歩行型電動作業機
【課題】歩行型作業機において、作業者の歩行速度に見合う機体走行速度に修正して作業中の操作性、安全性を確保する。
【解決手段】充電可能なバッテリと電動モータ8とを備え、走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型作業機において、ハンドルに作業者の押し引きを検出する押し引き検出手段35を設け、この押し引き検出手段35の検出結果に基づいて電動モータ8の回転数を増加または低下出力する構成とし、押し引き検出手段が作業者によるハンドルの「押し」を検出すると、電動モータ8の回転数が増加出力されて機体走行速度が上がり、一方「引き」の検出すると電動モータ8の回転数が低下出力されて機体走行速度が低下する。
【解決手段】充電可能なバッテリと電動モータ8とを備え、走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型作業機において、ハンドルに作業者の押し引きを検出する押し引き検出手段35を設け、この押し引き検出手段35の検出結果に基づいて電動モータ8の回転数を増加または低下出力する構成とし、押し引き検出手段が作業者によるハンドルの「押し」を検出すると、電動モータ8の回転数が増加出力されて機体走行速度が上がり、一方「引き」の検出すると電動モータ8の回転数が低下出力されて機体走行速度が低下する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なバッテリと電動モータとを備え耕耘部や草刈部などの作業部または走行部を該電動モータによって駆動する歩行型電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはバッテリユニットと電動モータの配置構成及びコントローラの配置構成について開示されている。また、特許文献2には、操作信号受信部、制御部、モータ駆動回路等を接続したコントローラを備え、制御部には、充電器、ハンドル装着スイッチ、回転センサ等からの信号を受け、表示部に表示信号を発するとともに、モータ駆動回路を介して電動モータを回転制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−22173号公報
【特許文献2】特開2004−275100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、歩行型電動作業機では、作業者が左右ハンドルを把持して機体進行に従い方向修正等を行いながら作業を行うものである。また、電動モータの回転で走行部を駆動し、機体の走行速度は電動モータの回転数に基づき設定される構成であるから、作業者の歩行速度によっては、機体の走行速度が遅く又は該速度が速いことがあって、作業者にとっては負担である。
【0005】
この発明は、作業者の歩行速度と機体速度との相対速度差を推定して作業者の歩行速度に見合う作業速度に機体速度を修正しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はかかる技術的課題を解決するためこの発明は、充電可能なバッテリBと電動モータ8とを備え、走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型電動作業機において、ハンドル12に作業者の押し引きを検出する押し引き検出手段35を設け、この押し引き検出手段35の検出結果に基づいて電動モータ8の回転数を増加または低下出力する構成とした歩行型電動作業機の構成とする。
【0007】
このように構成することにより、押し引き検出手段Hが作業者によるハンドル12の「押し」を検出すると、電動モータ8の回転数が増加出力されて機体走行速度が上がり、一方「引き」を検出すると電動モータ8の回転数が低下出力されて機体走行速度が低下する。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、押し引き検出手段Hを設けることにより、作業者に見合う作業機体の走行速度に修正することができ、操作性が向上し、かつ安全性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電動耕耘機の側面図
【図2】電動耕耘機の背面図
【図3】電動耕耘機の平面図
【図4】電動耕耘機の拡大側面図
【図5】バッテリケース内の正面図
【図6】制御ブロック概要図(A)、スイッチング回路関係ブロック図(B)
【図7】ブロック図
【図8】フローチャート
【図9】荷重値―回転増加(低下)出力関係グラフ
【図10】安全装置の作動を示す側面図(A)(B)
【図11】安全装置の作動を示す平面図(A)(B)
【図12】運転スイッチの別例を示す斜視図(A),ポジションセンサ値−モータ回転数関係グラフ(B)
【図13】ハンドルフレーム部拡大図
【図14】フローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の歩行型作業機の一例を電動耕耘機により図面に基づき説明する。
2は伝動軸41を内装する伝動フレームで、上部には皿状の機体フレーム10を固定し、該伝動フレーム2から後方に向けて作業機フレーム1を延出している。そして伝動フレーム2の下部に、前記伝動軸2aを介した伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸3を軸支し、伝動フレーム2から左右方向に延びるこのロータリ軸3の外周に複数のロータリ爪4を配設するとともに、該ロータリ軸3の左右両端にサイドディスク5,5を取り付けロータリ部Rを構成している。
【0011】
ロータリ部Rの上方を覆う平面視円盤形状のロータリカバー6を前記機体フレーム10の上部に取り付ける。ロータリカバー6の左右中央部には平面視U字型の壁部6aを形成し、壁部6aの内側に沿って開口部6bを形成する。そして該開口部6bの前側にはモータカバー7を取り付け、モータカバー7の内部には前記伝動軸2aに動力を伝動する電動モータ8を内装し、開口部6bの後ろ側にはバッテリBを収容したバッテリケース9を着脱自在に挿入する。電動モータ8とバッテリケース9は前記機体フレーム10に載置し、開口部6bを貫通して配置する構成としている。
【0012】
前記作業機フレーム1の後部にはハンドルフレーム11の前下端側を取り付けている。ハンドルフレーム11は斜め後ろ後方に向かって延びており、ハンドルフレーム11の後端側から左右の操作ハンドル12a,12bを分岐して設け、左右の操作ハンドル12a,12bの後端部にはグリップ13a,13bを設ける構成である。
【0013】
作業機フレーム1の後端部には電動耕耘機を移動するときに機体を支持する支持車輪14と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒15を取り付けている。なお図1は支持車輪14を跳ね上げ状態とした作業姿勢である。
【0014】
次に、機体の駆動構成について説明する。
ハンドルフレーム11と操作ハンドル12a,12bの分岐位置に電源の入り切りをするキースイッチ16を設け、左右一方のグリップ13b近傍に電動モータ8の駆動を入り切りする操作レバー17を設ける。バッテリケース9の後面にはバッテリケース9内のバッテリBと電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20の出力端子18とバッテリBに充電するための充電端子19とを設ける。
【0015】
ここでバッテリケース9の内部構造について説明する。バッテリケース9は直方体形状を呈し後部外壁には前記出力端子18、充電端子19を備え、前部壁は着脱自在なカバー9aに構成される。このようなバッテリケース9内にはその容積の1/2以上を占める複数のセル41,41からなるバッテリBと各セル41,41の夫々の上面に充電回路42aを組み込んだ充電制御基板42,42を底部の案内リブ9b,9bをレール状に設けて前後にスライドすることにより挿脱自在に設けている。充電制御基板42の端子は、前記充電端子19(図例では2組の端子としている)に配線接続される一方、各セル41,41との間は直接電気的に接続する。
【0016】
ほぼ同一平面上に配設される前記充電制御基板42,42の上方には適宜間隔離れて放電回路43aを組み込んだ放電制御基板43を設ける。バッテリケース9の内周側壁部に前後方向の案内凹部を形成したリブ9c,9cを形成し、この案内凹部に放電制御基盤43の端部を挿入してスライドさせて装着または離脱させる構成としている。なお、放電制御基板43は複数のバッテリセル41,41の直列接続による電圧が出力端子18に出力できるように回路構成されている。バッテリケース9の内側面にはバッテリセル41,41と内壁との間に距離を置くリブ9d,9d…を設けている。
【0017】
前記放電基板43を前記バッテリセル41と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20途中に介在すると共に、該放電基板43に、出力制御回路43a、電流検出回路45、スイッチング回路46、電流平滑回路47、過放電防止回路48、及び短絡防止回路49を設ける。
【0018】
このうち出力制御回路43bは、キースイッチ16、運転リミットスイッチ33による運転制御回路51からの運転信号を受けてスイッチング回路46をON−OFF切換出力し、スイッチング回路46のON−OFF切換出力は、前記モータ駆動回路20を遮断し又は接続状態とするよう切り換える構成としている。
【0019】
また、電流検出回路45は放電制御基板43の制御電流を検出し予め設定した設定電流値を超える状態が規定時間継続すると前記スイッチング回路46をOFFに切り換え、前記モータ駆動回路20を遮断するよう構成している。
【0020】
前記充電制御基板42,42には過充電防止回路44を組み込み、一方放電制御基板43には上記の出力制御回路43a等のほか、電流平滑回路47、過放電防止回路48、短絡防止回路49を組み込んでいる。なお電流平滑回路47は、前記運転信号が入力されたときに生じるサージ電流を平滑処理する回路である。
【0021】
放電制御基板43に対する短絡防止は上記短絡防止回路49で防止できる構成であるが、充電制御回路42,42に対する短絡防止は、これら放電制御基板42,42毎に設けることなく、共通の短絡防止回路50を、充電端子19と放電制御基板42,42との間であって、該放電制御基板43の一側に縦姿勢で挿抜自在に前記バッテリケース9内に設けている。
【0022】
次いでバッテリケース9の出力端子18について説明する。電動モータ8への出力端子18a,18aとしてはプラス・マイナスの2端子で前記モータ駆動回路20により電動モータ8側に接続する構成であるが、残る2端子18b,18bは信号入出力用の端子である。即ち、この一対の端子18b,18bは信号制御基板51から前記キースイッチ16や操作レバー17に連動する運転スイッチ33等の入り切り信号を入力し前記入力制御回路43aに運転信号を出力でき、あるいは入力制御回路43aによる出力に基づいて信号制御基板51から電池残量や後述する警告表示信号を入力して、電源入切LED26a、運転警告LED26b、電池残量LED26cに出力する構成としている。なお、電源入切LEDと運転警告LEDを一体化してもよい。
【0023】
前記出力端子18a,18aは、ブレーカ55を介して電動モータ8に接続されている。即ち、ブレーカ55は、モータ駆動回路20を断接に切り替える操作部55aを備え、操作部55aはソレノイド(図示せず)を組み込み、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁して操作部55aを作動しモータ駆動回路20を遮断状態におき、電動モータ8を切りとする構成である。なお、前記ブレーカ55の操作部55aはオン−オフスイッチ形態で前記ロータリカバー6の上面に配設されている。
【0024】
前記出力端子18と充電端子19とは、機体背面視でハンドルフレーム11の左右両側にそれぞれ設ける構成で、作業者が操作側の機体後ろ側からハンドルフレーム11が邪魔になり難く配線の着脱を行ない易くしている。また、出力端子18と充電端子19を背面視でハンドルフレーム11を挟んで左右両側に配置したため、視覚的にも分かりやすく左右を誤った差込みとすることを防止できる。
【0025】
前記ブレーカ55と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20は、バッテリケース9の下部からロータリカバー6の壁部6aの外周に形成する傾斜部6cの下方と機体フレーム10の間の空間を通過する構成としている。
【0026】
バッテリケース9は上面に取手9eを形成し、下面に位置固定用の凸部9fを複数形成し、位置固定用の該凸部9fを機体フレーム10に形成する位置固定用の穴部10aに挿入することで、バッテリケース9の載置位置を固定できる構成としている。また、バッテリケース9はその左右側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されると共に、その前面に上下方向に長く位置固定用の凸条部9gを形成し、モータカバー7に形成する位置固定用の凹部7aと係合する構成としている。また、機体フレーム10の左右中央には開口部10bを設け、機体フレーム10に雨水等で流入した水の水はけができるようにしている。
【0027】
バッテリケース9を機体にセットするときには位置固定用の凸条部9gを位置固定用の凹状部7aに対応させ両者を嵌合状態としてそのまま下に下ろすと位置固定用の凸部9fが位置固定用の穴10aに挿入されてバッテリケース9の位置固定がなされる。バッテリケース9を取り出すときは取手9eを引き上げるだけで取り出すことができる。
【0028】
本実施の形態のバッテリケース9は前側をモータカバー7で、側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されるが、該壁部6aはロータリカバー6とは別体に形成しても良い。例えば機体フレーム10側に取り付けた壁部によって形成する構成としても良い。
【0029】
また、壁部6aは後ろ上がり傾斜状に形成することで、バッテリケース9の支持を強固にすると共に機体全体の美観を向上させることができる。また、バッテリケース9の背面側には後支持壁部6dを形成してバッテリケース9を背面から支持している。後支持壁部6dはバッテリケース9の側面を支持する壁部6aよりも低く形成し、出力端子18と充電端子19を機体背面側に露出する構成とすることで出力端子18と充電端子19への接続をし易くしている。
【0030】
なおバッテリケース9の前記カバー9aは、モータケース7との間に位置するものであるが、バッテリケース9の本体外周の内側に形成され、併せてモータケース7とバッテリケース9との外周を略揃えて形成することで隙間を少なくし、外観からカバー9aが視認できないため美観を高め、併せて雨水の浸入を少なくする。
【0031】
次に操作ハンドル12a,12bをハンドルフレーム11に対して横軸周りに上下回動調節可能に設け、ハンドルフレーム11に対するハンドル12a,12bが持ち上げ状態Uの荷重が加わるかあるいは押し下げ状態Dの荷重が加わるか、及びその大きさを歪みゲージ形態やトルクセンサ形態の押し引き検出手段35を構成している。即ち、横軸部にトーションバーなど歪ゲージを貼付設定でき復元可能な部材を設け、作業者がハンドル12a,12bの両方または片方を把持して耕耘作業を行うとき、該押し引き検出手段35による検出に基づき、以下の制御を行う構成である。
【0032】
制御部(運転制御回路)51への入力信号としては、前記キースイッチ16入り切り信号、運転スイッチ33の入り切り信号、前記押し引き検出手段35からの持ち上げ荷重または押し下げ荷重とその荷重値、電動モータ8の回転数設定ダイヤル36の設定信号、前後進切替スイッチ(図示せず)等があり、一方モータ駆動回路としての前記出力制御回路43aを介して電動モータ8の正逆転指令信号および回転数指令信号を出力する構成である。
【0033】
ここで、フローチャートに基づき、上記制御部51の作用について説明する。
図8において、耕耘作業開始にあたり、キースイッチ16をONし、各スイッチおよびセンサの検出値を読み込む(ステップ101、102)。さらに前記モータ回転数設定ダイヤル の設定回転数Ms信号を読み込む(ステップ103)。次いで操作レバー17による運転スイッチ33がONであるか否かを検出し(ステップ104)、ONであると電動モータ8は回転出力され回転起動する(ステップ105)。所定時間間隔で電動モータ8の回転数が該電動モータ8に組み込まれた回転検出手段(図示せず)によって検出され、このモータの検出回転数Maと前記設定回転数Msとを比較することにより、適正回転数であるか否かを判定し、適正回転数でないときはこれを高低に補正して適正回転数を得る(ステップ106〜109)。
【0034】
ステップ106の判定で適正回転数を得ると、ハンドル12a,12bに設けた押し引き検出手段36による押し引き荷重判定を行う(ステップ110)。押し引き検出手段35が押し荷重を検出するとき、すなわち機体後方の作業者がハンドル12a,12bを押す状態で機体進行速度が作業者の移動速さよりも遅くなる状態のときであり、押し引き検出手段35が検出する荷重値Wnをもって判断しうる。なお、荷重値Wnがプラス値であるときは「押し」状態とみなし、マイナス値であるときは「引き」状態であるとみなすことができる。
【0035】
荷重値Wnの読み込み後、前記「押し」を検出判断すると、電動モータ8に回転増加出力を行い、前記「引き」を検出判断すると、電動モータ8に回転低下出力を行う(ステップ111〜ステップ116)。なお、荷重値Wnに対する電動モータ8の増加幅または低下幅については、例えば図9のような荷重値―回転増加(低下)出力関係グラフを予め準備することにより、これら増加幅Utや低下幅Dvを算出し、ステップ107やステップ108のような1ステップ区切りでなく一挙に適正回転数に近づけることができる。
【0036】
このように、押し引き検出手段Hによる押し引き荷重判定後の処理を行うことにより、作業者の歩行速度に見合う作業機体側の作業速度を修正することができ、加えて本実施例では所謂一軸耕耘形態であるから耕耘回転数を増減調整できるため作業仕上がりにムラを生じず、初心者、熟練者を問わず均一の耕耘作業仕上げを得る。
【0037】
なお、図9における荷重値―回転増加(低下)出力関係グラフにおいて、増加幅Utまたは低下幅Dvの大小に応じて、ステップ114またはステップ115の応答スピード、すなわち応答速さを大小に変更するよう構成してもよい。このように構成すると、作業者の操作感覚に応じた回転数に修正でき、操作性や安全性を向上できる。
【0038】
なお、前記ステップ114またはステップ115の応答スピードは作業者の操作設定が可能なスイッチ手段またはダイヤルに基づき任意に設定できる構成としてもよい。このように構成すると、作業者の技量に応じて応答スピードを設定でき操作性、安全性の向上につながる。
【0039】
前記の押し引き検出手段35は、ハンドルフレーム11に対するハンドル12a,12bの角度変化を捉えてこれを歪みセンサ、トルクセンサ等の手段によって荷重値を検出することで「押し」「引き」判定を行う構成としたが、左右のハンドル12a,12bを連結したいわゆるループハンドルを構成して該ループハンドル部を把持して作業を行う場合には、このループハンドル部の適所に作業者の「押し」「引き」を判定できる感圧センサ形態の検出手段を設けることで代替しうるものである。
【0040】
なお、前記ロータリ軸3適所に回転検出センサ(耕耘軸回転検出手段)37を設け、前記押し引き検出手段35による電動モータ8回転制御中においても、ロータリ軸3の回転数が所定回転数以下とならぬよう所定回転を維持しておくよう関連付けることにより、低速制御の際に、ロータリ軸3の回転が過剰に低回転になって作業性を損なうなどの恐れが少ない。
【0041】
なお、本実施例ではロータリ軸3が単一で機体牽引機能も備える形態について、説明したが、走行部と耕耘部(乃至作業部)が別々に駆動される形態でも同様の効果がある。
次に、操作レバー17の安全装置Tについて説明する。
【0042】
操作レバー17は横軸心の支点30周りに回動する構成とし、支点30の前側に形成するスイッチ操作部17aと、支点30の後側に形成する把持部17bとを設ける。33は電動モータ8の駆動を入切すべく前記信号制御基板51の制御部に信号入力するリミットスイッチ形態の運転スイッチでスイッチ操作部17aの回動動作により電動モータ8の駆動が入切に行なわれる。25は把持して回動させた操作レバー17を初期位置に戻すスプリングである。
【0043】
前記把持部17bの上方にあって該把持部17bと交差する方向(左右方向)に支持され、この左右方向に摺動する移動軸31を設ける。移動軸31の機体内側端には移動軸31を機体外側に向かって押し出し操作するための押し部31cを形成し、押し部31cに隣接してスプリング35を移動軸31に巻回する構成としている。移動軸31は機体内側から順に小径部31aと大径部31bとを隣接して形成している。そして、安全装置Tの初期位置では大径部31bが把持部17bの回動軌跡上に位置する構成としている(図11(A))。
【0044】
操作レバー17と安全装置Tの耕耘作業時の操作について以下説明する。
バッテリBの充電状態を電池残量LED53の点滅の有無によって確認し、不足の場合は充電器を充電端子19に接続し所定の充電を行なう。
【0045】
耕耘作業の開始にあたっては、キースイッチ16を入りにして、移動軸31の端部に形成する押し部31cを親指で押し、小径部31aを操作レバー17の回動軌跡上に位置させ(図11(B))、そして、作業者は把持部17bを把持して前記運転スイッチ33がONとなる位置まで回動する。運転スイッチ33のON信号は、信号制御基板51を経由して出力制御回路43aに送信されスイッチング回路46を回路接続側に作動させバッテリBにより電動モータ8が駆動する。電動モータ8の回転を受けてロータリ部Rが回転し耕耘作業が行われる(図10(B))。
【0046】
耕耘作業を停止するときには、作業者が把持部17bを離すとスプリング25の作用でスイッチ操作部17aが初期位置まで回動し、運転信号33のOFF信号が伝えられてバッテリBの駆動電流が遮断されロータリ部Rは停止する(図10(A))。
【0047】
作業者がキースイッチ16を入りにした状態で電動耕耘機を持ち運んでいるときに、不意に操作レバー17の把持部17bに当接して把持部17bが回動しても、把持部17bが移動軸31の大径部31bに当接して、スイッチ操作部17aがリミットスイッチ33の入り位置まで回動せず、運転スイッチ33は入りされず、キースイッチ16が入り状態であることを作業者が気づかずに持ち運んでいるときであっても不意にロータリ部Rが回転することがないので安全である。
【0048】
また耕耘作業中、放電制御基板43の制御電流が予め設定した設定電流値を超える状態が所定時間継続すると、これを電流検出回路43dが検出し、ON出力状態にあるスイッチング回路43cをOFF出力に切り換え、ひいてはモータ駆動回路20を遮断することになり、電動モータ8は回転停止状態となる。したがって放電回路43aについて制御電流の監視によってバッテリセル41、電動モータ8、及びモータ駆動回路20の保護を図ることができる。
【0049】
モータ駆動回路20に負荷が掛かり電流が所定以上になると、ブレーカ55は該モータ駆動回路20を遮断側に作用させ、併せて操作部55aを切り側に切り替える。従って、再度起動するに当たっては操作部55aを操作して入りに切り替えておくものである。なお、ロータリ部Rのメンテナンスなどの時にはブレーカ55の操作部55aを操作してモータ駆動回路20を遮断側(切り)に切り替えておくことにより、確実に電動モータ8の非駆動を確保でき安全である。
【0050】
なお、この操作部55aはロータリカバー6部(図例ではロータリカバー6の後部左側)に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあって便利である。つまり、キースイッチ16をハンドルフレーム11に配設しておくとハンドル操作する作業者にとっては使い易いけれども、ロータリ部Rをメンテナンスする場合には遠くになって不便であるが、上記のようにロータリカバー6の上面に構成すると手が届き易く便利である。
【0051】
また、前記運転スイッチ33は、ON−OFF切換スイッチ形態であるが、これをポテンショメータ33´形態とし、操作レバー17´の操作角度を該ポテンショメータ33´の操作角に伝達することにより、電動モータ8の最大回転数を任意に設定できる構成としてもよい(図12(A)(B))。このように構成すると、作業員の歩行速度や技量あるいは土質に見合う耕耘回転を行うことができる。しかも、発進停止を徐々に行うことができ安全である。なお、操作レバー17´を最大握り状態とすると最大回転数を設定できるようになっている。
【0052】
前記放電制御基板43に構成される過電流保護回路45は、放電制御回路43a部の過電流を検出すると放電出力を停止する構成とし、モータ駆動回路20に電流が流れない。また、ON・OFF信号平滑回路46は、特に起動時の電流が不安定であってもこれを滑らかに平滑処理して滑らかな発信を確保する。また、電流平滑回路47は、起動時の前記操作レバー17による運転信号33のON・OFFが断続的に繰り返された場合に生じる恐れのあるサージ電流の発生を防止する。
【0053】
さらに放電制御基板43の過放電防止回路48は、バッテリBからの電圧が過剰のときにはこれを所定以下(例えば18V以下)に抑制制御する。短絡防止回路49は出力端子18部の短絡状態となったときに放電制御回路43a部の保護に係り、もう一方の短絡防止回路50によって充電端子19部が短絡状態となったときに充電制御回路42a部の保護が図れる。
【0054】
本実施例に係るコントローラの構成は、充電制御基板42,42を夫々バッテリセル41,41に直接接続し、バッテリケース9内に収容するとともに、放電制御基板43の方は充電制御基板42,42とは上下に間隔離れてバッテリケース9内に装着する構成であるから、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続はワイヤ配線のない直接接続が可能となってコンパクト化が図れる一方、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【0055】
さらに、充電制御基板42,42の充電制御回路42a,42aと充電端子19とを並列接続して充電を各バッテリセル41,41に対して並列接続処理を行い、放電制御基板43の出力制御回路43aに対してバッテリセル41,41は直列接続によって出力端子18を介して電動モータ8に出力しており、並列接続と直列接続とを効果的に組み立て得る効果がある。
【0056】
なお、バッテリセル41,41の上部に充電制御基板42,42を配設してバッテリケース9に挿入する構成であるため、水分が浸入しても下方に堆積して基板42,42自体に影響が少ない。
【0057】
次に前記LED26の構成について以下説明する。
キースイッチ16の近傍に各種運転状態を示す複数のLED26を設けている。即ち、ハンドルフレーム11に支持されたカバー部材60の傾斜上面60aに前記キースイッチ16とLED26を設ける。LED26及び、このLED26の下側に位置すべく信号制御基板51を支持したホルダ61を備えている。この信号制御基板51は前記キースイッチ16信号や運転スイッチ33信号を入力して配線62により前記出力端子18の一対18b,18bに接続している。
【0058】
本実施の形態では、電源の入り切りのLED26a、運転の入り切りのLED26bとバッテリ残量のLED26cを設けている。電源の入り切りのLED26aではキースイッチ入りで第一の色である緑色が発光し、過負荷を検出して配線20に設ける過電流保護回路45が作動すると第二の色である赤色が発光する。運転の入り切りのLED26bでは運転スイッチ33が入りしてロータリ部Rが駆動すると第一の色である緑色が発光し、モータ8内蔵の温度センサーによる保護回路(図示せず)が作動すると第二の色である赤色が発光する。バッテリ残量のLED26cではバッテリの残量が通常の状態では第一の色である緑色が発光し、残量が設定量以下になると第二の色である赤色が発光する。なお、前記電源入り切りのLED26aは省略してもよい。
【0059】
このように、各種運転状態をLEDで表示し、また、第一の色から第二の色に適宜変色することで少ないLEDの数で多くの動作表示を行なうことができ、また、一箇所に集中して、かつ、操作側から見やすい位置にLEDを配置することで各種運転状況を確認しやすい。また、キースイッチ16に隣接してLEDを設けたことで、電源入りから電源切の際にLEDを常に確認しやすい。
【0060】
前記構成の電動耕耘機の電動モータ8に対する運転出力及び停止出力の基本的な作用を図14のフローチャートに基づき説明する。キースイッチ16がONされると(ステップ201)、各種スイッチ信号、各種検出センサ値を読み込む(ステップ202)。ついで、運転スイッチ33がONであるか否か判定し(ステップ203)、ステップ201及びステップ203双方のON信号出力が整う運転信号のとき、スイッチング回路46へON信号が出力される(ステップ204)。この出力を受けるとモータ駆動回路20が接続状態となり、バッテリBと電動モータ8とは回路接続状態となって回転駆動する(ステップ205)。
【0061】
運転中、電流検出回路45は常時、制御電流の監視を行い検出電流値と予め設定した所定値と比較し(ステップ206)、ブレーカ55はモータ駆動回路20の負荷電流値を検出して過負荷状態か否か判定する(ステップ207)。ステップ206で所定値以下であり、かつステップ207で過負荷状態にない場合は、前記スイッチング回路46へのON信号を継続するため、電動モータ8は回転駆動状態を維持する。
【0062】
一方、ステップ206で所定値との比較において、所定値以下でないときであって予め設定した規定時間を越えると制御電流異常としてスイッチング回路46にはOFF信号が出力され(ステップ211)、電動モータ8は停止する(ステップ212)。
【0063】
上記のように、電流検出回路45とブレーカ55の両方で、バッテリB、電動モータ8、配線等の保護を行うことができる。
なお、前記の図8による速度の増減制御において、減速制御ののち、再度増速制御を行うときには、減速制御が行われる前の速度まで復帰させる構成とし、むやみに増速制御を行わせず安全を確保するように構成するとよい。また、機体に速度検出手段を組み込み、経時的に速度を監視するよう構成し、平均的な速度を設定速度として記憶し、増速側への制御は、当該平均速度を目安に増速させるよう構成することにより、平均モータ回転数を上限とすることで、むやみに増速することがなくなり安全である。
【符号の説明】
【0064】
B バッテリ
8 電動モータ
11ハンドルフレーム
12ハンドル
35押し引き検出手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なバッテリと電動モータとを備え耕耘部や草刈部などの作業部または走行部を該電動モータによって駆動する歩行型電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはバッテリユニットと電動モータの配置構成及びコントローラの配置構成について開示されている。また、特許文献2には、操作信号受信部、制御部、モータ駆動回路等を接続したコントローラを備え、制御部には、充電器、ハンドル装着スイッチ、回転センサ等からの信号を受け、表示部に表示信号を発するとともに、モータ駆動回路を介して電動モータを回転制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−22173号公報
【特許文献2】特開2004−275100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、歩行型電動作業機では、作業者が左右ハンドルを把持して機体進行に従い方向修正等を行いながら作業を行うものである。また、電動モータの回転で走行部を駆動し、機体の走行速度は電動モータの回転数に基づき設定される構成であるから、作業者の歩行速度によっては、機体の走行速度が遅く又は該速度が速いことがあって、作業者にとっては負担である。
【0005】
この発明は、作業者の歩行速度と機体速度との相対速度差を推定して作業者の歩行速度に見合う作業速度に機体速度を修正しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はかかる技術的課題を解決するためこの発明は、充電可能なバッテリBと電動モータ8とを備え、走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型電動作業機において、ハンドル12に作業者の押し引きを検出する押し引き検出手段35を設け、この押し引き検出手段35の検出結果に基づいて電動モータ8の回転数を増加または低下出力する構成とした歩行型電動作業機の構成とする。
【0007】
このように構成することにより、押し引き検出手段Hが作業者によるハンドル12の「押し」を検出すると、電動モータ8の回転数が増加出力されて機体走行速度が上がり、一方「引き」を検出すると電動モータ8の回転数が低下出力されて機体走行速度が低下する。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、押し引き検出手段Hを設けることにより、作業者に見合う作業機体の走行速度に修正することができ、操作性が向上し、かつ安全性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電動耕耘機の側面図
【図2】電動耕耘機の背面図
【図3】電動耕耘機の平面図
【図4】電動耕耘機の拡大側面図
【図5】バッテリケース内の正面図
【図6】制御ブロック概要図(A)、スイッチング回路関係ブロック図(B)
【図7】ブロック図
【図8】フローチャート
【図9】荷重値―回転増加(低下)出力関係グラフ
【図10】安全装置の作動を示す側面図(A)(B)
【図11】安全装置の作動を示す平面図(A)(B)
【図12】運転スイッチの別例を示す斜視図(A),ポジションセンサ値−モータ回転数関係グラフ(B)
【図13】ハンドルフレーム部拡大図
【図14】フローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の歩行型作業機の一例を電動耕耘機により図面に基づき説明する。
2は伝動軸41を内装する伝動フレームで、上部には皿状の機体フレーム10を固定し、該伝動フレーム2から後方に向けて作業機フレーム1を延出している。そして伝動フレーム2の下部に、前記伝動軸2aを介した伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸3を軸支し、伝動フレーム2から左右方向に延びるこのロータリ軸3の外周に複数のロータリ爪4を配設するとともに、該ロータリ軸3の左右両端にサイドディスク5,5を取り付けロータリ部Rを構成している。
【0011】
ロータリ部Rの上方を覆う平面視円盤形状のロータリカバー6を前記機体フレーム10の上部に取り付ける。ロータリカバー6の左右中央部には平面視U字型の壁部6aを形成し、壁部6aの内側に沿って開口部6bを形成する。そして該開口部6bの前側にはモータカバー7を取り付け、モータカバー7の内部には前記伝動軸2aに動力を伝動する電動モータ8を内装し、開口部6bの後ろ側にはバッテリBを収容したバッテリケース9を着脱自在に挿入する。電動モータ8とバッテリケース9は前記機体フレーム10に載置し、開口部6bを貫通して配置する構成としている。
【0012】
前記作業機フレーム1の後部にはハンドルフレーム11の前下端側を取り付けている。ハンドルフレーム11は斜め後ろ後方に向かって延びており、ハンドルフレーム11の後端側から左右の操作ハンドル12a,12bを分岐して設け、左右の操作ハンドル12a,12bの後端部にはグリップ13a,13bを設ける構成である。
【0013】
作業機フレーム1の後端部には電動耕耘機を移動するときに機体を支持する支持車輪14と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒15を取り付けている。なお図1は支持車輪14を跳ね上げ状態とした作業姿勢である。
【0014】
次に、機体の駆動構成について説明する。
ハンドルフレーム11と操作ハンドル12a,12bの分岐位置に電源の入り切りをするキースイッチ16を設け、左右一方のグリップ13b近傍に電動モータ8の駆動を入り切りする操作レバー17を設ける。バッテリケース9の後面にはバッテリケース9内のバッテリBと電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20の出力端子18とバッテリBに充電するための充電端子19とを設ける。
【0015】
ここでバッテリケース9の内部構造について説明する。バッテリケース9は直方体形状を呈し後部外壁には前記出力端子18、充電端子19を備え、前部壁は着脱自在なカバー9aに構成される。このようなバッテリケース9内にはその容積の1/2以上を占める複数のセル41,41からなるバッテリBと各セル41,41の夫々の上面に充電回路42aを組み込んだ充電制御基板42,42を底部の案内リブ9b,9bをレール状に設けて前後にスライドすることにより挿脱自在に設けている。充電制御基板42の端子は、前記充電端子19(図例では2組の端子としている)に配線接続される一方、各セル41,41との間は直接電気的に接続する。
【0016】
ほぼ同一平面上に配設される前記充電制御基板42,42の上方には適宜間隔離れて放電回路43aを組み込んだ放電制御基板43を設ける。バッテリケース9の内周側壁部に前後方向の案内凹部を形成したリブ9c,9cを形成し、この案内凹部に放電制御基盤43の端部を挿入してスライドさせて装着または離脱させる構成としている。なお、放電制御基板43は複数のバッテリセル41,41の直列接続による電圧が出力端子18に出力できるように回路構成されている。バッテリケース9の内側面にはバッテリセル41,41と内壁との間に距離を置くリブ9d,9d…を設けている。
【0017】
前記放電基板43を前記バッテリセル41と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20途中に介在すると共に、該放電基板43に、出力制御回路43a、電流検出回路45、スイッチング回路46、電流平滑回路47、過放電防止回路48、及び短絡防止回路49を設ける。
【0018】
このうち出力制御回路43bは、キースイッチ16、運転リミットスイッチ33による運転制御回路51からの運転信号を受けてスイッチング回路46をON−OFF切換出力し、スイッチング回路46のON−OFF切換出力は、前記モータ駆動回路20を遮断し又は接続状態とするよう切り換える構成としている。
【0019】
また、電流検出回路45は放電制御基板43の制御電流を検出し予め設定した設定電流値を超える状態が規定時間継続すると前記スイッチング回路46をOFFに切り換え、前記モータ駆動回路20を遮断するよう構成している。
【0020】
前記充電制御基板42,42には過充電防止回路44を組み込み、一方放電制御基板43には上記の出力制御回路43a等のほか、電流平滑回路47、過放電防止回路48、短絡防止回路49を組み込んでいる。なお電流平滑回路47は、前記運転信号が入力されたときに生じるサージ電流を平滑処理する回路である。
【0021】
放電制御基板43に対する短絡防止は上記短絡防止回路49で防止できる構成であるが、充電制御回路42,42に対する短絡防止は、これら放電制御基板42,42毎に設けることなく、共通の短絡防止回路50を、充電端子19と放電制御基板42,42との間であって、該放電制御基板43の一側に縦姿勢で挿抜自在に前記バッテリケース9内に設けている。
【0022】
次いでバッテリケース9の出力端子18について説明する。電動モータ8への出力端子18a,18aとしてはプラス・マイナスの2端子で前記モータ駆動回路20により電動モータ8側に接続する構成であるが、残る2端子18b,18bは信号入出力用の端子である。即ち、この一対の端子18b,18bは信号制御基板51から前記キースイッチ16や操作レバー17に連動する運転スイッチ33等の入り切り信号を入力し前記入力制御回路43aに運転信号を出力でき、あるいは入力制御回路43aによる出力に基づいて信号制御基板51から電池残量や後述する警告表示信号を入力して、電源入切LED26a、運転警告LED26b、電池残量LED26cに出力する構成としている。なお、電源入切LEDと運転警告LEDを一体化してもよい。
【0023】
前記出力端子18a,18aは、ブレーカ55を介して電動モータ8に接続されている。即ち、ブレーカ55は、モータ駆動回路20を断接に切り替える操作部55aを備え、操作部55aはソレノイド(図示せず)を組み込み、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁して操作部55aを作動しモータ駆動回路20を遮断状態におき、電動モータ8を切りとする構成である。なお、前記ブレーカ55の操作部55aはオン−オフスイッチ形態で前記ロータリカバー6の上面に配設されている。
【0024】
前記出力端子18と充電端子19とは、機体背面視でハンドルフレーム11の左右両側にそれぞれ設ける構成で、作業者が操作側の機体後ろ側からハンドルフレーム11が邪魔になり難く配線の着脱を行ない易くしている。また、出力端子18と充電端子19を背面視でハンドルフレーム11を挟んで左右両側に配置したため、視覚的にも分かりやすく左右を誤った差込みとすることを防止できる。
【0025】
前記ブレーカ55と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20は、バッテリケース9の下部からロータリカバー6の壁部6aの外周に形成する傾斜部6cの下方と機体フレーム10の間の空間を通過する構成としている。
【0026】
バッテリケース9は上面に取手9eを形成し、下面に位置固定用の凸部9fを複数形成し、位置固定用の該凸部9fを機体フレーム10に形成する位置固定用の穴部10aに挿入することで、バッテリケース9の載置位置を固定できる構成としている。また、バッテリケース9はその左右側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されると共に、その前面に上下方向に長く位置固定用の凸条部9gを形成し、モータカバー7に形成する位置固定用の凹部7aと係合する構成としている。また、機体フレーム10の左右中央には開口部10bを設け、機体フレーム10に雨水等で流入した水の水はけができるようにしている。
【0027】
バッテリケース9を機体にセットするときには位置固定用の凸条部9gを位置固定用の凹状部7aに対応させ両者を嵌合状態としてそのまま下に下ろすと位置固定用の凸部9fが位置固定用の穴10aに挿入されてバッテリケース9の位置固定がなされる。バッテリケース9を取り出すときは取手9eを引き上げるだけで取り出すことができる。
【0028】
本実施の形態のバッテリケース9は前側をモータカバー7で、側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されるが、該壁部6aはロータリカバー6とは別体に形成しても良い。例えば機体フレーム10側に取り付けた壁部によって形成する構成としても良い。
【0029】
また、壁部6aは後ろ上がり傾斜状に形成することで、バッテリケース9の支持を強固にすると共に機体全体の美観を向上させることができる。また、バッテリケース9の背面側には後支持壁部6dを形成してバッテリケース9を背面から支持している。後支持壁部6dはバッテリケース9の側面を支持する壁部6aよりも低く形成し、出力端子18と充電端子19を機体背面側に露出する構成とすることで出力端子18と充電端子19への接続をし易くしている。
【0030】
なおバッテリケース9の前記カバー9aは、モータケース7との間に位置するものであるが、バッテリケース9の本体外周の内側に形成され、併せてモータケース7とバッテリケース9との外周を略揃えて形成することで隙間を少なくし、外観からカバー9aが視認できないため美観を高め、併せて雨水の浸入を少なくする。
【0031】
次に操作ハンドル12a,12bをハンドルフレーム11に対して横軸周りに上下回動調節可能に設け、ハンドルフレーム11に対するハンドル12a,12bが持ち上げ状態Uの荷重が加わるかあるいは押し下げ状態Dの荷重が加わるか、及びその大きさを歪みゲージ形態やトルクセンサ形態の押し引き検出手段35を構成している。即ち、横軸部にトーションバーなど歪ゲージを貼付設定でき復元可能な部材を設け、作業者がハンドル12a,12bの両方または片方を把持して耕耘作業を行うとき、該押し引き検出手段35による検出に基づき、以下の制御を行う構成である。
【0032】
制御部(運転制御回路)51への入力信号としては、前記キースイッチ16入り切り信号、運転スイッチ33の入り切り信号、前記押し引き検出手段35からの持ち上げ荷重または押し下げ荷重とその荷重値、電動モータ8の回転数設定ダイヤル36の設定信号、前後進切替スイッチ(図示せず)等があり、一方モータ駆動回路としての前記出力制御回路43aを介して電動モータ8の正逆転指令信号および回転数指令信号を出力する構成である。
【0033】
ここで、フローチャートに基づき、上記制御部51の作用について説明する。
図8において、耕耘作業開始にあたり、キースイッチ16をONし、各スイッチおよびセンサの検出値を読み込む(ステップ101、102)。さらに前記モータ回転数設定ダイヤル の設定回転数Ms信号を読み込む(ステップ103)。次いで操作レバー17による運転スイッチ33がONであるか否かを検出し(ステップ104)、ONであると電動モータ8は回転出力され回転起動する(ステップ105)。所定時間間隔で電動モータ8の回転数が該電動モータ8に組み込まれた回転検出手段(図示せず)によって検出され、このモータの検出回転数Maと前記設定回転数Msとを比較することにより、適正回転数であるか否かを判定し、適正回転数でないときはこれを高低に補正して適正回転数を得る(ステップ106〜109)。
【0034】
ステップ106の判定で適正回転数を得ると、ハンドル12a,12bに設けた押し引き検出手段36による押し引き荷重判定を行う(ステップ110)。押し引き検出手段35が押し荷重を検出するとき、すなわち機体後方の作業者がハンドル12a,12bを押す状態で機体進行速度が作業者の移動速さよりも遅くなる状態のときであり、押し引き検出手段35が検出する荷重値Wnをもって判断しうる。なお、荷重値Wnがプラス値であるときは「押し」状態とみなし、マイナス値であるときは「引き」状態であるとみなすことができる。
【0035】
荷重値Wnの読み込み後、前記「押し」を検出判断すると、電動モータ8に回転増加出力を行い、前記「引き」を検出判断すると、電動モータ8に回転低下出力を行う(ステップ111〜ステップ116)。なお、荷重値Wnに対する電動モータ8の増加幅または低下幅については、例えば図9のような荷重値―回転増加(低下)出力関係グラフを予め準備することにより、これら増加幅Utや低下幅Dvを算出し、ステップ107やステップ108のような1ステップ区切りでなく一挙に適正回転数に近づけることができる。
【0036】
このように、押し引き検出手段Hによる押し引き荷重判定後の処理を行うことにより、作業者の歩行速度に見合う作業機体側の作業速度を修正することができ、加えて本実施例では所謂一軸耕耘形態であるから耕耘回転数を増減調整できるため作業仕上がりにムラを生じず、初心者、熟練者を問わず均一の耕耘作業仕上げを得る。
【0037】
なお、図9における荷重値―回転増加(低下)出力関係グラフにおいて、増加幅Utまたは低下幅Dvの大小に応じて、ステップ114またはステップ115の応答スピード、すなわち応答速さを大小に変更するよう構成してもよい。このように構成すると、作業者の操作感覚に応じた回転数に修正でき、操作性や安全性を向上できる。
【0038】
なお、前記ステップ114またはステップ115の応答スピードは作業者の操作設定が可能なスイッチ手段またはダイヤルに基づき任意に設定できる構成としてもよい。このように構成すると、作業者の技量に応じて応答スピードを設定でき操作性、安全性の向上につながる。
【0039】
前記の押し引き検出手段35は、ハンドルフレーム11に対するハンドル12a,12bの角度変化を捉えてこれを歪みセンサ、トルクセンサ等の手段によって荷重値を検出することで「押し」「引き」判定を行う構成としたが、左右のハンドル12a,12bを連結したいわゆるループハンドルを構成して該ループハンドル部を把持して作業を行う場合には、このループハンドル部の適所に作業者の「押し」「引き」を判定できる感圧センサ形態の検出手段を設けることで代替しうるものである。
【0040】
なお、前記ロータリ軸3適所に回転検出センサ(耕耘軸回転検出手段)37を設け、前記押し引き検出手段35による電動モータ8回転制御中においても、ロータリ軸3の回転数が所定回転数以下とならぬよう所定回転を維持しておくよう関連付けることにより、低速制御の際に、ロータリ軸3の回転が過剰に低回転になって作業性を損なうなどの恐れが少ない。
【0041】
なお、本実施例ではロータリ軸3が単一で機体牽引機能も備える形態について、説明したが、走行部と耕耘部(乃至作業部)が別々に駆動される形態でも同様の効果がある。
次に、操作レバー17の安全装置Tについて説明する。
【0042】
操作レバー17は横軸心の支点30周りに回動する構成とし、支点30の前側に形成するスイッチ操作部17aと、支点30の後側に形成する把持部17bとを設ける。33は電動モータ8の駆動を入切すべく前記信号制御基板51の制御部に信号入力するリミットスイッチ形態の運転スイッチでスイッチ操作部17aの回動動作により電動モータ8の駆動が入切に行なわれる。25は把持して回動させた操作レバー17を初期位置に戻すスプリングである。
【0043】
前記把持部17bの上方にあって該把持部17bと交差する方向(左右方向)に支持され、この左右方向に摺動する移動軸31を設ける。移動軸31の機体内側端には移動軸31を機体外側に向かって押し出し操作するための押し部31cを形成し、押し部31cに隣接してスプリング35を移動軸31に巻回する構成としている。移動軸31は機体内側から順に小径部31aと大径部31bとを隣接して形成している。そして、安全装置Tの初期位置では大径部31bが把持部17bの回動軌跡上に位置する構成としている(図11(A))。
【0044】
操作レバー17と安全装置Tの耕耘作業時の操作について以下説明する。
バッテリBの充電状態を電池残量LED53の点滅の有無によって確認し、不足の場合は充電器を充電端子19に接続し所定の充電を行なう。
【0045】
耕耘作業の開始にあたっては、キースイッチ16を入りにして、移動軸31の端部に形成する押し部31cを親指で押し、小径部31aを操作レバー17の回動軌跡上に位置させ(図11(B))、そして、作業者は把持部17bを把持して前記運転スイッチ33がONとなる位置まで回動する。運転スイッチ33のON信号は、信号制御基板51を経由して出力制御回路43aに送信されスイッチング回路46を回路接続側に作動させバッテリBにより電動モータ8が駆動する。電動モータ8の回転を受けてロータリ部Rが回転し耕耘作業が行われる(図10(B))。
【0046】
耕耘作業を停止するときには、作業者が把持部17bを離すとスプリング25の作用でスイッチ操作部17aが初期位置まで回動し、運転信号33のOFF信号が伝えられてバッテリBの駆動電流が遮断されロータリ部Rは停止する(図10(A))。
【0047】
作業者がキースイッチ16を入りにした状態で電動耕耘機を持ち運んでいるときに、不意に操作レバー17の把持部17bに当接して把持部17bが回動しても、把持部17bが移動軸31の大径部31bに当接して、スイッチ操作部17aがリミットスイッチ33の入り位置まで回動せず、運転スイッチ33は入りされず、キースイッチ16が入り状態であることを作業者が気づかずに持ち運んでいるときであっても不意にロータリ部Rが回転することがないので安全である。
【0048】
また耕耘作業中、放電制御基板43の制御電流が予め設定した設定電流値を超える状態が所定時間継続すると、これを電流検出回路43dが検出し、ON出力状態にあるスイッチング回路43cをOFF出力に切り換え、ひいてはモータ駆動回路20を遮断することになり、電動モータ8は回転停止状態となる。したがって放電回路43aについて制御電流の監視によってバッテリセル41、電動モータ8、及びモータ駆動回路20の保護を図ることができる。
【0049】
モータ駆動回路20に負荷が掛かり電流が所定以上になると、ブレーカ55は該モータ駆動回路20を遮断側に作用させ、併せて操作部55aを切り側に切り替える。従って、再度起動するに当たっては操作部55aを操作して入りに切り替えておくものである。なお、ロータリ部Rのメンテナンスなどの時にはブレーカ55の操作部55aを操作してモータ駆動回路20を遮断側(切り)に切り替えておくことにより、確実に電動モータ8の非駆動を確保でき安全である。
【0050】
なお、この操作部55aはロータリカバー6部(図例ではロータリカバー6の後部左側)に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあって便利である。つまり、キースイッチ16をハンドルフレーム11に配設しておくとハンドル操作する作業者にとっては使い易いけれども、ロータリ部Rをメンテナンスする場合には遠くになって不便であるが、上記のようにロータリカバー6の上面に構成すると手が届き易く便利である。
【0051】
また、前記運転スイッチ33は、ON−OFF切換スイッチ形態であるが、これをポテンショメータ33´形態とし、操作レバー17´の操作角度を該ポテンショメータ33´の操作角に伝達することにより、電動モータ8の最大回転数を任意に設定できる構成としてもよい(図12(A)(B))。このように構成すると、作業員の歩行速度や技量あるいは土質に見合う耕耘回転を行うことができる。しかも、発進停止を徐々に行うことができ安全である。なお、操作レバー17´を最大握り状態とすると最大回転数を設定できるようになっている。
【0052】
前記放電制御基板43に構成される過電流保護回路45は、放電制御回路43a部の過電流を検出すると放電出力を停止する構成とし、モータ駆動回路20に電流が流れない。また、ON・OFF信号平滑回路46は、特に起動時の電流が不安定であってもこれを滑らかに平滑処理して滑らかな発信を確保する。また、電流平滑回路47は、起動時の前記操作レバー17による運転信号33のON・OFFが断続的に繰り返された場合に生じる恐れのあるサージ電流の発生を防止する。
【0053】
さらに放電制御基板43の過放電防止回路48は、バッテリBからの電圧が過剰のときにはこれを所定以下(例えば18V以下)に抑制制御する。短絡防止回路49は出力端子18部の短絡状態となったときに放電制御回路43a部の保護に係り、もう一方の短絡防止回路50によって充電端子19部が短絡状態となったときに充電制御回路42a部の保護が図れる。
【0054】
本実施例に係るコントローラの構成は、充電制御基板42,42を夫々バッテリセル41,41に直接接続し、バッテリケース9内に収容するとともに、放電制御基板43の方は充電制御基板42,42とは上下に間隔離れてバッテリケース9内に装着する構成であるから、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続はワイヤ配線のない直接接続が可能となってコンパクト化が図れる一方、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【0055】
さらに、充電制御基板42,42の充電制御回路42a,42aと充電端子19とを並列接続して充電を各バッテリセル41,41に対して並列接続処理を行い、放電制御基板43の出力制御回路43aに対してバッテリセル41,41は直列接続によって出力端子18を介して電動モータ8に出力しており、並列接続と直列接続とを効果的に組み立て得る効果がある。
【0056】
なお、バッテリセル41,41の上部に充電制御基板42,42を配設してバッテリケース9に挿入する構成であるため、水分が浸入しても下方に堆積して基板42,42自体に影響が少ない。
【0057】
次に前記LED26の構成について以下説明する。
キースイッチ16の近傍に各種運転状態を示す複数のLED26を設けている。即ち、ハンドルフレーム11に支持されたカバー部材60の傾斜上面60aに前記キースイッチ16とLED26を設ける。LED26及び、このLED26の下側に位置すべく信号制御基板51を支持したホルダ61を備えている。この信号制御基板51は前記キースイッチ16信号や運転スイッチ33信号を入力して配線62により前記出力端子18の一対18b,18bに接続している。
【0058】
本実施の形態では、電源の入り切りのLED26a、運転の入り切りのLED26bとバッテリ残量のLED26cを設けている。電源の入り切りのLED26aではキースイッチ入りで第一の色である緑色が発光し、過負荷を検出して配線20に設ける過電流保護回路45が作動すると第二の色である赤色が発光する。運転の入り切りのLED26bでは運転スイッチ33が入りしてロータリ部Rが駆動すると第一の色である緑色が発光し、モータ8内蔵の温度センサーによる保護回路(図示せず)が作動すると第二の色である赤色が発光する。バッテリ残量のLED26cではバッテリの残量が通常の状態では第一の色である緑色が発光し、残量が設定量以下になると第二の色である赤色が発光する。なお、前記電源入り切りのLED26aは省略してもよい。
【0059】
このように、各種運転状態をLEDで表示し、また、第一の色から第二の色に適宜変色することで少ないLEDの数で多くの動作表示を行なうことができ、また、一箇所に集中して、かつ、操作側から見やすい位置にLEDを配置することで各種運転状況を確認しやすい。また、キースイッチ16に隣接してLEDを設けたことで、電源入りから電源切の際にLEDを常に確認しやすい。
【0060】
前記構成の電動耕耘機の電動モータ8に対する運転出力及び停止出力の基本的な作用を図14のフローチャートに基づき説明する。キースイッチ16がONされると(ステップ201)、各種スイッチ信号、各種検出センサ値を読み込む(ステップ202)。ついで、運転スイッチ33がONであるか否か判定し(ステップ203)、ステップ201及びステップ203双方のON信号出力が整う運転信号のとき、スイッチング回路46へON信号が出力される(ステップ204)。この出力を受けるとモータ駆動回路20が接続状態となり、バッテリBと電動モータ8とは回路接続状態となって回転駆動する(ステップ205)。
【0061】
運転中、電流検出回路45は常時、制御電流の監視を行い検出電流値と予め設定した所定値と比較し(ステップ206)、ブレーカ55はモータ駆動回路20の負荷電流値を検出して過負荷状態か否か判定する(ステップ207)。ステップ206で所定値以下であり、かつステップ207で過負荷状態にない場合は、前記スイッチング回路46へのON信号を継続するため、電動モータ8は回転駆動状態を維持する。
【0062】
一方、ステップ206で所定値との比較において、所定値以下でないときであって予め設定した規定時間を越えると制御電流異常としてスイッチング回路46にはOFF信号が出力され(ステップ211)、電動モータ8は停止する(ステップ212)。
【0063】
上記のように、電流検出回路45とブレーカ55の両方で、バッテリB、電動モータ8、配線等の保護を行うことができる。
なお、前記の図8による速度の増減制御において、減速制御ののち、再度増速制御を行うときには、減速制御が行われる前の速度まで復帰させる構成とし、むやみに増速制御を行わせず安全を確保するように構成するとよい。また、機体に速度検出手段を組み込み、経時的に速度を監視するよう構成し、平均的な速度を設定速度として記憶し、増速側への制御は、当該平均速度を目安に増速させるよう構成することにより、平均モータ回転数を上限とすることで、むやみに増速することがなくなり安全である。
【符号の説明】
【0064】
B バッテリ
8 電動モータ
11ハンドルフレーム
12ハンドル
35押し引き検出手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能なバッテリ(B)と電動モータ(8)とを備え、走行部を該電動モータ(8)によって駆動する歩行型作業機において、ハンドル(12)に作業者の押し引きを検出する押し引き検出手段(35)を設け、この押し引き検出手段(35)の検出結果に基づいて電動モータ(8)の回転数を増加または低下出力する構成とした歩行型作業機。
【請求項1】
充電可能なバッテリ(B)と電動モータ(8)とを備え、走行部を該電動モータ(8)によって駆動する歩行型作業機において、ハンドル(12)に作業者の押し引きを検出する押し引き検出手段(35)を設け、この押し引き検出手段(35)の検出結果に基づいて電動モータ(8)の回転数を増加または低下出力する構成とした歩行型作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−93493(P2011−93493A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251947(P2009−251947)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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