説明

植物栽培用の開閉式支柱及びこれを構成する支柱相互の連結具

【課題】植物栽培用の支柱枠体を、構造的に安定的なものとして、然も作業性よく簡易に構成できる植物栽培用の開閉式支柱を提供する。
【解決手段】左右一対の支柱2,2の上部に夫々固定された連結部材5,5相互を、支柱2,2が開閉可能となるように、且つ、支柱2,2相互が、支柱の開閉方向と直交する前後方向で重なるように連結する。前後方向に延長する横連結杆11の被保持部12を保持する保持部材7が、支柱の連結部分6の上側に存するように設けられる。保持部材7は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持溝9が設けられ、保持溝9に被保持部12が収容され、弾性的に挾持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胡瓜や豆類、朝顔等の植物栽培に用いられる支柱枠体を構成する植物栽培用の開閉式支柱に関するものであり、又、該開閉式支柱を構成する支柱相互の連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
胡瓜や豆類等の蔓性野菜を栽培するために用いられる支柱枠体を形成する開閉式支柱の一例として、特開2003−88251号公報が開示するものが提案されている。
【0003】
該支柱枠体Aは、図16に示すように、開閉式支柱aの複数本と横連結杆bとから構成されている。そして該開閉式支柱aは、第1の支柱cと第2の支柱dの上端寄り部位e,f相互を枢着することによって両支柱が開閉可能に構成されており、該開閉式支柱aは、該両支柱c,dが所要角度に開いた状態で両支柱の下端部分g,hが地面jに押し込まれることによって立設される。
【0004】
又前記横連結杆bは、図17に示すように、直線状パイプ材kの両端にL字型継手m,mが設けられてなり、該L字型継手m,mの有する下向き挿入軸部n,nは、隣り合う第1の支柱c,cの上端に設けられた挿入凹部p,pに挿入され、或いは、隣り合う第2の支柱d,dの上端に設けられた挿入凹部q,qに挿入せしめられる。
【0005】
そして、前記開閉式支柱aと前記横連結杆bとを用いて前記支柱枠体Aを構成するに際しては、先ず、図16に示すように、畝rの幅に合わせて所要角度に開いた第1の支柱cと第2の支柱dの下端部分g,hを地面jに押し込むことによって、該開閉式支柱aの3本を、所要間隔を隔てて立設する。このように立設された第1の開閉式支柱a1と第2の開閉式支柱a2に関して、隣り合う第1の支柱c,cの上端の挿入凹部p,pに、前記横連結杆bの両端に設けられている前記挿入軸部n,nを挿入することによって、該第1の支柱c,d相互を該横連結杆bで連結する。又、立設された第2の開閉式支柱a2と第3の開閉式支柱a3に関して、隣り合う第2の支柱d,dの上端の挿入凹部q,qに、前記横連結杆bの両端に設けられている前記挿入軸部n,nを挿入することによって、該第2の支柱d,d相互を該横連結杆bで連結する。
【0006】
このようにして構成された支柱枠体Aにあっては、開閉式支柱aが、第1、第2の支柱c,dの上端寄り部位e,f相互で開閉可能に枢着されていたため、該第1の支柱cの上端側部分c1及び第2の支柱dの上端側部分d1が、前記枢着部tの斜め上方に比較的長く突出した。そのため該支柱枠体Aにあっては、隣り合う第1の支柱c,cの上端相互を連結する横連結杆bと、隣り合う第2の支柱d,dの上端相互を連結する横連結杆bは、平面視で直線状に配置されるのではなく図18に示すように千鳥配置となった。
【0007】
その結果、かかる従来の開閉式支柱aを用いる場合には以下のような問題点があったのである。
【0008】
(1) 前記支柱枠体Aを構成するに際しては、隣り合う第1の支柱c,cの上端相互を横連結杆bで連結すると共に、隣り合う第2の支柱d,dの上端相互を横連結杆bで連結していくため、該横連結杆bによる連結状態が前記のように平面視で千鳥配置を呈する。
そのため、一人の作業者がこれらの連結作業を行う場合は、手前の横連結杆b1(図16、図18)の連結は難なく行うことができても奥側の横連結杆b2(図16、図18)の連結の際には、畝に定植された苗を踏み付けたり、畝を踏み付けて崩したりしないように、該連結作業を慎重に行わざるを得ず、作業能率が悪い問題があった。
【0009】
(2) 又前記横連結杆bは、直線状パイプ材kの両端にL字型継手を設けた構成を有していたため、前記開閉式支柱aの立設間隔が該横連結杆bの長さに規制された。そのため、生産する果実の重量等を考慮して開閉式支柱間の間隔を変更せんとするときは、長さの異なる複数種類の横連結杆を要した。
【0010】
(3) 又、前記のように構成された支柱枠体Aには、図16に示すように、蔓性野菜の栽培のために、前記横連結杆bにネット材uを吊り下げるのであるが、連結状態にある横連結杆bは平面視で千鳥配置を呈するため、該横連結杆bの長さに合わせて所定幅に形成されたネット材uを夫々の横連結杆bに個別に吊り下げざるを得ず、支柱枠体Aの全体に一連にネット材を取り付けることができなかった。
そのため、前記構成の開閉式支柱を農業用途に用いんとする場合は、ネット材の個別の吊り下げ作業に多くの手間を要して作業能率が悪い問題があったばかりか、所定幅のネット材を多数枚購入しなければならず、長尺のネット材を用いる場合に比してコスト上昇を招く問題もあった。
【0011】
(4) 前記のように、横連結杆bの連結状態が平面視で千鳥配置を呈する。換言すれば、横連結杆bが、第1、第2の支柱の枢着部tの上側には存せず、上側から稍右側に或いは稍左側に偏倚している。そのため、夫々の横連結杆bにネット材uを吊り下げて蔓性野菜等を栽培した場合、胡瓜等の果実の重量が増大するにつれ、各開閉式支柱に対する荷重の加わり状態が不均一となりやすく、支柱枠体の安定性上好ましくない問題があった。
【0012】
(5) 前記のように横連結杆にネット材を吊り下げるのではなく、図19に示すように、支柱枠体Aの左右側で並設状態にある第1の支柱列v又は第2の支柱列wの外面を覆うように長尺のネット材xを傾斜状態に取り付けて胡瓜棚等の栽培棚を形成せんとする場合は、該ネット材xの取り付け範囲が前記枢着部tの下側に特定されざるを得ない。かかることから、開閉式支柱の全長を該ネット材の取り付けのために有効活用できず、胡瓜棚等として高さが不足する場合が生じ、蔓性野菜等の栽培の障害になる場合が生じた。
【0013】
(6) 支柱枠体Aを組み立てるに際しては、隣り合う第1の支柱c,cの上端相互や隣り合う第2の支柱d,dの上端相互を一定長さの横連結杆bで連結するため、かかる連結が可能となるためには、隣り合う開閉式支柱a,aの立設間隔を正確に設定しなければならない。正確に設定されていないと、横連結杆bの挿入軸部n,nを第1、第2の支柱c,dの上端の挿入凹部p,qに挿入できないことになるからである。このように従来の開閉式支柱は、支柱枠体の組み立て作業に慎重さと手間を要して作業能率が悪い問題があった。
【0014】
(7) 前記のように構成された支柱枠体Aは、連結状態にある横連結杆bが平面視で千鳥配置を呈し、かかる千鳥配置の横連結杆bにネット材uを個別に吊下する構成であったため、1本の畝に植えることのできる蔓性野菜の苗は1列に限られ、畝の両側で蔓性野菜を栽培するということができず、畝の活用効率が悪い問題があった。
【0015】
本出願人は、特開2007−166949号公報で、かかる問題点を解決し得る植物栽培用の開閉式支柱の一例として、図20〜22に示すものを提案した。
該開閉式支柱a1は、左右一対の支柱b1,b1の上部に夫々固定された連結部材c1,c1相互が、該一対の支柱b1,b1が開閉可能となるように連結されている。そして、各支柱b1,b1の上部b11,b11は、下端開放の筒部d1を具えその上端に連結突片e1が設けられてなる前記連結部材c1の該筒部d1に挿入され該筒部d1に固定されており、該両連結部材c1,c1相互が、支柱b1,b1が閉じた状態(図20)で、左右隣り合う状態となされており、この状態で、図20〜21に示すように、前記両連結突片e1,e1が前後方向で重なる状態となされている。
【0016】
又、前後方向に延長する横連結杆f1の長さ方向の所要部分としての被保持部g1を保持する保持部材h1が、前記連結部材c1,c1の双方に連なる如く、且つ、該一対の連結部材c1,c1の連結部j1の上側に存するように設けられてなり、該保持部材h1は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持溝k1が設けられた保持部m1を具え、図22に示すように、該保持溝k1に前記被保持部g1が着脱可能に収容され、収容された該被保持部g1が前記保持部m1に挾持状態で保持される如くなされている。
【0017】
又、該保持部m1の前後方向の両側で挾持突片n1,n1が下設されると共に、該両挾持突片n1,n1が、重なり状態にある前記両連結突片e1,e1を外側から挾み、該両挾持突片n1,n1と該両連結突片e1,e1の全体が、軸線が前後方向の枢軸p1で連結されており、該枢軸p1を介して前記一対の支柱b1,b1が開閉可能に連結されている。そして、このように連結された状態で、両連結突片e1,e1、両挾持突片n1,n1の重なり厚さは、前記支柱の直径程度に設定されていた。又、前記保持部m1の外面q1の周方向中央部に補強バネr1が設けられていた。
【0018】
かかることから、該開閉式支柱a1にあっては、前記保持溝k1の前後長さは前記支柱b1の直径程度にならざるを得ず、前記保持部m1による前記横連結杆f1の被保持部g1の保持力を補うために補強バネr1を必要とする場合があった。なお、図23に示すように、前記保持部m1を前記前後の挾持突片n1,n1よりも前後に突出させることによって保持溝k1の長さを長く設定することも考えられないではないが、このようにするときは、該保持部m1の前後の部分s1,s1が支柱b1の前後に突出することになって、開閉式支柱a1の保管や運搬時等における取扱い時に該突出した前後の部分s1,s1が物に当たって該保持部m1が破損する恐れがあった。又、該前後の部分s1,s1は、前後の挾持突片n1,n1から突出する状態で形成されていてその部分の外面には補強部材が存在しないために、該前後の部分s1,s1が前記被保持部g1を保持した状態で捩れ易い等、安定状態で被保持部を保持し難い問題があった。
【0019】
【特許文献1】特開2003−88251号公報
【特許文献2】特開2007−166949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、植物栽培用の支柱枠体を、構造的に安定的なものとしてしかも作業性よく簡易に構成可能とする植物栽培用の開閉式支柱の提供を課題とするものである。又、これを構成する支柱相互の連結具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る植物栽培用の開閉式支柱(以下開閉式支柱という)は、左右一対の支柱の上部に夫々固定された連結部材相互が、該一対の支柱が開閉可能となるように連結されてなり、各支柱の上部は、下端開放の筒部の上端に連結突片が設けられてなる前記連結部材の該筒部に挿入され該筒部に固定されており、該筒部相互が、支柱が閉じた状態で前後方向で重なる状態となされており、この状態で該両連結突片が前後方向で重なる状態となされている。そして、前後方向に延長する横連結杆の長さ方向の所要部分としての被保持部を保持する保持部材が、前記連結部材の双方に連なる如く、且つ、該連結部材の連結部の上側に存するように設けられてなり、該保持部材は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持溝が設けられた保持部を具え、該保持溝に前記被保持部が着脱可能に収容され、収容された該被保持部が前記保持部に挾持状態で保持される如くなされている。又、該保持部の前後方向の両側で挾持突片が下設されると共に、該両挾持突片が、重なり状態にある該両連結突片を外側から挾み、該両挾持突片と該両連結突片の全体が、軸線が前後方向の枢軸で連結されており、該枢軸を介して一対の支柱が開閉可能に連結されていることを特徴とするものである。
【0022】
前記開閉式支柱において、前記筒部には、前記支柱の開閉方向で見た両側の外面に、植物栽培用のネット材の上端に掛着されるフック状掛着片を設けるのがよい。
【0023】
又、前記各開閉式支柱において、前記連結部材の夫々の上部に角度規制突部が上方に突設されたものとし、前記支柱が最大開き状態において、各角度規制突部の上部分に設けられた係合部が前記保持部の、前記支柱の開閉方向で見た両側外面に設けられた係合部に当接するように構成するのがよい。
【0024】
又、本発明に係る支柱相互の連結具(以下連結具という)は、左右一対の支柱の上部に夫々固定される連結部材相互が、該一対の支柱が開閉可能となるように連結されてなり、各支柱の上部は、下端開放の筒部の上端に連結突片が設けられてなる前記連結部材の該筒部に挿入され該筒部に固定されるようになされており、又、該筒部相互が、支柱が閉じた状態で前後方向で重なる状態となされており、この状態で該両連結突片が前後方向で重なる状態となされている。そして、前後方向に延長する横連結杆の長さ方向の所要部分としての被保持部を保持する保持部材が、前記連結部材の双方に連なる如く、且つ、該連結部材の連結部の上側に存するように設けられてなり、該保持部材は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持溝が設けられた保持部を具え、該保持溝に前記被保持部が着脱可能に収容され、収容された該被保持部が前記保持部に挾持状態で保持される如くなされている。又、該保持部の前後方向の両側で挾持突片が下設されると共に、該両挾持突片が、重なり状態にある前記両連結突片を外側から挾み、該両挾持突片と該両連結突片の全体が、軸線が前後方向の枢軸で連結されており、該枢軸を介して一対の支柱が開閉可能に連結されていることを特徴とするものである。
【0025】
前記連結具において、前記筒部には、前記支柱の開閉方向で見た両側の外面に、植物栽培用のネット材の上端に掛着されるフック状掛着片を設けるのがよい。
【0026】
又、前記各連結具において、前記連結部材の夫々の上部に角度規制突部が上方に突設されたものとし、前記支柱が最大開き状態において、各角度規制突部の上部分に設けられた係合部が前記保持部の、前記支柱の開閉方向で見た両側外面に設けられた係合部に当接するように構成するのがよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る開閉式支柱は、左右一対の支柱の上部に夫々固定された連結部材相互を、該一対の支柱が開閉可能となるように連結すると共に、該連結部材の双方に連なる如く、横連結杆を着脱可能の挾持状態で保持する保持部材を設けてなり、該保持部材は、該一対の連結部材の連結部の上側、即ち、一対の支柱の連結部分の上側に存するように設けられている。
このように保持部材が連結部材の双方に連なるように設けられているため、畝幅に合わせて所要角度に開いた状態にある開閉式支柱を、支柱の下端部分を地面に埋設した状態で所要間隔を隔てて立設した後、隣り合う保持部材相互を横連結杆で連結したとき、一対の支柱の内の一方の支柱相互を横連結杆で連結する従来の支柱枠体とは異なり、立設状態にある開閉式支柱と横連結杆の全体が安定状態に一体化して構造的安定性に優れる支柱枠体を構成できることになる。
かかることから本発明によるときは、胡瓜等の蔓性植物の栽培を安定状態で行い得ることとなる。
【0028】
(2) 又前記のように、横連結杆を保持する保持部材が一対の支柱の連結部分の上側に存するように構成されているため、各開閉式支柱を、畝幅に合わせた所要角度に開いて畝部分で立設状態としたとき、平面視で、各保持部材が畝の長さ方向に直線状に並ぶ。従って、横連結杆を各保持部材に保持させる作業を簡易且つ能率的に行うことができる。
又、所定長さに設定された横連結杆を、隣り合う第1の支柱の上端相互を連結するように取付け、又別の横連結杆を、隣り合う第2の支柱の上端相互を連結するように取り付ける従来の千鳥状の連結方式のように、横連結杆を各保持部に保持させる際に、定植された苗を損傷したり、畝を崩したりする恐れがない。
更に、前記保持部材は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持部を具えるため、前記従来の開閉式支柱におけるように、特別なL字型継手を有する一定長さの横連結杆を用いる必要がなく、自由長さの横連結杆を用いて連結できる。かかることから、1本の連結杆で3本以上の開閉式支柱を同時に無理なく連結できることになり、この点でも、横連結杆による連結作業を簡易且つ能率的に行うことができる。
又、従来のように長さの決まった横連結杆を用いるものではないため、隣り合う開閉式支柱の立設間隔を厳密に設定する必要がなく、立設間隔にバラツキがあっても、該開閉式支柱相互を難なく連結でき、これにより、支柱枠体を能率的に構成できることとなる。
又、このように開閉式支柱間の立設間隔を自由に設定できることから、この間隔を、栽培植物に合わせて自由に設定できる。例えば、成長するにつれて果実重量が大となる胡瓜やゴーヤ等の場合と、果実が軽量であるえんどう等の豆類とで、開閉式支柱の立設間隔を変更できることとなる。
【0029】
(3) 本発明に係る開閉式支柱によるときは、畝幅に合わせて所要角度に開いた状態で所要間隔を置いて立設状態とされた開閉式支柱の保持部材が、平面視で一列に並ぶ。従って、支柱相互の連結部の下側において、左右両側に支柱並列部が形成される。かかることから、支柱の上下長さを最大限有効に活用して、支柱並列部の外面をネット材で覆うことができ、従って、支柱長さの全体を有効に活用して、必要高さの胡瓜棚等の蔓性植物の棚を形成できることになる。しかも、複数の開閉式支柱に跨がるように、長尺のネット材を一連状態に被せることができる。これにより、本発明に係る開閉式支柱を特に農業用途に用いる場合は、従来のように、多数枚のネット材を個別に吊下するのに比し、ネット材を取り付けるための作業性を大幅に向上させ得る。しかも、長尺のネット材を用いることができるため、サイズの決まったネット材を多数枚使用する場合に比し、ネット材のコスト低減も達成できることとなる。
又従来におけるように、横連結杆にネット材を吊り下げる場合も、所定幅のネット材を個別に吊下げる必要はなく、一方向に延長する横連結杆に、複数の開閉式支柱に跨がるように長尺のネット材を一連状態に吊下できる。
【0030】
(4) 本発明によるときは、両連結突片と両挾持突片の重なり厚さが、前後方向で重なり状態にある支柱の前後幅に略等しく形成されていて、前後に長く形成された保持溝で被保持部が弾性的に挾持されることになるので、該被保持部が保持部で強固に保持されることになる。これにより、立設状態にある開閉式支柱の複数本は、該横連結官を介して一体化し、強度的に安定した支柱枠体が構成されることになる。
又、前記保持部の前後部分が前後方向で重なった2本の支柱の前後幅の範囲を越えて突出しないように設定しても前記のように強固な保持力が得られるため、開閉式支柱の保管や運搬時における取扱い時に保持部の損傷を招く恐れがない。
【0031】
(5) 保持部材を構成する保持部の前後方向の両側で挾持突片を下設すると共に、両挾持突片で、両連結部材の上端で夫々突設された連結突片の重なり物を挾み、全体を枢軸で連結する構成を採用しているため、繰り返し開閉に耐え得る耐久性に優れた開閉式支柱を構成できることになる。
【0032】
(6) 一対の支柱の上部に夫々固定される両連結部材の上部で角度規制突部を突設した場合は、開閉式支柱を、その最大開き角度よりもより小さい所定角度に開いて両支柱の下端部分を地面に埋設したとき、保持部材の傾動範囲が該角度規制突部で小さく規制される。そのため、保持部材を上向きにして該保持部材に横連結杆を保持させる作業が容易となる。特に、前記角度規制突部によって支柱の開閉角度を最大開き角度にして使用する場合は、前記保持部材を自ずから上向き状態にできる。
【0033】
(7) 本発明に係る連結具によるときは、連結部材を支柱の上部に固定することによって、前記のような優れた作用効果を奏する開閉式支柱を構成できる利点がある。
【0034】
(8) 又前記連結部材に、ネット材の上端を掛着させるフック状掛着片を設ける場合は、開閉式支柱を所要角度に開いて所要間隔で立設状態として後、一方向に並列状態にある支柱並列部の傾斜外面をネット材で覆って胡瓜棚等の植物栽培用の棚を構成する場合、該ネット材の取付け作業を能率的に行い得る利点がある。
その場合は、各筒部の前記開閉方向の両側の外面にフック状掛着片が設けられているため、両支柱の開き状態によらず、該傾斜外面を形成する筒部にフック状掛着片が必ず存することになる。
【実施例1】
【0035】
図1〜4において本発明に係る開閉式支柱1は、左右一対の支柱2,2の上部3,3に夫々固定された連結部材5,5相互が、該一対の支柱2,2が開閉可能となるように連結されると共に、該連結部材5,5の双方に連なる如く、且つ、該一対の連結部材5,5の連結部6の上側に存する如く、即ち、該一対の支柱2,2の連結部分の上側に存する如く、保持部材7が設けられている。該保持部材7は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持溝9が設けられた保持部10を具え、該保持部10は、前記支柱2,2の開閉方向と直交する前後方向に延長する横連結杆11の長さ方向の所要部分としての被保持部12を着脱可能の挟持状態で保持する。
【0036】
そして、前記一対の連結部材5,5と前記保持部材7が、本発明に係る連結具13を構成しており、共に、ポリエチレン等の合成樹脂を以て一体に成形されている。なお以下の説明では、便宜上、前記一対の支柱2,2を、第1の支柱2a、第2の支柱2bと区別することがあると共に、夫々の支柱2,2の上部に固定される前記連結部材5,5を、第1の連結部材5a、第2の連結部材5bと区別することがある。
【0037】
前記第1の支柱2aと前記第2の支柱2bは、本実施例においては共に同一の構成を有し、例えば図5に示すように、鋼製の直線状パイプ本体15の表面に樹脂被覆16が施されてなり、外径が約16mmで全長が約180cmに形成されると共に、その上下端側の部分17,19を除く中間部分20には、周方向に例えば90度の角度ピッチで、外面21に、不連続突起22の4列が設けられている。この不連続突起22は、支柱2に対するつるの巻き付きを容易化するため等のものである。又、支柱2,2の下端には、下方に向けて細くなる円錐状の下端キャップ23が取り付けられている。図5以外の各図においては、便宜上、前記不連続突起22の図示が省略されているが、この不連続突起22は設けられないこともある。
【0038】
前記第1の連結部材5aは、図3〜4、図6〜9に示すように、前記第1の支柱2aの上部3を密接状態に挿入させ得る、下端開放で且つ上端が閉塞された筒部(本実施例においては円筒部)24の上部(本実施例においては水平な上端面)26に、前記保持部材7の後述の傾動角度を規制する角度規制突部27が突設されている。該角度規制突部27は、前記水平な上端面26の、前記前後方向で見た前側部位で突設された板状の連結突片28を以って構成されている。該連結突片28は、前面視で台形状を呈する台形状ブロック片30を以って形成されており、その前面31は垂直面でその両側面32,32は傾斜面で、その上面33は水平面に形成されている。又、その下面34の前側の両側部分34a,34aは、前記上端面26から食み出ており、該上端面26と面一に形成されている。そして前記前面31の中心部に、前後方向に貫通する枢着孔48が設けられている。又前記筒部24の外周面40の、前記開閉方向で見た両側の外面35,35に、外方に突出し且つ先端で該外面35に向けて斜め上方に屈曲するフック状掛着片42が連設されており、該フック状掛着片42には、図2に示すように、植物栽培用のネット材43の上端45が掛着される。
【0039】
又、前記第2の支柱2bの上部3に固定される前記第2の連結部材5bは、図3〜4、図6〜9に示すように、該上部3を密接状態に挿入させ得る、下端開放で且つ上端が閉塞された筒部(本実施例においては円筒部)25の上部(本実施例においては水平な上端面)26に、前記保持部材7の後述の傾動角度を規制する角度規制突部27が突設されている。該角度規制突部27は、前記水平な上端面26の、前記前後方向で見た後側部位で突設された板状の連結突片29を以って構成されている。該連結突片29は、前面視で台形状を呈する台形状ブロック片36を以って形成されており、その後面37は垂直面でその両側面38,38は傾斜面で、その上面39は水平面に形成されている。又、その下面41の後側の両側部分41a,41aは、前記上端面26から食み出ており、該上端面26と面一に形成されている。そして前記後面37の中心部に、前後方向に貫通する枢着孔48が設けられている。又前記筒部25の外周面40の、前記開閉方向で見た両側の外面44,44に、外方に突出し且つ先端で該外面44に向けて斜め上方に屈曲するフック状掛着片42が連設されており、該フック状掛着片42には、後述するネット材43の上端45が掛着される。
【0040】
かかる構成を有する前記第1、第2の連結部材5a,5bの両連結突片28,29の前面31と後面37は、図9に示すように、前記枢着孔48,48を連通状態にして当接できる。
【0041】
又前記保持部材7は、本実施例においては図4、図6〜7に示すように、上端開放で且つ前後方向の両端が開放すると共に上端開放部51が窄まったC字状の前記保持溝9が設けられた前記保持部10を具えている。該保持部10は、より具体的には、基部52の両側(左右方向で見た両側)で保持片53,53を上方に向けて対向状態で突設した構成を有しており、両保持片53,53の下側部分の円弧状内面55,55と前記基部52の円弧状上面56とによって、上端開放の前記C字状の保持溝9が形成されている。そして、該保持溝9に前記被保持部12が嵌入状態に収容された状態で、図4(B)に示すように、前記左右の保持片53,53が該被保持部12を左右から弾性的に挾持し、該挾持された状態にある被保持部12は、窄まった状態にある前記上端開放部51に規制されて該上端開放部51から脱出することがない。
【0042】
なお前記左右の保持片53,53の上端部分には、図4、図6に示すように、前記被保持部12を前記保持溝9内に容易に収容させるためのガイド部63,63が外方に屈曲形成されている。
【0043】
そして図7に示すように、前記基部52の前後方向の両側において挾持突片65,65が下方に突設されており、両挾持突片65,65の下側部分は、円板状の連結片部66,66に形成されており、該両連結片部66,66には、前記連結突片28,29に設けられた枢着孔48,48と連通し得る枢着孔67,67が同心に設けられている。又両連結片部66,66の外面には、前記枢着孔67,67と同心に円形収容凹部70,70が設けられており、該円形収容凹部70,70に、図9に示すように、端部の枢軸支持環71が嵌め入れられる。
【0044】
然して図9に示すように、前記第1、第2の連結部材5a,5bの前記連結突片28,29を、両枢着孔48,48を連通状態にして重ね合わせて後、図8〜9に示すように、該重なり状態にある連結突片28,29を、前記両挾持突片65,65の前記連結片部66,66で密接に挟み、4つの枢着孔67,48,48,67を連通状態にする。又、前記枢軸支持環71,71を前記円形収容凹部70 ,70に嵌め入れる。その後、図9に示すように、該連通状態にある枢着孔67,48,48,67と枢軸支持環71,71の挿通孔73,73に、例えば、頭部74付きのリベット状の枢軸75を挿通し、該枢軸75の先端部78(図8)を、符号76に示すようにかしめる。これにより、両連結突片28,29と両連結片部66,66とが該枢軸75を介して枢着されることになる。その結果、前記重なり状態にある連結突片28,29相互が、前記枢軸75の軸線回りに回動することにより、両連結部材5a,5bが該枢軸75を介して開閉可能となる。その最大開き角度は、前記角度規制突部27の上端(前記台形状ブロック片の上面33,39)としての係合部48,48が、図4に示すように、前記基部52の傾斜下面61としての係合部77と係合することにより一定に規制される。又前記連結片部66,66が、前記枢軸75の軸線回りに回動することにより、前記保持部材7が該枢軸75の軸線回りに傾動可能となる。
【0045】
このようにして第1、第2の連結部材5a,5bと保持部材7とを枢軸75で連結することにより、筒部24と筒部25とが、一対の支柱2a,2bが閉じた状態で前後方向で重なる前記連結具13が構成されることになる。そして該連結具13にあっては、図9に示すように、両連結突片28,29と両挾持突片65,65の重なり厚さL1が、前後方向で重なり状態にある2つの筒部24,25の前後幅L2に略等しい。
【0046】
ここで前記連結具13の各部の寸法を例示すれば、前記第1、第2の連結部材5a,5bを構成する筒部24,25の内径は約16mmに設定されると共にその外径は約19mmに、又その高さは約38mmに設定される。又、前記連結突片28,29の肉厚は約9.5mmに設定され、又、前記枢着孔48の径は約5mmに設定されている。そして、前記保持部材7の前記C字状の保持溝9の内径は約14mmに設定され、前記保持片53,53の前後方向での幅は約38mmに設定され、前記上端開放部51の幅は約9.5mmに設定されている。又、前記挾持突片65,65の左右方向の最大幅は約14mm、肉厚は約9.5mmに設定されると共に前記連結片部66の直径は約18mmに設定され、更に前記枢着孔67,67の径は約5mmに設定されている。そして、第1、第2の連結部材5,5の最大開き角度は約30度に設定されている。
【0047】
然して、かかる構成を有する連結具13を用いて前記開閉式支柱1を構成するには、図2、図4に示すように、前記第1、第2の支柱2a,2bの上部3,3を前記第1、第2の連結部材5a,5bの筒部24,25の挿入孔部68,68(図9)に夫々挿入し、該筒部24,25を該上部3に溶着等の手段で固定する。これにより、第1、第2の支柱2,2が該連結具13を介して開閉可能に連結されると共に、前記横連結杆11を保持する保持部材7が設けられた開閉式支柱1が構成されることとなる。
【0048】
かかる構成を有する開閉式支柱1の複数本(例えば3本)を用いて、家庭菜園で、例えば胡瓜を栽培するための支柱枠体79を構成するに際しては、例えば図1に示すように、畝幅が70cmの畝80の長さ方向に、両支柱2,2を所要角度に開いた開閉式支柱1を、約70〜90cm、例えば80cmの間隔で立設状態に配設する。該支柱2,2の開き角度は、両支柱の下端部分81,81を前記畝80の両側面82,82に沿って、地面78に例えば25cm程度突き刺せる程度に設定する。本実施例においては支柱長さが約180cmであるため、両支柱2,2の開き角度は約26度となり、前記最大開き角度である30度よりも小さい。
【0049】
このようにして開閉式支柱1の複数本を立設状態に並設して後、図4に示すように、前記横連結杆11の被保持部12を前記保持部材7が形成する前記保持溝9に、前記ガイド部63,63に案内させながら前記上端開放部51を通して押し込む。該横連結杆11としては、例えば、その外径が16〜20mmのものを用いることができる。なお、前記保持部10が、前記連結部材相互の枢着部(連結部)6の上側、即ち支柱相互の連結部分の上側に位置した状態となるため、各保持部10が、平面視で、畝80の長さ方向に1列に配置された状態となる。従って、横連結杆11による開閉式支柱相互の連結は、直線状の連結となるために容易である。この押込みの際、前記両保持片53,53が弾性的に拡開し、前記被保持部12が、図4(B)に示すように、拡開した上端開放部51を通して該保持溝9に嵌め入れられることとなる。そして、このように保持溝9に嵌入状態に収容された状態で、前記保持部10の弾性挾持力によって、該横連結杆11の被保持部12が、両保持片53,53で弾性的に強固に挾持された状態となる。該保持部10の弾性挾持力は、第1、第2の支柱2a,2bの開き状態によらず一定である。なお、前記のように、両連結突片28,29と両挾持突片65,65の重なり厚さが、前後方向で重なり状態にある支柱2a,2bの前後幅程度に形成されていて、前後に長く形成された保持溝9で被保持部12が弾性的に挾持されることになるので、該被保持部12が保持部10で強固に保持されることになる。これにより、立設状態にある開閉式支柱1の複数本は、図1に示すように該横連結杆11を介して一体化し、強度的に安定した支柱枠体79が構成されることになる。
【0050】
なお、このようにして被保持部12を保持溝9に収容する際、前記のように、保持部材7が前記枢軸75の軸線回りに傾動可能であることから前記保持部10が多少横向き状態になっていることもある。かかる場合は、該保持部10を上向き状態して行う。なお、開閉式支柱1を開いて両支柱2a,2bの下端部分81,81を地面78に押し込んだ状態(埋設した状態)で、前記角度規制突部27,27の前記係合部36,36が前記保持部材7の基部52の下面61としての前記係合部77,77に接近するため、該保持部材7の傾動範囲は小さい。従って、該保持部材7が大きく横向きになることはないので、各保持部10を上向き状態するのは容易である。なお、開閉式支柱1を最大開き状態にして両支柱の下端部分81,81を地面78に押し込んだときは、図4に示すように、前記保持部10が自ずから上向き状態になる。
【0051】
このように支柱枠体79を構成した後、図1に示すように、該支柱枠体79の前記第1の支柱2aの支柱並列部83、及び、前記第2の支柱2bの支柱並列部85の夫々の傾斜外面86,86を、1枚もののネット材43で覆う。該ネット材43のネット目89の大きさは、一辺長が18〜24cm程度である。このように覆う際、該ネット材43の上端45を、図2に示すように前記フック状掛着片42に掛着する。なお本実施例においては、前記のように、各筒部24,25の前記開閉方向の両側の外面35,35、44,44にフック状掛着片42,42が設けられているため、両支柱2a,2bの開き状態によらず、該傾斜外面86,86を形成する筒部にフック状掛着片42が必ず存することになる。又、該ネット材43の下端90を、図1に示すように、前記第1の支柱2a及び前記第2の支柱2bの下端側に紐91で結着する。これにより、例えば、傾斜ネット面100,100を具える胡瓜棚101,101が形成される。なお図示されてはいないが、前記支柱枠体79を形成するに先立って、胡瓜の苗が、前記畝80の両側で、例えば60cm程度の間隔で植えられている。
【0052】
本発明に係る開閉式支柱1を農業用途に用いる場合は、該開閉式支柱1の多数本が、畝80の長さ方向に立設状態で並設されることになるが、この場合は、前記横連結杆11,11の端部102,103相互を、接合部材105で連結することもある。該接合部材105としては、例えば図10に示すような、ネジ軸74を有する第1の接合片78と、該ネジ軸74に螺合し得る雌ネジ部84が設けられたネジ筒を有する第2の接合片88とからなるネジ連結方式のものを用いることができる。そして、該第1の接合片78の端部に設けられた挿入筒部94の挿入凹部94aに、前記横連結杆11の端部102を挿入状態に固定すると共に、該第2の接合片88の端部に設けられた挿入筒部98の挿入溝部98aに、前記横連結杆11の端部103を挿入状態に固定する。
【0053】
なお、開閉式支柱1を不要時に収納するときは、前記保持部10の保持溝9の上端開放部51を弾性的に拡開させながら、該保持部10から前記横連結杆11を取り外して後、両支柱2,2を閉じる。これにより、両支柱2a,2bが、前後方向で重なり状態となる。
【実施例2】
【0054】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 一対の連結部材5,5と保持部材7とを枢着する手段は、前記リベット状の枢軸75を用いて行うことの他、ボルト等の他の軸状部材を用いて行うこともできる。
【0055】
(2) 図11は、C字状を呈する保持部10を具えた保持部材7のその他の態様を示すものであり、該保持部10の保持溝9に前記横連結杆11の被保持部12が収容され、該被保持部12が該保持部10で挾持状態に保持されている。該保持溝9が上下に稍長いために、該収容状態の被保持部12が上方向に若干移動できるが、該保持溝9の上端開放部51が被保持部12の直径よりも小さく窄まっているために、該被保持部12が保持部10から脱落する恐れがない。
【0056】
(3) 本発明において、前記保持部10による被保持部12の保持力を特に強化する必要のある場合は、図12〜13に示すように、前記保持部10の外面57に補強バネ部59を設けることもある。該補強バネ部59は、本実施例においては、該保持部10の外側面57の周方向中央部に設けられたC字状の嵌入溝60(図13)を有し、前記基部52の下面側の中央部分を前記C字状の嵌入溝60が横切っている。そして、該C字状の嵌入溝60にバネ鋼からなるC字状のバネ部材62が装着されることにより、図12に示す補強バネ部59が形成される。このように装着されたC字状のバネ部材62は、前記C字状の嵌入溝60に嵌着されているために、横ずれしない。該C字状のバネ部材62は、前記保持片53,53の弾性拡開に対する抵抗力を増大し、該保持部10による前記被保持部12の保持力を強化する。
【0057】
図14〜15は、前記保持部材7の保持部10の弾性的な拡開に対する抵抗を増大するために用いられる補強バネ部59の他の態様を示すもので、該補強バネ部59は、例えばポリカーボネート製のC字状のバネ部材62を以て構成されている。該バネ部材62の装着は、例えば、保持部材7を射出成形する際に、該バネ部材62を金型の所定部位に取り付けた状態で樹脂を射出することにより該射出成形と同時に行うことができる。図14〜15においては、該バネ部材62の両上端166,166が、射出成形により同時に形成される固定突部167,167で固定状態とされている。なお該C字状のバネ部材62の幅寸法は、該バネ部材による保持部の補強強度を考慮して所要に設定されるものである。又該バネ部材62は、保持部材7の射出成形によって保持部10の外側面57に沿って一体形成されたC字状等の補強リブを以って構成されることもある。
【0058】
なお、前記C字状のバネ部材62を用いて補強バネ部59を構成するときも、前記と同様にして、保持部材7を射出成形する際に該C字状のバネ部材62を金型の所定部位に取り付けた状態で樹脂を射出して行うことができる。
【0059】
(4) 前記角度規制突部27は省略されてもよい。
【0060】
(5) 本発明は、前記胡瓜の栽培の他、ゴーヤ、えんどうやいんげん等の豆類、朝顔等の各種の蔓性植物の栽培に好適に応用できる他、トマトやなす等の栽培に応用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る開閉式支柱を用いて構成された支柱枠体を、ネット材を取り付けた状態で示す斜視図である。
【図2】その部分拡大図である。
【図3】開閉式支柱を分解して示す斜視図である。
【図4】開閉式支柱の上部分の構成を、保持溝に横連結杆を挿入させる作業工程と共に示す正面図である。
【図5】支柱を示す部分斜視図である。
【図6】連結具を示す斜視図である。
【図7】連結具を分解して示す斜視図である。
【図8】連結具の組立工程を説明する斜視図である。
【図9】連結具の枢着状態を示す断面図である。
【図10】横連結杆相互の連結状態を示す断面図である。
【図11】C字状を呈する保持溝を有した保持部の他の態様を、保持溝に横連結杆の被保持部を取り付けた状態で示す正面図である。
【図12】バネ部材が装着された保持部材を具える連結具を示す斜視図である。
【図13】バネ部材が装着された保持部材を分解して示す一部欠切斜視図である。
【図14】補強バネ部の他の態様を示す斜視図である。
【図15】その断面図である。
【図16】従来の開閉式支柱を用いて構成された支柱枠体を示す斜視図である。
【図17】その開閉式支柱と、これと隣り合う開閉式支柱の支柱相互を連結する横連結杆を示す斜視図である。
【図18】千鳥配置の横連結杆を示す平面図である。
【図19】第1の支柱列、第2の支柱列の外面を覆うようにネット材が傾斜状態に取り付けられた支柱枠体を示す斜視図である。
【図20】従来の開閉式支柱の他の態様を示す斜視図である。
【図21】その断面図である。
【図22】その使用状態を示す斜視図である。
【図23】図20に示す従来の開閉式支柱において保持部の前後の部分を突出させた場合の問題点を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1 開閉式支柱
2 支柱
3 支柱の上部
5 連結部材
6 連結部
7 保持部材
9 保持溝
10 保持部
11 横連結杆
12 被保持部
13 連結具
27 角度規制突部
28 連結突片
29 連結突片
30 台形状ブロック片
42 フック状掛着片
43 ネット材
45 ネット材の上端
51 上端開放部
53 保持片
59 補強バネ部
62 バネ部材
65 挾持突片
66 連結片部
75 枢軸
77 係合部
79 支柱枠体
80 畝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の支柱の上部に夫々固定された連結部材相互が、該一対の支柱が開閉可能となるように連結されてなり、各支柱の上部は、下端開放の筒部の上端に連結突片が設けられてなる前記連結部材の該筒部に挿入され該筒部に固定されており、該筒部相互が、支柱が閉じた状態で前後方向で重なる状態となされており、この状態で該両連結突片が前後方向で重なる状態となされ、
前後方向に延長する横連結杆の長さ方向の所要部分としての被保持部を保持する保持部材が、前記連結部材の双方に連なる如く、且つ、該連結部材の連結部の上側に存するように設けられてなり、該保持部材は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持溝が設けられた保持部を具え、該保持溝に前記被保持部が着脱可能に収容され、収容された該被保持部が前記保持部に挾持状態で保持される如くなされ、又、該保持部の前後方向の両側で挾持突片が下設されると共に、該両挾持突片が、重なり状態にある前記両連結突片を外側から挾み、該両挾持突片と該両連結突片の全体が、軸線が前後方向の枢軸で連結されており、該枢軸を介して一対の支柱が開閉可能に連結されていることを特徴とする植物栽培用の開閉式支柱。
【請求項2】
前記筒部には、前記支柱の開閉方向で見た両側の外面に、植物栽培用のネット材の上端に掛着されるフック状掛着片が設けられていることを特徴とする請求項1記載の植物栽培用の開閉式支柱。
【請求項3】
前記連結部材の夫々の上部に角度規制突部が上方に突設され、前記支柱が最大開き状態において、各角度規制突部の上部分に設けられた係合部が前記保持部の、前記支柱の開閉方向で見た両側外面に設けられた係合部に当接することを特徴とする請求項1又は2記載の植物栽培用の開閉式支柱。
【請求項4】
左右一対の支柱の上部に夫々固定される連結部材相互が、該一対の支柱が開閉可能となるように連結されてなり、各支柱の上部は、下端開放の筒部の上端に連結突片が設けられてなる前記連結部材の該筒部に挿入され該筒部に固定されるようになされており、又、該筒部相互が、支柱が閉じた状態で前後方向で重なる状態となされており、この状態で該両連結突片が前後方向で重なる状態となされ、
前後方向に延長する横連結杆の長さ方向の所要部分としての被保持部を保持する保持部材が、前記連結部材の双方に連なる如く、且つ、該連結部材の連結部の上側に存するように設けられてなり、該保持部材は、上端開放で且つ前後方向の両端が開放した保持溝が設けられた保持部を具え、該保持溝に前記被保持部が着脱可能に収容され、収容された該被保持部が前記保持部に挾持状態で保持される如くなされ、又、該保持部の前後方向の両側で挾持突片が下設されると共に、該両挾持突片が、重なり状態にある前記両連結突片を外側から挾み、該両挾持突片と該両連結突片の全体が、軸線が前後方向の枢軸で連結されており、該枢軸を介して一対の支柱が開閉可能に連結されていることを特徴とする支柱相互の連結具。
【請求項5】
前記筒部には、前記支柱の開閉方向で見た両側の外面に、植物栽培用のネット材の上端に掛着されるフック状掛着片が設けられていることを特徴とする請求項4記載の支柱相互の連結具。
【請求項6】
前記連結部材の夫々の上部に角度規制突部が上方に突設され、前記支柱が最大開き状態において、各角度規制突部の上部分に設けられた係合部が前記保持部の、前記支柱の開閉方向で見た両側外面に設けられた係合部に当接することを特徴とする請求項4又は5記載の支柱相互の連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−278952(P2009−278952A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136640(P2008−136640)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】