説明

段階穴を用いた養殖用空気圧送のホース及びパイプでの養殖方法。

【課題】魚貝類の養殖において、圧送用空気ホース及びパイプの圧送用空気穴や、穴の構造及びホースやパイプ自体をもっと多目的に改造改善することで養殖技術の向上を図る。
【解決手段】養殖用の空気圧送用ホース及びパイプ3一本の水中海中部分での間に、区間、区間的に小、中、大の太さの異なる穴を段階的に三段階設けるが、連続的に小、中、大の穴を設けるのではなく、小、中、大の区切と区切の間は、何も穴の無い部分をあえて設けてある。ここは従来とは異なる養殖用種カキのワイヤーやロープを付設する(取り付ける)ポイントで、無理なく本発明のパイプやワイヤーが一体化設置可能となる構造を特徴とする養殖用段階穴空気圧送ホース及びパイプを用いたエアー出力にて行なう手段の養殖方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
段階穴を用いた養殖用空気圧送のホース及びパイプでの養殖方法に属するものである。
【背景技術】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】 特開2002−119
【特許文献2】 特開2005−333910
【特許文献3】 平7−274−767(特開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
今日の海における養殖において温暖化が進むにつれて海水はCO2の増加、汚泥による水中生物の成長妨害など悪影響作用が目には目視できなくても早い速度で益々広がってきている。特にカキ貝や魚貝類の体を作る基本的食物プランクトンであるが、このプランクトン自体の体を作る炭酸イオンが減少したり、温暖化で海水温が上昇し汚泥のよごれによる死滅でさらにCO2が水中でも増え続けているのが現状である。
【0004】
こういった状況によりCO2が溶け込むことで水素イオンが増加すると酸性化が進み海水との中和反応が起きるごとに炭素イオンが失われていく。またプランクトンは海中のカルシュウムイオンと炭酸イオンが体の形成材であり炭酸イオンが、失われると成長が悪く殻が出来にくいことで知られている。
【0005】
そこで、圧送用空気ホース及びパイプは従来魚貝類の生命維持が主たる目的で空気をコンプレッサーで送っていたのであるが、これらの空気穴は均一で平均した同一穴の太さが用いられており出力される、空気も大体に同じであったし同量的であったといえる。
これでは、魚貝類や水質、養殖上において酸素密度は低くて有効ではなく、効果的であるとは言えず、空気を活用する上で前記した[0003]関係の諸問題に対抗するためとカキなどの養殖技術向上のためのことも含めて解決するためにホース及びパイプの圧送用空気穴や、穴の構造及びホースやパイプ自体をもっと多目的に改造改善することで養殖技術の向上を課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
養殖用の空気圧送用ホース及びパイプ一本の水中海中部分での間に、区間、区間的に小、中、大の太さの異なる穴を段階的に三段階設けるが、連続的に小、中、大の穴を設けるのではなく、小、中、大の区切と区切の間は、何も穴の無い部分をあえて設けてある。ここは従来とは異なる養殖用種ガキのワイヤーやロープを付設する(取り付ける)ポイントで、無理なく本発明のパイプやワイヤーが一体化設置可能となる構造を特徴とする養殖用段階穴空気圧送ホース及びパイプを用いた養殖方法である。
【0007】
また、当初ここで(抑制段階)注意すべき点は、カキ殻に種カキを(稚貝)効率よく水中(海中)で多く付着さすためには、圧送空の出力は2/10位いまでが大体において理想である。これは水温21〜26℃の範囲で受精後およそ三週間でストパーと呼ばれる沈着幼生となり目的とする付着器コレクター(カキ殻を連ねた)に安定的に稚貝を付着させるための処置でもある。こういったことをよく確認後、本来エアー出力にて行なう手段である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、大、中、小の段階穴を用いた養殖用空気圧送用のホース及びパイプの養殖方法であるがため、これを用いた場合には、一本のホース及びパイプでは圧送された空気穴が段階的にあえて分けられた構造とされているために三種類の泡が同時に出力をされ混合三泡となり密度の高い一体的なものとなる。
【0009】
前記したこのことにより、海水水中の水による対流度合が高まり酸素の解け込み率は向上し、特にいえることは、カキ養殖の筏式垂下法において、海中底部より上層部に向かって上昇対流が用いる際効果的に起こる。
このことは水温の低い底部海水が上部まで降ることとなる。使用当初ではカキ殻に重要な種カキ稚貝が付着しやすくなりカキ養殖のとって非常に好ましい効果が生じるのである。
【0010】
また、こういったことにより海水中のプランクトンに対しても有効な効果を発揮し、合わせて汚れ物の付着、養殖カキの発育育成、成長活力、栄養の取り込み率度合も高まり、成果である死滅量の減少、収穫量の向上率が高まるし、形状上大型化の収穫にも貢献をするのである。
【0011】
さらに相乗効果として、カキ殻に付く汚泥物、紫貝、藻といった付着物が付きにくくなると味覚の向上も十分見込める。
さらに、問題となっている筏下の海底堆積物の減少化も計れると同時に臭いの悪臭減少や鮮度の向上といった相乗効果もある。以上のような多目的効果を発揮さすためには、小、中、大の穴の太さが異なり区間と区間の間一部分はあえて設けた穴が何も無い構造となっているので、ここに従来のような種カキ用ワイヤーやロープに無理なく本発明のホースやパイプを付設しやすく出来るので有効な養殖効果が上がるわけである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の段階穴を用いた空気圧送用ホース及びパイプのイメージ図。
【図2】本発明を用いた水中(海中)における養殖状況使用例イメージ図。
【符号の説明】
【0013】
1 コンプレッサー、
2 ジョイントジャック、
3 小、中、大の三段階の穴開空気圧送用ホース及びパイプ、
4 穴区切区間(穴無部分)
5 小径の空気穴、
6 中径の空気穴、
7 大径の空気穴、
8 コンプレッサーよりの圧送用空気の止締口部、
9 種カキ殻の付いたワイヤー及びロープ等、
10 空気と水(海水)の上昇対流を表す、
11 種カキ、
12 オモリ、
13 泡や水、海水の上昇対流、
14 大の泡、
15 中の泡、
16 小の泡、
17 筏、
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するならば、養殖用空気圧送用のホース及びパイプ一本一本の水中部分において、小、中、大の段階穴と、穴と穴の区切区切区間に穴の無い部分をあえて設けるが、出力される泡はそれぞれの穴より同時的に出力されるようにコンプレッサー圧により行なうと、同時的に三種類の混合泡が底部より上部層に向かって上昇をされることとなるのである。
【0015】
次に段階的に図面に従い説明をしていくならば、まず記号,1のコンプレッサーにより圧縮空気が目的とするワイヤー及びパイプの結合ジョイントジャックで、記号,2まで延長をさすわけである。
しかし、この延長パイプの海中(水中)部分は上記のような構造となっているのでこの本体構造の記号,3は水中(海中)養殖用の空気圧送用ホース及びパイプ一本の間において、区間的に小の穴部分の区間、中の穴部分の区間、大の穴部分区間と、あえて、段階的に分けそれぞれの穴部分を設けてあり記号,4は小、中、大の穴と穴の区切られた区間区間の間にあえて穴の無い部分を設けてある。
【0016】
この一本においては空気の送られてくる手前側は記号,5で小径の穴であり、記号,6は、中径の穴、さらに記号,7先端部分は大径の穴となって記号,8はコンプレッサーよりの圧送用空気の止締口部分となっているのである。よって、前記した段階の各穴それぞれから圧送された形態の異なる空気記号,5,6,7が同時的に水中(海中)に出力をされ、養殖物、カキ筏の種ガキの列に従って下層部より上層部へ混合空気泡となって記号,9筏ブロック全体で上昇対流が起きる構造の養殖方法形態である。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を実施すため説明をすると、まず、本発明の記号,3養殖用空気圧送用のホース及びパイプ一本一本水中海中部分において、記号,4の部分それぞれに従来のような記号,9種ガキの付いたロープや、ワイヤー列を付設取付をしていく。
このことは種ガキ用の列殻を連ねた付着器(コレクター)一本一本全体と、目的とするため前もって陸上で三段階穴ホース及びワイヤーを一体化させるのである。有効な方法としては、種ガキ用のワイヤーやロープに螺旋状に上手側(海面上側)より下手側(海底側)に向かって段階上に前もって陸上で巻き付けて全体的に施行するのである。
【0018】
この螺旋状に巻き付けてこそ種ガキ列の上から下までと下から上までに対して段階気泡による有効な効果が、カキそれぞれ列全体と、また垂下養殖法には特に発揮されて筏全体にも同時効果が生じるわけである。
【0019】
また、圧送用空気がホース及びパイプに水中(海中)部分までいきわたった際、水との水圧重力関係において種ガキ全体と列が一体になって軽量になるので全体を安定化さすため記号,12のオモリを取り付けて安定化を計るわけである。
【0020】
ところで、筏棚に施行を行なう場合には、海水現場の状況とが、種ガキの状態ということを考慮して、筏棚の吊り下げる種ガキ一列一列のそれぞれ一本一本に行なうか、あるいは、列の一本置間隔、三本置間隔、六本置間隔といった方式もよい。理想上いえば下げる列種ガキのワイヤーやロープそれぞれ全部に対して施行するならば、海水中の酸素供給率も高まると同時に相乗効果的に海水底面部の水温の低い水が、泡の全体総合上昇力によって記号,13の上昇対流水となって発生するわけである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、水中(海中)生物に対し特にカキ筏の垂下法養殖では養殖産業上空気の泡の形態を変え混合泡とし、多目的に広範囲に利活用するといった方法は従来見当らないといってよかろう。
このような情勢において水質(海水)、種ガキそれぞれ個々と一本一本の垂下された全体カキ列、養殖より発生する沈下汚泥物、カキの発育に必要な植物プランクトンの活性方法等々複合的に問題点を解決対応させ、作業上も簡便に活用利用することのできる点を重視をし養殖産業上に役立てんと(特にカキ筏において)したものである。
【0022】
そこで、養殖用の空気圧送用ホース及びパイプ水中海中部分一本の間において、区間的に小の穴部分の区間、中の穴部分の区間、大の穴部分の区間と、あえて、段階的に分けそれぞれの穴部分を設ける。
これは養殖用の空気圧送用ホース及びパイプ一本の(海水中部分において)間で手前側は小の穴、中心部は中の穴、一番先端部は大の穴を開け用いるわけであるが、特に強調しておきたいことは、網などの養殖法やイケスなど育成管理で問題となる餌の残りとか、藻類、その他の付着物などといった障害的なものに対処をするには、本発明を底面や側面に取り付けることにより防御だけでなく、このことを利用することにより管理しやすくなり目的とする育成生物と養殖網に対しての複合利用効果が発揮され、自給率向上につながる養殖産業上の新方式にもなる発明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
養殖用の空気圧送用ホース及びパイプ一本の水中海中部分間において、区間的に小の穴部分の区間、中の穴部分の区間、大の穴部分区間と、あえて、段階的に分け、それぞれの穴部分を設けてあることを特徴とする。
【請求項2】
小、中、大の穴と穴の区切られた区間区間の間にあえて穴の無い部分を設けてあることを特徴とする。
【請求項3】
養殖用の空気圧送用ホース及びパイプ一本の水中海中部分間で手前側は、小の穴、中心部は中の穴、一番先端に近い部分は大の穴が開けられていることを特徴とする。
【請求項4】
垂直にして水中で上記[請求項1,2]を用いる場合は、下層部では大の穴の泡、中層部では中の穴の泡、上層部では小の穴の泡、それぞれ空気の段階泡が出力されることを特徴とする。
【請求項5】
上記請求項で同一ホース及びパイプ一本一本水中海中部分からは泡の形状が同時的に出力されて最終的に混合気泡となることを特徴とする。
【請求項6】
上記[請求項1〜4]を用いる際には、これにロープ類、縄類、ワイヤー類を海中」(水中)部分のみにからめて(螺旋状などで)一体化として取付付設することを特徴とする。
【請求項7】
上記[請求項]を海のカキ筏式垂下養殖法に用いる際には、一方の端に重量のあるオモリを取付けられることを特徴とする。
【請求項8】
カキ筏垂下養殖法で、種カキ貝の下層部より上層部に向かい従って上記[請求項4]の混合気泡が種ガキ貝列それぞれの全体的に当たる形体であることを特徴とする養殖方法。
【請求項9】
網養殖、イケス養殖などの育成においては、底面、側面に本発明の段階穴を用いた空気圧送用のホース及びパイプを付設することを特徴とする養殖方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−155960(P2011−155960A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32966(P2010−32966)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000245634)
【出願人】(507352581)
【出願人】(503323383)
【出願人】(507352570)
【Fターム(参考)】