説明

汚染物質除去用プラズマ反応器

【課題】本発明は、工程チャンバと真空ポンプの間に位置し、低圧プラズマを生成して工程チャンバから排出される汚染物質を除去するプラズマ反応器を提供する。
【解決手段】プラズマ反応器310は、内部にプラズマ生成空間を形成する少なくとも1つの誘電体30と、誘電体30の少なくとも一端に連結する接地電極41,42と、誘電体30の外周面に固定され、交流電源部60と連結して交流駆動電圧が印加される少なくとも1つの駆動電極50と、を含み、接地電極41,42は、プラズマ反応器310の長さ方向に沿って非均一直径を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚染物質除去用プラズマ反応器に関し、より詳細には、半導体/薄膜ディスプレイ/太陽電池などの製造ラインに設置された工程チャンバから発生する汚染物質を除去するためのプラズマ反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体/薄膜ディスプレイ/太陽電池の製造ラインには、エッチング、蒸着、洗浄、アッシング、および窒化処理などの工程が行われる工程チャンバが設置される。工程チャンバは真空ポンプと連結して工程ガスを排出する。最近では、半導体/薄膜ディスプレイ/太陽電池の製造産業の成長に伴い、工程チャンバから発生する汚染物質の量と種類が増加している。
【0003】
このうち、乾式エッチングに用いられるCF、CHF、SF、および洗浄工程に用いられるNFのようなフッ素系ガスは、温室ガスの一種であるため、排出量に規制があるものと予想される。また、エッチング/蒸着/洗浄工程で排出される粒子状物質は、時間の経過に伴って真空ポンプの内部部品に蓄積しながら、真空ポンプの耐久性と寿命を短縮させる。
【0004】
したがって、工程チャンバおよび真空ポンプの間にプラズマ反応器を設置して、工程チャンバから排出される汚染物質を除去している。通常のプラズマ反応器は、無線周波数(RF)と誘導性結合プラズマ(inductively coupled plasma)方式を適用している。
【0005】
誘導性結合プラズマ方式のプラズマ反応器は、プラズマ生成空間の外部にコイル形状の駆動電極を備え、駆動電極の両端に電圧を印加してプラズマを生成する。しかし、このプラズマ反応器、特に無線周波数(RF)電源供給機が高価であり、プラズマ維持のための電力消耗が大きいため、設置費用と維持費用が高い。さらに、放電安定性が低下し、プラズマ生成空間の内部でプラズマが不均一に生成されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、工程チャンバおよび真空ポンプの間に設置されて汚染物質を除去するプラズマ反応器であって、構造が簡単であり、設置費用と維持費用が低く、長時間に渡って安定した運転が可能であり、工程チャンバから発生する各種汚染物質を効果的に除去することができる汚染物質除去用プラズマ反応器を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、汚染物質の流入側よりも吐出側から汚染物質をさらに効果的に除去し、駆動電極に電圧を均一に印加してプラズマ生成空間の内部でプラズマを均一に生成する汚染物質除去用プラズマ反応器を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、工程チャンバおよび真空ポンプの間に位置し、低圧プラズマを生成して工程チャンバから排出される汚染物質を除去する汚染物質除去用プラズマ反応器であって、内部にプラズマ生成空間を形成する少なくとも1つの誘電体と、誘電体の少なくとも一端に連結する接地電極と、誘電体の外周面に固定され、交流電源部と連結して交流駆動電圧が印加される少なくとも1つの駆動電極とを含み、接地電極はプラズマ反応器の長さ方向に沿って非均一直径を有する汚染物質除去用プラズマ反応器を提供する。
【0009】
誘電体はプラズマ反応器の中央に1つが配置され、接地電極は工程チャンバに向かう誘電体の前端に連結する第1接地電極、および、真空ポンプに向かう誘電体の後端に連結する第2接地電極を含んでもよい。
【0010】
第1接地電極は工程チャンバおよび誘電体を連結するシーム管で構成され、第2接地電極は誘電体および真空ポンプを連結するシーム管で構成されてもよい。
【0011】
第1接地電極は、誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部、および、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大し、誘電体の前端に固定される可変直径部を含んでもよい。
【0012】
第2接地電極は、誘電体の後端に固定され、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に縮小する可変直径部、および、誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部を含んでもよい。
【0013】
第1接地電極は、誘電体の前端に固定され、誘電体と同じ直径で形成され、第2接地電極は、誘電体の後端に固定され、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に縮小する可変直径部、および、可変直径部に連結し、誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部を含んでもよい。
【0014】
第1接地電極は、誘電体の前端に固定され、誘電体と同じ直径で形成され、第2接地電極は、誘電体の後端に固定され、誘電体と同じ直径で形成される大径部、および、大径部に連結し、大径部よりも小さい直径を有する小径部を含んでもよい。
【0015】
駆動電極および第1接地電極の間の第1距離は、駆動電極および第2接地電極の間の第2距離よりも大きく設定してもよい。
【0016】
駆動電極は誘電体の外周面に1つがリング形状または円筒形状に配置され、駆動電極はプラズマ反応器の長さ方向に沿って第1接地電極および第2接地電極と距離をおいて位置してもよい。
【0017】
他の一側において、駆動電極は、誘電体の外周面にリング形状または円筒形状に配置され、互いに距離をおいて位置する第1駆動電極および第2駆動電極を含んでもよい。第1駆動電極と第2駆動電極はそれぞれ、プラズマ反応器の長さ方向に沿って第1接地電極および第2接地電極と距離をおいて位置してもよい。
【0018】
第1駆動電極および第2駆動電極は大きさが同じであり、極性が反対である両極性パルス電圧が印加されてもよい。
【0019】
他の一側において、誘電体は、互いに距離をおいて位置する第1誘電体および第2誘電体を含んでもよい。また、接地電極は、第1誘電体および第2誘電体の間に位置する非均一直径の第3接地電極を含んでもよい。
【0020】
第1誘電体および第2誘電体は、同じ長さおよび同じ直径を有するように形成されてもよい。
【0021】
第3接地電極は、第1誘電体の後端に固定され、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に減少する第1可変直径部と、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大し、第2誘電体の前端に固定される第2可変直径部とを含んでもよい。
【0022】
第1可変直径部および第2可変直径部は、一定の比率で直径が変わったり、階段形状の段差を有したりするように形成されてもよい。
【0023】
接地電極は、第1誘電体の前端に位置して工程チャンバと第1誘電体を連結する第4接地電極、および、第2誘電体の後端に位置して第2誘電体と真空ポンプを連結する第5接地電極をさらに含んでもよい。
【0024】
第4接地電極および第5接地電極は一定の直径を有してもよい。
【0025】
他の一側において、第4接地電極は、第1誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部、および、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大し、第1誘電体の前端に固定される可変直径部を含んでもよい。
【0026】
第5接地電極は、第2誘電体の後端に固定され、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に縮小する可変直径部、および、第2誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部を含んでもよい。
【0027】
駆動電極は、第1誘電体の外周面にリング形状または円筒形状に配置される第3駆動電極、および、第2誘電体の外周面にリング形状または円筒形状に配置される第4駆動電極を含んでもよい。
【0028】
第3駆動電極および第4駆動電極は、大きさと極性が同じである両極性パルス電圧が印加されてもよい。
【0029】
他の一側において、第3駆動電極および第4駆動電極は、大きさが同じであって極性が反対である両極性パルス電圧が印加されてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の汚染物質除去用プラズマ反応器により、プラズマ反応器の設置費用と維持費用を低め、長時間に渡って安定した運転が可能であり、工程チャンバから発生する各種汚染物質を効果的に除去することができる。また、接地電極を非均一直径で形成することにより、プラズマ放電効率を高め、消費電力を低め、汚染物質の分解効率を高めることができる。
【0031】
また、低圧プラズマを利用して汚染物質を除去するとき、プラズマ反応器の内部中心でプラズマ密度を高めることができるため、汚染物質の除去効率の圧力依存性を低めることができる。
【0032】
また、第1接地電極を均一直径で形成し、第2接地電極を非均一直径で形成し、駆動電極と第1接地電極の間の第1距離を駆動電極と第2接地電極の間の第2距離よりも大きく設定するため、第2接地電極側(すなわち、吐出側)でプラズマ放電効率をより一層高めて消費電力を低め、汚染物質の分解効率をより一層高めることができる。
【0033】
さらに、駆動電極を円筒(またはリング)形状に形成するため、プラズマ反応器の長さ方向に沿って駆動電極に均一な電圧が印加されるようになる。したがって、プラズマ生成空間の内部において、プラズマ反応器の長さ方向に沿って均一なプラズマが生成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ反応器を含む低圧工程システムの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るプラズマ反応器の斜視図である。
【図3】図2のIII−III線を基準として切開したプラズマ反応器の断面図である。
【図4】図2に示すプラズマ反応器内の駆動電極に印加される駆動電圧の波形例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るプラズマ反応器の斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線を基準として切開したプラズマ反応器の断面図である。
【図7】図5に示すプラズマ反応器内の第1駆動電極および第2駆動電極にそれぞれ印加される第1駆動電圧および第2駆動電圧の波形例を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るプラズマ反応器の斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線を基準として切開したプラズマ反応器の断面図である。
【図10】第3実施形態のプラズマ反応器と比較例のプラズマ反応器で作動圧力によるCF分解効率を比較して示すグラフである。
【図11】本発明の第4実施形態に係るプラズマ反応器の斜視図である。
【図12】図11のXII−XII線を基準として切開したプラズマ反応器の断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るプラズマ反応器を示す斜視図である。
【図14】図13のXIV−XIV線を基準として切開したプラズマ反応器の断面図である。
【図15】本発明の第6実施形態に係るプラズマ反応器を示す斜視図である。
【図16】図15のXVI−XVI線を基準として切開したプラズマ反応器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は多様に相違した形態で実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されることはない。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ反応器300を含む低圧工程システム100の構成図である。図1の低圧工程システム100は、半導体/薄膜ディスプレイ/太陽電池などの製造工程に適用される。
【0037】
図1を参照すれば、低圧工程システム100は、エッチング、蒸着、洗浄、アッシング、および窒化処理などが行われる工程チャンバ10と、工程チャンバ10の後端に設置され、工程チャンバ10の工程ガスを排気させる真空ポンプ20と、工程チャンバ10と真空ポンプ20の間に位置するプラズマ反応器300とを含む。プラズマ反応器300は、2つのシーム管11を介して工程チャンバ10および真空ポンプ20とそれぞれ連結する。
【0038】
プラズマ反応器300は真空ポンプ20の前方に設置され、その内部は工程チャンバ10のような低圧状態を維持する。ここで、低圧は約0.01Torr〜10Torr(1.333〜1333Pa)の範囲に属する圧力を意味するが、上述した範囲に限定されることはない。
【0039】
プラズマ反応器300の前方には、プラズマ反応器300に反応ガスを注入する反応ガス注入口が位置してもよい。反応ガスはO、H、およびHOのうちの少なくとも1つを含んでもよく、反応ガスを移送するキャリアガスとしてArを用いてもよい。しかし、このような反応ガス注入口は、本発明の実施において必ずしも必要な構成ではなく、実際工程において省略されてもよい。
【0040】
プラズマ反応器300は、その内部に低圧高温のプラズマを生成し、工程チャンバ10から排出される汚染物質(フッ素系ガス、有機金属化合物、金属酸化物、または金属窒化物などの粒子状物質など)を分解する。分解された成分は反応ガスと化学結合し、無害の元素に変わる。プラズマは反応種(reactive species)と高エネルギー電子を豊富に含有しているため、汚染物質の分解された成分と反応ガスの間の化学反応を促進させる。
【0041】
すなわち、プラズマ反応器300は、温室ガスを非温室ガスに分解させ、粒子副産物を気体に変えたり粒子副産物の大きさを小さくしたりして真空ポンプ20に供給する。温室ガスを処理する場合、プラズマ反応器300には温室ガスと酸素が共に供給される。酸素または水は、温室ガスの処理率を高めるために追加で供給されてもよい(図示せず)。
【0042】
次に説明するプラズマ反応器310、320、330、340、350、360は、容量性結合プラズマ(capacitivelycoupled plasma)方式によってプラズマを発生させ、交流(AC)電源装置を備え、放電効率を高めるための電極構造を有する。このような特性は、誘導性結合プラズマ(inductively coupled plasma)方式と比較するとき、プラズマ反応器の設置費用と維持費用を減らし、プラズマ放電効率を高め、汚染物質の分解効率を高め、長時間に渡って安定した運転を可能にする。
【0043】
図2〜図16を参照しながら、第1実施形態〜第6実施形態に係るプラズマ反応器の細部構造と作用について説明する。
【0044】
図2は、本発明の第1実施形態に係るプラズマ反応器310の斜視図である、図3は、図2のIII−III線を基準として切開したプラズマ反応器310の断面図である。
【0045】
図2と図3を参照すれば、第1実施形態のプラズマ反応器310は、内部にプラズマ生成空間を形成する誘電体30と、工程チャンバ10に向かう誘電体30の前端に連結する第1接地電極41と、真空ポンプ20に向かう誘電体30の後端に連結する第2接地電極42と、誘電体30の外周面に固定される駆動電極50とを含む。駆動電極50は交流電源部60と連結し、これからプラズマ放電に必要な駆動電圧が印加される。
【0046】
誘電体30と駆動電極50は、基本的に一定の直径を有した円筒(またはリング)形状に形成される。この反面、第1接地電極41と第2接地電極42は、プラズマ反応器310の長さ方向(図2と図3を基準として横方向)に沿って非均一直径を有するように形成される。このとき、第1接地電極41と第2接地電極42は、誘電体30を基準として左右対称をなす。
【0047】
第1接地電極41は、誘電体30よりも小さい直径を有する均一直径部411と、汚染物質の流れ方向(工程チャンバ10から真空ポンプ20に向かう方向)に沿って直径が漸進的に拡大する可変直径部412とを含む。可変直径部412の後端は、誘電体30の前端に固定される。
【0048】
第2接地電極42は、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に小さくなる可変直径部421と、誘電体30よりも小さい直径を有する均一直径部422とを含む。可変直径部421の前端は、誘電体30の後端に固定される。
【0049】
可変直径部412、421は、一定の比率で直径が変わるように形成されてもよく、階段形状の段差を有するように形成されてもよい。図2と図3では、1つ目の場合を例示して示している。
【0050】
第1接地電極41および第2接地電極42は、ステンレス鋼などの金属で製造される。第1接地電極41は工程チャンバ10と誘電体30を連結するシーム管であってもよく、第2接地電極42は誘電体30と真空ポンプ20を連結するシーム管であってもよい。第1接地電極41と誘電体30および第2接地電極42が一方向に繋がった管を形成し、工程チャンバ10と真空ポンプ20を連結させる。
【0051】
上述した構造のプラズマ反応器310は、半導体/薄膜ディスプレイ/太陽電池などの製造ラインに予め設置された工程チャンバ10および真空ポンプ20の間の真空パイプラインに容易に設置されるようになる。
【0052】
駆動電極50は、誘電体30の中央にリング形状または円筒形状に配置され、誘電体30よりも小さい長さに形成され、プラズマ反応器310の長さ方向に沿って第1接地電極41および第2接地電極42と距離をおいて位置する。駆動電極50は、第1接地電極41および第2接地電極42に対して同じ距離をおいて位置してもよい。駆動電極50は交流電源部60と連結し、数kHz〜数百kHz(例えば、1kHz〜999kHz)周波数の高電圧が印加される。
【0053】
図4は、図2に示すプラズマ反応器310内の駆動電極50に印加される駆動電圧の波形例を示す図である。
【0054】
図4を参照すれば、駆動電極に印加される駆動電圧(Vs)は1kHz〜999kHz周波数の高電圧であって、運転電圧は正の値(1/2Vs)と負の値(1/2Vs)が周期的に変わる形態を示す。図4では四角波形を例示して示しているが、三角波形およびサイン波形などの多様な波形が適用されてもよい。
【0055】
再び図2と図3を参照すれば、駆動電極50に駆動電圧を印加すれば、駆動電極50と第1接地電極41および第2接地電極42の電圧差によってプラズマ反応器310内部にプラズマ放電が誘導される。放電は運転電圧が内部気体の降伏電圧よりも高いときに発生し、放電電流は時間に応じて継続して増加し、誘電体30上に壁電荷が積もる量が多くなることによって減少する。
【0056】
すなわち、放電開始後に放電電流が高まることに伴い、プラズマ内部の空間電荷が誘電体30上に積もって壁電荷が生成される。壁電荷は、外部からかかる電圧を抑制する機能を行うが、このような誘電体30の壁電圧(wall voltage)によって時間の経過に伴って放電が弱くなる。プラズマ放電は、印加電圧が維持される間に生成と維持および消滅過程を繰り返す。
【0057】
したがって、放電はアーク(arc)に転移せずにグロー(glow)領域に留まりながら、工程チャンバ10から発生した汚染物質を除去する。放電がアークに転移すれば、放電は狭い地域に集中するようになるが、これは電極の損傷を誘発する。しかし、第1実施形態のプラズマ反応器310は、誘電体30の壁電荷を利用して放電がアークに転移することを防ぐため、駆動電極50および接地電極41、42の寿命を延長させることができる。
【0058】
この過程において、第1接地電極41および第2接地電極42が可変直径部412,421を形成することにより、駆動電極50と第1接地電極41および第2接地電極42の間の電圧差によってプラズマ放電が誘導されるときに放電パスが短縮する。すなわち、第1接地電極41および第2接地電極42の可変直径部412,421が、一部の対向放電と類似した効果を誘発する。したがって、同じ消費電力でより一層強いプラズマ放電が生成されるため、プラズマ放電効率を高めることができる。
【0059】
プラズマ放電効率の向上は、汚染物質の処理効率の向上に繋がる。汚染物質の処理効率は「分解率/消費電力」として定義されるが、同じ消費電力でより多くの量の汚染物質を効果的に処理することができる。このとき、交流電源部60を構成する交流電源装置は、既存の無線周波数電源装置よりも低価であるため、プラズマ反応器310の設置費用と維持費用を低めることができる。
【0060】
図5は、本発明の第2実施形態に係るプラズマ反応器320の斜視図である。図6は、図5のVI−VI線を基準として切開したプラズマ反応器320の断面図である。
【0061】
図5と図6を参照すれば、第2実施形態に係るプラズマ反応器320は、誘電体30の外周面に第1駆動電極51と第2駆動電極52が配置されることを除いては、上述した第1実施形態のプラズマ反応器と同じ構成からなる。第1実施形態と同じ部材については同じ図面符号を付与しており、以下では第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0062】
第1駆動電極51と第2駆動電極52は、誘電体30の外周面にリング形状または円筒形状に配置され、プラズマ反応器320の長さ方向に沿って互いに距離をおいて位置する。第1駆動電極51および第2駆動電極52は、同じ長さに形成されてもよい。第1接地電極41と第1駆動電極51との間の距離、第1駆動電極51と第2駆動電極52との間の距離、および第2駆動電極52と第2接地電極42との間の距離はすべて同じであってもよい。
【0063】
第1駆動電極51および第2駆動電極52はそれぞれ、第1交流電源部61および第2交流電源部62と連結し、プラズマ放電に必要な駆動電圧が印加される。第1駆動電極51および第2駆動電極52は、大きさ(振幅)が同じであって極性が反対である両極性パルス電圧が印加される。すなわち、第1駆動電極51および第2駆動電極52に印加される交流電圧は、互いに180°の位相差を有する。
【0064】
図7は、図5に示すプラズマ反応器320内の第1駆動電極51と第2駆動電極52にそれぞれ印加される第1駆動電圧と第2駆動電圧の波形例を示す図である。
【0065】
図7を参照すれば、第1駆動電圧と第2駆動電圧は互いに180°の位相差を有し、一周期ごとに正の電圧(+1/2Vd)および負の電圧1/2Vd)が交互に繰り返される。第1駆動電圧および第2駆動電圧の振幅は、放電駆動電圧振幅(Vd)の半分の値からなる。ここで、「放電駆動電圧」は、放電を開始してこれを維持することができる駆動電圧として定義され、プラズマ反応器の形状条件と汚染物質の状態に応じて多様な値に設定されてもよい。
【0066】
放電駆動電圧(Vd)は、第1駆動電圧と第2駆動電圧のうちのいずれか1つと同じ位相を有する。第1駆動電圧および第2駆動電圧は数百〜数千ボルトの高電圧であり、数kHz〜数百kHzの周波数を有する。また、第1駆動電圧および第2駆動電圧は、サイン波形、四角波形、および三角波形などの多様な形態に構成されてもよい。図7では、第1駆動電圧および第2駆動電圧がサイン波形である場合を例示して示している。
【0067】
再び図5と図6を参照すれば、プラズマ反応器320の誘電体30は、第1接地電極41と第1駆動電極51の間の第1誘電体領域(A10)と、第1駆動電極51と第2駆動電極52の間の第2誘電体領域(A20)と、第2駆動電極52と第2接地電極42の間の第3誘電体領域(A30)とを含む。
【0068】
第1駆動電極51に正または負のピーク電圧が印加され、第2駆動電極52に負または正のピーク電圧が印加されるとき、第2誘電体領域(A20)には第1駆動電圧と第2駆動電圧の差に該当する電圧、すなわち、放電駆動電圧(Vd)と同じ大きさの電圧が印加される。第1誘電体領域(A10)には第1駆動電圧と同じ大きさの電圧が印加され、第3誘電体領域(A30)には第2駆動電圧と同じ大きさの電圧が印加される。
【0069】
第2誘電体領域(A20)に印加される放電駆動電圧(Vd)は、第1駆動電極51および第2駆動電極52それぞれに印加される駆動電圧(+1/2Vd、−1/2Vd)の2倍である。これにより、第1誘電体領域(A10)および第3誘電体領域(A30)よりも第2誘電体領域(A20)、すなわち、誘電体30の内部中央により一層強いプラズマが生成される。
【0070】
その結果、第2実施形態のプラズマ反応器320は、汚染物質の分解効率を高めながら、第1接地電極41および第2接地電極42の周囲に形成されるプラズマを抑制し、プラズマ反応器320内部のプラズマが工程チャンバ10や真空ポンプ20に及ぼす影響を最小化することができる。
【0071】
また、第2実施形態のプラズマ反応器320は、交流電源装置の回路で消耗される無効電力を低め、汚染物質除去に必要な消費電力を効果的に低めることができる。さらに、第1誘電体領域〜第3誘電体領域(A10、A20、A30)に亘ってプラズマが生成されるため、汚染物質のプラズマ内の残留時間を増やし、汚染物質の分解効率を高めることができる。
【0072】
図8は、本発明の第3実施形態に係るプラズマ反応器330の斜視図である。図9は、図8のIX−IX線を基準として切開したプラズマ反応器330の断面図である。
【0073】
図8と図9を参照すれば、第3実施形態のプラズマ反応器330は、誘電体が第1誘電体31および第2誘電体32に分離し、分離した第1誘電体31および第2誘電体32の間に非均一直径を有する第3接地電極43が位置することを基本構成とする。第1誘電体31と第2誘電体32は同じ長と同じ直径で形成され、プラズマ反応器330の長さ方向に沿って互いに距離をおいて位置する。
【0074】
第1誘電体31が工程チャンバ10に直接に連結してもよく、第1誘電体31の前端に第4接地電極44が位置してもよい。第4接地電極44は、工程チャンバ10と第1誘電体31を連結するシーム管であってもよい。第2誘電体32も、真空ポンプ20に直接に連結してもよく、第2誘電体32の後端に第5接地電極45が位置してもよい。第5接地電極45は、第2誘電体32と真空ポンプ20を連結するシーム管であってもよい。第4接地電極44と第5接地電極45は、単一直径で形成される。
【0075】
第3接地電極43は、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に減少する第1可変直径部431と、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大する第2可変直径部432とを含む。第1可変直径部431の前端は第1誘電体31の後端に連結し、第2可変直径部432の後端は第2誘電体32の前端に連結する。
【0076】
第1可変直径部431および第2可変直径部432は同じ長さに形成され、左右対称構造をなしてもよい。第1可変直径部431および第2可変直径部432は、一定の比率で直径が変わるように形成されてもよく、階段形状の段差を有するように形成されてもよい。図8と図9では、1つ目の場合を例示して示している。
【0077】
駆動電極は、第1誘電体31の外周面にリング形状または円筒形状に配置される第3駆動電極53と、第2誘電体32の外周面にリング形状または円筒形状に配置される第4駆動電極54とを含む。第3駆動電極53は、プラズマ反応器330の長さ方向に沿って第3接地電極43および第4接地電極44と距離をおいて位置する。第4駆動電極54も、プラズマ反応器330の長さ方向に沿って第3接地電極43および第5接地電極45と距離をおいて位置する。第3駆動電極53および第4駆動電極54は、同じ長さに形成されてもよい。
【0078】
第3駆動電極53および第4駆動電極54はそれぞれ、第3交流電源部63および第4交流電源部64と連結し、プラズマ放電に必要な駆動電圧(数kHz〜数百kHz周波数の高電圧)が印加される。第3駆動電極53および第4駆動電極54は、大きさと極性が同じである交流電圧(図4参照)が印加されたり、大きさが同じであって極性が反対である両極性パルス電圧(図7参照)が印加されたりする。2つ目の駆動方法の長所は第2実施形態で説明したものと同じであるため、詳しい説明は省略する。
【0079】
第3実施形態のプラズマ反応器330は、長さ方向に沿って直径が大きい電極(第3駆動電極53)と直径が小さい電極(第3接地電極43)、および直径が大きい電極(第4駆動電極54)を交互に配置した構造からなる。この構造では、第3接地電極43の内部中心でプラズマ密度を高めることができるため、汚染物質の除去効率の圧力依存性を低めることができる。
【0080】
直径が同じである複数の電極を一列に配置した既存プラズマ反応器の場合、汚染物質の除去効率は作動圧力に応じて大きく変化する。具体的に、プラズマ反応器の作動圧力が高まるほどプラズマ反応器の中心部で高エネルギー電子の数が減少し、酸素ラジカルの強度が減少する傾向を示す。
【0081】
プラズマ放電によって生成された高エネルギー電子は、主に汚染物質と衝突して汚染物質を分解させる作用をし、酸素ラジカルは主に分解された成分と化学反応を起こし、これらを無害な元素に変化させる作用をする。したがって、既存プラズマ反応器では、作動圧力が高まるほど汚染物質の分解効率が急激に低下する。
【0082】
しかし、第3実施形態のプラズマ反応器330では、第3接地電極43の狭まった中心部直径によって第3接地電極43の内部中心でプラズマ密度、すなわち、高エネルギー電子の数と酸素ラジカルの強度を高めることができる。したがって、汚染物質の除去効率が圧力に応じて変わる現象、すなわち、圧力依存性を低めることができる。
【0083】
図10は、第3実施形態のプラズマ反応器および比較例のプラズマ反応器において、作動圧力によるCF分解効率を比較して示すグラフである。
【0084】
比較例のプラズマ反応器は、図5に示す第2実施形態のプラズマ反応器において、第1接地電極と第2接地電極が誘電体と同じ直径に変形した構成からなる。比較例のプラズマ反応器と第3実施形態のプラズマ反応器において、実験条件は同じであり、2つの駆動電極に800Wの電力で100kHz周波数の3kV電圧を印加した。また、汚染物質としてCFガス(50sccm)、反応ガスとしてOガス(50sccm)、およびキャリアガスとしてArガス(50sccm)を投入した。
【0085】
図10を参照すれば、比較例のプラズマ反応器では、作動圧力が高まるほどCF分解効率が60%付近から30%付近まで急激に低くなる。この反面、第3実施形態のプラズマ反応器では、CF分解効率が60%付近から50%付近まで穏やかに変化するため、汚染物質の分解効率の圧力依存性が著しく減少したことを確認することができる。
【0086】
図11は、本発明の第4実施形態に係るプラズマ反応器340の斜視図である。図12は、図11のXII−XII線を基準として切開したプラズマ反応器340の断面図である。
【0087】
図11と図12を参照すれば、第4実施形態のプラズマ反応器340は、第4接地電極44および第5接地電極45が可変直径部442、451を含むように形成されたことを除いては、上述した第3実施形態のプラズマ反応器と同じ構成からなる。第3実施形態と同じ部材については同じ図面符号を付与しており、以下では第3実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0088】
第4接地電極44は、第1誘電体31よりも小さい直径を有する均一直径部441と、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大する可変直径部442とを含む。可変直径部442の後端は、第1誘電体31の前端に固定される。第5接地電極45は、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に減少する可変直径部451と、第2誘電体32よりも小さい直径を有する均一直径部452とを含む。可変直径部451の前端は、第2誘電体32の後端に固定される。
【0089】
可変直径部442、451は、一定の比率で直径が変わるように形成されてもよく、階段形状の段差を有するように形成されてもよい。図11と図12では、1つ目の場合を例示して示している。
【0090】
第4接地電極44および第5接地電極45の可変直径部442,451は、駆動電極53,54と接地電極43,44,45の電圧差によって誘電体31,32の内部にプラズマ放電が誘導されるときに放電パスを短縮させ、プラズマ放電効率を高める機能を行う。したがって、同じ消費電力でより一層強いプラズマを生成し、汚染物質の処理効率を高めることができる。
【0091】
図13は、本発明の第5実施形態に係るプラズマ反応器350の斜視図である。図14は、図13のXIV−XIV線を基準として切開したプラズマ反応器350の断面図である。
【0092】
図13と図14を参照すれば、第5実施形態のプラズマ反応器350は、内部にプラズマ生成空間を形成する誘電体30と、誘電体30の前端に連結する第1接地電極71と、誘電体30の後端に連結する第2接地電極72と、誘電体30の外周面に固定される駆動電極50とを含む。駆動電極50は交流電源部60と連結し、これからプラズマ放電に必要な駆動電圧が印加される。
【0093】
誘電体30、駆動電極50および第1接地電極71は、基本的に一定の直径を有する円筒(またはリング)形状に形成される。この反面、第2接地電極72は、プラズマ反応器350の長さ方向(図13と図14を基準として横方向)に沿って非均一直径を有するように形成される。このとき、第1接地電極71と第2接地電極72は、誘電体30を基準として左右非対称をなす。
【0094】
第1接地電極71は、汚染物質の流れ方向に沿って均一直径に形成され、誘電体30と同じ直径で形成される。第1接地電極71の後端は、誘電体30の前端に固定される。
【0095】
第2接地電極72は、汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に小さくなる可変直径部721と、誘電体30よりも小さい直径を有する均一直径部722とを含む。可変直径部721の前端は、誘電体30の後端に固定される。
【0096】
可変直径部721は、一定の比率で直径が変わるように形成されてもよく、階段形状の段差を有するように形成されてもよい。
【0097】
第1接地電極71および第2接地電極72は、ステンレス鋼などの金属で製造される。第1接地電極71は工程チャンバ10と誘電体30を連結するシーム管であってもよく、第2接地電極72は誘電体30と真空ポンプ20を連結するシーム管であってもよい。第1接地電極71と誘電体30および第2接地電極72が一方向に繋がった管を形成することで、工程チャンバ10と真空ポンプ20を連結させる。
【0098】
上述した構造のプラズマ反応器350は、半導体/薄膜ディスプレイ/太陽電池などの製造ラインに予め設定された工程チャンバ10と真空ポンプ20の間の真空パイプラインに容易に設置されるようになる。
【0099】
駆動電極50は、誘電体30の中央に円筒(またはリング)形状に配置されるため、汚染物質の流れ方向に沿って駆動電極50の全体範囲で均一な電圧が印加されるようになる。したがって、プラズマ生成空間の内部でプラズマが均一に生成されるようになる。
【0100】
駆動電極50は、誘電体30よりも小さい長さに形成され、プラズマ反応器350の長さ方向に沿って第1接地電極71および第2接地電極72と距離をおいて位置する。すなわち、駆動電極50は、第1および第2接地電極71、72に対し、それぞれ第1距離(L1)および第2距離(L2)を置いて位置してもよい。
【0101】
第1距離(L1)は駆動電極50の前端と第1接地電極71の間に設定され、第2距離(L2)は駆動電極50の後端と第2接地電極72の間に設定される。また、第1距離(L1)は、第2距離(L2)よりも長く設定される。すなわち、駆動電極50は、第2接地電極72側に偏って配置される。
【0102】
駆動電極50は交流電源部60と連結し、数kHz〜数百kHz(例えば、1kHz〜999kHz)周波数の高電圧が印加される。一例として、図4に示す波形の駆動電圧が印加されてもよい。
【0103】
再び図13と図14を参照すれば、駆動電極50が第1接地電極71よりも第2接地電極72側に偏って配置されること(L1>L2)に伴い、第1接地電極71側からより一層第2接地電極72側にさらに強いプラズマ放電が発生する。したがって、放電空間内で未処理の汚染物質は、第2接地電極72側でさらに処理されるようになる。
【0104】
図15は、本発明の第6実施形態に係るプラズマ反応器360の斜視図である。図16は、図15のXVI−XVI線を基準として切開したプラズマ反応器360の断面図である。
【0105】
図15および図16を参照すれば、第6実施形態に係るプラズマ反応器360は、誘電体30の後端に配置される第2接地電極82を第5実施形態の第2接地電極72と異なって構成し、残りの部分を同じように構成している。第5実施形態と同じ部材については同じ図面符号を付与しており、以下では第5実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0106】
第1接地電極71は、誘電体30の前端に固定され、誘電体30と同じ直径で形成される。第2接地電極82は、誘電体30の後端に固定され、誘電体30と同じ直径で形成される大径部821と、大径部821に連結して大径部821よりも小さい直径を有する小径部822とを含む。
【0107】
第1距離(L1)は駆動電極50の前端と第1接地電極71の間に設定され、第2距離(L2)は駆動電極50の後端と第2接地電極82の大径部821の間に設定される。また、第1距離(L1)は、第2距離(L2)よりも長く設定される。すなわち、駆動電極50は、第2接地電極82の大径部821側に偏って配置される。
【0108】
駆動電極50が第1接地電極71よりも第2接地電極82の大径部821側に偏って配置されること(L1>L2)に伴い、第1接地電極71側からより一層第2接地電極82の大径部821側にさらに強いプラズマ放電が発生する。したがって、放電空間内で未処理の汚染物質は、第2接地電極82の大径部821側でさらに処理されるようになる。
【0109】
また、第2接地電極82は、大径部821および小径部822を連結する側壁部823をさらに含む。側壁部823は、駆動電極50との間で対向放電と類似した効果を誘発する。
【0110】
すなわち、第2実施形態の側壁部823および駆動電極50の間の放電は、第1実施形態の可変直径部721および駆動電極50の間の放電よりも対向放電により一層接近する。したがって、第2実施形態の第2接地電極82は、第1実施形態の第2接地電極72よりも強いプラズマ放電を生成することができるため、プラズマ放電効率をより一層高めることができる。
【0111】
上述した実施形態のプラズマ反応器310,320,330,340,350,360は、共通して、誘電体と、誘電体の一端に連結する接地電極と、誘電体の外周面に固定されて交流駆動電圧が印加される駆動電極とを含む。このとき、接地電極は、プラズマ反応器の長さ方向に沿って非均一直径を有するため、放電パスを短縮させ、プラズマ放電効率を高めたり、汚染物質の除去効率の圧力依存性を低めたりする機能を行う。
【0112】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明、および添付の図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0113】
300 プラズマ反応器
10 工程チャンバ
11 シーム管
20 真空ポンプ
30 誘電体
31 第1誘電体
32 第2誘電体
41 第1接地電極
42 第2接地電極
43 第3接地電極
44 第4接地電極
45 第5接地電極
411 均一直径部
412 可変直径部
431 第1可変直径部
432 第2可変直径部
50 駆動電極
51 第1駆動電極
52 第2駆動電極
53 第3駆動電極
54 第4駆動電極
60 交流電源部
71 第1接地電極
72 第2接地電極
821 大径部
822 小径部
L1 第1距離
L2 第2距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程チャンバおよび真空ポンプの間に位置し、低圧プラズマを生成して前記工程チャンバから排出される汚染物質を除去する汚染物質除去用プラズマ反応器であって、
内部にプラズマ生成空間を形成する少なくとも1つの誘電体と、
前記誘電体の少なくとも一端に連結する接地電極と、
前記誘電体の外周面に固定され、交流電源部と連結して交流駆動電圧が印加される少なくとも1つの駆動電極と、を含み、
前記接地電極は、前記プラズマ反応器の長さ方向に沿って非均一直径を有する汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項2】
前記誘電体は、前記プラズマ反応器の中央に1つが配置され、
前記接地電極は、前記工程チャンバに向かう前記誘電体の前端に連結する第1接地電極、および、前記真空ポンプに向かう前記誘電体の後端に連結する第2接地電極を含む請求項1に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項3】
前記第1接地電極は、前記工程チャンバおよび前記誘電体を連結するシーム管で構成され、
前記第2接地電極は、前記誘電体および前記真空ポンプを連結するシーム管で構成される請求項2に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項4】
前記第1接地電極は、
前記誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部、および、前記汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大し、前記誘電体の前端に固定される可変直径部を含む請求項2に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項5】
前記第2接地電極は、
前記誘電体の後端に固定され、前記汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に縮小する可変直径部、および、
前記誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部を含む請求項2に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項6】
前記第1接地電極は、前記誘電体の前端に固定され、前記誘電体と同じ直径で形成され、
前記第2接地電極は、前記誘電体の後端に固定され、前記汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に縮小する可変直径部、および、
前記可変直径部に連結し、前記誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部を含む請求項2に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項7】
前記第1接地電極は、前記誘電体の前端に固定され、前記誘電体と同じ直径で形成され、
前記第2接地電極は、前記誘電体の後端に固定され、前記誘電体と同じ直径で形成される大径部、および、
前記大径部に連結し、前記大径部よりも小さい直径を有する小径部を含む請求項2に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項8】
前記駆動電極および前記第1接地電極の間の第1距離は、
前記駆動電極および前記第2接地電極の間の第2距離よりも大きく設定される請求項2〜7のいずれか一項に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項9】
前記駆動電極は、前記誘電体の外周面に1つがリング形状または円筒形状に配置され、
前記駆動電極は、前記プラズマ反応器の長さ方向に沿って前記第1接地電極および前記第2接地電極と距離をおいて位置する請求項2〜8のうちのいずれか一項に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項10】
前記駆動電極は、前記誘電体の外周面にリング形状または円筒形状に配置され、互いに距離をおいて位置する第1駆動電極および第2駆動電極を含み、
前記第1駆動電極と前記第2駆動電極はそれぞれ、前記プラズマ反応器の長さ方向に沿って前記第1接地電極および前記第2接地電極と距離をおいて位置する請求項2〜8のうちのいずれか一項に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項11】
前記第1駆動電極および前記第2駆動電極は、大きさが同じであって極性が反対である両極性パルス電圧が印加される請求項10に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項12】
前記誘電体は、互いに距離をおいて位置する第1誘電体および第2誘電体を含み、
前記接地電極は、前記第1誘電体および前記第2誘電体の間に位置する非均一直径の第3接地電極を含む請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項13】
前記第1誘電体および前記第2誘電体は、同じ長さおよび同じ直径を有するように形成される請求項12に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項14】
前記第3接地電極は、
前記第1誘電体の後端に固定され、前記汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に減少する第1可変直径部、および、
前記汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大し、前記第2誘電体の前端に固定される第2可変直径部を含む請求項13に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項15】
前記第1可変直径部および前記第2可変直径部は、一定の比率で直径が変わったり、階段形状の段差を有したりするように形成される請求項14に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項16】
前記接地電極は、
前記第1誘電体の前端に位置して前記工程チャンバと前記第1誘電体を連結する第4接地電極、および、
前記第2誘電体の後端に位置して前記第2誘電体と前記真空ポンプを連結する第5接地電極をさらに含む請求項13に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項17】
前記第4接地電極および前記第5接地電極は一定の直径を有する請求項16に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項18】
前記第4接地電極は、
前記第1誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部、および、
前記汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に拡大し、前記第1誘電体の前端に固定される可変直径部を含む請求項16に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項19】
前記第5接地電極は、
前記第2誘電体の後端に固定され、前記汚染物質の流れ方向に沿って直径が漸進的に縮小する可変直径部、および、
前記第2誘電体よりも小さい直径を有する均一直径部を含む請求項16に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項20】
前記駆動電極は、
前記第1誘電体の外周面にリング形状または円筒形状に配置される第3駆動電極、および、
前記第2誘電体の外周面にリング形状または円筒形状に配置される第4駆動電極を含む請求項12〜19のうちのいずれか一項に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項21】
前記第3駆動電極および前記第4駆動電極は、大きさと極性が同じである両極性パルス電圧が印加される請求項20に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。
【請求項22】
前記第3駆動電極および前記第4駆動電極は、大きさが同じであって極性が反対である両極性パルス電圧が印加される請求項20に記載の汚染物質除去用プラズマ反応器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−84561(P2013−84561A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−147025(P2012−147025)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(304059937)コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ (27)
【Fターム(参考)】