの発生がユーザによる操作スイッチ332の操作がきっかけであると判定されると、CPU303はS500(図7A)に進む。一方、S700での判定が否定されるとCPU303はS702に進む。ここでS700での判定処理結果について補足説明をしておく。割り込みが発生し、S700での判定が否定される、すなわち操作スイッチ332はオンしていない、ということは、デジタルカメラ100はタップ操作許可モードに設定された状態でスタンバイ状態に移行し、振動検出部400が振動を検出して割り込みが発生した、ということを意味する。ただし、振動検出部440で検出された振動がユーザのタップ操作によるものなのか、或いは単なる振動によるものなのかを明確に判定することはできない。この判定を明確にするために、以下で説明するS702からS708の処理が行われる。
【0124】
S702においてCPU303は、デジタルカメラ100が水中にあるか、或いは水中撮影モードに設定されているかを判定する。S702での判定が肯定された場合には、CPU303は図7AのS500の処理に進む。すなわち、デジタルカメラ100が水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、或いはその両方であると判定された場合には、CPU303はS500に進んで通常の作動状態へ復帰する処理を行う。これはすなわち、水中ではユーザが手袋等を装着し、また水圧や水の抵抗を受けて、地上で行うのと同じタッピング操作するのは困難である場合があるので、より単純なタップ操作で通常の作動状態への復帰を可能としている。素潜りは元より、スキューバダイビングであっても潜水時間は高々1時間程度であり、上述したように、容易に通常の作動状態への復帰を可能としても、電力の無駄な消費の影響は少ない。
【0125】
S702での判定が否定された場合、すなわちデジタルカメラ100は地上で用いられている場合、CPU303はS704に進み、振動検出部400から出力される信号を所定時間、例えば2秒、5秒といった時間にわたって入力(監視)する。S706においてCPU303は、S704の入力(監視)で得られた振動波形を分析する。
【0126】
S708においてCPU303は、S706での分析の結果、それが予め定められたタップ操作によって得られる振動波形と略マッチするか否かを判定する。S708での判定が肯定されると、CPU303はS500の処理に進み、通常の作動状態への復帰動作を行う。一方、S708での判定が否定される、すなわちS706での分析の結果、それが予め定められたタップ操作によって得られる振動波形とマッチしない場合には、振動検出部400で検出された振動がタップ操作によるものではない可能性があるので、再度スタンバイ状態に戻る。
【0127】
以上のように、第3の実施の形態においては、デジタルカメラ100が通常の作動状態にあるときにS526で受け付けるタップ操作(タップ操作により生じる振動のパターン)と、スタンバイ状態にあるときにS708で受け付けるタップ操作(タップ操作により生じる振動のパターン)とは異なるものとなっている。
【0128】
ここで、上記の振動パターンについて図8を参照して説明する。図8の(a)は、デジタルカメラ100がタップ操作(加振操作)された場合に加速度センサ114から出力され、増幅器412で増幅され、フィルタ416で波形整形されて出力される信号の波形を例示している。図8の(b)は、図8の(a)に示される波形の信号がコンパレータ414の非反転入力部に入力されたときの、コンパレータ414から出力される信号の波形を例示している。
【0129】
デジタルカメラ100に対して波形802を生じるようなタップ操作が行われると、コンパレータ414からは波形806で示されるような信号が割り込み制御部312および入出力部310に出力される。デジタルカメラ100がタップ操作許可モードに設定されていて、通常の作動状態にある場合には、コンパレータ414から波形806で示されるような信号を入力するのに応じて、CPU303はユーザによるタップ操作を受け付ける。
【0130】
一方、図7Cを参照して以上に説明した割り込み発生処理におけるS700からS702、S704、S706を経てS708に至る処理においては、CPU303はS704において、予め定められた時間trefの間、図8の(b)に波形808として示されるような信号をコンパレータ414から入力する。そして、この時間trefの間に三つの信号C2、C3、C4がコンパレータ414から出力されたときに通常の作動状態へ復帰する処理を行う。一方、デジタルカメラが水中にあるか、水中撮影モードに設定されているか、それらの両方であるとS702で判定された場合には、図8の(b)に波形806として示されるような信号が入力されても通常の作動状態へ復帰する。
【0131】
以上では、CPU303が振動検出部400の出力を測定する際に、CPU303はコンパレータ414から二値の信号を入力する例について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではない。例えば、フィルタ416から出力される信号を、互いに異なる基準電圧が設定された複数のコンパレータに入力し、これら複数のコンパレータから出力される二値信号の組み合わせから振動波形を分析することもできる。あるいは、CPU303が振動検出部400から出力される、例えば、デジタルカメラ100がタップ操作(加振操作)された場合に加速度センサ114から出力され、増幅器412で増幅されて出力される信号を例示する図9において波形810として示されるようなアナログ信号を、A/Dコンバータ316を介して入力し、入力信号の振幅(信号レベル)も含めて振動波形を分析することも可能である。この場合、ユーザが所定の時間trefの間に3回タップし、2回目、3回目のタップの強度(P12、P13)が1回目のタップの強度(P11)に比して弱いと判定されたときにS708での判定が肯定されるようにすることも可能である。すなわち、1回目のタップによる信号が閾値V1を超すと図7Cの処理の実行が開始され、2回目、3回目のタップによる信号が閾値V2よりも小さく、閾値V3よりも大きいときにS708での判定が肯定されるようにすることも可能である。
【0132】
或いは、加速度センサ114が有する複数の加速度センサ(例:X軸加速度センサ404およびY軸加速度センサ406)から出力される信号をCPU303がS704で入力(監視)し、例えば所定の時間trefの間に、デジタルカメラ100に対してX軸方向に2回、続いてY軸方向に1回タップ操作されたことを検出したときにS708での判定が肯定されるようにすることも可能である。このようにすることにより、ユーザによるタップ操作で生じる振動と、持ち運び時に生じる振動等、ユーザの意図しない振動とをより高い精度で弁別することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルムービーカメラ、その他水陸で使用可能な可搬型の装置等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明が適用されるデジタルカメラの正面側外観を示す斜視図である。
【図2】同じく、デジタルカメラの背面側外観を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラ内部の概略的構成を示すブロック図である。
【図4】振動検出部内部の概略的構成を示すブロック図である。
【図5A】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図5B】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図6A】本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図6B】本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図7A】本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図7B】本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図7C】本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ内のCPUにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図8】デジタルカメラがタップ操作された場合に振動検出部で生成され、出力される信号の波形例を示す図であり、(a)はアナログの信号波形を示し、(b)は(a)に示されるアナログ信号に対応してコンパレータから出力される二値の波形を示している。
【図9】デジタルカメラがタップ操作された場合に振動検出部で生成され、出力される信号の別の波形例を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
100 … デジタルカメラ
102 … 撮影レンズ
104 … 閃光発光装置
106 … パワースイッチ
108 … レリーズスイッチ
110 … ダイアフラム
112 … 圧力センサ
114 … 加速度センサ
116 … 水検出センサ
118A、118B … 電極
120 … 再生スイッチ
122 … メニュースイッチ
124 … タップ操作許可スイッチ
126、128 … ズーム指示スイッチ
130 … 十字キースイッチ
132 … 表示部
300 … システムコントローラ
302 … 電力制御部
303 … CPU
304 … 画像処理部
306 … 画像圧縮伸長部
308 … 外部メモリインターフェース部
310 … 入出力部
312 … 割り込み制御部
314 … タイマカウンタ
316 … A/Dコンバータ
318 … D/Aコンバータ
320 … クロック部
322 … 電力回路
324 … バッテリー
326 … 表示制御部
328 … USBコントローラ
332 … 操作スイッチ
334 … 発振子
335 … 撮像素子
336 … 撮像素子インターフェース回路
338 … 時計回路
340 … メモリカード
342 … DRAM
344 … フラッシュメモリ
352 … 抵抗値検出回路
354 … 増幅回路
356 … 定電流回路
400 … 振動検出部
402 … 電力制御部
410 … X軸加速度処理部
412 … 増幅器
414 … コンパレータ
416 … フィルタ
418 … 波形整形部
420 … Y軸加速度処理部
430 … Z軸加速度処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置であって、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作を検出するユーザ操作検出部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記撮影装置の作動状態を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記ユーザ操作または前記加振操作が最後に行われてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、
前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに、前記加振操作には応答せず、前記ユーザ操作には応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成される
ことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記撮影装置は、水中撮影が可能に構成され、
前記撮影装置が水中にあるか否かを検出可能な環境検出部をさらに有し、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記環境検出部によって前記撮影装置が前記水中にあることが検出されたときには、前記加振操作にも応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記撮影装置は、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成され、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記撮影装置が前記水中撮影に適した撮影モードに設定されていると判定されるときには、前記加振操作にも応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項4】
通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置であって、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動が所定の閾値を超したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される閾値である第1の閾値よりも大きい値を有する閾値である第2の閾値に設定するように構成されることを特徴とする撮影装置。
【請求項5】
前記撮影装置は、水中撮影が可能に構成され、
前記撮影装置が水中にあるか否かを検出可能な環境検出部をさらに有し、
前記制御部はさらに、前記環境検出部によって前記撮影装置が前記水中にあることが検出され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記第2の閾値よりも小さい値を有する閾値である第3の閾値に設定するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記撮影装置は、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成され、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記水中撮影に適した撮影モードに設定され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記第2の閾値よりも小さい値を有する閾値である第3の閾値に設定するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の撮影装置。
【請求項7】
通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置であって、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動のパターンが所定の判定パターンと略一致したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の判定パターンを、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される判定パターンである第1のパターンと異なる第2のパターンに設定するように構成されることを特徴とする撮影装置。
【請求項8】
前記第2のパターンの複雑度は、前記第1のパターンの複雑度よりも高められていることを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記撮影装置は、水中撮影が可能に構成され、
前記撮影装置が水中にあるか否かを検出可能な環境検出部をさらに有し、
前記制御部はさらに、前記環境検出部によって前記撮影装置が前記水中にあることが検出され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記判定パターンとして、前記第1のパターンを適用するように構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記撮影装置は、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成され、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記水中撮影に適した撮影モードに設定され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記判定パターンとして、前記第1のパターンを適用するように構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の撮影装置。
【請求項1】
通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置であって、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作を検出するユーザ操作検出部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記撮影装置の作動状態を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記ユーザ操作または前記加振操作が最後に行われてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、
前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに、前記加振操作には応答せず、前記ユーザ操作には応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成される
ことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記撮影装置は、水中撮影が可能に構成され、
前記撮影装置が水中にあるか否かを検出可能な環境検出部をさらに有し、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記環境検出部によって前記撮影装置が前記水中にあることが検出されたときには、前記加振操作にも応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記撮影装置は、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成され、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記撮影装置が前記水中撮影に適した撮影モードに設定されていると判定されるときには、前記加振操作にも応答して前記撮影装置の作動状態を前記スタンバイ状態から前記通常作動状態に切り替えるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項4】
通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置であって、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動が所定の閾値を超したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される閾値である第1の閾値よりも大きい値を有する閾値である第2の閾値に設定するように構成されることを特徴とする撮影装置。
【請求項5】
前記撮影装置は、水中撮影が可能に構成され、
前記撮影装置が水中にあるか否かを検出可能な環境検出部をさらに有し、
前記制御部はさらに、前記環境検出部によって前記撮影装置が前記水中にあることが検出され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記第2の閾値よりも小さい値を有する閾値である第3の閾値に設定するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記撮影装置は、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成され、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記水中撮影に適した撮影モードに設定され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の閾値を、前記第2の閾値よりも小さい値を有する閾値である第3の閾値に設定するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の撮影装置。
【請求項7】
通常作動状態と、前記通常作動状態での消費電力に比して少ない消費電力で待機作動してユーザによる操作を待ち受ける作動状態であるスタンバイ状態とを有する撮影装置であって、
前記撮影装置に備えられる操作スイッチを前記ユーザが操作する動作であるユーザ操作の有無を判定するユーザ操作判定部と、
前記ユーザが前記撮影装置に振動を与える操作である加振操作により生じる振動を検出可能に構成される振動検出部と、
前記振動検出部で検出される振動のパターンが所定の判定パターンと略一致したときに前記加振操作が行われたと判定する加振操作判定部と、
前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定が最後になされてから所定の時間が経過したときに前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態から前記スタンバイ状態に切り替え、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときに前記ユーザ操作または前記加振操作が行われたとの判定がなされると前記撮影装置の作動状態を前記通常作動状態に切り替える制御部とを有し、
前記制御部は、前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記所定の判定パターンを、前記撮影装置が前記通常作動状態にあるときに設定される判定パターンである第1のパターンと異なる第2のパターンに設定するように構成されることを特徴とする撮影装置。
【請求項8】
前記第2のパターンの複雑度は、前記第1のパターンの複雑度よりも高められていることを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記撮影装置は、水中撮影が可能に構成され、
前記撮影装置が水中にあるか否かを検出可能な環境検出部をさらに有し、
前記制御部はさらに、前記環境検出部によって前記撮影装置が前記水中にあることが検出され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記判定パターンとして、前記第1のパターンを適用するように構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記撮影装置は、水中撮影に適した撮影モードを設定可能に構成され、
前記制御部はさらに、前記撮影装置が前記水中撮影に適した撮影モードに設定され、かつ前記撮影装置が前記スタンバイ状態にあるときには、前記加振操作判定部で前記加振操作が行われたと判定する際の前記判定パターンとして、前記第1のパターンを適用するように構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−258372(P2009−258372A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107018(P2008−107018)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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