植物栽培カバー
【課題】風雨、冷害、害虫その他から植物を保護することができる植物栽培カバーの提供を目的とする。
【解決手段】植物栽培カバー1のカバー本体2に形成された掘削突起3を土壌Aに突き刺した後、植物栽培カバー1を水平回転させて土壌Aを円形に掘削し、下端側の各抜止め片4…が土壌A中に没するように埋め込む。防虫カバー9を拡張して植物栽培カバー1の上端側周面に装着した後、植物栽培カバー1の各係止片6…にゴム紐9aが縫い付けられた防虫カバー9の外周縁部を係止して取り付ける。これにより、強風が吹きつけられても、土壌Aに埋め込まれた植物栽培カバー1が吹き飛ばされる心配がなく、土壌Aに植えられた植物Bを風雨から確実に保護することができる。また、植物Bの生育に適した通気性が得られるとともに、植物栽培カバー1の内部に害虫が侵入するのを防止することができる。
【解決手段】植物栽培カバー1のカバー本体2に形成された掘削突起3を土壌Aに突き刺した後、植物栽培カバー1を水平回転させて土壌Aを円形に掘削し、下端側の各抜止め片4…が土壌A中に没するように埋め込む。防虫カバー9を拡張して植物栽培カバー1の上端側周面に装着した後、植物栽培カバー1の各係止片6…にゴム紐9aが縫い付けられた防虫カバー9の外周縁部を係止して取り付ける。これにより、強風が吹きつけられても、土壌Aに埋め込まれた植物栽培カバー1が吹き飛ばされる心配がなく、土壌Aに植えられた植物Bを風雨から確実に保護することができる。また、植物Bの生育に適した通気性が得られるとともに、植物栽培カバー1の内部に害虫が侵入するのを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばナス、トマト、キュウリ、白菜、カンラン、キャベツ、或いは、植木、花、樹木等の植物を栽培する際に用いられる植物栽培カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記植物を栽培する際に用いられるカバーとしては、特許文献1の苗保護カバーがある。この保護カバーは、カバー本体の上部開口に合成樹脂製の蓋部材を嵌合して、苗等の植物の冷害、凍害を防止するものであるが、蓋部材を嵌合することによってカバー本体の上部が変形又は変位しにくくなるので、カバー本体の外面に対して風がもろに吹き付けられてしまうことになる。したがって、強風が吹きつけられた際、カバー本体が土壌から引き抜かれるだけでなく、風によって遠くへ吹き飛ばされてしまうため、植物を風雨から保護することができない。
【0003】
また、栽培カバーを土壌中に埋め込む場合、例えば植物栽培カバーの下端部よりも大きな穴を掘り、植物栽培カバーの下端部を穴の中に入れて、植物栽培カバーの内部に土を入れながら、植物栽培カバーの外部にも土をかぶせて埋設した後、植物栽培カバーの上端側開口部から入れた植物を植え込む方法があるが、植物栽培カバーの下端部が入るような大きな穴を掘る作業に手間及び時間が掛かるだけでなく、植物栽培カバーの内部全体に土を入れなければならず、埋め込み作業が捗らないという欠点がある。
【特許文献1】実用新案登録第3031523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は前記問題に鑑み、風雨、冷害、害虫その他から植物を保護することができる植物栽培カバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、植物が植えられる土壌に対して埋め込み固定され、該植物の周囲が囲繞される大きさ及び形状に形成された植物栽培カバーであって、前記植物栽培カバーを、扇形状に展開された柔軟性を有する合成樹脂製のシートを筒状に丸めて該シートの両端部を互いに重ね合わせるとともに、該シートの両端部を重ね合わせたまま一体的に接合して下端側開口部から上端側開口部に向けて徐々に小径となる円錐筒状のカバー本体で構成し、前記土壌より上方に突出されるカバー本体の上端側周面に、該カバー本体の上端側開口部が覆われる大きさ及び形状に形成され、柔軟性及び通気性を有する素材で形成された被覆カバーを装着し、前記被覆カバーの外周縁部を、前記カバー本体の上端側周面の大きさ及び形状に応じて伸縮変位自在に設けた植物栽培カバーであることを特徴とする。
【0006】
この発明の態様として、前記被覆カバーの外周縁部に、前記係止片に対する係止が許容される太さに形成されたゴム紐を装着することができる。
【0007】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面に、前記被覆カバーの外周縁部が係止される係止片を形成し、前記係止片を、前記カバー本体の上端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列することができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着剤で着脱自在に固定することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着テープで着脱自在に固定することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め金で着脱自在に固定することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め部材で着脱自在に固定することができる。
【0012】
また、この発明の態様として、前記土壌中に埋め込まれるカバー本体の下端側周面に、該土壌中に対して係止される角度及び方向に折曲げ自在な抜止め片を形成し、前記抜止め片を、前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列することができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側縁部に、該カバー本体の軸心を中心として前記土壌が円形に掘削される掘削突起を円周方向に連続して形成することができる。
【0014】
また、この発明の態様として、前記抜止め片より上方のカバー本体の側部周面に、該カバー本体の下端側を土壌中に埋め込む際に目安となる埋め込み線を形成することができる。
【0015】
前記カバー本体は、例えば塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単体又は複合した合成樹脂製のシートで構成することができる。また、接合は、例えば接着剤による接着、加熱による熱溶着、超音波振動による超音波溶着等の接合方法で構成することができる。
【0016】
掘削突起は、例えば側面から見て山部と谷部とを円周方向に対して交互に配置してなる滑らかな波状に形成することができる。また、土壌に対して突き刺しやすい形状であれば、例えば鋸歯状、櫛歯状等の鋭角形状に形成してもよい。
【0017】
被覆カバーは、例えば不織布、ネット、或いは、多数の孔部が形成されたシート等の通気性を有する防虫カバーで構成することができる。なお、被覆カバーに、例えば木酢液を含む天然成分、或いは、化学成分を主成分とする害虫用の忌避剤を含浸又は塗布しておいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、風雨、冷害、害虫その他から植物を保護し、植物が生育するのに適した環境を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の植物栽培カバー1は、図1〜図8に示すように、扇形状に打ち抜き加工された柔軟性を有する合成樹脂製のシートを筒状に丸めてカバー本体2を形成し、口径が大きい下端側開口部2aから口径が小さい上端側開口部2bに向けて徐々に小径となる円錐筒状に組み立てたものである。また、カバー本体2の上端側周面には、通気性及び柔軟性を有する不織布等の素材で形成された防虫カバー9が着脱自在に装着される。
【0020】
カバー本体2は、例えば塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単体又は複合した透光性及び柔軟性を有する合成樹脂製のシートで形成することができるが、実施例では、約0.4mmの肉厚tを有する透明又は半透明の塩化ビニル樹脂シート(PVCシート)で形成している。
【0021】
また、植物Bの生育に適した採光量に調光する場合、カバー本体2の一部又は全体を、例えば黒色、灰色、銀色等の所望する色に着色するか、カバー本体2の一部又は全体に、例えば模様、図柄、文字等を描くか印刷してもよい。或いは、紫外線によって植物Bの生育が阻害されるような場合、カバー本体2の一部又は全体を、例えば半透明又は不透明の材質、紫外線遮断作用を有する材質等で形成すればよい。また、植物Bの品種によってカバー本体2の色を変更することもできる。
【0022】
円錐筒状に組み立て完了時における植物栽培カバー1の各部寸法の一例を示すと次の通りである。植物栽培カバー1の上端側開口部2bの直径D1は、約350mmπに設定し、下端側開口部2aの直径D2は、約450mmπに設定し、植物栽培カバー1の全高Hは、約500mmに設定している(図6参照)。
【0023】
なお、上記D1,D2,Hの数値は、上記実施例の数値に限定されるものではなく、植物Bの種類や生育状況、或いは、その他の仕様に応じて所望の寸法に変更してもよい。例えば直径D1を、約350mmπ以下又は約350mmπ以上の数値に変更し、直径D2を、約450mmπ以下又は約450mmπ以上の数値に変更し、全高Hを、約500mm以下又は約500mmπ以上の数値に変更する等してもよい。
【0024】
前記植物栽培カバー1を円錐筒状に組み立てる場合、図1、図2に示すように、扇形状に展開された合成樹脂製のシートを上方から見て筒状となるように丸めて、該シートの一端側外周面と他端側内周面とを互いに重ね合わせる。このとき、シートの両端部を重ね合わせたまま図示しない接着剤により一体的に接着固定してカバー本体2に形成する。これにより、口径が大きい下端側開口部2aから口径が小さい上端側開口部2bに向けて徐々に小径となる円錐筒状に組み立てる。なお、接着に代わる他の方法として、例えば熱溶着、超音波溶着等の接合方法で接合してもよい。
【0025】
カバー本体2の土壌A中に埋め込まれる下端側縁部には、図4参照のカバー本体2の軸心Cを中心として土壌Aを掘削するための掘削突起3を円周方向に連続して形成している。掘削突起3は、側面から見て山部と谷部とを円周方向に対して交互に配置してなる滑らかな波状に形成している。なお、土壌Aに対して突き刺しやすい形状であれば、例えば鋸歯状、櫛歯状等の鋭角形状に形成してもよい。
【0026】
土壌A中に埋め込まれるカバー本体2の下端側周面には、該カバー本体2の下端側周面に対して横長門形状の切り込みを入れて、土壌A中に対して係止される角度及び方向に折曲げ自在な横長台形状の抜止め片4を形成している。
【0027】
抜止め片4は、カバー本体2の土壌A中に埋め込まれる下端側周面の同一円周上に形成され、該カバー本体2の円周方向に対して所定等間隔に隔てて複数配列されている。
【0028】
カバー本体2の下端側周面に連設された抜止め片4の直線部分には、カバー本体2の内側又は外側に向けて突出される角度に対して該抜止め片4の折曲げが許容される折曲げ罫線Eを形成している。つまり、抜止め片4は、折曲げ罫線Eを中心として、カバー本体2の下端側外周面より外側に向けて突出される外向き姿勢と、カバー本体2の下端側内周面より内側に向けて突出される内向き姿勢とに折曲げ自在に設けられている。なお、各抜止め片4…を、植物栽培カバー1の下端側周面に沿って円周方向に対して上下互い違いに配列してもよい。
【0029】
土壌Aより上方に突出されるカバー本体2の上端側周面には、該カバー本体2の上端側周面に対して幅広部分が下向きとなるアリ溝形状の切り込みを入れて、カバー本体2の上端側開口部2bに装着された防虫カバー9の外周縁部が係止される角度及び方向に折曲げ自在なアリ溝形状の係止片6を形成している。
【0030】
係止片6は、カバー本体2の防虫カバー9が装着される上端側周面の同一円周上に形成され、該カバー本体2の円周方向に対して所定等間隔に隔てて複数配列されている。
【0031】
係止片6の切り込み寸法aは、防虫カバー9の外周縁部の係止が許容される寸法に設定している(図6参照)。実施例では、防虫カバー9の外周縁部に沿って縫い付けられたゴム紐9aの太さ程度に設定している。係止片6の切り込み寸法aがゴム紐9aの太さより大きいと、係止片6と防虫カバー9との隙間から病害虫が侵入しやすくなる。また、切り込み寸法aがゴム紐9aの太さより小さいと、係止片6から防虫カバー9の外周縁部が外れやすくなる。
【0032】
カバー本体2の上端側周面に連設された係止片6の直線部分には、カバー本体2の外側に向けて突出される角度に該係止片6の折曲げが許容される折曲げ罫線Eを形成している。つまり、係止片6は、折曲げ罫線Eを中心として、カバー本体2の上端側外周面より外側に向けて突出され、カバー本体2の上端側周面に装着された防虫カバー9の外周縁部に対して係止される角度に折曲げ自在に設けられている。なお、折曲げ罫線Eは、図示しない罫線刃により長手方向から見て略V字状に形成されている。
【0033】
抜止め片4より上方のカバー本体2の側部周面には、該カバー本体2の下端側を土壌A中に埋め込む際に目安となる埋め込み線7を円周方向に連続して形成している(図1、図2参照)。
【0034】
埋め込み線7は、土壌A中に埋め込まれる植物栽培カバー1の下端側から上段側に向けて所定寸法だけ隔てられた上方位置(約100mmの位置)に付設されており、凸状又は凹状の線条をカバー本体2の側部周面に沿ってプレス成形している。つまり、植物栽培カバー1の下端側を埋め込み線7の位置まで土壌A中に埋め込むことにより、所定の埋め込み寸法だけ正確に埋め込むことができる。
【0035】
また、埋め込み線7をプレス成形する代わりに、例えば土壌Aとの見分けが明確な色の塗料をカバー本体2の側部周面に沿って線状に印刷するか塗布する等してもよい。また、凸状又は凹状の埋め込み線7をプレス成形する方法と、印刷又は塗布する方法とを組み合わせてもよい。
【0036】
防虫カバー9は、図3に示すように、通気性及び柔軟性を有する不織布等の素材でカバー本体2の上端側開口部2bが覆われる大きさ及び形状に形成されており、シート状の不織布を円形に切り取った後、その不織布の外周縁部に沿って伸縮性を有するゴム紐9aを縫い付け、同図の(a)、(b)に示すようなヘアーキャップ形状に仕上げている。これにより、カバー本体2の上端側周面の大きさ及び形状に応じて伸縮変位自在に設けている。なお、ゴム紐9aを、円形を有する不織布の外周縁部に沿って接着等々してもよい。また、抄造時において、円形を有する不織布を抄造してもよい。
【0037】
図示実施例は前記の如く構成するものにして、以下、植物栽培カバー1の埋め込み方法を説明する。
【0038】
先ず、図4に示すように、植物栽培カバー1の各抜止め片4…を外側に向けて径方向に折り曲げ、該植物栽培カバー1の側部外周面より外側に突出した後、植物栽培カバー1の上端側外周面を手で保持して、植物栽培カバー1の上端側開口部2bが上向き、下端側開口部2aが下向きとなる姿勢に保持する。
【0039】
次に、図5に示すように、植物栽培カバー1の下端側に形成された掘削突起3の先端を、畑等の整地された土壌Aの植え込み面に対して上方から垂直に突き刺した後、手で保持した植物栽培カバー1を、カバー本体2の軸心Cを中心として右方向又は左方向の一方向に向けて水平回転する。或いは、右方向及び左方向の両方向に向けて交互に正逆回転する等して、植物栽培カバー1の掘削突起3によって植物Bが植えられる箇所の土壌Aをカバー本体2の軸心Cを中心として円形に掘削する。
【0040】
植物Bが植えられる箇所の土壌Aを掘削しながら、植物栽培カバー1の全体を、該植物栽培カバー1の下端側が土壌A中に対して埋め込まれる方向へ押し込み下降させて、植物栽培カバー1の下端側を、植物Bが植えられる箇所の土壌A中に対して所望する深さ埋め込む(図6参照)。これにより、植物栽培カバー1が埋め込まれる箇所の土壌Aを掘削する掘削作業と、植物栽培カバー1を土壌A中に対して所望する深さに埋め込む作業とが簡単且つ容易に行え、植物栽培カバー1を土壌A中に対して確実に埋め込み固定することができる。また、スコップ等の掘削具を用いることなく、植物栽培カバー1を土壌Aに対して埋め込み固定するので、植物栽培カバー1を埋め込み固定する際に要する作業及び手間が省け、作業性の向上を図ることができる。
【0041】
また、図6に示すように、植物栽培カバー1の下端側を埋め込み線7が土壌A中に隠れるか、該土壌Aの表面と一致する深さに埋め込んだ後、埋め込み線7が隠れるように植物栽培カバー1の内側及び外側の土を補給し、植物栽培カバー1の外側の土を踏み固め、内側の土を手や棒等で適度に固める。これにより、植物栽培カバー1を、埋め込み線7より下端側が土壌A中に没する深さに正確且つ確実に埋め込むことができる。なお、植物栽培カバー1の内側には、堆肥、肥料等が含まれる土壌Aを入れる。
【0042】
植物栽培カバー1を土壌Aに埋め込み固定する作業が完了した際に、図6に示すように、植物Bを、植物栽培カバー1の上端側開口部2bから挿入して、植物栽培カバー1で囲繞された土壌Aの中心に植える。この後、植物栽培カバー1の内側及び外側の土壌Aに給水する。つまり、土壌Aに植えられた植物Bの周囲を植物栽培カバー1で囲繞し保護するので、風雨、冷害、害虫その他から植物Bを保護し、植物Bが生育するのに適した環境を維持することができる。或いは、植物Bを、予め植物栽培カバー1で囲繞される土壌Aの中心に植えておいてもよい。なお、植物栽培カバー1は、キャベツや白菜等の植物Bを収穫する時期まで使用する。
【0043】
また、柔軟性を有する植物栽培カバー1及び防虫カバー9は、吹き付けられる風の強さに応じて変形又は変位しやすく、植物栽培カバー1の外面に吹き付けられた風が後方や側方へ受け流されることになる。これにより、強風が吹きつけられても、土壌Aに埋め込まれた植物栽培カバー1が吹き飛ばされる心配がなく、土壌Aに植えられた植物Bを風雨から確実に保護することができる。
【0044】
また、植物栽培カバー1の各抜止め片4…を外側に折り曲げて径方向に突出した後、植物栽培カバー1を、埋め込み線7より下方の各抜止め片4…が土壌A中に没するように埋め込み、外側に突出された各抜止め片4…を土壌A中に食い込ませるので、植物栽培カバー1に対して土壌A中から抜き取られる方向に風や雨等の応力が付与された際に、植物栽培カバー1の抜き取りが阻止される方向に対して各抜止め片4…の抵抗が付与される(図6、図7参照)。これにより、単数の抜止め片4を土壌A中に食い込ませるよりも大きな抵抗が得られ、植物栽培カバー1を土壌Aに対して確実に埋め込み固定することができるとともに、風や雨等によって植物栽培カバー1が土壌A中から抜き取られるのを防止することができる。
【0045】
また、植物栽培カバー1の各抜止め片4…を外側に向けて径方向に折り曲げることにより、植物栽培カバー1の内側と外側とを連通する各連通孔8…が開口される。各連通孔8…を介して、植物栽培カバー1の内側と外側との土壌Aがつながって一体化されるので、各抜止め片4…による抵抗に加えて、各連通孔8…を介して一体化した土壌Aの抵抗により、植物栽培カバー1が抜けるか、傾倒するのを防止する作用及び効果を高めることができる。
【0046】
また、防虫カバー9を、土壌Aに埋め込むまえ又は土壌Aに埋め込まれた植物栽培カバー1の上端側周面に装着する(図6参照)。つまり、防虫カバー9の外周縁部に縫い付けられたゴム紐9aの復元力によって、植物栽培カバー1の上端側周面に対して防虫カバー9の外周縁部が密着される。さらに、植物栽培カバー1の各係止片6…を内側から押圧して外側に突出した後、その突出された各係止片6…に、ゴム紐9aが縫い付けられた防虫カバー9の外周縁部を内側へ折り返して係止するので、各係止片6…の復元力により、防虫カバー9の外周縁部が植物栽培カバー1の上端側周面に押し付けられて挟持される。これにより、植物栽培カバー1で囲繞された植物Bの生育に適した通気性が得られるとともに、植物栽培カバー1の内部に害虫が侵入するのを防止することができる。
【0047】
防虫カバー9を、カバー本体2の上端側周面に装着する際、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の各係止片6…に係止するだけであるので、防虫カバー9を着脱する作業及び交換する作業が簡単且つ容易に行える。また、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の各係止片6…から離脱させて係止を解除すれば、防虫カバー9を、カバー本体2の上端側開口部2bから簡単且つ容易に取り外すことができる。
【0048】
また、防虫カバー9に、例えば木酢液を含む天然成分、或いは、化学成分を主成分とする害虫用の忌避剤10を含浸又は塗布しておいてもよく、害虫による被害を少なくすることができる。
【0049】
或いは、図8に示すように、植物栽培カバー1の上端側開口部2bに装着された防虫カバー9の上面側中央部に忌避剤10を載せておけば、忌避剤10の重量によって、防虫カバー9の忌避剤10が載せられた中央部が植物栽培カバー1の上端側開口部2bより内側に落ち込むことになる。これにより、忌避剤10の忌避成分が植物栽培カバー1の外部へ流出しにくく、忌避剤10の忌避成分が植物栽培カバー1の内部に長く残留するため、忌避剤10による害虫の忌避効果が長期間持続される。なお、忌避剤10の代わりに、例えば防虫剤、殺虫剤等の薬品を用いてもよい。
【0050】
図9の(a)〜(d)は、本発明の特許請求の範囲に含まれる係止片6に代わる他の固定方法を示している。
【0051】
図9の(a)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着剤11で部分的に着脱自在に固定してもよい。なお、粘着剤11は、カバー本体2の上端側周面又は防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。
【0052】
粘着剤11の粘着力によって防虫カバー9の装着状態を維持するので、カバー本体2の上端側周面又は防虫カバー9の外周縁部に、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の上端側周面に対して係止するための係止手段を設ける必要がなく、防虫カバー9が装着される植物栽培カバーを安価に製作することができる。また、粘着剤11の粘着力に抗して、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の上端側周面から取り外せば、カバー本体2の上端側開口部が開放されるので、植物Bの生育具合の確認作業、水分や肥料等の補給作業が簡単且つ容易に行える。また、防虫カバー9を着脱する作業及び交換する作業が容易に行え、防虫カバー9を何回も繰り返し使用することができる。
【0053】
また、図9の(b)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着テープ12で部分的に着脱自在に固定してもよい。粘着テープ12の粘着力に抗して、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の上端側周面から簡単に取り外すことができる。これにより、前記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。なお、粘着テープ12は、防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。或いは、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを図示しない両面粘着テープで着脱自在に固定してもよい。
【0054】
また、図9の(c)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め金13で着脱自在に固定してもよい。止め金13による固定を解除すれば、防虫カバー9をカバー本体2の上端側周面から簡単に取り外すことができる。これにより、前記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。なお、止め金13は、防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。
【0055】
図9の(d)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な固定力を有するスナップ式の止め部材14で着脱自在に固定してもよい。止め部材14による固定を解除すれば、防虫カバー9をカバー本体2の上端側周面から簡単に取り外すことができる。これにより、前記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。なお、止め部材14は、防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。
【0056】
上記以外の固定方法として、例えばマグネット、面ファスナー、フック等の固定部材で固定してもよい。
【0057】
図10の(a)〜(c)は、本発明の特許請求の範囲に含まれる係止片6の他の形状を示している。(a)に示す楕円形状の係止片6と、(b)に示す四角形状の係止片6と、(c)に示す丸形状の係止片6との中から選択した一つ又は複数の係止片6で防虫カバー9をカバー本体2の上端側周面に固定してもよい。つまり、防虫カバー9の装着状態が維持される形状であれば、上記以外の形状を有する係止片であってもよい。
【0058】
図11は、植物栽培カバー1…を上下に複数重ね合わせた例を示している。つまり、植物栽培カバー1…の抜止め片4…を予め外側に折り曲げておき、上側に重ね合わされる植物栽培カバー1の掘削突起3を、下側に重ね合わされる植物栽培カバー1の抜止め片4…に載せる。以下同様にして、2個目、3個目の植物栽培カバー1…を順に重ね合わせる。これにより、植物栽培カバー1…を上下に重ね合せたまま一括して取り扱うので、嵩張らず、運搬及び保管が容易に行える。また、取り扱い時や運搬時において、苗保護カバー1…を重ね合わせてなる一つのカバー群が散乱するか、カバー単体に拡散するのを防止することができる。
【0059】
この発明の構成と、前記実施例との対応において、
この発明の被覆カバーは、実施例の防虫カバー9に対応するも、
この発明は、前記実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0060】
なお、植物栽培カバー1の外観形状は、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、八角形、十六角形などの多角形、或いは楕円形等の形状に形成してもよく、見た目が円形に近いものであればよい。
【0061】
また、抜止め片4及び係止片6の外観形状は、例えばU字形状、半楕円形状、山形状等の所望する形状に形成してもよく、抜止め片4は、植物栽培カバー1の抜き取りが阻止される方向に対して抵抗が付与される形状であればよい。一方、係止片6は、防虫カバー9の外周縁部が植物栽培カバー1の上端側周面に密着され、該防虫カバー9の装着状態が維持される形状であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】円錐筒状に組み立てられた植物栽培カバーを示す斜視図。
【図2】植物栽培カバーの内部構造を示す縦断側面図。
【図3】防虫カバーの構造を示す底面図及び縦断側面図。
【図4】植物栽培カバーを土壌に埋め込む方法を示す縦断側面図。
【図5】植物栽培カバーによる土壌の掘削方法を示す縦断側面図。
【図6】植物栽培カバーを土壌に埋め込んだ状態を示す縦断側面図。
【図7】植物栽培カバー内の土壌に植物を植えた状態を示す縦断側面図。
【図8】図7の防虫カバーに忌避剤を載せた状態を示す縦断側面図。
【図9】防虫カバーの他の固定方法を示す拡大正面図。
【図10】係止片の他の形状を示す正面図。
【図11】植物栽培カバーを上下に重ね合わせた例を示す側面図。
【符号の説明】
【0063】
A…土壌
B…植物
C…軸心
E…折曲げ罫線
1…植物栽培カバー
2…カバー本体
3…掘削突起
4…抜止め片
6…係止片
7…埋め込み線
8…連通孔
9…防虫カバー
9a…ゴム紐
10…忌避剤
11…粘着剤
12…粘着テープ
13…止め金
14…止め部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばナス、トマト、キュウリ、白菜、カンラン、キャベツ、或いは、植木、花、樹木等の植物を栽培する際に用いられる植物栽培カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記植物を栽培する際に用いられるカバーとしては、特許文献1の苗保護カバーがある。この保護カバーは、カバー本体の上部開口に合成樹脂製の蓋部材を嵌合して、苗等の植物の冷害、凍害を防止するものであるが、蓋部材を嵌合することによってカバー本体の上部が変形又は変位しにくくなるので、カバー本体の外面に対して風がもろに吹き付けられてしまうことになる。したがって、強風が吹きつけられた際、カバー本体が土壌から引き抜かれるだけでなく、風によって遠くへ吹き飛ばされてしまうため、植物を風雨から保護することができない。
【0003】
また、栽培カバーを土壌中に埋め込む場合、例えば植物栽培カバーの下端部よりも大きな穴を掘り、植物栽培カバーの下端部を穴の中に入れて、植物栽培カバーの内部に土を入れながら、植物栽培カバーの外部にも土をかぶせて埋設した後、植物栽培カバーの上端側開口部から入れた植物を植え込む方法があるが、植物栽培カバーの下端部が入るような大きな穴を掘る作業に手間及び時間が掛かるだけでなく、植物栽培カバーの内部全体に土を入れなければならず、埋め込み作業が捗らないという欠点がある。
【特許文献1】実用新案登録第3031523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は前記問題に鑑み、風雨、冷害、害虫その他から植物を保護することができる植物栽培カバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、植物が植えられる土壌に対して埋め込み固定され、該植物の周囲が囲繞される大きさ及び形状に形成された植物栽培カバーであって、前記植物栽培カバーを、扇形状に展開された柔軟性を有する合成樹脂製のシートを筒状に丸めて該シートの両端部を互いに重ね合わせるとともに、該シートの両端部を重ね合わせたまま一体的に接合して下端側開口部から上端側開口部に向けて徐々に小径となる円錐筒状のカバー本体で構成し、前記土壌より上方に突出されるカバー本体の上端側周面に、該カバー本体の上端側開口部が覆われる大きさ及び形状に形成され、柔軟性及び通気性を有する素材で形成された被覆カバーを装着し、前記被覆カバーの外周縁部を、前記カバー本体の上端側周面の大きさ及び形状に応じて伸縮変位自在に設けた植物栽培カバーであることを特徴とする。
【0006】
この発明の態様として、前記被覆カバーの外周縁部に、前記係止片に対する係止が許容される太さに形成されたゴム紐を装着することができる。
【0007】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面に、前記被覆カバーの外周縁部が係止される係止片を形成し、前記係止片を、前記カバー本体の上端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列することができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着剤で着脱自在に固定することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着テープで着脱自在に固定することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め金で着脱自在に固定することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め部材で着脱自在に固定することができる。
【0012】
また、この発明の態様として、前記土壌中に埋め込まれるカバー本体の下端側周面に、該土壌中に対して係止される角度及び方向に折曲げ自在な抜止め片を形成し、前記抜止め片を、前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列することができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側縁部に、該カバー本体の軸心を中心として前記土壌が円形に掘削される掘削突起を円周方向に連続して形成することができる。
【0014】
また、この発明の態様として、前記抜止め片より上方のカバー本体の側部周面に、該カバー本体の下端側を土壌中に埋め込む際に目安となる埋め込み線を形成することができる。
【0015】
前記カバー本体は、例えば塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単体又は複合した合成樹脂製のシートで構成することができる。また、接合は、例えば接着剤による接着、加熱による熱溶着、超音波振動による超音波溶着等の接合方法で構成することができる。
【0016】
掘削突起は、例えば側面から見て山部と谷部とを円周方向に対して交互に配置してなる滑らかな波状に形成することができる。また、土壌に対して突き刺しやすい形状であれば、例えば鋸歯状、櫛歯状等の鋭角形状に形成してもよい。
【0017】
被覆カバーは、例えば不織布、ネット、或いは、多数の孔部が形成されたシート等の通気性を有する防虫カバーで構成することができる。なお、被覆カバーに、例えば木酢液を含む天然成分、或いは、化学成分を主成分とする害虫用の忌避剤を含浸又は塗布しておいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、風雨、冷害、害虫その他から植物を保護し、植物が生育するのに適した環境を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の植物栽培カバー1は、図1〜図8に示すように、扇形状に打ち抜き加工された柔軟性を有する合成樹脂製のシートを筒状に丸めてカバー本体2を形成し、口径が大きい下端側開口部2aから口径が小さい上端側開口部2bに向けて徐々に小径となる円錐筒状に組み立てたものである。また、カバー本体2の上端側周面には、通気性及び柔軟性を有する不織布等の素材で形成された防虫カバー9が着脱自在に装着される。
【0020】
カバー本体2は、例えば塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単体又は複合した透光性及び柔軟性を有する合成樹脂製のシートで形成することができるが、実施例では、約0.4mmの肉厚tを有する透明又は半透明の塩化ビニル樹脂シート(PVCシート)で形成している。
【0021】
また、植物Bの生育に適した採光量に調光する場合、カバー本体2の一部又は全体を、例えば黒色、灰色、銀色等の所望する色に着色するか、カバー本体2の一部又は全体に、例えば模様、図柄、文字等を描くか印刷してもよい。或いは、紫外線によって植物Bの生育が阻害されるような場合、カバー本体2の一部又は全体を、例えば半透明又は不透明の材質、紫外線遮断作用を有する材質等で形成すればよい。また、植物Bの品種によってカバー本体2の色を変更することもできる。
【0022】
円錐筒状に組み立て完了時における植物栽培カバー1の各部寸法の一例を示すと次の通りである。植物栽培カバー1の上端側開口部2bの直径D1は、約350mmπに設定し、下端側開口部2aの直径D2は、約450mmπに設定し、植物栽培カバー1の全高Hは、約500mmに設定している(図6参照)。
【0023】
なお、上記D1,D2,Hの数値は、上記実施例の数値に限定されるものではなく、植物Bの種類や生育状況、或いは、その他の仕様に応じて所望の寸法に変更してもよい。例えば直径D1を、約350mmπ以下又は約350mmπ以上の数値に変更し、直径D2を、約450mmπ以下又は約450mmπ以上の数値に変更し、全高Hを、約500mm以下又は約500mmπ以上の数値に変更する等してもよい。
【0024】
前記植物栽培カバー1を円錐筒状に組み立てる場合、図1、図2に示すように、扇形状に展開された合成樹脂製のシートを上方から見て筒状となるように丸めて、該シートの一端側外周面と他端側内周面とを互いに重ね合わせる。このとき、シートの両端部を重ね合わせたまま図示しない接着剤により一体的に接着固定してカバー本体2に形成する。これにより、口径が大きい下端側開口部2aから口径が小さい上端側開口部2bに向けて徐々に小径となる円錐筒状に組み立てる。なお、接着に代わる他の方法として、例えば熱溶着、超音波溶着等の接合方法で接合してもよい。
【0025】
カバー本体2の土壌A中に埋め込まれる下端側縁部には、図4参照のカバー本体2の軸心Cを中心として土壌Aを掘削するための掘削突起3を円周方向に連続して形成している。掘削突起3は、側面から見て山部と谷部とを円周方向に対して交互に配置してなる滑らかな波状に形成している。なお、土壌Aに対して突き刺しやすい形状であれば、例えば鋸歯状、櫛歯状等の鋭角形状に形成してもよい。
【0026】
土壌A中に埋め込まれるカバー本体2の下端側周面には、該カバー本体2の下端側周面に対して横長門形状の切り込みを入れて、土壌A中に対して係止される角度及び方向に折曲げ自在な横長台形状の抜止め片4を形成している。
【0027】
抜止め片4は、カバー本体2の土壌A中に埋め込まれる下端側周面の同一円周上に形成され、該カバー本体2の円周方向に対して所定等間隔に隔てて複数配列されている。
【0028】
カバー本体2の下端側周面に連設された抜止め片4の直線部分には、カバー本体2の内側又は外側に向けて突出される角度に対して該抜止め片4の折曲げが許容される折曲げ罫線Eを形成している。つまり、抜止め片4は、折曲げ罫線Eを中心として、カバー本体2の下端側外周面より外側に向けて突出される外向き姿勢と、カバー本体2の下端側内周面より内側に向けて突出される内向き姿勢とに折曲げ自在に設けられている。なお、各抜止め片4…を、植物栽培カバー1の下端側周面に沿って円周方向に対して上下互い違いに配列してもよい。
【0029】
土壌Aより上方に突出されるカバー本体2の上端側周面には、該カバー本体2の上端側周面に対して幅広部分が下向きとなるアリ溝形状の切り込みを入れて、カバー本体2の上端側開口部2bに装着された防虫カバー9の外周縁部が係止される角度及び方向に折曲げ自在なアリ溝形状の係止片6を形成している。
【0030】
係止片6は、カバー本体2の防虫カバー9が装着される上端側周面の同一円周上に形成され、該カバー本体2の円周方向に対して所定等間隔に隔てて複数配列されている。
【0031】
係止片6の切り込み寸法aは、防虫カバー9の外周縁部の係止が許容される寸法に設定している(図6参照)。実施例では、防虫カバー9の外周縁部に沿って縫い付けられたゴム紐9aの太さ程度に設定している。係止片6の切り込み寸法aがゴム紐9aの太さより大きいと、係止片6と防虫カバー9との隙間から病害虫が侵入しやすくなる。また、切り込み寸法aがゴム紐9aの太さより小さいと、係止片6から防虫カバー9の外周縁部が外れやすくなる。
【0032】
カバー本体2の上端側周面に連設された係止片6の直線部分には、カバー本体2の外側に向けて突出される角度に該係止片6の折曲げが許容される折曲げ罫線Eを形成している。つまり、係止片6は、折曲げ罫線Eを中心として、カバー本体2の上端側外周面より外側に向けて突出され、カバー本体2の上端側周面に装着された防虫カバー9の外周縁部に対して係止される角度に折曲げ自在に設けられている。なお、折曲げ罫線Eは、図示しない罫線刃により長手方向から見て略V字状に形成されている。
【0033】
抜止め片4より上方のカバー本体2の側部周面には、該カバー本体2の下端側を土壌A中に埋め込む際に目安となる埋め込み線7を円周方向に連続して形成している(図1、図2参照)。
【0034】
埋め込み線7は、土壌A中に埋め込まれる植物栽培カバー1の下端側から上段側に向けて所定寸法だけ隔てられた上方位置(約100mmの位置)に付設されており、凸状又は凹状の線条をカバー本体2の側部周面に沿ってプレス成形している。つまり、植物栽培カバー1の下端側を埋め込み線7の位置まで土壌A中に埋め込むことにより、所定の埋め込み寸法だけ正確に埋め込むことができる。
【0035】
また、埋め込み線7をプレス成形する代わりに、例えば土壌Aとの見分けが明確な色の塗料をカバー本体2の側部周面に沿って線状に印刷するか塗布する等してもよい。また、凸状又は凹状の埋め込み線7をプレス成形する方法と、印刷又は塗布する方法とを組み合わせてもよい。
【0036】
防虫カバー9は、図3に示すように、通気性及び柔軟性を有する不織布等の素材でカバー本体2の上端側開口部2bが覆われる大きさ及び形状に形成されており、シート状の不織布を円形に切り取った後、その不織布の外周縁部に沿って伸縮性を有するゴム紐9aを縫い付け、同図の(a)、(b)に示すようなヘアーキャップ形状に仕上げている。これにより、カバー本体2の上端側周面の大きさ及び形状に応じて伸縮変位自在に設けている。なお、ゴム紐9aを、円形を有する不織布の外周縁部に沿って接着等々してもよい。また、抄造時において、円形を有する不織布を抄造してもよい。
【0037】
図示実施例は前記の如く構成するものにして、以下、植物栽培カバー1の埋め込み方法を説明する。
【0038】
先ず、図4に示すように、植物栽培カバー1の各抜止め片4…を外側に向けて径方向に折り曲げ、該植物栽培カバー1の側部外周面より外側に突出した後、植物栽培カバー1の上端側外周面を手で保持して、植物栽培カバー1の上端側開口部2bが上向き、下端側開口部2aが下向きとなる姿勢に保持する。
【0039】
次に、図5に示すように、植物栽培カバー1の下端側に形成された掘削突起3の先端を、畑等の整地された土壌Aの植え込み面に対して上方から垂直に突き刺した後、手で保持した植物栽培カバー1を、カバー本体2の軸心Cを中心として右方向又は左方向の一方向に向けて水平回転する。或いは、右方向及び左方向の両方向に向けて交互に正逆回転する等して、植物栽培カバー1の掘削突起3によって植物Bが植えられる箇所の土壌Aをカバー本体2の軸心Cを中心として円形に掘削する。
【0040】
植物Bが植えられる箇所の土壌Aを掘削しながら、植物栽培カバー1の全体を、該植物栽培カバー1の下端側が土壌A中に対して埋め込まれる方向へ押し込み下降させて、植物栽培カバー1の下端側を、植物Bが植えられる箇所の土壌A中に対して所望する深さ埋め込む(図6参照)。これにより、植物栽培カバー1が埋め込まれる箇所の土壌Aを掘削する掘削作業と、植物栽培カバー1を土壌A中に対して所望する深さに埋め込む作業とが簡単且つ容易に行え、植物栽培カバー1を土壌A中に対して確実に埋め込み固定することができる。また、スコップ等の掘削具を用いることなく、植物栽培カバー1を土壌Aに対して埋め込み固定するので、植物栽培カバー1を埋め込み固定する際に要する作業及び手間が省け、作業性の向上を図ることができる。
【0041】
また、図6に示すように、植物栽培カバー1の下端側を埋め込み線7が土壌A中に隠れるか、該土壌Aの表面と一致する深さに埋め込んだ後、埋め込み線7が隠れるように植物栽培カバー1の内側及び外側の土を補給し、植物栽培カバー1の外側の土を踏み固め、内側の土を手や棒等で適度に固める。これにより、植物栽培カバー1を、埋め込み線7より下端側が土壌A中に没する深さに正確且つ確実に埋め込むことができる。なお、植物栽培カバー1の内側には、堆肥、肥料等が含まれる土壌Aを入れる。
【0042】
植物栽培カバー1を土壌Aに埋め込み固定する作業が完了した際に、図6に示すように、植物Bを、植物栽培カバー1の上端側開口部2bから挿入して、植物栽培カバー1で囲繞された土壌Aの中心に植える。この後、植物栽培カバー1の内側及び外側の土壌Aに給水する。つまり、土壌Aに植えられた植物Bの周囲を植物栽培カバー1で囲繞し保護するので、風雨、冷害、害虫その他から植物Bを保護し、植物Bが生育するのに適した環境を維持することができる。或いは、植物Bを、予め植物栽培カバー1で囲繞される土壌Aの中心に植えておいてもよい。なお、植物栽培カバー1は、キャベツや白菜等の植物Bを収穫する時期まで使用する。
【0043】
また、柔軟性を有する植物栽培カバー1及び防虫カバー9は、吹き付けられる風の強さに応じて変形又は変位しやすく、植物栽培カバー1の外面に吹き付けられた風が後方や側方へ受け流されることになる。これにより、強風が吹きつけられても、土壌Aに埋め込まれた植物栽培カバー1が吹き飛ばされる心配がなく、土壌Aに植えられた植物Bを風雨から確実に保護することができる。
【0044】
また、植物栽培カバー1の各抜止め片4…を外側に折り曲げて径方向に突出した後、植物栽培カバー1を、埋め込み線7より下方の各抜止め片4…が土壌A中に没するように埋め込み、外側に突出された各抜止め片4…を土壌A中に食い込ませるので、植物栽培カバー1に対して土壌A中から抜き取られる方向に風や雨等の応力が付与された際に、植物栽培カバー1の抜き取りが阻止される方向に対して各抜止め片4…の抵抗が付与される(図6、図7参照)。これにより、単数の抜止め片4を土壌A中に食い込ませるよりも大きな抵抗が得られ、植物栽培カバー1を土壌Aに対して確実に埋め込み固定することができるとともに、風や雨等によって植物栽培カバー1が土壌A中から抜き取られるのを防止することができる。
【0045】
また、植物栽培カバー1の各抜止め片4…を外側に向けて径方向に折り曲げることにより、植物栽培カバー1の内側と外側とを連通する各連通孔8…が開口される。各連通孔8…を介して、植物栽培カバー1の内側と外側との土壌Aがつながって一体化されるので、各抜止め片4…による抵抗に加えて、各連通孔8…を介して一体化した土壌Aの抵抗により、植物栽培カバー1が抜けるか、傾倒するのを防止する作用及び効果を高めることができる。
【0046】
また、防虫カバー9を、土壌Aに埋め込むまえ又は土壌Aに埋め込まれた植物栽培カバー1の上端側周面に装着する(図6参照)。つまり、防虫カバー9の外周縁部に縫い付けられたゴム紐9aの復元力によって、植物栽培カバー1の上端側周面に対して防虫カバー9の外周縁部が密着される。さらに、植物栽培カバー1の各係止片6…を内側から押圧して外側に突出した後、その突出された各係止片6…に、ゴム紐9aが縫い付けられた防虫カバー9の外周縁部を内側へ折り返して係止するので、各係止片6…の復元力により、防虫カバー9の外周縁部が植物栽培カバー1の上端側周面に押し付けられて挟持される。これにより、植物栽培カバー1で囲繞された植物Bの生育に適した通気性が得られるとともに、植物栽培カバー1の内部に害虫が侵入するのを防止することができる。
【0047】
防虫カバー9を、カバー本体2の上端側周面に装着する際、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の各係止片6…に係止するだけであるので、防虫カバー9を着脱する作業及び交換する作業が簡単且つ容易に行える。また、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の各係止片6…から離脱させて係止を解除すれば、防虫カバー9を、カバー本体2の上端側開口部2bから簡単且つ容易に取り外すことができる。
【0048】
また、防虫カバー9に、例えば木酢液を含む天然成分、或いは、化学成分を主成分とする害虫用の忌避剤10を含浸又は塗布しておいてもよく、害虫による被害を少なくすることができる。
【0049】
或いは、図8に示すように、植物栽培カバー1の上端側開口部2bに装着された防虫カバー9の上面側中央部に忌避剤10を載せておけば、忌避剤10の重量によって、防虫カバー9の忌避剤10が載せられた中央部が植物栽培カバー1の上端側開口部2bより内側に落ち込むことになる。これにより、忌避剤10の忌避成分が植物栽培カバー1の外部へ流出しにくく、忌避剤10の忌避成分が植物栽培カバー1の内部に長く残留するため、忌避剤10による害虫の忌避効果が長期間持続される。なお、忌避剤10の代わりに、例えば防虫剤、殺虫剤等の薬品を用いてもよい。
【0050】
図9の(a)〜(d)は、本発明の特許請求の範囲に含まれる係止片6に代わる他の固定方法を示している。
【0051】
図9の(a)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着剤11で部分的に着脱自在に固定してもよい。なお、粘着剤11は、カバー本体2の上端側周面又は防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。
【0052】
粘着剤11の粘着力によって防虫カバー9の装着状態を維持するので、カバー本体2の上端側周面又は防虫カバー9の外周縁部に、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の上端側周面に対して係止するための係止手段を設ける必要がなく、防虫カバー9が装着される植物栽培カバーを安価に製作することができる。また、粘着剤11の粘着力に抗して、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の上端側周面から取り外せば、カバー本体2の上端側開口部が開放されるので、植物Bの生育具合の確認作業、水分や肥料等の補給作業が簡単且つ容易に行える。また、防虫カバー9を着脱する作業及び交換する作業が容易に行え、防虫カバー9を何回も繰り返し使用することができる。
【0053】
また、図9の(b)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着テープ12で部分的に着脱自在に固定してもよい。粘着テープ12の粘着力に抗して、防虫カバー9の外周縁部をカバー本体2の上端側周面から簡単に取り外すことができる。これにより、前記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。なお、粘着テープ12は、防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。或いは、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを図示しない両面粘着テープで着脱自在に固定してもよい。
【0054】
また、図9の(c)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め金13で着脱自在に固定してもよい。止め金13による固定を解除すれば、防虫カバー9をカバー本体2の上端側周面から簡単に取り外すことができる。これにより、前記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。なお、止め金13は、防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。
【0055】
図9の(d)に示すように、カバー本体2の上端側周面と防虫カバー9の外周縁部とを、該防虫カバー9の装着状態を維持するのに必要な固定力を有するスナップ式の止め部材14で着脱自在に固定してもよい。止め部材14による固定を解除すれば、防虫カバー9をカバー本体2の上端側周面から簡単に取り外すことができる。これにより、前記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。なお、止め部材14は、防虫カバー9の外周縁部に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列されている。
【0056】
上記以外の固定方法として、例えばマグネット、面ファスナー、フック等の固定部材で固定してもよい。
【0057】
図10の(a)〜(c)は、本発明の特許請求の範囲に含まれる係止片6の他の形状を示している。(a)に示す楕円形状の係止片6と、(b)に示す四角形状の係止片6と、(c)に示す丸形状の係止片6との中から選択した一つ又は複数の係止片6で防虫カバー9をカバー本体2の上端側周面に固定してもよい。つまり、防虫カバー9の装着状態が維持される形状であれば、上記以外の形状を有する係止片であってもよい。
【0058】
図11は、植物栽培カバー1…を上下に複数重ね合わせた例を示している。つまり、植物栽培カバー1…の抜止め片4…を予め外側に折り曲げておき、上側に重ね合わされる植物栽培カバー1の掘削突起3を、下側に重ね合わされる植物栽培カバー1の抜止め片4…に載せる。以下同様にして、2個目、3個目の植物栽培カバー1…を順に重ね合わせる。これにより、植物栽培カバー1…を上下に重ね合せたまま一括して取り扱うので、嵩張らず、運搬及び保管が容易に行える。また、取り扱い時や運搬時において、苗保護カバー1…を重ね合わせてなる一つのカバー群が散乱するか、カバー単体に拡散するのを防止することができる。
【0059】
この発明の構成と、前記実施例との対応において、
この発明の被覆カバーは、実施例の防虫カバー9に対応するも、
この発明は、前記実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0060】
なお、植物栽培カバー1の外観形状は、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、八角形、十六角形などの多角形、或いは楕円形等の形状に形成してもよく、見た目が円形に近いものであればよい。
【0061】
また、抜止め片4及び係止片6の外観形状は、例えばU字形状、半楕円形状、山形状等の所望する形状に形成してもよく、抜止め片4は、植物栽培カバー1の抜き取りが阻止される方向に対して抵抗が付与される形状であればよい。一方、係止片6は、防虫カバー9の外周縁部が植物栽培カバー1の上端側周面に密着され、該防虫カバー9の装着状態が維持される形状であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】円錐筒状に組み立てられた植物栽培カバーを示す斜視図。
【図2】植物栽培カバーの内部構造を示す縦断側面図。
【図3】防虫カバーの構造を示す底面図及び縦断側面図。
【図4】植物栽培カバーを土壌に埋め込む方法を示す縦断側面図。
【図5】植物栽培カバーによる土壌の掘削方法を示す縦断側面図。
【図6】植物栽培カバーを土壌に埋め込んだ状態を示す縦断側面図。
【図7】植物栽培カバー内の土壌に植物を植えた状態を示す縦断側面図。
【図8】図7の防虫カバーに忌避剤を載せた状態を示す縦断側面図。
【図9】防虫カバーの他の固定方法を示す拡大正面図。
【図10】係止片の他の形状を示す正面図。
【図11】植物栽培カバーを上下に重ね合わせた例を示す側面図。
【符号の説明】
【0063】
A…土壌
B…植物
C…軸心
E…折曲げ罫線
1…植物栽培カバー
2…カバー本体
3…掘削突起
4…抜止め片
6…係止片
7…埋め込み線
8…連通孔
9…防虫カバー
9a…ゴム紐
10…忌避剤
11…粘着剤
12…粘着テープ
13…止め金
14…止め部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物が植えられる土壌に対して埋め込み固定され、該植物の周囲が囲繞される大きさ及び形状に形成された植物栽培カバーであって、
前記植物栽培カバーを、
扇形状に展開された柔軟性を有する合成樹脂製のシートを筒状に丸めて該シートの両端部を互いに重ね合わせるとともに、該シートの両端部を重ね合わせたまま一体的に接合して下端側開口部から上端側開口部に向けて徐々に小径となる円錐筒状のカバー本体で構成し、
前記土壌より上方に突出されるカバー本体の上端側周面に、該カバー本体の上端側開口部が覆われる大きさ及び形状に形成され、柔軟性及び通気性を有する素材で形成された被覆カバーを装着し、
前記被覆カバーの外周縁部を、前記カバー本体の上端側周面の大きさ及び形状に応じて伸縮変位自在に設けた
植物栽培カバー。
【請求項2】
前記カバー本体の上端側周面に、前記被覆カバーの外周縁部が係止される係止片を形成し、
前記係止片を、前記カバー本体の上端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項3】
前記被覆カバーの外周縁部に、前記係止片に対する係止が許容される太さに形成されたゴム紐を装着した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項4】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着剤で着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項5】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着テープで着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項6】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め金で着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項7】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め部材で着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項8】
前記土壌中に埋め込まれるカバー本体の下端側周面に、該土壌中に対して係止される角度及び方向に折曲げ自在な抜止め片を形成し、
前記抜止め片を、前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列した
請求項1〜7のいずれか一つに記載の植物栽培カバー。
【請求項9】
前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側縁部に、該カバー本体の軸心を中心として前記土壌が円形に掘削される掘削突起を円周方向に連続して形成した
請求項1〜8のいずれか一つに記載の植物栽培カバー。
【請求項10】
前記抜止め片より上方のカバー本体の側部周面に、該カバー本体の下端側を土壌中に埋め込む際に目安となる埋め込み線を形成した
請求項1〜9のいずれか一つに記載の植物栽培カバー。
【請求項1】
植物が植えられる土壌に対して埋め込み固定され、該植物の周囲が囲繞される大きさ及び形状に形成された植物栽培カバーであって、
前記植物栽培カバーを、
扇形状に展開された柔軟性を有する合成樹脂製のシートを筒状に丸めて該シートの両端部を互いに重ね合わせるとともに、該シートの両端部を重ね合わせたまま一体的に接合して下端側開口部から上端側開口部に向けて徐々に小径となる円錐筒状のカバー本体で構成し、
前記土壌より上方に突出されるカバー本体の上端側周面に、該カバー本体の上端側開口部が覆われる大きさ及び形状に形成され、柔軟性及び通気性を有する素材で形成された被覆カバーを装着し、
前記被覆カバーの外周縁部を、前記カバー本体の上端側周面の大きさ及び形状に応じて伸縮変位自在に設けた
植物栽培カバー。
【請求項2】
前記カバー本体の上端側周面に、前記被覆カバーの外周縁部が係止される係止片を形成し、
前記係止片を、前記カバー本体の上端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項3】
前記被覆カバーの外周縁部に、前記係止片に対する係止が許容される太さに形成されたゴム紐を装着した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項4】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着剤で着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項5】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な粘着力を有する粘着テープで着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項6】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め金で着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項7】
前記カバー本体の上端側周面と前記被覆カバーの外周縁部とを、該被覆カバーの装着状態を維持するのに必要な固定力を有する止め部材で着脱自在に固定した
請求項1に記載の植物栽培カバー。
【請求項8】
前記土壌中に埋め込まれるカバー本体の下端側周面に、該土壌中に対して係止される角度及び方向に折曲げ自在な抜止め片を形成し、
前記抜止め片を、前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数配列した
請求項1〜7のいずれか一つに記載の植物栽培カバー。
【請求項9】
前記カバー本体の土壌中に埋め込まれる下端側縁部に、該カバー本体の軸心を中心として前記土壌が円形に掘削される掘削突起を円周方向に連続して形成した
請求項1〜8のいずれか一つに記載の植物栽培カバー。
【請求項10】
前記抜止め片より上方のカバー本体の側部周面に、該カバー本体の下端側を土壌中に埋め込む際に目安となる埋め込み線を形成した
請求項1〜9のいずれか一つに記載の植物栽培カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−4744(P2010−4744A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164237(P2008−164237)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(504069901)株式会社開伸 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(504069901)株式会社開伸 (7)
【Fターム(参考)】
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