説明

永久磁石同期回転電機のロータの製造方法

【課題】永久磁石同期回転電機におけるトルク特性、負荷特性、回転バランスを高めること。
【解決手段】回転子鉄心であるロータ軸1の磁極形成部B0 の表面に、円弧板片状をした複数枚の永久磁石片Mを周方向に沿って貼り付けて第1段目J1 の磁極リング部Dを形成した後に、軸方向に沿って永久磁石片Mの長さだけずれた位置に同様にして第2段目J2 の磁極リング部Dを形成し、以後同様にして最終段目(第6段目)J6 の磁極リング部Dを形成する永久磁石同期回転電機のロータの製造方法であって、ロータ軸1の磁極形成部B0 の軸方向に沿って中点となる位置Cにセンターリング11を嵌め込むことにより、磁極形成部B0 を軸方向に沿って二分割しておき、各分割磁極形成部B1 において、センターリング11の側からロータ軸1の両軸端の方向に向けて、順次各段目の磁極リング部Dを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ軸の外周面に永久磁石片を貼り付けて磁極を形成する永久磁石同期回転電機のロータの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、供試体であるエンジンの特性を試験するために、エンジンの負荷として、疑似負荷を発生させるべく永久磁石同期回転電機を発電機として用いる「模擬ダイナモ試験装置」がある。このように、永久磁石同期回転電機を「試験装置」の発電機として使用したり、或いは電動機として使用する場合において、トルク特性やバランス特性が良好であることが試験精度の向上に直接につながり、逆に、上記各特性が悪いと試験精度が低下する。
【0003】
永久磁石同期回転電機のロータの製造方法としては、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、円柱状に形成された複数の磁石片を直列に並べて一体に接合した磁石ブロック構造体を機械加工して、薄肉円筒状をした保持円筒部材内に焼ばめにより挿入して一体化した後に、前記磁石ブロック構造体に着磁させてロータを製造する技術が開示されている。
【0004】
上記したロータの製造方法とは異なり、ロータ軸の磁極部となる部分の軸方向の一端から、その外周面に円弧板片状をした複数枚の永久磁石片を周方向に沿って貼り付けて第1段目の磁極リング部を形成し、次に、軸方向に沿って前記永久磁石片の長さ分だけ軸方向にずれた位置において、第1段目の磁極リング部に接続して第2段目の磁極リング部を形成し、以後同様の操作を繰り返して、前記磁極部の軸方向の他端において最終段目の磁極リング部を形成して、ロータ軸の外周部に磁極を形成するロータの製造方法もある。
【0005】
しかし、上記したロータの製造方法は、第1段目から最終段目の各磁極リング部における永久磁石片の軸方向に沿った「貼付誤差」の全てが、最終段目の磁極リング部に集約されて、この最終段目の磁極リング部の外端面に凹凸が発生し、この凹凸の存在によって発生磁束が僅かに乱されて、モータとしての発生トルクの特性、或いは疑似負荷として用いる発電機としての負荷特性に悪影響を及ぼす。また、最終段目の磁極リング部の外端面に凹凸が発生することは、ロータの軸方向に沿ったバランスが僅かであるが崩れることになって、ロータの回転バランスが低下すると共に、回転中のロータに軸方向の力が発生することになって、ラジアル荷重の支持を主体とする軸受にスラスト荷重が作用し、これによっても軸受に悪影響を及ぼす。
【特許文献1】特開平2003−88018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ロータ軸の外周面に永久磁石片を貼り付けて磁極を形成する永久磁石同期回転電機において、前記永久磁石片の貼付方法の改善により、モータにおけるトルク特性、発電機における負荷特性、及び回転バランスの双方を高めることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、回転子鉄心であるロータ軸の磁石形成部の表面に、円弧板片状をした複数枚の永久磁石片を周方向に沿って貼り付けて第1段目の磁極リング部を形成した後に、軸方向に沿って前記永久磁石片の長さだけずれた位置に同様にして第2段目の磁極リング部を形成し、以後同様にして最終段目の磁極リング部を形成して、前記ロータ軸の表面に永久磁石によるN極とS極とを周方向に沿って交互に形成する永久磁石同期回転電機のロータの製造方法であって、前記ロータ軸の磁極形成部の軸方向に沿って中点となる位置にセンターリングを嵌め込むことにより、前記磁極形成部を軸方向に沿って2分割しておき、前記各分割磁極形成部において、前記センターリングの側からロータ軸の両軸端の方向に向けて、順次各段目の磁極リング部を形成することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、ロータ軸の外周面の磁極形成部は、その軸方向に沿って中点となる位置に嵌め込まれたセンターリングにより二分されて、各分割磁極形成部において、前記センターリングの側からロータ軸の両軸端の方向に向けて、順次各段目の永久磁石片を貼り付けて磁極リング部を形成するために、従来の永久磁石片の貼付方法に比較して磁極リング部の数が半減する。このように、ロータ軸の磁極形成部の軸方向の中点に嵌め込まれたセンターリングを基準にして、その両側に順次永久磁石片を貼り付けるために、各分割磁極形成部の最終段目の各磁極リング部の外端面に形成される永久磁石片の凹凸の大きさが半減する。
【0009】
上記理由により、各分割磁極形成部の最終段目の磁極リング部の各磁極から発生される磁束の乱れが抑制されて、モータとしての発生トルクの特性、或いは「試験装置」において疑似負荷として使用する発電機としての負荷特性が良好となる。また、同様の理由により、最終段目の磁極リング部が二つ存在して、磁極リング部の外端面に形成される凹凸がロータの軸方向に沿って分散され、しかも分散された各凹凸が軸方向に沿ってバランスするために、結果として、ロータの回転バランスも良好となって、ロータの回転バランスの調整作業も容易となる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、相隣接する磁極リング部を構成する各永久磁石片の端面の間に介装されるリング状のセパレータは、周方向に沿って複数に分割されていることを特徴としている。
【0011】
永久磁石同期回転電機のロータに貼り付けられる円弧板片状をした各永久磁石片は、発生トルクの低下を防止する等を目的として、ロータの回転時に永久磁石片に流れる電流を遮断するために、永久磁石片同士の周方向及び軸方向の双方の接触部に絶縁体からなるセパレータが介装される。ここで、永久磁石片を軸方向に沿って連続して貼り付ける場合には、その「貼付誤差」は、最終段目の磁極リング部の外端面に凹凸となって現れるため、永久磁石片同士の軸方向に沿った接触部に介装するセパレータが一枚のリング状の場合には、当該部分に発生した軸方向の凹凸が既に大きくなっていると、セパレータのわん曲のみでは対応できなくなって、最終段目に近い各磁極リング部の接続部においては僅少の隙間が発生することもある。
【0012】
そこで、請求項2の発明のように、周方向に沿って複数に分割されたセパレータを使用すると、セパレータの各分割片が、その部分の永久磁石片の軸方向に沿った凹凸に対応し易くなるために、隙間の発生を全く、或いは殆どなくして、永久磁石片をロータの軸方向に沿って連続して貼り付けることができる。また、永久磁石片の軸方向に沿った接続部に、僅かであっても、発生する隙間がなくなることにより、永久磁石片で構成されたロータの磁極からの発生磁束が整然となって、モータの場合には、発生トルクの低下がなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロータの表面の磁極形成部の軸方向に沿った中点に嵌め込んだセンターリングにより前記磁極形成部を二分して、二分された各磁極形成部において、前記センターリングの側からロータ軸の両軸端の方向に向けて、順次各段目の永久磁石片を貼り付けて磁極リング部を形成するために、従来の永久磁石片の貼付方法に比較して、二分された各磁極形成部の最終段目の各磁極リング部の外端面に形成される永久磁石片の凹凸の大きさが半減する。このため、二分された各磁極形成部の最終段目の磁極リング部の各磁極から発生される磁束の乱れが抑制されて、モータとしての発生トルクの特性、或いは「試験装置」において疑似負荷として使用する発電機としての負荷特性が良好となる。また、最終段目の磁極リング部が二つ存在して、磁極リング部の外端面に形成される凹凸がロータの軸方向に沿って分散され、しかも分散された各凹凸が軸方向に沿ってバランスするために、結果として、ロータの回転バランスも良好となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、最良の実施形態を挙げて本発明について更に詳細に説明する。図1は、本発明の方法により製造された永久磁石同期回転電機のロータRの分解斜視図である。図2ないし図9は、本発明に係るロータRの製造方法の各工程を示す図であって、図2は、ロータ軸1の磁極形成部B0 の軸方向の中点位置にセンターリング11を嵌め込んで、磁極形成部B0 を2分割する工程を示す正面図であり、図3は、ロータ軸1の磁極形成部B0 の軸方向の中点位置に嵌め込まれたセンターリング11の両側にリング状の第1セパレータK1 を嵌め込む工程を示す正面図であり、図4は、2分割された各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 のスペーサ溝5に第1スペーサA1 を嵌め込む工程を示す図であり、図5は、周方向に沿って隣接する各第1スペーサA1 の間に永久磁石片Mを貼り付ける工程を示す図であり、図6は、各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 に磁極リング部Dが形成された状態の正面図であり、図7は、完成された第1段目J1 の磁極リング部Dを示す部分斜視図であり、図8は、2分割された各分割磁極形成部B1 の最終段目(第6段目J6 )の外側に第2スペーサA2 を嵌め込む工程を示す正面図であり、図9は、ロータ軸1の表面に貼り付けられた各永久磁石片Mの外側にシュリンクリング14を嵌め込んだ後に、各分割磁極形成部B1 の両端に位置する各磁極リング部Dの外側に押えリング15を嵌め込む工程を示す正面図である。
【0015】
ロータ軸1は、図1、図2及び図4に示されるように、軸方向に沿って両端部を除く残りの殆どを占める部分であって、外周面に磁極を形成する永久磁石片Mが貼り付けられる大径部2と、該大径部2の両側に連続して設けられて、ケーシングに嵌合された軸受(いずれも図示せず)により支持される支持部3と、一方の支持部3に連続して設けられて、負荷側又は動力側の軸とカップリング(図示せず)を介して連結される連結部4とを有する。ロータ軸1の大径部2の外周面には、周方向に沿って4等分された位置であって、しかも大径部2の両端を除く部分に直線溝状をしたスペーサ溝5が軸方向に連続して形成されている。
【0016】
まず、ロータ軸1の一端から、その大径部2の軸方向の中点位置Cにセンターリング11を圧入する(図2)。センターリング11により定められた前記中点位置Cは、その両側に永久磁石片Mを貼り付ける場合の基準位置となって、ロータ軸1の磁極形成部B0 を中点位置で左右に2分割することになる。2分割された各分割磁極形成部B1 には、永久磁石片Mを周方向に沿って貼り付けることによりリング状となった磁極リング部Dがそれぞれ同一段数(実施例では、6段)だけ形成される。ロータ軸1の大径部2の軸方向に形成された前記スペーサ溝5は、磁極形成部B0 の長さよりも僅かに長い。なお、センターリング11の材質は、磁性材料、非磁性材料のいずれでもよい。
【0017】
次に、ロータ軸1の両端から、その大径部2の軸方向の中点位置Cに圧入されたセンターリング11の両側にリング状をした第1セパレータK1 をそれぞれ嵌め込んで、センターリング11の両側面に密着させる(図3)。第1セパレータK1 は、後述の第2セパレータK2 と協働して、ロータRの回転時に、ロータ軸1の表面に貼り付けられた永久磁石片Mに流れる電流を遮断することを目的としているため、絶縁材料からなる。
【0018】
次に、2分割された各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 に、それぞれ永久磁石片Mを貼り付ける。まず、各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 のスペーサ溝5に、キー状をした第1スペーサA1 を嵌め込む(図4)。第1スペーサA1 は、スペーサ溝5に嵌め込まれる嵌込み部12と、ロータ軸1の外周に露出する露出部13とから成る。第1スペーサA1 の長さは、円弧板片状をした永久磁石片Mの長さと同一であって、その幅は、嵌め込み側から非嵌め込み側に向けて漸次幅広になっていて、嵌込み部12は、露出部13に対して段差を有している。第1スペーサA1 は、アルミニウム等の非磁性材料から成る。第1スペーサA1 の基本作用は、回転電機がモータの場合には、回転時においてロータRの各磁極とステータ(図示せず)の回転磁界による磁極との吸引力及び反発力により発生する回転トルクのロータRへの伝達を確実にするためである。
【0019】
次に、2分割された各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 において、ロータ軸1の表面における隣接する第1スペーサA1 の間に、それぞれ同一極の複数枚(実施例では4枚)の永久磁石片Mを接着剤によって貼り付ける(図5)。隣接する永久磁石片Mの間、及び永久磁石片Mと第1スペーサA1 との間には、それぞれ絶縁材料から成る第2セパレータK2 が介装される。ロータ軸1の周方向に沿ってN極とS極とが交互に形成されるように、永久磁石片Mを貼り付ける。これにより、2分割された各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 において、4極の磁極リング部Dが形成される(図6及び図7)。
【0020】
以後、二分された各分割磁極形成部B1 の第2段目J2 から最終段目である第6段目J6 まで、上記した第1段目J1 と全く同様にして、図6で矢印Qで示されるように、センターリング11からロータ軸1の両端に向けて磁極リング部Dを順次形成する。なお、隣接する各段の磁極リング部Dを形成する各永久磁石片Mの間には、第1セパレータK1 を介装させる。
【0021】
次に、第6段目J6 の各永久磁石片Mの外側に、周方向に沿って4分割された第2スペーサA2 を嵌め込む(図8)。その後に、ロータ軸1の一端からCFRP製のシュリンクリング14を、ロータ軸1の外周面に貼り付けられた各永久磁石片Mの外側に嵌め込んだ後に、最終工程としてロータ軸1の両端から押えリング15を圧入する(図9)。
【0022】
このように、ロータ軸1の磁極形成部B0 の軸方向に沿った中点位置にセンターリング11を圧入により嵌め込んで、前記センターリング11を基準にして、その両側の各分割磁極形成部B1 に永久磁石片Mを順次貼り付けるので、ロータ軸1の磁極形成部B0 の軸方向の一端を基準にして永久磁石片Mを順次貼り付ける従来の方法に比較して、ロータ軸1の軸方向に沿った永久磁石片Mの貼付誤差が各分割磁極形成部B1 の最終段目の磁極リング部Dに分散される。この結果、各分割磁極形成部B1 の最終段目(第6段目J6 )の磁極リング部Dの外端面に形成される永久磁石片Mの凹凸の大きさが半減される。
【0023】
このため、各分割磁極形成部B1 の最終段目(第6段目J6 )の磁極リング部Dの各磁極から発生される磁束の乱れが抑制されて、モータとしての発生トルクの特性、或いは「試験装置」において疑似負荷として使用する発電機としての負荷特性が良好となる。
【0024】
また、二つ存在する最終段目(第6段目J6 )の磁極リング部Dの外端面に形成される凹凸がロータRの軸方向に沿って分散され、しかも分散された各凹凸が軸方向に沿ってバランスするために、結果として、ロータRの回転バランスも良好となって、ロータの回転バランスの調整作業も容易となる。更に、リング状の第1セパレータK1 は、ロータ軸1の両端部から嵌め込むために、従来の永久磁石片Mの貼付方法に比較して、複数の第1セパレータK1 のロータ軸1の軸方向に沿った総移動距離がほぼ半減し、この点もロータの製造方法の容易化に寄与する。
【0025】
図10は、周方向に4分割した第1セパレータK1 ’を使用した磁極リング部Dの一部の展開図である。なお、図10において、Lは、ロータ軸1の軸方向と直角な方向の線を示す。また、図10においては、第2セパレータK2 は図示されていない。周方向に沿って4分割等の複数に分割された第1セパレータK1 ’を使用すると、第1セパレータK1 ’の各分割片K11’が、その部分の永久磁石片Mの端面の軸方向に沿った凹凸に対応し易くなるために、隙間の発生を全く、或いは殆どなくして、永久磁石片Mをロータ軸1の軸方向に沿って連続して貼り付けることができる。また、永久磁石片Mの軸方向に沿った接続部に、僅かであっても、発生する隙間がなくなることにより、永久磁石片Mで構成されたロータRの磁極からの発生磁束が整然となって、モータの場合には、発生トルクの低下がなくなる。
【0026】
上記したロータRを使用したモータは、ステータにより形成された回転磁界の各磁極とロータRの外周部に形成された各磁極とが、互いに吸引及び反発することにより、ロータRは、回転磁界に対してすべることなく同期して回転すると共に、上記ロータを使用した発電機は、ロータRの回転と同期した回転磁界がステータに形成されて、ステータコイルに電流が流れる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の方法により製造された永久磁石同期回転電機のロータRの分解斜視図である。
【図2】ロータ軸1の磁極形成部B0 の軸方向の中点位置Cにセンターリング11を嵌め込んで、磁極形成部B0 を2分割する工程を示す正面図である。
【図3】ロータ軸1の磁極形成部B0 の軸方向の中点位置Cに嵌め込まれたセンターリング11の両側にリング状の第1セパレータK1 を嵌め込む工程を示す正面図である。
【図4】2分割された各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 のスペーサ溝5に第1スペーサA1 を嵌め込む工程を示す図である。
【図5】周方向に沿って隣接する各第1スペーサA1 の間に永久磁石片Mを貼り付ける工程を示す図である。
【図6】各分割磁極形成部B1 の第1段目J1 に磁極リング部Dが形成された状態の正面図である。
【図7】完成された第1段目J1 の磁極リング部Dを示す部分斜視図である。
【図8】2分割された各分割磁極形成部B1 の最終段目(第6段目J6 )の外側に第2スペーサA2 を嵌め込む工程を示す正面図である。
【図9】ロータ軸1の表面に貼り付けられた各永久磁石片Mの外側にシュリンクリング14を嵌め込んだ後に、各分割磁極形成部B1 の両端に位置する各磁極リング部Dの外側に押えリング15を嵌め込む工程を示す正面図である。
【図10】周方向に4分割した第1セパレータK1 ’をした磁極リング部Dの一部の展開図である。
【符号の説明】
【0028】
0 :ロータ軸の磁極形成部
1 :ロータ軸の分割磁極形成部
C:ロータ軸の磁極形成部の軸方向の中点位置
D:磁極リング部
1 ,K1 ’:第1セパレータ
11’:第1セパレータの分割片
M:永久磁石片
R:ロータ
1:ロータ軸
11:センターリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子鉄心であるロータ軸の磁石形成部の表面に、円弧板片状をした複数枚の永久磁石片を周方向に沿って貼り付けて第1段目の磁極リング部を形成した後に、軸方向に沿って前記永久磁石片の長さだけずれた位置に同様にして第2段目の磁極リング部を形成し、以後同様にして最終段目の磁極リング部を形成して、前記ロータ軸の表面に永久磁石によるN極とS極とを周方向に沿って交互に形成する永久磁石同期回転電機のロータの製造方法であって、
前記ロータ軸の磁極形成部の軸方向に沿って中点となる位置にセンターリングを嵌め込むことにより、前記磁極形成部を軸方向に沿って二分割しておき、
前記各分割磁極形成部において、前記センターリングの側からロータ軸の両軸端の方向に向けて、順次各段目の磁極リング部を形成することを特徴とする永久磁石同期回転電機のロータの製造方法。
【請求項2】
相隣接する磁極リング部を構成する各永久磁石片の端面の間に介装されるリング状のセパレータは、周方向に沿って複数に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石同期回転電機のロータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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