説明

横葺屋根におけるソーラーパネル設置用基礎装置

【課題】 本発明は、横葺用屋根面において、ソーラーパネルを確実に取付ける手段を提供するとともに屋根勾配面に即応したソーラーパネルの取付け用の基礎装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 横葺屋根上に設置する基台1が平面部2と左右両側面部3と底面部4から成る台板5とこの台板の後側部に一体に構成する取付部材18とから成り、台板の平面部に調節長孔6を設け、この調節長孔上を摺動する立体状の移動部材9の前側板10と前記調節長孔間に螺子7,8を介装し、前記移動部材の後立板13には係合片11を設けて調節長孔に係合し、前記移動部材の水平板14中央に設けた長孔15に螺子16,17を螺装し、前記台板の平面部の延長線に構成した取付部材の水平板19の上方部には締付板22を螺子20,21にて螺装し、この水平板の下抑止部23と締付板の締付部24との間に折板屋根部の一部を嵌挿するとともに前記螺子にて緊締して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横葺屋根におけるソーラーパネル設置用基礎装置に関するものである。
【0002】
本発明者は、屋根における雪止め部材やソーラーパネル部材などの各種部材を取付け施工するための装置を開発実施して来ているが、本発明は特に横葺屋根上にソーラーパネル設置用の部材を取付けるための基礎装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
近年、ソーラーパネルを屋根面に設置することが普及しているところ、本発明者は長年屋根面における雪止め取付具を開発実施して来たことに鑑み、その技術をソーラーパネル取付け用の装置において応用せんとして開発して来たが、従来公開されている屋根用の一般的な取付装置として、次に例示されるような極めて複雑な構造のものや、また普及している折板屋根にあっては、屋根板の適所に穿孔し螺子や釘を用いて取付けているものがあるため雨水の浸入という悪影響を及ぼしていたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−89523号公報
【特許文献2】実開平6−22438号公報
【特許文献3】特開2001−140416号公報
【特許文献4】特許第3811412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、折板屋根である横葺用屋根面において、ソーラーパネルを確実に取付ける手段を提供するとともに屋根勾配面に即応したソーラーパネルの取付け用の基礎装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、横葺屋根上に設置する基台が平面部と左右両側面部と底面部から成る台板とこの台板の後側部に一体に構成する取付部材とから成り、台板の平面部に調節長孔を設け、この調節長孔上を摺動する立体状の移動部材の前側板と前記調節長孔間に螺子を介装し、前記移動部材の後立板には係合片を設けて調節長孔に係合し、前記移動部材の水平板中央に設けた長孔に螺子を螺装し、前記台板の平面部の延長線に構成した取付部材の水平板の上方部には締付板を螺子にて螺装し、この水平板の下抑止部と締付板の締付部との間に折板屋根部の一部を嵌挿するとともに前記螺子にて緊締して成るものである。
【発明の効果】
【0007】
第1に、横葺屋根の折板一部に取付けるために、取付部材の水平部の先端を曲折して下抑止部を構成しているから、本基台の下抑止部を折板一部に確実に挿入し、挿入後は螺子により上方から締付板への締付けによって加圧抑止が確実になされるようになる。
【0008】
第2に、ソーラーパネルのための架設部材は基板上の移動部材の前後摺動や移動部材上の螺子の左右調節動によって、自在に位置調整して適位置において架設部材を確実に取付けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】全体の正斜視図
【図2】全体の背斜視図
【図3】施工状態を例示した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
いま本装置を横葺屋根の折板部分の一部に取付けるときは、基台後側部の取付部材の水平板下抑止部を折板部分の下側面部に挿入した後、上方の開口部に折板部分を配置し、その上方に締付板を位置せしめ、そこで螺子を緊締して締付板を下動する。すると、前記折板部分は締付板の下端部によって加圧締着されるようになる。
【0011】
しかる後に、基台前側部の移動部材を前立板と後立板を介して台板の調節長孔を前後適当な位置方向に移動して螺締し、また移動部材の水平板における長孔に挿入する螺子を左右任意方向に移動した後、所定の架設部材に対し前記螺子を連結し螺締する。
【実施例】
【0012】
1は全体が前側部と後側部に分設する基台で、この前側部には平面部2と左右両側面部3,3と底面部4,4から成る台板5を設けている。
【0013】
6は前記台板5の平面部2に設けた調節長孔で、この調節長孔には雄螺子7を配置するが、この雄螺子は後記移動部材9の前側板10に設けた通孔に挿通し雌螺子8を螺締する。
【0014】
9は前記台板5上に配置する立体状に成る移動部材で、この移動部材は台板5上を摺動する前側板10と調節長孔6に嵌挿して摺動する後側の係合片11を有し、前記前側板には前立板12を,前記係合片には後立板13を設け、この前後両立板上には水平板14を架設する。
【0015】
15は前記水平板14の中央部に設けた長孔で、この長孔には雄螺子16を挿入して直立し、雌螺子17を螺合する。この雄螺子16には、ソーラーパネル設置用の架設部材の一部を取付けるようになる。
【0016】
18は前記基台1の後側部に一体に設ける取付部材で、この取付部材は前記台板5の平面部2の延長線上に形成した水平板19とこの水平板の上方部に雄雌螺子20,21を介して配置する締付板22から成る。
【0017】
23は前記取付部材18の水平板19の先端部を曲折して形成した下抑止部で、この下抑止部の上方には前記締付板22の締付部24が開口部25を置いて臨設する。この取付部材18の水平板19の下抑止部23は、横葺折板aの下側方に挿入した後、その上側方から前記螺子20,21によって締付板22の締付部24を加圧緊締するようにする。
【0018】
26は前記締付板22の後端部に立設した直立板で、この直立板の内側中央部には締付板22の後端部を前記水平板19に連結する固着子27を設ける。この直立板26は兼用する雪止め具の一部となる。
【0019】
A,Bはソーラーパネル設置用の架設部材を示す。
【符号の説明】
【0020】
1 基台
2 平面部
3,3 左右両側面部
4,4 底面部
5 台板
6 調節長孔
7 雄螺子
8 雌螺子
9 移動部材
10 前側板
11 係合片
12 前立板
13 後立板
14 水平板
15 長孔
16 雄螺子
17 雌螺子
18 取付部材
19 水平板
20 雄螺子
21 雌螺子
22 締付板
23 下抑止部
24 締付部
25 開口部
26 直立板
27 固着子
A,B 架設部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横葺屋根上に設置する基台が平面部と左右両側面部と底面部から成る台板とこの台板の後側部に一体に構成する取付部材とから成り、台板の平面部に調節長孔を設け、この調節長孔上を摺動する立体状の移動部材の前側板と前記調節長孔間に螺子を介装し、前記移動部材の後立板には係合片を設けて調節長孔に係合し、前記移動部材の水平板中央に設けた長孔に螺子を螺装し、前記台板の平面部の延長線に構成した取付部材の水平板の上方部には締付板を螺子にて螺装し、この水平板の下抑止部と締付板の締付部との間に折板屋根部の一部を嵌挿するとともに前記螺子にて緊締して成ることを特徴とする横葺屋根におけるソーラーパネル設置用基礎装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−127110(P2012−127110A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279498(P2010−279498)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(599045534)有限会社盛岡原田 (6)
【Fターム(参考)】