説明

波長分割多重光送受信装置および光ファイバ誤接続検出方法

【課題】10GのN倍の周波数の10N GbE光信号の送受信動作をN個の10GbE波長変換部にて実現する場合、光ファイバの誤接続が容易に検出可能な波長分割多重光送受信装置を提供する。
【解決手段】クライアント装置200からの10GのN倍例えば10倍の周波数の100GbE光信号を、100GbE<−>10GbE変換部100により10個の10GbE光信号に変換して10本の10GbE装置内光ファイバ140A〜149Aを介して10GbE波長変換部120〜129に入力する際に、10GbE光信号それぞれを、100GbE光信号を構成する2N個のPCSレーン信号それぞれに固有に割り当てたPCSレーン番号によりグループ化した2個ずつのPCSレーン信号をブロック多重した信号で構成し、10GbE光信号それぞれに割り当てた2個ずつのPCSレーン番号に1対1に対応付けた1本の10GbE装置内光ファイバを介して送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長分割多重光送受信装置および光ファイバ誤接続検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報伝送の大容量化に伴い、波長分割多重光伝送システムとしてさらなる高速化が求められており、100Gbps光伝送システムや40Gbps光伝送システムの研究開発が進められている。100Gbps光伝送システムにおいては、100GbE(100Gigabit Ethernet(登録商標))光トランシーバをインターフェースとして有する100GbE対応の波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)信号用の光トランシーバ(すなわち100GbE波長変換部)が必要となるが、誤り訂正符号処理、光電変換処理、長距離光伝送等を実現するために、実現難易度の高い光/電気部品が必要である。
【0003】
かくのごとき100GbE対応の波長分割多重信号用の光トランシーバの実現方式としては、デジタルコヒーレント受信技術が有力視されているが、従来の10Gbps波長分割多重信号用の光トランシーバにおいて使用されてきた2値の強度変調方式の受信技術と比較して、構成が複雑化しており、技術的な難易度が高く、実用化するための課題が複数存在する。
【0004】
このため、100GbE対応の波長分割多重信号光トランシーバにおける前述のような実現難易度の高い技術が実用化されるまでの間は、例えば、特許文献1の特開2010−50803号公報「光伝送システム」にも記載されているように、既に商用化が実施されている10GbE光伝送技術を使用して、100Gbpsの長距離光伝送を10GbE光伝送×10個として実現することが有効である。このように、100GbE光伝送を10GbE光伝送×10個を利用して実現する場合、例えば、既に10GbE伝送用設備(つまり10GbE波長変換部)を有している環境下においては、100GbE光信号と10GbE光信号とを双方向に変換する100GbE<−>10GbE変換部のみを新規に開発して追加することによって、100GbE長距離伝送を実現することができ、投資コストを抑えることにもなり、好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−50803号公報(第11−12頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、100GbE<−>10GbE変換部と10GbE波長変換部との間の接続用として、10本の装置内光ファイの接続が必要となり、かつ、波長分割多重光送受信装置間を相互に接続するためにも10本の装置間光ファイバ(波長分割多重光信号伝送路:WDM伝送路)が必要となり、光ファイバの接続が煩雑化し、光ファイバの誤接続を招く恐れがする。そこで、光ファイバの接続状態を監視することにより、このような誤接続を検出する仕組みが必要となる。
【0007】
(本発明の目的)
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、10GbEのN倍の周波数からなる10N GbE光信号の波長分割多重光送受信装置をN個の10GbE波長変換部(10GbE波長分割多重光信号用の光トランシーバ)を用いて実現する場合に、光ファイバの誤接続を容易に検出することが可能な波長分割多重光送受信装置および光ファイバ誤接続検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明による波長分割多重光送受信装置および光ファイバ誤接続検出方法は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0009】
(1)本発明による波長分割多重光送受信装置は、クライアント装置から送信されてくる10GbE(10 Gigabit Ethernet)光信号のN倍(N:正整数)の周波数からなる10N GbE光信号を、10N GbE<−>10GbE変換部によりN個の10GbE光信号に変換してN本の10GbE装置内光ファイバを介してN個の10GbE波長変換部に入力することによりN個の波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光信号に変換して対向装置に対してN本の装置間光ファイバを介して送信し、かつ、該対向装置からN本の前記装置間光ファイバを介して送信されてくるN個の波長分割多重光信号をN個の前記10GbE波長変換部に入力して変換したN個の10GbE光信号を、N本の前記10GbE装置内光ファイバを介して前記10N GbE<−>10GbE変換部に入力することにより10N GbE光信号に変換して前記クライアント端末に送信する波長分割多重光送受信装置であって、前記10N GbE<−>10GbE変換部とN個の前記10GbE波長変換部との間を接続するN本の前記10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送受信されるN個の前記10GbE光信号それぞれを、前記10N GbE光信号を構成する2N個のPCS(Physical Coding Sublayer)レーン信号それぞれに固有に割り当てたPCSレーン番号に基づいてグループ化した2個ずつのPCSレーン信号をブロック多重した信号によって構成し、N本の前記10GbE装置内光ファイバのうち、前記10GbE光信号それぞれに割り当てた2個ずつの前記PCSレーン番号に1対1に対応付けた前記10GbE装置内光ファイバを介して送受信することを特徴とする。
【0010】
(2)本発明による光ファイバ誤接続検出方法は、クライアント装置から送信されてくる10GbE(10 Gigabit Ethernet)光信号のN倍(N:正整数)の周波数からなる10N GbE光信号を、10N GbE<−>10GbE変換部によりN個の10GbE光信号に変換してN本の10GbE装置内光ファイバを介してN個の10GbE波長変換部に入力することによりN個の波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光信号に変換して対向装置に対してN本の装置間光ファイバを介して送信し、かつ、該対向装置からN本の前記装置間光ファイバを介して送信されてくるN個の波長分割多重光信号をN個の前記10GbE波長変換部に入力して変換したN個の10GbE光信号を、N本の前記10GbE装置内光ファイバを介して前記10N GbE<−>10GbE変換部に入力することにより10N GbE光信号に変換して前記クライアント端末に送信する波長分割多重光送受信装置における前記10GbE装置内光ファイバまたは前記装置間光ファイバの誤接続を検出する光ファイバ誤接続検出方法であって、前記10N GbE<−>10GbE変換部とN個の前記10GbE波長変換部との間を接続するN本の前記10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送受信されるN個の前記10GbE光信号それぞれを、前記10N GbE光信号を構成する2N個のPCS(Physical Coding Sublayer)レーン信号それぞれに固有に割り当てたPCSレーン番号に基づいてグループ化した2個ずつのPCSレーン信号をブロック多重した信号によって構成し、N本の前記10GbE装置内光ファイバのうち、前記10GbE光信号それぞれに割り当てた2個ずつの前記PCSレーン番号に1対1に対応付けた前記10GbE装置内光ファイバを介して送受信することにより、前記10GbE装置内光ファイバまたは前記装置間光ファイバの誤接続を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の波長分割多重光送受信装置および光ファイバ誤接続検出方法によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0012】
すなわち、N個(N:正整数)の10GbE波長変換部を用いて10N GbE波長分割多重光送受信装置を構成する場合、10N GbE光信号を構成する2N個のPCSレーン(Physical Coding Sublayer)信号それぞれに割り当てられているPCSレーン番号に基づいて2個ずつブロック多重したPCSレーン信号からなるN個の10GbE光信号を構成し、かつ、N個の10GbE光信号それぞれを送受信するN本の10GbE装置内光ファイバと、該10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送受信される10GbE光信号それぞれに割り当てたPCSレーン番号との1対1の対応付けを行うことによって、各装置内光ファイバおよび各装置間光ファイバ(WDM伝送路)を介して送受信される10GbE光信号および波長分割多重(WDM)光信号に付されているPCSレーン番号の照合処理においてPCSレーン番号の不一致が検出されるか否かに基づいて、10GbE装置内光ファイバや装置間光ファイバ(WDM伝送路)の誤接続を容易に検出することが可能であり、誤接続が検出された場合、その旨を示す警報を保守者に対して即時に発出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る波長分割多重光送受信装置の装置構成の一例を示す構成図である。
【図2】図1に示す波長分割多重光送受信装置における100GbE<−>10GbE変換部の100GbE送信側PCS処理部および100GbE受信側PCS処理部の内部構成の一例を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示す波長分割多重光送受信装置における100GbE<−>10GbE変換部と10個の10GbE波長変換部との間を接続する10本の10GbE装置内光ファイバのいずれかに誤接続があった場合の動作の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による波長分割多重光送受信装置および光ファイバ誤接続検出方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。
【0015】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、現在実用化されている10GbE(10Gigabit Ethernet)光伝送システムにおける10GbE光信号のN倍(N:正整数)の周波数からなる10N GbE光信号を対象とする波長分割多重光送受信装置を実現する場合に、10N GbE光信号をN個の10GbE光信号に変換し、変換したN個の10GbE光信号をN本の10GbE光信号送受信用の10GbE装置内光ファイバを介して、N個の実用化済みの10GbE波長変換部に送出することによって、N個の波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)信号に変換して、対向装置との間で送受信を行う仕組みを構築する際に、前記10GbE装置内光ファイバや対向装置との間を接続する装置間光ファイバ(WDM伝送路)の誤接続を容易に検出することを可能としたことを、主要な特徴としている。例えば、現在、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3baにおいて規格化が検討されている100GbE(100Gigabit Ethernet:100ギガビット・イーサネット)光信号の場合、100GbE光信号を、100GbE<−>10GbE変換部にて、既に実用化されている10GbE(10Gigabit Ethernet:10Gビット・イーサネット)相当の光信号に変換し、変換後の10個の10GbE信号を10GbE波長変換部にて波長変換する波長分割多重光送受信装置において、100GbE<−>10GbE変換部と10GbE波長変換部との間を接続する装置内光ファイバおよび対向装置との間を接続する装置間光ファイバ(WDM伝送路)の誤接続を容易に検出することを可能としたことを、主要な特徴としている。
【0016】
つまり、本発明においては、波長分割多重光送受信装置は、1個の10N GbE<−>10GbE変換部とN個の10GbE波長変換部とから構成され、1個の10N GbE<−>10GbE変換部とN個の10GbE波長変換部との間をN本の10GbE装置内光ファイバによって接続する場合において、送信側PCS(Physical Coding Sublayer)処理として、10N GbE光信号を構成する2N個のPCSレーン信号のうちの2個と、N本の10GbE装置内光ファイバのうちの1本とを、各PCSレーン信号に割り当てられているPCSレーン番号によって1対1に対応付け、対応付けた2個のPCSレーン信号からなる10GbE信号を、それぞれの10GbE装置内光ファイバに振り分ける手段を有している。また、受信側PCS処理として、N個の10GbE波長変換部からN本の10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送出されてくるN個の10GbE信号それぞれに付されているPCSレーン番号が、送信側PCS処理において10GbE装置内光ファイバそれぞれに1対1に対応付けたPCSレーン番号に該当するPCSレーン番号であるか否かを判定する手段を有することを、主要な特徴としている。
【0017】
(実施形態の構成例および動作の説明)
次に、本発明に係る波長分割多重光送受信装置の構成例およびその動作の一例について、まず、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る波長分割多重光送受信装置の装置構成の一例を示す構成図である。なお、以下の実施形態の説明においては、10N GbE光信号として、N=10の場合、つまり、100GbE光信号を送受信する100GbE波長分割多重光送受信装置の場合を例にとって説明する。
【0018】
図1に示す波長分割多重光送受信装置は、1個の100GbE<−>10GbE変換部100と10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129とを含んで構成されている。
【0019】
100GbE<−>10GbE変換部100は、前段のクライアント装置200との間で100GbE光信号を送受信する。また、100GbE<−>10GbE変換部100と10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129のそれぞれとは、10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aによって接続して、10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149それぞれを送受信する。また、10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129は、対向装置(対向する波長分割多重光送受信装置)との間で、10本の装置間光ファイバすなわちWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)伝送路それぞれを介して、10個のWDM用光信号#1 150,…,WDM用光信号#10 159を送受信している。
【0020】
また、100GbE<−>10GbE変換部100は、100GbE光信号と10個の10GbE電気信号との間の光電変換を行う100GbE光トランシーバ101、100GbE光トランシーバ101からの10個の10GbE電気信号を、20個のPCS(Physical Coding Sublayer)レーン信号への振分処理を行い、それぞれにあらかじめ割り当てられているPCSレーン番号を付した10個の10GbE信号を生成する100GbE送信側PCS処理部102、10個の10GbE光トランシーバ#1 110,…,10GbE光トランシーバ#10 119それぞれからの10GbE信号を受信してPCSレーン番号に基づいて各PCSレーン信号に対応した受信処理を施して整列した10個の10GbE電気信号を生成して100GbE光トランシーバ101に出力する100GbE受信側PCS処理部103、10個の10GbE光信号と電気信号との間のそれぞれの光電変換を行う10個の10GbE光トランシーバ#1 110,…,10GbE光トランシーバ#10 119を備えている。
【0021】
また、10GbE波長変換部#1 120は、10GbE光信号と電気信号との間の光電変換を行う10GbE光トランシーバ120a、10GbE電気信号の誤り訂正符号の符号化・復号化を行う誤り訂正符号化・復号化部(FEC CODEC)120b、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing。以下、WDMと略記する)用光信号と電気信号との間の光電変換を行う波長変換用光トランシーバ(λ1)120cを備えている。残りの9個の10GbE波長変換部#2 121,…,10GbE波長変換部#10 129についても、10GbE波長変換部#1 120と同様の回路構成を備えている。
【0022】
最初に、クライアント装置200→対向装置(対向する波長分割多重光送受信装置)方向の送信側の信号処理について説明する。クライアント装置200からの100GbE光信号130を受信した100GbE<−>10GbE変換部100においては、受信した100GbE光信号130を100GbE光トランシーバ101において10個の10GbE電気信号に変換する。しかる後、10個の変換した10GbE電気信号を、100GbE送信側PCS処理部102において、64B/66B符号をそのまま用いて66ビット毎のブロックにして20本のPCS(Physical Coding Sublayer)レーン信号に振り分けるとともに、100GbE信号を構成する20個のPCSレーン信号のスキュー差を吸収して、PCSレーン信号の整列を行い、20個のPCSレーン信号に対して、2個ずつ66Bブロック多重を行うことにより、1個ずつの10GbE電気信号を生成し、合計10個の10GbE電気信号を生成する。
【0023】
ここで、100GbE送信側PCS処理部102においては、10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aに対応する各10GbE電気信号すなわち10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149それぞれに対応する各10GbE電気信号(2個ずつのPCSレーン信号をブロック多重した信号)それぞれに対して、20個のPCSレーン番号のうちあらかじめ定めた固有のPCSレーン番号を2個ずつ割り当てることとする。例えば、PCSレーン番号'0'および'1'の2個を10GbE装置内光ファイバ#1 140Aに送信する10GbE光信号#1 140に該当する10GbE電気信号に対して割り当て、…、最後のPCSレーン番号'18'および'19'の2個を10GbE装置内光ファイバ#10 149Aに送信する10GbE光信号#10 149に該当する10GbE電気信号に対して割り当てることとする。
【0024】
100GbE送信側PCS処理部102において生成された10個の10GbE電気信号は、10個の10GbE光トランシーバ#1 110,…,10GbE光トランシーバ#10 119それぞれによって、10個の10GbE光信号すなわち10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149に変換されて、10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aそれぞれを介して、10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129それぞれに送出される。
【0025】
10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129それぞれにおいては、受け取った10個の10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149それぞれを、10個のWDM用光信号#1 150,…,WDM用光信号#10 159それぞれに波長変換して、10本の装置間光ファイバすなわちWDM伝送路を介して、対向装置に送信する処理を行う。
【0026】
すなわち、10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129のうち、例えば、10GbE波長変換部#1 120においては、受信した10GbE光信号#1 140を10GbE光トランシーバ120aにより電気信号に変換する。変換した電気信号は、誤り訂正符号化・復号化部120bにおいて誤り訂正符号の符号化が行われた後、波長変換用光トランシーバ120cによりWDM波長グリッド(λ1)に適合したWDM光信号#1 150に波長変換されて、装置間光ファイバすなわちWDM伝送路に送信される。
【0027】
残りの9個の10GbE波長変換部#2 121,…,10GbE波長変換部#10 129においても同様であり、受信した10GbE光信号#2 141,…,10GbE光信号#10 149それぞれに対応する電気信号に変換した後に、それぞれの電気信号に関する誤り訂正符号の符号化が行われた後、それぞれに該当するWDM波長グリッド(λ2,…,λ10)に適合したWDM光信号#2 151,…,WDM光信号#10 159に波長変換されて、それぞれの装置間光ファイバすなわちWDM伝送路に送信される。
【0028】
次に、対向装置(対向する波長分割多重光送受信装置)→クライアント装置200方向の受信側の信号処理について説明する。10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129それぞれにおいては、10本の装置間光ファイバすなわちWDM伝送路それぞれを介して対向装置から送信されてきた10個のWDM用光信号#1 150,…,WDM用光信号#10 159を10個の10GbE光信号に変換して、10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aそれぞれに送信する処理を行う。
【0029】
すなわち、10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129のうち、例えば、10GbE波長変換部#1 120においては、受信したWDM用光信号#1 150を波長変換用光トランシーバ120cにより電気信号に変換する。変換した電気信号は、誤り訂正符号化・復号化部120bにおいて誤り訂正符号の復号化が行われた後、10GbE光トランシーバ120aにより10GbE光信号#1 140に変換されて、10GbE装置内光ファイバ#1 140Aに送出される。
【0030】
残りの9個の10GbE波長変換部#2 121,…,10GbE波長変換部#10 129においても同様であり、受信したWDM用光信号#2 151,…,WDM用光信号#10 159それぞれに対応する電気信号に変換した後に、それぞれの電気信号に関する誤り訂正符号の復号化が行われた後、それぞれに該当する10GbE光信号#2 141,…,10GbE光信号#10 149に変換されて、それぞれの10GbE装置内光ファイバすなわち10GbE装置内光ファイバ#2 141A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aに送出される。
【0031】
10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aそれぞれからの10個の10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149を受信した100GbE<−>10GbE変換部100においては、受信した10個の10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149を、10個の10GbE光トランシーバ110,…,119それぞれにおいて電気信号に変換する。しかる後、変換した電気信号は、100GbE受信側PCS処理部103において、64B/66B符号をそのまま用いた66ビット毎のブロックとして合計20個のPCSレーン信号に振り分けられていた信号に関する受信処理を行うとともに、100GbE信号を構成するための合計20個のPCSレーン信号のスキュー差を吸収する。
【0032】
ここで、該スキュー差の吸収処理(デスキュー)を行う際に、10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149それぞれに対応する各10GbE電気信号それぞれに付されているPCSレーン番号が、100GbE送信側PCS処理部102においてあらかじめ割り当てておいた固有のPCSレーン番号に該当するPCSレーン番号であるか否かを確認する。つまり、10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aそれぞれを介して受信した10GbE光信号#1 140,…,10GbE光信号#10 149それぞれが、100GbE送信側PCS処理部102においてあらかじめ取り決めていた10GbE装置内光ファイバを介して送信されてきたものか否かを確認する。
【0033】
前述したように、100GbE送信側PCS処理部102においては、例えば、PCSレーン番号'0'および'1'の2個は、10GbE装置内光ファイバ#1 140Aに送信する10GbE光信号#1 140に対応する10GbE電気信号に割り当てられており、…、最後のPCSレーン番号'18'および'19'の2個は、10GbE装置内光ファイバ#10 149Aに送信する10GbE光信号#10 149に10GbE電気信号に割り当てられている。
【0034】
したがって、100GbE受信側PCS処理部103においては、例えば、PCSレーン番号'0'および'1'の2個を100GbE送信側PCS処理部102においてあらかじめ割り当てていた10GbE装置内光ファイバ#1 140Aを介して受信した10GbE光信号#1 140に対応する10GbE電気信号について、PCSレーン番号'0'および'1'の2個が付されていた場合には、正常な装置間光ファイバ(WDM伝送路)および10GbE装置内光ファイバを経由して受信した10GbE光信号#1 140に該当する10GbE電気信号であるものと判定する。一方、'0'および'1'とは異なるPCSレーン番号が付されていた場合には、誤った装置間光ファイバ(WDM伝送路)または10GbE装置内光ファイバを経由して受信している場合であって、装置間光ファイバ(WDM伝送路)または10GbE装置内光ファイバの接続が誤っているものと判定し、光ファイバ誤接続の旨を示す警報を発出する。
【0035】
かくのごときPCSレーン番号の一致チェックに基づく装置間光ファイバ(WDM伝送路)および10GbE装置内光ファイバの接続正常性確認を行った後、各PCSレーンのスキュー差の吸収(デスキュー)を行って、PCSレーン信号の整列を行い、10個の10GbE電気信号を生成する。生成した10個の10GbE電気信号は、100GbE光トランシーバ101により100GbE光信号130に変換されて、クライアント装置200に送信される。
【0036】
次に、100GbE<−>10GbE変換部100の100GbE送信側PCS処理部102および100GbE受信側PCS処理部103の内部構成について、その一例を、図2を用いて説明する。図2は、図1に示す波長分割多重光送受信装置における100GbE<−>10GbE変換部100の100GbE送信側PCS処理部102および100GbE受信側PCS処理部103の内部構成の一例を示すブロック構成図であり、図2の上側は100GbE送信側PCS処理部102のブロック構成例を示し、図2の下側は100GbE受信側PCS処理部103のブロック構成例を示している。
【0037】
図2において、100GbE送信側PCS処理部102は、1:2SP変換部201、66Bブロック同期部202、アラインメント・マーカ検出部203、スキュー調整部204、PCSレーン整列部205、PCSレーン振り分け部206、2:1PS変換部207を少なくとも備えて構成され、100GbE受信側PCS処理部103は、1:2SP変換部211、66Bブロック同期部212、アラインメント・マーカ検出部213、PCSレーン番号一致検出部214、スキュー調整部215、PCSレーン整列部216、2:1PS変換部217を少なくとも備えて構成されている。
【0038】
まず、100GbE送信側PCS処理部102の内部構成例について説明する。100GbE信号は、100GbE光トランシーバ101から10.3125Gbps電気信号×10個として入力され、1:2SP変換部201において、5.15625Gbps信号×20個に変換される。このとき、20個の5.15625Gbps信号は、それぞれ、1個ずつのPCSレーン信号となり、合計20個のPCSレーン信号が形成されることになる。
【0039】
20個のPCSレーン信号のそれぞれは、66Bブロック同期部202において、64B/66B符号の先頭位置(つまり64B/66B符号のSync Header位置)の検出が行われる。20個のPCSレーン信号のそれぞれの64B/66B符号の先頭位置が検出されると、アラインメント・マーカ検出部203において、20個のPCSレーン信号のPCSレーン番号およびPCSレーン間の位相をそれぞれ比較することにより、各PCSレーン信号間のスキュー差を検出する。
【0040】
各PCSレーン信号間のスキュー差を検出すると、スキュー調整部204において、20個のPCSレーン信号それぞれのスキュー差に応じた遅延を各PCSレーン信号に対して挿入することにより、20個のPCSレーン信号間のスキュー差をゼロにして、スキュー差を解消する。
【0041】
20個のPCSレーン信号間のスキュー差をゼロとした後、PCSレーン整列部205において、20個のPCSレーン信号を、PCSレーン番号の順番に整列することにより、論理的に、100GbE信号のシリアル化を行う。
【0042】
論理的なシリアル化を行った20個のPCSレーン信号について、シリアル化したPCSレーン番号順に2個ずつ纏めて、PCSレーン振り分け部206において、64B/66B符号単位の多重化を行う。このとき、20個のPCSレーン番号が10個の10.3125Gbps信号と1:1の対応となるように、例えば、PCSレーン番号の'0'と'1'とは、10.3125Gbps信号の第1番目とし、PCSレーン番号の最後の'18'と'19'とは、10.3125Gbps信号の第10番目とする等のルールをあらかじめ設けている。多重化した信号は、2:1SP変換部207において、それぞれ、10.3125Gbps信号とされ、第1番目から第10番目までの合計10個の10.3125Gbps信号として生成された後、後段の10個の10GbE光トランシーバ#1 110,…,10GbE光トランシーバ#10 119それぞれに出力される。
【0043】
次に、100GbE受信側PCS処理部103の内部構成例について説明する。10個の10GbE光トランシーバ#1 110,…,10GbE光トランシーバ#10 119それぞれから送信されてきた10個の10.3125Gbps電気信号は、1:2SP変換部211において、5.15625Gbps信号×20個に変換される。このとき、20個の5.15625Gbps信号は、それぞれ、1個ずつのPCSレーン信号となり、合計20個のPCSレーン信号が形成されることになる。
【0044】
20個のPCSレーン信号のそれぞれは、66Bブロック同期部212において、64B/66B符号の先頭位置(つまり64B/66B符号のSync Header位置)の検出が行われる。20個のPCSレーン信号のそれぞれの64B/66B符号の先頭位置が検出されると、アラインメント・マーカ検出部213において、20個のPCSレーン信号のPCSレーン番号およびPCSレーン間の位相をそれぞれ比較することにより、各PCSレーン信号間のスキュー差を検出する。
【0045】
さらに、各PCSレーン信号間のスキュー差を検出するとともに、検出したPCSレーン番号を基にして、PCSレーン番号一致検出部214において、100GbE送信側PCS処理部102のPCSレーン振り分け部206において1対1に対応付けて割り当てた10.3125Gbps信号から得られるはずのPCSレーン番号であるか否かをチェックする。チェック結果が不一致となった場合、例えば、第1番目の10.3125Gbps信号から得られるはずのPCSレーン番号が、'0'および'1'ではなく、'18'および'19'であった場合には、不一致の旨を示す警報を発出し、すなわち、10GbE装置内光ファイバまたは装置間光ファイバ(WDM伝送路)の接続が誤っているものと判定し、10GbE装置内光ファイバまたは装置間光ファイバ(WDM伝送路)の光ファイバ誤接続の旨を示す警報を発出し、保守者へ通知する。
【0046】
20個のPCSレーン信号それぞれに該当する10個の10.3125Gbps信号に関するPCSレーン番号の一致判定を行った後、スキュー調整部215において、20個のPCSレーン信号それぞれのスキュー差に応じた遅延を各PCSレーン信号に対して挿入することにより、20個のPCSレーン信号間のスキュー差をゼロにして、スキュー差を解消する。
【0047】
20個のPCSレーン信号間のスキュー差をゼロとした後、PCSレーン整列部216において、20個のPCSレーン信号を、PCSレーン番号の順番に整列することにより、論理的に、100GbE信号のシリアル化を行う。
【0048】
しかる後、論理的なシリアル化を行った20個のPCSレーン信号について、2:1SP変換部217において、シリアル化したPCSレーン番号順に2個ずつ纏めて、10.3125Gbps信号それぞれに変換することにより、合計10個の10.3125Gbps信号に変換されて、後段の100GbE光トランシーバ101に出力される。
【0049】
以上のように、PCSレーン信号の信号処理レベルにおいて、100GbE信号を構成する20個のPCSレーン信号のPCSレーン番号と、10GbE装置内光ファイバおよび装置間光ファイバ(WDM伝送路)との対応付けを行うことによって、10GbE装置内光ファイバおよび装置間光ファイバ(WDM伝送路)の接続の正常性を容易に確認することを可能にし、10GbE装置内光ファイバまたは装置間光ファイバ(WDM伝送路)の誤接続が検出された場合に、その旨の警報を保守者に対して発出するようにしている。
【0050】
つまり、100GbE送信側PCS処理部102のPCSレーン振り分け部206においては、100GbE信号を構成する20個のPCSレーン信号のうちの2個のPCSレーン信号と、10本の10GbE装置内光ファイバ(すなわち、100GbE<−>10GbE変換部100と10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129それぞれとの間を接続する10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149A)のうちの1本の10GbE装置内光ファイバとを、それぞれ、PCSレーン番号によって、1対1に対応付けて、20個のPCSレーン信号を、2個ずつ、10本の10GbE装置内光ファイバそれぞれに振り分けるようにしている。
【0051】
一方、100GbE受信側PCS処理部103のPCSレーン番号一致検出部214においては、10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129から10本の10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して受信した10個の10GbE信号のそれぞれのPCSレーン番号が、100GbE送信側PCS処理部102のPCSレーン振り分け部206において振り分けたPCSレーン番号に該当するPCSレーン番号を付しているか否かを判定する。受信した10GbE信号それぞれに付されているPCSレーン番号が、PCSレーン振り分け部206において振り分けたPCSレーン番号と一致している場合は、該当する10GbE装置内光ファイバおよび装置間光ファイバは正常な接続状態にあり、不一致の場合は、該当する10GbE装置内光ファイバまたは装置間光ファイバが誤接続されているものとして警報を保守者に対して発出する。
【0052】
次に、10本の10GbE装置内光ファイバのいずれかについて、誤接続がなされていた場合の動作について、図3を用いてさらに接続する。図3は、図1に示す波長分割多重光送受信装置における100GbE<−>10GbE変換部100と10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129との間を接続する10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aのいずれかに誤接続があった場合の動作の一例を説明するための説明図である。図3においては、10本の10GbE装置内光ファイバのうち、100GbE<−>10GbE変換部100から第1番目の10GbE波長変換部#1 120への10GbE装置内光ファイバ#1 140Aの送信用光ファイバと100GbE<−>10GbE変換部100から第10番目の10GbE波長変換部#10 129への10GbE装置内光ファイバ#10 149Aの送信用光ファイバとが入れ替わった状態で誤接続されている場合を例にとって示している。
【0053】
なお、図3の説明図においては、当該波長分割多重光送受信装置と対向装置側(相手側)の波長分割多重光送受信装置との間を接続する装置間光ファイバ(WDM伝送路)および対向装置側(相手側)の波長分割多重光送受信装置内の10GbE装置内光ファイバは、いずれも正常な状態で接続されているものとする。また、10.3125Gbps信号とPCSレーン番号との対応は、第1番目の10.3125Gbps信号に対しては、PCSレーン番号として'0'と'1'とを割り当て、以下、順次、第2番目、第3番目、…のPCSレーン番号を割り当てていき、最後の第10番目の10.3125Gbps信号に対しては、PCSレーン番号として'18'と'19'とを割り当てているものとする。
【0054】
図3に示すような10GbE装置内光ファイバの誤接続があった場合には、当該波長分割多重光送受信装置からのWDM用光信号#1 150,…,WDM用光信号#10 159が送信されてくる対向装置側の波長分割多重光送受信装置側の100GbE受信側PCS処理部103においては、第1番目の10.3125Gbps信号からはPCSレーン番号として'18'と'19'とが検出され、また、第10番目の10.3125Gbps信号からはPCSレーン番号として'0'と'1'とが検出されることとなる。したがって、100GbE受信側PCS処理部103のPCSレーン番号一致検出部214におけるPCSレーン番号の一致判定結果として、不一致となり、PCSレーン番号の不一致警報、つまり、第1番目の装置内光ファイバ#1 140Aおよび第10番目の装置内光ファイバ#10 149Aの誤接続が検出された旨の警報が発出されることになる。
【0055】
かくのごとく、図1、図2に示す波長分割多重光送受信装置においては、100GbE<−>10GbE変換部100と10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129とから構成され、両者の間を10本の10GbE装置内光ファイバ#1 140A,…,10GbE装置内光ファイバ#10 149Aによってそれぞれ接続されている装置構成であって、100GbE送信側PCS処理部102の送信側PCS処理として、100GbE信号を構成する20個のPCSレーン信号のうちの2個と10本の10GbE装置内光ファイバのうちの1本とを、PCSレーン番号に基づいて、1対1に対応付けて振り分け、100GbE受信側PCS処理部103の受信側PCS処理として、10個の10GbE波長変換部#1 120,…,10GbE波長変換部#10 129それぞれから10本の10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して受信した10個の10GbE信号それぞれに付されているPCSレーン番号が、100GbE送信側PCS処理部102の送信側PCS処理において振り分けたはずのPCSレーン番号であるか否かを判定することによって、10本の10GbE装置内光ファイバおよび装置間光ファイバ(WDM伝送路)の接続の正常性を容易に検出することを可能にしている。
【0056】
なお、図1ないし図3に示す波長分割多重光送受信装置においては、100GbE光信号の送受信を行う場合を示したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、例えば、IEEEにおいて標準化されようとしている40GbE用の波長分割多重光送受信装置についても、PCSレーンの本数を10本から4本に変更する以外は、図1ないし図3の場合と全く同様の構成を採用することによって、10GbE装置内光ファイバおよび装置間光ファイバ(WDM伝送路)の誤接続を容易に検出することが可能であることは言うまでもない。
【0057】
(本実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。すなわち、N個(N:正整数)の10GbE波長変換部を用いて10N GbE波長分割多重光送受信装置を構成する場合、10N GbE光信号を構成する2N個のPCSレーン(Physical Coding Sublayer)信号それぞれに割り当てられているPCSレーン番号に基づいて2個ずつブロック多重したPCSレーン信号からなるN個の10GbE光信号を構成し、かつ、N個の10GbE光信号それぞれを送受信するN本の10GbE装置内光ファイバと、該10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送受信される10GbE光信号それぞれに割り当てたPCSレーン番号との1対1の対応付けを行うことによって、各装置内光ファイバおよび各装置間光ファイバ(WDM伝送路)を介して送受信される10GbE光信号および波長分割多重(WDM)光信号に付されているPCSレーン番号の照合処理においてPCSレーン番号の不一致が検出されるか否かに基づいて、10GbE装置内光ファイバや装置間光ファイバ(WDM伝送路)の誤接続を容易に検出することが可能であり、誤接続が検出された場合、その旨を示す警報を保守者に対して即時に発出することができる。
【0058】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0059】
100 100GbE<−>10GbE変換部
101 100GbE光トランシーバ
102 100GbE送信側PCS処理部
103 100GbE受信側PCS処理部
110 10GbE光トランシーバ#1
111 10GbE光トランシーバ#2
119 10GbE光トランシーバ#10
120 10GbE波長変換部#1
120a 10GbE光トランシーバ
120b 誤り訂正符号化・復号化部(FEC CODEC)
120c 波長変換用光トランシーバ(λ1)
121 10GbE波長変換部#2
129 10GbE波長変換部#10
130 100GbE光信号
140A 10GbE装置内光ファイバ#1
141A 10GbE装置内光ファイバ#2
149A 10GbE装置内光ファイバ#10
140 10GbE光信号#1
141 10GbE光信号#2
149 10GbE光信号#10
150 WDM用光信号#1
151 WDM用光信号#2
159 WDM用光信号#10
200 クライアント装置
201 1:2SP変換部
202 66Bブロック同期部
203 アラインメント・マーカ検出部
204 スキュー調整部
205 PCSレーン整列部
206 PCSレーン振り分け部
207 2:1PS変換部
211 1:2SP変換部
212 66Bブロック同期部
213 アラインメント・マーカ検出部
214 PCSレーン番号一致検出部
215 スキュー調整部
216 PCSレーン整列部
217 2:1PS変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置から送信されてくる10GbE(10 Gigabit Ethernet)光信号のN倍(N:正整数)の周波数からなる10N GbE光信号を、10N GbE<−>10GbE変換部によりN個の10GbE光信号に変換してN本の10GbE装置内光ファイバを介してN個の10GbE波長変換部に入力することによりN個の波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光信号に変換して対向装置に対してN本の装置間光ファイバを介して送信し、かつ、該対向装置からN本の前記装置間光ファイバを介して送信されてくるN個の波長分割多重光信号をN個の前記10GbE波長変換部に入力して変換したN個の10GbE光信号を、N本の前記10GbE装置内光ファイバを介して前記10N GbE<−>10GbE変換部に入力することにより10N GbE光信号に変換して前記クライアント端末に送信する波長分割多重光送受信装置であって、前記10N GbE<−>10GbE変換部とN個の前記10GbE波長変換部との間を接続するN本の前記10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送受信されるN個の前記10GbE光信号それぞれを、前記10N GbE光信号を構成する2N個のPCS(Physical Coding Sublayer)レーン信号それぞれに固有に割り当てたPCSレーン番号に基づいてグループ化した2個ずつのPCSレーン信号をブロック多重した信号によって構成し、N本の前記10GbE装置内光ファイバのうち、前記10GbE光信号それぞれに割り当てた2個ずつの前記PCSレーン番号に1対1に対応付けた前記10GbE装置内光ファイバを介して送受信することを特徴とする波長分割多重光送受信装置。
【請求項2】
前記10N GbE<−>10GbE変換部における送信側PCS処理として、それぞれが2個の前記PCSレーン信号からなるN個の前記10GbE光信号それぞれに対して、2個の前記PCSレーン信号それぞれに固有に割り当てられている前記PCSレーン番号を付して、N本の前記10GbE装置内光ファイバのうち、2個の前記PCSレーン番号に1対1に対応付けられた1本の前記10GbE装置内光ファイバを介して前記10GbE光信号をそれぞれ送出することにより、N個の前記10GbE波長変換部それぞれによりN個の前記波長分割多重光信号に変換してN本の前記装置間光ファイバを介して前記対向装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の波長分割多重光送受信装置。
【請求項3】
前記10N GbE<−>10GbE変換部における受信側PCS処理として、前記対向装置からN本の前記装置間光ファイバを介して受信したN個の前記波長分割多重光信号を変換してN本の前記10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送信されてくるN個の前記10GbE光信号それぞれに付されている前記PCSレーン番号と、前記送信側PCS処理としてN本の前記装置間光ファイバそれぞれと1対1に対応付けてN個の前記10GbE光信号それぞれに対して割り当てられている前記PCSレーン番号とを照合して、一致していない場合、前記10GbE装置内光ファイバまたは前記装置間光ファイバに誤接続がある旨の警報を保守者に対して発出することを特徴とする請求項2に記載の波長分割多重光送受信装置。
【請求項4】
前記10N GbE光信号が、100GbE光信号または40GbE光信号であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の波長分割多重光送受信装置。
【請求項5】
クライアント装置から送信されてくる10GbE(10 Gigabit Ethernet)光信号のN倍(N:正整数)の周波数からなる10N GbE光信号を、10N GbE<−>10GbE変換部によりN個の10GbE光信号に変換してN本の10GbE装置内光ファイバを介してN個の10GbE波長変換部に入力することによりN個の波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光信号に変換して対向装置に対してN本の装置間光ファイバを介して送信し、かつ、該対向装置からN本の前記装置間光ファイバを介して送信されてくるN個の波長分割多重光信号をN個の前記10GbE波長変換部に入力して変換したN個の10GbE光信号を、N本の前記10GbE装置内光ファイバを介して前記10N GbE<−>10GbE変換部に入力することにより10N GbE光信号に変換して前記クライアント端末に送信する波長分割多重光送受信装置における前記10GbE装置内光ファイバまたは前記装置間光ファイバの誤接続を検出する光ファイバ誤接続検出方法であって、前記10N GbE<−>10GbE変換部とN個の前記10GbE波長変換部との間を接続するN本の前記10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送受信されるN個の前記10GbE光信号それぞれを、前記10N GbE光信号を構成する2N個のPCS(Physical Coding Sublayer)レーン信号それぞれに固有に割り当てたPCSレーン番号に基づいてグループ化した2個ずつのPCSレーン信号をブロック多重した信号によって構成し、N本の前記10GbE装置内光ファイバのうち、前記10GbE光信号それぞれに割り当てた2個ずつの前記PCSレーン番号に1対1に対応付けた前記10GbE装置内光ファイバを介して送受信することにより、前記10GbE装置内光ファイバまたは前記装置間光ファイバの誤接続を検出することを特徴とする光ファイバ誤接続検出方法。
【請求項6】
前記10N GbE<−>10GbE変換部における送信側PCS処理として、それぞれが2個の前記PCSレーン信号からなるN個の前記10GbE光信号それぞれに対して、2個の前記PCSレーン信号それぞれに固有に割り当てられている前記PCSレーン番号を付して、N本の前記10GbE装置内光ファイバのうち、2個の前記PCSレーン番号に1対1に対応付けられた1本の前記10GbE装置内光ファイバを介して前記10GbE光信号をそれぞれ送出することにより、N個の前記10GbE波長変換部それぞれによりN個の前記波長分割多重光信号に変換してN本の前記装置間光ファイバを介して前記対向装置へ送信することを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ誤接続検出方法。
【請求項7】
前記10N GbE<−>10GbE変換部における受信側PCS処理として、前記対向装置からN本の前記装置間光ファイバを介して受信したN個の前記波長分割多重光信号を変換してN本の前記10GbE装置内光ファイバそれぞれを介して送信されてくるN個の前記10GbE光信号それぞれに付されている前記PCSレーン番号と、前記送信側PCS処理としてN本の前記装置間光ファイバそれぞれと1対1に対応付けてN個の前記10GbE光信号それぞれに対して割り当てられている前記PCSレーン番号とを照合して、一致していない場合、前記10GbE装置内光ファイバまたは前記装置間光ファイバに誤接続がある旨の警報を保守者に対して発出することを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ誤接続検出方法。
【請求項8】
前記10N GbE光信号が、100GbE光信号または40GbE光信号であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の光ファイバ誤接続検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−23586(P2012−23586A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160279(P2010−160279)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】