説明

有害物質ガス量算出システム、有害物質ガス量算出装置、および有害物質ガス量算出方法

【課題】正確に排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる有害物質ガス量算出システムを提供する。
【解決手段】有害物質ガス量算出システムとしてのCOガス量算出システム11は、マフラー12により排出される排気ガスの風力を検出する風力センサ16と、排気ガスの温度を検出する温度センサ17と、排気ガス中に含有されるCOガスの濃度を検出するCOガス濃度センサ18と、検出された排気ガスの風力、温度およびCOガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出する算出部19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有害物質ガス量算出システム、有害物質ガス量算出装置、および有害物質ガス量算出方法に関するものであり、特に、エンジンにおいて発生する排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出システム、有害物質ガス量算出装置、および有害物質ガス量算出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車や船舶に備えられるエンジンにおいて、燃料を燃焼させた際に発生する排気ガス中には、CO(二酸化炭素)等の温室効果ガスや、NOx(窒素酸化物)といった有害物質ガスが含有される。従来、このような有害物質ガスの量を取得したい場合には、排気ガスの量を基に、燃料消費量や走行距離から換算することとしていた。以下、本願では、人体等に有害な成分であるNOx、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、SOx(硫黄酸化物)等と、人体等には直接の害はないが地球温暖化等の原因とされるCO等をあわせて、有害物質、あるいは有害物質ガスという。
【0003】
ここで、排気ガス中の有害物質の削減を目的として、排気ガス中の有害物質の削減量の算定方法に関する技術が、例えば、特開2003−316884号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1によると、排気ガスの排出量を基に、有害物質の量を算出することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−316884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によると、まず、排気ガスの排出量を、移動記録に基づいて算出し、合計することによって求める。そして、排気ガス中に含有される有害物質量の割合を掛けることによって、排気ガス中の有害物質の削減量を算定することとしている。このような方法では、正確に排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することはできない。
【0006】
この発明の目的は、正確に排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる有害物質ガス量算出システムを提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、正確に排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる有害物質ガス量検出装置を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、正確に排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる有害物質ガス量検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る有害物質ガス量算出システムは、排気装置により排出される排気ガスの風力を検出する風力センサと、排気装置により排出される排気ガスの温度を検出する温度センサと、排気装置により排出される排気ガス中に含有される有害物質ガスの濃度を検出する有害物質ガス濃度センサと、検出された排気ガスの風力、温度および有害物質ガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出手段とを備える。
【0010】
このような構成の有害物質ガス量算出システムによると、風力センサ、温度センサ、および有害物質ガス濃度センサにより、排気装置から排出される排気ガスの風力、温度、および有害物質ガスの濃度を検出し、検出した排気ガスの風力、温度、および有害物質ガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる。したがって、正確に、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる。
【0011】
好ましくは、有害物質ガス量算出手段は、風力センサ、温度センサ、および有害物質ガス濃度センサからのデータの入力を受付けるセンサデータインターフェース部と、センサデータインターフェース部において受付けたデータのデジタル変換を行うデジタル変換部と、デジタル変換部によりデジタル変換されたデータを基に計算処理を行う計算処理部とを含む。
【0012】
さらに好ましくは、エンジンの排気量データ、エンジンの方式データ、エンジンを搭載した車両の重量データ、およびエンジンの経年データのうちの少なくともいずれか一つのパラメータを計算処理部に入力する入力手段を備え、有害物質ガス量算出手段は、入力手段により入力された少なくとも一つのパラメータに基づいて、有害物質ガスの量を算出する。
【0013】
また、デジタル変換部によりデジタル変換されたデータおよび有害物質ガス量算出手段により算出された有害物質ガスの量のうち、少なくともいずれか一方を記録する記録手段を備えるようにしてもよい。
【0014】
さらに好ましくは、有害物質ガス量算出手段は、エンジンに供給される燃料と空気の比率である空燃比に基づいて、有害物質ガスの量を算出する。
【0015】
さらに好ましくは、有害物質ガス量算出手段により算出した有害物質ガスの量を表示する表示手段を含む。
【0016】
さらに好ましい一実施形態として、有害物質ガス濃度センサは、排気ガス中に含有されるCOガスの濃度を検出するCOガス濃度センサを含む。
【0017】
この発明の他の局面において、有害物質ガス量算出装置は、排気ガス中の有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出装置であって、排気ガスを排出する排気装置に取り付けられ、排気ガスの風力を検出する風力センサ、排気装置に取り付けられ、排気ガスの温度を検出する温度センサ、および排気装置に取り付けられ、排気ガス中に含有される有害物質ガスの濃度を検出する有害物質ガス濃度センサからのデータの入力を受付けるセンサデータインターフェース部と、センサデータインターフェース部において受付けたデータのデジタル変換を行うデジタル変換部と、デジタル変換部によりデジタル変換されたデータを基に計算処理を行う計算処理部とを備える。
【0018】
この発明のさらに他の局面において、有害物質ガス量算出方法は、排気ガスを排出する排気装置により排出される排気ガスの風力を検出する風力検出ステップと、排気装置により排出される排気ガスの温度を検出する温度検出ステップと、排気装置により排出される排気ガス中に含有される有害物質の濃度を検出する有害物質ガス濃度検出ステップと、検出された排気ガスの風力、温度および有害物質ガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出ステップとを備える。
【発明の効果】
【0019】
このような構成の有害物質ガス量算出システムによると、風力センサ、温度センサ、および有害物質ガス濃度センサにより、排気装置から排出される排気ガスの風力、温度、および有害物質ガスの濃度を検出し、検出した排気ガスの風力、温度、および有害物質ガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる。したがって、正確に、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる。
【0020】
また、このような構成の有害物質ガス量算出装置および有害物質ガス量算出方法によると、正確に、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態に係る有害物質ガス量算出システムの構成を示す図である。
【図2】排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出する場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】排気温度とCOガス濃度との関係を概略的に示すグラフである。
【図4】風力とCOガス濃度との関係を概略的に示すグラフである。
【図5】エンジンの方式の相違による排気量とパラメータ係数との関係を示すグラフである。
【図6】エンジンの型式毎の車両重量と経年データに対応する係数の一例を示す図である。
【図7】空燃比と排気ガス中のガス成分との関係を概略的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、この発明の一実施形態に係る有害物質ガス量算出システムの構成について説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る有害物質ガス量算出システムとしてのCOガス量算出システムの構成を示す図である。
【0023】
図1を参照して、COガス量算出システム11は、自動車や船舶に備えられるエンジンから排出される中に含有されるCOガスの排出量を取得する際に用いられる。排気ガス中には、温室効果ガスであるCOガスや、NOxガス等の有害物質ガスが含有される。COガス量算出システム11の一部は、自動車のエンジン(図示せず)からの排気ガスを排出する排気装置としてのマフラー12に取り付けられる。マフラー12は、図1中の矢印Iの方向へ排気ガスを排出する。マフラー12は、相対的に管径が細い管部13と、管部13に連結されており、管部13よりも管径が太く、排気ガスを排出する際に消音を行なう消音部14とを含む。管部13の一方端部15a側から送られた排気ガスは、管部13および消音部14を通り、消音部14の他方端部15b側から排出される。
【0024】
ここで、COガス量算出システム11は、排気ガスの風力、すなわち、排気ガスの排出速度を検出する風力センサ16と、排気ガスの温度を検出する温度センサ17と、排気ガス中に含有されるCOガスの濃度を検出する有害物質ガス濃度センサとしてのCOガス濃度センサ18とを備える。この実施例については、風力センサ16、温度センサ17、およびCOガス濃度センサ18はそれぞれ、マフラー12の管部13に取り付けられているが、風力センサ16、温度センサ17、およびCOガス濃度センサ18の取り付け位置については、特に限定されない。
【0025】
また、COガス量算出システム11は、風力センサ16により検出された排気ガスの風力、温度センサ17により検出された排気ガスの温度、およびCOガス濃度センサ18により検出されたCOガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出する算出部19を備える。算出部19は、風力センサ16、温度センサ17、およびCOガス濃度センサ18とのインターフェースとなるセンサデータインターフェース部20と、センサデータインターフェース部20により入力されたデータのデジタル変換を行うデジタル変換部21と、デジタル変換部21により変換された風力データ等のデジタルデータを用いて計算を行なう計算処理部22とを含む。なお、上記した風力センサ16等のセンサ自体がデータをデジタル変換して出力することができる場合には、デジタル変換部21を省略することができる。
【0026】
また、算出部19は、エンジンの排気量データやエンジンの方式データといったパラメータを計算処理部22へ入力させる入力手段としてのパラメータ入力部23を含む。具体的には、パラメータ入力部23に送信されるエンジンの排気量データ、エンジンの方式データ、エンジンを搭載した車両の重量データ、エンジンの経年データ、およびエンジンに供給される燃料と空気の比率である空燃比のパラメータを計算処理部22へ入力させる。空燃比は、マフラー12のうち、管部13に取り付けられた空燃比センサ24により検出される。
【0027】
算出部19は、風力センサ16により検出された排気ガスの風力、温度センサ17により検出された排気ガスの温度、およびCOガス濃度センサ18により検出された排気ガス中のCOガスの濃度、およびパラメータ入力部23により入力された種々のパラメータを基に、所定の演算を用いて、排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出する。
【0028】
また、COガス量算出システム11は、算出部19により算出されたCOガスの量を表示する表示部25を備える。表示部25は、エンジンを搭載した自動車の計器(図示せず)にCOガスの量を積算して表示するよう制御する車載計器制御部26と、車載計器制御部26による制御により積算したCOガスの量を表示する表示パネル27とを含む。
【0029】
なお、表示パネル27は、自動車等の運転席の運転手から視認しやすい位置に設置するのが望ましい。また、専用の表示パネルを設けず、自動車等に予め備えられているディスプレイ等を用いて表示してもよいし、カーナビゲーションシステム等のディスプレイに表示してもよい。さらに、表示するのみならず、音声等により運転手に報知するようにしてもよい。
【0030】
また、COガス量算出システム11は、デジタル変換部21によりデジタル変換されたデータおよび算出部19により算出された有害物質ガスの量のうち、少なくともいずれか一方を記録する記録手段としての記録部(図示せず)を備えていてもよい。記録部は、ハードディスク、CD、DVD等、どのような記録装置から構成されていても構わない。記録部を備えることにより、自動車による移動の終了後のCOガスの量の解析やCOガスの排出量の証明等を容易に行うことができる。なお、この場合、デジタル変換部21によりデジタル変換されたデータおよび算出部19により算出された有害物質ガスの量の双方を記録するよう構成してもよい。
【0031】
次に、この発明に係るCOガス量算出システム11において、排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出する方法について説明する。図2は、この場合における処理の流れを示すフローチャートである。図1および図2を参照して、まず、各センサにより風力データ、温度データおよびCOガス濃度データを収集する(図2において、ステップS11、以下、ステップを省略する)。その後、これらのデータを、デジタル変換部21によりデジタル変換する(S12)。次に、パラメータ入力部23からパラメータを取込む(S13)。その後、COガスの排出量を算出するための計算処理を行う(S14)。
【0032】
ここで、計算処理について説明する。COガス量は、以下の式を用いて演算することによって得られる。
【0033】
排気ガス中に含有されるCOガス量=排気ガス中に含有されるCOガス濃度×排気温度係数×排出速度係数×パラメータα
ここで、排気温度係数は、排気ガスの温度から求められる係数である。排出速度係数は、排気ガスの風力から求められる係数である。COガス濃度は、排気ガスの温度および風力によって変化するので、この係数を使用することでより精度よくCOガス濃度を補正することができる。なお、図3は、排気温度とCOガス濃度との関係を概略的に示すグラフである。図3においては、横軸に排気温度を示し、縦軸にCOガス濃度を示す。また、図4は、風力とCOガス濃度との関係を概略的に示すグラフである。図4においては、横軸に風力を示し、縦軸にCOガス濃度を示す。図3および図4において、それぞれ右側、および上側に向かって、その値が大きくなる。排気温度係数、および排出速度係数はいずれも、実測データにより係数を求めるのが望ましい。
【0034】
パラメータαは、例えば、エンジン方式と排気量の関係から所定の係数を利用する。ここで、エンジンの方式データおよび排気量とパラメータ係数との関係について簡単に説明する。図5は、エンジンの方式の相違による排気量とパラメータ係数との関係を示すグラフである。図5において、横軸は、排気量を示し、縦軸は、パラメータ係数を示し、それぞれ右側、および上側に向かって、その値が大きくなる。図5中、実線でエンジンの方式がガソリンエンジンの場合を示し、点線でエンジンの方式がディーゼルエンジンの場合を示す。図5を参照して、ガソリンエンジンの場合は、ディーゼルエンジンの場合と比べて相対的に、パラメータ係数が小さく設定されている。また、排気量の増加に伴い、ガソリンエンジンの場合、パラメータ係数の上昇度合いは小さいが、ディーゼルエンジンの場合、パラメータ係数の上昇度合いが大きい。
【0035】
このようにして、パラメータαを用いて、計算処理を行う。なお、経年データや車両の重量データについても、パラメータαに反映させるようにしてもよい。これは、同じエンジンでも車両重量や経年変化等によって排出される有害物質ガス量が変化することを補正するためであり、例えば、実測データによりエンジン型式毎にパラメータの値を表にしておくことが望ましい。この表の一例を、図6に示す。
【0036】
ここでは、エンジンの排気量データ、エンジンの方式データ、エンジンを搭載した車両の重量データ、およびエンジンの経年データのうちの少なくともいずれか一つのパラメータに基づいて算出することにより、より精度よくCOガス量を算出することができる。
【0037】
次に、空燃比について簡単に説明する。図7は、空燃比と排気ガス中のガス成分との関係を概略的に示すグラフである。図7において、横軸は、空燃比を示し、縦軸は、排気ガス中における相対的なガスの成分の濃度を示す。図7中では、COガス、HCガス、COガス、NOxガス、およびOガスを示している。図7を参照して、理論空燃比よりも燃料が薄い場合および濃い場合の双方において、COガスおよびNOxガスの割合が増加している。このような空燃比データについても、パラメータαに反映させることにより、より精度よくCOガス量を算出することができる。
【0038】
その後、表示パネル27により計算処理したCOガス量を表示する(S15)。この場合、積算されたCOガス量を表示する。
【0039】
このように構成することにより、風力センサ、温度センサ、およびCOガス濃度センサにより、排気装置から排出される排気ガスの風力、温度、およびCOガスの濃度を検出し、検出した排気ガスの風力、温度、COガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出することができる。したがって、正確に、排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出することができる。
【0040】
この場合、表示パネルにCOガスの量を積算した値を表示しているため、自動車の運転者等に、環境に優しい運転をするよう促進させることができる。
【0041】
また、この発明に係る有害物質ガス量算出装置は、排気ガス中の有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出装置であって、排気ガスを排出する排気装置に取り付けられ、排気ガスの風力を検出する風力センサ、排気装置に取り付けられ、排気ガスの温度を検出する温度センサ、および排気装置に取り付けられ、排気ガス中に含有される有害物質ガスの濃度を検出する有害物質ガス濃度センサからのデータの入力を受付けるセンサデータインターフェース部と、センサデータインターフェース部において受付けたデータのデジタル変換を行うデジタル変換部と、デジタル変換部によりデジタル変換されたデータを基に計算処理を行う計算処理部とを備える。
【0042】
また、この発明に係る有害物質ガス量算出方法は、排気ガスを排出する排気装置により排出される排気ガスの風力を検出する風力検出ステップと、排気装置により排出される排気ガスの温度を検出する温度検出ステップと、排気装置により排出される排気ガス中に含有される有害物質の濃度を検出する有害物質ガス濃度検出ステップと、検出された排気ガスの風力、温度および有害物質ガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出ステップとを備える。
【0043】
このような構成の有害物質ガス量算出装置および有害物質ガス量算出方法によると、正確に、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出することができる。
【0044】
なお、上記の実施の形態においては、エンジンの方式やエンジンの経年といったパラメータを用いて、所定の演算を行なって有害物質ガスの量を算出することとしたが、これに限らず、他のパラメータを用いて所定の演算を行なって有害物質ガスの量を算出することとしてもよい。
【0045】
また、上記の実施の形態においては、有害物質ガスとして排気ガス中に含有されるCOガスの量を算出することとしたが、これに限らず、有害物質ガスとして、他の有害物質ガス、例えば、排気ガス中に含有されるNOxガスの量を算出することとしてもよい。
【0046】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明に係る有害物質ガス量算出システム、有害物質ガス量検出装置、および有害物質ガス量検出方法は、自動車や船舶を運転する運転者に対し、環境に優しい運転をするよう促進したい場合に、有効に利用される。
【符号の説明】
【0048】
11 COガス量算出システム、12 マフラー、13 管部、14 消音部、15a,15b 端部、16 風力センサ、17 温度センサ、18 COガス濃度センサ、19 算出部、20 センサデータインターフェース部、21 デジタル変換部、22 計算処理部、23 パラメータ入力部 24 空燃比センサ、25 表示部、26 車載計器制御部、27 表示パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気装置により排出される排気ガスの風力を検出する風力センサと、
前記排気装置により排出される排気ガスの温度を検出する温度センサと、
前記排気装置により排出される排気ガス中に含有される有害物質ガスの濃度を検出する有害物質ガス濃度センサと、
検出された排気ガスの風力、温度および有害物質ガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出手段とを備える、有害物質ガス量算出システム。
【請求項2】
前記有害物質ガス量算出手段は、前記風力センサ、前記温度センサ、および前記有害物質ガス濃度センサからのデータの入力を受付けるセンサデータインターフェース部と、
前記センサデータインターフェース部において受付けたデータのデジタル変換を行うデジタル変換部と、
前記デジタル変換部によりデジタル変換されたデータを基に計算処理を行う計算処理部とを含む、請求項1に記載の有害物質ガス量算出システム。
【請求項3】
前記エンジンの排気量データ、前記エンジンの方式データ、前記エンジンを搭載した車両の重量データ、および前記エンジンの経年データのうちの少なくともいずれか一つのパラメータを前記計算処理部に入力する入力手段を備え、
前記有害物質ガス量算出手段は、前記入力手段により入力された少なくとも一つのパラメータに基づいて、前記有害物質ガスの量を算出する、請求項2に記載の有害物質ガス量算出システム。
【請求項4】
前記デジタル変換部によりデジタル変換されたデータおよび前記有害物質ガス量算出手段により算出された有害物質ガスの量のうち、少なくともいずれか一方を記録する記録手段を備える、請求項2または3に記載の有害物質ガス量算出システム。
【請求項5】
前記有害物質ガス量算出手段は、前記エンジンに供給される燃料と空気の比率である空燃比に基づいて、前記有害物質ガスの量を算出する、請求項1〜4のいずれかに記載の有害物質ガス量算出システム。
【請求項6】
前記有害物質ガス量算出手段により算出した有害物質ガスの量を表示する表示手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の有害物質ガス量算出システム。
【請求項7】
前記有害物質ガス濃度センサは、排気ガス中に含有されるCOガスの濃度を検出するCOガス濃度センサを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の有害物質ガス量算出システム。
【請求項8】
排気ガス中の有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出装置であって、
排気ガスを排出する排気装置に取り付けられ、排気ガスの風力を検出する風力センサ、前記排気装置に取り付けられ、排気ガスの温度を検出する温度センサ、および前記排気装置に取り付けられ、排気ガス中に含有される有害物質ガスの濃度を検出する有害物質ガス濃度センサからのデータの入力を受付けるセンサデータインターフェース部と、
前記センサデータインターフェース部において受付けたデータのデジタル変換を行うデジタル変換部と、
前記デジタル変換部によりデジタル変換されたデータを基に計算処理を行う計算処理部とを備える、有害物質ガス量算出装置。
【請求項9】
排気ガスを排出する排気装置により排出される排気ガスの風力を検出する風力検出ステップと、
前記排気装置により排出される排気ガスの温度を検出する温度検出ステップと、
前記排気装置により排出される排気ガス中に含有される有害物質の濃度を検出する有害物質ガス濃度検出ステップと、
検出された排気ガスの風力、温度および有害物質ガスの濃度に基づいて、排気ガス中に含有される有害物質ガスの量を算出する有害物質ガス量算出ステップとを備える、有害物質ガス量算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−164429(P2010−164429A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6951(P2009−6951)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】