放熱部材および半導体装置
【課題】小型軽量かつ放熱効果を高められる放熱部材を提供する。
【解決手段】第1の基板1の搭載面1aに搭載された第1の発熱素子4と、第1の基板1の搭載面1aに略垂直に取り付けられた第2の基板2の搭載面2aに搭載された第2の発熱素子5との両発熱素子4,5の発熱を放熱する放熱部材において、一方の周縁に第1の基板1の搭載面1aへの取付部が設けられた放熱板からなる放熱部72と、放熱部72が取付部によって第1の基板1の搭載面1aに取り付けられたときに、放熱部72の他方の周縁から第1の発熱素子4に向かって延びる第1の連結部73と、第1の連結部73の先端に設けられ、第1の発熱素子4が取り付けられる第1の素子取付部71と、第2の発熱素子5が取り付けられる第2の素子取付部81と、第2の素子取付部81を放熱部72に連結する第2の連結部82とを備えた。
【解決手段】第1の基板1の搭載面1aに搭載された第1の発熱素子4と、第1の基板1の搭載面1aに略垂直に取り付けられた第2の基板2の搭載面2aに搭載された第2の発熱素子5との両発熱素子4,5の発熱を放熱する放熱部材において、一方の周縁に第1の基板1の搭載面1aへの取付部が設けられた放熱板からなる放熱部72と、放熱部72が取付部によって第1の基板1の搭載面1aに取り付けられたときに、放熱部72の他方の周縁から第1の発熱素子4に向かって延びる第1の連結部73と、第1の連結部73の先端に設けられ、第1の発熱素子4が取り付けられる第1の素子取付部71と、第2の発熱素子5が取り付けられる第2の素子取付部81と、第2の素子取付部81を放熱部72に連結する第2の連結部82とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱素子に取り付けられて熱を放出するための放熱部材、および、その放熱部材を備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年開発されている半導体装置は、高性能化を実現するために、多くの電子部品が使用されている。これらの電子部品を搭載するための基板の数は、各基板の搭載密度を高めてはいるが、増加する傾向がある。一方、半導体装置を小型化することも要請されている。この要請に対応して、実装密度を高めるために、各基板を立体的に組み立てることが行なわれている。例えば、土台となる基板(以下、「親基板」とする。)に対して、他の基板(以下、「子基板」とする。)を略垂直に固定することで、実装密度を高めている。
【0003】
この場合でも、子基板に搭載されたパワートランジスタなどの発熱素子には、発する熱を放熱するための放熱部材が取り付けられる。例えば、特開2000−223872号公報には、プラッタ(親基板)に垂直に実装されたプロセッサボード(子基板)に取り付けられた電子部品(発熱素子)に熱交換器(放熱部材)が設けられていることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−223872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
子基板に搭載されている発熱素子の発熱量が多い場合、放熱効果を高めるために、放熱部材を大きくする必要がある。しかし、放熱部材を大きくするためには、子基板を大きくする必要がある。また、子基板と親基板との固定部分が放熱部材の重さを支えきれないという問題もあった。また、放熱部材を大きくした場合、基板における他の部品の搭載を阻害することもあった。
【0006】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、小型軽量かつ放熱効果を高められる放熱部材を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される放熱部材は、発熱素子が搭載された基板の搭載面に、当該発熱素子とは異なる位置に取り付けられ、当該発熱素子の放熱を行う放熱部材であって、一方の周縁に基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、放熱部が取付部によって基板の搭載面に取り付けられたときに、放熱部の他方の周縁から発熱素子に向かって延びる連結部と、連結部の先端に設けられ、発熱素子が取り付けられる素子取付部と、を備える。
【0009】
この構成によると、基板の搭載面の発熱素子から離れた位置に取り付けることができるので、基板における部品搭載を阻害することなく、効果的に基板における発熱素子からの発熱を放熱することができる。
【0010】
本発明の第2の側面によって提供される放熱部材は、第1の基板の搭載面に搭載された第1の発熱素子と、第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられた第2の基板の搭載面に搭載された第2の発熱素子との両発熱素子の発熱を放熱する放熱部材であって、一方の周縁に第1の基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、放熱部が取付部によって第1の基板の搭載面に取り付けられたときに、放熱部の他方の周縁から第1の発熱素子に向かって延びる第1の連結部と、第1の連結部の先端に設けられ、第1の発熱素子が取り付けられる第1の素子取付部と、第2の発熱素子が取り付けられる第2の素子取付部と、第2の素子取付部を放熱部に連結する第2の連結部と、を備える。
【0011】
この構成によると、第2の発熱素子の発熱が第2の連結部を介して放熱部材で放熱されるので、第2の発熱素子が取り付けられる第2の素子取付部を小型軽量にしても放熱効果が高いものとすることができる。したがって、放熱効果を高めるために第2の素子取付部を大きくする必要がないので、第2の基板を大きくする必要がなく、第2の基板と第1の基板との固定部分にかかる負担を削減することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、第2の連結部は、第1の基板の搭載面に第2の基板を取り付けたときに、放熱部に重なる板状の部材を有し、重なり合った放熱部と第2の連結部とを締結することにより、第2の素子取付部が放熱部に連結される。
【0013】
この構成によると、第2の素子取付部に取り付けられた第2の発熱素子が第2の基板に搭載された状態で、第2の連結部材を放熱部に被せるようにして重ねることができる。また、第2の連結部を放熱部の所定の位置に重ねることで、容易に第2の基板の第1の基板に対する位置決めをすることができる。さらに、放熱部と第2の連結部とが締結されることにより、第1の基板と第2の基板との固定をより強固にすることができる。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、第2の連結部は、第1の基板の搭載面に第2の基板を取り付けたときに、第1の連結部に重なる板状の部材を有し、重なり合った第1の連結部と第2の連結部とを締結することにより、第2の素子取付部が放熱部に連結される。
【0015】
この構成によると、第2の素子取付部に取り付けられた第2の発熱素子が第2の基板に搭載された状態で、第2の連結部材を第1の連結部材に被せるようにして重ねることができる。また、第2の連結部を第1の連結部の所定の位置に重ねることで、容易に第2の基板の第1の基板に対する位置決めをすることができる。さらに、第1の連結部と第2の連結部とが締結されることにより、第1の基板と第2の基板との固定をより強固にすることができる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、第1の連結部は、第1の基板の搭載面に対して略平行である。
【0017】
この構成によると、第2の連結部を第1の連結部にネジ止めにより固着する場合、第1の基板の搭載面に対して垂直方向にネジ止めすることができる。したがって、第1の基板と第2の基板とを組み立てたり、取り外したりするための作業が容易になる。
【0018】
本発明の第3の側面によって提供される半導体装置は、第1の発熱素子が搭載された第1の基板と、第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられ、第2の発熱素子が搭載された第2の基板と、を備える半導体装置であって、本発明の第2の側面によって提供される放熱部材を更に備え、この放熱部材により第1および第2の発熱素子の発熱が放熱される。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1および図2は、本発明に係る半導体装置の第1実施形態の内部構造を説明するための図である。図2は、図1を分解して表示した図である。図1および図2においては、説明に必要のない部材は省略している。
【0022】
半導体装置Aは、親基板1、第1子基板2、第2子基板3、電源整流ダイオード4、パワートランジスタ5,6、親基板放熱板7、第1子基板放熱板8、第2子基板放熱板9、および図示しない外部ケースを有する。
【0023】
親基板1は電源基板であり、平面視で長方形状を有している。親基板1の搭載面(図2において手前側の面)1aには、電源装置を構成する電子部品および制御のための電子部品が搭載されている。各電子部品は、親基板1の搭載面1aおよびその裏面に設けられた配線パターンで電気的に接続されている。図1および図2においては、後述する電源整流ダイオード4以外の電子部品および配線パターンの記載を省略している。電源装置は、家庭用電源から供給される交流電力を所定の電圧の直流電力に変換するものである。親基板1は、各基板を立体的に組み立てる際の土台となる基板である。
【0024】
第1子基板2はアンプ基板であり、親基板1と同様に平面視で長方形状を有している。第1子基板2の搭載面(図2において手前側の面)2aには、音声信号を増幅する増幅装置を構成する電子部品が搭載されている。各電子部品は、第1子基板2の搭載面2aおよびその裏面に設けられた配線パターンで電気的に接続されている。図2においては、後述するパワートランジスタ5以外の電子部品および配線パターンの記載を省略している。増幅装置は、入力された音声信号を、電源装置から供給される電力を用いて増幅して出力する。第1子基板2は、親基板1の搭載面1aに直交するように配置されている。
【0025】
第2子基板3も第1子基板2と同様のアンプ基板であり、平面視で第1子基板2と同一の長方形状を有している。第2子基板3の搭載面(図2において手前側の面)3aにも、増幅装置を構成する電子部品が搭載されている。図2においては、後述するパワートランジスタ6以外の電子部品および配線パターンの記載を省略している。第2子基板3は、第1子基板2と平行に、親基板1の搭載面1aに直交するように配置されている。
【0026】
本実施形態では半導体装置Aに2チャンネルのアンプを設けるために、第1子基板2および第2子基板3の2つの子基板を親基板1に配置しているが、1チャンネルのアンプを設ける場合は第1子基板2または第2子基板3のみを親基板1に配置すればよい。また、3チャンネル以上のアンプを設ける場合は、その数に合わせて第2子基板3を追加して親基板1に配置することになる。この場合は、後述する親基板放熱板7を長辺方向(図2において左から右への方向)に延長して各第2子基板3を配置することになる。
【0027】
電源整流ダイオード4は、親基板1の搭載面1aに搭載される電子部品であり、家庭用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するために整流するものである。本実施形態では、電源整流ダイオード4は、親基板1に1つだけ搭載されているが、複数個搭載されていてもよい。電源整流ダイオード4は、通電時に熱を発する発熱素子である。
【0028】
パワートランジスタ5,6は、それぞれ第1子基板2の搭載面2aおよび第2子基板3の搭載面3aに搭載される電子部品であり、音声信号を増幅するためのものである。本実施形態では、パワートランジスタ5,6は、各子基板2,3に1つずつ搭載されているが、複数個ずつ搭載されていてもよい。パワートランジスタ5,6も、通電時に熱を発する発熱素子である。
【0029】
親基板放熱板7は、電源整流ダイオード4が発する熱を放熱するためのものであり、熱が伝導しやすいアルミなどの金属製である。なお、親基板放熱板7の材質はこれに限定されるものではなく、例えば、鉄や銅などの金属であってもよいし、熱抵抗の低いセラミックや樹脂であってもよい。
【0030】
図3は、親基板放熱板7の形状を説明するための図である。同図(a)は親基板放熱板7の斜視図であり、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【0031】
親基板放熱板7は、素子取付部71、放熱部72、および連結部73からなる。素子取付部71は、発熱素子が取り付けられる部分である。放熱部72は、放熱を行なう部分であり、親基板1に取り付けるための部分でもある。連結部73は、素子取付部71を放熱部72に連結する部分である。
【0032】
放熱部72は、同図(a)に示すように、平面視で横長長方形状の板で、一方の長辺(同図(a)では下側の長辺)の略中央に、矩形状の切り欠き部72aが設けられている。この切り欠き部72aは、素子取付部71に発熱素子をネジで取り付け易くするために設けられている。また、放熱部72の切り欠き部72aが形成された長辺の両端部に、素子取付部71側に直角に屈曲させて基板取付部72b,72cが設けられている。基板取付部72b,72cは、放熱部72を親基板1に固定させるためのもので、矩形状を成し、中央にネジ孔が穿設されている。また、放熱部72の同図(a)における右側端部付近には、ネジ孔72dが穿設されている。
【0033】
素子取付部71は、平面視で矩形状の板で、略中央に発熱素子を固定するためのネジ孔71aが穿設されている。
【0034】
連結部73は、素子取付部71と放熱部72とが互いに平行となるように連結する板状の部材である。連結部73は、素子取付部71の同図(a)における上側の端部と放熱部72の切り欠き部72aが形成されていない長辺(同図(a)における上側の長辺)の略中央を連結している。連結部73と素子取付部71は、放熱部72の切り欠き部72aが形成されていない長辺の略中央に素子取付部71の幅寸法を有する長方形状の片を突出させ、その辺を直角に2回折り曲げることにより形成されている。連結部73の同図(a)における左端部付近には、ネジ孔73aが穿設されている。
【0035】
なお、本実施形態では、プレス加工で素子取付部71、放熱部72、切り欠き部72a、基板取付部72b,72c、連結部73、およびネジ孔が一体的に形成された所定形状の板部材を作製し、基板取付部72b,72c、素子取付部71、および連結部73の部分を折り曲げ加工することにより親基板放熱板7を作製しているが、親基板放熱板7は、放熱部72に基板取付部72b,72c、素子取付部71、および連結部73の各部分を溶接などで固着して形成してもよい。また、樹脂などの射出成形でもよい。
【0036】
親基板放熱板7の素子取付部71の取付面71b(同図(a)における手前側の面)には、図示しない熱伝導シートを介して、電源整流ダイオード4がネジで取り付けられる。熱伝導シートは、熱伝導性の高い素材を混入した樹脂のシートであり、2つの物体間に挿入して絶縁すると共に、その隙間をなくし熱抵抗を低くするためのものである。熱伝導シートの代わりにシリコングリスなどを使用してもよい。なお、ネジによる取り付け以外の方法で取り付けられていてもよい。例えば、熱伝導シートを介さずに、熱抵抗の低い接着剤で直接接着されていてもよい。
【0037】
親基板放熱板7は、基板取付部72b,72cでネジにより親基板1に固着され、放熱部72および素子取付部71が親基板1の搭載面1aに対して垂直となるように固定される。なお、固定方法はネジに限定されず、例えば、放熱部72を接着剤などで親基板1に接着してもよいし、放熱部72に係合部を設けて、親基板1に設けられた係合孔に係合するようにして固定してもよい。
【0038】
なお、親基板放熱板7の形状は上記に限定されず、素子取付部71の取付面71bが放熱部72と対向するような形状であればよい。親基板放熱板7に固着される子基板放熱板が、後述する第2子基板放熱板9のみであれば、連結部73が素子取付部71と放熱部72とを連結する部分は上記に限定されない。素子取付部71および放熱部72の、同図(a)における下側あるいは左側の端部同士を連結する形状でもよい。例えば、図4に示す親基板放熱板7’のような形状でもよい。
【0039】
第1子基板放熱板8は、パワートランジスタ5が発する熱を親基板放熱板7に伝達して放熱するためのものであり、熱が伝導しやすいアルミなどの金属製である。なお、親基板放熱板7と同様、第1子基板放熱板8の材質は限定されない。
【0040】
図5は、第1子基板放熱板8の形状を説明するための図である。同図(a)は第1子基板放熱板8の斜視図であり、同図(b)は正面図である。
【0041】
第1子基板放熱板8は、素子取付部81、固着部82、および連結部83からなる。素子取付部81は、発熱素子が取り付けられる部分である。固着部82は、親基板放熱板7に固着するための部分である。連結部83は、素子取付部81と固着部82とを連結する部材である。
【0042】
素子取付部81は、同図(b)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央に発熱素子を固定するためのネジ孔81aが穿設されている。
【0043】
固着部82は、同図(a)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央にネジ孔82aが穿設されている。
【0044】
連結部83は、素子取付部81と固着部82とが互いに垂直となるように連結する板状の部材である。連結部83は、素子取付部81の同図(a)における右側の端部と、固着部82の同図(a)における左側の端部とを連結している。
【0045】
なお、本実施形態では、プレス加工で素子取付部81、固着部82、連結部83、およびネジ孔が一体的に形成された所定形状の板部材を作製し、素子取付部81および固着部82の部分を折り曲げ加工することにより第1子基板放熱板8を作製しているが、第1子基板放熱板8は、素子取付部81、固着部82、および連結部83の各部分を溶接などで互いに固着して形成してもよい。また、樹脂などの射出成形でもよい。
【0046】
第1子基板放熱板8の素子取付部81の取付面81b(同図(a)における手前側の面)には、図示しない熱伝導シートを介して、パワートランジスタ5がネジで取り付けられる。なお、熱伝導シートの代わりにシリコングリスなどを使用してもよいし、ネジによる取り付け以外の方法で取り付けられていてもよい。
【0047】
第1子基板放熱板8の固着部82のネジ孔82aと親基板放熱板7の連結部73のネジ孔73aとがネジで固着されることにより、第1子基板放熱板8の素子取付部81が親基板1の搭載面1aに対して垂直となるように固定される(図2参照)。なお、第1子基板放熱板8の固着部82と親基板放熱板7の連結部73との間に熱伝導シートを挿入してもよい。また、固定方法はネジに限定されず、例えば、熱抵抗の低い接着剤や半田付けや溶接などで固着部82を連結部73に接着してもよいし、固着部82を連結部73に係合させて固定してもよい。但し、第1子基板2を親基板1の搭載面1aの所定の位置に直交するように固定するという目的のためには、第1子基板放熱板8と親基板放熱板7とを所定の位置で確実に固着しうるネジによる固着が最も適している。
【0048】
なお、第1子基板放熱板8の形状は上記に限定されず、素子取付部81と固着部82とが互いに垂直となるような形状であればよい。例えば、図6に示す第1子基板放熱板8’のように、連結部83を設けずに、素子取付部81の同図における上側の端部と固着部82の同図における奥側の端部とを直接連結させた形状でもよい。
【0049】
第2子基板放熱板9は、パワートランジスタ6が発する熱を親基板放熱板7に伝達して放熱するためのものであり、熱が伝導しやすいアルミなどの金属製である。なお、親基板放熱板7と同様、第2子基板放熱板9の材質は限定されない。
【0050】
図7は、第2子基板放熱板9の形状を説明するための図である。同図(a)は第2子基板放熱板9の斜視図であり、同図(b)は正面図である。
【0051】
第2子基板放熱板9は、素子取付部91、固着部92、および連結部93からなる。素子取付部91は、発熱素子が取り付けられる部分である。固着部92は、親基板放熱板7に固着するための部分である。連結部93は、素子取付部91と固着部92とを連結する部材である。
【0052】
素子取付部91は、同図(b)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央に発熱素子を固定するためのネジ孔91aが穿設されている。
【0053】
固着部92は、同図(a)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央にネジ孔92aが穿設されている。
【0054】
連結部93は、素子取付部91と固着部92とが互いに平行となるように連結する板状の部材である。連結部93は、素子取付部91の同図(a)における上側の端部と、固着部92の同図(a)における上側の端部とを連結している。
【0055】
なお、本実施形態では、プレス加工で素子取付部91、固着部92、連結部93、およびネジ孔が一体的に形成された所定形状の板部材を作製し、素子取付部91および固着部92の部分を折り曲げ加工することにより第2子基板放熱板9を作製しているが、第2子基板放熱板9は、素子取付部91、固着部92、および連結部93の各部分を溶接などで互いに固着して形成してもよい。また、樹脂などの射出成形でもよい。
【0056】
第2子基板放熱板9の素子取付部91の取付面91b(同図(a)における手前側の面)には、図示しない熱伝導シートを介して、パワートランジスタ6がネジで取り付けられる。なお、熱伝導シートの代わりにシリコングリスなどを使用してもよいし、ネジによる取り付け以外の方法で取り付けられていてもよい。
【0057】
第2子基板放熱板9の固着部92のネジ孔92aと親基板放熱板7の放熱部72のネジ孔72dとがネジで固着されることにより、第2子基板放熱板9の素子取付部91が親基板の搭載面1aに対して垂直となるように固定される(図2参照)。なお、第2子基板放熱板9の固着部92と親基板放熱板7の放熱部72との間に熱伝導シートを挿入してもよい。また、固定方法はネジに限定されず、例えば、熱抵抗の低い接着剤や半田付けや溶接などで固着部92を放熱部72に接着してもよいし、固着部92を放熱部72に係合させて固定してもよい。但し、第2子基板3を親基板1の搭載面1aの所定の位置に直交するように固定するという目的のためには、第2子基板放熱板9と親基板放熱板7とを所定の位置で確実に固着しうるネジによる固着が最も適している。
【0058】
なお、第2子基板放熱板9の形状は上記に限定されず、素子取付部91の取付面91bが固着部92と対向するような形状であればよい。例えば、図8に示す第2子基板放熱板9’のように、連結部93が、素子取付部91の同図における右側の端部と固着部92の同図における右側の端部とを連結した形状でもよい。
【0059】
次に、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図9〜14を参照して説明する。
【0060】
まず、電源整流ダイオード4を親基板放熱板7にネジで取り付ける。すなわち、電源整流ダイオード4の一方の面を、熱伝導シートを介して、親基板放熱板7の素子取付部71の取付面71bに固着する(図9参照)。このとき、電源整流ダイオード4の端子を同図における下側に向けるように取り付ける。
【0061】
また、パワートランジスタ5を第1子基板放熱板8にネジで取り付ける。すなわち、パワートランジスタ5の一方の面を、熱伝導シートを介して、第1子基板放熱板8の素子取付部81の取付面81bに固着する(図10参照)。このとき、パワートランジスタ5の端子を同図における左側に向けるように取り付ける。
【0062】
同様に、パワートランジスタ6を第2子基板放熱板9にネジで取り付ける。すなわち、パワートランジスタ6の一方の面を、熱伝導シートを介して、第2子基板放熱板9の素子取付部91の取付面91bに固着する(図11参照)。このとき、パワートランジスタ6の端子を同図における左側に向けるように取り付ける。
【0063】
次に、電源整流ダイオード4を、親基板1の搭載面1aに搭載する(図12参照)。すなわち、電源整流ダイオード4の各端子を、親基板1の搭載面1aに設けられている配線パターンの該当箇所にそれぞれ半田付けする。これにより、親基板放熱板7の放熱部72が親基板1の搭載面1aに対して垂直となり、連結部73が搭載面1aに対して平行となるように取り付けられる。その他の図示しない電子部品も親基板1の搭載面1aに搭載する。
【0064】
また、パワートランジスタ5を、第1子基板2の搭載面2aに搭載する(図13参照)。すなわち、パワートランジスタ5の各端子を、第1子基板2の搭載面2aに設けられている配線パターンの該当箇所にそれぞれ半田付けする。これにより、第1子基板放熱板8の固着部82が第1子基板2の搭載面2aに対して垂直となるように取り付けられる。その他の図示しない電子部品も第1子基板2の搭載面2aに搭載する。
【0065】
同様に、パワートランジスタ6を、第2子基板3の搭載面3aに搭載する(図14参照)。すなわち、パワートランジスタ6の各端子を、第2子基板3の搭載面3aに設けられている配線パターンの該当箇所にそれぞれ半田付けする。これにより、第2子基板放熱板9の固着部92が第2子基板3の搭載面3aに対して垂直となるように取り付けられる。その他の図示しない電子部品も第2子基板3の搭載面3aに搭載する。
【0066】
次に、第1子基板放熱板8の固着部82のネジ孔82aと親基板放熱板7の連結部73のネジ孔73aとを合わせて、ネジで固着する(図1および図2参照)。これにより、第1子基板2が親基板1に対して垂直となるように取り付けられる。また、第2子基板放熱板9のコ字形状部分を、図2における上側から親基板放熱板7にかぶせる様に装着し、第2子基板放熱板9の固着部92のネジ孔92aと親基板放熱板7の放熱部72のネジ孔72dとを合わせて、ネジで固着する(図1および図2参照)。これにより、第2子基板3が親基板1に対して垂直となるように取り付けられる。
【0067】
次に、親基板1と第1子基板2および第2子基板3との間の配線を接続する。最後に、親基板1を図示しない外部ケースのシャーシの内側に固着し、外部ケースの蓋をシャーシに固着する。
【0068】
次に、第1実施形態に係る半導体装置の作用について説明する。
【0069】
本実施形態では、親基板1に搭載される発熱素子に対する親基板放熱板7を、図3に示すように、比較的表面積が大きく放熱効果の高い横長長方形状の放熱部72を親基板1の端部に立直させるように取り付け、この放熱部72から発熱素子である電源整流ダイオード4にまで連結部73と素子取付部71を延設し、電源整流ダイオード4に素子取付部71を固定して当該電源整流ダイオード4で生じる熱を放熱部72に導いて放熱させるようにしているので、親基板1における部品搭載を阻害することなく、効果的に親基板1における発熱素子からの発熱を放熱することができる。
【0070】
また、親基板1の部品搭載面1aに対して垂直に配置される第1子基板2に搭載される発熱素子であるパワートランジスタ5と第2子基板3に搭載される発熱素子であるパワートランジスタ6も、それぞれ第1子基板放熱板8と第2子基板放熱板9とで親基板1の親基板放熱板7に連結するようにしているので、パワートランジスタ5,6からの発熱も親基板放熱板7に伝達して放熱することができる。したがって、第1子基板放熱板8および第2子基板放熱板9を小型軽量かつ放熱効果が高いものとすることができ、各子基板2,3と親基板1との固定部分にかかる負担を軽減することができる。
【0071】
また、第1子基板放熱板8および第2子基板放熱板9は、それぞれ第1子基板2および第2子基板3に実装された状態で、親基板1に実装された親基板放熱板7に被せるようにして固着することができるので、第1子基板2および第2子基板3の位置決めが容易である。また、親基板放熱板7と第1子基板放熱板8および第2子基板放熱板9とが固着されているので、親基板1と第1子基板2および第2子基板3との固定もより強固にすることができる。
【0072】
また、親基板放熱板7と第1子基板放熱板8とをネジ止めにより固着する場合、親基板1の搭載面1aに対して垂直方向にネジ止めすることができるので、親基板1と第1子基板2とを組み立てたり、取り外したりするための作業が容易になる。
【0073】
なお、上記実施形態については、電源基板としての親基板にアンプ基板としての第1子基板および第2子基板を取り付けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。親基板、子基板とも他の機能を持つ基板であってもよいし、親基板に取り付けられる子基板の数は1個または3個以上でもよい。また、各基板に搭載されている発熱素子は電源整流ダイオードおよびパワートランジスタに限定されない。通電時に熱を発し放熱を必要とするあらゆる素子に対して、本発明は適用できる。例えば、親基板に搭載されているトランジスタに対しても本発明の放熱部材を用いることができる。
【0074】
本発明に係る放熱部材および半導体装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る放熱部材および半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る半導体装置の第1実施形態の内部構造を説明するための図である。
【図2】図1の半導体装置の内部構造を分解して表示した図である。
【図3】親基板放熱板の形状を説明するための図である。
【図4】親基板放熱板の他の実施例を示す図である。
【図5】第1子基板放熱板の形状を説明するための図である。
【図6】第1子基板放熱板の他の実施例を示す図である。
【図7】第2子基板放熱板の形状を説明するための図である。
【図8】第2子基板放熱板の他の実施例を示す図である。
【図9】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、電源整流ダイオードを親基板放熱板に固着する工程を説明するための図である。
【図10】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第1子基板放熱板に固着する工程を説明するための図である。
【図11】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第2子基板放熱板に固着する工程を説明するための図である。
【図12】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、電源整流ダイオードを親基板に搭載する工程を説明するための図である。
【図13】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第1子基板に搭載する工程を説明するための図である。
【図14】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第2子基板に搭載する工程を説明するための図である。
【符号の説明】
【0076】
A 半導体装置
1 親基板(基板、第1の基板)
1a 搭載面
2 第1子基板(第2の基板)
2a 搭載面
3 第2子基板(第2の基板)
3a 搭載面
4 電源整流ダイオード(発熱素子、第1の発熱素子)
5,6 パワートランジスタ(第2の発熱素子)
7 親基板放熱板(放熱部材)
71 素子取付部(素子取付部、第1の素子取付部)
71a ネジ孔
71b 取付面
72 放熱部
72a 切り欠き部
72b、72c 基板取付部(取付部)
72d ネジ孔
73 連結部(連結部、第1の連結部)
73a ネジ孔
8 第1子基板放熱板(放熱部材)
81 素子取付部(第2の素子取付部)
81a ネジ孔
81b 取付面
82 固着部(第2の連結部)
82a ネジ孔
83 連結部(第2の連結部)
9 第2子基板放熱板(放熱部材)
91 素子取付部(第2の素子取付部)
91a ネジ孔
91b 取付面
92 固着部(第2の連結部)
92a ネジ孔
93 連結部(第2の連結部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱素子に取り付けられて熱を放出するための放熱部材、および、その放熱部材を備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年開発されている半導体装置は、高性能化を実現するために、多くの電子部品が使用されている。これらの電子部品を搭載するための基板の数は、各基板の搭載密度を高めてはいるが、増加する傾向がある。一方、半導体装置を小型化することも要請されている。この要請に対応して、実装密度を高めるために、各基板を立体的に組み立てることが行なわれている。例えば、土台となる基板(以下、「親基板」とする。)に対して、他の基板(以下、「子基板」とする。)を略垂直に固定することで、実装密度を高めている。
【0003】
この場合でも、子基板に搭載されたパワートランジスタなどの発熱素子には、発する熱を放熱するための放熱部材が取り付けられる。例えば、特開2000−223872号公報には、プラッタ(親基板)に垂直に実装されたプロセッサボード(子基板)に取り付けられた電子部品(発熱素子)に熱交換器(放熱部材)が設けられていることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−223872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
子基板に搭載されている発熱素子の発熱量が多い場合、放熱効果を高めるために、放熱部材を大きくする必要がある。しかし、放熱部材を大きくするためには、子基板を大きくする必要がある。また、子基板と親基板との固定部分が放熱部材の重さを支えきれないという問題もあった。また、放熱部材を大きくした場合、基板における他の部品の搭載を阻害することもあった。
【0006】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、小型軽量かつ放熱効果を高められる放熱部材を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される放熱部材は、発熱素子が搭載された基板の搭載面に、当該発熱素子とは異なる位置に取り付けられ、当該発熱素子の放熱を行う放熱部材であって、一方の周縁に基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、放熱部が取付部によって基板の搭載面に取り付けられたときに、放熱部の他方の周縁から発熱素子に向かって延びる連結部と、連結部の先端に設けられ、発熱素子が取り付けられる素子取付部と、を備える。
【0009】
この構成によると、基板の搭載面の発熱素子から離れた位置に取り付けることができるので、基板における部品搭載を阻害することなく、効果的に基板における発熱素子からの発熱を放熱することができる。
【0010】
本発明の第2の側面によって提供される放熱部材は、第1の基板の搭載面に搭載された第1の発熱素子と、第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられた第2の基板の搭載面に搭載された第2の発熱素子との両発熱素子の発熱を放熱する放熱部材であって、一方の周縁に第1の基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、放熱部が取付部によって第1の基板の搭載面に取り付けられたときに、放熱部の他方の周縁から第1の発熱素子に向かって延びる第1の連結部と、第1の連結部の先端に設けられ、第1の発熱素子が取り付けられる第1の素子取付部と、第2の発熱素子が取り付けられる第2の素子取付部と、第2の素子取付部を放熱部に連結する第2の連結部と、を備える。
【0011】
この構成によると、第2の発熱素子の発熱が第2の連結部を介して放熱部材で放熱されるので、第2の発熱素子が取り付けられる第2の素子取付部を小型軽量にしても放熱効果が高いものとすることができる。したがって、放熱効果を高めるために第2の素子取付部を大きくする必要がないので、第2の基板を大きくする必要がなく、第2の基板と第1の基板との固定部分にかかる負担を削減することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、第2の連結部は、第1の基板の搭載面に第2の基板を取り付けたときに、放熱部に重なる板状の部材を有し、重なり合った放熱部と第2の連結部とを締結することにより、第2の素子取付部が放熱部に連結される。
【0013】
この構成によると、第2の素子取付部に取り付けられた第2の発熱素子が第2の基板に搭載された状態で、第2の連結部材を放熱部に被せるようにして重ねることができる。また、第2の連結部を放熱部の所定の位置に重ねることで、容易に第2の基板の第1の基板に対する位置決めをすることができる。さらに、放熱部と第2の連結部とが締結されることにより、第1の基板と第2の基板との固定をより強固にすることができる。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、第2の連結部は、第1の基板の搭載面に第2の基板を取り付けたときに、第1の連結部に重なる板状の部材を有し、重なり合った第1の連結部と第2の連結部とを締結することにより、第2の素子取付部が放熱部に連結される。
【0015】
この構成によると、第2の素子取付部に取り付けられた第2の発熱素子が第2の基板に搭載された状態で、第2の連結部材を第1の連結部材に被せるようにして重ねることができる。また、第2の連結部を第1の連結部の所定の位置に重ねることで、容易に第2の基板の第1の基板に対する位置決めをすることができる。さらに、第1の連結部と第2の連結部とが締結されることにより、第1の基板と第2の基板との固定をより強固にすることができる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、第1の連結部は、第1の基板の搭載面に対して略平行である。
【0017】
この構成によると、第2の連結部を第1の連結部にネジ止めにより固着する場合、第1の基板の搭載面に対して垂直方向にネジ止めすることができる。したがって、第1の基板と第2の基板とを組み立てたり、取り外したりするための作業が容易になる。
【0018】
本発明の第3の側面によって提供される半導体装置は、第1の発熱素子が搭載された第1の基板と、第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられ、第2の発熱素子が搭載された第2の基板と、を備える半導体装置であって、本発明の第2の側面によって提供される放熱部材を更に備え、この放熱部材により第1および第2の発熱素子の発熱が放熱される。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1および図2は、本発明に係る半導体装置の第1実施形態の内部構造を説明するための図である。図2は、図1を分解して表示した図である。図1および図2においては、説明に必要のない部材は省略している。
【0022】
半導体装置Aは、親基板1、第1子基板2、第2子基板3、電源整流ダイオード4、パワートランジスタ5,6、親基板放熱板7、第1子基板放熱板8、第2子基板放熱板9、および図示しない外部ケースを有する。
【0023】
親基板1は電源基板であり、平面視で長方形状を有している。親基板1の搭載面(図2において手前側の面)1aには、電源装置を構成する電子部品および制御のための電子部品が搭載されている。各電子部品は、親基板1の搭載面1aおよびその裏面に設けられた配線パターンで電気的に接続されている。図1および図2においては、後述する電源整流ダイオード4以外の電子部品および配線パターンの記載を省略している。電源装置は、家庭用電源から供給される交流電力を所定の電圧の直流電力に変換するものである。親基板1は、各基板を立体的に組み立てる際の土台となる基板である。
【0024】
第1子基板2はアンプ基板であり、親基板1と同様に平面視で長方形状を有している。第1子基板2の搭載面(図2において手前側の面)2aには、音声信号を増幅する増幅装置を構成する電子部品が搭載されている。各電子部品は、第1子基板2の搭載面2aおよびその裏面に設けられた配線パターンで電気的に接続されている。図2においては、後述するパワートランジスタ5以外の電子部品および配線パターンの記載を省略している。増幅装置は、入力された音声信号を、電源装置から供給される電力を用いて増幅して出力する。第1子基板2は、親基板1の搭載面1aに直交するように配置されている。
【0025】
第2子基板3も第1子基板2と同様のアンプ基板であり、平面視で第1子基板2と同一の長方形状を有している。第2子基板3の搭載面(図2において手前側の面)3aにも、増幅装置を構成する電子部品が搭載されている。図2においては、後述するパワートランジスタ6以外の電子部品および配線パターンの記載を省略している。第2子基板3は、第1子基板2と平行に、親基板1の搭載面1aに直交するように配置されている。
【0026】
本実施形態では半導体装置Aに2チャンネルのアンプを設けるために、第1子基板2および第2子基板3の2つの子基板を親基板1に配置しているが、1チャンネルのアンプを設ける場合は第1子基板2または第2子基板3のみを親基板1に配置すればよい。また、3チャンネル以上のアンプを設ける場合は、その数に合わせて第2子基板3を追加して親基板1に配置することになる。この場合は、後述する親基板放熱板7を長辺方向(図2において左から右への方向)に延長して各第2子基板3を配置することになる。
【0027】
電源整流ダイオード4は、親基板1の搭載面1aに搭載される電子部品であり、家庭用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するために整流するものである。本実施形態では、電源整流ダイオード4は、親基板1に1つだけ搭載されているが、複数個搭載されていてもよい。電源整流ダイオード4は、通電時に熱を発する発熱素子である。
【0028】
パワートランジスタ5,6は、それぞれ第1子基板2の搭載面2aおよび第2子基板3の搭載面3aに搭載される電子部品であり、音声信号を増幅するためのものである。本実施形態では、パワートランジスタ5,6は、各子基板2,3に1つずつ搭載されているが、複数個ずつ搭載されていてもよい。パワートランジスタ5,6も、通電時に熱を発する発熱素子である。
【0029】
親基板放熱板7は、電源整流ダイオード4が発する熱を放熱するためのものであり、熱が伝導しやすいアルミなどの金属製である。なお、親基板放熱板7の材質はこれに限定されるものではなく、例えば、鉄や銅などの金属であってもよいし、熱抵抗の低いセラミックや樹脂であってもよい。
【0030】
図3は、親基板放熱板7の形状を説明するための図である。同図(a)は親基板放熱板7の斜視図であり、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。
【0031】
親基板放熱板7は、素子取付部71、放熱部72、および連結部73からなる。素子取付部71は、発熱素子が取り付けられる部分である。放熱部72は、放熱を行なう部分であり、親基板1に取り付けるための部分でもある。連結部73は、素子取付部71を放熱部72に連結する部分である。
【0032】
放熱部72は、同図(a)に示すように、平面視で横長長方形状の板で、一方の長辺(同図(a)では下側の長辺)の略中央に、矩形状の切り欠き部72aが設けられている。この切り欠き部72aは、素子取付部71に発熱素子をネジで取り付け易くするために設けられている。また、放熱部72の切り欠き部72aが形成された長辺の両端部に、素子取付部71側に直角に屈曲させて基板取付部72b,72cが設けられている。基板取付部72b,72cは、放熱部72を親基板1に固定させるためのもので、矩形状を成し、中央にネジ孔が穿設されている。また、放熱部72の同図(a)における右側端部付近には、ネジ孔72dが穿設されている。
【0033】
素子取付部71は、平面視で矩形状の板で、略中央に発熱素子を固定するためのネジ孔71aが穿設されている。
【0034】
連結部73は、素子取付部71と放熱部72とが互いに平行となるように連結する板状の部材である。連結部73は、素子取付部71の同図(a)における上側の端部と放熱部72の切り欠き部72aが形成されていない長辺(同図(a)における上側の長辺)の略中央を連結している。連結部73と素子取付部71は、放熱部72の切り欠き部72aが形成されていない長辺の略中央に素子取付部71の幅寸法を有する長方形状の片を突出させ、その辺を直角に2回折り曲げることにより形成されている。連結部73の同図(a)における左端部付近には、ネジ孔73aが穿設されている。
【0035】
なお、本実施形態では、プレス加工で素子取付部71、放熱部72、切り欠き部72a、基板取付部72b,72c、連結部73、およびネジ孔が一体的に形成された所定形状の板部材を作製し、基板取付部72b,72c、素子取付部71、および連結部73の部分を折り曲げ加工することにより親基板放熱板7を作製しているが、親基板放熱板7は、放熱部72に基板取付部72b,72c、素子取付部71、および連結部73の各部分を溶接などで固着して形成してもよい。また、樹脂などの射出成形でもよい。
【0036】
親基板放熱板7の素子取付部71の取付面71b(同図(a)における手前側の面)には、図示しない熱伝導シートを介して、電源整流ダイオード4がネジで取り付けられる。熱伝導シートは、熱伝導性の高い素材を混入した樹脂のシートであり、2つの物体間に挿入して絶縁すると共に、その隙間をなくし熱抵抗を低くするためのものである。熱伝導シートの代わりにシリコングリスなどを使用してもよい。なお、ネジによる取り付け以外の方法で取り付けられていてもよい。例えば、熱伝導シートを介さずに、熱抵抗の低い接着剤で直接接着されていてもよい。
【0037】
親基板放熱板7は、基板取付部72b,72cでネジにより親基板1に固着され、放熱部72および素子取付部71が親基板1の搭載面1aに対して垂直となるように固定される。なお、固定方法はネジに限定されず、例えば、放熱部72を接着剤などで親基板1に接着してもよいし、放熱部72に係合部を設けて、親基板1に設けられた係合孔に係合するようにして固定してもよい。
【0038】
なお、親基板放熱板7の形状は上記に限定されず、素子取付部71の取付面71bが放熱部72と対向するような形状であればよい。親基板放熱板7に固着される子基板放熱板が、後述する第2子基板放熱板9のみであれば、連結部73が素子取付部71と放熱部72とを連結する部分は上記に限定されない。素子取付部71および放熱部72の、同図(a)における下側あるいは左側の端部同士を連結する形状でもよい。例えば、図4に示す親基板放熱板7’のような形状でもよい。
【0039】
第1子基板放熱板8は、パワートランジスタ5が発する熱を親基板放熱板7に伝達して放熱するためのものであり、熱が伝導しやすいアルミなどの金属製である。なお、親基板放熱板7と同様、第1子基板放熱板8の材質は限定されない。
【0040】
図5は、第1子基板放熱板8の形状を説明するための図である。同図(a)は第1子基板放熱板8の斜視図であり、同図(b)は正面図である。
【0041】
第1子基板放熱板8は、素子取付部81、固着部82、および連結部83からなる。素子取付部81は、発熱素子が取り付けられる部分である。固着部82は、親基板放熱板7に固着するための部分である。連結部83は、素子取付部81と固着部82とを連結する部材である。
【0042】
素子取付部81は、同図(b)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央に発熱素子を固定するためのネジ孔81aが穿設されている。
【0043】
固着部82は、同図(a)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央にネジ孔82aが穿設されている。
【0044】
連結部83は、素子取付部81と固着部82とが互いに垂直となるように連結する板状の部材である。連結部83は、素子取付部81の同図(a)における右側の端部と、固着部82の同図(a)における左側の端部とを連結している。
【0045】
なお、本実施形態では、プレス加工で素子取付部81、固着部82、連結部83、およびネジ孔が一体的に形成された所定形状の板部材を作製し、素子取付部81および固着部82の部分を折り曲げ加工することにより第1子基板放熱板8を作製しているが、第1子基板放熱板8は、素子取付部81、固着部82、および連結部83の各部分を溶接などで互いに固着して形成してもよい。また、樹脂などの射出成形でもよい。
【0046】
第1子基板放熱板8の素子取付部81の取付面81b(同図(a)における手前側の面)には、図示しない熱伝導シートを介して、パワートランジスタ5がネジで取り付けられる。なお、熱伝導シートの代わりにシリコングリスなどを使用してもよいし、ネジによる取り付け以外の方法で取り付けられていてもよい。
【0047】
第1子基板放熱板8の固着部82のネジ孔82aと親基板放熱板7の連結部73のネジ孔73aとがネジで固着されることにより、第1子基板放熱板8の素子取付部81が親基板1の搭載面1aに対して垂直となるように固定される(図2参照)。なお、第1子基板放熱板8の固着部82と親基板放熱板7の連結部73との間に熱伝導シートを挿入してもよい。また、固定方法はネジに限定されず、例えば、熱抵抗の低い接着剤や半田付けや溶接などで固着部82を連結部73に接着してもよいし、固着部82を連結部73に係合させて固定してもよい。但し、第1子基板2を親基板1の搭載面1aの所定の位置に直交するように固定するという目的のためには、第1子基板放熱板8と親基板放熱板7とを所定の位置で確実に固着しうるネジによる固着が最も適している。
【0048】
なお、第1子基板放熱板8の形状は上記に限定されず、素子取付部81と固着部82とが互いに垂直となるような形状であればよい。例えば、図6に示す第1子基板放熱板8’のように、連結部83を設けずに、素子取付部81の同図における上側の端部と固着部82の同図における奥側の端部とを直接連結させた形状でもよい。
【0049】
第2子基板放熱板9は、パワートランジスタ6が発する熱を親基板放熱板7に伝達して放熱するためのものであり、熱が伝導しやすいアルミなどの金属製である。なお、親基板放熱板7と同様、第2子基板放熱板9の材質は限定されない。
【0050】
図7は、第2子基板放熱板9の形状を説明するための図である。同図(a)は第2子基板放熱板9の斜視図であり、同図(b)は正面図である。
【0051】
第2子基板放熱板9は、素子取付部91、固着部92、および連結部93からなる。素子取付部91は、発熱素子が取り付けられる部分である。固着部92は、親基板放熱板7に固着するための部分である。連結部93は、素子取付部91と固着部92とを連結する部材である。
【0052】
素子取付部91は、同図(b)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央に発熱素子を固定するためのネジ孔91aが穿設されている。
【0053】
固着部92は、同図(a)に示すように、平面視で矩形状の板で、略中央にネジ孔92aが穿設されている。
【0054】
連結部93は、素子取付部91と固着部92とが互いに平行となるように連結する板状の部材である。連結部93は、素子取付部91の同図(a)における上側の端部と、固着部92の同図(a)における上側の端部とを連結している。
【0055】
なお、本実施形態では、プレス加工で素子取付部91、固着部92、連結部93、およびネジ孔が一体的に形成された所定形状の板部材を作製し、素子取付部91および固着部92の部分を折り曲げ加工することにより第2子基板放熱板9を作製しているが、第2子基板放熱板9は、素子取付部91、固着部92、および連結部93の各部分を溶接などで互いに固着して形成してもよい。また、樹脂などの射出成形でもよい。
【0056】
第2子基板放熱板9の素子取付部91の取付面91b(同図(a)における手前側の面)には、図示しない熱伝導シートを介して、パワートランジスタ6がネジで取り付けられる。なお、熱伝導シートの代わりにシリコングリスなどを使用してもよいし、ネジによる取り付け以外の方法で取り付けられていてもよい。
【0057】
第2子基板放熱板9の固着部92のネジ孔92aと親基板放熱板7の放熱部72のネジ孔72dとがネジで固着されることにより、第2子基板放熱板9の素子取付部91が親基板の搭載面1aに対して垂直となるように固定される(図2参照)。なお、第2子基板放熱板9の固着部92と親基板放熱板7の放熱部72との間に熱伝導シートを挿入してもよい。また、固定方法はネジに限定されず、例えば、熱抵抗の低い接着剤や半田付けや溶接などで固着部92を放熱部72に接着してもよいし、固着部92を放熱部72に係合させて固定してもよい。但し、第2子基板3を親基板1の搭載面1aの所定の位置に直交するように固定するという目的のためには、第2子基板放熱板9と親基板放熱板7とを所定の位置で確実に固着しうるネジによる固着が最も適している。
【0058】
なお、第2子基板放熱板9の形状は上記に限定されず、素子取付部91の取付面91bが固着部92と対向するような形状であればよい。例えば、図8に示す第2子基板放熱板9’のように、連結部93が、素子取付部91の同図における右側の端部と固着部92の同図における右側の端部とを連結した形状でもよい。
【0059】
次に、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図9〜14を参照して説明する。
【0060】
まず、電源整流ダイオード4を親基板放熱板7にネジで取り付ける。すなわち、電源整流ダイオード4の一方の面を、熱伝導シートを介して、親基板放熱板7の素子取付部71の取付面71bに固着する(図9参照)。このとき、電源整流ダイオード4の端子を同図における下側に向けるように取り付ける。
【0061】
また、パワートランジスタ5を第1子基板放熱板8にネジで取り付ける。すなわち、パワートランジスタ5の一方の面を、熱伝導シートを介して、第1子基板放熱板8の素子取付部81の取付面81bに固着する(図10参照)。このとき、パワートランジスタ5の端子を同図における左側に向けるように取り付ける。
【0062】
同様に、パワートランジスタ6を第2子基板放熱板9にネジで取り付ける。すなわち、パワートランジスタ6の一方の面を、熱伝導シートを介して、第2子基板放熱板9の素子取付部91の取付面91bに固着する(図11参照)。このとき、パワートランジスタ6の端子を同図における左側に向けるように取り付ける。
【0063】
次に、電源整流ダイオード4を、親基板1の搭載面1aに搭載する(図12参照)。すなわち、電源整流ダイオード4の各端子を、親基板1の搭載面1aに設けられている配線パターンの該当箇所にそれぞれ半田付けする。これにより、親基板放熱板7の放熱部72が親基板1の搭載面1aに対して垂直となり、連結部73が搭載面1aに対して平行となるように取り付けられる。その他の図示しない電子部品も親基板1の搭載面1aに搭載する。
【0064】
また、パワートランジスタ5を、第1子基板2の搭載面2aに搭載する(図13参照)。すなわち、パワートランジスタ5の各端子を、第1子基板2の搭載面2aに設けられている配線パターンの該当箇所にそれぞれ半田付けする。これにより、第1子基板放熱板8の固着部82が第1子基板2の搭載面2aに対して垂直となるように取り付けられる。その他の図示しない電子部品も第1子基板2の搭載面2aに搭載する。
【0065】
同様に、パワートランジスタ6を、第2子基板3の搭載面3aに搭載する(図14参照)。すなわち、パワートランジスタ6の各端子を、第2子基板3の搭載面3aに設けられている配線パターンの該当箇所にそれぞれ半田付けする。これにより、第2子基板放熱板9の固着部92が第2子基板3の搭載面3aに対して垂直となるように取り付けられる。その他の図示しない電子部品も第2子基板3の搭載面3aに搭載する。
【0066】
次に、第1子基板放熱板8の固着部82のネジ孔82aと親基板放熱板7の連結部73のネジ孔73aとを合わせて、ネジで固着する(図1および図2参照)。これにより、第1子基板2が親基板1に対して垂直となるように取り付けられる。また、第2子基板放熱板9のコ字形状部分を、図2における上側から親基板放熱板7にかぶせる様に装着し、第2子基板放熱板9の固着部92のネジ孔92aと親基板放熱板7の放熱部72のネジ孔72dとを合わせて、ネジで固着する(図1および図2参照)。これにより、第2子基板3が親基板1に対して垂直となるように取り付けられる。
【0067】
次に、親基板1と第1子基板2および第2子基板3との間の配線を接続する。最後に、親基板1を図示しない外部ケースのシャーシの内側に固着し、外部ケースの蓋をシャーシに固着する。
【0068】
次に、第1実施形態に係る半導体装置の作用について説明する。
【0069】
本実施形態では、親基板1に搭載される発熱素子に対する親基板放熱板7を、図3に示すように、比較的表面積が大きく放熱効果の高い横長長方形状の放熱部72を親基板1の端部に立直させるように取り付け、この放熱部72から発熱素子である電源整流ダイオード4にまで連結部73と素子取付部71を延設し、電源整流ダイオード4に素子取付部71を固定して当該電源整流ダイオード4で生じる熱を放熱部72に導いて放熱させるようにしているので、親基板1における部品搭載を阻害することなく、効果的に親基板1における発熱素子からの発熱を放熱することができる。
【0070】
また、親基板1の部品搭載面1aに対して垂直に配置される第1子基板2に搭載される発熱素子であるパワートランジスタ5と第2子基板3に搭載される発熱素子であるパワートランジスタ6も、それぞれ第1子基板放熱板8と第2子基板放熱板9とで親基板1の親基板放熱板7に連結するようにしているので、パワートランジスタ5,6からの発熱も親基板放熱板7に伝達して放熱することができる。したがって、第1子基板放熱板8および第2子基板放熱板9を小型軽量かつ放熱効果が高いものとすることができ、各子基板2,3と親基板1との固定部分にかかる負担を軽減することができる。
【0071】
また、第1子基板放熱板8および第2子基板放熱板9は、それぞれ第1子基板2および第2子基板3に実装された状態で、親基板1に実装された親基板放熱板7に被せるようにして固着することができるので、第1子基板2および第2子基板3の位置決めが容易である。また、親基板放熱板7と第1子基板放熱板8および第2子基板放熱板9とが固着されているので、親基板1と第1子基板2および第2子基板3との固定もより強固にすることができる。
【0072】
また、親基板放熱板7と第1子基板放熱板8とをネジ止めにより固着する場合、親基板1の搭載面1aに対して垂直方向にネジ止めすることができるので、親基板1と第1子基板2とを組み立てたり、取り外したりするための作業が容易になる。
【0073】
なお、上記実施形態については、電源基板としての親基板にアンプ基板としての第1子基板および第2子基板を取り付けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。親基板、子基板とも他の機能を持つ基板であってもよいし、親基板に取り付けられる子基板の数は1個または3個以上でもよい。また、各基板に搭載されている発熱素子は電源整流ダイオードおよびパワートランジスタに限定されない。通電時に熱を発し放熱を必要とするあらゆる素子に対して、本発明は適用できる。例えば、親基板に搭載されているトランジスタに対しても本発明の放熱部材を用いることができる。
【0074】
本発明に係る放熱部材および半導体装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る放熱部材および半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る半導体装置の第1実施形態の内部構造を説明するための図である。
【図2】図1の半導体装置の内部構造を分解して表示した図である。
【図3】親基板放熱板の形状を説明するための図である。
【図4】親基板放熱板の他の実施例を示す図である。
【図5】第1子基板放熱板の形状を説明するための図である。
【図6】第1子基板放熱板の他の実施例を示す図である。
【図7】第2子基板放熱板の形状を説明するための図である。
【図8】第2子基板放熱板の他の実施例を示す図である。
【図9】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、電源整流ダイオードを親基板放熱板に固着する工程を説明するための図である。
【図10】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第1子基板放熱板に固着する工程を説明するための図である。
【図11】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第2子基板放熱板に固着する工程を説明するための図である。
【図12】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、電源整流ダイオードを親基板に搭載する工程を説明するための図である。
【図13】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第1子基板に搭載する工程を説明するための図である。
【図14】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、パワートランジスタを第2子基板に搭載する工程を説明するための図である。
【符号の説明】
【0076】
A 半導体装置
1 親基板(基板、第1の基板)
1a 搭載面
2 第1子基板(第2の基板)
2a 搭載面
3 第2子基板(第2の基板)
3a 搭載面
4 電源整流ダイオード(発熱素子、第1の発熱素子)
5,6 パワートランジスタ(第2の発熱素子)
7 親基板放熱板(放熱部材)
71 素子取付部(素子取付部、第1の素子取付部)
71a ネジ孔
71b 取付面
72 放熱部
72a 切り欠き部
72b、72c 基板取付部(取付部)
72d ネジ孔
73 連結部(連結部、第1の連結部)
73a ネジ孔
8 第1子基板放熱板(放熱部材)
81 素子取付部(第2の素子取付部)
81a ネジ孔
81b 取付面
82 固着部(第2の連結部)
82a ネジ孔
83 連結部(第2の連結部)
9 第2子基板放熱板(放熱部材)
91 素子取付部(第2の素子取付部)
91a ネジ孔
91b 取付面
92 固着部(第2の連結部)
92a ネジ孔
93 連結部(第2の連結部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱素子が搭載された基板の搭載面に、当該発熱素子とは異なる位置に取り付けられ、当該発熱素子の放熱を行う放熱部材であって、
一方の周縁に前記基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、
前記放熱部が前記取付部によって前記基板の搭載面に取り付けられたときに、前記放熱部の他方の周縁から前記発熱素子に向かって延びる連結部と、
前記連結部の先端に設けられ、前記発熱素子が取り付けられる素子取付部と、
を備える放熱部材。
【請求項2】
第1の基板の搭載面に搭載された第1の発熱素子と、前記第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられた第2の基板の搭載面に搭載された第2の発熱素子との両発熱素子の発熱を放熱する放熱部材であって、
一方の周縁に前記第1の基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、
前記放熱部が前記取付部によって前記第1の基板の搭載面に取り付けられたときに、前記放熱部の他方の周縁から前記第1の発熱素子に向かって延びる第1の連結部と、
前記第1の連結部の先端に設けられ、前記第1の発熱素子が取り付けられる第1の素子取付部と、
前記第2の発熱素子が取り付けられる第2の素子取付部と、
前記第2の素子取付部を前記放熱部に連結する第2の連結部と、
を備える放熱部材。
【請求項3】
前記第2の連結部は、前記第1の基板の搭載面に前記第2の基板を取り付けたときに、前記放熱部に重なる板状の部材を有し、重なり合った前記放熱部と前記第2の連結部とを締結することにより、前記第2の素子取付部が前記放熱部に連結される、請求項2に記載の放熱部材。
【請求項4】
前記第2の連結部は、前記第1の基板の搭載面に前記第2の基板を取り付けたときに、前記第1の連結部に重なる板状の部材を有し、重なり合った前記第1の連結部と前記第2の連結部とを締結することにより、前記第2の素子取付部が前記放熱部に連結される、請求項2に記載の放熱部材。
【請求項5】
前記第1の連結部は、前記第1の基板の搭載面に対して略平行である、請求項4に記載の放熱部材。
【請求項6】
前記第1の発熱素子が搭載された前記第1の基板と、
前記第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられ、前記第2の発熱素子が搭載された前記第2の基板と、
を備える半導体装置であって、
請求項3ないし5のいずれかに記載の放熱部材を更に備え、この放熱部材により前記第1および第2の発熱素子の発熱が放熱される半導体装置。
【請求項1】
発熱素子が搭載された基板の搭載面に、当該発熱素子とは異なる位置に取り付けられ、当該発熱素子の放熱を行う放熱部材であって、
一方の周縁に前記基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、
前記放熱部が前記取付部によって前記基板の搭載面に取り付けられたときに、前記放熱部の他方の周縁から前記発熱素子に向かって延びる連結部と、
前記連結部の先端に設けられ、前記発熱素子が取り付けられる素子取付部と、
を備える放熱部材。
【請求項2】
第1の基板の搭載面に搭載された第1の発熱素子と、前記第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられた第2の基板の搭載面に搭載された第2の発熱素子との両発熱素子の発熱を放熱する放熱部材であって、
一方の周縁に前記第1の基板の搭載面への取付部が設けられた放熱板からなる放熱部と、
前記放熱部が前記取付部によって前記第1の基板の搭載面に取り付けられたときに、前記放熱部の他方の周縁から前記第1の発熱素子に向かって延びる第1の連結部と、
前記第1の連結部の先端に設けられ、前記第1の発熱素子が取り付けられる第1の素子取付部と、
前記第2の発熱素子が取り付けられる第2の素子取付部と、
前記第2の素子取付部を前記放熱部に連結する第2の連結部と、
を備える放熱部材。
【請求項3】
前記第2の連結部は、前記第1の基板の搭載面に前記第2の基板を取り付けたときに、前記放熱部に重なる板状の部材を有し、重なり合った前記放熱部と前記第2の連結部とを締結することにより、前記第2の素子取付部が前記放熱部に連結される、請求項2に記載の放熱部材。
【請求項4】
前記第2の連結部は、前記第1の基板の搭載面に前記第2の基板を取り付けたときに、前記第1の連結部に重なる板状の部材を有し、重なり合った前記第1の連結部と前記第2の連結部とを締結することにより、前記第2の素子取付部が前記放熱部に連結される、請求項2に記載の放熱部材。
【請求項5】
前記第1の連結部は、前記第1の基板の搭載面に対して略平行である、請求項4に記載の放熱部材。
【請求項6】
前記第1の発熱素子が搭載された前記第1の基板と、
前記第1の基板の搭載面に略垂直に取り付けられ、前記第2の発熱素子が搭載された前記第2の基板と、
を備える半導体装置であって、
請求項3ないし5のいずれかに記載の放熱部材を更に備え、この放熱部材により前記第1および第2の発熱素子の発熱が放熱される半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−182196(P2009−182196A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20597(P2008−20597)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
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