説明

時計用文字板及びそれを備えた携帯時計

【課題】 ソーラーセルの濃紫色が視認されない金属光沢感を有する時計用文字板を提供する。
【解決手段】 透過性文字板51の下面にサークル模様又は渦巻き模様の凹凸51aを設け、ソーラーセル40の受光面側に半透過反射膜47を設ける。凹凸51aは三角形のプリズムで、三角形の角度は、凹部、凸部共に75〜100度の範囲内に形成し、高さは15〜100μm、ピッチは略150μm位に形成する。また、半透過反射膜47は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、酸化亜鉛の中の少なくとも1種の微粒子を含有する透明樹脂被膜、或いは、Ag、Al、Ni、Au、Cu、Pt、Pdの金属粉末、白色顔料の少なくとも1種の粉末を含有する透明樹脂被膜、或いは、Au、Ag、Al、Ni、Cu、Pt、Pd金属の少なくとも1種の金属薄膜、或いは、誘電体多層膜で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソーラーセルを備えた時計用文字板、及びそれを備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラーセル付時計用文字板は透過性が要求されることからプラスチック材が従来から多く使用されている。プラスチック材は光透過性が得られる他に、コスト的に安くできること、塗装や印刷などの装飾が容易に施すことができること、などの利点があげられる。
【0003】
近年では、ソーラーセルの光電変換効率も非常に高いものが現れてきていて、透過率が15%、或いは20%でも十分携帯時計を駆動できるソーラーセルが出てきている。また、ソーラーセルを小型にすることも可能となってきており、10mm四方の大きさでも十分に駆動できる発電量が得られるものが現れてきている。
【0004】
しかしながら、このソーラーセルは独特の濃紫色を有しており、また、4等分割の十字線が材質の違いなどから非常に目立って見えてくる。このため、美観的にも良い感じを与えないことから、この濃紫色を和らげたり、或いは、見えないようにするために、従来から文字板に色々な工夫を施してきた。
【0005】
下記の特許文献1では図8に示すソーラー時計用文字板の構成が示されている。図8に示されたソーラー時計用文字板1は、基材11と、基材11の太陽電池9と対向する面側に設けられた偏光体13と、基材11と偏光体13との間に配された拡散層12とを有しているものである。
【0006】
特許文献1によれば、基材11は透過性を有する材料から構成しており、偏光体13は反射型偏光板からなっていて透過機能と反射機能を有している。拡散層12は拡散剤を分散した接着剤からなっており、拡散層12を介して偏光体13を基材11に接着固定した構成を成している。この様な構成を成すことにより、太陽電池9からの反射光は拡散層12によって拡散されるので太陽電池9が透けて見えることがないとしている。また、太陽電池9に駆動・蓄電に必要な光量を供給できるとされている。
【0007】
【特許文献1】WO 2006/006390A1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような構成にあっては次のような問題が生じる。第1の問題は拡散層12を基材11に接触しているので、拡散層12の中に現れている気泡が直接見えてくることが生じる。拡散層12は拡散剤を分散していることから、拡散剤に巻き込まれて空気が入り込み、それが気泡として拡散層12の中に現れてくる。この気泡が大きくなってくると目に視認されるようになってきて美観品質を悪くする。
【0009】
第2の問題として、外光が拡散層12の拡散剤によって反射される光も現れることから、見る角度によっては拡散層の表面(基材11との境界の表面)が視認されるようになってきて、美観品質を低下させることが生じる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この様な問題を解決するための手段として、本発明の請求項1に記載の時計用文字板の特徴は、透過性文字板の下面側にソーラーセルを備えたソーラーセル用の時計用文字板に
おいて、前記透過性文字板は少なくとも下面に模様状に凹凸を設け、前記ソーラーセルは受光面側に半透過反射膜を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の時計用文字板の特徴は、前記ソーラーセルの受光面側に設けた半透過反射膜は、前記ソーラーセルの保護膜上に設けたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載の時計用文字板の特徴は、前記ソーラーセルの受光面側に設けた半透過反射膜は、前記ソーラーセルの透明な基板上に設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に記載の時計用文字板の特徴は、透過性文字板の下面側にソーラーセルを備えたソーラーセル用の時計用文字板において、前記透過性文字板は少なくとも下面に模様状に凹凸を設け、該下面の凹凸上に半透過反射膜を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5に記載の時計用文字板の特徴は、前記透過性文字板の下面の模様状の凹凸はサークル模様又は渦巻き模様をなすプリズムからなることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6に記載の時計用文字板の特徴は、前記半透過反射膜は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、酸化亜鉛の中の少なくとも1種の微粒子を含有する透明樹脂被膜からなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7に記載の時計用文字板の特徴は、前記半透過反射膜はAg、Al、Ni、Au、Cu、Pt、Pdの金属粉末、白色顔料の少なくとも1種の粉末を含有する透明樹脂被膜からなることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項8に記載の時計用文字板の特徴は、前記半透過反射膜はAu、Ag、Al、Ni、Cu、Pt、Pd金属の少なくとも1種の金属薄膜からなることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項9に記載の時計用文字板の特徴は、前記半透過反射膜は誘電体多層膜からなることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項10前記透過性文字板と前記ソーラーセルとの間に間隙を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項11に記載の携帯時計の特徴は、ソーラーセルとソーラーセル用の時計用文字板を備えた携帯時計において、前記時計用文字板は前記請求項1乃至10のいずれか1項に記載の時計用文字板を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。本発明の時計用文字板は透過性文字板の下面に模様状に凹凸を設け、ソーラーセルの受光面側に半透過反射膜を設けた構成をなす。ソーラーセルに設けた半透過反射膜は光の透過性と反射性の働きを持っており、透過性の働きにより入射した光の一部を透過させてソーラーセルに入射させ、ソーラーセルを駆動させる。また、反射性の働きにより入射光の一部を反射させて透過性文字板側に再び入射させる。また、ソーラーセルからの濃紫色を持った反射光の一部を反射させると共に一部を透過するので透過性文字板に出射する濃紫色を持った光量は制限される。そして、ソーラーセルからの制限された反射光と半透過反射膜からの反射光が透過性文字板に入射する訳であるが、それらの入射光は透過性文字板の下面に設けた凹凸によって凹凸の境界
面で屈折を起こし、光分散を起こして透過性文字板に入射し、そして、出射する。また、当然ながら外部からの入射光の一部は凹凸の境界面で反射される反射光も発生することから、透過性文字板からの出射光は分散した光が、即ち、分散による拡散した光が出射する。また、凹凸は模様状に設けてあることから模様に沿っての屈折が起きて光分散に著しい偏りが生じない。また、透過性文字板とソーラーセルとの間に間隙があることから、この間隙の空気層によって半透過反射膜からの出射光や透過性文字板への入射光に屈折が起きて光分散が更に助長される。そして、これらの分散による拡散した光が透過性文字板から外部に向かって出射されるのでソーラーセルの濃紫色は掻き消されて視認されなくなる。また同時に、分散、拡散によって透過性文字板が白色味を増すことから透過性文字板が明るくなり、表示が鮮明に見えるようになる。ソーラーセルに設けた半透過反射膜に気泡が発生するようなことがあっても、気泡部分からの反射光は分散されるので殆ど目立たなくなる。
【0022】
また、模様状の凹凸がサークル模様や渦巻き模様を成すプリズムにすると、光分散の分布が均一になってくる。光分散に偏りが生じないので文字板全体に均一な白色味が現れるようになる。
【0023】
また、ソーラーセルに設ける半透過反射膜は、ソーラーセルの保護膜上に設ける。或いは、透明な基板が保護膜も兼ねたソーラーセルの基板になっている場合には透明な基板上に設ける。半透過反射膜を透過した入射光は光量の損失を最小限にしてソーラーセルに入射する。
【0024】
次に、本発明の時計用文字板は透過性文字板の下面に模様状に凹凸を設け、その凹凸上に半透過反射膜を設ける構成をなす。前述のソーラーセルに設けた半透過反射膜の働きと同じ働きが凹凸上に設けた半透過反射膜で起き、透過性文字板からは分散による拡散した光が外部に出射する。これにより、ソーラーセルの濃紫色が掻き消される。また、半透過反射膜に気泡が発生した場合でも模様状の凹凸で屈折が生じて分散されるので、気泡が視認されなくなる。
【0025】
また、半透過反射膜は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、酸化亜鉛の中の少なくとも1種の微粒子を含有する透明樹脂被膜で構成する。酸化ケイ素は透明であるが、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、酸化亜鉛は僅かに白色気味の色調を成す。配合量の設定で透過性と反射性の両機能を持たせることができる。また、これらの材料は光を拡散する働きも生むことからソーラーセルの濃紫色を著しく散乱させて消し去る効果を生む。また、光透過によってソーラーセルの発電に支障を及ぼさない。
【0026】
また、半透過反射膜はAg、Al、Ni、Au、Cu、Pt、Pdの金属粉末、白色顔料の中の少なくとも1種を含有する透明樹脂被膜で構成する。これらの材料を配合することにより透過性と反射性の両機能を持たせることができる。所要の光量を透過させることによってソーラーセルの発電機能を満足させることができる。また、濃紫色を消し去ることができると共に金属色や白色味のある色調が得られるようになる。
【0027】
また、半透過反射膜はAu、Ag、Al、Ni、Cu、Pt、Pd金属の少なくとも1種の金属薄膜の中の少なくとも1種の金属薄膜で構成する。透過性と反射性の両機能を持った厚みに形成することにより、所要の光量を透過させてソーラーセルの発電機能を満足させることができる。また、濃紫色を消し去ることができると共に金属色の色調が得られるようになる。
【0028】
また、半透過反射膜は誘電体多層膜から構成する。透過と反射の両機能を持つ誘電体多
層膜を設けることにより、所要の光量を透過させることによってソーラーセルの発電機能を満足させることができる。また、濃紫色を消し去ることができる。
【0029】
そして、半透過反射膜を設けたソーラーセルを用いることにより、前述した従来技術での基材と拡散層と偏光体とで文字板を構成する必要はなくなり、文字板に厚み方向での余裕度が生まれてくる。この余裕度を巧く利用して色々な装飾を付加することができ、文字板の装飾バリエーションを増やすことができる。このことは、携帯時計での装飾バリエーション増効果をもたらす。また、近年のソーラーセルは小型になったものが現れてきていて、女持ち時計、男持ち時計に共通して使えるようになってきている。従って、女持ち時計、男持ち時計の文字板側に特別にソーラーセルの濃紫色を消し去る工夫を個々に施す必要がなくなるので、製造上のコストダウン、管理上のコストダウン効果を生む。このことは、時計としてのコストダウン効果につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態を図1〜図4を用いて説明する。最初に図の説明をする。図1は本発明の実施形態に係る携帯時計の平面図であり、図2は図1における携帯時計の要部断面図を示している。また、図3は図2における時計用文字板とソーラーセルの要部断面図を示している。また、図4は図3における時計用文字板とソーラーセルの作用を説明する模式的に示した説明図を示している。
【0031】
図1、図2より、本発明の携帯時計30は、ケース31内に中枠37を介してソーラーセル用の時計用文字板50、ムーブメント38が配設され、ムーブメント38上には半透過反射膜を設けたソーラーセル40がムーブメント38と一体的に取付けられている。また、ムーブメント38の指針軸が時計用文字板50の上面側にまで突出しており、その先端に長針、短針の指針34が取付けられている。そして、それらを覆うようにしてカバーガラス32がケース31に固定されている。また、裏面側には裏蓋36が固定され、ケース31の嵌又部分にバンド33が取付けられている。また、ケース31の側面にはリューズ35が取付けられている。ここで、ソーラーセル用の時計用文字板50は透過性文字板51上に時字59が設けられたものからなっている。また、半透過反射膜を設けたソーラーセル40は時計用文字板50の真下に僅かな隙間を有して配設した構成をなしている。
【0032】
本実施形態の時計用文字板50は、図3に示すように、透過性文字板51と時字59から構成するが、透過性文字板51の下面には模様状に凹凸51aを設けたものからなっている。また、ソーラーセル40は半透過反射膜を設けているが、その構成は、図3に示すように、ソーラーセルの基板41上に絶縁膜42、金属電極43、アモルファスシリコン膜44、透明電極45、保護膜46、半透過反射膜47を積層した構成をなしており、半透過反射膜47は受光面側であるところの保護膜46上に設けている。本発明でのソーラーセル40の特徴は半透過反射膜47を設けているところにある。
【0033】
ここで、上記の構成をなす本実施形態の時計用文字板、及びソーラーセルの構成部品の仕様について簡単に説明する。最初に、時計用文字板50を構成するところの透過性文字板51は、本実施形態においては、ポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂などの樹脂から形成していて、透過性を持った状態で文字板としての装飾が施されている。下面の凹凸51aはサークル模様状、或いは渦巻き模様状に設けた三角形のプリズムで、三角形の角度は、凹部、凸部共に75〜100度の範囲内に形成していて、高さは15〜100μm、ピッチは略150μm位に形成している。この高さやピッチは金型の加工が容易で且つ目に見えない程度の寸法に形成するのが好ましい。この凹凸模様は射出成形時に金型からの転写によって形成している。下面に設ける模様状の凹凸51aはソーラーセル40からの反射光が透過性文字板51に入射する時に屈折を起こし、光を分散させるために設けている。また、サークル模様や渦巻き模様のプリズムは分散を偏りなく均一にする働きをなす
。この透過性文字板51は所要の透過率が得られる範囲内、着色やメッキ、塗装などで装飾を施しても良い。時字59は印刷で形成する方法、金属時字を貼付けて形成する方法などがあり、仕様に応じて適宜に選択する。
【0034】
次に、ソーラーセル40を構成するところの基板41はステンレス金属板からなっている。絶縁膜42は略5μm厚のポリイミド樹脂からなるもので、スクリーン印刷法やスピンコート法などで形成する。金属電極は4つに分割した1/4円なる電極で真空蒸着法やスパッタリング法などでアルミ金属などの金属薄膜で構成している。次に、アモルファスシリコン膜44はプラズマCVD法でn層、i層、p層の順で形成したものからなる。透明電極45は錫をドープした酸化インジウムのITO(Indium Tin Oxide)膜からなり、真空蒸着法やスパッタリング法などの方法で形成する。保護膜46はメタクリル酸メチル樹脂をスクリーン印刷法やスピンコート法などの方法で形成したものからなる。
【0035】
半透過反射膜47はソーラーセルの発電に必要とされる光量を透過させ、必要以上の光量は反射させるために設けている。本実施形態においては、透明な樹脂47aに酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、燐酸カルシウム(Ca(PO)、酸化亜鉛(ZnO)などの粉末の微粒子47bを少なくとも1種類を分散したものから形成している。酸化ケイ素は透明であるが、他のものは僅かに白色気味の色調をなす。これらの微粒子47bは配合量が少ないと透過率が高くなって反射率は低くなる。本実施形態においては、反射率を少し高めるために配合量を15〜18重量%と多目にしている。また、微粒子47bの粒子径は3〜5μmのものを使用するが好ましい。これらの微粒子47bは光を拡散する働きもなすので、半透過反射膜47を透過する光、反射する光は光分散で拡散作用を起こす。透明な樹脂47aにはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの樹脂が選択できる。スクリーン印刷やスピンコート法などの方法によって5〜15μmの厚みに形成している。尚、半透過反射膜47に上記粉末の微粒子47bを分散させると、光の分散が起きる。この光分散作用はソーラーセルの濃紫色を分散によって和らげる働きをなす。
【0036】
尚、半透過反射膜47は上記の粉末微粒子に限らず、反射率の高い金属粉末や白色顔料などを分散した樹脂塗膜でも良く、また、透過性と反射性を持たせて形成した金属薄膜や誘電体多層膜などで構成しても構わない。
【0037】
また、本実施形態のソーラーセル40はアモルファスシリコンで形成したソーラーセルを用いたが、単結晶シリコンで形成したソーラーセルでも良く、また、両者を用いた複合ソーラーセルであっても何ら支障はない。
また、色素増感型のソーラーセルを使用しても問題ないことは言うまでもない。
【0038】
次に、上記の構成をなす時計用文字板とソーラーセルの作用を図4を用いて説明する。図4において、P、Q、Rは透過性文字板への入射光を示している。入射光Pは透過性文字板51の下面に設けた模様状の凹凸51aで反射される光で、凹凸51aの境界面で反射されて、外部に出射光P1となって出射する。凹凸51aの境界面への入射角によって境界面で反射されて再び外部に出射する光も現れる。入射光Qはソーラーセル40の半透過反射膜47を透過してアモルファスシリコン膜45に入射する光で、このアモルファスシリコン膜45への入射光Qによって発電作用が起こされる。一方、アモルファスシリコン膜45から反射される光も発生する。この反射される反射光は大きく2つに分かれた進み方をする。1つは半透過反射膜47を透過して、外部に出射光Q1となって進む光、もう1つは半透過反射膜47で反射されて反射光Q2となって再びアモルファスシリコン膜45に戻される光である。入射光Rは半透過反射膜47から反射される光で、この反射される光は半透過反射膜47に微粒子47bが分散していることから色々な方向に分散した
出射光R1、R2となって外部に出射する。
【0039】
ここで、透過性文字板51から半透過反射膜47に入射して透過する光は半透過反射膜47の微粒子47bの作用を受けて分散を起こしてアモルファスシリコン膜45に入射する。また、アモルファスシリコン膜45から反射される光は大きくは半透過反射膜47を透過する光と半透過反射膜47から反射される光に分かれる。このため、半透過反射膜47を透過する濃紫色を持った光量は制限されて少なくなる。また、半透過反射膜47を透過した光は分散を起こして透過性文字板51に向かって進む。また、透過性文字板51から入射した光で半透過反射膜47から反射される光も分散を起こして透過性文字板51に向かって進む。かくして、半透過反射膜47から透過性文字板51に入射する光は分散光が多くなり、更に、透過性文字板51に入射した光は下面の凹凸51aによって屈折を起こすことから、著しく分散して拡散した光が透過性文字板51から外部に出射することになる。また、透過性文字板51とソーラーセル40との間に間隙からなる空気層Aが存在するので、透過性文字板51と空気層Aと半透過反射膜47との屈折率の違いから屈折角は大きくなって光分散領域を広げて拡散範囲が広められる。このようなことから、半透過反射膜47を透過する濃紫色を持った光は透過性文字板51の凹凸51aからの反射光、半透過反射膜47からの反射光などと著しく混ざり合って濃紫色は掻き消されて視認されなくなる。
【0040】
更に、濃紫色が掻き消されて視認されなくなると同時に光分散による拡散が著しくなることから透過性文字板51に白色味が強く現れるようになってくる。また、透過性文字板51の下面の凹凸51aはサークル模様、或いは、渦巻き模様に形成しているので屈折方向に偏りのない屈折が起き、透過性文字板51全体に均一な拡散光が現れる。これによって、透過性文字板51全体に白色味の均一になった色調が現れる。このことは、時計用文字板の表示面を明るくして表示を鮮明にする効果を生む。
【0041】
また、上記の構成をなした時計用文字板50は透過性文字板51の下面に凹凸51aを設けるだけで良いので、即ち、透過性文字板51に濃紫色を消し去るための付加部材を設ける必要がないので、製造コストは安くできるようになる。また、時計用文字板50の厚みも薄くでき、厚み方向の余裕も生まれてくる。このため、装飾的な付加部材、例えば、透過性を持った着色膜、透過性を持った貝などの装飾部材など、を設けることも可能となり、装飾バリエーションを増やすことができる。このことは、携帯時計のバリエーション増をもたらす。また、近年のソーラーセルは小型なものが現れてきていて、女持ち時計、男持ち時計共通に使えるようになってきている。従って、ソーラーセルの種類を増やすことなく各種の時計モデルに対応でき、時計用文字板のコストダウン効果と同時に管理上のコストダウン効果も得る。
【0042】
尚、本実施形態での透過性文字板51はプラスチックで形成したが、プラスチックに限らず、ガラスやセラミックで形成しても良いものである。また、透過性文字板51の上面に透過率に影響を及ぼさない範囲で装飾膜を設けても良く、また、凹凸模様を設けて良い。装飾膜や凹凸模様があると装飾感が高められる。
【実施例1】
【0043】
次に、本発明の実施例1に係る時計用文字板について図5を用いて説明する。図5は本発明の実施例1に係る時計用文字板とソーラーセルの要部断面図を示している。尚、前述の実施形態での構成部品と同じ仕様をなす構成部品は同一符号を付して説明する。
【0044】
実施例1のソーラーセル60は、図5に示すように、受光面側である保護膜46の上面に半透過反射膜67を設けた構成をなしている。ここで、ソーラーセル60の下方から積層されている基板41、絶縁膜42、金属電極43、アモルファスシリコン膜44、透明
電極45、保護膜46は前述の実施形態での部品の仕様と同じ仕様のものを使用しているので同一符号を付してある。従って、ここでは同一仕様をなす構成部品の説明は必要限度に留めることにする。
【0045】
ソーラーセル60の半透過反射膜67は金属薄膜で構成している。金属膜が薄いが故に透過性と反射性の両方の機能が得られる。金属薄膜はAu金属で形成した薄膜で、約100Åの厚みをなして、光透過率が55〜60%になっている。100Åの厚みになるとAu金属の金属色がかなりはっきりと視認されるようになる。このAu金属の薄膜は真空蒸着法で形成している。
【0046】
上記の構成をなすソーラーセル60の上部に、僅かな間隙を持って時計用文字板70を配置する。時計用文字板70は透過性文字板71に金属からなる時字79を貼合わせたものから構成している。また、透過性文字板71は下面にサークル模様をなした凹凸72aと上面に格子模様の凹凸72bを設けた文字板ブランク72と、上面の凹凸72b上に設けた着色膜73と、透明膜74とから構成している。上面の格子模様からなる凹凸72bは装飾を高めるために設けているもので、凹凸の段差は目に視認できるように40〜50μmの段差を設けている。また、下面のサークル模様の凹凸72aは三角のプリズム形状をなして、三角形の角度は、凹部、凸部共に75〜100度の範囲内に形成しており、高さは15〜100μm、ピッチは略150μm位に形成している。この文字板ブランク72は透明なポリカーボネイト樹脂から形成していて、下面のサークル模様の凹凸72aや上面の格子模様の凹凸72bは成形金型からの転写によって形成している。着色膜73は銅金属粉末を透明なアクリル樹脂に配合してスクリーン印刷法などの印刷方法で5〜10μmの厚みに形成している。また、この着色膜73の光透過率は50〜60%得られる範囲に設定している。透明膜74は透明なウレタン樹脂からなり、表面はラッピングによって平滑面に仕上げている。
【0047】
以上の構成になすことにより、透過性文字板71の透過率とソーラーセル60の半透過反射膜67の透過率を合わせた全体透過率は25〜35%の透過率が得られ、ソーラーセルの発電に支障のない透過率を得ている。また、半透過反射膜67からのAu金属色の反射光は文字板ブランク72の下面のプリズムなる凹凸72aによって分散され、その分散によってAu金属色は大変薄められるが、銅金属粉末の入った着色膜73の色調と重なりあってAu金属調の色調が視認されるようになる。また、ソーラーセル60のアモルファスシリコン膜44からの濃紫色を呈する反射光は半透過反射膜67からのAu金属色を呈する反射光と混ざり合って混色され、そして、透過性文字板71の下面にあるプリズムなる凹凸72aによって分散されて拡散される。更に、上面側の格子模様の凹凸72bと着色膜73と透明膜74との境界面の部分で材料の屈折率(文字板ブランク72のポリカーボネイト樹脂(屈折率1.58)、着色膜73のアクリル樹脂(屈折率1.49)、透明膜74のウレタン樹脂(屈折率1.6))の違いからその境界面で屈折を起こす。このため、光分散も更に増し拡散が著しくなり濃紫色は掻き消されてしまい殆ど視認されなくなる。
また、また、着色膜73と透明膜74との屈折率の違いなどにより格子模様での段差がはっきりと視認されるようになって装飾性に富んで、そして、金属感が現れた文字板として視認されてくる。
【0048】
実施例1においては、ソーラーセル60の透過性反射膜67はAu金属薄膜で構成したが、他の金属薄膜で構成しても構わない。Ag、Al、Ni、Cu、Pt、Pd金属などの金属は反射率も高いので好適な材料として選択することができる。また、これらの合金金属を用いても良い。そして、例えば、Ag金属薄膜やAl金属薄膜などを100Å近くの厚みに形成すると約50%前後の透過率が得られると共に、はっきりと金属色調が視認されるようになる。それぞれの金属は厚みに応じて透過率も異なるので所定の透過率が得
られるように適宜に厚みを設定するようにする。
【0049】
また、実施例1においては、透過性文字板70の上面側に格子模様の凹凸を設けたが、これは求められる装飾仕様に応じて適宜に設定するのが好ましい。このように、色々な凹凸模様を設けることによって時計用文字板の装飾性を高めることができる。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明の実施例2に係る時計用文字板について図6を用いて説明する。図6は本発明の実施例2に係る時計用文字板とソーラーセルの要部断面図を示している。尚、前述の実施形態での構成部品と同じ仕様をなす構成部品は同一符号を付して説明する。
【0051】
実施例2のソーラーセル80は、図6に示すように、透明な基板81を用いて、基板81の下面側にアモルファスシリコン膜44からなる発電部を設けており、基板81の上面側に半透過反射膜87を設けた構成を取っている。ソーラーセル80は下層側から絶縁膜42、金属電極43、アモルファスシリコン膜44、透明電極45、透明な基板81と順次積層し、透明な基板81の上に半透過反射膜87、透明な保護膜88を積層した構成をなしている。尚、ここでの絶縁膜42、金属電極43、アモルファスシリコン膜44、透明電極45は前述の実施形態での部品の仕様と同じ仕様のものを用いている。透明な基板81は耐熱性や耐湿性、耐衝撃性、耐薬品性などに優れたポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂などから形成している。また、透明な基板81の上面に形成した半透過反射膜87は、実施例2においては、透過性と反射性を持った誘電体多層膜でもって構成している。透明な保護膜88は半透過反射膜87の保護目的で設けてあり、メタクリル酸メチル樹脂をスクリーン印刷法やスピンコート法などの方法で形成したものからなる。
【0052】
ここで、半透過反射膜87を構成する誘電体多層膜は高屈折率材料の薄膜と低屈折材料の薄膜を交互に積層した多層膜からなるもので、実施例2においては、基板81上に50nm厚みのSiO(屈折率約1.5)からなる第1層膜、30nm厚みのTiO(屈折率約2.3)からなる第2層膜、92nm厚みのSiOからなる第3層膜、80nm厚みのNb(屈折率約2.2)からなる第4層膜、157nm厚みのSiOからなる第5層膜を積層した5層膜からなっている。この5層膜からなる誘電体多層膜は透明ではあるが、450〜630nmの波長領域において30〜38%の反射率を持ち、62〜70%の透過率を持つ。この誘電体多層膜はスパッタリング方法などで形成する。
【0053】
次に、時計用文字板90は透過性文字板91に金属からなる時字79を貼合わせたものから構成している。ここでの透過性文字板91は下面にサークル模様でのプリズムをなした凹凸92aを設けた文字板ブランク92と、この文字板ブランク92上に設けた着色膜93とから構成している。下面のサークル模様のプリズムをなした凹凸92aは三角形の角度は、凹部、凸部共に75〜100度の範囲内に形成しており、高さは15〜100μm、ピッチは略150μm位に形成している。この文字板ブランク92は透明なポリカーボネイト樹脂から形成していて、下面のサークル模様の凹凸92aは成形金型からの転写によって形成している。着色膜93は白色顔料を透明なウレタン樹脂に7重量%配合した樹脂を用いてスクリーン印刷などの印刷方法で7μm前後の厚みに形成したものからなる。この着色膜93は文字板により白さを出すために設けており、この着色膜93自体の透過率は約70%になっている。尚、表面はラッピングによって平滑面に仕上げている。
【0054】
以上の構成をなすことにより、ソーラーセル80のアモルファスシリコン膜からの濃紫色なる反射光は半透過反射膜87からの反射光と混ざり合い、透過性文字板91の下面のプリズムなる凹凸92aによって分散されて拡散され、濃紫色は消し去られて殆ど視認されなくなる。そして、白色の着色膜93からの反射光によって白色色調が視認されるよう
になる。
【0055】
また、透過性文字板91の透過率とソーラーセル80の半透過反射膜87の透過率を合わせた全体透過率は45〜50%の透過率が得られ、ソーラーセルの発電に支障のない光量が得られる。
【実施例3】
【0056】
次に、本発明の実施例3に係る時計用文字板について図7を用いて説明する。図7は本発明の実施例3に係る時計用文字板とソーラーセルの要部断面図を示している。尚、前述の実施形態での構成部品と同じ仕様をなす構成部品は同一符号を付して説明する。
【0057】
実施例3のソーラーセル100は、図7に示すように、下層から金属からなる基板41上に絶縁膜42、金属電極43、アモルファスシリコン膜44、透明電極45、保護膜46を積層した構成をなしている。ここでのソーラーセル100は、前述の実施形態や実施例1、2で構成された半透過反射膜は設けていない。また、このソーラーセル100を構成する基板41、絶縁膜42、金属電極43、アモルファスシリコン膜44、透明電極45、保護膜46は前述の実施形態での部品の仕様と同じ仕様のものを用いている。
【0058】
また、実施例3の時計用文字板110は、透過性文字板111に金属からなる時字79を貼合わせたものから構成している。そして、ここでの透過性文字板111は、下面にサークル模様のプリズムなる凹凸112aと上面に梨地模様をなす微小な凹凸112bを設けた文字板ブランク112と、この文字板ブランク112の凹凸112b上に設けた透明な保護膜113と、文字板ブランク112の下面のプリズムなる凹凸112a上に設けた半透過反射膜117とから構成している。
【0059】
文字板ブランク112は白色顔料を1〜3重量%配合したポリカーボネイト樹脂から形成して、光透過率が約70%得られた白色色調を持ったブランクをなしている。この文字板ブランク112の下面に設けたサークル模様のプリズムをなした凹凸92aは、三角形の角度が凹部、凸部共に75〜100度の範囲内に形成しており、高さは15〜100μm、ピッチは略150μm位に形成している。また、上面の梨地模様をなす凹凸112bは数μm〜10数μmの凹凸をなしている。このサークル模様及び梨地模様は成形金型から転写によって形成している。半透過反射膜117は透明なアクリル樹脂などの樹脂117aにAl金属の粉末微粒子117bを分散したものから構成している。5〜10μmの厚みに形成していて、透過率は約50%得られている。透明な保護膜113は透明なウレタン樹脂やアクリル樹脂などの樹脂からなり、スクリーン印刷によって形成している。そして、表面はラッピングによって平滑面に仕上げている。
【0060】
以上の構成をなすことにより、ソーラーセル100からの濃紫色を呈する反射光は透過性文字板111の半透過反射膜117に入射するが、この半透過反射膜117から反射される光も発生するので、半透過反射膜117を透過していく光量は少なくなる。次に、半透過反射膜117を屈折を起こして透過した濃紫色なる反射光は文字板ブランク112のプリズムなる凹凸112aに入射する。このときも、半透過反射膜117のアクリル樹脂の屈折率(屈折率1.49)と文字板ブランク112のポリカーボネイト樹脂の屈折率(屈折率1.59)の違いにより屈折が起きる。従って、ソーラーセル100からの濃紫色なる反射光は2度の屈折を起こして透過性文字板111内に入射する。屈折回数が多くなると光の分散度も増し、光の拡散状態も増してくる。更に、半透過反射膜117が白色系の色調を持つAg金属薄膜で形成していること、文字板ブランク112に白色顔料を分散していること、などのことから、濃紫色の反射光これらの白色の反射光の中に分散してしまって、濃紫色の色調は掻き消されて視認されなくなる。そして、白色色調を持った透過性文字板が視認されてくる。また、透過性文字板111は上面側に梨地模様の凹凸112
bを設けていることから、ここでも光拡散が発生し、白色色調が強く現れてくる。また、梨地模様によって装飾性の高められた時計用文字板が得られる。
【0061】
また、半透過反射膜117を設けた透過性文字板111は約30%近い光透過率を持っているのでソーラーセル100の発電には支障のない光量が得られている。
【0062】
また、半透過反射膜117の中に気泡が現れても、気泡からの反射光は文字板ブランク112のプリズムなる凹凸112aによって分散され、気泡は殆ど視認されなくなる。
【0063】
尚、半透過反射膜117はAl金属の粉末微粒子117bを分散したものから構成したが、これはAl金属粉に限るものではなく、例えば、Ag、Ni、Au、Cu、Pt、Pd等の金属粉末を用いても良く、また、白色顔料などを選択しても良い、これらのものは反射率が高いので好適な材料として選択することができる。また、金属色調なども得られるようになる。
尚また、時計の駆動に足るだけのソーラーセルの発電機能が満足するのであれば、半透過反射膜は文字板、ソーラーセルの両面に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯時計の平面図である。
【図2】図1における携帯時計の要部断面図である。
【図3】図2における時計用文字板とソーラーセルの要部断面図である。
【図4】図3における時計用文字板とソーラーセルの作用を説明する模式的に示した説明図である。
【図5】本発明の実施例1に係る時計用文字板とソーラーセルの要部断面図である。
【図6】本発明の実施例2に係る時計用文字板とソーラーセルの要部断面図である。
【図7】本発明の実施例3に係る時計用文字板とソーラーセルの要部断面図である。
【図8】従来技術において、特許文献1に示されたソーラー時計用文字板の構成を示した要部断面図である。
【符号の説明】
【0065】
30 携帯時計
31 ケース
32 カバーガラス
33 バンド
34 指針
35 リューズ
36 裏蓋
37 中枠
38 ムーブメント
40、60、100 ソーラーセル
41、81 基板
42 絶縁膜
43 金属電極
44 アモルファスシリコン膜
45 透明電極
46、88 保護膜
47、67、87、117 半透過反射膜
47a、117a 樹脂
47b、117b 微粒子
50、70、90、110 時計用文字板
51、71、91、111 透過性文字板
51a、72a、72b、92a、112a、112b 凹凸
59、79 時字
72、92、112 文字板ブランク
73、93 着色膜
74 透明膜
113 保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過性文字板の下面側にソーラーセルを備えたソーラーセル用の時計用文字板において、前記透過性文字板は少なくとも下面に模様状に凹凸を設け、
前記ソーラーセルは受光面側に半透過反射膜を設けたことを特徴とする時計用文字板。
【請求項2】
前記ソーラーセルの受光面側に設けた半透過反射膜は、前記ソーラーセルの保護膜上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の時計用文字板。
【請求項3】
前記前記ソーラーセルの受光面側に設けた半透過反射膜は、前記ソーラーセルの透明な基板上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の時計用文字板。
【請求項4】
透過性文字板の下面側にソーラーセルを備えたソーラーセル用の時計用文字板において、前記透過性文字板は少なくとも下面に模様状に凹凸を設け、該下面の凹凸上に半透過反射膜を設けたことを特徴とする時計用文字板。
【請求項5】
前記透過性文字板の下面の模様状の凹凸はサークル模様又は渦巻き模様をなすプリズムからなることを特徴とする請求項1又は4に記載の時計用文字板。
【請求項6】
前記半透過反射膜は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、酸化亜鉛の中の少なくとも1種の微粒子を含有する透明樹脂被膜からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の時計用文字板。
【請求項7】
前記半透過反射膜はAg、Al、Ni、Au、Cu、Pt、Pdの金属粉末、白色顔料の少なくとも1種の粉末を含有する透明樹脂被膜からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の時計用文字板。
【請求項8】
前記半透過反射膜はAu、Ag、Al、Ni、Cu、Pt、Pd金属の少なくとも1種の金属薄膜からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の時計用文字板。
【請求項9】
前記半透過反射膜は誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の時計用文字板。
【請求項10】
前記透過性文字板と前記ソーラーセルとの間に隙間を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の時計用文字板。
【請求項11】
ソーラーセルとソーラーセル用の時計用文字板を備えた携帯時計において、前記時計用文字板は前記請求項1乃至10の何れか1項に記載の時計用文字板を用いたことを特徴とする携帯時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−51517(P2008−51517A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225112(P2006−225112)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】