説明

操作指示装置、それを備えた画像形成装置及び操作指示方法

【課題】画像の拡大縮小を容易に指示することができ、表示されている画像がどの程度の大きさの出力画像に対応するかを正確に確認することができる操作指示装置、それを備えた画像形成装置及び操作指示方法を提供する。
【解決手段】操作指示装置は、画像を表示するための表示部と、タッチされた位置を検出することにより表示部に表示された画像上の対応する位置を特定するための検出部とを備え、表示部に画像520が表示された状態で、検出部が、画像に対応する検出部の部分領域において少なくとも2点A、Bがタッチされたことを検出した場合、画像が記録紙上に形成されたと仮定したときの、タッチされた2点に対応する、記録紙上に形成される画像の2点間の距離を算出して表示パネルに表示する。これにより、拡大縮小等の操作指示のミスを抑えることができ、インク及び記録紙の無駄な消費を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示された画像に対する操作を指示する装置に関し、特にユーザのタッチ操作によって画像の拡大縮小を指示することができる操作指示装置、それを備えた画像形成装置及び操作指示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器である画像処理装置の1種として、記録紙に画像を形成する画像形成装置(代表的にはコピー機)が普及している。画像形成装置の1種に、複合機(MFP(MultiFunction Peripheral))がある。MFPは、コピー、プリント、ファクシミリ(以下、ファクシミリをFAXとも記載する)、及びスキャナなど、複数の機能を備える。
【0003】
画像形成装置においては、操作及び設定を容易に行なうために、液晶表示パネルの表面に透過性のタッチパネルを重ねて配置した操作パネルが使用されることが多い。液晶表示パネル上に、画像形成装置の状態を適時表示させ、その表示内容に応じてタッチ操作する(タッチパネルに指で触れる)ことで、画像形成装置の動作を設定することができる。
【0004】
タッチパネルを備えたデジタル画像形成装置の場合、画像を形成する前に、画像データに対して様々な処理を電子的に容易に行なうことができる。例えば、タッチパネル上に、読込んだ画像を表示して、これに対してタッチパネルを介して種々の処理を指定し、予想される出力態様(印刷画像)を事前に表示する(プレビュー機能)ことができる。
【0005】
例えば、原稿と異なるサイズで印刷する場合、コピー倍率を数値(例えば25%〜400%)で直接指定して印刷する方法が知られている。これ以外にも、図1に示したように、ユーザが操作パネル上で元画像(原稿)及び仕上がり寸法を入力すると、コピー倍率を計算し、その値を用いて出力画像データを生成する方法が知られている。図1を参照して、液晶表示パネル900には、コピー倍率を指定するためのウインドウ910が表示され、さらにその中に寸法からコピー倍率を指定するウインドウ920が表示されている。液晶表示パネル900上に表示されたテンキー930を使用して(即ちタッチパネルの該当部分を押下して)、ウインドウ920の2つの入力領域に、原稿の所定部分の寸法100mmと、対応する部分の仕上がり寸法125mmとが入力されている。これによってコピー倍率が自動的に計算され、ウインドウ920の右側に倍率125%と表示されている。
【0006】
また、表示された画像を直接操作する方法として、下記特許文献1には、表示部に表示されている画像をユーザが指で操作できる携帯情報機器が開示されている。ユーザが、表示されている画像のサイズを変更したい部分に2本の指でタッチして、その2本の指を広げる又は狭めることによって拡大又は縮小を指示することができ、同時に表示されている画像も拡大又は縮小される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−163031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
元画像(原稿)の寸法及び仕上がり寸法を指定してコピー倍率を計算する方法では、ユーザがコピー倍率を計算する必要は無いが、原稿上の長さをユーザが測定することが必要であり手間がかかる。また、ものさしなどの測定するための器具も必要となる。
【0009】
画像形成装置において、操作パネルに表示された画像の操作に、上記特許文献1に開示された方法を適用することができる。しかし、特許文献1に開示された方法では、操作によって表示されている画像が大きく又は小さくなることは視認できるが、元々どの程度の大きさの画像であって、その画像がどの程度の大きさに変化しているのかが全く分からない問題がある。画像の内容確認だけであれば大きくして視認できれば十分である。しかし、大きさを変化させて画像を出力(印刷)しようとすると、想定した大きさとは全く異なる大きさの画像として出力されてしまい、記録紙を無駄に消費してしまうことになる。特に、画像サイズの調節を繰返さなければならない場合には、大量のインク及び記録紙が無駄になる場合がある。
【0010】
したがって、本発明は、表示装置に表示されている画像の拡大縮小を容易に指示することができ、表示されている画像がどの程度の大きさの出力画像に対応するかを正確に確認することができる操作指示装置、それを備えた画像形成装置及び操作指示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、下記によって達成することができる。
【0012】
即ち、本発明に係る操作指示装置は、画像を表示するための表示部と、タッチされた位置を検出することにより表示部に表示された画像上の対応する位置を特定するための検出部とを備え、表示部に画像が表示された状態で、検出部が、この画像に対応する検出部の部分領域において少なくとも2点がタッチされたことを検出した場合、この画像が記録紙上に形成されたと仮定したときの、タッチされた2点に対応する、記録紙上に形成される画像の2点間の距離を算出し、目標距離として表示部に表示する。
【0013】
好ましくは、タッチされた2点の距離を変化させる指示が、検出部によって検出された場合、操作指示装置は、タッチされた2点間の距離の増減に応じて、表示部に表示された目標距離を変更する。
【0014】
より好ましくは、操作指示装置は、検出部によって最初に算出された目標距離に対する、変更後の目標距離の比率を、画像を記録紙上に形成する場合の倍率として決定する。
【0015】
さらに好ましくは、操作指示装置は、決定された倍率を用いて画像の大きさを変更してプレビュー画像を生成し、タッチされた2点に対応する、プレビュー画像上の2点を結ぶ線分が、表示部の中央に位置するように、プレビュー画像を表示部に表示する。
【0016】
好ましくは、タッチされた2点を結ぶ線分の傾きを変化させる指示が、検出部によって検出された場合、操作指示装置は、傾きの変化量に応じてプレビュー画像を回転させて、表示部に表示する。
【0017】
より好ましくは、タッチされた2点の距離を変化させる指示は、表示部に表示されたキーがタッチされることにより行なわれる。
【0018】
さらに好ましくは、タッチされた2点の距離を変化させる指示は、タッチされた2点がタッチされたまま、少なくとも一方の点が移動されることにより行なわれる。
【0019】
好ましくは、操作指示装置は、表示部に画像が表示された状態で、検出部が、画像に対応する検出部の領域において3点がタッチされたことを検出し、3点のうち2点が、表示された画像の縦方向及び横方向の一方の方向に沿って位置する関係にあり、かつ、残りの1点が、一方の方向に沿って位置する2点の何れかと共に、他方の方向に沿って位置する関係にある場合、これら3点によって矩形を決定し、矩形の縦方向の頂点である2点間の距離を変化させる指示が、検出部によって検出された場合、この2点間の距離の増減に応じて、画像の縦方向の倍率を決定し、矩形の横方向の頂点である2点間の距離を変化させる指示が、検出部によって検出された場合、この2点間の距離の増減に応じて、画像の横方向の倍率を決定する。
【0020】
本発明に係る画像形成装置は、上記の操作指示装置と、画像形成部とを備え、操作指示装置により決定された目標距離を実現するように、画像形成部により画像を形成する。
【0021】
本発明に係る操作指示方法は、表示装置の表示面に画像を表示するステップと、表示面に画像が表示された状態で、この画像上の少なくとも2点が指定されか否かを判定するステップと、少なくとも2点が指定されたと判定された場合、この画像が記録紙上に形成されたと仮定したときの、指定された2点に対応する、記録紙上に形成される画像の2点間の距離を算出し、目標距離として表示面に表示するステップとを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、タッチパネルディスプレイに表示されたプレビュー画像上で、指でタッチ操作することにより、出力画像の大きさを容易かつ正確に確認し、指定することができる。したがって、操作指示のミスを抑えることができ、インク及び記録紙の無駄な消費を抑制することができる。
【0023】
タッチパネルディスプレイに、所定部分の長さを変更するためのキー(アップキー及びダウンキー)を表示して、これがタッチされることに応じて長さを変更することができるので、所定部分の長さが正確に所望の値である出力画像を得ることができる。
【0024】
また、プレビュー画像上の2点間の距離を、指によるピンチアウト又はピンチイン操作によって指定することができるので、画像の拡大縮小操作が容易である。指定した長さが画面に表示されるので、所定部分の長さが正確に所望の値である出力画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】コピー倍率を指定する画面の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の内部構成の概要を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるタッチ操作を実現するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図5】タッチ操作中の画面の一例を示す図である。
【図6】タッチ操作により拡大された画像が表示された状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるタッチ操作の別の一例を実現するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】タッチ操作中の画面の一例を示す図である。
【図9】3点を指定したタッチ操作中の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
本発明の実施の形態に係る画像形成装置は、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及びプリンタ機能など複数の機能を備えたデジタル複合機である。以下において、「画像」とは表示される画像自体を意味するだけでなく、画像データをも意味する。また、「画像データ」とは、画像のデータに限らず、文書データ、画像及び文書が混在するデータなども意味することとする。
【0028】
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100は、画像読取部110、画像形成部120、操作部130、給紙部140、手差し給紙トレイ146、及び排紙処理部150を備えている。操作部130は、タッチパネルディスプレイ132及び操作キー部134を備えている。タッチパネルディスプレイ132は、液晶パネルなどで構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、タッチされた位置を検出するタッチパネルとを含む。操作キー部134には、図示しないいくつかの機能キーが配置される。操作キー部134には、テンキーが配置される場合もある。
【0029】
本実施の形態においては、タッチパネルディスプレイとして、表示パネルの上にタッチパネルを配置した装置を用いる。タッチパネルは、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、赤外線方式、表面弾性波方式等の何れの方式のタッチパネルであってもよい。また、タッチパネルディスプレイは、表示パネルの上にタッチパネルを配置した装置に限定されず、位置の入力装置が表示パネルと一体に形成された装置であってもよい。例えば、表示パネルである液晶パネルの各画素に光センサを内蔵し、光センサにより液晶パネル表面の物体を認知する装置を用いてもよい。
【0030】
したがって、以下において、「タッチ」とは入力位置の検出装置が位置を検出可能な状態になることを意味し、検出装置に接触して押圧する場合、押圧せずに接触する場合、及び、接触せずに近接する場合を含む。非接触型の検出装置の場合には「タッチ」とは、入力位置を検出(認知)可能な距離まで検出装置に近接した状態を意味する。
【0031】
さらに、図3を参照して、画像形成装置100は、電話回線網200と、LANなどのネットワーク210とに接続されており、ネットワーク210を介してインターネット220にも接続されている。画像形成装置100は、上記した画像読取部110、画像形成部120、及び操作部130に加えて、制御部160、ハードディスクドライブ(以下、HDDと記載する)162、管理部164、画像処理部166、通信部168、及びFAXモデム170を備えている。
【0032】
画像読取部110は、原稿を読取って画像データを入力する。制御部160は、画像形成装置100が備える各部を制御する。操作部130は、ユーザによる画像形成装置100に対する指示などの入力を受け付ける。通信部168は、ネットワーク210を介して端末装置212、214と通信し、インターネット220を介してファクシミリ装置222、端末装置224と通信する。画像形成部120は、画像データを記録紙に印刷する。HDD162は画像データを記憶する。管理部164は、画像形成装置100の制御情報、設定情報などを記憶するメモリである。制御部160は、管理部164に記憶された情報をもとに、画像形成装置100全体の動作を制御する。画像処理部166は、読取った画像データに対して種々の画像処理を実行する。FAXモデム170は、電話回線網200を介してファクシミリ装置202と通信する。
【0033】
図3では、各部が制御部160に接続されているので、各部間のデータ伝送は制御部160を介して行なわれる。しかし、この構成に限定されず、データバスを備え、制御部160を含めて各部をデータバスに接続することもできる。その場合、データバスを介して、各部が制御部160による制御を受け、各部間でのデータ伝送が行なわれる。
【0034】
給紙部140は、第1給紙トレイ142及び第2給紙トレイ144を備えている。手差し給紙トレイ146は、記録紙を手差し給紙するためのトレイである。
【0035】
画像形成装置100は、ファクシミリ装置202、222との間でFAXによる画像データの送受信が可能であり、端末装置212、214、224との間で電子メールなどを利用した画像データの送受信が可能である。
【0036】
以下、図3に示した画像形成装置100の各部について詳細に説明する。
【0037】
画像読取部110は、原稿を読取って画像データを生成する。例えば、画像読取手段としてのCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)112と、原稿台、自動原稿送り装置(ADF)などにセットされた原稿を検知する原稿検知センサ114とを備えている。
【0038】
操作部130は、各種の入力キー(ハードウェアキー)を備えた操作キー部134と、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示パネルの上にタッチパネルが配置されたタッチパネルディスプレイ132とを備えている。ユーザは、操作部130を介して、画像形成装置100に対して操作の入力や、各種設定の入力を行なう。操作部130には、画像形成装置100を利用するユーザの認証情報を入力する認証情報入力手段を配置するようにしてもよい。ユーザの認証情報の入力方法としては、例えば、ユーザコードの直接入力、IDカードの情報読取入力、ユーザの生体情報(指紋などの)読取入力など様々である。これらのいずれかの方法により、画像形成装置100のユーザ認証を行えるようにする。ユーザは、操作部130から、記録中のジョブを中断して別のジョブを割り込ませるための割り込み指示を行なうこともできる。
【0039】
制御部160は、操作部130に設けられたタッチパネルディスプレイ132、入力キーなどに対するユーザの操作を監視すると共に、タッチパネルディスプレイ132に画像形成装置100の状態に関する情報などのユーザに通知すべき情報などを表示する。
【0040】
画像形成部120は、画像データを処理して出力する。画像形成部120は、メモリ122と、LSU(Laser Scanning Unit:レーザ走査ユニット)などの印字部124とを備えている。画像形成部120は、画像読取部110によって読取られた画像データをメモリ122に一旦記憶し、その後、メモリ122上の画像データをHDD162に記憶する。また、画像形成部120は、HDD162に記憶した画像データをメモリ122に読出し、印字部124に伝送し、記録紙に印刷して出力する。
【0041】
HDD162は、入力された画像データを記憶する。HDD162は、磁気記憶媒体であり、大量の画像データを蓄積して順次処理することが可能である。これにより、画像形成装置100は、複数のユーザからの指示を効率良く処理することができる。
【0042】
画像処理部166は、操作部130からユーザの指示を受けた制御部160により制御されて、メモリ122から画像データを読出して、指示された画像処理を実行し、その結果をメモリ122に記憶する。処理結果の画像データは、制御部160を介して、タッチパネルディスプレイ132に表示される。その後、メモリ122上の画像データは、ユーザの指示を受けて、印字部124に伝送されて記録紙に印刷される、FAXモデム170を介して電話回線網200に出力される、又は、通信部168を介してネットワーク210に出力される。
【0043】
以下、画像形成装置100が搭載している機能(コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能)を実行する各モードについて簡単に説明する。
【0044】
(コピーモード)
画像形成装置100を複写機として利用する場合には、画像読取部110によって読取られた原稿の画像データが、画像形成部120から複写物として出力される。
【0045】
画像読取部110に装備されたCCD112により、読取位置にセットされた原稿の画像を電子的に読取ることができる。読取られた画像データは、メモリ122上に出力データ(印刷用データ)として完成された後、HDD162に記憶される。原稿が複数ある場合には、この読取り動作及び記憶動作が繰り返される。その後、操作部130から指示された処理モードに基づいて、HDD162に記憶された画像データが適切なタイミングで順次読出されてメモリ122に送られる。そして、印字部124での画像形成のタイミングに合わせて画像データがメモリ122から印字部124へと伝送される。
【0046】
読取った画像データを複数枚印字する場合にも、同様に出力データとしてページ単位でHDD162に記憶され、HDD162からメモリ122に送られ、出力枚数の分だけ繰返し、印字部124での画像形成のタイミングに合わせて印字部124へ伝送される。
【0047】
具体的には、記録紙が、第1給紙トレイ142、第2給紙トレイ144、及び手差し給紙トレイ146の何れかから、ピックアップローラ(例えば、第1給紙トレイ142のピックアップローラ172)によって引き出され、複数の搬送用のローラ(図3では、それらの断面を複数の円で示す)によって印字部124の内部を搬送される。図3において、第1給紙トレイ142、第2給紙トレイ144、及び手差し給紙トレイ146から引き出された記録紙の搬送路を破線で示す。LSUは、帯電された感光体ドラム(図示せず)を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラムの表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。感光体ドラム上の静電潜像は転写ベルトを介して、搬送された記録紙に転写される。その後、記録紙は加熱及び加圧され(これにより記録紙に画像が定着する)、排紙トレイ152に排出される。
【0048】
(プリンタモード)
画像形成装置100をプリンタとして利用する場合には、通信部168を介して受信した画像データがメモリ122などを介して画像形成部120から出力される。
【0049】
通信部168は、有線又は無線でネットワーク210と接続されており、ネットワーク210に接続された外部機器である端末装置212、214から画像データを受信する。受信された画像データは、出力画像データとしてページ単位にメモリ122に送られた後、HDD162に記憶される。そして、画像データは、再びHDD162からメモリ122に送られ、上記したコピーモードと同様に印字部124へと転送され、画像形成が行なわれる。
【0050】
(スキャナモード)
画像形成装置100を、例えばネットワークスキャナとして利用する場合には、画像読取部110において読取られた原稿の画像データを、通信部168からネットワーク210を介して任意の端末装置212、214へ送信する。この場合にも、画像読取部110に装備されたCCD112により原稿を電子的に読取る。そして、読取られた原稿の画像データは、メモリ122上に出力データとして完成された後、HDD162に記憶される。そして、再びHDD162からメモリ122に送られ、操作部130を介して指定された送信先との通信を確立させた上で、通信部168から指示された送信先へと送信される。
【0051】
(ファクシミリモード)
画像形成装置100は、上記したように、FAXモデム170が電話回線網200に接続され、通信部168がネットワーク210、インターネット220に接続されている。したがって、画像形成装置100は、電話回線網200を介してファクシミリ装置202とFAX送受信することができ、ネットワーク210及びインターネット220を介してファクシミリ装置222とFAX送受信することができる。
【0052】
画像形成装置100をファクシミリ装置として利用する場合、ファクシミリ装置202、222からFAX受信したデータを、画像データとしてメモリ122上に形成し、上記と同様に、HDD162への記憶、印字部124による印刷を実行することができる。また、画像形成装置100は、HDD162から画像データを読出して、FAX通信用のデータ形式に変換して、ファクシミリ装置202、222に送信することができる。
【0053】
画像形成装置100において、ユーザは、タッチパネルディスプレイに表示されたプレビュー画像をタッチ操作することによって、出力画像の大きさを指定すること、即ち画像の拡大縮小操作を行なうことができる。以下、このタッチ操作を実現するために制御部160が実行するプログラムの制御構造について具体的に説明する。
【0054】
図4を参照して、ステップ400において、制御部160は、プレビュー画像を生成してタッチパネルディスプレイ132に表示する。例えば、原稿をスキャンした場合、読取られた画像データがメモリ122に記憶される。その画像データに対して、画像処理部166が制御部160による制御を受けて画像処理を行ない、タッチパネルディスプレイ132の所定位置に、所定の大きさで表示するための画像データ(縮小画像データ)を生成する。生成された画像データは、制御部160の制御を受けて、画像処理部166からタッチパネルディスプレイ132に送られて、表示パネルにプレビュー画像として表示される。
【0055】
ステップ402において、制御部160は、タッチパネルディスプレイ132に表示されたプレビュー画像がタッチされたか否かを判定する。プレビュー画像が表示された表示パネル領域に対応するタッチパネル領域が、例えばユーザの指によって押されたか否かを判定する。タッチされたと判定されるまで、ステップ402が繰返される。タッチされたと判定された場合、ステップ404に移行する。
【0056】
ステップ404において、制御部160は、タッチパネルディスプレイ132から受信した信号に応じて、タッチされた点の位置座標を決定し、第1座標データとして記憶する。位置座標は、予めタッチパネルディスプレイ132に対して座標系を決定しておき、公知の技術を用いて求めればよい。ユーザがタッチパネルにタッチした場合、タッチパネル上の所定の微小領域が検出されるので、検出された領域内の代表点をタッチされた点とする。代表点を決定する方法は任意であり、重心、上端、左端などの点でもよい。
【0057】
ステップ406において、制御部160は、2点の座標が記憶されたか否かを判定する。2点の座標が記憶されていなければ、ステップ402に戻る。即ち、上記と同様にしてステップ404において、2点目の座標を決定し、第2座標データとして記憶する。
【0058】
2点の座標が決定された場合、ステップ408において、制御部160は、2点間の距離を計算し、得られた値を目標距離の初期値として記憶すると共にタッチパネルディスプレイ132に表示する。このとき、制御部160は、タッチパネルディスプレイ132に2点間を結ぶ線分(直線)を描画し、表示された数値を増加するためのアップキー512及び減少させるためのダウンキー514も表示する。目標距離とは、ユーザが、実際の出力画像上で実現したい距離を意味する。したがって、目標距離は、後述するユーザの操作によって変更される。
【0059】
距離の計算は、ステップ404で記憶された第1及び第2座標データ(タッチパネル上の座標値)と、画像の解像度とから計算することができる。画像形成装置100は、記憶された画像データの解像度及び大きさの情報を持っている。例えば、原稿をスキャンする場合、画像の解像度及びスキャン領域が指定される。例えば、300dpi、600dpiなどと解像度が指定さ、スキャンの対象領域の大きさが指定される。指定されない場合でもデフォルトの解像度及び大きさで原稿がスキャンされる(例えば、600dpi、A4サイズ)。したがって、タッチパネルに表示されているプレビュー画像の大きさ(タッチパネルディスプレイ132上の画素サイズ)とスキャンされた画像データの対応領域の大きさ(dpi値)との対応関係(比率)が分かるので、これを用いて幾何学的に、2点間の実際の原稿上での距離を計算することができる。画像の縦横で異なる解像度が指定されている場合には、画像の縦横で、プレビュー画像の画素値とdpi値との対応関係が異なるだけであり、同様に計算することができる。これらのことは当業者には周知であるので、これ以上の説明を繰返さない。
【0060】
図5を参照して、ステップ400〜408の説明を補足する。図5には、タッチパネルディスプレイ132上の画面500にプレビュー画像520が表示されており、ユーザが、右手550の人差指及び親指で、タッチパネルにタッチした状態が示されている。プレビュー画像520は、図形の下にテキストが表示された縦長の画像である。点Aは、人差指でタッチされたタッチパネル上の点、点Bは親指でタッチされたタッチパネル上の点を示す。
【0061】
例えば、ユーザが、人差指、親指の順でタッチパネルにタッチした場合、繰返されたステップ402の処理によって、制御部160は第1座標データとして点Aの座標を、第2座標データとして点Bの座標を取得する。そして、ステップ406において、制御部160は、2点A、B間の距離を計算して、2点A、Bの近傍に、例えばmm単位で表示する。図5では、2点A、B間の距離が50mmであることが分かる。距離表示領域510には、アップキー512及びダウンキー514が表示されている。この状態で、ユーザがタッチパネルから指を離しても、画面500の表示内容は維持される。
【0062】
画面500の右下隅のタスクトリガー領域には、設定が完了して、画像形成装置100を実際に動作させるためにユーザにより操作される4つのトリガキー(追加読込キー530、リセットキー532、白黒スタートキー534、カラースタートキー536)が表示されている。白黒スタートキー534又はカラースタートキー536が押下されると、画像形成装置100は、白黒コピー又はカラーコピーを開始する。追加読込キー530が押下されると、画像形成装置100は、原稿をスキャンして画像データとして読取る処理を開始する。リセットキー532が押下されると、画像形成装置100は、設定をすべてクリアする。
【0063】
ステップ410において、制御部160は、アップキー512及びダウンキー514がタッチされたか否を判定する。タッチされと判定されなかった場合、ステップ416に移行する。
【0064】
タッチされたと判定された場合、ステップ412において、制御部160は、アップキー512及びダウンキー514の何れがタッチされたかに応じて、距離表示領域510に表示された数値を増減させる。アップキー512がタッチされたと判定された場合、制御部160は距離表示領域510の数値を所定値(例えば“1”)だけ増大させる。ダウンキー514がタッチされたと判定された場合、制御部160は距離表示領域510の数値を所定値(例えば“1”)だけ減少させる。制御部160は、増減させた結果の値を新たな目標距離として記憶する。
【0065】
ステップ414において、制御部160は、表示されているプレビュー画像の大きさを、ステップ412で設定された値に応じて変更する。即ち、制御部160は、ステップ412で決定された値を、ステップ408で記憶した目標距離の初期値で除算して得られた値を、倍率として元画像データを拡大又は縮小して新たなプレビュー画像を生成して表示する。制御部160は、指定された2点を結ぶ線分を、拡大又は縮小されたプレビュー画像上に描画する。拡大する場合、指定された2点がプレビュー画像に含まれるように、例えば2点を結ぶ線分がプレビュー画像のほぼ中央に位置するように、新たなプレビュー画像を表示するのが望ましい。
【0066】
ステップ416において、制御部160は、出力画像における2点間の距離の指定が終了したか否かを判定する。例えば、出力処理を実行させるトリガキーが押された場合、終了したと判定することができる。コピーモードであれば、白黒スタートキー534又はカラースタートキー536が押された場合、終了したと判定する。画面500に、終了を指示するキー(例えば「OK」キー)を表示し、これが押された場合に、終了したと判定してもよい。終了したと判定されなければ、ステップ410に戻り、ステップ410〜414の処理を繰返す。
【0067】
図6は、図5に示した状態から、ユーザがアップキー512に複数回タッチし、ステップ410〜416の処理が繰返された後に表示される画面を示す。ユーザがアップキー512に複数回タッチしたことによって、距離表示領域510の距離表示(目標距離)が80mmに変更されている。画面には、その値に応じた倍率(80/50=1.6)で拡大されたプレビュー画像522が表示されている。プレビュー画像522には、指定された2点A、Bを結ぶ線分も拡大されて描画されている。
【0068】
ステップ416において、終了したと判定された場合、ステップ418に移行し、制御部160は、最後に得られた倍率を最終倍率として記憶し、上記した一連の処理を終了する。この後、指定されたタスク(コピー、FAX送信など)を実行するときに、最終倍率を用いて元画像を拡大又は縮小することによって、ステップ412で決定された目標距離が出力画像上で実現される。
【0069】
以上により、ユーザは、タッチパネルディスプレイ132に表示されたプレビュー画像を指でタッチ操作することによって、指定の2点間の距離が指定値になったプレビュー画像を容易に確認することができ、所望する大きさの出力画像(例えば印刷物)を容易に得ることができる。
【0070】
上記では、目標距離が変更される度にステップ414において新たなプレビュー画像を生成して表示する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、短い時間で繰返しアップキー512、ダウンキー514がタッチされた場合には、新たにプレビュー画像を生成せずに、所定期間タッチされなかった場合に、最後に指定された目標距離を用いて倍率を計算し、新たなプレビュー画像を生成して表示してもよい。
【0071】
また、図5は、プレビュー画像上の2点が人差指及び親指で指定される場合を示しているが、2点の指定は任意の方法で行なうことができる。人差指で1点ごと指定してもよい。
【0072】
また、図5では、距離表示領域510を表示する位置が、指定した2点の近傍に表示される場合を示しているが、これに限定されない。距離表示領域510の表示位置は任意であるが、右手で操作する場合が多いので、指定された2点の左側近傍に表示されることが望ましい。また、距離表示領域510の表示位置を、初期設定として指定する、又は、ユーザによって指定できるようにしてもよい。
【0073】
また、アップキー512及びダウンキー514を表示する位置は任意であり、距離表示領域510外に表示されてもよい。右手で操作する場合が多いので、表示される値の右側にアップキー512及びダウンキー514を表示することが望ましい。
【0074】
また、上記では、2点を指定した後、2点間の距離の変更が、アップキー512及びダウンキー514によって行なわれる場合を説明したが、これに限定されない。タッチパネルを2本の指でタッチした状態で、指の間隔を広くする又は狭くすることによって、距離を指定してもよい。この場合の処理を実現するためのプログラムの制御構造について、図7にしたがって説明する。
【0075】
ステップ600において、図5のステップ600と同様に、制御部160は、プレビュー画像を生成してタッチパネルディスプレイ132に表示する。
【0076】
ステップ602において、制御部160は、タッチパネルディスプレイ132に表示されたプレビュー画像上の2点が同時にタッチされているか否かを判定する。プレビュー画像が表示された表示パネル領域に対応するタッチパネル領域が、ユーザの2本の指によって同時に押されているか否かを判定する。2点がタッチされていると判定されるまで、ステップ602が繰返される。同時に2点がタッチされていると判定された場合、ステップ604に移行する。
【0077】
ステップ604において、制御部160は、タッチパネルディスプレイ132から受信した信号に応じて、タッチされた2点の座標を決定し、第1座標データ及び第2座標データとして記憶する。
【0078】
ステップ606において、制御部160は、2点間の距離を計算し、得られた値を目標距離の初期値として記憶すると共にタッチパネルディスプレイ132に表示する。このとき、制御部160は、タッチパネルディスプレイ132に2点間を結ぶ線分を描画し、表示された数値を増加するためのアップキー512及び減少させるためのダウンキー514も表示する。
【0079】
ステップ608において、制御部160は、タッチされている2点のうち少なくとも一方の点の位置が変化したか否かを判定する。変化したと判定されなかった場合、ステップ614に移行する。このとき、ユーザの指によるタッチ操作のゆらぎを考慮して、判定することが望ましい。ユーザがタッチパネルの同じ点にタッチしていると思っていても、指先のタッチ位置は一定では無いので、タッチされている微小領域(例えば接触型の場合、指がタッチパネルに触れている領域)の形状が変化し、タッチされた点を表す領域内の代表点(例えば重心)も、微小ではあるが変化する。したがって、タッチされた点の位置座標の変化が所定値以上である場合に、タッチされた点が変化したと判定する。
【0080】
ステップ608において、変化したと判定された場合、ステップ610において、制御部160は、変化した位置座標を用いて2点間の距離を計算し、計算結果を記憶し、距離表示領域510に表示する。
【0081】
ステップ612において、制御部160は、表示されているプレビュー画像の大きさを、ステップ610で計算された距離に応じて変更する。即ち、制御部160は、ステップ610で決定された値を、ステップ606で記憶した目標距離の初期値で除算して得られた値を、倍率として元画像データを拡大又は縮小して新たなプレビュー画像を生成して表示する。このとき、制御部160は、指定された2点を結ぶ線分を、拡大又は縮小された新たなプレビュー画像上に描画する。
【0082】
2点間の距離のみによって倍率を決定するので、新たに表示されたプレビュー画像上の線分の両端が、ユーザがタッチしている位置と一致するとは限らない。ユーザが、2点を結ぶ線分の傾きがほぼ変化しないように、指の間隔を変化させた場合、線分の両端はユーザがタッチしている位置とほぼ一致する。ユーザが指の間隔を変化させたときに、2点を結ぶ線分の傾きが変化した場合、線分の両端はユーザがタッチしている位置とずれる。しかし、通常は大きな差にはならないので、ユーザの操作には影響しない。
【0083】
ステップ614において、制御部160は、タッチしているユーザの2本の指の少なくとも一方の指がタッチパネルから離れたか否かを判定する。離れていないと判定された場合、ステップ608に移行して、ステップ608〜612の処理を繰返す。
【0084】
図8を参照して、ステップ602〜614の説明を補足する。図8には、タッチパネルディスプレイ132に表示された画面500にプレビュー画像が表示されており、ユーザが、右手550の人差指及び親指で、タッチパネルに同時にタッチしている状態が示されている。画面500の表示内容は図5と同じである。
【0085】
この状態で、ステップ604において、制御部160は第1座標データとして点Aの座標を、第2座標データとして点Bの座標を取得する。そして、ステップ606において、制御部160は、2点A、B間の距離を計算して、2点A、Bの近傍に、例えばmm単位で表示する。図8では、2点A、B間の距離が30mmとなっている。これは、ユーザの人差指及び親指の間隔が図5の場合よりも狭いことによる。距離表示領域510には、アップキー512及びダウンキー514が表示されている。
【0086】
この状態から、ユーザが、タッチパネルにタッチしたまま人差指及び親指を矢印の方向に移動させて、破線で示したように指の間隔を広げる操作(ピンチアウト、ピンチオープン)をすると、ステップ608において、制御部160はタッチ位置の変化を検出し、ステップ610及び612を実行する。これによって、2点間の距離及び倍率が計算され、距離表示領域510内の値が変更され、得られた倍率で画像が拡大されて新たなプレビュー画像が生成され、表示される。ユーザがタッチしたまま人差指及び親指の間隔を狭くする操作(ピンチイン、ピンチクローズ)をした場合にも、同様に処理されて、新たなプレビュー画像が生成され、表示される。
【0087】
ステップ614に続くステップ410〜418の処理は、図5に関する説明と同じであるので、説明を繰返さない。
【0088】
以上により、ユーザは、タッチパネルディスプレイ132に表示されたプレビュー画像を直接指で操作する感覚で、指定の2点間の距離が指定値になったプレビュー画像を容易に確認することができ、所望の出力画像(例えば印刷物)を容易に得ることができる。また、タッチ操作で長さを粗く指定し、微調整を、距離表示領域510に表示されたアップキー512及びダウンキー514にタッチして行なうことで、速やかに所望の大きさの画像を得ることができる。
【0089】
図8では、プレビュー画像上の2点が人差指及び親指で同時に指定される場合を示しているが、これに限定されない。例えば、左右の人差指で同時にタッチパネルにタッチして、長さを指定してもよい。
【0090】
上記では、ステップ614において指が離れたと判定された場合、アップキー512又はダウンキー514へのタッチの有無を判定する処理に移行する場合を説明したが、これに限定されない。一旦指が離れたと判定された後にも、2点が同時にタッチされているか否かを繰返し判定してもよい。このようにすると、指の最大間隔よりも大きい長さを、片手で指定することができる。
【0091】
また、上記では、2点を結ぶ線分の傾きの変化を考慮せず、2点間の距離のみを用いる場合を説明したが、2点を結ぶ線分の傾きに応じてプレビュー画像を回転させて表示してもよい。例えば原稿が斜めにスキャンされた場合、表示されるプレビュー画像も傾いて表示される。したがって、出力サイズを指定するのと同時に、正しい方向の出力画像が得られるように回転角度を指定することができる。また、記録紙の対角方向の2つの隅に2点が位置するように画像を回転させることで、記録紙上で、2点間の距離を最大にして出力することができる。
【0092】
また、上記では、画像の縦方向と横方向に関して同じ倍率を設定する場合を説明したが、縦横の倍率を個別に設定してもよい。例えば、指定された2点を対角線上の頂点とする矩形領域に対して、縦横の長さを独立に指定して出力画像を得ることもできる。その場合、タッチパネルへのタッチにより指定された2点のX座標の差、Y座標の差をそれぞれの方向の距離として、図5と同様に画面に表示すれば、アップキー及びダウンキーを用いてそれぞれを独立に変更することができる。この場合、新たなプレビュー画像は、縦横の倍率及び元画像の縦横の解像度(dpi値)を使用して生成すればよい。また、画面上で矩形の頂点(3点又は4点)をタッチによって指定して、その縦横の長さを、同様にアップキー及びダウンキーを用いてそれぞれを独立に設定することができる。
【0093】
また、プレビュー画像上の3点以上に同時にタッチしたまま、縦横のサイズを独立に指定することもできる。例えば、図9に示すように、左手552の人差指及び親指と、右手550の人差指とが、同時にタッチしているタッチパネル上の3点A、B、Cによって矩形560を指定することができる。矩形560の縦の長さを縦方向の距離表示領域516に表示し、横の長さを横方向の距離表示領域518に表示する。例えば、プレビュー画像の左上の頂点をXY座標の原点(横方向がX軸、縦方向がY軸)として、縦方向の距離表示領域516には、2点A、B間の距離(Y座標の差)を表示する。横方向の距離表示領域518には、2点B、C間の距離(X座標の差)を表示する。このようにすれば、左手552の人差指及び親指の間隔を変化させて縦方向の長さを指定することができ、右手550の人差指を左右に移動させて横方向の長さを指定することができる。このようなタッチ操作で縦横の長さを粗く指定し、微調整を、縦方向の距離表示領域516及び横方向の距離表示領域518の各々に表示されたアップキー及びダウンキーにタッチして行なうことで、速やかに所望の大きさの画像を得ることができる。また、両手の人差指及び親指を用いて、同時に4点(例えば矩形の頂点)にタッチしたまま、上記と同様に、拡大縮小をタッチ操作で行なうことができる。さらに、5点以上の点を指定して、拡大縮小をタッチ操作で行なうこともできる。
【0094】
上記では、本発明を画像形成装置に適用する場合を説明したが、これに限定されない。画像を表示できるタッチパネルディスプレイを備え、記録紙などに画像として出力されるデータを扱う電子機器であれば、本願発明を適用することが可能である。
【0095】
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0096】
100 画像形成装置
110 画像読取部
112 CCD
114 原稿検知センサ
120 画像形成部
122 メモリ
124 印字部
130 操作部
132 タッチパネルディスプレイ
134 操作キー部
140 給紙部
142 第1給紙トレイ
144 第2給紙トレイ
146 手差し給紙トレイ
150 排紙処理部
152 排紙トレイ
160 制御部
162 ハードディスクドライブ(HDD)
164 管理部
166 画像処理部
168 通信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するための表示手段と、
タッチされた位置を検出することにより前記表示手段に表示された画像上の対応する位置を特定するための検出手段とを備え、
前記表示手段に画像が表示された状態で、前記検出手段が、該画像に対応する前記検出手段の部分領域において少なくとも2点がタッチされたことを検出した場合、該画像が記録紙上に形成されたと仮定したときの、タッチされた前記2点に対応する、前記記録紙上に形成される画像の2点間の距離を算出し、目標距離として前記表示手段に表示することを特徴とする操作指示装置。
【請求項2】
タッチされた前記2点の距離を変化させる指示が、前記検出手段によって検出された場合、タッチされた前記2点間の距離の増減に応じて、前記表示手段に表示された前記目標距離を変更することを特徴とする請求項1に記載の操作指示装置。
【請求項3】
前記検出手段によって最初に算出された目標距離に対する、変更後の目標距離の比率を、前記画像を記録紙上に形成する場合の倍率として決定することを特徴とする請求項2に記載の操作指示装置。
【請求項4】
決定された前記倍率を用いて前記画像の大きさを変更してプレビュー画像を生成し、
前記タッチされた前記2点に対応する、前記プレビュー画像上の2点を結ぶ線分が、前記表示手段の中央に位置するように、前記プレビュー画像を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項3に記載の操作指示装置。
【請求項5】
タッチされた前記2点を結ぶ線分の傾きを変化させる指示が、前記検出手段によって検出された場合、傾きの変化量に応じて前記プレビュー画像を回転させて、前記表示手段に表示することを特徴とする請求項4に記載の操作指示装置。
【請求項6】
タッチされた前記2点の距離を変化させる前記指示は、前記表示手段に表示されたキーがタッチされることにより行なわれることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の操作指示装置。
【請求項7】
タッチされた前記2点の距離を変化させる前記指示は、タッチされた前記2点がタッチされたまま、少なくとも一方の点が移動されることにより行なわれることを特徴とする請求項2から6の何れか1項に記載の操作指示装置。
【請求項8】
前記表示手段に画像が表示された状態で、前記検出手段が、前記画像に対応する前記検出手段の領域において3点がタッチされたことを検出し、前記3点のうち2点が、表示された前記画像の縦方向及び横方向の一方の方向に沿って位置する関係にあり、かつ、残りの1点が、前記一方の方向に沿って位置する2点の何れかと共に、他方の方向に沿って位置する関係にある場合、前記3点によって矩形を決定し、
前記矩形の縦方向の頂点である2点間の距離を変化させる指示が、前記検出手段によって検出された場合、該2点間の距離の増減に応じて、前記画像の縦方向の倍率を決定し、
前記矩形の横方向の頂点である2点間の距離を変化させる指示が、前記検出手段によって検出された場合、該2点間の距離の増減に応じて、前記画像の横方向の倍率を決定することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の操作指示装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の操作指示装置と、
画像形成部とを備え、
前記操作指示装置により決定された前記目標距離を実現するように、前記画像形成部により画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
表示装置の表示面に画像を表示するステップと、
前記表示面に画像が表示された状態で、該画像上の少なくとも2点が指定されか否かを判定するステップと、
少なくとも2点が指定されたと判定された場合、該画像が記録紙上に形成されたと仮定したときの、指定された前記2点に対応する、前記記録紙上に形成される画像の2点間の距離を算出し、目標距離として前記表示面に表示するステップとを含むことを特徴とする操作指示方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−182613(P2012−182613A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43627(P2011−43627)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】