説明

気泡散気装置

【課題】気泡が液体に溶解する速度を増して気体の溶解濃度を増大させるとともに、ある一定の質量の気体を単位質量の液体に溶解させるのに必要なエネルギーを大きく減少させながら、散気槽への設置を容易にし、しかも、漏電の恐れをなくし、かつ維持管理の手間を少なくした、安全な気泡散気装置を提供する。
【解決手段】散気槽内の液体中に浸漬させて配置され、内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる散気部44と、散気部44に一体に設けられた羽根46に向け液体の噴流を噴射して該散気部44を同一水平面内で回転させる固定液体噴射部48と、固定液体噴射部48に向けて液体を供給するポンプ26を有する液体供給部30と、散気部44の内部に気体を導入する気体導入部24とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水等の液体中に空気等の気体を微細な数多くの気泡にして散気させる気泡散気装置に係り、特に、微細な数多くの気泡を液体中に散気させて液体単位質量当りにおける所望の気体の溶解濃度を得ることができるようにした気泡散気装置に関する。本発明の気泡散気装置は、例えば水処理槽、河川、湖沼または養殖用水槽等で使用することにより、水中の溶存酸素量を高めて水質を改善し、種々の有用な生物が繁殖しやすくしたり、有益な気体を溶解させた液体を製造したりするのに用いられる。
【0002】
なお、本発明で「溶解濃度」とは、ある物質(溶質)が他の物質(溶媒)に実際に溶解している溶液中における溶質の濃度のことを言う。これは、溶解度と言う用語の意味が“溶質が溶媒に溶解する限度を言い、飽和溶液中における溶質の濃度で表わされる”ことと区別しつつ、類似する概念を表わすためである。
【背景技術】
【0003】
液体中に気泡を分散させ、液体中の酸素等の気体溶解濃度を増加させるための気泡散気装置としては、中空で、少なくとも一面に微細な散気孔を有する多孔質散気板または微細な孔の開いた散気膜等を取付けた散気部を備え、この散気部を散気槽(処理槽)内の液体中へ浸漬させ、散気部の内部に導入した気体を微細な散気孔から散気槽内の液体に気泡として散気させるようにしたものが一般に知られている。
【0004】
また、いわゆるエアレータ式の気泡散気装置として、回転して散気槽内の液体を旋回させる羽根車を有するポンプの吐出し口の近傍に気体注入口を設け、この気体注入口から注入される気体を散気槽内の液体中に散気させるようにしたもの(特許文献1参照)や、回転して散気槽内の液体を旋回させるプロペラ翼の翼面に散気孔を設け、この散気孔を通して気体を散気槽内の液体中に散気させるようにしたもの(特許文献2,特許文献3参照)が知られている。また、気泡径を小さくして、気体の液体中への溶解速度を速くするため、多孔質散気板を取付けた円盤状の散気部(円盤散気部)を液体中で回転させて気体を散気槽内の液体中に散気させることも行われている。
【0005】
これらの装置の内、例えば空気を水中に散気させて水を浄化する装置においては、現在では、微細な散気孔を有する、静止させた多孔質散気板や散気膜の該散気孔から気泡を水中に散気させる装置(以下、静置式散気装置ともいう)が、単位エネルギー(kWh)当りの液体に溶解させることができる酸素質量(kg)(酸素移動動力効率)を一番大きくできる。
【0006】
エアレータ式の気泡散気装置やスクリュープロペラ式の気泡散気装置において、散気部を水処理槽、河川、湖沼または養殖用水槽等の底部近傍で使用する場合、電動機等の回転駆動部を水中に設置する方法が多く使用されている(特許文献1〜3参照)。回転駆動部と回転部の間を電磁カップリングで繋いで動力を伝達することも可能である。
【0007】
また、回転駆動部を水面より上の大気中に、散気部を水槽等の散気槽の底部近傍にそれぞれ設置し、散気部と該回転駆動部との間を回転軸で繋いで、回転駆動部の回転に伴って散気部を回転させることも行われている。
【特許文献1】特開2001−234882号公報
【特許文献2】特開平10−216794号公報
【特許文献3】特開昭63−178899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エアレータ式の気泡散気装置やスクリュープロペラ式の気泡散気装置において、散気部を水処理槽、河川、湖沼または養殖用水槽等の底部近傍で使用する場合、電動機等の回転駆動部を水中に設置する方法が多く使用されているが、この場合には、回転駆動部の周囲にある水等の液体が回転駆動部内に入って漏電する恐れがある。そのため、短期間で定期的に検査を行う必要がある。回転駆動部と被回転部の間を電磁カップリングで繋いで動力を伝達することにより、回転駆動部の周囲にある水等の液体が回転駆動部に入る恐れを大幅に低減することは可能であるが、この場合にあっても、電線が水等の液体中を通過して回転駆動部に繋がっているため、漏電の恐れは残る。
【0009】
回転駆動部を水面より上の大気中に、散気部を水槽等の底部近傍にそれぞれ設置し、散気部と回転駆動部との間を回転軸で繋いで散気部を回転させるようにした散気装置にあっては、これを、例えば下水処理用の水槽に設置しようとすると、下水処理用の水槽は、水深が通常5m程度以上になるため、かなり長い回転軸が必要になる。このため、構造が大きくなって、散気装置の設置が困難になるばかりでなく、回転軸が長いため振動等の問題も起こりやすくなる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、散気部を散気槽内の液体中に浸漬させて配置し、散気部の内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる気泡散気装置において、従来の静置式散気装置より気泡の径を小さくし、かつ気泡が発生する場所を広くすることによって、気泡が液体に溶解する速度を増して気体の溶解濃度を増大させるとともに、ある一定の質量の気体を単位質量の液体に溶解させるのに必要なエネルギーを減少させながら、散気槽への設置を容易にし、しかも、漏電の恐れをなくし、振動の発生を抑制し、かつ維持管理の手間を少なくした、安全な気泡散気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、散気槽内の液体中に浸漬させて配置され、内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる散気部と、前記散気部に一体に設けられた羽根に向け液体の噴流を噴射して該散気部を同一水平面内で回転させる固定液体噴射部と、前記固定液体噴射部に向けて液体を供給するポンプを有する液体供給部と、前記散気部の内部に気体を導入する気体導入部と、を備えたことを特徴とする気泡散気装置である。
【0012】
これにより、散気部に一体に設けられた羽根に向け液体の噴流を噴射して該散気部を同一水平面内で回転させることができる。したがって、散気部を散気槽の底近傍に配置し、しかも、回転駆動部と散気部とを回転軸で繋ぐことなく、かつポンプを電動機によって駆動する場合には当該電動機を大気中に設置した状態で、散気部を回転させることが可能となる。このため、長い回転軸が不要になり、振動の問題が発生しにくく、かつ装置がコンパクトになる。したがって、散気槽への設置を容易にし、漏電の恐れをなくし、かつ維持管理の手間を少なくした、安全な気泡散気装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、散気槽内の液体中に浸漬させて配置され、内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる散気部と、液体の噴流を噴射しながら一定の回転中心の周りを回転して前記散気部を同一水平面内で回転させる回転液体噴射部と、前記回転液体噴射部に液体を供給するポンプを有する液体供給部と、前記散気部の内部に気体を導入する気体導入部と、を備えたことを特徴とする気泡散気装置である。
【0014】
これにより、回転液体噴射部から液体の噴流を噴射する時の反作用を利用して散気部を同一水平面内で回転させることができる。したがって、散気部を散気槽の底近傍に配置し、しかも、回転駆動部と散気部とを回転軸で繋ぐことなく、かつポンプを電動機によって駆動する場合には当該電動機を大気中に設置した状態で、散気部を回転させることが可能となる。このため、長い回転軸が不要になり、振動の問題が発生しにくく、かつ装置がコンパクトになる。したがって、散気槽への設置を容易にし、漏電の恐れをなくし、かつ維持管理の手間を少なくした、安全な気泡散気装置を提供することが可能になる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、散気槽内の液体中に浸漬させて配置され、内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる散気部と、前記散気部を同一水平面内で回転させる水車と、前記水車に該水車を駆動するための液体を供給するポンプを有する液体供給部と、前記散気部の内部に気体を導入する気体導入部と、を備えたことを特徴とする気泡散気装置である。
【0016】
これにより、ポンプから水車に液体を供給することによって水車を駆動し、散気部を回転させることができる。したがって、散気部を散気槽の底近傍に配置し、しかも、回転駆動部と散気部とを回転軸で繋ぐことなく、かつポンプを電動機によって駆動する場合には当該電動機を大気中に設置した状態で、散気部を回転させることが可能となる。このため、長い回転軸が不要になり、振動の問題が発生しにくく、かつ装置がコンパクトになる。したがって、散気槽への設置を容易にし、漏電の恐れをなくし、かつ維持管理の手間を少なくした、安全な気泡散気装置を提供することが可能になる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記水車は、減速伝達機構を介して前記散気部を回転させることを特徴とする請求項3に記載の気泡散気装置である。
これにより、水車を通過する液体の流量を適正な量に抑えながら、減速伝達機構を介して、散気部の回転速度を適正に減速させることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、前記水車を駆動するための液体は、前記散気槽内の液体と分離されて前記ポンプと前記水車の間を循環することを特徴とする請求項3または4に記載の気泡散気装置である。
これにより、例えば散気槽内の液体がポンプ及び水車にとって有害なものであっても、ポンプ及び水車を通過する液体を、ポンプ及び水車にとって無害な液体にすることにより、散気部44を回転させることが可能になる。また、散気槽内の液体が例えば人間や生物等にとって有害な場合は、ポンプ及び水車を通過する液体を人間や生物等にとって無害な液体にすることによって、人間や生物等に対する危険を低減することも可能になる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、前記ポンプは、大気中に設置された電動機によって駆動されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の気泡散気装置である。
このように、ポンプを駆動する電動機を大気中に設置することによって、漏電のような危険を排除することが可能になる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、前記散気部は、その横断面が翼形形状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の気泡散気装置である。
これにより、散気部の抗力係数を小さくして、散気部の回転のための動力を低減できるので、ある一定の質量の気体を単位質量の液体に溶解させるのに必要なエネルギーを減少させることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、前記散気部は、その横断面が矩形形状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の気泡散気装置である。
これにより、散気部の製作を容易となすとともに、散気部の角に丸みを付けることによって、散気部の抗力係数を小さくすることができるので、ある一定の質量の気体を単位質量の液体に溶解させるのに必要なエネルギーを減少させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、長い回転軸を用いて散気部を回転させる必要がないため、コンパクトで、回転軸に関係した振動等による問題を防ぐことが可能な気泡散気装置を提供できる。さらに、ポンプを電動機で駆動する場合には、電気の流れる所を大気中に設けて漏電等による危険を排除するように構成できるから、維持管理の手間を省くことが出来る。また、散気装置を散気槽の底部に設置でき、散気部を回転させることができるから、酸素移動動力効率を大きくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の各例において、同一または相当する部材には、同一符号を付して、重複した説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態の気泡散気装置10を水処理槽や沼等に設置された散気槽12(以下、一般の水処理槽や、河川、湖沼の水を対象とする散気槽、または養殖用水槽などを含めた意味で散気槽という)に設置した時の概要を示す。この例において、気泡散気装置10は、散気槽12内の液体(例えば水)14中に気体(例えば空気)を気泡として散気させるのに使用される。
【0025】
気泡散気装置10は、散気槽12の底面に設けたベース16上に設置される散気装置本体18と、散気装置本体18の下記の散気部44の内部にブロア20と気体配管22を介して気体を導入する気体導入部24と、ポンプ26と該ポンプ26に連結された液体配管28を有し散気槽12内の液体を散気装置本体18の下記の液体噴射ノズル(固定流体噴出部)48に供給する液体供給部30とを有している。ポンプ26は、大気中に配置され、同じく大気中に設置された電動機32にカップリング34を介して連結されており、これによって、電動機32の駆動に伴って運転される。
【0026】
散気装置本体18は、図2に詳細に示すように、ベース16に固定された円筒状のハウジング36と、このハウジング36の内部に一対のラジアル軸受38とスラスト軸受39を介して回転自在に支承されて配置された主回転軸40とを有しており、この主回転軸40の上端に回転円板42が連結され、この回転円板42の外周端部に、この例では2つの散気部44が連結されている。
【0027】
回転円板42の下面における同一半径の円周方向に沿った位置には、図4に示すように、多数の羽根46が所定のピッチで取付けられ、更に、この羽根46に対応する位置には、羽根46に向けて液体の噴流を噴射する、固定液体噴射部としての液体噴射ノズル48がハウジング36に固定して配置されている。この液体噴射ノズル(固定液体噴射部)48は、液体供給部30の液体配管28に連通しており、これによって、ポンプ26の駆動に伴って散気槽12から汲み上げられた液体(水)14は、液体噴射ノズル48から羽根46に向けて噴射され、噴射された液体14は、周期的に羽根46に衝突する。これによって、羽根46は、噴射された液体の力を受け、回転円板42を介して羽根46と一体になっている散気部44が同一水平面内で回転運動する。
【0028】
液体噴射ノズル48から噴射された液体14は、羽根46に衝突してその流れの方向が変化する。その際に羽根46に作用する力F[N]は、噴射される液体の質量流量をQ[kg/s]、羽根46に対して直角方向の液体の速度変化量をVd[m/s]とすると、F=QVd[N]となる。散気部44の回転に作用する動力L[W]は、羽根46の回転半径をR[m]、羽根46の回転角速度をω[1/s]とすると、L=FRω[W]となる。なお噴流が羽根46に衝突した後の液体の絶対速度をVe[m/s]とすると、この速度が持つ単位時間あたりの運動エネルギーE(=0.5Q(Ve))は、全て損失になる。このため、噴流が羽根46に衝突した後の液体の絶対速度Veを0[m/s]にすることが望ましい。このため、噴流が羽根46に衝突する前の液体の絶対速度Vf[m/s]を、回転する羽根46の周方向速度Vv[m/s]の2倍程度にする(Vf≒2Vv)ことが望ましい。
【0029】
即ち、上記で示したような固定液体噴射部から羽根に向けて噴射された液体の噴流が羽根に衝突して当該羽根に力を与えその羽根を運動させる場合について概説すると、液体の噴流は、羽根に衝突したのち流れの向きを反転して羽根から離れる向きに流出する程度の絶対速度を、羽根に衝突する前の段階で持っていることが好ましい。また運動している羽根に対する液体の噴流の相対速度は、羽根に衝突する前後においてその絶対値が等しいときに羽根に最大の力を作用させることができる。従って、上記のように、衝突前の液体の絶対速度Vfの値を、周方向速度Vv[m/s]の大略2倍程度にする(Vf≒2Vv)のが好ましい。また、衝突前の液体の絶対速度Vfの値を大略上記の値に設定したときに羽根に衝突した後の液体の噴流の絶対速度の値は大略“零”となるので、液体の噴流が羽根に衝突する前に持っていた運動エネルギーを効率的に羽根に与えたことになって、液体の噴流の効果的な利用ができる。
【0030】
散気部44は、図5(a)に詳細に示すように、平板状の素材を移動方向に平行な断面において断面形状が翼形形状となるように折り曲げて形成された外殻50で囲まれた中空部52を有しており、この外殻50の上部には開口部50aが設けられ、この開口部50aに、多数の微細な散気孔54aを有する、例えば多孔質体からなる散気板(多孔質散気板)54が、該散気板54の表面が外殻50の表面と面一となるように取付けられている。これにより、散気部44の中空部52内に導入された気体は、散気板54の散気孔54aを通して、気泡となって散気槽12内の液体14中に散気される。この散気板54の代わりに、多数の微細な散気孔を有する散気膜や散気板などを使用しても良い。
【0031】
また、図5(b)に示すように、散気部44の幅方向に沿った一部に、翼弦と平行な平坦部Aを設けて、散気部44の製作の便を図るようにしてもよい。このことは、以下の例においても同様である。この例においては、散気部44の上面のみに散気板54を備えた例を示したが、散気部の下面、または上下両面に散気板を備えてもよいことは勿論である。
【0032】
この散気部44の横断面は、円弧状の前縁56を有し、この前縁56から後縁58に向けて肉厚が徐々に減少する翼形形状に形成されている。散気部44は、前縁56と後縁58とを結ぶ翼弦が略水平となるように回転円板42に取付けられて、同一水平面内を回転移動する。これにより、散気部44の回転に伴って、散気槽12内の液体14に上下方向の旋回流が極力生じないようになっている。翼形としては、例えば航空機等に用いられる一般的な翼形を採用できるが、散気部44の横断面が、中心面に対して上下対称である翼形形状、つまり翼弦を中心に上下対称となるように形成することで、散気槽12内の液体14に上下方向に向かう旋回流が一層生じにくくすることができる。
【0033】
図2に示すように、主回転軸40及び回転円板42の内部には、気体導入部24の気体配管22に連通して、散気部44の中空部52に通じる気体通路60a,60bが設けられている。更に、ハウジング36と主回転軸40との間には、気体通路60aに沿って流れる気体が外部に漏れるのを防止するシールリング62が介装されている。これにより、ブロア20の運転に伴って順次送られる、例えば空気等の散気槽12内の液体14に散気する気体は、気体配管22及び気体通路60a,60bを通過して、散気部44の中空部52内に導入される。
【0034】
なお、この例では、気体配管22及び液体配管28をそれぞれ使用しているが、これらの配管の代わりにチューブ等を使用してもよいことは勿論である。
【0035】
この例の気泡散気装置10にあっては、ポンプ26を運転して、液体噴射ノズル48から液体14を羽根46に向けて噴射させ、これによって、回転円板42を介して、散気部44を羽根46と一体に回転させる。この状態で、ブロア20を運転して、空気等の散気する気体を散気部44の中空部52内に導入する。すると、散気部44の中空部52内に導入された気体は、散気部44の散気板54に設けられた微細な散気孔54aを通過して散気槽12内の液体14中に散気される。
【0036】
散気部44を散気槽12の底近傍で回転させると、散気部44の表面に形成される液体14の境界層が薄くなるため、気泡が微細化されて、散気槽12内の気泡を含む液体14の単位体積当りにおける気体の気液界面の面積が広くなり、かつ気泡が上昇する速度が下がることと、散気槽12内の気泡の分散性が良くなるため、気体の利用率(液体14中に溶解された気体質量の供給された質量に対する比率)が上がる。また、気泡を散気する散気部44を翼形形状またはそれに近い形状にすることで、散気部44の抗力係数を小さくして、散気部44の回転のための動力を低減できる。これにより、単位エネルギー(kWh)当りについて液体に溶解させることができる酸素質量(kg)(酸素移動動力効率)を従来一番大きくできるといわれている、微細な散気孔を有する多孔質散気板や散気膜を取付けた散気部を散気槽の底近傍に静止して設置する方法より、単位エネルギー当りについて液体に溶解させることができる酸素質量を大きくすることができる。そのため、散気部44を散気槽12の底近傍で回転させることが望ましい。
【0037】
しかも、液体噴射ノズル48から噴射する液体を供給するポンプ30、更には該ポンプ30を駆動する電動機32を大気中に設置することで、電動機32のような電気的な配線のある部分を散気槽12の液体14中に浸漬させる必要をなくして、漏電のような危険を排除することができる。
【0038】
一般の水処理槽における散気槽12の水深は5m程度以上である。このため、従来例のように、散気部を散気槽の底近傍に、電動機や配線のような電気関連部分を大気中にそれぞれ設置して、電動機で散気部を回転させようとすると、電動機と散気部を繋ぐ長い回転軸が必要になって振動の問題が発生しやすかった。しかしこの例によれば、長い回転軸が不要になるため、振動の問題が発生しにくく、かつ装置がコンパクトになる。したがって、ある一定の質量の気体を単位質量の液体に溶解させるのに必要なエネルギーを減少させながら、散気槽12への設置を容易にし、漏電の恐れをなくし、振動の発生を抑制し、かつ維持管理の手間を少なくした、安全な気泡散気装置を提供することが可能になる。
【0039】
また、散気部44を同一水平内で回転させることにより、散気部44の散気板54に設けられた多数の散気孔54aにおいて印加される液圧がどこでもほぼ同一の値となるから、散気孔54aの大きさを均一に成形しておくことにより、多数の散気孔54aから均一に気泡を散気でき、気泡の大きさもほぼ均一となるので(即ち、溶解しにくい大きい気泡が発生しにくいので)気泡が液体に溶解する速度を増して気体の溶解濃度を増大させることができる。
【0040】
図6は、本発明の他の実施の形態における気泡散気装置の散気装置本体18aを示す縦断面図、図7は、図6の平面図、図8は、回転部の斜視図である。この例にあっては、図8に示すように、主回転軸40の上部に水平方向に直線状に延びるアーム70の基端を連結し、このアーム70の自由端に散気部44を取付けている。そして、この散気部44の外周端部に、アーム70と互い直交し、かつ散気部44の回転方向と逆方向に向けて液体を水平方向に噴射する回転液体噴射部としての液体噴射ノズル72が取付けられている。
【0041】
主回転軸40、アーム70及び散気部44の内部には、主回転軸40の下端において、液体供給部30の液体配管28に連通して、液体噴射ノズル(回転液体噴射部)72に通じる液体通路74a,74b,74cが設けられている。これによって、ポンプ26の運転に伴って、例えば散気槽12内の液体(水)14を、液体配管28及び液体通路74a,74b,74cを通じて液体噴射ノズル72に供給して該液体噴射ノズル72から噴射させる。すると、その反作用で散気部44と一体となった構造物に力が作用して、散気部44が同一平面内で回転するようになっている。なお、この例において、シールリング62は、液体の漏れを防止するために使用され、更に、主回転軸40とベース16との間も軸受76が介装されている。
【0042】
また、主回転軸40及びアーム70の内部には、主回転軸40の上端において、気体導入部24の気体配管22に連通して、散気部44の中空部52に通じる気体通路78a,78bが設けられている。更に、気体通路78aの外周部におけるハウジング36と主回転軸40との間には、気体通路78aに沿って流れる気体の漏れを防止するシールリング80が介装されている。これによって、ブロア20の運転に伴って、空気等の気体が気体配管22及び気体通路78a,78bを通じて散気部44の中空部52内に導入され、散気部44の中空部52内に導入された気体は、散気部44の散気板54に設けられた微細な散気孔54aを通過して散気槽12内の液体14中に散気される。なお、図示の例では、多数の散気孔54aを有する散気板54を散気部44の上面側に設けているが、前述のように、散気板を散気部の下面側または双方に設けてもよい。
【0043】
この例にあっては、散気部44として、図5(a)に示すように、横断面が翼形形状のものを使用している。これは、例えば2次元柱状物体が流れの中にある場合、横断面の形状を翼形にすれば、抗力係数を矩形形状の物体の場合の10分の1以下に低減できる可能性があるため、散気部44の横断面の形状を翼形にすることが望ましいからである。なお、このような形状の散気部44の製作は一般に困難である。
【0044】
このため、図9及び図10に示すように、横断面が矩形形状の散気部44aを使用してもよい。このような形状の散気部44aの場合、製作が容易になるばかりでなく、角に丸みを付けることによって、散気部44aの抗力係数をある程度改善することができる。更に、散気部44aの回転速度を遅くすることによって、散気部44aを回転させるための動力を低減できる。例えば、流れ方向の長さLが流れ方向に垂直な方向の長さHの2倍の矩形の柱状物体の場合、矩形の角の丸みの半径を上記長さHの値に対して0.042倍、0.167倍、0.5倍と大きくすると、抗力係数は、約1.4、0.7、0.4と小さくなって、動力を低減できる。なお、図9及び図10に示す散気部44aを先の実施の形態における気泡散気装置に適用してもよいことは勿論である。
【0045】
なお、図6乃至図8に示す例では、散気部44の外周端に液体噴射ノズル(回転液体噴射部)72を設け、回転中心と液体噴射ノズル72との距離をより長くして、より大きなトルクが発生するようにしているが、液体噴射ノズル72を設ける位置は、散気部44と共に回転する構造体に固定されていればいかなる位置でも良い。
【0046】
例えば、図11に示すように、主回転軸40に、散気部44を取付けるアーム70の他に、液体噴射ノズル(回転液体噴射部)72を先端に支持するためのノズル支持アーム82を取付け、このノズル支持アーム82の内部に設けた液体通路84を通して液体噴射ノズル72に液体を供給し、該液体噴射ノズル72から液体を噴射させるようにして、主回転軸40及びアーム70に取付けた散気部44を一体に回転させるようにしてもよい。
【0047】
更に、散気部44の回転中心と液体噴射ノズル72を設けた構造物の回転中心を別にして、両者の回転軸の回転動力をベルトのような回転動力伝達機構を用いて伝達するようにしてもよい。
【0048】
例えば、図12に示すように、ベース16(図1参照)上に、別の駆動用回転軸86を回転自在に支承して配置し、この駆動用回転軸86に水平方向に延びるノズル支持アーム88の基端を取付け、このノズル支持アーム88の先端に液体噴射ノズル(回転液体噴射部)72を支持する。そして、この駆動用回転軸86及びノズル支持アーム88の内部に設けた液体通路90a,90bを通して液体噴射ノズル72に液体を供給し、該液体噴射ノズル72から液体を噴射させて駆動用回転軸86を回転させる。そして、更に駆動用回転軸86と散気部44を取付けた主回転軸40との間に、ベルト92のような回転動力伝達機構を掛け渡して、駆動用回転軸86の回転を主回転軸40に伝達して、散気部44を回転させるようにしてもよい。
【0049】
なお上記で示した考え方、即ち図12を参照して言えば、散気部44(被動側)の回転中心と液体噴射ノズル(回転液体噴射部)72を設けた構造物(駆動側)の回転中心を別にして、両者の回転軸の間に、例えばベルト92のような回転動力伝達機構を掛け渡して駆動用回転軸86の回転を主回転軸40に伝達して散気部44を回転させるという技術思想は、固定液体噴射部と、回転軸であって上記固定液体噴射部から噴射される液体の噴流を受ける羽根を有した回転円板に固着された回転軸とを備えて駆動側構造物とする気泡散気装置に応用することができ、図示しない気泡散気装置を構成することが出来る。
【0050】
即ち、図12に示す駆動用回転軸86、ノズル支持アーム88、液体噴射ノズル72などから構成される駆動側構造物に代えて、回転自在に支承された駆動用回転軸に複数の羽根を備えた回転円板を該回転軸の軸心に対し垂直に取付けて(例えば、図2において主回転軸40に対し羽根46を備えた回転円板42が取付けられている態様と類似する形態となる)、上記羽根に向けて固定液体噴射部から液体の噴流を噴射して、上記駆動用回転軸を回転させることで駆動側構造物を構成し、この駆動用回転軸と被動側である散気部を取付けた主回転軸との間に、例えばベルトのような回転動力伝達機構を掛け渡して駆動用回転軸の回転を主回転軸に伝達して散気部を回転させることができる。このような駆動側構造物と散気部を備えた被動側構造物との態様は、例えば図12に類似する形態となる。
【0051】
図13は、本発明の更に他の実施の形態における気泡散気装置の散気装置本体18bを示す縦断面図で、図14は、図13の平面図である。この例の図6乃至図8に示す例と異なる点は、以下の通りである。つまり、この例にあっては、気体導入部24の気体配管22をベース16のやや上方に位置してハウジング36に連結し、主回転軸40及びアーム70の内部に液体通路74a,74bと平行に設けた気体通路94a,94bを通して、散気部44の中空部52に気体を下方から導入するようにしている。
【0052】
図15は、本発明の更に他の実施の形態における気泡散気装置の散気装置本体18cを示す縦断面図である。この例の図2乃至図5(a)に示す例と異なる点は、以下の通りである。つまり、この例は、水車回転軸102を鉛直方向に向けて水車100をハウジング36に取付け、この水車100の吸込口に液体供給部30の液体配管28を連結している。これにより、ポンプ26の運転に伴って、水車100の内部に液体が導入されて水車100が駆動し、水車回転軸102が回転するようになっている。更に、水車回転軸102と散気部44を取付けた主回転軸40との間に、この例では、小径の駆動歯車104と該駆動歯車104に噛合う大径の被動歯車106からなる減速伝達機構108が設けられている。これによって、水車100の駆動に伴って、主回転軸40が減速されて回転し、主回転軸40に回転円板42を介して取付けられた散気部44が同一平面内で回転する。
【0053】
散気部44を回転させると、前記のように散気部44の表面に形成される液体の境界層が薄くなるため、気泡が微細化されて、散気槽12の気泡を含む液体の単位体積あたりにおける気体の気液界面の面積が広くなるので、気体が液体に溶解する速度が速くなる。また気泡が上昇する速度が下がることと、散気槽12内の気泡の分散性が良くなるため、気体の利用率が上がる。このため、供給する気体の量が少しで済む。そのため、気体を供給するブロワ20(図1参照)の動力を減少させることができる。散気部44は、上記の理由で散気槽12の底部近傍に設置するのが好ましい。しかし一方で、散気部44を回転させる必要があるため、散気部44を回転させるための動力が必要となる。散気部44を回転させるために必要な動力は、散気部44の回転速度の約3乗に比例するため、散気部44の回転速度が速くなると急速に動力が増加する。そのため、散気部44の平均的な周方向速度は、実用的には2m/s程度以下にすることが望ましい。
【0054】
液体配管28から導入される液体の流速を低くして、即ち水車回転軸102の回転速度を遅くして、散気部44を回転させるために必要な動力を得ようとすると、水車100を通過する液体の流量を多くすることが必要になる。そこで水車100を通過する液体の流量を多すぎることなくある適正な量に抑えるためには、液体の流速を高くして、水車回転軸102の回転速度を速くすることが必要になる。そこで、この例では、主回転軸40の回転速度は、水車回転軸102の回転速度より一般に遅くなるため、水車回転軸102と主回転軸40との間に減速伝達機構108を設けている。なお、この減速伝達機構は、例えば、プーリー等の任意のものが使用される。
【0055】
図16は、本発明の更に他の実施の形態における気泡散気装置の散気装置本体18dを示す縦断面図である。この例の図15に示す例と異なる点は、以下の通りである。つまり、この例は、水車回転軸102を水平方向に向け水車100を回転円板42に近づけた状態でハウジング36に取付け、この水車100の回転軸102に取付けた摩擦車110の上端を回転円板42に接触させて減速伝達機構108が構成されている。更に、水車100の吐出し口に液体循環配管112の一端を接続し、この液体循環配管112の他端は、ポンプ26の吸込口に接続されている。これによって、ポンプ26及び水車100を通過する液体と散気槽12内の液体14とが互いに分離されるようになっている。
【0056】
このように、ポンプ26及び水車100を通過する液体と散気槽12内の液体14とを互いに分離させることで、例えば散気槽12内の液体14がポンプ26及び水車100にとって有害なものであっても、ポンプ26及び水車100を通過する液体を、ポンプ26及び水車100にとって無害な液体にすることにより、散気部44を回転させることが可能になる。また、散気槽12内の液体14が例えば人間や生物等にとって有害な場合は、ポンプ26及び水車100を通過する液体を人間や生物等にとって無害な液体にすることによって、人間や生物等に対する危険を低減することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態の気泡散気装置を散気槽に設置した時の概要図である。
【図2】図1に示す気泡散気装置における散気装置本体の縦断面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】(a)は、図2のP−P線断面図で、(b)は、他の一例の散気部を用いた場合のP−P線断面に相当する断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の気泡散気装置の装置本体を示す縦断面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の気泡散気装置の装置本体における回転部を示す斜視図である。
【図9】気泡散気装置の装置本体における回転部の他の例を示す斜視図である。
【図10】図9に示す回転部における散気部の断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の気泡散気装置における変形例の要部を示す平面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態の気泡散気装置における他の変形例の要部を示す平面図である。
【図13】本発明の更に他の実施の形態の気泡散気装置の装置本体を示す縦断面図である。
【図14】図13の平面図である。
【図15】本発明の更に他の実施の形態の気泡散気装置の装置本体を示す縦断面図である。
【図16】本発明の更に他の実施の形態の気泡散気装置の装置本体を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
10 気泡散気装置
12 散気槽
14 液体(水)
16 ベース
18,18a,18b,18c,18d 散気装置本体
20 ブロア
22 気体配管
24 気体導入部
26 ポンプ
28 液体配管
30 液体供給部
32 電動機
36 ハウジング
38 ラジアル軸受
39 スラスト軸受
40 主回転軸
42 回転円板
44,44a 散気部
46 羽根
48 液体噴射ノズル(固定液体噴射部)
50 外殻
52 中空部
54 散気板
54a 散気孔
56 前縁
58 後縁
60a,60b,78a,78b,94a,94b 気体通路
62 シールリング
70 アーム
72 液体噴射ノズル(回転液体噴射部)
74a,74b,74c、84,90a,90b 液体通路
76 軸受
80 シールリング
82 ノズル支持アーム
86 駆動用回転軸
88 ノズル支持アーム
92 ベルト
100 水車
102 水車回転軸
104 駆動歯車
106 被動歯車
108 減速伝達機構
110 摩擦車
112 液体循環配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
散気槽内の液体中に浸漬させて配置され、内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる散気部と、
前記散気部に一体に設けられた羽根に向け液体の噴流を噴射して該散気部を同一水平面内で回転させる固定液体噴射部と、
前記固定液体噴射部に向けて液体を供給するポンプを有する液体供給部と、
前記散気部の内部に気体を導入する気体導入部と、を備えたことを特徴とする気泡散気装置。
【請求項2】
散気槽内の液体中に浸漬させて配置され、内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる散気部と、
液体の噴流を噴射しながら一定の回転中心の周りを回転して前記散気部を同一水平面内で回転させる回転液体噴射部と、
前記回転液体噴射部に液体を供給するポンプを有する液体供給部と、
前記散気部の内部に気体を導入する気体導入部と、を備えたことを特徴とする気泡散気装置。
【請求項3】
散気槽内の液体中に浸漬させて配置され、内部に導入した気体を表面に設けた散気孔を通して気泡として液体中に散気させる散気部と、
前記散気部を同一水平面内で回転させる水車と、
前記水車に該水車を駆動するための液体を供給するポンプを有する液体供給部と、
前記散気部の内部に気体を導入する気体導入部と、を備えたことを特徴とする気泡散気装置。
【請求項4】
前記水車は、減速伝達機構を介して前記散気部を回転させることを特徴とする請求項3に記載の気泡散気装置。
【請求項5】
前記水車を駆動するための液体は、前記散気槽内の液体と分離されて前記ポンプと前記水車の間を循環することを特徴とする請求項3または4に記載の気泡散気装置。
【請求項6】
前記ポンプは、大気中に設置された電動機によって駆動されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の気泡散気装置。
【請求項7】
前記散気部は、その横断面が翼形形状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の気泡散気装置。
【請求項8】
前記散気部は、その横断面が矩形形状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の気泡散気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−302285(P2008−302285A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150855(P2007−150855)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】