説明

水処理方法及び水処理システム

【課題】水処理において製造される活性炭化物の利用を図りつつ、水処理に必要なエネルギー負荷を低減した水処理方法及び水処理システムを提供する。
【解決手段】沈砂池10、又は最初沈殿池12の何れか又は両方において活性炭化物を投入する。最初沈殿池12において活性炭化物の凝集作用により汚水中に含まれる有機成分などを凝集沈降させた後、好気性処理タンク14で好気性処理を行う。好気性処理タンク14に送られる汚水は、活性炭化物により有機成分が除去されているので、好気性処理タンク14での酸素の必要量は少なくる。更に、汚水は最終沈殿池16での沈殿を経た後、塩素等により殺菌処理されて河川に放流される。最初沈殿池12において分離された引抜汚泥と、最終沈殿池16において分離された余剰汚泥は、汚泥濃縮槽18に送られ、メタン発酵槽24でメタン回収後、活性炭化物製造装置26に送られて活性炭化物として再生される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理方法及び水処理システムに関し、更に詳細には、下水処理などの水処理に付随して製造される活性炭化物の利用を図りつつ、水処理に必要なエネルギー負荷を低減した水処理方法及び水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
水処理の分野においては、好気性微生物群を利用した活性汚泥法が知られており、排水・汚水の浄化手段として下水処理場、し尿処理場、浄化槽などで広く利用されている。特に下水処理の分野では、標準活性汚泥法が知られている。標準活性汚泥法では、図3に示すように、汚水は沈砂池10に導かれ、ここで土砂などが除去され、次に最初沈殿池12に導かれて固形物の沈殿が行われる。沈殿後の汚水は、続いて好気性処理タンク14に送られて好気性処理が行われ、更に最終沈殿池16での沈殿を経た後、塩素等により殺菌処理されて河川に放流される。一方、最初沈殿池12において分離された沈殿(引抜汚泥)及び最終沈殿池16において分離された沈殿(余剰汚泥)は、汚泥濃縮槽18で濃縮された後、汚泥貯留槽20に送られ、更に凝集剤を加えた後、脱水機22で脱水される。脱水後の汚泥は、従来では焼却されていたが、資源再利用の観点から活性炭化物製造装置を用いて活性炭化物として再生することが検討され、実用化されるに至っている。
【0003】
このような活性汚泥法では、近年の地球温暖化防止が叫ばれる中、水処理に要するエネルギー負荷の低減を検討する必要が生じている。また、活性汚泥法により最終的に製造される活性炭化物の利用の促進も叫ばれている。
【0004】
このような観点から、活性炭化物を水処理において利用することが検討されている(例えば、特許文献1〜4)。これらの公報に記載されている水処理技術においては、活性炭化物が好気性処理タンク14に投入されるため、その次の最終沈殿池16において分離される余剰汚泥の量が増加することとなる。この余剰汚泥は、最初沈殿池12において分離される引抜汚泥に比較して脱水性が悪いことが知られており、後の脱水機22での脱水に際して多くのエネルギーと時間を要するという問題がある。
【特許文献1】特開2004−337751号公報
【特許文献2】特開2002−346548号公報
【特許文献3】特開2001−353500号公報
【特許文献4】特許第3397304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、下水処理などの水処理において製造される活性炭化物の利用を図りつつ、水処理に必要なエネルギー負荷を低減した水処理方法及び水処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水処理方法は、汚水から固形物を沈殿させる最初沈殿工程と、沈殿後の汚水の好気性処理を行う好気性処理工程と、該好気性処理工程の後に剰余汚泥の分離を行う最終沈殿工程とを有する水処理方法であって、前記好気性処理工程に先だって、汚水に活性炭化物を投入し、前記最初沈殿工程において前記固形物及び前記活性炭化物を含む引抜汚泥を沈降させた後、前記好気性処理工程での処理を行うことを特徴とする。
【0007】
このように、好気性処理工程に先だって汚水に凝集効果の高い活性炭化物を投入し、好気性処理の前の最初沈殿工程において沈殿を分離することにより、従来の標準活性汚泥法では好気性処理工程に送られていた有機成分を汚水から予め除去して好気性処理工程での負荷を低減させ、結果として好気性処理工程でのエアレーションに要する動力の低減を図ることが可能となる。また、本発明の水処理方法によれば、脱水性の悪い余剰汚泥の量は減少するので、汚泥の脱水に際して必要なエネルギーと時間を低減させることができる。
【0008】
本発明の水処理方法は、前記最終沈殿工程後の処理水への活性炭化物の投入及び該活性炭化物の分離を行う最終吸着工程を更に備えていてもよい。これにより、最終的に河川等に放流される水の更なる浄化を図ることができる。
【0009】
また、前記最終吸着工程で分離した前記活性炭化物を、前記好気性処理工程に先だって投入される活性炭化物として使用してもよい。これにより、活性炭化物の利用性が更に向上する。
【0010】
本発明においては、前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥から前記活性炭化物を製造する活性炭化物製造工程を更に有し、該活性炭化物製造工程で製造された活性炭化物を、前記好気性処理工程に先だって投入される活性炭化物として、又は前記最終沈殿工程後の処理水に投入される活性炭化物として使用するように構成することができる。これにより、水処理設備で製造される活性炭化物をその水処理設備で使用するという自己循環型の水処理設備を構築することが可能となる。
【0011】
更に、本発明においては、前記活性炭化物製造工程に先だって、前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥を用いてメタン発酵を行うメタン発酵工程を更に有していてもよい。これにより、汚泥からのエネルギー回収が可能となる。
【0012】
また、本発明の水処理方法において、前記活性炭化物の真比重は、1.7〜2.3の範囲であることが好ましい。このような真比重を有する活性炭化物を使用することにより、活性炭化物が容易に沈降して汚水からの分離が容易になる。
【0013】
また、前記活性炭化物は、その炭素含有量が3〜90重量%、SiO2含有量が5〜80重量%、Al23含有量が2〜50重量%であることが好ましい。このような組成を有する活性炭化物を使用することにより、汚水に対する十分な凝集効果を発揮させることが可能となる。
【0014】
本発明の水処理システムは、活性炭化物が予め投入された汚水から、前記活性炭化物及び他の固形物を含む引抜汚泥を沈殿させる最初沈殿池と、沈殿後の汚水の好気性処理を行う好気性処理タンクと、好気性処理後の処理水から剰余汚泥の分離を行う最終沈殿池とを有することを特徴とする。
【0015】
このように、好気性処理に先だって汚水に凝集効果の高い活性炭化物の投入と引抜汚泥の分離とを行うことにより、有機成分を汚水から除去して好気性処理タンクの負荷の低減を図ることが可能となる。また、脱水性の悪い余剰汚泥の減少を図り、脱水に際してのエネルギーと時間を低減することが可能となる。
【0016】
本発明の水処理システムは、前記最終沈殿池から排出される処理水に投入された活性炭化物の分離を行う分離装置を更に備えていてもよい。これにより、最終的に河川等に放流される水の更なる浄化を図ることができる。
【0017】
また、前記最終分離装置で分離した前記活性炭化物を、汚水に予め投入される活性炭化物として使用してもよい。これにより、活性炭化物の利用性が更に向上する。
【0018】
本発明においては、前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥から前記活性炭化物を製造する活性炭化物製造装置を更に有し、該活性炭化物製造装置で製造された活性炭化物を、汚水に予め投入される活性炭化物として、又は前記最終沈殿池から排出される処理水に投入される活性炭化物として使用するように構成することができる。これにより、水処理設備で製造される活性炭化物をその水処理設備で使用するという自己循環型の水処理設備を構成することが可能となる。
【0019】
更に、本発明においては、前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥を用いてメタン発酵を行うメタン発酵工程を更に有していてもよい。これにより、汚泥からのエネルギー回収が可能となる。
【0020】
また、本発明の水処理システムにおいて、前記活性炭化物の真比重は、1.7〜2.3の範囲であることが好ましい。このような真比重を有する活性炭化物を使用することにより、活性炭化物の汚水からの分離が容易となる。
【0021】
また、前記活性炭化物は、その炭素含有量が3〜90重量%、SiO2含有量が5〜80重量%、Al23含有量が2〜50重量%であることが好ましい。このような組成を有する活性炭化物を使用することにより、十分な凝集効果を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の水処理方法及び水処理システムによれば、好気性処理に先だって汚水に凝集効果の高い活性炭化物が投入されるとともに、好気性処理の前に引抜汚泥が分離されるので、従来の標準活性汚泥法では好気性処理されていた有機成分を予め汚水から除去して好気性処理での負荷を低減させ、結果として好気性処理に要するエアレーションの動力の低減を図ることが可能となる。また、本発明の水処理方法及び水処理システムによれば、脱水性の悪い余剰汚泥は減少するので、脱水に際してのエネルギーと時間を低減させることができる。これにより、下水処理などの水処理において製造される活性炭化物の利用を図りつつ、水処理に必要なエネルギー負荷を低減した水処理方法及び水処理システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0024】
本発明において使用される活性炭化物の代表的な組成及び真比重を表1に示す。本発明において使用される活性炭化物の真比重は、1.7〜2.3であることが好ましい。この真比重が1.7より小さいと、最初沈殿池や最終沈殿池で沈降し難くなり、結果的に活性炭化物を引抜汚泥や余剰汚泥として汚水から分離することが困難となる。また、真比重が2.3を超える活性炭化物は、原料の汚泥の成分によっては製造することも可能であるが、一般的ではない。即ち、炭素含有量を極端に少なくする必要があるなど、組成面で実質上適用することが困難である。なお、活性炭は、一般的には約1.6〜2.1の真比重を有しているが、細孔容積が大きく、平均細孔径も小さいため、これを使用すると空気を含んで沈降せず、実質上使用することが不可能である。
【0025】
【表1】

【0026】
また、本発明において使用される活性炭化物の組成は、炭素含有量が3〜90重量%、SiO2含有量が5〜80重量%、Al23含有量が2〜50重量%であることが好ましい。炭素含有量が3重量%より少ないと、活性炭が得意とするベンゼン環を含む有機系物質の吸着が期待できず、無機系吸着剤と同等の効果しか期待できない。また炭素含有量が90重量%より多いと、ほぼ活性炭と同等の組成となってしまい、無機系凝集剤的な効果を期待することができない。また、SiO2及びAl23の含有量が上記より小さいと、活性炭化物の凝集効果が小さくなるので好ましくない。また、SiO2及びAl23の含有量が上記より大きいと、相対的に炭素含有量が小さくなってしまうので好ましくない。
【0027】
本発明に使用する活性炭化物は、CaOを0〜50重量%で、MgOを0〜10重量%で、Fe23を0〜20重量%で含んでいてもよい。これらの灰分は、SiO2及びAl23と同様の機能を果たし得るからである。
【0028】
本発明の効果を確認するために、SS(浮遊物質)について以下のような実験を行った。内径5.8cm、高さ120cmの塩化ビニール製の沈降筒を2基作成した。この沈降筒の上部から50cmと100cmの位置(採水点)に採水コックを取り付けた。なお、対象水の固形物濃度が高々300mg/l程度であることから、壁面効果は配慮する必要はない。汚水として、K処理場(2試料)及びT処理場(3試料)で採水した計5試料の流入下水を用いた。これらの試料を沈降筒に一定量(2L、高さ約97cm)投入し、活性炭化物を投入して上下撹拌し、静置した時点から沈降開始として計測した。各採水点では、一定時間毎に40mlを採取して、下水試験法に準拠したSSの分析を行った。その結果、SSの除去率は60〜80%であることが確認された。
【0029】
上記のSSの除去率はBOD除去率とほぼ等しいことが知られている。表2は、これを前提として、活性炭化物の投入及び除去を好気性処理に先だって行った場合に、余剰汚泥発生量及び必要酸素合計量がどのように変化するかを試算した結果を表している。表2から明らかなように、活性炭化物の処理を行わない場合、必要酸素合計量は2103kg−O2/dayであるのに対して、活性炭化物の処理を行った場合には、1319kg−O2/dayに低減していることが分かる。これにより、好気性処理タンクのエアレーションに必要な動力を大幅に低減することができることが分かる。また、活性炭化物の処理を行わない場合の余剰汚泥発生量は、1122kg/dayであるのに対して、活性炭化物の処理を行った場合には、935kg/dayに低減していることが分かる。これにより、余剰汚泥の脱水に際して必要なエネルギーと時間を低減させることができる。
【0030】
【表2】

【0031】
図1は本発明の一実施形態に係る水処理システムを示す概念図である。本実施形態の水処理システムについて、水処理の手順に従って説明する。同図に示すように、まず、下水管等から流入する汚水は沈砂池10に導かれ、ここで土砂、ゴミなどが除去される。次に、汚水は最初沈殿池12に導かれ、ここで固形物の沈殿が行われる。本実施形態では、沈砂池10若しくは最初沈殿池12又はその両方において活性炭化物が投入される。汚水に投入された活性炭化物は、その凝集作用により汚水中に含まれる有機成分などを凝集させる効果を発揮する。また、活性炭化物の真比重は2.0前後であるため、活性炭などに比較して沈降し易く、次の好気性処理タンク14に殆ど送られることなく、最初沈殿池12で引抜汚泥として沈殿し容易に分離される。
【0032】
次に、固形物及び活性炭化物を分離した汚水は、好気性微生物を含んだ活性汚泥を入れた好気性処理タンク14に送られ、ここで送風機によるエアレーションにより、好気性処理を受ける。本実施形態では活性炭化物により有機成分が予め汚水から除去されているので、表2に示したように好気性処理タンク14において必要な酸素量は少なくなっている。好気性処理を終えた汚水は、次に最終沈殿池16での沈殿を経た後、塩素等により殺菌処理されて河川に放流されることになる。
【0033】
一方、最初沈殿池12において分離された沈殿は、引抜汚泥として汚泥濃縮槽18に送られる。また、最終沈殿池16において分離された沈殿も、余剰汚泥として汚泥濃縮槽18に送られる。本実施形態では、汚水は好気性処理タンク14に入る前に予め活性炭化物により有機成分が除去されているので、脱水性の悪い余剰汚泥の量は少なくなっている。引抜汚泥及び余剰汚泥は汚泥濃縮槽18で濃縮された後、汚泥貯留槽20に送られて貯留される。汚泥貯留槽20内の汚泥は、更にメタン発酵槽24に送られ、ここでメタン発酵される。通常、メタン発酵は約37℃で無酸素の状態で行われる。メタン発酵により回収されたメタンは、例えば、後述する活性炭化物製造装置26において、汚泥の乾燥の熱源として使用することができる。
【0034】
本実施形態では、メタン回収を終えた汚泥は活性炭化物製造装置26に送られ、ここで活性炭化物として再生されることになる。具体的には、汚泥は乾燥機で乾燥された後、活性炭化炉で炭化と汚泥自身に含まれる水蒸気及び発生する熱分解ガス(還元ガス、乾留ガス)による賦活反応とが行なわれる。得られた活性炭化物は分級装置で分級処理された後、脱気処理される。
【0035】
本実施形態では、活性炭化物製造装置26で得られた活性炭化物は、沈砂池10又は最初沈殿池12で投入される活性炭化物として再利用されることとなる。このように、本実施形態の水処理システムは、自己循環型の水処理設備となっている。
【0036】
図2は本発明の他の実施形態に係る水処理システムを示す概念図である。本実施形態の水処理システムは、図1の水処理システムにおいて、最終沈殿池16から排出される処理水に活性炭化物を投入した後、活性炭化物の分離を行う分離装置28を更に備えたものである。従って、他の部分の構成要素は図1と同じであり、対応する構成要素には同じ符号が付してある。
【0037】
本実施形態の水処理システムについて、水処理の手順に従って説明する。図2に示すように、汚水は沈砂池10に導かれて土砂、ゴミなどが除去され、次に、汚水は最初沈殿池12に導かれて固形物等の沈殿が行われる。本実施形態においても、沈砂池10若しくは最初沈殿池12又はその両方において活性炭化物が添加される。この活性炭化物の凝集作用により、汚水中に含まれる有機成分などは凝集沈降する。
【0038】
次に、固形物及び活性炭化物を分離した汚水は、活性汚泥を含む好気性処理タンク14に送られて好気性処理を受ける。本実施形態においても、上述のように予め活性炭化物により有機成分が汚水から除去されているので、好気性処理タンク14おいて必要な酸素量は少なくなっている。更に、汚水は最終沈殿池16に送られる。
【0039】
本実施形態では、最終沈殿池16において更に活性炭化物の投入が行われる。活性炭化物の投入により、更に浄化水を浄化することが可能となる。最終沈殿池16で投入された活性炭化物は、次に分離装置28(濾過器)で除去され、最終的に塩素等により殺菌処理されて河川に放流される。
【0040】
一方、分離装置28で分離された活性炭化物は、比較的浄化が進んだ好気性処理後の浄化水に添加されただけなので、未だ十分な凝集力、吸着力が残存している。従って、本実施形態では、分離装置28で分離された活性炭化物は、沈砂池10又は最初沈殿池12に未使用の活性炭化物とともに添加して再利用される。
【0041】
本実施形態では、図1の実施形態と同様に、最初沈殿池12において分離された引抜汚泥及び最終沈殿池16において分離された余剰汚泥は、汚泥濃縮槽18に送られ、汚泥貯留槽20を経てメタン発酵槽24でメタン発酵された後、更に活性炭化物製造装置26に送られて活性炭化物として再生される。そして、本実施形態では、活性炭化物製造装置26で得られた活性炭化物は、沈砂池10又は最初沈殿池12で投入される活性炭化物として再利用されるとともに、最終沈殿池16に投入される活性炭化物としても再利用される。このように、本実施形態の水処理システムも、自己循環型の水処理設備となっている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の水処理方法及び水処理システムを使用すれば、活性炭化物の利用を図りつつ、水処理に必要なエネルギー負荷を低減させることができるので、水処理及び廃棄物処理の分野で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る水処理方法及び水処理システムを表す概念図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る水処理方法及び水処理システムを表す概念図である。
【図3】従来の標準活性汚泥法を表す概念図である。
【符号の説明】
【0044】
10 沈砂池
12 最初沈殿池
14 好気性処理タンク
16 最終沈殿池
18 汚泥濃縮槽
20 汚泥貯留槽
24 メタン発酵槽
26 活性炭化物製造装置
28 分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水から固形物を沈殿させる最初沈殿工程と、沈殿後の汚水の好気性処理を行う好気性処理工程と、該好気性処理工程の後に剰余汚泥の分離を行う最終沈殿工程とを有する水処理方法であって、前記好気性処理工程に先だって、汚水に活性炭化物を投入し、前記最初沈殿工程において前記固形物及び前記活性炭化物を含む引抜汚泥を沈降させた後、前記好気性処理工程での処理を行うことを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
前記最終沈殿工程後の処理水への活性炭化物の投入及び該活性炭化物の分離を行う最終吸着工程を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の水処理方法。
【請求項3】
前記最終吸着工程で分離した前記活性炭化物を、前記好気性処理工程に先だって投入される活性炭化物として使用することを特徴とする請求項2記載の水処理方法。
【請求項4】
前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥から前記活性炭化物を製造する活性炭化物製造工程を更に有し、該活性炭化物製造工程で製造された活性炭化物を、前記好気性処理工程に先だって投入される活性炭化物として使用することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水処理方法。
【請求項5】
前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥から前記活性炭化物を製造する活性炭化物製造工程を更に有し、該活性炭化物製造工程で製造された活性炭化物を、前記最終沈殿工程後の処理水に投入される活性炭化物として使用することを特徴とする請求項2記載の水処理方法。
【請求項6】
前記活性炭化物製造工程に先だって、前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥を用いてメタン発酵を行うメタン発酵工程を更に有している請求項4又は5に記載の水処理方法。
【請求項7】
前記活性炭化物の真比重は、1.7〜2.3の範囲であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の水処理方法。
【請求項8】
前記活性炭化物の炭素含有量が3〜90重量%、SiO2含有量が5〜80重量%、Al23含有量が2〜50重量%であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の水処理方法。
【請求項9】
活性炭化物が予め投入された汚水から、前記活性炭化物及び他の固形物を含む引抜汚泥を沈殿させる最初沈殿池と、沈殿後の汚水の好気性処理を行う好気性処理タンクと、好気性処理後の処理水から剰余汚泥の分離を行う最終沈殿池とを有することを特徴とする水処理システム。
【請求項10】
前記最終沈殿池から排出される処理水に投入された活性炭化物の分離を行う分離装置を更に備えたことを特徴とする請求項9記載の水処理システム。
【請求項11】
前記分離装置で分離した前記活性炭化物を、汚水に予め投入される活性炭化物として使用することを特徴とする請求項10記載の水処理システム。
【請求項12】
前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥から前記活性炭化物を製造する活性炭化物製造装置を更に有し、該活性炭化物製造装置で製造された活性炭化物を、汚水に予め投入される活性炭化物として使用することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の水処理システム。
【請求項13】
前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥から前記活性炭化物を製造する活性炭化物製造装置を更に有し、該活性炭化物製造装置で製造された活性炭化物を、前記最終沈殿池から排出される処理水に投入される活性炭化物として使用することを特徴とする請求項10記載の水処理システム。
【請求項14】
前記引抜汚泥及び前記剰余汚泥を用いてメタン発酵を行うメタン発酵工程を更に有している請求項12又は13に記載の水処理システム。
【請求項15】
前記活性炭化物の真比重は、1.7〜2.3の範囲であることを特徴とする請求項9乃至14の何れかに記載の水処理システム。
【請求項16】
前記活性炭化物の炭素含有量が3〜90重量%、SiO2含有量が5〜80重量%、Al23含有量が2〜50重量%であることを特徴とする請求項9乃至15の何れかに記載の水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−75809(P2010−75809A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245448(P2008−245448)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(308007505)カワサキプラントシステムズ株式会社 (51)
【出願人】(593086964)
【出願人】(592172415)ダイネン株式会社 (3)
【出願人】(591027444)大阪ガスエンジニアリング株式会社 (18)
【Fターム(参考)】