説明

放熱部付き金属ベースプリント基板及びその製造方法

【課題】 金属ベースプリント基板に放熱部を一体に設けて放熱面積を大きくし、電子部品等から生ずる熱を放熱部の放熱フィンを介して効率よく放熱させることができる放熱部付き金属ベースプリント基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 放熱部付き金属ベースプリント基板1は、熱伝導率が良好な金属板2の一方面2aに絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされている。金属板2の他方面2bには、掘り起こし工具6によって掘り下げることにより、肉薄な板状に起立形成された複数の放熱フィン5bからなる放熱部5が一体に設けられ、隣接する放熱フィン5bの間に形成される底面2eの板厚を金属板2の板厚よりも小さく形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器分野で使用される金属ベースプリント基板に関し、詳しくは、電子部品等から生ずる熱を放熱するための放熱部を一体に設けた金属ベースプリント基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に従い、回路部品の小型化・高密度化・高機能化が進展し、回路基板上に高密度に実装されている。これに伴い回路部品の温度が上昇しており、放熱が非常に重要となっている。放熱の手段は、従来から各種の方法が提案され、一部は実用に供されている。
【0003】
その例として、特開2005−93582号公報(特許文献1)には、金属板と無機フィラーと熱硬化性樹脂組成物の混合物からなる絶縁層の2層構造とし、絶縁層には、回路基板に実装された複数の回路部品の外形形状に対応した凹部を有する放熱基板を、各回路部品の天面に接触させ、回路部品から発生した熱を放熱用基板を介して放熱させることが開示されている。また、特開平6−188572号公報(特許文献2)には、内層される金属コアに連続した中空部を設け、この中空部が基板の外形加工において基板側面に露出するよう形成し、中空部により放熱面積を拡大させ、高い熱放散性が得られる金属コア入りプリント配線基板が開示されている。さらに、特開平6−152080号公報(特許文献3)には、絶縁板の上面の一部に部品実装用導体を兼ねた放熱用銅ブロックを接着して実装部を形成し、この実装部に発熱量の多い部品を実装して放熱させることが開示されている。さらにまた、回路部品の放熱が必要な場合には、プリント基板として、熱伝導性の良い銅、鉄、鉄−ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウムなどの金属板をベース基材とし、これに銅箔などの金属箔を絶縁性の接着剤層を介して張り合わせた金属ベースプリント基板を使用し、このプリント基板によって放熱させる方法も採用されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−93582号公報
【特許文献2】特開平6−188572号公報
【特許文献3】特開平6−152080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に示される放熱手段は、金属板と絶縁層の2層構造とした放熱基板によって、各回路部品から発生した熱を放熱させているが、放熱基板の放熱面積が小さいことから放熱効率が低いために、放熱が不足する問題がある。しかも、構造が複雑な上に、別部品として製造し、さらに各回路部品の天面に精度良く接触させる必要があるので、部品コスト及び組立コストが高騰する問題もある。
【0006】
特許文献2に開示された放熱手段は、金属コア入りプリント配線基板を2層以上に構成し、その内層される金属コアに連続した中空部を設け、この中空部により放熱面積を拡大させているが、金属コアに設ける中空部の数には限界があり、やはり放熱面積が小さいことから放熱効率が低いために、放熱が不足する問題がある。また、金属コア入りプリント配線基板を2層以上に構成することから、部品費及び製造コストが高騰する問題がある。
【0007】
特許文献3に開示された放熱手段は、絶縁板の上面に放熱用銅ブロックを接着し、この実装部に発熱量の多い部品を実装して放熱させようにしているが、放熱用銅ブロックは、上面に部品を実装することにより覆われ、また、その他の面は、第2の絶縁板により囲われることから、実質的に放熱する面がないために、放熱が不足する問題がある。また、放熱用銅ブロックを別部品として製造し、さらに上面に部品を実装するための実装部を形成することから、部品コスト及び組立コストが高騰する問題がある。
【0008】
また、金属ベースプリント基板による放熱手段は、回路部品から発生する熱を金属ベースを介して放熱させているが、やはり放熱面積が小さいことから放熱が不足するため、他の放熱手段と併用する必要があり、結局コストが高騰ことは否めない。
【0009】
そこで、本発明の課題は、金属ベースプリント基板に放熱部を一体に設けて放熱面積を大きくし、電子部品等から生ずる熱を放熱部の放熱フィンを介して効率よく放熱させることができる放熱部付き金属ベースプリント基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明にかかる放熱部付き金属ベースプリント基板は、熱伝導率が良好な金属板の一方面に絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされてなる金属ベースプリント基板であって、上記金属板の他方面には、掘り起こし工具によって掘り下げることにより、肉薄な板状に起立形成された複数の放熱フィンからなる放熱部が一体に設けられ、隣接する上記放熱フィンの間に形成される底面の板厚を上記金属板の板厚よりも小さく形成したことを要旨としている。
【0011】
上記放熱部は、金属板の端部から離間させた中央部に設けられ、上記放熱部の周囲には上記金属板の板厚からなる鍔部を形成している。
【0012】
複数の放熱フィンからなる放熱部は、上記金属板の他方面に、複数個を互いに離間させて設けることができる。
【0013】
上記金属板の他面に互いに離間させて設けた上記放熱部は、これら放熱部の間に底面の板厚が上記金属板の板厚よりも小さく形成した凹所を形成しても良い。
【0014】
上記放熱部は、上記金属板の一方面に貼り合わされ金属箔からなる配線パターンに配設される発熱する電子部品に対応位置した他方面に設けられる。
【0015】
また、本発明にかかる放熱部付き金属ベースプリント基板の製造方法は、一方面に絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされた熱伝導率が良好な金属板の他方面と、移動方向の先端側に刃部が形成された掘り起こし工具とを、所定の角度を有した状態で相対移動させて、上記掘り起こし工具の刃部により上記金属板の他方面から一方面方向に掘り下げることにより、板状の放熱フィンを一体に起立形成すると共に、上記放熱フィンの起立形成によって形成された被加工面よりも形成ピッチ分の上流側から、上記金属板と上記掘り起こし工具とを相対移動させ、上記掘り起こし工具により上記金属板を掘り起こすことにより次の板状の上記放熱フィンを一体に起立形成し、以後上記放熱フィンを一体に起立形成する掘り起こし工程を順次繰り返して上記金属板の他方面に複数の上記放熱フィンを連続形成して放熱部を形成することを要旨としている。
【0016】
金属板の端部から離間させた中央部に放熱部を設けるときには、上記金属板と上記掘り起こし工具とを所定の角度を有した状態で上記金属板の一端側よりも離間した所定位置に上記掘り起こし工具を差し込むように挿入し、始めに基部が上記金属板に連結した小寸な
小形フィンを形成し、その後、上記掘り起こし工具の刃部が所定の深さに達するまで、所定のピッチだけ上記掘り起こし工具を上流側に移動させながら複数枚の小形フィンを順次形成する。このとき、複数枚の小形フィンは、高さが順次大きく形成される。次に、上記掘り起こし工具の刃部が所定の深さに達した後は、上記小形フィンの形成によって形成される被加工面よりも形成ピッチ分の上流側から上記金属板と上記掘り起こし工具とを相対移動させて板状の上記放熱フィンを一体に起立形成するフィン形成工程を順次繰り返して複数の上記放熱フィンを連続して形成する。
【0017】
複数の上記放熱部の間に底面の板厚が上記金属板の板厚よりも小さく形成した凹所を形成するときは、上記金属板の他方面と、移動方向の先端側に刃部が形成された掘り起こし工具とを、所定の角度を有した状態で相対移動させて、上記掘り起こし工具の刃部により上記金属板の他方面から一方面方向に掘り下げることにより、板状の放熱フィンを起立形成するフィン形成工程と、その後上記掘り起こし工具を水平方向に移動させて上記放熱フィンの基端を切削する切削工程とを繰り返し行い、上記金属板の他方面に所定の深さの凹所を形成する。
【0018】
フィン形成工程において、上記掘り起こし工具により上記金属板の他方面を掘り下げて上記放熱フィンを起立形成するときには、上記放熱フィンの少なくとも基端側の両側を膨出させて、上記切削工程において切削したスクラップを上記凹所の内壁に挟持させて保持することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる金属ベースプリント基板によれば、一方面に絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされた熱伝導率が良好な金属板の他方面に、肉薄な板状に起立形成された複数の放熱フィンからなる放熱部が一体に設けられているので、上記金属箔によって形成される配線パターンに配設された発熱を伴う電子部品の熱を金属板から直接放熱部に伝えて放熱することが可能となる。放熱部は、複数の放熱フィンは放熱面積が大きいことから、放熱効率が高く、所望の放熱が可能となるので、上記電子部品を効率よく冷却することが可能となる。しかも、放熱部は、隣接する上記放熱フィンの間に形成される底面の板厚を上記金属板の板厚よりも小さく形成しているので、電子部品から発する熱が、短時間に放熱部に伝達するので、一段と放熱効率を高めることが可能となる。また、プリント基板を構成する金属板自体に一体に放熱部を形成しているので、構成が簡素になり、部品コストや製造コストを低減することが可能となる。
【0020】
上記放熱部を、金属板の端部から離間させた他方面内の所定位置に設け、上記放熱部の周囲に上記金属板の板厚からなる鍔部を形成すると、一方面に配設した電子部品に対応させて効率良く放熱させることができ、しかも、上記放熱フィンの間に形成される底面の板厚を上記金属板の板厚よりも小さく形成することにより、放熱部の機械的強度が低下しても、周囲に形成した鍔部が補強するので、変形等を未然に防止することが可能となる。
【0021】
複数個の放熱部を、上記金属板の他方面に互いに離間させて設けることにより、発熱を伴う電子部品に対応する必要な個所に効率よく放熱部を設けることが可能となる。
【0022】
上記金属板の他面に互いに離間させて設けた複数の放熱部の間に底面の板厚が上記金属板の板厚よりも小さく形成した凹所を形成することにより、上記凹所に対応位置して配設した他の電子部品の熱も肉薄な凹所によって短時間に他方面に伝達するので迅速に放熱することができる。
【0023】
上記放熱部を一方面の配線パターンに配設される発熱する電子部品に対応させた位置に設けることにより、電子部品の発熱を放熱部により効率的に放熱することが可能となる。
【0024】
本発明にかかる金属ベースプリント基板の製造方法によれば、一方面に絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされた熱伝導率が良好な金属板の他方面に、掘り起こし工具によって、板状の放熱フィンを連続して一体に起立形成することにより、容易に放熱部を形成することが可能となる。複数の放熱フィンからなる放熱部をプリント基板の金属板に直接形成するので、放熱手段の構成が簡素になると共に、部品点数が少ないことから、コストを低減することが可能となる。また、金属板に掘り起こし工具を掘り下げて放熱フィンを形成するため、隣接する放熱フィン間の底面の板厚を金属板の板厚よりも薄くできるので、迅速な熱伝導ができる金属ベースプリント基板を製造することが可能となる。
【0025】
複数の上記放熱部の間に底面の板厚が上記金属板の板厚よりも小さく形成した凹所を形成するときに、上記掘り起こし工具により板状の放熱フィンを起立形成した後に、上記掘り起こし工具を上記金属板と平行の水平方向に移動させることにより放熱フィンを容易に切削することができ、これらフィン形成工程と切削工程とを繰り返し行うことにより、任意の長さの凹所を形成することが可能となる。切削工程において、放熱フィンが肉薄に形成されているので、金属板に与えるストレスは極小となるので、金属板を変形させることなく凹所を形成することが可能となる。また、一つの掘り起こし工具を用いるので、工具の交換等が不要となり、短時間に凹所を形成することが可能となる。
【0026】
上記掘り起こし工具により上記金属板の他方面を掘り下げて上記放熱フィンを起立形成するとき、上記放熱フィンの少なくとも基端側の両側を膨出させることにより、切削工程において切削したスクラップが上記凹所の内壁に挟持するように保持するので、スクラップとなった肉薄な放熱フィンの飛散が未然に防止される。このため、切削油等によってスクラップが上記掘り起こし工具に付着して、刃部を損傷させる事故を未然に防止することが可能となる。また、スクラップが上記凹所内に集合しているので、排除作業を容易にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明による金属ベースプリント基板は、熱伝導率が良好な金属板の一方面に絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされた構成となっていて、上記金属板の他方面には、掘り起こし工具によって掘り下げることにより、肉薄な板状に起立形成された複数の放熱フィンからなる放熱部が一体に設けられている。そして、隣接する上記放熱フィンの間に形成される底面の板厚が上記金属板の板厚よりも小さく形成されている。
【実施例1】
【0028】
次に、図面を参照して本発明にかかる放熱部付き金属ベースプリント基板について詳細に説明する。
【0029】
図1乃至図3に示す金属ベースプリント基板1は、熱伝導性の良い銅、鉄、鉄−ニッケル合金、アルミニウム、あるいは表面をアルマイト処理したアルミニウムなどの金属板2をベース基材とし、この金属板2の一方面2aには、銅箔などの金属箔3を絶縁性の接着剤層(以下絶縁接着層4という)を介して張り合わせている。絶縁接着層4は、例えば、高耐熱性エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂をベース樹脂としている。さらに、高い放熱性をもたせるためには、微細粒子の無機充填剤を配合することが望ましい。上記金属箔3は、周知のように化学的なエッチング加工により所定の配線パターンが形成される。また、必要に応じて、配線パターンのランドを除いて、電気的絶縁膜からなるレジストが被覆される。
【0030】
そして、金属板2の一端側2cよりも離間した他方面2bの所定位置には、放熱部5が一体に形成されている。放熱部5は、複数枚の小寸な小形フィン5aと、これに続き、同じ高さで形成された複数枚の肉薄な板状の放熱フィン5bによって構成されている。上記小形フィン5aは、金属板2の一端側2cから放熱フィン5b側に至るに従って順次高さが大きくなるように形成されている。これら小形フィン5a及び放熱フィン5bの基端部は、図2及び図3に示すように、金属板2の他方面2bから一体に連結されている。また、放熱フィン5bの先端側はやや湾曲し、これら複数の放熱フィン5bは同一角度に形成され、しかも同一間隔に起立形成されている。さらに、放熱部5の複数枚の放熱フィン5bは、金属板2に連結された基端部が肉厚に形成され、先端部に至るに従って肉薄に形成されている。
【0031】
また、小形フィン5a及び放熱フィン5bの板厚は、金属板2の一方面から掘り起こすことによって形成しているので薄くすることが可能である。放熱フィン5bは、例えば、小型電子部品に使用する放熱部5のとしては、0.03mm乃至1.0mm程度の板厚が好適である。また、各放熱フィン5bの間隔は、0.01mm以上の任意に設定される。そして、隣接する放熱フィン5bの間に形成される底面2eの板厚は、金属板2の板厚よりも小さく形成されている。なお、各放熱フィン5bの板厚または間隔は、各々異なるように形成しても良い。さらに、放熱フィン5bの板厚を基端部が厚く、先端部に至るに従って薄く形成すると、基端部は板厚が厚いことから熱容量が大きくなり、金属板2からの熱を受け入れが容易になる。さらに、熱が先端部方向へ伝達するに従って順次放熱され、先端部では小さい熱容量であっても容易に放熱させることができる。このように、放熱フィン5bは、熱の伝達と放熱に合わせて板厚を変化させているので、放熱効率が高い放熱部5を得ることができる。
【0032】
次に、図7を参照しながら、図1乃至図2に示した金属ベースプリント基板1の放熱部5の製造方法について説明する。金属板2は、熱伝導性の良く、しかも切削加工性が良好な金属板として銅やアルミニウムが好ましい。また、金属板2に板厚は、通常の電子回路において使用される0.5mm乃至数mmが好ましい。そして、金属板2の一方面2aには、予め銅箔などの金属箔3が絶縁性の接着剤層4を介して張り合わせていて、さらに、金属箔3はエッチング加工によって所定の配線パターンが形成され、金属ベースプリント基板として構成されている。放熱部5を製造する以前の状態では、電子部品は配設されていない。この金属板2は、図示しないプレス装置に載置される。その後、掘り起こし工具6によって小形フィン5a及び放熱フィン5bを起立形成する。
【0033】
掘り起こし工具6は、底面側の先端に移動方向と直角な刃部6aが形成されていて、その幅は、放熱部5として必要な幅に設定されている。また、この掘り起こし工具6は、金属板2の一方面に対して後端側が高くなるように所定の角度θで傾斜するように図示しない駆動装置に取り付けられる。この傾斜角度θは、放熱フィン5bの高さ、板厚、或いは、金属板2の材質等によって適宜に設定されるが、概ね5度から20度に設定される。上記掘り起こし工具6の幅方向両側はほぼ直角に形成されているが、刃部6aが形成されている底面側の両側を底面に至るに従って幅狭となるテーパ状、或いは円弧状に形成しても良い。
【0034】
まず、図7(A)において二点鎖線で示すように、掘り起こし工具6の刃部6aを金属板2の一端側2cよりも離間した他方面2bの所定位置に当接させた後、掘り起こし工具6を駆動装置により所定の角度θで矢示の方向で金属板2に挿入させると、掘り起こし工具6の刃部6aが金属板2の他方面2bに食い込み、図7(A)において実線で示すように、高さが低く肉薄な小形フィン5aが起立形成される。このとき、掘り起こし工具6を金属板2の他方面2bに挿入する圧力は、金属板2に対して変形或いはストレスを与えない程度に設定することが望ましい。このため、掘り起こし工具6を挿入する深さd1が浅いことから、小形フィン5aの高さは低くなる。そして、第1の小形フィン5aの起立形成によって、金属板2には、掘り起こし工具6の傾斜角度に等しい傾斜した被加工面2dが形成される。
【0035】
次いで、図7(B)に示すように、金属板2と掘り起こし工具6とを相対的に移動し、刃部6aを被加工面2dよりも上流側の掘り起こし代tが得られる位置に当接させる。掘り起こし代tは、0.1mm乃至3.0mm程度に設定している。そして、図7(C)に示すように、掘り起こし工具6を所定の角度で矢示の方向に移動させ、第1の小形フィン5aを形成したときよりも深い、深さd2まで食い込ませることにより、第1の小形フィン5aよりも高い第2の小形フィン5aが起立形成される。その後、小形フィン5aの起立形成によって形成される被加工面2dよりも上流側の掘り起こし代tが得られる位置から掘り起こし工具6を移動させ、その前に形成される小形フィン5aの起立形成時よりも深く食い込ませて、より高い小形フィン5aの起立形成を繰り返す。このような小形フィン5aの形成工程は、図7(D)に示すように、刃部6aが所定の深さd3に達した時点で終了させる。
【0036】
このように、金属板2の一端側2cよりも離間した他方面の所定位置に第1の小形フィン5aを形成した後、順次掘り起こし工具6を食い込ませる深さを変えながら複数の小形フィン5aを順次形成すると、複数の小形フィン5aの高さが徐々に大きくなり、複数枚の小形フィン5aの頂部によって仮想的な斜面が形成される。
【0037】
その後、小形フィン5aの起立形成に続いてフィン形成工程に移行し、等しい高さを有する放熱フィン5bを形成する。すなわち、図7(E)に示すように、最後に形成された小形フィン5aによって形成された被加工面2dよりも上流側の掘り起こし代tが得られる位置から掘り起こし工具6の刃部6aが所定の深さd3に達するまで移動させることにより、所定の高さを有する放熱フィン5bが起立形成される。次いで、図7(F)に示すように、掘り起こし工具6を被加工面2dよりも上流側の位置に移動すると共に、所定の深さd3に達するまで移動させる掘り起こし工程を順次繰り返すことにより、複数枚の放熱フィン5bが同一角度、かつ、同一間隔に起立形成される。そして、複数枚の放熱フィン5bの形成によって、図2及び図3に示すように、隣接する放熱フィン5bの間に金属板2の板厚よりも薄い板厚になった凹所2eが形成され、凹所2eの両側には内壁2fが形成される。
【0038】
このフィン形成工程において、掘り起こし工具6によって金属板2に放熱フィン5bを起立形成すると、放熱フィン5bは、図9に示すように、基端側の板厚が厚く先端に至るに従って漸次薄く形成される。また、放熱フィン5bの基端側は、板厚が厚くなると同時に、図3に示す矢示のように、両側方向にも膨出する。このため、放熱フィン5bの基端側が内壁2fに圧接的に接合する。この結果、例え放熱フィン5bの板厚を0.05mm程度に薄く形成しても、基端側が金属板2に保持されるので、機械的な強度を大きくすることが可能となる。また、放熱フィン5bの基端近傍の両側が金属板2と熱的に接続されるので、放熱効率を高めることが可能となる。
【0039】
一方、上記小形フィン5aとは反対側の放熱フィン5bの上流側には、図2に示すように、凹所2eの底面から金属板2の一方面に至る傾斜した被加工面2dが残されている。この被加工面2dであった傾斜面は、放熱面として作用させることができる。また、被加工面2dの後方には、金属板2が有する板厚の鍔部7が形成される。
【0040】
また、金属板2に形成された複数枚の放熱フィン5bの両側には、金属板2が有する板厚の鍔部7が形成される。この鍔部7は、掘り起こし工具6の幅を金属板2の幅よりも狭く設定することにより形成することができる。この結果、図1に示すように、放熱器1に形成される鍔部7は、放熱部5を囲むように形成される。
【0041】
放熱部5は、金属板2の一方面2aに金属箔3によって形成された配線パターンに配設される例えば集積回路8等の電子部品に対応させた位置に形成している。このような位置関係に放熱部5を設置することにより、集積回路8から発生する熱が金属板2を介して放熱部5に伝達し、放熱フィン5bの表面から空中に放熱される。このとき、集積回路8は放熱部5の中央部に集中することから、小形フィン5aの高さが低くても放熱性能には影響しない。また、放熱部5の上流側に残された被加工面2dが形成されていても放熱性能には影響しないことが実験によって明らかにされている。さらに、小形フィン5a及び放熱フィン5bの基端が金属板2の一方面に形成された凹所2eから一体に連結され、しかも、凹所2eと金属板2の一方面2aとの間の板厚が薄く形成されていることから、集積回路8から発生する熱が速やかに放熱部5に伝達するので、放熱効率が高められることも実験によって明らかにされている。電子部品としては、上記集積回路8の他に、パワートランジスタや抵抗器またはパワーモジュール等がある。
【0042】
図4は、図1に示した放熱部付き金属ベースプリント基板の変形例を示し、金属板2の他方面2bに2個の放熱部10、11を互いに離間させて設けたものである。図4に示す例においては、金属板2の他方面2bに第1の放熱部10と、この第1の放熱部10よりも小さく形成した第2の放熱部11を互いに離間させて設けている。そして、これらの第1及び第2の放熱部10、11に対応位置する金属板2の一方面2aには、各々集積回路等の発熱を伴う電子部品(図示せず)が配設される。
【0043】
このように、1枚の金属ベースプリント基板1に複数の冷却が必要な電子部品を配設する場合には、その電子部品に対応位置する金属板2の他方面2bに放熱部を設けることができる。また、電子部品によって、その大きさや発熱量が異なる場合には、図4に示すように放熱部の大きさを異ならせることが望ましい。
なお、金属板2の他方面2bに異なる大きさの第1及び第2の放熱部10、11を形成する場合には、各放熱部の幅に適合した掘り起こし工具を用いて、図7に示す方法によって形成される。また、放熱部の長さを異ならせる場合には、放熱フィンの数を異ならせることによって任意に設定することができる。
【0044】
以上のように製造された金属ベースプリント基板1は、一方面2aに設けられた配線パターンに集積回路や抵抗、コンデンサ等の電子部品或いは電子部品のチップがチップマウンター等によって配設される。その後、金属ベースプリント基板1の一方面2aをリフローによって電子部品のチップと配線パターンが半田付けによって電気的に接続される。
【実施例2】
【0045】
図5は、放熱部付き金属ベースプリント基板の第2の実施例を示し、金属板2の他方面2bに2個の放熱部12、13を互いに離間させて設け、これら放熱部12、13の間に底面の板厚が金属板2の板厚よりも小さく形成した平坦な凹所14が設けられている。そして、これらの第1及び第2の放熱部12、13に対応位置する金属板2の一方面2aには、各々集積回路等の発熱を伴う電子部品(図示せず)が配設される。また、2個の放熱部12、13及び凹所14の周囲となる金属板2の外縁には、鍔部7が形成されている。
【0046】
次に、上記放熱部12、13の間に凹所14を設けた放熱部付き金属ベースプリント基板の形成方法について、図8を参照しながら説明する。まず、金属板2には、一端側2aよりも離間した他方面2bに第1の放熱部12を形成する。この第1の放熱部12の形成方法は、図7において示した方法と同様であり、その説明は省略する。
【0047】
金属板2の他方面2bには、複数の放熱フィン12bを起立形成した第1の放熱部12が設けられている。そして、放熱フィン12bの形成に続けて凹所14を形成する。図8(A)に示すように、まず、最後に形成された放熱フィン12bによって形成された被加工面2dよりも上流側の掘り起こし代が得られる位置から掘り起こし工具6によって、図7において説明した放熱フィン5bを形成する方法と同様に切削フィン15を起立形成する。その後、切削工程に移行し、図8(B)に示すように、掘り起こし工具6を後に形成する凹所14の底面と平行な水平方向に移動させる。この掘り起こし工具6の水平移動により、切削フィン15の基端が切削されてスクラップ16になる。このとき、金属板2から離脱したスクラップ16は、後述するように、凹所14の内壁14a間に挟持することにより、飛散を防止している。これにより、金属板2の他方面には、切削フィン15の基端にほぼ等しい幅の始めの凹所14が形成される。
【0048】
次いで、図8(C)に示すように、掘り起こし工具6の刃部6aを上流側に当接させ、再び前述した放熱フィン5bを形成する方法と同様に第2の切削フィン15を形成する。その後、切削工程に移行して、図8(D)に示すように、掘り起こし工具6を水平方向に移動させて第2の切削フィン15の基端を切削する。このときも、切削フィン15の切削により金属板2から離脱したスクラップ16は、凹所14の両側の内壁14a間に挟持される。これにより、金属板2の他方面には、切削フィン15の基端にほぼ等しい幅の第2の凹所14が始めの凹所14に連続して形成される。
【0049】
以後、掘り起こし工具6の刃部6aを上流側に当接させると共に、掘り下げ方向に移動させ、次の切削フィン15を起立形成するフィン形成工程を行った後、掘り起こし工具6を水平方向に移動させて切削フィン15を切削することによりスクラップ16を金属板2から離脱させる切削工程を繰り返し行う。これにより、このように、フィン形成工程と切削工程を順次繰り返した状態では、図8(E)に示すように、凹所14内には、複数枚のスクラップ16が凹所14の内壁14a間に挟持されている。この複数枚のスクラップ16は、適宜の手段によってまとめて除去することにより、図8(F)に示すように、掘り起こし工具6の刃部6aの幅に等しい幅であって、所望の長さを有する凹所14が形成される。
【0050】
次いで、金属板2の他方面2bに、複数の放熱フィン5bを起立形成した第2の放熱部13を設ける。図8(G)に示すように、凹所14の後端側には、被加工面2dが残存している。その被加工面2dよりも上流側の所定の掘り起こし代が得られる位置から掘り起こし工具6によって、第2の放熱部13の放熱フィン13bを形成する。その後、前述したように、掘り起こし工具6を被加工面2dよりも上流側の位置に移動すると共に、所定の深さに達するまで移動させる掘り起こし工程を順次繰り返すことにより、複数枚の放熱フィン13bが同一角度、かつ、同一間隔に起立形成することにより、第2の放熱部13が設けられる。
【0051】
このように、凹所14を形成することにより、金属ベースプリント基板1として肉薄になるため、凹所14の部位は機械的強度が低下する。しかし、2個の放熱部12、13及び凹所14の周囲となる金属板2の外縁側には、金属板2自体の板厚とした鍔部17が形成されているので、鍔部17が補強的役割を担うことから、金属ベースプリント基板1としては十分な強度が維持される。また、凹所14の板厚は、金属板2の板厚よりも薄く形成されているので、金属板2の一方面に配設した電子部品から発生する熱が速やかに他方面に伝達されると共に、放熱部12、13に伝達されるので、放熱効率を高める効果を有している。
【0052】
図10は、スクラップ16を凹所14の内壁14a間に挟持することにより保持された状態を示す説明図である。フィン形成工程において、予め、掘り起こし工具6の刃部6aの切れ味をやや悪化させるように形成すると、切削フィン15を起立形成するとき、刃部6aの切削抵抗によって、図9に示すように、切削フィン15は基端側の板厚t1が厚く形成され、先端に至るに従って薄く形成される。従って、切削フィン15の高さhも被加工面2dの長さl1よりも短くなる。また、切削フィン15は、図10に示す矢示のように両側に膨出する。この結果、切削フィン15の基端を切削したスクラップ16は、凹所14の内壁14a間に挟持され保持される。このように、スクラップ16が凹所14の内壁14a間に挟持された状態が維持されるので、スクラップ16の飛散が防止される。
【0053】
図6は、図5に示した凹所を有する放熱部付き金属ベースプリント基板の変形例を示すものであり、金属ベースプリント基板20の金属板21の他方面21bに複数の凹所22と放熱部23を交互に設けている。また、これらの凹所22及び放熱部23の幅は、金属板21の幅と同じに設定していることから、全体としては金属板21に板厚よりも薄い板厚になっている。この構成によれば、金属ベースプリント基板20を多少屈曲することが可能となり、湾曲した電子機器の筐体等に沿わせて配設することが可能となる。
【0054】
図6に示した金属ベースプリント基板20の凹所22及び放熱部23の形成方法は、前述した図8に示した方法と同様であり、その詳細な説明は省略する。但し、図示上方の後端側には、被加工面21cが形成されている。この被加工面21cが不要になる場合には、二点鎖線で示すカットラインCLから、任意の手段により切断しても良い。なお、金属板21の一方面21aには、前述した例と同様に、予め銅箔などの金属箔24が絶縁性の接着剤層25を介して張り合わせている。
【0055】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、金属ベースプリント基板としては、四角形の他、一般的なプリント基板と同様に、適宜の形状に形成しても良い。また、前述した実施例では、複数の放熱部の放熱フィンを全て平行に形成したが、放熱部毎に放熱フィンの方向を適宜の角度に異ならせても良い。さらに、金属ベースプリント基板は、金属板をベース基材としていることから、他の機構部品等を取り付けても、或いは、機構部品を取り付けるように支持部等を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明にかかる放熱部付き金属ベースプリント基板の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す放熱部付き金属ベースプリント基板を示す側断面図である。
【図3】放熱部付き金属ベースプリント基板を示す断面図である。
【図4】図1に示す放熱部付き金属ベースプリント基板の変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる放熱部付き金属ベースプリント基板の第2の実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明にかかる放熱部付き金属ベースプリント基板の第2の実施例の変形例を示す斜視図である。
【図7】(A)乃至(F)は、本発明における放熱部を形成する工程を示す工程説明図である。
【図8】(A)乃至(F)は、本発明における放熱部間の凹所を形成する工程を示す工程説明図である。
【図9】放熱フィンを示す要部断面図である。
【図10】スクラップが凹所内に挟持される状態を示す、断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 金属ベースプリント基板
2 金属板
2a 一方端
2b 他方面
2c 一端側
2d 被加工面
2e 凹所
2f 内壁
3 金属箔
4 絶縁接着層
5 放熱部
5a 小形フィン
5b 放熱フィン
6 掘り起こし工具
6a 刃部
7 鍔部
8 集積回路(電子部品)
t 掘り起こし代

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導率が良好な金属板の一方面に絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされてなる金属ベースプリント基板であって、
上記金属板の他方面には、掘り起こし工具によって掘り下げることにより、肉薄な板状に起立形成された複数の放熱フィンからなる放熱部が一体に設けられ、
隣接する上記放熱フィンの間に形成される底面の板厚を上記金属板の板厚よりも小さく形成したことを特徴とする放熱部付き金属ベースプリント基板。
【請求項2】
上記放熱部を金属板の端部から離間させた中央部に設け、上記放熱部の周囲に上記金属板の板厚からなる鍔部を形成した請求項1に記載の放熱部付き金属ベースプリント基板。
【請求項3】
複数の放熱フィンからなる放熱部を上記金属板の他方面に離間させて複数個設けた請求項1に記載の放熱部付き金属ベースプリント基板。
【請求項4】
上記放熱部が上記金属板の他面に離間させて複数個設けられ、これら放熱部の間に底面の板厚を上記金属板の板厚よりも小さく形成した凹所が形成された請求項3に記載の放熱部付き金属ベースプリント基板。
【請求項5】
上記放熱部が金属板の一方面に貼り合わされ金属箔からなる配線パターンに配設される発熱電子部品に対応した他方面に設けられた請求項1乃至4のいずれかに記載の放熱部付き金属ベースプリント基板。
【請求項6】
一方面に絶縁性の接着剤層を介して金属箔が貼り合わされた熱伝導率が良好な金属板の他方面と、移動方向の先端側に刃部が形成された掘り起こし工具とを、所定の角度を有した状態で相対移動させて、上記掘り起こし工具の刃部により上記金属板の他方面から一方面方向に掘り下げることにより、板状の放熱フィンを一体に起立形成すると共に、上記放熱フィンの起立形成によって形成された被加工面よりも形成ピッチ分の上流側から、上記金属板と上記掘り起こし工具とを相対移動させ、上記掘り起こし工具により上記金属板を掘り起こすことにより次の板状の上記放熱フィンを一体に起立形成し、以後上記放熱フィンを一体に起立形成する掘り起こし工程を順次繰り返して上記金属板の他方面に複数の上記放熱フィンを連続形成して放熱部を形成する放熱部付き金属ベースプリント基板の製造方法。
【請求項7】
上記金属板と上記掘り起こし工具とを所定の角度を有した状態で上記金属板の一端側よりも離間した所定位置に上記掘り起こし工具を挿入し、基部が上記金属板に連結した小寸な複数枚の小形フィンを高さが順次大きくなるように形成し、
上記掘り起こし工具の刃部が所定の深さに達した後は、上記被加工面よりも形成ピッチ分の上流側から上記金属板と上記掘り起こし工具とを相対移動させて板状の上記放熱フィンを一体に起立形成するフィン形成工程を順次繰り返して複数の上記放熱フィンを連続して形成する請求項5に記載の放熱部付き金属ベースプリント基板の製造方法。
【請求項8】
金属板の他方面と、移動方向の先端側に刃部が形成された掘り起こし工具とを、所定の角度を有した状態で相対移動させて、上記掘り起こし工具の刃部により上記金属板の他方面から一方面方向に掘り下げることにより、板状の放熱フィンを起立形成するフィン形成工程と、その後上記掘り起こし工具を水平方向に移動させて上記放熱フィンの基端を切削する切削工程とによって、上記金属板の他方面に所定の深さの凹所を形成する凹所形成工程を有し、この凹所形成工程を上記放熱部の形成に連続して行う請求項5に記載の放熱部付き金属ベースプリント基板の製造方法。
【請求項9】
フィン形成工程において、上記掘り起こし工具により上記金属板の他方面を掘り下げて上記放熱フィンを起立形成するとき、上記放熱フィンの少なくとも基端側の両側を膨出させ、上記切削工程において切削したスクラップを上記凹所の内壁に挟持させることにより保持する請求項7に記載の放熱部付き金属ベースプリント基板の製造方法。
【請求項10】
フィン形成工程において、上記掘り起こし工具により上記金属板に上記放熱フィンを起立形成するとき、上記放熱フィンの基端側の板厚が厚く先端に至るに従って漸次薄く形成する請求項5乃至7のいずれかに記載の放熱部付き金属ベースプリント基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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