説明

枠部材、電子線装置及び画像表示装置の製造方法

【課題】ガラス板1a,1bを部分的に重ねて加熱し、押圧板2a,2bで強圧して接続して、額縁状に連続した枠部材を製造するに際し、接続部4の高い肉厚精度が得られるようにする。
【解決手段】軟化点がTs、ガラス転移点がTgで、厚さが等しい二枚のガラス板1a,1bを部分的に重ね、重なり部を温度T1まで加熱し、加熱した重なり部分を温度をT2の二枚の押圧板2a,2bで挟み、押圧板2a,2bの間隔が一枚のガラス板1a又は1bの厚さと等しくなるまで挟圧する。その後押圧板2a,2bを静止させ、ガラス板1a,1bを挟んだまま押圧板2a,2bの温度をT2からT3とした後、押圧板2a,2bをガラス板1a,1bから離すことで接合する。前記温度T1、T2、T3はT1≧Ts、Ts>T2≧Tg、T3<Tgとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスで構成された額縁状の枠部材、それを基板間に挟み込んで封着することで構成される電子線装置及び画像表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネル状の画像表示装置の外囲器の一部を形成する枠部材の製造方法としては、二枚のガラス板を部分的に重ね合わせ、この重なり部分を加熱溶融させると共に一対の押圧板(押圧型)で挟圧して接合する方法が知られている(特許文献1参照)。この技術においては、押圧板の接触時間が長くなると熱衝撃によるクラックを生じやすくなることから、押圧板による挟圧は瞬間的(2秒以下)に行われている。また、押圧板間の間隔制御は、歯車等を利用した駆動機構による位置制御で行われている。更に、上記と同様の瞬間的な挟圧に用いる押圧板において、一方の押圧板の対向面に突起部を設けておくことで、押圧板間にガラス板の厚さに対応する隙間が形成されるようにすることも知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−160347号公報明細書
【特許文献2】特開2005−320205号公報明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の方法では、挟圧が瞬間的なものであることから、加熱した重なり部分の成形が不十分になりやすく、接続部の高い肉厚精度が得にくい問題がある。また、押圧板間の隙間を駆動機構や突起部で行っていることから、これらの加工精度や損耗によって誤差を生じやすいことも接続部の高い肉厚精度が得にくい原因となっている。
【0005】
ところで、枠部材は、二枚の基板の周縁部間に挟み込んで封着することで、電子線装置及び画像表示装置の外囲器を構成する部材として使用される。上記のように接続部の肉厚制度が劣る枠部材を用いると、封着不良による真空リークを生じやすく、電子線装置及び画像表示装置の生産性を低下させる原因となる。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、ガラス板を部分的に重ねて加熱し、押圧板で強圧して接続して、額縁状に連続した枠部材を製造するに際し、接続部の高い肉厚精度が得られるようにすることを第一の目的とする。また、枠部材を用いた電子線装置及び画像表示装置の製造に際し、内部の高い真空度を維持可能な封着を容易かつ確実に行えるようにし、電子線装置及び画像表示装置の生産性を高めることができるようにすることを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一は、軟化点がTs、ガラス転移点がTgで、厚さが等しい二枚のガラス板を部分的に温度T1まで加熱し、かつ該ガラス板の加熱された部分の一部同士を重ね、該加熱された重なり部分を二枚の押圧板で挟圧すると共に、少なくとも該挟圧途中で前記押圧板の温度をT2とし、前記二枚の押圧板の間隔が前記ガラス板の一枚の厚さと等しくなるまで挟圧した後押圧板を静止させ、前記ガラス板を挟んだまま前記押圧板の温度をT2からT3とした後、前記押圧板を前記ガラス板から離すことで前記二枚のガラス板を接合する工程を有し、前記温度T1、T2、T3が、T1≧Ts、Ts>T2≧Tg、T3<Tgであることを特徴とする枠部材の製造方法を提供するものである。
【0008】
本発明の第二は、電子放出素子が設けられた第一基板と、アノードが設けられた第二基板とを、前記電子放出素子の設置側と前記アノードの設置側とを内面側にして向き合わせて、周縁部に枠部材を挟み込んで封着する電子線装置の製造方法において、前記枠部材として本発明の第一に係る製造方法で製造された枠部材を用いることを特徴とする電子線装置の製造方法を提供するものである。
【0009】
本発明の第三は、本発明の第二に係る電子線装置の製造方法における第二基板として、アノードと共に、電子線の照射により発光して画像を表示する画像形成部材を備えた基板を用いることを特徴とする画像表示装置の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第一によれば、押圧板の温度は、少なくとも挟圧途中から、軟化点未満ではあるがガラス転移点以上の温度に保たれる。従って、押圧板による挟圧時間が長くなっても、加熱された重なり部分が押圧板により冷却されることによる、クラックの発生、成形の途中停止、収縮による変形等を防止でき、接続部を時間をかけて十分に成形することができる。従って、接続部の肉厚精度を向上させることができる。また、押圧板のガラス板からの分離は、ガラス板を挟んだまま押圧板の温度をガラス転移点未満に下げてから行われるので、加熱された重なり部分が押圧板へ付着した状態で押圧板が分離されことによる変形や破損を防止することができる。
【0011】
本発明の第二及び第三によれば、接続部の肉厚精度の高い枠部材を用いて電子線装置及び画像表示装置を製造することができるので、封着時に容易に高い封止力を得ることができる。このため、内部の高い真空度を長期に亘って維持できる電子線装置及び画像表示装置を容易に製造することができると共に、これらの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるガラス板の接続手順の説明図である。
【図2】二枚のガラス板の重なり部の温度及び押圧板の温度の変化と、重なり部の厚さ変化とを同じ時間軸で示すグラフである。
【図3】本発明により製造される枠部材の例を示す平面図である。
【図4】イコライズ機構を有する押圧板の正面図である。
【図5】押圧板と共に挟持板を用いる場合の説明図である。
【図6】本発明により製造する電子線装置及び画像表示装置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を使用して説明する。
【0014】
図1は本発明によるガラス板の接続手順の説明図で、(a−1)は接続するガラス板の端部を重ねて配置した状態の正面図、(a−2)は(a−1)の右側面図である。(b−1)は加熱された重なり部分を二枚の押圧板で挟圧している状態の正面図、(b−2)は(b−1)の右側面図である。(c)は加熱された重なり部分をガラス板の一枚の厚さと等しくなるまで挟圧した状態の正面図、(d)は(c)を経て冷却後に押圧板をガラス板から離した状態の正面図、(e)は(d)のガラス板の右側面図である。
【0015】
本発明による枠部材5(図3参照)の製造は、ガラス板1a,1bを接続することで行われる。接続は、厚さが等しい二枚のガラス板1a,1bを部分的に重ね、この重なり部分を加熱し、押圧板2a,2bで挟圧することで行われる。ガラス板1a,1bとしては、低膨張ガラスが好ましい。押圧板2a,2bは、耐熱、耐久性の点から、ボロンナイトライド(BN)に窒化ケイ素を混合したセラミクスで構成することが好ましい。また、押圧板2a,2bの成形面(ガラス板1a,1bとの接触面)は、良好な離型性を得ると共に、後述する接合部4の平滑性を得るために、中心線平均粗さRa=0.1程度の表面粗さとなるように処理しておくことが望ましい。
【0016】
更に説明すると、図1(a−1)及び(a−2)に示されるように、二枚のガラス板1a,1bを直角方向に配置し、端部同士を重ねる。そして、この重なり部分を、例えば赤外線ランプなどで温度T1へ加熱する。この加熱は、ガラス板1a,1bの軟化点をTsとした場合、T1≧Tsとなるように行う。
【0017】
次いで、温度T1に加熱された部分の少なくとも一部同士の重なり部分を、図1(b−1)及び(b−2)に示されるように、平行で相対向する二枚の押圧板2a,2bで挟圧する。そして図1(c)に示されるように、重なり部分が一枚のガラス板1a又は1bの厚さになるまで圧縮する。押圧板2a,2bは、少なくとも挟圧途中で温度T2とする。この温度T2は、ガラス板1a,1bのガラス転移点をTgとすると、Ts>T2≧Tgの範囲である。二枚の押圧板2a,2bをこのような温度T2とすることにより、押圧板2a,2bによる挟圧時間が長くなっても、加熱された重なり部分が押圧板2a,2bにより冷却されることによるクラックの発生、圧縮成形の途中停止、収縮による変形等を防止できる。このため、重なり部を強圧することで形成される接続部4を時間をかけて十分に成形することができる。押圧板2a,2bは、当初はT2未満でも、少なくとも挟圧途中で温度T2まで昇温させれば足るが、挟圧前に温度T2まで加熱しておくと、より確実に上記クラックの発生、圧縮成形の途中停止、収縮による変形等を防止できるので好ましい。
【0018】
温度T2の二枚の押圧板2a,2bの間隔がガラス板1a,1bの一枚の厚さと等しくなるまで挟圧した後押圧板2a,2bを静止させ、加熱された重なり部分の厚さが一枚のガラス板1a又は1bと等しい厚さに安定するまで保持する。その後、ガラス板1a,1bを挟んだまま押圧板2a,2bの温度をT2からT3とする。この温度T3はT3<Tgの範囲の温度である。温度をT3とした後、図1(d)に示されるように、押圧板2a,2bをガラス板1a,1bから離すことで、図1(e)に示されるように、二枚の細板状ガラス板1a,1bが直角に接合されたL型接合ガラス板3を得ることができる。図1(e)において、破線の斜線部分が上述の加熱と挟圧で形成した接合部4である。ガラス板1a,1bを挟んだ押圧板2a,2bの温度をT3とすることにより、ガラス板1a,1bが押圧板2a,2bへ付着した状態で押圧板2a,2bが分離されことによる変形や破損を防止することができる。
【0019】
押圧板2a,2bによる挟圧時にその間隔を一枚のガラス板1a又は1bと等しい間隔とする制御は、押圧板2a,2bの前進移動量をその駆動機構によって制御することで行うこともできる。しかし、押圧板2a,2b間に、ガラス板1a,1bの温度がT3の部分であって、押圧板2a,2bで挟圧しても変形しない部分を挟み付けることで行うのが最も簡便で精度も高いので好ましい。挟み付けるのは、ガラス板1a,1bの一方でもよいが、挟み付けた時の安定性が高くなることから、両者を挟み付けることが好ましい。
【0020】
上述の接合操作を図2で説明する。ガラス板1a,1bの一枚の厚さをhとすると、その重なり部の厚さは当初2hである。この状態でガラス板1a,1bの重なり部を温度T1まで加熱する。重なり部は加熱により徐々に軟化し、溶融することで、自然に一体化し始め、重なり部の厚さはh+α(αはh>α>0の範囲の値)となる。また、押圧板2a,2bも温度T2まで加熱する。図2においては、押圧板2a,2bは温度T2まで加熱された後に閉鎖作動され、温度T1まで加熱された重なり部を挟圧するものとなっている。
【0021】
上記挟圧により加熱された重なり部は圧縮成形されて、厚さがhとなる。つまり図1で説明した押圧板2a,2bの間隔がhとなる。挟圧中は押圧板2a,2bの温度はT2に維持され、重なり部の温度も徐々にT2付近にまで降下してくる。押圧板2a,2bは間隔hの状態で静止され、適宜の時間保持される。その後、押圧板2a,2bの温度をT3まで降下させる。重なり部と共に押圧板2a,2bの温度をT3まで降下させた後、押圧板2a,2bを開いて、二枚のガラス板1a,1bが直角に接合されたL型接合ガラス板3を取り出す。
【0022】
ガラス板1a,1bの重なり部分及び押圧板2a,2aの温度制御は、オープンループ制御、クローズドループ制御のいずれでも行うことができる。クローズドループ制御の場合、温度の検知手段として熱電対、赤外放射温度計等を使用して温度を直接的に測定することができる。また、ロードセルなどを使用して押圧板2a,2bの受ける反力を検出し、ガラス板1a,1bの温度と粘度の関係から間接的に測定することも可能である。
【0023】
図3に示されるように、最終的に製造する枠部材5は、額縁状のもので、例えば図3(a)に示される枠部材5は、上述のようにして形成した二枚のL型接合ガラス板3の端部同士を上記と同様にして接合することで得ることができる。図3(b)及び(c)に示される枠部材5は、ガラス板からL字形に切り出したL型切り出しガラス板3′の端部同士を上記と同様にして接合した物である。なお、破線の斜線部として示す部分は接合部4である。
【0024】
枠部材5を製造する際に複数の接合部4を形成する場合、一対の押圧板2a,2bを用いて1箇所ずつ別々に形成してもよいが、複数対の押圧板2a,2b…を用意し、複数の接合部4を同時に形成するようにしても良い。
【0025】
本発明に用いる押圧板2a,2bによる押圧機構としては、図4に示されるように、二枚の押圧板2a,2bうちの一方がイコライズ機構を有している押圧機構を用いることが好ましい。イコライズ機構とは、接触面の傾斜に応じて自動的かつ弾性的に角度調整可能な機構である。更に説明すると、図中左側の押圧板2aは、対向する右側の押圧板2bに向かって進退される台板6aに取り付けられている。図中左側の押圧板2bは、右側の押圧板2aに向かって進退される台板6bに案内ボルト7及びスプリング8を介して保持された傾動板9に取り付けられている。案内ボルト7は、台板6bの四隅に立設されており、各案内ボルト7はそれぞれ傾動板9の四隅に形成されたスライド孔10を介して、周囲に遊びを持って傾動板9を貫通している。案内ボルト7は、台板6bと傾動板9の間に圧縮されて挟み込まれたコイル状のスプリング8の内側に差し込まれている。つまり、傾動板9は、スプリング8によって案内ボルト7の頭部に押し付けられる位置まで前進させられており、押圧板2bが押されると、スプリングを圧縮させつつ案内ボルト7に沿って後退可能となっている。また、案内ボルト7は周囲に遊びを持ってスライド孔10に差し込まれているので、この後退時に傾動板9は弾性的に傾動可能となっている。このようなイコライズ機構を押圧板2bに持たせておくと、両押圧板2a,2bの対向面の平行度が不完全な設置状態であっても、押圧板2a,2bによる挟圧時に、両者の対向面を自動的に平行に調整することが可能となる。なお、台板6a,6bの両者を進退可能として説明したが、進退可能とするのはいずれか一方のみでもよい。
【0026】
本発明においては、図5に示されるような押圧機構を用いることが好ましい。図5(a)は押圧板と挟持板を用いた一対の押圧機構の正面図、(b)は(a)における右側の押圧機構を除去した状態の右側面図である。この一対の押圧機構は、押圧板2a,2bと連動する挟持板11a,11b,12a,12bを用いて接合を行うものとなっている。更に説明すると、押圧板2aと挟持板11a,12aは台板6a上に設けられ、押圧板2bと挟持板11b,12bは台板6b上に設けられており、それぞれ台板6a,6bの進退と共に同時に進退されるものとなっている。押圧板6a,6bは、前述のように温度T2に加熱された後に温度T3へ降温されるものであるが、挟持板11a,11b,12a,12bは押圧板6a,6bとは離れて設置されており、温度T3の範囲に維持できるようになっている。また、挟持板11aと12a、挟持板11bと12bは、それぞれ相対向する位置に設けられており、押圧板2a,2bの挟圧によってガラス板1a,1bの加熱された重なり部分が押し潰された時に、それぞれガラス板1a,1bを挟持するものとなっている。挟持板11aと12aは、ガラス板1aの温度がT3の範囲に保たれる部分を挟み付け、挟持板11bと12bは、ガラス板1bの温度がT3の範囲に保たれる部分を挟み付けるものとなっている。このようにすると、挟持板11aと12a,11bと12bで挟み付けた部分が変形する恐れがないので、前記加熱された重なり部分を押し潰した時の押圧板2a,2bの間隔を確実にガラス板1a,1bの一枚の厚さに規制することができる。なお、挟持板11aと12a又は11bと12bのいずれか一方とし、ガラス板1a,1bの少なくともいずれか一方を挟むことでも良いが、挟み付けた状態の安定性を得やすいことから、両者を挟み付けるようにすることが好ましい。
【0027】
上記のようにして製造した枠部材5は、電子源装置及び画像表示装置の製造に用いることができる。図6に示される画像表示装置101は、第一基板(第一基板)102と、第二基板(第二基板)103とを有している。第一基板102と第二基板103は、周縁部に枠部材5を挟み込んで封着されることにより、密閉され真空に維持された内部空間を有する外囲器104(気密容器)を形成している。
【0028】
第一基板102の内面側(第二基板103との対向面側)には、画像信号に応じて電子を放出する多数の電子放出素子105が設けられ、画像信号に応じて各電子放出素子105を駆動させるための配線(X方向配線106、Y方向配線107)が形成されている。第二基板103は透明なガラス材料からなり、内面側には、電子の照射を受けて発光して画像を表示する画像形成部材(蛍光膜)108が設けられている。画像形成部材108上にはメタルバックと称されるアノード109が形成されており、アノード109と画像形成部材108とが積層された構成をとっている。アノード109は、Al薄膜等の導電材料で構成され、電子を引き付ける電極としての機能を奏するもので、外囲器1104に設けられた高圧端子Hvから電位の供給を受ける。第一基板102の電子放出素子105の設置側と、第二基板10のアノード109及び蛍光膜108の設置側内面側となって対向されている。第一基板102上に設けられた電子放出素子105のカソードと、第二基板103上に設けられたアノード109とは対向配置され、電子線装置を構成している。画像表示装置101は、第二基板103として、電子線装置のアノード109と共に、電子線の照射により発光して画像を表示する画像形成部材108を備えた基板を用いることによって構成されている。
【0029】
上記画像表示装置101は電子放出素子105を用いた電界放出形ディスプレイ(FED)の例であるが、本発明は有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)の製造に利用することもできる。
【符号の説明】
【0030】
1a,1b:ガラス板、2a,2b:押圧板、3:L型接合ガラス板、3′:L型切り出しガラス板、4:接合部、5:枠部材、6a,6b:台板、7:案内ボルト、8:スプリング、9:傾動板、10:スライド孔、11a,11b,12a,12b:挟持板、101:画像表示装置、102:第一基板、103:第二基板、104:外囲器、105:電子放出素子、106:X方向配線、107:Y方向配線、108:画像形成部材、109:アノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟化点がTs、ガラス転移点がTgで、厚さが等しい二枚のガラス板を部分的に温度T1まで加熱し、かつ該ガラス板の加熱された部分の一部同士を重ね、該加熱された重なり部分を二枚の押圧板で挟圧すると共に、少なくとも該挟圧途中で前記押圧板の温度をT2とし、前記二枚の押圧板の間隔が前記ガラス板の一枚の厚さと等しくなるまで挟圧した後押圧板を静止させ、前記ガラス板を挟んだまま前記押圧板の温度をT2からT3とした後、前記押圧板を前記ガラス板から離すことで前記二枚のガラス板を接合する工程を有し、前記温度T1、T2、T3が、T1≧Ts、Ts>T2≧Tg、T3<Tgであることを特徴とする枠部材の製造方法。
【請求項2】
押圧板の温度を、前記加熱された重なり部分の挟圧前からT2としておくことを特徴とする請求項1に記載の枠部材の製造方法。
【請求項3】
押圧板の温度を、前記加熱された重なり部分の挟圧前はT2未満としておき、前記加熱された重なり部分の挟圧中にT2へ昇温させることを特徴とする請求項1に記載の枠部材の製造方法。
【請求項4】
二枚のうちの一方がイコライズ機構を有する押圧板を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の枠部材の製造方法。
【請求項5】
前記押圧板の間に、前記二枚のガラス板のうちの少なくとも一方であって温度がT3である部分を挟み付けることで、前記押圧板の間隔を規制することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の枠部材の製造方法。
【請求項6】
前記押圧板と連動し、温度がT3の二枚の挟持板を設け、前記押圧板による前記加熱された重なり部分の挟圧と共に、前記挟持板により、前記二枚のガラス板のうちの少なくとも一方であって温度がT3である部分を挟み付け、前記挟持板の間隔で前記押圧板の間隔を規制することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の枠部材の製造方法。
【請求項7】
電子放出素子が設けられた第一基板と、アノードが設けられた第二基板とを、前記電子放出素子の設置側と前記アノードの設置側とを内面側にして向き合わせて、周縁部に枠部材を挟み込んで封着する電子線装置の製造方法において、前記枠部材として請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法で製造された枠部材を用いることを特徴とする電子線装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の電子線装置の製造方法における第二基板として、アノードと共に、電子線の照射により発光して画像を表示する画像形成部材を備えた基板を用いることを特徴とする画像表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−193078(P2012−193078A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58867(P2011−58867)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】