説明

映像表示装置及び映像表示方法

【課題】バッテリを用いることにより電力消費量の多い時間帯をシフトして電力需要の分散化に寄与するとともに、バッテリ電力のより一層の有効利用を図って十分に実用に適するようにした映像表示装置及び映像表示方法を提供すること。
【解決手段】実施の形態によれば、映像表示装置は、信号処理手段と照明手段と電源手段と制御手段とを備える。信号処理手段は、入力信号に信号処理を施す。照明手段は、信号処理手段から出力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示パネルを照明する。電源手段は、外部供給電力で信号処理手段及び照明手段に電力供給を行なうとともにバッテリに充電を行なう第1の状態と、外部供給電力で照明手段に電力供給を行なうとともにバッテリの電力で信号処理手段に電力供給を行なう第2の状態とに選択的に制御される。制御手段は、第1の時間帯に電源手段を第1の状態に制御し、第1の時間帯とは異なる第2の時間帯に電源手段を第2の状態に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施の形態は、例えばデジタルテレビジョン放送受信装置等のような映像表示装置及び映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年、例えばデジタルテレビジョン放送受信装置等の映像表示装置にあっては、その映像表示のために、主として液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等が広く使用されてきている。これにより、表示画面が大型化しても消費電力量を少なくすることができ、省電力化を実現するようにしている。
【0003】
また、この種の映像表示装置においては、そのディスプレイが、バックライトからの照明光を映像表示パネルに照射することにより映像を表示している。この場合、バックライトの光源としても、蛍光管や放電灯のような冷陰極管からLED(light emitting diode)に変えることにより、さらなる省電力化を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3217721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッテリを用いることにより電力消費量の多い時間帯をシフトして電力需要の分散化に寄与するとともに、バッテリ電力のより一層の有効利用を図って十分に実用に適するようにした映像表示装置及び映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態によれば、映像表示装置は、信号処理手段と照明手段と電源手段と制御手段とを備える。信号処理手段は、入力信号に信号処理を施す。照明手段は、信号処理手段から出力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示パネルを照明する。電源手段は、外部からの供給電力で信号処理手段及び照明手段に電力供給を行なうとともにバッテリに充電を行なう第1の状態と、外部からの供給電力で照明手段に電力供給を行なうとともにバッテリの電力で信号処理手段に電力供給を行なう第2の状態とに選択的に制御される。制御手段は、予め設定された第1の時間帯に電源手段を第1の状態に制御し、第1の時間帯とは異なる予め設定された第2の時間帯に電源手段を第2の状態に制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置の信号処理系の一例を概略的に説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置に使用されるリモートコントローラの一例を説明するために示す外観図。
【図3】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置に使用される電源部の一例を説明するために示すブロック構成図。
【図4】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置の電源制御部が行なう処理動作の一例を説明するために示すフローチャート。
【図5】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置が表示する時間帯選択画面及び時間帯設定画面の一例を説明するために示す図。
【図6】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置の電源制御部が行なう処理動作の他の例を説明するために示すフローチャート。
【図7】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置が表示するモード設定画面の一例を説明するために示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するデジタルテレビジョン放送受信装置11の信号処理系を概略的に示している。すなわち、アンテナ12で受信したデジタルテレビジョン放送信号は、入力端子13を介してチューナ部14に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0009】
このチューナ部14で選局された放送信号は、復調復号部15に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号等に復元された後、信号処理部16に出力される。この信号処理部16は、復調復号部15から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対してそれぞれ所定のデジタル信号処理を施している。
【0010】
そして、この信号処理部16は、デジタルの映像信号を合成処理部17に出力し、デジタルの音声信号を音声処理部18に出力している。このうち、合成処理部17は、信号処理部16から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号を重畳して出力している。
【0011】
この合成処理部17から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部19に供給されて所定のフォーマットのアナログ映像信号に変換された後、例えば液晶等で構成された映像表示パネル20上での映像形成に供される。そして、この映像表示パネル20に、LED等を光源とするバックライト21からの照明光が照射されることにより、映像の表示が行なわれる。
【0012】
また、上記音声処理部18は、入力されたデジタルの音声信号を、後段のスピーカ22で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換している。そして、この音声処理部18から出力されたアナログ音声信号が、スピーカ22に供給されることにより音声再生に供される。
【0013】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部23によって統括的に制御されている。この制御部23は、CPU(central processing unit)23aを内蔵しており、デジタルテレビジョン放送受信装置11の本体に設置された操作部24からの操作情報を受けて、または、リモートコントローラ25から送出され受信部26で受信した操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0014】
この場合、制御部23は、メモリ部23bを利用している。このメモリ部23bは、主として、CPU23aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、該CPU23aに作業エリアを提供するためのRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
【0015】
また、この制御部23には、HDD(hard disk drive)27が接続されている。この制御部23は、ユーザによる操作部24やリモートコントローラ25の操作に基づいて、上記復調復号部15から得られるデジタルの映像信号及び音声信号を、記録再生処理部28によって暗号化し所定の記録フォーマットに変換した後、HDD27に供給してハードディスク27aに記録させるように制御することができる。
【0016】
さらに、この制御部23は、ユーザによる操作部24やリモートコントローラ25の操作に基づいて、HDD27によりハードディスク27aからデジタルの映像信号及び音声信号を読み出させ、上記記録再生処理部28によって復号化した後、信号処理部16に供給することによって、以後、上記した映像表示及び音声再生に供させるように制御することができる。
【0017】
また、上記記録再生処理部28には、入力端子29が接続されている。この入力端子29は、デジタルテレビジョン放送受信装置11の外部からデジタルの映像信号及び音声信号を直接入力するためのものである。この入力端子29を介して入力されたデジタルの映像信号及び音声信号は、制御部23の制御に基づいて、記録再生処理部28を介した後、信号処理部16に供給されて、以後、上記した映像表示及び音声再生に供される。
【0018】
さらに、この入力端子29を介して入力されたデジタルの映像信号及び音声信号は、制御部23の制御に基づいて、記録再生処理部28を介した後、HDD27によるハードディスク27aに対しての記録再生に供される。
【0019】
また、上記制御部23には、ネットワークインターフェース30が接続されている。このネットワークインターフェース30は、外部のネットワーク31に接続されている。そして、このネットワーク31には、当該ネットワーク31を介した通信機能を利用して各種のサービスを提供するためのネットワークサーバ32が接続されている。
【0020】
このため、制御部23は、ユーザによる操作部24やリモートコントローラ25の操作に基づき、ネットワークインターフェース30及びネットワーク31を介して、ネットワークサーバ32にアクセスして情報通信を行なうことにより、そこで提供しているサービスを利用することができるようになっている。
【0021】
また、上記制御部23には、電源部33が接続されている。この電源部33には、電源端子34を介して電力会社が配給する商用交流電力が供給されている。そして、この電源部33は、制御部23の制御に基づいて、電源端子34に供給された商用交流電力を元として、デジタルテレビジョン放送受信装置11を構成している各部14〜24,26〜28,30等に必要な電力を供給するように機能している。
【0022】
この場合、上記電源部33は、バッテリ33aを内蔵している。そして、この電源部33は、制御部23の制御に基づいて、電源端子34を介して供給される商用交流電力によりバッテリ33aを充電したり、バッテリ33aの充電電力を各部に供給したりすることができる。
【0023】
また、上記制御部23は、タイマ23c、EPG(electronic program guide)情報取得部23d、電源制御部23e、録画予約設定部23f等を備えている。このうち、タイマ23cは、現在時刻の取得や時間経過を計測する計時動作のために利用される。また、EPG情報取得部23dは、受信した放送信号やネットワークサーバ32等からEPG情報を取得している。
【0024】
さらに、電源制御部23eは、詳細は後述するが、上記電源部33の動作を制御している。また、録画予約設定部23fは、放送予定のテレビジョン放送番組やネットワークサーバ32からの配信予定番組等を、HDD27に予約録画するための録画予約情報を設定するための機能を備えている。
【0025】
図2は、上記リモートコントローラ25の外観を示している。このリモートコントローラ25には、主として、電源キー25a、数字キー25b、チャンネルアップダウンキー25c、音量調整キー25d、カーソル上移動キー25e、カーソル下移動キー25f、カーソル左移動キー25g、カーソル右移動キー25h、決定キー25i、メニューキー25j、戻るキー25k、終了キー25l、4色(青,赤,緑,黄)のカラーキー25m等が設けられている。
【0026】
また、このリモートコントローラ25には、再生停止キー25n、再生/一時停止キー25o、逆方向スキップキー25p、順方向スキップキー25q、早戻しキー25r、早送りキー25s等が設けられている。
【0027】
すなわち、上記HDD27に対しては、リモートコントローラ25の再生停止キー25nや再生/一時停止キー25oを操作することにより、再生、停止、一時停止を行なうことが可能となる。
【0028】
また、リモートコントローラ25の逆方向スキップキー25pや順方向スキップキー25qを操作することによって、HDD27でハードディスク27aから読み取っている映像や音声等のデータを、その再生方向に対して逆方向や順方向に一定量ずつスキップさせる、いわゆる、逆方向スキップや順方向スキップを行なうことができる。
【0029】
さらに、リモートコントローラ25の早戻しキー25rや早送りキー25s等を操作することにより、HDD27でハードディスク27aから読み取っている映像や音声等のデータを、その再生方向に対して逆方向や順方向に連続的に高速で再生させる、いわゆる、早戻し再生や早送り再生を行なうことができる。
【0030】
図3は、上記電源部33の一例を示している。この電源部33は、上記電源端子34を介して商用交流電力が供給される入力端子33bを備えている。この入力端子33bに供給された電力は、AC(alternating current)−DC(direct current)変換部33c及び充放電ユニット33dに供給される。
【0031】
このうち、AC−DC変換部33cは、入力された交流電力を所定レベルの直流電力に変換している。そして、このAC−DC変換部33cで変換された直流電力は、スイッチSW1,SW2及び出力端子33eを介して上記バックライト21に供給可能となっている。また、このAC−DC変換部33cで変換された直流電力は、スイッチSW1,SW3及び出力端子33fを介して、上記バックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30等に供給可能となっている。
【0032】
一方、上記充放電ユニット33dは、入力された交流電力を所定レベルの直流電力に変換し、スイッチSW4を介して上記バッテリ33aに供給して充電を行なわせる機能を備えている。また、この充放電ユニット33dは、バッテリ33aに充電された電力を、スイッチSW5を介して取得し、スイッチSW6,SW7及び出力端子33gを介して上記バックライト21に供給可能となっている。さらに、この充放電ユニット33dは、スイッチSW5を介して取得したバッテリ33aの電力を、スイッチSW6,SW8及び出力端子33hを介して、上記バックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30等に供給可能となっている。
【0033】
また、上記AC−DC変換部33cは、入力端子33bに供給されている電力を常時監視しており、例えば停電等により上記電源端子34への商用交流電源の供給が停止される等の理由により、入力端子33bへの電力供給が停止された場合に、その旨を示す検出信号Aを出力する。この検出信号Aは、出力端子33iを介して上記電源制御部23eに供給される。
【0034】
さらに、上記充放電ユニット33dも、入力端子33bに供給されている電力を常時監視しており、例えば停電等により上記電源端子34への商用交流電源の供給が停止される等の理由により、入力端子33bへの電力供給が停止された場合に、その旨を示す検出信号Bを出力する。この検出信号Bは、出力端子33jを介して上記電源制御部23eに供給される。
【0035】
また、上記充放電ユニット33dは、スイッチSW5を介してバッテリ33aの電力残量を監視しており、バッテリ33aの電力残量が予め設定されたしきい値レベル以下に低下した場合に、その旨を示す検出信号Cを出力する。この検出信号Cは、出力端子33kを介して上記電源制御部23eに供給される。
【0036】
ここで、上記電源制御部23eには、上記タイマ23cから出力される時刻情報、上記EPG情報取得部23dで取得したEPG情報に含まれる時刻情報、上記録画予約設定部23fで録画予約設定されていることを示す録画予約設定情報等が供給されている。そして、この電源制御部23eは、入力された時刻情報、録画予約設定情報、検出信号A,B,C等に基づいて、電源部33の各スイッチSW1〜SW8をそれぞれオンオフ制御するためのスイッチ制御信号SWC1〜SWC8を生成する。このスイッチ制御信号SWC1〜SWC8は、電源部33の入力端子33lを介して各スイッチSW1〜SW8に供給されている。
【0037】
図4は、上記電源制御部23eが行なう主要な処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS4a)されると、電源制御部23eは、ステップS4bで、電力シフトモードに設定されているか否かを判別する。
【0038】
この電力シフトモードとは、例えば深夜のように電力需要に余裕のある時間帯にバッテリ33aを充電しておき、日中の午後のように電力消費量がピークとなる時間帯には、バッテリ33aの電力でデジタルテレビジョン放送受信装置11を駆動させるようにしたもので、要するに、電力消費量の多い時間帯をシフトし電力需要の分散化を図るように機能させるものである。
【0039】
そして、ステップS4bで電力シフトモードに設定されていると判断された場合(YES)、電源制御部23eは、ステップS4cで、現在時刻が予め設定された時間帯に達したか否かを判別する。この場合、予め設定された時間帯とは、例えば夜間等の電力需要に余裕があり電力料金が安くなる時間帯を想定している。そして、電源制御部23eは、入力される時刻情報に基づいて当該時間帯に達したと判断した場合(YES)、ステップS4dで、電源部33のスイッチSW1〜SW4をオン状態に制御し、スイッチSW5〜SW8をオフ状態に制御する。
【0040】
これにより、AC−DC変換部33cで変換された直流電力が、スイッチSW1,SW2及び出力端子33eを介してバックライト21に供給されるとともに、スイッチSW1,SW3及び出力端子33fを介してバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30に供給される。また、充放電ユニット33dで変換された直流電力が、スイッチSW4を介してバッテリ33aに供給される。
【0041】
つまり、デジタルテレビジョン放送受信装置11は、現在電力会社から配給されている商用交流電力で、バックライト21の点灯や、バックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30の信号処理等が実行され、同時に、バッテリ33aの充電が行なわれることになる。この場合、バッテリ33aの充電電力は、充放電ユニット33dに供給されず、充放電ユニット33dからバックライト21及びバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30への電力供給は停止されている。
【0042】
このような状態で、電源制御部23eは、ステップS4eで、現在時刻が予め設定された時間帯を過ぎたか否かを判別し、過ぎていないと判断された場合(NO)、ステップS4dの処理に戻される。また、上記ステップS4eで現在時刻が予め設定された時間帯を過ぎたと判断された場合(YES)、電源制御部23eは、ステップS4fで、電源部33のスイッチSW5〜SW8をオン状態に制御し、スイッチSW1〜SW4をオフ状態に制御する。
【0043】
これにより、バッテリ33aの充電電力が、スイッチSW5を介して充放電ユニット33dに供給され、充放電ユニット33dからスイッチSW6,SW7及び出力端子33gを介してバックライト21に電力が供給されるとともに、充放電ユニット33dからスイッチSW6,SW8及び出力端子33hを介してバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30に電力が供給される。
【0044】
つまり、デジタルテレビジョン放送受信装置11は、バッテリ33aに充電された電力で、バックライト21の点灯や、バックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30の信号処理等が実行されることになる。この場合、バッテリ33aへの充電は行なわれなくなり、AC−DC変換部33cからバックライト21及びバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30への電力供給は停止される。
【0045】
その後、電源制御部23eは、ステップS4gで、電力シフトモードが解除されたか否かを判別し、解除されていないと判断された場合(NO)、ステップS4cの処理に戻される。また、上記ステップS4gで電力シフトモードが解除されたと判断された場合(YES)、電源制御部23eは、処理を終了(ステップS4h)する。
【0046】
上記した実施の形態によれば、例えば夜間等の電力料金が安くなる時間帯に電力会社から配給される電力でデジタルテレビジョン放送受信装置11を駆動するとともにバッテリ33aを充電し、それ以外の時間帯にバッテリ33aに蓄積された電力でデジタルテレビジョン放送受信装置11を駆動するようにしている。つまり、バッテリ33aを用いることにより電力消費量の多い時間帯をシフトして電力需要の分散化に寄与することができるようになる。
【0047】
なお、上記した実施の形態では、バッテリ33aによって、バックライト21及びバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30への電力供給を行なうようにしているが、バックライト21の電力消費量は、バックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30の電力消費量の合計よりも大きいため、バッテリ33aにとって電力消費の点で不利となる。
【0048】
このため、上記ステップS4eで現在時刻が予め設定された時間帯を過ぎたと判断された場合(YES)、電源制御部23eは、次のステップS4fにおいて、電源部33のスイッチSW1,SW2,SW5,SW6,SW8をオン状態に制御し、スイッチSW3,SW4,SW7をオフ状態に制御する。
【0049】
これにより、AC−DC変換部33cで変換された直流電力が、スイッチSW1,SW2及び出力端子33eを介してバックライト21に供給されるとともに、充放電ユニット33dからスイッチSW6,SW8及び出力端子33hを介してバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30に電力が供給される。
【0050】
つまり、デジタルテレビジョン放送受信装置11は、AC−DC変換部33cからの供給電力でバックライト21が駆動され、バッテリ33aの電力でバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30における信号処理がそれぞれ実行されることになる。このため、電力需要の分散化に寄与しつつ、バッテリ33aの電力を有効利用することができるようになり、十分に実用に好適するものとなる。
【0051】
また、バッテリ33aの電力でデジタルテレビジョン放送受信装置11を駆動している状態(スイッチSW5〜SW8がオンでスイッチSW1〜SW4がオフに制御される状態と、スイッチSW1,SW2,SW5,SW6,SW8がオンでスイッチSW3,SW4,SW7がオフに制御される状態とのいずれも含む)で、バッテリ33aの電力が消耗し、充放電ユニット33dからバッテリ33aの電力残量が予め設定されたしきい値レベル以下に低下した旨を示す検出信号Cが出力されたとする。
【0052】
すると、検出信号Cを受信した電源制御部23eは、スイッチSW1〜SW3をオン状態に制御し、スイッチSW4〜SW8をオフ状態に制御する。これにより、AC−DC変換部33cの電力が、バックライト21及びバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30に供給され、デジタルテレビジョン放送受信装置11が継続して駆動されるようになる。
【0053】
さらに、現在時刻が予め設定された時間帯内にあり、上記ステップS4dに示したように、AC−DC変換部33cの電力でデジタルテレビジョン放送受信装置11の駆動と、バッテリ33aの充電とを行なっている状態で、停電等により入力端子33bへの電力供給が停止し、AC−DC変換部33c及び充放電ユニット33dから、それぞれ、その旨を示す検出信号A,Bが出力されたとする。
【0054】
すると、検出信号A,Bを受信した電源制御部23eは、スイッチSW5〜SW8をオン状態に制御し、スイッチSW1〜SW4をオフ状態に制御する。これにより、バッテリ33aの充電電力が、バックライト21及びバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30に供給され、デジタルテレビジョン放送受信装置11が継続して駆動されることになる。
【0055】
特に、録画予約設定部23fに録画予約情報が設定されて録画予約が設定されている状態では、停電等により入力端子33bへの電力供給が停止してしまうと、録画動作を行なうことができなくなり予約録画ができなくなる。このため、電源制御部23eは、録画予約設定情報が供給されて録画予約が設定されていると判断した場合には、停電等により入力端子33bへの電力供給が停止したとき、バッテリ33aの充電電力に切り替えることよってデジタルテレビジョン放送受信装置11を継続して駆動させ、予約録画を行なうことができるようにしている。
【0056】
なお、入力端子33bへの電力供給が復帰した場合、つまり、AC−DC変換部33c及び充放電ユニット33dから検出信号A,Bが出力されなくなった場合、電源制御部23eは、スイッチSW1〜SW4をオン状態に制御し、スイッチSW5〜SW8をオフ状態に制御して、AC−DC変換部33cの電力でデジタルテレビジョン放送受信装置11の駆動と、バッテリ33aの充電とを行なっている状態に戻すようにする。
【0057】
ここで、バッテリ33aに充電を行なうための時間帯の設定は、デジタルテレビジョン放送受信装置11の設置されている地域に応じて電気料金が安くなる時間帯に自動的に設定するモードと、ユーザが指定した時間帯に設定するモードとを選択することができる。この選択は、ユーザがリモートコントローラ25のメニューキー25jを操作して階層構造となされた複数のメニュー画面に分け入ることにより、図5(a)に示すような時間帯選択画面35を映像表示パネル20に表示させることにより行なわれる。
【0058】
この時間帯選択画面35は、「自動設定」なる項目35aと「ユーザ設定」なる項目35bとを選択肢として表示しており、ユーザがリモートコントローラ25のカーソル左または右移動キー25hを操作して所望の項目35a,35bを選択し、決定キー25iを操作することで設定される。
【0059】
「自動設定」が選定された場合には、デジタルテレビジョン放送受信装置11の設置されている地域(デジタルテレビジョン放送受信装置11の設置時に入力した郵便番号等で指定される)に応じて電気料金が安くなる時間帯が自動的に設定される。また、「ユーザ設定」が選定された場合には、図5(b)に示すような時間帯設定画面36が表示され、ユーザが自分で時間帯を設定することになる。この時間帯設定画面36は、開始時分を入力する入力欄36aと終了時分を入力する入力欄36bとを表示している。そして、ユーザがリモートコントローラ25のカーソル左または右移動キー25hを操作して所望の入力欄35a,35bを選択し、数字キー25bにより時分を入力した後、決定キー25iを操作することで時間帯の設定が行なわれる。
【0060】
図6は、上記電源制御部23eが行なう処理動作の他の例をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS6a)されると、電源制御部23eは、ステップS6bで、安心録画予約モードに設定されているか否かを判別する。
【0061】
この安心録画予約モードとは、録画予約が設定されている状態で停電等により入力端子33bへの電力供給が停止したとき、自動的にバッテリ33aの電力に切り替えてデジタルテレビジョン放送受信装置11を駆動させるようにして、停電になっても予約録画を失敗なく行なえるように機能させるものである。
【0062】
そして、上記ステップS6bで安心録画予約モードに設定されていると判断された場合(YES)、電源制御部23eは、ステップS6cで、録画予約設定部23fに録画予約情報が設定されたことによる録画予約中であるか否かを判別する。
【0063】
この場合、電源制御部23eは、スイッチSW1〜SW4をオン状態に制御し、スイッチSW5〜SW8をオフ状態に制御しており、デジタルテレビジョン放送受信装置11が入力端子33bに供給されている電力で駆動され、バッテリ33aが充電されているものとする。
【0064】
そして、録画予約中であると判断された場合(YES)、電源制御部23eは、ステップS6dで、入力端子33bへの電力供給が停止したか否かを判別する。この判別は、電源制御部23eが、AC−DC変換部33c及び充放電ユニット33dから、それぞれ、停電等により入力端子33bへの電力供給が停止した旨を示す検出信号A,Bが出力されたか否かを判定することによって行なわれる。
【0065】
ここで、入力端子33bへの電力供給が停止していないと判断された場合(NO)、電源制御部23eは、ステップS6cの処理に戻され、入力端子33bへの電力供給が停止していると判断された場合(YES)、ステップS6eで、スイッチSW5〜SW8をオン状態に制御し、スイッチSW1〜SW4をオフ状態に制御する。
【0066】
これにより、バッテリ33aの充電電力が、バックライト21及びバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30に供給され、デジタルテレビジョン放送受信装置11が継続して駆動されることになる。このため、予約録画を行なうことができるようになる。
【0067】
その後、電源制御部23eは、ステップS6fで、入力端子33bへの電力供給が復帰したか否かを判別する。この判別も、電源制御部23eが、AC−DC変換部33c及び充放電ユニット33dから検出信号A,Bが出力されたか否かを判定することによって行なわれる。
【0068】
そして、入力端子33bへの電力供給が復帰していないと判断された場合(NO)、電源制御部23eは、ステップS6cの処理に戻され、入力端子33bへの電力供給が復帰していると判断された場合(YES)、ステップS6gで、スイッチSW1〜SW4をオン状態に制御し、スイッチSW5〜SW8をオフ状態に制御する。
【0069】
これにより、入力端子33bへの供給電力で、バックライト21及びバックライト21を除く各部14〜20,22〜24,26〜28,30が駆動され、予約録画を行なうことができるようになる。
【0070】
その後、電源制御部23eは、ステップS6hで、安心録画予約モードが解除されたか否かを判別し、解除されていないと判断された場合(NO)、ステップS6cの処理に戻される。また、上記ステップS6hで安心録画予約モードが解除されたと判断された場合(YES)、電源制御部23eは、処理を終了(ステップS6i)する。
【0071】
ここで、デジタルテレビジョン放送受信装置11を上記した電力シフトモードと安心録画予約モードとのいずれのモードで駆動させるかを、ユーザに設定させるようにすることができる。この設定は、ユーザがリモートコントローラ25のメニューキー25jを操作して階層構造となされた複数のメニュー画面に分け入ることにより、図7に示すようなモード設定画面37を映像表示パネル20に表示させることにより行なわれる。
【0072】
このモード設定画面37は、「電力シフト」なる項目37aと「安心録画予約」なる項目37bとを選択肢として表示しており、ユーザがリモートコントローラ25のカーソル左または右移動キー25hを操作して所望の項目37a,37bを選択し、決定キー25iを操作することで設定される。
【0073】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0074】
11…デジタルテレビジョン放送受信装置、12…アンテナ、13…入力端子、14…チューナ部、15…復調復号部、16…信号処理部、17…合成処理部、18…音声処理部、19…映像処理部、20…映像表示パネル、21…バックライト、22…スピーカ、23…制御部、23a…CPU、23b…メモリ部、23c…タイマ、23d…EPG情報取得部、23e…電源制御部、23f…録画予約設定部、24…操作部、25…リモートコントローラ、26…受信部、27…HDD、27a…ハードディスク、28…記録再生処理部、29…入力端子、30…ネットワークインターフェース、31…ネットワーク、32…ネットワークサーバ、33…電源部、33a…バッテリ、33b…入力端子、33c…AC−DC変換部、33d…充放電ユニット、33e〜33k…出力端子、33l…入力端子、34…電源端子、35…時間帯選択画面、36…時間帯設定画面、37…モード設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号に信号処理を施す信号処理手段と、
前記信号処理手段から出力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示パネルを照明する照明手段と、
外部からの供給電力で前記信号処理手段及び前記照明手段に電力供給を行なうとともにバッテリに充電を行なう第1の状態と、外部からの供給電力で前記照明手段に電力供給を行なうとともに前記バッテリの電力で前記信号処理手段に電力供給を行なう第2の状態とに選択的に制御される電源手段と、
予め設定された第1の時間帯に前記電源手段を第1の状態に制御し、前記第1の時間帯とは異なる予め設定された第2の時間帯に前記電源手段を第2の状態に制御する制御手段とを具備する映像表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記電源手段を第2の状態に制御している状態で、前記バッテリの電力残量が予め設定されたしきい値レベル以下に低下した場合、外部からの供給電力で前記信号処理手段及び前記照明手段に電力供給を行なうように制御する請求項1記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電源手段を第1の状態に制御している状態で、外部からの電力供給が停止した場合、前記バッテリの電力で前記信号処理手段及び前記照明手段に電力供給を行なうように制御する請求項1記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、外部からの電力供給が復帰した場合、前記電源手段を第1の状態に制御する請求項3記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の時間帯が、前記第2の時間帯よりも電気料金の安くなる時間帯を含むように設定する請求項1記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1の時間帯を外部操作によって設定可能である請求項1記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記信号処理手段は、前記映像信号を予約録画するための録画予約手段を含む請求項1記載の映像表示装置。
【請求項8】
信号処理手段によって、入力信号に信号処理を施し、
照明手段によって、前記信号処理手段から出力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示パネルを照明し、
予め設定された第1の時間帯に、外部からの供給電力で前記信号処理手段及び前記照明手段に電力供給を行なうとともに、バッテリに充電を行ない、
前記第1の時間帯とは異なる予め設定された第2の時間帯に、外部からの供給電力で前記照明手段に電力供給を行なうとともに、前記バッテリの電力で前記信号処理手段に電力供給を行なう映像表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−249201(P2012−249201A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121043(P2011−121043)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】