説明

槽内監視モニタ

【課題】耐水性に優れた槽内監視モニタを提供する。
【解決手段】槽内監視モニタ1は、防水ケース2と、該防水ケース2内に設置された槽内監視モニタ本体3と、防水ケース2の背面に設けられた入出力用の防水コネクタ11〜17とを備えている。モニタ本体3およびそれに接続される超音波センサによって界面レベル計が構成される。この超音波センサは、固液分離槽の水中に設置されており、モニタ本体3とはリード線およびコネクタ16を介して接続されている。モニタ本体3に対しては、コネクタ17および電力ケーブルを介して電力が供給可能とされている。メモリは、信号ケーブルおよびコネクタ15を介してデータを外部に出力可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固液分離槽などの槽内の状況を監視するための槽内監視モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
工場における廃水処理設備や下水処理設備には、一般に排水を固液分離するための沈殿槽や沈砂池といった固液分離槽が設けられる。固液分離槽における汚泥の堆積量を監視するために、例えば超音波センサを用いて固液分離槽の底面に向けて超音波を送信し、反射波の受信タイミングおよび強度を解析して、汚泥と上澄水との界面の位置(深度)を計測することが行われている(特許文献1〜6)。
【0003】
また、計測された情報を信号処理(グラフィック変換)して画像表示することが行われている。例えば、計測された界面深度の変遷を表示器のメイン画面に表示させ、挿入指示に基づいて、長時間に渡る変遷を表示したウィンド画面をメイン画面に挿入させる超音波界面計が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
固液分離槽内の状態を画像として表示することは、固液分離槽を管理する上で、様々な情報を与えてくれるため、非常に有効である。特に、固液分離槽が見える場所に設置すると、その状況が掴みやすく、また掴んだ状況を元にすぐに行動に移すことが可能である。例えば、引抜流量を増加させた時、界面レベルの変化を監視することができ、その操作が適切であったか、あるいは調整量に過不足がなかったかが確認でき、確実な運転管理が行なえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−73890号公報
【特許文献2】実用新案登録第2549316号公報
【特許文献3】実用新案登録第2552067号公報
【特許文献4】特許第2689008号公報
【特許文献5】特許第2895682号公報
【特許文献6】特許第2855552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
固液分離槽は屋外に設置されることが多い。また、建屋内に設置される場合でも、建屋内が高湿度な環境となり易い。そのため、固液分離槽を監視するための装置、槽内監視モニタは十分な耐水性を有していることが望ましい(第1の課題)。
【0007】
一方、耐水性を考慮すると、装置の内部は電子回路から発せられる熱により温度が上昇し、電子回路が正常に作動できる適正温度を超えてしまい、正確な計測や動作に支障を生じてしまうことがある。従って、このような装置は温度に対応できる機能を有していることが望ましい(第2の課題)。
【0008】
本発明は、耐水性に優れた槽内監視モニタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の槽内監視モニタは、槽内監視モニタ本体を防滴または防水ケース内に設置してなる槽内監視モニタであって、該槽内監視モニタ本体は、超音波または光を送出し、懸濁物堆積層を含む水中を伝播した超音波または光を受信するセンサによる受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、該デジタル信号に基づいて、前記槽内の界面の位置を算出する算出部と、前記デジタル信号を画素データに変換するグラフィック変換部と、画素データおよび界面位置データを格納するメモリと、該メモリに格納されている画素データを表示する表示部とを備えており、該防滴または防水ケースに、該槽内監視モニタ本体への電源、前記センサによる受信信号、前記画素データおよび前記界面位置データ入出力用の防水コネクタが設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の槽内監視モニタは、請求項1において、タイマーと、該タイマーで予め設定しておいた時間がくると前記表示部の輝度を低下させるかまたは表示を停止する機構とを有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の槽内監視モニタは、請求項1または2において、該防滴または防水ケース内の温度を計測する温度センサ、バイメタル型の温度スイッチまたは電気抵抗変化型の温度スイッチと、該温度センサ、バイメタル型の温度スイッチまたは電気抵抗変化型の温度スイッチの検出温度が設定温度を超えたときに、前記表示部の輝度を低下させるかまたは表示を停止する機構を有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4の槽内監視モニタは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記防滴または防水ケースに設けられた、それぞれ開閉手段を有して気体導入口および気体流出口と、前記防滴または防水ケース内の温度が所定温度を超えると各開閉手段を開放させる開放手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項5の槽内監視モニタは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記槽内監視モニタ本体の背面に接して設けられたペルチェ素子と、これに接してかつ該ケース外部に露出した放熱板とを備え、前記防滴または防水ケース内の温度が所定温度を超えると、ペルチェ素子に該ケース内が冷やされる向きに通電がなされる手段を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項6の槽内監視モニタは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記防滴または防水ケース内に設けられたペルチェ素子と、これに接してかつ該ケース外部に露出した放熱板とを備え、前記防滴または防水ケース内の温度が所定温度を超えると、ペルチェ素子に該ケース内が冷やされる向きに通電がなされる手段を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の槽内監視モニタにあっては、槽内監視モニタ本体が防滴または防水ケース内に設置されており、また槽内監視モニタ本体に給電したり槽内監視モニタ本体との信号の入出力を行うために防水コネクタが設けられているので、耐水性に優れ固液分離槽の近くに設置できる。請求項2〜6の槽内監視モニタによると、防滴または防水ケース内の温度上昇を抑制することができ、安定した連続計測が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態に係る槽内監視モニタの構成図であり、(a)図は正面図、(b)図は右側面図、(c)図は背面図、(d)図は(a)図のD−D線断面図である。(e),(f)図は(d)図とは異なる形態の断面図である。
【図2】界面計のブロック図である。
【図3】別の実施の形態に係る槽内監視モニタの断面図である。
【図4】さらに別の実施の形態に係る槽内監視モニタの構成図であり、(a)図は正面図、(b)図はフロントカバーを開けた状態の正面図、(c)図は(a)図のC−C線断面図である。
【図5】節電システムを示す回路図である。
【図6】節電システムを示す回路図である。
【図7】節電システムを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
第1図は第1の実施の形態に係る槽内監視モニタの構成図、第2図はその回路構成を示すブロック図である。
【0019】
この槽内監視モニタ1は、防水ケース2と、該防水ケース2内に設置された槽内監視モニタ本体3と、防水ケース2の前面に設けられた操作スイッチ4(4a〜4e)と、背面に設けられた入出力用の防水コネクタ(雄側)11〜17とを備えている。各雄側防水コネクタ11〜17に対し雌側コネクタ18を介してリード線またはケーブル19が接続される。
【0020】
防水ケース2は、前半体2aと後半体2bと、これらの突き合せ部を水密的にシールするパッキン2cとを有する。前半体2aの前面には透明な樹脂またはガラスよりなる窓部5が設けられている。槽内監視モニタ本体3は、この窓部5に当接または近接するように防水ケース2内に配置されている。
【0021】
後半体2bには、第1図(c)の通り、空気の導入口6と流出口7とが設けられている。これらの導入口6および流出口7には開閉弁(図示略)が設けられており、防水ケース2内の温度が所定温度以上になると該開閉弁を開放させる弁制御手段(図示略)が設けられている。なお、この導入口6および流出口7並びにその開閉手段は省略されてもよい。また、この導入口6から乾燥空気等を導入し、流出口7から排出するようにしてもよい。
【0022】
以上の空気冷却の代りに、第1図(e)の通り、発熱するモニタ本体3の背面にペルチェ素子8と、これに接した放熱板9とを設けて、モニタ本体3を直接冷却することができる。ペルチェ素子8には、防水ケース内が冷やされる方向に通電がなされるようになっている(図示せず)。
【0023】
また、後半体2bには、第1図(f)の通り、ペルチェ素子8と、これに接した放熱板9とが設けられている。ペルチェ素子8には、防水ケース内が冷やされる方向に通電がなされるようになっている(図示せず)。また放熱板には水密的にシールするパッキン(図示略)を有しており、該防水ケース内には水が外部から入らない構造となっている。防水ケース2内の温度が所定温度以上になると、前記ペルチェ素子に直流電源が供給されるように制御される。
【0024】
槽内監視モニタ本体3およびそれに接続される超音波センサ22(第2図参照)によって槽内監視モニタが構成される。この超音波センサ22は、固液分離槽の水中に設置されており、モニタ本体3とはリード線およびコネクタ16を介して接続されている。槽内監視モニタ本体3に対しては、コネクタ17および電力ケーブルを介して電力が供給可能とされている。
【0025】
次に、この槽内監視モニタの構成について第2図を参照して説明する。
【0026】
この槽内監視モニタは、信号生成回路21、超音波センサ22、増幅回路23、アナログデジタル変換器(以下、A/D変換器と称する)24、表示部25、界面レベル算出部26、グラフィック変換部27、メモリ28、および制御部29を備える。
【0027】
超音波センサ22は発振(発信)部および受信部を有し、前述の通り、固液分離槽内の所定の高さに設置されている。信号生成回路21により生成された電気信号は、リード線およびコネクタ16を介して発振部(図示せず)に与えられる。発振部は、この電気信号を超音波振動子に与え、固液分離槽の底部に向かって超音波を送信する。
【0028】
送信された超音波は、汚泥物堆積層と上澄水との界面や、汚泥堆積層内に存在する汚泥界面および固液分離槽の底部等によって反射される。反射波は受信部によって受信され、受信部は受信信号をリード線およびコネクタ16を介して増幅回路23へ出力する。
【0029】
この受信信号は、増幅回路23によって増幅され、A/D変換器24によりデジタル信号に変換された後、表示部25、界面レベル算出部26、およびグラフィック変換部27へ出力される。
【0030】
表示部25は、A/D変換器24から受け取ったデジタル信号に基づいて、超音波送信からの時間経過に伴う反射強度(受信強度)の変化を示すグラフを表示領域25aに表示する。表示領域25aは、例えば縦軸に経過時間、横軸に反射強度をとるグラフを表示する。なお、超音波送信から受信までの時間は、超音波の反射位置の深さに対応するため、縦軸を深さとして表示することもできる。このように、表示部25は、固液分離槽内の最新の超音波反射強度分布を表示することができる。
【0031】
界面レベル算出部26は、A/D変換器24から受け取ったデジタル信号に基づいて、固液分離槽内の各界面の位置(深さ)を算出する。例えば、超音波の反射強度が超音波送信からの時間経過に伴って急激に変化した場合、界面レベル算出部26は、反射強度が所定の閾値を超えて急激に大きくなったり小さくなったりしたタイミングまでの経過時間(t1)に基づいて、界面までの距離(界面の位置)を算出する。
【0032】
界面レベル算出部26は、超音波センサ22の取り付け位置と、固液分離槽の底面までの距離との対応関係を示すテーブルを保持しておき、このテーブルを参照して底面までの距離を求めてもよい。界面レベル算出部26は、算出した界面の位置をアナログ信号出力部20を介してコネクタ17から外部へ出力することができる。このアナログ信号出力部20には、図示しないD/A変換器と増幅回路を持っている。
【0033】
界面レベル算出部26は、算出した界面の位置を表示部25に出力し、表示領域25bに表示させる。これにより、表示部25は、固液分離槽内での界面の位置の最新情報を表示することができる。なお、表示領域25bに表示させる界面の位置は、上澄水の水面からの距離、超音波センサ22からの距離、固液分離槽の底面からの距離のいずれでもよく、またその他の基準点からの距離でもよい。界面レベル算出部26は、算出した界面の位置をメモリ28へ出力する。
【0034】
グラフィック変換部27は、表示部25の表示領域25cに超音波反射強度の変遷をカラー表示するために、A/D変換器24から受け取ったデジタル信号の値を、表示領域25cの階調に対応した値(画素データ)に変換する。カラー画像は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色それぞれがkビット(=2階調)で表現される(kは2以上の整数とする)。
【0035】
グラフィック変換部27は変換後の画素データをメモリ28へ出力する。
【0036】
メモリ28は複数の記憶領域S1〜Syを有する。記憶領域S1〜Syは、グラフィック変換部27から画素データを受け取ると、表示領域25cの1画素列分の表示データ(画素列データ)として格納する。記憶領域S1〜Syは、新しいデータの格納に伴い、今まで記憶していたデータのうち一番古いデータを廃棄(消去)する。
【0037】
記憶領域S1〜Syは、設定されたインターバル(時間間隔)を空けて、次の新しい画素データをグラフィック変換部7から受け取り、格納する。記憶領域S1〜Syに格納されている画素列データのうち、新しい方から所定数を用いることで、表示領域25cに超音波受信強度分布の変遷をカラー表示することができる。また、表示データに界面レベルLVや水温Tが含まれている場合、表示領域25cは、カラー画像と併せてあるいは単独で(画像データは消す)、界面レベルや水温の変遷を表示することができる。
【0038】
記憶領域S1〜Syはそれぞれ異なるデータのサンプリングインターバルが設定されている。例えば、記憶領域S1は1秒、記憶領域S2は3秒、記憶領域Sy−1は50分、記憶領域Syは100分のインターバルが設定される。表示領域25cの画素列が200列ある(n=200)場合を考える。
【0039】
この時、記憶領域S1のデータを用いると、表示領域25cには表示幅200秒(=1秒×200)の変遷を表示できる。同様に、記憶領域S2のデータを用いると表示幅10分(=3秒×200)、記憶領域Sy−1のデータを用いると表示幅約7日(≒50分×200)、記憶領域Syのデータを用いると表示幅約14日(≒100分×200)の変遷を表示できる。
【0040】
従って、どの記憶領域に格納されている表示データを用いるかによって、表示部25の表示領域25cにカラー表示する超音波受信強度分布の変遷の時間幅を変更することができる。制御部29は、表示する時間幅の切り替え指示に基づいて、指示された時間幅に対応する記憶領域に格納されている表示データが表示部25に出力されるように制御する。
【0041】
メモリ28は、信号ケーブル30およびコネクタ15を介してデータを外部に出力可能としている。
【0042】
このように、槽内監視モニタ1では、槽内監視モニタ本体3を防水ケース2内に格納し、防水コネクタを介して超音波センサ22および電源等と接続しており、槽内監視モニタ本体の耐水性が高い。
【0043】
また、槽内監視モニタ本体3の作動に伴って、防水ケース2内の温度が所定温度以上になったときには、空気の導入口6および流出口7を開放させ、あるいは導入口6から乾燥空気等を導入し流出口7から排出し、放熱を図ることもできる。または、ペルチェ素子8に防水ケース2内が冷却される方向に直流電源を通電し、内部を冷却すると共に放熱板9を通して放熱することもできる。
【0044】
[第2の実施の形態]
第3図に別形状の槽内監視モニタ31を示す。
【0045】
この槽内監視モニタ31は、防水ケース32と、該防水ケース32内に設置された槽内監視モニタ本体33と、防水ケース32の前面に設けられた操作スイッチ(第3図では図示略)と、防水ケース32、または槽内監視モニタ本体33の背面に設けられた入出力用の防水コネクタ(第3図では図示略)とを備えている。
【0046】
防水ケース32は、前半体32aと後半体32bと、これらの突き合せ部を水密的にシールするパッキン32cとを有する。前半体32aの前面には透明な樹脂またはガラスよりなる窓部35が設けられている。槽内監視モニタ本体33は、この窓部35に当接または近接するように防水ケース32内に配置されている。
【0047】
この実施の形態では、防水ケース32内に防水仕切板36が設置されており、槽内監視モニタ本体33はこの防水仕切板36に保持されている。
【0048】
[第3の実施の形態]
第4図にさらに別形状の槽内監視モニタ41を示す。
【0049】
この槽内監視モニタ41は、防水ケース42と、該防水ケース42内に設置された槽内監視モニタ本体43と、防水ケース42、または槽内監視モニタ本体43の背面に設けられた入出力用の防水コネクタ(第4図では図示略)とを備えている。
【0050】
防水ケース42の前面には透明な樹脂またはガラスよりなる窓部45が設けられている。槽内監視モニタ本体42は、この窓部45から若干離隔するように防水ケース42内に配置されている。この実施の形態では、防水ケース42内に防水仕切板46が設置されており、槽内監視モニタ本体43はこの防水仕切板46に保持されている。
【0051】
この防水ケース42の前面には、フロントカバー42aがヒンジによって開閉可能に設けられている。このフロントカバー42aを開けることにより、槽内監視モニタ本体43の前面の操作スイッチ43a〜43eが操作可能となる。フロントカバー42aと防水ケース42の本体側との合わせ面にはシールパッキン(図示略)が設けられており、フロントカバー42aを閉めると防水ケース42内が外部から水密的に隔絶される。以上は防水ケースを例に説明したが、本発明では設置する環境に応じて、防水ケースに代えてIP65規格の防滴・防塵形ケースを使用してもよい。
【0052】
[回路の発熱を抑制する実施の形態]
本発明では、槽内監視モニタ本体が防水ケース内に格納されているので、槽内監視モニタ本体の消費電力を減少させて槽内監視モニタ本体の回路の発熱を抑制することが好ましい。
【0053】
そのための回路例を第5図〜第7図に示す。
【0054】
第5図(a)においては、回路はタイマー51を有し、タイマー51で予め設定しておいた時間がくると表示部25への通電を停止し、表示を停止するようにしている。
【0055】
第5図(b)においては、タイマー52で予め設定しておいた時間がくると表示部への通電量を減少させ、表示部25の輝度を低下させるようにしている。
【0056】
第6図(a),(b)では、第5図(a),(b)において、タイマー51,52にそれぞれ復帰スイッチ53を設け、再び画像を表示させたり輝度を高めたりするときには復帰スイッチ53を操作するよう構成している。
【0057】
第7図では、防水ケース内の温度を検出する温度センサー61を設け、防水ケース内の温度が所定温度以上になったときにはスイッチ62または63を動作させて表示部25への通電を停止する(第7図(a))または表示部25への通電量を減少させて表示部25の輝度を低下させるようにしている。以上は温度センサーを使用した例で説明したが、温度センサーに代えてバイメタル型の温度スイッチを使用しても良い。電気抵抗変化型の温度スイッチとしては、一般名称としてポリスイッチと呼ばれる電子部品を利用することもできる。これは温度に依存して電気抵抗値が変化することを利用して、回路を遮断したり、回路電流を制限したりするものである。
【0058】
上記実施形態では、反射パルス型の超音波センサ22を用いていたが、透過・減衰型の超音波センサを用いてもよい。
【0059】
また、超音波センサでなく、光学式濁質濃度測定器を用いてもよい。光学式濁質濃度測定器としては透過・減衰型、散乱型、反射型があり、これらのうちの1つまたは複数を用いることができる。
【0060】
上記実施の形態では防水コネクタを用いているが、防滴コネクタを用いてもよい。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,31,41 槽内監視モニタ
2,32,42 防水ケース
3,33,43 槽内監視モニタ本体
5,35,45 窓部
11〜17 防水コネクタ
21 信号生成回路
22 超音波センサ
23 増幅回路
24 A/D変換器
25 表示部
26 界面レベル算出部
27 グラフィック変換部
28 メモリ
29 制御部
36,46 防水仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽内監視モニタ本体を防滴または防水ケース内に設置してなる槽内監視モニタであって、該槽内監視モニタ本体は、
超音波または光を送出し、懸濁物堆積層を含む水中を伝播した超音波または光を受信するセンサによる受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
該デジタル信号に基づいて、前記槽内の界面の位置を算出する算出部と、
前記デジタル信号を画素データに変換するグラフィック変換部と、
画素データおよび界面位置データを格納するメモリと、
該メモリに格納されている画素データを表示する表示部と
を備えており、
該防滴または防水ケースに、該槽内監視モニタ本体への電源、前記センサによる受信信号、前記画素データおよび前記界面位置データ入出力用の防水コネクタが設けられていることを特徴とする槽内監視モニタ。
【請求項2】
請求項1において、タイマーと、該タイマーで予め設定しておいた時間がくると前記表示部の輝度を低下させるかまたは表示を停止する機構とを有することを特徴とする槽内監視モニタ。
【請求項3】
請求項1または2において、該防滴または防水ケース内の温度を計測する温度センサ、バイメタル型の温度スイッチまたは電気抵抗変化型の温度スイッチと、該温度センサ、バイメタル型の温度スイッチまたは電気抵抗変化型の温度スイッチの検出温度が設定温度を超えたときに、前記表示部の輝度を低下させるかまたは表示を停止する機構を有することを特徴とする槽内監視モニタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記防滴または防水ケースに設けられた、それぞれ開閉手段を有して気体導入口および気体流出口と、
前記防滴または防水ケース内の温度が所定温度を超えると各開閉手段を開放させる開放手段と
を備えたことを特徴とする槽内監視モニタ。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記槽内監視モニタ本体の背面に接して設けられたペルチェ素子と、これに接してかつ該ケース外部に露出した放熱板とを備え、
前記防滴または防水ケース内の温度が所定温度を超えると、ペルチェ素子に該ケース内が冷やされる向きに通電がなされる手段を備えたことを特徴とする槽内監視モニタ。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記防滴または防水ケース内に設けられたペルチェ素子と、これに接してかつ該ケース外部に露出した放熱板とを備え、
前記防滴または防水ケース内の温度が所定温度を超えると、ペルチェ素子に該ケース内が冷やされる向きに通電がなされる手段を備えたことを特徴とする槽内監視モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−47761(P2011−47761A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195650(P2009−195650)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】