支保工ユニット
【課題】移動スペースの縮小化や、揚重効率の向上及び作業負担の軽減化により、さらなる工期短縮化を図る。
【解決手段】本発明の支保工ユニット20は、各支柱21a〜21dの上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材26ab〜26daと、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材27ab〜27daと、前記各支柱の下部にそれぞれ水平に固定される下部固定部材28ab〜28daと、該各下部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材29ab〜29daと、を備え、前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする。
【解決手段】本発明の支保工ユニット20は、各支柱21a〜21dの上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材26ab〜26daと、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材27ab〜27daと、前記各支柱の下部にそれぞれ水平に固定される下部固定部材28ab〜28daと、該各下部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材29ab〜29daと、を備え、前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物において梁や床スラブ等のコンクリートを打設する際の型枠や梁や床スラブ等のPC部材などを支持するために使用される支保工ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート型枠やPC部材などを支持する支保工には、仮設材の組み立て及び解体を繰り返しながら使用するタイプのものと、一旦組み立てた後は解体せずに繰り返し転用するタイプのものがあるが、工期短縮を図るためには、後者のタイプの支保工ユニットを使用する方が望ましい。
【0003】
従来の後者のタイプの支保工ユニット1は、図11に示すように、複数本の支柱2の上部及び下部の間にそれぞれ横架材3が架設されて構成されている。また、各支柱2の下端には床上に載置するためのベース4や移動用のキャスタ5が取り付けられ、各支柱2の上端には梁6や床スラブ7の下方に配置される大引材8を支持するためのジャッキ9が伸縮自在に設けられている。
【0004】
そして、このような構成を備えた支保工ユニット1は、梁6や床スラブ7のコンクリート打設が完了すると、ハンドル10を回転させてベース4より下方にキャスタ5を突出させ、所定の揚重場所に水平移動された後、リフトやクレーン等の揚重機11によって次のコンクリート打設場所である上階に移動されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−279417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の支保工ユニット1では、組み立てた状態で移動させるため、広い移動スペースが必要となり、移動経路を確保するのが難しいといった問題がある。
【0007】
また、支保工ユニット1を揚重機で上階に移動させる際、一度に揚重できる数量が限られるため、揚重効率を高めることができず、工期短縮化を図ることが難しいといった問題もある。
【0008】
さらに、支保工ユニット1を移動させるためにキャスタ5をベース4より下方に突出させる際、支保工ユニット1の重量が掛かった状態でハンドル10を回転させる作業を行う必要があり、この作業にかなりの労力を要するといった問題もある。
【0009】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、移動スペースの縮小化や、揚重効率の向上及び作業負担の軽減化により、さらなる工期短縮化を図ることのできる支保工ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、本発明は、下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、前記下部横架材は、前記各支柱の下部にそれぞれ水平に固定される下部固定部材と、該各下部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材と、を備え、前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、前記下部横架材は、前記支柱の外側又は内側にシフトした状態で両端部が前記支柱に枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材を備え、前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
そして、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側にはそれぞれキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記下部折曲部材の両端部には前記支柱の外側にシフトした状態でシフト部材が固定され、前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側の前記シフト部材の先端部にキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る支保工ユニットにおいて、同一支柱間に架設される前記上部折曲部材の枢設位置と前記下部折曲部材の枢設位置とは平面的にずらして配置されていることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記折り畳み状態では、前記上部固定部材及び前記下部固定部材は、互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の各中央部が伸びた状態では、該各中央部に前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の折曲を拘束する固定手段が取り付けられることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記支柱と前記上部固定部材との間及び前記支柱と前記下部固定部材との間にはそれぞれ補強部材が斜めに掛け渡されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、移動スペースの縮小化や、揚重効率の向上及び作業負担の軽減化により、さらなる工期短縮化を図ることができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを折り畳み状態にする過程を示す正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットが折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットが折り畳まれた状態を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットが折り畳まれた状態を示す正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットの変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットの別の変形例を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットのさらに別の変形例を示す斜視図である。
【図11】従来例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に掛かる支保工ユニットついて説明する。
【0021】
本実施の形態に係る支保工ユニット20は、平面視で長方形の4隅の位置に鉛直姿勢で立設される4本の支柱21a,21b,21c,21dと、平面視で長方形を成すように各支柱21a,21b,21c,21dの上部の間に水平姿勢で各2本ずつ互いに平行に架設される4本の上部横架材22ab,22bc,22cd,22daと、平面視で長方形を成すように各支柱21a,21b,21c,21dの下部の間に水平姿勢で各2本ずつ互いに平行に架設される4本の下部横架材23ab,23bc,23cd,23daと、を備えている。
【0022】
各支柱21a,21b,21c,21dの下端には、それぞれ、矩形状を成すベース24a,24b,24c,24dが設けられ、これらのベース24a,24b,24c,24dを介して各支柱21a,21b,21c,21dが立設されるようになっている。また、各支柱21a,21b,21c,21dの上端には、それぞれジャッキ25a,25b,25c,25dが上下方向に伸縮自在に設けられており、これらのジャッキ25a,25b,25c,25dを介して梁や床スラブの下方に配置される大引材(図示省略)を支持するようになっている。
【0023】
上部横架材22ab,22bc,22cd,22daは、各支柱21a,21b,21c,21dの上部にそれぞれ平面視で互いに直角を成すように各2本ずつ水平に固定される上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daと、各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daに両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成された上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daと、を備えている。
【0024】
一方、下部横架材23ab,23bc,23cd,23daは、各支柱21a,21b,21c,21dの下部にそれぞれ平面視で互いに直角を成すように各2本ずつ水平に固定される下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daと、各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daに両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成された下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daと、を備えている。
【0025】
そして、支保工ユニット20は、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの中央部を下方に折曲させると共に下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの中央部を上方に折曲させると、各支柱21a,21b,21c,21dが互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されている。
【0026】
各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daと各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daは、支保工ユニット20が折り畳まれた状態において、互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されるように形成されている。この場合、特に図示しないが、一方の先端部にバネで突出方向に付勢された凸部を設けると共に、他方の先端部に凸部が係合可能なように孔や溝等の凹部を設け、凸部が凹部に係合することにより先端部同士の嵌合状態を確実に保持する一方、凸部をバネの付勢力に抗して押圧操作することにより凹部との係合状態を解除させて先端部同士が離間するように構成することができる。
【0027】
また、各支柱21a,21b,21c,21dと各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daとの間、及び各支柱21a,21b,21c,21dと各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daとの間には、補強部材30,31がそれぞれ斜めに掛け渡されている。
【0028】
上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの中央部には、該中央部が伸びた状態の時にボルトやピン等の締結部材32が下方から挿入可能となっており、この締結部材32は上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの下方への折曲を拘束する固定手段として機能するようになっている。
【0029】
一方、下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの中央部には、該中央部が伸びた状態の時にボルトやピン等の締結部材33が上方から挿入可能となっており、この締結部材33は下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの上方への折曲を拘束する固定手段として機能するようになっている。
【0030】
また、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdの両端部の下側には、下部折曲部材29ab,29cdの枢設位置Pより両端側に4個のキャスタ34がそれぞれ回転可能に設けられている。これらのキャスタ34は、下部折曲部材29ab,29cdの中央部が伸びた状態では、ベース24a,24b,24c,24dよりの下方に突出しないように取り付けられており、下部折曲部材29ab,29cdの中央部が折り畳まれた状態では、ベース24a,24b,24c,24dよりの下方に突出するようになっている。
【0031】
上記したような構成を備えた支保工ユニット20は、梁6や床スラブ7のコンクリート打設時、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daと下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daが伸びた状態とされ、ベース24a,24b,24c,24dを介して各支柱21a,21b,21c,21dが床上に立設されると共に、ジャッキ25a,25b,25c,25dが上方に伸長され、梁6や床スラブ7の下方に配置される大引材が支持される。
【0032】
この時、締結部材32により上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの中央部での下方への折曲が拘束されると共に、締結部材33により下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの中央部での上方への折曲が拘束され、また、補強部材30,31により上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27da及び下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの変形が防止されるため、支保工ユニット20は所定の強度を有して安定した姿勢を保持することができる。
【0033】
また、補強部材30,31を設けることにより、支柱21a,21b,21c,21dと上部横架材22ab,22bc,22cd,22da及び下部横架材23ab,23bc,23cd,23daとにより囲まれる外面空間にブレースを対角線状に交差させて設置する必要がないため、外面空間を広く保持することができ、現場資材の搬送通路や作業員の通路としても利用することが可能となる。
【0034】
一方、支保工ユニット20は、梁6や床スラブ7のコンクリート打設が完了し、次のコンクリート打設場所に移動される時に、ジャッキ25a,25b,25c,25dが下方に収縮され、締結部材32,33が外され、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daが枢設位置Pを支点に回転して中央部が下方に折曲されると共に、下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daが枢設位置Pを支点に回転して中央部が上方に折曲される。そうすると、図4に示すように各支柱21a,21b,21c,21dは互いに近接する方向に移動し、さらに、図5〜図7に示すように、各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daと各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daの互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されると共に、キャスタ34が、ベース24a,24b,24c,24dより下方に突出して床面に接触し、支保工ユニット20は折り畳まれた状態となる。
【0035】
このように、支保工ユニット20は、占有面積が1/4以下のコンパクトな折り畳み状態にすることができ、キャスタ34を使用して水平移動させことができる。したがって、上階への揚重場所に支保工ユニット20を小さい力で簡単に水平移動させることができると共に、リフトやクレーン等の揚重機11によって従来の4倍以上の数の支保工ユニット20を次のコンクリート打設場所である上階に移動させることができ、揚重効率を高めることができるため、工期短縮化を容易に図ることが可能となる。また、支保工ユニット20は折り畳んだ状態で移動又は保管することができるため、広い移動スペースや保管スペースが不要となり、移動経路を容易に確保することができる。さらに、支保工ユニット20は、簡単な作業で伸長状態や折り畳み状態にすることができ、熟練工を必要としないため、労力の軽減及び施工費の削減を図ることも可能となる。さらにまた、キャスタ34は、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdに設けられているため、安定性がよく、移動時に転倒したりするおそれがない。
【0036】
なお、図8に示すように、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdの両端部を延長し、支柱21a,21b,21c,21dの外側又は内側にシフトさせた状態で前記両端部を支柱21a,21b,21c,21dに枢設し、前記両端部の延長部分35の先端にキャスタ34を取り付けてもよい。この場合、短辺側の下部折曲部材29bc,29daは、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdを折曲させた時に干渉するのを防止するため、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdより上方に取り付ける。
【0037】
このように構成することにより、下部折曲部材29ab,29cdの枢設位置Pをより外側に配置することができ、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の長辺側の間隔を広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性を向上させることができる。また、下部折曲部材29ab,29cdを支柱21a,21b,21c,21dの外側にシフトさせた場合には、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の短辺側の間隔も広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性をさらに向上させることができ、下部折曲部材29ab,29cdを支柱21a,21b,21c,21dの内側にシフトさせた場合には、支保工ユニット20の短辺側の長さを短くでき、折り畳んだ時の支保工ユニット20をさらにコンパクトにすることができる。
【0038】
また、図9に示すように、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdの両端部に、支柱21a,21b,21c,21dの外側にシフトさせた状態でシフト部材36を外側に延長するように固定し、シフト部材36の先端にキャスタ34を取り付けてもよい。この場合、短辺側の下部折曲部材29bc,29daは、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdを折曲させた時に干渉するのを防止するため、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdより上方に取り付ける。
【0039】
このように構成することにより、下部折曲部材29ab,29cdの枢設位置Pをより外側に配置することができ、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の長辺側の間隔を広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性を向上させることができる。また、下部折曲部材29ab,29cdを支柱21a,21b,21c,21dの外側にシフトさせており、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の短辺側の間隔も広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性をさらに向上させることができる。
【0040】
さらに、図10に示すように、同一支柱21a,21b,21c,21d間に架設される上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの枢設位置P1と下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの枢設位置P2とを平面的にずらして配置してもよい。これにより、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27da及び下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daが長い場合でも、支保工ユニット20の折り畳み時に上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daと下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daとが干渉し合うのを防止することができる。
【符号の説明】
【0041】
20:支保工ユニット
21a,21b,21c,21d:支柱
22ab,22bc,22cd,22da:上部横架材
23ab,23bc,23cd,23da:下部横架材
24a,24b,24c,24d:ベース
25a,25b,25c,25d:ジャッキ
26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26da:上部固定部材
27ab,27bc,27cd,27da:上部折曲部材
28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28da:下部固定部材
29ab,29bc,29cd,29da:下部折曲部材
30,31:補強部材
32,33:締結部材
34:キャスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物において梁や床スラブ等のコンクリートを打設する際の型枠や梁や床スラブ等のPC部材などを支持するために使用される支保工ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート型枠やPC部材などを支持する支保工には、仮設材の組み立て及び解体を繰り返しながら使用するタイプのものと、一旦組み立てた後は解体せずに繰り返し転用するタイプのものがあるが、工期短縮を図るためには、後者のタイプの支保工ユニットを使用する方が望ましい。
【0003】
従来の後者のタイプの支保工ユニット1は、図11に示すように、複数本の支柱2の上部及び下部の間にそれぞれ横架材3が架設されて構成されている。また、各支柱2の下端には床上に載置するためのベース4や移動用のキャスタ5が取り付けられ、各支柱2の上端には梁6や床スラブ7の下方に配置される大引材8を支持するためのジャッキ9が伸縮自在に設けられている。
【0004】
そして、このような構成を備えた支保工ユニット1は、梁6や床スラブ7のコンクリート打設が完了すると、ハンドル10を回転させてベース4より下方にキャスタ5を突出させ、所定の揚重場所に水平移動された後、リフトやクレーン等の揚重機11によって次のコンクリート打設場所である上階に移動されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−279417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の支保工ユニット1では、組み立てた状態で移動させるため、広い移動スペースが必要となり、移動経路を確保するのが難しいといった問題がある。
【0007】
また、支保工ユニット1を揚重機で上階に移動させる際、一度に揚重できる数量が限られるため、揚重効率を高めることができず、工期短縮化を図ることが難しいといった問題もある。
【0008】
さらに、支保工ユニット1を移動させるためにキャスタ5をベース4より下方に突出させる際、支保工ユニット1の重量が掛かった状態でハンドル10を回転させる作業を行う必要があり、この作業にかなりの労力を要するといった問題もある。
【0009】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、移動スペースの縮小化や、揚重効率の向上及び作業負担の軽減化により、さらなる工期短縮化を図ることのできる支保工ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、本発明は、下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、前記下部横架材は、前記各支柱の下部にそれぞれ水平に固定される下部固定部材と、該各下部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材と、を備え、前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、前記下部横架材は、前記支柱の外側又は内側にシフトした状態で両端部が前記支柱に枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材を備え、前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
そして、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側にはそれぞれキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記下部折曲部材の両端部には前記支柱の外側にシフトした状態でシフト部材が固定され、前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側の前記シフト部材の先端部にキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る支保工ユニットにおいて、同一支柱間に架設される前記上部折曲部材の枢設位置と前記下部折曲部材の枢設位置とは平面的にずらして配置されていることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記折り畳み状態では、前記上部固定部材及び前記下部固定部材は、互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の各中央部が伸びた状態では、該各中央部に前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の折曲を拘束する固定手段が取り付けられることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明に係る支保工ユニットにおいて、前記支柱と前記上部固定部材との間及び前記支柱と前記下部固定部材との間にはそれぞれ補強部材が斜めに掛け渡されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、移動スペースの縮小化や、揚重効率の向上及び作業負担の軽減化により、さらなる工期短縮化を図ることができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットを折り畳み状態にする過程を示す正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットが折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットが折り畳まれた状態を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットが折り畳まれた状態を示す正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットの変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットの別の変形例を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る支保工ユニットのさらに別の変形例を示す斜視図である。
【図11】従来例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に掛かる支保工ユニットついて説明する。
【0021】
本実施の形態に係る支保工ユニット20は、平面視で長方形の4隅の位置に鉛直姿勢で立設される4本の支柱21a,21b,21c,21dと、平面視で長方形を成すように各支柱21a,21b,21c,21dの上部の間に水平姿勢で各2本ずつ互いに平行に架設される4本の上部横架材22ab,22bc,22cd,22daと、平面視で長方形を成すように各支柱21a,21b,21c,21dの下部の間に水平姿勢で各2本ずつ互いに平行に架設される4本の下部横架材23ab,23bc,23cd,23daと、を備えている。
【0022】
各支柱21a,21b,21c,21dの下端には、それぞれ、矩形状を成すベース24a,24b,24c,24dが設けられ、これらのベース24a,24b,24c,24dを介して各支柱21a,21b,21c,21dが立設されるようになっている。また、各支柱21a,21b,21c,21dの上端には、それぞれジャッキ25a,25b,25c,25dが上下方向に伸縮自在に設けられており、これらのジャッキ25a,25b,25c,25dを介して梁や床スラブの下方に配置される大引材(図示省略)を支持するようになっている。
【0023】
上部横架材22ab,22bc,22cd,22daは、各支柱21a,21b,21c,21dの上部にそれぞれ平面視で互いに直角を成すように各2本ずつ水平に固定される上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daと、各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daに両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成された上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daと、を備えている。
【0024】
一方、下部横架材23ab,23bc,23cd,23daは、各支柱21a,21b,21c,21dの下部にそれぞれ平面視で互いに直角を成すように各2本ずつ水平に固定される下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daと、各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daに両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成された下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daと、を備えている。
【0025】
そして、支保工ユニット20は、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの中央部を下方に折曲させると共に下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの中央部を上方に折曲させると、各支柱21a,21b,21c,21dが互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されている。
【0026】
各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daと各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daは、支保工ユニット20が折り畳まれた状態において、互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されるように形成されている。この場合、特に図示しないが、一方の先端部にバネで突出方向に付勢された凸部を設けると共に、他方の先端部に凸部が係合可能なように孔や溝等の凹部を設け、凸部が凹部に係合することにより先端部同士の嵌合状態を確実に保持する一方、凸部をバネの付勢力に抗して押圧操作することにより凹部との係合状態を解除させて先端部同士が離間するように構成することができる。
【0027】
また、各支柱21a,21b,21c,21dと各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daとの間、及び各支柱21a,21b,21c,21dと各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daとの間には、補強部材30,31がそれぞれ斜めに掛け渡されている。
【0028】
上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの中央部には、該中央部が伸びた状態の時にボルトやピン等の締結部材32が下方から挿入可能となっており、この締結部材32は上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの下方への折曲を拘束する固定手段として機能するようになっている。
【0029】
一方、下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの中央部には、該中央部が伸びた状態の時にボルトやピン等の締結部材33が上方から挿入可能となっており、この締結部材33は下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの上方への折曲を拘束する固定手段として機能するようになっている。
【0030】
また、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdの両端部の下側には、下部折曲部材29ab,29cdの枢設位置Pより両端側に4個のキャスタ34がそれぞれ回転可能に設けられている。これらのキャスタ34は、下部折曲部材29ab,29cdの中央部が伸びた状態では、ベース24a,24b,24c,24dよりの下方に突出しないように取り付けられており、下部折曲部材29ab,29cdの中央部が折り畳まれた状態では、ベース24a,24b,24c,24dよりの下方に突出するようになっている。
【0031】
上記したような構成を備えた支保工ユニット20は、梁6や床スラブ7のコンクリート打設時、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daと下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daが伸びた状態とされ、ベース24a,24b,24c,24dを介して各支柱21a,21b,21c,21dが床上に立設されると共に、ジャッキ25a,25b,25c,25dが上方に伸長され、梁6や床スラブ7の下方に配置される大引材が支持される。
【0032】
この時、締結部材32により上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの中央部での下方への折曲が拘束されると共に、締結部材33により下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの中央部での上方への折曲が拘束され、また、補強部材30,31により上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27da及び下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの変形が防止されるため、支保工ユニット20は所定の強度を有して安定した姿勢を保持することができる。
【0033】
また、補強部材30,31を設けることにより、支柱21a,21b,21c,21dと上部横架材22ab,22bc,22cd,22da及び下部横架材23ab,23bc,23cd,23daとにより囲まれる外面空間にブレースを対角線状に交差させて設置する必要がないため、外面空間を広く保持することができ、現場資材の搬送通路や作業員の通路としても利用することが可能となる。
【0034】
一方、支保工ユニット20は、梁6や床スラブ7のコンクリート打設が完了し、次のコンクリート打設場所に移動される時に、ジャッキ25a,25b,25c,25dが下方に収縮され、締結部材32,33が外され、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daが枢設位置Pを支点に回転して中央部が下方に折曲されると共に、下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daが枢設位置Pを支点に回転して中央部が上方に折曲される。そうすると、図4に示すように各支柱21a,21b,21c,21dは互いに近接する方向に移動し、さらに、図5〜図7に示すように、各上部固定部材26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26daと各下部固定部材28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28daの互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されると共に、キャスタ34が、ベース24a,24b,24c,24dより下方に突出して床面に接触し、支保工ユニット20は折り畳まれた状態となる。
【0035】
このように、支保工ユニット20は、占有面積が1/4以下のコンパクトな折り畳み状態にすることができ、キャスタ34を使用して水平移動させことができる。したがって、上階への揚重場所に支保工ユニット20を小さい力で簡単に水平移動させることができると共に、リフトやクレーン等の揚重機11によって従来の4倍以上の数の支保工ユニット20を次のコンクリート打設場所である上階に移動させることができ、揚重効率を高めることができるため、工期短縮化を容易に図ることが可能となる。また、支保工ユニット20は折り畳んだ状態で移動又は保管することができるため、広い移動スペースや保管スペースが不要となり、移動経路を容易に確保することができる。さらに、支保工ユニット20は、簡単な作業で伸長状態や折り畳み状態にすることができ、熟練工を必要としないため、労力の軽減及び施工費の削減を図ることも可能となる。さらにまた、キャスタ34は、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdに設けられているため、安定性がよく、移動時に転倒したりするおそれがない。
【0036】
なお、図8に示すように、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdの両端部を延長し、支柱21a,21b,21c,21dの外側又は内側にシフトさせた状態で前記両端部を支柱21a,21b,21c,21dに枢設し、前記両端部の延長部分35の先端にキャスタ34を取り付けてもよい。この場合、短辺側の下部折曲部材29bc,29daは、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdを折曲させた時に干渉するのを防止するため、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdより上方に取り付ける。
【0037】
このように構成することにより、下部折曲部材29ab,29cdの枢設位置Pをより外側に配置することができ、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の長辺側の間隔を広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性を向上させることができる。また、下部折曲部材29ab,29cdを支柱21a,21b,21c,21dの外側にシフトさせた場合には、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の短辺側の間隔も広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性をさらに向上させることができ、下部折曲部材29ab,29cdを支柱21a,21b,21c,21dの内側にシフトさせた場合には、支保工ユニット20の短辺側の長さを短くでき、折り畳んだ時の支保工ユニット20をさらにコンパクトにすることができる。
【0038】
また、図9に示すように、長辺側の互いに対向する下部折曲部材29ab,29cdの両端部に、支柱21a,21b,21c,21dの外側にシフトさせた状態でシフト部材36を外側に延長するように固定し、シフト部材36の先端にキャスタ34を取り付けてもよい。この場合、短辺側の下部折曲部材29bc,29daは、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdを折曲させた時に干渉するのを防止するため、長辺側の下部折曲部材29ab,29cdより上方に取り付ける。
【0039】
このように構成することにより、下部折曲部材29ab,29cdの枢設位置Pをより外側に配置することができ、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の長辺側の間隔を広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性を向上させることができる。また、下部折曲部材29ab,29cdを支柱21a,21b,21c,21dの外側にシフトさせており、支保工ユニット20の折り畳み時にキャスタ34の短辺側の間隔も広げることができるため、折り畳んだ時の支保工ユニット20の安定性をさらに向上させることができる。
【0040】
さらに、図10に示すように、同一支柱21a,21b,21c,21d間に架設される上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daの枢設位置P1と下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daの枢設位置P2とを平面的にずらして配置してもよい。これにより、上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27da及び下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daが長い場合でも、支保工ユニット20の折り畳み時に上部折曲部材27ab,27bc,27cd,27daと下部折曲部材29ab,29bc,29cd,29daとが干渉し合うのを防止することができる。
【符号の説明】
【0041】
20:支保工ユニット
21a,21b,21c,21d:支柱
22ab,22bc,22cd,22da:上部横架材
23ab,23bc,23cd,23da:下部横架材
24a,24b,24c,24d:ベース
25a,25b,25c,25d:ジャッキ
26ab,26ad,26ba,26bc,26cb,26cd,26dc,26da:上部固定部材
27ab,27bc,27cd,27da:上部折曲部材
28ab,28ad,28ba,28bc,28cb,28cd,28dc,28da:下部固定部材
29ab,29bc,29cd,29da:下部折曲部材
30,31:補強部材
32,33:締結部材
34:キャスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、
前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、
前記下部横架材は、前記各支柱の下部にそれぞれ水平に固定される下部固定部材と、該各下部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材と、を備え、
前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする支保工ユニット。
【請求項2】
下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、
前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、
前記下部横架材は、前記支柱の外側又は内側にシフトした状態で両端部が前記支柱に枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材を備え、
前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする支保工ユニット。
【請求項3】
前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側にはそれぞれキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の支保工ユニット。
【請求項4】
前記下部折曲部材の両端部には前記支柱の外側にシフトした状態でシフト部材が固定され、前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側の前記シフト部材の先端部にキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の支保工ユニット。
【請求項5】
同一支柱間に架設される前記上部折曲部材の枢設位置と前記下部折曲部材の枢設位置とは平面的にずらして配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の支保工ユニット。
【請求項6】
前記折り畳み状態では、前記上部固定部材及び前記下部固定部材は、互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の支保工ユニット。
【請求項7】
前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の各中央部が伸びた状態では、該各中央部に前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の折曲を拘束する固定手段が取り付けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1の請求項に記載の支保工ユニット。
【請求項8】
前記支柱と前記上部固定部材との間と前記支柱と前記下部固定部材との間にはそれぞれ補強部材が斜めに掛け渡されていることを特徴とする請求項1に記載の支保工ユニット。
【請求項1】
下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、
前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、
前記下部横架材は、前記各支柱の下部にそれぞれ水平に固定される下部固定部材と、該各下部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材と、を備え、
前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする支保工ユニット。
【請求項2】
下端にベースが設けられると共に上端にジャッキが伸縮自在に設けられる複数の支柱と、該各支柱の上部の間に架設される上部横架材と、前記各支柱の下部の間に架設される下部横架材と、を備えた支保工ユニットであって、
前記上部横架材は、前記各支柱の上部にそれぞれ水平に固定される上部固定部材と、該各上部固定部材に両端部が枢設されると共に中央部が下方に折曲可能に形成される上部折曲部材と、を備え、
前記下部横架材は、前記支柱の外側又は内側にシフトした状態で両端部が前記支柱に枢設されると共に中央部が上方に折曲可能に形成される下部折曲部材を備え、
前記上部折曲部材の中央部を下方に折曲させると共に前記下部折曲部材の中央部を上方に折曲させると、前記各支柱が互いに近接する方向に移動して折り畳み状態となるように構成されていることを特徴とする支保工ユニット。
【請求項3】
前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側にはそれぞれキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の支保工ユニット。
【請求項4】
前記下部折曲部材の両端部には前記支柱の外側にシフトした状態でシフト部材が固定され、前記下部折曲部材の両端部の枢設位置より両端側の前記シフト部材の先端部にキャスタが設けられ、前記折り畳み状態では、前記キャスタが前記ベースより下方に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の支保工ユニット。
【請求項5】
同一支柱間に架設される前記上部折曲部材の枢設位置と前記下部折曲部材の枢設位置とは平面的にずらして配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の支保工ユニット。
【請求項6】
前記折り畳み状態では、前記上部固定部材及び前記下部固定部材は、互いに対向する先端部同士が嵌合して連結されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の支保工ユニット。
【請求項7】
前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の各中央部が伸びた状態では、該各中央部に前記上部折曲部材及び前記下部折曲部材の折曲を拘束する固定手段が取り付けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1の請求項に記載の支保工ユニット。
【請求項8】
前記支柱と前記上部固定部材との間と前記支柱と前記下部固定部材との間にはそれぞれ補強部材が斜めに掛け渡されていることを特徴とする請求項1に記載の支保工ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−202020(P2012−202020A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64404(P2011−64404)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】
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