説明

根菜類収穫機

【課題】作物の落下を防止することが可能な根菜類収穫機を提供すること
【解決手段】作物を圃場から引き抜き、作物の茎葉部を保持して後上方に搬送する収穫部Cと、収穫部Cによって搬送される作物の根部の上昇を規制して、作物の根部の上端の高さを揃える位置揃え装置100と、高さが揃えられた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置61とを備え、位置揃え装置100R、100Lは、作物の茎葉部が通過する隙間を形成するように左右一対に配置され、夫々回転する無端状の位置揃えチェーン48と、位置揃えチェーン48に設けられ、作物の根部の上端を規制するガイド体101と、チェーン48に設けられ、作物の茎葉部が通過する際に茎葉部を保持する保持部100とを有する、人参収穫機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の根菜類収穫機には、圃場から引き抜いた作物を搬送し、茎葉部を切断する際に、茎葉部の切断位置を揃える位置揃え部が設けられている。
【0003】
この位置揃え部としては、チェーンの側面にガイドローラが所定間隔を空けて取り付けられたものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に示すガイドローラは、作物の茎葉部と接触し、茎葉部の上下移動に伴って回転するように構成されており、作物の上昇を規制することによって、位置揃えが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3222866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の根菜類収穫機では、ガイドローラを用いているため、作物の茎葉部を保持する力が弱かった。そのため、茎葉部に水や泥が付着している場合には、滑り落ちる可能性があった。
【0006】
本発明は、従来の根菜類収穫機の課題を考慮し、作物の落下を防止することが可能な根菜類収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
作物を圃場から引き抜き、前記作物の茎葉部を保持して後上方に搬送する引抜搬送部(24)と、
前記引抜搬送部(24)によって搬送される作物の根部の上昇を規制して、前記作物の根部の上端の高さを揃える位置揃え部(100)と、
前記高さが揃えられた作物の茎葉部を切断する茎葉切断部(61)とを備え、
前記位置揃え部(100)は、
前記作物の茎葉部が通過する隙間を形成するように左右一対に配置され、夫々回転する無端状のチェーン部(48)と、
前記チェーン部(48)に設けられ、前記作物の根部の上端を規制するガイド体(101)と、
前記チェーン部(48)に設けられ、前記作物の茎葉部が通過する際に前記茎葉部を保持する保持部(110)とを有する、根菜類収穫機である。
【0008】
第2の本発明は、
前記チェーン部(48)は、ローラチェーンであって、上プレート(481a)及び下プレート(481b)を持つリンク(481)と、ローラ(483)を有し、
前記ガイド体(101)は、
前記リンク(481)に配置されたコの字形状の部材であって、前記上プレート(481a)の上側を覆う上面(101a)と、前記上プレート(481a)及び前記下プレート(481b)の外周側を覆う外周面(101c)と、前記下プレート(481b)の下側を覆う下面(101b)とを有し、
前記保持部(110)は、前記ガイド体(101)に配置又は形成されている、第1の本発明の根菜類収穫機である。
【0009】
第3の本発明は、
前記保持部(110)は、
前記ガイド体(101)の上側に、前記茎葉部を保持する茎葉保持位置と前記茎葉部を保持しない非茎葉保持位置との間を回動自在に配置された板状部材であり、
前記チェーン部(48)の外周側の端部には凹凸(110a)が形成されており、
前記位置揃え部(100)は、
前記一対に配置されたチェーン部(48)が対向する位置揃え作用域(130)と、
前記保持部を前記非茎葉保持位置側に付勢する付勢部(111)と、
前記位置揃え作用域(130)で、前記付勢部(111)の付勢力に対抗して、前記保持部を前記茎葉保持位置に回動させ、前記端部を前記ガイド体(101)から突出させる押出部(120)を更に備えた、第2の本発明の根菜類収穫機である。
【0010】
第4の本発明は、
前記押出部(120)は、前記保持部(110)に当接する押出板部(121)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(101)のうち一方の前記ガイド体(101)に配置された前記保持部(110)が、前記茎葉保持位置に配置され、他方の前記ガイド体(101)に配置された前記保持部(110)が前記非茎葉保持位置に配置されるように、前記押出板部(121)が形成されている、第3の本発明の根菜類収穫機である。
【0011】
第5の本発明は、
前記保持部(110)は、
前記ガイド体(101)の上側に配置された板状部材であり、
前記板状部材の、前記チェーン部(48)の外周側の端部は、前記ガイド体から突出し、その端部には凹凸(110a)が形成されている、第2の本発明の根菜類収穫機である。
【0012】
第6の本発明は、
前記位置揃え部(150)は、
前記一対に配置されたチェーン部(48)が対向する位置揃え作用域(130)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(101)の一方にのみ前記保持部(110)が配置されるように、前記保持部(110)は、一周の前記チェーン部(48)に関して、所定の個数毎に前記ガイド体(101)に配置されている、第3又は5の本発明の根菜類収穫機である。
【0013】
第7の本発明は、
前記ガイド体(201)は、L字状の上部材(202)とL字状の下部材(203)に分割されており、
前記上部材(202)は、外周側に突出可能に構成されており、
前記突出した位置が、前記茎葉部を保持する茎葉保持位置であり、
前記突出しない位置が、前記茎葉部を保持しない非茎葉保持位置であり、
前記上部材(202)は、前記保持部と兼ねられており、
前記位置揃え部(200)は、
前記一対に配置されたチェーン部が対向する位置揃え作用域(130)を有し、
前記上部材(202)を前記非茎葉保持位置側に付勢する付勢部(205)と、
前記位置揃え作用域(130)で、前記付勢部(205)の付勢力に対抗して、前記保持部(110)を前記茎葉保持位置に移動させる押出部(210)を更に備えた、第2の本発明の根菜類収穫機である。
【0014】
第8の本発明は、
前記押出部(210)は、前記保持部に当接する押出板部(211)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(201)のうち一方の前記ガイド体(201)の前記上部材(202)が前記茎葉保持位置に配置され、他方の前記ガイド体(201)の前記上部材(202)が前記非茎葉保持位置に配置されるように、前記押出板部(211)が形成されている、第7の本発明の根菜類収穫機である。
【0015】
第9の本発明は、
前記ガイド体(301)は、その上部が少なくとも軟質部材によって形成されており、
前記保持部は、前記外周面の前記上部に形成された突起部(302c)であり、
前記突起部(302c)は、内部に空洞(302d)を有している、第2の本発明の根菜類収穫機である。
【0016】
第10の本発明は、
前記ガイド体(401)は、
前記外周面に形成された開口部(401e)と、
前記開口部の縁に形成された突起部(401d)とを有し、
前記突起部(401d)は、前記保持部を兼ねている、第2の本発明の根菜類収穫機である。
【0017】
第11の本発明は、
前記位置揃え部(400)は、
前記一対に配置されたチェーン部(48)が対向する位置揃え作用域(130)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で対向する一対の前記ガイド体(101、481)の一方にのみ前記突起部(401d)が形成されるように、一周の前記チェーン部(48)に関して、前記突起部(401d)は所定の個数毎に前記ガイド体(401)に形成されている、第10の本発明の根菜類収穫機である。
【0018】
第12の本発明は、
前記ガイド体(501)は、
前記外周面(501c)の前後方向における中央部に、上下方向に形成された縦溝(501e)と、
前記下面(501b)に形成された、前記作物の根部の滑り止めをする複数の受溝(501f)とを有する、第2の本発明の根菜類収穫機である。
【0019】
第13の本発明は、
前記上面(511a)に形成された複数の受溝(511f)を更に備え、
前記上面(511a)に形成された複数の受溝(511f)と、前記下面(511b)に形成された複数の受溝(511f)が、前記茎葉部の搬送方向に対して斜めに形成されている、第12の本発明の根菜類収穫機である。
【発明の効果】
【0020】
第1の本発明によって、ガイド体(101)に作物の茎葉部を保持する保持部(110)を設けたことにより、作物の茎葉部を保持することができるので、茎葉部に水や泥が付着していても滑り落ちることが防止され、搬送精度が向上する。
【0021】
第2の本発明によって、チェーン部(48)を構成するリンク(481)の上リンク(481a)と下リンク(481b)と側面とを断面コの字形のガイド体(101)で覆うことにより、作物の茎葉部や根部がチェーン部(48)に直接接触することを防止でき、作物が傷付くことがなく、商品価値が向上する。
【0022】
又、各リンク(481)を断面コの字形のガイド体(101)で覆うことにより、チェーン部(48)とガイド体(101)との間に空間部が生じないため、チェーンとガイド体との間に作物の茎葉部を噛み込んで位置揃え装置が停止することを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く作業が必要なくなり、作業能率が向上する。
【0023】
又、チェーン部(48)とガイド体(101)との間に作物の茎葉部が入り込まないので、この茎葉部がガイド体を押圧することがなく、左右の位置揃え装置が作物の茎葉部を挟持することが防止され、茎葉部の切断位置を適正な位置に揃えることができ、切り残された茎葉部を後工程で取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、作物の根部が切断されるのを防止でき、商品価値が向上する。
【0024】
第3の本発明によって、保持部(110)に凹凸(110a)を形成したことにより、茎葉部がこの凹凸(110a)に挟まれるので、保持力がいっそう高まり、水や泥の付着した茎葉部の抜け落ちが防止できるので、搬送精度が向上する。
【0025】
又、保持部(110)を茎葉支持位置側と“非” 茎葉支持位置側に回動自在に前記ガイド体(101)に装着することにより、茎葉部の太さに合わせて保持部が移動することができるので、細い茎葉部であっても確実に保持されると共に、太い茎葉部であっても位置揃え装置の間に詰まることが防止される。
【0026】
又、位置揃え作用域(130)で保持部(110)を茎葉支持位置側に回動させる押出部(120)を設けたことにより、作物の位置揃えを行なう場所では茎葉部が左右に移動することを防止できるので、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0027】
又、位置揃え作用域(130)以外では保持部(110)が非茎葉支持位置側に退避することにより、位置揃え装置(100)の搬送始端側での茎葉部の進入の妨げとならず、搬送精度及び作業能率が向上する。
【0028】
第4の本発明によって、対向する一対の前記ガイド体(101)のうち一方の前記ガイド体(101)に配置された前記保持部(110)が、前記茎葉保持位置に配置され、他方の前記ガイド体(101)に配置された前記保持部(110)が前記非茎葉保持位置に配置されるように、前記押出板部(121)が形成されていることにより、例えば、太い茎葉部が入り込んだ場合、その前後の保持位置が逆に狭くなり、先行する茎葉部や後続の茎葉部を離してしまうことが防止され、茎葉部の搬送速度及び切断速度を向上させることが出来る。
【0029】
第5の本発明によって、保持部(110)に凹凸(110a)を形成したことにより、茎葉部がこの凹凸(110a)に挟まれるので、保持力がいっそう高まり、水や泥の付着した茎葉部の抜け落ちが防止できるので、搬送精度が向上する。
【0030】
第6の本発明によって、保持部(110)は所定の個数毎にガイド体(101)に配置されていることにより、径の異なる茎葉部が連続して入り込んで来ても、一部が開き過ぎたり、一部が狭くなり過ぎることが防止され、茎葉部の搬送精度と切断精度が向上すると共に、詰まりが防止され、作業能率が向上する。
【0031】
又、前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(101)の一方にのみ前記保持部(110)が配置されるように、前記保持部(110)は、一周の前記チェーン部(48)に関して、所定の個数毎に前記ガイド体(101)に配置されていることにより、例えば、太い茎葉部が入り込んだ場合、その前後の保持位置が逆に狭くなり、先行する茎葉部や後続の茎葉部を離してしまうことが防止され、茎葉部の搬送速度及び切断速度を向上させることが出来る。
【0032】
第7の本発明によって、ガイド体(201)を分割し、上側のガイド体(202)を茎葉支持位置側に突出させることにより、作物の茎葉部を保持することができるので、茎葉部に水や泥が付着していても滑り落ちることが防止され、搬送精度が向上する。
【0033】
又、上側のガイド体(202)と下側のガイド体(203)で茎葉部を保持することにより、茎葉部を曲げて保持することができるので、保持力がいっそう強くなり、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0034】
第8の本発明によって、前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(201)のうち一方の前記ガイド体(201)の前記上部材(202)が前記茎葉保持位置に配置され、他方の前記ガイド体(201)の前記上部材(202)が前記非茎葉保持位置に配置されるように、前記押出板部(211)が形成されていることにより、例えば、太い茎葉部が入り込んだ場合、その前後の保持位置が逆に狭くなり、先行する茎葉部や後続の茎葉部を離してしまうことが防止され、茎葉部の搬送速度及び切断速度を向上させることが出来る。
【0035】
第9の本発明によって、ガイド体(301)の少なくとも上部(302)を軟質部材で構成し、ガイド体(301)の上部に中空の突起(302c)を形成することにより、保持する茎葉部の径に応じて中空の突起が潰れて茎葉部を保持するので、保持力がいっそう強くなり、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0036】
第10の本発明によって、ガイド体(401)の位置揃え作用域(130)側に窓部(401e)を形成し、この窓部(401e)の外周に茎葉支持側に突出する突起部(401d)を形成して保持部を形成したことにより、作物の茎葉部はこの突起部(401d)に保持されるので、茎葉部が左右方向に移動しにくくなり、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0037】
第11の本発明によって、左右の保持部は位置揃え搬送作用域では同一位相に並ばない配置構成(前記位置揃え作用域(130)で対向する一対の前記ガイド体(101、481)の一方にのみ前記突起部(401d)が形成されるように、一周の前記チェーン部(48)に関して、前記突起部(401d)は所定の個数毎に前記ガイド体(401)に形成されている構成)とすることにより、太い茎葉部が入り込むとその前後の保持位置は逆に狭くなるので、先行する茎葉部や後続の茎葉部を離してしまうことが防止され、茎葉部の搬送精度及び切断精度が向上する。
【0038】
第12の本発明によって、ガイド体(501)の前後中央部に上下方向の縦溝(501e)を形成したことにより、茎葉部の径が太くても、この縦溝(501e)に入り込ませることができるので、茎葉部の詰まりが防止されて、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0039】
ガイド体(501)の下部(501b)に、作物の根部の滑り止めとなる複数の受溝(501f)を形成したことにより、位置揃え装置の下面に接触した作物に水が付着していても滑って動くことを防止できるので、位置揃え中の作物が揺れにくく、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0040】
第13の本発明によって、ガイド体(511)の上面(511a)にも受溝(511f)を形成したことにより、一方の受溝(511f)が摩耗したらガイド体(511)をひっくり返すことにより、他方の受溝(511f)が摩耗し切るまで使うことができるので、耐久性が向上し、長期に亘り十分な機能を発揮できる。
【0041】
受溝(511f)を斜めに形成したことにより、滑り止め力が向上するので、さらに搬送精度及び切断精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における人参収穫機の全体を示す右側面構成図
【図2】本発明にかかる実施の形態1における人参収穫機の全体を示す平面構成図
【図3】本発明にかかる実施の形態1における位置揃え切断部の平面構成図
【図4】本発明にかかる実施の形態1における位置揃え切断部の右側面構成図
【図5】本発明にかかる実施の形態1における位置揃え装置の平面構成図
【図6】本発明にかかる実施の形態1における位置揃えチェーンの斜視構成図
【図7】本発明にかかる実施の形態1における位置揃えチェーンにガイド体を配置した状態を示す斜視構成図
【図8】本発明にかかる実施の形態1における位置揃えチェーンにガイド体及び保持部を配置した状態を示す斜視構成図
【図9】本発明にかかる実施の形態1における位置揃え装置の一部を拡大した斜視構成図
【図10】本発明にかかる実施の形態1における選別搬送部の右側面構成図
【図11】本発明にかかる実施の形態1における人参収穫機の動作を説明するための側面構成図
【図12】本発明にかかる実施の形態1における位置揃え装置の動作を説明するための正面構成図
【図13(a)】本発明にかかる実施の形態1の変形例における位置揃え装置の平面構成図
【図13(b)】本発明にかかる実施の形態1の変形例における位置揃え装置の平面構成図
【図14】本発明にかかる実施の形態2におけるガイド体の斜視構成図
【図15】本発明にかかる実施の形態2における位置揃え装置の平面構成図
【図16】本発明にかかる実施の形態2における位置揃え装置の一部を拡大した斜視構成図
【図17】本発明にかかる実施の形態2における位置揃え作用領域近傍の平面構成図
【図18】本発明にかかる実施の形態2における位置揃え作用領域近傍の正面構成図
【図19】本発明にかかる実施の形態3におけるガイド体の斜視構成図
【図20】本発明にかかる実施の形態3における位置揃え装置の平面構成図
【図21】本発明にかかる実施の形態3における位置揃え装置の位置揃え作用領域近傍の正面構成図
【図22】本発明にかかる実施の形態3の変形例におけるガイド体の斜視構成図
【図23】本発明にかかる実施の形態3の変形例における位置揃え装置の平面構成図
【図24】本発明にかかる実施の形態4におけるガイド体の斜視構成図
【図25】本発明にかかる実施の形態4の位置揃え装置の位置揃え作用領域近傍の平面構成図
【図26】本発明にかかる実施の形態5におけるガイド体の斜視構成図
【図27】(a)本発明にかかる実施の形態5におけるガイド体の正面構成図、(b)本発明にかかる実施の形態5におけるガイド体の右側面構成図、(c)本発明にかかる実施の形態5におけるガイド体の左構成図、(d)本発明にかかる実施の形態5におけるガイド体の平面構成図、(e)本発明にかかる実施の形態5におけるガイド体の底面構成図
【図28】本発明にかかる実施の形態5における位置揃え装置の位置揃え作用領域近傍を示す底面構成図
【図29】本発明にかかる実施の形態5の変形例におけるガイド体の斜視構成図
【図30】(a)本発明にかかる実施の形態5の変形例におけるガイド体の正面構成図、(b)本発明にかかる実施の形態5の変形例におけるガイド体の右側面構成図、(c)本発明にかかる実施の形態5の変形例におけるガイド体の左構成図、(d)本発明にかかる実施の形態5の変形例におけるガイド体の平面構成図、(e)本発明にかかる実施の形態5の変形例におけるガイド体の底面構成図
【図31】本発明にかかる実施の形態5の変形例における位置揃え装置の位置揃え作用領域近傍を示す底面構成図
【図32】本発明にかかる実施の形態6における人参収穫機のコンベア群の動力伝達を模式的に示す構成図
【図33】本発明にかかる実施の形態6における人参収穫機のコンベア群の動力伝達を模式的に示す構成図
【図34】本発明にかかる実施の形態6における人参収穫機のコンベア群の動力伝達を模式的に示す構成図
【図35】本発明にかかる実施の形態6における人参収穫機のコンベア群の動力伝達を模式的に示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の根菜類収穫機の一例としての人参収穫機について図面を参照しながら説明する。
【0044】
(実施の形態1)
以下に、本発明にかかる実施の形態1における人参収穫機について説明する。
【0045】
図1は、本実施の形態1の人参収穫機の右側面構成図である。図2は、本実施の形態1の人参収穫機の平面構成図である。
【0046】
図1及び図2に示すように、本実施の形態1の人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体の右側面側に設けられ、圃場から人参を引き抜いて機体後上方に搬送する収穫部Cと、収穫部Cから人参を引き継いで、高さ方向の位置を揃えながら機体後方に搬送し、茎葉部を切断する位置揃え切断部Dと、位置揃え切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理しながら機体左側面側へ搬送する引継搬送部Eと、引継搬送部Eから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Fと、選別搬送部Fから排出される人参を収容する収容部Gとを備えている。
【0047】
以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0048】
はじめに、走行部Aの構成について説明する。
【0049】
図1及び図2に示すように、走行部Aは、機体フレーム1に一定の左右間隔を設けて配置された左右クローラ6L、6Rを有している。この左右クローラ6L、6Rは、機体フレーム1の下方であって機体前部側の左右に設けられた駆動スプロケット2、2と、機体後部側の左右に設けられた従動輪3、3と、左右の駆動スプロケット2、2と左右の従動輪3、3との間に取り付けた複数の転輪4と、これらの周りに捲き掛けられた左右のベルト5、5を有している。そして、左右のクローラ6L、6Rの駆動スプロケット2、2が、エンジンの動力が伝動されるミッションケース8から両側に延出させた左右ドライブシャフト9、9に取り付けられている。
【0050】
次に、操縦部Bの構成について説明する。
【0051】
図1及び図2に示すように、操縦部Bは、機体フレーム1の右側上部に取り付けられた操縦部フレーム10と、該操縦部フレーム10に取り付けられた操縦座席11と、操縦座席11の前側に取り付けられた操縦パネル12とを備えている。そして、操縦部フレーム10に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13が取り付けられると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14が取り付けられている。
【0052】
上記構成のように、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【0053】
次に、収穫部Cの構成について説明する。
【0054】
図1及び図2に示すように、収穫部Cは、引き抜いた人参を後上方へと搬送する引抜搬送装置24と、引抜搬送装置24の前方に設けられ、人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26と、横引起し装置26の前部に設ける分草杆27と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に設けられた、引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31と、エンジンの駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33に取り付けられ、人参の左右の土を振動によって解す左右の振動ソイラ34、34を備えている。
【0055】
そして、収穫部Cは、後述する引抜搬送通路Hの下方に引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置35を備えている。
【0056】
上記縦引起し装置25は、突起部25aが形成されたベルト状の部材を有しており、このベルト状の部材によって茎葉部を引き起こす。又、横引起し装置26は、突起部26aが形成されたベルト状の部材を有しており、このベルト状の部材によって茎葉部を掬いあげる。
【0057】
上記引抜搬送装置24は、左右一対の引抜フレーム15、15を有しており、それぞれの引抜フレーム15には、前側に従動プーリ16が回転自在に装着され、後側に駆動プーリ17が装着されている。これら左右の従動プーリ16、16と左右の駆動プーリ17、17との間に人参を引き抜き、機体後部へと搬送する左右一対の挟持搬送ベルト18、18が巻き掛けられている。そして、複数のテンションローラ19によって左右の挟持搬送ベルト18、18は張圧され、左右の挟持搬送ベルト18、18の機体内側面を互いに圧接させて、人参の引抜搬送通路Hが形成されている。
【0058】
尻尾切装置35の後上方の引抜搬送通路Hには、人参の根部の上昇を規制しながら後述する位置揃え切断部Dへと人参を引き渡す引継ガイド190が設けられている(図1参照)。
【0059】
又、機体フレーム1の上方に左右方向に配置された横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20が取り付けられ、回動フレーム20の後端部に左右の駆動プーリ17、17に駆動力を伝動する伝動ケース22が上下回動自在に取り付けられている。更に、機体フレーム1と回動フレーム20を連結する昇降シリンダ23が設けられており、この昇降シリンダ23は操縦部Bで操縦可能に取り付けられている。
【0060】
上記構成にように、機体前側に配置された分草杆27と、横引起し装置26と、縦引起し装置25を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
【0061】
また、人参に左右の振動ソイラ34、34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
【0062】
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させると、それ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
【0063】
そして、機体フレーム1と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節するとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
【0064】
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
【0065】
次に、位置揃え切断部Dについて説明する。
【0066】
図3は、位置揃え切断部Dの平面構成図である。図4は、位置揃え切断部Dの側面構成図である。図3及び図4に示すように、位置揃え切断部Dは、左右一対の構成であり、引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置65と、人参の茎葉部を切断する位置を揃える左右の位置揃え装置100(100R、100L)と、位置が揃えられた人参の茎葉部を切断する茎葉切断装置61と、茎葉部の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置70とを備えている。
【0067】
又、位置揃え切断部Dは、図4に示すように伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸36、36と、この左右の伝動軸36、36の上部に取り付けられた左右の伝動ケース37、37と、この左右の伝動ケース37、37内に複数のギアを噛み合わせて構成し、機体前側に向かって取り付けられている左右の第1ギアユニット38、38とを備えている。また、伝動ケース22内部の左右の伝動軸36、36に、左右の第2ギアユニット39、39が機体後方に向かって取り付けられ、該左右の第2ギアユニット39、39の後端部に左右の第1出力軸40、40が機体上方に向けて設けられている。
【0068】
そして、左右の第1ギアユニット38、38の前端部には、左右の第2出力軸41、41が機体下方に向けて設けられており、これら左右の第2出力軸41、41によって、左右の位置揃え装置100L、100Rが駆動する。
【0069】
以下に、本発明の位置揃え部の一例に対応する実施の形態1の位置揃え装置100について説明する。
【0070】
図5は、本実施の形態1の位置揃え装置100の平面構成図である。図5に示すように、左右の位置揃え装置100L、100Rには、上記左右の第2出力軸41に取り付けられた左右の位置揃え駆動スプロケット42、42が設けられている。
【0071】
さらに、図3及び図5に示すように、左右の伝動ケース37、37の前下部に側面視L字型の左右の位置揃えフレーム43、43が設けられており、左右の位置揃えフレーム43、43のそれぞれに機体左右方向に形成された長孔部44、44が形成されており、長孔部44、44に回転軸46、46が取り付けられている。そして、この左右の回転軸46、46に位置揃え従動スプロケット45、45が取り付けられている。
【0072】
また、位置揃え従動スプロケット45、45と、位置揃え駆動スプロケット42、42との前後の間で、且つ位置揃え駆動スプロケット42、42よりも機体内側の位置に左右の位置揃えテンションスプロケット47、47が回転自在に設けられている。さらに、左右の位置揃えテンションスプロケット47、47と左右の位置揃え駆動スプロケット42、42と左右の位置揃え従動スプロケット45、45とに、それぞれ左右の位置揃えチェーン48、48が無端状に捲き回されている。なお、位置揃え駆動スプロケット42、42は、位置揃え従動スプロケット45、45及び位置揃えテンションスプロケット47、47よりも小径のものを用いてもよい。
【0073】
そして、左右の伝動ケース37、37に左右の受け板49、49が前後方向に位置調節可能に取り付けられており、左右の受け板49、49と左右の位置揃えフレーム43、43との間に、位置揃え従動スプロケット45、45を張圧して位置揃えチェーン48、48に生じる弛みを吸収させる左右の張圧バネ50、50が取り付けられている。
【0074】
左右一対の位置揃えチェーン48、48が対向する間を、作物の茎葉部が搬送されることになり、この間が、位置揃え作用域130となる。そして、位置揃え作用域130中を作物は、図中矢印α方向に搬送される。そのため、左側面側の位置揃えチェーン48は、平面視において反時計回りに回転し、右側面側の位置揃えチェーン48は、平面視において時計回りに回転する。
【0075】
以下に、本発明のチェーン部の一例に対応する位置揃えチェーン48について説明する。
【0076】
図6は、位置揃えチェーン48の一部分を示す斜視図である。図6に示すように、位置揃えチェーンは、ローラチェーンであり、外リンク481と内リンク482とローラ483を有している。この外リンク481と内リンク482が、ローラ483の中心を回転軸480aとして回動可能に連結して繋がっている。尚、図6中、外リンク481の上側に配置されているプレートが上プレート481aとして示され、外リンク481の下側に配置されているプレートが下プレート481bとして示されている。又、内リンク482の上側に配置されているプレートが上プレート482aとして示され、内リンク482の下側に配置されているプレートが下プレート482bとして示されている。
【0077】
そして、本実施の形態1では、位置揃えチェーン48に、人参が直接チェーンに触れることを防止するためにガイド体101が設けられている。
【0078】
図7は、本実施の形態1において、位置揃えチェーン48に、金属製のガイド体101を配置した状態を示す斜視構成図である。図7に示すように、ガイド体101は、側面視コの字形状であり、位置揃えチェーン48の全ての外リンク481を覆うように配置されている。
【0079】
詳細には、ガイド体101は、外リンク481の上プレート481aの上側を覆う上面101aと、下プレート481bの下側を覆う下面101bと、上プレート481aと下プレート481bの外周側を覆う外周面101cとを有している。そして、ガイド体101は、外リンク481の上プレート481aの上側の面と下プレート481bの下側の面に固定されている。
【0080】
更に、ガイド体101の上面101aには、板状の保持部110が配置されている。図8は、位置揃えチェーン48に、ガイド体101及び保持部110を配置した状態を示す斜視構成図である。図8に示すように、保持部110は、ガイド体101の上面101aに配置された板状の部材である。この保持部110の、位置揃えチェーン48の外側(ガイド体101の外周面101c側)の端部には、凹凸部110aが形成されている。そして、保持部110は、図5に示すように、外リンク481の2つの回転軸480aのうち進行方向側の回転軸480aを延長した上面101a上の位置に回転軸110sを設けて回動可能に取り付けられており、その回転軸110sには、本発明の付勢部の一例に対応するトルクスプリング111が設けられている。このトルクスプリング111によって、保持部110は、位置揃えチェーン48の内周側に向かって付勢されている(図中矢印γ参照)。又、凹凸部110aの凹凸の大きさは、2〜3mm程度に形成されている。
【0081】
また、図5に示すように、左右の位置揃えチェーン48が対向する位置揃え作用域130を作物が通過し、その位置揃え作用域130における左右の位置揃えチェーン48の内側には、左右の押出部120L、120Rが設けられている。すなわち、左右の押出部120L、120Rは、それぞれ左右の位置揃えチェーン48の内側であって、位置揃え従動スプロケット45、45と位置揃えテンションスプロケット47、47の間に設けられており、所定間隔毎に保持部110をチェーン48の内側から位置揃え作用域130に向かって押し出すように構成されている。
【0082】
詳しくは、左右の押出部120は、それぞれ、保持部110を押し出す押出板部121と、押出板部121を支持する支持台122を有している。この支持台122には、作物の搬送方向に対して垂直方向に長い長孔122aが形成されており、伝動ケース37(図3参照)に位置調整可能にボルト123で取り付けられている。そして、押出板部121は、図5に示すように平面視において波打つように湾曲しており、保持部110が1つおきに外側に押し出されるように形成されている。この押出板部121の、外側に向かって突出するように湾曲している領域を押出領域121aとし、内側に向かって突出するように湾曲している領域が非押出領域121bとする。
【0083】
図9は、本実施の形態1の位置揃え装置100の一部分を拡大した斜視構成図である。図9に示すように、位置揃えチェーン48が回転することによって、押出板部121の押出領域121aによって、保持部110が、トルクスプリング111の付勢力に対向して外側に向かって押され、凹凸部110aが、ガイド体101よりも外側に突出する(図中矢印β参照)。このように凹凸部110aが突出することによって、位置揃え作用域130を通過中の人参の茎葉部の保持力を高めることが出来る。又、凹凸部110aが突出する保持部110の位置が、本発明の茎葉保持位置の一例に対応する。
【0084】
そして、保持部110が押出板部121の非押出領域121bにさしかかると、保持部110に対して押出板部121による押圧が解除され、トルクスプリング111の付勢力によって、保持部110は位置揃えチェーン48の内周側に回動され、凹凸部110aが、ガイド体101より内側に配置される(図中矢印γ参照)。凹凸部110aがガイド体101よりも内側に配置される保持部110の位置が、本発明の非茎葉保持位置の一例に対応する。
【0085】
又、図5に示すように、位置揃え作用域130において、対向する左右2つの保持部110のうち一方の保持部110が押出板部121によって外側に押圧され、他方の保持部110が押圧されないように、左右の押出板部121L、121Rの形状が決められている。すなわち、左側面側の押出板部121Lの押出領域121aと、右側面側の押出板部121Rの非押出領域121bが対向し、左側面側の押出板部121Lの非押出領域121bと、右側面側の押出板部121Rの押出領域121aが対向する。
【0086】
尚、保持部110の凹凸部110aを、ガイド体101から外側に突出させる量は、長孔122aとボルト123によって調整することが可能である。
【0087】
そして、左右の位置揃え駆動スプロケット42、42の近傍で且つガイド体101の外側位置に、左右の伝動ケース37、37(図3参照)に長穴が形成され、この長穴に左右のスクレーパ55、55が位置調整可能に取り付けられている。この左右のスクレーパ55、55は、ガイド体101の軌跡に沿って形成されており、ガイド体101の表面に付着した茎葉部の切れ端や泥等を落とす。又、スクレーパ55,55は、後下り傾斜姿勢で配置することにより、茎葉部の切れ端や泥を下方に落下させやすくなる。
【0088】
次に、茎葉切断装置61について説明する。
【0089】
図4に示すように、茎葉切断装置61は、左右の第1ギアユニット38、38の位置揃え装置100L、100Rの後方位置に設けられた左右の切断刃回転軸56、56と、切断刃回転軸56、56に回転自在に取り付けられた左右のベアリング57、57と、左右のベアリング57、57に取り付けられた左右の支持プレート59、59と、支持プレート59、59に取り付けられた左右の茎葉切断刃60、60とを有している。
【0090】
次に、排葉搬送装置65について説明する。
【0091】
この排葉搬送装置65は、図3及び図4に示すように、引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する装置であり、左右の伝動ケース37、37の上部で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側に配置されている。そして、排葉搬送装置65は、左右の第1出力軸40、40に回転自在に設けられた左右の茎葉搬送駆動プーリ62、62と、左右の第1ギアユニット38、38よりも機体前側で且つ位置揃え装置100L、100Rの上方に回転自在に設けられた左右の茎葉搬送従動プーリ63、63とを有している。左側及び右側のそれぞれにおいて、茎葉搬送駆動プーリ62,62と茎葉搬送従動プーリ63、63に無端状に捲き回された排葉搬送ベルト64、64が設けられている。
【0092】
次に、残葉搬送装置70について説明する。
【0093】
この残葉搬送装置70は、図3及び図4に示すように、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する装置であり、排葉搬送装置65の上方に設けられている。そして、残葉搬送装置70は、左右の第1出力軸40、40のそれぞれの上端部に回転自在に設けられた左右の残葉搬送駆動プーリ66、66と、左右の伝動ケース37、37の上方に回転自在に設けられた左右の残葉搬送従動プーリ67、67と、これら左右の残葉搬送駆動プーリ66、66と左右の残葉搬送従動プーリ67、67との前後の間に取り付けられた複数の左右の残葉搬送テンションプーリ68、68…と、左右の残葉搬送駆動プーリ66、66、左右の残葉搬送従動プーリ67、67、及び左右の残葉搬送テンションプーリ68、68…に無端状に捲き回された左右の残葉搬送ベルト69、69とを有している。
【0094】
更に、図1及び図2に示すように、排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の終端部から茎葉切断装置61によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉シュータ71が設けられている。
【0095】
上記張圧バネ50、50は、受け板49、49を前後に移動させることにより、位置揃え従動スプロケット45、45にかかる張圧力を変更することができ、人参の種類や生育状態、茎葉部の平均的な太さに応じて変更することで、様々な作業条件に対応することができる。
【0096】
また、左右の位置揃えフレーム43、43に機体左右方向の長孔部44、44を形成し、長孔部44、44に位置揃え従動スプロケット45、45の回転軸46、46を貫通させて設けたことにより、位置揃え従動スプロケット45、45を左右方向に移動させて位置調節することができる。そのため、非作業時及び茎葉部が通過中でない、あるいは径の小さい茎葉部が通過する際は、位置揃え従動スプロケット45、45は張圧バネ50、50に押圧されて前側で且つ機体内側方向に向かって押圧され、大径の茎葉部が通過する際には位置揃え従動スプロケット45、45は機体外側方向に向かって押圧される構成となり、大径の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く作業能率が向上する。
【0097】
このように、左右の位置揃えフレーム43、43に機体左右方向の長孔部44、44を形成し、この長孔部44、44に位置揃え従動スプロケット45、45を配置した回転軸46、46を移動自在に設けたことにより、負荷がかからない状態では、張圧バネ50、50に張圧された位置揃え従動スプロケット45、45は茎葉部の位置揃え作用域130寄りに移動するので、小径の茎葉部が通過する際に位置揃え装置100L、100Rが茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0098】
また、大径の茎葉部が通過する際、左右の位置揃え装置100L、100Rに大きな負荷がかかると、位置揃え従動スプロケット45、45は長孔部44、44に沿って茎葉部の移動経路から離間する方向に移動するので、位置揃え装置100L、100Rの前側の左右間隔が広くなり、茎葉部が位置揃え装置100L、100Rの間隔部に噛み込まれることを防止でき、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0099】
加えて、位置揃え装置100L、100Rの搬送始端側から搬送終端側までの左右間隔が、大径の茎葉部が通過して負荷がかかったときのみ略直線状となるので、それ以外の場合には位置揃え装置の左右間隔を搬送始端側から搬送終端側に向かって広がる構成となり、位置揃え装置100L、100Rの左右間隔を通過する人参が左右方向にふらつくことを防止でき、人参の茎葉部の切断位置揃えが適正に行なわれる。
【0100】
さらに、大径の茎葉部が位置揃え装置100L、100Rの左右間を通過できず、人参の茎葉部の切断位置が上がり過ぎ、根部に茎葉部が残ることを防止でき、後処理でこの茎葉部を取り除く作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、人参が持ち上げられ過ぎ、根部を後述する茎葉切断装置61に切断されてしまうことを防止できるので、人参が傷付くことが無く、商品価値が向上する。
【0101】
上記構成により、左右の位置揃え駆動スプロケット42、42が、茎葉部が通過する位置揃え装置100L、100Rの左右間隔部(位置揃え作用域130)から離間する位置に配置されることにより、位置揃え駆動スプロケット42、42や第2出力軸41、41に茎葉部が絡み付いて位置揃え装置100L、100Rを停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
【0102】
また、位置揃え駆動スプロケット42、42を位置揃え従動スプロケット45、45及び位置揃えテンションスプロケット47、47よりも小径としたことにより、位置揃え駆動スプロケット42、42がいっそう位置揃え装置100L、100Rの左右間隔部から離間するので、位置揃え駆動スプロケット42、42や第2出力軸41、41に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
【0103】
そして、位置揃え従動スプロケット45、45を張圧する左右の張圧バネ50、50を設けたことにより、位置揃え装置100L、100Rに茎葉部が接触する際に左右の位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させることができ、位置揃えチェーン48、48がすぐに張り状態に戻るため、径の異なる茎葉部が連続して通過するときでも位置揃え装置100L、100Rが確実に人参の茎葉部を受けることができ、人参の茎葉部の切断位置が適正に揃えられて茎葉部が適正に切断され、後工程で茎葉部を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
【0104】
また、左右の受け板49、49を前後方向に移動させることで張圧バネ50、50の張力が調節されることにより、人参の生育状況や品種による茎葉部の径の差異、あるいは天候や土質等、作業場所の作業条件に合わせて張力を適正に変更できるので、人参の茎葉切断位置の位置揃えを適正に行い茎葉部を確実に切断することにより、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0105】
なお、人参の茎葉部が須らく大径であることが収穫作業前にわかっている場合には、位置揃え従動スプロケット45、45を左右の位置揃え装置100L、100Rの左右間から離間する方向に移動させ、位置揃え装置100L、100Rの搬送方向上手側の左右間隔を広くしておくと、位置揃え装置100L、100Rが茎葉部を噛み込むことを防止でき、噛み込んだ茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
【0106】
又、位置揃えチェーン48、48を構成する複数の外リンク481毎にガイド体101を取り付けているが、着脱可能にボルト等で取り付けることにより、任意の箇所のガイド体101を自在に着脱できるので、一部のガイド体101が損傷しても、新しいガイド体101に取り替えるだけで適正な位置揃え性能が維持され、茎葉部が適正に切断されるので、作業能率が向上する。
【0107】
また、ガイド体101全体を取り替える必要がないので、コストダウンを図ることができる。さらに、ガイド体101と外リンク481の着脱を手作業で行うことが可能に構成すれば、工具を必要とせず手作業で行なえるので、交換作業を容易に行なうことができる。
【0108】
そして、ガイド体101が位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う側面視コの字形状としたことにより、ガイド体101と位置揃えチェーン48との間に空間部が生じないので、ガイド体101と位置揃えチェーン48との間で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
【0109】
また、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイド体101は追従して移動できるので、位置揃え装置100L、100Rは一定の周速で動作するため、茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0110】
そして、左右の位置揃えチェーン48、48の内側に左右の押出板部121を設けたことにより、位置揃えチェーン48、48を巻回域内から押圧するため、大径の茎葉部が通過する際、押出板部121が押圧していない部分の位置揃えチェーン48、48は位置揃え駆動スプロケット42,42の方向へ退避できるので、茎葉部が位置揃え装置100L、100Rの左右間に噛み込まれることが無く、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0111】
又、押出板部121によってチェーン48に張力が発生することになるが、この張力を、張圧バネ50、50の張力よりも弱く設定すると、大径の茎葉部が通過して負荷がかかるとチェーン48、48が適正な位置まで撓んで退避することができ、位置揃え装置100L、100Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【0112】
また、位置揃え駆動スプロケット42、42に固定されたガイド体101に付着した茎葉部の破片や泥等の夾雑物を擦り落とす左右のスクレーパ55、55を設けたことによって、茎葉部の移動経路から離れた位置で位置揃えガイド体52、52に付着した夾雑物を除去することができるので、茎葉部の破片が位置揃え装置100L、100Rの各部に絡み付くことが防止され、機体を止めて絡み付いた茎葉部の破片を取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、泥の塊が人参の根部を傷つけることが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0113】
さらに、スクレーパ55、55は長穴に沿って取り付け位置を変更することができるので、収穫作業を行う圃場の人参の茎葉部の径の平均に合わせて最適な位置にスクレーパ55を設定し、確実に茎葉部の破片や泥等の夾雑物をガイド体101から除去することにより、上記の効果がさらに向上する。
【0114】
そして、茎葉切断装置61で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ71が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右の挟持搬送ベルト18、18や左右従動プーリ17、17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
【0115】
次に、引継搬送部Eについて説明する。
【0116】
図1及び図2に示すように、本実施の形態1の引継搬送部Eは、位置揃え切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら右側面側の機体外側から内側方向に搬送する残葉処理コンベア76と、残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に下り傾斜姿勢で設けられ、茎葉切断装置61よりも前方に落下した作物を受ける格子状の受け台77と、残葉処理コンベア76と受け台77から人参を引き継いで機体左側面側に汲み上げ搬送する汲上搬送コンベア81とを有している。
【0117】
残葉処理コンベア76について説明すると、残葉処理コンベア76は、茎葉切断装置61の下方に設けられた前後の残葉処理フレーム72、72と、前後の残葉処理フレーム72、72の左右両端の前後間に回転自在に取り付けられた左右の残葉ローラ73、73とを有している。そして、左右の残葉ローラ73、73に無端状に巻回され、ゴムやウレタン等の弾性体で形成された残葉処理ベルト74と、残葉処理ベルト74の上部に設けられ、人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト74と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ75とを有している。
【0118】
次に、汲上搬送コンベア81について説明すると、汲上搬送コンベア81は、残葉処理コンベア76よりも機体前側で且つ残葉処理コンベア76に隣接させて配置されており、汲上搬送駆動ローラ78と汲上搬送従動ローラ79とに汲上搬送ベルト80を無端状に巻回して構成されている。
【0119】
上記構成により、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ローラ75が、茎葉切断装置61で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア81に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
【0120】
また、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ベルト74をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置61で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト74が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
【0121】
そして、残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台77を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置61よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア81に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置61よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
【0122】
次に、選別搬送部Fについて説明する。
【0123】
図10は、選別搬送部F及び後述する収納部Gの側面構成図である。図2及び図10に示すように、選別搬送部Fは、操縦部Bの後部に取り付けられた左右の選別搬送フレーム82、82と、その間に設けられた後上がり傾斜姿勢の選別搬送コンベア87とを有し、選別搬送コンベア87は、その始端部が汲上搬送コンベア81の終端下方に位置するように配置されている。更に、選別搬送コンベア87の後端部にシュータ88と、シュータ88を上下回動させる操作レバー89が設けられている。
【0124】
そして、選別搬送コンベア87は、左右の選別搬送フレーム82、82の機体前側の左右間に回転自在に取り付けられた選別搬送駆動ローラ83と、選別搬送駆動ローラ83よりも機体後側に回転自在に取り付けられた選別搬送従動ローラ84と、選別搬送駆動ローラ83と選別搬送従動ローラ84との間に回転自在に取り付けられた選別搬送テンションローラ85と、選別搬送駆動ローラ83と選別搬送従動ローラ84と選別搬送テンションローラ85とに無端状に捲き回され、複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト86とによって構成されている。
【0125】
また、シュータ88は、選別搬送従動ローラ84の回転軸に上下回動可能に取り付けられており、シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89が取り付けられている。
【0126】
上記のように、シュータ88を上下回動自在に設けたことによって、シュータ88を下方回動させると人参を後述する収容部Gに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器92に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0127】
また、シュータ88を上方に回動させると、選別搬送コンベア87の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア87を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア87の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0128】
また、シュータ88を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア87を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア87の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア81の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア87の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
【0129】
さらに、シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席97に座ったままシュータ88を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
【0130】
次に、収容部Gについて説明する。
【0131】
図1、図2及び図10に示すように、収容部Gは、左右選別搬送フレーム82、82の下部に設けられた左右の支持フレーム90、90と、左右の支持フレーム90、90に、一端が取り付けられた伸縮自在なダンパ91と、左右の選別搬送フレーム82、82の後下部に上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に設けられ、人参を収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器92を設置する収容容器置台93とを有し、この収容容器置台93には、ダンパ91の他端が取り付けられている。
【0132】
また、収容容器置台93の後端部に予備の収容容器92を設置する予備収容容器置台94が、上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付けられている。さらに、図2に示すように、収容容器置台93や選別搬送コンベア87や右クローラ6Rよりも機体左側面側に、人参を収容した収容容器92を積載する収容容器積載台95が機体内側へ折り畳み自在に設けられている。この収容容器積載台95は、機体の前後方向に長く形成されている。
【0133】
そして、収容容器積載台95の機体外側に、収容容器積載台95の上方を越えて且つ選別搬送コンベア87に向けて屈曲させた支持フレーム96が取り付けられており、支持フレーム96の上に補助作業者が着座する補助作業座席97が取り付けられている。そして、収容容器積載台95の後部に予備の収容容器92を設置する第2予備収容容器置台98が設けられている。
【0134】
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台93に伸縮自在なダンパ91の他端を取り付けていることによって、収容容器92に人参が収容されて重くなるにつれて収容容器置台93が下降するため、人参が収容容器92の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器92の交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
【0135】
また、収容容器置台93の後部に予備の収容容器92を設置する予備収容容器置台94を設けたことによって、人参が満載された収容容器92が収容容器置台93から取り除かれるとダンパ91が伸びて収容容器置台93が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台94に設置されている収容容器92が収容容器置台93に滑り落ちて設置されるので、収容容器92を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【0136】
そして、機体左右外側に収容容器積載台95を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台95を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
【0137】
さらに、収容容器積載台95の上方を越えて且つ選別搬送コンベア87に向けて屈曲させた支持フレーム96上に補助作業座席97を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア87に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器92が収容容器積載台95上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
【0138】
また、収容容器積載台95の後部に第2予備収容容器置台98を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器92を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
【0139】
次に、本実施の形態1の人参収穫機の動作について説明する。
【0140】
育った人参の列に沿って、人参収穫機を移動させると、収穫部Cの縦引起し装置25によって、人参の茎葉部が引き起こされ、引き起こされた茎葉部が横引起し装置26によって掬い上げられる。この際、分草杆27によって草が分けられ、振動ソイラ34による振動によって人参が引き抜かれやすくなる。
【0141】
掬い上げられた人参は、引抜搬送通路Hに沿って後上方に搬送される。この搬送途中で、人参のひげ根が尻尾切装置35によって切断される。図11は、人参Wが引き抜かれ、搬送されている状態を示す側面構成図である。
【0142】
次に、人参Wは、図1に示す引継ガイド190によって根部の上端が規制されながら、位置揃え切断部Dへと搬送される。ここで、図4に示すように、茎葉部W2は、引抜搬送通路Hに沿って後上方へと移動されることになるが、根部W1は、位置揃え装置100L、100Rの下側に当接することによって上方への移動が規制される。図12は、人参Wの茎葉部W2が、位置揃え装置100の位置揃え作用域130に配置されている状態を示す構成図である。図4及び図12に示すように、位置揃え作用域130に搬送された人参Wは、根部W1の上端がガイド体101の下面101bに当接し、上方への移動が規制され、人参Wの根部W1の上端の高さ方向の位置揃えが行われる。この際、対向する保持部110のうち、一方の保持部110が押出板部121によって位置揃え作用域130側である保持位置に押し出され、他方の保持部110は移動されず、非保持位置に配置されている。このように保持部110が保持位置に押し出されることによって、凹凸部110aが、ガイド体101よりも突出し、茎葉部W2を押圧し保持する。
【0143】
尚、図12では、左側面側の位置揃え装置100Lの保持部110が、その凹凸部110aがガイド体101より突出するように保持位置に配置されており、右側面側の位置揃え装置100Rの保持部110が非保持位置に配置されているが、図5に示すように、人参が後方に搬送されると、次に、位置揃え装置100Lの保持部110が非保持位置に配置され、位置揃え装置100Rの保持部110が保持位置に配置されることになる。すなわち、位置揃え作用域130において、左右の保持部110が交互に保持位置に配置され、その凹凸部110aがガイド体101より突出し、茎葉部W2を保持することになる。
【0144】
続いて、人参Wの茎葉部W2が引抜搬送通路Hから排葉搬送装置65へと引き継がれ、茎葉部W2は排葉搬送装置65によって挟持され後方へと搬送されるとともに、人参Wは、位置揃え作用域130中を後方に搬送される。そして、排葉搬送装置65によって後方へ搬送されると、茎葉部W2の上部が残葉搬送装置70によって挟持される。すなわち、茎葉部W2は、排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の双方によって挟持されて後方へと搬送される。
【0145】
続いて、位置揃え装置100によって高さ位置が揃えられた人参Wは、茎葉切断装置61によって、その茎葉部W2が切断される。茎葉部W2が切断された人参Wは、引継搬送部Eによって左側面側に送られるとともに、残葉処理コンベア76の残葉処理ローラ75によって残葉処理が行われる。
【0146】
そして、左側面側に設けられた選別搬送部Fにおいて、補助作業者によって人参の選別作業が行われ、収納部Gの収納容器92に収納される。一方、切り取られた茎葉部W2は、そのまま排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の双方によって挟持されて後方へと搬送され、機体後方へと排出される。
【0147】
以上のように、本実施の形態1では、ガイド体101に作物の茎葉部を保持する保持部110を設けたことにより、作物の茎葉部を保持することができるので、茎葉部に水や泥が付着していても滑り落ちることが防止され、搬送精度が向上する。
【0148】
更に、保持部110に凹凸部110aを形成したことにより、茎葉部がこの凹凸部110aに挟まれるので、保持力がいっそう高まり、水や泥の付着した茎葉部の抜け落ちが防止できるので、搬送精度が向上する。
【0149】
又、本発明にかかる実施の形態1では、位置揃えチェーン48を構成する外リンク481の上面と下面と側面とをコの字形のガイド体101で覆うことにより、作物の茎葉部や根部が位置揃えチェーン48に直接接触することを防止でき、作物が傷付くことがなく、商品価値が向上する。
【0150】
各外リンク481を断面コの字形のガイド体101で覆うことにより、位置揃えチェーン48とガイド体101との間に空間部が生じないため、位置揃えチェーン48とガイド体101との間に作物の茎葉部を噛み込んで位置揃え装置が停止することを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く作業が必要なくなり、作業能率が向上する。
【0151】
又、位置揃えチェーン48とガイド体101との間に作物の茎葉部が入り込まないので、この茎葉部がガイド体101を押圧することがなく、左右の位置揃え装置が作物の茎葉部を挟持することが防止され、茎葉部の切断位置を適正な位置に揃えることができ、切り残された茎葉部を後工程で取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、作物の根部が切断されるのを防止でき、商品価値が向上する。
【0152】
位置揃え装置100を位置揃え駆動スプロケット42と位置揃え従動スプロケット45とに位置揃えチェーン48を無端状に巻回して構成したことにより、作物の茎葉部に付着した水気や泥土によるチェーンの滑りが生じないので、作物の位置揃えを適正に行ない茎葉部の切断位置を揃えることができ、切り残された茎葉部を後工程で切除する作業が不要となり、作業能率が向上するとともに、作物の根部が誤って切断されることが防止され、商品価値が向上する。
【0153】
位置揃え作用域130において、保持部110が千鳥状に配置されていることにより、径の異なる茎葉部が連続して入り込んで来ても、一部が開き過ぎたり、一部が狭くなり過ぎることが防止され、茎葉部の搬送精度と切断精度が向上すると共に、詰まりが防止され、作業能率が向上する。
【0154】
又、位置揃え作用域130において、保持部110が千鳥掛状に保持位置に配置されるように構成することにより、大径の茎葉部が位置揃え作用域130を通過する際、保持部110が非保持位置に配置されている側に位置揃えチェーン48が移動するので、人参の茎葉部の径が大きくても位置揃え装置100L、100Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【0155】
位置揃え作用域130において保持部110を茎葉保持位置側に回動させる押出部120を設けたことにより、作物の位置揃えを行なう場所では茎葉部が左右に移動することを防止できるので、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0156】
押出部120を左右方向に調節できることにより、収穫される作物の茎葉部の径に合わせて、適切な保持部の突出量を調節できるので、いっそう搬送精度及び切断精度が向上する。
【0157】
位置揃え作用域130以外では保持部110が非茎葉保持位置側に退避することにより、位置揃え装置の搬送始端側での茎葉部の進入の妨げとならず、搬送精度及び作業能率が向上する。
【0158】
又、保持部110の回動軸を搬送方向の下手側としたことにより、引っ掛かったりすることなく、スムーズに搬送することが可能となる。
【0159】
保持部110を茎葉保持位置と非茎葉保持位置に回動自在にガイド体101に装着し、押出領域121a及び非押出領域121bを有する保持板部121が設けられていることにより、押出領域121aでは保持部110が押圧板部121に押され、茎葉の太さにかかわらず適度な力をかけて肩揃え位置を揃えると共に、非押出領域121bでは保持部110が太い茎葉部から積極的に退避することにより、茎葉部が保持されず、茎葉部の詰まりを防止することが出来る。
【0160】
尚、本実施の形態1では、位置揃え装置100の全てのガイド体101に保持部110が配置されているが、図13(a)の位置揃え装置140の平面構成図に示すように、1つ間隔を設けてガイド体101に保持部110が配置されていても良い。この場合、位置揃え作用域130において、保持部110が千鳥状に配置されるように、左右の位置揃えチェーン48の位置が調整されており、図13(a)に示す押出部120の押出板部125は、図5の押出板部121と異なり、湾曲せず直線状に形成されている。このように構成することにより、上記実施の形態1と同様に、位置揃え中の作物の茎葉部を保持することが可能となり、保持力がいっそう高まり、水や泥の付着した茎葉部の抜け落ちが防止できるので、搬送精度が向上する。又、本発明の所定の個数の一例は、図13では2個毎に対応する。
【0161】
尚、図13(a)に示す構成の変形例として、図13(b)の位置揃え装置150のように、保持部110が、茎葉保持位置に配置されている状態でガイド体101に固定されていても良い。この場合、トルクスプリング111が設けられておらず、押出部120が設けられていない。
【0162】
又、図13(a)及び図13(b)のように、ガイド体101の2個毎に押出部120が設けられていなくても良く、例えば、左側面側の位置揃え装置100Lが3個毎に、保持部110が茎葉保持位置に配置される構成であってもよい。その構成を詳しく述べると、位置揃え装置100Lの隣り合う複数の保持部110が、位置揃え作用域130において、例えば搬送方向に沿って茎葉保持位置、非茎葉保持位置、非茎葉保持位置、茎葉保持位置、非茎葉保持位置、非茎葉保持位置、茎葉保持位置、・・・の順に配置されていることである。その場合、位置揃え装置100Rの隣り合う複数の保持部110は、位置揃え作用域130において、非茎葉保持位置、茎葉保持位置、茎葉保持位置、非茎葉保持位置、茎葉保持位置、茎葉保持位置、非茎葉保持位置、・・・の順に配置されている。すなわち、位置揃え作用域130において、対向する左右のガイド体101の一方から保持部110によって保持され、他方からは保持されないように位置揃え装置が構成されていればよい。
【0163】
尚、本実施の形態1と異なり、対向する左右のガイド体101の双方の保持部110が茎葉保持位置に移動し、茎葉部を挟んでもよいが、位置揃え作用域130において、位置揃え搬送作用領域において、対向する保持部のうち一方のみが茎葉保持位置に配置される構成とすることにより、例えば、太い茎葉部を有する人参やとう立ち人参が入ってきた場合であっても、逃げ代が形成されている。そのため、このような人参が入って来たときでも、その前後の保持位置は逆に狭くなり、先行する茎葉部や後続の茎葉部を離してしまうようなことが防止され、茎葉部の搬送精度及び切断精度が向上する。
【0164】
又、本実施の形態1では、ガイド体101は側面視コの字形状であったが、外リンク481の外周側と下リンク481bとを覆うように形成されておりさえすればよく、保持部110が、上リンク481aに直接取り付けられていてもよい。このような構成であっても、少なくとも茎葉部が接する部分にガイド体が形成されているため、作物を傷めることを低減することが出来る。
【0165】
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる実施の形態2における人参収穫機について説明する。本実施の形態2の人参収穫機は、実施の形態1の人参収穫機と基本的な構成は同じであるが、位置揃え装置のガイド体の構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施の形態1と対応する構成については同一の符号が付されている。
【0166】
図14は、本実施の形態2の位置揃え装置200のガイド体201の斜視図構成である。図14に示すように、位置揃えチェーン48の全ての外リンク481のそれぞれにガイド体201が設けられている。このガイド体201は、実施の形態1と同様に金属製であるが、実施の形態1のガイド体101と異なり、上下に分割されている。すなわち、ガイド体201は、L字状の上ガイド体202と、L字状の下ガイド体203とを有しており、上ガイド体202の上面202aが、外リンク481の上プレート481aの上側を覆い、下ガイド体203の下面203aが、外リンク481の下プレート481bの下側を覆っている。又、外リンク481の外周側は、上ガイド体202の外周面202bと、下ガイド体203の外周面203bによって覆われている。そして、下ガイド体203は、下プレート481bの表面で固定されている。
【0167】
一方、上ガイド体202には、その上面202aに外周面202bに対して垂直な方向に、2つの長孔202cが形成されており、その長孔202cにはネジ204が設けられている。このネジ204は、回転軸480aの延伸上であって、長孔201cを貫通して上プレート481aに固定されており、上ガイド体202は、位置揃えチェーン48に対して内周側と外周側を移動可能に構成されている。そして、上ガイド体202の上面202aの下側と、上プレート481aの上側とを連結するバネ部材205が設けられている。
【0168】
図15は、本実施の形態2の位置揃え装置の平面構成図である。
【0169】
図15に示すように、左右の位置揃え装置200L、200Rの左右の位置揃えチェーン48が対向する位置揃え作用域130を作物が通過し、その位置揃え作用域130における左右の位置揃えチェーン48の内側には、押出部210が設けられている。すなわち、左右の押出部210L、210Rは、それぞれ左右の位置揃えチェーン48の内側であって、位置揃え従動スプロケット45、45と位置揃えテンションスプロケット47、47の間に設けられており、位置揃え作用域130において、所定間隔毎に上ガイド体202を内側から外側に向かって押し出す。
【0170】
左右の押出部210L、210Rは、それぞれ上ガイド体202を押し出す押出板部211と、押出板部211を支持する支持台212を有している。この支持台212には、作物の搬送方向に対して垂直方向に長い長孔212aが形成されており、伝動ケース37(図3参照)に位置調整可能にボルト213によって取り付けられている。そして、押出板部211L、211Rは、図14に示すように、平面視において、外周側に向かって凸状の押出領域211aと、外周側に向かって凹状の非押出領域211bを有している。
【0171】
図16は、本実施の形態2の位置揃え装置200の一部を拡大した斜視構成図である。図16では、上ガイド体202が、押出部210によって押し出されている状態が示されている。図16に示すように、位置揃えチェーン48が回転駆動し、上ガイド体202が、押出板部211の押出領域211aによって、外側に向かってバネ部材205の付勢力に対向して押され、外周側に突出する(図中δ参照)。そして、非押出領域211bにさしかかると上ガイド体202は、押出板部211による押出から解除され、バネ部材205の付勢力により内側に戻る(図中ε参照)。
【0172】
図17は、本実施の形態2の位置揃え装置200の位置揃え作用域130近傍の平面構成図である。図17に示すように、位置揃え作用域130において、対向する左右2つのガイド体201のうち、一方のガイド体201の上ガイド体202が押出板212によって外側に押し出され、他方のガイド体201の上ガイド体202が押し出されないように、左右の押出板部211が形成されている。すなわち、左側面側の押出部210Lの押出板部211Lの押出領域211aと、右側面側の押出部210Rの押出板部211Rの非押出領域211bが対向し、左側面側の押出部210Lの押出板部211Lの非押出領域211bと、右側面側の押出部210Rの押出板部211Rの押出領域211aが対向する。尚、本発明の保持部と兼ねられている上部材の一例は、本実施の形態の上ガイド体202に対応し、本発明の下部材の一例は、本実施の形態の下ガイド板203に対応する。このように位置揃え作用域130側に押し出された上ガイド体202の位置が、本発明の茎葉保持位置の一例に対応し、押し出されてない状態の上ガイド体202の位置が、本発明の非茎葉保持位置の一例に対応する。又、本発明の付勢部の一例は、本実施の形態のバネ部材205に対応する。
【0173】
図18は、位置揃え作用域130近傍の正面構成図である。図18に示すように、位置揃え作用域130における対向する左右2つの上ガイド体201のうち、一方の上ガイド体201のみ外側に向かって押し出される。
【0174】
このようにガイド体201を分割し、上側の上ガイド体202を茎葉保持位置側に突出させることにより、作物の茎葉部を保持することができるので、茎葉部に水や泥が付着していても滑り落ちることが防止され、搬送精度が向上する。
【0175】
上側の上ガイド体202と下側の下ガイド体203で茎葉部を保持することにより、茎葉部を曲げて保持することができるので、保持力がいっそう強くなり、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0176】
尚、図16及び図18に示すように、上ガイド体202は、下ガイド体203の外周面203bの厚み(図中T)を越えて押し出されないように構成されている。このように上ガイド体202と下ガイド体203の間に隙間を形成しないようにすることで、茎葉部に付着した砂、泥などが、位置揃えチェーン48に入り込むことを防ぐことが出来る。
【0177】
又、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、位置揃え作用域130において、上ガイド体202は千鳥掛状に茎葉保持位置又は非茎葉保持位置に配置されているが、これに限らなくても良く、要するに、左右の位置揃え装置200L、200Rの対向する上ガイド体202のうち一方の上ガイド体202が茎葉保持位置に配置され、他方の上ガイド体202が非茎葉保持位置に配置されればよい。
【0178】
又、対向する左右の上ガイド体202の双方が茎葉保持位置に移動し、茎葉部を挟んでもよいが、位置揃え作用域130において、千鳥掛状に保持した方が、径の異なる茎葉部が連続して入り込んで来ても、一部が開き過ぎたり、一部が狭くなり過ぎることが防止されるため、より好ましい。
【0179】
(実施の形態3)
次に、本発明にかかる実施の形態3における人参収穫機について説明する。本実施の形態3の人参収穫機は、実施の形態2と基本的な構成は同じであるが、位置揃え装置のガイド体の構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施の形態2と同様の構成については同一の符号が付されている。
【0180】
図19は、本実施の形態3の位置揃え装置300のガイド体301の斜視構成図である。図19に示すように、本実施の形態3の位置揃え装置300のガイド体301は、実施の形態2の金属製の上ガイド体202に代わり、ゴムなどの軟質部材によって形成されている上ガイド体302と、実施の形態2と同様の下ガイド体203によって構成されている。
【0181】
この上ガイド体302は、上プレート481aの上側を覆う上面302aと、外リンク481の外周側を覆う外周面302bとを有しており。外周面302bには、外周側に突出した突起部302cが形成されている。この突起部302cは、外周面302bを覆うように上下方向に湾曲して形成されており、略半円柱形状を形成している。そして、この突起部302cは中空であり、外周面302bとの間に空間302dが形成されている。本実施の形態2の上ガイド体302は、外リンク481の上プレート481aに固定されている。
【0182】
図20は、本実施の形態の位置揃え装置300の平面構成図である。図20に示すように、本実施の形態3のガイド体301は、左右の位置揃えチェーン48の全ての外リンク481に設けられている。又、左右の位置揃えチェーン48の内側であって、位置揃え駆動スプロケット42と位置揃え従動スプロケット45の間に、実施の形態2のような押出部が設けられていない。
【0183】
図21は、本実施の形態の位置揃え装置300の位置揃え作用域130近傍の正面構成図である。図21に示すように、左右の位置揃え装置300の突起部302cが潰れ人参Wの茎葉部W2が保持される。
【0184】
以上のように、本実施の形態3では、ガイド体301の上ガイド体302を軟質部材で形成し、突起部302cと外周面302bの間に空間302dを形成することにより、保持する茎葉部の径に応じて中空の突起部302cが潰れて茎葉部を保持するので、保持力がいっそう強くなり、搬送速度及び切断精度が向上する。
【0185】
尚、本実施の形態3のガイド体301では、上ガイド体302の外周面302bの全体に突起部302cが形成されていたが、突起部の幅が狭くても良い。図22は、このような構成のガイド体311の斜視構成図である。又、図23は、ガイド体311を用いた位置揃え装置の位置揃え作用領域近傍の平面構成図である。図23に示すガイド体311の上ガイド体312は、図19に示すガイド体301と同様に、上面312a及び外周面312bを有しているが、突起部312cの幅が狭くなっており、外周面312bの中央部にのみ形成されている。又、図23に示す、隣の突起部312cとの間隔Lは、人参一本分の大きさである25mm程度に設定されている。
【0186】
又、本実施の形態3では、下ガイド体202は金属製であるが、軟質部材で形成されていてもよい。
【0187】
更に、上下分割されておらず、軟質部材又は金属部材で形成されたコの字状のガイド体の外周面の上部に軟質部材で形成された突起部が形成されていても良い。
【0188】
又、本実施の形態3では、左右の位置揃えチェーン48の内側であって、位置揃え駆動スプロケット42と位置揃え従動スプロケット45の間に、実施の形態2のような押出部が設けられていないが、位置揃えチェーン48のテンションを保つために、内側からチェーンを押圧する手段が設けられていても良い。
【0189】
又、本実施の形態3では、位置揃えチェーン48の外リンク481に取り付けられている全てのガイド体が突起部を有しているが、位置揃え作用域130において対向するガイド体のうちどちらか一方が突起部を有するように構成されていても良い。
【0190】
(実施の形態4)
次に、本発明にかかる実施の形態4における人参収穫機について説明する。本実施の形態4の人参収穫機は、実施の形態1と基本的な構成は同じであるが、位置揃え装置のガイド体の構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。
【0191】
図24は、本実施の形態4の位置揃え装置400のガイド体401の斜視構成図である。又、図25は、本実施の形態4の位置揃え装置400の位置揃え作用域130近傍の平面構成図である。図24及び図25に示すように、本実施の形態4の位置揃え装置400では、位置揃えチェーン48の外リンク481にガイド体101とガイド体401が交互に配置されている。このうちガイド体101は、実施の形態1で説明したものである。一方、ガイド体401は、実施の形態1で説明したガイド体101と同様に、上面401a、下面401b、外周面401cを有するコの字形状であるが、実施の形態1と異なり、外周面401cに切り起こし部401dが形成されている。この切り起こし部401dは、外周面401cの一部が左右に切り起こされて形成されており、切り起こした後には、外周面401cに窓部401eが形成される。また、2つの切り起こし部403dは、1〜3mm程度の高さであり、2つのローラ483の間に形成されている。尚、実施の形態1の保持部110は設けられていない。
【0192】
そして、図25に示すように、位置揃え作用域130において、対向するガイド体のうち、一方がガイド体101であり、他方がガイド体403となるように、千鳥掛状に配置されている。尚、本発明の突起部の一例は、本実施の形態の切り起こし部403dに対応し、本発明の開口部の一例は、本実施の形態の窓部401eに対応する。
【0193】
このように、ガイド体403の位置揃え作用側に突起部(切り起こし部403d)を形成して保持部を構成したことにより、作物の茎葉部はこの突起部に保持されるので、茎葉部が左右方向に移動しにくくなり、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0194】
又、ガイド体401に窓部401eを形成したことにより、位置揃え従動スプロケット45、45、位置揃えテンションスプロケット47、47及び位置揃え駆動スプロケット42の歯に位置揃えチェーン48が接触する際、ガイド体403の裏側に入り込んだ泥を窓部401eから押し出して排出することができるので、泥の詰まりにより位置揃え装置が停止することが防止され、作業能率及びメンテナンス性が向上する。
【0195】
尚、本実施の形態では、左右に切り起こすことによって切り起こし部が形成されていたが、上下に切り起こされていても良い。
【0196】
又、切り起こしに限らず、窓部を形成し、その周囲に突起を溶接などにより接続しても良い。
【0197】
又、本実施の形態4では、位置揃え作用域130において、ガイド体401とガイド体101が対向するように配置されていたが、ガイド体401同士が対向するように配置されていても良い。
【0198】
(実施の形態5)
次に、本発明にかかる実施の形態5における人参収穫機について説明する。本実施の形態5の人参収穫機は、実施の形態1の人参収穫機と基本的な構成は同じであるが、位置揃え装置のガイド体の構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施の形態1と対応する構成については同一の符号が付されている。
【0199】
図26は、本実施の形態5の位置揃え装置500のガイド体501の斜視構成図である。図27(a)は、本実施の形態のガイド体501の正面構成図であり、図27(b)は、右側面構成図であり、図27(c)は左側面構成図であり、図27(d)は平面構成図であり、図27(e)は底面構成図である。図28は、本実施の形態5の位置揃え装置500の位置揃え作用域130近傍を底面構成図である。
【0200】
図26、図27及び図28に示すように、本実施の形態の位置揃え装置500のチェーン48の全ての外リンク481には、ガイド体501が設けられている。このガイド体501は、実施の形態1のガイド体101と同様に、上面501a、下面501b及び外周面501cを有するコの字形状であるが、実施の形態1と異なり、各面に溝が形成されている。外周面501cの前後方向の中央には、上下方向に深さ2〜3mmの縦溝501eが形成されている。そして、上面501a及び下面501bには、外周面501cに対して垂直方向に深さ0.5mmから1mmの微細な受溝501fが形成されている。
【0201】
ガイド体501の前後中央部に上下方向の縦溝501eを形成したことにより、茎葉部の径が太くても、この縦溝501eに入り込ませることができるので、茎葉部の詰まりが防止されて、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0202】
ガイド体501の下面501bに、作物の根部の滑り止めとなる複数の受溝501fを形成したことにより、位置揃え装置の下面に接触した作物に水が付着していても滑って動くことを防止できるので、位置揃え中の作物が揺れにくく、搬送精度及び切断精度が向上する。
【0203】
又、下面の受溝を浅溝の微細パターンとしたことで、人参Wの根部W2の上端(人参の肩部)に強く食い込んで傷を付きにくくすることが可能となる。
【0204】
ガイド体501の上面501aにも受溝501fを形成したことにより、下面501b及び上面501aのいずれか一方の受溝501fが摩耗したらガイド体503をひっくり返すことにより、他方の受溝が摩耗し切るまで使うことができるので、耐久性が向上し、長期に亘り十分な機能を発揮できる。この際、位置揃えチェーン48ごとひっくり返しても良い。
【0205】
尚、本実施の形態5では、受溝501fは、外周面501cに対して垂直に形成されていたが、外周面501cに対して斜めに形成されていてもよい。図29は、このようなガイド体511の斜視構成図である。図30(a)は、ガイド体511の正面構成図であり、図30(b)は、右側面構成図であり、図30(c)は左側面構成図であり、図30(d)は平面構成図であり、図30(e)は底面構成図である。図31は、ガイド体511を用いた場合の位置揃え作用域130近傍を底面構成図である。図29〜図31に示すように、ガイド体511では、ガイド体501と異なり、上面511a及び下面511bに形成されている受溝511fが、外周面511cに対して斜めに形成されている。このように外周面511cに対して受溝511fを斜めに形成することにより、搬送方向に対して受溝511fが斜めに形成されることとなり、人参の根部の上端と接する面積を大きくすることが出来る。そのため、滑り止め力が向上するので、さらに搬送精度及び切断精度が向上する。
【0206】
更に、左右の位置揃え搬送装置において、搬送方向を基準として線対称であって、搬送方向側に向かって斜めになるように受溝511fが形成されていることにより、人参が搬送方向中央へ寄せられるため、安定して搬送することが出来る。
【0207】
尚、本発明の作物の一例は、上記実施の形態の人参に対応するが、人参に限らず大根、カブ等の他の根菜類であってもよい。
【0208】
(実施の形態6)
次に、本発明にかかる実施の形態6における人参収穫機について説明する。
【0209】
図32〜35は、本実施の形態6の人参収穫機の残葉処理コンベア76(クリーナともいう)と、選別搬送コンベア87(選別コンベアともいう)と汲上搬送コンベア81(回収コンベアともいう)のコンベア群の入力軸からの動力伝達を模式的に示す構成図である。
【0210】
図32では、回収コンベアの駆動スプロケットS1と、クリーナ及び選別コンベアの入力スプロケットS2と、入力軸のスプロケットS3が1つのチェーンC1で連結されており、クリーナのスプロケットS4と選別コンベアの入力スプロケットS5がチェーンC2で連結されている。尚、図中T=XにおけるXの数字は、スプロケットの歯数を示しており、以下の図でも同様である。
【0211】
従来は、スプロケットS3と同軸に、更に1つスプロケットが設けられており、この2つのスプロケットのうち一方のスプロケットが、駆動スプロケットS1とチェーンで連結されており、他方のスプロケットが入力スプロケットS2とチェーンで連結されていた。対して、図32に示すように、回収コンベアの駆動スプロケットS1をクリーナの入力スプロケットS2と同ラインとし、3つのスプロケットを1つのチェーンC1で連結することにより、チェーンが1つ少なくなり、コストダウンすることが可能となる。
【0212】
図32に示すように、クリーナの入力スプロケットS2(T=12)と入力軸のスプロケットS3(T=10)を配置することにより、回収コンベアの速度を選別コンベアよりも速くすることが出来、回収コンベア上に落下した人参が溜まりにくくなる。
【0213】
又、例えば、収穫される人参が少ない、又は選別精度を上げたいときに、スプロケットS2とスプロケットS3は入れ替えず、大径のスプロケットS2(T=12)でクリーナ及び選別コンベアを駆動し、クリーナ及び選別コンベアの速度を遅くしておけばよい。
【0214】
一方、例えば、収穫される人参が多い、又は茎葉部が繁茂しているときには、スプロケットS2とスプロケットS3を入れ替え、小径のスプロケットS3(T=10)でクリーナ及び選別コンベアを駆動することによって、クリーナ及び選別コンベアの速度を速くすることが出来る。
【0215】
尚、交換するスプロケットは機体の最も外側に配置することによって、交換を行いやすくなる。
【0216】
又、図32に示すように、選別コンベアの入力スプロケットS5と回収コンベアの駆動スプロケットS1の歯の枚数を同じものとすることにより、部品点数を少なくすることが出来るため、コストを安く抑えることが出来る。
【0217】
図33では、クリーナの入力スプロケットS2と、入力軸のスプロケットS3が1つのチェーンC1で連結されており、クリーナのスプロケットS4と選別コンベアの入力スプロケットS5と、回収コンベアの入力スプロケットS6がチェーンC2で連結されている。
【0218】
図33に示すように、回収コンベアの入力スプロケットS6を選別コンベアの入力スプロケットS5と同じラインとしても良く、チェーンが1つ少なくなり、コストダウンすることが可能となる。
【0219】
図33に示すように、クリーナの入力スプロケットS2と入力軸のスプロケットS3を交換することにより、クリーナの速度を変化させず、選別コンベアの速度を遅くすることが出来る。
【0220】
又、図33に示すように、選別コンベアの入力スプロケットS5の歯数A1は、回収コンベアの入力スプロケットS6の歯数A2よりも小さく設定することにより、選別コンベアの入力スプロケットS5と回収コンベアの駆動スプロケットS1の交換によって、クリーナの速度は一定のまま、選別コンベアと回収コンベアの速度を変更することが出来る。
【0221】
例えば、選別コンベアをスプロケットS5(T=A1)で駆動し、回収コンベアをスプロケットS6(T=A2)で駆動する場合、選別コンベアの方が速くなるので、回収コンベアから選別コンベアに作物が雪崩れ込まず、選別に集中しやすくなる。
【0222】
一方、スプロケットS5とスプロケットS6を入れ替え、選別コンベアをスプロケットS6(T=A2)で駆動し、回収コンベアをスプロケットS5(T=A1)で駆動する場合、選別コンベアかに回収コンベアから次々と作物が送られて来るため、作物の停滞が生じにくく、作業能率が向上する。尚、例えば、A1を10、A2を12と設定することが出来る。
【0223】
なお、上記クリーナの入力スプロケットS2と入力軸のスプロケットS3を交換した上で、選別コンベアの入力スプロケットS5と回収コンベアの入力スプロケットS6を交換することにより、選別コンベアの速度を更に落とすことが出来る。
【0224】
図34では、選別コンベアのスプロケットS7と、入力軸のスプロケットS3が1つのチェーンC1で連結されており、回収コンベアの入力スプロケットS6と、クリーナのスプロケットS4と、選別コンベアの入力スプロケットS5が、1つのチェーンC2で連結されている。このように、入力軸からの駆動を選別コンベアに入力し、そこからクリーナ及び回収コンベアに伝達するように構成されていても良い。
【0225】
図34において、選別コンベアの入力スプロケットS5と、回収コンベアの入力スプロケットS6を入れ替えることで、クリーナ、及び回収コンベアの速度を変更することが出来る。
【0226】
スプロケットS5(T=46)によって選別コンベアを駆動する場合、クリーナで茎葉を確実に処理した後、回収コンベアから選別コンベアに作物が次々と送られてくるので、作業能率を向上することが出来る。
【0227】
スプロケットS5(T=46)とスプロケットS6(T=32)を入れ替えて、スプロケットS6で選別コンベアを駆動する場合、クリーナは手早く茎葉を処理した作物を送り出し、回収コンベアから選別コンベアには多少の間をおいて作物が送られる。そのため、選別を行いやすく、選別精度が向上する。更に、クリーナが茎葉部を完全に除去できていない場合には、選別の際に、茎葉部を除去することも出来る。
【0228】
図35では、クリーナの入力スプロケットS2と、入力軸のスプロケットS3が1つのチェーンC1で連結されており、クリーナの入力スプロケットS4と選別コンベアの入力スプロケットS5と、回収コンベアの入力スプロケットS6がチェーンC2で連結されている。そして、スプロケットS3と同軸に設けられたギアG2と、入力軸に設けられたギアG1が噛み合うことによって、入力軸の駆動がスプロケットS3に伝達されている。
【0229】
このような図35において、ギアG1とギアG2を入れ替えることによって、クリーナ、選別コンベア、回収コンベアの駆動速度を一斉に切り替えることが出来る。
【0230】
作物が少ない時や能率を上げたい時には、図35の通り入力軸側からギアG1(T=12)、ギアG2(T=10)の順に配置し、搬送速度を速くすることが出来る。
【0231】
一方、作物が多い時や、茎葉の切断処理精度、選別精度を高めたい場合には、ギアG1とギアG2を入れ替え、入力軸側からギアG2(T=10)、ギアG1(T=12)の順に配置し、搬送速度を遅くすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0232】
本発明の根菜類収穫機によれば、作物の落下を防止することが可能な効果を有し、人参収穫機等として有用である。
【符号の説明】
【0233】
A 走行部
B 操縦部
C 収穫部
D 位置揃え切断部
E 引継搬送部
F 選別搬送部
G 収容部
24 引抜搬送装置
42 位置揃え駆動スプロケット
45 位置揃え駆動スプロケット
48 位置揃えチェーン
61 茎葉切断装置
100(100L、100R) 位置揃え装置
101 ガイド体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を圃場から引き抜き、前記作物の茎葉部を保持して後上方に搬送する引抜搬送部(24)と、
前記引抜搬送部(24)によって搬送される作物の根部の上昇を規制して、前記作物の根部の上端の高さを揃える位置揃え部(100)と、
前記高さが揃えられた作物の茎葉部を切断する茎葉切断部(61)とを備え、
前記位置揃え部(100)は、
前記作物の茎葉部が通過する隙間を形成するように左右一対に配置され、夫々回転する無端状のチェーン部(48)と、
前記チェーン部(48)に設けられ、前記作物の根部の上端を規制するガイド体(101)と、
前記チェーン部(48)に設けられ、前記作物の茎葉部が通過する際に前記茎葉部を保持する保持部(110)とを有することを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
前記チェーン部(48)は、ローラチェーンであって、上プレート(481a)及び下プレート(481b)を持つリンク(481)と、ローラ(483)を有し、
前記ガイド体(101)は、
前記リンク(481)に配置されたコの字形状の部材であって、前記上プレート(481a)の上側を覆う上面(101a)と、前記上プレート(481a)及び前記下プレート(481b)の外周側を覆う外周面(101c)と、前記下プレート(481b)の下側を覆う下面(101b)とを有し、
前記保持部(110)は、前記ガイド体(101)に配置又は形成されていることを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項3】
前記保持部(110)は、
前記ガイド体(101)の上側に、前記茎葉部を保持する茎葉保持位置と前記茎葉部を保持しない非茎葉保持位置との間を回動自在に配置された板状部材であり、
前記チェーン部(48)の外周側の端部には凹凸(110a)が形成されており、
前記位置揃え部(100)は、
前記一対に配置されたチェーン部(48)が対向する位置揃え作用域(130)と、
前記保持部を前記非茎葉保持位置側に付勢する付勢部(111)と、
前記位置揃え作用域(130)で、前記付勢部(111)の付勢力に対抗して、前記保持部を前記茎葉保持位置に回動させ、前記端部を前記ガイド体(101)から突出させる押出部(120)を更に備えたことを特徴とする請求項2記載の根菜類収穫機。
【請求項4】
前記押出部(120)は、前記保持部(110)に当接する押出板部(121)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(101)のうち一方の前記ガイド体(101)に配置された前記保持部(110)が、前記茎葉保持位置に配置され、他方の前記ガイド体(101)に配置された前記保持部(110)が前記非茎葉保持位置に配置されるように、前記押出板部(121)が形成されていることを特徴とする請求項3記載の根菜類収穫機。
【請求項5】
前記保持部(110)は、
前記ガイド体(101)の上側に配置された板状部材であり、
前記板状部材の、前記チェーン部(48)の外周側の端部は、前記ガイド体から突出し、その端部には凹凸(110a)が形成されていることを特徴とする請求項2記載の根菜類収穫機。
【請求項6】
前記位置揃え部(150)は、
前記一対に配置されたチェーン部(48)が対向する位置揃え作用域(130)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(101)の一方にのみ前記保持部(110)が配置されるように、前記保持部(110)は、一周の前記チェーン部(48)に関して、所定の個数毎に前記ガイド体(101)に配置されていることを特徴とする請求項3又は5に記載の根菜類収穫機。
【請求項7】
前記ガイド体(201)は、L字状の上部材(202)とL字状の下部材(203)に分割されており、
前記上部材(202)は、外周側に突出可能に構成されており、
前記突出した位置が、前記茎葉部を保持する茎葉保持位置であり、
前記突出しない位置が、前記茎葉部を保持しない非茎葉保持位置であり、
前記上部材(202)は、前記保持部と兼ねられており、
前記位置揃え部(200)は、
前記一対に配置されたチェーン部が対向する位置揃え作用域(130)を有し、
前記上部材(202)を前記非茎葉保持位置側に付勢する付勢部(205)と、
前記位置揃え作用域(130)で、前記付勢部(205)の付勢力に対抗して、前記保持部(110)を前記茎葉保持位置に移動させる押出部(210)を更に備えたことを特徴とする請求項2記載の根菜類収穫機。
【請求項8】
前記押出部(210)は、前記保持部に当接する押出板部(211)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で、対向する一対の前記ガイド体(201)のうち一方の前記ガイド体(201)の前記上部材(202)が前記茎葉保持位置に配置され、他方の前記ガイド体(201)の前記上部材(202)が前記非茎葉保持位置に配置されるように、前記押出板部(211)が形成されていることを特徴とする請求項7記載の根菜類収穫機。
【請求項9】
前記ガイド体(301)は、その上部が少なくとも軟質部材によって形成されており、
前記保持部は、前記外周面の前記上部に形成された突起部(302c)であり、
前記突起部(302c)は、内部に空洞(302d)を有していることを特徴とする請求項2記載の根菜類収穫機。
【請求項10】
前記ガイド体(401)は、
前記外周面に形成された開口部(401e)と、
前記開口部の縁に形成された突起部(401d)とを有し、
前記突起部(401d)は、前記保持部を兼ねていることを特徴とする請求項2記載の根菜類収穫機。
【請求項11】
前記位置揃え部(400)は、
前記一対に配置されたチェーン部(48)が対向する位置揃え作用域(130)を有し、
前記位置揃え作用域(130)で対向する一対の前記ガイド体(101、401)の一方にのみ前記突起部(401d)が形成されるように、一周の前記チェーン部(48)に関して、前記突起部(401d)は所定の個数毎に前記ガイド体(401)に形成されていることを特徴とする請求項10記載の根菜類収穫機。
【請求項12】
前記ガイド体(501)は、
前記外周面(501c)の前後方向における中央部に、上下方向に形成された縦溝(501e)と、
前記下面(501b)に形成された、前記作物の根部の滑り止めをする複数の受溝(501f)とを有することを特徴とする請求項2記載の根菜類収穫機。
【請求項13】
前記上面(511a)に形成された複数の受溝(511f)を更に備え、
前記上面(511a)に形成された複数の受溝(511f)と、前記下面(511b)に形成された複数の受溝(511f)が、前記茎葉部の搬送方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする請求項12記載の根菜類収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13(a)】
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【図13(b)】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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