説明

水中における活魚の計数装置

【課題】計数時に活魚を傷つけることなく客観的で正確な計数を行えるとともに、魚に大小があっても、時間がかからない上、計数コストの低減及び省力化を可能とし、作業の能率と測定の精度を高めるとともに、計数中に魚に変化を与えないように水中における活魚の計数方法とその装置を得ることを目的とする。
【解決手段】活魚の計数測定において、計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、活魚の大きさに応じて取付ける通過規制板と、活魚の大きさに応じて網目の大きさの異なる選別網を装着した選別網フレームと、計数フレーム枠体の下部に照明具とを取りつけて、計数センサーを装備して計数フレーム枠体の一面を組み込まれた捕集網とからなっている装置を、生け簀など養殖施設内に沈め、活魚を捕集網に組み込まれた計数機の選別板と計数センサーに順次通過させて、その数をカウントして活魚の数を計数する水中における活魚の計数装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は魚類の養殖施設等において、生育途中や出荷時に活魚の数を水中で正確に、かつ、活魚にストレスを与えることなく計数する方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から養殖施設等の生け簀内に放流されている活魚の計数方法及び該生け簀内に導入する活魚の計数方法として、「総がけ方法」、「総読方法」、「機器使用方法」が知られている。「総がけ方法」とは魚を一個所に集めてタモ網ですくってから水切りを行い、総重量をハカリで計量してからサンプルとしての魚を少量抜き取る。そして、このサンプルの魚の重量と数を計量して平均目廻りを算出し、その平均目廻りで総重量を割ることによって活魚の全数を推定する方法である。「総読方法」とは活魚の総数量を熟練者が一尾一尾数える方法であり、「機器使用方法」は稚魚等を水流で流しながらセンサーで読み取る方法である。
【0003】
上記に関し、水中の活魚を検出できる検出手段を備えた計数手段と、活魚を重ならずに検出手段の検出エリアに導く水路に連通され、外部から活魚が供給されるアプローチ槽とを備えた活魚計数装置において、アプローチ槽の水中に臨まされ前記検出手段から適宜離間して配設されて検出手段の検出エリアに近接離反自在であるとともにアプローチ槽の内壁との間隙部を魚が通れないようにされた追い子を備えた追い出し手段とを備えた活魚計数装置例が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
水中の活魚を計数できる計数手段は、計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、選別網を装備して計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機が組み込まれた捕集網を養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内に沈め、活魚を捕集網に組み込まれた計数機の選別網と計数センサーに順次通過させることにより、その数をカウントして活魚の数を計数することを特徴とする水中における活魚の計数方法を提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
少スペースを実現しながら安価で汎用性に富む活魚計数装置を使って活魚計数作業の機械化を可能にする活魚計数方法とその装置を提供することを目的とした活魚計数方法は、活魚を適宜方法によって捕獲する工程と、捕獲した活魚から健常魚を選別する工程と、選別した健常魚を魚が通過するとその数を検出可能な計数手段が備えられた両端が開口される中空体の中空部内に入れる工程と、前記健常魚をこの中空体を介して活魚を収容可能な水槽(又は生け簀)に移動させる工程とを備えている装置が開示されている。(特許文献3参照)
【0006】
水中の活魚を検出できる検出手段を備えた計数手段と活魚を重ならせずに検出手段の検出エリアに導く水路と該水路に連通され外部から活魚が供給されるアプローチ槽とを備えた活魚計数装置において、アプローチ槽の内壁との間隙部を魚が通れないようにされている追出し手段とを備えた活魚計数装置が提案されている(特許文献4参照)
【0007】
活魚が重合して泳げないようされた通路に魚を進入させ、この通路に臨まされる魚検知センサーがこの魚を検知するとこの検知センサーに係合されるシャッタが通路を遮断して魚の退路を閉断し前記シャッタより魚検知センサー側通路内に居る魚をこの通路に臨まされる計数センサーで計数する活魚計数方法から成る活魚計数装置の提案がある(特許文献5参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−45905号公報
【特許文献2】特開2005−102638号公報
【特許文献3】特開2002−32733号公報
【特許文献4】特開2001−45905号公報
【特許文献5】特開平6−243311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
魚を集めてタモ網ですくって総重量をハカリで計量してからサンプルの魚の重量と数を計量して平均目廻りを算出し、平均目廻りで総重量を割ることで活魚の全数を推定する方法は、計数が不正確で客観的ではないという課題がある。魚には大小がある上、平均目廻りを出すための計量方法に個人差があるため、測定者が異なると計数結果に差異が生じてしまうこととなる。
【0010】
活魚の総数量を一尾一尾数える方法は、総がけ方法と同様に魚を一個所に集めるので魚体が傷つきやすく、計数に熟練と多大な労力と時間を要するとともに作業が非能率的であり、計数中に魚が酸欠状態になりやすいという問題がある。更に「総読方法」は魚の稚魚期には有効であるが、魚体が大きくなると魚の取り扱いが困難になるという問題もある。陸上施設では計数可能であっても大量の活魚を海上生け簀で計数することは困難である。
【0011】
稚魚等を水流で流しながらセンサーで読み取る「機器使用方法」は、稚魚が2尾3尾連なっている場合に1尾と誤読したり、逆流した稚魚を再読することがあって計数誤差が大きく、しかも対象は稚魚のみであって成魚には適用することができないという問題がある。
【0012】
稚魚については水の流れに沿って泳ぐ性質を利用して追い込み器具により水路を通して計数可能であるが、成魚の場合には小量の流れに沿って泳ぐことがないので水路に追い込むことが難しく、水路を深くしたり設備の規模を大きくしなければならないという問題もある。また、使用する機器は大型であるため、養殖施設間を持ち運んで計数することは難しいという難点がある。
【0013】
更に出荷時等において大量の魚を計数するには多大の労力と時間を必要とし、非能率的であるとともに時間オーバーにより魚が酸欠状態におかれて衰弱する問題がある他、「総がけ方法」の場合には暴れている魚をタモ網ですくってハカリで計量しているため魚体が損傷しやすく、計数時に魚体が受けた傷がその後の養殖時に病気の原因になるケースも多々ある。
【0014】
そこで計数時に活魚を傷つけることなく客観的で正確な計数を行えるとともに、魚に大小があっても個人差がなく、時間がかからない上、作業者等の人員削減と計数コストの低減及び省力化を可能とし、作業の能率を高めるとともに計数中に魚が酸欠状態になるおそれがない水中における活魚の計数方法とその装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
活魚の計数測定において、縦横の寸法10mm〜200mm×10mm〜200mmの大きさの通過枠を1〜200個をもつ計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、活魚を選別できる網目の大きさの異なる選別網を装着して計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームと、計数センサーを装備して計数フレーム枠体の一面を組み込まれた捕集網とからなっている装置を、養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内に沈め、活魚を捕集網に組み込まれた計数機の選別網と計数センサーに順次通過させることにより、その数をカウントして活魚の数を計数することを水中における活魚の計数装置である。
【0016】
活魚の計数測定において、縦横の寸法10mm〜200mm×10mm〜200mmの大きさの通過枠を1〜200個をもつ計数センサーを装備した計数フレーム枠体は、通過枠にセンサーを枠内に1〜20個を設置して、枠体の材質としてステンレススチール、または樹脂であって、計数センサーを枠体の格子に使用する樹脂に取り付けている。
【0017】
当該計数フレーム枠体上部に活魚が同時に2尾通過させないために、活魚の大きさに応じて取付ける通過規制板は、通過穴の大きさを1〜5枚の異なる通過規制板にして、形状を四角、又は円状で10mm〜150mmの範囲の寸法を1〜5段階にしている。
【0018】
また当該計数フレーム枠体の下部に10W〜200Wの照明具を1〜8箇所に取りつけている。照明具は通常の蛍光照明ランプでも、発熱照明ランプ、あるいはLED照明ランプでの照明でもよい。とくに活魚をおびき寄せて、計数フレーム枠体を容易に通過するようにさせる。また上記の通過規制板は活魚が容易に引きよらせることの色彩にすることが好ましい。
【0019】
計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、選別網を装備して計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機が組み込まれた捕集網は、5m〜20mの四角形であって、網の目を5mm〜30mmにした。当該捕集網は、養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内の底面に沿う位置まで沈めてから、徐々に引き上げることによって、活魚を捕集網に組み込まれた計数機の選別網、通過規制板と計数センサーに順次通過させることにより、その数をカウントして活魚の数を計数する。
【0020】
計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、選別網フレームとを組み込まれた捕集網を、活魚が収納されていない養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内に設置し、その後に計数すべき活魚を該養殖施設内に供給することによって、活魚を選別網、通過規制板と計数センサーを取り付けた計数フレーム枠体に順次通過させて、その数をカウントして活魚の数を計数する。
【0021】
計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、選別網フレームとからなる計数機と、該計数センサーから導出された信号線を介して活魚の計数信号を表示する電子機器と前記計数センサーは発光ダイオードを利用した複数の光信号発光部と光信号感知部とからなり、活魚が光信号発光部と光信号感知部との間を通過する際の光信号が遮断された回数をカウントして電子機器に計数信号として表示する請中における活魚の計数装置である。
【0022】
計数センサーとしては発光ダイオードを利用するものの他に、他の電波、音波、レーザー等を利用した各種の計数センサーの利用が可能である。
枠体1に固定された養殖用小割,生け簀その他の養殖施設2の中に、船体5,5のウインチからロープ4を繰り出しながら計数機20の重量を利用して捕集網3を養殖施設2の底面に沿って被覆する位置まで沈め、養殖施設2内の活魚10を捕集網3の上に位置するように追い込む。必要に応じて捕集網3に重石を装着してもよい。
【0023】
この計数方法は、外敵に対して水面とは反対方向に逃げるとともに空気に触れることを嫌うという生魚の性質を利用したものである。なお、選別網フレーム15と計数センサー13とは相互に一定の間隔を有しているため、選別網フレーム15の選別網14を通過することによって、活魚の密集が捌かれて、計数フレーム枠体6の計数センサー13を一尾ずつ通過するので、計数ミスが極めて少ない。
【0024】
上記の実施形態は大きな養殖池又は海上生け簀等の養殖施設を想定しているが、小さな養殖池とか生け簀の場合にはボート等の船体5及びウインチは不要であり、ロープ4の繰り出しと引き上げも作業者の手作業で行うことも可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によって得られた水中における活魚の計数方法とその装置によれば、外敵に対して下に向かうとともに空気に触れるのを嫌う成魚の習性を利用して、活魚を泳がせながら計数しているため、ハカリで計量する従来例のように活魚を傷つけるおそれがなく、客観的で正確な計数を行うことができる。特に魚に大小があっても総読方法のように個人差がなく、測定者が異なっても計数結果に差異が生じることがなく、稚魚のみならず成魚であっても計数の正確性を期すことができる。
【0026】
計数には熟練とか多大な労力及び時間がかからない上、計数はパソコン等の電子機器を利用しているため、作業者等の人員削減と計数コストの低減及び省力化が可能であり、作業の能率を高めるとともに計数中に魚が酸欠状態になる心配はない。更に対象となる活魚の数量とか大小に影響されることがないので、陸上施設のみならず海上生け簀等で計数することもできる。
【0027】
また、本発明によって、生け簀内の活魚の数量が正確に把握できるので、正確な投餌量を算出して効率の良い養殖を可能にするとともに、養殖魚の適正な在庫管理システムを確立することができる。又減餌による環境汚染の防止効果をもたらすことができ、更には肉質の締まったおいしい魚を養殖することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態例を示す概要図。
【図2】活魚の動きを示す概要図。
【図3】計数機を示す組立概要図。
【図4】図3に示す計数機の各要素体の概要図。(A):選別網フレーム (B)計数センサ (C)計数フレーム枠
【図5】大きめ角穴の通過規制板を取付けた計数機を示す組立概要図。
【図6】図5の大きめ角穴の通過規制板を取付けた計数機の各要素体の概要図。(A):選別網フレーム (B)通過規制板 (C)計数センサ (D)計数フレーム枠
【図7】小さめ角穴の通過規制板を取付けた計数機を示す組立概要図。
【図8】図7の小さめ角穴の通過規制板を取付けた計数機の各要素体の概要図。(A):選別網フレーム (B)通過規制板 (C)計数センサ (D)計数フレーム枠
【図9】大きめ丸穴の通過規制板を取付けた計数機を示す組立概要図。
【図10】図9の大きめ丸穴の通過規制板を取付けた計数機の各要素体の概要図。(A):選別網フレーム (B)通過規制板 (C)計数センサ (D)計数フレーム枠
【図11】小さめ丸穴の通過規制板を取付けた計数機を示す組立概要図。
【図12】図11の小さめ丸穴の通過規制板を取付けた計数機の各要素体の概要図。(A):選別網フレーム (B)通過規制板 (C)計数センサ (D)計数フレーム枠
【図13】魚の通過時の計数センサーの作用状態図。
【図14】計数センサーの構造図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下本発明にかかる水中における活魚の計数方法及びその装置の実施形態を説明する。本発明では計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、当該計数フレーム枠体の一面を被覆している選別網を装備した選別網フレームとからなる計数機が組み込まれた捕集網を養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内の底面に沈め、養殖施設内の活魚を捕集網の上に位置するように追い込んでから、該捕集網を徐々に引き上げることによって、活魚が捕集網に組み込まれた計数機の計数センサーを通過して下方に逃げる数をカウントして活魚の全数を計数するようにした水中における活魚の計数方法とその装置を基本手段としている。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明の第1の実施形態例を示しており、1は枠体、2は枠体1に上端部で固定された上方を開口した生け簀の養殖施設であり、この養殖施設2の内方に捕集網3が配備された。この捕集網3は、養殖施設2の底面を被覆できる程度の面積を有し、その四隅部から取り出された各ロープ4がボート等の船体5のウインチに連結された。
【0031】
この捕集網3の略中心位置には、計数センサー13を装備した格子状の計数フレーム枠体6と、選別網14を装備して計数フレーム枠体6の一面を被覆する選別網フレーム15とからなる計数機20が組み込まれており、計数フレーム枠体6の計数センサー13から導出された信号線7が船体5上に設置した電子機器であるパソコン8に接続された。この計数フレーム枠体6の格子状の間隙を活魚10が通過する際の信号の切断及びその数を計数センサー13によって感知・計数するものである。各ボートに取り付け入るウインチにより各ロープを引きよせて、生け簀の養殖施設の上面方向に計数機を寄せて、活魚を通過させた。
【0032】
図3は計数機20の組立図、図4は計数機20の構造図である。図5〜12は計数機20に通過規制板18を組付けた時の組立図、および構造図である。図13はセンサーを活魚10が通過する時の拡大図ある。計数センサー13は、発光ダイオードを利用した複数の光信号発光部11と光信号感知部12とからなり、各光信号発光部11から発した光が対向する光信号感知部12によって感知されるようになっている。
【0033】
従って計数対象物である活魚が光信号発光部11と光信号感知部12との間を通過すると光信号が遮断され、遮断された回数が光信号感知部12でカウントされて前記信号線7を介してパソコン8に計数信号として表示されるように構成されている。パソコン8は計数信号の集計、保存、管理を行う機能を有している。なお、計数センサーとしては発光ダイオードを利用した。
【実施例2】
【0034】
図3は本発明の平均の長さで25cm(胴周り約18cm)のイサキ活魚の実施形態例を示した。枠体1(横10m、縦10m)、養殖施設2の囲い網(4cm網目を使用)は枠体1に上端部が固定された上方が開口した生け簀の養殖(イサキ)施設であり、この養殖施設2の内方に捕集網3(1cm網目)が配備された。
【0035】
この捕集網3は、養殖施設2の底面を被覆できる横15m、縦15mの面積を有し、その四隅部から取り出された長さ15mの各ロープ4がボート等の船体5のウインチに連結された。この捕集網3の略中心位置には、計数センサー13を装備した間隔10cmの格子状の計数フレームと、横100cm、縦100cmの選別網(網目10cm)を装備して、横100cm、縦100cmの計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機にした。
【0036】
各ボートに取り付け入るウインチにより各ロープを引きよせて、前記の生け簀の養殖施設の上面方向に計数機を寄せて、25cm(胴周り約18cm)のイサキの活魚がすべて通過した。
イサキの計数測定には、計数フレームに計数センサーを取り付け、各計数センサーには、光信号発光部と光信号感知部それぞれ10個を取り付けた。この計数フレーム枠体6の格子状の間隙を活魚イサキが通過する際の信号の切断及びその数を計数センサーによって感知・計数した。
【0037】
イサキの活魚が通過した際に光信号感知部から導出された信号が船体上の電子機器であるパソコンにカウントされた。1万5千尾近くの活魚の計数を正確に測定することができた。
【実施例3】
【0038】
図5は本発明の平均の長さで15cm(胴周り約14cm)の鯛活魚の実施形態例を示した。枠体1(横10m、縦10m)、養殖施設2の囲い網(2cm網目)は枠体1に上端部が固定された上方が開口した生け簀の養殖(鯛)施設であり、この養殖施設2の内方に捕集網(1cm網目)が配備された。
【0039】
この捕集網3は、養殖施設2の底面を被覆できる横15m、縦15mの面積を有し、その四隅部から取り出された長さ15mの各ロープ4がボート等の船体5のウインチに連結された。この捕集網3の略中心位置には、10cm角の穴の開いた通過規制板と、計数センサー13を装備した間隔10cmの格子状の計数フレーム枠体と、横100cm、縦100cmの選別網(網目6cm)を装備して、横100cm、縦100cmの計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機にした。
【0040】
各ボートに取り付け入るウインチにより各ロープを引きよせて、前記の生け簀の養殖施設の上面方向に計数機を寄せて、鯛の活魚を通過させた。
鯛の計数測定には、計数フレームに計数センサーを取り付け、各計数センサーには、光信号発光部と光信号感知部それぞれ10個を取り付けた。この計数フレーム枠体6の格子状の間隙を活魚鯛が通過する際の信号の切断及びその数を計数センサーによって感知・計数した。
鯛の活魚が通過した際に光信号感知部から導出された信号が船体上の電子機器であるパソコンにカウントされた。約2万尾近くの鯛活魚の計数を正確に測定することができた。

【実施例4】
【0041】
図7は本発明の平均の長さで10cmのイサキ活魚の実施形態例を示した。枠体1(横10m、縦10m)、囲い網(1cm網目)は枠体1に上端部が固定された上方が開口した生け簀の養殖(イサキ)施設であり、この養殖施設2の内方に捕集網(1cm網目)が配備された。
【0042】
この捕集網3は、養殖施設2の底面を被覆できる横15m、縦15mの面積を有し、その四隅部から取り出された長さ15mの各ロープ4がボート等の船体5のウインチに連結された。この捕集網3の略中心位置には、3cm角の穴の開いた通過規制板と、計数センサー13を装備した間隔10cmの格子状の計数フレーム枠体と、横100cm、縦100cmの選別網(網目3cm)を装備して、横100cm、縦100cmの計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機にした。
【0043】
各ボートに取り付け入るウインチにより各ロープを引きよせて、前記の生け簀の養殖施設の上面方向に計数機を寄せて、イサキの活魚を通過させた。
イサキの計数測定には、計数フレームに計数センサーを取り付け、各計数センサーには、光信号発光部と光信号感知部それぞれ10個を取り付けた。この計数フレーム枠体6の格子状の間隙を活魚イサキが通過する際の信号の切断及びその数を計数センサーによって感知・計数した。
イサキの活魚が通過した際に光信号感知部から導出された信号が船体上の電子機器であるパソコンにカウントされた。約2万尾近くのイサキ活魚の計数を正確に測定することができた。

【実施例5】
【0044】
図9は本発明の平均の長さで15cmの鯛活魚の実施形態例を示した。枠体1(横10m、縦10m)、囲い網(2cm網目)は枠体1に上端部が固定された上方が開口した生け簀の養殖(鯛)施設であり、この養殖施設2の内方に捕集網(1cm網目)が配備された。
【0045】
この捕集網3は、養殖施設2の底面を被覆できる横15m、縦15mの面積を有し、その四隅部から取り出された長さ15mの各ロープ4がボート等の船体5のウインチに連結された。この捕集網3の略中心位置には、6cm丸の穴の開いた通過規制板と、計数センサー13を装備した間隔10cmの格子状の計数フレーム枠体と、横100cm、縦100cmの選別網(網目6cm)を装備して、横100cm、縦100cmの計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機にした。
【0046】
各ボートに取り付け入るウインチにより各ロープを引きよせて、前記の生け簀の養殖施設の上面方向に計数機を寄せて、鯛の活魚を通過させた。
鯛の計数測定には、計数フレームに計数センサーを取り付け、各計数センサーには、光信号発光部と光信号感知部それぞれ10個を取り付けた。この計数フレーム枠体6の格子状の間隙を活魚鯛が通過する際の信号の切断及びその数を計数センサーによって感知・計数した。
鯛の活魚が通過した際に光信号感知部から導出された信号が船体上の電子機器であるパソコンにカウントされた。約2万尾近くの鯛活魚の計数を正確に測定することができた。

【実施例6】
【0047】
図11は本発明の平均の長さで10cmのイサキの実施形態例を示した。枠体1(横10m、縦10m)、囲い網(1cm網目)は枠体1に上端部が固定された上方が開口した生け簀の養殖(イサキ)施設であり、この養殖施設2の内方に捕集網(1cm網目)が配備された。
【0048】
この捕集網3は、養殖施設2の底面を被覆できる横15m、縦15mの面積を有し、その四隅部から取り出された長さ15mの各ロープ4がボート等の船体5のウインチに連結された。この捕集網3の略中心位置には、3cm丸の穴の開いた通過規制板と、計数センサー13を装備した間隔10cmの格子状の計数フレーム枠体と、横100cm、縦100cmの選別網(網目3cm)を装備して、横100cm、縦100cmの計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機にした。
【0049】
各ボートに取り付け入るウインチにより各ロープを引きよせて、前記の生け簀の養殖施設の上面方向に計数機を寄せて、イサキの活魚を通過させた。
イサキの計数測定には、計数フレームに計数センサーを取り付け、各計数センサーには、光信号発光部と光信号感知部それぞれ10個を取り付けた。この計数フレーム枠体6の格子状の間隙を活魚イサキが通過する際の信号の切断及びその数を計数センサーによって感知・計数した。
イサキの活魚が通過した際に光信号感知部から導出された信号が船体上の電子機器であるパソコンにカウントされた。約2万尾近くのイサキ活魚の計数を正確に測定することができた。

【産業上の利用可能性】
【0050】
以上詳細に説明したように、本発明は活魚を泳がせながら計数することにより活魚を傷つけるおそれがなく、養殖池とか生け簀の大小に関係なく客観的で正確な計数を行うことができるので、計数には個人差がないので測定者が異なっても計数結果に差異は生じることがなく、稚魚のみならず成魚であっても計数の正確性を期すことができるので、養殖施設等における生育途中や出荷時における活魚の数を正確に、かつ、活魚にストレスを与えることなく計数することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…枠体
2…養殖用小割
3…捕集網
4…ロープ
5…船体
6…計数フレーム枠体
7…信号線
8…パソコン
9…魚網
10…活魚
11…光信号発光部
12…光信号感知部
13…計数センサー
14…選別網
15…選別網フレーム
16…通過穴
17…計数フレーム枠
18…通過規制板
19…仕切板
20…計数機
21…
22…
23…
24…照明具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活魚の計数測定において、縦横の寸法10mm〜200mm×10mm〜200mmの大きさの通過枠を1〜200個をもつ計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、当該計数フレーム枠体の上部に活魚の大きさを選別できる通過穴の大きさの異なる通過規制板と、計数センサーを装備して計数フレーム枠体の一面を組み込まれた捕集網とからなっている装置を、養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内に沈め、活魚を捕集網に組み込まれた計数機の選別板と計数センサーに順次通過させることにより、その数をカウントして活魚の数を計数することを特徴とする水中における活魚の計数装置。
【請求項2】
活魚の計数測定において、縦横の寸法10mm〜200mm×10mm〜200mmの大きさの通過枠を1〜200個をもつ計数センサーを装備した計数フレーム枠体は、通過枠に計数センサーを枠内に1〜20個を設置して、枠体の材質としてステンレススチール、または樹脂であって、計数センサーを枠体の格子に使用する樹脂に取り付けていることを特徴とする請求項1に記載の水中における活魚の計数装置。
【請求項3】
当該計数フレーム枠体の上部に活魚の大きさを規制できる通過穴の大きさの異なる通過規制板は、通過穴の大きさを1〜5枚の異なる板にして、形状を四角、又は円状で10mm〜150mmの範囲の寸法を1〜5段階にして、活魚の通過を促進するために、当該計数フレーム枠体の下部に10W〜200Wの照明具を取りつけていることを特徴とする請求項1、又は請求項に記載の水中における活魚の計数装置
【請求項4】
計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、選択網を装備して計数フレーム枠体の一面を被覆する選別網フレームとからなる計数機が組み込まれた捕集網は、5m〜20mの四角形であって、網の目を5mm〜30mmであり、養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内の底面に沿う位置まで沈めてから、該捕集網を徐々に引き上げることによって、活魚を捕集網に組み込まれた計数機の選別網と計数センサーに順次通過させることにより、その数をカウントして活魚の数を計数することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水中における活魚の計数装置。
【請求項5】
計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、選別網フレームとを組み込まれた捕集網を、活魚が収納されていない養殖用小割,生け簀その他の養殖施設内に設置し、その後に計数すべき活魚を該養殖施設内に供給することによって、活魚を選別網と、計数センサーを取り付けた計数フレーム枠体に順次通過させて、その数をカウントして活魚の数を計数することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水中における活魚の計数装置。
【請求項6】
計数センサーを装備した計数フレーム枠体と、選別網とからなる計数機と、該計数センサーから導出された信号線を介して活魚の計数信号を表示する電子機器ととからなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水中における活魚の計数装置。
【請求項7】
前記計数センサーは発光ダイオードを利用した複数の光信号発光部と光信号感知部とからなり、活魚が光信号発光部と光信号感知部との間を通過する際の光信号が遮断された回数をカウントして電子機器に計数信号として表示する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水中における活魚の計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−188806(P2011−188806A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57582(P2010−57582)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(310004574)株式会社 ネクサス (1)
【Fターム(参考)】