説明

時刻情報受信装置、時刻情報受信システム及び時刻情報受信制御プログラム

【課題】ユーザが所望する時刻要素を当該ユーザに見易い態様で表示する。
【解決手段】ユーザが2個の電波時計1−1、1−2を購入し、第1の電波時計1−1には「時」を設定し、第2の電波時計1−2には「分」を設定しておいた場合には、(A)に示するように、「時」「分」の時刻要素が2桁で表示される。第1の電波時計1−1には「月」を設定し、第2の電波時計1−2には「日」を設定しておいた場合には、(B)に示すように、「月」「日」の時刻要素が2桁で表示される。5個の電波時計1−1〜1−5を購入し、第1の電波時計1−1には「曜日」、第2の電波時計1−2には「月」、第3の電波時計1−3には「日」、第4の電波時計1−4には「時」、第5の電波時計1−5には「分」を各々設定した場合には、(C)に示するように、「時」「分」、「月」「日」、「曜」「日」の時刻要素が2桁で表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイムコードを含む標準電波を送信する時刻情報受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各国(例えば、ドイツ、イギリス、スイス、日本等)において、時刻データを示すタイムコード入りの短波又は長波の標準電波が送出されている。我が国(日本)では、2つの電波局(福島県及び佐賀県)より、標準時刻のタイムコードを振幅変調した40kHz及び60kHzの長波標準電波が送出されている。このタイムコードは、「時」・「分」・「月」・「日」・「曜日」など、時刻情報として含まれている時刻要素で構成され、正確な時刻の分の桁が更新される毎、即ち1分毎に、1周期60秒のフレームで送出される。
【0003】
今日においては、このようなタイムコードを含む標準電波を受信して、これにより現在時刻データを修正する、いわゆる電波時計が実用化されている。電波時計は、現在時刻を計時して、LCD等からなる表示部に表示するとともに、所定時間毎に、内蔵しているアンテナを介して標準電波を受信し、増幅変調してタイムコードを解読することにより現在時刻を修正している。したがって、表示部には、正確な時・分とともに月・日・曜日を表示させることができる(例えば、特許文献1の図2参照)。
【特許文献1】特開2004−109016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、電波時計時においては、受信したタイムコードに基づき表示部に正確な時・分とともに月・日・曜日を表示させることができる。しかし、一般家庭に配置される個々の時計における表示部の表示面積には自ずと限界があることから、タイムコードに含まれている時刻要素である時・分・月・日・曜日を全て表示すると、各時刻要素の表示サイズが相対的に小さくってしまい、ユーザによっては見にくいと感じてしまう。また、各ユーザにおいて、常時表示させておきたい時刻要素は異なり、例えば「時・分」のみの表示を所望するユーザ、あるいは「月・日」のみを表示の表示を所望するユーザ等が存在する。さらに、寝室においては「時・分」させ、居間においては「時・分・曜日」を表示させておきたい等、配置する場所に応じて表示を所望する時刻要素が異なる場合もある。したがって、タイムコードに含まれている時刻要素を全て表示すると、当該ユーザにおいて不要な時刻要素の存在により、必要な時刻要素が見にくいと感じてしまう。
【0005】
加えて、表示部において時刻要素は、例えば時・分・月・日・曜日の順序で表示される等、固定的に配置されて表示される。しかし、見易い時刻表示の配置形態はユーザによってことなり、例えば「時」よりも左側に「分」が表示された方が見易いと感ずるユーザも存在する。したがって、時刻要素が固定的に配置されて表示されると、ユーザによっては見にくいと感じてしまう場合が生ずる。
【0006】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが所望する時刻要素を当該ユーザに見易い態様で表示することのできる時刻情報受信装置、時刻情報受信システム及び時刻情報受信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係る時刻情報受信装置にあっては、外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段と、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、この選択手段により選択された時刻要素を前記受信手段により時刻情報を受信した後に前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0008】
したがって、この時刻情報受信装置の表示手段には、受信手段により時刻情報を受信した後に、時刻情報に含まれている時刻要素のうち、いずれか一つの時刻要素のみが表示される。よって、時刻情報受信装置が有する表示手段の表示面積に限界があっても、当該時刻要素の表示サイズを大きくして、見易い表示形態で表示することができる。
【0009】
また、常時表示させておきたい所望の時刻要素はユーザ自身の好みや、時刻情報受信装置の配置場所に応じて異なる場合がある。しかし、この時刻情報受信装置は、前述のようにいずれか一つの時刻要素のみを表示することから、ユーザが所望する時刻要素を表示する時刻情報受信装置、あるいはユーザが所望する複数の時刻要素を各々表示する複数個の時刻情報受信装置を用いることにより、不必要な時刻要素の表示を伴うことなく、見易い状態で所望の時刻要素のみを表示させることができる。
【0010】
さらに、複数個の時刻情報受信装置を用いる場合、その配列はユーザの任意であることから、任意の配列により、当該ユーザにとって見易い表示順序で時刻要素を表示することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明に係る時刻情報受信装置にあっては、前記選択手段は、予め当該時刻情報受信装置に設定されている時刻要素を選択する。したがって、ユーザは、異なる時刻要素を選択する複数の時刻情報受信装置を入手して、これらを適宜の順序で配列することにより、当該ユーザにとって見易い表示順序で時刻要素を表示することができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明に係る時刻情報受信装置にあっては、前記選択手段は、操作に応じて前記いずれかの時刻要素を選択する。したがって、ユーザにおいて当該時刻情報受信装置が表示するいずれかの時刻要素を任意に手動設定することができる。
【0013】
また、請求項4記載の発明に係る時刻情報受信装置にあっては、外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段と、複数個の時刻情報受信装置が配列された状態において、自機の配列位置を検出する検出手段と、この検出手段により検出された自機の配列位置に応じて、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、この選択手段により選択された時刻要素を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0014】
したがって、この時刻情報受信装置を複数個配列した場合において、各時刻情報受信装置の表示手段に表示される時刻要素は、配列位置に応じて個々に異なる。したがって、当該時刻要素の表示サイズを大きくして、見易い表示形態で表示することができるのみならず、任意の個数の時刻情報受信装置を配列することにより、不必要な時刻要素の表示を伴うことなく、見易い状態で所望の時刻要素のみを表示させることができる。
【0015】
また、請求項5記載の発明に係る時刻情報受信装置にあっては、前記時刻情報は、前記時刻要素として、時、分、月、日、曜日を含む。したがって、例えば2個の時刻情報受信装置を用い、寝室においては「時・分」させ、3個の時刻情報受信装置を用い、居間においては「時・分・曜日」を表示させておく等の使用態様が可能となる。
【0016】
また、請求項6記載の発明に係る時刻情報受信装置にあっては、前記表示手段は、前記表示手段に前記時刻要素を2桁で表示させる。したがって、時刻情報受信装置が有する表示手段の表示面積に限界があっても、当該時刻要素の表示サイズを大きくして、より見易い表示形態で表示することができる。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、複数個の時刻情報受信装置により構成される時刻情報受信システムであって、各時刻情報受信装置は、外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段と、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、この選択手段により選択された時刻要素を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0018】
したがって、システムを構成する各時刻情報受信装置の表示手段には、受信手段により時刻情報を受信した後に、時刻情報に含まれている時刻要素のうち、いずれか一つの時刻要素のみが表示される。よって、時刻情報受信装置が有する表示手段の表示面積に限界があっても、当該時刻要素の表示サイズを大きくして、見易い表示形態で表示することができる。
【0019】
また、常時表示させておきたい所望の時刻要素はユーザ自身の好みや、時刻情報受信装置の配置場所に応じて異なる場合がある。しかし、システムを構成する各時刻情報受信装置は、前述のようにいずれか一つの時刻要素のみを表示することから、ユーザが所望する時刻要素を表示する時刻情報受信装置、あるいはユーザが所望する複数の時刻要素を各々表示する複数個の時刻情報受信装置を用いることにより、不必要な時刻要素の表示を伴うことなく、見易い状態で所望の時刻要素のみを表示させることができる。
【0020】
さらに、複数個の時刻情報受信装置の配列はユーザの任意であることから、任意の配列により、当該ユーザにとって見易い表示順序で時刻要素を表示することができる。
【0021】
また、請求項8記載の発明は、複数個の時刻情報受信装置により構成される時刻情報受信システムであって、各時刻情報受信装置は、外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段と、複数個の時刻情報受信装置が配列された状態において、自機の配列位置を検出する検出手段と、この検出手段により検出された自機の配列位置に応じて、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、この選択手段により選択された時刻要素を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0022】
したがって、システムを構成する各時刻情報受信装置の表示手段に表示される時刻要素は、配列位置に応じて個々に異なる。したがって、当該時刻要素の表示サイズを大きくして、見易い表示形態で表示することができるのみならず、任意の個数の時刻情報受信装置を配列することにより、不必要な時刻要素の表示を伴うことなく、見易い状態で所望の時刻要素のみを表示させることができる。
【0023】
また、請求項9記載の発明に係る時刻情報受信システムにあっては、前記時刻情報は、前記時刻要素として、時、分、月、日、曜日を含む。したがって、例えば2個の時刻情報受信装置によりシステムを構成して、寝室においては「時・分」させ、3個の時刻情報受信装置によりシステムを構成して、居間においては「時・分・曜日」を表示させておく等の使用態様が可能となる。
【0024】
また、請求項10記載の発明に係る時刻情報受信システムにあっては、前記表示手段は、前記表示手段に前記時刻要素を2桁で表示させる。したがって、システムを構成する各時刻情報受信装置が有する表示手段の表示面積に限界があっても、当該時刻要素の表示サイズを大きくして、より見易い表示形態で表示することができる。
【0025】
また、請求項11記載の発明に係る時刻情報受信制御プログラムにあっては、外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段とを備える時刻情報受信装置が有するコンピュータを、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、この選択手段により選択された時刻要素を前記表示手段に表示させる表示制御手段として機能させる。したがって、前記コンピュータがこのプログラムに従って処理を実行することにより、請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0026】
また、請求項12記載の発明に係る時刻情報受信制御プログラムにあっては、外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段とを備える時刻情報受信装置が有するコンピュータを、複数個の時刻情報受信装置が配列された状態において、自機の配列位置を検出する検出手段と、この検出手段により検出された自機の配列位置に応じて、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、この選択手段により選択された時刻要素を前記表示手段に表示させる表示制御手段として機能させる。したがって、前記コンピュータがこのプログラムに従って処理を実行することにより、請求項4記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、時刻情報受信装置の表示手段に、受信手段により時刻情報を受信した後に、時刻情報に含まれている時刻要素のうち、いずれか一つの時刻要素のみを表示させることができる。よって、時刻情報受信装置が有する表示手段の表示面積に限界があっても、当該時刻要素の表示サイズを大きくして、見易い表示形態で表示することができる。
【0028】
また、常時表示させておきたい所望の時刻要素はユーザ自身や、時刻情報受信装置の配置場所に応じて異なる場合がある。しかし、この時刻情報受信装置は、前述のようにいずれか一つの時刻要素のみを表示することから、ユーザが所望する時刻要素を表示する時刻情報受信装置、あるいはユーザが所望する複数の時刻要素を各々表示する複数個の時刻情報受信装置を用いることにより、不必要な時刻要素の表示を伴うことなく、見易い状態で所望の時刻要素のみを表示させることができる。
【0029】
さらに、複数個の時刻情報受信装置を用いる場合において、その配列はユーザの任意であることから、任意の配列により、当該ユーザにとって見易い表示順序で時刻要素を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
(第1の実施の形態)
【0031】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る時刻情報受信装置としての電波時計の外観構成を示す図である。この電波時計1は、同図(A)に示すように、ケース2と時計本体3とで構成されており、ケース2は、側面に開口部21を有する箱体からなる。時計本体3は、前記開口部21よりケース2内に収容される胴部31と、この胴部31の一面側に形成された前面部32とを有し、前面部32には液晶画面からなる表示部33が配置されている。
【0032】
また、胴部31の他面側には、同図(B)に示すように、WAVWボタン34、SETボタン35、RESETボタン36、+ボタン37、−ボタン38及び時刻要素選択ボタン39が配置されている。この時刻要素選択ボタン39は、本実施の形態における時刻要素である、「時」、「分」、「月」、「日」、「曜日」のいずれかを選択して当該電波時計1に設定するための操作ボタンである。これらボタン群の上部には、ボタン操作に応じた設定情報を表示するマニュアル設定用液晶40が配置され、下部には電池収容部を覆う電池蓋41が着脱自在に設けられている。
【0033】
図2は、時計本体3の内部に配置されている回路の構成を示すブロック図である。この回路には、各部を制御するCPU42が設けられているとともに、ROM43及びRAM44がそれぞれバス45を介して接続されている。ROM43は、CPU42が動作するためのシステムプログラム等を記憶しており、RAM44は、ワーク用として使用されるとともに、後述する受信データを記憶するものである。
【0034】
また、バス45には、ドライバ46、時計計数回路47、スイッチ48、受信回路49が接続されている。ドライバ46は、前記表示部33及びマニュアル設定用液晶40を駆動するものである。時計計数回路47は、分周回路50を介して水晶発振回路51に接続されている。水晶発振回路51は、一定周波数の信号を送出し、分周回路50は、水晶発振回路51からの信号を計数して時計計数回路47に送出する。時計計数回路47は、分周回路50からの信号を計数して、現在時刻データ(年、月、日、曜日、時、分、秒のデータ)を生成して記憶しており、これをCPU42に与えるとともに、CPU42からの時刻データに基づき、生成し記憶している現在時刻データを修正するものである。
【0035】
スイッチ48は前記ボタン34〜39の操作に応じた操作情報を生成する。受信回路49には、アンテナ52が接続されており、アンテナ52は、電波局Dから送出されるタイムコードを含む標準電波を受けて、これに対応する電気信号にして受信回路49に送出する。受信回路49は、CPU42からの指示に従って動作し、アンテナ52からのタイムコードを、バス45を介してCPU42に送出するものである。
【0036】
なお、このタイムコードには、現在時刻を示す時・分・月・日・曜日の情報で構成され、正確な時刻の分の桁が更新される毎、即ち1分毎に、1周期60秒のフレームで送出される。
【0037】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ユーザは図3(A)に示すように、例えば2個の電波時計1−1、1−2を購入し、時刻要素選択ボタン39を操作することにより、第1の電波時計1−1には「時」を設定し、第2の電波時計1−2には「分」を設定しておく。
【0038】
一方、CPU42はROM43に格納されているプログラムに基づき、図4に示すフローチャートに従った処理を実行する。先ず、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻が所定の時刻になったか否かを判断する(ステップS101)。所定の時刻になったならば、受信回路49に指示して、電波局Dから送出されるタイムコードを含む標準電波の受信を開始させる(ステップS102)。このタイムコードを含む標準電波の受信が完了したならば、受信終了処理を行って受信回路49を停止させ(ステップS103)、しかる後に時刻データを修正する(ステップS204)。すなわち、時計計数回路47内に記憶されている現在時刻データで示される時刻の値を、標準電波に含まれているタイムコードが示す時刻の値に修正する。
【0039】
また、前記ステップS101がNOであった場合、及びステップS104に続くステップでは、当該電波時計1に選択的にユーザーにより設定されている時刻要素が「時」であるか否かを判断する(ステップS105)。「時」であった場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「時」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS106)。「時」でなかった場合には、前記設定されている時刻要素が「分」であるか否かを判断する(ステップS107)。「分」であった場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「分」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS108)。「分」でなかった場合には、前記設定されている時刻要素が「月」であるか否かを判断する(ステップS109)。「月」であった場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「月」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS110)。「月」でなかった場合には、前記設定されている時刻要素が「日」であるか否かを判断する(ステップS111)。「日」であった場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「日」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS112)。また、「分」でもなかった場合には、前記設定されている時刻要素は「曜日」であり、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「曜日」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS113)。
【0040】
したがって、前述のように、ユーザが2個の電波時計1−1、1−2を購入し、時刻要素選択ボタン39を操作することにより、第1の電波時計1−1には「時」を設定し、第2の電波時計1−2には「分」を設定しておいた場合、第1の電波時計1−1においては、ステップS106の処理が実行され、第2の電波時計1−2においては、ステップS108の処理が実行されることとなる。したがって、図3(A)に例示するように、第1の電波時計1−1には、「時」の時刻要素の10時であることを示す「10」の文字が表示され、第2の電波時計1−2には、「分」の時刻要素の58分であることを示す「58」の文字が表示されることとなる。
【0041】
また、ユーザが、第1の電波時計1−1には「月」を設定し、第2の電波時計1−2には「日」を設定しておいた場合、第1の電波時計1−1においては、ステップS110の処理が実行され、第2の電波時計1−2においては、ステップS112の処理が実行されることとなる。したがって、図3(B)に例示するように、第1の電波時計1−1には、「月」の時刻要素の6月であることを示す「06」の文字が表示され、第2の電波時計1−2には、「日」の時刻要素の30日であることを示す「30」の文字が表示されることとなる。
【0042】
さらに、ユーザが図3(C)に示すように、5個の電波時計1−1〜1−5を購入し、時刻要素選択ボタン39を操作することにより、第1の電波時計1−1には「曜日」、第2の電波時計1−2には「月」、第3の電波時計1−3には「日」、第4の電波時計1−4には「時」、第5の電波時計1−5には「分」を各々設定したとする。すると、第1の電波時計1−1においてはステップS113の処理、第2の電波時計1−2においてはステップS110の処理、第3の電波時計1−3においてはステップS112の処理、第4の電波時計1−4においてはステップS106の処理、第5の電波時計1−5においてはステップS107の処理が各々実行されることとなる。したがって、図3(C)に例示するように、第1の電波時計1−1には「日曜日」の時刻要素の日曜日であることを示す「SU」の文字、第2の電波時計1−2には6月であることを示す「06」の文字、第3の電波時計1−3には「日」の時刻要素の30日であることを示す「30」の文字、第4の電波時計1−4には「時」の時刻要素の10時であることを示す「10」の文字、第5の電波時計1−5には「分」の時刻要素の58分であることを示す「58」の文字が、各々表示されることとなる。
【0043】
なお、本実施の形態においては、時刻要素選択ボタン39を操作することにより、表示させる時刻要素(時・分・月・日・曜日)のいずれか一つを選択して設定できるようにしたが、予め表示させる時刻要素をメーカーにおいて固定的に設定しておくようにしてもよい。このように表示可能な時刻要素が固定的に設定されている電波時計1において、図3(A)に示す態様で表示を行う場合、ユーザは「時」が固定設定された電波時計1−1と、「分」が固定設定された電波時計1−2を購入すればよい。また、図3(B)に示す態様で表示を行う場合、ユーザは「月」が固定設定された電波時計1−1と、「日」が固定設定された電波時計1−2を購入すればよい。さらに、図3(B)に示す態様で表示を行う場合、ユーザは「曜日」「月」「日」「時」「分」が固定設定された電波時計1−1〜1−5を購入すればよい。無論、図3(B)に示した表示態様に限らず、電波時計1−1〜1−5の配列を変更することにより、時刻要素を異なる配列順序で表示させることも可能である。
【0044】
(第2の実施の形態)
【0045】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る時刻情報受信装置としての電波時計の外観構成を示す図である。この電波時計1においては、同図(A)に示すように、ケース2の相対向する左右側面に右貫通穴23Rと左貫通穴23Lとが設けられている。また、時計本体3の胴部31には、相対向する左右側面に右赤外線送受信部53Rと左赤外線送受信部53Lとが設けられている。これら左右赤外線送受信部53R、53Lは、胴部31をケース2内に収容した状態において、前記右貫通穴23Rと左貫通穴23Lとから露出する位置に設けられている。なお、本実施の形態においては、前記時刻要素選択ボタン39は設けられていない。
【0046】
図6は、本実施の形態において、時計本体3の内部に配置されている回路の構成を示すブロック図である。この回路のバス45には、赤外線送受信回路54を介して、前記左右赤外線送受信部53R、53Lが接続されている。また、これ以外の構成は図6に示した第1の実施の形態と同様である。
【0047】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ユーザは図7に示すように、例えば5個の電波時計1−1〜1−5を購入し、横方向に配列する。すると、隣接する電波時計1−1〜1−5の左右赤外線送受信部53R、53Lが左右貫通穴23R、23Lを介して対向する。
【0048】
一方、各電波時計1−1〜1−5のCPU42はROM43に格納されているプログラムに基づき、図8に示すフローチャートに従った処理を実行する。
先ず、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻が所定の時刻になったか否かを判断する(ステップS201)。所定の時刻になったならば、受信回路49に指示して、電波局Dから送出されるタイムコードを含む標準電波の受信を開始させる(ステップS202)。このタイムコードを含む標準電波の受信が完了したならば、受信終了処理を行って受信回路49を停止させ(ステップS203)、しかる後に時刻データを修正する(ステップS204)。すなわち、時計計数回路47内に記憶されている現在時刻データで示される時刻の値を、標準電波に含まれているタイムコードが示す時刻の値に修正する。
【0049】
また、前記ステップS201がNOであった場合、及びステップS204に続くステップでは、右赤外線送受信部53Rにての赤外線信号の受信があるか否かを判断する(ステップS205)。この判断がNOであって、右赤外線送受信部53Rによる赤外線信号の受信がない場合には、当該電波時計1は、図7に示した右端に配置された電波時計1−1である。この場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「分」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS206)。さらに、左赤外線送受信部53Lから、赤外線信号「1」を送信する(ステップS207)。
【0050】
また、ステップS205における判断がYESであって、右赤外線送受信部53Rにての赤外線信号の受信がある場合には、その赤外線信号が「1」であるか否かを判断する(ステップS208)。この判断がYESであって、右赤外線送受信部53Rにて受信した赤外線信号が「1」であった場合には、当該電波時計1は、図7に示した右から2番目に配置された電波時計1−2である。この場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「時」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS209)。さらに、左赤外線送受信部53Lから、赤外線信号「2」を送信する(ステップS210)。
【0051】
また、ステップS208における判断がNOであって、右赤外線送受信部53Rにて受信した赤外線信号が「1」でなかった場合には、その赤外線信号が「2」であるか否かを判断する(ステップS211)。この判断がYESであって、右赤外線送受信部53Rにて受信した赤外線信号が「2」であった場合には、当該電波時計1は、図7に示した右から3番目に配置された電波時計1−3である。この場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「日」の時刻要素を表示部33に2桁で表示させる(ステップS212)。さらに、左赤外線送受信部53Lから、赤外線信号「3」を送信する(ステップS213)。
【0052】
また、ステップS211における判断がNOであって、右赤外線送受信部53Rにて受信した赤外線信号が「2」でもなかった場合には、その赤外線信号が「3」であるか否かを判断する(ステップS214)。この判断がYESであって、右赤外線送受信部53Rにて受信した赤外線信号が「3」であった場合には、当該電波時計1は、図7に示した右から4番目に配置された電波時計1−4である。この場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「月」の時刻要素を表示部33に2桁表示させる(ステップS215)。さらに、左赤外線送受信部53Lから、赤外線信号「4」を送信する(ステップS216)。
【0053】
また、ステップS214における判断がNOであって、右赤外線送受信部53Rにて受信した赤外線信号が「3」でもなかった場合には、その赤外線信号が「4」である。そして、右赤外線送受信部53Rにて受信した赤外線信号が「4」であった場合には、当該電波時計1は、図7に示した右から5番目、つまり左端に配置された電波時計1−5である。この場合には、時計計数回路47が生成し記憶している現在時刻における「曜日」の時刻要素を表示部33に2桁表示させる(ステップS217)。
【0054】
したがって、前述のように、ユーザが5個の電波時計1−1〜1−5を購入し、横方向に配列すると、右側から第1の電波時計1−1においてはステップS206の処理、第2の電波時計1−2においてはステップS209の処理、第3の電波時計1−3においてはステップS212の処理、第4の電波時計1−4においてはステップS215の処理、第5の電波時計1−5においてはステップS217の処理が各々実行されることとなる。したがって、図7に例示するように、第1の電波時計1−1には58分であることを示す「58」の文字、第2の電波時計1−2に10時であることを示す「10」の文字、第3の電波時計1−3には30日であることを示す「30」の文字、第4の電波時計1−4には6月であることを示す「06」の文字、第5の電波時計1−5には日曜日であることを示す「SU」の文字が、各々表示されることとなる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、貫通穴と赤外線送受信部とをケース2及び時計本体3の相対向する左右側面に設けるようにしたが、相対向する上面と底面とに設けるようにしてもよい。この場合各電波時計1−1〜1−5を上下方向に積み重ねて配置することにより、前述した表示を行うことができる。また、時分の表示のみを行いたい場合には、2個の電波時計1を購入すればよいし、時分及び月日の表示を行いたい場合には、4個の電波時計1を購入すればよい。
【0056】
また、実施の形態においては、所定時刻に、電波局Dから送出されるタイムコードを含む標準電波の受信する時刻情報受信装置に本発明を適用した場合を示したが、常時、タイムコードを含む標準電波の受信する時刻情報受信装置に本発明を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(A)本発明の第1の実施の形態に係る電波時計の分解斜視図、(B)は時計本体の斜視図である。
【図2】同実施の形態における時計本体の回路構成を示すブロック図である。
【図3】同実施の形態における配置例を示す図である。
【図4】同実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】(A)本発明の第2の実施の形態に係る電波時計の分解斜視図、(B)は時計本体の斜視図である。
【図6】同実施の形態における時計本体の回路構成を示すブロック図である。
【図7】同実施の形態における配置例を示す図である。
【図8】同実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 電波時計
2 ケース
3 時計本体
21 開口部
23L 左貫通穴
23R 右貫通穴
31 胴部
32 前面部
33 表示部
39 時刻要素選択ボタン
42 CPU
43 ROM
44 RAM
46 ドライバ
47 時計計数回路
48 スイッチ
49 受信回路
50 分周回路
51 水晶発振回路
52 アンテナ
53L 左赤外線送受信部
53R 右赤外線送受信部
54 赤外線送受信回路
D 電波局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、
表示手段と、
前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された時刻要素を前記受信手段により時刻情報を受信した後に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする時刻情報受信装置。
【請求項2】
前記選択手段は、予め当該時刻情報受信装置に設定されている時刻要素を選択することを特徴とする請求項1記載の時刻情報受信装置。
【請求項3】
前記選択手段は、操作に応じて前記いずれかの時刻要素を選択することを特徴とする請求項1記載の時刻情報受信装置。
【請求項4】
外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、
表示手段と、
複数個の時刻情報受信装置が配列された状態において、自機の配列位置を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された自機の配列位置に応じて、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された時刻要素を前記受信手段により時刻情報を受信した後に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする時刻情報受信装置。
【請求項5】
前記時刻情報は、前記時刻要素として、時、分、月、日、曜日を含むことを特徴とする請求項1から4にいずれか記載の時刻情報受信装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記表示手段に前記時刻要素を2桁で表示させることを特徴とする請求項1から5にいずれか記載の時刻情報受信装置。
【請求項7】
複数個の時刻情報受信装置により構成される時刻情報受信システムであって、
各時刻情報受信装置は、
外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、
表示手段と、
前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された時刻要素を前記受信手段により時刻情報を受信した後に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする時刻情報受信システム。
【請求項8】
複数個の時刻情報受信装置により構成される時刻情報受信システムであって、
各時刻情報受信装置は、
外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、
表示手段と、
前記複数個の時刻情報受信装置が配列された状態において、自機の配列位置を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された自機の配列位置に応じて、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された時刻要素を前記受信手段により時刻情報を受信した後に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする時刻情報受信システム。
【請求項9】
前記時刻情報は、前記時刻要素として、時、分、月、日、曜日を含むことを特徴とする請求項7又は8記載の時刻情報受信システム。
【請求項10】
前記表示手段は、前記表示手段に前記時刻要素を2桁で表示させることを特徴とする請求項7、8又は9記載の時刻情報受信システム。
【請求項11】
外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段とを備える時刻情報受信装置が有するコンピュータを、
前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された時刻要素を前記受信手段により時刻情報を受信した後に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
して機能させることを特徴とする時刻情報受信制御プログラム。
【請求項12】
外部から送信された複数の時刻要素を含む時刻情報を受信する受信手段と、表示手段とを備える時刻情報受信装置が有するコンピュータを、
複数個の時刻情報受信装置が配列された状態において、自機の配列位置を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された自機の配列位置に応じて、前記受信手段により受信される前記時刻情報に含まれる前記複数の時刻要素から、いずれかを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された時刻要素を前記受信手段により時刻情報を受信した後に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
して機能させることを特徴とする時刻情報受信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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