説明

植物栽培用の支柱保持装置

【課題】支柱に対して保持棒材を極めて簡単に固定することができるとともに、強風等によって大きな力が加わっても、確実に安定した状態で保持することが可能な植物栽培用の支柱保持装置を提供する。
【解決手段】支柱3に装着される第二アタッチメント14は、上下方向に摺動可能な筒状部材15と、支柱3間に架け渡される中央横設棒材6を受止める受止突部17と、筒状部材15の外周面から前方及び左右方向にそれぞれ突出する丸棒状の第一突出部27及び第二突出部28とを備える。また、支柱3の左右方向の振れを抑制する第一支持棒部33は、第一突出部27に掛止可能な第一掛止部34を上端側に有し、支柱3の前後方向の振れを抑制する第二保持棒材9は、第二突出部28に掛止可能な第二掛止部40を上端側に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培用の支柱保持装置、特に、蔓性植物用のネット材を張設された状態で支持するための支柱が、植物の重みや強風等によって傾いたり倒れたりすることを防止する植物栽培用の支柱保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、エンドウ、インゲン、キュウリ、またはニガウリ等の蔓性の植物を栽培する場合、畝に沿って張設されるネット材と、そのネット材を支持する一対の支柱とが用いられる。また、植物の重みが加わってもネット材が撓まないように、一対の支柱の上部間に竿等の横設棒材を架け渡し、この横設棒材にネット材を吊下げるようにすることも行われている。なお、この場合、一般には、支柱と横設棒材との交差部分は、紐等を用いて十字に固定されるが、作業者の負担を軽減するため、支柱の上部と横設棒材の端部とを交差させた状態で連結する連結具も提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、支柱は、下端部分が土壌に差込まれて立設されるが、傾いた状態で設置された場合には、植物の生育に伴って増加するネット材の重みによって支柱の傾斜度合が次第に大きくなり、ネット材や横設棒材を安定して支持することができなくなる。また、支柱が真直ぐ立設された場合でも、強風等によってネット材に力が加わった際には、支柱に応力が集中することとなり、畝に対して垂直な方向に傾いたり倒れたりすることがある。そして、このような支柱の傾きや転倒は、植物に大きな被害を及ぼすことが懸念されている。
【0004】
そこで、支柱の上部または中央部分から土壌に向って斜めに補強用の棒材を配設する方法も従来から採用されている。これによれば、補強用の棒材(以下、「保持棒材」という)によって支柱を保持することで、支柱の傾きや転倒を抑制することが可能になる。なお、この際、補強用の棒材の上部側は、支柱に対して交差させた状態で紐等を用いて固定され、下端側は土壌に差込むことで固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の方法によれば、保持棒材を手で支えながら紐等を用いて支柱に固定する必要があるため、作業に時間を要するとともに一人で組付けることが困難となっていた。また、紐の結び方に不慣れな者にとっては、保持棒材を強固に固定することが難しく、ひいては支柱の保持が不安定になるおそれがあった。
【0006】
また、強風等によって、保持棒材の配設方向とは逆向きに力を受けた場合には、保持棒材を土壌から引き抜くように力が作用することとなり、これによれば支柱が保持棒材とともに倒れるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、支柱に対して保持棒材を極めて簡単に固定することができるとともに、強風等によって大きな力が加わっても、確実に安定した状態で保持することが可能な植物栽培用の支柱保持装置、を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる植物栽培用の支柱保持装置は、「下端部分が土壌に差込まれる一対の支柱に対して夫々着脱可能に装着され、蔓性植物用ネットを張設するための横設棒材を保持するアタッチメントと、
該アタッチメント及び土壌の間で、左右方向に傾斜して配設されることで、前記支柱における左右方向の振れを抑制する第一保持棒材と、
前記アタッチメント及び土壌の間で、前後方向に傾斜して配設されることで、前記支柱における前後方向の振れを抑制する第二保持棒材と
を具備し、
前記アタッチメントは、
前記支柱に緩やかな状態で外嵌されるとともに上下方向に摺動可能な筒状部材、
前記支柱に対して前記筒状部材を任意の高さで固定させる固定部材、
前記筒状部材の外周面から前方または後方に突出し、前記支柱間に架け渡される前記横設棒材を受止める受止突部、
前記筒状部材または前記受止突部に形成され前方または後方に突出する丸棒状の第一突出部、
及び前記筒状部材または前記受止突部に形成され左方または右方に突出する丸棒状の第二突出部、を備え、
前記第一保持棒材は、前記第一突出部に掛止可能な第一掛止部を上端側に有し、土壌に接地される第一接地部を下端側に有して構成され、
前記第二保持棒材は、前記第二突出部に掛止可能な第二掛止部を上端側に有し、土壌に接地される第二接地部を下端側に有して構成され、
さらに、前記第一保持棒材に対して略直角となるように前記第一接地部を通して土壌に打込まれる第一アンカー部材と、
前記第二保持棒材に対して略直角となるように前記第二接地部を通して土壌に打込まれる第二アンカー部材と
を備える」ことを特徴とするものである。
【0009】
ここで、「支柱」、「蔓性植物用ネット」及び「横設棒材」は、市販品または既存のものを用いることが可能である。また、第一保持棒材が配設される「左右方向」とは、蔓性植物用ネットに対して平行であることを示しており、支柱の上部から植物栽培領域(例えば畝)の内側に向って配設されるようにしてもよく、植物栽培領域の外側に向って配設されるようにしてもよい。また、第二保持棒材が配設される「前後方向」とは、蔓性植物用ネットに対して垂直であることを示しており、前方に向って配設されるようにしてもよく、後方に向って配設されるようにしてもよい。
【0010】
本発明の植物栽培用の支柱保持装置によれば、土壌に差込まれた一対の支柱にアタッチメントが装着されると、蔓性植物用ネットを張設するための横設棒材を支持することが可能になるとともに、第一保持棒材及び第二保持棒材の上端側を掛止することが可能になる。詳しく説明すると、アタッチメントの筒状部材を支柱に外嵌させ、固定部材を作用させると、アタッチメントは支柱に対して任意の位置で固定される。アタッチメントには、筒状部材の外周面から前方または後方に突出する受止突部が設けられているため、一対の支柱間に架け渡される横設棒材の端部側を受止め支持することが可能になる。なお、筒状部材は上下方向に摺動可能であるため、筒状部材の高さを調整することにより、横設棒材の高さを任意に設定することが可能である。
【0011】
一方、筒状部材または受止突部には、第一突出部が突出して形成されており、第一保持棒材の上端側に形成された第一掛止部が第一突出部に掛止されることにより、アタッチメントに対して第一保持棒材が連結された状態となる。つまり、第一突出部は丸棒状であるため、第一突出部に対して第一掛止部を引掛けるだけで、互いに連結することが可能となる。特に、第一突出部の断面は略円形であることから、第一掛止部を第一突出部周りに回動させること、すなわち第一保持棒材の傾斜角度を自由に変化させることが可能となる。また、第一突出部は、前方または後方に突出しているため、第一突出部に掛止される第一掛止部、ひいてはアタッチメントに連結される第一保持棒材は、左右方向に配設された状態となる。
【0012】
また、筒状部材または受止突部には、第二突出部も突出して形成されているため、第二保持部材の上端側に形成された第二掛止部が第二突出部に掛止されることにより、アタッチメントに対して第二保持棒材が連結された状態となる。なお、第二突出部及び第二掛止部の関係は、前述した第一突出部及び第一掛止部の関係と同様であるが、第二突出部は、左方または右方に突出しているため、第二突出部に掛止される第二掛止部、ひいてはアタッチメントに連結される第二保持棒材は、前後方向に配設された状態となる。
【0013】
このように、左右方向に配設される第一保持棒材と前後方向に配設される第二保持棒材とを、アタッチメントに連結させることにより、支柱の左右方向及び前後方向の振れを防止することが可能になる。特に、第一保持棒材及び第二保持棒材の下端側に形成された第一接地部及び第二接地部は、土壌に接地されるとともに、第一保持棒材及び第二保持棒材に対してそれぞれ略直角の方向に打込まれる第一アンカー部材及び第二アンカー部材によって固定されるため、譬え、強風等によって第一保持棒材または第二保持棒材の長手方向に外力が加わっても、第一保持棒材または第二保持棒材を確実に接地させることができ、ひいては支柱を常に安定した状態に保持することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、互いに直角方向に突出する丸棒状の第一突出部及び第二突出部に対して、第一掛止部及び第二掛止部を掛止するのみで、アタッチメントと第一保持棒材及び第二保持棒材とを連結することが可能になるため、支柱に対して保持棒材を極めて簡単に固定することができる。また、第一保持棒材及び第二保持棒材の下端は、略直角方向に打込まれる第一アンカー部材及び第二アンカー部材によって固定されるため、強風等によって大きな力が加わっても、支柱を安定した状態で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の支柱保持装置を用いた植物栽培システムを示す斜視図である。
【図2】(a)は支柱保持装置の構成を示す分解斜視図であり、(b)は支柱保持装置の構成を示す断面図である。
【図3】(a)は横架アタッチメントの構成を示す斜視図であり、(b)はそれを用いて構成される植物栽培システムを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態である植物栽培用の支柱保持装置1(以下、単に「支柱保持装置1」と称す)を用いた植物栽培システム2について、図1乃至図3に基づき説明する。なお、本実施形態においては、便宜上、ネット材4の張設方向を左右方向とし、第二保持棒材9が配設される方向を前方とする。そして、このように仮定した場合、図1は左斜め前方から見た斜視図となる。
【0017】
図1に示すように、本例の植物栽培システム2は、複数本(例えば3本)の支柱3と、それらの支柱3の間に張設されるネット材4と、ネット材4を張設した状態で支持する三本の横設棒材、すなわち上側横設棒材5、中央横設棒材6、及び下側横設棒材7と、各横設棒材5,6,7を夫々支持する第一アタッチメント13及び第二アタッチメント14と、を備えて構築されている。特に、第二アタッチメント14は、支柱保持装置1の一部として機能しており、支柱3を安定した状態で支持することを可能にしている。なお、支柱3、ネット材4、上側横設棒材5、中央横設棒材6、及び下側横設棒材7については、従来から使用されている周知のものであるため、詳細な説明は省略する。ここで、ネット材4が本発明の蔓性植物用ネットに相当し、中央横設棒材6が本発明の横設棒材に相当し、第二アタッチメント14が本発明のアタッチメントに相当する。
【0018】
支柱保持装置1は、支柱3の中央部分に着脱可能に装着される第二アタッチメント14と、第二アタッチメント14及び土壌dの間で左右方向(ネット材4に対して平行な方向)に傾斜して配設される第一保持棒材8と、第二アタッチメント14及び土壌dの間で前方に傾斜して配設される第二保持棒材9と、第一保持棒材8及び第二保持棒材9の下端を夫々固定する第一アンカー部材10及び第二アンカー部材11とを具備している。
【0019】
まず、第二アタッチメント14について図2に基づき詳しく説明する。第二アタッチメント14は、支柱3に外嵌される合成樹脂製の筒状部材15と、支柱3に対して筒状部材15を任意の位置で固定させる固定部材16と、筒状部材15の外周面から前方(すなわちネット材4に対して垂直な方向)に突出して形成され第一保持棒材8が掛止される第一突出部27と、筒状部材15の外周面から右方向または左方向(すなわちネット材4に対して平行な方向)に突出して形成され第二保持棒材9が掛止される第二突出部28と、筒状部材15の外周面から後方に突出して形成され中央横設棒材6(または下側横設棒材7)を受止め支持する受止突部17と、を備えて構成されている。
【0020】
筒状部材15は、支柱3に対して緩やかな状態で外嵌されるとともに上下方向に摺動可能な円筒状の部材からなる。なお、筒状部材15の大きさは特に限定されるものではないが、多用されている一般的な径の支柱3が挿入可能となるように、内径が30mm程度に設定されることが好ましい。固定部材16は、筒状部材15の内部に配設され支柱3の外周面に当接可能な円弧状の内周面を有する当接部材20と、その当接部材20の上部及び下部に接続され当接部材20を筒状部材15の内部で水平方向に変位可能に支持する支持部材21と、筒状部材15に螺合されるとともに先端で当接部材20を押圧することにより、当接部材20の内周面を支柱3の外周面に圧接させる一対の締付ネジ22と、を具備して構成されている。これによれば、筒状部材15の内周面と当接部材20の内周面との間で支柱3を挟持することとなり、支柱3に対し筒状部材15を任意の位置で固定することが可能になる。特に、当接部材20と支柱3とが面同士で接触するため、締付ネジ22の先端が支柱3に直接圧接されるものに比べて応力を分散させることができ、支柱3の表面に形成された被覆材の剥れや支柱3の破損を防止することが可能となる。
【0021】
また、第一突出部27及び第二突出部28は、丸棒状の部材からなり、先端には、第一保持棒材8及び第二保持棒材9の外れを防止する径大のストッパー27a,28aが形成されている。また、第二突出部28に対しては、図3に示すように、横架アタッチメント45を介して連結棒材50を連結させることが可能になっている。詳しく説明すると、横架アタッチメント45は、連結棒材50が挿通可能な円筒状の筒部46と、筒部46の周面に穿設され第二突出部28に係止可能な係止孔部47と、筒部46に対して連結棒材50を締結させる締付ねじ48とを具備している。これによれば、図3(b)に示すように、隣接する2組の植物栽培システム2を構築する際に、中央横設棒材6に交差する連結棒材50と横架アタッチメント45とを組合わせることにより、隣合う中央横設棒材6同士を、横架アタッチメント45を介して連結することが可能になる。つまり、連結棒材50に二つの横架アタッチメント45を装着し、第二アタッチメント14に連結すれば、連結棒材50によって中央横設棒材6同士の間隔を一定に保つことができ、ひいては何れか一方の植物栽培システム2における保持構成を簡略化することが可能になる。
【0022】
図2に示すように、受止突部17は、上側が開いた円弧状のフックからなり、筒状部材15の外周面から後方に突出している。そして、受止突部17上に中央横設棒材6の端部側を載せることにより、中央横設棒材6を支柱3間に架け渡した状態で受け止め支持することが可能となっている。
【0023】
一方、図2に示すように、左右方向に傾斜して配設される第一保持棒材8は、支柱3よりも短い金属製の第一支持棒部33と、第一支持棒部33の上端側に形成された複数(本例では3つ)の第一掛止部34と、第一支持棒部33の下端側に形成された第一接地部(図示しない)とからなる。第一掛止部34は、第二アタッチメント14の第一突出部27に掛止可能な透孔からなり、その直径はストッパー27aよりも大きくなっている。つまり、ストッパー27aを通して第一突出部27に第一掛止部34を外方から引掛けるだけで、互いに連結させることが可能となっている。特に、第一突出部27の断面は円形であることから第一掛止部34を第一突出部27周りに回動させること、すなわち第一保持棒材8の傾斜角度を自由に変化させることが可能となっている。また、複数の第一掛止部34が、上下方向に一定の間隔で並設されているため、第二アタッチメント14から第一支持棒部33の下端までの長さを任意に調整することが可能になる。つまり、中央横設棒材6の高さを変えることなく、第一支持棒部33の延出長さを変化させることが可能である。
【0024】
第一支持棒部33の下端に設けられた第一接地部は土壌dに接地される扁平な形状を呈しており、その中心には第一アンカー部材10の杭部(図示しない)が挿通可能な大きさの第一透孔(図示しない)が形成されている。
【0025】
前後方向に傾斜して配設される第二保持棒材9は、第一保持棒材8と同一の構成を具備している。つまり、金属製の第二支持棒部39と、その上端側に形成された複数の第二掛止部40と、下端に形成された第二接地部43とを備えて構成され、第二接地部43には第二アンカー部材11の杭部を挿通させるための第二透孔44が形成されている。
【0026】
なお、第一アンカー部材10及び第二アンカー部材11は、それぞれ第一透孔及び第二透孔44を通して土壌d内に打込まれる杭部(図示しない)、及び杭部の上端に形成された円環状の頭部(図示しない)からなり、第一保持棒材8及び第二保持棒材9に対して略直角に打込まれている。
【0027】
ところで、本例の第二アタッチメント14は、中央横設棒材6の支持だけではなく、下側横設棒材7の支持においても使用されている。ここで、下側横設棒材7を支持するために支柱3の下部に装着される場合には、第一突出部27及び第二突出片28が不要であるが、本例では第二アタッチメント14を共通部品として使用することにより、部品点数を削減し、製造管理を容易にするとともに、組付ミスを抑制するようにしている。
【0028】
なお、上側横設棒材5を支持するためのアタッチメントとしては、第二アタッチメント14を用いることも可能であるが、本例では、第二アタッチメント14とは異なる構成の第一アタッチメント13が用いられている。この第一アタッチメント13は、図1に示すように、支柱3の上端に被せられる円筒状のキャップ部13aと、キャップ部13aの上面に横設して形成された樋状の受容部13bとから構成されており、上方から受容部13b内に上側横設棒材5を落とし込むことで、上側横設棒材5が支持されるようになっている。特に、上側横設棒材5の周囲を囲むように支持するため、最も大きな荷重が加わる上側横設棒材5であっても、確実に保持することが可能である。なお、第一アタッチメント13は、支柱3に対して摺動させること、すなわち高さを調整することができないが、複数本の支柱3の高さを互いに揃えることにより、上側横設棒材5を水平状態で配設することが可能になる。また、第一アタッチメント13の外周面には、第二突出部28と同一形状の突出部(図示しない)が突出して形成されており、横架アタッチメント45を連結させることが可能になっている。つまり、図3(b)において2点鎖線で示すように、連結棒材50に装着された横架アタッチメント45を第一アタッチメント13に連結させることも可能となっており、これによれば、連結棒材50によって上側横設棒材5同士の間隔を一定に保つことができる。なお、この際、下側の連結棒材50(実線で示した連結棒材50)を省くことが可能となり、ひいては、隣接する二つの植物栽培システム2の間への進入が容易となる。また、図示しないが、第一アタッチメント13には、固定部材16と同様の構成が備えられており、これにより支柱3に対してキャップ部13aが外れることが防止されるようになっている。
【0029】
このように、本実施形態の支柱保持装置1によれば、左右方向に配設される第一保持棒材8の第一掛止部34と、前後方向に配設される第二保持棒材9の第二掛止部40とを、第二アタッチメント14の第一突出部27及び第二突出部28に引掛けるだけで、支柱3の左右方向及び前後方向の振れを防止することが可能になる。特に、第一保持棒材8及び第二保持棒材9の下端に形成された第一接地部及び第二接地部43は、土壌dに接地されるとともに、略直角の方向に打込まれる第一アンカー部材10及び第二アンカー部材11によって固定されるため、譬え、強風等によって第一保持棒材8または第二保持棒材9の長手方向に外力が加わっても、接地状態を維持することができ、ひいては支柱3を常に安定した状態に保持することができる。
【0030】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0031】
すなわち、上記実施形態では、筒状部材15の周面から突出した受止突部17によって中央横設棒材6を受止めるものを示したが、固定部材16の締付ネジ22を後方に向って突出させ、この締付ネジ22を利用して中央横設棒材6を受止めるようにしてもよい。これによれば、締付ネジ22が本発明の受止突部として兼用されることから、受止突部17が不要となり、全体の構成を簡単にすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 支柱保持装置(植物栽培用の支柱保持装置)
3 支柱
4 ネット材(蔓性植物用ネット)
6 中央横設棒材(横設棒材)
8 第一保持棒材
9 第二保持棒材
10 第一アンカー部材
11 第二アンカー部材
14 第二アタッチメント(アタッチメント)
15 筒状部材
16 固定部材
17 受止突部
27 第一突出部
28 第二突出部
34 第一掛止部
40 第二掛止部
43 第二接地部
d 土壌
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開平10−313699号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部分が土壌に差込まれる一対の支柱に対して夫々着脱可能に装着され、蔓性植物用ネットを張設するための横設棒材を保持するアタッチメントと、
該アタッチメント及び土壌の間で、左右方向に傾斜して配設されることで、前記支柱における左右方向の振れを抑制する第一保持棒材と、
前記アタッチメント及び土壌の間で、前後方向に傾斜して配設されることで、前記支柱における前後方向の振れを抑制する第二保持棒材と
を具備し、
前記アタッチメントは、
前記支柱に緩やかな状態で外嵌されるとともに上下方向に摺動可能な筒状部材、
前記支柱に対して前記筒状部材を任意の高さで固定させる固定部材、
前記筒状部材の外周面から前方または後方に突出し、前記支柱間に架け渡される前記横設棒材を受止める受止突部、
前記筒状部材または前記受止突部に形成され前方または後方に突出する丸棒状の第一突出部、
及び前記筒状部材または前記受止突部に形成され左方または右方に突出する丸棒状の第二突出部、を備え、
前記第一保持棒材は、前記第一突出部に掛止可能な第一掛止部を上端側に有し、土壌に接地される第一接地部を下端側に有して構成され、
前記第二保持棒材は、前記第二突出部に掛止可能な第二掛止部を上端側に有し、土壌に接地される第二接地部を下端側に有して構成され、
さらに、前記第一保持棒材に対して略直角となるように前記第一接地部を通して土壌に打込まれる第一アンカー部材と、
前記第二保持棒材に対して略直角となるように前記第二接地部を通して土壌に打込まれる第二アンカー部材と
を備えることを特徴とする植物栽培用の支柱保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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