業務処理システム、業務処理方法、および業務処理プログラム
【課題】業務処理の処理種別を明確に区分し、対応する処理順序の迅速選択にて処理の実行を上げ、保守性や再利用性を高め得る業務処理システム等を提供する。
【解決手段】 処理要求手段101Aからの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程(処理順序)に従って前記処理要求を実行する処理制御手段12,22と、前記処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段12,22からの問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段13,23とを備えている構成とした。
【解決手段】 処理要求手段101Aからの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程(処理順序)に従って前記処理要求を実行する処理制御手段12,22と、前記処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段12,22からの問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段13,23とを備えている構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務処理システム、業務処理方法、および業務処理プログラムに係り、詳しくは、通信ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの業務処理の処理要求をサーバ装置が実行するに際して必要とする業務処理システム、業務処理方法、および業務処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務システムの寿命は、比較的長く、その期間中において、業務処理の仕様の追加、削除及び変更によってバージョンアップが行われており、検索機能やチェック機能の強化等による小規模な追加から新たな取引の発生や顧客の出現等による大規模な追加を要するものまで様々である。
業務システムのバージョンアップやメンテナンス等のシステム更新過程において、業務処理の処理種別や工程を規定しない従来の方針では、一つの業務プログラムの中に複数の異なる処理を追加することにより、その対応が行なわれていたため、システム更新作業の効率化の点で影響が出ていた。そのため、業務システムの構築やメンテナンスにおいては、メンテナンスの容易性や再利用性、仕様変更に対する柔軟性等に対して、システム開発技術の向上が望まれていた。
【0003】
この種の従来技術としては、特許文献1乃至2等に記載のものが知られている。まず、特許文献1に記載の公知例では、添付図面の図14(従来技術)における業務システムの全体構成(ブロック図)に示すように、処理要求手段100Aを備えたクライアント装置100と、処理制御手段200A(特許文献1では「単一業務部14」)と単位処理手段200B(特許文献1では「処理部品15」)とを備えたサーバ装置200(特許文献1では「業務基本部8」)とを備えたものが開示されている。そして、クライアント装置100上の処理要求手段100Aから特定の処理制御手段200Aの呼び出しを行うと、サーバ装置200上の処理制御手段200Aは、下位の処理制御手段や単位処理手段の呼び出しを行い、単位処理手段(単位業務処理)は、更に下位の単位業務処理の呼び出しを行って、当該業務処理を実行することにより、処理制御手段200Aや単位処理手段200Bの追加/削除に対して柔軟性があり、容易に仕様変更を行うことができる構成になっている。
【0004】
次に、特許文献2に記載の業務処理管理システムにかかる公知例では、クライアントに通信ネットワークを介してサーバを接続し、サーバには業務プロセス定義部が接続され、業務プロセス定義部はオプション処理マスタを備えており、このオプション処理マスタには、どのようなデマンド種やサプライ種が、どう操作されたときに、どのタイミングで、どのオプション処理を実行するかを定義することによって、業務プロセスの変更に対して、機敏に変更することができる構成になっている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−073334号公報(第1−27頁)
【特許文献2】特開2003−196442号公報(第1−29頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1においては、条件分岐を伴う新たな種類の処理が追加になった場合には、図14に示したように従来の業務システムにおいて、新たな処理制御手段200Aや単位処理手段200Bを追加することに相当し、これらの処理制御手段200Aや単位処理手段200Bは、入れ子のツリー構造に構成されているため、様々な箇所で条件分岐を伴った業務プログラムの修正を行なうことになり、プログラム全体としての処理構造が把握し難くなり、保守作業に手間がかかるものとなっていた。また、このことによって、変更やテストに要するコストの増加を招き、結果としてバージョンアップした業務プログラムのリリースが遅れるという不都合が発生していた。
【0007】
即ち、業務システムのような複雑な処理の分類体系が背後にあるシステムにおいては、ツリー構造を取り入れた構造化の手法のみでは、業務プログラムの修正を行って保守していくことに手間がかかり、新たな処理制御手段や単位処理手段の増加に繋がり、条件分岐の多発を誘引し、図15の従来技術(業務システムの処理体系の構成を示すツリー構造図)に示すように、ツリー構造の全体にまで条件分岐が及ぶことになり、このことが、業務プログラム全体を制御することを手間がかかるものとしていた。
又、特許文献2では、オプション処理マスタが対応可能な業務プロセスの変更には、業務プログラムの論理判定結果に基づいて複数の処理を選択して行なう場合等の仕様変更の対応が含まれていないことから、複雑な仕様変更の対応が困難なものとなっていた。
【0008】
本発明は、かかる従来例における不都合を改善し、特に、クライアント装置からの処理要求に対しては予め処理種別を判定し、この処理種別毎に先立って異なる工程の処理順序を予め設定しておき、当該判定と共に特定される処理種別に対応する処理順序を迅速に選択し当該処理順序に基づいて工程処理を実行するようにし、これによって、保守性や再利用性を高め得る業務処理システム、業務処理方法、および業務処理プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる業務処理システムでは、クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置が前記業務処理を実行するように構成された業務処理システムにおいて、前述したサーバ装置が、前述した処理要求手段からの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程(処理順序)に従って前記処理要求を実行する処理制御手段と、前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段とを有することを特徴としている(請求項1乃至15)。
【0010】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けるようにしたので、従来の業務システムでは種々の粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、これがため、保守作業がやりやすくなり、保守作業の影響範囲の予測を容易に成し得ることから保守に際しての作業能率を著しく向上させることができる。
【0011】
ここで、前述した工程順序保持手段は、所定の業務処理を必要とする情報に対して、例えば、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を備えている、としてもよい(請求項2)。このようにすると、処理種別の項目が具体化され、その体系が明確となり、保守性を高め得るという利点がある。
【0012】
又、前述した処理制御手段は、前述した工程順序保持手段から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前述した処理要求を実行すると共に、その実行結果を前述した処理要求手段に報告する処理結果報告機能を備えた構成としてもよい(請求項3)。これにより、大きく切り分けられた処理種別に対応して処理工程を円滑に且つ迅速に実行し得ることとなる。
【0013】
更に前述した処理制御手段は、前述した工程順序保持手段から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて作動すると共に、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成し、そうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成機能を備え、当該各処理手段を介して前述した所定の業務処理を実行するように構成してもよい(請求項4)。これにより、種々の処理種別に対応してその処理結果を特定することができ、その結果を保持しやすいことなり、後発する作業に対して予め共通な処理工程を再利用し得る点で都合がよい。
【0014】
又、前述した工程処理手段は、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項5)。これにより、保守性および再利用性をより一層高めることが可能となる。
【0015】
前述した処理制御手段には、前述した下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持手段を併設し、更に前述した工程処理手段は、下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前述した工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えたものとしてもよい(請求項6)。これにより、処理結果が確実に工程データ保持手段に格納され蓄積されるので、その利用価値が大きくなり保守作業の汎用化を進めることができて都合がよい。
【0016】
ここで、前述した単位処理手段は、前述した処理制御手段又は工程処理手段からの指令に応じて作動し特定の業務に依存しない業務処理を実行する機能を備えると共に、その処理結果を前述した処理制御手段又は工程処理手段へ返す処理結果返却機能を備えた構成とし、同時に前述した処理制御手段又は工程処理手段は、この単位処理手段における処理結果を必要に応じて加工し前述した工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えた構成としてもよい(請求項7)。これにより、特定の業務に依存しない単位処理手段の存在によりその結果の共通利用度が更に高められて都合がよい。
【0017】
又、前述した処理制御手段は、前述した単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えた構成としてもよい(請求項8)。これにより、単位処理手段により処理の迅速化および共通利用度を更に高めることができて都合がよい。
【0018】
前述した工程処理手段は、前記単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えたものとしてもよい(請求項9)。このようにすると、処理制御手段からの直接に指令によることなく業務処理を推進することが可能となり、効率良く業務処理を実行することができる。
【0019】
ここで、前述した工程順序保持手段については、予め特定された工程の処理順序が、前記処理種別の単位で区分けされた分類に対応して、その下位の工程処理では例えば基本的なライフサイクル「入力チェック、クエリ、整形、更新、等」が当該ライフサイクルのそれぞれの段階の工程にマッピングするようにツリー状に区分けされて格納され保持されているようにしてもよい(請求項10)。このようにすることにより、保守範囲の明朗化が成り、保守手順の確立が単純化され作業範囲や作業期間等の算定が容易となり、かかる点において保守性を著しく高めるこができる。
【0020】
更に、前述したサーバ装置が所定業務の処理に際しては前記工程処理手段および前記単位処理手段を予め生成し保持する処理手段生成格納部を備え、当該サーバ装置の前述した処理制御手段は、所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する工程処理手段を取り出して予め設定された処理順序の順番に従って所定の業務処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項11)。このようにすると、処理手段生成格納部が有効に機能して業務の処理毎に前述した工程処理手段および単位処理手段を生成する必要性がなくなり、かかる点においてクライアント装置からみた応答の迅速化を図ることができて都合がよい。ここで、前述した工程処理手段が、下位の工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する下位の工程処理手段および単位処理手段を取り出して当該処理順序の順番で処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項12)。
【0021】
又、前述したサーバ装置に、前述した処理手段生成格納部に代えて、所定業務の処理に際しては前述した処理制御手段用の業務プログラムのソースコードを自動生成する処理制御自動生成装置を併設した構成としてもよい(請求項13)。この場合、処理制御自動生成装置は、前記処理制御手段用のテンプレートAと前記処理制御手段用業務プログラムの設計情報である処理制御設計情報Bとが入力されると作動しこれらを合成して前記処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成するソースコード自動生成手段を備えた構成としてもよい(請求項14)。このようにすると、処理制御手段用のソースコードを自動生成し得るので、業務処理にかかる処理プログラムの開発にかかる工数を大幅に削減することができ、これにより処理プログラムの開発期間を大幅に短縮し得るという利点がある。
【0022】
更に、前述したサーバ装置の処理制御手段は、前記処理要求手段からの識別された所定業務にかかる処理要求に対して対応する工程の処理順序を工程順序保持手段から取り込むと共に、その処理順序に基づいて下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を設定する処理手段設定機能を有し、この設定された各処理手段に基づいて当該処理順序の順番に処理を実行し当該実行結果を前述した処理要求手段へ通報する実行処理機能を備えた構成としてもよい(請求項15)。これによると、前述した共通工程処理手段が有効に機能して処理種別が変わってもツリー状に構成された処理手順の処理過程では同一の工程処理手段又は単位処理手段を使用する段階も生じることから、この場合はこれらの処理手段を共用することが可能となり、これによって処理手順の単純化および処理工程の迅速化を図ることができる。
【0023】
ここで、前述した工程処理手段については、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前述した処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項16)。このようにしても、所定業務に対する処理手順の単純化およびそれに伴う処理工程の迅速化を図ることができる。
【0024】
更に、前述した工程処理手段は、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備え、且つ前記単位処理手段の呼び出しに際しては当該処理に必要なデータを予め装備された共通処理データアダプタ手段から取り込むと共にその処理結果を当該共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納する処理データ格納機能を備えた構成としてもよい(請求項17)。
【0025】
このようにすると、工程処理手段の一部と特定の単位処理手段の如く処理種別が異なっても必要とするデータを共用することができ、更に処理種別が相違しても下位の工程処理手段とその単位処理手段とが共通する大きい処理単位のモジュールで共通する場合あることから、これを予め共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納(処理データ格納機能の実行)しておくことにより、単位処理手段よりも大きな処理の単位モジュールで再利用することが可能となる。
【0026】
本発明にかかる業務処理方法では、クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置の処理制御手段が前記業務処理を実行するように構成され、特に、前述した処理要求手段からの処理要求にかかる業務を予め想定しその業務処理の内容を処理種別に区分すると共に当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序を特定して工程順序保持手段に記憶する処理種別特定工程と、この処理要求手段からの処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段が作動してその処理業務の内容を分析しその処理種別を判定する処理種別判定工程と、この判定された処理種別に対応する前述した各工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り出して前述した処理要求手段からの処理要求を実行する処理要求実行工程とを備えている(請求項18乃至23)。ここで、前述した工程順序保持手段には、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とが予め区分けして保持されているようにしてもよい(請求項19)。
【0027】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けるようにしたので、従来の業務処理方法では種々の粒度の処理制御手段や単位処理工程が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、保守作業の影響範囲の予測し得ることから保守に際しての作業能率を著しく向上させることができる。
【0028】
ここで、前述した処理制御手段による処理要求実行工程では、前記処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得工程と、この取得した処理順序に基づいて工程処理手段を生成する処理手段生成工程と、この生成された工程処理手段により前記処理要求を実行するように構成してもよい(請求項20)。これにより、大きく切り分けられた処理種別に対応して処理工程を円滑に実行し得ることとなる。
【0029】
又、前述した処理制御手段による処理要求実行工程では、処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理であるか否かを判断する業務判断ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成しそうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成ステップとを備え、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行ステップとを備えた構成としてもよい(請求項21)。このようにすると、種々の処理種別に対応してその処理結果を特定し保持しやすいことから、後発する処理作業に対して共通な処理工程を迅速に共用し得る点で都合がよい。
【0030】
ここで、前述した処理制御手段による処理要求実行工程では、生成された工程処理手段が、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行するステップを備えた構成としてもよい(請求項22)。又、前述した処理制御手段に前述した下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換するデータを保持する工程データ保持手段を併設し、前述した処理要求実行工程では、前記工程処理手段が下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前述した工程データ保持手段に格納する処理結果格納するステップを備えた構成としてもよい(請求項23)。
【0031】
本発明にかかる業務処理プログラムでは、クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求に対し、これに応答して当該処理要求を実行するサーバ装置とを備え、このサーバ装置が備えているコンピュータを、前述した処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定手段として、特定された処理種別に対応して予め特定された工程の処理順序に従って前記処理要求を実行する処理制御手段として、前述した処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段として、機能させるように構成した(請求項25乃至30)。ここで、前述した工程順序保持手段では、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を、その内容として備えてもよい(請求項26)。
【0032】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けされるので、従来の業務処理プログラムでは種々の粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、保守作業の影響範囲の予測を容易に成し得ることから保守作業の能率向上を期待することができる。
【0033】
ここで、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前述した処理要求を実行する機能、その実行結果を前述した処理要求手段に報告する処理結果報告機能、を前述したコンピュータに実現させるように構成してもよい(請求項27)。又、これとは別に、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動する機能、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成すると共にそうでない場合には単位処理手段を生成する処理手段生成機能、及び当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい(請求項28)。
【0034】
更に、前述した工程処理手段は、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成する機能、この生成された新たな下位の工程処理手段および単位処理手段による処理順序を保持し且つ業務処理の実行に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい(請求項29)。又、前述した処理制御手段により生成される下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持機能、およびこの工程処理手段は下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を予め別に設定された工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい(請求項30)。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明によれば、所定業務にかかる情報処理に際し、処理種別という単位で大きく切り分けた構造の業務処理手順にすることにより、当該業務処理手順の構造を明確にし、又、種別や工程に依存しないものは、単位処理手段として切り出して異なる種別や工程間での共通利用を図ることで、保守性および業務処理の迅速処理を可能とした従来ない優れた業務処理システム、業務処理方法、及び業務プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0037】
図1乃至図3に第1の実施形態を示す。この図1乃至図3に示す第1の実施形態にかかる業務処理システムでは、クライアント装置101の処理要求手段101Aから送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置201が前述した業務処理を実行するように構成されている。このサーバ装置201は、前述した処理要求手段101Aからの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程(処理順序)に従って前述した処理要求を実行する処理制御手段12と、処理要求手段101Aからの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に処理制御手段12から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段13とを備えている。
【0038】
前述した工程順序保持手段13は、所定の業務処理を必要とする情報に対して、例えば、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を備えている。これにより、処理種別の項目が具体化され、その体系が明確となり、後述するように保守性及び部分的な処理についてはその共通利用および処理の迅速化が可能となっている。又、前述した処理制御手段12は、前述した工程順序保持手段13から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて工程処理手段15を生成し前述した処理要求を実行すると共に、その実行結果を前述した処理要求手段101Aに報告する処理結果報告機能を備えている。
【0039】
更に、前述した処理制御手段12は、前述した工程順序保持手段13から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて作動すると共に、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段15を生成し、そうでない場合には単位処理手段16の各要素を生成する処理手段生成機能を備え、当該各処理手段15,16によって前述した所定の業務処理を実行するように構成されている、ここで、工程処理手段15は、前述した処理制御手段12によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段15aおよび単位処理手段16aを生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能を備えている。
【0040】
前述した処理制御手段12には、前述した下位の工程処理手段15aを含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持手段14を併設し、更に前述した工程処理手段15は、下位の工程処理手段15aおよび単位処理手段16,16aで実行された処理の結果を前述した工程データ保持手段14に格納する処理結果格納機能を備えている。
【0041】
ここで、前述した単位処理手段16,16aは、前述した処理制御手段12又は工程処理手段15からの指令に応じて作動し特定の業務に依存しない業務処理を実行する機能を備えると共に、その処理結果を前述した処理制御手段12又は工程処理手段15へ返す処理結果返却機能を備えている。同時に、前述した処理制御手段12又は工程処理手段15は、この単位処理手段16,16aにおける処理結果を必要に応じて加工し前述した工程データ保持手段14に格納する処理結果格納機能を備えている。
【0042】
又、前述した処理制御手段は、前述した単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えている。更に、前述した工程処理手段15は、単位処理手段16による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段14から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えている。
【0043】
ここで、前述した工程順序保持手段14については、予め特定された工程の処理順序が、前述した処理種別の単位で区分けされた分類に対応して、その下位の工程処理では例えば基本的なライフサイクル「入力チェック、クエリ、整形、更新、等」が当該ライフサイクルのそれぞれの段階の工程にマッピングするようにツリー状に区分けされて格納され保持されている。このようにすることにより、保守範囲の明朗化が成り、保守手順の確立が単純化され作業範囲や作業期間等の算定が容易となり、かかる点において保守性を著しく高めるこができる。
【0044】
以下、これを更に詳述する。本実施形態における業務処理システムの全体構成を図1に示す。この図1に示す業務処理システムは、前述したように、クライアント装置101と、このクライアント装置101に通信ネットワークを介して又は直接的に接続されるサーバ装置201とを備えている。クライアント装置101は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置から成り、処理要求手段101Aを備えている。又、サーバ装置201は、前述したように処理制御手段12、工程順序選択手段13、工程データ保持手段14、工程処理手段15、および単位処理手段16を備えている。
【0045】
前述した処理要求手段101Aは、サーバ装置201に要求する所定業務の種類を予め識別し、該当する処理制御手段12の呼び出しを行う機能を備えている。処理制御手段12は、処理種別を判定して工程順序保持手段13に対して工程の処理順序を問い合わせると共に、取得した工程の処理順序に基づいて、後続する下位の工程処理手段15又は単位処理手段16を生成して処理順序の順番に処理を実行して、実行結果を処理要求手段101Aに返却処理する機能を備えている。
【0046】
前述した工程順序保持手段13は、処理種別とこれに対応する種別毎の処理工程の処理順序を保持する機能を備えている。又、工程データ保持手段14は、処理制御手段12の単位に存在し、異なる工程処理手段15の間で交換するデータを保持し、当該データへの外部からのアクセスを許容するように構成されている。
【0047】
前述した工程処理手段15は、下位の工程処理手段15a、単位処理手段16の処理順序を保持し、該当する工程処理手段15a、単位処理手段16を生成すると共に、処理順序の順番で処理を実行する。この工程処理手段15は、具体的には、入れ子のツリー構造をもっており構造の細分化が可能となっている。異なる工程処理手段15の相互間で利用されるデータは工程データ保持手段14を通じて交換するように機能する。この場合、工程処理手段15の細分化の過程において、種別や工程に依存しないものは単位処理手段16として切り出すと共に、これを異なる処理種目や処理制御手段12の間で共通に利用できるようにして再利用性を高めている。
【0048】
又、この工程処理手段15は、単位処理手段16の呼び出しを行う場合に、処理に必要なデータを工程データ保持手段14から取得し、処理結果を工程データ保持手段14に格納する処理を行う機能を備えている。単位処理手段16は、特定の業務に依存しない業務処理を実行する。すなわち、工程データ保持手段14への直接のアクセスを行わない。特定の業務に依存しないため、前述したように、異なる処理制御手段12においても共通に同じ単位処理手段16を利用することが可能になる。
【0049】
ここで、上記第1の実施形態では、所定の(何らかの)業務情報の処理に際しては、その情報を、登録,取消,訂正,検索、の如く区分けして業務処理を考えたとき、基本的なライフサイクルを「入力チェック、クエリ、整形、更新、」として、ライフサイクルのそれぞれの段階を工程にマッピングするようにした。
【0050】
この場合、処理の種別によって工程の作業は異なる。例えば、検索処理と取消処理の如き異なる処理要求の場合、工程や工程の処理順序も異なる。しかしながら、訂正処理と取消処理の場合はその工程はある程度同じになるが、その内容は異なる。かかる場合を想定して、本実施形態では、図2に示すように、機能を各処理種別(図2では、検索、訂正、取消)毎に分類して、より小さなツリー構造に切り分けることにより業務処理システム全体の見通しをよくし、これによって、従来生じていた条件分岐がツリー全体におよぶ現象やツリー全体の制御が困難になる現象を緩和することが可能となっている。
【0051】
例えば、検索処理,訂正処理,取消処理を含む業務プログラムにおいては、まず、検索処理と訂正処理,取消処理は、工程が全く異なるため処理種別を分ける。更に、訂正処理と取消処理もデータの更新を行うという観点では共通しているが、個々の機能や処理は異なっているため、違う処理種別とする。又、工程に適切な名前を付与して管理することによって文脈が明確になり、各工程にグルーピング規則を設けて責務の一貫性を保持することができる。
【0052】
次に、上記第1の実施形態における業務処理システムの動作を説明する。ここで、上述した業務処理システムは、以下に示す処理方法に沿って、その動作が実行されるようになっている。
まず最初に、前述した工程順序保持手段13では、クライアント装置101の処理要求手段101Aからの処理要求にかかる業務を予め想定してその業務処理の内容を処理種別に区分し、当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序が特定されて記憶されている。そして、前述した処理要求手段101Aからの処理要求に際しては直ちに処理制御手段12が作動してその処理業務の内容を分析しその処理種別を判定する。そして、この判定された処理種別に対応する前述した各工程の処理順序を前述した工程順序保持手段13から取り出して、前述した処理要求手段101Aからの処理要求を実行する。ここで、前述した工程順序保持手段13には、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とが予め区分けして保持されている。
【0053】
処理制御手段12による処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を工程順序保持手段13から取り込こみ、この取得した処理順序に基づいて工程処理手段15を生成し、この生成された工程処理手段15により前述した処理要求が実行される。
【0054】
ここで、前述した処理制御手段12による処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を工程順序保持手段13から取り込こむ処理順序取得ステップと、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理であるか否かを判断する業務判断ステップと、当該業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段15を生成し,そうでない場合には単位処理手段16の各要素を生成する処理手段生成ステップとを備え、当該各処理手段15,16によって所定の業務処理を実行する業務処理実行ステップとが設定されている。
【0055】
更に、処理制御手段12による処理要求実行工程では、生成された工程処理手段15が、処理制御手段12によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段15および単位処理手段16を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行するステップを備えている。更に、処理制御手段12には、前述した下位の工程処理手段15aを含む複数の異なる工程処理手段15a,15bの相互間で交換するデータを保持する工程データ保持手段が併設され、前述した処理要求実行工程では、工程処理手段15が下位の工程処理手段15aおよび単位処理手段16で実行された処理の結果を工程データ保持手段14に格納する処理結果格納するステップを備えている。
【0056】
図3に、上述した動作内容の具体的一例を説明する。この図3に示すように、クライアント装置101の処理要求手段101Aは、入力を受け付けた処理種別をサーバ装置201に送信し、サーバ装置201は、クライアント装置101からの処理種別を受け付けて、該当する処理制御手段12を呼び出す(ステップa)。この呼び出された処理制御手段12は、処理要求手段101Aからのデータやデータベースの永続的データ等に基づいて処理種別を判定し、工程順序保持手段13が保持する工程の処理順序を取得する(ステップb)。
【0057】
処理種別に対する処理順序が特定されると、前述した処理制御手段12又は工程処理手段15(以降は「工程処理手段25a」と呼ぶ)は、下位の工程処理手段15(以降は「工程処理手段15b」と呼ぶ)又は単位処理手段16の各要素を生成する(ステップc)。そして、この処理順序の順番に、ステップcで生成した各要素に対して以下の処理を行う。即ち、生成した要素が工程処理手段15bの場合はステップcに戻る。このとき、「工程処理手段15b」を「工程処理手段15a」と読み替えて処理を行う。
【0058】
これに対し、生成した要素が単位処理手段16の場合は、以下の処理を行う。即ち、処理制御手段12又は工程処理手段15aは、単位処理手段16の業務処理を行うのに必要なデータを工程データ保持手段14から取得する(ステップd)。
【0059】
次に、工程処理手段15aは、ステップdで取得したデータを必要に応じて加工して単位処理手段16を呼び出す(ステップe)。又、呼び出された単位処理手段16は、個別の業務処理を実行して、処理結果を工程処理手段15に受け渡す(ステップf)。続いて、処理制御手段12又は工程処理手段15aは、処理結果を必要に応じて加工して工程データ保持手段14に格納する(ステップg)。そして、処理制御手段12は、最終的な処理結果をクライアント装置101上の処理要求手段101Aに受け渡す。
【0060】
このように、この第1の実施形態では、上述したように構成され機能するので、以下の如き効果を奏する。
【0061】
(1)従来の業務システムでは、様々な粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、上記実施形態では最初に処理種別という単位で大きく切り分けることにより、業務プログラムの構造を明確にすることができ、保守作業を行う上で、その影響範囲を容易に予測することができる。
(2)業務処理の大きな条件分岐は、殆どが業務システム上の分類体系の差異として現れるため、全ての業務プログラムに処理種別の概念を導入することにより、業務システムの処理に影響する背後の分類体系を明確にすることができ、業務システムとしての分類体系と業務プログラムのそれぞれの工程処理手段15や単位処理手段16の構成の妥当性を図る基準にすることもできる。
(3)処理や機能がその分類体系と関係し、それがどの業務プログラムに依存しているかにより保守対象のモジュールを絞り込み、更にそれがどの処理種別に影響し、また関連する工程処理手段15や単位処理手段16が何であるかを明確にすることにより、処理や機能の追加、変更、削除等の保守手順を確立し、その作業範囲とコスト・期間を明確に算出することができる。
(4)処理種別の概念を導入したので、文脈が明確になり、工程処理手段15や単位処理手段16における個々の動作を容易に予測して、デバッグの能率を上げることができる。
(5)特定の業務に依存する処理を工程処理手段25として実装し、特定の業務に依存しない処理を単位処理手段16として実装することにより、再利用できる単位を単位処理手段16として明確に区別することができる。
(第2の実施形態)
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態を図4乃至図5に基づいて説明する。この第2の実施形態にあっても、前述した図1に示す第1の実施形態の場合と同様に、処理要求手段101Aを備えたクライアント装置101と、このクライアント装置101に連結されたサーバ装置202とを備えている。
【0063】
この内、サーバ装置202は、前述した図1の場合と同等に構成され同等に機能する処理制御手段22,工程順序保持手段23,固定データ保持手段24,工程処理手段25,単位処理手段26を備え、更に処理手段生成格納部27を装備している。
【0064】
ここで、サーバ装置202が備えている処理手段生成格納部27は、所定業務の処理に際して、前述した工程処理手段25および単位処理手段26を予め生成し保持する機能を備えている。又、前述した処理制御手段22は、所定業務の処理に際しては前述した処理手段生成格納部27から当該業務処理に対応する工程処理手段25を取り出して予め設定された処理順序の順番に従って所定の業務処理を実行する機能を備えている。
【0065】
このようにすると、処理手段生成格納部が有効に機能して業務の処理毎に前述した工程処理手段および単位処理手段を生成する必要性がなくなり、かかる点においてクライアント装置からみた応答の迅速化を図ることができて都合がよい。ここで、工程処理手段および単位処理手段の生成に関しては、サーバ装置202の起動時に生成しておいても、或いは個別の手段に対する最初の要求時に生成するように構成してもよい。
【0066】
更に、前述した工程処理手段25は、下位の工程処理手段25aおよび単位処理手段26の処理順序を保持すると共に、所定業務の処理に際しては前述した処理手段生成格納部27から当該業務処理に対応する下位の工程処理手段25aおよび単位処理手段26を取り出して当該処理順序の順番で処理を実行する機能を備えている。単位処理手段26の呼出しを行う場合、処理に必要なデータは工程データ保持手段24から取得し、処理結果を当該工程データ保持手段24に格納する処理を行う。その他の構成およびその動作は、前述した図1乃至図3に示す第1の実施形態の場合と同様である。
【0067】
次に、上記第2の実施形態の全体的な動作を、図5に基づいて説明する。この図5に示すフローチャートは、クライアント装置101から処理要求が出されてサーバ装置202で業務処理が実行されるまでの一連の流れを示す。
【0068】
この図5に示すフローチャートでは、下記の業務処理手順に従って業務処理が実行されるようになっている。
まず、クライアント装置101の処理要求手段101Aから送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置202の処理制御手段22が前記業務処理を実行するように構成されている。この場合、処理要求手段101Aからの処理要求にかかる業務を予め想定し、その業務処理の内容を処理種別に区分すると共に、当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序が特定されて前述した工程順序保持手段23に記憶されるようになっている。
【0069】
次に、前記処理要求手段101Aからの実際の処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段22が作動してその処理種別を判定する。そして、この判定された処理種別に対応する最適な工程処理手段25を予め別に装備された処理手段生成格納部27から処理制御手段22が取り出す。そして、この特定された工程処理手段25によって前記処理種別に対応する処理工程の処理順序が前記工程順序保持手段23から取り出され、前述した処理要求手段101Aからの処理要求が実行される。
【0070】
具体的には、図5に示すフローチャートにおいて上記内容の動作が実行される。この場合、前述した第1の実施形態におけるステップcに代えて以下に示すステップc2が実行される。即ち、処理制御手段22又は工程処理手段25(以後は「工程処理手段25a」と呼ぶ)は、処理順序に従って、後続する下位の工程処理手段25(以後は「工程処理手段25b」と呼ぶ。)又は単位処理手段26の各要素を処理手段格納手段27から取得する(ステップc2)。その他の動作は前述した第1の実施形態の場合(図3)と同一である。
【0071】
この第2の実施形態は、上記のように構成され機能するので、前述した第1の実施形態の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、大規模な業務処理システムの場合に、膨大な数になると想定される工程処理手段25及び単位処理手段26にたいして、これを処理手段格納部27でキャッシュしておき、処理要求のたびに毎回生成することを避けるように構成した。このため、業務処理実行時のクライアント装置100から見た応答時間を確実に短縮することができ、処理要求に対して迅速に業務処理を実行し得る応答性の高いサーバ装置202を得ることができる。
(第3の実施形態)
【0072】
次に、本発明の第3の実施形態を図6乃至図8に基づいて説明する。この第3の実施形態は、前述した図1に示す第1の実施形態の場合と同様に、処理要求手段101Aを備えたクライアント装置101と、このクライアント装置101にネットワークを介して連結されたサーバ装置203とを備えている。
【0073】
サーバ装置203は、前述した図1の場合と同等に構成され同等に機能する処理制御手段32,工程順序保持部33,固定データ保持手段34,工程処理手段35,単位処理手段36を備えている。このサーバ装置203には、特に前述した処理制御手段32に併設された状態で自動生成装置30が装備されている。
【0074】
この内、自動生成装置30は、前述した処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成する処理制御自動生成手段30Aを備えている。この処理制御自動生成手段30Aは、前述した処理制御手段用の業務プログラムであるソースコードを自動生成する
機能を備えている。この自動生成装置30には、更に、処理制御手段用の処理制御情報テンプレートAと処理制御手段用業務プログラムの設計情報である処理制御設計情報Bとが別に入力されるようになっている。図7に処理制御手段用の業務プログラムの一例を示す。又図8(A)に処理制御情報テンプレートAの一例を、図8(B)に処理制御設計情報Bの一例をそれぞれ示す。
【0075】
そして、前述した処理制御自動生成手段30Aは、これら処理制御手段用のテンプレートAと設計情報である処理制御設計情報Bとを合成して前述した処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成するようになっている。このようにすると、処理制御手段用のソースコードを自動生成し得るので、業務処理にかかる処理プログラムの開発にかかる工数を大幅に削減することができ、これにより処理プログラムの開発期間を大幅に短縮することができる。その他の構成および各構成手段の機能,動作は、前述した図1に示す第1の実施形態と同一となっている。
【0076】
このため、この実施例3の実施例形態では、前述した第1の実施形態の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、業務処理システムに予め処理制御手段テンプレートAを用意しておけば、処理制御手段32のソースコードをその設計情報である処理制御設計情報Bを記述することにより自動で生成することが可能なため、業務プログラムの開発にかかる開発者の工数を大幅に削減することができるという利点がある。
(第4実施形態)
【0077】
次に、本発明の第4の実施形態を図9乃至図13に基づいて説明する。この第4の実施形態にあっても、前述した図1に示す第1の実施形態の場合と同様に、処理要求手段101Aを備えたクライアント装置101と、このクライアント装置101に連結されたサーバ装置204とを備えている。
【0078】
この内、サーバ装置204は、前述した図1の場合と少なくとも同等に構成され同等に機能する処理制御手段42,工程順序保持部43,工程データ保持手段44,工程処理手段45,単位処理手段46を備え、更に共通工程保持手段47および共通処理データアダプタ手段49とを備えた構成となっている。
【0079】
ここで、処理制御手段42は、前述した処理要求手段101Aからの識別された所定業務にかかる処理要求に対して対応する工程の処理順序を工程順序処理手段43から取り込むと共に、その処理順序に基づいて下位の工程処理手段45a,新設された共通工程処理手段47および単位処理手段46を設定する処理手段設定機能を有し、この設定された各処理手段に基づいて当該処理順序の順番に処理を実行し当該実行結果を前述した処理要求手段101Aへ通報する実行処理機能を備えている。このため、前述した共通工程処理手段が後述するように有効に機能して処理種別が変わってもツリー状に構成された処理手順の処理過程では同一の工程処理手段又は単位処理手段を使用する段階も生じることから、この場合はこれらの処理手段を共用することが可能となり、これによって処理手順の単純化および処理工程の迅速化を図ることができる。
【0080】
ここで、前述した工程処理手段45については、下位の工程処理手段45a,共通工程処理手段47および単位処理手段46の処理順序を保持すると共に、前述した処理制御手段42からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備えている。これにより、所定業務に対する処理手順の単純化およびそれに伴う処理工程のより一層の迅速化を図ることができる。
【0081】
又、前述した共通工程処理手段47は、下位の工程処理手段45a,共通工程処理手段47aおよび単位処理手段26の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段42からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備え、且つ前記単位処理手段の呼び出しに際しては当該処理に必要なデータを予め装備された共通処理データアダプタ手段49から取り込むと共にその処理結果を当該共通処理データアダプタ手段49を介して前記処理データ保持手段44に格納する処理データ格納機能を備えている。
【0082】
ここで、共通処理データアダプタ手段49は、前述した共通工程処理手段47の単位に存在し前述した工程データ保持手段44に問い合わせを行って当該共通工程処理手段47の処理に必要なデータへのアクセスを行うようにに機能する。その他の構成手段の動作,機能は、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。
【0083】
このようにすると、工程処理手段の一部と特定の単位処理手段の如く処理種別が異なっても必要とするデータを共用することができ、更に処理種別が相違しても下位の工程処理手段とその単位処理手段とが共通する大きい処理単位のモジュールで共通する場合あることから、これを予め共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納(処理データ格納機能の実行)しておくことにより、単位処理手段よりも大きな処理の単位モジュールで再利用することが可能となる。
【0084】
次に、上記第4の実施形態における業務処理システムの動作例を図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント装置101の処理要求手段101Aは、処理の種類を識別してサーバ装置204と通信を行い、適切な処理制御手段42を呼び出す(ステップa)。呼び出された処理制御手段42は、処理要求手段101Aより受け渡されたデータやデータベースの永続的データ等を基にして処理種別を判定し、工程順序保持手段43に問い合わせを行い、工程の処理順序を取得する(ステップb)。
【0085】
続いて、処理制御手段42又は工程処理手段45(以降は「工程処理手段45a」と呼ぶ)又は共通工程処理手段47(以降は「共通工程処理手段47a」と呼ぶ。)は、処理順序に従って、後続する下位の工程処理手段25(以降は「工程処理手段25b」と呼ぶ)又は共通工程処理手段47(以降は「共通工程処理手段47b」と呼ぶ。)又は単位処理手段46の各要素を生成する(ステップc4)。
【0086】
そして、処理順序の順番に、図10のフローチャートのステップc4で生成した各要素に対して以下の処理が実行される。(1)要素が工程処理手段45bであった場合に、ステップc4に戻る。このとき、「工程処理手段45b」を「工程処理手段45a」と読み替えて処理を行う。又、(2)要素が共通工程処理手段45bであった場合に、ステップc4に戻る。このとき、「共通工程処理手段47b」を「共通工程処理手段47a」と読み替えて処理を行う。
【0087】
工程処理手段45aで且つ要素が単位処理手段46であった場合には以下の処理が実行される。まず、処理制御手段42又は工程処理手段45aは、単位処理手段46の業務処理を行うのに必要なデータを工程データ保持手段44から取得する(ステップdn )。次に、工程処理手段45aは、ステップdn で取り出したデータを必要に応じて加工して単位処理手段46を呼び出す(ステップen )。そして、単位処理手段46では、個別の業務処理を実行して、処理結果を工程処理手段46に返す(ステップfn )。ここで、処理制御手段42又は工程処理手段45aは、処理結果を必要に応じて加工して工程データ保持手段4に格納する(ステップgn )。
【0088】
共通工程処理手段47aで且つ要素が単位処理手段46であった場合には以下の処理が実行される。まず、共通工程処理手段47aは、単位処理手段46の業務処理を行うのに必要なデータを共通処理データアダプタ手段49に問い合わせて取得する(ステップdy
)。次に、工程処理手段47aは、ステップdy で取り出したデータを必要に応じて加工して単位処理手段6を呼び出す(ステップey )。そして、単位処理手段46では、個別の業務処理を実行して、処理結果を工程処理手段46に返す(ステップfy )。ここで、共通工程処理手段47aは、処理結果を必要に応じて加工して共通処理データアダプタ手段49を通して格納する(ステップgy )。 そして、前述した処理制御手段2は、最終的な処理結果をクライアント装置100上の処理要求手段101Aに返却する。
【0089】
次に、上述した第4の実施形態の利用可能な業務処理状況を図11乃至13に基づいて例示的に説明する。この図11乃至図13は、本第4の実施形態におけるサーバ装置204の利用可能な構成を示すブロック図を示す。
【0090】
図11と図12において、処理制御手段がXで共通であり、工程処理手段のA1以下が同じ構成になっている場合を想定する。この場合は、前述した第1の実施形態の構成を利用すれば、工程処理手段のA1や単位処理手段のC1やC2を処理種別に係わらず共通に利用することができる。
【0091】
図11と図13においては、処理制御手段2がXとYで異なっているが、工程処理手段のB2以下が同じ構成になっている。処理制御手段が異なると、工程データ保持手段が異なるため、前述した第1の実施形態(図1)の構成では、処理制御手段2がX用とY用で異なる工程処理手段5を作成しなければならない。これに対し、本第4の実施形態では、前述した第1の実施形態の構成を用いて、工程処理手段のB2を共通工程処理手段とし、同時に対応する共通処理データアダプタ手段49を用意することで、処理制御手段2のXとYで同一の業務プログラムとして工程処理手段を利用することができるようになる。
【0092】
このため、この第4の実施形態にあっては、前述した第1の実施形態の場合における単位処理手段6よりも大きな処理の単位のモジュールで、再利用することが可能になる。
【0093】
(その他の実施形態)
ここで、前述した各実施形態の基本的な動作に対応するコンピュータプログラムについて、以下その概略を説明する。
まず、上記各実施形態にあっては、クライアント装置101の処理要求手段101Aから送られて来る所定の業務処理に関する処理要求に対し、これに応答して当該処理要求を実行するサーバ装置201〜203又は204を備えている。本実施形態では、この各サーバ装置201〜203又は204が備えている業務処理用のコンピュータを、前述した処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定手段、特定された処理種別に対応して予め特定された工程の処理順序に従って前記処理要求を実行する処理制御手段、前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段、として機能させるようにした。
【0094】
ここで、前述した工程順序保持手段では、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を、その内容として備えてもよい。
【0095】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けされるので、従来の業務処理プログラムでは種々の粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、保守作業の影響範囲の予測を容易に成し得ることから保守作業の能率向上を期待することができる。
【0096】
又、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前述した処理要求を実行する機能、その実行結果を前述した処理要求手段に報告する処理結果報告機能、を前述したコンピュータに実現させるように構成してもよい。又、これとは別に、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動する機能、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成すると共にそうでない場合には単位処理手段を生成する処理手段生成機能、及び当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい。
【0097】
更に、前述した工程処理手段は、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成する機能、この生成された新たな下位の工程処理手段および単位処理手段による処理順序を保持し且つ業務処理の実行に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい。又、前述した処理制御手段により生成される下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持機能、およびこの工程処理手段は下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を予め別に設定された工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい。
【0098】
このように、上記各実施形態によると、例えば、所定業務にかかる情報処理に際し、処理種別という単位で大きく切り分けた構造の業務処理手順にすることにより、当該業務処理手順の構造を明確にし、又、種別や工程に依存しないものは、単位処理手段として切り出して異なる種別や工程間での共通利用等を図ることで、業務処理の迅速処理を可能とした従来ない優れた業務プログラムを提供することができる。
尚、上述した各手段および機能をコンピュータに実現させるプログラムについては、これと同等の動作を前述した各実施形態ではすでに実行していることは前述した通りである。
【0099】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等であっても本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明によれば、業務処理システムの背後にある分類体系が大規模で且つ複雑な場合に適用できる。例えば、証券業務においては、背後にある分類として、処理要求(注文、訂正、取消等)、取引のバリエーション、顧客の種類、取引所の違い、商品や銘柄の種類、規制等、多岐に渡る。社会的、企業的な膨大な分類体系の上に証券業務が構築されており、処理上の差異は、これら分類体系の網の目に不規則に出現することになる。このような場合に、業務制御手段2という単位でまとめると大雑把なものになり、管理単位としてあまり役に立たなくなる。その場合に、処理種別という概念を導入することにより、管理が容易になる、更に、業務システム全体の分類体系と業務プログラムの条件分岐構造を調整することにより、複雑な業務システムに全体的な統一性を与えることができる。
【0101】
又、機能集約性が高い業務プログラムに適用できる。背後に大規模な分類体系をもたなくても、単一の業務プログラムとして機能集約性が高い場合に、上位のレベルで大きく処理を切り分けることにより、機能仕様の追加、削除、変更等の業務プログラムの構造を管理し易いものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した実施形態における業務の処理体系の構成を示すツリー構造を示す説明図である。
【図3】図1に開示した実施形態における業務処理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】図4に開示した実施形態における業務処理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図7】図6に開示した実施形態にかかる自動生成装置に入力される処理制御情報テンプレートAおよび処理制御設計情報Bの一例を示す説明図である。
【図8】図6に開示した実施形態にかかる自動生成装置にかかる処理制御手段のソースコードの一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図10】図9に開示した実施形態における業務処理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】図9に開示した実施形態におけるサーバ装置の利用可能な状況の例を示す説明図である。
【図12】図11との対比において、図9に開示した実施形態におけるサーバ装置の利用可能な処理状況の例を示す説明図である。
【図13】図11との対比において、図9に開示した実施形態におけるサーバ装置の利用可能な他の処理状況の例を示す説明図である。
【図14】従来例を示すブロック図である。
【図15】図14の従来例における業務処理システムの処理体系(条件分岐構造)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
101A 処理要求手段
12,22,32,42 処理制御手段
13,23,33,43 工程順序保持手段
14,24,34,44 工程データ保持手段
15,15a,15b,25,35,45 工程処理手段
16,26,36,46 単位処理手段
27 処理手段格納部
38 処理制御自動生成手段
47,47a 共通工程処理手段
49 共通処理データアダプタ手段
101 クライアント装置
101A 処理要求手段
201,202,203,204 サーバ装置
300 自動生成装置
A 処理制御手段テンプレート
B 処理制御設計情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務処理システム、業務処理方法、および業務処理プログラムに係り、詳しくは、通信ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの業務処理の処理要求をサーバ装置が実行するに際して必要とする業務処理システム、業務処理方法、および業務処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務システムの寿命は、比較的長く、その期間中において、業務処理の仕様の追加、削除及び変更によってバージョンアップが行われており、検索機能やチェック機能の強化等による小規模な追加から新たな取引の発生や顧客の出現等による大規模な追加を要するものまで様々である。
業務システムのバージョンアップやメンテナンス等のシステム更新過程において、業務処理の処理種別や工程を規定しない従来の方針では、一つの業務プログラムの中に複数の異なる処理を追加することにより、その対応が行なわれていたため、システム更新作業の効率化の点で影響が出ていた。そのため、業務システムの構築やメンテナンスにおいては、メンテナンスの容易性や再利用性、仕様変更に対する柔軟性等に対して、システム開発技術の向上が望まれていた。
【0003】
この種の従来技術としては、特許文献1乃至2等に記載のものが知られている。まず、特許文献1に記載の公知例では、添付図面の図14(従来技術)における業務システムの全体構成(ブロック図)に示すように、処理要求手段100Aを備えたクライアント装置100と、処理制御手段200A(特許文献1では「単一業務部14」)と単位処理手段200B(特許文献1では「処理部品15」)とを備えたサーバ装置200(特許文献1では「業務基本部8」)とを備えたものが開示されている。そして、クライアント装置100上の処理要求手段100Aから特定の処理制御手段200Aの呼び出しを行うと、サーバ装置200上の処理制御手段200Aは、下位の処理制御手段や単位処理手段の呼び出しを行い、単位処理手段(単位業務処理)は、更に下位の単位業務処理の呼び出しを行って、当該業務処理を実行することにより、処理制御手段200Aや単位処理手段200Bの追加/削除に対して柔軟性があり、容易に仕様変更を行うことができる構成になっている。
【0004】
次に、特許文献2に記載の業務処理管理システムにかかる公知例では、クライアントに通信ネットワークを介してサーバを接続し、サーバには業務プロセス定義部が接続され、業務プロセス定義部はオプション処理マスタを備えており、このオプション処理マスタには、どのようなデマンド種やサプライ種が、どう操作されたときに、どのタイミングで、どのオプション処理を実行するかを定義することによって、業務プロセスの変更に対して、機敏に変更することができる構成になっている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−073334号公報(第1−27頁)
【特許文献2】特開2003−196442号公報(第1−29頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1においては、条件分岐を伴う新たな種類の処理が追加になった場合には、図14に示したように従来の業務システムにおいて、新たな処理制御手段200Aや単位処理手段200Bを追加することに相当し、これらの処理制御手段200Aや単位処理手段200Bは、入れ子のツリー構造に構成されているため、様々な箇所で条件分岐を伴った業務プログラムの修正を行なうことになり、プログラム全体としての処理構造が把握し難くなり、保守作業に手間がかかるものとなっていた。また、このことによって、変更やテストに要するコストの増加を招き、結果としてバージョンアップした業務プログラムのリリースが遅れるという不都合が発生していた。
【0007】
即ち、業務システムのような複雑な処理の分類体系が背後にあるシステムにおいては、ツリー構造を取り入れた構造化の手法のみでは、業務プログラムの修正を行って保守していくことに手間がかかり、新たな処理制御手段や単位処理手段の増加に繋がり、条件分岐の多発を誘引し、図15の従来技術(業務システムの処理体系の構成を示すツリー構造図)に示すように、ツリー構造の全体にまで条件分岐が及ぶことになり、このことが、業務プログラム全体を制御することを手間がかかるものとしていた。
又、特許文献2では、オプション処理マスタが対応可能な業務プロセスの変更には、業務プログラムの論理判定結果に基づいて複数の処理を選択して行なう場合等の仕様変更の対応が含まれていないことから、複雑な仕様変更の対応が困難なものとなっていた。
【0008】
本発明は、かかる従来例における不都合を改善し、特に、クライアント装置からの処理要求に対しては予め処理種別を判定し、この処理種別毎に先立って異なる工程の処理順序を予め設定しておき、当該判定と共に特定される処理種別に対応する処理順序を迅速に選択し当該処理順序に基づいて工程処理を実行するようにし、これによって、保守性や再利用性を高め得る業務処理システム、業務処理方法、および業務処理プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる業務処理システムでは、クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置が前記業務処理を実行するように構成された業務処理システムにおいて、前述したサーバ装置が、前述した処理要求手段からの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程(処理順序)に従って前記処理要求を実行する処理制御手段と、前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段とを有することを特徴としている(請求項1乃至15)。
【0010】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けるようにしたので、従来の業務システムでは種々の粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、これがため、保守作業がやりやすくなり、保守作業の影響範囲の予測を容易に成し得ることから保守に際しての作業能率を著しく向上させることができる。
【0011】
ここで、前述した工程順序保持手段は、所定の業務処理を必要とする情報に対して、例えば、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を備えている、としてもよい(請求項2)。このようにすると、処理種別の項目が具体化され、その体系が明確となり、保守性を高め得るという利点がある。
【0012】
又、前述した処理制御手段は、前述した工程順序保持手段から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前述した処理要求を実行すると共に、その実行結果を前述した処理要求手段に報告する処理結果報告機能を備えた構成としてもよい(請求項3)。これにより、大きく切り分けられた処理種別に対応して処理工程を円滑に且つ迅速に実行し得ることとなる。
【0013】
更に前述した処理制御手段は、前述した工程順序保持手段から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて作動すると共に、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成し、そうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成機能を備え、当該各処理手段を介して前述した所定の業務処理を実行するように構成してもよい(請求項4)。これにより、種々の処理種別に対応してその処理結果を特定することができ、その結果を保持しやすいことなり、後発する作業に対して予め共通な処理工程を再利用し得る点で都合がよい。
【0014】
又、前述した工程処理手段は、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項5)。これにより、保守性および再利用性をより一層高めることが可能となる。
【0015】
前述した処理制御手段には、前述した下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持手段を併設し、更に前述した工程処理手段は、下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前述した工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えたものとしてもよい(請求項6)。これにより、処理結果が確実に工程データ保持手段に格納され蓄積されるので、その利用価値が大きくなり保守作業の汎用化を進めることができて都合がよい。
【0016】
ここで、前述した単位処理手段は、前述した処理制御手段又は工程処理手段からの指令に応じて作動し特定の業務に依存しない業務処理を実行する機能を備えると共に、その処理結果を前述した処理制御手段又は工程処理手段へ返す処理結果返却機能を備えた構成とし、同時に前述した処理制御手段又は工程処理手段は、この単位処理手段における処理結果を必要に応じて加工し前述した工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えた構成としてもよい(請求項7)。これにより、特定の業務に依存しない単位処理手段の存在によりその結果の共通利用度が更に高められて都合がよい。
【0017】
又、前述した処理制御手段は、前述した単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えた構成としてもよい(請求項8)。これにより、単位処理手段により処理の迅速化および共通利用度を更に高めることができて都合がよい。
【0018】
前述した工程処理手段は、前記単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えたものとしてもよい(請求項9)。このようにすると、処理制御手段からの直接に指令によることなく業務処理を推進することが可能となり、効率良く業務処理を実行することができる。
【0019】
ここで、前述した工程順序保持手段については、予め特定された工程の処理順序が、前記処理種別の単位で区分けされた分類に対応して、その下位の工程処理では例えば基本的なライフサイクル「入力チェック、クエリ、整形、更新、等」が当該ライフサイクルのそれぞれの段階の工程にマッピングするようにツリー状に区分けされて格納され保持されているようにしてもよい(請求項10)。このようにすることにより、保守範囲の明朗化が成り、保守手順の確立が単純化され作業範囲や作業期間等の算定が容易となり、かかる点において保守性を著しく高めるこができる。
【0020】
更に、前述したサーバ装置が所定業務の処理に際しては前記工程処理手段および前記単位処理手段を予め生成し保持する処理手段生成格納部を備え、当該サーバ装置の前述した処理制御手段は、所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する工程処理手段を取り出して予め設定された処理順序の順番に従って所定の業務処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項11)。このようにすると、処理手段生成格納部が有効に機能して業務の処理毎に前述した工程処理手段および単位処理手段を生成する必要性がなくなり、かかる点においてクライアント装置からみた応答の迅速化を図ることができて都合がよい。ここで、前述した工程処理手段が、下位の工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する下位の工程処理手段および単位処理手段を取り出して当該処理順序の順番で処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項12)。
【0021】
又、前述したサーバ装置に、前述した処理手段生成格納部に代えて、所定業務の処理に際しては前述した処理制御手段用の業務プログラムのソースコードを自動生成する処理制御自動生成装置を併設した構成としてもよい(請求項13)。この場合、処理制御自動生成装置は、前記処理制御手段用のテンプレートAと前記処理制御手段用業務プログラムの設計情報である処理制御設計情報Bとが入力されると作動しこれらを合成して前記処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成するソースコード自動生成手段を備えた構成としてもよい(請求項14)。このようにすると、処理制御手段用のソースコードを自動生成し得るので、業務処理にかかる処理プログラムの開発にかかる工数を大幅に削減することができ、これにより処理プログラムの開発期間を大幅に短縮し得るという利点がある。
【0022】
更に、前述したサーバ装置の処理制御手段は、前記処理要求手段からの識別された所定業務にかかる処理要求に対して対応する工程の処理順序を工程順序保持手段から取り込むと共に、その処理順序に基づいて下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を設定する処理手段設定機能を有し、この設定された各処理手段に基づいて当該処理順序の順番に処理を実行し当該実行結果を前述した処理要求手段へ通報する実行処理機能を備えた構成としてもよい(請求項15)。これによると、前述した共通工程処理手段が有効に機能して処理種別が変わってもツリー状に構成された処理手順の処理過程では同一の工程処理手段又は単位処理手段を使用する段階も生じることから、この場合はこれらの処理手段を共用することが可能となり、これによって処理手順の単純化および処理工程の迅速化を図ることができる。
【0023】
ここで、前述した工程処理手段については、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前述した処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備えた構成としてもよい(請求項16)。このようにしても、所定業務に対する処理手順の単純化およびそれに伴う処理工程の迅速化を図ることができる。
【0024】
更に、前述した工程処理手段は、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備え、且つ前記単位処理手段の呼び出しに際しては当該処理に必要なデータを予め装備された共通処理データアダプタ手段から取り込むと共にその処理結果を当該共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納する処理データ格納機能を備えた構成としてもよい(請求項17)。
【0025】
このようにすると、工程処理手段の一部と特定の単位処理手段の如く処理種別が異なっても必要とするデータを共用することができ、更に処理種別が相違しても下位の工程処理手段とその単位処理手段とが共通する大きい処理単位のモジュールで共通する場合あることから、これを予め共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納(処理データ格納機能の実行)しておくことにより、単位処理手段よりも大きな処理の単位モジュールで再利用することが可能となる。
【0026】
本発明にかかる業務処理方法では、クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置の処理制御手段が前記業務処理を実行するように構成され、特に、前述した処理要求手段からの処理要求にかかる業務を予め想定しその業務処理の内容を処理種別に区分すると共に当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序を特定して工程順序保持手段に記憶する処理種別特定工程と、この処理要求手段からの処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段が作動してその処理業務の内容を分析しその処理種別を判定する処理種別判定工程と、この判定された処理種別に対応する前述した各工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り出して前述した処理要求手段からの処理要求を実行する処理要求実行工程とを備えている(請求項18乃至23)。ここで、前述した工程順序保持手段には、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とが予め区分けして保持されているようにしてもよい(請求項19)。
【0027】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けるようにしたので、従来の業務処理方法では種々の粒度の処理制御手段や単位処理工程が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、保守作業の影響範囲の予測し得ることから保守に際しての作業能率を著しく向上させることができる。
【0028】
ここで、前述した処理制御手段による処理要求実行工程では、前記処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得工程と、この取得した処理順序に基づいて工程処理手段を生成する処理手段生成工程と、この生成された工程処理手段により前記処理要求を実行するように構成してもよい(請求項20)。これにより、大きく切り分けられた処理種別に対応して処理工程を円滑に実行し得ることとなる。
【0029】
又、前述した処理制御手段による処理要求実行工程では、処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理であるか否かを判断する業務判断ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成しそうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成ステップとを備え、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行ステップとを備えた構成としてもよい(請求項21)。このようにすると、種々の処理種別に対応してその処理結果を特定し保持しやすいことから、後発する処理作業に対して共通な処理工程を迅速に共用し得る点で都合がよい。
【0030】
ここで、前述した処理制御手段による処理要求実行工程では、生成された工程処理手段が、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行するステップを備えた構成としてもよい(請求項22)。又、前述した処理制御手段に前述した下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換するデータを保持する工程データ保持手段を併設し、前述した処理要求実行工程では、前記工程処理手段が下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前述した工程データ保持手段に格納する処理結果格納するステップを備えた構成としてもよい(請求項23)。
【0031】
本発明にかかる業務処理プログラムでは、クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求に対し、これに応答して当該処理要求を実行するサーバ装置とを備え、このサーバ装置が備えているコンピュータを、前述した処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定手段として、特定された処理種別に対応して予め特定された工程の処理順序に従って前記処理要求を実行する処理制御手段として、前述した処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段として、機能させるように構成した(請求項25乃至30)。ここで、前述した工程順序保持手段では、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を、その内容として備えてもよい(請求項26)。
【0032】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けされるので、従来の業務処理プログラムでは種々の粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、保守作業の影響範囲の予測を容易に成し得ることから保守作業の能率向上を期待することができる。
【0033】
ここで、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前述した処理要求を実行する機能、その実行結果を前述した処理要求手段に報告する処理結果報告機能、を前述したコンピュータに実現させるように構成してもよい(請求項27)。又、これとは別に、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動する機能、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成すると共にそうでない場合には単位処理手段を生成する処理手段生成機能、及び当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい(請求項28)。
【0034】
更に、前述した工程処理手段は、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成する機能、この生成された新たな下位の工程処理手段および単位処理手段による処理順序を保持し且つ業務処理の実行に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい(請求項29)。又、前述した処理制御手段により生成される下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持機能、およびこの工程処理手段は下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を予め別に設定された工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい(請求項30)。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明によれば、所定業務にかかる情報処理に際し、処理種別という単位で大きく切り分けた構造の業務処理手順にすることにより、当該業務処理手順の構造を明確にし、又、種別や工程に依存しないものは、単位処理手段として切り出して異なる種別や工程間での共通利用を図ることで、保守性および業務処理の迅速処理を可能とした従来ない優れた業務処理システム、業務処理方法、及び業務プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0037】
図1乃至図3に第1の実施形態を示す。この図1乃至図3に示す第1の実施形態にかかる業務処理システムでは、クライアント装置101の処理要求手段101Aから送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置201が前述した業務処理を実行するように構成されている。このサーバ装置201は、前述した処理要求手段101Aからの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程(処理順序)に従って前述した処理要求を実行する処理制御手段12と、処理要求手段101Aからの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に処理制御手段12から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段13とを備えている。
【0038】
前述した工程順序保持手段13は、所定の業務処理を必要とする情報に対して、例えば、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を備えている。これにより、処理種別の項目が具体化され、その体系が明確となり、後述するように保守性及び部分的な処理についてはその共通利用および処理の迅速化が可能となっている。又、前述した処理制御手段12は、前述した工程順序保持手段13から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて工程処理手段15を生成し前述した処理要求を実行すると共に、その実行結果を前述した処理要求手段101Aに報告する処理結果報告機能を備えている。
【0039】
更に、前述した処理制御手段12は、前述した工程順序保持手段13から取り込んだ(取得した)工程の処理順序に基づいて作動すると共に、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段15を生成し、そうでない場合には単位処理手段16の各要素を生成する処理手段生成機能を備え、当該各処理手段15,16によって前述した所定の業務処理を実行するように構成されている、ここで、工程処理手段15は、前述した処理制御手段12によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段15aおよび単位処理手段16aを生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能を備えている。
【0040】
前述した処理制御手段12には、前述した下位の工程処理手段15aを含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持手段14を併設し、更に前述した工程処理手段15は、下位の工程処理手段15aおよび単位処理手段16,16aで実行された処理の結果を前述した工程データ保持手段14に格納する処理結果格納機能を備えている。
【0041】
ここで、前述した単位処理手段16,16aは、前述した処理制御手段12又は工程処理手段15からの指令に応じて作動し特定の業務に依存しない業務処理を実行する機能を備えると共に、その処理結果を前述した処理制御手段12又は工程処理手段15へ返す処理結果返却機能を備えている。同時に、前述した処理制御手段12又は工程処理手段15は、この単位処理手段16,16aにおける処理結果を必要に応じて加工し前述した工程データ保持手段14に格納する処理結果格納機能を備えている。
【0042】
又、前述した処理制御手段は、前述した単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えている。更に、前述した工程処理手段15は、単位処理手段16による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段14から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えている。
【0043】
ここで、前述した工程順序保持手段14については、予め特定された工程の処理順序が、前述した処理種別の単位で区分けされた分類に対応して、その下位の工程処理では例えば基本的なライフサイクル「入力チェック、クエリ、整形、更新、等」が当該ライフサイクルのそれぞれの段階の工程にマッピングするようにツリー状に区分けされて格納され保持されている。このようにすることにより、保守範囲の明朗化が成り、保守手順の確立が単純化され作業範囲や作業期間等の算定が容易となり、かかる点において保守性を著しく高めるこができる。
【0044】
以下、これを更に詳述する。本実施形態における業務処理システムの全体構成を図1に示す。この図1に示す業務処理システムは、前述したように、クライアント装置101と、このクライアント装置101に通信ネットワークを介して又は直接的に接続されるサーバ装置201とを備えている。クライアント装置101は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置から成り、処理要求手段101Aを備えている。又、サーバ装置201は、前述したように処理制御手段12、工程順序選択手段13、工程データ保持手段14、工程処理手段15、および単位処理手段16を備えている。
【0045】
前述した処理要求手段101Aは、サーバ装置201に要求する所定業務の種類を予め識別し、該当する処理制御手段12の呼び出しを行う機能を備えている。処理制御手段12は、処理種別を判定して工程順序保持手段13に対して工程の処理順序を問い合わせると共に、取得した工程の処理順序に基づいて、後続する下位の工程処理手段15又は単位処理手段16を生成して処理順序の順番に処理を実行して、実行結果を処理要求手段101Aに返却処理する機能を備えている。
【0046】
前述した工程順序保持手段13は、処理種別とこれに対応する種別毎の処理工程の処理順序を保持する機能を備えている。又、工程データ保持手段14は、処理制御手段12の単位に存在し、異なる工程処理手段15の間で交換するデータを保持し、当該データへの外部からのアクセスを許容するように構成されている。
【0047】
前述した工程処理手段15は、下位の工程処理手段15a、単位処理手段16の処理順序を保持し、該当する工程処理手段15a、単位処理手段16を生成すると共に、処理順序の順番で処理を実行する。この工程処理手段15は、具体的には、入れ子のツリー構造をもっており構造の細分化が可能となっている。異なる工程処理手段15の相互間で利用されるデータは工程データ保持手段14を通じて交換するように機能する。この場合、工程処理手段15の細分化の過程において、種別や工程に依存しないものは単位処理手段16として切り出すと共に、これを異なる処理種目や処理制御手段12の間で共通に利用できるようにして再利用性を高めている。
【0048】
又、この工程処理手段15は、単位処理手段16の呼び出しを行う場合に、処理に必要なデータを工程データ保持手段14から取得し、処理結果を工程データ保持手段14に格納する処理を行う機能を備えている。単位処理手段16は、特定の業務に依存しない業務処理を実行する。すなわち、工程データ保持手段14への直接のアクセスを行わない。特定の業務に依存しないため、前述したように、異なる処理制御手段12においても共通に同じ単位処理手段16を利用することが可能になる。
【0049】
ここで、上記第1の実施形態では、所定の(何らかの)業務情報の処理に際しては、その情報を、登録,取消,訂正,検索、の如く区分けして業務処理を考えたとき、基本的なライフサイクルを「入力チェック、クエリ、整形、更新、」として、ライフサイクルのそれぞれの段階を工程にマッピングするようにした。
【0050】
この場合、処理の種別によって工程の作業は異なる。例えば、検索処理と取消処理の如き異なる処理要求の場合、工程や工程の処理順序も異なる。しかしながら、訂正処理と取消処理の場合はその工程はある程度同じになるが、その内容は異なる。かかる場合を想定して、本実施形態では、図2に示すように、機能を各処理種別(図2では、検索、訂正、取消)毎に分類して、より小さなツリー構造に切り分けることにより業務処理システム全体の見通しをよくし、これによって、従来生じていた条件分岐がツリー全体におよぶ現象やツリー全体の制御が困難になる現象を緩和することが可能となっている。
【0051】
例えば、検索処理,訂正処理,取消処理を含む業務プログラムにおいては、まず、検索処理と訂正処理,取消処理は、工程が全く異なるため処理種別を分ける。更に、訂正処理と取消処理もデータの更新を行うという観点では共通しているが、個々の機能や処理は異なっているため、違う処理種別とする。又、工程に適切な名前を付与して管理することによって文脈が明確になり、各工程にグルーピング規則を設けて責務の一貫性を保持することができる。
【0052】
次に、上記第1の実施形態における業務処理システムの動作を説明する。ここで、上述した業務処理システムは、以下に示す処理方法に沿って、その動作が実行されるようになっている。
まず最初に、前述した工程順序保持手段13では、クライアント装置101の処理要求手段101Aからの処理要求にかかる業務を予め想定してその業務処理の内容を処理種別に区分し、当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序が特定されて記憶されている。そして、前述した処理要求手段101Aからの処理要求に際しては直ちに処理制御手段12が作動してその処理業務の内容を分析しその処理種別を判定する。そして、この判定された処理種別に対応する前述した各工程の処理順序を前述した工程順序保持手段13から取り出して、前述した処理要求手段101Aからの処理要求を実行する。ここで、前述した工程順序保持手段13には、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とが予め区分けして保持されている。
【0053】
処理制御手段12による処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を工程順序保持手段13から取り込こみ、この取得した処理順序に基づいて工程処理手段15を生成し、この生成された工程処理手段15により前述した処理要求が実行される。
【0054】
ここで、前述した処理制御手段12による処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を工程順序保持手段13から取り込こむ処理順序取得ステップと、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理であるか否かを判断する業務判断ステップと、当該業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段15を生成し,そうでない場合には単位処理手段16の各要素を生成する処理手段生成ステップとを備え、当該各処理手段15,16によって所定の業務処理を実行する業務処理実行ステップとが設定されている。
【0055】
更に、処理制御手段12による処理要求実行工程では、生成された工程処理手段15が、処理制御手段12によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段15および単位処理手段16を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行するステップを備えている。更に、処理制御手段12には、前述した下位の工程処理手段15aを含む複数の異なる工程処理手段15a,15bの相互間で交換するデータを保持する工程データ保持手段が併設され、前述した処理要求実行工程では、工程処理手段15が下位の工程処理手段15aおよび単位処理手段16で実行された処理の結果を工程データ保持手段14に格納する処理結果格納するステップを備えている。
【0056】
図3に、上述した動作内容の具体的一例を説明する。この図3に示すように、クライアント装置101の処理要求手段101Aは、入力を受け付けた処理種別をサーバ装置201に送信し、サーバ装置201は、クライアント装置101からの処理種別を受け付けて、該当する処理制御手段12を呼び出す(ステップa)。この呼び出された処理制御手段12は、処理要求手段101Aからのデータやデータベースの永続的データ等に基づいて処理種別を判定し、工程順序保持手段13が保持する工程の処理順序を取得する(ステップb)。
【0057】
処理種別に対する処理順序が特定されると、前述した処理制御手段12又は工程処理手段15(以降は「工程処理手段25a」と呼ぶ)は、下位の工程処理手段15(以降は「工程処理手段15b」と呼ぶ)又は単位処理手段16の各要素を生成する(ステップc)。そして、この処理順序の順番に、ステップcで生成した各要素に対して以下の処理を行う。即ち、生成した要素が工程処理手段15bの場合はステップcに戻る。このとき、「工程処理手段15b」を「工程処理手段15a」と読み替えて処理を行う。
【0058】
これに対し、生成した要素が単位処理手段16の場合は、以下の処理を行う。即ち、処理制御手段12又は工程処理手段15aは、単位処理手段16の業務処理を行うのに必要なデータを工程データ保持手段14から取得する(ステップd)。
【0059】
次に、工程処理手段15aは、ステップdで取得したデータを必要に応じて加工して単位処理手段16を呼び出す(ステップe)。又、呼び出された単位処理手段16は、個別の業務処理を実行して、処理結果を工程処理手段15に受け渡す(ステップf)。続いて、処理制御手段12又は工程処理手段15aは、処理結果を必要に応じて加工して工程データ保持手段14に格納する(ステップg)。そして、処理制御手段12は、最終的な処理結果をクライアント装置101上の処理要求手段101Aに受け渡す。
【0060】
このように、この第1の実施形態では、上述したように構成され機能するので、以下の如き効果を奏する。
【0061】
(1)従来の業務システムでは、様々な粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、上記実施形態では最初に処理種別という単位で大きく切り分けることにより、業務プログラムの構造を明確にすることができ、保守作業を行う上で、その影響範囲を容易に予測することができる。
(2)業務処理の大きな条件分岐は、殆どが業務システム上の分類体系の差異として現れるため、全ての業務プログラムに処理種別の概念を導入することにより、業務システムの処理に影響する背後の分類体系を明確にすることができ、業務システムとしての分類体系と業務プログラムのそれぞれの工程処理手段15や単位処理手段16の構成の妥当性を図る基準にすることもできる。
(3)処理や機能がその分類体系と関係し、それがどの業務プログラムに依存しているかにより保守対象のモジュールを絞り込み、更にそれがどの処理種別に影響し、また関連する工程処理手段15や単位処理手段16が何であるかを明確にすることにより、処理や機能の追加、変更、削除等の保守手順を確立し、その作業範囲とコスト・期間を明確に算出することができる。
(4)処理種別の概念を導入したので、文脈が明確になり、工程処理手段15や単位処理手段16における個々の動作を容易に予測して、デバッグの能率を上げることができる。
(5)特定の業務に依存する処理を工程処理手段25として実装し、特定の業務に依存しない処理を単位処理手段16として実装することにより、再利用できる単位を単位処理手段16として明確に区別することができる。
(第2の実施形態)
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態を図4乃至図5に基づいて説明する。この第2の実施形態にあっても、前述した図1に示す第1の実施形態の場合と同様に、処理要求手段101Aを備えたクライアント装置101と、このクライアント装置101に連結されたサーバ装置202とを備えている。
【0063】
この内、サーバ装置202は、前述した図1の場合と同等に構成され同等に機能する処理制御手段22,工程順序保持手段23,固定データ保持手段24,工程処理手段25,単位処理手段26を備え、更に処理手段生成格納部27を装備している。
【0064】
ここで、サーバ装置202が備えている処理手段生成格納部27は、所定業務の処理に際して、前述した工程処理手段25および単位処理手段26を予め生成し保持する機能を備えている。又、前述した処理制御手段22は、所定業務の処理に際しては前述した処理手段生成格納部27から当該業務処理に対応する工程処理手段25を取り出して予め設定された処理順序の順番に従って所定の業務処理を実行する機能を備えている。
【0065】
このようにすると、処理手段生成格納部が有効に機能して業務の処理毎に前述した工程処理手段および単位処理手段を生成する必要性がなくなり、かかる点においてクライアント装置からみた応答の迅速化を図ることができて都合がよい。ここで、工程処理手段および単位処理手段の生成に関しては、サーバ装置202の起動時に生成しておいても、或いは個別の手段に対する最初の要求時に生成するように構成してもよい。
【0066】
更に、前述した工程処理手段25は、下位の工程処理手段25aおよび単位処理手段26の処理順序を保持すると共に、所定業務の処理に際しては前述した処理手段生成格納部27から当該業務処理に対応する下位の工程処理手段25aおよび単位処理手段26を取り出して当該処理順序の順番で処理を実行する機能を備えている。単位処理手段26の呼出しを行う場合、処理に必要なデータは工程データ保持手段24から取得し、処理結果を当該工程データ保持手段24に格納する処理を行う。その他の構成およびその動作は、前述した図1乃至図3に示す第1の実施形態の場合と同様である。
【0067】
次に、上記第2の実施形態の全体的な動作を、図5に基づいて説明する。この図5に示すフローチャートは、クライアント装置101から処理要求が出されてサーバ装置202で業務処理が実行されるまでの一連の流れを示す。
【0068】
この図5に示すフローチャートでは、下記の業務処理手順に従って業務処理が実行されるようになっている。
まず、クライアント装置101の処理要求手段101Aから送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置202の処理制御手段22が前記業務処理を実行するように構成されている。この場合、処理要求手段101Aからの処理要求にかかる業務を予め想定し、その業務処理の内容を処理種別に区分すると共に、当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序が特定されて前述した工程順序保持手段23に記憶されるようになっている。
【0069】
次に、前記処理要求手段101Aからの実際の処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段22が作動してその処理種別を判定する。そして、この判定された処理種別に対応する最適な工程処理手段25を予め別に装備された処理手段生成格納部27から処理制御手段22が取り出す。そして、この特定された工程処理手段25によって前記処理種別に対応する処理工程の処理順序が前記工程順序保持手段23から取り出され、前述した処理要求手段101Aからの処理要求が実行される。
【0070】
具体的には、図5に示すフローチャートにおいて上記内容の動作が実行される。この場合、前述した第1の実施形態におけるステップcに代えて以下に示すステップc2が実行される。即ち、処理制御手段22又は工程処理手段25(以後は「工程処理手段25a」と呼ぶ)は、処理順序に従って、後続する下位の工程処理手段25(以後は「工程処理手段25b」と呼ぶ。)又は単位処理手段26の各要素を処理手段格納手段27から取得する(ステップc2)。その他の動作は前述した第1の実施形態の場合(図3)と同一である。
【0071】
この第2の実施形態は、上記のように構成され機能するので、前述した第1の実施形態の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、大規模な業務処理システムの場合に、膨大な数になると想定される工程処理手段25及び単位処理手段26にたいして、これを処理手段格納部27でキャッシュしておき、処理要求のたびに毎回生成することを避けるように構成した。このため、業務処理実行時のクライアント装置100から見た応答時間を確実に短縮することができ、処理要求に対して迅速に業務処理を実行し得る応答性の高いサーバ装置202を得ることができる。
(第3の実施形態)
【0072】
次に、本発明の第3の実施形態を図6乃至図8に基づいて説明する。この第3の実施形態は、前述した図1に示す第1の実施形態の場合と同様に、処理要求手段101Aを備えたクライアント装置101と、このクライアント装置101にネットワークを介して連結されたサーバ装置203とを備えている。
【0073】
サーバ装置203は、前述した図1の場合と同等に構成され同等に機能する処理制御手段32,工程順序保持部33,固定データ保持手段34,工程処理手段35,単位処理手段36を備えている。このサーバ装置203には、特に前述した処理制御手段32に併設された状態で自動生成装置30が装備されている。
【0074】
この内、自動生成装置30は、前述した処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成する処理制御自動生成手段30Aを備えている。この処理制御自動生成手段30Aは、前述した処理制御手段用の業務プログラムであるソースコードを自動生成する
機能を備えている。この自動生成装置30には、更に、処理制御手段用の処理制御情報テンプレートAと処理制御手段用業務プログラムの設計情報である処理制御設計情報Bとが別に入力されるようになっている。図7に処理制御手段用の業務プログラムの一例を示す。又図8(A)に処理制御情報テンプレートAの一例を、図8(B)に処理制御設計情報Bの一例をそれぞれ示す。
【0075】
そして、前述した処理制御自動生成手段30Aは、これら処理制御手段用のテンプレートAと設計情報である処理制御設計情報Bとを合成して前述した処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成するようになっている。このようにすると、処理制御手段用のソースコードを自動生成し得るので、業務処理にかかる処理プログラムの開発にかかる工数を大幅に削減することができ、これにより処理プログラムの開発期間を大幅に短縮することができる。その他の構成および各構成手段の機能,動作は、前述した図1に示す第1の実施形態と同一となっている。
【0076】
このため、この実施例3の実施例形態では、前述した第1の実施形態の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、業務処理システムに予め処理制御手段テンプレートAを用意しておけば、処理制御手段32のソースコードをその設計情報である処理制御設計情報Bを記述することにより自動で生成することが可能なため、業務プログラムの開発にかかる開発者の工数を大幅に削減することができるという利点がある。
(第4実施形態)
【0077】
次に、本発明の第4の実施形態を図9乃至図13に基づいて説明する。この第4の実施形態にあっても、前述した図1に示す第1の実施形態の場合と同様に、処理要求手段101Aを備えたクライアント装置101と、このクライアント装置101に連結されたサーバ装置204とを備えている。
【0078】
この内、サーバ装置204は、前述した図1の場合と少なくとも同等に構成され同等に機能する処理制御手段42,工程順序保持部43,工程データ保持手段44,工程処理手段45,単位処理手段46を備え、更に共通工程保持手段47および共通処理データアダプタ手段49とを備えた構成となっている。
【0079】
ここで、処理制御手段42は、前述した処理要求手段101Aからの識別された所定業務にかかる処理要求に対して対応する工程の処理順序を工程順序処理手段43から取り込むと共に、その処理順序に基づいて下位の工程処理手段45a,新設された共通工程処理手段47および単位処理手段46を設定する処理手段設定機能を有し、この設定された各処理手段に基づいて当該処理順序の順番に処理を実行し当該実行結果を前述した処理要求手段101Aへ通報する実行処理機能を備えている。このため、前述した共通工程処理手段が後述するように有効に機能して処理種別が変わってもツリー状に構成された処理手順の処理過程では同一の工程処理手段又は単位処理手段を使用する段階も生じることから、この場合はこれらの処理手段を共用することが可能となり、これによって処理手順の単純化および処理工程の迅速化を図ることができる。
【0080】
ここで、前述した工程処理手段45については、下位の工程処理手段45a,共通工程処理手段47および単位処理手段46の処理順序を保持すると共に、前述した処理制御手段42からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備えている。これにより、所定業務に対する処理手順の単純化およびそれに伴う処理工程のより一層の迅速化を図ることができる。
【0081】
又、前述した共通工程処理手段47は、下位の工程処理手段45a,共通工程処理手段47aおよび単位処理手段26の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段42からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備え、且つ前記単位処理手段の呼び出しに際しては当該処理に必要なデータを予め装備された共通処理データアダプタ手段49から取り込むと共にその処理結果を当該共通処理データアダプタ手段49を介して前記処理データ保持手段44に格納する処理データ格納機能を備えている。
【0082】
ここで、共通処理データアダプタ手段49は、前述した共通工程処理手段47の単位に存在し前述した工程データ保持手段44に問い合わせを行って当該共通工程処理手段47の処理に必要なデータへのアクセスを行うようにに機能する。その他の構成手段の動作,機能は、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。
【0083】
このようにすると、工程処理手段の一部と特定の単位処理手段の如く処理種別が異なっても必要とするデータを共用することができ、更に処理種別が相違しても下位の工程処理手段とその単位処理手段とが共通する大きい処理単位のモジュールで共通する場合あることから、これを予め共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納(処理データ格納機能の実行)しておくことにより、単位処理手段よりも大きな処理の単位モジュールで再利用することが可能となる。
【0084】
次に、上記第4の実施形態における業務処理システムの動作例を図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、クライアント装置101の処理要求手段101Aは、処理の種類を識別してサーバ装置204と通信を行い、適切な処理制御手段42を呼び出す(ステップa)。呼び出された処理制御手段42は、処理要求手段101Aより受け渡されたデータやデータベースの永続的データ等を基にして処理種別を判定し、工程順序保持手段43に問い合わせを行い、工程の処理順序を取得する(ステップb)。
【0085】
続いて、処理制御手段42又は工程処理手段45(以降は「工程処理手段45a」と呼ぶ)又は共通工程処理手段47(以降は「共通工程処理手段47a」と呼ぶ。)は、処理順序に従って、後続する下位の工程処理手段25(以降は「工程処理手段25b」と呼ぶ)又は共通工程処理手段47(以降は「共通工程処理手段47b」と呼ぶ。)又は単位処理手段46の各要素を生成する(ステップc4)。
【0086】
そして、処理順序の順番に、図10のフローチャートのステップc4で生成した各要素に対して以下の処理が実行される。(1)要素が工程処理手段45bであった場合に、ステップc4に戻る。このとき、「工程処理手段45b」を「工程処理手段45a」と読み替えて処理を行う。又、(2)要素が共通工程処理手段45bであった場合に、ステップc4に戻る。このとき、「共通工程処理手段47b」を「共通工程処理手段47a」と読み替えて処理を行う。
【0087】
工程処理手段45aで且つ要素が単位処理手段46であった場合には以下の処理が実行される。まず、処理制御手段42又は工程処理手段45aは、単位処理手段46の業務処理を行うのに必要なデータを工程データ保持手段44から取得する(ステップdn )。次に、工程処理手段45aは、ステップdn で取り出したデータを必要に応じて加工して単位処理手段46を呼び出す(ステップen )。そして、単位処理手段46では、個別の業務処理を実行して、処理結果を工程処理手段46に返す(ステップfn )。ここで、処理制御手段42又は工程処理手段45aは、処理結果を必要に応じて加工して工程データ保持手段4に格納する(ステップgn )。
【0088】
共通工程処理手段47aで且つ要素が単位処理手段46であった場合には以下の処理が実行される。まず、共通工程処理手段47aは、単位処理手段46の業務処理を行うのに必要なデータを共通処理データアダプタ手段49に問い合わせて取得する(ステップdy
)。次に、工程処理手段47aは、ステップdy で取り出したデータを必要に応じて加工して単位処理手段6を呼び出す(ステップey )。そして、単位処理手段46では、個別の業務処理を実行して、処理結果を工程処理手段46に返す(ステップfy )。ここで、共通工程処理手段47aは、処理結果を必要に応じて加工して共通処理データアダプタ手段49を通して格納する(ステップgy )。 そして、前述した処理制御手段2は、最終的な処理結果をクライアント装置100上の処理要求手段101Aに返却する。
【0089】
次に、上述した第4の実施形態の利用可能な業務処理状況を図11乃至13に基づいて例示的に説明する。この図11乃至図13は、本第4の実施形態におけるサーバ装置204の利用可能な構成を示すブロック図を示す。
【0090】
図11と図12において、処理制御手段がXで共通であり、工程処理手段のA1以下が同じ構成になっている場合を想定する。この場合は、前述した第1の実施形態の構成を利用すれば、工程処理手段のA1や単位処理手段のC1やC2を処理種別に係わらず共通に利用することができる。
【0091】
図11と図13においては、処理制御手段2がXとYで異なっているが、工程処理手段のB2以下が同じ構成になっている。処理制御手段が異なると、工程データ保持手段が異なるため、前述した第1の実施形態(図1)の構成では、処理制御手段2がX用とY用で異なる工程処理手段5を作成しなければならない。これに対し、本第4の実施形態では、前述した第1の実施形態の構成を用いて、工程処理手段のB2を共通工程処理手段とし、同時に対応する共通処理データアダプタ手段49を用意することで、処理制御手段2のXとYで同一の業務プログラムとして工程処理手段を利用することができるようになる。
【0092】
このため、この第4の実施形態にあっては、前述した第1の実施形態の場合における単位処理手段6よりも大きな処理の単位のモジュールで、再利用することが可能になる。
【0093】
(その他の実施形態)
ここで、前述した各実施形態の基本的な動作に対応するコンピュータプログラムについて、以下その概略を説明する。
まず、上記各実施形態にあっては、クライアント装置101の処理要求手段101Aから送られて来る所定の業務処理に関する処理要求に対し、これに応答して当該処理要求を実行するサーバ装置201〜203又は204を備えている。本実施形態では、この各サーバ装置201〜203又は204が備えている業務処理用のコンピュータを、前述した処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定手段、特定された処理種別に対応して予め特定された工程の処理順序に従って前記処理要求を実行する処理制御手段、前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段、として機能させるようにした。
【0094】
ここで、前述した工程順序保持手段では、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を、その内容として備えてもよい。
【0095】
これによると、処理要求される業務処理を処理種別という単位で最初に大きく切り分けされるので、従来の業務処理プログラムでは種々の粒度の処理制御手段や単位処理手段が存在していたのに対し、業務処理の手順が明確になり、保守作業の影響範囲の予測を容易に成し得ることから保守作業の能率向上を期待することができる。
【0096】
又、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前述した処理要求を実行する機能、その実行結果を前述した処理要求手段に報告する処理結果報告機能、を前述したコンピュータに実現させるように構成してもよい。又、これとは別に、前述した処理制御手段については、前述した工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動する機能、前述した業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成すると共にそうでない場合には単位処理手段を生成する処理手段生成機能、及び当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい。
【0097】
更に、前述した工程処理手段は、前述した処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成する機能、この生成された新たな下位の工程処理手段および単位処理手段による処理順序を保持し且つ業務処理の実行に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい。又、前述した処理制御手段により生成される下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持機能、およびこの工程処理手段は下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を予め別に設定された工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能、を前述したコンピュータに実現させるようにしてもよい。
【0098】
このように、上記各実施形態によると、例えば、所定業務にかかる情報処理に際し、処理種別という単位で大きく切り分けた構造の業務処理手順にすることにより、当該業務処理手順の構造を明確にし、又、種別や工程に依存しないものは、単位処理手段として切り出して異なる種別や工程間での共通利用等を図ることで、業務処理の迅速処理を可能とした従来ない優れた業務プログラムを提供することができる。
尚、上述した各手段および機能をコンピュータに実現させるプログラムについては、これと同等の動作を前述した各実施形態ではすでに実行していることは前述した通りである。
【0099】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等であっても本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明によれば、業務処理システムの背後にある分類体系が大規模で且つ複雑な場合に適用できる。例えば、証券業務においては、背後にある分類として、処理要求(注文、訂正、取消等)、取引のバリエーション、顧客の種類、取引所の違い、商品や銘柄の種類、規制等、多岐に渡る。社会的、企業的な膨大な分類体系の上に証券業務が構築されており、処理上の差異は、これら分類体系の網の目に不規則に出現することになる。このような場合に、業務制御手段2という単位でまとめると大雑把なものになり、管理単位としてあまり役に立たなくなる。その場合に、処理種別という概念を導入することにより、管理が容易になる、更に、業務システム全体の分類体系と業務プログラムの条件分岐構造を調整することにより、複雑な業務システムに全体的な統一性を与えることができる。
【0101】
又、機能集約性が高い業務プログラムに適用できる。背後に大規模な分類体系をもたなくても、単一の業務プログラムとして機能集約性が高い場合に、上位のレベルで大きく処理を切り分けることにより、機能仕様の追加、削除、変更等の業務プログラムの構造を管理し易いものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した実施形態における業務の処理体系の構成を示すツリー構造を示す説明図である。
【図3】図1に開示した実施形態における業務処理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】図4に開示した実施形態における業務処理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図7】図6に開示した実施形態にかかる自動生成装置に入力される処理制御情報テンプレートAおよび処理制御設計情報Bの一例を示す説明図である。
【図8】図6に開示した実施形態にかかる自動生成装置にかかる処理制御手段のソースコードの一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における業務処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図10】図9に開示した実施形態における業務処理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】図9に開示した実施形態におけるサーバ装置の利用可能な状況の例を示す説明図である。
【図12】図11との対比において、図9に開示した実施形態におけるサーバ装置の利用可能な処理状況の例を示す説明図である。
【図13】図11との対比において、図9に開示した実施形態におけるサーバ装置の利用可能な他の処理状況の例を示す説明図である。
【図14】従来例を示すブロック図である。
【図15】図14の従来例における業務処理システムの処理体系(条件分岐構造)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
101A 処理要求手段
12,22,32,42 処理制御手段
13,23,33,43 工程順序保持手段
14,24,34,44 工程データ保持手段
15,15a,15b,25,35,45 工程処理手段
16,26,36,46 単位処理手段
27 処理手段格納部
38 処理制御自動生成手段
47,47a 共通工程処理手段
49 共通処理データアダプタ手段
101 クライアント装置
101A 処理要求手段
201,202,203,204 サーバ装置
300 自動生成装置
A 処理制御手段テンプレート
B 処理制御設計情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置が前記業務処理を実行するようにした業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置が、
前記処理要求手段からの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程に従って前記処理要求を実行する処理制御手段と、前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段とを有することを特徴とした業務処理システム。
【請求項2】
前記工程順序保持手段は、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の業務処理システム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前記処理要求を実行すると共に、その実行結果を前記処理要求手段に報告する処理結果報告機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項4】
前記請求項1,2又は3に記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動すると共に、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成し、そうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成機能を備え、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行するように構成されていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項5】
前記請求項4記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、前記処理制御手段2によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能を備えていることを特徴とした請求項4記載の業務処理システム。
【請求項6】
前記請求項5記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段には、前記下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持手段が併設され、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前記工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項7】
前記請求項6記載の業務処理システムにおいて、
前記単位処理手段は、前記処理制御手段又は工程処理手段からの指令に応じて作動し特定の業務に依存しない業務処理を実行する機能を備えると共に、その処理結果を前記処理制御手段又は工程処理手段へ返す処理結果返却機能を備え、
前記処理制御手段又は工程処理手段は、前記単位処理手段における処理結果を必要に応じて加工し前記工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項8】
前記請求項7記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段は、前記単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項9】
前記請求項7記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、前記単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項10】
前記請求項1乃至9の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記工程順序保持手段には、予め特定された工程の処理順序が、前記処理種別の単位で区分けされた分類に対応して、その下位の工程処理では基本的なライフサイクル「入力チェック、クエリ、整形、更新、等」が当該ライフサイクルのそれぞれの段階の工程にマッピングするようにツリー状に区分けされて格納され保持されいることを特徴とした業務処理システム。
【請求項11】
前記請求項1乃至10の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置は、所定業務の処理に際しては前記工程処理手段および前記単位処理手段を予め生成し保持する処理手段生成格納部を有し、
前記処理制御手段は、所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する工程処理手段を取り出して予め設定された処理順序の順番に従って所定の業務処理を実行する機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項12】
前記請求項11に記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する下位の工程処理手段および単位処理手段を取り出して当該処理順序の順番で処理を実行する機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項13】
前記請求項1乃至10の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置に、所定業務の処理に際しては前記処理制御手段用の業務プログラムのソースコードを自動生成する処理制御自動生成装置を併設したことを特徴とした業務処理システム。
【請求項14】
前記請求項13に記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御自動生成装置は、前記処理制御手段用のテンプレートAと前記処理制御手段用業務プログラムの設計情報である処理制御設計情報Bとが入力されると作動しこれらを合成して前記処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成するソースコード自動生成手段を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項15】
前記請求項1乃至10の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置の処理制御手段は、前記処理要求手段からの識別された所定業務にかかる処理要求に対して対応する工程の処理順序を工程順序保持手段から取り込むと共に、その処理順序に基づいて下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を設定する処理手段設定機能を有し、この各処理手段に基づいて当該処理順序の順番に処理を実行し当該実行結果を前記処理要求手段へ通報する実行処理機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項16】
前記請求項15に記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項17】
前記請求項15に記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備え、且つ前記単位処理手段の呼び出しに際しては当該処理に必要なデータを予め装備された共通処理データアダプタ手段から取り込むと共にその処理結果を当該共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納する処理データ格納機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項18】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置の処理制御手段が前記業務処理を実行するように構成された業務処理方法において、
前記処理要求手段からの処理要求にかかる業務を予め想定しその業務処理の内容を処理種別に区分すると共に当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序を特定して工程順序保持手段に記憶する処理種別特定工程と、
前記処理要求手段からの処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段が作動してその処理業務の内容を分析しその処理種別を判定する処理種別判定工程と、
この判定された処理種別に対応する前記各工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り出して前記処理要求手段からの処理要求を実行する処理要求実行工程とを備えたことを特徴とする業務処理方法。
【請求項19】
前記工程順序保持手段には、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とが予め区分けして保持されていることを特徴とする請求項18記載の業務処理方法。
【請求項20】
前記請求項18又は19に記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段による処理要求実行工程では、前記処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得工程と、この取得した処理順序に基づいて工程処理手段を生成する処理手段生成工程と、この生成された工程処理手段により前記処理要求を実行するように構成したことを特徴とした業務処理方法。
【請求項21】
前記請求項18,19又は20に記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段による処理要求実行工程では、前記処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理であるか否かを判断する業務判断ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成しそうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成ステップとを備え、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行ステップとを備えていることを特徴とした業務処理方法。
【請求項22】
前記請求項21記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段による処理要求実行工程では、生成された前記工程処理手段が、前記処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行するステップを備えていることを特徴とした業務処理方法。
【請求項23】
前記請求項22記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段には、前記下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換するデータを保持する工程データ保持手段が併設され、
前記処理要求実行工程では、前記工程処理手段が下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前記工程データ保持手段に格納する処理結果格納するステップを備えていることを特徴とした業務処理方法。
【請求項24】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置の処理制御手段が前記業務処理を実行するように構成された業務処理方法において、
前記処理要求手段からの処理要求にかかる業務を予め想定しその業務処理の内容を処理種別に区分すると共に当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序を特定して工程順序保持手段に記憶する処理種別特定工程と、
前記処理要求手段からの実際の処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段が作動してその処理種別を判定する処理種別判定工程と、
この判定された処理種別に対応する最適な工程処理手段を予め別に装備された処理手段生成格納部から取り出す処理手段特定工程と、
この特定された工程処理手段によって前記処理種別に対応する処理工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り出して前記処理要求手段からの処理要求を実行する処理要求実行工程とを備えたことを特徴とする業務処理方法。
【請求項25】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求に対し、これに応答して当該処理要求を実行するサーバ装置とを備え、
このサーバ装置が備えているコンピュータを、
前記処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定手段、
特定された処理種別に対応して予め特定された工程の処理順序に従って前記処理要求を実行する処理制御手段、
前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段、
として機能させることを特徴とした業務処理プログラム。
【請求項26】
前記請求項25に記載の業務処理プログラムにおいて、
前記工程順序保持手段では、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を、その内容として備えていることを特徴とする業務処理プログラム。
【請求項27】
前記請求項25又は26に記載の業務処理プログラムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前記処理要求を実行する機能、その実行結果を前記処理要求手段に報告する処理結果報告機能、
を前記コンピュータに実現させるように構成されていること特徴とした業務処理プログラム。
【請求項28】
前記請求項25,26又は27に記載の業務処理プログラムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動する機能、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成すると共にそうでない場合には単位処理手段を生成する処理手段生成機能、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行機能、
を前記コンピュータに実現させるようにしたこと特徴とする業務処理プログラム。
【請求項29】
前記請求項28記載の業務処理プログラムにおいて、
前記工程処理手段は、前記処理制御手段2によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成する機能、この生成された新たな下位の工程処理手段および単位処理手段による処理順序を保持し且つ業務処理の実行に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能、
を前記コンピュータに実現させるようにしたこと特徴とする業務処理プログラム。
【請求項30】
前記請求項29記載の業務処理プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記処理制御手段により生成される前記下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持機能、
この工程処理手段は下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を予め別に設定された工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能、
を実現させるようにしたこと特徴とする業務処理プログラム。
【請求項1】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置が前記業務処理を実行するようにした業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置が、
前記処理要求手段からの処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定機能を備えると共に当該処理種別に対応して予め特定された工程に従って前記処理要求を実行する処理制御手段と、前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段とを有することを特徴とした業務処理システム。
【請求項2】
前記工程順序保持手段は、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の業務処理システム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前記処理要求を実行すると共に、その実行結果を前記処理要求手段に報告する処理結果報告機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項4】
前記請求項1,2又は3に記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動すると共に、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成し、そうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成機能を備え、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行するように構成されていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項5】
前記請求項4記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、前記処理制御手段2によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能を備えていることを特徴とした請求項4記載の業務処理システム。
【請求項6】
前記請求項5記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段には、前記下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持手段が併設され、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前記工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項7】
前記請求項6記載の業務処理システムにおいて、
前記単位処理手段は、前記処理制御手段又は工程処理手段からの指令に応じて作動し特定の業務に依存しない業務処理を実行する機能を備えると共に、その処理結果を前記処理制御手段又は工程処理手段へ返す処理結果返却機能を備え、
前記処理制御手段又は工程処理手段は、前記単位処理手段における処理結果を必要に応じて加工し前記工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項8】
前記請求項7記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御手段は、前記単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項9】
前記請求項7記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、前記単位処理手段による業務処理の実行に際しては前記工程データ保持手段から当該業務処理に必要なデータを取り出すと共に、この取り出したデータを必要に応じて予め前記単位処理手段用として加工処理するデータ加工処理機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項10】
前記請求項1乃至9の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記工程順序保持手段には、予め特定された工程の処理順序が、前記処理種別の単位で区分けされた分類に対応して、その下位の工程処理では基本的なライフサイクル「入力チェック、クエリ、整形、更新、等」が当該ライフサイクルのそれぞれの段階の工程にマッピングするようにツリー状に区分けされて格納され保持されいることを特徴とした業務処理システム。
【請求項11】
前記請求項1乃至10の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置は、所定業務の処理に際しては前記工程処理手段および前記単位処理手段を予め生成し保持する処理手段生成格納部を有し、
前記処理制御手段は、所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する工程処理手段を取り出して予め設定された処理順序の順番に従って所定の業務処理を実行する機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項12】
前記請求項11に記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、所定業務の処理に際しては前記処理手段生成格納部から当該業務処理に対応する下位の工程処理手段および単位処理手段を取り出して当該処理順序の順番で処理を実行する機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項13】
前記請求項1乃至10の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置に、所定業務の処理に際しては前記処理制御手段用の業務プログラムのソースコードを自動生成する処理制御自動生成装置を併設したことを特徴とした業務処理システム。
【請求項14】
前記請求項13に記載の業務処理システムにおいて、
前記処理制御自動生成装置は、前記処理制御手段用のテンプレートAと前記処理制御手段用業務プログラムの設計情報である処理制御設計情報Bとが入力されると作動しこれらを合成して前記処理制御手段の業務プログラムのソースコードを自動生成するソースコード自動生成手段を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項15】
前記請求項1乃至10の何れか一つに記載の業務処理システムにおいて、
前記サーバ装置の処理制御手段は、前記処理要求手段からの識別された所定業務にかかる処理要求に対して対応する工程の処理順序を工程順序保持手段から取り込むと共に、その処理順序に基づいて下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を設定する処理手段設定機能を有し、この各処理手段に基づいて当該処理順序の順番に処理を実行し当該実行結果を前記処理要求手段へ通報する実行処理機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項16】
前記請求項15に記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項17】
前記請求項15に記載の業務処理システムにおいて、
前記工程処理手段は、下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段の処理順序を保持すると共に、前記処理制御手段からの指令に従って作動し該当する下位の工程処理手段,共通工程処理手段および単位処理手段を生成する処理手段生成機能を有し、業務処理に際しては予め保持された処理順序の順番で処理を実行する機能を備え、且つ前記単位処理手段の呼び出しに際しては当該処理に必要なデータを予め装備された共通処理データアダプタ手段から取り込むと共にその処理結果を当該共通処理データアダプタ手段を介して前記処理データ保持手段に格納する処理データ格納機能を備えていることを特徴とした業務処理システム。
【請求項18】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置の処理制御手段が前記業務処理を実行するように構成された業務処理方法において、
前記処理要求手段からの処理要求にかかる業務を予め想定しその業務処理の内容を処理種別に区分すると共に当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序を特定して工程順序保持手段に記憶する処理種別特定工程と、
前記処理要求手段からの処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段が作動してその処理業務の内容を分析しその処理種別を判定する処理種別判定工程と、
この判定された処理種別に対応する前記各工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り出して前記処理要求手段からの処理要求を実行する処理要求実行工程とを備えたことを特徴とする業務処理方法。
【請求項19】
前記工程順序保持手段には、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とが予め区分けして保持されていることを特徴とする請求項18記載の業務処理方法。
【請求項20】
前記請求項18又は19に記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段による処理要求実行工程では、前記処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得工程と、この取得した処理順序に基づいて工程処理手段を生成する処理手段生成工程と、この生成された工程処理手段により前記処理要求を実行するように構成したことを特徴とした業務処理方法。
【請求項21】
前記請求項18,19又は20に記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段による処理要求実行工程では、前記処理要求の実行に際しては、判定により特定された処理種別にかかる工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り込こむ処理順序取得ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理であるか否かを判断する業務判断ステップと、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成しそうでない場合には単位処理手段の各要素を生成する処理手段生成ステップとを備え、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行ステップとを備えていることを特徴とした業務処理方法。
【請求項22】
前記請求項21記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段による処理要求実行工程では、生成された前記工程処理手段が、前記処理制御手段によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成すると共にその処理順序を保持し且つ業務処理に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行するステップを備えていることを特徴とした業務処理方法。
【請求項23】
前記請求項22記載の業務処理方法において、
前記処理制御手段には、前記下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換するデータを保持する工程データ保持手段が併設され、
前記処理要求実行工程では、前記工程処理手段が下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を前記工程データ保持手段に格納する処理結果格納するステップを備えていることを特徴とした業務処理方法。
【請求項24】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求を受信し、当該受信された処理要求に基づいてサーバ装置の処理制御手段が前記業務処理を実行するように構成された業務処理方法において、
前記処理要求手段からの処理要求にかかる業務を予め想定しその業務処理の内容を処理種別に区分すると共に当該区分された処理種別に対応する各工程の処理順序を特定して工程順序保持手段に記憶する処理種別特定工程と、
前記処理要求手段からの実際の処理要求に際しては直ちに前記処理制御手段が作動してその処理種別を判定する処理種別判定工程と、
この判定された処理種別に対応する最適な工程処理手段を予め別に装備された処理手段生成格納部から取り出す処理手段特定工程と、
この特定された工程処理手段によって前記処理種別に対応する処理工程の処理順序を前記工程順序保持手段から取り出して前記処理要求手段からの処理要求を実行する処理要求実行工程とを備えたことを特徴とする業務処理方法。
【請求項25】
クライアント装置の処理要求手段から送られて来る所定の業務処理に関する処理要求に対し、これに応答して当該処理要求を実行するサーバ装置とを備え、
このサーバ装置が備えているコンピュータを、
前記処理要求にかかる処理種別を判定する処理種別判定手段、
特定された処理種別に対応して予め特定された工程の処理順序に従って前記処理要求を実行する処理制御手段、
前記処理要求手段からの処理要求に対応して予め複数の処理種別とこれに対応した工程の処理順序とを記憶すると共に前記処理制御手段から問い合わせに応答する機能を備えた工程順序保持手段、
として機能させることを特徴とした業務処理プログラム。
【請求項26】
前記請求項25に記載の業務処理プログラムにおいて、
前記工程順序保持手段では、所定の業務処理を必要とする情報に対して、検索処理,訂正処理,取消処理等の処理種別とこれに対応する工程の処理順序とを予め区分けして保持する工程順序保持機能を、その内容として備えていることを特徴とする業務処理プログラム。
【請求項27】
前記請求項25又は26に記載の業務処理プログラムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて工程処理手段を生成し前記処理要求を実行する機能、その実行結果を前記処理要求手段に報告する処理結果報告機能、
を前記コンピュータに実現させるように構成されていること特徴とした業務処理プログラム。
【請求項28】
前記請求項25,26又は27に記載の業務処理プログラムにおいて、
前記処理制御手段は、前記工程順序保持手段から取り込んだ工程の処理順序に基づいて作動する機能、前記業務処理が特定の業務に依存した業務処理である場合には工程処理手段を生成すると共にそうでない場合には単位処理手段を生成する処理手段生成機能、当該各処理手段を介して所定の業務処理を実行する業務処理実行機能、
を前記コンピュータに実現させるようにしたこと特徴とする業務処理プログラム。
【請求項29】
前記請求項28記載の業務処理プログラムにおいて、
前記工程処理手段は、前記処理制御手段2によって成される業務処理毎に新たな下位の工程処理手段および単位処理手段を生成する機能、この生成された新たな下位の工程処理手段および単位処理手段による処理順序を保持し且つ業務処理の実行に際しては予め定められた処理順序の順番で処理を実行する機能、
を前記コンピュータに実現させるようにしたこと特徴とする業務処理プログラム。
【請求項30】
前記請求項29記載の業務処理プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記処理制御手段により生成される前記下位の工程処理手段を含む複数の異なる工程処理手段の相互間で交換可能なデータを保持する工程データ保持機能、
この工程処理手段は下位の工程処理手段および単位処理手段で実行された処理の結果を予め別に設定された工程データ保持手段に格納する処理結果格納機能、
を実現させるようにしたこと特徴とする業務処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−86828(P2007−86828A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271186(P2005−271186)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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