根菜類収穫機

【課題】径の大小にかかわらず、肩揃え装置の始端側の下部に作物の根菜部を接触させて収穫作業を滞らせない根菜類収穫機を提供すること。
【解決手段】肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の間隔部を調節する間隔調節機構Ｘ１を設けたことにより径の小さい作物であっても肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の下部に接触させて肩揃えを行うことができるので、作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに詰まって収穫作業を滞らせることが防止され、作業能率が従来技術より向上し、さらに肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の間隔部に向けて付勢すると共に、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに負荷がかかると間隔部を広げる自動張圧機構Ｘ２を設けたので、間隔部に茎葉部の径が大きい作物が通過すると自動的に広がるので、茎葉部が詰まって収穫作業を滞らせることが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は作物を圃場から引き抜き、茎葉部を切断して収穫する根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の根菜類収穫機としては、搬送中の作物の茎葉部を挟持して、根菜の肩を揃えて搬送する肩揃え装置と、該肩揃え装置で搬送される根菜の茎葉部を切断装置で切断する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−２７３６２１号公報
【特許文献２】特開２００７−２３６３３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１、２に記載された根菜類収穫機は、肩揃え装置全体の左右間隔を調節することは可能であるが、始端部から終端部に亘って略同じ左右間隔となるため、径の小さな人参が搬送されて来ると、人参が左右間隔部を通過して、茎葉部でなく根部が切断されてしまい、人参の商品価値が低下する問題がある。また、茎葉部の径が大きい人参が搬送されて来ると、左右間隔に茎葉部が詰まってしまい、収穫作業が中断されてしまう問題がある。
【０００５】
さらに、茎葉部が左右間隔に詰まらなくても、根部が肩揃え装置まで引き上げられず、茎葉部が途中で切断されてしまい、作業者が手作業で残った茎葉部を除去しなければならず、作業者の労力が増大する問題がある。
そこで、本発明は径の大小にかかわらず肩揃え装置の始端側の下部に作物の根菜部を接触させて収穫作業を滞らせない根菜類収穫機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１記載の発明は、機体フレーム（１）に作物を収穫して搬送する引抜搬送装置（２４）と、引抜搬送装置（２４）で搬送中の作物の上方移動を規制して位置を揃える肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）と、引抜搬送装置（２４）から作物の茎葉部を引き継ぎ後方に搬送する茎葉（排葉）搬送装置（６５）と、一対の肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）に位置を揃えられ、茎葉（排葉）搬送装置（６５）に引き継がれた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置（６１）を設けた根菜類収穫機において、肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）の始端側の間隔部を調節する間隔調節機構（Ｘ１）と、間隔調節機構（Ｘ１）を肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）の間隔部に向けて付勢すると共に、肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）に負荷がかかると間隔部を広げる自動張圧機構（Ｘ２）を設けたことを特徴とする根菜類収穫機である。
【０００７】
請求項２記載の発明は、一対の肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）は、それぞれの肩揃えフレーム（４３）と、肩揃えフレーム（４３）の後側下部に設ける駆動回転体（４２）と、肩揃えフレーム（４３）の前側下部に設ける従動回転体（４５）と、駆動回転体（４２）及び従動回転体（４５）の前後間に設ける調節回転体（４７）と、駆動・従動・調節回転体（４２，４５，４７）に亘って巻回する肩揃え無端帯（４８）と、肩揃え無端帯（４８）の上下及び側面を覆う肩揃え被覆体（５１）で構成し、肩揃えフレーム（４３）に機体フレーム（１）の左右方向に長い複数の長穴（４３ａ）を形成し、該長穴（４３ａ）に締結部材（４６ｘ）を挿入して肩揃えフレーム（４３）の前部で且つ上側に調節プレート（４６）を前記左右方向に移動可能に装着し、調節プレート（４６）の中央寄りに機体フレーム（１）の前後方向に長い長穴（４６ａ）を形成し、該長穴（４６ａ）に従動回転体（４５）の回転軸（４５ａ）を配置して間隔調節機構（Ｘ１）とし、肩揃えフレーム（４３）の下側に、従動回転体（４５）の回転軸（４５ａ）が入る前記前後方向に長い長穴（４４ａ）を形成した張圧プレート（４４）を配置し、張圧プレート（４４）の後部に張圧部材（４４ｂ）を配置して自動張圧機構（Ｘ２）とし、張圧部材（４４ｂ）は従動回転体（４５）の回転軸（４５ａ）を機体フレーム（１）の左右方向内側に付勢する位置に配置したことを特徴とする請求項１記載の根菜類収穫機である。
【０００８】
請求項３記載の発明は、調節プレート（４６）の後方に茎葉搬送装置（６５）の前端部を配置し、調節プレート（４６）の後端部を上方に向けてＬ字状に折り曲げた折曲片（４６ｂ）を設けたことを特徴とする請求項２記載の根菜類収穫機である。
【０００９】
請求項４記載の発明は、調節プレート（４６）の機体フレーム（１）の左右方向外側に等間隔に複数個の切欠溝（４６ｃ）を形成したことを特徴とする請求項２または３記載の根菜類収穫機である。
【００１０】
請求項５記載の発明は、肩揃えフレーム（４３）に前記前後方向に長い長穴（４３ｃ）を形成し、該長穴（４３ｃ）に調節回転体（４７）の回転軸（４７ａ）を前後方向に調節可能に挿入し、該調節回転体（４７）の前記前後方向の移動幅は、従動回転体（４５）の前記前後方向の移動量よりも大きくしたことを特徴とする請求項２から４のいずれか１項に記載の根菜類収穫機である。
【００１１】
請求項６記載の発明は、肩揃えフレーム（４３）の従動回転体（４５）と調節回転体（４７）間に機体フレーム（１）の左右方向に長い長穴（４３ｄ）を形成し、肩揃えフレーム（４３）の下部で、長穴（４３ｄ）に、肩揃え無端帯（４８）の上方移動を規制して脱落を防止する脱落防止ガイド（４９）を前記左右方向に移動可能に配置し、従動回転体（４５）の上部に、搬送無端帯（４８）の上方移動を規制して脱落を防止する脱落防止回転体（５０）を配置し、脱落防止回転体（５０）の外周縁部に鈍角の凹凸部を形成した
ことを特徴とする請求項２から５のいずれか１項に記載の根菜類収穫機である。
【００１２】
請求項７記載の発明は、搬送装置（２４）と肩揃え装置（５４Ｌ，４５Ｒ）の搬送始端側の間に、作物を案内する引継ガイド（５８）を後上り傾斜姿勢で配置し、引継ガイド（５８）の後端部を左右方向で且つ機体外側に向けて屈曲させた屈曲部（５８ａ）を設けたことを特徴とする請求項２から６のいずれか１項に記載の根菜類収穫機である。
【００１３】
請求項８記載の発明は、それぞれの搬送無端帯（４８）の覆う被覆体（５１）の作用側にそれぞれ下面から上面に亘って泥抜け溝（５１ｄ）を形成し、被覆体（５１）の機体フレーム（１）の左右方向で泥抜け溝（５１ｄ）の位相を機体フレーム（１）の前前後方向にずらして配置したことを特徴とする請求項２から７のいずれか１項に記載の根菜類収穫機である。
【発明の効果】
【００１４】
請求項１記載の発明によれば、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の間隔を調節自在にする間隔調節機構Ｘ１により、径の小さい作物であっても肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の下部に接触させて肩揃えを行うことができるので、作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに詰まって収穫作業を滞らせることが防止され、作業能率が従来技術より向上する。
【００１５】
また、小径の作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒよりも上方に移動し、作物の根部（可食部）が切断されてしまうことを防止できるので、作物の商品価値が維持される。
そして、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに負荷がかかると間隔部を広げる自動張圧機構Ｘ２を設けたことにより、茎葉部の径が大きい作物が通過すると間隔部が自動的に広がるので、茎葉部が詰まって収穫作業を滞らせることが防止される。
【００１６】
請求項２記載の発明によれば、請求項１記載の発明の効果に加えて、肩揃えフレーム４３の前部で且つ上側に調節プレート４６を左右移動可能に配置し、調節プレート４６の間隔部側に前後方向に長い長穴４６ａを形成し、この長穴４６ａに従動回転体４５の回転軸４５ａを配置して間隔調節機構Ｘ１を構成すると共に、肩揃えフレーム４３の下側に張圧プレート４４を配置し、張圧プレート４４の後部に張圧部材４４ｂを配置して自動張圧機構Ｘ２を構成したことにより、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔部は径の大きな作物が通過するときに広くなり、通過し終えると設定した間隔に自動的に戻るので、生育状態の異なる作物を収穫することができ、作業能率が従来技術より向上する。
【００１７】
また、張圧プレート４４を従動回転体４５よりも機体外側に配置したことにより、張圧プレート４４は間隔調節機構Ｘ１を機体内側に向けて付勢する構成となるので、茎葉部が大径の作物が通過した際に肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔が正確に設定位置に戻る構成となり、小径作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔内に進入することが防止される。
【００１８】
さらに、肩揃えフレーム４３の前部で且つ上側に調節プレート４６を左右移動可能に配置し、調節プレート４６の間隔部側に機体前後方向に長い長穴４６ａを形成し、この長穴４６ａに従動回転体４５の回転軸４５ａを配置して間隔調節機構Ｘ１を構成すると共に、肩揃えフレーム４３の下側に張圧プレート４４を配置し、張圧プレート４４の後部に張圧部材４４ｂを配置して自動張圧機構Ｘ２を構成したことにより、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔部は径の大きな作物が通過するときに広くなり、通過し終えると設定した間隔に自動的に戻るので、生育状態の異なる作物を収穫することができ、作業能率が従来技術より向上する。
【００１９】
また、張圧プレート４４は従動回転体４５の回転軸４５ａを機体内側に向けて付勢する構成となり、茎葉部が大径の作物が通過した際に肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔が正確に設定位置に戻る構成となり、小径作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔内に進入することが防止される。
【００２０】
請求項３記載の発明によれば、請求項２記載の発明の効果に加えて、間隔調節機構Ｘ１の調節プレート４６の後端部を上方に向けて折り曲げたことにより、調節プレート４６を茎葉搬送装置６５の前端部の上下幅に亘って接触する構成となるため、茎葉搬送装置６５に付着した残葉や泥土等の夾雑物をこの屈曲部で掻き取ることができるので、茎葉搬送装置６５が夾雑物との接触で生じる摩擦力で傷付くことが防止され、耐久性が向上する。
【００２１】
請求項４記載の発明によれば、請求項２又は３記載の発明の効果に加えて、調節プレート４６の外側部に切欠溝４６ｃを複数、等間隔に形成したことにより、作業者は肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔を調節する際に、これらの切欠溝４６ｃを幅調節の目安とすることができるので、作物の生育条件に合わせて適切な間隔の決定が容易に行えるため、作業能率が従来技術より向上する。
【００２２】
請求項５記載の発明によれば、請求項２ないし４のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの調節回転体４７を前後調節可能に構成したことにより、肩揃え無端帯４８の張力を容易に変更することができるので、経年劣化により肩揃え無端帯４８が若干伸びた場合でも、調節回転体４７を前後移動させて張力を確保することができるので、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの耐久性が向上する。
【００２３】
また、調節回転体４７の前後移動幅を従動回転体４５の前後移動量よりも大きくしたことにより、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの作用開始位置を変更することなく張力の調節を行うことができるので、作物の肩揃え位置が揃って茎葉部の切断位置が適切になるため、作物の商品価値が維持される。
【００２４】
請求項６記載の発明によれば、請求項２ないし５のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、肩揃えフレーム４３の下部に、肩揃え無端帯４８の上方移動を規制して脱落を防止する脱落防止ガイド４９を左右方向に移動可能に配置すると共に、従動回転体４５の上部に、肩揃え無端帯４８の上方移動を規制して脱落を防止する脱落防止回転体５０を設けたことにより、作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに接触して肩揃え無端帯４８が上方に押し上げられても、肩揃え無端帯４８が脱落することを防止できるので、作業が中断されることが無く、作業能率が向上する。
【００２５】
また、脱落防止回転体５０の外周縁部に凹凸部を形成したことにより、作物の茎葉部をこの凹凸部で肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔部に案内することができるので、茎葉部が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの作用域外に移動することが防止され、作業能率が向上する。
【００２６】
さらに、脱落防止回転体５０の外周縁部の前記凹凸部を鈍角状の凹凸で形成したことにより、この凹凸部が茎葉部を切断してしまうことが無く、確実に茎葉部を除去することができ、作業者が後から茎葉部を除去する必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
【００２７】
請求項７記載の発明によれば、請求項２ないし６のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、引抜搬送装置２４と肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの搬送始端側の間に後上り傾斜姿勢で配置する引継ガイド５８の後端部を、左右方向で且つ機体外側に向けて屈曲させたことにより、引継ガイド５８の後端部を肩揃え装置にいっそう近付けることができるので、引抜搬送装置２４から肩揃え装置５４Ｌ，４５Ｒ、及び茎葉搬送装置６５への作物の引き継ぎが確実に行われる。
【００２８】
また、引継ガイド５８の後端部を左右方向に屈曲させたことにより、茎葉部は引継ガイド５８から確実に開放されるため、引継ガイド５８に茎葉部が残ることがない。
【００２９】
請求項８記載の発明によれば、請求項２ないし７のいずれか１項に記載の発明の効果に加えて、肩揃え被覆体５１の作用側（作物を挟む側）にそれぞれ下面から上面に亘って泥抜け溝５１ｄを形成し、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの左右で、一対の肩揃え被覆体５１の互いに向き合う作用側の面にそれぞれ泥抜け溝５１ｄ，５１ｄを形成した。
【００３０】
前記泥抜け溝５１ｄ、５１ｄを形成したことにより、肩揃え被覆体５１，５１の内側に泥土が入り込んでも、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの各回転体４２，４４，４７に接触すると、各回転体４２，４４，４７が泥土を泥抜け溝５１ｄ、５１ｄから押し出すので、それぞれの肩揃え被覆体５１と肩揃え無端帯４８の間に泥土が溜まって肩揃え無端帯４８を停止、または脱落させてしまうことが防止される。
【００３１】
また、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの互いに向き合う泥抜け溝５１ｄ、５１ｄの位相を前後方向にずらして配置した。肩揃え被覆体５１，５１の一対の対向する位置にある泥抜け溝５１ｄ，５１ｄの位相が前後方向にずれるように配置したことにより、常に一方の肩揃え被覆体５１の泥抜け溝５１ｄに対向する側には肩揃え被覆体５１の平面部が位置する構成となるので、一方の肩揃え被覆体５１の泥抜け溝５１ｄから押し出された泥土同士が接触して対向する肩揃え被覆体５１，５１の間隔部に詰まってしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】本発明の一実施例の根菜類収穫機の側面図である。
【図２】図１の根菜類収穫機の平面図である。
【図３】図１の根菜類収穫機の要部側面図である。
【図４】図１の根菜類収穫機の要部平面図である。
【図５】図１の根菜類収穫機の肩揃え装置の下側から見た平面図である。
【図６】図１の根菜類収穫機の肩揃え装置の一部斜視図である。
【図７】図１の根菜類収穫機の肩揃え装置の要部側面図である。
【図８】図１の根菜類収穫機の肩揃えカバーの平面図である。
【図９】図８の肩揃えカバーの側面図（図９（ａ））、平面図（図９（ｂ））及び正面図（図９（ｃ））である。
【図１０】図１の根菜類収穫機の選別搬送部の側面図である。
【図１１】図７の肩揃え揃え装置の変形例の側面図である。
【図１２】図１の根菜類収穫機の肩揃え装置のテンションスプロケット取付部の断面図（図１２（ａ）及び図１２（ｂ））である。
【図１３】図５の肩揃え装置の変形例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００３３】
本発明の実施の形態について説明する。
図１等に示すように、本発明の一実施例として示す根菜類収穫機の一種であるニンジン収穫機を説明する。
ニンジン収穫機は、機体を走行させる走行部Ａと、操縦者が搭乗する操縦部Ｂと、機体左右一側で圃場からニンジンを引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Ｃと、該収穫部Ｃからニンジンを引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Ｄと、茎葉切断部Ｄから落下するニンジンを受けて、根菜部側に残った茎葉部を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Ｅと、該引継搬送部Ｅからニンジンを引き継いで、ニンジンを機体後側へ搬送し、搬送中のニンジンを補助作業者が選別する選別搬送部Ｆと、選別搬送部Ｅから排出されるニンジンを収容する収容部Ｇとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【００３４】
図１、図２で示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種であるニンジン収穫機は、機体を走行させる走行部Ａと、操縦者が搭乗する操縦部Ｂと、機体左右一側で圃場からニンジンを引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して根部を収穫する収穫部Ｃと、該収穫部Ｃの後部から落下したニンジンを受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Ｄと、該引継搬送部Ｄからニンジンを引き継いでニンジンを機体後側へ搬送し、搬送中のニンジンを補助作業者が選別する選別搬送部Ｅと、選別搬送部Ｅから排出されるニンジンを収容する収容部Ｆとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【００３５】
まず、走行部Ａの構成について説明する。
図１、図２で示すように、機体フレーム１の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット２，２と機体後部側の左右従動輪３，３と、該左右駆動スプロケット２，２と左右従動輪３，３との間に取り付けた複数の転輪４，４・・・の周りに左右ベルト５，５を巻き掛けて左右のクローラ６，６を構成する。そして、該左右クローラ６，６の左右駆動スプロケット２，２を、エンジン（図示せず）の動力が伝動されるミッションケース８から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト９，９に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ６，６を該機体フレーム１に取り付ける。
【００３６】
次に、操縦部Ｂの構成について説明する。
図１，図２で示すように、前記機体フレーム１の右側上部に操縦部フレーム１０を取り付け、該操縦部フレーム１０には操縦座席１１を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル１２を設ける。そして、該操縦パネル１２に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー１３を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Ｃの作業高さを操作する昇降操作レバー１４を取り付ける。
【００３７】
上記構成により、変速操作レバー１３や昇降操作レバー１４のような、１本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【００３８】
次に、収穫部Ｃの構成について説明する。
図１，図２で示すように、左右引抜フレーム１５，１５の機体前側に左右従動プーリ１６，１６を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ１７，１７を装着し、該左右従動プーリ１６，１６と左右駆動プーリ１７，１７との間にニンジンを引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト１８，１８を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ１９…によって該左右挟持搬送ベルト１８，１８を張圧し、左右挟持搬送ベルト１８，１８の機体内側面を互いに圧接させてニンジンの引抜搬送経路を構成する。そして、前記機体フレーム１の上方に左右横軸２１を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム２０を取り付け、該回動フレーム２０の後端部に前記左右駆動プーリ１７，１７に駆動力を伝動する伝動ケース２２を、回動支点Ｘを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム１と回動フレーム２０とを昇降シリンダ２３で連結し、該昇降シリンダ２３を操縦部Ｂで操作可能に取り付けて引抜搬送装置２４を構成する。
【００３９】
また、該引抜搬送装置２４の前方にニンジンの茎葉部を引き起こす縦引起し装置２５と、該縦引起し装置２５が引き起こした茎葉部を掬い上げる横引起し装置２６と、該横引起し装置２６の前部に設ける分草杆２７と、ハンドル２９を回すと上下伸縮する伸縮ロッド３０の下端部に引抜搬送装置２４の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪３１と、前記エンジンの駆動力で回転するシャフト３２の回転によって振動する振動フレーム３３に取り付けたニンジンの左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ３４，３４とを設ける。
【００４０】
そして、前記引抜搬送通路Ｒの下方に引抜搬送装置２４で搬送中のニンジンのひげ根を切断する尻尾切装置３５を取り付けて、収穫部Ｃを構成する。
【００４１】
上記構成により、機体前側に分草杆２７を備える横引起し装置２６と、縦引起し装置２５を設けることによって、圃場に倒伏したニンジンの茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫するニンジンの視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
また、ニンジンに左右振動ソイラ３４，３４等が接触して傷つくことを防止できるので、ニンジンの商品価値が向上する。
【００４２】
さらに、ハンドル２９を回すと上下伸縮する伸縮ロッド３０の下端部にゲージ輪３１を設けたことによって、ゲージ輪３１を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置２４が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置２４の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
【００４３】
そして、機体フレーム１と左右横軸２１を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム２０とを昇降シリンダ２３で連結し、昇降シリンダ２３を操縦部Ｂの昇降操作レバー１４を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー１４の操作により収穫部Ｃ全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Ｃの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節するとともに圃場に植生するニンジンの適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、ニンジンの抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
また、旋回時に収穫部Ｃを上昇させておくと、収穫部Ｃの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
【００４４】
次に、茎葉切断部Ｄについて説明する。
図３，図４に示すように前記伝動ケース２２に駆動力を伝動する左右の伝動軸３６，３６（図１，図３）を取り付け、該左右の伝動軸３６，３６の上部に左右伝動ケース３７，３７（図３，図４）を取り付けると共に、該左右の伝動ケース３７，３７内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第１ギアユニット３８，３８を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース２２内部の左右の伝動軸３６，３６に左右の第２ギアユニット３９，３９を機体後側に向かって取り付け、該左右の第２ギアユニット３９，３９の後端部に左右の第１出力軸４０，４０を機体上方に向けて軸着する。
【００４５】
そして、前記の左右第１ギアユニット３８，３８の前端部に左右の第２出力軸４１，４１を機体下方に向けて軸着し、該左右の第２出力軸４１，４１に左右の肩揃え駆動スプロケット４２，４２を軸着する。
【００４６】
さらに、図５，図６，図７に示すように前記左右伝動ケース３７，３７の前下部に左右の肩揃えフレーム４３，４３を取り付け、該肩揃えフレーム４３，４３に機体左右方向に長い長穴４３ａ，４３ａを形成し、該体左右方向の長穴４３ａ，４３ａに左右の肩揃え従動スプロケット４５，４５を軸着した左右回転軸４５ａ，４５ａを取り付ける。
【００４７】
また、該肩揃え従動スプロケット４５，４５と肩揃え駆動スプロケット４２，４２との前後間で且つ肩揃え駆動スプロケット４２，４２よりも機体内側位置に左右の肩揃えテンションスプロケット４７，４７を回転自在に取り付ける。さらに、該肩揃えテンションスプロケット４７，４７と肩揃え駆動スプロケット４２，４２と肩揃え従動スプロケット４５，４５とに左右の肩揃えチェーン４８，４８を無端状に巻回する。
なお、前記肩揃え駆動スプロケット４２，４２は、肩揃え従動スプロケット４５，４５及び肩揃えテンションスプロケット４７，４７よりも小径のものを用いてもよい。肩揃えチェーン（肩揃え無端帯）４８，４８の上下及び側面は図８、図９に示すようにチェーンカバー５１，５１で覆われている。
【００４８】
そして、図５，図８，図９に示すように前記肩揃えチェーン４８，４８を構成する複数のリンク４８ａ…に、肩揃えチェーン４８，４８の上部と下部と茎葉部の接触面を覆う正面視コの字型のガイドカバー５１…を取り付け、肩揃えガイド体５２を構成する。
【００４９】
図１２（ａ）、図１２（ｂ）に示すように、テンションスプロケット４７の回転軸（可動ピン）４７ａは角軸とする、あるいはヘッダを設けて下に抜けず回らない構成とする。そして、該可動ピン４７ａをカラー４７ｃとボルト４７ｅで締め上げて、テンションスプロケット４７を固定する構成としても良い。
また、上記構成に加えて、可動ピン４７ａのヘッダ部４７ｂは、茎葉搬送装置６５のフレームに接触する直前まで延設する構成とすると、可動ピン４７ａが外れることがいっそう防止されるので、負荷がかかった際に破損することが防止される。
【００５０】
本実施例では肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の間隔部を調節する間隔調節機構Ｘ１と、該間隔調節機構Ｘ１を肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔部に向けて付勢すると共に、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに負荷がかかると間隔部を広げる自動張圧機構Ｘ２を設けたことに特徴がある。
【００５１】
そして、図６に示すように、肩揃えフレーム４３に左右方向の長穴４３ａ，４３ａを形成し、該長穴４３ａ，４３ａに挿入したボルト４６ｘ，４６ｘにより、肩揃えフレーム４３の前部で、上側に調節プレート４６を左右移動可能に配置する。また、調節プレート４６の間隔部側に前後方向の長穴４６ａを形成し、この長穴４６ａに従動スプロケット４５（図７）の回転軸４５ａを配置する。このように調節プレート４６，長穴４６ａ，従動スプロケット４５の回転軸４５ａから間隔調節機構Ｘ１を構成する。
【００５２】
図６、図７に示すように、前記肩揃えフレーム４３の下側に張圧プレート４４を前後方向に位置調節可能に取り付け、従動スプロケット４５，４５を張圧して肩揃えチェーン４８，４８に生じる弛みを吸収させる左右の張圧部材（張圧バネ）４４ｂ，４４ｂを取り付ける。肩揃えフレーム４３の下側に、従動スプロケット４５の回転軸４５ａが入る前後方向の長穴４４ａを形成した張圧プレート４４と揃えフレーム４３の間に張圧バネ４４ｂ，４４ｂを配置する。これら張圧プレート４４とその後部に配置される張圧バネ４４ｂなどから自動張圧機構Ｘ２が構成される。
【００５３】
前記間隔調節機構Ｘ１により肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の間隔を調節自在に構成することができ、径の小さい作物であっても肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの始端側の下部に接触させて肩揃えを行うことができるので、作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに詰まって収穫作業を滞らせることが防止され、作業能率が従来技術より向上する。また、小径の作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒよりも上方に移動し、作物の根部（可食部）が切断されてしまうことを防止できるので、作物の商品価値が維持される。
【００５４】
そして、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに負荷がかかると間隔部を広げる自動張圧機構Ｘ２を設けたことにより、茎葉部の径が大きい作物が通過すると間隔部が自動的に広がるので、茎葉部が詰まって収穫作業を滞らせることが防止される。
【００５５】
図５，図７に示すように肩揃えフレーム４３の前部で且つ上側に調節プレート４６を機体の左右方向に移動可能に配置し、調節プレート４６の間隔部側に前後方向に長い長穴４６ａを形成し、この長穴４６ａに従動スプロケット４５の回転軸４５ａを挿入して間隔調節機構Ｘ１を構成すると共に、肩揃えフレーム４３の下側に張圧プレート４４を配置し、張圧プレート４４の後部に張圧バネ４４ｂを配置して自動張圧機構Ｘ２を構成したことにより、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔部は径の大きな作物が通過するときに広くなり、通過し終えると設定した間隔に自動的に戻るので、生育状態の異なる作物を収穫することができ、作業能率が従来技術より向上する。
【００５６】
また、張圧プレート４４を前方に付勢する張圧バネ４４ｂと従動スプロケット４５の回転軸４５ａをオフセットさせて、張圧バネ４４ｂで従動スプロケット４５を常に閉じる方向（肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの中央側）に付勢する構成、すなわち、張圧プレート４４は従動スプロケット４５の回転軸４５ａを機体内側に向けて付勢する構成となり、茎葉部が大径の作物が通過した際に肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔が正確に設定位置に戻る構成となり、小径作物が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔内に進入することが防止される。
【００５７】
また、調節プレート４６の左右方向の調整用の止めネジ４６ｘ（図６）は抜け止めのみに特化させる。すなわち、止めネジ４６ｘを、調節プレート４６が動かなくなるまで締め込むのではなく、調節プレート４６が肩揃えフレーム４３の長穴４３ａの長手方向に移動可能な程度の力で締めておき、調節プレート４６が上方に移動するような負荷がかかった際には、止めネジ４６ｘが調節プレート４６の上方移動による抜け止めを抑える機能を奏する。こうして、調節プレート４６と肩揃えフレーム４３との間に若干の遊びがある状態になる。この遊びがないと、負荷がかかった際に調節プレート４６が逃げられなくなり、間隔調節機構Ｘ１による肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔調整機能がなくなる。
【００５８】
前記間隔調節機構Ｘ１は、左右の肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒにそれぞれ設けているので、間隔調節幅は２つの間隔調節機構Ｘ１により大きく設定できる。
また、駆動スプロケット４２と従動スプロケット４５の下面は、フラットにし、かつチェーン４８の下端よりもはみ出ない構成としてニンジンなどの収穫物を傷つけないようにしている。
【００５９】
調節プレート４６の後方に茎葉搬送装置６５の前端部を配置し、調節プレート４６の後端部を上方に向けてＬ字状に折り曲げた折曲片４６ｂを設けた。このため、調節プレート４６が茎葉搬送装置６５の前端部の上下幅に亘って接触する構成となるため、茎葉搬送装置６５に付着した残葉や泥土等の夾雑物を、この折曲片４６ｂで掻き取ることができる。
【００６０】
こうして、茎葉搬送装置６５が夾雑物と接触することで生じる摩擦力で傷付くことが防止され、耐久性が従来以上に向上する。
なお、調節プレート４６の折曲片４６ｂは、茎葉搬送装置６５の左右排葉搬送ベルト６４，６４のスクレーパを兼ねる。
【００６１】
図５の平面図と図６の斜視図に示すように調節プレート４６の外側部に切欠溝４６ｃを複数個等間隔に形成している。このように複数の切欠溝４６ｃを等間隔に形成したことにより、作業者は肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔を調節する際に、これらの切欠溝４６ｃを幅調節の目安とすることができるので、作物の生育条件に合わせて適切な間隔の決定が容易に行えるため、作業能率が従来技術より向上する。
また、図６に示すように調節プレート４６の外側に段差を設け、肩揃えフレーム４３との間で隙間を視覚で確認し易くしている。
【００６２】
図１１には従動スプロケット４５の回転軸４５ａの肩揃えフレーム４３へ取り付ける場合の構成図を示す。図１１に示すように従動スプロケット４５の回転軸４５ａを機体フレーム１の下側から軸受４５ｂとカラー４５ｃを介して肩揃えフレーム４３を上向きに貫通して取り付ける際に肩揃えフレーム４３の上側にナット４５ｅを配置しておくことでボルト状の回転軸４５ａを肩揃えフレーム４３に締結することができる。
【００６３】
図１１に示すように従動スプロケット４５と共に肩揃えフレーム４３に取り付ける調節プレート４６は構造上、肩揃えフレーム４３の上側からの取り付け、取り外し作業は困難なので、肩揃えフレーム４３の上面には、ウエルドナットやフラットボタン、溶接ピン等の固定部材（図示せず）を設け、肩揃えフレーム４３の下側から固定作業か行えるように取り付けた。
【００６４】
また、図１２（ａ）の断面図に示すように、テンションスプロケット４７の角軸状の回転軸（可動ピン）４７ａとヘッダ４７ｂを肩揃えフレーム４３に取り付けると可動ピン４７ａとヘッダ４７ｂは下方に抜けず、また回らない。可動ピン４７ａをカラー４７ｃと軸受４７ｄとボルト４７ｄで締め上げて、テンションスプロケット４７を肩揃えフレーム４３に固定する構成としても良い。また、上記構成に替えて図１２（ｂ）の断面図に示すように稼動ピン４７ａのヘッダ部４７ｂを茎葉搬送装置６５のフレーム６５ａに当たる直前まで十分に伸ばした構成にしても良い。
【００６５】
肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの前後調節を可能とするために肩揃えフレーム４３に機体の前後方向に長い長穴４３ｃ（図６）を形成してテンションスプロケット４７の可動ピン（回転軸）４７ａをボルト４７ｅ等で装着すると、テンションスプロケット４７の機体前後方向の移動幅は、従動スプロケット４５の前後移動量よりも大きくなり、肩揃え無端帯（チェーン）４８の張力を容易に変更することができるので、経年劣化により肩揃えチェーン４８が若干伸びた場合でも、テンションスプロケット４７を前後移動させて張力を確保することができるので、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの耐久性が向上する。
【００６６】
また、テンションスプロケット４７の前記前後方向の移動幅を従動スプロケット４５の前後方向の移動量よりも大きくしたことにより、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの作用開始位置を変更することなく肩揃えチェーン４８の張力の調節を行うことができるので、作物の肩揃え位置が揃って茎葉部の切断位置が適切になるため、作物の商品価値が維持される。
【００６７】
図１３に図５に示す構成の変形例であるテンションスプロケット４７の肩揃えフレーム４３への取付位置を左右の肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒで、千鳥状に変えて配置する構成を示す。左右の一対のテンションスプロケット４７，４７を千鳥配置して、終端部位置での抜けを良くするようにしている。すなわち、左右の一対のテンションスプロケット４７，４７の位相が左右でずれることにより、肩揃えチェーン４８の搬送終端部の左右離間距離が長くなるので、茎葉部が詰まりにくくなる。
また、テンションスプロケット４７の移動量に対して、従動スプロケット４５の移動量が少ない構成にすると前方側位置が変わらないので、葉茎やニンジンの入り込みが良い。
【００６８】
図５の機体の下側から見た肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒに示すように各肩揃えフレーム４３の従動スプロケット４５と調節回転体４７間に左右方向に長い長穴４３ｄ，４３ｄを一対設けている。そして、脱落防止ガイド４９のうち、肩揃えチェーン４８から離間する側を曲げ、この曲げ部付近で長孔４３ｄ，４３ｄに取付プレート４９ａを掛け渡して、ボルト・ナット４３ｅ等で取り付ける。このとき、取付プレート４９ａにも取付孔（丸孔）を形成し、この取付孔と長孔４３ｄの位置を合わせてボルト・ナット４３ｅで位置決めをする。これにより、脱落防止ガイド４９のテンション力が変更できる。
【００６９】
なお、脱落防止ガイド４９を左右方向に調節可能とすることで、不要なときは退避させてチェーン４８の動きの自由さを確保し、脱落が起きやすいときはチェーン４８の左右幅に亘って覆う位置まで突出させる。
また、脱落防止ガイド４９の先端部は、ニンジンの茎葉や根菜部分が引っ掛からないように平面視においてアール加工を施している。
【００７０】
こうして左右方向に移動可能な脱落防止ガイド４９は肩揃えフレーム４３の下部で且つこの長穴４３ｄに肩揃えチェーン４８の上方移動を規制して脱落を防止することができる（脱落防止ガイド４９はチェーン４８の上側にある）。
【００７１】
さらに、従動スプロケット４５の上部に、肩揃えチェーン４８の上方移動を規制して脱落を防止する脱落防止ディスク５０（図５参照）を配置し、脱落防止ディスク５０の外周縁部に鈍角状の凹凸部（図示せず）を形成している。また、脱落防止ディスク５０の外周縁部に凹凸部（図示せず）を形成したことにより、作物の茎葉部をこの凹凸部で肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの間隔部に案内することができるので、茎葉部が肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの作用域外に移動することが防止され、作業能率が従来以上に向上する。さらに、前記凹凸部を鈍角状にしたことにより、この凹凸部が茎葉部を切断してしまうことが無く、確実に茎葉部を除去することができ、作業者が後から茎葉部を除去する必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
【００７２】
このように、脱落防止ディスク５０を従動スプロケット４５の上側に設けると共に、脱落防止ガイド４９を左右方向に移動可能に配置したことにより、肩揃えチェーン４８がニンジンなどの作物に押し上げられることがあっても、脱落防止ディスク５０及び脱落防止ガイド４９が肩揃えチェーン４８が脱落する高さまで押し上げられることを規制するので、作業中に肩揃えチェーン４８が脱落することが防止され、作業能率が良い。
【００７３】
なお、脱落防止ガイド４９は肩揃えチェーン４８のガイドカバー５１に対して、十分柔らかい素材を使用してガイドカバー５１を傷つけないようにする。
ガイドバー５１の後端部自身が、茎葉搬送装置６５の左右排葉搬送ベルト６４，６４の下面のスクレーパを兼ねている。
【００７４】
なお、図５，図９で示すように、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒのガイドカバー５１…は、平面視において前後一側方を凸状のＲ部５１ａ、前後他側方を凹状のＲ部５１ｂを形成し、茎葉部との接触面に前後他側方に、後続のガイドカバー５１の前後一側方の凸状のＲ部５１ａ上に向かって突出する突出部５１ｃを形成する。直線部では前方のガイドカバー５１の凹状のＲ部５１ｂに後続のガイドカバー５１の凸状のＲ部５１ａが入り込み、この後続の凸状のＲ部５１ａを前方の突出部５１ｃが覆うことによって、ガイドカバー５１同士の間隔部を覆うことができるので、ガイドカバー５１同士の間隔部にニンジンの茎葉部が噛み込まれることが防止され、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【００７５】
また、ガイドカバー５１は凸状のＲ部５１ａと凹状のＲ部５１ｂを有し、リンク４８ａに１つずつ取り付けられていることにより、ガイドカバー５１同士は干渉し合うことが無く肩揃えチェーン４８，４８の移動に追従することができるので、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
【００７６】
加えて、肩揃えチェーン４８，４８が円弧軌跡で移動する際、突出部５１ｃを有することにより、ガイドカバー５１同士の間に大きな間隔部が生じないため、この間隔部にニンジンの茎葉部が噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
なお、肩揃えガイド体５２は、複数のガイドカバー５１…ではなく、肩揃えチェーン４８の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う、断面形状コの字型としてもよい。
【００７７】
図８、図９に示すように肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの肩揃えガイドカバー５１，５１の作用側にそれぞれ下面から上面に亘って泥抜け溝５１ｄ，５１ｄを形成し、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの左右で、一対の肩揃えガイドカバー５１，５１の互いに向き合う作用側の面にそれぞれ泥抜け溝５１ｄ，５１ｄを形成し、さらに互いに向き合う泥抜け溝５１ｄ，５１ｄの位相を前後方向にずらして配置した。
【００７８】
前記泥抜け溝５１ｄ，５１ｄを形成したことにより、肩揃えガイドカバー５１，５１の内側に泥土が入り込んでも、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの各回転体４２，４４，４７に接触すると、各回転体４２，４４，４７が泥土を泥抜け溝５１ｄ，５１ｄから押し出すので、それぞれの肩揃えガイドカバー５１，５１と肩揃えチェーン４８，４８の間に泥土が溜まって肩揃えチェーン４８，４８を停止、または脱落させてしまうことが防止される。
【００７９】
また、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの左右のガイドカバー５１，５１の対向する位置にある一対の泥抜け溝５１ｄ，５１ｄの位相が前後方向にずれるように配置したことにより、常に一方のガイドカバー５１の泥抜け溝５１ｄに対向する側には他方のガイドカバー５１の平面部が位置する構成となるので、一方のガイドカバー５１の泥抜け溝５１ｄから押し出された泥土同士が接触して対向するガイドカバー５１の間隔部に詰まってしまうことが防止される。
【００８０】
ガイドカバー５１の泥抜け溝５１ｄは、隣り合うガイドカバー５１の隙間と略同じ幅にすると、茎葉や泥土がガイドカバー５１に付着しても、各スプロケット４２，４５，４７を通過する際に、スプロケット４２，４５，４７の歯で押し出して下方に落下させることができるので、掃除に要する手間が省ける。
【００８１】
また、茎葉や泥土などの夾雑物が肩揃えチェーン４８の隙間に入り込んで脱落させることが防止されるので、作業能率が従来より向上する。さらに、スプロケット４２，４５，４７に接触して曲がる際に、ガイドカバー５１，５１同士の隙間がほぼ一定に保たれるため、夾雑物が入り込みにくくなり、掃除が容易になる。
【００８２】
ガイドカバー５１の泥抜け溝５１ｄの底部を除いて、開口しない構成としても、スプロケット４２，４５，４７の歯が泥抜け溝５１ｄに当たり、泥がガイドカバー５１から容易に抜けるのでガイドカバー５１や肩揃えチェーン４８に溜まらない。
【００８３】
次に、引継ガイド５８について述べる。
引抜搬送装置２４と肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの搬送始端側の間に、作物を案内する引継ガイド５８（図１参照）を後上り傾斜姿勢で配置し、引継ガイド５８の後端部５８ａを左右方向で且つ機体外側に向けて屈曲させる構成としている。
引継ガイド５８の後端部５８ａを左右方向で且つ機体外側に向けて屈曲させたことにより、引継ガイド５８の後端部を肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒにいっそう近付けることができるので、引抜搬送装置から肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒ、及び茎葉搬送装置への作物の引き継ぎが確実に行われる。また、引継ガイド５８の後端部５８ａを左右方向に屈曲させたことにより、茎葉部は引継ガイド５８から確実に開放されるため、引継ガイド５８に茎葉部が残ることがない。
【００８４】
そして、肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの肩揃え駆動スプロケット４２，４２の近傍で且つ肩揃えガイド体５２，５２の外側位置で伝動ケース３７，３７に長穴を形成し、この長穴に肩揃えガイド体５２，５２の表面に付着した茎葉部の切れ端や泥等を落とす左右のスクレーパ５５，５５（図５）を肩揃えガイド体５２，５２の軌跡に沿って位置調節時に取り付ける。
なお、スクレーパ５５，５５はガイドカバー５１，５１の表面に付着した泥土等を擦り取る弾性部材で形成されるが、スクレーパ５５，５５は後下り傾斜姿勢で配置することにより、茎葉部の切れ端や泥を下方に落下させやすくなる。
【００８５】
そして、図３に示すように前記左右第１ギアユニット３８，３８の肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの後方位置に左右の切断刃回転軸５６，５６を軸着し、該切断刃回転軸５６，５６に左右のベアリング５７，５７を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング５７，５７に左右の支持プレート５９，５９を取り付け、該支持プレート５９，５９に左右の茎葉切断刃６０，６０を取り付けて、茎葉切断装置６１が構成される。
【００８６】
また、前記左右第１出力軸４０，４０に左右茎葉搬送駆動プーリ６２，６２を軸着し、前記左右第１ギアユニット３８，３８よりも機体前側で且つ肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの上方に左右茎葉搬送従動プーリ６３，６３を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ６２，６２と左右茎葉搬送従動プーリ６３，６３とに左右排葉搬送ベルト６４，６４を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置２４からニンジンの茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置６５が、前記左右の伝動ケース３７，３７の上部外周で且つ引抜搬送装置２４の搬送終端部側の下方に構成される。
【００８７】
さらに、前記左右第１出力軸４０，４０の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ６６，６６を軸着し、前記伝動ケース３７，３７の上方に左右残葉搬送従動プーリ６７，６７を回転自在に取り付けるとともに、該左右残葉搬送駆動プーリ６６，６６と左右残葉搬送従動プーリ６７，６７との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ６８，６８…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ６６，６６と左右残葉搬送従動プーリ６７，６７と左右残葉搬送テンションプーリ６８，６８…とに左右残葉搬送ベルト６９，６９を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置７０が、前記排葉搬送装置６５の上方に構成される。
【００８８】
図１，図２に示すように上記排葉搬送装置６５と残葉搬送装置７０の終端部から茎葉切断装置６１によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉シュータ７１を設けて、茎葉切断部Ｄを構成する。
上記構成により、左右の肩揃え駆動スプロケット４２，４２が、茎葉部が通過する肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの左右間隔部から離間する位置に配置されることにより、肩揃え駆動スプロケット４２，４２や第２出力軸４１，４１に茎葉部が絡み付いて肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒを停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
【００８９】
また、肩揃え駆動スプロケット４２，４２を肩揃え従動スプロケット４５，４５及び肩揃えテンションスプロケット４７，４７よりも小径としたことにより、肩揃え駆動スプロケット４２，４２がいっそう肩揃え装置５４Ｌ，５４Ｒの左右間隔部から離間するので、肩揃え駆動スプロケット４２，４２や第２出力軸４１，４１に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
【００９０】
次に、引継搬送部Ｅについて説明する。
図２で示すように、前記茎葉切断装置６１の下方に前後残葉処理フレーム７２，７２を設け、該前後残葉処理フレーム７２，７２の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ７３，７３を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ７３，７３にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト７４を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト７４の上部にニンジンの根部に残った残葉を残葉処理ベルト７４と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ７５を取り付けて、茎葉切断部Ｄから引き継いだニンジンの残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア７６を構成する。
【００９１】
また、該残葉処理コンベア７６の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置６１よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台７７を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台７７よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ７８を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ７９を設ける。そして、前記残葉処理コンベア７６よりも機体前側で且つ残葉処理コンベア７６に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ７８と汲上搬送従動ローラ７９とに汲上搬送ベルト８０を無端状に巻回して、前記残葉処理コンベア７６と受け台７７とからニンジンを引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア８１が構成される。
前記残葉処理コンベア７６と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア８１とから、汲上搬送部Ｅが構成される。
【００９２】
上記構成により、残葉処理コンベア７６を構成する残葉処理ローラ７５が、茎葉切断装置６１で切り残されたニンジンの残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア８１にニンジンを搬送するため、ニンジンの商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
【００９３】
また、残葉処理コンベア７６を構成する残葉処理ベルト７４をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置６１で茎葉部を切除されてニンジンが落下しても残葉処理ベルト７４が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃でニンジンが傷付くことが防止され、ニンジンの品質が向上する。
【００９４】
そして、残葉処理コンベア７６の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台７７を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置６１よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下したニンジンを、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けたニンジンを汲上搬送コンベア８１に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちたニンジンを拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置６１よりも機体前側で落下したニンジンを搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
【００９５】
次に、選別搬送部Ｆについて説明する。
図２、図１０で示すように、操縦部Ｂの後部に左右の選別搬送フレーム８２，８２を取り付け、該左右の選別搬送フレーム８２，８２の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ８３を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ８３よりも機体後側に選別搬送従動ローラ８４を回転自在に取り付ける。また、前記選別搬送駆動ローラ８３と選別搬送従動ローラ８４との間に選別搬送テンションローラ８５を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ８３と選別搬送従動ローラ８４と選別搬送テンションローラ８５とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト８６を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア８７が構成される。さらに、該選別搬送コンベア８７を始端部が汲上搬送部Ｅの汲上搬送コンベア８１の終端下方に位置するように配置する。
【００９６】
また、前記選別搬送従動ローラ８４の回転軸にシュータ８８を上下回動自在に取り付け、該シュータ８８の機体左右外側にシュータ８８を上下回動させる操作レバー８９を取り付けることによって、選別搬送部Ｆが構成される。
【００９７】
上記のように、シュータ８８を上下回動自在に設けたことによって、シュータ８８を下方回動させるとニンジンを後述する収容部Ｇに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器９２に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃でニンジンが傷付くことが防止され、ニンジンの商品価値が損なわれない。
【００９８】
また、シュータ８８を上方に回動させると、選別搬送コンベア８７の終端側を塞ぐストッパとなるため、ニンジンが満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア８７を停止させなくてもニンジンが終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃でニンジンが傷付くことが防止されてニンジンの品質が向上すると共に、選別搬送コンベア８７の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
【００９９】
また、シュータ８８を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア８７を停止させないことによって、ニンジンは選別搬送コンベア８７の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア７７の搬送終端部から落下してきたニンジンが選別搬送コンベア８７の搬送始端部に滞留しているニンジンに接触して傷付くことが防止されるので、ニンジンの商品価値が損なわれない。
さらに、シュータ８８の機体左右外側にシュータ８８を上下回動させる操作レバー８９を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席９７に座ったままシュータ８８を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
【０１００】
次に、収容部Ｇについて説明する。
図１、図２、図１０で示すように、前記左右選別搬送フレーム８２，８２の下部に左右支持フレーム９０（図１０）を設け、該左右支持フレーム９０に伸縮自在なダンパ９１の一端を取り付ける。そして、左右選別搬送フレーム８２，８２の後下部にニンジンを収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器９２を設置する収容容器置台９３を上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に取り付けると共に、該収容容器置台９３にダンパ９１の他端を取り付ける。
【０１０１】
また、該収容容器置台９３の後端部に予備の収容容器９２を設置する予備収容容器置台９４を上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付ける。さらに、前記収容容器置台９３や選別搬送コンベア８７や右クローラ６Ｒよりも機体左右他側に機体前後方向に長いニンジンを収容した収容容器９２を積載する収容容器積載台９３を機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。
【０１０２】
そして、該収容容器積載台９３の機体外側に、収容容器積載台９３の上方を越えて且つ選別搬送コンベア８７に向けて屈曲させた支持フレーム９６を取り付け、該支持フレーム９６の上に補助作業者が着座する補助作業座席９７を取り付ける。そして、前記収容容器積載台９３の後部に予備の収容容器９２を設置する第２予備収容容器置台９８を取り付けて、収容部Ｇが構成される。
【０１０３】
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台９３に伸縮自在なダンパ９１の他端を取り付けていることによって、収容容器９２にニンジンが収容されて重くなるにつれて収容容器置台９３が下降するため、ニンジンが収容容器９２の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器９２の交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
【０１０４】
また、収容容器置台９３の後部に予備の収容容器９２を設置する予備収容容器置台９３を設けたことによって、ニンジンが満載された収容容器９２が収容容器置台９３から取り除かれるとダンパ９１が伸びて収容容器置台９３が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台９４に設置されている収容容器９３が収容容器置台９３に滑り落ちて設置されるので、収容容器９２を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【０１０５】
そして、機体左右外側に収容容器積載台９５を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台９５を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
【０１０６】
さらに、収容容器積載台９５の上方を越えて且つ選別搬送コンベア８７に向けて屈曲させた支持フレーム９６上に補助作業座席９７を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア８７に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器９２が収容容器積載台９５上を移動するのを妨げないため、作業能率が従来技術より向上する。
【０１０７】
また、収容容器積載台９５の後部に第２予備収容容器置台９８を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器９２を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が従来技術より向上する。
【符号の説明】
【０１０８】
１機体フレーム２駆動スプロケット
３従動輪４転輪
５ベルト６（６Ｌ，６Ｒ）クローラ
８ミッションケース９ドライブシャフト
１０操縦部フレーム１１操縦座席
１２操縦パネル１３変速操作レバー
１４昇降操作レバー１５引抜フレーム
１６従動プーリ１７左右駆動プーリ
１８挟持搬送ベルト１９テンションローラ
２０回動フレーム２２伝動ケース
２３昇降シリンダ２４引抜搬送装置
２５縦引起し装置２６横引起し装置
２７分草杆２９ハンドル
３０伸縮ロッド３１ゲージ輪
３２シャフト３３振動フレーム
３４左右振動ソイラ３５尻尾切装置
３６伝動軸３７左右伝動ケース
３８第１ギアユニット３９第２ギアユニット
４０第１出力軸４１第２出力軸
４２肩揃え駆動スプロケット４３肩揃えフレーム
４３ａ，４３ｂ，４３ｃ長穴
４４張圧プレート４４ａ長穴
４４ｂ張圧バネ４５肩揃え従動スプロケット
４５ａ回転軸４５ｂ軸受
４５ｃカラー４５ｅナット
４６調節プレート４６ａ長穴
４６ｂ折曲片４６ｃ切欠溝
４７肩揃えテンションスプロケット
４７ａ可動ピン（回転軸）４７ｂヘッダ部
４７ｄ軸受４７ｅボルト
４８肩揃えチェーン（肩揃え無端帯）
４８ａリンク４９脱落防止ガイド
５０脱落防止ディスク
５１チェーンカバー（ガイドカバー）
５１ａ凸状のＲ部５１ｂ凹状のＲ部
５１ｃ突出部５１ｄ切欠
５２肩揃えガイド体５３肩揃え被覆体
５４Ｌ，５４Ｒ肩揃え装置５５スクレーパ
５６切断刃回転軸５７ベアリング
５８引継ガイド５８ａ引継ガイド後端部
５９支持プレート６１茎葉切断装置
６２茎葉搬送駆動プーリ６３左右茎葉搬送従動プーリ
６４排葉搬送ベルト６５茎葉搬送装置
６６残葉搬送駆動プーリ６７残葉搬送従動プーリ
６８残葉搬送テンションプーリ
６９残葉搬送ベルト７０残葉搬送装置
７１排葉シュータ７２残葉処理フレーム
７３残葉処理ローラ７４残葉処理ベルト
７５残葉処理ローラ７６残葉処理コンベア
７７受け台７８汲上搬送駆動ローラ
７９汲上搬送従動ローラ８０汲上搬送ベルト
８１汲上搬送コンベア８２選別搬送フレーム
８３選別搬送駆動ローラ８４選別搬送従動ローラ
８５選別搬送テンションローラ
８６弾性体ベルト８７選別搬送コンベア
８８シュータ８９操作レバー
９０左右支持フレーム９１ダンパ
９２収容容器９３収容容器置台
９４予備収容容器置台９６支持フレーム
９７補助作業座席９８第２予備収容容器置台
Ａ走行部Ｂ操縦部
Ｃ収穫部Ｄ茎葉切断部
Ｅ引継搬送部Ｆ選別搬送部
Ｇ収容部Ｘ１間隔調節機構
Ｘ2 自動張圧機構

【特許請求の範囲】
【請求項１】
機体フレーム（１）に作物を収穫して搬送する引抜搬送装置（２４）と、引抜搬送装置（２４）で搬送中の作物の上方移動を規制して位置を揃える肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）と、引抜搬送装置（２４）から作物の茎葉部を引き継ぎ後方に搬送する茎葉搬送装置（６５）と、一対の肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）に位置を揃えられ、茎葉搬送装置（６５）に引き継がれた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置（６１）を設けた根菜類収穫機において、
肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）の始端側の間隔部を調節する間隔調節機構（Ｘ１）と、
間隔調節機構（Ｘ１）を肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）の間隔部に向けて付勢すると共に、肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）に負荷がかかると間隔部を広げる自動張圧機構（Ｘ２）を設けたことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項２】
一対の肩揃え装置（５４Ｌ，５４Ｒ）は、それぞれの肩揃えフレーム（４３）と、肩揃えフレーム（４３）の後側下部に設ける駆動回転体（４２）と、肩揃えフレーム（４３）の前側下部に設ける従動回転体（４５）と、駆動回転体（４２）及び従動回転体（４５）の前後間に設ける調節回転体（４７）と、駆動・従動・調節回転体（４２，４５，４７）に亘って巻回する肩揃え無端帯（４８）と、肩揃え無端帯（４８）の上下及び側面を覆う肩揃え被覆体（５１）で構成し、
肩揃えフレーム（４３）に機体フレーム（１）の左右方向に長い複数の長穴（４３ａ）を形成し、該長穴（４３ａ）に締結部材（４６ｘ）を挿入して肩揃えフレーム（４３）の前部で且つ上側に調節プレート（４６）を前記左右方向に移動可能に装着し、
調節プレート（４６）の中央寄りに機体フレーム（１）の前後方向に長い長穴（４６ａ）を形成し、該長穴（４６ａ）に従動回転体（４５）の回転軸（４５ａ）を配置して間隔調節機構（Ｘ１）とし、
肩揃えフレーム（４３）の下側に、従動回転体（４５）の回転軸（４５ａ）が入る前記前後方向に長い長穴（４４ａ）を形成した張圧プレート（４４）を配置し、
張圧プレート（４４）の後部に張圧部材（４４ｂ）を配置して自動張圧機構（Ｘ２）とし、
張圧部材（４４ｂ）は従動回転体（４５）の回転軸（４５ａ）を機体フレーム（１）の左右方向内側に付勢する位置に配置したことを特徴とする請求項１記載の根菜類収穫機。
【請求項３】
調節プレート（４６）の後方に茎葉搬送装置（６５）の前端部を配置し、調節プレート（４６）の後端部を上方に向けてＬ字状に折り曲げた折曲片（４６ｂ）を設けたことを特徴とする請求項２記載の根菜類収穫機。
【請求項４】
調節プレート（４６）の機体フレーム（１）の左右方向外側に等間隔に複数個の切欠溝（４６ｃ）を形成したことを特徴とする請求項２または３記載の根菜類収穫機。
【請求項５】
肩揃えフレーム（４３）に前記前後方向に長い長穴（４３ｃ）を形成し、該長穴（４３ｃ）に調節回転体（４７）の回転軸（４７ａ）を前後方向に調節可能に挿入し、該調節回転体（４７）の前記前後方向の移動幅は、従動回転体（４５）の前記前後方向の移動量よりも大きくしたことを特徴とする請求項２から４のいずれか１項に記載の根菜類収穫機。
【請求項６】
肩揃えフレーム（４３）の従動回転体（４５）と調節回転体（４７）間に機体フレーム（１）の左右方向に長い長穴（４３ｄ）を形成し、肩揃えフレーム（４３）の下部で、長穴（４３ｄ）に、肩揃え無端帯（４８）の上方移動を規制して脱落を防止する脱落防止ガイド（４９）を前記左右方向に移動可能に配置し、
従動回転体（４５）の上部に、搬送無端帯（４８）の上方移動を規制して脱落を防止する脱落防止回転体（５０）を配置し、
脱落防止回転体（５０）の外周縁部に鈍角の凹凸部を形成したことを特徴とする請求項２から５のいずれか１項に記載の根菜類収穫機。
【請求項７】
引抜搬送装置（２４）と肩揃え装置（５４Ｌ，４５Ｒ）の搬送始端側の間に、作物を案内する引継ガイド（５８）を後上り傾斜姿勢で配置し、
引継ガイド（５８）の後端部を左右方向で且つ機体外側に向けて屈曲させた屈曲部（５８ａ）を設けたことを特徴とする請求項２から６のいずれか１項に記載の根菜類収穫機。
【請求項８】
それぞれの搬送無端帯（４８）の覆う被覆体（５１）の作用側にそれぞれ下面から上面に亘って泥抜け溝（５１ｄ）を形成し、被覆体（５１）の機体フレーム（１）の左右方向で泥抜け溝（５１ｄ）の位相を機体フレーム（１）の前前後方向にずらして配置したことを特徴とする請求項２から７のいずれか１項に記載の根菜類収穫機。

【図１】