説明

梱包体及び梱包体セット

【課題】 梱包体の一部を被梱包物としての食器類を使用する際に利用することができる梱包体を提供する。
【解決手段】 梱包体Aは、スリーブ状部12を有する梱包体本体10と、食卓用トレーとして使用できる天板部20と、同じく食卓用トレーとして使用できる底板部30とを有している。天板部20と底板部30とは同じ構成であり、一方の面に凹部が形成されてトレー状に形成されていて、被梱包物としての食器類(紅茶わん、受け皿、紅茶ポット等)を載置できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱、パッケージ等の梱包体に関するものであり、特に、紅茶わん(紅茶カップ)、コーヒーわん(コーヒーカップ)、受け皿等の食器類を梱包する梱包体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、紅茶わん、受皿等の陶磁器製の食器類を梱包する梱包体としては、通常の箱体を用いるのが一般的である。すなわち、例えば、方形状の底面部と該底面部の各辺部から立設した側面部からなる箱本体と、箱本体の上面をカバーする蓋体とからなり、該箱本体に被梱包物としての食器類を収納した後に蓋体でカバーすることにより、食器類が梱包される。
【0003】
また、従来の梱包システムとして、パレットと、スリーブと、蓋兼中間トレーとから構成されている梱包システムが存在する(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−42932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来からの食器類の梱包体においては、該梱包体は梱包体にのみ使用され、食器類の使用に際して利用できる機能を有してはおらず、梱包体は、食器類を梱包して運んだ後には、食器類を保管するのに利用できる以外は、特に利用することはできず、梱包体を廃棄してしまうこともしばしばである。
【0005】
また、上記特許文献1においては、パレットと、スリーブと、蓋兼中間トレーが設けられており、この蓋兼中間トレーは、蓋としても中間トレーとしても使用できるものではあるが、被梱包物としての食器類を使用するに際して利用できるものではない。
【0006】
そこで、本発明は、梱包体の一部を被梱包物としての食器類を使用する際に利用することができる梱包体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、梱包体であって、スリーブ状を呈するスリーブ状部を有する梱包体本体と、梱包体本体の上側に着脱自在に設けられ、梱包体本体の上部をカバーするカバー部で、食卓用トレーとして使用できるカバー部と、を有することを特徴とする。
【0008】
この第1の構成の梱包体においては、梱包体本体がスリーブ状部を有しているので、このスリーブ状部内に被梱包物(被収納物としてもよい)を収納する。そして、カバー部により梱包体本体の上部をカバーして梱包する。被梱包物を使用する際には、梱包体から被梱包物を取り出して使用するが、カバー部が食卓用トレーとして使用できるので、カバー部を食卓用トレーとして利用でき、被梱包物を食器類とした場合に、梱包体の一部を被梱包物としての食器類を使用する際に利用することができ、食器類をカバー部上に載置して使用することができる。よって、梱包体の一部を食卓用トレーとして兼用できるので、経済的であり、別途食卓用トレーを梱包する必要がないので、梱包体の大きさも小型化できる。また、梱包体を廃棄する場合でも、カバー部を廃棄する必要がないので、廃棄が容易となる。
【0009】
また、第2には、上記第1の構成において、梱包体本体の下側にも、梱包体本体に着脱自在に設けられ、梱包体本体の下部をカバーするカバー部で、食卓用トレーとして使用できるカバー部が設けられていることを特徴とする。よって、梱包体の下部をカバーするカバー部も食卓用トレーとして利用できるので、梱包体の上部をカバーするカバー部も含めると、2つの食卓用トレーを得ることができ、例えば、被梱包物が食器の場合には、食器をカバー部上に載置して使用することができる。よって、梱包体を構成する2つの部材を食卓用トレーとして兼用できるので、より経済的であり、別途食卓用トレーを梱包する必要がないので、梱包体の大きさも小型化できる。また、梱包体を廃棄する場合でも、カバー部を廃棄する必要がないので、廃棄が容易となる。
【0010】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記梱包体本体には、上記スリーブ状部の内側面又は下端に接続され、梱包体本体内の収納空間の底面を形成する板状部が設けられていることを特徴とする。この板状部とスリーブ状部とにより、梱包体本体が箱状に形成されるので、被梱包物を容易に収納することが可能となる。
【0011】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、上記カバー部の一方の面には、凹部が形成され、該凹部に食器が載置できるようになっていることを特徴とする。よって、カバー部を食器を載置できる食卓用トレーとして利用することができる。
【0012】
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、上記カバー部は、板状を呈する本体部と、該本体部の一方の面に設けられ、本体部の外形よりも小さい外形を有する突状部とを有し、カバー部の一方の面側の周囲には、切欠部による段差が形成され、上記カバー部を上記梱包体本体に装着した際に、該突状部がスリーブ状部内に存在するように構成されていることを特徴とする。よって、突状部をスリーブ状部に嵌合させることが可能となるので、スリーブ状部の上部又は下部をしっかりとカバーすることができる。また、カバー部における本体部の側面と梱包体本体の側面とを面一にすることができるので、梱包体の形状をシンプルにでき、見た目も良好にできる。
【0013】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記梱包体本体とカバー部とを組み合わせた状態で該状態を固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする。この固定手段としては、例えば、伸縮性を有するリング状部材(環状部材)が挙げられる。この固定手段により、梱包体全体を梱包状態で固定できるので、運搬や保管が容易となる。
【0014】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、上記スリーブ状部が、4つの方形状の側面部から構成され、上記カバー部の平面視における外形形状は略四角形状を呈することを特徴とする。これにより、梱包体を通常の箱体の形状とでき、使い勝手がよい梱包体とすることができる。
【0015】
また、第8には、梱包体セットであって、上記第1又は2又は3又は4又は5又は6又は7の構成の梱包体と、梱包体内に梱包される食器と、を有することを特徴とする。これにより、食卓用トレーとしてのカバー部に食器を載置して使用することができ、食器用のトレーを別途用意する必要がない。
【0016】
なお、上記構成において、上記カバー部における突状部が設けられている側の面には、凹部が形成され、該凹部に食器が載置できるようになっているようにしてもよい。また、上記カバー部の端部には、切欠部が設けられているものとしてもよい。このように切欠部が設けられていることにより、梱包体や食卓用トレーとしてのカバー部を持ち運ぶ際等にこの切欠部に手を引っ掛けることができる。また、上記梱包体本体は、段ボール製であるものとしてもよい。また、上記カバー部は、木製であるものとしてもよい。また、上記構成において、食器は、紅茶わん、コーヒーわん、受け皿、紅茶ポット、コーヒーポット、皿における少なくともいずれかであるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に基づく梱包体によれば、梱包体の一部を食卓用トレーとして兼用できるので、経済的であり、別途食卓用トレーを梱包する必要がないので、梱包体の大きさも小型化できる。また、梱包体を廃棄する場合でも、カバー部を廃棄する必要がないので、廃棄が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明においては、梱包体の一部を被梱包物としての食器類を使用する際に利用することができる梱包体を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【実施例1】
【0019】
本発明に基づく梱包体Aは、図1〜図4に示されるように構成され、梱包体本体10と、天板部(カバー部)20と、底板部(カバー部)30と、ベルト(固定手段)38とを有している。
【0020】
ここで、梱包体本体10は、スリーブ状部12と、底面部(板状部)14とを有している。このスリーブ状部12は、4つの板状部により筒状を呈していて、第1側面部12aと、第2側面部12bと、第3側面部12cと、第4側面部12dとにより筒状にされたものである。ここで、第1側面部12aと、第2側面部12bと、第3側面部12cと、第4側面部12dとは、ともに方形状を呈する板状を呈し、高さ方向には同じ幅を有している。また、第1側面部12aと第3側面部12cとは同大同形状に形成され、互いに平行に設けられ、また、第2側面部12bと第4側面部12dとは同大同形状に形成されて、互いに平行に設けられている。これにより、スリーブ状部12の上部と下部には、方形状の開口部が形成されている。このスリーブ状部12は、段ボール材を用いて形成されている。
【0021】
また、底面部14は、スリーブ状部12の内部の底部側に設けられ、底面部本体14aと、接続部14bとを有している。この底面部本体14aは、2つの板状部14a−1と、2つの板状部14a−1間に設けられた凸状部14a−2とを有している。この板状部14a−1は、第1側面部12a〜第4側面部12dの各側面部に対して直角に形成されている。この板状部14a−1の高さ方向の位置は、スリーブ状部12の下端よりも若干上方となっている。つまり、梱包体本体10の下側の空間には、底板部30の板状部34が嵌合するので、少なくとも、スリーブ状部12の下端と板状部14a−1の下面との距離は、板状部34の厚み以上である必要がある。また、凸状部14a−2は、板状部14a−1の端部から斜め上方に立設した板状部と、該立設した板状部間に設けられた板状部(この板状部は、板状部14a−1とは平行に設けられている)により形成され、この凸状部14a−2により梱包体本体10内の空間における底部空間が2つに仕切られている。また、接続部14bは、板状部14a−1の端部から連設されていて、一方の接続部14bは第1側面部12aに接着して接続され、他方の接続部14bは第3側面部12cに接着して接続されている。なお、この底面部14は、上記の構成として説明したが、これには限られず、スリーブ状部12の内部の底部側に設けられ、梱包体本体10内に収納される被梱包物を支持できるものであればよく、例えば、底面部本体14aが単に板状部材であってもよい。なお、この底面部14は、1枚の方形状のシート状部材(具体的には、段ボール材)を折曲することにより形成されている。この底面部14は、「スリーブ状部の内側面又は下端に接続され、梱包体本体内の収納空間の底面を形成する板状部」に当たる。
【0022】
次に、天板部20と底板部30について説明する。天板部20と底板部30とは同じ構成であるので、底板部30を例に取って説明する。
【0023】
底板部30は、図2等に示すように、全体にトレー状を呈し、底板部本体(本体部)32と、板状部(突状部)34とを有している。この底板部本体32は、全体に板状、つまり、平面視において方形状(具体的には、長方形状)の板状を呈していて、両側の短手辺側の角部には、切欠部32aが設けられている。つまり、底板部本体32の底面と短手側の側面に切欠部32aが設けられている。この切欠部32aは、底板部30を食卓用トレー(食卓用盆)として使用する場合や、図1のように梱包状態で持つ場合に、手を引っ掛ける部分となる。この底板部本体32の平面視における外形は、梱包体本体10の平面視における外形と同じに形成され、底板部30と梱包体本体10とを嵌合させた際に、底板部本体32の側面と梱包体本体10の側面が面一になるようになっている。
【0024】
また、板状部34は、開口部を有する板状の部材であり、方形状の外形形状を呈し、開口部34aと開口部34bとが設けられている。この板状部34の平面視における外形は、底板部本体32の平面視における外形よりもひと回り小さく形成されていて、これにより、底板部本体32の上面の周囲部分と板状部34の外側の側面とで切欠部36が形成されている。つまり、底板部30の上側の周囲はこの切欠部36により段状に形成されている。この切欠部36の幅αは、底板部30に梱包体本体10を配置した際に、板状部34がスリーブ状部12内に収まるように、スリーブ状部12を構成する部材の厚み以上の大きさとなっており、好ましくは、板状部34の側面がスリーブ状部12の内周にぴったり嵌合するように、スリーブ状部12を構成する部材の厚みと同じか若干大きく形成されている。また、開口部34aは、全体にL字状を呈し、幅広長方形状の開口部と細長長方形状の開口部とを併せた形状を呈している。また、開口部34bは、略円形状を呈している。なお、これらの開口部の形状は、上記には限られず任意であり、開口部の数も2つには限られない。そして、板状部34は、底板部本体32の上面に接着等により固定されている。これにより、底板部30の上面には、開口部34aと開口部34bによって凹部が形成され、この凹部により底板部30がトレー状に形成され、食器類を載置できるようになっている。
【0025】
この底板部30は木製であり、底板部本体32と板状部34はともに木製であるが、底板部30を構成する部材の素材としては、これに限られない。
【0026】
また、天板部20の構成は、底板部30と同じ構成であるので詳しい説明を省略する。つまり、天板部20は、図4等に示すように、全体にトレー状を呈し、天板部本体(本体部)22と、板状部(突状部)24とを有している。この天板部本体22は、全体に板状、つまり、平面視において方形状(具体的には、長方形状)の板状を呈していて、両側の短手辺側の角部には、切欠部22aが設けられている。この天板部本体22の平面視における外形は、梱包体本体10の平面視における外形と同じに形成され、天板部20と梱包体本体10とを嵌合させた際に、天板部本体22の側面と梱包体本体10の側面が面一になるようになっている。
【0027】
また、板状部24は、開口部を有する板状の部材であり、方形状の外形形状を呈し、開口部24aと開口部24bとが設けられている。この板状部24の平面視における外形は、天板部本体22の平面視における外形よりもひと回り小さく形成されていて、これにより、天板部本体22の上面の周囲部分と板状部24の外側の側面とで切欠部26が形成されている。また、開口部24aは、全体にL字状を呈し、幅広長方形状の開口部と細長長方形状の開口部とを併せた形状を呈している。また、開口部24bは、略円形状を呈している。なお、これらの開口部の形状は、上記には限られず任意であり、開口部の数も2つには限られない。そして、板状部24は、天板部本体22の上面に接着等により固定されている。これにより、天板部20の上面には、開口部24aと開口部24bによって凹部が形成され、この凹部により天板部20がトレー状に形成され、食器類を載置できるようになっている。
【0028】
この天板部20は木製であり、天板部本体22と板状部24はともに木製であるが、天板部20を構成する部材の素材としては、これに限られない。
【0029】
また、ベルト38は、リング状を呈し、伸縮性を有する帯状の部材によりリング状に形成されている。このベルト38は、梱包体本体10と、天板部20と、底板部30とを組み合わせた際にその組み合わせ状態を固定するための部材である。
【0030】
上記構成の梱包体Aの使用状態について説明する。この梱包体Aには、紅茶わん(紅茶カップ)、コーヒーわん(コーヒーカップ)、受け皿、紅茶ポット、コーヒーポット等の食器類を梱包して使用する。以下では、紅茶わんと、受け皿と、紅茶ポットを梱包する場合を例に取って説明するが、コーヒーわんと、受け皿と、コーヒーポットの組み合わせでもよく、また、他の食器でもよい。すなわち、食卓用トレーとしての天板部20や底板部30に載せて使用できる食器であればよく、天板部20や底板部30に載せて使用できるものであれば、食器以外のものを梱包してもよい。
【0031】
まず、梱包の手順について説明する。底板部30の上に梱包体本体10を配置して、底板部30と梱包体本体10とを組み合わせる。つまり、底板部30の板状部34をスリーブ状部12の下端の内側に嵌合させて、底板部30と梱包体本体10とを組み合わせる。
【0032】
次に、梱包体本体10内の底部に受け皿54a、54bを収納する。つまり、底面部14における凸状部14a−2により梱包体本体10内の底部の空間は仕切られているので、各空間に受け皿54a、54bを収納する。この受け皿54a、54bは同じ構成である。
【0033】
次に、梱包体本体10内に上から板状の緩衝材40を収納する。この緩衝材40は、方形状の板状を呈し、梱包体本体10内の空間部の平面視における形状よりも若干小さく形成されている。この緩衝材40は、例えば、段ボール材により形成されている。
【0034】
次に、梱包体本体10内に緩衝材40の上から、緩衝材42、44、46を配置する。ここで、緩衝材42は、一対の平面部42aと、平面部42a間に設けられた凸状部42bとを有していて、この凸状部42bにより緩衝材40の上部の空間を仕切るようになっている。また、緩衝材44は、一対の方形状の板状部と該一対の板状部の端部間をつなぐ帯状部とにより断面略コ字状に形成され、そのX方向の長さは、梱包体本体10の内部空間のX方向の長さと同様又は若干短く形成され、また、緩衝材44の高さ(つまり、Z方向の長さ)は、緩衝材42の高さと略同様となっている。また、緩衝材46は、緩衝材44と同様に、一対の方形状の板状部と該一対の板状部の端部間をつなぐ帯状部とにより断面略コ字状に形成されている。
【0035】
このようにして、緩衝材42の凸条部42bや、緩衝材44や、緩衝材46により緩衝材40の上方の空間が仕切られるので、各空間に、紅茶わん50a、50bと、紅茶ポット52a、52bを収納する。
【0036】
被梱包物としての紅茶わん50a、50bと、紅茶ポット52a、52bと、受け皿54a、54bの収納が完了したら、天板部20を梱包体本体10の上部に配置して、天板部20と梱包体本体10とを組み合わせる。つまり、天板部20の板状部24をスリーブ状部12の上端の内側に嵌合させて、天板部20と梱包体本体10とを組み合わせる。なお、天板部20と梱包体本体10とを組み合わせた際に、板状部24が梱包体本体10内に嵌合するので、緩衝材42、44、46や、紅茶わん50a、50bと、紅茶ポット52a、52bと、受け皿54a、54b等の被梱包物を収納した際には、これらの頂面と梱包体本体10の上端との間の距離は、板状部24の厚み以上である必要がある。
【0037】
以上のように、梱包体本体10と天板部20と底板部30とを組み合わせたら、ベルト38を図1に示すように巻回して、梱包体本体10と天板部20と底板部30とを一体に固定する。これにより梱包が完了する。なお、実際には、ベルト38を巻回した状態の梱包体Aを他の箱体に収納してさらに梱包することが好ましい。上記のように、梱包体に被梱包物を梱包した状態のものが上記梱包体セットとなる。
【0038】
次に、上記のように梱包された梱包体Aに梱包された被梱包物を使用する場合には、梱包状態を解いて、紅茶わん50a、50bと、紅茶ポット52a、52bと、受け皿54a、54bを取り出して使用する。
【0039】
その際、天板部20と底板部30とは、食卓用トレーの形状に形成されているので、図4に示すように、天板部20や底板部30の凹部が設けられている側に、紅茶わん50a、50bと、紅茶ポット52a、52bと、受け皿54a、54bを置いて使用する。
【0040】
また、紅茶わん50a、50b等の食器類や食卓用トレーとしての天板部20、底板部30を使用せずに保管する場合には、上記のように梱包された状態にすればよい。
【0041】
以上のように、本実施例の梱包体によれば、天板部20と底板部30とが食卓用トレーとして使用できるので、梱包体の一部を被梱包物としての食器類を使用する際に利用することができる。特に、天板部と底板部とを食卓用トレーとして兼用できるので、経済的であり、別途食卓用トレーを梱包する必要がないので、梱包体の大きさも小型化できる。また、梱包体を廃棄する場合でも、梱包体本体10と、梱包体A内に入れられた緩衝材のみを廃棄すればよいので、廃棄が容易となる。
【実施例2】
【0042】
次に、実施例2について説明する。実施例2における梱包体Bは、図5〜図8に示されるように構成され、梱包体本体110と、天板部(カバー部)120と、ベルト(固定手段)130とを有している。
【0043】
ここで、梱包体本体110は、上面が開口した箱体であり、スリーブ状部112と、底面部114とを有している。このスリーブ状部112は、4つの板状部により筒状を呈していて、第1側面部112aと、第2側面部112bと、第3側面部112cと、第4側面部112dとにより筒状にされたものである。ここで、第1側面部112aと、第2側面部112bと、第3側面部112cと、第4側面部112dとは、ともに方形状を呈する板状を呈し、高さ方向には同じ幅を有している。また、第1側面部112aと第3側面部112cとは同大同形状に形成され、互いに平行に設けられ、また、第2側面部112bと第4側面部112dとは同大同形状に形成されて、互いに平行に設けられている。このスリーブ状部112は、段ボール材を用いて形成されている。
【0044】
また、底面部114は、スリーブ状部112の下端に設けられ、方形状の板状を呈している。つまり、底面部114は、第1側面部112a、第2側面部112b、第3側面部112c、第4側面部112dの下端から連設されていて、スリーブ状部112の下側の開口部を塞ぐ形に形成されている。この底面部114は、「スリーブ状部の内側面又は下端に接続され、梱包体本体内の収納空間の底面を形成する板状部」に当たる。以上のように、梱包体本体110は、上面が開口した通常の箱体の構成であるといえる。
【0045】
次に、天板部120について説明する。天板部120は、図5、図7等に示すように、全体にトレー状を呈し、天板部本体(本体部)122と、板状部(突状部)124とを有している。この天板部本体122は、全体に板状、つまり、平面視において方形状(具体的には、長方形状)の板状を呈していて、両側の短手辺側の角部には、切欠部122aが設けられている。つまり、図5、図7に示すように、天板部本体122の上面と短手側の側面に切欠部122aが設けられている。この切欠部122aは、天板部120を食卓用トレー(食卓用盆)として使用する場合に、手を引っ掛ける部分となる。この天板部本体122の平面視における外形は、梱包体本体110の平面視における外形と同じに形成され、天板部120と梱包体本体110とを嵌合させた際に、天板部本体122の側面と梱包体本体110の側面が面一になるようになっている。
【0046】
また、板状部124は、開口部を有する板状の部材であり、方形状の外形形状を呈し、開口部124aが設けられている。この板状部124の平面視における外形は、天板部本体122の平面視における外形よりもひと回り小さく形成されていて、これにより、天板部本体122の上面の周囲部分と板状部124の外側の側面とで切欠部126が形成されている。つまり、天板部120の上側の周囲はこの切欠部126により段状に形成されている。この切欠部126の幅βは、天板部120を梱包体本体110の上部に配置した際に、板状部124がスリーブ状部112内に収まるように、スリーブ状部112を構成する部材の厚み以上の大きさとなっており、好ましくは、板状部124の側面がスリーブ状部112の内周にぴったり嵌合するように、スリーブ状部112を構成する部材の厚みと同じか若干大きく形成されている。また、開口部124aは、全体に楕円形状を呈している。この楕円形状の形状と大きさは、梱包される皿150、152を配置できる形状と大きさとなっていて、図8に示すように、1つの皿150の両側に皿152を配置した状態の皿セット160の底面と同じ形状・大きさを呈し、この皿セット160が丁度納まる形状・大きさとなっている。そして、板状部124は、天板部本体122の上面に接着等により固定されている。これにより、天板部120の上面には、開口部124aによって凹部が形成され、この凹部により天板部120がトレー状に形成され、食器類を載置できるようになっている。
【0047】
この天板部120は木製であり、天板部本体122と板状部124はともに木製であるが、天板部120を構成する部材の素材としては、これに限られない。
【0048】
また、ベルト130は、リング状を呈し、伸縮性を有する帯状の部材によりリング状に形成されている。このベルト130は、梱包体本体110と、天板部120とを組み合わせた際にその組み合わせ状態を固定するための部材である。
【0049】
上記構成の梱包体Bの使用状態について説明する。この梱包体Bには、皿等の食器類を梱包して使用する。以下では、サラダ用の皿を梱包する場合を例に取って説明するが、他の食器でもよい。すなわち、食卓用トレーとしての天板部120に載せて使用できる食器であればよく、天板部120に載せて使用できるものであれば、食器以外のものを梱包してもよい。
【0050】
まず、梱包の手順について説明する。梱包体本体110内に皿セット160を収納する。つまり、1つの皿150と2つの皿152を収納するが、その際、緩衝材140、142も併せて収納する。
【0051】
被梱包物としての皿150や皿152の収納が完了したら、天板部120を梱包体本体110の上部に配置して、天板部120と梱包体本体110とを組み合わせる。つまり、天板部120の板状部124をスリーブ状部112の上端の内側に嵌合させて、天板部120と梱包体本体110とを組み合わせる。なお、天板部120と梱包体本体110とを組み合わせた際に、板状部124が梱包体本体10内に嵌合するので、緩衝材140、142や、皿150、152等の被梱包物を収納した際には、これらの頂面と梱包体本体110の上端との間の距離は、板状部124の厚み以上である必要がある。
【0052】
以上のように、梱包体本体110と天板部120とを組み合わせたら、ベルト130を図5に示すように巻回して、梱包体本体110と天板部120とを一体に固定する。これにより梱包が完了する。なお、実際には、ベルト130を巻回した状態の梱包体Bを他の箱体に収納してさらに梱包することが好ましい。上記のように、梱包体に被梱包物を梱包した状態のものが上記梱包体セットとなる。
【0053】
次に、上記のように梱包された梱包体Bに梱包された被梱包物を使用する場合には、梱包状態を解いて、皿150と、2つの皿152を取り出して使用する。
【0054】
その際、天板部120は、食卓用トレーの形状に形成されているので、図8に示すように、天板部120の凹部が設けられている側に、皿セット160(つまり、皿150と2つの皿152)を置いて使用する。
【0055】
また、皿セット160や食卓用トレーとしての天板部120を使用せずに保管する場合には、上記のように梱包された状態にすればよい。
【0056】
以上のように、本実施例の梱包体によれば、天板部120が食卓用トレーとして使用できるので、梱包体の一部を被梱包物としての食器類を使用する際に利用することができる。特に、天板部を食卓用トレーとして兼用できるので、経済的であり、別途食卓用トレーを梱包する必要がないので、梱包体の大きさも小型化できる。また、梱包体を廃棄する場合でも、梱包体本体110と、梱包体B内に入れられた緩衝材のみを廃棄すればよいので、廃棄が容易となる。
【0057】
なお、上記各実施例において、スリーブ状部12、112は、4つの方形状の側面部からなる四角形状の筒状であるとして説明したが、スリーブ状、つまり、筒状であれば他の形状であってもよい。例えば、円筒状のスリーブ状としてもよい。その場合、トレーとしての天板部や底板部は、スリーブ状部の形状に併せた形状とする。例えば、円筒状のスリーブ状部とした場合には、天板部や底板部は、円形の外形とする。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1に基づく梱包体を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に基づく梱包体を示す分解斜視図であり、被梱包物を収納した状態を示す分割斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に基づく梱包体の被梱包物を収納した状態を示す断面図であり、図1におけるP−P線で切断した状態の断面図である。
【図4】本発明の実施例1に基づく梱包体における天板部や底板部の使用状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に基づく梱包体を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例2に基づく梱包体における被梱包物の収納状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例2に基づく梱包体における天板部を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例2に基づく梱包体における天板部の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
A、B 梱包体
10、110 梱包体本体
12、112 スリーブ状部
14、114 底面部
20、120 天板部
22、122 天板部本体
24、34、124 板状部
22a、32a、122a 切欠部
26、36、126 切欠部
30 底板部
32 底板部本体
38、130 ベルト
50a、50b 紅茶わん
52a、52b 紅茶ポット
54a、54b 受け皿
160 皿セット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包体であって、
スリーブ状を呈するスリーブ状部を有する梱包体本体と、
梱包体本体の上側に着脱自在に設けられ、梱包体本体の上部をカバーするカバー部で、食卓用トレーとして使用できるカバー部と、
を有することを特徴とする梱包体。
【請求項2】
梱包体本体の下側にも、梱包体本体に着脱自在に設けられ、梱包体本体の下部をカバーするカバー部で、食卓用トレーとして使用できるカバー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
上記梱包体本体には、上記スリーブ状部の内側面又は下端に接続され、梱包体本体内の収納空間の底面を形成する板状部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包体。
【請求項4】
上記カバー部の一方の面には、凹部が形成され、該凹部に食器が載置できるようになっていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の梱包体。
【請求項5】
上記カバー部は、板状を呈する本体部と、該本体部の一方の面に設けられ、本体部の外形よりも小さい外形を有する突状部とを有し、カバー部の一方の面側の周囲には、切欠部による段差が形成され、上記カバー部を上記梱包体本体に装着した際に、該突状部がスリーブ状部内に存在するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載の梱包体。
【請求項6】
上記梱包体本体とカバー部とを組み合わせた状態で該状態を固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の梱包体。
【請求項7】
上記スリーブ状部が、4つの方形状の側面部から構成され、上記カバー部の平面視における外形形状は略四角形状を呈することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の梱包体。
【請求項8】
梱包体セットであって、
請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載の梱包体と、
梱包体内に梱包される食器と、
を有することを特徴とする梱包体セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−168797(P2006−168797A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−365156(P2004−365156)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(301071550)株式会社 桃山 (1)
【Fターム(参考)】