説明

椅子の脚ベース

【課題】脚ベースのデザインの自由度の向上を図りつつ、このような脚ベースの生産性の向上をも図ることができる脚ベースの構成を実現する。
【解決手段】脚羽根7が、幅方向両端部に配された両側壁71と、前記両側壁71の上端同士を接続する頂壁72と、前記頂壁72から垂下し両側壁71間を接続する接続リブ73とを具備し、ハブ8が、その上面を形成し前記脚羽根7の頂壁72と連続する頂壁81と、この頂壁81の中心部から垂下して設けられ脚支柱と係合することにより前記脚支柱を支持する支柱受け壁82と、この支柱受け壁82から前記脚羽根7の両側壁71の基端に向けて延伸する放射リブ83と、同一の脚羽根7の両側壁71の基端同士を接続する環状リブ84と、互いに隣接する脚羽根7の基端同士を接続するとともにその外周面が前記脚羽根7の外周面と滑らかに接続する外周壁85とを具備する構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等で用いられる回転椅子の脚を構成する脚ベースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オフィス等で用いられる回転椅子の脚として、複数本の脚羽根と、これら複数本の脚羽根の基端同士を接続するとともに座を支持するための脚支柱を支持するハブとを有する脚ベースを備えたものが広く知られている。このような脚ベースにおける前記脚羽根の構成として、材料の節約を図りつつ剛性を確保するために、幅方向両端部に配された両側壁と、前記両側壁の上端同士を接続する頂壁と、前記頂壁から垂下する接続リブとを備えたものが広く知られている。一方、このような脚ベースにおける前記ハブの構成として、その上面を形成し前記脚羽根の頂壁と連続する頂壁と、この頂壁の中心部から垂下して設けられ前記脚支柱と係合することにより前記脚支柱を支持する支柱受け壁と、この支柱受け壁から前記脚羽根の両側壁の基端に向けて延伸する複数の放射リブと、これら放射リブの外側端同士を接続する円形状の環状リブとを備えたものが広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。前記特許文献1記載の構成の脚ベースは、前記円形状の環状リブの外側に脚羽根が設けられている。換言すれば、脚羽根の基端部間に円形状の環状リブが介在している。
【0003】
このような脚ベースを製造する方法として、上半部を形成するための金型と下半部を形成するための金型とを利用し、これらの金型の間に原料である合成樹脂を溶融させた状態で注入して冷却するものが広く知られている。さらに、これらの金型のうち支柱受け壁の内側の部位、及び前記支柱受け壁と放射リブと環状リブとにより区画される部位に対応する箇所には冷却ユニットを挿入して原材料を注入した後のハブ部分の冷却を促進し、このような脚ベースの生産性の向上を図ることが考えられている。特許文献1記載の構成の脚ベースにおいては、放射リブが等間隔に配されているとともに、放射リブの外側端同士を円形状の環状リブにより接続しているので前記支柱受け壁と放射リブと環状リブとにより区画される領域は十分な大きさがあり、このような部位には冷却ユニットを容易に挿入できる。
【0004】
一方、脚ベースの外観を整えるための構成との一例として、前記ハブのうち脚羽根間に対応する位置の形状が、脚羽根の基端部同士を滑らかに連続させるものであるものが挙げられる。このようなハブの構成として、その上面を形成し前記脚羽根の頂壁と連続する頂壁と、この頂壁の中心部から垂下して設けられ前記脚支柱と係合することにより前記脚支柱を支持する支柱受け壁と、前記頂壁から垂下するとともに前記脚羽根の基端から該脚羽根の側壁の延長線上に延出し前記支柱受け壁との間を接続する放射リブと、互いに隣接する脚羽根の基端同士を接続するとともにその外周面が前記脚羽根の外周面と滑らかに接続する外周壁とを備えたものが従来採用されてきている。ところが、このような脚ベースの製造の際に生産性の向上を図るべく前段で述べたような方法を採用する場合、前記頂壁と放射リブと外周壁とにより区画される領域が非常に小さく、この領域に冷却ユニットを挿入することが非常に困難であるという問題が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−164753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に着目し、脚ベースのデザインの自由度の向上を図りつつ、このような脚ベースの生産性の向上をも図ることができる脚ベースの構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る椅子の脚ベースは、複数本の脚羽根と、これら複数本の脚羽根の基端同士を接続するとともに座を支持するための脚支柱を支持するハブとを有する椅子の脚ベースであって、前記脚羽根が、幅方向両端部に配された両側壁と、前記両側壁の上端同士を接続する頂壁と、前記頂壁から垂下し両側壁間を接続する接続リブとを具備し、前記ハブが、その上面を形成し前記脚羽根の頂壁と連続する頂壁と、この頂壁の中心部から垂下して設けられ前記脚支柱と係合することにより前記脚支柱を支持する支柱受け壁と、この支柱受け壁から前記脚羽根の両側壁の基端に向けて延伸し同一の脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブ間の距離が支柱受け壁に向かうにつれ小さくなっている放射リブと、同一の脚羽根の両側壁の基端同士を接続する環状リブと、互いに隣接する脚羽根の基端同士を接続するとともにその外周面が前記脚羽根の外周面と滑らかに接続する外周壁とを具備することを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、互いに隣接する脚羽根の基端同士をリブの外周壁により滑らかに接続させているので、脚ベースのデザインの自由度を向上させて脚ベース外観を整えることができる。その上で、前記放射リブは前記支柱受け壁から前記脚羽根の両側壁の基端に向けて延伸し同一の脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブ間の距離が支柱受け壁に向かうにつれ小さくなっているので、リブの頂壁と外周壁と放射リブとにより区画される領域を、冷却ユニットを挿入可能な程度十分に大きく確保でき、このような脚ベースの生産性の向上を図ることができる。なお、本発明において、「前記脚支柱を支持する支柱受け壁」とは、脚支柱と直接係合してこの脚支柱を支持するもの、及び脚支柱を内部に収納する支柱支持体を介して脚支柱を支持するものを少なくとも含む概念である。
【0009】
このような脚ベースの生産性をさらに向上できる構成として、互いに隣接する前記放射リブがなす角度を全て同一に設定しているものが挙げられる。このようなものであれば、リブの頂壁と放射リブと環状リブとにより区画される領域の大きさとリブの頂壁と外周壁と放射リブとにより区画される領域の大きさとが大きく異ならず、短い時間でリブをより均一に冷却することができるからである。
【0010】
このような脚ベースのリブを短い時間でより均一に冷却させるための構成としては、前記支柱受け壁及び前記環状リブを、同心の円弧状に形成したものも挙げられる。
【0011】
また、このような脚ベースの生産性の向上を図るべくコア部分を効率よく冷却させるための構成として、前記ハブの前記頂壁、前記支柱受け壁、前記環状リブ及び前記外周壁により区画される内部空間が、前記放射リブによりさらに複数の領域に分割されているものが挙げられる。このようなものであれば、前記放射リブにより分割される複数の領域それぞれに冷却ユニットを挿入させることにより、この領域を区画する前記頂壁、前記支柱受け壁、前記環状リブ、前記外周壁及び前記放射リブを速やかに冷却させることができるからである。
【0012】
また、前記ハブの内部空間が、前記頂壁、前記支柱受け壁、前記放射リブ及び前記環状リブにより区画される第1の領域と、前記頂壁、前記支柱受け壁、前記放射リブ及び前記外周壁により区画される第2の領域とに分割され、これら第1の領域及び第2の領域が周方向に交互に配置されているものであれば、上述したように放射リブ間の距離が支柱受け壁に向かうにつれ小さくなっていることから、前記第2の領域の大きさを冷却ユニットを挿入可能な程度に十分大きくできるようにしつつ、前記外周壁のデザインの自由度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、脚ベースのデザインの自由度の向上を図りつつ、このような脚ベースの生産性の向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る椅子を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係る椅子を示す側面図。
【図3】同実施形態に係る脚ベースを示す斜視図。
【図4】同実施形態に係る脚ベースを示す底面斜視図。
【図5】同実施形態に係る脚ベースを示す底面図。
【図6】図5における要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態について図1〜図6を参照しつつ以下に述べる。
【0016】
本実施形態の椅子Cは、脚ベース5及びこの脚ベース5から起立する脚支柱6を有する脚体1と、この脚体1に支持させてなる支持基部2と、この支持基部2に支持させてなる座3と、この座3の後上方に一体に設けた背凭れ4とを有する事務用回転椅子Cである。ここで、前記脚体1の脚ベース5に本発明を適用している。なお、脚支柱6、支持基部2、座3及び背凭れ4は、この種の事務用回転椅子Cに用いられているものとして周知のものを利用可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0017】
前記脚ベース5は、複数本、より具体的には5本の脚羽根7と、これら5本の脚羽根7の基端同士を接続するとともに前記脚支柱6を支持するハブ8と、前記脚羽根7の先端部に取り付けられるキャスタ9とを備えている。また、この脚ベース5の下面には、前記脚支柱6を取り付けるための支柱支持体61を取り付けるようにしている。
【0018】
前記脚羽根7は、幅方向両端部に配された両側壁71と、前記両側壁71の上端同士を接続する頂壁72と、前記頂壁72から垂下し両側壁71間を接続する接続リブ73と、前記両側壁71の先端同士を接続する端壁74と、この端壁74との間でキャスタ9を保持可能なキャスタ受け部75とを具備する。さらに詳述すると、前記両側壁71は、幅方向両端に対をなして設けられ、先端に向かうにつれ対をなす側壁71間の距離が小さくなるように配されている。前記頂壁72は、これら対をなす両側壁71の上端部間を接続するもので、本実施形態では幅方向中央部が上方に突出した形状を有する。前記接続リブ73は、一端を一方の側壁71に接続しているとともに他端を他方の側壁71に接続していて、一端と他端との間で長手方向位置を異ならせている。また、本実施形態では、この脚羽根7の幅方向中心線対称となるように2本の接続リブ73を対をなして配している。すなわち、一端の長手方向位置及び他端の長手方向位置がそれぞれ同一であり、一端及び他端をそれぞれ異なる側壁71に接続している2本の接続リブ73を対にして配している。さらに、本実施形態では、このような接続リブ73の対を長手方向に略隣接させて複数対設けている。加えて、この接続リブ73の下端は、両側壁71の下端と同一平面上に形成している。すなわち、この接続リブ73は、この脚羽根7の高さ寸法の全域にわたって形成されている。そして、この脚羽根7の基端部は、前記ハブ8に接続している。
【0019】
前記ハブ8は、その上面を形成し前記脚羽根7の頂壁72と連続する頂壁81と、この頂壁81の中心部から垂下して設けられ前記支柱支持体61と係合することにより該支柱支持体61を介して脚支柱6を支持する支柱受け壁82と、この支柱受け壁82から前記脚羽根7の両側壁71の基端に向けて延伸する放射リブ83と、同一の脚羽根7の基端同士を接続する環状リブ84と、互いに隣接する脚羽根7の基端同士を接続するとともにその外周面が前記脚羽根7の外周面と滑らかに接続する外周壁85とを具備する。前記頂壁81は、その上面が前記脚羽根7の頂壁72の上面と滑らかに連続しており、その中心部に前記脚支柱6を収納するための空間を上方に開口させて設けている。この空間の周壁が前記支柱受け壁82である。前記支柱受け壁82は略円筒状をなし、その内部に支柱支持体61を収納可能である。また、この支柱受け壁82の下端は前記脚羽根7の基端の両側壁71の下端より下方に位置する。この支柱受け壁82からは、各脚羽根7の基端に向けて放射リブ83を延出させている。さらに詳述すると、各放射リブ83は、平面視した場合に、前記支柱受け壁82により区画される空間の中心と各脚羽根7の基端とを結ぶ線上に位置し、同一の脚羽根7の両側壁71の基端から延伸する放射リブ83間の距離が支柱受け壁82に向かうにつれ小さくなっている。また、本実施形態では、互いに隣接する前記放射リブ83がなす角度は全て同一である。また、各放射リブ83の脚羽根7側の端部の高さ位置は、脚羽根7の基端の高さ位置と同一に設定されている。同一の脚羽根7の基端部に向かう前記放射リブ83の先端部同士は、前記環状リブ84により接続されている。前記環状リブ84は、前述したように同一の脚羽根7の基端部に向かう前記放射リブ83の先端部同士を接続するもの、換言すれば同一の脚羽根7の基端同士を接続するものであり、前記支柱受け壁82と同心の円弧状に形成されている。本実施形態では、この環状リブ84の両端がそれぞれ前記脚羽根7の接続リブ73の一端と略共通の位置に配されている。前記外周壁85は、前述したように互いに隣接する脚羽根7の側壁71の基端同士を接続するもので、その外周面が前記脚羽根7の側壁71の外周面と滑らかに接続する。また、この外周壁85は、平面視した場合に隣接する脚羽根7の中間部で凹陥状をなす円弧状をなしている。そして、このハブ8の前記頂壁81、前記支柱受け壁82、前記環状リブ84及び前記外周壁85により区画される内部空間は、前記放射リブ83により、前記頂壁81、前記支柱受け壁82、前記放射リブ83及び前記環状リブ84により区画される複数、より具体的には5つの第1の領域S1と、前記頂壁81、前記支柱受け壁82、前記放射リブ83及び前記外周壁85により区画される複数、より具体的には5つの第2の領域S2とに分割されている。これら第1及び第2の領域S1、S2は、周方向に交互に配置している。すなわち、第1の領域S1の周方向両隣には第2の領域S2をそれぞれ配しており、第2の領域S2の周方向両隣には第1の領域S1をそれぞれ配している。
【0020】
このような脚ベース5を成形する際には、上半部を形成するための金型と下半部を形成するための金型とを組み合わせ、これらの金型の間に原料である合成樹脂を溶融させた状態で注入して冷却する。冷却の際には、これらの金型のうち支柱受け壁82の内側の領域、前記支柱受け壁82と放射リブ83と環状リブ84とにより区画される領域、及び前記支柱受け壁82と放射リブ83と外周壁85とにより区画される領域に対応する箇所には冷却ユニットを挿入して、原材料を注入した後のハブ8部分の冷却を促進する。
【0021】
以上に述べたように、本実施形態に係る脚ベース5の構成によれば、互いに隣接する脚羽根7の基端同士をリブの外周壁85により滑らかに接続させているので、脚ベース5のデザインの自由度を向上させて脚ベース5の外観を整えることができる。その上で、前記放射リブ83は前記支柱受け壁82から前記脚羽根7の両側壁71の基端に向けて延伸し同一の脚羽根7の両側壁71の基端から延伸する放射リブ83間の距離が支柱受け壁82に向かうにつれ小さくなっているので、リブの頂壁72と外周壁85と放射リブ83とにより区画される領域を、冷却ユニットを挿入可能な程度十分に大きく確保でき、このような脚ベース5の生産性の向上を図ることができる。
【0022】
また、互いに隣接する前記放射リブ83がなす角度を全て同一に設定しているとともに、前記第1の領域S1及び第2の領域S2を周方向に交互に配置しているので、リブの頂壁72と放射リブ83と環状リブ84とにより区画される第1の領域S1の大きさとリブの頂壁72と外周壁85と放射リブ83とにより区画される第2の領域S2の大きさとが大きく異ならず、短い時間でリブをより均一に冷却することができる。従って、このような脚ベース5の生産性をさらに向上できる。
【0023】
さらに、前記支柱受け壁82及び前記環状リブ84を、同心の円弧状に形成しているので、このような脚ベース5のリブを短い時間でより均一に冷却させることができる。
【0024】
また、前記ハブ8の前記頂壁81、前記支柱受け壁82、前記環状リブ84及び前記外周壁85により区画される内部空間を、前記放射リブ83によりさらに複数の第1の領域S1及び第2の領域S2に分割しているので、これら第1及び第2の領域S1、S2それぞれに冷却ユニットを挿入させることにより、これら第1及び第2の領域を区画する前記頂壁81、前記支柱受け壁82、前記環状リブ84、前記外周壁85及び前記放射リブ83を速やかに冷却させることができ、このような脚ベース5の生産性のさらなる向上を図るべくハブ8を効率よく冷却させることができる。
【0025】
加えて、前記支柱受け壁82の下端が前記脚羽根7の基端の両側壁71の下端より下方に位置するとともに、前記放射リブ83の脚羽根7側の端部の高さ位置を脚羽根7の基端の高さ位置と略又は完全に同一に設定しているので、脚羽根7とハブ8との境界に段差が存在せず、椅子Cを移動させる際にこの段差に物品が引っかかることや脚羽根7とハブ8との境界に応力が集中することが起こりにくい。従って、このような脚ベース5の耐久性を確保することができる。
【0026】
そして、前記脚羽根7の両側壁71の下端と、該脚羽根7の接続リブ73の下端とを同一平面上に形成しているので、脚羽根7の部分においてその高さ寸法の全域に接続リブ73が存在し、従って脚羽根7の強度を確保することができる。
【0027】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0028】
例えば、上述した実施形態では、互いに隣接する前記放射リブがなす角度を全て同一に設定しているが、同一の脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブがなす角度と、互いに隣接する脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブがなす角度とが異なるものであっても、同一の脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブ間の距離が支柱受け壁に向かうにつれ小さくなっているものであれば、同一の脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブを互いに平行に配置しているものと比較して、互いに隣接する脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブと外周壁と頂壁とにより区画される領域の大きさを大きくできるので、本発明の最も主要な効果、すなわちこの領域に冷却ユニットを挿入して脚ベースの生産性の向上を図ることができるという効果を得ることはできる。
【0029】
また、上述した実施形態では、前記支柱受け壁及び前記環状リブを同心の円弧状に形成しているが、例えば脚羽根とハブとの境界すなわち脚羽根の基端同士を直線状に接続する形状の環状リブを形成してももちろんよい。
【0030】
さらに、上述した実施形態では、前記放射リブの脚羽根側の端部の高さ位置を脚羽根の基端における下端の高さ位置と同一に設定しているが、例えば放射リブの高さ位置をその全域にわたって支柱取付具の下端の高さ位置と同一に設定したものであってもこの放射リブを設けた部位の折り曲げ強度を確保するというリブ本来の機能を得ることはできる。一方、放射リブの高さ位置をその全域にわたって脚羽根の基端における下端の高さ位置と同一に設定したものであってもこの放射リブを設けた部位の折り曲げ強度を確保するというリブ本来の機能を得ることはできる。
【0031】
加えて、上述した実施形態では、前記脚羽根の両側壁の下端と、該脚羽根の接続リブの下端とを同一平面上に形成しているが、脚羽根の接続リブの下端の高さ位置が脚羽根の両側壁の下端よりも上方であっても、接続リブを設ける限りにおいては脚羽根の強度をある程度確保することはできる。
【0032】
そして、座と背凭れを別体に設けた椅子や、背凭れを有しない椅子に本発明を適用してもよい。
【0033】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0034】
C…椅子
5…脚ベース
7…脚羽根
71…側壁
72…(脚羽根の)頂壁
73…接続リブ
8…ハブ
81…(ハブの)頂壁
82…支柱受け壁
83…放射リブ
84…環状リブ
85…外周壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の脚羽根と、これら複数本の脚羽根の基端同士を接続するとともに座を支持するための脚支柱を支持するハブとを有する椅子の脚ベースであって、
前記脚羽根が、幅方向両端部に配された両側壁と、前記両側壁の上端同士を接続する頂壁と、前記頂壁から垂下し両側壁間を接続する接続リブとを具備し、
前記ハブが、その上面を形成し前記脚羽根の頂壁と連続する頂壁と、この頂壁の中心部から垂下して設けられ前記脚支柱と係合することにより前記脚支柱を支持する支柱受け壁と、この支柱受け壁から前記脚羽根の両側壁の基端に向けて延伸し同一の脚羽根の両側壁の基端にそれぞれ向かう放射リブ間の距離が支柱受け壁に向かうにつれ小さくなっている放射リブと、同一の脚羽根の両側壁の基端同士を接続する環状リブと、互いに隣接する脚羽根の基端同士を接続するとともにその外周面が前記脚羽根の外周面と滑らかに接続する外周壁とを具備することを特徴とする椅子の脚ベース。
【請求項2】
互いに隣接する前記放射リブがなす角度を全て同一に設定している請求項1記載の椅子の脚ベース。
【請求項3】
前記支柱受け壁及び前記環状リブを、同心の円弧状に形成した請求項1又は2記載の椅子の脚ベース。
【請求項4】
前記ハブの前記頂壁、前記支柱受け壁、前記環状リブ及び前記外周壁により区画される内部空間が、前記放射リブによりさらに複数の領域に分割されている請求項1、2又は3記載の椅子の脚ベース。
【請求項5】
前記ハブの内部空間が、前記頂壁、前記支柱受け壁、前記放射リブ及び前記環状リブにより区画される第1の領域と、前記頂壁、前記支柱受け壁、前記放射リブ及び前記外周壁により区画される第2の領域とに分割され、これら第1の領域及び第2の領域が周方向に交互に配置されている請求項4記載の椅子の脚ベース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−78417(P2013−78417A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219071(P2011−219071)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】